JP6806978B1 - 自動給水システム、自動給排水システム及び自動排水システム - Google Patents
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Abstract
Description
上記のような農業用水路Cには、一般的に、配管330の一端部側の入口部に水門扉400を設け、水門扉400を開放させることで水田300に水を供給したり、或いは、水門扉400を閉塞して水田300への水の供給を停止したりすることで、水田300の水量調節を行っている。
なお、水田300への水を供給し、或いは、水田300への水の供給を停止することに用いられる水門扉(水田給水ゲート)400は、例えば、特許文献1に開示されている。
なお、現在において、低コストで、水田やため池等の水量を自動調整できる給水システムは知られていない。
また、本発明は、貯水エリアに水を供給する配管に対してホースを接続して、そのホースを流れる水の流水・止水を制御する給水装置を設置する構成になっており、例えば、配管に自動開閉弁を設けて、水田への給水を制御する給水システムと比べると、設置コストを抑えることができ、ユーザに過大な費用負担がかかることがない。
なお、上記のような、配管に自動開閉弁を設け、水田への給水を制御する給水システムは、自動開閉弁に草木等の浮遊物が流入したときに正常に動作できない虞があり、草木等の浮遊物等が流れているような水田等の環境で用いるのは現実的ではない。
一方、本発明は、ホースを挟持して押しつぶしてホースを流れる水を止水し、或いは、ホースから離間した位置に棒状ゲートを配置して、該ホースを開状態にして該ホースの水を流水状態させる構成を採用しており、自動開閉弁のような草木等の浮遊物等が詰まり易い構造ではないため、水田等の環境で用いられても安定して動作する。
このように、ゲート昇降機構が、回転機構と、回転機構の回転動作を直線動作に変換して上下方向に往復移動する往復移動機構とを備えた装置構成になっており、コストが嵩む構成部品を用いる必要がないため、給水装置を低コストで製造することができる。
このように、本発明の第1態様では、棒状ゲートが、上側横棒部と下側横棒部との間に架設されたガイド部材に摺動自在に挿通されているため、安定した動作で昇降動作を行うことができる。
このように、本発明の第1態様は、設置面に挿入して差し込んだ垂直脚部の筒内に、鉄などの杭を挿入して設置地面に打ち込むことできるように構成されており、水田等の設置面に安定した状態で設置することができる。
さらに、本発明の第2態様では、給水側と排水側の両者において、流水及び止水を制御できるため、上述した第1態様と比べて、短時間で、貯水エリアの水位を所望する水位になるように調整することができる
本発明の第3態様によれば、上述した第1態様と同様の作用効果が得られる。
先ず、本発明の第1実施形態の自動給水システムの全体構成について図1、2を用いて説明する。
ここで、図1は、第1実施形態の自動給水システムの全体構成を示した模式図である。図2は、第1実施形態の自動給水システムを構成する給水装置を水田に設置した様子を示した模式図である。
また、第1実施形態の自動給水システムは、例えば、溜池等の貯水エリアに水を供給する給水管(或は溜池から水を排水する給水管)側に給水装置Wを設置し、貯水エリアへの水の給水(或は排水)及び止水に用いることもできる。
図1、2に示すように、第1実施形態の自動給水システムは、貯水エリアである水田300と農業用水路Cと連通する配管330(図2参照)の水田側に配置された配管端部(出口)に接続されたホースHと、ホースHを流れる水の流水及び止水を制御する給水装置Wと、水田300に貯水されている水の水位を測定(検知)する水位センサSと、インターネット等のネットワークNWに接続された中継器50と、中継器50を介して水位センサSが検知した水位を取得すると共に、給水装置Wに対して、ホースHを流れる水の流水或いは止水させる動作を指示するサーバ装置(以下、「サーバ」という)100とを有している。
なお、第1実施形態で用いられる水位センサSは、周知技術のものが用いられているため、詳細な説明を省略するが、例えば、水位センサSには、非接触で水位を測定できる既存の超音波式水位センサを用いることができる。
そして、中継器50は、水位センサSから送られてくる「水位情報」を受信すると、ネットワークNWを介して、サーバ100に、「水位情報」を送信する。
また、中継器50は、給水装置Wからの送られてくる、後述する「問合せ要求」を受信すると、ネットワークNWを介して、サーバ100に、「問合せ要求」を送信する。また、中継器は、給水装置Wからの送られてくる、「問合せ要求」に対応した「開閉命令(開命令、閉命令)」を受信すると、給水装置Wに対して、受信した「開閉命令(開命令、閉命令)」を送信する。
なお、中継器50は、周知技術のものを用いるため詳細な説明を省略する。
また、サーバ100は、水田300を管理しているユーザ(稲作しているユーザ)のユーザ端末UTからの要求に応じて、ユーザ端末UTに対して、自動給水システムで管理する水田300の希望水位(水位規定値)の設定を受け付けるWebサイトを提供する。ユーザは、ユーザ端末UTを操作して、サーバ装置100が提供するWebサイトにアクセスして、サーバ装置100に、水田300の設定したい希望水位(水位規定値)を登録する。
次に、本実施形態の自動給水システムを構成する給水装置Wの構成について、上述した図1及び2と、図3〜9とを参照しながら説明する。
なお、肢部1の所定位置(後述する下側横棒部1c)に、農業用水路Cに連通された配管330に接続されたホースHが載置されるようになっている。また、電源部30は、通信制御装置20及びゲート昇降機構50に電力を供給する。
或いは、制御装置20に制御されたゲート昇降機構50は、棒状ゲート53を上昇させて肢部1の所定位置に載置されているホースHと離間した位置に配置し、ホースHの外周部への荷重を無負荷にした開状態にしてホースHの水を流水状態にし、水田300に対して、ホースHを流れる水を供給する(図9(a)参照)。
以下、給水装置Wの各構成部を順番に説明していく。
本体部10を構成する肢部1は、水田1の作土面等の設置エリアに略垂直に立設される一対の棒状の垂直脚部1a、1aと、一対の垂直脚部1a、1aの間に横架された上側横棒部1b及び下側横棒部1cと、上側横棒部1bの上方側の長手方向(左右方向)・略中間部分に立設・固定されている垂直縦棒部1dとを備えている。
なお、上側横棒部1b及び下側横棒部1cとの間に、農業用水路Cに連通された配管330に接続されたホースHが挿通されて、下側横棒部1cの上にホースHが載置されるようになっている(図2、9参照)。
なお、2本パイプうちの下方側のパイプは、その下端部側が斜め切りされたテーパ形状になっている。
また、1対の垂直脚部1a、1aは、T字接続管1t1を介して、下側横棒部1cを横架した状態で支持・固定している。
さらに、上側横棒部1bは、T字接続管1t3を介して、垂直縦棒部1dを立設させた状態で支持・固定している。
そして、肢部1を構成する垂直縦棒部1dの上端部に、筐体部2が取付けられている。
また、筐体部2は、下面部の中央部分が垂直縦棒部1dとの接続部になっており、且つ当該接続部に開口が形成され、この開口により、筐体部2の箱内と、垂直縦棒部1dの筒内とが連通している。
本実施形態の給水装置Wは、この構成により、水田300等の設置エリア面に安定した状態で設置することができる。
また、ゲート昇降機構50は、モータ(回転機構)51と、モータ51の回転動作を直線動作に変換して上下方向に往復移動する往復移動機構52と、往復移動機構52の先端部(下端部)に取り付けられている棒状ゲート53と、棒状ゲート53の長手方向の両端部に設けられたガイド穴に摺動自在に挿通されているガイド部材(棒状のガイド部材)54、54とを備えている。
具体的には、1対のガイド部材(棒状のガイド部材)54、54は、上側横棒部1bの長手方向の両端部の近傍位置と、下側横棒部1cとの長手方向の両端部の近傍位置との間に架設されている。
また、モータ51は、筐体部2に形成されている開口(垂直縦棒部1dとの接続部に形成された開口)にモータ51の回転軸51aが位置するように位置決めされて設置されている。
また、回転シャフト52bは、脚部1を構成する垂直縦棒部1dの筒内に回転自在に収容されており、モータ51の回転軸51aの回転にともない回転する。また、回転シャフト52bがモータ51の回転にともない回転すると、回転シャフト52bの下端に固定されているナット52cが回転シャフト52bと共に回転するようになっている。
そして、昇降シャフト5bは、その上端部側が回転シャフト52bの下端部の筒内に内嵌・固定されているナット52cに螺合しており、その上端部側が回転シャフト52bの筒内に配置されている。
また、昇降シャフト52dは、その下端部側が、回転シャフト52b及び回転シャフト52bを収容している垂直縦棒部1dの下端部から突出し、さらに、垂直縦棒部1dの下端部に接続されている上側横棒部1bを挿通し、上側横棒部1bと下側横棒部1cとの間の位置に配置されている。
そして、棒状ゲート53は、長手方向の両端部にガイド穴が設けられており、このガイド穴に、上側横棒部1bと下側横棒部1cとの間に架設された1対のガイド部材54、54が摺動自在に挿通されている。
図8に示す往復移動機構52では、カップリング部材52aに接続固定されている回転シャフト52bが長ネジ(寸切りボルト)で形成され、昇降シャフト52dが、両端が貫通した中空筒状の円管で形成されている。この場合、昇降シャフト52dの上端部の筒内に、ナット52cが内嵌・固定されており、ナット52cに、回転シャフト52bを構成する長ネジの下端部側が螺合されている。また、図8では、省略しているが、円管で形成された昇降シャフト52dの下端部に、図6、7と同様、棒状ゲート53が取付けられている。
この構成によっても、図6、7に示すゲート昇降機構50と同様の機能が実現される。
次に、通信制御装置20の構成について説明する。
図5に示すように、通信制御装置20は、制御処理部21と、通信処理部22と、記憶部23と、ユーザから各種操作を受け付ける操作部(図示せず)とを有している。また、記憶部23には、水田300に設置された給水装置Wを識別する給水装置IDが記憶されている。
なお、上記の給水装置IDは、製品の出荷時(製造時)、或いは、給水装置Wを設置する際に、製造業者(或いはユーザ)の操作により、記憶部23に記憶される。
また、制御処理部21は、通信処理部22を介してサーバ100との間で各種情報の授受を行うと共に、ゲート昇降機構50の動作を制御し、肢部1を構成する下側横棒部1cの上に載置されているホースHを開状態にしたり、閉状態にしたりして、水田300への水の給水制御を行う。
その後、制御処理部21は、通信処理部22を介して「問合せ要求」に応じてサーバ100から送信される「開閉命令(開命令、閉命令)」を受信する。
また、電源部30は、通信制御装置20及びモータ51に電力を供給するものであり、例えば、ソーラパネルを有する太陽光発電部(図示せず)と、太陽光発電部が発電した電力を蓄電する蓄電部(図示せす)とを有する構成のものを用いることができる。また、例えば、電源部30は、電池により構成することもできる。
次に、本実施形態の自動給水システムを構成するサーバ100について、図10〜図12を参照しながら説明する。
ここで、図10は、第1実施形態の自動給水システムを構成するサーバの機能構成を示した模式図である。図11は、第1実施形態のサーバに設けられた水位センサデータベースの構成の一例を示した模式図である。図12は、第1実施形態のサーバに設けられた給水装置データベースの構成の一例を示した模式図である。
また、位置情報とは、水位センサSが設置されている位置を示す情報(例えば、緯度、経度を示す情報)をいう。
また、水位センサデータベース210のフィールド210d、210eに示す情報は、サーバ100の水位情報取得部110が、水センサSから送信される「水位情報」を受信して登録するものである。
また、給水装置データベース220のフィールド220cに登録される情報は、水田300を管理するユーザが、自身のユーザ端末UTからサーバ100が提供するWebサイトにアクセスして、当該Webサイト上で、サーバ100に、希望水位(水位規定値(cm))として登録されるものである。
また、給水装置データベース220のフィールド220dに登録される情報は、給水装置Wを設置する際に、給水装置Wを設置する業者が、サーバ100にアクセスして、設置時におけるホースHの開閉状態を登録しておき、その後は、後述する給水装置制御部120により更新されていく情報である。
また、水位情報取得部110は、「水位情報」を受信すると、水位センサデータベース210にアクセスし、受信した「水位情報」に含まれる水位センサIDが登録されているレコードを読み出す。そして、水位情報取得部110は、読み出したレコードのフィールド210dに、受信した「水位情報」に含まれる「水位取得日時」を登録して、読み出したレコードのフィールド210eに、受信した「水位情報」に含まれる「水位」を登録して、その後、水位センサデータベース210に当該レコードを格納する。
なお、ユーザには、設置した給水装置Wを識別する給水装置IDが通知されており、ユーザは、ユーザ端末UTを操作して、Webサイト上で給水装置ID及び希望水位(水位規定値)を入力する。
また、給水装置制御部120は、水位センサデータベース210にアクセスし、上記の読み出した「水位センサID」に対応付けられている「水位」を読み出す。
一方、給水装置制御部120は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも大きく、読み出した「開閉ステータス」が「閉」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。すなわち、給水装置制御部120は、「問合せ要求」を送ってきた給水装置Waが設置されて水田300の「水位」が「水位規定値」よりも大きく、開閉ステータスで「閉」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。
一方、給水装置制御部120は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも小さく、読み出した「開閉ステータス」が「開」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。すなわち、給水装置制御部120は、「問合せ要求」を送ってきた給水装置Wが設置されて水田300の「水位」が「水位規定値」よりも小さく、開閉ステータスで「開」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。
或いは、給水装置制御部120は、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定した場合、ネットワークNW及び中継器50を介して、給水装置Wに、確認の意味で、「ホースHの開閉状態について現状維持を示す命令」を送信しても良い。この場合も、給水装置Wは、ホースHの開閉状態を現状のまま維持する(特に動作をしない)。
以下、給水装置制御部120が行う給水装置Wの上記の制御処理について、代表的なケースを例示して説明する。
また、給水装置制御部120は、特定したレコードから、「給水装置ID」に対応付けられている「水位センサID(本ケースでは、「s0001」)」、「水位規定値(本ケースでは、「4cm」)」及び「開閉ステータス(本ケースでは「開」)」を抽出する。また、給水装置制御部120は、水位センサデータベース210にアクセスして、抽出した「水位センサID」に対応付けられている「水位(本ケースでは「6cm」)」を抽出する。
また、給水装置制御部120は、「ホースHを閉状態にする開閉命令」を送信すると、給水装置データベース220にアクセスして、「ホースHを閉状態にする開閉命令」を送信した給水装置Wを識別する給水装置IDが登録されているレコードの「開閉ステータス」を「閉」に更新する。
また、給水装置制御部120は、特定したレコードから、「給水装置ID」に対応付けられている「水位センサID(本ケースでは、「s0002」)」、「水位規定値(本ケースでは、「4cm」)」及び「開閉ステータス(本ケースでは「閉」)」を抽出する。また、給水装置制御部120は、水位センサデータベース210にアクセスして、抽出した「水位センサID」に対応付けられている「水位(本ケースでは「2cm」)」を抽出する。
また、給水装置制御部120は、「ホースHを開状態にする開閉命令」を送信すると、給水装置データベース220にアクセスして、当該「開閉命令」を送信した給水装置Wを識別する給水装置IDが登録されているレコードの「開閉ステータス」を「開」に更新する。
一方、本実施形態では、棒状ゲート53を用いてホースHを挟持して押しつぶしてホースHを流れる水を止水し、或いは、ホースHから離間した位置に棒状ゲート53を配置して、ホースHを開状態にしてホースHの水を流水状態させる構成を採用している。この構成は、自動開閉弁のように、草木等の浮遊物等が詰まり易い構造ではないため、水田等の環境で用いられても安定して動作する。
次、本発明の第2実施形態について図13〜16を参照しながら説明する。
第2実施形態の自動給排水システムは、上述した第1実施形態の自動給水システムに、水田300の水を自動排水する構成を付加したものである。
なお、第2実施形態の説明では、上述した第1実施形態と同じ構成(或いは相当する構成)には、同じ符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
先ず、第2実施形態の自動給排水システムの全体構成について説明する。
図13に示すように、第2実施形態の自動給排水システムは、水田300に水を供給する配管330(図2参照)に接続されたホースHと、配管330に接続されたホースHを流れる水の流水及び止水を制御する給水装置Waと、水田300から水を排水する配管331(図14参照)に接続されているホースHと、配管331に接続されたホースHを流れる水の流水・止水を制御する排水装置Wbと、水田300に貯水されている水の水位を測定(検知)する水位センサSと、インターネット等のネットワークNWに接続された中継器50と、中継器50を介して水位センサSが検知した水位を取得すると共に、給水装置Wa及び排水装置Wbに対して、ホースHを流れる水の流水或いは止水させる動作を指示するサーバ装置(以下、「サーバ」という)101とを有している。
次に、第2実施形態の自動給排水システムを構成する給水装置Wa及び排水装置Wbの構成について説明する。
なお、排水装置Wbの記憶部23には、排水装置Wbを識別する排水装置IDが記憶されている。この排水装置IDは、製品の出荷時(製造時)、或いは、排水装置Wbを設置する際に、製造業者(或いはユーザ)の操作により、記憶部23に記憶される。
サーバ101により制御されて動作して、水田300への水の給水及び止水を行うようになっている。
なお、第2実施形態に示す農業用水路Cは、例えば、土により形成されており、その水路面に、本体部10の垂直脚部1a、1aの下端のテーパ部を打ち込んで設置できるようになっている。また、排水装置Wbは、第1実施形態の給水装置Wと同様、農業用水路Cの水路面に、垂直脚部1a、1aを挿入して差し込んだ後、直脚部1a、1の筒内に、杭(鉄杭等の杭)Pを挿入して、水路面に杭Pを打ち込むという簡単な作業により、設置エリアに設置できるようになっている。
そして、第2実施形態では、農業用水路Cの水路面のなかの、配管331の他端部の近傍の位置に、排水装置Wbが設置され、排水装置Wbの本体部10を構成する肢部1の下側横棒部1cの上に、農業用水路Cに連通された配管(排水用配管)331に接続されたホースHが載置される。
また、排水装置Wbのゲート昇降機構50は、サーバ101により制御されて動作し、棒状ゲート53を上昇させて肢部1の所定位置に載置されているホースHと離間した位置に配置し、ホースHの外周部への荷重を無負荷にした開状態にしてホースHの水を流水状態にし、水田300に貯水されている水を排水させることができるようになっている。
具体的には、排水装置Wbは、制御処理部21が所定のタイミング(例えば、数時間毎、或いは、所定時間(6:00、00:00、15:00、18:00))で、通信処理部22を介して、サーバ101に対して、排水装置Wbが制御するホースHの開閉状態をどの状態にすべきかを問い合わせる「問合せ要求」を送信する。この「問合せ要求」には、記憶部23に記憶されている「排水装置ID」が含まれている。すなわち、制御処理部21は、所定のタイミングで、記憶部23に記憶している「排水装置ID」を読み出し、通信処理部22を介して、サーバ101に対して、「排水装置ID」が含まれている「問合せ要求」を送信する。
その後、排水装置Wbの制御処理部21は、通信処理部22を介して「問合せ要求」に応じてサーバ101から送信される「開閉命令(開命令、閉命令)」を受信する。
次に、第2実施形態のサーバ101の構成について説明する。
第2実施形態のサーバ101は、第1実施形態のサーバ100に、排水装置データベース230を追加し、且つ第1実施形態のサーバ100にあった給水装置制御部120を、給排水制御装部121に変形したものである。給排水装置制御部121は、給水装置制御部120に、排水装置Wbの動作を制御する機能を付加したものである。
また、排水装置データベース230のフィールド230cに登録される情報は、水田300を管理するユーザが、自身のユーザ端末UTからサーバ101が提供するWebサイトにアクセスして、当該Webサイト上で、サーバ101に、希望水位(水位規定値(cm))として登録されるものである。
また、排水装置データベース230のフィールド230dに登録される情報は、排水装置Wbを設置する際に、排水装置Wbを設置する業者が、サーバ101にアクセスして、設置時におけるホースHの開閉状態を登録しておき、その後は、給排水装置制御部121により更新されていく情報である。
なお、ユーザには、設置した「給水装置Waを識別する給水装置IDと、排水装置Wbを識別する排水装置ID」が通知されている。ユーザは、ユーザ端末UTを操作して、Webサイト上で「給水装置ID、排水装置ID及び希望水位(水位規定値)」を入力する。
また、給排水装置制御部121は、提供しているWebサイト上で、ユーザ端末UTから「給水装置ID、排水装置ID及び水位規定値」を受け付けると、排水装置データベース230にアクセスして、受け付けた排水装置IDが登録されたレコードを読み出して、読み出したレコードのフィールド230cに受け付けた「水位規定値」を登録して、その後、排水装置データベース230に当該レコードを格納する。
すなわち、給排水装置制御部121は、水位センサデータベース210及び給水装置データベース220にアクセスし、各データベースに登録されている、水位、水位規定値及び開閉ステータスを用いて、給水装置WaのホースHの開閉状態の変更が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に、「問合せ要求」をしてきた給水装置Waに、「開閉命令(開命令及び閉命令のいずれか)」を送信する。
また、給排水装置制御部121は、水位センサデータベース210にアクセスし、上記の読み出した「水位センサID」に対応付けられている「水位」を読み出す。
一方、給排水装置制御部121は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも大きく、読み出した「開閉ステータス」が「閉」であれば、ホースHを開閉状態に変更する必要が無いと判定する。
一方、給排水装置制御部121は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも小さく、読み出した「開閉ステータス」が「開」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。
また、給排水装置制御部121は、水位センサデータベース210にアクセスし、上記の読み出した「水位センサID」に対応付けられている「水位」を読み出す。
一方、給排水装置制御部121は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも大きく、読み出した「開閉ステータス」が「開」であれば、ホースHを開閉状態に変更する必要が無いと判定する。
一方、給排水装置制御部121は、読み出した「水位」が、読み出した「水位規定値」よりも小さく、読み出した「開閉ステータス」が「閉」であれば、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定する。
或いは、給排水装置制御部121は、ホースHの開閉状態を変更する必要が無いと判定した場合、ネットワークNW及び中継器50を介して、「給水装置Wa及び排水装置Wb」に、確認の意味で、「ホースHの開閉状態について現状維持を示す命令」を送信しても良い。この場合も、「給水装置Wa及び排水装置Wb」は、ホースHの開閉状態を現状のまま維持する(特に動作をしない)。
さらに、本発明の第2実施形態では、給水側と排水側の両者において、流水及び止水を制御するため、第1実施形態と比べて、短時間で、水田300の水位が「水位規定値」になるように調整することができる。
この場合、サーバ100(或いはサーバ101)は、予め設定された開閉時間(ユーザ端末UTがサーバ100にアクセスして設定した開閉時間)を所定のタイミングとして、「開閉命令(開命令及び閉命令のいずれか)」を送信するようにしても良い。また、例えば、サーバ100(或いはサーバ101)は、ユーザ端末UTからの「開(または閉)要求」を受け付けたときを所定タイミングとして、「開閉命令(開命令及び閉命令のいずれか)」を送信するようにしても良い。
また、ユーザ端末UTからサーバ100、101に対して「問合せ要求」を送信できるようにしても良い。
図18に示す例では、ホースHsが、配管(排水用配管)331と着脱自在に取り付け可能なソケット70付きの構成になっている。そして、水田300側の配管331に、ホースHsのソケット70に差し込むことにより、配管331にホースHsが取付けられている。この構成においても、上述した第2実施形態の排水装置Wbと同様の作用効果が得られる。
300…水田
320…畦
330…配管
H…ホース
Hs…ホース
W、Wa…給水装置
Wb…排水装置
10…本体部
1…肢部(本体部)
1a…垂直脚部
1b…上側横棒部
1c…下側横棒部
1d…垂直縦棒部
1t1、1t2、1t3…T字接続管
2…筐体部(本体部)
20…通信制御装置
21…制御処理部
22…通信処理部
23…記憶部
30…電源部
50…ゲート昇降機構
51…モータ(回転機構)
52…往復移動機構
52a…カップリング部材
52b…回転シャフト
52c…ナット
52d…回転シャフト
53…棒状ゲート
54…ガイド部材
60…ホース留め具
70…ソケット
S…水位センサ
50…中継器
100…サーバ装置(サーバ)
110…水位情報取得部
120…給水装置制御部
121…給排水制御部
130…記憶部
131…記憶部
210…水位センサデータベース
220…給水装置データベース
101…サーバ装置(サーバ)
121…給排水装置制御部
230…排水装置データベース
UT…ユーザ端末
Claims (8)
- 貯水エリアに水を供給する配管に接続されているホースと、該ホースを流れる水の流水・止水を制御する給水装置とを備える自動給水システムであって、
前記給水装置は、
前記貯水エリアの設置面に設置される肢部を有する本体部と、
前記本体部に収容されている通信制御装置と、
前記本体部に保持され、且つ前記ホースを流れる水を流水或いは止水させるための棒状ゲートを上下方向に昇降させるゲート昇降機構とを備え、
前記肢部は、前記設置面に立設される一対の棒状の垂直脚部と、一対の前記垂直脚部の間に横架された下側横棒部とを有し、前記下側横棒部の上に前記ホースが載置されるようになっており、
前記通信制御装置は、外部のサーバ装置から送信される開閉命令を受信し、該開閉命令に応じて前記ゲート昇降機構の動作を制御するようになっており、
前記棒状ゲートは、前記下側横棒部よりも上方の位置において、前記下側横棒部と相対向して配置されており、
前記ゲート昇降機構は、前記開閉命令を受信した前記通信制御装置に制御され、前記棒状ゲートを下降させて、前記下側横棒部の上に載置されたホースを、該棒状ゲートと前記下側横棒部とにより挟持して、該ホースに荷重をかけて押しつぶして閉塞した閉状態にして、該ホースを流れる水を止水させ、或いは、前記棒状ゲートを上昇させて前記ホースから離間した位置に該棒状ゲートを配置して、該ホースを開状態にして該ホースの水を流水状態させることができるようになっていることを特徴とする自動給水システム。 - 前記貯水エリアには、水田、溜池が含まれており、
前記ゲート昇降機構は、前記通信制御装置に制御されて回転動作する回転機構と、該回転機構の回転動作を直線動作に変換して上下方向に往復移動する往復移動機構と、該往復移動機構の下端部に取り付けられている前記棒状ゲートとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動給水システム。 - 前記肢部には、前記一対の垂直脚部の間であって、前記下側横棒部の上方側の位置に、上側横棒部が横架されており、
前記上側横棒部及び前記下側横棒部に対して略垂直に配置され、且つ該上側横棒部と該下側横棒部との間に架設されているガイド部材とを備え、
前記棒状ゲートは、前記上側横棒部よりも下方の位置に配置されていると共に、ガイド穴が設けられており、このガイド穴に、前記ガイド部材が摺動自在に挿通されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動給水システム。 - 一対の前記垂直脚部は、両端が貫通した中空円筒状に形成されており、
一対の垂直脚部の下端を前記設置面に挿入して差し込んだ後に、前記垂直脚部の筒内に、杭を挿通させて該杭を設置面に打ち込むことができるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動給水システム。 - 前記貯水エリアには水位センサが設置されており、
前記水位センサは、所定時間毎に、前記貯水エリアに貯水されている水位を検知し、前記サーバ装置に対して、前記検知した水位及び該水位センサを識別する水位センサIDを含む水位情報を送信するようになっており、
前記給水装置の本体部に収容された通信制御装置は、所定のタイミングで、前記サーバ装置に対して、前記配管に接続したホースの開閉状態に関する問合せ要求を送信するようになっており、
前記問合せ要求には、前記給水装置を識別する給水装置IDが含まれており、
前記サーバ装置は、
前記水位センサIDに対応付けて水位を記憶する水位センサデータベースと、
前記給水装置IDに、該給水装置IDにより識別される給水装置の設置されている給水エリアに設置されて水位センサを識別する水位センサIDと、該給水装置IDにより識別される給水装置の設置されている給水エリアの希望水位を示す水位規定値と、該給水装置IDにより識別される給水装置が制御するホースの開閉状態を示す開閉ステータスとを対応付けて記憶する給水装置データベースと、
前記水位情報を受信し、該受信した水位情報を前記水位センサデータベースに登録する水位情報取得部と、
前記問合せ要求を受信すると、前記水位センサデータベース及び前記給水装置データベースに登録されている情報を用いて、前記問合せ要求に含まれる給水装置IDにより識別される給水装置が制御するホースの開閉状態の変更が必要であるか否かを判定し、該必要であると判定した場合に、前記問合せ要求をしてきた給水装置に、開閉状態の変更させる開閉命令を送信する給水装置制御部とを備えていることを特徴とする請求項1〜4に記載の自動給水システム。 - 前記給水装置制御部は、
前記給水装置のユーザのユーザ端末からの要求に応じて、該ユーザ端末に対して、前記希望水位を示す水位規定値の設定を受け付けるWebサイトを提供し、
前記ユーザ端末から、前記Webサイト上で前記給水装置ID及び水位規定値の入力を受け付け、前記給水装置データベースにアクセスして、該受け付けた給水装置IDに対応付けられた水位規定値を、該受け付けた水位規定値に更新するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の自動給水システム。 - 貯水エリアに水を供給する給水配管に接続されているホースと、該給水配管に接続されたホースを流れる水の流水・止水を制御する給水装置と、該貯水エリアから水を排水する排水配管に接続されているホースと、該排水配管に接続されたホースを流れる水の流水・止水を制御する排水装置とを備える自動給排水システムであって、
前記給水装置及び前記排水装置は、いずれも、
所望の設置面に設置される肢部を有する本体部と、
前記本体部に収容されている通信制御装置と、
前記本体部に保持され、且つ前記ホースを流れる水を流水或いは止水させるための棒状ゲートを上下方向に昇降させるゲート昇降機構とを備え、
前記肢部は、前記設置面に立設される一対の棒状の垂直脚部と、一対の前記垂直脚部の間に横架された下側横棒部とを有し、前記下側横棒部の上に前記ホースが載置されるようになっており、
前記通信制御装置は、外部のサーバ装置から送信される開閉命令を受信し、該開閉命令に応じて前記ゲート昇降機構の動作を制御するようになっており、
前記棒状ゲートは、前記下側横棒部よりも上方の位置において、前記下側横棒部と相対向して配置されており、
前記ゲート昇降機構は、前記開閉命令を受信した前記通信制御装置に制御され、前記棒状ゲートを下降させて、前記下側横棒部の上に載置されたホースを、該棒状ゲートと前記下側横棒部とにより挟持して、該ホースに荷重をかけて押しつぶして閉塞した閉状態にして、該ホースを流れる水を止水させ、或いは、前記棒状ゲートを上昇させて前記ホースから離間した位置に該棒状ゲートを配置して、該ホースを開状態にして該ホースの水を流水状態させることができるようになっていることを特徴とする自動給排水システム。 - 貯水エリアから水を排水する排水配管に接続されているホースと、該排水配管に接続されたホースを流れる水の流水・止水を制御する排水装置とを備える自動排水システムであって、
前記排水装置は、
所望の設置面に設置される肢部を有する本体部と、
前記本体部に収容されている通信制御装置と、
前記本体部に保持され、且つ前記ホースを流れる水を流水或いは止水させるための棒状ゲートを上下方向に昇降させるゲート昇降機構とを備え、
前記肢部は、前記設置面に立設される一対の棒状の垂直脚部と、一対の前記垂直脚部の間に横架された下側横棒部とを有し、前記下側横棒部の上に前記ホースが載置されるようになっており、
前記通信制御装置は、外部のサーバ装置から送信される開閉命令を受信し、該開閉命令に応じて前記ゲート昇降機構の動作を制御するようになっており、
前記棒状ゲートは、前記下側横棒部よりも上方の位置において、前記下側横棒部と相対向して配置されており、
前記ゲート昇降機構は、前記開閉命令を受信した前記通信制御装置に制御され、前記棒状ゲートを下降させて、前記下側横棒部の上に載置されたホースを、該棒状ゲートと前記下側横棒部とにより挟持して、該ホースに荷重をかけて押しつぶして閉塞した閉状態にして、該ホースを流れる水を止水させ、或いは、前記棒状ゲートを上昇させて前記ホースから離間した位置に該棒状ゲートを配置して、該ホースを開状態にして該ホースの水を流水状態させることができるようになっていることを特徴とする自動排水システム。
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