JP6807885B2 - 建設機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばエンジンの排気ガスに含まれる有害物質を除去する排気ガス浄化装置を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
一般に、建設機械の代表例としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、上部旋回体の前側に俯仰の動作が可能に設けられたフロント装置とにより構成されている。上部旋回体は、旋回フレームの後部に油圧ポンプを駆動するためのエンジンを有し、旋回フレームの前側にキャブを有している。
ここで、油圧ショベルのエンジンには、一般的にディーゼルエンジンが用いられている。このディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、例えば粒子状物質(PM:Particulate Matter)等の有害物質が含まれることがある。このため、油圧ショベルには、エンジンの排気管に排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置が設けられている。
排気ガス浄化装置は、排気ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する酸化触媒(例えば、Diesel Oxidation Catalyst、略してDOCとも呼ばれている)と、酸化触媒の下流側に配置され排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する粒子状物質除去フィルタ(例えば、Diesel Particulate Filter、略してDPFとも呼ばれている)とを含んで構成されている。
この種の従来技術による排気ガス浄化装置は、エンジンから排出される排気ガスの流れ方向の上流側に設けられた上流筒体と、上流筒体よりも下流側に設けられた下流筒体と、これら上流筒体と下流筒体との間に接続して設けられた中間筒体とを備えている。中間筒体の内部には、排気ガスを浄化処理するための粒子状物質除去フィルタ、酸化触媒等の処理部材が内蔵されている。上流筒体、中間筒体および下流筒体は、隣合う端部同士がフランジ部と複数本のボルトとによって直列に接続されている(特許文献1参照)。
特開2013−148035号公報
排気ガス浄化装置に内蔵された粒子状物質除去フィルタは、捕らえた粒子状物質を除去する清掃作業を定期的に行う必要がある。このために、排気ガス浄化装置は、効率の良い清掃作業が行えるように、エンジンから取外されて作業場所へと移動される。この場合、排気ガス浄化装置は、重量物であるから、例えば、クレーンで吊り上げられて作業場所に搬送される。従って、排気ガス浄化装置には、筒体やフランジ部から径方向の外側に突出するようにしてワイヤ等を掛けるための吊り下げ体が設けられている。
しかし、ミニショベルと呼ばれる小型油圧ショベルは、上部旋回体をコンパクトに形成する必要があり、排気ガス浄化装置の設置スペースが限られてしまう。従って、吊り下げ体を設けるためには、周囲の部材の構造を見直さなくてはならず、吊り下げ体を容易に設けることができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、排気ガス浄化装置を吊上げるための吊り機構を、各筒体の周囲にコンパクトに設けることができるようにしたことにある。
本発明は、エンジンが搭載された車体と、前記エンジンに排気管を介して接続され前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置とを備え、前記排気ガス浄化装置は、前記排気管に接続された筒体からなる上流筒体と、前記上流筒体よりも下流側に配置され排気ガスを排出する筒体からなる下流筒体と、前記上流筒体と前記下流筒体との間に設けられた筒体からなる中間筒体とを含む複数の筒体が連結されて構成されており、前記複数の筒体のうち互いに隣合う筒体の対向する端部には、前記筒体の外周面から径方向の外側に延びたフランジ部がそれぞれ設けられ、前記隣合う筒体は、それぞれに設けられた前記フランジ部を複数本のボルトで締結することにより連結される構成としてなる建設機械において、前記筒体の軸方向側に折り畳まれて格納されると共に、前記隣合う筒体の前記フランジ部を締結する締結位置と前記筒体の径方向の外側に向けて立上って前記排気ガス浄化装置を吊るための吊上げ位置とに切換え可能な吊り機構が前記フランジ部に設けられている。
本発明によれば、排気ガス浄化装置を吊上げるための吊り機構を、各筒体の周囲にコンパクトに設けることができる。
本発明の第1の実施の形態に適用される小型の油圧ショベルを示す正面図である。 旋回フレームとエンジンと排気ガス浄化装置を示す平面図である。 エンジンと油圧ポンプと排気ガス浄化装置を示す斜視図である。 図3中の排気ガス浄化装置を拡大して示す斜視図である。 吊り機構を立ち上げて吊上げ位置に配置した状態を図4と同様位置から見た排気ガス浄化装置の斜視図である。 吊り機構が締結位置に配置された排気ガス浄化装置の正面図である。 吊り機構が吊上げ位置に配置された排気ガス浄化装置の正面図である。 排気ガス浄化装置の分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による排気ガス浄化装置を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態による建設機械の代表例として、クローラ式の下部走行体を備えた小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、油圧ショベル1は、建設機械を構成するものである。油圧ショベル1は、後方超小旋回型の小型油圧ショベルとして構成され、例えば市街地における狭い道路脇の側溝掘り作業に用いられるものである。
油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2の上側に旋回可能に搭載され、下部走行体2と共に車体をなす上部旋回体3と、上部旋回体3の前部に設けられたフロント装置4とにより構成されている。
後方超小旋回型の油圧ショベル1の上部旋回体3は、下部走行体2の左,右方向の幅寸法(全幅)に対して予め定められた範囲内で旋回するように構成されている。詳しくは、下部走行体2の全幅に対して予め定められた範囲とは、下部走行体2の全幅の130%以内の範囲を示している。後方超小旋回型の油圧ショベル1の上部旋回体3は、後述するカウンタウエイト6の外周面6Aが、前述した全幅の130%以内の範囲内に収まるように設定されている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、カウンタウエイト6、エンジン7、排気ガス浄化装置11、運転席34、キャノピ37を含んで構成されている。
旋回フレーム5は、上部旋回体3のベースとなるもので、強固な支持構造体をなしている。具体的には、図2に示すように、旋回フレーム5は、左,右方向の中央に位置して前,後方向に延びた厚肉な平板状の底板5Aと、底板5Aの上面側に立設され前,後方向に延びた左縦板5B,右縦板5Cと、これら左,右の縦板5B,5Cの前端部に設けられた支持ブラケット5Dと、底板5Aの左側に設けられた円弧状の左サイドフレーム5Eと、底板5Aの右側に設けられた円弧状の右サイドフレーム5Fとを含んで構成されている。支持ブラケット5Dには、フロント装置4が取付けられ、底板5Aの後端側には、カウンタウエイト6が取付けられている。
カウンタウエイト6は、旋回フレーム5の後部に設けられている(図1参照)。このカウンタウエイト6は、フロント装置4との重量バランスをとるものである。カウンタウエイト6は、左,右方向の中央部が後側に突出した円弧状の外周面6Aを有している。
エンジン7は、カウンタウエイト6の前面側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。エンジン7は、小型のディーゼルエンジンが用いられ、左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。図3に示すように、エンジン7には、排気ガスを外部に排出するための排気管7Aが設けられている。この排気管7Aには、後述する排気ガス浄化装置11が接続されている。また、エンジン7には、排気ガス浄化装置11を取付けるための浄化装置取付台7Bが設けられている。
エンジン7の左側には、油圧ポンプ8が取付けられている。この油圧ポンプ8は、エンジン7によって駆動されることにより、油圧ショベル1に設けられた各種の油圧アクチュエータに作動用の圧油を供給するものである。一方、エンジン7の右側には、ラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換装置9が設けられている。熱交換装置9は、例えばエンジン7によって冷却ファン10(図3参照)を回転することにより、外部から吸込まれた冷却風によってエンジン冷却水、作動油等の流体を冷却するものである。なお、冷却ファン10の動力源としては、電動モータ、油圧モータを用いることもできる。
次に、本実施の形態の特徴部分となる排気ガス浄化装置11の構成について詳細に説明する。
排気ガス浄化装置11は、エンジン7から排出される排気ガスを浄化するもので、排気管7Aに接続して設けられている。排気ガス浄化装置11は、油圧ポンプ8の上方となるエンジン7の浄化装置取付台7B上に、上部旋回体3の前,後方向を軸線として取付けられている。排気ガス浄化装置11は、排気管7Aと共に排気ガスの通路を構成し、上流側から下流側に排気ガスが流通する間に、この排気ガスに含まれる有害物質を除去するものである。
即ち、ディーゼルエンジンからなるエンジン7は、高効率で耐久性にも優れている。しかし、エンジン7の排気ガス中には、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等の有害物質が含まれている。このため、排気ガス浄化装置11は、排気ガス中の一酸化炭素(CO)等を酸化して除去する後述の酸化触媒31と、排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集して除去する後述の粒子状物質除去フィルタ32とを備えている。
図4ないし図8に示すように、排気ガス浄化装置11は、後述の上流筒体12、下流筒体16、中間筒体20、複数本のフランジ用ボルト24および2個の吊り機構26を含んで構成されている。また、排気ガス浄化装置11は、上流筒体12と下流筒体16と中間筒体20とを含む複数の筒体が連結されて構成されている。図6に点線で示すように、上流筒体12には、酸化触媒31が収容され、中間筒体20には、粒子状物質除去フィルタ32が収容されている。
上流筒体12は、エンジン7の排気ガス通路の上流側に位置するもので、エンジン7の排気管7Aに接続されている。上流筒体12は、筒体からなり、排気ガスが流入する入口部分を構成している。上流筒体12は、後述する筒状ケース13、流入管14および下流側フランジ部15により構成されている。
筒状ケース13は、円筒状の筒部13Aと、排気ガスの流れ方向の上流側となる筒部13Aの一端部(図4ないし図8の左端部)を閉塞した閉塞部13Bとにより有底筒状体として形成されている。また、筒部13Aの一端側には、後述の流入管14が設けられ、筒部13Aの他端部には、後述の下流側フランジ部15が設けられている。筒状ケース13内には、後述の酸化触媒31が収容されている。
流入管14は、筒状ケース13の筒部13Aの一端側から径方向の外側に向けて突出した管体として形成されている。この流入管14は、エンジン7の排気管7Aの下流側に接続されている。
図8に示すように、下流側フランジ部15は、中間筒体20と互いに隣合って対向する端部、即ち、筒状ケース13を形成する筒部13Aの開口側となる他端部に、筒状ケース13の外周面から径方向の外側に延びて設けられている。この下流側フランジ部15は、後述する中間筒体20の上流側フランジ部22と対面してフランジ用ボルト24および吊り機構26の吊り機構用ボルト30によって連結されるものである。下流側フランジ部15は、筒状ケース13の筒部13Aの他端部を拡径することにより筒部13Aと一体的に設けられた一体フランジ15Aと、一体フランジ15Aに対面して別個に設けられた一対の半円弧フランジ15Bとにより構成されている。
一体フランジ15Aは、例えば筒部13Aの開口端を取囲む八角形の外形形状をもった板体として形成されている。一体フランジ15Aには、八角形を形成する8箇所の角部のうち、エンジン7に取付けられた状態で上側に位置する2箇所の角部位置に、上側に開放されてボルト挿通溝15A1がそれぞれ設けられている。この2個のボルト挿通溝15A1には、後述する吊り機構26の各吊り機構用ボルト30が上側から挿入、離脱可能に配置することができる。一方、上側に位置する2箇所の角部以外の6箇所の角部位置には、フランジ用ボルト24が挿通されるボルト挿通孔15A2がそれぞれ設けられている。
各半円弧フランジ15Bは、一体フランジ15Aと同形状の板体を上,下方向(垂直方向)に延びる直線で2分割することにより形成されている。各半円弧フランジ15Bは、一体フランジ15Aの板厚寸法よりも大きな板厚寸法を有している。これにより、各半円弧フランジ15Bは、一体フランジ15Aの変形を抑制しつつ、下流側フランジ部15の一体フランジ15Aと中間筒体20の上流側フランジ部22の一体フランジ22Aとを強固に密着させることができる。
また、各半円弧フランジ15Bには、一体フランジ15Aの各ボルト挿通溝15A1と各ボルト挿通孔15A2に対応する位置に、1個のボルト挿通溝15B1と3個のボルト挿通孔15B2とがそれぞれ設けられている。さらに、各半円弧フランジ15Bには、各ボルト挿通溝15B1間に位置して後述する吊り機構26の軸支持部27が設けられている。
ここで、一体フランジ15Aの各ボルト挿通溝15A1と各半円弧フランジ15Bの各ボルト挿通溝15B1とは、吊り機構26の一部を構成している。なお、下流側フランジ部15(一体フランジ15A、各半円弧フランジ15B)は、八角形の外形形状を有することで、エンジン7の浄化装置取付台7Bや作業台に載せたときに安定させることができる。一方で、下流側フランジ部15は、八角形以外の多角形状や円形とすることもできる。以降に説明する各フランジ部19,22,23についても同様である。
下流筒体16は、上流筒体12よりもエンジン7の排気ガス通路の下流側に配置され、排気ガスを排出する出口部分を構成している。下流筒体16は、後述する筒状ケース17、流出管18および上流側フランジ部19により構成されている。
筒状ケース17は、円筒状の筒部17Aと、排気ガスの流れ方向の下流側となる筒部17Aの他端部を閉塞した閉塞部17Bとにより有底筒状体として形成されている。また、筒部17Aの他端側には、後述の流出管18が設けられ、筒部17Aの他端部には、後述の上流側フランジ部19が設けられている。
流出管18は、筒状ケース17の筒部17Aの他端側から径方向の上側に向けて突出した管体として形成されている。この流出管18は、排気ガスを排出するもので、後述の尾管36に接続されている。
上流側フランジ部19は、筒体からなり、筒状ケース17を形成する筒部17Aの開口側となる一端部に設けられている。この上流側フランジ部19は、後述する中間筒体20の下流側フランジ部23と対面してフランジ用ボルト24および吊り機構26の吊り機構用ボルト30によって連結されるものである。上流側フランジ部19は、筒状ケース17の筒部17Aの一端部を拡径することにより筒部17Aと一体的に設けられた一体フランジ19Aと、一体フランジ19Aに対面して別個に設けられた一対の半円弧フランジ19Bとにより構成されている。
一体フランジ19Aは、上流筒体12の下流側フランジ部15の一体フランジ15Aと同様に形成されている。即ち、一体フランジ19Aは、筒部17Aの開口端を取囲む八角形の外形形状をもった板体として形成され、2個のボルト挿通溝19A1と6個のボルト挿通孔19A2とを有している。
各半円弧フランジ19Bは、上流筒体12の下流側フランジ部15の各半円弧フランジ15Bと同様に形成されている。即ち、各半円弧フランジ19Bは、一体フランジ19Aと同形状の板体を上,下方向に延びる直線で2分割することにより形成され、それぞれ1個のボルト挿通溝19B1と3個のボルト挿通孔19B2とを有している。そして、一体フランジ19Aの各ボルト挿通溝19A1と各半円弧フランジ19Bの各ボルト挿通溝19B1とは、吊り機構26の一部を構成している。
中間筒体20は、上流筒体12と下流筒体16との間に設けられている。中間筒体20は、後述する筒状ケース21、上流側フランジ部22および下流側フランジ部23により構成されている。
筒状ケース21は、円筒状の筒体として形成されている。また、筒状ケース21の上流側となる一端側には、後述の上流側フランジ部22が隣合って設けられ、筒状ケース21の下流側となる他端部には、後述の下流側フランジ部23が隣合って設けられている。筒状ケース21内には、後述の粒子状物質除去フィルタ32が収容されている。
上流側フランジ部22は、上流筒体12側となる筒状ケース21の一端部に設けられている。この上流側フランジ部22は、上流筒体12の下流側フランジ部15と対面してフランジ用ボルト24および吊り機構26の吊り機構用ボルト30によって連結されるものである。上流側フランジ部22は、筒状ケース21の一端部を拡径することにより一体的に設けられた一体フランジ22Aと、一体フランジ22Aに対面して別個に設けられた一対の半円弧フランジ22Bとにより構成されている。
一体フランジ22Aは、上流筒体12の下流側フランジ部15の一体フランジ15Aと同様に形成されている。即ち、一体フランジ22Aは、筒状ケース21の開口端を取囲む八角形の外形形状をもった板体として形成され、2個のボルト挿通溝22A1と6個のボルト挿通孔22A2とを有している。
各半円弧フランジ22Bは、一体フランジ22Aと同形状の板体を左,右方向(水平方向)に延びる直線で2分割することにより形成されている。各半円弧フランジ22Bは、一体フランジ22Aの板厚寸法よりも大きな板厚寸法を有している。また、上側に位置する半円弧フランジ22Bには、一体フランジ22Aの2個のボルト挿通溝22A1と上部に位置する2個のボルト挿通孔22A2と対応する位置に、2個のボルト挿通溝22B1と2個のボルト挿通孔22B2とがそれぞれ設けられている。一方、下側に位置する半円弧フランジ22Bには、一体フランジ22Aの下側に位置する4個のボルト挿通孔22A2と対応する位置に、4個のボルト挿通孔22B2が設けられている。
ここで、一体フランジ22Aの2個のボルト挿通溝22A1と上側に位置する半円弧フランジ22Bの2個のボルト挿通溝22B1とは、吊り機構26の一部を構成している。
下流側フランジ部23は、下流筒体16側となる筒状ケース21の他端部に設けられている。この下流側フランジ部23は、下流筒体16の上流側フランジ部19と対面してフランジ用ボルト24および吊り機構26の吊り機構用ボルト30によって連結されるものである。下流側フランジ部23は、一体フランジ23Aと一対の半円弧フランジ23Bとにより構成されている。
一体フランジ23Aは、上流筒体12の下流側フランジ部15の一体フランジ15Aと同様に形成されている。即ち、一体フランジ23Aは、筒状ケース21の開口端を取囲む八角形の外形形状をもった板体として形成され、2個のボルト挿通溝23A1と6個のボルト挿通孔23A2とを有している。
各半円弧フランジ23Bは、上流側フランジ部22の各半円弧フランジ22Bと同様に形成されている。即ち、各半円弧フランジ23Bのうち、上側に位置する半円弧フランジ23Bには、2個のボルト挿通溝23B1と2個のボルト挿通孔23B2とがそれぞれ設けられている。一方、下側に位置する半円弧フランジ23Bには、4個のボルト挿通孔23B2が設けられている。ここで、一体フランジ23Aの2個のボルト挿通溝23A1と上側に位置する半円弧フランジ23Bの2個のボルト挿通溝23B1とは、吊り機構26の一部を構成している。
フランジ用ボルト24は、隣合う上流筒体12の下流側フランジ部15と中間筒体20の上流側フランジ部22、隣合う下流筒体16の上流側フランジ部19と中間筒体20の下流側フランジ部23を締結することにより、互いに連結させるものである。この場合、上流筒体12と中間筒体20との連結構造と下流筒体16と中間筒体20との連結構造は、同様の構造となっていることから、代表して上流筒体12と中間筒体20との連結構造について説明する。
フランジ用ボルト24は、上流筒体12の下流側フランジ部15を構成する一体フランジ15Aの6個のボルト挿通孔15A2、各半円弧フランジ15Bの6個のボルト挿通孔15B2、中間筒体20の上流側フランジ部22を構成する一体フランジ22Aの6個のボルト挿通孔22A2、各半円弧フランジ22Bの6個のボルト挿通孔22B2に挿通されるもので、6本設けられている。そして、各フランジ用ボルト24は、隣合う上流筒体12の下流側フランジ部15と中間筒体20の上流側フランジ部22とを対面させた状態で、各ボルト挿通孔15A2,15B2,22A2,22B2に挿通し、先端のねじ部にナット25を螺着することにより、上部を除いて上流筒体12の下流側フランジ部15と中間筒体20の上流側フランジ部22とを密着状態で連結することができる。
次に、本実施の形態の特徴部分となる吊り機構26の構成および使用方法について詳細に述べる。
吊り機構26は、排気ガス浄化装置11の上側に位置して軸方向に離間した2箇所に設けられている。各吊り機構26は、隣合う上流筒体12の下流側フランジ部15と中間筒体20の上流側フランジ部22との間、隣合う下流筒体16の上流側フランジ部19と中間筒体20の下流側フランジ部23との間を締結することにより、互いに連結させるものである。一方で、各吊り機構26は、粒子状物質除去フィルタ32のメンテナンスを行うために、排気ガス浄化装置11をエンジン7から取外す場合には、吊上げて移動する移動作業に用いられるものである。
この場合、上流筒体12と中間筒体20とを連結する吊り機構26と、下流筒体16と中間筒体20とを連結する吊り機構26とは、同様の構造となっていることから、代表して上流筒体12と中間筒体20とを連結する吊り機構26について説明する。
吊り機構26は、前述した上流筒体12の下流側フランジ部15を構成する一体フランジ15Aの各ボルト挿通溝15A1、各半円弧フランジ15Bの各ボルト挿通溝15B1、中間筒体20の上流側フランジ部22を構成する一体フランジ22Aの各ボルト挿通溝22A1、各半円弧フランジ22Bの各ボルト挿通溝22B1と、後述の軸支持部27、軸部材28、吊り具29、吊り機構用ボルト30を含んで構成されている。
軸支持部27は、連結された状態にあるフランジ部15,22のうちの一方のフランジ部、即ち、下流側フランジ部15の各半円弧フランジ15Bにそれぞれ設けられている。2個の軸支持部27は、各半円弧フランジ15Bのボルト挿通溝15B1間に位置し、かつボルト挿通溝15B1の近傍に設けられている。軸支持部27は、各半円弧フランジ15Bから一体フランジ15Aと反対側となる一側に突出した板状体から形成されている。また、2個の軸支持部27には、上流筒体12の外周面の接線方向、具体的には、排気ガス浄化装置11の軸線と直交する水平方向に貫通して軸挿通孔27Aがそれぞれ設けられている。
軸部材28は、円柱状(丸棒状)に形成され、2個の軸支持部27の軸挿通孔27Aにそれぞれ回動可能に挿着されている。軸部材28には、各軸挿通孔27Aに挿通された状態で、各半円弧フランジ15Bのボルト挿通溝15B1と対向する位置にボルト挿通孔28Aが直径方向に貫通して設けられている。
吊り具29は、軸部材28に取付けられるものである。この吊り具29は、手で掴んで移動するための把持部29Aと、天井クレーン、索条(いずれも図示せず)を用いて吊って移動するための掛け止め部29Bとにより構成されている。具体的には、把持部29Aは、手を用いて持ち上げるときに、手に大きな面積で接触することができるように、軸部材28と同等な長さ寸法をもった長方形状の板体として形成されている。また、把持部29Aには、軸部材28の各ボルト挿通孔28Aに対応するように、長さ方向の両端側にボルト挿通孔29A1が設けられている。
一方、掛け止め部29Bは、把持部29Aの長尺な端縁から直角に屈曲された板体として形成されている。掛け止め部29Bには、索条が掛けられる掛け孔29B1が設けられている。ここで、吊り具29は、把持部29Aと掛け止め部29BとによってL字状に折り曲げられた板体(アングル形状)として形成することで、板厚寸法を厚くすることなく排気ガス浄化装置11を持ち上げるのに十分な強度を得ることができる。
吊り機構用ボルト30は、軸部材28、吊り具29の長さ方向に離間して2本設けられている。2本の吊り機構用ボルト30は、軸部材28と吊り具29とを連結するもので、吊り具29を形成する把持部29Aのボルト挿通孔29A1に挿通され、その先端側にナット25がそれぞれ螺着されている。また、吊り機構用ボルト30は、上流筒体12の下流側フランジ部15を形成する一体フランジ15Aの各ボルト挿通溝15A1、各半円弧フランジ15Bの各ボルト挿通溝15B1と、中間筒体20の上流側フランジ部22を形成する一体フランジ22Aの各ボルト挿通溝22A1、半円弧フランジ22Bの各ボルト挿通溝22B1とに上側から挿通されるものである。
そして、2本の吊り機構用ボルト30を緩めた状態では、吊り機構26は、図4、図6に示す締結位置と図5、図7に示す吊上げ位置との間の回動動作が許可される構成となっている。この場合、図6に示すように、吊り機構26は、締結位置となったときに、軸方向に連結されている各筒体12,16,20の外周面と各筒体12,16,20のフランジ部15,19,22,23の径方向の外周縁の高さ位置(上端縁)との間の収容スペース(径方向寸法)Sに収まっている。これにより、各吊り機構26は、排気ガス浄化装置11の設置スペースを拡大することはない。
酸化触媒31は、流入管14の下流側に位置して上流筒体12の筒状ケース13内に収容されている(図6中に点線で図示)。この酸化触媒31は、排気ガスを浄化処理する処理部材の1つを構成するものである。酸化触媒31は、所定の温度条件のもとで排気ガスを流通させることにより、排気ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化除去するものである。
粒子状物質除去フィルタ32は、中間筒体20の筒状ケース21内に収容されている(図6中に点線で図示)。粒子状物質除去フィルタ32は、処理部材の1つを構成するものである。粒子状物質除去フィルタ32は、エンジン7から排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集すると共に、捕集した粒子状物質を燃焼して除去することにより排気ガスの浄化を行うものである。一方で、粒子状物質除去フィルタ32は、粒子状物質の残留物が徐々に堆積するから、定期的な清掃作業が必要になる。
なお、図1に示すように、運転席台座33は、エンジン7の前側と上側を覆うように旋回フレーム5上に設けられている。運転席34は、運転席台座33の上側に設けられている。外装カバー35は、カウンタウエイト6と運転席台座33との間に位置してエンジン7等を覆っている。また、外装カバー35には、上方に突出して尾管36が設けられ、この尾管36には、排気ガス浄化装置11を構成する下流筒体16の流出管18が接続されている。キャノピ37は、運転席34の上側を覆うことで、運転席34に着座したオペレータを雨水等から保護するものである。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
オペレータは、上部旋回体3の運転席34に着座し、エンジン7を始動して油圧ポンプ8を駆動する。これにより、油圧ポンプ8からの圧油は、制御弁を介して各種アクチュエータに供給される。そして、オペレータが走行用の操作レバーを操作したときには、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、オペレータが作業用の操作レバーを操作することにより、フロント装置4を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
エンジン7の運転時には、その排気管7Aから有害物質である粒子状物質等が排出される。このときに排気ガス浄化装置11は、例えば酸化触媒31によって排気ガス中の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)を酸化除去することができる。また、粒子状物質除去フィルタ32は、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼して除去することができる。これにより、浄化した排気ガスを下流側の流出管18、尾管36を通じて外部に排出することができる。
一方で、粒子状物質除去フィルタ32は、粒子状物質の残留物を除去する清掃作業が定期的に行われる。この粒子状物質除去フィルタ32の清掃作業では、効率の良い作業が行えるように、エンジンから取外されて作業場所へと移動される。
そこで、2個の吊り機構26を用いて排気ガス浄化装置11を作業場所に移動する作業と、隣合う筒体12,16,20を連結する作業とについて説明する。
排気ガス浄化装置11を移動する場合には、まず、吊上げるための吊り具29を用意する。この場合には、2個の吊り機構26のそれぞれの吊り機構用ボルト30を緩める。これにより、吊り機構26は、軸部材28を中心にして回動可能となるから、軸部材28を中心にして吊り具29側を上側に回動させる。これにより、それぞれの吊り具29を筒体12,16,20の径方向の外側に向けて立上った吊上げ位置(図5、図7に示す位置)に配置することができる。
各吊り機構26の吊り具29を吊上げ位置に配置したら、流入管14をエンジン7の排気管7Aから切離し、浄化装置取付台7Bから取外せるようにする。この状態で、各吊り具29の把持部29Aを両手で把持し、持ち上げることにより排気ガス浄化装置11を作業場所に移動することができる。また、各吊り具29の掛け止め部29Bにワイヤ等の索条を掛け、クレーンで吊上げることによっても排気ガス浄化装置11を作業場所に移動することができる。
作業場所に移動した排気ガス浄化装置11は、筒体12,16,20を連結している残りのフランジ用ボルト24を緩めて取外すことにより、中間筒体20を分離し、内部の粒子状物質除去フィルタ32を清掃することができる。
粒子状物質除去フィルタ32の清掃作業が終わったら、各フランジ用ボルト24を締付けて隣合う筒体12,16,20を連結する。このときには、2個の吊り機構26の吊り具29が吊上げ位置に配置されており、各吊り具29で持ち上げることにより排気ガス浄化装置11をエンジン7の浄化装置取付台7Bに移動することができる。この浄化装置取付台7B上では、流入管14をエンジン7の排気管7Aに接続し、各筒体12,16,20を浄化装置取付台7Bに取付ける。
排気ガス浄化装置11を浄化装置取付台7Bに取付けたら、図4、図6に示すように、軸部材28を中心にして吊り具29側を中間筒体20の軸方向側、即ち、中間筒体20の外周面に向け径方向の内側に折り畳んで締結位置に配置する。この締結位置では、各吊り機構26の各吊り機構用ボルト30を締付ける。これにより、各吊り機構26は、各吊り機構用ボルト30によって吊り具29をフランジ部22,23に押付けることにより、各フランジ用ボルト24と一緒に、隣合う上流筒体12の下流側フランジ部15と中間筒体20の上流側フランジ部22、隣合う下流筒体16の上流側フランジ部19と中間筒体20の下流側フランジ部23を締結して互いに連結させることができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、中間筒体20の軸方向側に折り畳まれて格納されると共に、隣合う筒体12,16,20のフランジ部15,19,22,23を締結する締結位置(図4、図6に示す位置)と筒体12,16,20の径方向の外側に向けて立上って排気ガス浄化装置11を吊るための吊上げ位置(図5、図7に示す位置)とに切換え可能な吊り機構26がフランジ部15,19,22,23に設けられている。
従って、各吊り機構26は、排気ガス浄化装置11の移動作業に用いないときに、中間筒体20の軸方向側に折り畳んで締結位置に配置することができる。この結果、各吊り機構26は、筒体12,16,20の周囲にコンパクトに設置することができるから、排気ガス浄化装置11の限られた設置スペース内に設けることができる。
隣合うフランジ部15,19,22,23を締結する複数本のボルトは、吊り機構26により隣合う筒体12,16,20のフランジ部15,19,22,23を締結する吊り機構用ボルト30を含んでいる。この上で、吊り機構用ボルト30を緩めた状態では、吊り機構26の締結位置と吊上げ位置との間の回動動作が許可される構成となっている。これにより、吊り機構用ボルト30を緩めるだけで、吊り機構26を締結位置と吊上げ位置とに簡単に切換えることができる。
吊り機構26は、隣合う筒体12,16,20のそれぞれのフランジ部15,19,22,23の上部に設けられて上側に開放された2個のボルト挿通溝15A1,15B1,19A1,19B1,22A1,22B1,23A1,23B1と、隣合う筒体12,16,20のそれぞれのフランジ部15,19,22,23のうちの一方のフランジ部15,19に設けられ筒体12,16,20の外周面の接線方向を軸線とした軸挿通孔27Aを有する軸支持部27と、軸支持部27の軸挿通孔27Aに回動可能に挿着された軸部材28と、軸部材28に取付けられる吊り具29と、各ボルト挿通溝15A1,15B1,19A1,19B1,22A1,22B1,23A1,23B1に挿通され軸部材28と吊り具29とを連結する2本の吊り機構用ボルト30とによって構成されている。そして、吊り機構26の締結位置では、各吊り機構用ボルト30を締付けることにより吊り具29を対向する他方のフランジ部に押付けて隣合う筒体12,16,20のフランジ部15,19,22,23を挟持することができる。
吊り具29は、手で掴んで移動するための把持部29Aと、索条を用いて吊って移動するための掛け止め部29Bとにより構成されている。これにより、現場の状況に合わせて排気ガス浄化装置11の移動方法を選択することができる。
吊り機構26は、締結位置となったときに筒体12,16,20の外周面とフランジ部15,19,22,23の径方向の外周縁の高さ位置との間の収容スペースSに収められている。従って、吊り機構26によって排気ガス浄化装置11の設置スペースを拡大することはないから、ミニショベルのようにスペースを確保することが困難な機種においても、吊り機構26を設けることができ、排気ガス浄化装置11のメンテナンス等の作業性を向上することができる。
次に、図9は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、吊り機構の吊り具を棒状体によって形成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図9において、第2の実施の形態による吊り機構41は、第1の実施の形態による吊り機構26と、吊り具42の形状で異なり、吊り具42以外の部分では同様の構成となっている。この吊り具42は、軸部材28と同等な長さ寸法をもった棒状体として形成され、長さ方向の両端側にボルト挿通孔(図示せず)を有している。ここで、吊り具42は、棒状体として形成しているから、高い強度を有しており、手を用いて持ち上げる把持部としても、ワイヤ等の索条を掛けて吊上げる掛け止め部としても使用することができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、吊り具42の形状を簡略化することができ、製造コストの低減、省スペース化等を図ることができる。
なお、第1の実施の形態では、排気ガス浄化装置11は、上流筒体12と下流筒体16と1個の中間筒体20とを含んで構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、中間筒体を2個または3個以上設ける構成としてもよい。この場合には、隣合う各フランジ部のうち、バランスよく吊上げることができる2箇所に吊り機構を設ける構成とすればよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
第1の実施の形態では、フランジ部15,19,22,23は、それぞれ一体フランジ15A,19A,22A,23Aと各半円弧フランジ15B,19B,22B,23Bとから形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、各フランジ部を厚肉な1枚の円環状板によって形成する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
各実施の形態では、排気ガス浄化装置11の処理部材として酸化触媒31と粒子状物質除去フィルタ32とを用いる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、浄化装置の処理部材として選択還元触媒等、他の種類の触媒やフィルタを、排気ガスを浄化処理するための処理部材として用いる構成としてもよい。
各実施の形態では、排気ガス浄化装置11を小型の油圧ショベル1に搭載した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば中型以上の油圧ショベルに適用してもよい。また、ホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル、ホイールローダ、フォークリフト、油圧クレーン等、各種の建設機械にも広く適用することができるものである。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
7 エンジン
7A 排気管
11 排気ガス浄化装置
12 上流筒体
15,23 下流側フランジ部
15A,19A,22A,23A 一体フランジ
15A1,15B1,19A1,19B1,22A1,22B1,23A1,23B1 ボルト挿通溝
15B,19B,22B,23B 半円弧フランジ
16 下流筒体
19,22 上流側フランジ部
20 中間筒体
24 フランジ用ボルト(ボルト)
26,41 吊り機構
27 軸支持部
27A 軸挿通孔
28 軸部材
29,42 吊り具
29A 把持部
29B 掛け止め部
30 吊り機構用ボルト(ボルト)
S 収容スペース

Claims (4)

  1. エンジンが搭載された車体と、前記エンジンに排気管を介して接続され前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置とを備え、
    前記排気ガス浄化装置は、前記排気管に接続された筒体からなる上流筒体と、前記上流筒体よりも下流側に配置され排気ガスを排出する筒体からなる下流筒体と、前記上流筒体と前記下流筒体との間に設けられた筒体からなる中間筒体とを含む複数の筒体が連結されて構成されており、
    前記複数の筒体のうち互いに隣合う筒体の対向する端部には、前記筒体の外周面から径方向の外側に延びたフランジ部がそれぞれ設けられ、
    前記隣合う筒体は、それぞれに設けられた前記フランジ部を複数本のボルトで締結することにより連結される構成としてなる建設機械において、
    前記筒体の軸方向側に折り畳まれて格納されると共に、前記隣合う筒体の前記フランジ部を締結する締結位置と前記筒体の径方向の外側に向けて立上って前記排気ガス浄化装置を吊るための吊上げ位置とに切換え可能な吊り機構が前記フランジ部に設けられていることを特徴とする建設機械。
  2. 前記複数本のボルトは、前記吊り機構により前記隣合う筒体の前記フランジ部を締結する吊り機構用ボルトを含んでおり、
    前記吊り機構用ボルトを緩めた状態では、前記吊り機構の前記締結位置と前記吊上げ位置との間の回動動作が許可されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記吊り機構は、
    前記隣合う筒体のそれぞれの前記フランジ部の上部に設けられて上側に開放された2個のボルト挿通溝と、
    前記隣合う筒体のそれぞれの前記フランジ部のうちの一方のフランジ部に設けられ前記筒体の前記外周面の接線方向を軸線とした軸挿通孔を有する軸支持部と、
    前記軸支持部の前記軸挿通孔に回動可能に挿着された軸部材と、
    前記軸部材に取付けられる吊り具と、
    前記各ボルト挿通溝に挿通され前記軸部材と前記吊り具とを連結する2本の前記吊り機構用ボルトとによって構成され、
    前記吊り機構の前記締結位置では、前記吊り機構用ボルトを締付けることにより前記吊り具を対向する他方の前記フランジ部に押付けて前記隣合う筒体の前記フランジ部を挟持する構成としていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  4. 前記吊り機構は、前記締結位置となったときに前記筒体の外周面と前記フランジ部の径方向の外周縁の高さ位置との間に収められることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
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