本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル/物理シグナル]
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル、物理シグナルについて説明を行なう。チャネルとは信号の送受信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送受信に用いられる物理的な媒体を意味する。本発明において、物理チャネルは、信号と同義的に使用され得る。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAでは、物理チャネルまたは物理シグナルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1サブフレームは1ms、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルの物理セルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の端末装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知(設定)する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで報知情報が送信される無線リソースがセル内の端末装置に対して通知され、通知された無線リソースにおいて、物理下りリンク共用チャネルによって報知情報を通知するレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)が送信される。
報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定情報、送信タイミング調整情報、当該セルにおける共通無線リソース設定情報、周辺セル情報、上りリンクアクセス制限情報などが通知される。
下りリンクリファレンスシグナル(下りリンク参照信号)は、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有RS(Cell-specific reference signals)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルであり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンクリファレンスシグナルである。端末装置は、セル固有RSを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、端末装置は、セル固有RSと同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクセル固有RSを使用する。セル固有RSに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。
また、下りリンクリファレンスシグナルは下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンクリファレンスシグナルのことをチャネル状態情報リファレンスシグナル(Channel State Information Reference Signals;CSI−RS)と称する。また、端末装置に対して個別に設定される下りリンクリファレンスシグナルは、UE specific Reference Signals(URS)またはDedicated RS(DRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルを復調するときのチャネルの伝搬路補償処理のために参照される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH; Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボル(例えば1〜4OFDMシンボル)で送信される。拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH; Enhanced Physical Downlink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルPDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される物理下りリンク制御チャネルである。PDCCHまたはEPDCCHは、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する情報を通知する目的で使用される。以降、単に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と記載した場合、特に明記がなければ、PDCCHとEPDCCHの両方の物理チャネルを意味する。
端末装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH; Physical Uplink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信されたデータの受信確認応答(ACK/NACK;Acknowledgement/Negative Acknowledgement)や下りリンクの伝搬路(チャネル状態)情報(CSI;Channel State Information)、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求、スケジューリングリクエスト(SR;Scheduling Request))を行なうために使用される。
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、ページングや物理報知情報チャネルで通知されない報知情報(システムインフォメーション)をレイヤ3メッセージとして端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。物理下りリンク共用チャネルは物理下りリンク制御チャネルが送信されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに配置されて送信される。すなわち、物理下りリンク共用チャネルと物理下りリンク制御チャネルは1サブフレーム内で時分割多重されている。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ3メッセージとして端末装置から基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクリファレンスシグナル(上りリンク参照信号;Uplink Reference Signal、上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する)は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(DMRS;Demodulation Reference Signal)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(SRS;Sounding Reference Signal)が含まれる。
また、サウンディング参照信号には、周期的に送信される周期的サウンディング参照信号(Periodic SRS)と、基地局装置から指示されたときに送信される非周期的サウンディング参照信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知(設定)するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、複数のシーケンスによって基地局装置へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置へ示すことができる。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。
端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の上りリンクの無線リソース要求のため、または、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するためなどに物理ランダムアクセスチャネルを用いる。また、基地局装置は、端末装置に対して物理下りリンク制御チャネルを用いてランダムアクセス手順の開始を要求することもできる。
レイヤ3メッセージは、端末装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)層でやり取りされる制御平面(CP(Control−plane、C−Plane))のプロトコルで取り扱われるメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義的に使用され得る。なお、制御平面に対し、ユーザデータを取り扱うプロトコルのことをユーザ平面(UP(User−plane、U−Plane))と称する。
なお、それ以外の物理チャネルまたは物理シグナルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。説明を省略した物理チャネルまたは物理シグナルとして、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical control format indicator channel)、物理HARQ指示チャネル(PHICH:Physical hybrid ARQ indicator channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical multicast channel)などがある。
[無線ネットワーク]
基地局装置によって制御される各周波数の通信可能範囲(通信エリア)はセルとしてみなされる。このとき、基地局装置がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。基地局装置の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数のエリアに混在して一つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
端末装置は、セルの中を通信エリアとみなして動作する。端末装置が、あるセルから別のセルへ移動するときは、非無線接続時(非通信中)はセル再選択手順、無線接続時(通信中)はハンドオーバー手順によって別の適切なセルへ移動する。適切なセルとは、一般的に端末装置のアクセスが基地局装置から指定される情報に基づいて禁止されていないと判断したセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満足するセルのことを示す。
基地局装置は端末装置が該基地局装置で通信可能なエリアであるセルを周波数毎に管理する。1つの基地局装置が複数のセルを管理していてもよい。セルは、端末装置と通信可能なエリアの大きさ(セルサイズ)に応じて複数の種別に分類される。例えば、セルは、マクロセルとスモールセルに分類される。スモールセルは、一般的に半径数メートルから数十メートルまでをカバーするセルである。また、スモールセルは、そのエリアの大きさに応じて、フェムトセル、ピコセル、ナノセルなどに分類されることもある。
端末装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルのうち、端末装置との通信に使用されるように設定されているセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。
[プライマリセル、セカンダリセル]
また、端末装置と基地局装置は、キャリア・アグリゲーションによって複数の異なる周波数バンド(周波数帯)の周波数(コンポーネントキャリア、または周波数帯域)を集約(アグリゲート、aggregate)して一つの周波数(周波数帯域)のように扱う技術を適用してもよい。キャリア・アグリゲーションにおいて、コンポーネントキャリアとして、上りリンクに対応する上りリンクコンポーネントキャリアと、下りリンクに対応する下りリンクコンポーネントキャリアとがある。本明細書において、周波数と周波数帯域は同義的に使用され得る。
例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、キャリア・アグリゲーションを可能な能力を持つ端末装置はこれらを100MHzの周波数帯域幅とみなして送受信を行う。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数であってもよい。例えば、使用可能な周波数バンドが800MHz帯、2GHz帯、3.5GHz帯である場合、あるコンポーネントキャリアが800MHz帯、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯、さらに別のコンポーネントキャリアが3.5GHz帯で送信されていてもよい。
また、同一周波数帯の連続または不連続の複数のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は端末装置の受信可能周波数帯域幅(例えば20MHz)よりも狭い周波数帯域幅(例えば5MHzや10MHz)であっても良く、集約する周波数帯域幅が各々異なっていても良い。周波数帯域幅は、後方互換性を考慮して従来のセルの周波数帯域幅のいずれかと等しいことが望ましいが、従来のセルの周波数帯域と異なる周波数帯域幅を持っていても構わない。
キャリア・アグリゲーションによって、後方互換性のないコンポーネントキャリア(キャリアタイプ)を集約してもよい。この後方互換性のないコンポーネントキャリアのことを、ニューキャリアタイプ(NCT)とも称する。なお、基地局装置が端末装置に割り当てる(設定する、追加する)上りリンクコンポーネントキャリアの数は、下りリンクコンポーネントキャリアの数と同じか少ないことが望ましい。
端末装置と基地局装置は、ある上りリンクコンポーネントキャリアと、当該上りリンクコンポーネントキャリアとセル固有接続される下りリンクコンポーネントキャリアから構成されるセルを、プライマリセル(PCell:Primary cell)として管理する。また、端末装置と基地局装置は、プライマリセル以外のコンポーネントキャリアから構成されるセルを、セカンダリセル(SCell:Secondary cell)として管理する。プライマリセルの周波数をプライマリ周波数と称し、セカンダリセルの周波数をセカンダリ周波数と称する。
端末装置は、プライマリセルにおいて、ページングメッセージの受信、報知情報の更新の検出、初期アクセス手順、セキュリティ情報の設定などを行う一方、セカンダリセルではこれらを行わないでもよい。プライマリセルとセカンダリセルとを合わせてサービングセル(在圏セル)と称する。
プライマリセルは活性化(Activation)および不活性化(Deactivation)の制御の対象外であるが(つまり、プライマリセルは必ず活性化しているとみなされる)、セカンダリセルは活性化と不活性化というアクティビティに応じたセルの状態(state)を持つ。セルの状態に関し、活性化されている状態をActivated state、不活性化されている状態をDeactivated stateとも称する。
セル(セカンダリセル)の状態は、基地局装置から明示的に状態の変更が指定(通知、指示)される場合もあるし、コンポーネントキャリア(セカンダリセル)毎に端末装置が計時するタイマー情報(セカンダリセル不活性化タイマー;ディアクティベーションタイマー)に基づいて状態が変更される場合もある。
なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のコンポーネントキャリア(周波数帯域)を用いた複数のセルによる通信であり、セル・アグリゲーションとも称される。なお、端末装置は、周波数毎にリレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置と無線接続されても良い。すなわち、本発明の各実施形態の基地局装置は、リレー局装置に置き換えることもできる。
[デュアルコネクティビティ]
デュアルコネクティビティの基本構造(アーキテクチャー)について説明する。デュアルコネクティビティにおいて、端末装置は、複数の基地局装置と同時に接続している。基地局装置はマクロセルを構成する基地局装置とスモールセルを構成する別の基地局装置である。また、基地局装置はスモールセルを構成する基地局装置と別のスモールセルを構成する別の基地局装置である。このように、端末装置が、複数の基地局装置に属するセルを用いて同時に接続することをデュアルコネクティビティと称し、デュアルコネクティビティを実現するための技術を用いて端末装置と複数の基地局装置とが接続することを、「デュアルコネクティビティを用いる」、「デュアルコネクティビティによる接続」、またはこれらと同義の表現を用いて説明する。接続されるセルは同じ周波数で運用されていてもよいし、異なる周波数で運用されていてもよい。
なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のセルを一つの基地局装置が管理し、各セルの周波数が異なるという点、および、複数のセル間が遅延の影響を考慮する必要がない高速なバックボーン回線である点がデュアルコネクティビティによる接続と異なる。換言すると、キャリア・アグリゲーションは、一つの端末装置と一つの基地局装置とを、複数のセルを介して接続させる技術であるのに対し、デュアルコネクティビティは、一つの端末装置と複数の基地局装置とを、複数のセルを介して接続させる技術である。
端末装置と基地局装置は、キャリア・アグリゲーションに適用される技術を、デュアルコネクティビティに対して適用することができる。例えば、端末装置と基地局装置は、プライマリセルおよびセカンダリセルの管理(追加、削除、変更など)、キャリア・アグリゲーションに対応した測定方法および測定イベント設定、活性化/不活性化などの技術をデュアルコネクティビティにより接続されるセルに対して適用してもよい。
デュアルコネクティビティによって接続されるセルを構成する複数の基地局装置間の接続経路は、基地局インターフェースN10と称される。また、基地局インターフェースN10は、EUTRAにおいてX2インターフェース、またはXnインターフェースとも称される。
図5は、デュアルコネクティビティを用いて端末装置1と基地局装置2とを接続する場合の例を示した図である。端末装置1と基地局装置2(基地局装置2−1、基地局装置2−2)は、それぞれ独立したセルを介して同時に接続されており、端末装置1は、それぞれの基地局装置2のセルに対して同時受信および/または同時送信が可能である。
図6は、デュアルコネクティビティを用いて端末装置1と基地局装置2とを接続する場合の別の例を示した図である。端末装置1と基地局装置2(基地局装置2−1、基地局装置2−2)は、それぞれ独立したセルを介して同時に接続されており、端末装置1は、それぞれの基地局装置2のセルに対してどちらか一方のセルに対する受信および送信が可能である。すなわち、端末装置1は、基地局装置2−1のセルと送受信(通信)を行っている場合、他方の基地局装置2−2のセルとの送受信を行わない。なお、ここでの送受信とは、端末装置1に対する個別のスケジューリング送信のことであり、下りリンク同期信号や下りリンク参照信号、報知情報などのセル内で共通の信号/チャネルの受信を含めない。
また、本技術はデュアルコネクティビティという名称で呼ばれるが、端末装置1と接続される基地局装置2の数が2つまでに限定されるというわけではなく、端末装置1が3つ以上の基地局装置2と接続することも可能である。
[Measurement(測定)]
次に、端末装置における測定制御の方法(測定方法)について説明を行う。基地局装置は、端末装置に対して、無線リソース制御接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを用いて、測定設定(Measurement configuration)を送信する。
端末装置は、測定設定に含まれる測定パラメータを設定するとともに、通知された測定パラメータに従って、在圏セル(serving cell)および周辺セル(リストセル(listed cell)および/または検出セル(detected cell)を含む)に対する測定、測定イベントのイベント評価、測定報告を行う。リストセルは、測定対象(Measurement object(s))にリストされているセル(基地局装置から端末装置へ周辺セルリストとして通知されているセル)であり、検出セルは、測定対象によって示された周波数において端末装置が検出したが、測定対象にはリストされていないセル(端末装置自身が検出したセル)である。
測定には、周波数内測定(intra-frequency measurements)、周波数間測定(inter-frequency measurements)、無線アクセス技術間測定(inter-RAT measurements)がある。周波数内測定は、在圏セルの下りリンク周波数での測定である。周波数間測定は、在圏セルの下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。無線アクセス技術間測定は、在圏セルの無線技術(例えばEUTRA)とは異なる無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)での測定である。
測定設定には、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement object(s))、報告設定(Reporting configuration(s))、数量設定(quantityConfig)、測定ギャップ設定(measGapConfig)、在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)などが含まれる。
数量設定(quantityConfig)は、測定対象がEUTRAの場合、レイヤ3フィルタ係数(L3 filtering coefficient)を指定する。レイヤ3フィルタ係数(L3 filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去の測定結果とのフィルタリングの比(割合)を設定する。フィルタリング結果は、端末装置でイベント評価に使用される。イベント評価とは、端末装置において実施される、報告設定で示される測定イベントのトリガ基準を満たしたか否かの判断のことを示す。
ここで、測定識別子(measId)は、測定対象と、報告設定とをリンクする(対応付ける)ために使用され、具体的には、測定設定において、測定識別子(measId)と、リンクされる一つの測定対象識別子(measObjectId)と一つの報告設定識別子(reportConfigId)とが基地局装置によって設定され、端末装置に通知される。測定設定は、測定識別子、測定対象、報告設定の対応関係(リンク)に対してそれぞれ追加、修正、あるいは削除することが可能である。
測定対象は、無線アクセス技術(RAT)または周波数ごとに設定される。また、報告設定は、EUTRAに対する設定と、EUTRA以外のRATに対する設定とがある。
測定対象には、測定対象識別子と対応付けられた測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)などが含まれる。測定対象識別子は、測定対象の設定を識別するために使用する識別子である。測定対象の設定は、前述のように、無線アクセス技術(RAT)または周波数ごとに設定されている。EUTRAに対する測定対象である測定対象EUTRAは、対応する周波数のEUTRAセルに対して適用される情報を設定する。また、異なる周波数の測定対象EUTRAは、異なる測定対象として扱われ、それぞれ異なる測定対象識別子が割り当てられる。
測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)には、EUTRA搬送波周波数情報(eutra-CarrierInfo)、測定帯域幅(measurementBandwidth)、オフセット周波数(offsetFreq)、周辺セルリスト(neighbour cell list)に関する情報、ブラックリスト(black list)に関する情報などが含まれる。
次に、測定対象EUTRAに含まれる情報について説明する。EUTRA搬送波周波数情報は、測定対象となる周波数(搬送波周波数)を示す。測定帯域幅は、測定対象とする搬送波周波数で動作する全ての周辺セル共通な測定帯域幅を示す。オフセット周波数(offsetFreq)は、測定対象とする周波数において適用される測定オフセット値を示す。
報告設定には、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)などが含まれる。
報告設定識別子(reportConfigId)は、測定に関する報告設定を識別するために使用する識別子である。EUTRAに対する報告設定である報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)は、EUTRAにおける測定報告メッセージで報告される測定イベントのトリガ基準(triggering criteria)を設定(既定)する。
また、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)には、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、ヒステリシス(hysteresis)、トリガ時間(timeToTrigger)、報告量(reportQuantity)、最大報告セル数(maxReportCells)、報告間隔(reportInterval)、報告回数(reportAmount)などが含まれる。
次に、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)について説明する。イベント識別子(eventId)は、イベントトリガ報告(event triggered reporting)に関する基準(criteria)を選択するための情報である。ここで、イベントトリガ報告(event triggered reporting)とは、セルの受信品質(測定結果)が後述する測定イベントのトリガ基準をトリガ時間連続して満たした場合に、測定結果を基地局装置に報告することを示す。また、測定イベントのトリガ基準をトリガ時間連続して満たした場合に、一定間隔で、ある回数だけ測定結果を報告する方法を、トリガ周期報告(event triggered periodic reporting)と称する。
端末装置は、ある測定イベントにおけるトリガ基準をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、測定報告(measurement report)メッセージの送信手順をトリガ(開始)し、基地局装置に対して測定結果を含む測定報告メッセージを送信する。トリガ量(triggerQuantity)は、測定イベントのトリガ基準を評価するために用いられる量を示し、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、または、参照信号受信品質(RSRQ:ReferenceSignal Received Quality)が指定される。すなわち、端末装置は、トリガ量(triggerQuantity)によって指定された量を下りリンク参照信号の測定結果として使用し、イベント識別子(eventId)で指定された測定イベントのトリガ基準を満たしているか否かを判定する。
測定イベントのトリガ基準には、例えばEUTRAのセルに対しては以下に示すイベントA1〜イベントA6が用いられており、それぞれ加入条件(entering condition)と離脱条件(leaving condition)がある。端末装置は、基地局装置から指定された測定イベントに対する加入条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、測定報告メッセージの送信手順をトリガする。一方、端末装置は、加入条件を満たした測定イベントの離脱条件をトリガ時間連続して満たしたと判断した場合、対応する測定報告メッセージの送信手順を停止する。
なお、測定イベントに対して離脱時報告(reportOnLeave)が設定されていた場合、端末装置は、基地局装置から指定された測定イベントに対する加入条件を満たし、かつ、離脱条件を満たしたときに測定報告メッセージの送信手順をトリガする。
<イベント(Event)A1>
イベント(Event)A1加入条件:Ms - Hys > a1_Threshold
イベント(Event)A1離脱条件:Ms + Hys < a1_Threshold
<イベント(Event)A2>
イベント(Event)A2加入条件:Ms - Hys < a2_Threshold
イベント(Event)A2離脱条件:Ms + Hys > a2_Threshold
<イベント(Event)A3>
イベント(Event)A3加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > Mp + Ofp + Ocp + a3_Offset
イベント(Event)A3離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < Mp + Ofp + Ocp + a3_Offset
<イベント(Event)A4>
イベント(Event)A4加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > a4_Threshold
イベント(Event)A4離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < a4_Threshold
<イベント(Event)A5>
イベント(Event)A5加入条件1:Mp - Hys < a5_Threshold1
イベント(Event)A5加入条件2:Mn + Ofn + Ocn - Hys > a5_Threshold2
イベント(Event)A5離脱条件1:Mp + Hys > a5_Threshold1
イベント(Event)A5離脱条件2:Mn + Ofn + Ocn + Hys < a5_Threshold2
<イベント(Event)A6>
イベント(Event)A6加入条件:Mn + Ocn - Hys > Ms + Ocs + a6_Offset
イベント(Event)A6離脱条件:Mn + Ocn + Hys < Ms + Ocs + a6_Offset
ここで、Msとは在圏セル(プライマリセルまたはセカンダリセル)に対する測定結果である。Mpとは、プライマリセルに対する測定結果である。Mnとは、周辺セル(neighbour cell)に対する測定結果である。端末装置は在圏セルの測定結果Ms、プライマリセルの測定結果Mp、または、周辺セルの測定結果Mnを用いて各イベントについて評価する。
Hysとは、対象となる測定イベントに対するヒステリシスパラメータである。Ofnとは、周辺セルの周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。Ocnとは、周辺セルに対するセル特有の測定オフセット値である。なお、Ocnが設定されていない場合、端末装置は測定オフセット値を0(ゼロ)とする。
Ofsとは、在圏セルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ocsとは、在圏セルに対するセル特有の測定オフセット値である。
Ofpとは、プライマリセルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ocpとは、プライマリセルに対するセル特有の測定オフセット値である。
a1_Thresholdとは、イベントA1に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a2_Thresholdとは、イベントA2に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a3_Offsetとは、イベントA3に対して適用されるオフセットパラメータである。a4_Thresholdとは、イベントA4に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a5_Threshold1とa5_Threshold2とは、それぞれイベントA5に対して適用されるスレッショルドパラメータである。a6_Offsetとは、イベントA6に対して適用されるオフセットパラメータである。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の適切な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による端末装置1の一例を示すブロック図である。本端末装置1は、受信アンテナ部R01、受信部101、復調部102、復号部103、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、送信アンテナ部T01、無線リソース制御部110から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1の機能および各手順を実現する要素である。
無線リソース制御部110は、端末装置1の状態制御、測定制御及び報告制御、共通制御情報及び個別制御情報の制御、接続制御、移動制御、無線リソース制御などを執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部104と送信データ制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、端末装置1は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同時受信をサポートするために受信系のブロック(受信部101、復調部102、復号部103)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同時送信をサポートするために送信系のブロック(符号部107、変調部108、送信部109)を複数備える構成であってもよい。また、端末装置1は、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、無線リソース制御部110を複数備える構成であってもよい。
端末装置1の受信処理に関し、無線リソース制御部110より受信データ制御部104へ受信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される端末装置1の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。
物理レイヤ制御情報は、基地局装置2から端末装置1に対して個別(dedicated)に送信される無線接続リソース設定、セル固有の報知情報、またはシステムパラメータなどによって設定され、無線リソース制御部110が必要に応じて物理レイヤ制御部105へ入力する。物理レイヤ制御部105は、受信に関する制御情報である受信制御情報を、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力する。
受信制御情報は、下りリンクスケジューリング情報として、受信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。また、受信データ制御情報は、セカンダリセル不活性化タイマー情報、DRX(Discontinuous Reception)制御情報、マルチキャストデータ受信情報、下りリンク再送制御情報などを含む下りリンクの制御情報であり、MAC層、RLC層、PDCP層におけるそれぞれの下りリンクに関する制御情報が含まれている。
受信信号は、受信アンテナ部R01によって受信され、受信部101に入力される。受信部101は、受信制御情報で指定された周波数と周波数帯域に従って基地局装置2からの信号を受信する。受信部101はRF回路を含んでもよい。受信された信号は復調部102へと入力される。復調部102は信号の復調を行う。復調部102は、復号部103へと復調後の信号を入力する。復号部103は、入力された信号を復号し、復号された各データ(下りリンクデータと下りリンク制御データ)を受信データ制御部104へと入力する。また、各データと共に基地局装置2から送信されたMAC制御要素も復号部103で復号され、受信データ制御部104へと入力される。
受信データ制御部104は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部105の制御、復号された各データのバッファリング制御、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)などを行う。受信データ制御部104へ入力された各データは、無線リソース制御部110へと入力(転送)される。
また、端末装置1の送信処理に関し、無線リソース制御部110より送信データ制御部106へ送信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御部105は、送信に関する制御情報である送信制御情報を、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力する。送信制御情報は、上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
また、送信データ制御情報は、DTX(Discontinuous Transmission)制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報などを含む上りリンクの制御情報である。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。また、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに対応する送信タイミング調整情報を管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)は、無線リソース制御部110より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。このとき、送信データ制御部106は、入力された送信データの量(上りリンクバッファ量)を計算する。また、送信データ制御部106は、入力された送信データが制御平面に属するデータなのか、ユーザ平面に属するデータなのかを判別する機能を有する。
また、送信データ制御部106は、送信データ制御部106に対して送信データが入力されたときに、送信データ制御部106内(図示せず)の上りリンクバッファに送信データを格納する。そして、送信データ制御部106は、入力された送信データの送信に必要な無線リソースが端末装置1に対して割り当てられているかを判断する。送信データ制御部106は、無線リソース割り当てに基づいて、物理上りリンク共用チャネルPUSCH、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを用いた無線リソース要求(スケジューリングリクエスト(SR))、または物理ランダムアクセスチャネルを用いた無線リソース要求のいずれか一つを選択し、選択したチャネルを送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。
すなわち、すでに無線リソースが割り当てられており、送信データを物理上りリンク共用チャネルPUSCHで送信可能な状態であるとき、符号部107は、無線リソース制御部110の指示に従って割り当て済みの無線リソースに対応する送信データを上りリンクバッファから取得して符号化し、変調部108へと入力する。または、無線リソースが割り当てられていないときで、物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求が可能であるとき、符号部107は、無線リソース制御部110の指示に従って物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求の送信に必要な制御データを符号化し、変調部108へと入力する。
または、無線リソースが割り当てられていないときで、物理上りリンク制御チャネルによる無線リソース要求が不可能であるとき、符号部107は、送信データ制御部106に対してランダムアクセス手順の開始を指示する。このとき、符号部107は、送信データ制御部106から入力されるランダムアクセス設定情報に基づき物理ランダムアクセスチャネルで送信されるプリアンブル系列を生成する。また、符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化し、変調部108へと入力する。
変調部108は、符号化された各データを送信するチャネル構造に基づいて適切な変調処理を行う。送信部109は、変調処理された各データを周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部109は、また、無線リソース制御部110より入力されたセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)の送信タイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整する。送信部109はRF回路を含んでもよい。送信部109から出力された送信信号は、送信アンテナ部T01から送信される。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、ユーザデータの他に、例えばレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を含めることも可能である。
図1において、その他の端末装置1の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、端末装置1として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部110の上位には、コアネットワークとの制御を執り行うNASレイヤ部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
また、受信アンテナ部R01または送信アンテナ部T01は、典型的には平面状のマルチバンドアンテナであるが、端末装置1の移動局装置能力、形状、目的などに適した任意のアンテナを採用して構成することができる。例えば、複数のアンテナ部で構成されていてもよいし、指向性を有していてもよいし、受信アンテナ部R01および送信アンテナ部T01が一体となっていてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置は、受信アンテナ部R02、受信部201、復調部202、復号部203、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、符号部207、変調部208、送信部209、送信アンテナ部T02、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなどの用語によっても表現される、基地局装置2の機能および各手順を実行する要素である。
無線リソース制御部210は、基地局装置2の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部204と送信データ制御部206は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、基地局装置2は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)をサポートするために受信系のブロック(受信部201、復調部202、復号部203)、および送信系のブロック(符号部207、変調部208、送信部209)を複数備える構成であってもよい。また、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211を複数備える構成であってもよい。
無線リソース制御部210は、下りリンクデータと下りリンク制御データを送信データ制御部206へと入力する。送信データ制御部206は、端末装置1へ送信するMAC制御要素が存在する場合、MAC制御要素と各データ(下りリンクデータまたは下りリンク制御データ)を符号部207へと入力する。符号部207は、入力されたMAC制御要素と各データを符号化し、変調部208へと入力する。変調部208は、符号化された信号の変調を行なう。
また、変調部208で変調された信号は送信部209に入力される。送信部209は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部209はRF回路を含んでもよい。送信部209から出力された送信信号は、送信アンテナ部T02から送信される。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信信号は、受信アンテナ部R02によって受信され、受信部201に入力される。受信部201は、端末装置1から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。端末装置1に対して異なる複数の送信タイミングのセルを設定している場合、受信部201はセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)に異なるタイミングで信号を受信する。受信部201で変換されたデジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。
復調部202で復調された信号は続いて復号部203へと入力される。復号部203は、入力された信号を復号し、復号された各データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)を受信データ制御部204へと入力する。また、各データと共に端末装置1から送信されたMAC制御要素も復号部203で復号され、受信データ制御部204へと入力される。
受信データ制御部204は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部205の制御や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部204へ入力された各データは、無線リソース制御部210へと入力(転送)される。
これら各ブロックの制御に必要な物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。物理レイヤ制御情報は、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置(SGW)、OAMなど)やシステムパラメータにより設定され、無線リソース制御部210が必要に応じて制御部204へ入力する。
物理レイヤ制御部205は、送信に関連する物理レイヤ制御情報を送信制御情報として符号部207、変調部208、送信部209の各ブロックに入力し、受信に関連する物理レイヤ制御情報を受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。
受信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の上りリンクに関する制御情報が含まれている。また、送信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の下りリンクに関する制御情報が含まれている。すなわち、受信データ制御情報と送信データ制御情報は、端末装置1毎に設定されている。
ネットワーク信号送受信部211は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置(MME、SGW)と基地局装置2との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置2として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部210の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
また、受信アンテナ部R02または送信アンテナ部T02は、典型的には平面状のマルチバンドアンテナであるが、基地局装置2の送信能力、形状、目的などに適した任意のアンテナを採用して構成することができる。例えば、複数のアンテナ部で構成されていてもよいし、指向性を有していてもよいし、受信アンテナ部R02および送信アンテナ部T02が一体となっていてもよい。さらに、受信アンテナ部R02および送信アンテナ部T02(受信部201と送信部209を含めてもよい)を基地局装置2から独立した一つのユニット(Remote Radio Head:RRH)として構成し、基地局装置2と異なる位置に配置してもよい。
図3は、マクロセルとスモールセルの配置について説明するための図である。マクロセルC0は周波数F0で運用されており、スモールセルC1は周波数F0、スモールセルC2は周波数F1で運用されている。すなわち、端末装置1は、デュアルコネクティビティを用いることにより、周波数F0において、マクロセルC0とスモールセルC1と接続することができる。また、端末装置1は、デュアルコネクティビティを用いることにより、周波数F0のマクロセルC0と周波数F1のスモールセルC2と接続することができる。
基地局装置2と端末装置1は、同一の周波数(F0)のセルを用いてデュアルコネクティビティを行う場合、プライマリセルとしてマクロセルC0を使用し、セカンダリセルとしてスモールセルC1を使用すると仮定する。また、基地局装置2と端末装置1は、異なる周波数(F0、F1)のセルを用いてデュアルコネクティビティを行う場合、プライマリセルとしてマクロセルC0を使用し、セカンダリセルとしてスモールセルC2を使用すると仮定する。
図4は、本発明の第1の実施形態における端末装置1と基地局装置2の測定方法に関するシーケンスチャート図の一例を示したものである。
基地局装置2−1は、測定設定を含む無線リソース制御接続再設定メッセージを端末装置1に送信する(ステップS200)。なお、測定設定は基地局装置2−2から送信されてもよい。
続いて、端末装置1は、ステップS201において受信した測定設定の情報と、設定された在圏セルの周波数の配置情報とに基づいて評価対象セル(測定参照セル)と周辺セルとを判断して決定する。評価対象セルとは、測定イベントのイベント評価を行う際に用いられる測定結果(Ms、Mp)を計算するセルのことを示す。一方、周辺セルとは、測定イベントのイベント評価を行う際に用いられる測定結果(Mn)を計算するセルのことを示す。なお、端末装置1は、ブラックリストとしてリストされているセルの測定結果は、イベント評価の対象外とする。
端末装置1は、ステップS201で決定した評価対象セル、および/または周辺セルの測定結果を用いて設定された測定イベントをそれぞれ評価する(ステップS202)。測定イベントの評価方法は、従来の方法と同じで良い。すなわち、評価対象セルの下りリンク参照信号の測定結果(Ms、Mp)と、周辺セルの下りリンク参照信号の測定結果(Mn)とを測定イベントに応じてそれぞれ評価する。なお、端末装置1は、必要に応じてオフセット値やヒステリシスを加えて測定イベントを評価する。端末装置1は、イベント評価により測定報告メッセージの送信手順がトリガされた場合、測定報告メッセージを生成し、測定報告メッセージを基地局装置2−1へ送信する(ステップS203)。なお、測定報告メッセージは基地局装置2−2へ送信してもよい。
ステップS201における端末装置1の動作について詳細に説明する。
<イベントA1>
(a)本イベントに関する測定対象の示す周波数に複数の在圏セルがある場合(すなわち、同一周波数においてデュアルコネクティビティによって接続されたセルの周波数の場合)、測定結果Msのセルは、(a1)プライマリセル、(a2)報告設定で指定されたセル、(a3)報告設定内のフラグで判断されるセル、(a4)現在通信しているセル、(a5)アンカーセル、(a6)測定対象周波数の在圏セル、のいずれかの方法を用いて端末装置1で決定される。(a1)〜(a6)に対する、より具体的な説明を次に行う。
(a1)端末装置1は、プライマリセルの測定結果をMsとして用いる。この方法は、測定対象の示す周波数がプライマリ周波数である場合に有効である。端末装置1は、プライマリ周波数のセルであって、プライマリセル以外の測定結果はMsとしてみなさない。
(a2)端末装置1は、報告設定で指定されたセルの測定結果をMsとして用いる。基地局装置2は、報告設定に測定結果をMsとして用いるセルのセルID(またはセルインデックス)を指定する情報を含めて端末装置1に送信する。あるいは、基地局装置2は、報告設定にセルグループ(またはTAグループ)を指定する情報を含め、測定対象の周波数における当該セルグループのセルをMsとして用いるようにしてもよい。端末装置1は、報告設定で指定されたセル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
(a3)端末装置1は、報告設定内のフラグに基づいて判断したセルの測定結果をMsとして用いる。この方法は、測定対象の示す周波数がプライマリ周波数である場合に有効である。基地局装置2は、報告設定に1ビットのフラグ情報を含めて端末装置1に送信する。端末装置1は、フラグ情報が含まれていた場合、プライマリセル以外の同じ周波数の在圏セルの測定結果をMsとして用いる。一方、端末装置1は、フラグ情報が含まれていなかった場合、プライマリセルの測定結果をMsとして用いる。または、基地局装置2は、フラグ情報としてプライマリセルとセカンダリセルのいずれかが指定される情報を含めてもよい。端末装置1は、報告設定内のフラグに基づいて判断したセル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
(a4)端末装置1は、現在通信しているセルの測定結果をMsとして用いる。例えば、端末装置1が複数セルとの同時受信、または同時送信に対応しておらず、一つのセルとの受信、または送信しかできない場合、通信していると判断されるセルの測定結果がMsとして用いられる。例えば、端末装置1は、PDCCHをモニタしているセル、スケジューリングリクエスト(SR)を送信するセル、CQI(CSI)報告を行うセル、パスロスを計算しているセル、基地局装置2によって指定された受信サブフレームまたは送信サブフレーム(無線フレーム)に対応するセル、の少なくとも一つの条件を用いて通信しているセルを判断してもよい。端末装置1は、現在通信しているセル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
(a5)端末装置1は、アンカーセルの測定結果をMsとして用いる。アンカーセルは、基地局装置2から測定設定によって個別に指定される。また、基地局装置2は、報告設定に1ビットの情報を追加し、アンカーセルを用いて評価する測定イベントであるか否かについて測定イベント毎に個別に指定してもよい。(a2)との違いは、(a2)が測定イベント毎に設定されるのに対し、アンカーセルは端末装置1毎(または測定対象毎)に一つしか設定されない点である。アンカーセルは、プライマリセルであってもよいし、セカンダリセルであってもよいし、在圏セル以外の任意のセルであってもよい。アンカーセルはセルIDまたはセルインデックスによって指定することもできる。端末装置1は、アンカーセル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
(a6)端末装置1は、測定対象周波数の在圏セルの測定結果をMsとして用いる。端末装置1は、同じ周波数に複数の在圏セルが存在している場合、そのすべての測定結果をMsとして用いる。この場合、基地局装置2は、どのセルの測定結果を用いて測定イベントを評価したか分からないため、端末装置1は、測定報告メッセージ内の測定結果にトリガしたセルを識別する情報を設定して報告する。セルを識別する情報とは、例えばセルIDや、セルインデックスである。
(b)本イベントに関する測定対象の示す周波数の在圏セルが一つだけの場合、測定結果Msのセルは、(b1)測定対象の示す周波数の在圏セル、(b2)アンカーセル、のいずれかの方法を用いて端末装置1で決定される。(b1)〜(b2)に対する、より具体的な説明を次に行う。
(b1)端末装置1は、測定対象の示す周波数の在圏セル(プライマリセル、またはセカンダリセル)の測定結果をMsとして用いる。端末装置1は、測定対象の示す周波数の在圏セルと同じ周波数のセルであって、測定対象の示す周波数の在圏セル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
(b2)端末装置1は、アンカーセルの測定結果をMsとして用いる。アンカーセルは、基地局装置2から測定設定によって個別に指定される。また、基地局装置2は、報告設定に1ビットの情報を追加し、アンカーセルを用いて評価する測定イベントであるか否かについて測定イベント毎に個別に指定してもよい。アンカーセルは、在圏セルであってもよいし、在圏セル以外の任意のセルであってもよい。端末装置1は、アンカーセル以外のセルの測定結果はMsとしてみなさない。
<イベントA2>
イベントA2における測定結果Msのセルは、イベントA1と同じ動作によって決定されるため説明を略す。
<イベントA3>
(c)プライマリ周波数に複数の在圏セルがある場合、測定結果Mpのセルは、(c1)プライマリセル、(c2)報告設定で指定されたセル、(c3)報告設定内のフラグで判断されるセル、(c4)現在通信しているセル、(c5)アンカーセル、(c6)プライマリ周波数の在圏セル、のいずれかの方法を用いて端末装置1で決定される。(c1)〜(c6)に対する、より具体的な説明を次に行う。
(c1)端末装置1は、プライマリセルの測定結果をMpとして用いる。端末装置1は、プライマリセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(c2)端末装置1は、報告設定で指定されたセルの測定結果をMpとして用いる。基地局装置2は、報告設定に測定結果をMpとして用いるセルのセルID(またはセルインデックス)を指定する情報を含めて端末装置1に送信する。あるいは、基地局装置2は、報告設定にセルグループ(またはTAグループ)を指定する情報を含め、測定対象の周波数における当該セルグループのセルをMpとして用いるようにしてもよい。端末装置1は、報告設定で指定されたセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(c3)端末装置1は、報告設定内のフラグに基づいて判断したセルの測定結果をMpとして用いる。基地局装置2は、報告設定に少なくとも1ビットのフラグ情報を含めて端末装置1に送信する。端末装置1は、フラグ情報が含まれていた場合、同一周波数におけるプライマリセル以外の在圏セルの測定結果をMpとして用いる。一方、端末装置1は、フラグ情報が含まれていなかった場合、プライマリセルの測定結果をMpとして用いる。または、基地局装置2は、フラグ情報としてプライマリセルとセカンダリセルのいずれかが指定される情報を含めてもよい。端末装置1は、報告設定内のフラグに基づいて判断したセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(c4)端末装置1は、現在通信しているセルの測定結果をMpとして用いる。例えば、端末装置1が複数セルとの同時受信、または同時送信に対応しておらず、一つのセルとの受信、または送信しかできない場合、通信していると判断されるセルの測定結果がMpとして用いられる。例えば、端末装置1は、PDCCHをモニタしているセル、スケジューリングリクエスト(SR)を送信するセル、CQI(CSI)報告を行うセル、パスロスを計算しているセル、基地局装置2によって指定された受信サブフレームまたは送信サブフレームに対応するセル、の少なくとも一つの条件を用いて通信しているセルを判断してもよい。なお、基地局装置2は、サブフレームの代わりに無線フレームを指定してもよい。端末装置1は、現在通信しているセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(c5)端末装置1は、アンカーセルの測定結果をMpとして用いる。アンカーセルは、基地局装置2から測定設定によって個別に指定される。また、基地局装置2は、報告設定に1ビットの情報を追加し、アンカーセルを用いて評価する測定イベントであるか否かについて測定イベント毎に個別に指定してもよい。(c2)との違いは、(c2)が測定イベント毎に設定されるのに対し、アンカーセルは端末装置1毎(または測定対象毎)に一つしか設定されない点である。アンカーセルは、プライマリセルであってもよいし、セカンダリセルであってもよいし、在圏セル以外の任意のセルであってもよい。アンカーセルはセルIDまたはセルインデックスによって指定することもできる。端末装置1は、アンカーセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(c6)端末装置1は、プライマリ周波数の在圏セルの測定結果をMpとして用いる。端末装置1は、プライマリ周波数に複数の在圏セルが存在している場合、そのすべての測定結果をMpとして用いる。この場合、基地局装置2は、どのセルの測定結果を用いて測定イベントを評価したか分からないため、端末装置1は、測定報告メッセージ内の測定結果にMpとして用いたセルを識別する情報を設定して報告する。セルを識別する情報とは、例えばセルIDや、セルインデックスである。なお、端末装置1は、Mpとしてプライマリセルを用いて測定報告メッセージの送信手順がトリガされた場合、測定結果にセルを識別する情報を含めなくてもよい。基地局装置2は、測定報告メッセージにセルを識別する情報が含まれていなければ、Mpとしてプライマリセルを用いたと判断してもよい。
(d)プライマリ周波数に複数の在圏セルがある場合、測定結果Mnのセルは、測定対象の示す周波数におけるセルであって、(c1)〜(c5)でそれぞれMpとみなされなかったセルである。なお、(c6)の場合、端末装置1は、ある在圏セルの測定結果をMpとみなした場合の、残りの在圏セルの測定結果をMnのセルとみなす。すなわち、端末装置1は、プライマリセルの測定結果をMpとして測定イベントを評価する際に、プライマリセル以外のセルの測定結果は全てMnとみなしてよい。
(e)プライマリ周波数に在圏セルが一つだけ(プライマリセルのみ)の場合、測定結果Mpのセルは、(e1)プライマリセル、(e2)報告設定で指定されたセル、(e3)現在通信しているセル、(e4)アンカーセル、のいずれかの方法を用いて端末装置1で決定される。(e1)〜(e4)に対する、より具体的な説明を次に行う。
(e1)端末装置1は、プライマリセルの測定結果をMpとして用いる。端末装置1は、プライマリセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(e2)端末装置1は、報告設定で指定されたセルの測定結果をMpとして用いる。基地局装置2は、報告設定に測定結果をMpとして用いるセルのセルID(またはセルインデックス)を指定する情報を含めて端末装置1に送信する。端末装置1は、報告設定で指定されたセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(e3)端末装置1は、現在通信しているセルの測定結果をMpとして用いる。例えば、端末装置1が複数セルとの同時受信、または同時送信に対応しておらず、一つのセルとの受信、または送信しかできない場合、通信していると判断されるセルの測定結果がMpとして用いられる。端末装置1は、PDCCHをモニタしているセル、スケジューリングリクエスト(SR)を送信するセル、CQI(CSI)報告を行うセル、パスロスを計算しているセル、基地局装置2によって指定された受信サブフレームまたは送信サブフレーム(無線フレーム)に対応するセル、の少なくとも一つの条件を用いて通信しているセルを判断してもよい。端末装置1は、現在通信しているセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(e4)端末装置1は、アンカーセルの測定結果をMpとして用いる。アンカーセルは、基地局装置2から測定設定によって個別に指定される。また、基地局装置2は、報告設定に1ビットの情報を追加し、アンカーセルを用いて評価する測定イベントであるか否かについて測定イベント毎に個別に指定してもよい。(e2)との違いは、(e2)が測定イベント毎に設定されるのに対し、アンカーセルは端末装置1毎(または測定対象毎)に一つしか設定されない点である。アンカーセルは、プライマリセルであってもよいし、セカンダリセルであってもよいし、在圏セル以外の任意のセルであってもよい。アンカーセルはセルIDまたはセルインデックスによって指定することもできる。端末装置1は、アンカーセル以外のセルの測定結果はMpとしてみなさない。
(f)プライマリ周波数に在圏セルが一つだけ(プライマリセルのみ)の場合、測定結果Mnのセルは、測定対象の示す周波数におけるセルであって、(e1)〜(e4)でそれぞれMpとみなされなかったセルである。
<イベントA4>
(g)本イベントに関する測定対象の示す周波数に複数の在圏セルがある場合、測定結果Mnのセルは、測定対象の示す周波数におけるセルであって、(a1)〜(a5)でそれぞれMsとみなされなかったセルである。
(h)本イベントに関する測定対象の示す周波数の在圏セルが一つだけの場合、測定結果Mnのセルは、測定対象の示す周波数におけるセルであって、(b1)〜(b2)でそれぞれMsとみなされなかったセルである。
<イベントA5>
(i)イベントA5における測定結果Mpのセルは、イベントA3と同じ動作によって決定されるため説明を略す。
(j)イベントA5における測定結果Mnのセルは、イベントA3と同じ動作によって決定されるため説明を略す。
<イベントA6>
(k)イベントA6における測定結果Msのセルは、イベントA1と同じ動作によって決定されるため説明を略す。
(l)イベントA6における測定結果Mnのセルは、(k)でそれぞれMsとみなされなかったセルである。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、基地局装置2−1のセルと基地局装置2−2のセルと接続する場合において評価対象セルを一意に決定することが可能となるため、測定方法に関する問題、特に、測定イベントを評価する際の対象となる(参照となる)セルを判断することができる。
本実施形態の端末装置1は、複数の在圏セルが存在する場合であっても、基地局装置2から通知された測定イベントに応じて、評価参照セルと周辺セルとを判断することができる。また、端末装置1は、評価参照セルおよび/または周辺セルの測定結果を用いて設定された測定イベントを適切に評価し、評価結果に基づいて測定報告メッセージを送信することができる。また、本実施形態の基地局装置2は、複数の在圏セルが存在する場合であっても、端末装置1に対して評価参照セルと周辺セルとを判断させることができる。また、基地局装置2は、端末装置1から適切な測定結果を含む測定報告メッセージを受信することができる。
第1の実施形態によれば、端末装置1は、測定イベントに基づいて、評価対象セルと周辺セルとをそれぞれ適切に決定して測定を行うことができるため、測定方法が効率的になる。また、基地局装置2は、測定イベントに基づいて評価参照セルと周辺セルとを端末装置1に判断させるための情報を測定設定に含めて送信することができるため、端末装置1に対して効率的な測定方法を提供することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第1の実施形態において、評価対象セルを決定する一例としてアンカーセルを導入したが、既存の測定イベントにおいて評価対象セルを変更することは、端末装置1に対する影響が大きい。そこで、第2の実施形態では、アンカーセルに対して個別のイベントを設定し、端末装置1への影響を軽減する方法を示す。
第2の実施形態の端末装置1と基地局装置2の構成は第1の実施形態と同じ構成でよいため説明を省略する。ただし、第2の実施形態の基地局装置2は、後述する新規のイベントA7に関する測定設定を端末装置1へ通知する機能と、イベントA7に関する測定報告メッセージを受信する機能を備える。また、端末装置1は、イベントA7に関する測定設定を受信して設定する機能と、イベントA7に関する測定とイベント評価を行い、測定報告メッセージを送信する機能を備える。
測定イベントのトリガ基準として、以下に示す新規のイベントA7を用いる。
<イベント(Event)A7>
イベント(Event)A7加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > Ma + Ofa + Oca +a7_Offset
イベント(Event)A7離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < Ma + Ofa + Oca +a7_Offset
ここで、Maとはアンカーセルに対する測定結果である。Mnとは、周辺セル(neighbour cell)に対する測定結果である。端末装置1はアンカーセルの測定結果Maと、周辺セルの測定結果Mnを用いてイベントA7を評価する。
アンカーセルは、基地局装置2から測定設定によって個別に指定される。アンカーセルは端末装置1毎(または測定対象毎)に一つしか設定されないことが望ましい。アンカーセルは、プライマリセルであってもよいし、セカンダリセルであってもよいし、在圏セル以外の任意のセルであってもよい。基地局装置2は、セルIDまたはセルインデックスによってアンカーセルを指定することもできる。また、基地局装置2は、測定対象または報告設定にアンカーセルを指定する情報を含めてもよい。端末装置1は、アンカーセル以外のセルの測定結果は、在圏セルの測定結果であってもMnとみなしてイベントを評価する。
基地局装置2は、EUTRAに対する報告設定である報告設定EUTRAにおいて、イベント識別子(eventId)としてイベントA7を示す識別子情報、Hys、Ofn、Ocn、Ocaおよびa7_Offset、イベントA7を評価するトリガ量、トリガ時間、報告量、最大報告セル数、報告間隔、報告回数などを設定することができる。
Hysとは、イベントに対するヒステリシスパラメータである。Ofnとは、周辺セルの周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。Ocnとは、周辺セルに対するセル特有の測定オフセット値である。Ocnが設定されていない場合、端末装置1は測定オフセット値を0(ゼロ)とする。
Ofaとは、アンカーセルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ocaとは、アンカーセルに対するセル特有の測定オフセット値である。a7_Offsetとは、イベントA7に対して適用されるオフセットパラメータである。
なお、基地局装置2は、イベントA7に対して離脱時報告(reportOnLeave)を設定することも可能である。
端末装置1は、基地局装置2から受信したイベントA7に関する測定設定の情報に基づいて評価対象セルであるアンカーセルと、周辺セルとを判断して決定する。なお、ブラックリストとしてリストされているセルの測定結果は、イベント評価の対象外である。
端末装置1は、アンカーセル、および/または周辺セルの測定結果を用いてイベントA7を評価する。測定イベントの評価方法は、上述した式に従う。すなわち、アンカーセルの下りリンク参照信号の測定結果(Ma)と、周辺セルの下りリンク参照信号の測定結果(Mn)にオフセット値やヒステリシスを加えて測定イベントを評価する。端末装置1は、イベント評価によりイベントA7のトリガ基準が満たされ、測定報告メッセージの送信手順がトリガされた場合、測定報告メッセージを生成し、測定報告メッセージを基地局装置2−1へ送信する。なお、測定報告メッセージは基地局装置2−2へ送信してもよい。
端末装置1は、測定報告メッセージに含める測定結果として、イベントA7に対応する測定識別子(measId)、アンカーセルの測定結果、イベントA7を満たした周辺セルIDとその測定結果、在圏セルIDとそれぞれの測定結果、を含めることができる。なお、報告する測定結果は、RSRPとRSRQのいずれかはまた両方であることが望ましい。
基地局装置2は、端末装置1からの測定報告メッセージを受信することによって、アンカーセルに対して測定イベントが満たされたかどうかについて知ることができる。基地局装置2は、受信した測定結果に基づいて、アンカーセルの変更、ハンドオーバー、デュアルコネクティビティのセル設定の変更、個別制御情報の変更、測定設定の変更、などを適切に決定し、端末装置1に対して通知することができる。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、基地局装置2−1のセルと基地局装置2−2のセルと接続する場合において、評価対象セルをアンカーセルとして一意に決定することが可能となるため、測定方法に関する問題、特に、測定イベントを評価する際の対象となる(参照となる)セルを判断することができる。
本実施形態の端末装置1は、複数の在圏セルが存在する場合であっても、基地局装置2から通知された測定イベントで指定されるセル情報を用いて、評価参照セルと周辺セルとを判断することができる。また、端末装置1は、評価参照セルおよび/または周辺セルの測定結果を用いて設定された測定イベントを適切に評価し、評価結果に基づいて測定報告メッセージを送信することができる。また、本実施形態の基地局装置2は、複数の在圏セルが存在する場合であっても、端末装置1に対して評価参照セルと周辺セルとを判断させることができる。また、基地局装置2は、端末装置1から適切な測定結果を含む測定報告メッセージを受信することができる。
第2の実施形態によれば、端末装置1は、アンカーセルに対する測定イベントに基づいて、評価対象セルと周辺セルとをそれぞれ適切に決定して測定を行うことができるため、測定方法が効率的になる。また、基地局装置2は、アンカーセルに対する測定イベントに基づいて評価参照セルと周辺セルとを端末装置1に判断させるための情報を測定設定に含めて送信することができるため、端末装置1に対して効率的な測定方法を提供することができる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータ(情報)や各イベントの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用される名称と本発明の実施形態の名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成にだけ限定されることを示唆するわけではなく、論理的に接続される構成や、無線技術を用いて無線接続される構成を含む。
また、端末装置1とは、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置、さらに身に着けることが可能なウェアラブル機器やヘルスケア機器などに対し通信機能を搭載したものを含む。また、端末装置1は、人対人または人対機器の通信だけではなく、機器対機器の通信(Machine Type Communication、マシンタイプ通信)や、デバイス対デバイスの通信(Device to Device Communication;D2D)にも用いられる。
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置2は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
なお、基地局装置2は、3GPPが規定するUMTSにおいてNBと称され、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいてeNBと称される。なお、3GPPが規定するUMTS、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおける端末装置1はUEと称される。
また、説明の便宜上、機能的なブロック図を用いて、端末装置1および基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法、手段、またはアルゴリズムのステップについて具体的に組み合わせて記載したが、これらは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または、これらを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。
もしハードウェアによって実装されるのであれば、端末装置1および基地局装置2は説明したブロック図の構成以外に端末装置1および基地局装置2へ電力を供給する給電装置やバッテリー、液晶などのディスプレイ装置及びディスプレイ駆動装置、メモリ、入出力インターフェース及び入出力端子、スピーカー、その他の周辺装置によって構成される。
もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末装置1や基地局装置2の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる端末装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、プログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた端末装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けの集積回路(ASIC)あるいは一般用途向けの任意の集積回路(IC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。
汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。汎用用途プロセッサ、または上述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。
プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されても良い。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
以上、この発明の実施形態について具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の各実施形態の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これらの具体例に限定されないことは明らかであり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明の各実施形態に対して何ら制限を加えるものではない。
また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も本発明の技術的範囲に含まれる。