本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[チャネル/シグナル]
LTE(EUTRA)のチャネルは、論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。チャネルとは信号の送受信に用いられる媒体を意味し、論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータの特性と、そのデータがどのように送信されるのかについて定義する。
物理チャネルは、トランスポートチャネルによって物理層に転送されたデータを運ぶ物理的な媒体を意味する。本発明において、物理チャネルは、信号と同義的に使用され得る。なお、物理チャネルは、EUTRA(LTE、LTE−A)を発展させた通信システムにおいて、新規チャネルの追加、または、その構造(構成)やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、そのような場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAでは、物理チャネルまたは物理シグナルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1サブフレームは1ms、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
EUTRAにおける下りリンクについて説明する。下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネルBCCH(Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネルPCCH(Paging Control Channel)、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
報知制御チャネルBCCHは、システム情報を報知する(broadcast)ために使用される論理チャネルである。ページング制御チャネルPCCHは、ページング情報を送信するために使用される論理チャネルであり、ネットワークが端末装置を呼び出すときや、システム情報の更新を通知する場合に使用される。共通制御チャネルCCCHは、端末装置とネットワーク間で制御情報を送信するために使用される論理チャネルであり、下りリンクにおいて、端末装置の状態がネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio ResourceControl)接続されている状態(RRC接続状態、RRC_CONNECTED)に移行していない場合に、基地局装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、端末装置とネットワーク間で個別(dedicated)の制御情報を送信するために使用される論理チャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続状態の端末装置と基地局装置との間において使用されうる。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、ある一つの端末装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送(送信)のために使用される論理チャネルである。
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネルBCH(Broadcast Channel)、ページングチャネルPCH(Paging Channel)、下りリンク共用チャネルDL−SCH(Downlink Shared Channel)が含まれる。
報知チャネルBCHは、固定的かつ事前に定義された形式(Transport format)によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネルDL−SCHは、HARQ(HybridAutomatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応変調(link adaptation)制御、動的または準静的なリソース割り当て、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)がサポートされる。また、ページングチャネルPCHは、セル全体に報知される、間欠受信をサポートする。
EUTRAの下りリンクの物理チャネルと物理シグナルについて説明する。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナル(PSS)と、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナル(SSS)とで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルの物理セルIDを特定する。
下りリンクリファレンスシグナル(下りリンク参照信号)は、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有RS(CRS: Cell-specific reference signals)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルであり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンクリファレンスシグナルである。端末装置は、セル固有RSを受信することでセル毎の受信品質を測定することができる。また、端末装置は、セル固有RSと一緒に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としてもセル固有RSを使用することができる。
セル固有RSに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。セル固有RSは、基地局装置より全ての下りリンクサブフレームで送信されてもよいし、基地局装置によって指定された下りリンクサブフレームでのみ送信されてもよい。また、端末装置は、セル固有RSを全ての下りリンクサブフレームで受信してもよいし、基地局装置によって指定された下りリンクサブフレームでのみ受信してもよい。
また、下りリンクリファレンスシグナルは下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンクリファレンスシグナルのことをチャネル状態情報リファレンスシグナル(Channel State Information Reference Signals;CSI−RS、CSI参照信号)と称する。また、CSI参照信号は、実際には信号の送信されない、または、ゼロパワーで送信されてもよい。一方、実際に信号が送信されるCSI−RSは、非ゼロパワーCSI−RS(NZP CSI-RS: Non Zero Power Channel State Information Reference Signals)と称してもよい。また、干渉成分を測定するために用いられる下りリンクの無線リソースの事をチャネル状態情報干渉測定リソース(CSI-IMR: Channel State Information - Interference Measurement Resource)あるいはCSI−IMリソースと称してもよい。
また、端末装置に対して個別に設定される下りリンクリファレンスシグナルは、UE specific Reference Signals(URS)、Demodulation Reference Signal(DMRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、拡張物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルを復調するときのチャネルの伝搬路補償処理のために参照される。
物理報知チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(MIB; Master information block)を通知(設定)する目的で送信される。基地局装置は、物理報知チャネルによってMIBを含むマスターインフォメーションブロックメッセージを通知(送信)する。マスターインフォメーションブロックメッセージで端末装置に通知(設定)される情報、すなわちMIBで通知される情報は、下りリンク周波数帯域幅、システムフレームナンバー、およびHybrid ARQに関する物理チャネル(PHICH)の設定情報(configuration)などである。
基地局装置は、サブフレーム位置と周期が静的に定まる(pre-defined)システムインフォメーションブロック タイプ1(SIB1; System information block Type1)メッセージと、システムインフォメーションブロック タイプ1で指定されるシステムインフォメーションウィンドウ(SI−window)内で動的にスケジューリングされるその他のタイプのシステムインフォメーションメッセージ(例えば、システムインフォメーションブロック タイプ2〜タイプn(nは自然数))と、を用いてマスターインフォメーションブロック以外のセル共通情報を端末装置に送信する。
ここで、マスターインフォメーションブロックメッセージ、システムインフォメーションブロック タイプ1メッセージ、システムインフォメーションメッセージは、それぞれレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)である。なお、本明細書において、システム情報(報知情報)とは、これらのRRCメッセージのことを、または、マスターインフォメーションブロックと各システムインフォメーションブロックで通知される情報(情報要素)のことを意味している場合がある。
システムインフォメーションメッセージは、物理下りリンク制御チャネルで示される無線リソースにおいて物理下りリンク共用チャネルを用いて通知され、その用途に応じて分類されたシステム情報(システムインフォメーションブロック タイプ2〜タイプn(SIB2〜SIBn(nは自然数)))の一つを対応するシステムインフォメーションウィンドウ内で送信する。
システム情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定(共通ランダムアクセス設定)情報、タイミング調整情報、セル毎の共通無線リソース設定情報、同周波数(異周波数、異RAT)の周辺セルリスト情報(Neighboring cell list)、上りリンクアクセス制限情報などが通知される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボル(例えば1〜4OFDMシンボル)で送信される。拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH; Enhanced Physical Downlink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルPDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される物理下りリンク制御チャネルである。PDCCHまたはEPDCCHは、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する制御情報などを通知する目的で使用される。以降、単に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と記載した場合、特に明記がなければ、PDCCHとEPDCCHの両方の物理チャネルを意味する。
端末装置は、レイヤ2メッセージ(MAC−CE)およびレイヤ3メッセージ(ページング、システムインフォメーションなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメントとも称する)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、ページングやシステムインフォメーションなどのレイヤ3メッセージを端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される(通知される)。物理下りリンク共用チャネルは物理下りリンク制御チャネルが送信されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに配置されて送信される。すなわち、物理下りリンク共用チャネルと物理下りリンク制御チャネルは1サブフレーム内で時分割多重される。
報知チャネルBCHは、物理報知チャネルPBCHにマッピングされる。ページングチャネルPCHおよび下りリンク共用チャネルDL−SCHは、物理下りリンク共用チャネルPDSCHにマッピングされる。物理下りリンク制御チャネルPDCCHは、物理チャネル単独で使用される。
また、下りリンクにおいて、ページング制御チャネルPCCHは、ページングチャネルPCHにマッピングされる。報知制御チャネルBCCHは、報知チャネルBCHと下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。
次に、EUTRAにおける上りリンクについて説明する。上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
共通制御チャネルCCCHは、端末装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用される論理チャネルであり、上りリンクにおいて、端末装置の状態がネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続されている状態(RRC接続状態、RRC_CONNECTED)に移行していない場合(すなわち、RRCアイドル状態、RRC_IDLE)に、端末装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、端末装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために使用される論理チャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続状態の端末装置と基地局装置との間において使用されうる。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、1つの端末装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送のために使用される論理チャネルである。
上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネルUL−SCH(Uplink Shared Channel)とランダムアクセスチャネルRACH(Random Access Channel)が含まれる。
上りリンク共用チャネルUL−SCHでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応変調制御、動的または準静的なリソース割り当て、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)がサポートされる。ランダムアクセスチャネルRACHでは、限定的な(limited)制御情報が送信される。
EUTRAの上りリンクの物理チャネルと物理シグナルについて説明する。
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH; Physical Uplink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信された下りリンクデータの受信確認応答(ACK/NACK;Acknowledgement/Negative Acknowledgement)や下りリンクの伝搬路(チャネル状態)情報(CSI;Channel State Information)、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求、スケジューリングリクエスト(SR;Scheduling Request))を行なうために使用される。
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、CSIやACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ2メッセージおよびレイヤ3メッセージとして端末装置から基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクリファレンスシグナル(上りリンク参照信号;Uplink Reference Signal(上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する))は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(DMRS; Demodulation ReferenceSignal)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(SRS; Sounding Reference Signal)が含まれる。また、サウンディング参照信号には、周期的に送信される周期的サウンディング参照信号(Periodic SRS)と、基地局装置から指示されたときに送信される非周期的サウンディング参照信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知(設定)するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、複数のシーケンスによって基地局装置へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置へ示すことができる。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。
端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の上りリンクの無線リソース要求のため、または、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要なタイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するためなどに物理ランダムアクセスチャネルを用いる。また、基地局装置は、端末装置に対して物理下りリンク制御チャネルを用いてランダムアクセス手順の開始を要求することもできる。
上りリンクにおいて、共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、上りリンク共用チャネルUL−SCHにマッピングされる。
上りリンク共用チャネルUL−SCHは、物理上りリンク共用チャネルPUSCHにマッピングされる。ランダムアクセスチャネルRACHは、物理ランダムアクセスチャネルPRACHにマッピングされる。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理チャネル単独で使用される。
なお、それ以外の物理チャネルまたは物理シグナルは、本発明の各実施形態と強く関わらないため詳細な説明は省略する。説明を省略した物理チャネルまたは物理シグナルとして、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator CHannel)、物理HARQ指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast CHannel)などがある。
また、端末装置間の直接通信(Device to Device, D2D)用の論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネル、または物理シグナル(これらをまとめてサイドリンクチャネルとも称する)もまたEUTRAにおいて用いられるが、これらについても説明も省略する。
[プロトコルスタック]
図11に示すように、端末装置および基地局装置の制御データを扱うプロトコルスタック(Protocol stack)は、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層に少なくとも分類される。また、図12に示すように、端末装置および基地局装置のユーザデータを扱うプロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、PDCP層に少なくとも分類される。端末装置、および/または、基地局装置は、各階層の機能/役割を実行するエンティティー(entity)をそれぞれの階層に持つ。
図11および図12の各層の順番は、レイヤ間の上位/下位を示す。例えば、RRC層はPDCP層、RLC層、MAC層、PHY層の上位レイヤである。また、MAC層はRRC層、PDCP層、RLC層の下位レイヤであり、かつ、PHY層の上位レイヤである。
物理層(Physical layer:PHY層)は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位レイヤに伝送サービスを提供する。PHY層は、媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer:MAC層)とトランスポートチャネルで接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC層とPHY層とレイヤ(layer:層)間でデータが移動する。端末装置と基地局装置の物理層間において、物理チャネルを介してデータの送受信が行われる。
MAC層は、無線リンク制御層(Radio Link Control layer:RLC層)と論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって区別されており、制御情報を伝送する制御チャネルと、ユーザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。
MAC層における機能は、論理チャネルとトランスポートチャネル間のマッピング、間欠受信(DRX)と間欠送信(DTX)を実行するためのPHY層の制御、送信電力の情報の通知、HARQ(誤り訂正)制御、ダイナミックスケジューリングによる端末装置間の優先度のハンドリング、論理チャネルの優先度のハンドリング、送信フォーマット選択、などである。これらMAC層の機能は、MACエンティティーによって実行される。
RLC層の機能は、上位レイヤから受信したデータ(Protocol Data Unit:PDU)の転送、ARQ(誤り訂正)機能、RLCデータの分割(Segmentation)および連結(Concatenation)、PDUの再分割(re-segmentation)、PDU順番の再配置(re-ordering)、データの重複検出、プロトコルエラー検出、RLCデータの破棄、などである。これらRLC層の機能は、RLCエンティティーによって実行される。
パケットデータコンバージェンスプロトコル層(Packet Data Convergence Protocol layer:PDCP層)の機能は、ユーザデータまたは制御データの転送、ユーザデータであるIPパケットを無線区間で効率的に伝送するためのヘッダ圧縮、シーケンス番号の管理、ユーザデータまたは制御データの秘匿および秘匿解除、制御データの改ざん防止(integrity protection)、データの重複検出と破棄、などである。これらPDCP層の機能は、PDCPエンティティーによって実行される。
無線リソース制御層(Radio Resource Control layer:RRC層)では、制御情報のみが定義される。RRC層の機能は、システム情報の報知(NAS共通情報、セル選択パラメータ、周辺セル情報、共通チャネル設定、ETWS(Earthquake Tsunami Warning System)/CMAS(Commercial Mobile Alert System)を含む)、RRC接続制御(ページング、RRC接続の確立/変更/リリース、改ざん防止設定、秘匿設定、移動性(mobility)制御、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定/変更/リリース、無線設定制御(ARQ設定、HARQ設定、DRX設定などの割り当て/変更)、セカンダリセルの追加/変更/リリース、QoS制御、無線リンク障害(Radio link failure)からの復帰)、などである。
また、RRC層の機能は、RAT間(inter-RAT)モビリティ、一般的なプロトコルエラーハンドリング、測定設定と報告、端末装置ログの保存と報告、なども含む。これらRRC層の機能は、RRCエンティティーによって実行される。
RBは、シグナリング無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)の2種類のRBがある。SRBは、制御情報であるレイヤ3メッセージを送信する経路として利用される。DRBは、ユーザ情報を送信する経路として利用される。基地局装置と端末装置のRRCエンティティー間で各RBの設定(追加、変更、リリース)が行われる。
レイヤ3メッセージは、端末装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)エンティティー間でやり取りされる制御平面(CP(Control−plane、C−Plane))のプロトコルで取り扱われるメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義的に使用され得る。なお、制御平面に対し、ユーザデータを取り扱うプロトコルのことをユーザ平面(UP(User−plane、U−Plane))と称する。
[ディスカバリ信号]
基地局装置は、端末装置に対してディスカバリ信号(DS:Discovery Signal)を送信してもよい。ディスカバリ信号は、ディスカバリ参照信号(DRS:Discovery Reference Signal)とも称される。ディスカバリ信号は、ディスカバリ信号測定タイミング設定(DMTC: Discovery signals measurement timing configuration)によって定まるディスカバリ信号測定タイミング設定機会(DMTC Occasion(以後、ディスカバリ信号送信機会と称する))において送信されてもよい。
ディスカバリ信号送信機会(DMTC Occasion)におけるディスカバリ信号は、下りリンク送信をオフ(下りリンク送信を停止)した基地局装置から送信されてもよい。換言すれば、下りリンク送信をオフした基地局装置は、ディスカバリ信号測定タイミング設定に基づく測定区間(すなわち、ディスカバリ信号送信機会)においてディスカバリ信号のみを送信し、それ以外の区間では下りリンク送信を停止することができる。
基地局装置は、端末装置に対し、RRCシグナリングを用いてディスカバリ信号測定タイミング設定を通知する。ディスカバリ信号測定タイミング設定が通知された端末装置は、ディスカバリ信号測定タイミング設定を、測定対象となる周波数に適用して測定を行う。すなわち、端末装置は、ディスカバリ信号測定タイミング設定に基づく測定区間(すなわち、ディスカバリ信号送信機会)においてディスカバリ信号の測定を行う。なお、ディスカバリ信号測定タイミング設定が通知された端末装置は、ディスカバリ信号送信機会以外のサブフレームではディスカバリ信号が送信されないと想定してよい。
ディスカバリ信号は、一つまたは複数の物理シグナルの組み合わせによって構成されてもよい。例えば、ディスカバリ信号は、PSS、SSS、CRSにより構成されてもよい。端末装置は、ディスカバリ信号であるCRSを用いてRSRPとRSRQの測定を行ってもよい。また、更に、ディスカバリ信号は、PSS、SSS,CRSに加え、CSI−RSを含めた構成でもよい。端末装置は、ディスカバリ信号であるCSI−RSを用いてRSRPとRSRQの測定を行ってもよい。
あるセルのディスカバリ信号送信機会(DMTC Occasion)のサブフレーム数は、FDD(Frame structure type 1)において1から5であり、TDD(Frame structure type 2)において2から5である。サブフレーム数は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)で示され、基地局装置によってRRCシグナリングで通知される。端末装置は、RRCシグナリングによって設定される周期(ディスカバリ信号測定タイミング設定周期、またはDMTC周期(dmtcPeriodicity))毎に一度のディスカバリ信号送信機会があると想定してもよい。
各物理シグナルはそれぞれ以下のように仮定されてもよい。CRSは、ディスカバリ信号期間における全ての下りリンクサブフレーム、および、全てのスペシャルサブフレーム(TDDにおける上りリンクと下りリンクの切り替えが発生するサブフレーム)の下りリンクタイムスロット(DwPTS:downlink Pilot time slot)で、アンテナポート0で送信される。PSSは、FDDにおいてディスカバリ信号期間の最初のサブフレームで送信される。あるいは、PSSは、TDDにおいてディスカバリ信号期間の2番目のサブフレームで送信される。SSSは、ディスカバリ信号期間の最初のサブフレームで送信される。CSI−RSは、ディスカバリ信号期間において、ゼロ、または、1以上のサブフレームで送信され、その電力はゼロ以外(すなわち、ノンゼロパワーのCSI−RS)で送信される。
図13は、本発明の実施形態に係るディスカバリ信号について説明するための図である。図13(a)は、従来のディスカバリ信号の送信タイミングとディスカバリ信号に関わるパラメータについて示した図である。ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)は、DMTC周期(dmtcPeriodicity)の間隔で存在する。また、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)は、DMTC周期(dmtcPeriodicity)の先頭フレームからDMTCオフセット(dmtcOffset)だけ遅れたタイミングから始まる。ディスカバリ信号(DS)は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)の間に送信される。
図13(b)は、非ライセンスバンドに適用されるディスカバリ信号の送信タイミングとディスカバリ信号に関わるパラメータについて示した図である。ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)、DMTC周期(dmtcPeriodicity)、DMTCオフセット(dmtcOffset)の関係は従来(図13(a))と同じである。非ライセンスバンド(LAAセル)では、LBTに基づいて、基地局装置が信号を送信できないビジー状態が発生する。このビジー状態がディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中に起きた場合、図13(b)に示すように、ディスカバリ信号の送信タイミングがビジー状態の解消までずれる場合がある。
すなわち、基地局装置は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中に(LBTに基づいて)ビジー状態が解消された場合、残りのディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中に再度ディスカバリ信号を送信し、端末装置は、所定のタイミングでディスカバリ信号が検出できなかった場合、ビジー状態によりディスカバリ信号が送信されないことを考慮し、残りのディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中において、ディスカバリ信号の検出を試みる。すなわち、このとき端末装置は従来と異なるタイミングでディスカバリ信号の検出を試みる。
[無線ネットワーク]
基地局装置によって制御される各周波数の通信可能範囲(通信エリア)はセルとしてみなされる。このとき、基地局装置がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。基地局装置の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数のエリアに混在して一つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
端末装置は、セルの中を通信エリアとみなして動作する。端末装置が、あるセルから別のセルへ移動するときは、非無線接続時(非通信中)はセル再選択手順、無線接続時(通信中)はハンドオーバー手順によって別の適切なセルへ移動する。適切なセルとは、一般的に端末装置のアクセスが基地局装置から指定される情報に基づいて禁止されていないと判断したセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満足するセルのことを示す。
基地局装置は端末装置がその基地局装置で通信可能なエリアであるセルを周波数毎に管理する。1つの基地局装置が複数のセルを管理していてもよい。セルは、端末装置と通信可能なエリアの大きさ(セルサイズ)に応じて複数の種別に分類される。例えば、セルは、マクロセルとスモールセルに分類される。スモールセルは、一般的に半径数メートルから数十メートルまでをカバーするセルである。また、スモールセルは、そのエリアの大きさに応じて、フェムトセル、ピコセル、ナノセルなどに分類されることもある。
端末装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルのうち、端末装置との通信に使用されるように設定されているセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。
[キャリア・アグリゲーション]
また、端末装置と基地局装置は、キャリア・アグリゲーションによって複数の異なる周波数バンド(周波数帯)の周波数(コンポーネントキャリア、または周波数帯域)を集約(アグリゲート、aggregate)して一つの周波数(周波数帯域)のように扱う技術を適用してもよい。キャリア・アグリゲーションにおいて、コンポーネントキャリアとして、上りリンクに対応する上りリンクコンポーネントキャリアと、下りリンクに対応する下りリンクコンポーネントキャリアとがある。本明細書において、周波数と周波数帯域は同義的に使用され得る。
例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、キャリア・アグリゲーションを可能な能力を持つ端末装置はこれらを100MHzの周波数帯域幅とみなして送受信を行う。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数であってもよい。例えば、使用可能な周波数バンドが800MHz帯、2GHz帯、3.5GHz帯である場合、あるコンポーネントキャリアが800MHz帯、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯、さらに別のコンポーネントキャリアが3.5GHz帯で送信されていてもよい。
また、同一周波数帯の連続または不連続の複数のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は端末装置の受信可能周波数帯域幅(例えば20MHz)よりも狭い周波数帯域幅(例えば5MHzや10MHz)であっても良く、集約する周波数帯域幅が各々異なっていても良い。周波数帯域幅は、互換性を考慮して従来のセルの周波数帯域幅のいずれかと等しいことが望ましいが、従来のセルの周波数帯域と異なる周波数帯域幅を持っていても構わない。
なお、基地局装置が端末装置に割り当てる(設定する、追加する)上りリンクコンポーネントキャリアの数は、下りリンクコンポーネントキャリアの数と同じか少ないことが望ましい。
端末装置と基地局装置は、ある上りリンクコンポーネントキャリアと、当該上りリンクコンポーネントキャリアとセル固有接続される下りリンクコンポーネントキャリアから構成されるセルを、プライマリセル(PCell:Primary cell)として管理する。また、端末装置と基地局装置は、プライマリセル以外のコンポーネントキャリアから構成されるセルを、セカンダリセル(SCell:Secondary cell)として管理する。プライマリセルの周波数をプライマリ周波数と称し、セカンダリセルの周波数をセカンダリ周波数と称する。
端末装置は、プライマリセルにおいて、ページングメッセージの受信、報知情報の更新の検出、初期アクセス手順、セキュリティ情報の設定などを行う一方、セカンダリセルではこれらを行わないでもよい。プライマリセルとセカンダリセルとを合わせてサービングセル(在圏セル)と称する。
なお、キャリア・アグリゲーションによって、一つまたは複数のLAAセルを集約してもよい。この場合、LAAセルはセカンダリセルとして追加されることが望ましい。
プライマリセルは活性化(Activation)および不活性化(Deactivation)の制御の対象外であるが(つまり、プライマリセルは必ず活性化しているとみなされる)、セカンダリセルは活性化と不活性化というアクティビティに応じたセルの状態(state)を持つ。セルの状態に関し、セルが活性化されている状態(活性化状態)をActivated state(アクティベート状態)、セルが不活性化されている状態(不活性化状態)をDeactivated state(デアクティベート状態)とも称する。
セル(セカンダリセル)の状態は、基地局装置から明示的に状態の変更が指定(通知、指示)される場合もあるし、コンポーネントキャリア(セカンダリセル)毎に端末装置が計時するタイマー情報(セカンダリセル不活性化タイマー;デアクティベーションタイマー)に基づいて状態が変更される場合もある。
なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のコンポーネントキャリア(周波数帯域)を用いた複数のセルによる通信であり、セル・アグリゲーションとも称される。なお、端末装置は、周波数毎にリレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置と無線接続されても良い。すなわち、本発明の各実施形態の基地局装置は、リレー局装置に置き換えることもできる。
[LAA]
非ライセンス領域のことを、アンライセンスバンド(unlicensed band)、または非ライセンスバンドと称する。非ライセンスバンドの周波数を使用し、ライセンスバンド(licensed band)の周波数のセルに対する追加のリソースとして設定されるセルを、LAAセルと称する。LAAセルが用いる周波数は、他の通信システムおよび/または他のオペレータと共用されてもよい。LAAセルの周波数が共用される場合、他の通信システムおよび/または他のオペレータとの公平性を考慮する必要がある。すなわち、LAAセルでの通信において、公平な周波数共用技術(方法)を適用することが望ましい。
公平な周波数共用技術の一例は、LBT(Listen-Before-Talk)である。LBTは、ある基地局装置または端末装置が、非ライセンスバンドの周波数で信号を送信する前に、その周波数の電力(干渉信号、受信電力、受信信号、雑音電力、雑音信号)などを測定(検出)することにより、その周波数がアイドル(空いている状態)であるか、またはビジー(空いていない状態)であるかを、識別(検出、想定、決定)する。周波数がアイドルであることを、サイレント区間(silent period)とも称する。
基地局装置または端末装置は、LBTに基づいてその周波数がアイドルであると識別した場合、そのLAAセルにおいて所定のタイミングで信号を送信することができる。基地局装置または端末装置は、LBTに基づいてその周波数がビジーであると識別した場合、そのLAAセルにおいて所定のタイミングで信号を送信することを避けるべきである。このように、LBTを用いることで、他の通信システムおよび/または他のLTEオペレータを含む他の基地局装置および/または端末装置が送信している信号に対して、干渉を与えないように制御できる。
LBTの手順は、ある基地局装置または端末装置がその周波数(チャネル)を用いる前にCCA(クリアチャネル評価:clear channel assessment)を適用するメカニズムとして定義される。CCAとは、送信タイミングにおいて、かかる周波数がアイドルであるかビジーであるかどうかを識別するために、その周波数において適切な閾値レベルを用いた信号エネルギー(信号の有無)の検出を行うことである。なお、本実施形態において、CCAの定義はLBTの定義と同等であってもよい。
CCAにおいて、他の信号の有無を検出する方法は、様々な方法を用いることができる。例えば、ある周波数における干渉電力が、ある閾値を超えるかどうかに基づいてCCAを実行してもよい。また、例えば、ある周波数における所定の信号またはチャネルの受信電力(信号強度)が、ある閾値を超えるかどうかに基づいてCCAを実行してもよい。閾値は予め規定されてもよいし、端末装置であれば基地局装置からシステム情報または個別の無線リソース制御メッセージによって通知されてもよいし、基地局装置であれば上位の無線局装置(例えばMMEエンティティ)から通知されてもよい。
例えば、端末装置または基地局装置は、周波数のRSSI(Received Signal StrengthIndicator)を測定することでCCAを実行してもよい。RSSIは、同一チャネルのサービングセルや周辺セルからの電力、隣接チャネルからの干渉電力、熱雑音電力、などを含んだ総受信電力であり、信号強度(受信強度)を示す指標となる。
LAAセルは、ライセンスバンド(licensed band)における従来のセカンダリセルと異なるセルとして定義されてもよい。例えば、LAAセルは、ライセンスバンドを用いるセカンダリセルと異なる設定が通知されてもよい。LAAセルは、セカンダリセルの一形態として定義されてもよい。また、従来のセカンダリセルは第1のセカンダリセルとも呼称され、LAAセルは第2のセカンダリセルとも呼称される。また、従来のプライマリセルおよびセカンダリセルは第1のサービングセルとも呼称され、LAAセルは第2のサービングセルとも呼称される。
非ライセンスバンドは、所定のオペレータに対して専有周波数として割り当てられるライセンスバンドとは異なる周波数である。例えば、非ライセンスバンドは、無線LANなどの非オペレータが自由に利用可能な周波数バンドの周波数である。また、例えば、非ライセンスバンドはデュアルコネクティビティ、または、スタンドアローンにおいて設定されない周波数である。すなわち、非ライセンスバンドの周波数は、プライマリセル(またはプライマリセカンダリセル)に対して設定できない周波数であり、セカンダリセルのみに設定できる周波数である。
なお、技術の進歩により、LAAセルに設定される周波数が非ライセンスバンドに限定されず、デュアルコネクティビティ、または、スタンドアローンにおいて設定されてもよい。すなわち、将来的に、非ライセンスバンドの周波数がプライマリセル(またはプライマリセカンダリセル)に使用されてもよい。
LAAセルは、LTEにおける無線フレーム、物理信号、および/または物理チャネルなどの構成およびL1手順、L3手順(RRC手順、測定方法)などに関して、従来の方式とは異なる方式を用いるセルであってもよい。
例えば、LAAセルでは、従来のプライマリセルおよび/またはセカンダリセルで設定(送信)される所定の信号および/またはチャネルの一部が設定(送信)されなくてもよい。その所定の信号および/またはチャネルは、CRS、DS、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、PSS、SSS、PBCH、PHICH、PCFICH、CSI−RSなどを含む。
例えば、LAAセルで設定されない信号および/またはチャネルは、以下の通りである。なお、以下で説明される信号および/またはチャネルは組み合わせて用いられてもよい。なお、本実施形態において、LAAセルで設定されない信号および/またはチャネルは、端末がそのLAAセルからの送信を期待しない信号および/またはチャネルと読み替えてもよい。
(1)LAAセルでは、物理レイヤの制御情報は、PDCCHで送信されず、EPDCCHのみで送信されてもよい。
(2)LAAセルでは、全てのサブフレームでCRS、DMRS、URS、PDCCH、EPDCCHおよび/またはPDSCHが送信されていなくてもよく、端末装置は全てのサブフレームで送信されていることを想定しなくてもよい。
(3)LAAセルでは、端末装置は、指定されたサブフレーム区間において、DRS、PSS、および/またはSSSが送信されていることを想定する。
また、例えば、LAAセルでは、下りリンクコンポーネントキャリアまたはサブフレームのみが定義され、下りリンク信号および/またはチャネルのみが送信される。すなわち、LAAセルでは、上りリンクコンポーネントキャリアまたはサブフレームが定義されず、上りリンク信号および/またはチャネルは送信されない。
[Measurement(測定)]
物理層で測定される測定結果として、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)などがある。
RSRPは下りリンクリファレンスシグナルの受信電力として定義される。RSRQは下りリンクリファレンスシグナルの受信品質として定義される。RSRQは、RSRPとRSSIの比で定義され、計算式N×RSRQ/RSSIから求められる。ここで、Nは、RSSIの測定帯域幅に相当するリソースブロック数であり、RSRQの分子と分母は、同じ数のリソースブロックのセットで構成される。
ETURAにおけるRSSI(E-UTRA carrier RSSI)は、一つまたは複数の測定サブフレームにおける、一つまたは複数のOFDMシンボルのみから観測される総受信電力を平均(線形平均)した値で構成される。換言すると、RSSIは、アンテナポート0のCRS(アンテナポート0にマップされた無線リソース)を含むOFDMシンボルの総受信電力を線形平均した値である。RSSIは、N個のリソースブロック数の測定帯域幅で測定される。なお、上位レイヤから全てのOFDMシンボルを用いてRSRQ測定を行うことが通知(指示、設定)された場合、RSSIは全てのOFDMシンボル(CRSを含むOFDMシンボル、および、CRSを含まないOFDMシンボル)を用いて測定される。
次に、端末装置における測定制御の方法(測定方法、測定手順)について説明を行う。基地局装置は、端末装置に対して、RRCメッセージである無線リソース制御接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを用いて、測定設定(Measurement configuration)を通知する。
端末装置は、受信した測定設定に含まれる測定パラメータ(情報要素)を設定するとともに、通知された測定パラメータに従って、在圏セル(serving cell)および周辺セル(リストセル(listed cell)および/または検出セル(detected cell)を含む)に対する測定、測定イベントのイベント評価、測定報告を行う。リストセルは、測定対象(Measurement object(s))に含まれる周辺セルリストとして通知されているセルであり、検出セルは、測定対象によって示された周波数において端末装置が検出したが、測定対象にはリストされていないセル(端末装置自身が検出したセル)である。
測定には、周波数内測定(intra-frequency measurements)、周波数間測定(inter-frequency measurements)、無線アクセス技術間測定(inter-RAT measurements)がある。周波数内測定は、在圏セルの下りリンク周波数での測定である。周波数間測定は、在圏セルの下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。無線アクセス技術間測定は、在圏セルの無線技術(例えばEUTRA)とは異なる無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)での測定である。
測定設定には、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement object(s))、報告設定(Reporting configuration(s))、数量設定(quantityConfig)、測定ギャップ設定(measGapConfig)、在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)、全シンボル上RSRQ測定(measRSRQ-OnAllSymbols)などが測定パラメータとして含まれる。
数量設定(quantityConfig)は、関連する測定対象がEUTRAの場合、レイヤ3フィルタリング係数(L3 filtering coefficient)を指定する。レイヤ3フィルタリング係数(L3filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去の測定結果とのフィルタリングの比(割合)を設定する。フィルタリング結果は、端末装置でイベント評価に使用される。イベント評価とは、端末装置において実施される、報告設定で示される測定イベントのトリガ基準を満たしたか否かの判断のことを示す。レイヤ3フィルタリング係数は、測定する数量(quantity)毎(すなわち、RSRP、RSRQ、RSSI毎)に個別に通知される。
全シンボル上RSRQ測定(measRSRQ-OnAllSymbols)が設定されている場合、端末装置は、全てのOFDMシンボルにおいてRSRQを測定する。すなわち、RSRQを求めるためのRSSI測定において、全てのOFDMシンボルを用いてRSSIを測定する。
ここで、測定識別子(measId)は、測定対象と、報告設定とをリンクする(対応付ける)ために使用され、具体的には、測定設定において、測定識別子(measId)と、リンクされる一つの測定対象識別子(measObjectId)と一つの報告設定識別子(reportConfigId)とが基地局装置によって設定され、端末装置に通知される。すなわち、測定識別子は、一つの測定対象と一つの報告設定とをリンクするものである。測定設定は、測定識別子、測定対象、報告設定の対応関係(リンク)に対してそれぞれ追加、修正、あるいは削除することが可能である。
測定対象は、無線アクセス技術(RAT)ごと(例えば、UTRA-FDD、UTRA-TDD、GERAN、cdma2000など)、または、周波数ごとに設定される。また、報告設定は、EUTRAに対する設定と、EUTRA以外のRATに対する設定とがある。
測定対象には、測定対象識別子と対応付けられた測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)などが含まれる。測定対象識別子は、測定対象の設定を識別するために使用する識別子である。測定対象の設定は、前述のように、無線アクセス技術(RAT)ごと、または周波数ごとに設定されている。EUTRAに対する測定対象である測定対象EUTRAは、関連するEUTRA周波数、および、かかるEUTRA周波数のセルに対して適用される情報を設定する。また、異なる周波数の測定対象EUTRAは、異なる測定対象として扱われ、それぞれ異なる測定対象識別子が割り当てられる。
測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)には、搬送波周波数(carrierFreq)、許可測定帯域幅(AllowedMeasBandwidth)、オフセット周波数(offsetFreq)、周辺セルリスト(neighbour cell list)に関する情報、ブラックリスト(black list)に関する情報、ワイドバンドRSRQ測定(widebandRSRQ-Meas)などを含めることができる。なお、これ以外のパラメータが測定対象EUTRAに含まれていてもよい。
次に、測定対象EUTRAに含まれる情報について説明する。EUTRAの搬送波周波数は、測定対象となる周波数を示す。許可測定帯域幅(AllowedMeasBandwidth)は、測定対象とする搬送波周波数においてRSRPとRSRQを測定する際の最大許容測定帯域幅を示し、リソースブロック数で表される。オフセット周波数(offsetFreq)は、測定対象とする周波数において適用されるオフセット値を示す。
ワイドバンドRSRQ測定(widebandRSRQ-Meas)は、許可測定帯域幅(AllowedMeasBandwidth)が50リソースブロック(すなわち、10MHz)以上の場合に設定される。ワイドバンドRSRQ測定は真偽値で通知され、真(TRUE)の場合、端末装置は、許可測定帯域幅の最低値である6リソースブロックよりも広い帯域幅でのRSRQ測定が要求される。すなわち、この場合、端末装置は、6リソースブロックよりも広い帯域幅でRSSIを測定する。
また、測定対象EUTRAは、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)を含むこともできる。ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)は、さらに、CSI−RSリソースの測定に関する設定情報(CSI−RSリソース測定設定(MeasCSI-RS-Config))と、ディスカバリ信号測定タイミング設定を含むこともできる。CSI−RSリソース測定設定は、CSI−RSリソースごとに複数設定することもできる。CSI−RSリソースは、CSI−RSが送信されうるリソースエレメントを示す。
なお、以下において、測定対象EUTRA、または、EUTRA以外のRATに対応する測定対象のことを、単に測定対象と記述して説明する場合がある。
ディスカバリ信号測定タイミング設定は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)の周期および時間オフセットを示す情報(ディスカバリ信号測定タイミング設定周期オフセット、またはDMTC周期オフセット(dmtcPeriodOffset))と、ディスカバリ信号送信機会の長さを示す情報(ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration))により構成される。ディスカバリ信号送信機会の最初のサブフレームは、条件に合致するプライマリセルのシステムフレームナンバーとサブフレームナンバーにおいて発生する。
dmtcPeriodOffsetは、DMTCの時間周期(DMTC周期(dmtcPeriodicity))とDMTC周期内の時間オフセット(DMTCオフセット(dmtcOffset))を示す。なお、dmtcPeriodOffsetはキャリア周波数ごとに設定されることが好ましい。DMTC周期(dmtcPeriodicity)の値は40ms、80ms、160msなどの時間を示す。また、DMTCオフセット(dmtcOffset)はDMTC周期未満のサブフレームの数で与えられる。例えば、DMTC周期が40msであるとき、DMTCオフセットは0〜39サブフレームのいずれかの値で示される。
このとき、端末装置は、
SFN mod T = FLOOR(dmtcOffset / 10)
で定義される式(1)を用いてディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)のシステムフレーム番号(SFN)を計算する。
また、端末装置は、
subframe = dmtcOffset mod 10
で定義される式(2)を用いてサブフレーム番号をそれぞれ計算する。なお、式(2)における値Tは、以下に示す式(3)によって定義される。
T = dmtcPeriodicity / 10
端末装置がCRSに基づくディスカバリ信号測定をサポートしている場合、端末装置は不活性化状態の各セカンダリセルの測定に対し、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に従ってDMTCを適用する。また、端末装置は、不活性化状態の各セカンダリセルの周波数の周辺セルの測定に対し、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に従ってDMTCを適用する。なお、DMTCは、セカンダリセルの周波数に対応する測定対象(measObject)内に設定されている場合に適用されることが好ましい。
関連する測定対象(measObject)にディスカバリ信号測定設定(measDS-config)が設定されている場合で、端末装置がCSI−RSに基づくディスカバリ信号の測定をサポートしている場合、かつ、関連する報告設定(reportConfig)のイベント識別子(eventId)にCSI−RS報告に関するイベント(イベントC1(eventC1)、またはイベントC2(eventC2))が設定されている場合、端末装置は、関係する測定対象(measObject)によって示される周波数上のCSI−RSリソースの測定に対し、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に従ってDMTCを適用する。なお、DMTCは関係する測定対象(measObject)の中のディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に従って適用されることが好ましい。
また、関連する測定対象(measObject)にディスカバリ信号測定設定(measDS-config)が設定されている場合で、端末装置がCSI−RSに基づくディスカバリ信号測定の測定をサポートしている場合、かつ、関連する報告設定(reportConfig)にCSI−RS報告の周囲報告に関する測定パラメータ(例えば、reportStrongestCSI-RSs)が含まれている場合、端末装置は、測定対象(measObject)によって示される周波数上のCSI−RSリソースに対応する測定に対し、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に従ってDMTCを適用する。
報告設定には、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)などが含まれる。なお、以後、報告設定EUTRAのことを単に報告設定と記述して説明する場合がある。
報告設定識別子(reportConfigId)は、測定に関する報告設定を識別するために使用する識別子である。EUTRAに対する報告設定である報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)は、EUTRAにおける測定報告メッセージで報告される測定イベントのトリガ基準(triggering criteria)を設定(既定)する。
また、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)には、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、ヒステリシス(hysteresis)、トリガ時間(timeToTrigger)、報告量(reportQuantity)、最大報告セル数(maxReportCells)、報告間隔(reportInterval)、報告数(reportAmount)などを含めることができる。
次に、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)について説明する。イベント識別子(eventId)は、イベントトリガ報告(event triggered reporting)に関する基準(criteria)を選択するための情報である。ここで、イベントトリガ報告(event triggered reporting)とは、セルの受信品質(測定結果)が後述する測定イベントのトリガ基準をトリガ時間連続して満たした場合に、測定結果を基地局装置に報告することを示す。また、測定イベントのトリガ基準をトリガ時間連続して満たした場合に、一定間隔で、ある回数だけ測定結果を報告する方法を、トリガ周期報告(event triggered periodic reporting)と称する。
端末装置は、ある測定イベントにおけるトリガ基準をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、測定報告がトリガされた(測定報告手順がトリガされた)と判断してよい。端末装置は、測定報告手順において、測定報告(measurement report)メッセージの送信手順を開始し、基地局装置に対して測定結果を含む測定報告メッセージを送信する。トリガ量(triggerQuantity)は、測定イベントのトリガ基準を評価するために用いられる量を示し、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、または、参照信号受信品質(RSRQ:ReferenceSignal Received Quality)が指定される。すなわち、端末装置は、トリガ量(triggerQuantity)によって指定された量を下りリンクリファレンスシグナル(CRS、または、CSI−RS)の測定結果として使用し、イベント識別子(eventId)で指定された測定イベントのトリガ基準を満たしているか否かを判定する。
測定イベントのトリガ基準として、例えばEUTRAのセルに対して以下に示すイベントA1〜イベントA6が用いられており、それぞれ加入条件(entering condition)と離脱条件(leaving condition)がある。端末装置は、基地局装置から指定された測定イベントに対する加入条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、測定報告がトリガされた(測定報告手順がトリガされた)と判断し、測定報告手順において、測定報告メッセージの送信手順を開始する。一方、端末装置は、加入条件を満たした測定イベントの離脱条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、関連する測定報告メッセージの送信手順を停止する。
なお、測定イベントに対して離脱時報告(reportOnLeave)が設定されていた場合、端末装置は、基地局装置から指定された測定イベントに対する加入条件を満たし、かつ、離脱条件を満たしたときに測定報告がトリガされた(測定報告手順がトリガされた)と判断する。
<イベント(Event)A1>
イベント(Event)A1加入条件:Ms - Hys > a1_Threshold
イベント(Event)A1離脱条件:Ms + Hys < a1_Threshold
<イベント(Event)A2>
イベント(Event)A2加入条件:Ms - Hys < a2_Threshold
イベント(Event)A2離脱条件:Ms + Hys > a2_Threshold
<イベント(Event)A3>
イベント(Event)A3加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > Mp + Ofp + Ocp + a3_Offset
イベント(Event)A3離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < Mp + Ofp + Ocp + a3_Offset
<イベント(Event)A4>
イベント(Event)A4加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > a4_Threshold
イベント(Event)A4離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < a4_Threshold
<イベント(Event)A5>
イベント(Event)A5加入条件1:Mp - Hys < a5_Threshold1
イベント(Event)A5加入条件2:Mn + Ofn + Ocn - Hys > a5_Threshold2
イベント(Event)A5離脱条件1:Mp + Hys > a5_Threshold1
イベント(Event)A5離脱条件2:Mn + Ofn + Ocn + Hys < a5_Threshold2
<イベント(Event)A6>
イベント(Event)A6加入条件:Mn + Ocn - Hys > Ms + Ocs + a6_Offset
イベント(Event)A6離脱条件:Mn + Ocn + Hys < Ms + Ocs + a6_Offset
ここで、Msとは在圏セル(プライマリセルまたはセカンダリセル)に対する測定結果である。Mpとは、プライマリセルに対する測定結果である。Mnとは、周辺セル(neighbour cell)に対する測定結果である。端末装置は在圏セルの測定結果Ms、プライマリセルの測定結果Mp、または、周辺セルの測定結果Mnを用いて各イベントについて評価する。
Hysとは、対象となる測定イベントに対するヒステリシスパラメータである。Ofnとは、周辺セルの周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。Ocnとは、周辺セルに対するセル特有のオフセット値である。なお、Ocnが設定されていない場合、端末装置はオフセット値を0(ゼロ)とする。
Ofsとは、在圏セルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ocsとは、在圏セルに対するセル特有の測定オフセット値である。
Ofpとは、プライマリセルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ocpとは、プライマリセルに対するセル特有のオフセット値である。
a1_Thresholdとは、イベントA1に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a2_Thresholdとは、イベントA2に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a3_Offsetとは、イベントA3に対して適用されるオフセットパラメータである。a4_Thresholdとは、イベントA4に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a5_Threshold1とa5_Threshold2とは、それぞれイベントA5に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a6_Offsetとは、イベントA6に対して適用されるオフセットパラメータである。
また、同様に、測定イベントのトリガ基準として、CSI−RSリソースに対するイベントC1とイベントC2が用いられており、それぞれ加入条件(entering condition)と離脱条件(leaving condition)がある。端末装置は、基地局装置から指定された測定イベントに対する加入条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合に、測定報告がトリガされた(測定報告手順がトリガされた)と判断し、測定報告メッセージの送信手順を開始する。一方、端末装置は、加入条件を満たした測定イベントの離脱条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、関連する測定報告メッセージの送信手順を停止する。
<イベント(Event)C1>
イベント(Event)C1加入条件:Mcr + Ocr - Hys > c1_Threshold
イベント(Event)C1離脱条件:Mcr + Ocr + Hys < c1_Threshold
<イベント(Event)C2>
イベント(Event)C2加入条件:Mcr + Ocr - Hys > Mref + Oref + c2_Offset
イベント(Event)C2離脱条件:Mcr + Ocr + Hys < Mref + Oref + c2_Offset
ここで、McrとはCSI−RSリソースの測定結果(すなわち、指定されたCSI−RSリソースで受信されるCSI−RSの測定結果)である。Mrefとは、リファレンスCSI−RSリソースの測定結果(基地局装置からリファレンスCSI−RSリソースであると指定されたCSI−RSリソースでのCSI−RSの測定結果)である。
Hysとは、対象となる測定イベントに対するヒステリシスパラメータである。Ocrとは、CSI−RSリソース特有の測定オフセット値である。Orefとは、リファレンスCSI−RSリソース特有のオフセット値である。
c1_Thresholdとは、イベントC1に対して適用されるスレッショルドパラメータである。c2_Offsetとは、イベントC2に対して適用される測定オフセット値である。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の適切な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による端末装置1の一例を示すブロック図である。本端末装置1は、受信アンテナ部R01、受信部101、復調部102、復号部103、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、送信アンテナ部T01、無線リソース制御部110から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1の機能および各手順を実現する要素である。
無線リソース制御部110は、端末装置1の状態制御、測定制御及び報告制御、共通制御情報及び個別制御情報の制御、接続制御、移動制御、無線リソース制御などを執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部104と送信データ制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、端末装置1は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同時受信をサポートするために受信系のブロック(受信部101、復調部102、復号部103)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同時送信をサポートするために送信系のブロック(符号部107、変調部108、送信部109)を複数備える構成であってもよい。また、端末装置1は、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、無線リソース制御部110を複数備える構成であってもよい。
端末装置1の受信処理に関し、無線リソース制御部110より受信データ制御部104へ受信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される端末装置1の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。
物理レイヤ制御情報は、基地局装置2から端末装置1に対して個別(dedicated)に送信される無線接続リソース設定、セル固有の報知情報、またはシステムパラメータなどによって設定され、無線リソース制御部110が必要に応じて物理レイヤ制御部105へ入力する。物理レイヤ制御部105は、受信に関する制御情報である受信制御情報を、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力する。
受信制御情報は、下りリンクスケジューリング情報として、受信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。また、受信データ制御情報は、セカンダリセル不活性化タイマー情報、DRX(Discontinuous Reception)制御情報、マルチキャストデータ受信情報、下りリンク再送制御情報などを含む下りリンクの制御情報であり、MAC層、RLC層、PDCP層におけるそれぞれの下りリンクに関する制御情報が含まれている。
受信信号は、受信アンテナ部R01によって受信され、受信部101に入力される。受信部101は、受信制御情報で指定された周波数と周波数帯域に従って基地局装置2からの信号を受信する。受信部101はRF回路を含んでもよい。受信された信号は復調部102へと入力される。復調部102は信号の復調を行う。復調部102は、復号部103へと復調後の信号を入力する。復号部103は、入力された信号を復号し、復号された各データ(下りリンクデータと下りリンク制御データ)を受信データ制御部104へと入力する。また、各データと共に基地局装置2から送信されたMAC制御要素も復号部103で復号され、受信データ制御部104へと入力される。
受信データ制御部104は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部105の制御、復号された各データのバッファリング制御、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)などを行う。受信データ制御部104へ入力された各データは、無線リソース制御部110へと入力(転送)される。
また、端末装置1の送信処理に関し、無線リソース制御部110より送信データ制御部106へ送信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御部105は、送信に関する制御情報である送信制御情報を、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力する。送信制御情報は、上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
また、送信データ制御情報は、DTX(Discontinuous Transmission)制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報などを含む上りリンクの制御情報である。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。また、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに関連する送信タイミング調整情報を管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)は、無線リソース制御部110より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。このとき、送信データ制御部106は、入力された送信データの量(上りリンクバッファ量)を計算する。また、送信データ制御部106は、入力された送信データが制御平面に属するデータなのか、ユーザ平面に属するデータなのかを判別する機能を有する。
また、送信データ制御部106は、送信データ制御部106に対して送信データが入力されたときに、送信データ制御部106内(図示せず)の上りリンクバッファに送信データを格納する。そして、送信データ制御部106は、入力された送信データの送信に必要な無線リソースが端末装置1に対して割り当てられているかを判断する。送信データ制御部106は、無線リソース割り当てに基づいて、物理上りリンク共用チャネルPUSCH、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを用いた無線リソース要求(スケジューリングリクエスト(SR))、または物理ランダムアクセスチャネルを用いた無線リソース要求のいずれか一つを選択し、選択したチャネルを送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。
すなわち、すでに無線リソースが割り当てられており、送信データを物理上りリンク共用チャネルPUSCHで送信可能な状態であるとき、符号部107は、無線リソース制御部110の指示に従って割り当て済みの無線リソースに対応する送信データを上りリンクバッファから取得して符号化し、変調部108へと入力する。または、無線リソースが割り当てられていないときで、物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求が可能であるとき、符号部107は、無線リソース制御部110の指示に従って物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求の送信に必要な制御データを符号化し、変調部108へと入力する。
または、無線リソースが割り当てられていないときで、物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求が不可能であるとき、符号部107は、送信データ制御部106に対してランダムアクセス手順の開始を指示する。このとき、符号部107は、送信データ制御部106から入力されるランダムアクセス設定情報に基づき物理ランダムアクセスチャネルで送信されるプリアンブル系列を生成する。また、符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化し、変調部108へと入力する。
変調部108は、符号化された各データを送信するチャネル構造に基づいて適切な変調処理を行う。送信部109は、変調処理された各データを周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部109は、また、無線リソース制御部110より入力されたセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)の送信タイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整する。送信部109はRF回路を含んでもよい。送信部109から出力された送信信号は、送信アンテナ部T01から送信される。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、ユーザデータの他に、例えばレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を含めることも可能である。
図1において、その他の端末装置1の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、端末装置1として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部110の上位には、コアネットワークとの制御を執り行うNASレイヤ部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
また、受信アンテナ部R01または送信アンテナ部T01は、典型的には平面状のマルチバンドアンテナであるが、端末装置1の能力、形状、目的などに適した任意のアンテナを採用して構成することができる。例えば、複数のアンテナ部で構成されていてもよいし、指向性を有していてもよいし、受信アンテナ部R01および送信アンテナ部T01が一体となっていてもよい。受信アンテナ部R01および送信アンテナ部T01は、物理的に異なる、または、論理的に分離された複数のアンテナポートから構成されてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置は、受信アンテナ部R02、受信部201、復調部202、復号部203、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、符号部207、変調部208、送信部209、送信アンテナ部T02、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなどの用語によっても表現される、基地局装置2の機能および各手順を実行する要素である。
無線リソース制御部210は、基地局装置2の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部204と送信データ制御部206は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、基地局装置2は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)をサポートするために受信系のブロック(受信部201、復調部202、復号部203)、および送信系のブロック(符号部207、変調部208、送信部209)を複数備える構成であってもよい。また、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211を複数備える構成であってもよい。
無線リソース制御部210は、下りリンクデータと下りリンク制御データを送信データ制御部206へと入力する。送信データ制御部206は、端末装置1へ送信するMAC制御要素が存在する場合、MAC制御要素と各データ(下りリンクデータまたは下りリンク制御データ)を符号部207へと入力する。符号部207は、入力されたMAC制御要素と各データを符号化し、変調部208へと入力する。変調部208は、符号化された信号の変調を行なう。
また、変調部208で変調された信号は送信部209に入力される。送信部209は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部209はRF回路を含んでもよい。送信部209から出力された送信信号は、送信アンテナ部T02から送信される。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信信号は、受信アンテナ部R02によって受信され、受信部201に入力される。受信部201は、端末装置1から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。端末装置1に対して異なる複数の送信タイミングのセルを設定している場合、受信部201はセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)に異なるタイミングで信号を受信する。受信部201で変換されたデジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。
復調部202で復調された信号は続いて復号部203へと入力される。復号部203は、入力された信号を復号し、復号された各データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)を受信データ制御部204へと入力する。また、各データと共に端末装置1から送信されたMAC制御要素も復号部203で復号され、受信データ制御部204へと入力される。
受信データ制御部204は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部205の制御や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部204へ入力された各データは、無線リソース制御部210へと入力(転送)される。
これら各ブロックの制御に必要な物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。物理レイヤ制御情報は、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置(SGW)、OAMなど)やシステムパラメータにより設定され、無線リソース制御部210が必要に応じて制御部204へ入力する。
物理レイヤ制御部205は、送信に関連する物理レイヤ制御情報を送信制御情報として符号部207、変調部208、送信部209の各ブロックに入力し、受信に関連する物理レイヤ制御情報を受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。
受信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の上りリンクに関する制御情報が含まれている。また、送信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の下りリンクに関する制御情報が含まれている。すなわち、受信データ制御情報と送信データ制御情報は、端末装置1毎に設定されている。
ネットワーク信号送受信部211は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置(MME、SGW)と基地局装置2との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置2として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部210の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
また、受信アンテナ部R02または送信アンテナ部T02は、典型的には平面状のマルチバンドアンテナであるが、基地局装置2の送信能力、形状、目的などに適した任意のアンテナを採用して構成することができる。例えば、複数のアンテナ部で構成されていてもよいし、指向性を有していてもよいし、受信アンテナ部R02および送信アンテナ部T02が一体となっていてもよい。さらに、受信アンテナ部R02および送信アンテナ部T02(受信部201と送信部209を含めてもよい)を基地局装置2から独立した一つのユニット(Remote Radio Head:RRH)として構成し、基地局装置2と異なる位置に配置してもよい。
図3は、基地局装置2から端末装置1に通知(設定)される測定設定(Measurement configuration)に含まれる、測定対象(Measurement object(s))に関するパラメータ(情報要素)を説明するための図である。
基地局装置2は、一つ以上の測定対象をリスト(MeasObject-List)に含めて通知することができる。それぞれの測定対象には関連する測定対象識別子が一つ設定される。図3の例では、測定対象EUTRA(MeasObjectEUTRA#1、MeasObjectEUTRA#2)が2つ設定され、それぞれの測定対象EUTRAには、それぞれ異なる測定対象識別子(measObjId#1、measObjId#2)が設定される。基地局装置2は、追加、削除、または、変更される測定対象について、測定対象識別子を用いて端末装置1に通知する。なお、図3において、リストに含まれる測定対象は測定対象EUTRAに限らず、他の無線アクセス技術に対応する測定対象(例えば、測定対象UTRA(measObjectUTRA)や測定対象GERAN(measObjectGERAN))でもよい。
測定対象EUTRAは、更に、搬送波周波数(carrierFreq)、RSSI測定帯域幅(RSSI-MeasBandwidth)、許可測定帯域幅(AllowedMeasBandwidth)、オフセット周波数(offsetFreq)、周辺セルリスト(neighbour cell list)に関する情報、ブラックリスト(blacklist)に関する情報、ワイドバンドRSRQ測定(widebandRSRQ-Meas)、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)などを含めることができる。
搬送波周波数(carrierFreq)とは、周波数バンドとその周波数を一意に示すためのパラメータであり、具体的には、所定の計算式の変数に用いられる一つの整数値が通知される。例えば、EUTRAのバンドを示す際には0〜65535のいずれかの値が設定される。搬送波周波数(carrierFreq)として非ライセンスバンドを指定する際に、従来とは異なるレンジの値が新規に設定されてもよいし、異なる計算式が用いられてもよい。
RSSI測定帯域幅とは、RSSI測定に関する新規のパラメータであり、RSSI測定を行う際に適用される最大許可測定帯域幅をリソースブロック数で示したものである。なお、新規に追加されるパラメータは、RRCメッセージ内の追加フィールド(拡張フィールド)内に設定されることが望ましい。基地局装置2は、RSSI測定帯域幅として、例えば、6、15、25、50、75、100のいずれかのリソースブロック数を端末装置1に指定(通知)する。端末装置1は、RSSI測定帯域幅に関連する測定対象EUTRAにおいてRSSI測定を行う場合、指定されたリソースブロック数を最大許可測定帯域幅としてよい。換言すれば、端末装置1は、RSSI測定帯域幅を含む測定対象EUTRAに関する周波数のRSSI測定を行う場合、RSSI測定帯域幅で指定されたリソースブロック数を測定帯域幅の上限としてRSSI測定を行ってよい。
あるいは、RSSI測定帯域幅とは、RSSI測定を行う際に適用される最小要求測定帯域幅をリソースブロック数で示したものである。端末装置1は、RSSI測定帯域幅に関連する測定対象EUTRAにおいてRSSI測定を行う場合、指定されたリソースブロック数を最小要求測定帯域幅としてよい。換言すれば、端末装置1は、RSSI測定帯域幅を含む測定対象EUTRAに関する周波数のRSSI測定を行う場合、RSSI測定帯域幅で指定されたリソースブロック数を測定帯域幅の下限としてRSSI測定を行ってよい。
なお、端末装置1は、RSRQ測定に関するワイドバンドRSRQ測定(widebandRSRQ-Meas)が真(TRUE)として通知された場合、RSRQ測定に適用される測定帯域幅(すなわち、6リソースブロック以上の測定帯域幅)を、RSSI測定を行う際の測定帯域幅として適用してもよい。
ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)は、更に、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)の周期および時間オフセットを示す情報(DMTC周期オフセット(dmtcPeriodOffset))、ディスカバリ信号送信機会の長さを示す情報(ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration))、CSI−RSリソース測定設定(MeasCSI-RS-Config)などを含めることができる。なお、複数のCSI−RSリソース測定設定(MeasCSI-RS-Config#1〜MeasCSI-RS-Config#n)をディスカバリ信号測定設定に含めることもできる。このとき、基地局装置は、複数のCSI−RSリソース測定設定を識別するための識別子(測定CSI−RSリソース識別子(MeasCSI-RS-Id))を含めてもよい。
また、ディスカバリ信号測定設定は、測定RSSI設定(MeasRSSI-Config)を含めてもよい。上述したRSSI測定帯域幅は、測定RSSI設定に含まれていてもよい。なお、これ以外のパラメータがディスカバリ信号測定設定に含まれていてもよい。ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)は、非ライセンスバンド向けの異なるディスカバリ信号に対応した第2のディスカバリ信号測定設定(measDS-Config2)であってもよい。
図4は、基地局装置2から端末装置1に通知(設定)される測定設定(Measurement configuration)に含まれる、報告設定(Reporting configuration(s))に関するパラメータ(情報要素)を説明するための図である。
基地局装置2は、一つ以上の報告設定をリスト(ReportingCconfig-List)にして通知することができる。それぞれの報告設定には関連する報告設定識別子(reportConfigId)が一つ設定される。図4の例では、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA#1、reportConfigEUTRA#2)が2つ設定され、それぞれの報告設定EUTRAには、それぞれ異なる報告設定識別子(reportConfigId#1、reportConfigId#2)が設定される。基地局装置2は、追加、削除、または、変更される報告設定について、報告設定識別子を用いて端末装置1に通知する。なお、図4において、リストに含まれる報告設定は報告設定EUTRAに限らず、他の無線アクセス技術に対応する報告設定(例えば、報告設定Inter-RAT(reportConfigInterRAT))でもよい。
報告設定EUTRAは、更に、トリガタイプ(triggerType)、報告間隔(reportInterval)、報告数(reportAmount)、報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)、複数のRSSI閾値(RSSI threshold)、測定RSSI区間(RSSI-duration)などを含めることができる。なお、これ以外のパラメータが報告設定EUTRAに含まれていてもよい。例えば、トリガタイプ(triggerType)がイベントである場合は、各イベントに対応するパラメータ(上述したヒステリシスパラメータHysなど)が含まれていてもよい。
トリガタイプ(triggerType)は、報告設定EUTRAで定義される報告のトリガがイベント報告型(event)と周期報告型(periodical)のどちらであるかを示す。イベント報告型は、イベントA1〜A6やイベントC1〜C2などで定義されるトリガ基準を満たした場合に測定報告手順に実施する。一方、周期報告型は、ある測定時間が経過したときに周期的に側的結果が報告される。報告間隔(reportInterval)と、報告数(reportAmount)は周期報告型の報告に用いるパラメータである。
報告間隔で示される時間は、周期報告タイマー(periodical reporting timer)としてそれぞれの測定識別子に対して適用される。端末装置1は、周期報告タイマーが満了したときに内部変数である報告送信回数(numberOfReportsSent)をインクリメントする。端末装置1は、報告送信回数が報告数未満の場合は周期報告タイマーをスタートし、報告送信回数が報告数以上となった場合は関連する測定識別子を除去(remove)する。端末装置1は、周期報告タイマーが満了したときに、測定報告がトリガ(測定報告手順がトリガ)されたと判断する。
報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)は、関連する測定対象の周波数のRSSIを周期的に報告するか否かを示すパラメータである。換言すれば、報告RSSI測定は、端末装置1において、周期的RSSI測定報告(periodical RSSI measurement report)を実行するか否かを示すパラメータである。基地局装置2は、関連する測定対象にディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)が含まれている場合にのみ報告RSSI測定を設定してもよい。真偽値で指定される場合、基地局装置2は、ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)が関連する測定対象(報告設定識別子とリンクされている測定対象識別子の測定対象)に含まれている場合にのみ、報告RSSI測定の値を真値(TRUE)に設定(通知)してもよい。
基地局装置2は、報告RSSI測定を設定する場合のトリガタイプを、必ず周期報告型(periodical)に指定してもよい。基地局装置2は、報告RSSI測定を設定する場合の報告数(reportAmount)を必ず1回に指定してもよい。端末装置1は、何らかの測定報告がトリガされたときに、報告可能なRSSI結果(rssiResults)を保持しているならば、そのRSSI結果を測定結果として測定報告メッセージに含めて報告してもよい。または、端末装置1は、RSSIに関する周期報告型、またはイベント報告型の測定報告がトリガされたときに、報告可能なRSSI結果を保持しているならば、そのRSSI結果を測定結果として測定報告メッセージに含めて報告してもよい。このとき、端末装置1は、RSSI結果が初めて報告可能となったときに、内部変数である報告送信回数(numberOfReportsSent)の値を0(ゼロ)に設定してもよい。
RSSI閾値(RSSI threshold)は、例えば、隠れ端末問題のためのRSSI報告に必要となるパラメータである。なお、RSSI閾値は、明示的な値(例えば、dBm)でもよいし、事前に定義された閾値にマッピングされるインデックスの値でもよいし、閾値を求める計算式に導入される変数の値を指定するものでもよい。RSSI閾値は複数設定されてもよい。端末装置1は、測定したRSSIと閾値を比較する。
例えば、基地局装置2から閾値1と閾値2(閾値1 < 閾値2とする)が通知された場合、端末装置1は、RSSIが閾値1を下回った回数、RSSIが閾値1を超え、かつ、閾値2を下回った回数、RSSIが閾値2を超えた回数をそれぞれカウントしてもよい。または、端末装置1は、RSSIが閾値1を下回った時間、RSSIが閾値1を超え、かつ、閾値2を下回った時間、RSSIが閾値2を超えた時間をそれぞれ割合(パーセンテージ)で示してもよい。
測定RSSI区間(RSSI-duration)は、例えば、隠れ端末問題のためのRSSI報告に必要となる別のパラメータであり、RSSI測定を行う区間長を示す。区間長は、連続する時間を示してもよいし、不連続の時間を合計したものを示してもよい。なお、測定RSSI区間は、フレーム、サブフレーム、ms(ミリセカンド)などの明示的な値でもよいし、ディスカバリ信号送信機会(DMTC Occasion)の回数を指定するものでもよいし、RSSIの測定回数を示す数値でもよいし、ディスカバリ信号送信機会(DMTC Occasion)内のあるサブセット区間を示すものでもよいし、RSSI測定を行うサブフレームをビットマップ形式で示したものでもよい。測定RSSI区間は、RRCタイマーとして指定されてもよい。端末装置1は、測定識別子と報告設定が対応づけられた場合に、測定RSSI区間を示すRRCタイマーを開始してもよい。RRCタイマーは、例えばタイマーT322である。
すなわち、端末装置1は、測定識別子の追加(変更)が行なわれる場合において、それぞれの測定識別子に対して、関連する報告設定のトリガタイプが周期報告型であり、かつ、関連する報告設定に報告RSSI測定が含まれていた場合、測定RSSI区間によって示されるRRCタイマーを開始してもよい。
RSSI閾値(RSSI threshold)と報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)は、報告設定内にリストされるパラメータセットとして通知(設定)されてもよい。例えば、基地局装置2は、各パラメータセットに関連する測定RSSI識別子(reportRSSI-Id)を通知(設定)することによって、端末装置1に対して(RSSI閾値と報告RSSI測定を含む)パラメータセットの追加、変更、削除を行ってもよい。
端末装置1は、保持している測定識別子の対応関係に変更があったとき、または、保持している測定識別子が除去(remove)されたとき、計時中(running)のRRCタイマーを停止してもよい。対応関係の変更とは、例えば、異なる測定設定識別子、または、異なる報告識別子が同一の測定識別子に対して設定されること(すなわち、置き換え(replace))である。
測定RSSI区間は、明示的な測定の開始タイミング(例えば、測定開始となるシステムフレーム、および/または、サブフレーム)が指定されてもよい。あるいは、測定RSSI区間を明示せずに、ある事前定義された値がRRCタイマーとして設定されてもよい。端末装置1は、測定識別子と報告設定が対応付けられた場合に、かかるRRCタイマーを開始してもよい。また、測定RSSI区間はシステム情報で通知されてもよい。また、RRCのパラメータに基づいて複数の事前定義の値を切り替えられるようにしてもよいし、関連する測定対象に基づいて所定の値が設定されてもよい。
図3と図4に示したパラメータを用いたRSSI測定の方法について以下に説明する。図3における測定対象と、図4における報告設定とは、測定識別子(measId)によって一対一に対応付けられる。換言すれば、基地局装置2は、図3のある一つの測定対象識別子(measObjectId)と、図4のある一つの報告識別子(reportConfigId)とを対応付ける(リンクする)ための、一つの測定識別子(measId)を端末装置1に通知(設定)する。なお、基地局装置2は、一つの測定対象識別子(measObjectId)に複数の別の報告識別子(reportConfigId)がリンクするように設定してもよい。同様に、基地局装置2は、一つの報告識別子(reportConfigId)に複数の別の測定対象識別子(measObjectId)がリンクするように設定してもよい。
端末装置1は、少なくともRRC接続状態(RRC_CONNECTED、通信中状態)であり、一つ以上の非ライセンスバンドの周波数が測定対象(measObject)として設定されている。基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセルに加え、一つ以上の非ライセンスバンドの周波数のセカンダリセル(LAAセル)を設定してもよい。換言すれば、端末装置1は、非ライセンスバンドの周波数を、サービング周波数(intra-frequency)、または、非サービング周波数(inter-frequency)として測定している。
端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象にディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)が設定されており、かつ、その関連する測定対象にRSSI測定に関する情報(測定パラメータ)が含まれている場合に、RSSI測定を行ってもよい。また、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象ディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)が設定されており、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関する情報(測定パラメータ)が含まれている場合(または、測定イベントが設定されている場合)に、関連する測定対象の周波数に対してディスカバリ信号測定タイミング設定を適用してRSSI測定を行ってもよい。
端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、その関連する測定対象にRSSI測定に関する情報(測定パラメータ)が含まれている場合に、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定(RSSI報告)に適切な周波数(applicable frequency)と判断(決定、推測)してよい。すなわち、端末装置1は、この関連する測定対象の周波数を、RSSI測定(RSSI報告)の対象となる周波数、または、RSSI測定(RSSI報告)が必要な周波数であると判断してもよい。例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象にRSSI測定帯域幅(RSSI-MeasBandwidth)が設定されている場合、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定を行うのに適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。RSSI測定(RSSI報告)に適切な周波数は、RSSI測定(RSSI報告)に適切なリソース(applicable resource)と称されてもよい。
また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象のディスカバリ信号測定設定(measDS-Config)に測定RSSI設定(MeasRSSI-Config)が設定されている場合、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象で示される搬送波周波数(carrierFreq)に対応するバンドが非ライセンスバンドである場合に、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。
また、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関する情報(測定パラメータ)が含まれている場合に、その関連する報告設定に関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定に報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)が設定されている場合、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定にRSSIに関する測定イベントが設定されている場合、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。
また、端末装置1は、上記に加え、関連する測定対象にディスカバリ信号測定設定(measDS-config)が設定されている場合に、関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。なお、RSSI測定に適切な周波数は、測定報告(測定報告トリガ)の対象となる周波数と称してもよいし、測定報告メッセージで報告対象となる周波数と称してもよい。なお、測定対象は、測定対象EUTRAに限らず、inter-RATの測定対象でもよいし、LAA用に追加される測定対象(例えば測定対象LAA)でもよい。
端末装置1は、RSSI測定に適切な周波数がセカンダリセルの周波数の場合、関連するセカンダリセルが活性化状態であれば、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用せずにCRSのRSRPとRSRQを測定し、関連するセカンダリセルが不活性化状態であれば、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のCRSのRSRPとRSRQを測定する。なお、端末装置1は、端末装置1がCRSベースのディスカバリ信号測定をサポートしており、かつ、関連するセカンダリセルが不活性化状態の場合、セカンダリセルのCRSのRSRPとRSRQを測定するときにディスカバリ信号測定タイミング設定を適用してもよい。
また、端末装置1は、端末装置1がCSI−RSベースのディスカバリ信号測定をサポートしている場合、CSI−RSリソースのRSRPとRSRQを測定するときにディスカバリ信号測定タイミング設定を適用してもよい。また、端末装置1は、RSSI測定に適切な周波数がセカンダリセルの周波数の場合、関連するセカンダリセルの状態(活性化状態、不活性化状態)に関わらず、常に関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のRSSIを測定してもよい。
また、端末装置1は、RSSI測定に適切な周波数が非サービング周波数(すなわち、inter-frequency)の場合、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のRSSIを測定してもよい。なお、端末装置1がCRSベースのディスカバリ信号測定をサポートしており、かつ、関連する周波数が非サービング周波数であれば、端末装置1は、周辺セルのCRSのRSRPとRSRQを測定するときに、ディスカバリ信号測定タイミング設定を適用してもよい。
なお、上述した手順において、端末装置1は、ディスカバリ信号測定タイミング設定が関連する測定対象に含まれていない場合、ディスカバリ信号測定タイミング設定を適用する手順を行わなくてもよい。
端末装置1は、OFDMシンボル単位でRSSIを測定してもよい。端末装置1は、CRSが含まれるOFDMシンボル、または、CRSが検出されたOFDMシンボルのみでRSSIを測定してもよい。端末装置1は、全てのOFDMシンボルでRSSIを測定してもよい。端末装置1は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)を測定サブフレームとし、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)中に測定されたRSSIを平均して測定結果としてもよい。端末装置1は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)中の全て、または一部のOFDMシンボルでRSSIを測定してもよいし、その測定したRSSIを平均して測定結果としてもよい。また、端末装置1は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)中のRSSIを一定時間ごとに周期的に測定してもよいし、その測定したRSSIを平均して測定結果としてもよい。すなわち、端末装置1は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)を一定時間ごと(例えば、ある一定のサブフレーム単位)に分割し、分割した時間内の全て、または一部のOFDMシンボル内でRSSIを測定し、その測定したRSSIを平均して測定結果としてもよい。
また、端末装置1は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)を測定サブフレームとし、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中に測定されたRSSIを平均して測定結果としてもよい。端末装置1は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中の全て、または一部のOFDMシンボルでRSSIを測定してもよいし、その測定したRSSIを平均して測定結果としてもよい。また、端末装置1は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中のRSSIを一定時間ごとに周期的に測定してもよいし、その測定したRSSIをRSSIを平均して測定結果としてもよい。すなわち、端末装置1は、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)を一定時間ごと(例えば、ある一定のサブフレーム単位)に分割し、分割した時間内の全て、または一部のOFDMシンボル内でRSSIを測定し、その測定したRSSIを平均して測定結果としてもよい。
また、端末装置1は、ディスカバリ信号期間(ds-OccasionDuration)、あるいは、ディスカバリ信号送信機会(DMTC occasion)中において、基地局装置2から指定された情報に基づいて、ある特定のOFDMシンボルのみをRSSI測定に用いてもよいし、CSI−RSリソース測定設定(MeasCSI-RS-Config)で指定されるCSI−RSリソースをRSSI測定に用いてもよいし、ある特定のサブフレームのみをRSSI測定に用いてもよい。また、端末装置1は、活性化状態のセカンダリセルの周波数ではRSSI測定を行わなくてもよい。
端末装置1は、報告設定に基づいてトリガされた測定報告に関連する測定識別子に対して、RSSI結果を測定結果(measResults)にセットし、その測定結果を測定報告(Measurment report)メッセージに含めて基地局装置2へ送信する。より具体的には、端末装置1は、トリガされた測定報告に関連する測定識別子に対して、報告するための少なくとも一つのRSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)がある場合、指定された最大数(maxReportFrequency)に達するまでは、測定報告メッセージに複数の適切な周波数のRSSI結果を含めてもよい。複数の適切な周波数は、測定識別子に関連する複数の周波数でもよい。複数の周波数の測定結果を含める場合、最良のRSSIから順(すなわち、降順)に含める。例えば、トリガタイプが周期報告型である場合、直近の周期報告後に利用可能(報告可能)となった新規の測定結果に対し、少なくとも一つのRSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)のRSSI結果を含める。RSSI測定によって得られた(適切な周波数の)RSSI結果は、報告設定に基づいて異なる形式で報告されてもよい。RSSI結果が、ある特定の設定に基づくものであれば、かかる設定に対応する識別子を同時に報告する。例えば、RSSI測定がCSI−RSリソース測定設定に基づくものであれば、端末装置1は、測定CSI−RSリソース識別子(MeasCSI-RS-Id)をRSSI結果と共に測定結果に含めてもよい。
端末装置1は、RSSIの測定値を平均化(レイヤ3フィルタリング)した値をRSSI結果として測定結果に含めてもよい。RSSIの測定結果を平均化することにより、一時的なRSSIの変動による影響を除去したRSSIの値を報告することができる。また、非ライセンスバンドがビジー状態のためにRSRPやRSRQが測定できない場合であっても、端末装置1は、RSSIを測定することによって、非ライセンスバンドにおける信号の受信強度を基地局装置2へ報告することができる。
また、端末装置1は、RSSIの測定値のそれぞれをRSSI閾値(RSSI threshold)と比較した結果を測定結果に含めて報告してもよい。例えば、端末装置1は、測定したRSSIの測定結果と、通知されたRSSI閾値(RSSI threshold)とをそれぞれ比較し、ヒストグラム、または度数分布表のデータ(度数)に対応する値を集計し、集計結果を測定結果に含めて報告してもよい。すなわち、RSSI閾値は、ヒストグラムにおけるビン数(ビン幅)を定義する。換言すれば、RSSI閾値は、度数分布表の階級数を定義する。例えば、RSSI閾値として2つの値が通知されている場合、ヒストグラムであればビン数は3であり、度数分布表であれば階級数は3である。
また、基地局装置2は、測定したRSSIをヒストグラム形式(あるいは度数分布形式)にして報告することを示す測定パラメータとして、ヒストグラム報告RSSI測定(reportRSSI-Hist-Meas)を明示的に報告設定に含めるようにしてもよい。ヒストグラム報告RSSI測定が設定(通知)された場合(例えば、値がTRUEに設定された場合)に、RSSI閾値と測定RSSI区間が有効になるように構成してもよい。あるいは、ヒストグラム報告RSSI測定が設定された場合にのみ、RSSI閾値と測定RSSI区間が設定(通知)されるように構成してもよい。
ヒストグラム報告RSSI測定が設定(通知)された場合、端末装置1は、ヒストグラム形式で報告するRSSI結果に対してレイヤ3フィルタリングを行わないようにしてもよい。例えば、端末装置1は、ヒストグラム報告RSSI測定が設定(通知)された場合はレイヤ3フィルタリング係数を0(ゼロ)とみなしてもよい。すなわち、レイヤ3フィルタリング係数を無視してよい。あるいは、端末装置1は、ヒストグラム報告RSSI測定が設定(通知)された場合、RSSI結果に対して、RSSI結果に対してレイヤ3フィルタリング係数を適用しなくてもよい。
端末装置1は、ヒストグラム形式(度数分布形式)の測定報告が要求(設定)されていないときは、レイヤ3フィルタリングを適用可能な通常のRSSI報告(第1のRSSI報告)を行い、ヒストグラム形式(度数分布形式)の測定報告が要求(設定)されているときは、ヒストグラム形式(度数分布形式)の報告(第2のRSSI報告)を行うようにしてもよい。端末装置1は、第2のRSSI報告を行う場合に、第2のRSSI報告に加えて第1のRSSI報告を測定報告メッセージに含めて報告してもよい。
端末装置1は、通常のRSSI報告(第1のRSSI報告)を行う場合、関連する測定対象の周波数において、測定したRSSIが報告可能となったときに、関係する測定識別子における測定報告がトリガされたと判断してもよい。または、端末装置1は、通常のRSSI報告(第1のRSSI報告)を行う場合、プライマリセルの測定結果が有効であり、かつ、関連する測定対象の周波数において検出された周辺セルの中から最良のセル(strongest cell)を決定したときに、関係する測定識別子における測定報告がトリガされたと判断してもよい。
また、端末装置1は、ヒストグラム形式のRSSI報告(第2のRSSI報告)を行う場合、関連する測定対象の周波数において、測定RSSI区間で示された時間が経過したときに、関係する測定識別子における測定報告がトリガされたと判断してもよい。また、端末装置1は、ヒストグラム形式のRSSI報告(第2のRSSI報告)を行う場合、関連する測定対象の周波数において、測定RSSI区間で示されるRRCタイマーが満了したときに、関係する測定識別子における測定報告がトリガされたと判断してもよい。
ヒストグラム形式(度数分布形式)の報告についてより具体的に説明する。例えば、図5のようなRSSI結果が測定毎に得られた場合であって、閾値1と閾値2とが通知されている場合の例について説明する。図5は、閾値1を下回るRSSI測定値の個数は2であり、閾値1以上かつ閾値2を下回るRSSI測定値の個数は3であり、閾値3以上のRSSI測定値の個数は1である場合を例示している。このとき、端末装置1は、ヒストグラム形式(度数分布形式)の測定報告が要求(設定)されている場合、測定結果として、
{ビン1、ビン2、ビン3}={2、3、1}
という情報要素(フィールド)を測定報告メッセージに含めて基地局装置2へ送信する。
端末装置1は、ヒストグラム形式(度数分布形式)の測定報告が要求(設定)されているとき、実際の測定時間(あるいは測定回数)がRSSI測定を行う総時間(測定RSSI区間)に満たないときは、ヒストグラム形式のRSSI報告を行わなくてよい。すなわち、端末装置1は、測定RSSI区間によって示される時間(あるいは測定回数)を満たすまでは、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)が存在しない、あるいは、報告可能なRSSI結果が存在しないとみなしてよい。
また、端末装置1は、ヒストグラム形式でRSSIの測定を行っている場合に、他の周波数を同時に測定できない場合、その他の周波数の測定(inter-frequency measurement)について測定を行わなくてもよい。換言すれば、端末装置1は、ヒストグラム形式でRSSIの測定を行っているときと、それ以外の場合でそれぞれ異なる測定要求(measurement requirement)を適用してもよい。端末装置1は、ヒストグラム形式でRSSIの測定を行う必要のある周波数の測定要求を暗黙的に緩和してもよいし、明示的に測定要求を緩和可能であることを示す測定パラメータ(縮小測定要求(reducedMeasPerformanc))が設定された周波数に対してのみ測定要求を緩和してもよい。例えば、端末装置1は、ヒストグラム形式でRSSIの測定を行うのに必要な時間だけ、測定要求の時間を緩和(延長)してもよい。あるいは、端末装置1は、ヒストグラム形式でRSSIの測定を行う必要のある周波数の測定を優先的に行い、その他の周波数の測定要求を緩和してもよい。
図6は、本発明の実施形態に係る報告設定に関するパラメータの別の例を説明するための別の図である。基地局装置2は、報告RSSI周波数リスト(reportRSSI-FreqList)を報告設定に含めて端末装置1に送信(通知)してもよい。
報告RSSI周波数リスト(reportRSSI-FreqList)には、一つまたは複数(1〜m(mは整数))の搬送波周波数(carrierFreq)を含めることができる。端末装置1は、測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、報告設定に報告RSSI周波数リストに関する測定パラメータ含まれている場合に、報告RSSI周波数リストで示される搬送波周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。すなわち、端末装置1は、報告設定の報告RSSI周波数リスト(reportRSSI-FreqList)に含まれる搬送波周波数(carrierFreq)のそれぞれを、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency)であると判断してもよい。
端末装置1は、報告RSSI周波数リストが設定された場合、何らかの測定報告がトリガされたときに、報告RSSI周波数リストで示される周波数のRSSIを一緒に報告してもよい。または、端末装置1は、報告RSSI周波数リストが設定された場合、RSSIに関する測定報告がトリガされたときに、報告RSSI周波数リストで示される周波数のRSSIを一緒に報告してもよい。このとき、端末装置1は、報告するRSSIを降順(すなわち、RSSIのdBmの強い順)に並べ替えて報告してもよい。端末装置1は、測定したRSSIのうち、報告するRSSIをある数(例えば3周波数)に制限して報告してもよい。報告するRSSI(周波数)の数(maxReportFrequencies)は、基地局装置2からRRCメッセージで報告設定の別のパラメータとして通知されてもよい。
端末装置1は、報告RSSI周波数リストで示される周波数がセカンダリセルの周波数の場合、関連するセカンダリセルが活性化状態であれば、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用せずにCRSのRSRPとRSRQを測定し、関連するセカンダリセルが不活性化状態であれば、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のCRSのRSRPとRSRQを測定する。なお、端末装置1は、端末装置1がCRSベースのディスカバリ信号測定をサポートしており、かつ、関連するセカンダリセルが不活性化状態の場合、セカンダリセルのCRSのRSRPとRSRQを測定するときにディスカバリ信号測定タイミング設定を適用してもよい。
また、端末装置1は、報告RSSI周波数リストで示される周波数がセカンダリセルの周波数の場合、関連するセカンダリセルの状態(活性化状態、不活性化状態)に関わらず、常に関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のRSSIを測定してもよい。また、端末装置1は、報告RSSI周波数リストで示される周波数が非サービング周波数の場合、関連する測定対象に含まれるディスカバリ信号測定タイミング設定を適用し、ディスカバリ信号期間内のRSSIを測定してもよい。なお、端末装置1は、ディスカバリ信号測定タイミング設定が関連する測定対象に含まれていない場合、上述した手順を行わなくてよい。
本実施形態の端末装置1は、RSSIを測定する周波数、および、その周波数におけるRSSI測定の測定時間(測定区間)について、基地局装置2からRRCメッセージによって通知(設定)されたRSSI測定に関する測定パラメータに基づいて適切に判断(決定、推定)することができる。また、端末装置1は、RSSI測定に関する測定パラメータに基づいて一つまたは複数の周波数のRSSIを測定し、その測定結果を測定報告メッセージに含めて送信することができる。これにより、端末装置1は、ビジー状態のためにRSRPまたはRSRQが測定できない場合であっても、測定対象、または報告設定で示されるRSSIに関する測定パラメータに基づいて、一つまたは複数の周波数のRSSI測定を効率的に行うことが可能となる。
本実施形態の基地局装置2は、端末装置1に対し、RSSIを測定する周波数、および、その周波数におけるRSSI測定の測定時間(測定区間)を一意に判断(決定、推測)させるための、RSSI測定に関する測定パラメータをRRCメッセージで通知(設定)することができる。また、基地局装置2は、端末装置1から適切なRSSIの測定結果を含む測定報告メッセージを受信することができる。また、基地局装置2は、ビジー状態のためにRSRPまたはRSRQが測定できない場合であっても、測定対象、または報告設定で示されるRSSIに関する測定パラメータを端末装置1に送信することによって、端末装置1にRSSI報告が必要な周波数を判断させ、かかる周波数においてRSSI測定を行わせることができるため、端末装置1に対して効率的な測定方法を提供することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第1の実施形態では、複数のRSSI報告を測定報告に含めるために、報告設定に報告RSSI周波数リスト(reportRSSI-FreqList)を含める例を示した。しかしながら、EUTRAにおいて、一つの測定対象が一つの周波数に対応するという設定方法を考慮すると、一つの測定識別子(measId)で複数の周波数(すなわち、測定対象)を取り扱うように拡張するほうがよい。この拡張方法の例について以下に示す。本実施形態に用いる端末装置1と基地局装置2の構成は、それぞれ図1と図2と同じ構成で良いため説明を省略する。
図7は、一つの報告設定識別子(reportConfigId #1)と、複数の測定対象識別子(measObjectId #1〜#n)とが、一つの測定識別子(measId #1)によってリンクされることを示している。報告設定と測定対象の対応関係(リンク)は、基地局装置2によって個別に通知(設定)される。
図7に示す識別子の対応づけがなされた場合、ある測定対象識別子(例えばmeasObjectId #1)を削除したときに、関連する測定識別子(例えばmeasId #1)にリンクしている別の測定対象識別子(measObjectId #2)が存在するならば、端末装置1は、関連する測定識別子(measId #1)を除去(remove)しなくてよい。
このとき、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連するそれぞれの測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関するパラメータが含まれている場合に、その関連する報告設定に関連する一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable setof frequencies))であると判断してもよい。
例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定に報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)が設定されている場合、関連する一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定にRSSIに関する測定イベントが設定されている場合、関連する一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
図8は、新規のパラメータとして、測定対象リスト識別子(measObjectList-Id)を追加した場合の測定設定の例を示している。測定対象リスト識別子(measObjectList-Id)には、一つまたは複数の測定対象識別子(図8の例ではmeasObjectId #1〜#n)を含めることができる。図8は、一つの報告設定識別子(reportConfigId #1)と、一つの測定対象リスト識別子(measObjectList-Id #1)とが、一つの測定識別子(measId #1)によってリンクされることを示している。報告設定と測定対象リストの対応関係(リンク)は、基地局装置2によって個別に通知(設定)される。
このとき、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象リストに含まれる測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関する測定パラメータが含まれている場合に、その関連する報告設定に関連する測定対象リストに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定に報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)が設定されている場合、関連する測定対象リストに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定にRSSIに関する測定イベントが設定されている場合、関連する測定対象リストに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
図9は、他の測定対象を示す測定対象識別子(measObjectId)を含められるように拡張した測定対象の例を示している。測定対象には、一つまたは複数の測定対象識別子(図9の例ではMeasObjectId #1〜#n)を含めることができる。一つの報告設定と一つの測定対象は、一つの測定識別子(measId #1)によってリンクされる。報告設定と測定対象EUTRAバンドの対応関係(リンク)は、基地局装置2によって個別に通知(設定)される。
このとき、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象に含まれる測定対象識別子が測定対象EUTRAであり、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関する測定パラメータが含まれている場合に、関連する測定対象の周波数、および、その関連する報告設定に関連する測定対象に含まれる一つまたは複数の測定対象識別子に関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定に報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)が設定されている場合、関連する測定対象の周波数、および、その関連する測定対象に含まれる一つまたは複数の測定対象識別子に関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定にRSSIに関する測定イベントが設定されている場合、関連する測定対象の周波数、および、その関連する測定対象に含まれる一つまたは複数の測定対象識別子に関連する測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
図10は、測定対象として、EUTRAのバンド(周波数バンド)を意味する測定対象EUTRAバンド(measObjectEUTRA-Band)を新規パラメータとして追加した場合の測定対象の例を示している。測定対象EUTRAバンド(measObjectEUTRA-Band)には、一つまたは複数の測定対象EUTRA(図10の例ではMeasObjectEUTRA #3〜#n)を含めることができる。一つの報告設定と一つの測定対象EUTRAバンドは、一つの測定識別子(measId #1)によってリンクされる。報告設定と測定対象EUTRAバンドの対応関係(リンク)は、基地局装置2によって個別に通知(設定)される。
このとき、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する測定対象EUTRAバンドに含まれる測定対象が測定対象EUTRAであり、かつ、関連する報告設定にRSSI測定に関する測定パラメータが含まれている場合に、その関連する報告設定に関連する測定対象EUTRAバンドに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定に報告RSSI測定(reportRSSI-Meas)が設定されている場合、関連する測定対象EUTRAバンドに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。また、例えば、端末装置1は、それぞれの測定識別子(measId)に対し、関連する報告設定にRSSIに関する測定イベントが設定されている場合、測定対象EUTRAバンドに含まれる一つまたは複数の測定対象の周波数を、RSSI測定に適切な周波数(applicable frequency(applicable set of frequencies))であると判断してもよい。
本実施形態の端末装置1は、一つまたは複数のRSSI測定に適切な周波数を、基地局装置2からRRCメッセージによって通知(設定)されるRSSI測定に関する測定パラメータに基づいて適切に判断(決定、推定)することができる。また、端末装置1は、一つの測定識別子に対し、一つまたは複数の周波数のRSSIを測定し、その測定結果を測定報告メッセージに含めて送信することができる。これにより、端末装置1は、ビジー状態のためにRSRPまたはRSRQが測定できない場合であっても、測定対象、または報告設定で示されるRSSIに関する測定パラメータに基づいて、一つまたは複数の周波数のRSSI測定を効率的に行うことが可能となる。
本実施形態の基地局装置2は、端末装置1に対し、一つまたは複数のRSSI測定に適切な周波数を一意に判断(決定、推測)させるための、RSSI測定に関する測定パラメータをRRCメッセージで通知(設定)することができる。また、基地局装置2は、一つの測定識別子に対して測定された一つまたは複数の周波数のRSSIの測定結果を含む測定報告メッセージを受信することができる。また、基地局装置2は、ビジー状態のためにRSRPまたはRSRQが測定できない場合であっても、測定対象、または報告設定で示されるRSSIに関する測定パラメータを端末装置1に送信することによって、端末装置1にRSSI報告が必要な一つまたは複数の周波数を判断させ、かかる周波数においてRSSI測定を行わせることができるため、端末装置1に対して効率的な測定方法を提供することができる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、使用される送信方式は、FDD(周波数分割復信、Frequency Division Duplex)方式、TDD(時分割復信、Time Division Duplex)方式、あるいは両方の送信方式を周波数毎に用いるような通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータや種々の動作に関する名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用される名称と本発明の実施形態の名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成にだけ限定されるわけではなく、論理的に接続される構成や、同一または異なる無線技術を介して無線接続される構成を含む。
また、具体的な数値を用いて説明された内容は、説明の便宜上用いた単なる数値の一例に過ぎず、適切な如何なる値が適用されてよい。
また、各実施形態で用いたエンティティー(entity)はサブレイヤ(sublayer)と同義とみなしてよい。すなわち、RRCエンティティー、PDCPエンティティー、RLCエンティティー、MACエンティティーは、それぞれ、RRCサブレイヤ、PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、MACサブレイヤに置き換えて説明することができる。
また、端末装置1とは、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置、さらに身に着けることが可能なウェアラブル機器やヘルスケア機器などに対し通信機能を搭載したものを含む。また、端末装置1は、機器対機器の通信(Machine Type Communication、マシンタイプ通信)だけではなく、人対人、人対機器、車対人、車対車、路面の建造物対車(路車間)の通信に用いられてもよい。
また、端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置2は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
また、基地局装置2は、3GPPが規定するUMTSにおいてNBと称され、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいてeNBと称される。なお、3GPPが規定するUMTS、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおける端末装置1はUEと称される。
また、説明の便宜上、機能的なブロック図を用いて、端末装置1および基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法、手段、またはアルゴリズムのステップについて具体的に組み合わせて記載したが、これらは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または、これらを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。
もしハードウェアによって実装されるのであれば、端末装置1および基地局装置2は説明したブロック図の構成以外に端末装置1および基地局装置2へ電力を供給する給電装置やバッテリー、液晶などのディスプレイ装置およびディスプレイ駆動装置、メモリ、入出力インターフェースおよび入出力端子、スピーカー、その他の周辺装置の組み合わせによって構成されてもよい。
もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末装置1や基地局装置2の制御を行なってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる端末装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、プログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた端末装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴の一部、または全部は、少なくとも本明細書で述べられた機能を発揮できるように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けの集積回路(ASIC)あるいは一般用途向けの任意の集積回路(IC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって実現(実行)してもよい。
また、上述した実施形態における端末装置1、基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴の一部、または全部は、少なくとも本明細書で述べられた機能を発揮できるように設計された電気回路、典型的には集積回路であるLSIとして実現(実行)してもよいし、チップセットとして実現(実行)してもよい。なおチップセットは、アンテナ、受動部品、など、その他の部品を含む構成であってもよい。端末装置1、基地局装置2の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用用途プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。汎用用途プロセッサ、または上述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよいし、その両方を含んでいてもよい。
プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されてもよい。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の各実施形態の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これらの具体例に限定されないことは明らかであり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明の各実施形態に対して何ら制限を加えるものではない。
また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も本発明の技術的範囲に含まれる。
[まとめ]
以上のように、本発明の実施形態における端末装置は、端末装置であって、設定されたそれぞれの測定識別子に対して、関連する報告設定にRSSI報告に関する情報が含まれている場合、前記報告設定に関連する測定対象で示される一つまたは複数の周波数において、前記測定対象に含まれる測定タイミング設定を設定し、前記測定タイミング設定で示されるRSSI測定に適切なリソースにおいてRSSI測定を行う。
また、本発明の実施形態における端末装置において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
また、本発明の実施形態における基地局装置は、基地局装置であって、RSSI報告に関する情報を含む報告設定と、RSSI測定が行われる適切なリソースを示す測定対象であって、一つまたは複数の周波数に対応する測定タイミング設定を含む前記測定対象と、前記報告設定と前記測定対象をリンクする測定識別子とを通知する。
また、本発明の実施形態における基地局装置において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
また、本発明の実施形態における端末装置の通信方法は、端末装置の通信方法であって、設定されたそれぞれの測定識別子に対して、関連する報告設定にRSSI報告に関する情報が含まれている場合、前記報告設定に関連する測定対象で示される一つまたは複数の周波数において、前記測定対象に含まれる測定タイミング設定を設定するステップと、前記測定タイミング設定で示されるRSSI測定に適切なリソースにおいてRSSI測定を行うステップと、を少なくとも含む。
また、本発明の実施形態における端末装置の通信方法において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
また、本発明の実施形態における基地局装置の通信方法は、基地局装置の通信方法であって、RSSI報告に関する情報を含む報告設定と、RSSI測定が行われる適切なリソースを示す測定対象であって、一つまたは複数の周波数に対応する測定タイミング設定を含む前記測定対象と、前記報告設定と前記測定対象をリンクする測定識別子とを通知するステップを少なくとも含む。
また、本発明の実施形態における基地局装置の通信方法において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
また、本発明の実施形態における端末装置に搭載される集積回路は、端末装置に搭載される集積回路であって、設定されたそれぞれの測定識別子に対して、関連する報告設定にRSSI報告に関する情報が含まれている場合、前記報告設定に関連する測定対象で示される一つまたは複数の周波数において、前記測定対象に含まれる測定タイミング設定を設定する機能と、前記測定タイミング設定で示されるRSSI測定に適切なリソースにおいてRSSI測定を行う機能と、を少なくとも前記端末装置に発揮させる。
また、本発明の実施形態における端末装置に搭載される集積回路において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
また、本発明の実施形態における基地局装置に搭載される集積回路は、基地局装置に搭載される集積回路であって、RSSI報告に関する情報を含む報告設定と、RSSI測定が行われる適切なリソースを示す測定対象であって、一つまたは複数の周波数に対応する測定タイミング設定を含む前記測定対象と、前記報告設定と前記測定対象をリンクする測定識別子とを通知する機能を少なくとも前記基地局装置に発揮させる。
また、本発明の実施形態における基地局装置に搭載される集積回路において、前記適切なリソースは、前記測定識別子に関連する複数の測定対象によって示される。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年07月22日に出願された日本国特許出願:特願2015-144726に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てが本書に含まれる。