JP6808155B2 - 母型の製造方法 - Google Patents

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    • G03F7/20Exposure; Apparatus therefor

Description

本発明は、ナノインプリント用モールドの母型の製造方法に関する。
半導体集積回路のような微細な凹凸パターンを形成する方法として、リソグラフィ法以外に、ナノインプリント法が知られている。ナノインプリント法は、樹脂をモールド(型)と基板で挟み込むことで、モールドから基板上にナノメートルオーダーのパターンを転写することができる技術であり、使用材料によって、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法などが検討されている。このうち、光ナノインプリント法は、i)硬化性樹脂層の塗布、ii)硬化性樹脂層へのモールドの押圧、iii)硬化性樹脂層の光硬化及びiv)硬化性樹脂層からのモールドの剥離の四工程からなり、このような単純なプロセスでナノサイズの加工を実現できる点で優れている。特に、光照射により硬化する光硬化性樹脂を用いるためパターン転写工程にかかる時間が短く、高スループットが期待できる。このため、半導体デバイスのみならず、有機EL素子やLEDなどの光学部材、撥水、反射防止、防曇などの種々の機能を有する部材、MEMS、バイオチップなど多くの分野で実用化が期待されている。
ナノインプリントに用いるモールドの凹凸パターンを形成するための母型パターンの作製方法として、フォトリソグラフィ法、切削加工法、電子線直接描画法、粒子線ビーム加工法、操作プローブ加工法等が挙げられる。さらに、本出願の共同出願人の一方は、特許文献1においてブロック共重合体の加熱による自己組織化(ミクロ相分離)を利用する方法を、特許文献2においてブロック共重合体の溶媒雰囲気下における自己組織化を利用する方法を、特許文献3においてにポリマー膜上の蒸着膜を加熱・冷却することによりポリマー表面の皺による凹凸を形成する方法をそれぞれ開示している。
また、本出願の共同出願人の他方は、特許文献4において、エバネッセント光を用いて複雑な三次元的形状の部材を作製する方法及び装置を開示している。
WO2012/096368 WO2013/161454 WO2011/007878 特開2005−238650号
本発明の目的は、ナノインプリントに用いるモールドの凹凸パターンを形成するための母型の新規な製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、高屈折率媒質上に光硬化材料を供給して光硬化材料膜を形成することと、
前記高屈折率媒質と前記光硬化材料膜の界面における所定領域に、前記高屈折率媒質側から複数の光束を、互いに異なる入射方向で且つ臨界角以上の入射角度で照射し、それにより発生した複光束干渉エバネッセント波により前記所定領域近傍の前記光硬化材料膜を硬化させることとを含む凹凸パターンを有する母型の製造方法が提供される。
前記凹凸パターンを有する母型の製造方法は、さらに、前記光硬化材料膜の未硬化の部分を除去することを含んでよい。
前記凹凸パターンを有する母型の製造方法において、前記複数の光束が3つの光束であってよい。
前記凹凸パターンを有する母型の製造方法において、前記複光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均が、一空間周期中に互いに値の異なる極大値又は極小値を含んでよい。
前記凹凸パターンを有する母型の製造方法において、前記凹凸パターンが、一周期中に互いに高さの異なる凸部又は凹部を含んでよい。
前記凹凸パターンを有する母型の製造方法において、同心円状に配列された複数の光透過部を有するフィルタを用いて、前記複数の光束を発生させてよい。前記フィルタにより、前記複数の光束の光量、及び/又は前記複数の光束が前記所定領域へ入射する方位角を制御してもよい。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の凹凸パターンを有する母型の製造方法により製造された前記母型の前記凹凸パターン上に電鋳により金属層を積層することと、
前記金属層から前記凹凸パターンを有する母型を剥離することを含むモールドの製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第2の態様のモールドの製造方法により得られたモールドの凹凸パターンを転写することを含む凹凸パターンを有する部材の製造方法が提供される。
本発明の凹凸パターンを有する母型の製造方法では、複数の光束のエバネッセント光を干渉させて生成した複光束干渉エバネッセント波により光硬化材料膜を硬化させるため、入射させる光束(光波)の入射角度や方向等を変えることによって複雑な凹凸パターンを形成することができる。本発明の凹凸パターンを有する母型の製造方法により得られる母型は、有機EL素子や太陽電池のなどの各種デバイスに用いられる部材や撥水、反射防止、防曇などの種々の機能を有する部材等の製造にきわめて有効である。
図1は、凹凸パターンを有する母型の製造方法を示すフローチャートである。 図2は、エバネッセント光の生成原理を概念的に示す図である。 図3は、凹凸パターンを有する母型の製造装置の一実施形態を概念的に示す図である。 図4は、凹凸パターンを有する母型の製造装置の別の実施形態を概念的に示す図である。 図5は、光学基板の製造方法における、押圧工程及び剥離工程の様子の一例を示す概念図である。 図6は、母型を用いて製造された光学基板を備える発光素子の断面構造を概念的に示す図である。 図7は、実施例1〜3のシミュレーションにおける3つの光束の照射方向を概念的に示す図である。 図8(a)、(b)は、実施例1で求めた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を示し、図8(c)、(d)は、実施例2で求めた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を示し、図8(e)、(f)は、実施例3で求めた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を示す。
以下、本発明の凹凸パターンを有する母型の製造方法、それにより得られる凹凸パターンを有する母型を用いたモールドの製造方法、そのモールドを用いて光学基板を製造する方法、及びその光学基板を用いて製造される発光素子の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[凹凸パターンを有する母型の製造方法]
凹凸パターンを有する母型の製造方法の実施形態について説明する。凹凸パターンを有する母型の製造方法は、図1に示すように、主に、高屈折率媒質上に光硬化材料を供給して光硬化材料膜を形成する工程S1と、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面の所定領域に複数の光束(光波)を照射する工程S2とを有する。
<光硬化材料膜形成工程>
まず、高屈折率媒質上に光硬化材料を供給して光硬化材料膜(低屈折率媒質)を形成する(図1の工程S1)。光硬化材料は光により硬化する材料であり、例えばJSR社製KC1162、KC104等を用いることができる。高屈折率媒質は、光硬化材料の屈折率よりも大きい屈折率を有する。高屈折率媒質として、例えばOhara社製S−LAH79、Schott社製SF6、N−SF66、サファイア等からなるプリズム、固体浸レンズ等を使用することができる。高屈折率媒質上に光硬化材料を供給する方法としては、任意の方法を用いてよく、例えば、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができる。
<光束照射工程>
次に、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面における所定領域に、高屈折率媒質側から複数の光束を、互いに異なる入射方向で且つ臨界角以上の入射角度で照射する(図1の工程S2)。なお、本願において、複数の光束の入射方向が異なるとは、複数の光束においてそれらの入射角及び方位角の少なくとも一方が異なることを意味する。ここで、方位角とは、光束の進行方向(光線ベクトル)を高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面に投影したときの、投影された光束の進行方向の該界面の法線まわりの角度を意味する(例えば、図7の角度φ1)。
高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面に、高屈折率媒質側から臨界角以上の入射角度で光束を照射すると、エバネッセント光が生じる。図2にエバネッセント光の生成原理を示す概念図を示す。図2に示すように、高屈折率媒質10側から高屈折率媒質10と光硬化材料膜30の界面50に臨界角以上の入射角θで光束70を照射すると、光束70は高屈折率媒質10と光硬化材料膜30の界面50で全反射する。このとき、界面50において電場振幅が存在するため、電磁気的エネルギーの染み出しが生じる。この染み出したエネルギーがエバネッセント光90である。エバネッセント光90は、界面50に対して垂直な方向に指数関数的に減少し、光束70の波長程度の領域に局在する。
界面50におけるエバネッセント光90の電場Eは、マクスウェル方程式とスネルの法則を用いて下記式(1)のように記述される。ただし、θは光束70の入射角、Aは電場Eの振幅、ωは角振動数、tは時間、λは波長、kは波数、nは高屈折率媒質の屈折率、nは光硬化材料の屈折率を表し、界面50と直交する軸をz軸、界面50と光線面(入射面)の交わる軸をx軸としている。
Figure 0006808155
本実施形態の製造方法においては、複数の光束を高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面における所定領域に照射する。複数の光束の光源としてはArイオンレーザ、He−Cdレーザ等を用いることができる。複数の光束は等しい波長を有してよい。複数の光束の波長は光硬化材料を硬化することのできる波長であれば特に限定されない。
複数の光束を、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面の所定領域に臨界角以上の入射角度で照射することによって、所定領域において複数の光束のエバネッセント光が発生する。これらのエバネッセント光が干渉することにより干渉波(複光束(多光束)干渉エバネッセント波)が生じる。後述する実施例で示すように、照射する複数の光束の入射角、方位角、振幅、相対位相、偏光状態の条件を制御することにより、複光束干渉エバネッセント波の波形を制御し、所望の波形の複光束干渉エバネッセント波を生じさせることができる。すなわち、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面の近傍において所望の強度分布を有する複光束干渉エバネッセント波を発生させることができる。例えば、後述する実施例3で示されるように、時間平均した強度分布(強度分布の時間平均)が一周期(空間的周期)の中に互いに値の異なる極大値(又は極小値)を含むような複光束干渉エバネッセント波を発生させることができる。
上記のようにして発生した複光束干渉エバネッセント波により、光硬化材料膜の一部が露光される。露光された光硬化材料膜は、複光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状に硬化する。そのため、複数の光束の照射条件によって複光束干渉エバネッセント波の強度分布を制御することにより、光硬化材料膜を所望の形状に硬化させることができる。上述の様に、エバネッセント光は高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面において光束の波長程度の領域に局在するため、光硬化材料膜のこの領域に存在する部分のみが硬化する。
次いで、光硬化材料を溶解する溶媒を用いて、光硬化材料膜の未硬化の部分を溶解し、除去する。それにより、硬化した光硬化材料膜が高屈折率媒質上に形成された凹凸パターンを有する母型が得られる。得られた母型は、ナノインプリントに用いる凹凸パターンを有するモールドを製造するための母型として用いることができる。母型の凹凸パターンは、硬化した光硬化材料膜の形状、すなわち、複光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状を有する。ゆえに、複数の光束の照射条件によって複光束干渉エバネッセント波の強度分布を制御することにより、種々の形状の凹凸パターンを有する母型を形成することができる。例えば、上述したような、時間平均した強度分布が一周期(空間的周期)の中に互いに値の異なる極大値(又は極小値)を含むような複光束干渉エバネッセント波で光硬化材料膜を露光することにより、一周期(空間的周期)中に互いに高さの異なる凸部(又は凹部)を含む凹凸パターンを有する母型を形成することができる。このような凹凸パターンを本願において「三次元疑似ランダムパターン」と呼称する。フォトリソグラフィ法等の従来の方法では、三次元疑似ランダムパターンの形成が難しかったが、本実施形態の製造方法のように複光束干渉エバネッセント波を用いることで三次元疑似ランダムパターンの形成が可能となる。
なお、複光束干渉エバネッセント波が生じる所定領域の大きさ及び形状は、光源の発光面の大きさ及び形状に依存する。したがって、例えば、複数の光束の光源として発光面積の大きい光源を用いることにより、大面積の凹凸パターンを有する母型を形成することができる。
[凹凸パターンを有する母型の製造装置(第1実施形態)]
上述した凹凸パターンを有する母型の製造方法に用いる製造装置の一実施形態を図3に示す。図3の製造装置100は、主に、初期光束300を放射するレーザ光源110と、高屈折率媒質であるプリズム130と、初期光束300を3つの光束330、370、390に分岐させてプリズム130に入射させる分岐光学系150と、CCDカメラ170とを備える。プリズム130の光束入射側と反対側の表面には光硬化材料膜210が形成されている。分岐光学系150で生成された3つの光束330、370、390は、プリズム130に入射し、プリズム130と光硬化材料膜210の界面230に照射される。
分岐光学系150は、光学部品として、偏光ビームスプリッタ151a、151b、ビームスプリッタ153、1/2波長板155a、155b、155c、偏光板157、ミラー159a、159b、159c、159d、159eを備える。
レーザ光源110は初期光束300を放射する。初期光束300は、この実施形態では直線偏光である。放射された初期光束300は、1/2波長板155aを通過したあと、偏光ビームスプリッタ151aにおいて、p偏光成分である第1透過光310及びs偏光成分である第1反射光350に分割(分岐)される。第1透過光310の振動方向は図3の紙面の上下方向であり、第1反射光350の振動方向は図3の紙面に垂直な方向である。
第1透過光310は1/2波長板155b及び偏光板157を通過して、その振動方向(偏光方向)及び強度が調整される。次いで第1透過光310はミラー159aで反射された後、偏光ビームスプリッタ151bに入射する。偏光ビームスプリッタ151bにおいて、第1透過光310は、p偏光成分である第2透過光(第1の光束)330及びs偏光成分である第2反射光(不図示)に分割される。第2透過光330は1/2波長板155cを通過して、その振動方向が図3の紙面に垂直な方向に変更される。次いで、第2透過光330はプリズム130の光硬化材料膜210が形成された面とは異なる面を通ってプリズム130に入射し、プリズム130と光硬化材料膜210の界面230に照射される。
一方、偏光ビームスプリッタ151aにおいて生じた第1反射光350は、ミラー159bで反射された後、ビームスプリッタ153に入射する。ビームスプリッタ153において、第1反射光350は第3透過光370(第2の光束)及び第3反射光(第3の光束)390に分割される。第3透過光370は、ミラー159c及びミラー159eによって反射されたあと、プリズム130の光硬化材料膜210が形成された面とは異なる面を通ってプリズム130に入射し、プリズム130と光硬化材料膜210の界面230に照射される。なお、第3透過光370の振動方向は、図3の紙面に垂直な方向である。第3反射光390は、ミラー159dによって反射されたあと、プリズム130の光硬化材料膜210が形成された面とは異なる面を通ってプリズム130に入射し、プリズム130と光硬化材料膜210の界面230に照射される。なお、第3反射光390の振動方向は、図3の紙面に垂直な方向である。
第1の光束330、第2の光束370及び第3の光束390の界面230への入射角は、分岐光学系150の各光学部品の位置及び向きなどから調整することができる。製造装置100において、第1の光束330、第2の光束370及び第3の光束390はいずれも臨界角以上の入射角で界面230の所定領域に照射される。そのため、第1の光束330、第2の光束370及び第3の光束390は、界面230の所定領域において全反射する。
このとき、界面230の所定領域において、光硬化材料膜210側に電磁気的エネルギーの染み出し、すなわち、エバネッセント光が生じる。第1の光束330、第2の光束370及び第3の光束390から発生したエバネッセント光は、干渉して干渉波(三光束干渉エバネッセント波)を生じる。三光束干渉エバネッセント波は、界面230の近傍の光束の波長程度の領域に局在するため、光硬化材料膜210のこの領域に存在する部分が露光されて、三光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状に硬化する。
三光束干渉エバネッセント波による光硬化材料膜210の、露光及び硬化の過程は、CCDカメラ170及び結像レンズ171により観察することができる。
図3の製造装置100では三光束を界面230に照射して光硬化材料膜210を露光し硬化させるが、分岐光学系150を適切に変更することにより2つの光束又は4以上の光束を界面230に照射して光硬化材料膜210を露光し硬化させることも可能である。
製造装置100はさらに、レーザ光源110、分岐光学系150の各光学部品、CCDカメラ170等を制御する制御部(不図示)を有してもよい。
[凹凸パターンを有する母型の製造装置(第2実施形態)]
凹凸パターンを有する母型の製造方法に用いる製造装置の別の実施形態を図4に示す。図4の製造装置500は、主に、初期光束700を放射するレーザ光源510と、液体ライトガイド530と、リレー光学系550と、フィルタ560と、光硬化材料を充填するための容器590と、高開口数対物レンズ586と、CCDカメラ570とを備える。
レーザ光源510は初期光束700を放射する。初期光束700は、直線偏光であってよい。
液体ライトガイド530は、樹脂チューブと、その内部に充填された導光液から構成される。導光液の屈折率は、樹脂チューブの屈折率よりも高い。それにより、液体ライトガイド530内の一端から光を入射させると、当該光は液体ライトガイド530内で全反射を繰り返しながら伝播して他端から出射する。
リレー光学系550は複数のレンズ551a、551b、551cと、ビームスプリッタ553を有する。リレー光学系550は、図4に示した構成に限定されず、液体ライトガイド530からの光710を高開口数対物レンズ586に導くことができる構成であれば、任意の数、任意の種類の光学素子で構成されてよい。
フィルタ560は、液体ライトガイド530と高開口数対物レンズ586の間の光路中に設けられる。フィルタ550は、同心円状に配列された複数の光透過部を有し、当該複数の光透過部の数に応じた数の光束を発生させる。フィルタ560は、例えば、アルミ、ステンレス等のメタルプレートに孔をあけて光透過部を設けたものであってよい。または、石英、BK7ガラス等の光学基板上にクロム等をマスク蒸着して光透過部を設けたものであってもよく、この場合、光透過部の透過率を調整することにより、光束毎の光量を調節することができる。
容器590は側壁592と底面594から構成される。容器590の底面594は、光硬化材料膜210を支持する基材となる。底面594は高屈折率媒質から構成される。
高開口数対物レンズ586は、容器590の底面594の外側に配置され、容器590の底面594と光学オイル584を介して密着している。高開口数対物レンズ586、容器590の底面594及び光学オイル584の屈折率は等しくてよい。この構成において高開口数対物レンズ586、光学オイル584及び容器590の底面594は、1つの固体浸レンズ(固浸レンズ)580を構成することと等価となる。なお、ここで「固体浸レンズ」という語を用いているのは、高開口数対物レンズ586に光学オイル(液体)584が接しているものの露光対象である光硬化材料膜210に接している部分(すなわち容器590の底面594)が固体であることによる。光学オイル584に代えて他の高屈折率流体を用いてもよい。なお、固体浸レンズ580の高開口数対物レンズ586及び光学オイル584に代えて固浸レンズ(超半球レンズ)そのものを用いてもよい。
製造装置500において、レーザ光源510から発生した初期光束700は、液体ライトガイド530の入射口530aを通って液体ライトガイド530内を伝播する。液体ライドガイド530の出射口530bから出射した光710はリレー光学系550の複数のレンズ551aを通過する。次いで、光710がフィルタ560を通過することにより、フィルタの光透過部の数及び位置に応じた複数の光束730が生じる。複数の光束730は、レンズ551b、551cを通過した後、ビームスプリッタ553により一部が反射されて固体浸レンズ580に向かう。
固体浸レンズ580に入射した複数の光束730は、固体浸レンズ580と光硬化材料膜610の界面(すなわち、容器590の底面594と光硬化材料膜610の界面)630に照射される。複数の光束730はいずれも臨界角以上の入射角で界面630の所定領域に照射される。そのため、複数の光束730は、界面630の所定領域において全反射する。
このとき、界面630の所定領域において、光硬化材料膜610側にエバネッセント光が生じる。複数の光束730から発生したエバネッセント光は、干渉して干渉波(複光束干渉エバネッセント波)を生じる。複光束干渉エバネッセント波は、界面630の近傍の光束の波長程度の領域に局在するため、光硬化材料膜610のこの領域に存在する部分が露光されて、複光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状に硬化する。
複光束干渉エバネッセント波による光硬化材料膜610の、露光及び硬化の過程は、CCDカメラ570、結像レンズ571及びミラー573により観察することができる。
製造装置500はさらに、レーザ光源510、リレー光学系550の各光学部品、CCDカメラ570等を制御する制御部(不図示)を有してもよい。
製造装置500ではフィルタ560を用いて複数の光束を作り出すため、光学系の構成がシンプルである。また、フィルタ560の光透過部の数を変えることで光束の数を簡単に増減させることができる。さらに、フィルタ560の光透過部の位置によって複数の光束730が界面630の所定領域へ入射する方位角を制御することもできる。
[モールドの製造方法]
上記の製造方法により製造される凹凸パターンを有する母型から、凹凸パターン転写用のモールドを製造することができる。後述するように、このモールドの凹凸パターンを転写することにより、光学基板等の別の部材を製造することができる。このような凹凸パターンを有する母型から製造されるモールドには、金属モールド及びフィルム状の樹脂モールド等が含まれる。樹脂モールドを構成する樹脂には、天然ゴム又は合成ゴムのようなゴムも含まれる。そのようなモールドの製造方法を以下に説明する。
最初に、電鋳処理のための導電層となるシード層を、無電解めっき、スパッタまたは蒸着等により凹凸パターンを有する母型上に形成する。シード層は、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために10nm以上が好ましい。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。
次に、シード層上に電鋳(電界めっき)により金属層を堆積させる。金属層の厚みは、例えば、シード層の厚みを含めて全体で10〜30000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層の材料として、シード層として用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。形成した金属層は、後続のモールドの形成のための樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層を、凹凸パターンを有する母型から剥離して金属基板を得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、母型の凹凸パターンを形成する材料を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。金属基板を母型から剥離するときに、残留している材料成分を洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、界面活性剤などを用いた湿式洗浄や紫外線やプラズマを使用した乾式洗浄を用いることができる。また、例えば、粘着剤や接着剤を用いて残留している材料成分を付着除去するなどしてもよい。こうして得られる、母型からパターンが転写された金属基板(金属モールド)は、凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。
さらに、得られた金属基板を用いて、金属基板の凹凸構造(パターン)をフィルム状の支持基板に転写することで、フィルム状の樹脂モールドを作製することができる。例えば、硬化性樹脂を支持基板に塗布した後、金属基板の凹凸構造を樹脂層に押し付けつつ樹脂層を硬化させる。支持基板として、例えば、ガラス、シリコン等の無機材料からなる基板、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板、ニッケル、銅、アルミ等の金属材料からなる基板が挙げられる。また、支持基板の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
硬化性樹脂としては、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜10J/cmの範囲内であることが好ましい。
次いで、硬化後の硬化樹脂層から金属基板を取り外す。金属基板を取り外す方法としては、機械的な剥離法に限定されず、公知の方法を採用することができる。こうして得ることができる支持基板上に凹凸が形成された硬化樹脂層を有するフィルム状の樹脂モールドは、凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。
また、上述の方法で得られた金属基板の凹凸構造(パターン)上にゴム系の樹脂材料を塗布し、塗布した樹脂材料を硬化させ、金属基板から剥離することにより、金属基板の凹凸パターンが転写されたゴムモールドを作製することができる。得られたゴムモールドは凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。ゴム系の樹脂材料として、天然ゴム及び合成ゴムを用いることができ、特に、シリコーンゴム、またはシリコーンゴムと他の材料との混合物もしくは共重合体が好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、ポリオルガノシロキサン、架橋型ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン/ポリカーボネート共重合体、ポリオルガノシロキサン/ポリフェニレン共重合体、ポリオルガノシロキサン/ポリスチレン共重合体、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリ4メチルペンテンなどが用いられる。シリコーンゴムは、他の樹脂材料と比べて安価で、耐熱性に優れ、熱伝導性が高く、弾性があり、高温条件下でも変形しにくいことから、凹凸パターン転写プロセスを高温条件下で行う場合には好適である。さらに、シリコーンゴム系の材料は、ガスや水蒸気透過性が高いため、被転写材の溶媒や水蒸気を容易に透過することができる。そのため、樹脂材料または無機材料の前駆体溶液の膜に凹凸パターンを転写する目的でゴムモールドを用いる場合には、シリコーンゴム系の材料が好適である。また、ゴム系材料の表面自由エネルギーは25mN/m以下が好ましい。これによりゴムモールドの凹凸パターンを基材上の塗膜に転写するときの離形性が良好となり、転写不良を防ぐことができる。ゴムモールドは、例えば、長さ50〜1000mm、幅50〜3000mm、厚み1〜50mmにし得る。また、必要に応じて、ゴムモールドの凹凸パターン面上に離型処理を施してもよい。
[光学基板の製造方法]
上述の製造方法で製造した凹凸パターン転写用のモールドを用いたナノインプリント法により、凹凸パターンを有する部材を製造することができる。そのような部材として光学基板を例に挙げ、以下にその製造方法を説明する。光学基板の製造方法は、主に、無機材料の前駆体溶液を調製する溶液調製工程、調製した前駆体溶液を基板に塗布する塗布工程、凹凸パターンを有するモールドを基板上の塗膜(前駆体膜)に押し付けながら塗膜を硬化させることにより、塗膜に凹凸パターンを転写する転写工程、凹凸パターン転写用のモールドを押し付ける押圧工程、モールドが押し付けられた塗膜を仮焼成する仮焼成工程、モールドを塗膜から剥離する剥離工程、及び塗膜を本硬化する硬化工程を有する。このような製造方法により製造される光学基板は、モールドの凹凸パターンが転写された凹凸構造層を備える。
<溶液調整工程>
無機材料からなる凹凸構造層を形成する場合、無機材料の前駆体溶液を調製する。無機材料としては、例えば、シリカ、SiN、SiON等のSi系の材料、TiO等のTi系の材料、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZnS、ZrO、Al、BaTiO、SrTiO等の無機材料が挙げられる。
また、無機材料の前駆体としてポリシラザンを用いてもよい。ポリシラザンは、加熱またはエキシマなどのエネルギー線を照射することで酸化してセラミックス化(シリカ改質)し、シリカ、SiNまたはSiONを形成する。なお、「ポリシラザン」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。特開平8−112879号公報に記載されている下記の一般式(1)で表されるような比較的低温でセラミックス化してシリカ等に変性する化合物がより好ましい。
一般式(1):
−Si(R1)(R2)−N(R3)−
式中、R1、R2、R3は、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。
上記一般式(1)で表される化合物の中で、R1、R2及びR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(PHPSともいう)や、Siと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンが特に好ましい。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報)等を用いることもできる。
ポリシラザン溶液の溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。酸化珪素化合物への改質を促進するために、アミンや金属の触媒を添加してもよい。
無機材料の前駆体としてポリシラザンを用いる場合、後述する硬化工程において、加熱により塗膜の硬化を促進してもよいし、エキシマなどのエネルギー線の照射により前駆体溶液を硬化させて無機材料を形成してもよい。
<塗布工程>
上記のように調製した無機材料の前駆体溶液を基板上に塗布する。基板としては、特に制限されず、公知の透明基板を適宜利用することができる。例えば、ガラス等の透明無機材料からなる基板;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等)、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリイミド系樹脂(ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂等)、シクロオレフィンポリマー等の樹脂からなる基板;などを利用することができる。
前駆体溶液の塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基板に前駆体溶液を均一に塗布可能であること、前駆体膜が硬化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。
前駆体溶液の塗布後、塗膜(前駆体膜)中の溶媒を蒸発させるために基板を大気中もしくは減圧下で保持してもよい。この保持時間が短いと塗膜の粘度が低くなりすぎて塗膜への凹凸パターンの転写ができなくなり、保持時間が長すぎると前駆体の重合反応が進み塗膜の粘度が高くなりすぎて塗膜への凹凸パターンの転写ができなくなる。また、前駆体溶液を塗布後、溶媒の蒸発の進行とともに塗膜の硬化が進行し、塗膜の粘度などの物性も短時間で変化する。凹凸パターン形成の安定性の観点から、パターン転写が良好にできる乾燥時間範囲が十分広いことが望ましく、これは乾燥温度(保持温度)、乾燥圧力、前駆体の材料種、前駆体の材料種の混合比、前駆体溶液調製時に使用する溶媒量(前駆体の濃度)等によって調整することができる。なお、基板をそのまま保持するだけでも塗膜(前駆体膜)中の溶媒が蒸発するので、必ずしも加熱や送風などの積極的な乾燥操作を行う必要はなく、塗膜を形成した基板をそのまま所定時間だけ放置したり、後続の工程を行うために所定時間の間に搬送したりするだけでもよい。
<転写工程>
次いで、凹凸パターン転写用のモールドを用いて、塗膜に凹凸パターンを形成する。モールドとして、上述したフィルム状モールドや金属モールドを用いることができるが、柔軟性または可撓性のあるフィルム状モールドを用いることが望ましい。この際、押圧ロールを用いてモールドを前駆体膜に押し付けてもよい。押圧ロールを用いたロールプロセスでは、プレス式と比較して、モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基板及び基板を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができること、前駆体膜中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ったりすることを防止することができること、基板(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易いこと、押圧時に気泡をかみ込むことがないことなどの利点を有する。また、モールドを押し付けながら基板を加熱してもよい。押圧ロールを用いてモールドを塗膜(前駆体膜)に押し付ける例として、図5に示すように押圧ロール122とその直下に搬送されている基板40との間にフィルム状モールド140を送り込むことでフィルム状モールド140の凹凸パターンを基板40上の塗膜64に転写することができる。すなわち、フィルム状モールド140を押圧ロール122により塗膜64に押し付ける際に、フィルム状モールド140と基板40を同期して搬送しながら、基板40上の塗膜64の表面をフィルム状モールド140で被覆する。この際、押圧ロール122をフィルム状モールド140の裏面(凹凸パターンが形成された面と反対側の面)に押しつけながら回転させることで、フィルム状モールド140と基板40が進行しながら密着する。なお、長尺のフィルム状モールド140を押圧ロール122に向かって送り込むには、長尺のフィルム状モールド140が巻き付けられたフィルムロールからそのままフィルム状モールド140を繰り出して用いるのが便利である。
前駆体膜にモールドを押し付けた後、前駆体膜を仮焼成してもよい。仮焼成することにより前駆体が無機材料に転化して塗膜が硬化し、凹凸パターンが固化し、剥離の際に崩れにくくなる。仮焼成を行う場合は、大気中で室温〜300℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。また、前駆体溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、前駆体膜を仮焼成する代わりに、例えばエキシマUV光等の紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによって塗膜を硬化してもよい。
モールドの押圧または前駆体膜の仮焼成の後、塗膜(前駆体膜、または前駆体膜を転化することにより形成された無機材料膜)からモールドを剥離する。モールドの剥離方法として公知の剥離方法を採用することができる。
<硬化工程>
凹凸が形成された塗膜(凹凸構造層)からモールドを剥離した後、凹凸構造層を本硬化してもよい。本製造方法では、本焼成により凹凸構造層を本硬化させることができる。ゾルゲル法によりシリカに転化する前駆体を用いた場合、凹凸構造層を構成するシリカ(アモルファスシリカ)中に含まれている水酸基などが本焼成によって脱離して、凹凸構造層がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。この時、凹凸構造層がシリカからなる場合、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。なお、硬化工程は必ずしも行う必要はない。また、前駆体溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、凹凸構造層を焼成する代わりに、例えばエキシマUV光等の紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによって、凹凸構造層を本硬化することができる。
以上のようにして、基板40上に凹凸構造層60が形成された光学基板400(図6参照)を製造することができる。
なお、上記の塗布工程において塗布する無機材料の前駆体として、上記シリカの前駆体に代えて、TiO、ZnO、ZnS、ZrO、Al、BaTiO、SrTiO、ITO等の前駆体を用いてもよい。
またゾルゲル法のほか、無機材料の微粒子の分散液を用いる方法、液相堆積法(LPD:Liquid Phase Deposition)などを用いて凹凸構造層を形成してもよい。
また、上記実施形態の製造方法では、無機材料からなる凹凸構造層を形成したが、凹凸構造層は、上述の無機材料のほか、硬化性樹脂から構成されてもよい。硬化性樹脂としては、例えば、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を用いることができる。具体的にはエポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂を用いて凹凸構造層を形成する場合、例えば、硬化性樹脂を基板に塗布した後、塗布した硬化性樹脂層に凹凸パターン転写用のモールドを押し付けつつ塗膜を硬化させることによって、硬化性樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写することができる。硬化性樹脂は有機溶剤で希釈してから塗布してもよい。この場合に用いる有機溶剤としては硬化前の樹脂を溶解するものを選択して使用することができる。例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン系溶剤等の公知のものから選択できる。硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。凹凸パターン転写用のモールドとしては、例えばフィルム状モールド、金属モールドなど所望のモールドを用いることができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜10J/cmの範囲内であることが好ましい。
また、凹凸構造層の材料としてシランカップリング剤を用いてもよい。それにより、例えば製造された光学基板を用いて有機EL素子を製造する場合に、凹凸構造層とその上に形成される電極などの層との間の密着性を向上させることができ、有機EL素子の製造工程における洗浄工程や高温処理工程での耐性が向上する。凹凸構造層に用いられるシランカップリング剤は、その種類が特に制限されるものではないが、例えばRSiX(Rは、ビニル基、グリシドキシ基、アクリル基、メタクリル基、アミノ基およびメルカプト基から選ばれる少なくとも1種を含む有機官能基であり、Xは、ハロゲン元素またはアルコキシル基である)で示される有機化合物を用いることができる。シランカップリング剤を塗布する方法としては例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法,カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。その後、各材料に応じて適正な条件で乾燥させることにより硬化した膜を得ることができる。例えば、100〜150℃で15〜90分間加熱乾燥してもよい。
凹凸構造層の材料は、無機材料または硬化性樹脂材料に紫外線吸収材料を含有させたものであってもよい。紫外線吸収材料は、紫外線を吸収し光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、膜の劣化を抑制する作用がある。紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。
また、上記の製造方法では基板上に塗膜(前駆体膜)を形成し、この塗膜にモールドを押圧することによって凹凸構造層を製造したが、それに代えて、モールドの凹凸パターン上に前駆体膜を形成し、この前駆体膜を基板に貼合してモールドを剥離することにより、凹凸構造層を基板上に形成することもできる。この場合、前駆体膜をモールド上に形成する方法として、上述の塗布工程で説明した塗布方法に加え、蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)法、化学気相成長(CVD)法等の公知のドライプロセスを用いた方法も用いることができる。この場合、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属硫化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物、またこれらの混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物、金属窒化炭化物など)等からなる凹凸構造層を形成することができる。
ドライプロセスを用いてモールド上に形成した凹凸構造層は、例えば、次のような方法で基板に貼合することができる。まず、基板上に接着剤を塗布する。基板上の接着剤層とモールド上の凹凸構造層が接着するように、基板とモールドを重ね合わせ、接着剤を硬化させる。それにより、基板と凹凸構造層が接着剤を介して接合される。次いでモールドを凹凸構造層から剥離する。それにより、凹凸構造層が基板上に形成された光学基板を形成することができる。
さらに、凹凸構造層の表面(被覆層を形成する場合は被覆層の表面)に疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理の方法は知られている方法を用いればよく、例えば、シリカ表面であれば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等で疎水化処理することもできるし、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチルシリル化剤とシリコーンオイルで疎水化処理する方法を用いてもよいし、超臨界二酸化炭素を用いた金属酸化物粉末の表面処理方法を用いてもよい。
上記被覆層のほかにも、凹凸構造層の表面に種々の機能層を設置してよい。該機能層の例としては、反射防止層、偏光層、カラーフィルター、紫外線吸収層等の光学機能層や、ハードコート層、応力緩和層等の力学的機能層、帯電防止層、導電層などの電気的機能層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
なお、凹凸パターン転写用のモールドとしてフィルム状モールドを用いて光学基板を製造する方法について説明したが、金属モールド、石英モールド等の硬質なモールドを用いても上記製造方法と同様に光学基板を製造することができる。硬質モールドを用いる場合、基板としてフィルム状基板等の可撓性のある基板を用いることが好ましい。また、同様の方法で、光学基板のほか、絶縁、導電、防曇、断熱、防汚、誘電、親水、撥水等の種々の機能を有する部材を製造することもできる。
以下の実施例において、複光束干渉エバネッセント波の強度分布をシミュレーションにより計算した。プリズムのような高屈折率媒質上に光硬化材料膜を形成した状態において、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面をxy平面とし、光硬化材料膜側をz軸の正方向、高屈折率媒質側をz軸の負方向としてxyz軸を定めた。図7に概念的に示すように、第1の光束330、第2の光束370、第3の光束390を高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面(すなわち、xy平面)に照射したときの、xy平面における三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を計算した。なお、実施例1〜3において、各光束330、370、390はs偏光(すなわち、図7中のz方向の振動が0)であるとして計算を行った。
実施例1
図7に示すように、入射角をθ、x軸の正方向からのz軸周りの角度(方位角)をφとして第1の光束330をxy平面に照射した場合、第1の光束330の電場の波(電場ベクトル)Eは下記式(2)で表される。式(2)中のT(偏光を考慮した振幅)、k(波数ベクトル)及びr(位置ベクトル)は、それぞれ下記式(3)、(4)、(5)で表される。cは光速、λは波長、ωは角周波数(ω=2πc/λ)、εは初期位相、Aは電場振幅、kは真空中の波数(k=2π/λ)、nは高屈折率媒質の屈折率、nは光硬化材料の屈折率を表している。
Figure 0006808155
第2の光束370及び第3の光束390の入射角をそれぞれθ、θ、x軸の正方向からのz軸周りの角度をそれぞれφ2、φとすると、上記式(2)〜(5)と同様にして、第2の光束370の電場の波E及び第3の光束390の電場の波Eが表される。
第1の光束330の電場の波E、第2の光束370の電場の波E、第3の光束390の電場の波Eの合成を、Wolfram Research社の数式処理ソフトMathematica(登録商標)を用いて数学的に計算することにより、第1の光束330、第2の光束370及び第3の光束390により生じるエバネッセント光の干渉波(三光束干渉エバネッセント波)の電場Eを求めることができる。
さらに、三光束干渉エバネッセント波の強度Iを下記式(6)から算出し、強度Iの時間平均<I>を下記式(7)により求めることができる。なお、τは周期(τ=λ/c)を表している。
Figure 0006808155
本実施例において、(θ,θ,θ)=(70°,70°,70°)、(φ,φ,φ)=(30°,150°,270°)とし、xy平面、すなわち、高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面(z=0)における三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を求めた。なお、c=3.0×10m/s、λ=488×10−9m、n=1.78、n=1.5とした。高屈折率材料の屈折率が1.78、光硬化材料の屈折率が1.5の場合の臨界角は約50°であるため、各光束330、370、390はいずれも全反射条件を満たしている。
得られた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を図8(a)、(b)に示す。図8(a)、(b)及び後述する図8(c)〜(f)において、光の強度は高さ情報として二次元平面内にプロットされており、図8(a)、(c)、(e)は斜方視点図、図8(b)、(d)、(f)は上方視点図である。本実施例において、三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均は、強度の等しい山が密に並んだ分布を有していた。
実施例2
(θ,θ,θ)=(70°,70°,60°)、(φ,φ,φ)=(0°,180°,330°)とした以外は実施例1と同様にして、三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を求めた。得られた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を図8(c)、(d)に示す。本実施例において、三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均は、定在波の腹が連なった尾根の上に斜めに波形状を刻むような形状の分布を有していた。
実施例3
(θ,θ,θ)=(80°,80°,60°)、(φ,φ,φ)=(0°,180°,0°)とした以外は実施例1と同様にして、三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を求めた。得られた三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均を図8(e)、(f)に示す。本実施例の三光束干渉エバネッセント波は、定在波の振幅が連続的に変化しており、うなりが発生していた。本実施例の三光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均は、図8(e)、(f)に示すように、一空間周期中に互いに値の異なる極大値を含んでいた。
実施例1〜3から示されるように、各光束の入射方向を変えることにより、種々の形状の強度分布を有する三光束干渉エバネッセント波を発生させことができる。また、各光束の入射方向を変えることにより、実施例3のように一周期の中に互いに値の異なる極大値又は極小値を含むような強度分布の時間平均を有する三光束干渉エバネッセント波を発生させることも可能である。
実施例1〜3では、3光束を用いる場合のシミュレーション結果について説明したが、2光束を高屈折率媒質と光硬化材料膜の界面の所定領域に照射してもよく、その場合、山と谷が一方向に延在する形状の強度分布を形成することができる。このような2光束干渉エバネッセント波と比べて、3光束エバネッセント波は、上述したようにより複雑な強度分布を有し得る。また、4以上の光束を用いてもよく、その場合の複光束干渉エバネッセント波は、さらにより複雑な強度分布を有することができる。また、このような種々の強度分布の複光束干渉エバネッセント波で光硬化材料膜を露光することにより、光硬化材料膜を複光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状に硬化することができる。この硬化した光硬化材料膜はナノインプリント法に用いられるモールドの母型として用いることができ、母型の凹凸パターンは、硬化した光硬化材料膜の形状、すなわち、複光束干渉エバネッセント波の強度分布に対応する形状を有する。例えば、実施例3のような、強度分布の時間平均が一周期の中に互いに値の異なる極大値又は極小値を含むような三光束干渉エバネッセント波を用いることで、一周期中に互いに高さの異なる凸部又は凹部を含む凹凸パターン、すなわち三次元疑似ランダムパターンを有する母型を形成することができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明してきたが、本発明の凹凸パターンを有する母型の製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。また、本発明の凹凸パターンを有する母型の製造装置は上記の実施形態の構成に限定されず、各種部品の配置が本願の図面に示された配置と異なっていてもよい。例えば、照射する複数の光束の入射角、方位角、振幅、相対位相、偏光状態等を制御することができる構成にしてよい。本発明の製造方法で得られる凹凸パターンを有する母型は、例えば、有機EL照明、液晶表示素子、太陽電池などの各種デバイスの光学基板の製造、マイクロレンズアレイ、ナノプリズムアレイ、光導波路などの光学素子の製造、レンズなどの光学部品、LED、太陽電池、反射防止フィルム、半導体チップ、パターンドメディア、データストレージ、電子ペーパー、LSIなどの製造、物品の包装、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装部材の製造、免疫分析チップ、及び細胞培養シートなどのバイオ分野等における用途で好適に用いることができる。また、光反射部材、光散乱部材、絶縁部材、電極パターン部材、導電部材、防曇部材、断熱部材、防汚部材、光導波部材、誘電部材、無反射部材、低反射部材、偏光機能部材、光回折部材、親水部材、撥水部材等の種々の機能を有する部材の製造にも用いることができる。
10 高屈折率媒質、 30 光硬化材料膜、 40 基板
50 界面、 60 凹凸構造層、 64 塗膜、 70 光束
90 エバネッセント光、 92 第1電極、 94 有機層
98 第2電極、100、500 凹凸パターンを有する母型の製造装置
101 封止部材、103 封止接着剤層、110 レーザ光源
130 高屈折率媒質、140 モールド、150 分岐光学系
200 発光素子、210 光硬化材料膜、230 界面
300 初期光束、330 第1の光束、370 第2の光束
390 第3の光束、400 光学基板

Claims (9)

  1. 光硬化材料を該光硬化材料より高い屈折率を有する高屈折率媒質上に供給して光硬化材料膜を形成することと、
    前記高屈折率媒質と前記光硬化材料膜の界面における所定領域に、前記高屈折率媒質側から複数の光束を、互いに異なる入射方向で且つ臨界角以上の入射角度で照射し、それにより発生した複光束干渉エバネッセント波により前記所定領域近傍の前記光硬化材料膜を硬化させることとを含む凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  2. さらに、前記光硬化材料膜の未硬化の部分を除去することを含む請求項1に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  3. 前記複数の光束が3つの光束である請求項1又は2に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  4. 前記複光束干渉エバネッセント波の強度分布の時間平均が、一空間周期中に互いに値の異なる極大値又は極小値を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  5. 前記凹凸パターンが、一周期中に互いに高さの異なる凸部又は凹部を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  6. 同心円状に配列された複数の光透過部を有するフィルタを用いて、前記複数の光束を発生させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  7. 前記フィルタにより、前記複数の光束の光量、及び/又は前記複数の光束が前記所定領域へ入射する方位角を制御する請求項6に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の凹凸パターンを有する母型の製造方法により製造された前記母型の前記凹凸パターン上に電鋳により金属層を積層することと、
    前記金属層から前記凹凸パターンを有する母型を剥離することを含むモールドの製造方法。
  9. 請求項8に記載のモールドの製造方法により得られたモールドの凹凸パターンを転写することを含む凹凸パターンを有する部材の製造方法。
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