JP6808469B2 - トルクセンサ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、例えばロボットアームの関節に設けられるトルクセンサに関する。
この種のトルクセンサは、トルクが印加される第1の構造体と、トルクが出力される第2の構造体と、第1の構造体と第2の構造体とを連結する複数の起歪部を有し、これら起歪部に歪センサが配置されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
特開2013−096735号公報 特開2015−049209号公報 特許第5640905号公報
トルクセンサにおいて、歪センサの感度や許容トルク(最大トルク)、あるいはトルクセンサの機械的な強度を独立に設定することが困難であった。
本発明の実施形態は、歪センサの感度や許容トルク、あるいはトルクセンサ機械的な強度を独立に設定することが可能なトルクセンサを提供する。
本実施形態のトルクセンサは、第1機構に連結される第1領域と、第2機構に連結される第2領域と、前記第1領域と前記第2領域を連結する複数の第3領域とを具備し、計測すべきトルクが前記第3領域を介して前記第1機構と前記第2機構との間に伝達されるトルクセンサであって、第1端部、第2端部、及び前記第1端部と前記第2端部の間の第1中間部を有し、前記第1端部が前記第1領域に設けられ、前記第1中間部が前記第2領域に設けられた第1起歪部と、第3端部、第4端部、及び前記第3端部と前記第4端部の間の第2中間部を有し、前記第3端部が前記第1領域に設けられ、第2中間部が前記第2領域に設けられ、前記第4端部が前記第1起歪部の前記第2端部と所定間隔離間して対向された第2起歪部と、前記第1起歪部の前記第2端部と前記第2起歪部の前記第4端部を連結し、抵抗体が設けられた起歪体と、を具備する。
第1の実施形態に係るトルクセンサを示す平面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 抵抗体の一例を示す断面図。 第1の実施形態のトルクセンサに適用されるブリッジ回路の一例を示す図。 第1の実施形態のトルクセンサの動作を説明するために示す図。 図6(a)(b)は、ブリッジ回路の動作を説明するために示す図。 ブリッジ回路の異なる動作条件における出力電圧を説明するために示す図。 第2の実施形態に係るトルクセンサを示す平面図。 図8の側面図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一符号を付している。
(第1の実施形態)
図1、図2において、トルクセンサ10は、第1構造体(第1領域)11、第2構造体(第2領域)12、複数の梁部(第3領域)13、第1起歪部14、第2起歪部15を具備している。
トルクが印加される第1構造体11と、トルクを出力する第2構造体12は、ほぼ環状に形成されている。
第1構造体11は、第1の幅W1を有する円弧状の第1の部分11a及び第2の部分11bと、第1の幅W1より狭い第2の幅W2を有する円弧状の第3の部分11c及び第4の部分11dを具備している。第1構造体11の第3の部分11c及び第4の部分11dは、第1構造体11の第1の部分11aと第2の部分11bの間に配置されている。
第2構造体12は、円弧状の第5の部分12a及び第6の部分12bと、円弧状の第7の部分12c及び第8の部分12dを具備している。第2構造体12の第7の部分12c及び第8の部分12dは、第2構造体12の第5の部分12aと第6の部分12bの間に配置されている。第2構造体12の第5の部分12a及び第6の部分12bは、例えば第1構造体11と同様の第1の幅W1を有し、第7の部分12c及び第8の部分12dは、第1の幅W1より狭い第2の幅W2を有している。第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12b、第7の部分12c及び第8の部分12dの幅は、これに限定されるものではなく、変形可能である。
第2構造体12は、第1構造体11と同心状に配置され、第1構造体11の第1の部分11aと第2構造体12の第5の部分12a、及び第1構造体11の第2の部分11bと第2構造体12の第6の部分12bは、放射状に配置された複数の梁部13により連結されている。
梁部13の幅W3は、例えば第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bの幅W1より狭く、第1構造体11の第3の部分11c、第4の部分11d、及び第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの幅W2より広く設定されている。梁部13の幅W3は、これに限定されるものではなく、変形可能である。
また、梁部13のうち、第1構造体11の第3の部分11c、第4の部分11d、及び第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dに隣接する部分の幅W3aは、第3の部分11c、第4の部分11d、及び第7の部分12c、第8の部分12dの幅W2と同等に設定されている。
梁部13の強度は、梁部13と第1構造体11及び第2構造体12の厚さが等しいと仮定した場合、梁部13の幅により規定される。複数の梁部13の強度により、第1構造体11に印加されたトルクに応じて、第2構造体12に対する第1構造体11の実質的な回転角が決定される。
第1構造体11の第3の部分11cと第2構造体12の第7の部分12cは、第1起歪部14により連結されている。第1起歪部14は、第1端部14a、第2端部14b、及び第1端部14aと第2端部14bとの間の中間部14cを有し、第1端部14aが第1構造体11の第3の部分11cに連結され、中間部14cが第2構造体12の第7の部分12cに連結されている。第1起歪部14の第2端部14bは、第2構造体12のほぼ中央部に延出されている。
第1構造体11の第4の部分11dと第2構造体12の第8の部分12dは、第2起歪部15により連結されている。第2起歪部15は、第1端部15a、第2端部15b、及び第1端部15aと第2端部15bとの間の中間部15cを有し、第1端部15aが第1構造体11の第4の部分11dに連結され、中間部15cが第2構造体12の第8の部分12dに連結されている。第2起歪部15の第2端部15bは、第2構造体12のほぼ中央部に延出され、第1起歪部14の第2端部14bと所定間隔離間して対向されている。
第1起歪部14と第2起歪部15は、第4の幅W4を有している。第4の幅W4は、例えば第1の幅W1以上に設定されている。しかし、これに限定されるものではなく、第1の幅W1以下で、第2の幅W2以上であってもよい。
第1構造体11、第2構造体12、複数の梁部13、第1起歪部14、第2起歪部15は、例えば金属により構成されるが、印加されるトルクに対して機械的な強度を十分に得ることができれば、金属以外の材料を使用することも可能である。
また、第1構造体11の第3の部分11c、第4の部分11d、第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12d、第1起歪部14、及び第2起歪部15は、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bと別体に形成し、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bに取着してもよい。
図2に示すように、第1起歪部14において、第1端部14aと中間部14cとの間の長さL1は、中間部14cと第2端部14bとの間の長さL2より短く設定されている。第2起歪部15において、第1端部15aと中間部15cとの間の長さL1は、中間部15cと第2端部15bとの間の長さL2より短く設定されている。
第1起歪部14の第2端部14bと第2起歪部15の第2端部15bは、起歪体16により連結されている。後述するように、起歪体16の表面には、ブリッジ回路を構成する抵抗体としての複数の歪センサ(以下、歪ゲージと称す)が設けられている。
上記のように、第1の実施形態に係るトルクセンサ10は、第1起歪部14と第2起歪部15が第1構造体11と第2構造体12の中心(トルクの作用中心)に対して対称の位置に配置され、第1起歪部14と第2起歪部15を接続する起歪体16は、第1構造体11と第2構造体12の中心部に配置されている。
第1起歪部14と第2起歪部15は、起歪体16に歪を伝達する例えばレバーとして機能する。すなわち、第1起歪部14の中間部14c及び第2起歪部15の中間部15cは、支点として作用し、第1起歪部14の第1端部14a及び第2起歪部15の第1端部15aは、力点として作用し、第1起歪部14の第2端部14b及び第2起歪部15の第2端部15bは、作用点として作用する。このため、第1起歪部14と第2起歪部15は、第1構造体11に印加されたトルクを増幅して起歪体16に伝達することができる。すなわち、第1起歪部14、第2起歪部15は、第2構造体12に対する第1構造体11の回転角に応じて発生した歪を増幅して起歪体16に伝達する。
尚、第1構造体11、第2構造体12、複数の梁部13の幅を全て同一とし、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bの厚さを、第1構造体11の第3部分11c、第4部分11d、及び第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの厚さより厚くしてもよい。
第1構造体11の第3部分11c、第4部分11dの厚さと第1起歪部14の厚さは等しく、第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの厚さと第2起歪部15の厚さは等しく設定しているが、これに限定されるものではない。例えば第1構造体11の第3部分11c、第4部分11dの幅と第1起歪部14の幅を等しく、第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの幅と第2起歪部15の幅を等しく設定し、第1構造体11の第3部分11c、第4部分11dの厚さを第1起歪部14の厚さより薄くし、第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの厚さを第2起歪部15の厚さより薄く設定してもよい。
すなわち、第1構造体11の第3部分11c、第4部分11d、及び第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dの剛性が、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12b、第1起歪部14、及び第2起歪部15の剛性より低ければよい。
図3は、起歪体16に設けられた歪ゲージ21の一例を示すものであり、歪ゲージ21の端部の断面を示している。歪ゲージ21は、例えば絶縁膜21a、薄膜抵抗体(感歪膜)21b、接着膜21c、配線21d、接着膜21e、保護膜としてのガラス膜21fを具備している。例えば金属製の起歪体16上に絶縁膜21aが設けられ、絶縁膜21a上に例えばCr−N抵抗体により構成された薄膜抵抗体21bが設けられる。直線状又は複数に屈曲された形状などが可能である。薄膜抵抗体21b上の端部に接着膜21cを介在して、例えば銅(Cu)により構成された電極リードとしての配線21dが設けられる。配線21d上には接着膜21eが設けられる。絶縁膜21a、薄膜抵抗体21b、及び接着膜21eは、ガラス膜21fにより覆われる。接着膜21cは、配線21dと薄膜抵抗体21bとの密着性を高め、接着膜21eは、配線21dとガラス膜21fとの密着性を高めている。接着膜21c、21eは、例えばクロム(Cr)を含む膜である。歪ゲージ21の構成は、これに限定されるものではない。
図4に示すように、起歪体16は、4個の歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4を具備し、4個の歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4によりブリッジ回路30が構成される。
起歪体16の中心(重心)は、第1構造体11及び第2構造体12の中心に配置され、歪ゲージ21−1、21−2と、歪ゲージ21−3、21−4は、第1構造体11及び第2構造体12の中心に対して対称の位置に配置される。
ブリッジ回路30において、歪ゲージ21−1と歪ゲージ21−3は直列接続され、歪ゲージ21−2と歪ゲージ21−4は直列接続される。直列接続された歪ゲージ21−1、21−3は、直列接続された歪ゲージ21−2、21−4と並列接続される。歪ゲージ21−2と歪ゲージ21−4の接続点に電源Vo、例えば5Vが供給され、歪ゲージ21−1と歪ゲージ21−3の接続点は、例えば接地される。歪ゲージ21−1と歪ゲージ21−2の接続点から出力電圧Vout+が出力され、歪ゲージ21−3と歪ゲージ21−4の接続点から出力電圧Vout-が出力される。出力電圧Vout+及び出力電圧Vout-から式(1)で示すトルクセンサ10の出力電圧Voutが得られる。
Vout=(Vout+−Vout-)
=(R1/(R1+R2)−R3(R3+R4))・Vo …(1)
ここで、
R1は、歪ゲージ21−1の抵抗値
R2は、歪ゲージ21−2の抵抗値
R3は、歪ゲージ21−3の抵抗値
R4は、歪ゲージ21−4の抵抗値
であり、トルクセンサ10にトルクが印加されていない状態において、R1=R2=R3=R4=Rである。
図5は、トルクセンサ10にトルクが印加された場合の動作を示している。トルクセンサ10は、例えば図示せぬロボットの関節に設けられる。第1構造体11は、例えば図示せぬモータに連結された減速機に取着され、第2構造体12は、関節に取着される。
第1構造体11に対して図示矢印A方向にトルクが印加された場合、第1構造体11は、第2構造体12対して矢印A方向に回動する。このため、複数の梁部13が弾性変形する。この時、第1構造体11の第3の部分11c、第4の部分11dは、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11bより幅が狭く、第2構造体12の第7の部分12c、第8の部分12dは、第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bより幅が狭いため、第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bより大きく弾性変形する。
第1構造体11の第3の部分11cと第2構造体12の第7の部分12cに連結された第1起歪部14は、第1端部14aと中間部14cとの間の部分が、中間部14cと第2端部14bとの間の部分より大きく変形し、第1構造体11の第4の部分11dと第2構造体12の第8の部分12dに連結された第2起歪部15は、第1端部15aと中間部15cとの間の部分が、中間部15cと第2端部15bとの間の部分より大きく変形する。このような動作により、第1起歪部14の第2端部14bと第2起歪部15の第2端部15bは、図示X軸に対してほぼ平行で、互いに異なる方向に移動する。
第1起歪部14の第2端部14bと第2起歪部15の第2端部15bの移動に伴い起歪体16に歪が発生し、この歪がブリッジ回路30により検出される。
図6(a)は、トルクセンサ10にトルクが印加された場合におけるブリッジ回路30の抵抗値の変化を示し、図6(b)は、トルクセンサ10に例えばX軸方向のスラスト力が印加された場合におけるブリッジ回路30の抵抗値の変化を示している。図6(a)(b)において、ΔRは、抵抗値の変化の値である。
図7は、(1)乃至(6)の異なる条件におけるトルクセンサ10の出力電圧Voutを式(1)から求めた結果を示すものである。
図7において、
(1)は、トルクセンサ10にトルク及びスラスト力のいずれもが印加されていない場合
(2)は、トルクセンサ10にトルクを印加した場合
(3)は、トルクセンサ10にスラスト力を印加した場合
(4)は、トルクセンサ10の歪ゲージ21−1、21−2に温度変化ΔTを与えた場合
(5)は、トルクセンサ10にトルクを印加し、歪ゲージ21−1、21−2に温度変化ΔTを与えた場合
(6)は、トルクセンサ10にスラスト力を印加し、歪ゲージ21−1、21−2に温度変化ΔTを与えた場合
図7において、R・(1+α・ΔT)は、抵抗の温度係数がα、温度変化ΔTの時の抵抗値を示している。
(1)(3)(4)(6)に示す条件の場合、トルクセンサ10の出力電圧Voutは、いずれも0Vである。すなわち、第1構造体11、第2構造体12にスラスト力が印加された場合、及び/又は歪ゲージ21−1、21−2に温度変化が与えられた場合、スラスト力や温度変化が相殺され、トルクセンサ10の出力電圧Voutは、いずれも0Vとなる。
また、(2)に示すトルクを印加した場合、及び(5)に示すトルクと歪ゲージ21−1、21−2に温度変化を与えた場合、トルクセンサ10の出力電圧Voutとして、−ΔR/R・Voが出力される。この出力電圧Voutは、抵抗の温度係数αや温度変化ΔTを含まない値である。したがって、上記トルクセンサ10は、スラスト力や温度変化を相殺してトルクのみを検出することが可能である。
(第1の実施形態の効果)
上記第1の実施形態によれば、第1構造体11の第1の部分11a及び第2の部分11bと、第2構造体12の第5の部分12a及び第6の部分12bは、複数の梁部13により連結されている。このため、第1構造体11の第1の部分11a及び第2の部分11bと、第2構造体12の第5の部分12a及び第6の部分12b、及び複数の梁部13の幅や厚さを適宜設定することにより、トルクセンサ10に印加される許容トルクあるいは機械的な強度を独立して設定することが可能である。
また、第1構造体11の第3の部分11cと第2構造体12の第7の部分12cは、第1起歪部14により連結され、第1構造体11の第4の部分11dと第2構造体12の第8の部分12dは、第2起歪部15により連結され、第1起歪部14と第2起歪部15は、ブリッジ回路30が設けられた起歪体16により連結されている。このため、第1構造体11の第3の部分11cと第2構造体12の第7の部分12c及び第1起歪部14と、第1構造体11の第4の部分11dと第2構造体12の第8の部分12d及び第2起歪部15と、起歪体16の幅や厚さ、長さを適宜設定することにより、歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4の感度を第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bから独立して設定することが可能である。
さらに、起歪体16は、第1起歪部14と第2起歪部15と別体に構成されている。このため、起歪体16及び歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4のサイズや形状を第1構造体11の第1の部分11a、第2の部分11b、及び第2構造体12の第5の部分12a、第6の部分12bから独立して設定することが可能である。したがって、起歪体16及び歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4の面積を微細化することが可能である。
しかも、起歪体16は、第1起歪部14と第2起歪部15と別体に構成されているため、起歪体16上に微細な歪ゲージ21−1、21−2、21−3、21−4を容易に製造することが可能である。
また、第1起歪部14と第2起歪部15は、ほぼ環状の第1構造体11及び第2構造体12の中心に対して対称に配置され、第1起歪部14と第2起歪部15を接続する起歪体16は、第1構造体11と第2構造体12の中心部に配置されている。このため、1つの起歪体16によりトルクを検出することが可能である。
さらに、1つの起歪体16にブリッジ回路30を設けることにより、スラスト力や温度変化を相殺してトルクのみを検出することが可能である。
尚、第1の実施形態において、第1構造体11の第3の部分11c及び第4の部分11dは、第1構造体11の第1の部分11a及び第2の部分11bより幅を狭くしたが、これに限らず、第1の部分11a及び第2の部分11bと同等の幅としてもよい。同様に、第2構造体12の第7の部分12c及び第8の部分12dは、第2構造体12の第5の部分12a及び第6の部分12bより幅を狭くしたが、第5の部分12a及び第6の部分12bと同等の幅としてもよい。
また、第1構造体11の第3の部分11c及び第4の部分11d、第2構造体12の第7の部分12c及び第8の部分12d、第1起歪部14及び第2起歪部15は、第1構造体11の第1の部分11a及び第2の部分11b及び第2構造体12の第5の部分12a及び第6の部分12bと別体として形成した。しかし、これに限らず、これらを一体的に形成してもよい。
(第2の実施形態)
図8、図9は、第2の実施形態に係るトルクセンサ40を示している。
第1の実施形態において、第1構造体11及び第2構造体12は、幅が異なる複数の部分を具備していた。これに対して、第2の実施形態は、第1構造体及び第2構造体12の形状が単純化されている。
図8、図9において、トルクが印加される第1構造体41とトルクが出力される第2構造体42は、環状に形成され、第2構造体42は、第1構造体41に対して同心状に配置されている。第1構造体41と第2構造体42は、放射状に配置された複数の梁部43により連結されている。第1構造体41、第2構造体42及び梁部43の幅や厚さは、ほぼ等しく設定されている。しかし、これに限定されるものではなく、第1構造体41、第2構造体42及び梁部43の幅や厚さは、許容トルクに応じて変形可能である。
第1構造体41と第2構造体42の上部には、第1起歪部44、第2起歪部45が設けられる。第1起歪部44と第2起歪部45は、第1構造体41と第2構造体42の中心に対して対称な位置に配置されている。
具体的には、第1起歪部44の第1端部44aは、第1構造体41に設けられ、第2端部44bは、第2構造体42のほぼ中央部に位置され、第2端部44bと第1端部44aとの間の中間部44cは、第2構造体42に設けられている。
第2起歪部45の第1端部45aは、第1構造体41に設けられ、第2端部45bは、第2構造体42のほぼ中央部に位置され、第2端部45bと第1端部45aとの間の中間部45cは、第2構造体42に設けられている。
第1起歪部44の第2端部44bは、第2起歪部45の第2端部45bと所定間隔離間して対向されている。
第1起歪部44の第1端部44aと中間部44cとの間の長さ、中間部44cと第2端部44bとの間の長さの関係は、第1の実施形態の第1起歪部14と同様であり、第2起歪部45の第1端部45aと中間部45cとの間の長さ、中間部45cと第2端部45bとの間の長さの関係は、第1の実施形態の第2起歪部15と同様である。
第1起歪部44と第2起歪部45は、梁部43の幅とほぼ同等の幅を有している。しかし、第1起歪部44と第2起歪部45の幅は、これに限定されるものではなく、変形可能である。
第1起歪部44の第2端部44bと第2起歪部45の第2端部45bは、起歪体46により連結される。起歪体46の上面には、第1の実施形態と同様、図4に示すブリッジ回路30が形成されている。
上記構成のトルクセンサ40において、第1構造体41は、例えば図示せぬロボットの関節に設けられたモータの減速機に連結され、第2構造体42は、図9に示すように、ロボットの関節部分51に連結される。この状態において、第1構造体41に対して図8に示す矢印A方向のトルクが印加された場合、第1構造体41は、第2構造体42対して矢印A方向に回動する。このため、複数の梁部43が弾性変形する。これとともに、第1起歪部44の第1端部44aは、中間部44cに対して矢印A方向に回動され、第2端部44bは、X軸にほぼ平行に移動される。また、第2起歪部45の第1端部45aは、中間部45cに対して矢印A方向に回動され、第2端部45bは、X軸にほぼ平行で、第1起歪部44の第2端部44bと反対方向に移動される。
第1起歪部44の第2端部44bと第2起歪部45の第2端部45bの移動に伴い起歪体46に歪が発生し、この歪がブリッジ回路30により検出される。
ブリッジ回路30の動作は、第1の実施形態と同様であり、第2の実施形態によっても、スラスト力や温度変化が相殺され、トルクのみを検出することができる。
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
しかも、第2の実施形態において、第1構造体41及び第2構造体42は、同じ幅であり、複数の梁部43の幅もそれぞれ同じである。このため、第2の実施形態の構成は、第1の実施形態に比べて簡単化されているため、製造が容易である。
尚、上記第1、第2の実施形態において、第1構造体11、41及び第2構造体12、42は同心状に配置され、第1構造体11、41と第2構造体12、42が複数の梁部13、43により連結されていた。しかし、これに限定されるものではなく、次のような構成とすることも可能である。
例えば第1構造体及び第2構造体を直線状として第1構造体と第2構造体を平行に配置し、複数の梁部により第1構造体と第2構造体を連結し、さらに、第1構造体と第2構造体の長手方向中央部に第1端部が第1構造体に連結され中間部が第2構造体に連結され、第2端部が第2構造体から延出された起歪部を設けた第1センサ部と、第1センサ部と同一構成の第2センサ部を用意する。第1センサ部の起歪部の第2端部と、第2センサ部の起歪部の第2端部との間がトルクの作用中心となり、第1センサ部と第2センサ部が互いに平行にとなるような位置に第1センサ部と第2センサ部を配置する。この状態で、第1センサ部の起歪部の第2端部と、第2センサ部の起歪部の第2端部とを抵抗体が設けられた起歪体により連結する。すなわち、起歪体の中心部がトルクの作用中心と一致するように起歪体を配置する。この構成によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10、40…トルクセンサ、11、41…第1構造体、12、42…第2構造体、13、43…梁部、14、44…第1起歪部、15、45…第2起歪部、16、46…起歪体、30…ブリッジ回路、21−1、21−2、21−3、21−4…歪ゲージ。

Claims (6)

  1. 第1機構に連結される第1領域と、第2機構に連結される第2領域と、前記第1領域と前記第2領域を連結する複数の第3領域とを具備し、計測すべきトルクが前記第3領域を介して前記第1機構と前記第2機構との間に伝達されるトルクセンサであって、
    第1端部、第2端部、及び前記第1端部と前記第2端部の間の第1中間部を有し、前記第1端部が前記第1領域に設けられ、前記第1中間部が前記第2領域に設けられた第1起歪部と、
    第3端部、第4端部、及び前記第3端部と前記第4端部の間の第2中間部を有し、前記第3端部が前記第1領域に設けられ、第2中間部が前記第2領域に設けられ、前記第4端部が前記第1起歪部の前記第2端部と所定間隔離間して対向された第2起歪部と、
    前記第1起歪部の前記第2端部と前記第2起歪部の前記第4端部を連結し、抵抗体が設けられた起歪体と、
    を具備することを特徴とするトルクセンサ。
  2. 前記第1起歪部は、前記第1中間部と前記第2端部との間の長さが、前記第1中間部と前記第1端部との間の長さより長く、前記第2起歪部は、前記第2中間部と前記第4端部との間の長さが、前記第2中間部と前記第3端部との間の長さより長いことを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
  3. 前記第1起歪部と前記第2起歪部は、前記第1領域及び前記第2領域の前記トルクの作用中心に対して対称な位置に配置され、前記起歪体は、前記第1領域及び前記第2領域の前記トルクの作用中心に配置されることを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
  4. 前記起歪体は、複数の歪ゲージを含むブリッジ回路を具備することを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
  5. 前記第1領域及び前記第2領域のうち前記第3領域に連結される部分の幅は、前記第1起歪部及び前記第2起歪部に連結される部分の幅より広いことを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
  6. 前記第1領域及び前記第2領域のうち前記第3領域に連結される部分の幅と、前記第1起歪部及び前記第2起歪部に連結される部分の幅は、等しいことを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
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