JP6806530B2 - 過熱水蒸気生成装置及び過熱水蒸気生成装置を用いた処理方法 - Google Patents

過熱水蒸気生成装置及び過熱水蒸気生成装置を用いた処理方法 Download PDF

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本発明は、水から過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成装置及び当該過熱水蒸気生成装置を用いた処理方法に関するものである。
近年、過熱水蒸気を用いて、被処理物の洗浄、乾燥又は殺菌を行う過熱水蒸気処理装置が考えられている。
この過熱水蒸気処理装置は、特許文献1に示すように、水蒸気を生成する蒸気ボイラと、蒸気ボイラにより生成された水蒸気を過熱して過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部と、当該過熱水蒸気生成部より生成された過熱水蒸気が供給される処理炉とを備え、当該処理炉に収容された被処理物を洗浄、乾燥又は殺菌するように構成されている。
しかしながら、従来の過熱水蒸気処理装置は、蒸気ボイラと過熱水蒸気生成部とが一対一となるように設けられており、蒸気ボイラが故障した場合には、蒸気ボイラの交換又は修理作業時に過熱水蒸気を生成することができないという問題がある。また、蒸気ボイラとしては、エネルギーコストが安いガス焚きや油焚きのものが用いられることが多く、ガスや油のコストが上昇したり、その供給が難しくなった場合等には、蒸気ボイラを継続して使用することが難しい場合がある。
さらに、過熱水蒸気生成部により生成される過熱水蒸気は過熱水蒸気生成部の能力により上限があるものの、過熱水蒸気温度に依存し、その温度を低くすることにより、温度が高い場合に比べて過熱水蒸気の供給量を増やすことができる。ところが、過熱水蒸気生成部への水蒸気(飽和水蒸気)の供給量は、蒸気ボイラの飽和水蒸気生成能力によって制限されてしまい、過熱水蒸気の温度が低い場合であっても、過熱水蒸気生成部からの過熱水蒸気の供給量は一定のままで、増加させることができないという問題がある。
特開2004−209314公報
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、過熱水蒸気の供給を安定的に行うことをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る過熱水蒸気生成装置は、水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備えることを特徴とする。
このようなものであれば、過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給を第1水蒸気生成部と第2水蒸気生成部とで行うことができるので、過熱水蒸気の供給を安定的に行うことができる。
例えば、通常時は、第2水蒸気生成部を使用しつつ、当該第2水蒸気生成部が故障などして使用できなくなった場合に、第1水蒸気生成部に切り替えることで、過熱水蒸気を継続して生成することができる。
また、1つの水蒸気生成部を使用した場合には、その水蒸気生成部の水蒸気生成能力により過熱水蒸気の生成量が制限されてしまうが、本発明では、過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給を第1水蒸気生成部及び第2水蒸気生成部の両方から行うことにより、過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を増やすことができ、その結果、過熱水蒸気生成部における過熱水蒸気の生成量を増やすことができる。
さらに、本発明の過熱水蒸気生成装置は、第2水蒸気生成部からの水蒸気を導入するための外部水蒸気導入部を有するので、ユーザの保有する蒸気ボイラを接続して使用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
具体的な実施の態様としては、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給されるとともに、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気が前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される両方供給状態に切り替え可能に構成されていることが望ましい。
例えば飽和水蒸気生成部において130℃の水蒸気を生成し、その水蒸気を過熱水蒸気生成部へ供給し、生成重量Aの過熱水蒸気を生成する、最高温度1200℃用の過熱水蒸気生成装置の場合を考える。
130℃の水蒸気をA量生成する電力をBとすると、1200℃の過熱水蒸気を生成するための1070℃昇温電力はおよそBであり、過熱水蒸気生成装置の運転容量は、B+B=2Bに設定して製作することが通常である。
しかし、この過熱水蒸気生成装置の過熱水蒸気生成部において、昇温が半分の温度の535℃である665℃の過熱水蒸気を生成する場合でも、飽和水蒸気生成部の容量がBであることから、過熱水蒸気の生成量はAしか生成できない。この場合における過熱水蒸気生成部の運転容量は0.5Bとなり、過熱水蒸気生成装置の運転容量は1.5Bとなる。
本発明では、外部水蒸気導入部から130℃の飽和水蒸気をA量供給してやれば、2A量かつ665℃の過熱水蒸気を生成することが可能となる。当然のことであるが、昇温267.5℃の397.5℃の過熱水蒸気を生成する場合は、外部水蒸気導入部から130℃の水蒸気を3A量供給してやれば、4A量かつ397.5℃の過熱水蒸気が得られる。
上記最高温度1200℃用の過熱水蒸気生成装置の場合に得られる過熱水蒸気量を式で表現すれば、過熱水蒸気の出力温度をΘ、得られる過熱水蒸気量をQとすると、以下の式で示すことができる。
Q=(1200−130)A/(Θ―130)
=1070A/(Θ−130)
したがって、外部水蒸気導入部から供給すべき必要水蒸気量をqとすると、以下の値となる。
q={1070/(Θ−130)−1}A
前記第1水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量及び/又は前記第2水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整する水蒸気流量調整部とを備え、前記水蒸気流量調整部は、前記両供給状態において、前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整することが望ましい。
その他の具体的な実施の態様としては、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される第1片方供給状態、又は、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気が前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される第2片方供給状態に切り替え可能に構成されていることを特徴とする。
例えば、第2水蒸気生成部をエネルギーコストの安いガス焚きや油焚きの蒸気ボイラとして、通常時には、当該蒸気ボイラを使用しつつ、当該蒸気ボイラが故障等して蒸気ボイラの使用ができなくなった場合に、第1水蒸気生成部に切り替えることで、過熱水蒸気を継続して生成することができる。
前記水蒸気供給流路に設けられて、前記過熱水蒸気生成部に供給される前記水蒸気の流量を調整する水蒸気流量調整部を備え、前記第2片方供給状態において、前記水蒸気流量調整部が前記過熱水蒸気生成部への前記水蒸気の供給を停止していることが望ましい。この構成であれば、第2片方供給状態において第1水蒸気生成部により水蒸気を生成しておくことにより、第2片方供給状態から第1片方供給状態への切り替えを素早く行うことができる。
前記第1水蒸気生成部への電力供給を制御する制御装置を備え、前記第2片方供給状態において、前記制御装置が前記第1水蒸気生成部への電力供給を停止していることが望ましい。この構成であれば、第2片方供給状態において第1水蒸気生成部により消費される電力を削減することができる。
第1片方供給状態から第2片方供給状態への切り替え及び第2片方供給状態から第1片方供給状態への切り替えにおいて、過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給を途絶えさせることなくスムーズに切り替えるためには前記第1片方供給状態から前記第2片方供給状態への切り替えにおいて、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に増加させ、前記第2片方供給状態から前記第1片方供給状態への切り替えにおいて、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に増加させる。
第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部の具体的な構成としては、前記第1水蒸気生成部及び前記過熱水蒸気生成部は、主座変圧器及びT座変圧器からなるスコット結線変圧器を用いて構成されるものであり、前記第1水蒸気生成部は、前記主座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱される第1加熱用金属体を有し、前記過熱水蒸気生成部は、前記T座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱される第2加熱用金属体を有することが考えられる。
この構成において、第1水蒸気生成部により生成される水蒸気の温度及び過熱水蒸気生成部により生成される過熱水蒸気の温度を個別に制御するためには、前記主座変圧器の入力側の2相のうち一方に電圧又は電流を制御する第1制御機器が設けられており、前記T座変圧器の入力側である1次コイルの一端側に電圧又は電流を制御する第2制御機器が設けられており、前記第1制御機器及び前記第2制御機器により、前記主座変圧器の出力電圧と前記T座変圧器の出力電圧とを個別に制御することが望ましい。
スコット結線変圧器における1次側出力制御は、1次側電流においてT座変圧器の1次コイルを流れる電流が主座変圧器の1次コイルに流れ込むことから、主座変圧器の出力をゼロにできない場合が生じる。例えば、第1水蒸気生成部の出力をせずに第2水蒸気生成部からの水蒸気のみを第2加熱用金属体で加熱する場合には、主座側の第1制御機器の出力をゼロとしてT側の第2制御機器を大きな出力となるように制御するが、T座変圧器の1次コイルの電流が主座変圧器の1次コイルに流れ込むので、第1加熱用金属体が加熱されることになる。そうすると、第1加熱用金属体が過加熱される恐れが生じ危険である。
この問題を好適に解決するためには、前記主座変圧器の1次コイルの中点に接続された中点端子と、前記T座変圧器の1次コイルの一端側端子とを接続してスコット結線する第1接続状態と、前記スコット結線を解線して、前記第2制御機器を含む前記T座変圧器の1次コイルの両側端子を三相交流電源に接続する第2接続状態とを切り替える切り替え機構をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部により過熱水蒸気を生成する第1片方供給状態の場合には、第1接続状態(スコット結線状態)で使用し、第2水蒸気生成部からの水蒸気を過熱水蒸気生成部により過熱水蒸気を生成する第2片方供給状態の場合には、第2接続状態(T座側回路と主座側回路とが独立した回路状態)で使用することができる。第2接続状態においては、第2水蒸気生成部を用いて過熱水蒸気を生成しつつ、第1水蒸気発生部を保温待機させることができる。また、第1制御機器の出力を零にして、第2水蒸気生成部を用いて過熱水蒸気を生成し続けることも可能である。
前記切り替え機構によりスコット結線状態とした場合、三相交流電源の入力電圧をEとすると、第2制御機器を含むT座変圧器の1次コイルに印加される電圧は、E×(√3)/2である。ところが、切り替え機構によりスコット結線を解線して、第2制御機器を含むT座変圧器の1次コイルの両側端子を三相交流電源に接続すれば、印加電圧はEとなる。すなわち、T座変圧器の1次コイルへの印加電圧は、2/(√3)倍となる。また、第2加熱用金属体が目標温度に到達するまでは、大きな出力となるように第2制御機器が働き、回路電流もおよそ2/(√3)倍となる。
このとき、前記第2制御機器が、定電流制御機能を有するものであれば、T座変圧器の1次コイルに一定以上の大きな電流が流れることを防止でき、回路保護機能を持たせることができる。
また、水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備えた過熱水蒸気生成装置を用いて被処理物を処理する処理方法であって、前記第1水蒸気生成部及び前記第2水蒸気生成部の両方からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給するとともに、前記第1水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量及び/又は前記第2水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整することにより、前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整することを特徴とする。
さらに、本発明に係る過熱水蒸気を用いた処理方法は、水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備えた過熱水蒸気生成装置を用いて被処理物を処理する処理方法であって、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給して過熱水蒸気を生成し、その過熱水蒸気により前記被処理物を加熱するメイン工程と、前記メイン工程が行われない場合に、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給して過熱水蒸気を生成し、その過熱水蒸気により前記被処理物を処理するサブ工程とを備えることを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給を第1水蒸気生成部と第2水蒸気生成部との間で切り替えることができるので、過熱水蒸気の供給を安定的に行うことができる。
本実施形態の過熱水蒸気生成装置の構成を模式的に示す図である。 同実施形態の中空導体管の一例を示す図である。 同実施形態の第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部の鉄心構成を主として示す図である。 同実施形態の第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部の鉄心構成の変形例を示す図である。 同実施形態の第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部に誘導コイルの結線を示す図である。 同実施形態の制御装置の構成を模式的に示す図である。 変形実施形態の第1水蒸気生成部及び過熱水蒸気生成部に誘導コイルの結線を示す図である。
以下に本発明に係る過熱水蒸気生成装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る過熱水蒸気生成装置100は、2つの水蒸気生成部により生成された水蒸気を過熱して過熱水蒸気を生成するものであり、図1に示すように、水を加熱して飽和水蒸気を生成する第1水蒸気生成部2と、飽和水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部3と、第1水蒸気生成部2により生成された飽和水蒸気を過熱水蒸気生成部3に供給する水蒸気供給流路L2と、第1水蒸気生成部2とは異なる第2水蒸気生成部200が接続され、当該第2水蒸気生成部200からの水蒸気を過熱水蒸気生成部3に導入するための外部水蒸気導入部CPとを備えている。
第1水蒸気生成部2は、例えば誘導加熱方式又は通電加熱方式のものであり、水が導入される水導入ポート21及び水蒸気を導出する水蒸気導出ポート22を有する。なお、水導入ポートには、図示しないタンク等から第1水蒸気生成部2に水を供給する水供給流路L1が接続されている。
誘導加熱方式の第1水蒸気生成部2は、水導入ポート21及び水蒸気導出ポート22を有する例えば螺旋状に形成された中空導体管2T(図2参照)と、当該中空導体管2Tの内側又は外側に配置されて中空導体管2Tを誘導加熱する誘導コイル(不図示)と、当該誘導コイルに交流電圧を印加する交流電源(不図示)とを備えたものであり、当該誘導コイルに交流電圧を印加することによって、中空導体管2Tに誘導電流を流すことによりジュール発熱させて、中空導体管2Tに導入された水を飽和水蒸気に状態変化させるものとすることが考えられる。
また、通電加熱方式の第1水蒸気生成部2は、水導入ポート21及び水蒸気導出ポート22を有する例えば螺旋状に形成された中空導体管2Tと、当該中空導体管2Tに電圧を印加する直流又は交流電源(不図示)とを備えたものであり、中空導体管に電流を流すことによりジュール発熱させて、中空導体管2Tに導入された水を飽和水蒸気に状態変化させるものとすることが考えられる。なお、通電加熱方式の場合、中空導体管は、螺旋状に限られず、例えば直管状をなすものであっても良い。
何れの方式の場合であっても、中空導体管2Tの水蒸気導出ポート22から導出される水蒸気の温度を検出して、誘導コイルに印加する電圧、中空導体管2Tに印加する電圧又は中空導体管2Tに流れる電流をフィードバック制御することによって、中空導体管2Tの水蒸気導出ポート22から導出される水蒸気の温度を制御する。なお、水蒸気の温度検出は、水蒸気の温度を直接検出する方式と、中空導体管2Tの温度を検出することによって水蒸気の温度を間接検出する方式とが考えられる。
過熱水蒸気生成部3は、前記第1水蒸気生成部2と同様、例えば誘導加熱方式又は通電加熱方式のものであり、水蒸気が導入される水蒸気導入ポート31及び過熱水蒸気を導出する過熱水蒸気導出ポート32を有する。
誘導加熱方式の過熱水蒸気生成部3は、水蒸気導入ポート31及び過熱水蒸気導出ポート32を有する例えば螺旋状の中空導体管3T(図2参照)と、当該中空導体管3Tの内側又は外側に配置されて中空導体管3Tを誘導加熱する誘導コイル(不図示)と、当該誘導コイルに交流電圧を印加する交流電源(不図示)とを備えたものであり、当該誘導コイルに交流電圧を印加することによって、中空導体管3Tに誘導電流を流すことによりジュール発熱させて、中空導体管3Tに導入された水蒸気を過熱水蒸気に状態変化させるものとすることが考えられる。
また、通電加熱方式の過熱水蒸気生成部3は、水蒸気導入ポート31及び過熱水蒸気導出ポート32を有する例えば螺旋状に形成された中空導体管3Tと、当該中空導体管3Tに電圧を印加する直流又は交流電源(不図示)とを備えたものであり、中空導体管3Tに電流を流すことによりジュール発熱させて、中空導体管3Tに導入された水蒸気を過熱水蒸気に状態変化させるものとすることが考えられる。何れの方式の場合であっても、中空導体管3Tに印加する電圧又は中空導体管3Tに流れる電流を制御することによって、中空導体管3Tの導出ポート32から導出される過熱水蒸気の温度を制御する。なお、通電加熱方式の場合、中空導体管3Tは、螺旋状に限られず、例えば直管状をなすものであっても良い。
何れの方式の場合であっても、中空導体管3Tの過熱水蒸気導出ポート32から導出される過熱水蒸気の温度を検出して、誘導コイルに印加する電圧、中空導体管3Tに印加する電圧又は中空導体管3Tに流れる電流をフィードバック制御することによって、中空導体管3Tの過熱水蒸気導出ポート32から導出される過熱水蒸気の温度を制御する。なお、過熱水蒸気の温度検出は、過熱水蒸気の温度を直接検出する方式と、中空導体管3Tの温度を検出することによって過熱水蒸気の温度を間接検出する方式とが考えられる。
また、誘導加熱方式の場合は、印加する交流電圧の周波数を50Hz又は60Hzの商用周波数とすれば、電流浸透度が深いので、中空導体管2T、3Tの外面温度検出で内面温度検出と同等の値が得られるので、間接検出であっても精度の高い蒸気温度検出が可能となる。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、第1水蒸気生成部2の誘導コイル2C及び過熱水蒸気生成部3の誘導コイル3Cの中心部に磁路用鉄心101、102が設けられており、これにより誘導コイル2C、3Cにより発生した磁束を効率良く循環させることで、各中空導体管2T、3Tに磁束を効率良く導入させている。さらに、第1水蒸気生成部2の磁路用鉄心101及び過熱水蒸気生成部3の磁路用鉄心102の他に、それら2つの磁路用鉄心101、102に生じる磁束の共通の通路になる共通鉄心103が設けられており、この共通鉄心103及び前記2つの磁路用鉄心101、102の上下それぞれを継鉄心104、105が連結している。この構成により、鉄心全体の寸法を小さくすることができ、ひいては、装置全体のコンパクト化を図ることができる。なお、図3及び図4では、平面視においてそれぞれの鉄心が三角形の頂点に位置するように配置され、継鉄心104、105が、平面視において共通鉄心103を屈折点として折れ曲がっている。これにより、2つの磁路用鉄心101、102間の距離を小さくして、鉄心全体の幅方向の寸法を小さくし、省スペース化を図ることができる。
その他、第1水蒸気生成部2の誘導コイル2C及び過熱水蒸気生成部3の誘導コイル3Cはスコット結線されている(図5参照)。つまり、第1水蒸気生成部2及び過熱水蒸気生成部3は、主座変圧器及びT座変圧器からなるスコット結線変圧器を用いて構成されている。
第1水蒸気生成部2の中空導体管2T(第1加熱用金属体)は、主座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱され、過熱水蒸気生成部3の中空導体管3T(第2加熱用金属体)は、T座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱される。
また、主座変圧器の入力側の2相のうち一方(図5では三相交流電源10のV相)に電圧又は電流を制御する第1制御機器81が設けられている。T座変圧器の入力側である1次コイル(誘導コイル3C)の一端側(図5では三相交流電源10のU相)に電圧又は電流を制御する第2制御機器82が設けられている。ここで、第1制御機器81及び第2制御機器82は、サイリスタ等の半導体制御素子を用いて構成されている。そして、この第1制御機器81及び第2制御機器82により、主座変圧器の出力電圧とT座変圧器の出力電圧とを個別に制御するように構成されている。
水蒸気供給流路L2は、一端が第1水蒸気生成部2の水蒸気導出ポート22に接続され、他端が過熱水蒸気生成部3の過熱水蒸気導入ポート31に接続されたものであり、例えば接続管により構成されている。なお、前記何れかの中空導体管2T、3Tに前記接続管としての機能を一体的に設けることにより、第1水蒸気生成部2の水蒸気導出ポート22と過熱水蒸気生成部3の過熱水蒸気導入ポート31とを例えば絶縁性を有する継手を介して接続するようにしても良い。
また、水蒸気供給流路L2には、過熱水蒸気生成部3に供給される飽和水蒸気の流量を調整する第1水蒸気流量調整部4が設けられている。本実施形態の第1水蒸気流量調整部4は、第1流量調整弁である。なお、第1流量調整弁4は、後述する制御装置7により制御信号が入力されて、その弁開度が制御される。その他、水蒸気供給流路L2に流量計を設けても良い。
外部水蒸気導入部CPは、水蒸気供給流路L2における第1流量調整弁4の下流側(過熱水蒸気生成部3側)又は過熱水蒸気生成部3に設けられており、第2水蒸気生成部200からの水蒸気を供給する外部水蒸気供給流路が接続されるものである。第2水蒸気生成部200としては、例えばガス焚きや油焚きの蒸気ボイラであるが、第1水蒸気生成部2と同様に、誘導加熱方式又は通電加熱方式のものであっても良い。
具体的に外部水蒸気導入部CPは、外部水蒸気供給流路L3を構成する接続管が接続される接続ポートである。なお、外部水蒸気導入部CPが水蒸気供給流路L2に設けられる場合には、水蒸気供給流路L2を構成する接続管に接続ポートが形成される。また、外部水蒸気導入部CPが過熱水蒸気生成部3に設けられる場合(図1参照)には、過熱水蒸気生成部3に接続ポートが形成される。過熱水蒸気生成部3に外部水蒸気導入部CP(接続ポート)を形成する場合には、第2水蒸気生成部200からの水蒸気の加熱効率を考えて、中空導体管3Tの上流側(水蒸気導入ポート31側)に形成することが望ましい。
また、外部水蒸気供給流路L3には、過熱水蒸気生成部3に供給される水蒸気の流量を調整する第2水蒸気流量調整部5が設けられている。本実施形態の第2水蒸気流量調整部5は、第2流量調整弁である。なお、第2流量調整弁5は、後述する制御装置7により制御信号が入力されて、その弁開度が制御される。その他、外部水蒸気供給流路L3に流量計を設けても良い。また、外部水蒸気導入部CPが、先端部に前記接続ポートを有する導入管を有する場合には、当該導入管に第2水蒸気流量調整部5を設けても良い。
そして、本実施形態では、過熱水蒸気生成部3により生成された過熱水蒸気は、被処理物Wを処理する処理部6に供給される。
処理部6は、過熱水蒸気によって被処理物Wを熱処理(例えば洗浄、乾燥、焼成又は殺菌)するものであり、被処理物Wを収容するとともに、密閉空間又は略密閉空間を形成する被処理物収容部61と、当該被処理物収容部61に設けられ、過熱水蒸気が導入される過熱水蒸気導入ポート62と、被処理物収容部61で生じたドレン水を排出するドレン排出ポート63と、被処理物収容部61を通過した利用済み蒸気を排出する排出ポート64とを有している。処理部6の過熱水蒸気導入ポート62は、過熱水蒸気供給流路L4により過熱水蒸気生成部3の過熱水蒸気導出ポート32に接続されている。なお、ドレン排出ポート63及び排出ポート64に接続された流路には開閉弁が設けられている。
上記構成の過熱水蒸気生成装置100は、過熱水蒸気生成部3に第1水蒸気生成部2からの水蒸気が供給される第1片方供給状態、又は、過熱水蒸気生成部3に第2水蒸気生成部200からの水蒸気が供給される第2片方供給状態に切り替わるように構成されている。
ここでは、各生成部2、3及び各流量調整弁4、5を制御する制御装置7によって上記の第1片方供給状態又は第2片方供給状態の一方に切り替わるように構成されている。
この制御装置7は、物理的にはCPU、メモリ、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を備えたものであり、機能的には、図6に示すように、第1水蒸気生成部2の加熱温度(以下、第1加熱温度という。)を制御する第1加熱温度制御部71と、過熱水蒸気生成部3の加熱温度(以下、第2加熱温度という。)を制御する第2加熱温度制御部72と、第1流量調整弁4を制御する第1流量調整弁制御部73と、第2流量調整弁5を制御する第2流量調整弁制御部74とを有するものである。その他、制御装置7は、処理部6に収容された被処理物Wの温度又は処理部6内の温度を取得する処理物温度取得部75を有している。なお、制御装置7と、第1水蒸気生成部2及び過熱水蒸気生成部3等の各部との間は接続されているが、図1では、その接続についての記載は省略してある。
以下、各部の説明を兼ねて、本実施形態の過熱水蒸気生成装置100の動作について図6を参照して説明する。
通常運転時において、制御装置7の第2流量調整弁制御部74は、第2流量調整弁5を開放させて、外部水蒸気供給流路L3から過熱水蒸気生成部3に水蒸気を供給する。なお、第2流量調整弁5を開放させた後に第2水蒸気生成部200を稼働させても良いし、第2水蒸気生成部200を稼働させた後に第2流量調整弁5を開放させても良い。ここで、第1流量調整弁4は閉状態であっても良いし、開状態であっても良いが、第1流量調整弁4を閉状態としておけば、第2水蒸気生成部からの水蒸気が第1水蒸気生成部2内に逆流することを防ぐことができる。
そして、第2加熱温度制御部72は、過熱水蒸気生成部3の中空導体管3T又は過熱水蒸気供給流路L4に設けられた第2温度センサT2からの測定値を取得し、この測定値に基づいて、過熱水蒸気生成部3で生成される過熱水蒸気が所定温度となるように、第2加熱温度を制御する。具体的に第2加熱温度は、過熱水蒸気生成部3で生成される過熱水蒸気の設定温度又はその前後の温度に制御されており、ここでは、例えば200〜1200℃に制御されている。
具体的にこの第2加熱温度制御部72は、過熱水蒸気生成部3の中空導体管3T又は過熱水蒸気供給流路L4に設けられた第2温度センサT2からの測定値を取得し、この測定値に基づいて、過熱水蒸気生成部3の誘導コイル3Cに印加される交流電圧の大きさを制御し、第2加熱温度を制御している。なお、前記第2温度センサT2は、その測定値をより過熱水蒸気の温度に近づけるべく、過熱水蒸気生成部3の中空導体管3Tの下流側や過熱水蒸気導出ポート32又はその近傍に設けられていることが好ましい。
これにより、過熱水蒸気生成装置100は、第2水蒸気生成部200からの水蒸気が過熱水蒸気生成部3に供給されて、過熱水蒸気が生成される第2片方供給状態となる。この第2片方供給状態において、処理部6に収容された被処理物Wを熱処理(例えば洗浄、乾燥、焼成又は殺菌)するメイン工程が行われる。
そして、第2水蒸気生成部200の故障やメンテナンス等のように第2水蒸気生成部200を稼働できない場合や、その他の理由により第1水蒸気生成部2に切り替える必要がある場合には、第2流量調整弁制御部74は第2流量調整弁5を閉じ、第1流量調整弁制御部73は第1流量調整弁4を開放する。この第2片方供給状態から第1片方供給状態への切り替えにおいて、第2水蒸気生成部200からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、第1水蒸気生成部2からの水蒸気供給量を徐々に増加させる。具体的に第2流量調整弁制御部74は第2流量調整弁5を徐々に閉じ、第1流量調整弁制御部73は第1流量調整弁4を徐々に開放してその弁開度がゼロから所定開度まで徐々に大きくなるように制御する。この切り替え動作中において、過熱水蒸気生成部3への水蒸気の供給量が切り替え前後において変化しないようにすることが望ましい。
なお、第2水蒸気生成部200の水蒸気供給から第1水蒸気生成部の水蒸気供給への切り替え、つまり各流量調整弁4、5の開閉の切り替えは、制御装置7が第2水蒸気生成部200の稼働の有無を検知することにより自動的に行うようにしても良いし、制御装置7がユーザから入力される切り替え信号を取得することにより行うようにしても良い。
第1加熱温度制御部71は、第1水蒸気生成部2で生成される飽和水蒸気が所定温度となるように、第1加熱温度を制御しており、本実施形態では、第1水蒸気生成部2の中空導体管2Tの温度を前記第1加熱温度としている。
具体的にこの第1加熱温度制御部71は、第1水蒸気生成部2の中空導体管2T又は水蒸気供給流路L2に設けられた第1温度センサT1からの測定値を取得し、この測定値に基づいて、第1水蒸気生成部2の誘導コイル2Cに印加される交流電圧の大きさを制御し、第1加熱温度を例えば100〜140℃に制御している。
なお、前記第1温度センサT1は、その測定値をより飽和水蒸気の温度に近づけるべく、第1水蒸気生成部2の中空導体管2Tの下流側や水蒸気導出ポート22又はその近傍に設けられていることが好ましい。
このとき、第2加熱温度制御部72は、過熱水蒸気生成部3の中空導体管3T又は過熱水蒸気供給流路L4に設けられた第2温度センサT2からの測定値を取得し、この測定値に基づいて、過熱水蒸気生成部3で生成される過熱水蒸気が所定温度となるように、第2加熱温度を制御する。具体的に第2加熱温度は、過熱水蒸気生成部3で生成される過熱水蒸気の設定温度又はその前後の温度に制御されており、ここでは、例えば200〜1200℃に制御されている。
これにより、過熱水蒸気生成装置100は、第1水蒸気生成部2からの水蒸気が過熱水蒸気生成部3に供給されて、過熱水蒸気が生成される第1片方供給状態となる。この第1片方供給状態において、処理部6に収容された被処理物Wを熱処理するサブ工程が行われる。また、このサブ工程が行われている間に、第2水蒸気生成部200の交換、修理又はメンテナンス等が行われる。
その後、第2水蒸気生成部200が稼働できる状態になった場合には、第1流量調整弁制御部73は第1流量調整弁4を閉じ、第2流量調整弁制御部74は第2流量調整弁5を開放して、上述したメイン工程に切り替わる。この第1片方供給状態から第2片方供給状態への切り替えにおいて、第1水蒸気生成部2からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、第2水蒸気生成部200からの水蒸気供給量を徐々に増加させる。具体的に第1流量調整弁制御部73は第1流量調整弁4を徐々に閉じ、第2流量調整弁制御部74は第2流量調整弁5を徐々に開放してその弁開度がゼロから所定開度まで徐々に大きくなるように制御する。この切り替え動作中において、過熱水蒸気生成部3への水蒸気の供給量が切り替え前後において変化しないようにすることが望ましい。なお、この切り替えは、制御装置が第2水蒸気生成部200の稼働の有無を検知することにより自動的に行うようにしても良いし、制御装置7がユーザから入力される切り替え信号を取得することにより行うようにしても良い。
また、第2片方供給状態から第1片方供給状態に切り替える間に待機状態を設定しても良い。この待機状態は、第1水蒸気生成部2が飽和水蒸気を生成している状態であり、且つ、第1流量調整弁4を閉塞して、その飽和水蒸気の供給が停止されている状態である。同様に、第1片方供給状態から第2片方供給状態に切り替える間に待機状態を設定しても良い。この待機状態は、第2水蒸気生成部200が飽和水蒸気を生成している状態であり、且つ、第2流量調整弁5を閉塞して、その飽和水蒸気の供給が停止されている状態である。
このように構成した過熱水蒸気生成装置100によれば、過熱水蒸気生成部3への水蒸気の供給を第1水蒸気生成部2と第2水蒸気生成部200との間で切り替えることができるので、過熱水蒸気の供給を安定的に行うことができる。
例えば、第2水蒸気生成部200をエネルギーコストの安いガス焚きや油焚きの蒸気ボイラとして、通常時には、当該蒸気ボイラを使用しつつ、当該蒸気ボイラが故障等して蒸気ボイラの使用ができなくなった場合に、第1水蒸気生成部2に切り替えることで、過熱水蒸気を継続して生成することができる。
また、本実施形態の過熱水蒸気生成装置100は、第2水蒸気生成部200からの水蒸気を導入するための外部水蒸気導入部CPを有するので、ユーザの保有する蒸気ボイラを接続して使用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、第1流量調整弁制御部73が第1流量調整弁4を閉状態にして第2片方供給状態となるように構成しているが、第1加熱温度制御部71が第1水蒸気生成部2の誘導コイルへの電力供給を停止して第2片方供給状態となるように構成しても良い。このとき、第1流量調整弁4は閉状態であっても良いし、開状態であっても良いが、第1流量調整弁4を閉状態としておけば、第2水蒸気生成部200からの水蒸気が第1水蒸気生成部2内に逆流することを防ぐことができる。
また、前記実施形態では、第1水蒸気生成部2及び第2水蒸気生成部200を切り替える構成としているが、第1水蒸気生成部2及び第2水蒸気生成部200の両方を稼働して、第1水蒸気生成部2からの水蒸気が水蒸気供給流路L2を介して過熱水蒸気生成部3に供給されるとともに、第2水蒸気生成部200からの水蒸気が外部水蒸気導入部を介して過熱水蒸気生成部に供給される両方供給状態に切り替える構成としても良い。この状態を両方供給状態とすれば、前記実施形態の第1片方供給状態、第2片方供給状態とともに、それら3つの状態を切り替え可能に構成しても良い。
また、両方供給状態において、制御装置7の第1流量調整弁制御部73は第1流量調整弁4の弁開度を制御し、第2流量調整弁制御部74は第2流量調整弁5の弁開度を制御することによって、過熱水蒸気生成部3への水蒸気の供給量を調整する。このとき、過熱水蒸気生成部3に供給される水蒸気の供給量Qは、第1水蒸気生成部2の最大生成量A及び第2水蒸気生成部200の最大生成量Aよりも多い量(Q>A又はQ>A)とすることが考えられる。なお、過熱水蒸気生成部3に供給される水蒸気の供給量Qが第1水蒸気生成部2の最大生成量A又は第2水蒸気生成部200の最大生成量Aよりも少ない場合であっても、その供給量Qを第1水蒸気生成部2の生成量及び第2水蒸気生成部200の生成量に分配して、各分配量を過熱水蒸気生成部3に供給しても良い。
さらに、前記実施形態の構成に加えて、過熱水蒸気生成装置100は、処理部6を通過した利用済み蒸気を過熱水蒸気生成部3に戻す戻し流路を有するものであっても良い。この戻し流路は、一端が処理部6(例えば被処理物収容部の排出ポート)に接続され、他端が水蒸気供給流路L2における流量調整弁の下流側(過熱水蒸気生成部3側)、外部水蒸気供給流路L3又は過熱水蒸気生成部3に接続されている。このように利用済みの蒸気を再利用することによって熱量損失を抑えることができる。
その上、図7に示すように、過熱水蒸気生成装置100は、主座変圧器の一次コイル(誘導コイル2C)及びT座変圧器の1次コイル(誘導コイル3C)をスコット結線する第1接続状態と、前記誘導コイル2C及び前記誘導コイル3Cをそれぞれ独立した回路とする第2接続状態とを切り替える切り替え機構9を備えたものであっても良い。
第1接続状態は、主座変圧器の一次コイル(誘導コイル2C)の中点に接続された中点端子2mと、T座変圧器の1次コイル(誘導コイル3C)の一端側端子3tとを接続してスコット結線した状態である。一方、第2接続状態は、スコット結線を解線して、第2制御機器82を含むT座変圧器の1次コイル(誘導コイル3C)の両側端子を三相交流電源10(図7では、U相及びV相)に接続した状態である。なお、第2接続状態では、主座変圧器の1次コイル(誘導コイル2C)の両側端子は、三相交流電源10のV相及びW相に接続されたままである。
切り替え機構9としては、例えば電磁接触器や半導体スイッチ素子を用いて構成されており、制御装置7により制御される。また、この構成では、第2制御機器82は、T座変圧器の1次コイル(誘導コイル3C)に流れる電流を一定値以下に制御する定電流制御機能を有する。
第1水蒸気生成部2の水蒸気を用いて過熱水蒸気を生成する第1片方供給状態の場合には、切り替え機構9により、第1接続状態(スコット結線状態)とする。一方、第2水蒸気生成部200の水蒸気を用いて過熱水蒸気を生成する第2片方供給状態の場合には、切り替え機構9により、第2接続状態(T座側回路と主座側回路とが独立した回路状態)とする。なお、第2接続状態においては、第2制御機器82により誘導コイル3Cを流れる電流を制御して、第2水蒸気生成部200を用いて過熱水蒸気を生成しつつ、第1制御機器81により誘導コイル2Cを流れる電流を制御して、第1水蒸気発生部2を保温待機させることができる。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・過熱水蒸気生成装置
L1 ・・・水供給流路
L2 ・・・第1水蒸気供給流路
L3 ・・・外部水蒸気供給流路
L4 ・・・過熱水蒸気供給流路
2 ・・・第1水蒸気生成部
200・・・第2水蒸気生成部
3 ・・・過熱水蒸気生成部
4 ・・・第1流量調整弁(第1水蒸気流量調整部)
5 ・・・第2流量調整弁(第2水蒸気流量調整部)
6 ・・・処理部
7 ・・・制御装置

Claims (12)

  1. 水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、
    水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、
    前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、
    前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備え
    前記外部水蒸気導入部は、前記水蒸気供給流路とは別に前記過熱水蒸気生成部に設けられている、過熱水蒸気生成装置。
  2. 前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給されるとともに、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気が前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される両方供給状態に切り替え可能に構成された、請求項1記載の過熱水蒸気生成装置。
  3. 前記第1水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量及び/又は前記第2水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整する水蒸気流量調整部とを備え、
    前記水蒸気流量調整部は、前記両方供給状態において、前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整する、請求項2記載の過熱水蒸気生成装置。
  4. 前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される第1片方供給状態、又は、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気が前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給される第2片方供給状態に切り替え可能に構成された、請求項1乃至3の何れか一項に記載の過熱水蒸気生成装置。
  5. 前記水蒸気供給流路に設けられて、前記過熱水蒸気生成部に供給される前記水蒸気の流量を調整する第1水蒸気流量調整部を備え、
    前記第2片方供給状態において、前記第1水蒸気流量調整部が前記過熱水蒸気生成部への前記水蒸気の供給を停止している、請求項4記載の過熱水蒸気生成装置。
  6. 前記第1水蒸気生成部への電力供給を制御する制御装置を備え、
    前記第2片方供給状態において、前記制御装置が前記第1水蒸気生成部への電力供給を停止している、請求項4又は5記載の過熱水蒸気生成装置。
  7. 前記第1片方供給状態から前記第2片方供給状態への切り替えにおいて、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に増加させ、
    前記第2片方供給状態から前記第1片方供給状態への切り替えにおいて、前記第2水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に減少させつつ、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気供給量を徐々に増加させる、請求項4乃至6の何れか一項に記載の過熱水蒸気生成装置。
  8. 前記第1水蒸気生成部及び前記過熱水蒸気生成部は、主座変圧器及びT座変圧器からなるスコット結線変圧器を用いて構成されるものであり、
    前記第1水蒸気生成部は、前記主座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱される第1加熱用金属体を有し、
    前記過熱水蒸気生成部は、前記T座変圧器の出力により、誘導加熱又は通電加熱される第2加熱用金属体を有し、
    前記主座変圧器の入力側の2相のうち一方に電圧又は電流を制御する第1制御機器が設けられており、
    前記T座変圧器の入力側である1次コイルの一端側に電圧又は電流を制御する第2制御機器が設けられており、
    前記第1制御機器及び前記第2制御機器により、前記主座変圧器の出力電圧と前記T座変圧器の出力電圧とを個別に制御する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の過熱水蒸気生成装置。
  9. 前記主座変圧器の1次コイルの中点に接続された中点端子と、前記T座変圧器の1次コイルの一端側端子とを接続してスコット結線する第1接続状態と、前記スコット結線を解線して、前記第2制御機器を含む前記T座変圧器の1次コイルの両側端子を三相交流電源に接続する第2接続状態とを切り替える切り替え機構をさらに備える、請求項8記載の過熱水蒸気生成装置。
  10. 前記第2制御機器は、定電流制御機能を有する、請求項9記載の過熱水蒸気生成装置。
  11. 水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備え
    前記外部水蒸気導入部は、前記水蒸気供給流路とは別に前記過熱水蒸気生成部に設けられている過熱水蒸気生成装置を用いて被処理物を処理する処理方法であって、
    前記第1水蒸気生成部及び前記第2水蒸気生成部の両方からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給するとともに、
    前記第1水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量及び/又は前記第2水蒸気生成部から前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整することにより、前記過熱水蒸気生成部への水蒸気の供給量を調整する処理方法。
  12. 水から水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の第1水蒸気生成部と、水蒸気から過熱水蒸気を生成する誘導加熱方式又は通電加熱方式の過熱水蒸気生成部と、前記第1水蒸気生成部により生成された水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に供給する水蒸気供給流路と、前記第1水蒸気生成部とは異なる第2水蒸気生成部が接続され、当該第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記過熱水蒸気生成部に導入するための外部水蒸気導入部とを備え
    前記外部水蒸気導入部は、前記水蒸気供給流路とは別に前記過熱水蒸気生成部に設けられている過熱水蒸気生成装置を用いて被処理物を処理する処理方法であって、
    前記第2水蒸気生成部からの水蒸気を前記外部水蒸気導入部を介して前記過熱水蒸気生成部に供給して過熱水蒸気を生成し、その過熱水蒸気により前記被処理物を加熱するメイン工程と、
    前記メイン工程が行われない場合に、前記第1水蒸気生成部からの水蒸気が前記水蒸気供給流路を介して前記過熱水蒸気生成部に供給して過熱水蒸気を生成し、その過熱水蒸気により前記被処理物を処理するサブ工程とを備える処理方法。
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