JP6807185B2 - 磁気共鳴イメージング装置のシミング方法、磁気共鳴イメージング装置及びシールドルーム - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置のシミング方法、磁気共鳴イメージング装置及びシールドルーム Download PDF

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本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)のシミング方法、このシミング方法により磁場調整をしたMRI装置、シールドルームに係り、特に、超電導磁石を用いたMRI装置のシミングを、環境磁場を考慮して行う技術に関する。
MRI装置では、鮮明な画像を得るために撮像領域(FOV:Field Of View)において高精度の磁場均一度(例えば、数ppm以下)を高い磁場強度で達成することが要求される。そのため、MRI装置には、高磁場を発生させることができる超電導コイル(超電導磁石)が用いられている。そして、MRI装置の稼働前段階において、補正用の磁性体片(以下、シム鉄と記す)を適切な位置に適切な量を設置することにより、FOVの磁場分布を調整して磁場均一度を向上させるシミングと呼ばれる作業が実施されている。
このシミングについて、特許文献1では特に、MRI装置を設置する先の病院における磁場雰囲気(環境磁場)を工場内で模擬して、シミングを行うことが記載されており、具体的には漏洩磁場の低減のために用いられるシールドルーム等による磁場雰囲気(環境磁場)を模擬していた。
一方、このシミングにおける手法の一つに、特異値分解を利用し、磁気モーメントの配置を決値する手法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法を用いれば、従来の方法(球面調和関数を用いた方法)より効果的なシム鉄の配置を求めることができるので、高精度な磁場を生成するMRI装置を低コストで製造することができる利点がある。
また、この特異値分解による手法には、更に打ち切り型特異値分解による手法があり、これによれば、誤差磁場の特異値分解による分解を、所定の固有モード以下のモードについて優先的に行うことにより、更に効率的なシム鉄の配置を求めることができる。
特許第5627415号公報 特許第4902787号公報
Coil Block Designs With Good Homogeneity for MRI Magnets Based on SVD Eigenmode Strengths, IEEE TRANSACTION ON MAGNETS, VOL.51,NO.10,OCTOBER 2015
しかしながら、特許文献1は、搬入先の病院における環境磁場に応じて、工場内の環境磁場を模擬する技術であるが、当該環境磁場は、当該病院によって、例えばどのような構造のシールドルーム内にMRI装置を設置するか等によって種々に異なる場合があり、工場内では個々の病院に応じた設備を構築しなければならない問題点があった。
また、特許文献2には、特異値分解による手法が開示されているが、MRI装置における環境磁場の磁場均一度に影響を与える影響については、考慮がされていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、個々の病院によって異なる環境磁場を考慮して、短時間に容易に、シミング等を行う超電導磁石を用いたMRI装置のシミング方法、このシミング方法により磁場調整をしたMRI装置、シールドルームを提供することを特徴とする。
また、特に、工場内における環境磁場と個々の病院における環境磁場の違いを考慮に入れて、シミングすることを特徴とする。
本発明は、搬入先に搬入される超電導磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、搬入の前に工場内において、前記超電導磁石を励磁し、当該超電導磁石の評価空間における第1の磁場分布を測定する工程と、シミュレーション計算により前記搬入先における環境磁場の前記超電導磁石の評価空間における第2の磁場分布を求める工程と、前記第1の磁場分布に前記第2の磁場分布を用い、前記超電導磁石を前記搬入先へ搬入した場合の磁場分布として第3の磁場分布を求める工程と、前記第3の磁場分布を補正するように特異値分解によりシミング計算をして、磁場調整用磁気モーメントの配置を求める工程を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法が提供される。
本発明によれば、個々の病院によって異なる環境磁場を考慮して、短時間に容易に、シミング等を行う超電導磁石を用いたMRI装置におけるMRI装置のシミング方法、このMRI装置のシミング方法により磁場調整をしたMRI装置、シールドルームを提供することができる。
MRI装置のX軸Y軸に平行な平面で切断した断面図 MRI装置のY軸Z軸を通る平面で切断した断面図 磁場調整装置の詳細図 特異値分布のグラフ 固有モード分布のグラフ 評価空間106を説明するための図 プリシミングのフローチャート 工場で計測した磁場データの固有モード分布のグラフ 環境磁場をシミュレーション計算した固有モード分布のグラフ 図8の固有モード分布に図9の固有モード分布を足し合わせた固有モード分布 シミング作業のフローチャート
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態の一例を説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、特に断らない限り、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[超電導磁石101の構成]
図1及び図2は、水平磁場方式の超電導磁石101の代表的な構造の概略である。ただし、図1は、MRI装置をX軸Y軸に平行な平面で切断した断面図であり、図2は、MRI装置をY軸Z軸を通る平面で切断した断面図である。
より具体的に、図1及び図2によれば、超電導磁石101は、磁場を発生するための超電導コイルである複数のメインコイル102と複数のシールドコイル103と、それらを冷媒と共に収納し冷却する冷媒容器104と、冷媒容器104を真空環境下で収納し断熱する真空容器105とを有している。MRI装置101は、超電導コイルであるメインコイル102とシールドコイル103に電流を流すことで、静磁場を発生させる。更に106は、静磁場不均一を評価するための評価空間であり、107は、シム鉄等から成る磁場調整装置を表している。また、以下の説明上メインコイル102の数をN(1以上の整数)とする。
次に図3は、磁場調整装置107の詳細を示す図である。磁場調整装置107は、シム鉄片201を配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構である。そのため、磁場調整装置107は、シム鉄片201を収納するためのシムポケット202と、当該シムポケット202が複数備わっているシムトレイ203で成り立っている。
シミングでは、磁場調整装置107の中の適切な位置に適切な量のシム鉄片201を配置することで評価空間106における静磁場分布を調整する。従って、シミング計算ではより適切なシム鉄片の配置を求め、できる限り最良の静磁場均一度を達成することになる。以下、各ポケットに配置するシム鉄片量を決定することを、シム鉄片の配置の決定と呼ぶ。
[シミング処理]
以下、シム鉄片の配置を決定するシミング処理について説明する。
MRI装置で達成すべき静磁場の均一度は、画質(画像の歪や輝度ムラ、SNR等)に影響を及ぼすため、NMR信号を計測する領域では空間的に均一な静磁場が求められる。静磁場の均一度(Homogeneity)は、ppm(parts per million:1/1000000)の単位で表現され、例えば、以下の式(1)により算出される。
Figure 0006807185
ここで、Bmaxは、評価空間における最大磁場強度、Bminは、評価空間における最小磁場強度、Baveは、評価空間における平均磁場強度である。評価空間には、通常、球もしくは楕円の表面が指定される。
臨床において使用される平均磁場強度1.5[T]のMRI装置の場合、直径400[mm]の球の表面において3[ppm]程度の均一度が求められる。つまり、式(1)のBmaxとBminとの差が、直径400[mm]の球の表面において4.5[μT]程度以下であることが要求される。
このような静磁場空間を実現するため、MRI装置では、シミングと呼ばれる誤差磁場を低減させる作業が行われる。なお、誤差磁場は、評価空間における計測された磁場と、目標とする磁場との差である。シミングでは、シム鉄片201を、所定の位置に配置することにより、誤差磁場を低減させる。このため、シミングでは、効果的に誤差磁場を低減させるシム鉄片の配置位置および配置量(以下、単にシム鉄片の配置と呼ぶ)を決定する。
[打ち切り型特異値分解を利用したシミング]
次に、特許文献2記載の特異値分解を利用したシミングについて説明する。この手法では、静磁場の不均一な磁場分布(誤差磁場)から、その誤差磁場を打ち消す磁場分布を発生させるシム鉄片の配置を、逆問題を解くように求める。ただし、本実施例ではこの逆問題を解くために打ち切り型特異値分解を利用し、それにより多量のシム鉄片を用いなくても誤差磁場を補正できるようにする。
特異値分解は、磁場調整装置107上の電流ポテンシャルの、評価空間106の磁場への応答行列Aに対して行われ、その結果、磁場調整装置107上の電流ポテンシャル分布の基底vjと評価空間106上の磁場分布の基底ujとを得る。2つの基底vjとujとの間には、以下の式(2)の関係がある。
λj・uj=A・vj ・・・(2)
ここでλjは、特異値であり、単位当たりの電流ポテンシャルが作りだす磁場の大きさを表す。また添え字jは特異値λjの大きさ順に振られた番号であり、固有モード番号、または、固有モードの次数、と呼ぶ。ujは、応答関数Aを特異分解して得られる磁場分布の基底である。また、ujおよびvjは、ベクトルである。
すなわち、式(2)は、磁場調整装置107の磁場分布と、評価空間106表面上の磁場分布との関係を対応づけたものである。なお、電流ポテンシャルは、シム鉄片の配置に換算できる。
図4は、超電導磁石101を励磁した際に評価空間106に発生する磁場について、固有モード番号jごとの、特異値λjの分布(特異値分布)を示す。上述のように、固有モード番号jは、特異値λjの大きい順に振られた番号であるため、特異値λjは、固有モード番号jが大きくなるにつれて、小さくなる。なお、固有モード番号jごとの特異値λjは、磁場調整装置107と評価空間106の位置関係から定まるものである。
シミングの対象は、評価領域106で計測した磁場(計測磁場)と、目標とする磁場分布との差である誤差磁場である。誤差磁場は、固有モード番号の成分に分解して表すことができる。誤差磁場Beの持つ各固有モード番号jの成分の強度Cjは、以下の式(3)から算出される。
Cj=Be・uj ・・・(3)
すなわち、誤差磁場Beと磁場分布の基底ujとの内積を取ることで、固有モード番号jの成分の強度(以下、固有モード強度と呼ぶ)Cjが求められる。なお、Beはベクトルである。なお、誤差磁場Beと磁場分布の基底ujとの内積を取り、各固有モード番号jの成分の強度Cjを得ることを、誤差磁場分布Beを、固有モードの成分に分解すると呼ぶ。
図5は、誤差磁場Beを、固有モード番号j毎の、固有モード強度Cjの分布として表したものである。以下、本分布を、固有モード分布と呼ぶ。また、本分布の各点(固有モード番号jの固有モード強度Cj)を、単に固有モードと呼ぶ。
誤差磁場Beを完全に無くすためには、図5に示す全ての固有モード番号jについて、その成分である固有モード強度Cjをゼロにする必要がある。しかしながら、完全に誤差磁場Beを無くすためには多量のシム鉄片201が必要となる。これは、磁場調整装置107の大きさが有限であることから現実的ではない。そのため、磁場調整装置107によるシム鉄片201の配置位置および量の制約を考慮した上で、最も効果的な磁気モーメント配置の解、すなわち、最も静磁場の均一度が良くなる解を算出する必要がある。
一方、一般にシミングでは、小さい固有モード番号jを優先的に選択して、固有モード強度Cjをゼロに近づける補正を行う。これは、図4から明らかなように、小さい固有モード番号jの成分ほど特異値λjが大きく、単位磁気モーメント当たりの補正できる磁場が大きいためである。
そこで、本実施例では、図5に示すように、補正対象とする固有モード番号jの最大値を固有モードの閾値401として設定し、固有モードの閾値401以下の固有モード番号jの固有モード強度Cjが固有モードの強度の閾値402以下となるようにして磁気モーメント配置を決定する。
すなわち、固有モードの閾値401以下の固有モード番号jを補正対象とし、補正対象の固有モード番号jの固有モード強度Cjの全てが固有モードの強度の閾値402以下となるようにシミングの計算を行う。
[閾値の決定]
更に、本実施例では、固有モードの閾値401は、超電導磁石101が備えるメインコイル102の数Nに応じて定める。すなわち、図5に示す固有モード分布において、磁場方向に直交する面に対して面対称な固有モードの基底(基本固有モード、あるいは、2D固有モードとも呼ばれ、周方向に一様なものであり、静磁場方向がZ軸方向の磁石では、磁石の設計時にZ軸を周回方向に一様な磁場成分で設計するため、シミングにおいても重要とされているものである。(詳細は、非特許文献1参照))を対称基底u#pで表して、固有モード番号の低い方からN番目の対称基底uNまでをシミング対象の固有モードとする。
例えば、図5ではメインコイル数が6個の場合の分布であり、固有モード番号の低い方から対称基底uNを数えて6番目の対称基底の固有モードの番号はj=97である。そのため、閾値を97として固有モードの閾値401となる。このようにして固有モードの閾値401を決める理由は次のとおりである。
多くの超電導磁石101では、メインコイル数をNとした時、識別番号#pがN未満の対称基底u#pの固有モードの強度を抑えるように設計されている。そのため、一般に、識別番号#pがN未満の対称基底u#pの固有モードまでは比較的少ない磁気モーメント量でシミング可能である。しかし、N以上の対称基底u#pを含む固有モードを補正対象とするシミングを行う場合、多くの磁気モーメント量を必要とするからである。
[環境磁場シミュレーション計算の手法]
MRI装置を設置する際には、検査室から外への漏洩磁場の漏洩を低減するために、磁性体を用いた磁気シールドが検査室の壁(天井、床を含む)や壁に沿って設置されている。この磁気シールドが超電導磁石101の磁場によって磁化し、その磁化が環境磁場として、超電導磁石101の評価空間106の磁場均一度を乱す問題があった。ここで、環境磁場とは、超電導磁石101の周囲に配置される機器により超電導磁石101の評価空間に生成される磁場、あるいは、超電導磁石101の配置されるシールドルームにより前記評価空間に生成される磁場のことである。そこで以下に、本実施例におけるその磁場均一度の乱れをシミュレーション計算する方法を示す。
まず、超電導磁石101だけでシミュレーション計算を行う。シミュレーションソフトに、超電導磁石101の位置と評価空間106を入力する。評価空間106は例えば図6のように40cm球状の点であり、等間隔に配置するものとする。
超電導磁石101と磁気シールドを設置した時のシミュレーション計算を行う。シミュレーションソフトに、超電導磁石101の位置と評価空間106の位置、さらに検査室に配置する磁気シールドのレイアウトと同じように磁性体の位置と量を入力する。
シミュレーションソフトで超電導磁石101に電流を流した時の評価空間106の各点の磁場分布(磁束密度)を計算する。この時の各点の磁束密度を第2の磁場分布とする。
同様にシミュレーションソフトで、超電導磁石101の位置と評価空間106、さらに工場に配置する磁気シールドのレイアウトと同じように磁性体の位置と量を入力する。
そして、超電導磁石101に電流を流した時の評価空間106の各点の磁場分布(磁束密度)を計算する。この時の各点の磁束密度を第4の磁場分布とする。
最後に第2の磁場分布から第4の磁場分布を差し引いて、プリシミングに用いる磁場分布とする。
[プリシミングの手順]
次に図7のフローチャートを用い、本実施例におけるプリシミング(搬入先の励磁前にシム鉄片を置く初期シミングのことをいう。)の手順を説明する。以下、各ステップSを順に説明する。
(ステップS701)
操作者は、超電導磁石101は製作後に正常に磁場が立ち上がるかを確認するために、工場において励磁の試験を行う。
(ステップS702)
操作者は、超電導磁石101において、立ち上がった磁場を計測する。すなわち、搬入の前に工場内において、当該超電導磁石101の評価空間における第1の磁場分布を測定される。ここで計測した磁場データを特異値分解した際の固有モード分布を図8に示す。ただし、このデータには、工場の超電導磁石101の周囲(環境)に配置された磁気モーメントの影響である環境磁場と、磁石の設計自体に起因する誤差磁場と、磁石の製造に起因する誤差磁場が含まれている。
(ステップS703)
操作者は、コンピュータを用い、搬入先の病院での環境磁場をシミュレーション計算する。すなわち、搬入先における環境磁場の前記超電導磁石101の評価空間における第2の磁場分布をシミュレーション計算により求める。具体的には、搬入先で超電導磁石101の周囲に配置される磁気モーメント量から評価空間106への環境磁場の影響を計算する。
ここで、上記ステップS702における第1の磁場分布には工場の環境磁場も含まれているため、搬入先の環境磁場の影響を正確に考慮するためには、第2の磁場分布から工場の環境磁場を差し引く必要がある。そのため、工場における環境磁場の超電導磁石101の評価空間における第4の磁場分布をシミュレーション計算により求め、第2の磁場分布から第4の磁場分布を差し引き、より正確な第2の磁場分布としても良い。
図9は、搬入先の環境磁場シミュレーション計算結果から工場の環境磁場シミュレーション計算結果を差し引いたものの固有モード分布を示す。
(ステップS704)
操作者は、コンピュータを用い、ステップS702で取得した第1の磁場分布にステップS703でシミュレーション計算した第2の磁場分布を加算しプリシミング用磁場データを作成する。すなわち、第1の磁場分布と第2の磁場分布を用い、超電導磁石101を搬入先へ搬入した場合の磁場分布として第3の磁場分布を求める。図10にプリシミング用磁場データの固有モード分布を示す。
(ステップS705)
操作者は、コンピュータを用い、ステップS704で作成したプリシミング用磁場データを固有モードの閾値401のモードまで補正の対象とし、特異値分解を用いたシミング計算を行い、シム鉄片の配置計算を行う。すなわち、第3の磁場分布を補正するように特異値分解によりシミング計算をして、磁場調整用磁気モーメントの配置を求める。
ここで、超電導磁石101を構成するメインコイルの数によって規定される固有モード以下の成分を優先的にシミングするようにしても良い。
(ステップS706)
操作者は、ステップS705で計算したシミング計算に基づき、シム鉄片を計算で求めた場所に磁場調整装置107を配置する。
上記ステップS701から706までの作業を超電導磁石101の搬入前までに行う。以上までがプリシミングの手順である。
次に、図11は搬入先での実際のシミング作業のフローチャートを示す。
(ステップS1101)
操作者は、図7で示したプリシミングの鉄配置を行う。すなわち、搬入先において超電導磁石101とシム鉄片とを組み合わせる。
(ステップS1102)
操作者は、搬入先において超電導磁石101のメインコイル102とシールドコイル103を励磁させ、所定空間106に磁場を発生させる。
(ステップS1103)
操作者は、励磁後に超電導磁石101の所定空間106の磁場データを計測する。
(ステップS1104)
操作者は、コンピュータを用い、ステップS1103で計測した磁場データを用いて特異値分解を用いたシミング計算を行う。
(ステップS1105)
操作者は、コンピュータを用い、ステップS1104で計算したシム鉄片の鉄量を超電導磁石101の磁場中に配置できる量かを判断する。磁場中に配置でないと判断した場合は、ステップS1106へ移行し、磁場中に配置できると判断した場合は、ステップS1108へ移行する。
(ステップS1106)
操作者は、超電導磁石101を消磁する。
(ステップS1107)
操作者は、超電導磁石101にステップS1104で計算して求めたシム鉄片の配置を行い、ステップS1102へ移行する。
(ステップS1108)
操作者は、超電導磁石101を消磁せずに、ステップS1104あるいはステップS1111で計算して求めたシム鉄片の配置を行い、ステップS1109へ移行する。
(ステップS1109)
操作者は、超電導磁石101の磁場データを計測する。
(ステップS1110)
操作者は、所望の磁場均一度が達成されたかを判断する。達成された場合はシミング作業を終了する。達成されていなければ、ステップS1111へ移行する。
(ステップS1111)
操作者は、コンピュータを用い、ステップS1109で計測した磁場データに対して、特異値分解を用いたシミング計算を行う。
上記実施例によれば、超電導磁石101を病院等の搬入サイトに搬入する前にプリシミングによって、磁石の設計自体に起因する誤差磁場、磁石の製造に起因する誤差磁場、病院等の搬入サイトにおける環境磁場を考慮して、シミングを行うため、病院等の搬入サイトにおけるシミング作業が励磁・消磁作業を1回分節約でき、冷媒と作業時間を節約できる。
特に、病院等の搬入サイトにおける環境磁場は、個々の病院(搬入サイト)と工場における環境磁場の差分をシミュレーション計算により求めて用いるため、シールドルームの構造が病院に応じて異なる等の理由により、個々の病院によって環境磁場が異なる等の場合においても、好適にシミングによる静磁場均一度の調整が行える利点がある。
また、本実施例では、シミング計算にも、打ち切り特異値分解による手法を用いたため、シム鉄片を大量に配置することなく磁場調整ができ、その面からもシミング作業のための作業を短縮できる利点もある。
なお、上記実施例1では、プリシミングの手順とその効果について示したが、本実施例では、製作した超電導磁石101の最終的なシミング可否の判定に用いても良いことは言うまでもない。
すなわち、ステップS1105において、シミングの可否の判定も行い、シミング後の均一度が超電導磁石101の仕様内であるか、計算されたシム鉄片が、シムポケット202に配置できるか等で判定できる。シミングができない場合は超電導磁石101が設計どおりに生産できていない可能性が高く、超電導磁石101を不良として判断することができる。
搬入先で励磁してから、シミングができないとわかると大きな混乱と時間を浪費することとなるが、超電導磁石を搬入する前にシミングの可否で超電導磁石の不良を判断できることは、搬入先での混乱を避けることができ、シミング作業に安心感を与えることが可能となる。
次に実施例2を説明する。実施例1では、環境磁場のシミュレーション計算で計算した磁場分布を工場内で測定した磁場データに足し合わせて、プリシミング用の磁場データを作成した。しかし、図9に示すようにコイル数に応じて固有モードの閾値401までを補正の対象とすることを考えると、901で囲まれた部分が補正されず残差成分として残ってしまう。この901で囲まれた残差成分は、搬入先においてMRI装置を囲うように配置されるシールドルームを構成する磁性体の作る残差成分と考えられ、残差成分が残ることで、磁石が到達する磁場が悪くなってしまうことがある。
そこで、本実施例では、環境磁場のシミュレーション計算による磁場分布を用いて、搬入先に病院で許容されるシールドルームを構成する磁性体に許容される量(厚さ)を計算する。
具体的に、図9における環境磁場シミュレーション計算は、シールドルームを構成する磁性体の厚さが12mmの場合のシミュレーション計算結果であった。
同等のシミュレーション計算を、例えば6mmの場合について行うと、図11のようになり、固有モードの強度の閾値402(例えば、4.58E-6)以下となり、許容される量になった。
このように、第2の磁場分布をシミュレーション計算する際に、搬入先のシールドルームを構成する磁性体の量を変えながら、シミング計算を行い、搬入先のシールドルームに許容される磁性体の量を計算する。
以上より、本実施例によれば、環境磁場のシミュレーション計算においてシールドルームを構成する磁性体の厚さを変化させて磁場分布を計算したので、シールドルームの許容される厚さ(磁性体量)を求めることができる。
以上より、主にMRI装置のシミング方法について説明したが、本発明により上述したMRI装置のシミング方法によりシミングしたMRI装置や、これにより厚さを調整したシールドルームも提供されることは言うまでもない。
101 超電導磁石、102 メインコイル、103 シールドコイル、104 冷媒容器、105 真空容器、106 評価空間、107 磁場調整装置、401 固有モードの閾値、402 固有モードの強度の閾値

Claims (8)

  1. 搬入先に搬入される超電導磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    搬入の前に工場内において、前記超電導磁石を励磁し、当該超電導磁石の評価空間における第1の磁場分布を測定する工程と、
    シミュレーション計算により前記搬入先における環境磁場の前記超電導磁石の評価空間における第2の磁場分布を求める工程と、
    前記第1の磁場分布に前記第2の磁場分布を用い、前記超電導磁石を前記搬入先へ搬入した場合の磁場分布として第3の磁場分布を求める工程と、
    前記第3の磁場分布を補正するように特異値分解によりシミング計算をして、磁場調整用磁気モーメントの配置を求める工程と、
    シミュレーション計算により前記工場における環境磁場の前記超電導磁石の評価空間における第4の磁場分布を求める工程とを含み、
    前記第3の磁場分布を求める工程において、前記第1の磁場分布から前記第4の磁場分布を差し引き、前記第2の磁場分布を足し合わせ、第3の磁場分布とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  2. 搬入先に搬入される超電導磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    搬入の前に工場内において、前記超電導磁石を励磁し、当該超電導磁石の評価空間における第1の磁場分布を測定する工程と、
    シミュレーション計算により前記搬入先における環境磁場の前記超電導磁石の評価空間における第2の磁場分布を求める工程と、
    前記第1の磁場分布に前記第2の磁場分布を用い、前記超電導磁石を前記搬入先へ搬入した場合の磁場分布として第3の磁場分布を求める工程と、
    前記第3の磁場分布を補正するように特異値分解によりシミング計算をして、磁場調整用磁気モーメントの配置を求める工程とを含み、
    前記第2の磁場分布を求める工程において、第2の磁場分布をシミュレーションする際に、前記搬入先のシールドルームを構成する磁性体の量を変えながら、前記磁場調整用磁気モーメントの配置を求める工程においてシミング計算を行い、前記搬入先のシールドルームに許容される前記磁性体の量を計算することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  3. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    前記第3の磁場分布を求める工程において、前記第1の磁場分布と前記第2の磁場分布を足し合わせ、第3の磁場分布とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  4. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    前記磁場調整用磁気モーメントの配置を求める工程又は前記第4の磁場分布を求める工程において、前記超電導磁石を構成するメインコイルの数によって規定される固有モード以下の成分を優先的にシミングすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  5. 請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    前記環境磁場は、前記超電導磁石の周囲に配置される機器により前記評価空間に生成される磁場であること特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  6. 請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法であって、
    前記環境磁場は、前記超電導磁石の配置されるシールドルームにより前記評価空間に生成される磁場であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のシミング方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法によりシミングにより調整されてシム鉄片配置が行われたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置のシミング方法により磁性体の量が調整されたことを特徴とするシールドルーム。
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