JP6807150B2 - 往復動ピストン内燃エンジンの急速な逆転の制御方法 - Google Patents

往復動ピストン内燃エンジンの急速な逆転の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、往復動ピストン内燃エンジンに関するものであり、特に独立請求項1の前提部分による低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンのクランクシャフトの回転の第1の方向の回転の急速な逆転又は制動を制御するための方法に関するものである。
大型のディーゼル・エンジンは、船舶の駆動部として、又は定常運転、例えば電気エネルギー生成用の大型発電機の駆動のための定常運転においても、頻繁に使用される。この点で、一般的にエンジンは、長期間にわたる恒久的運転において動作するので、運転上のセキュリティと利便性が強く要求される。したがって、特に長い整備期間、低摩擦、燃料及び操作材料の経済的取り扱いは、操作者にとって機械操作の主要な基準となる。このような大口径の低速ディーゼル・エンジンのピストン運動挙動は、とりわけ整備期間の長さ、利便性、及び潤滑油消費量、並びに直接的には、運転コスト、更には運転効率の決定要素である。
遠洋海運では、緊急事態にできる限り短時間、短距離で全速力から船舶を制動することや、プロペラができる限り速やかに反対方向に回転するようにエンジンをできる限り急速に逆転させ、これによって船舶ができる限りただちに反対方向に運航を継続できるようにすることについての要望と必要性が常にあった。長きにわたって、比較的小型の発動機船又はモーターボート向けに、この目的のための様々なプロセスが試行され、逆転はシンプルにトランスミッションによって行うことができる場合が多かった。その一方で、「緊急時制動」すなわち、低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンなどの大型往復動ピストン内燃エンジンを備えた大型船舶を全速力から急速に制動させることは、従前から、広く未解決の問題となっている。このことは、船舶の制動に加えて、これと密接に関連する、ある回転方向から反対の回転方向へ急速にエンジンを逆転させるという問題にも関連する。
これは、特に低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンについて過小評価されるべきではない問題である。なぜならば、このエンジンでは、非常に大型で且つ動力も大きいので、エンジンとプロペラとの間のトランスミッション及び/又はクラッチの賢明な利用が実際上不可能だからである。そのため、プロペラは、エンジンを備えた船舶の大型ディーゼル・エンジンのクランクシャフトに、シャフトを介して回転可能に固定接続される。
したがって、明らかに、駆動装置の構造は、プロペラとエンジンとの間にトランスミッションが設けられる駆動装置に比べて、実質的により簡単である。しかし、このようなトランスミッションやクラッチがない構造の不利な点は、プロペラが常に、すなわちあらゆる運転状態でエンジンに回転可能に固定連結されており、少なくともエンジンが運転状態にある、すなわち完全な停止状態にならない限りにおいては、エンジンから分離できないことである。すなわち、エンジンが船舶を制動させるために停止している運転状態(本質的には、実際上はエンジンへの燃料供給が中断されていることを意味する)では、船舶はその場で急停止しないが、初めのうちはその巨大な質量の慣性により航海を継続し、ごくわずかずつ徐々に減速してゆく。
この点、プロペラは、明らかに、もはやエンジンによって駆動されていない。しかし、プロペラは、プロペラと水との間の継続的な相対速度による水を介した前進によって駆動されている。しかし、プロペラがエンジンに回転可能に固定されて連結されており、エンジンから分離もできないので、エンジンも、このような運転状態ではプロペラによって駆動される。これは、それにもかかわらず、モータはプロペラによって駆動されているので、燃料供給の停止後も、相当な長時間にわたって当初の方向に回転し続けることを意味する。
船舶の制動又は船舶の走行方向の逆転の加速は、エンジンが回転と反対の方向に再始動しているという点でのみ実現可能である。最もよく知られている船舶エンジン、特に、巨大なユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンでは、これは、適切な時点、すなわち、適切なクランク角をもって、専門用語では始動空気と言われる圧縮空気が、十分に高い圧力でシリンダ・ライナーに圧入されて、エンジンが、ピストンに作用する始動空気により所望の回転と反対の方向に再始動するという点でのみ実現可能である。
以上で説明したような、燃料供給が停止されてもエンジンが当初の方向に回転し続けるようにプロペラがクランクシャフトを介してエンジンのシリンダ・ライナー内のピストンに対して与える巨大な力のせいで、エンジンは、最も早くて始動空気の最大可能圧力がピストンに作用するプロペラからの力を相殺する(compensate;補償する)のに十分になったときに、反対方向に再始動することができる。エンジンは始動空気により、反対方向に十分急速に回転するよう設定されるので、燃料供給の再開時に、エンジンは最終的に、反対方向に独立して再始動できる。エンジンが回転の反対方向に再始動するとき、エンジンに回転可能に固定接続されたプロペラは、当然、同様に、エンジンによって反対方向に駆動される。これにより、船舶の制動が徐々に加速されて、最終的には船舶の走行が停止状態となるか、又は、所望するならば、船舶は反対方向に走行を開始する。
上述の、従前は一般的であった船舶の制動及び逆転の過程の不利な点は明らかである。一方で、船舶の制動、特に、低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンを備える船舶の制動には非常に長い時間が必要である。なぜならば、エンジンが反対方向に再始動する前には、まず、プロペラによるエンジンの駆動が始動空気によって相殺されるよう、船舶が十分に失速して低速になるまで長時間待つ必要があるからである。これも、非常に長い時間がかかるので、特に、例えば緊急事態において他の船舶、氷山、その他の障害物との衝突を確実且つ余裕をもって回避するために、急速に制動しなければならない場合、重大な欠点である。とりわけ、余裕をもって船舶を制動できなかった有名なタイタニック号の悲劇は、今日もなお人々の記憶に残っている。タイタニック号は、低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンによって駆動されてはいなかったが、問題は原理的には同じである。
制動時又は走行と反対方向への逆転時に船舶がカバーする距離を最小化するために、シリンダ・ライナーに始動空気を供給することにより、可能な限り早い時点でエンジンを逆転させるための試みが頻繁になされてきた。しかし、エンジンがプロペラに駆動されて当初の方向により速く運動するほど、より多くの始動空気又は始動空気エネルギーが反対方向への逆転を開始するために必要とされる。この方法は、始動空気がまず、対応する圧縮機を用いて生成されて圧力室に蓄積されなければならないので、高額且つエネルギー多消費であるだけではなく、始動空気の総蓄積量の大部分が消費されたにもかかわらず、エンジンが反対方向に始動できないというリスクを生ぜしめる。これは、更に制動を遅らせるだけでなく、安全上のリスクとなり得る。なぜならば、このような状況では、新しい始動空気を再度供給する必要があり、その間エンジンは再度始動できないからである。これにより、船舶がこのような状況で駆動装置を有しないので、特定の状況下では重大な結果をもたらし得る。
したがって、本発明の目的は、特に低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンをより効率的且つ急速に反対方向に逆転することができる方法を提供することである。この方法により、先行技術から説明される問題の大部分を回避することができる。特に、先行技術から知られる致命的な安全上の問題を回避することができるとともに、エンジンの逆転をより経済的且つより省エネルギー的に行うことができる。
これらの目的を満たす本発明の主題は、独立請求項1の構成によって特徴付けられる。
従属請求項は、本発明の特に有利な実施例に関する。
本発明は、往復動ピストン内燃エンジンのクランクシャフトの第1の回転方向の回転の急速な逆転又は制動の制御方法に関し、特に、180°のクランク角に対応する上死点と0°又は360°のクランク角に対応する下死点との間を往復移動できるようにピストンが配置されるシリンダであって、液圧媒体、好適には作動油(液圧オイル)を用いてバルブ油圧によって所定の開放圧力で油圧作動させることができるアウトレット・バルブを有するシリンダを有する低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの制御方法に関する。本発明によれば、往復動ピストン内燃エンジンへの燃料供給は制動段階に中断され、また液圧媒体は、所定の最大開放圧力で第1のシリンダの第1のアウトレット・バルブのバルブ油圧(valve hydraulics)へ、第1のシリンダに関連する第1のピストンの上死点位置の領域内の第1のクランク角で供給され、それにより第1のアウトレット・バルブは、最も早くて第1のピストンが上死点位置を通過したとき、第2のクランク角でバルブ油圧によって自動的に開放される。
本発明は、エンジン、特に低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンを回転の反対方向へより効率的且つ急速に逆転させることができ、同時に貴重な始動空気を更に節約することができる方法を初めて提供する。本発明による方法の特に好適な実施例では、船舶で、回転の反対方向への再始動が、始動空気を用いずに(例えばプロペラによりエンジンに与えられる制動エネルギーを利用しつつ)、完全に開始されることすら可能である。これは、経済的観点で過小評価できない改良であることはもちろんのこと、特に本発明による方法が船舶のエンジンの逆転又は制動に使用される場合、安全技術の観点でも大きな進歩であることを意味する。
実際上、特に好適な実施例では、往復動ピストン内燃エンジンは船舶の低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンである。ここで船舶は、例えば、12個まで、又はこれより多くのシリンダを有するとともに、シリンダ毎に10,000kWまでの動力、又はこれを超える力を有することができる超大型のエンジンを備えるコンテナ船である。
当業者であれば知っているように、ピストンは、往復動ピストン内燃エンジンの通常運転状態にあるシリンダ・ライナー内の上死点と下死点との間を往復移動して、ピストン及びプロペラに作動的に固定して接続されているクランクシャフトによってプロペラを駆動する。シリンダ・ライナーのシリンダ・カバーのアウトレット・バルブは、実際には、油圧装置及び電子装置を有するプログラマブル制御装置を用いて、バルブ油圧によって油圧作動される。この点で、アウトレット・バルブが作動するクランク角は、原則として、プログラマブル制御装置によって所望のように前もって定めることができる。エンジンは、始動空気バルブを作動させることによって停止状態から始動するか、或いは十分に小さい回転速度で、エンジンの回転方向を変化させることができる。
本発明をよりよく理解するために、それ自体はよく知られている往復動ピストン内燃エンジンの通常運転状態での一般的な運転モードを、以下で再度簡単に模式的に想起する。本出願の枠内では、0°又は360°のクランク角はそれぞれ下死点UTとともに特定され、また、180°のクランク角は上死点OTとともに特定される。
0°のクランク角に対応する下死点から始動したピストンは、まず180°のクランク角に対応するOTの方向へ運転状態で移動する。ピストンが下死点の近傍に位置するとき、掃気スリットがシリンダ・ライナーの下方領域で開放され、アウトレット・バルブ5が通常運転状態で開となる。掃気スリットはピストンによって開放され、新鮮空気(フレッシュエア)が掃気スリットを介してシリンダ・ライナーの燃焼空間へ供給され、同時に燃焼残渣が上死点へ向かう方向のピストン動作によって、アウトレット・バルブを介して燃焼空間から排出される。ピストンが掃気スリットを完全に通過し、その結果、燃焼空間と掃気スリットとが連通しなくなると、アウトレット・バルブも、クランキング角の増大とともに、所定のクランク角で制御装置を用いて閉じられる。その後の過程では、燃料はインジェクション・バルブによってエンジンの燃焼空間へ供給される。燃焼空間は、上部シリンダ領域、その上方に位置するシリンダ・カバー、及びピストン・ベースより形成される。この燃料は、上死点の領域内で圧縮により加熱された空気中で着火し、その後、燃焼し、このエネルギー放出によって燃焼空間内の圧力を増大させる。
上死点を通過後、ピストンは、360°のクランク角に対応する下死点へ向かう方向へ再度移動する。船舶の通常の運転及び走行状態では、アウトレット・バルブがその後再度開放され、シリンダの新しい作業サイクルが、180°よりも相当大きいクランク角で開始される。
船舶が制動されるべき場合、特に、緊急時にできる限り短い距離内で制動させるべき場合、往復動ピストン内燃エンジンを、すでに知られている方法で、制動又は逆転させるための異なる運転状態に設定し得る。第1のステップで、往復動ピストン内燃エンジンのシリンダ・ライナーへの燃料供給を中断することが知られている。燃料供給が中断されることにより、まず、エンジンの回転速度を低下させ、これにより船舶の最初の適度な減速が行われる。更なる措置がとられなければ、船舶の速度は、水中での船舶の摩擦により、実質的に低下する。一般的には、この摩擦は比較的小さいので、船舶の速度は非常にゆっくりと低下する。プロペラは、燃料供給の中断後は、往復動ピストン内燃エンジンにより駆動されないが、依然として存在する船舶の運動エネルギーによりタービンとして駆動され、そしてプロペラがクランクシャフトを介して回転可能に固定接続されたエンジンを駆動する。
アウトレット・バルブの制御が、通常の運転状態や従前に先行技術で実施されてきたように、変化なく維持されるならば、船舶の運動エネルギーの一部は、0°と180°の間のクランク角範囲内で、認められるようにシリンダ内の圧縮エネルギーに変換される。しかし、上死点から下死点へのピストン動作の間にシリンダ・ライナーに封入された掃気空気がその後膨張するとき、この圧縮エネルギーは、再び運動エネルギーの形でプロペラにより船舶へほぼ完全に戻される。
本発明は、この点から出発しており、また、プロペラによりエンジンに伝達される制動エネルギーが本発明により巧妙に用いられるとすれば、エンジンの急速な逆転又は制動は、とりわけ始動空気がなくても、また、少なくとも先行技術で従前に必要とされたよりも少ない量の始動空気ででも、アウトレット・バルブを適切に制御することのみによって実質的に可能であり、実際に反対方向に再始動できるという認識に基づいている。
本発明による制御過程の好適な一実施例では、第2のクランク角は、180°と360°の間の値で、好適には180°と225°の間、又は180°と200°の間の値で、特に好適には第1のピストンの上死点後の180°と190°の間の第2のクランク角で、第1のピストンの上死点と下死点との間の範囲内で選択される。
逆転に対する制動効果を更に改良するため、第1のアウトレット・バルブが第2のクランク角と第1のピストンの下死点との間の領域内の第3のクランク角で再び閉じられて、第1のシリンダ内に所定の真空が形成される。
この措置がとられるエンジンの逆転の段階に応じて、2つの追加的な好影響が実質的にもたらされ得る。
第1のシリンダ内の真空の形成が往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動段階に第1の回転方向へ行われ、且つ、第3のクランク角がこれに応じて選択される場合、第3のクランク角の適切な選択とともに、アウトレット・バルブを閉じることにより第1のシリンダ内に真空が形成され得る。その結果、真空の形成によって第1の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動が促進される。したがって、これによるピストンに対する少なくともわずかな吸引効果が生じ、その結果、エンジンからの運動エネルギーを更に除去して制動を促進するような、対応するピストン運動の制動が行われる。
他方、第3のクランク角で第1のアウトレット・バルブを閉じることにより第1のシリンダ内に真空が形成され、その結果、第1のシリンダ内の真空形成により燃料供給による第2のシリンダ内で開始された第1の回転方向と反対の第2の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの再始動が促進されるように、第3のクランク角は制動段階に続く往復動ピストン内燃エンジンの逆転段階で選択されることも可能である。これは、エンジンの第1の回転方向に対して第1のシリンダ内で制動吸引効果が生じるので、エンジンの再始動、すなわち第1の回転方向と反対の新しい第2の回転方向へのエンジンの逆転が容易となり、又は促進され、その結果、早期の逆転が可能となり、又はいまだに必要とされ得る始動空気が最小化されるか又は完全に不要となることを意味する。
本発明による方法の更なる追加的又は代替的措置は、下死点と上死点との間の第4のクランク角、好適には、シリンダへの掃気空気の供給の終了後に到達される第4のクランク角で、閉じられた第1のアウトレット・バルブを有する。
最後に挙げた措置をもってしても、アウトレット・バルブが第4のクランク角で閉じられるエンジンの逆転の段階に応じて、実質的に2つの追加的な好影響がもたらされ得るという状況である。
一方で、第4のクランク角で第1のアウトレット・バルブを閉じることにより第1のシリンダ内に過圧が蓄積され、その結果、過圧の蓄積によって第1の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動が促進されるように、往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動段階で第4のクランク角が選択される場合がある。また、運動エネルギーの圧力エネルギーへの変換により、実際に、シリンダ内の圧力蓄積によりエンジンから運動エネルギーが除去されるので、これによって第1の回転方向へのエンジンの制動が効果的に促進される。
他方、第4のクランク角で第1のアウトレット・バルブを閉じることにより第1のシリンダ内に過圧が蓄積され、その結果、第1のシリンダ内の過圧蓄積が、燃料供給により開始された第1の回転方向と反対の第2の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの再始動と適切に調和されるように、制動段階に続く往復動ピストン内燃エンジンの逆転段階で第4のクランク角が選択されるとき、回転方向と反対の再始動が、第1のシリンダ内の過圧蓄積により効果的に促進される。
これは、エンジンの第1の回転方向に対して第1のシリンダ内で制動圧力効果が生じるので、エンジンの再始動、すなわち第1の回転方向と反対の新しい第2の回転方向へのエンジンの逆転が容易となり、又は促進され、その結果、早期の逆転が可能となり、又はいまだに必要とされ得る始動空気が最小化されるか又は完全に不要となることを意味する。
特に、逆転がとりわけ急速に生じたとき、又は、例えば、船舶の緊急時制動が必要なとき、又は、本発明による方法を非常に急速に行うことが別途必要なとき、逆転段階で開始された第1の回転方向と反対の第2の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの再始動は、当然ながら、往復動ピストン内燃エンジンの少なくとも1つのシリンダに所定の最小量の始動空気を導入することにより、更に促進され得る。これにより、第2の回転方向への逆転又は第1の回転方向からの制動が更に加速され得る。
特に、これに限られないが、緊急時のように非常に急速な手続きが不要なとき、逆転段階での第2の回転方向の再始動を促進するために、始動空気を往復動ピストン内燃エンジンのシリンダのいくつかのみに連続的に導入することも可能である。これは、好適には、選択された単一のシリンダのみに導入され、他のシリンダには導入されない。
本発明による方法により、上述のように、逆転段階で開始された第1の回転方向と反対の第2の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの再始動が始動空気を用いることなく行われることが可能となる。なぜならば、アウトレット・バルブが巧妙に制御されることで、プロペラによりエンジンに戻された運動エネルギーが理想的に用いられるからである。
実際には、往復動ピストン内燃エンジンは、それぞれの場合において少なくとも一部は同時に異なるクランク角で、それ自体はよく知られた方法で配置されている複数のシリンダを備える。これにより、異なる措置の累積的効果が生じるように、ここで挙げられたエンジンの制動又は逆転を加速するための措置を同時にとることができる。
本出願に記載された本発明の実施例が、出願に応じた適切な方法で組み合わされることも可能であること、及び、記載された特別な実施例は例示として理解されるにすぎないことが理解される。当業者は、本発明の説明された実施例の簡潔で有利な更なる改善点をただちに認識するとともに、かかる簡潔な更なる改善点が当然、本発明によりカバーされることを理解する。

Claims (16)

  1. 往復動ピストン内燃エンジンのクランクシャフトの第1の回転方向の回転の急速な逆転又は制動のための制御方法であって、前記往復動ピストン内燃エンジンは、それぞれ180°のクランク角に対応する上死点と0°又は360°のクランク角に対応する下死点との間を往復移動できるようにピストンが配置されたシリンダを有し、前記シリンダは、液圧媒体によりバルブ油圧を通じて所定の開放圧力で油圧作動可能なアウトレット・バルブを有している、制御方法において、
    前記往復動ピストン内燃エンジンへの燃料供給は制動段階で中断され、また前記液圧媒体は、第1のシリンダの第1のアウトレット・バルブのバルブ油圧の所定の最大開放圧力で、且つ前記第1のシリンダに関連する第1のピストンの上死点位置の領域内の第1のクランク角で提供され、それによって、前記第1のアウトレット・バルブは、最も早くて前記第1のピストンがその上死点位置を通過したとき、第2のクランク角で、バルブ油圧によって自動的に開放され、
    前記第1のアウトレット・バルブが前記第2のクランク角と前記第1のピストンの下死点との間の領域内の第3のクランク角で再び閉じられて、前記第1のシリンダ内に所定の真空が形成され、また
    前記第3のクランク角で前記第1のアウトレット・バルブを閉じることにより前記第1のシリンダ内に真空が形成され、それの結果、前記第1の回転方向の前記往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動が前記真空の形成により助けられるように、前記第3のクランク角が、前記第1の回転方向の前記往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動段階に選択されることを特徴とする制御方法。
  2. 前記第2のクランク角は、180°と360°の間の値で前記第1のピストンの上死点と下死点との間の範囲内に存在する、請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記第3のクランク角で前記第1のアウトレット・バルブを閉じることにより前記第1のシリンダ内に真空が形成され、その結果、燃料供給による第2のシリンダ内で開始された前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向への前記往復動ピストン内燃エンジンの再始動が、前記第1のシリンダ内の前記真空の形成により助けられるように、前記第3のクランク角が、制動段階に続く前記往復動ピストン内燃エンジンの逆転段階で選択される、請求項1又は2に記載の制御方法。
  4. 下死点と上死点との間の第4のクランク角で、前記第1のアウトレット・バルブが閉じられる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の制御方法。
  5. 前記第4のクランク角で前記第1のアウトレット・バルブを閉じることにより前記第1のシリンダ内に過圧が蓄積され、その結果、前記第1の回転方向の前記往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動が前記過圧の蓄積により助けられるように、前記第4のクランク角が、前記往復動ピストン内燃エンジンの回転の制動段階で選択される、請求項3に従属する請求項4に記載の制御方法。
  6. 前記第4のクランク角で前記第1のアウトレット・バルブを閉じることにより前記第1のシリンダ内に過圧が蓄積され、その結果、燃料供給による第2のシリンダ内で開始された前記第1の回転方向と反対の前記第2の回転方向への前記往復動ピストン内燃エンジンの再始動が、前記第1のシリンダ内の前記過圧の蓄積により助けられるように、前記第4のクランク角が、制動段階に続く前記往復動ピストン内燃エンジンの前記逆転段階で選択される、請求項3に従属する請求項4に記載の制御方法。
  7. 前記逆転段階で開始された前記第1の回転方向と反対の前記第2の回転方向への往復動ピストン内燃エンジンの再始動が、往復動ピストン内燃エンジンの少なくとも1つのシリンダに所定の最小量の始動空気を導入することにより助けられる、請求項3に記載の制御方法。
  8. 前記逆転段階での前記第2の回転方向の再始動を助けるために、前記始動空気は、前記往復動ピストン内燃エンジンのシリンダのいくつかのみに連続的に導入される、請求項7に記載の制御方法。
  9. 前記逆転段階で開始された前記第1の回転方向と反対の前記第2の回転方向への前記往復動ピストン内燃エンジンの再始動が、始動空気を用いることなく行われる、請求項3、5及び6のいずれか一項に記載の、又は請求項3に従属する請求項4に記載の制御方法。
  10. 前記往復動ピストン内燃エンジンが船舶の駆動部である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の制御方法。
  11. 前記往復動ピストン内燃エンジンが低速ユニフロー掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンである、請求項1に記載の制御方法。
  12. 前記第2のクランク角は、180°と225°の間の値である、請求項2に記載の制御方法。
  13. 前記第2のクランク角は、180°と200°の間の値である、請求項2に記載の制御方法。
  14. 前記第2のクランク角は、180°と190°の間の値である、請求項2に記載の制御方法。
  15. 前記第4のクランク角は、シリンダへの掃気空気の供給の終了後に到達される、請求項4に記載の制御方法。
  16. 前記逆転段階での前記第2の回転方向の再始動を助けるために、前記始動空気は、選択された単一のシリンダのみに導入され、他のシリンダには導入されない、請求項8に記載の制御方法。
JP2015204151A 2014-10-31 2015-10-16 往復動ピストン内燃エンジンの急速な逆転の制御方法 Active JP6807150B2 (ja)

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