JP6806327B2 - スイング解析装置、コンピュータにスイングを解析させるためのプログラムおよびスイング解析システム - Google Patents

スイング解析装置、コンピュータにスイングを解析させるためのプログラムおよびスイング解析システム Download PDF

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Description

本開示は、スイングを解析するための技術に関する。
野球のバットやテニスのラケットなどの打球具を用いて行なうスポーツにおいて、プレーヤーが打球具をスイングする能力は、試合などを有利に進める上で重要な指標である。そのため、プレーヤーのスイングの解析が適切に行なわれることによって、プレーヤーの技量の向上や打球具の研究開発にも寄与することが期待される。
例えば、特開2011−142927号公報(特許文献1)は、センサーバットとデータ解析装置とを有するバット選択システムを開示している。データ解析装置は、打者の目指すタイプを入力し、センサーバットから送信されたデータを受信し、受信したデータから、バットスイングの運動学情報を算出する。データ解析装置は、入力された打者の目指すタイプと、運動学情報を解析して算出した打者のスイングの評価パラメータと、に基づき打者に最適なバットを選択し、選択されたバットと評価パラメータに関連する情報を表示する。
特開2011−142927号公報
特許文献1には、ジャイロセンサおよび加速度センサからのデータを用いてバット軌跡を算出する構成について記載されている。しかしながら、特許文献1の技術では、センサのデータを長時間計測し続けた場合には、ドリフト誤差や積分誤差の蓄積により計測誤差が増大するため、バットの軌跡を精度良く算出することができないという問題がある。このことから、特許文献1の技術によると、被験者が連続して複数回のスイング動作を行なう場合には、徐々にバットの軌跡の精度が悪化していく可能性がある。
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、被験者が複数回連続してスイングする場合であっても、各スイングをより精度よく解析することが可能なスイング解析装置を提供することである。
他の局面における目的は、被験者が複数回連続してスイングする場合であっても、各スイングをより精度よく解析することが可能な、コンピュータにスイングを解析させるためのプログラムを提供することである。
さらに他の局面における目的は、被験者が複数回連続してスイングする場合であっても、各スイングをより精度よく解析することが可能なスイング解析システムを提供することである。
ある実施の形態に従うスイング解析装置は、被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付ける情報入力部と、加速度情報および角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を算出する姿勢算出部と、スイング期間の第1の時刻における被検出対象の姿勢情報に基づいて、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を補正する補正部と、補正部により補正された被検出対象の姿勢情報に基づいて、センサにより検出された加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換する座標変換部と、スイング期間において、時間の経過に従って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第1の速度を算出する第1の速度算出部と、スイング期間において、時間を遡って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する第2の速度算出部と、第1の速度および第2の速度に第2のフィルタを適用して、被検出対象のスイング速度を算出するスイング情報算出部とを備える。
好ましくは、第2の速度算出部は、スイング期間において、角速度情報に基づいて算出される被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から遡って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する。
好ましくは、スイング期間は、複数の期間に区分される。スイング情報算出部は、複数の期間のうちスイング期間の開始時刻を含む第1の期間においては、第1の速度の重みよりも第2の速度の重みを小さくするように第2のフィルタを適用してスイング速度を算出する。スイング情報算出部は、複数の期間のうちスイング期間の終了時刻を含む第2の期間においては、第1の速度の重みよりも第2の速度の重みを大きくするように第2のフィルタを適用してスイング速度を算出する。
好ましくは、スイング情報算出部は、複数の期間のうち時間的に後の期間ほど、第1の速度の重みを小さくし、第2の速度の重みを大きくするように第2のフィルタを適用して、各期間におけるスイング速度を算出する。
好ましくは、第1の時刻は、スイング期間において、角速度情報に基づいて算出される被検出対象の速度が最大となる時刻である。
好ましくは、スイング期間は、角速度情報に基づいて算出される被検出対象の速度が第1の基準閾値を超えた第2の時刻を基準とした前後の一定期間である。
好ましくは、角速度情報に基づいて算出される被検出対象の速度が予め定められた速度に到達した回数に基づいて、被検出対象のスイング回数を算出する回数算出部をさらに備える。
好ましくは、第1のフィルタは拡張カルマンフィルタであり、第2のフィルタは適応カルマンフィルタである。
他の実施の形態に従うと、コンピュータに被検出対象のスイングを解析させるためのプログラムが提供される。プログラムは、コンピュータに、被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付けるステップと、加速度情報および角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を算出するステップと、スイング期間の第1の時刻における被検出対象の姿勢情報に基づいて、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を補正するステップと、補正された被検出対象の姿勢情報に基づいて、センサにより検出された加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換するステップと、スイング期間において、時間の経過に従って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第1の速度を算出するステップと、スイング期間において、時間を遡って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第2の速度を算出するステップと、第1の速度および第2の速度に第2のフィルタを適用して、被検出対象のスイング速度を算出するステップとを実行させる。
さらに他の実施の形態に従うスイング解析システムは、被検出対象に取り付けられたセンサと、被検出対象のスイングを解析するためのスイング解析装置とを備える。スイング解析装置は、被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付ける情報入力部と、加速度情報および角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を算出する姿勢算出部と、スイング期間の第1の時刻における被検出対象の姿勢情報に基づいて、スイング期間の被検出対象の姿勢情報を補正する補正部と、補正部により補正された被検出対象の姿勢情報に基づいて、センサにより検出された加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換する座標変換部と、スイング期間において、時間の経過に従って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第1の速度を算出する第1の速度算出部と、スイング期間において、時間を遡って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する第2の速度算出部と、第1の速度および第2の速度に第2のフィルタを適用して、被検出対象のスイング速度を算出するスイング情報算出部とを含む。
本開示によると、被験者が複数回連続してスイングする場合であっても、各スイングをより精度よく解析することが可能となる。
スイング解析システムの全体構成を説明するための図である。 スイング解析システムの動作概要を説明するためのフローチャートである。 スイング解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 センサ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 スイング解析装置の機能ブロック図である。 モーションキャプチャによるグリップエンド部の速度の時間変化を示す図である。 スイング解析装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 スイング解析装置が実行する順方向積分を用いたスイング解析処理の一例を示すフローチャートである。 スイング解析装置が実行する逆方向積分を用いたスイング解析処理の一例を示すフローチャートである。 比較例解析方式(その1)により算出されたヘッド速度を示す図である。 比較例解析方式(その2)により算出されたヘッド速度を示す図である。 本解析方式により算出されたヘッド速度を示す図である。 各スイング解析方式により算出されたグリップエンド軌道を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
<システムの構成>
図1は、本実施の形態に従うスイング解析システムの全体構成を説明するための図である。図1を参照して、スイング解析システム1000は、被験者による打具のスイングを解析するためのシステムである。具体的には、スイング解析システム1000は、スイング解析装置10と、センサ装置20とを含む。本実施の形態では、「打球具」として野球、ソフトボールなどで用いられるバット80を使用し、被験者が右利きのバッターであるとする。また、本実施の形態では、図1に示すように、被験者(バッター)が打球具(バット80)を1回以上スイングする場面を想定する。
バット80は、バッター自身が用意したものや他の者が用意したものなど、いずれのバットであってもよい。また、バッターは、素振りする場合、ティーの上に配置されたボールに対してスイングする場合、投げられたボールに対してスイングする場合のいずれの場合であってもよい。
スイング解析装置10は、スマートフォンで構成される。ただし、スイング解析装置10は、種類を問わず任意の装置として実現できる。例えば、スイング解析装置10は、ノートPC(personal Computer)、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistance)、デスクトップPCなどの機器であってもよい。
スイング解析装置10は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信などの無線通信を利用してセンサ装置20と通信する。なお、スイング解析装置10は、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信を利用してセンサ装置20と通信可能に構成されていてもよい。
センサ装置20は、互いに直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)まわりの角速度(以下「角速度情報」とも称する。)を検出可能な角速度センサと、互いに直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の加速度(以下「加速度情報」とも称する。)を検出可能な加速度センサとを含む。
また、センサ装置20は、自装置の加速度センサおよび角速度センサがバット振動の影響を受けにくいように、バット80のグリップエンド部に取り付けられる。センサ装置20は、バット80のスイング中にも動かないように強固にグリップエンド部に固定される。好ましくは、センサ装置20に含まれる加速度センサは、バット80の長軸回りの回転による遠心加速度の影響を除外するため、バット80の長軸上に配置される。ここで、センサ座標系におけるZ軸はバット長軸とし、X軸およびY軸はそれぞれ任意に設定可能とする。また、絶対座標系におけるZ軸は鉛直方向とし、X軸およびY軸はそれぞれ任意に設定可能とする。
<システムの動作概要>
図2は、本実施の形態に従うスイング解析システム1000の動作概要を説明するためのフローチャートである。
図2を参照して、スイング解析システム1000では、バット80のグリップエンド部に取り付けられたセンサ装置20は、加速度情報および角速度情報を時系列に検出する(ステップS100)。具体的には、センサ装置20は、サンプリング周期(例えば、1ms)ごとにセンサ座標系(すなわち、ローカル座標系)における角速度情報および加速度情報を検出する。センサ装置20は、サンプリング周期ごとに検出した角速度情報および加速度情報をスイング解析装置10に送信する(ステップS110)。
スイング解析装置10は、センサ装置20から取得した角速度情報および加速度情報に対して拡張カルマンフィルタを適用して、センサ装置20(具体的には、バット80のグリップエンド部)の姿勢情報を算出する(ステップS120)。スイング解析装置10は、後述する方式により、姿勢情報を補正する(ステップS130)。詳細は後述するが、ステップS130の処理は、ヘッド速度を精度よく推定するためにセンサ装置20の方位誤差を補正する処理である。
スイング解析装置10は、補正された姿勢情報を用いて、センサ装置20から受信した加速度情報(センサ座標系)を、絶対座標系の加速度情報に座標変換する(ステップS140)。なお、本願明細書では、センサ座標系の情報を「情報(センサ座標系)」とも称し、絶対座標系の情報を「情報(絶対座標系)」とも称する。
スイング解析装置10は、スイング期間において時間の経過に従って、座標変換された加速度情報(絶対座標系)を時間積分する順方向積分により、ヘッド速度を算出する(ステップS150)。スイング解析装置10は、スイング期間において、被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍となる運動の特徴点から時間を遡って加速度情報(絶対座標系)を時間積分する逆方向積分により、ヘッド速度を算出する(ステップS160)。スイング解析装置10は、順方向積分により算出されたヘッド速度(以下、「ヘッド速度(順方向)」とも称する。)、および逆方向積分により算出されたヘッド速度(以下、「ヘッド速度(逆方向)」とも称する。)に適応カルマンフィルタを適用して、最終的なヘッド速度(以下、「最終ヘッド速度」)を算出する(ステップS170)。
ここで、ステップS170の処理は、ヘッド速度(順方向)とヘッド速度(逆方向)とを組み合わせることにより積分誤差の影響を小さくして、ヘッド速度を精度よく推定するための処理である。
具体的には、ヘッド速度(順方向)は、スイング期間の初期については積分誤差の影響が小さいため実際の速度(以下、「実速度」とも称する。)を精度よく反映するが、スイング期間の終期については積分誤差の影響が大きいため実速度を精度よく反映していない可能性がある。一方、ヘッド速度(逆方向)は、スイング期間の終期については積分誤差の影響が小さいため実速度を精度よく反映するが、スイング期間の初期については積分誤差の影響が大きいため実速度を精度よく反映していない可能性がある。
そこで、本実施の形態に従うスイング解析装置10は、スイング期間の初期については、順方向積分に基づくヘッド速度(順方向)の結果が、逆方向積分に基づくヘッド速度(逆方向)の結果よりも大きく反映されるように当該最終ヘッド速度を算出する。スイング解析装置10は、スイング期間の終期については、ヘッド速度(逆方向)の結果が、ヘッド速度(順方向)の結果よりも大きく反映されるように最終ヘッド速度を算出する。
そして、スイング解析装置10は、算出結果をバッターに報知する(ステップS180)。具体的には、スイング解析装置10は、ディスプレイに最終ヘッド速度および当該最終ヘッド速度を時間積分することにより算出されるスイング軌道等を示す画像を表示する。これにより、バッターは、自身のヘッド速度やスイング軌道を確認することができる。
本実施の形態に従うスイング解析システム1000では、被験者のスイングごとにセンサ装置20(バット80のグリップエンド部)の姿勢情報の補正が行われる。また、スイング解析システム1000では、順方向積分により算出されたヘッド速度、および逆方向積分により算出されたヘッド速度に適応カルマンフィルタを適用して、最終的なヘッド速度が算出される。そのため、被験者が連続して複数回スイングを行なう場合であっても、方位誤差の蓄積による影響を排除することが可能となり、各スイングについて適切なスイング軌道を算出することができる。
以下、上記のようなスイング解析システムおよびそのスイング解析方式について詳細に説明する。
<ハードウェア構成>
(スイング解析装置10)
図3は、本実施の形態に従うスイング解析装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図3を参照して、スイング解析装置10は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)102と、メモリ104と、タッチパネル106と、ボタン108と、ディスプレイ110と、無線通信部112と、通信アンテナ113と、メモリインターフェイス(I/F)114と、スピーカ116と、マイク118と、通信インターフェイス(I/F)120とを含む。また、記録媒体115は、外部の記憶媒体である。
CPU102は、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、スイング解析装置10の各部の動作を制御する。より詳細にはCPU102は、当該プログラムを実行することによって、後述するスイング解析装置10の処理(ステップ)の各々を実現する。
メモリ104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ104は、CPU102によって実行されるプログラム、またはCPU102によって用いられるデータなどを記憶する。
タッチパネル106は、表示部としての機能を有するディスプレイ110上に設けられており、抵抗膜方式、静電容量方式などのいずれのタイプであってもよい。ボタン108は、スイング解析装置10の表面に配置されており、ユーザからの指示を受け付けて、CPU102に当該指示を入力する。
無線通信部112は、通信アンテナ113を介して移動体通信網に接続し無線通信のための信号を送受信する。これにより、スイング解析装置10は、例えば、第3世代移動通信システム(3G)、LTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介して所定の外部装置との通信が可能となる。
メモリインターフェイス(I/F)114は、外部の記録媒体115からデータを読み出す。CPU102は、メモリインターフェイス114を介して外部の記録媒体115に格納されているデータを読み出して、当該データをメモリ104に格納する。CPU102は、メモリ104からデータを読み出して、メモリインターフェイス114を介して当該データを外部の記録媒体115に格納する。
なお、記録媒体115としては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスクなどの不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
スピーカ116は、CPU102からの命令に基づいて音声を出力する。マイク118は、スイング解析装置10に対する発話を受け付ける。
通信インターフェイス(I/F)120は、例えば、スイング解析装置10とセンサ装置20との間でデータを送受信するための通信インターフェイスであり、アダプタやコネクタなどによって実現される。通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどによる無線通信あるいはUSBを利用した有線通信である。
(センサ装置20)
図4は、本実施の形態に従うセンサ装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。図4を参照して、センサ装置20は、主たる構成要素として、各種処理を実行するためのCPU202と、CPU202によって実行されるプログラム、データなどを格納するためのメモリ204と、3軸方向の加速度を検出可能な加速度センサ206と、3軸のそれぞれのまわりの角速度を検出可能な角速度センサ208と、スイング解析装置10と通信するための通信インターフェイス(I/F)210と、センサ装置20の各種構成要素に電力を供給する蓄電池212とを含む。
<機能構成>
次に、スイング解析装置10を実現するための機能構成について説明する。図5は、本実施の形態に従うスイング解析装置10の機能ブロック図である。
図5を参照して、スイング解析装置10は、情報入力部150と、姿勢算出部152と、補正部154と、座標変換部156と、第1の速度算出部158と、第2の速度算出部160と、スイング情報算出部162と、回数算出部164と、報知部166とを含む。これらは、例えば、スイング解析装置10のCPU102がメモリ104に格納されたプログラムを実行し、スイング解析装置10の構成要素へ指令を与えることなどによって実現される。なお、これらの機能構成の一部または全部は、ハードウェアで実現されていてもよい。
情報入力部150は、被検出対象に取り付けられたセンサ装置20により検出された加速度および角速度の入力を受け付ける。本実施の形態では、センサ装置20は、被検出対象であるバット80のグリップエンド部に取り付けられている。そのため、情報入力部150は、当該グリップエンド部の加速度情報および角速度情報の入力を受け付ける。典型的には、情報入力部150は、通信インターフェイス120を介して、センサ装置20から送信される加速度情報および角速度情報を受信する。ただし、情報入力部150は、タッチパネル106(やボタン108)を介して、これらの情報の入力を受け付けてもよい。
姿勢算出部152は、バット80のグリップエンド部の加速度情報および角速度情報に第1フィルタ(例えば、拡張カルマンフィルタ)を適用して、スイング期間の被検出対象(本実施の形態では、グリップエンド部)の姿勢情報を算出する。具体的には、姿勢算出部152は、加速度情報および角速度情報に拡張カルマンフィルタを適用することにより、グリップエンド部の姿勢を表わすクォータニオンを算出する。そして、姿勢算出部152は、当該クォータニオンをセンサ座標系から絶対座標系への変換のための回転行列に変換する。このように、姿勢算出部152は、グリップエンド部の姿勢情報として、当該クォータニオンに対応する回転行列を算出する。
補正部154は、スイング期間の第1の時刻におけるグリップエンド部の姿勢情報(例えば、回転行列)に基づいて、スイング期間のグリップエンド部の姿勢情報を補正する。第1の時刻は、例えば、スイング期間において、バット80の長さと角速度情報とに基づいて算出されるバット80のヘッド部の速度(センサ座標系)が最大となる時刻である。また、第1の時刻は、スイング中において、ヘッド部の速度(センサ座標系)が予め定められた速度(例えば、20km/h)に到達した時刻であってもよい。
なお、スイング期間は、当該スイング期間の第2の時刻を基準とした前後(具体的には、過去および未来)の一定期間である。第2の時刻は、スイング期間において、ヘッド部の速度(センサ座標系)が予め定められた速度(例えば、20km/h)に到達した時刻である。そのため、第1の時刻と第2の時刻とは同じ場合であってもよい。
座標変換部156は、補正部154により補正されたグリップエンド部の姿勢情報に基づいて、センサ装置20により検出された加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換する。
第1の速度算出部158は、スイング期間において、時間の経過に従って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第1の速度を算出する。具体的には、第1の速度は、スイング期間の開始時刻から終了時刻にわたって(すなわち、時間的に順方向へ)、加速度情報(絶対座標系)を時間積分した場合に算出されるグリップエンド部の速度情報(絶対座標系)である。
なお、第1の速度算出部158は、情報入力部150が受け付けた角速度情報(センサ座標系)に基づいて算出されるグリップエンド部の合成角速度が閾値Vth(例えば、10rad/sec)以上である場合に、上記のように時間積分を行なうことで第1の速度を算出してもよい。具体的には、グリップエンド部の速度(合成角速度)が閾値Vth以上ではない場合には、被験者がスイングしておらず、スイングの準備中であると考えられる。スイングの準備中に時間積分を行なうと、積分誤差が蓄積されて適切な第1の速度が得られない可能性がある。そこで、第1の速度算出部158は、被験者がスイングしていると推定される場合に、時間積分を行なうことにより第1の速度を算出する。
第2の速度算出部160は、スイング期間において、時間を遡って絶対座標系に座標変換された加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する。具体的には、第2の速度は、スイング期間の終了時刻から開始時刻に遡って(すなわち、時間的に逆方向へ)、加速度情報(絶対座標系)を時間積分した場合に算出されるグリップエンド部の速度情報(絶対座標系)である。
ある局面では、第2の速度算出部160は、スイング期間において、角速度情報に基づいて算出される被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から遡って、加速度情報(絶対座標系)を時間積分して第2の速度を算出する。具体的には、第2の速度算出部160は、スイング期間の終了時刻をグリップエンド部の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻であるとみなして、当該時刻から開始時刻に遡って逆方向積分を実行する。
図6は、モーションキャプチャによるグリップエンド部の速度の時間変化を示す図である。図6には、モーションキャプチャにより計測された、被験者がバットをスイングしたときのグリップエンド部の速度の時間変化が示されている。図6を参照すると、グリップエンド部の3軸(X軸、Y軸およびZ軸)まわりの各速度がともにゼロになる時刻が存在することがわかる。この時刻は、バッターがバットを振り切ってスイングを終えた時刻と一致する。その後、バッターは次の動作(例えば、次のスイングに向けてバットを構える動作)に移るため、バットの移動方向が変わる。
スイング動作の次の動作の期間について時間積分を行なうと、積分誤差が蓄積されて逆方向積分により算出されるグリップエンド部の速度が適切に得られない可能性がある。そのため、第2の速度算出部160は、グリップエンド部の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から開始時刻に遡って加速度情報(絶対座標系)の逆方向積分を実行する。
再び、図4を参照して、スイング情報算出部162は、順方向積分に基づく第1の速度および逆方向積分に基づく第2の速度に、第2のフィルタ(例えば、適応カルマンフィルタ)を適用して、グリップエンド部の速度(絶対座標系)を算出する。
ある局面では、スイング期間は、複数の期間(例えば、初期、中期、終期)に区分される。スイング情報算出部162は、複数の期間の各々について、第1の速度および第2の速度に第2のフィルタを適用してグリップエンド部の速度(以下、「グリップエンド速度」とも称する。)を算出する。
具体的には、スイング情報算出部162は、複数の期間のうちスイング期間の開始時刻を含む期間(例えば、初期)においては、第1の速度の重みよりも第2の速度の重みを小さくするように第2のフィルタを適用してスイング速度を算出する。スイング情報算出部162は、複数の期間のうちスイング期間の終了時刻を含む期間(例えば、終期)においては、第1の速度の重みよりも第2の速度の重みを大きくするように第2のフィルタを適用してスイング速度(例えば、ヘッド速度およびグリップエンド速度のうちの少なくとも一方)を算出する。これにより、初期のスイング速度の算出結果には、順方向積分に基づく第1の速度の算出結果が主に反映され、終期のスイング速度の算出結果には、逆方向積分に基づく第2の速度の算出結果が主に反映される。
また、スイング情報算出部162は、複数の期間のうち時間的に後の期間ほど(例えば、初期、中期、終期の順に)、第1の速度の重みを小さくし、第2の速度の重みを大きくするように第2のフィルタを適用して、各期間におけるスイング速度を算出する。これにより、初期、中期、終期の順に、スイング速度の算出結果に対して第1の速度の算出結果が徐々に反映されなくなり、第2の速度の算出結果が徐々に反映されていく。なお、複数の期間の区分方式は、初期、中期、終期の3つの期間に限られず、2つの期間であってもよいし、4つ以上の期間に区分されていてもよい。
他の局面では、スイング情報算出部162は、算出されたグリップエンド速度(絶対座標系)を時間積分することによりグリップエンド部の位置情報(絶対座標系)を算出する。スイング情報算出部162は、バット80の長さと、グリップエンド部の位置情報(絶対座標系)とに基づいて、ヘッド部の位置情報(絶対座標系)を算出する。また、スイング情報算出部162は、バット80の長さと、グリップエンド速度(絶対座標系)とに基づいて、スイング期間におけるバット80のヘッド部の最大速度を算出してもよい。
回数算出部164は、バット80の長さと角速度情報とに基づいて算出されるバット80のヘッド部の合成速度(センサ座標系)が予め定められた速度(例えば、20km/h)に到達した回数に基づいて、バット80のスイング回数を算出する。例えば、予め定められた速度は、スイングが開始されたと推定できる程度の速度である。
報知部166は、スイング情報算出部162の算出結果(および回数算出部164の算出結果)を被験者に報知する。例えば、報知部166は、算出結果を示す画像をディスプレイ110に表示させる。あるいは、報知部166は、スピーカ116から算出結果を示す音声を出力させる。
<スイング解析処理の詳細>
次に、本実施の形態に従うスイング解析装置10で実行されるスイング解析処理の流れについて詳細に説明する。一般的に、バッターは、スイングを開始する前にバットを持ち替えたり、手足を動かしたりする等のルーティーン(バッターによって異なる)を行なった後、実際にスイングを開始する。スイング解析装置10は、常時、センサ装置20から送信されるセンサ情報(加速度情報および角速度情報)を受信しているが、上記のような実際のスイングとは関係ない動作をしているときのセンサ情報まで演算処理の対象とすると処理負荷が大きくなる。そこで、スイング解析装置10は、処理負荷の軽減のため、スイング前後の一定期間のセンサ情報を用いて、スイング解析処理を行なうように構成されている。
図7は、本実施の形態に従うスイング解析装置10が実行する処理の流れを示すフローチャートである。以下の各ステップは、CPU102がメモリ104に格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、上述したように、センサ装置20は、バット80のグリップエンド部に取り付けられている。そのため、以下の説明では、センサ装置20で検出される角速度、加速度をそれぞれグリップエンド角速度、グリップエンド加速度と称する。
図7を参照して、CPU102は、通信インターフェイス120を介して、センサ装置20からセンサ情報(加速度情報および角速度情報)を受信する(ステップS10)。なお、CPU102は、受信したセンサ情報を時系列データとして順次メモリ104に格納していく。
CPU102は、角速度情報および以下の式(1)〜(3)を用いてバット80のヘッド合成速度(センサ座標系)を算出する(ステップS12)。具体的には、センサ座標系において、グリップエンド部でのX軸,Y軸,Z軸周りの角速度をそれぞれω、ω、ωとすると、角速度ベクトルωは式(1)のように表される。
センサ座標系でのヘッド部のベクトルrおよび式(1)を用いると、ヘッド部の速度ベクトルVhsは、式(2)のように表される。なお、Vhsx、Vhsy、Vhszは、それぞれヘッド部でのX軸,Y軸,Z軸の速度(センサ座標系)である。
そして、式(2)からセンサ座標系でのヘッド部の合成速度Vhcsが式(3)のように導かれる。
次に、CPU102は、ヘッド部の合成速度Vhcs(センサ座標系)が閾値A以上か否かを判断する(ステップS14)。閾値Aは、被験者によるスイングが開始されたと推定される速度に設定され、例えば、20km/hに設定される。なお、閾値Aは、メモリ104に格納されており、ユーザにより任意に変更可能である。
ヘッド部の合成速度Vhcsが閾値A未満である場合には(ステップS14においてNO)、CPU102はステップS10からの処理を繰り返す。具体的には、CPU102は、被験者によるスイングが開始されていないと判断して、次の処理に移行しない。これに対して、CPU102は、ヘッド部の合成速度Vhcsが閾値A以上である場合には(ステップS14においてYES)、その合成速度Vhcsが閾値Aに到達した時刻tsを算出する(ステップS16)。続いて、CPU102は、合成速度Vhcsがゼロに到達した時刻t0(または、ゼロ近傍に到達した時刻)を算出する(ステップS18)。なお、CPU102は、グリップエンド部の合成速度がゼロに到達した時刻(または、ゼロ近傍に到達した時刻)を算出する構成であってもよい。
CPU102は、メモリ104を参照して、時刻tsを基準とした前後の所定期間Ta内に含まれるセンサ情報の時系列データを用いて、順方向積分を用いたスイング解析処理を実行する(ステップS20)。所定期間Taは、スイングの開始時刻から終了時刻までの期間を含むように設定される。また、時刻t0は、所定期間Ta内に含まれるものとする。例えば、所定期間Taは、時刻tsの1秒前から時刻tsの300ミリ秒後までの期間に設定される。
以下、順方向積分を用いたスイング解析処理について詳細に説明する。図8は、本実施の形態に従うスイング解析装置10が実行する順方向積分を用いたスイング解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、所定期間Ta内において、ヘッド部の合成速度Vhcs(センサ座標系)が最大となる時刻は、時刻txであるとする。また、絶対座標系において、グリップエンド加速度aの初期値はa=(0,0,0)に設定され、グリップエンド速度vの初期値はv=(0,0,0)に設定され、グリップエンド位置pの初期値は、p=(0,0,0)に設定されている。なお、センサ装置20が静止している場合には加速度センサは重力加速度を検出するため、グリップエンド加速度aの初期値は、重力加速度1g(≒9.8m/s)が差し引かれているものとする。
図8を参照して、CPU102は、所定期間Taのある時刻tのセンサ情報に拡張カルマンフィルタを適用して、時刻tにおけるグリップエンド部の姿勢(以下、「グリップエンド姿勢」とも称する。)を表わすクォータニオンを算出(推定)する(ステップS50)。具体的には、CPU102は、以下のような演算を実行する。
グリップエンド部でのX軸,Y軸,Z軸方向の加速度(センサ座標系)と、X軸,Y軸,Z軸周りの角速度(センサ座標系)とを入力として、CPU102は、以下の非線形状態方程式(4)および非線形観測方程式(5)を解く。なお、式(4)中のj(t)、F(j(t))、W(t)は、それぞれ状態量、システムの時間遷移に関する線形モデル、システム雑音を表わしている。式(5)中のk(t)、H(j(t))、M(t)は、それぞれ観測量、状態空間を観測空間に線形写像する観測モデル、観測雑音を表わしている。
式(4)中のj(t)は式(6)のように表され、およびF(j(t))は式(7−1)または式(7−2)のように表わされる。式(6)中のq(t)は、所定期間Ta内のある時刻tにおけるグリップエンド姿勢を表わすクォータニオンである。式(7−1)および式(7−2)中のTは、センサ装置20におけるサンプリング周期である。なお、式(7−2)は、式(7−1)に対してセンサ装置20のバイアス誤差b、b、bを考慮したものである。
式(5)中のk(t)およびH(j(t))は、それぞれ式(8)および式(9)のように表わされる。式(9)中のRq(t)は、q(t)(クォータニオン)をセンサ座標系から絶対座標系への変換のための回転行列に変換したものである。
上述した式(4)〜(9)を用いることにより、所定期間Ta内のある時刻tにおけるグリップエンド姿勢を表わすクォータニオンq(t)が導かれる。
クォータニオンは、3つの虚数q1,q2,q3と1つの実数q4の4変数からなるベクトルである。ロール・ピッチ・ヨーの姿勢表現ではシンバルロックという特異点問題があるが、クォータニオンでは、特異点が無く全ての姿勢を表すことができる。
次に、CPU102は、導出されたグリップエンド姿勢q(t)をセンサ座標系から絶対座標系への変換のための回転行列に変換する(ステップS52)。具体的には、時刻tにおけるグリップエンド姿勢(クォータニオン)をセンサ座標系から絶対座標系への変換のための回転行列に変換したものであるRq(t)(以下、「グリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)」とも称する。)は、以下の式(10)のように表される。
次に、CPU102は、時刻tにおいて、グリップエンド部が加速状態であるか否かを判断する(ステップS54)。具体的には、CPU102は、時刻tにおいて、グリップエンド部の合成加速度(センサ座標系)が以下の式(11)を満たすか否かを判断する。なお、式(11)中のa(t),a(t),a(t)は、それぞれ、時刻tにおけるグリップエンド部でのX軸,Y軸,Z軸方向の加速度(センサ座標系)である。
式(11)は、センサ装置20が静止している場合には加速度センサが重力加速度である1g(≒9.8m/s)を検出することを利用している。具体的には、グリップエンド部の合成加速度が1g付近の場合(式(11)を満たす場合)には加速していない状態であり、1g付近ではない場合(式(11)を満たさない場合)には、加速状態であるとみなすことができる。このことから、式(11)中の下限閾値(0.9)および上限閾値(1.2)は、1付近の値であればよく、これ以外の値であってもよい。
次に、時刻tにおいて、グリップエンド部が加速状態ではない場合には(ステップS54においてNO)、CPU102は、時刻tにおける絶対座標系でのグリップエンド加速度a(t)を初期値に設定する(ステップS56)。具体的には、CPU102は、a(t)=(0,0,0)に設定する。
一方、時刻tにおいて、グリップエンド部が加速状態である場合には(ステップS54においてYES)、CPU102は、ヘッド速度(センサ座標系)が最大となる時刻txにおけるグリップエンド姿勢(回転行列)Rqに基づいて、時刻tにおけるグリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)を補正する(ステップS58)。具体的には、CPU102は、以下のような演算を実行する。
まず、時刻txにおけるグリップエンド姿勢を表わすクォータニオンqが式(12)のように表されるとする。
そうすると、式(10)に基づいて、時刻txにおけるグリップエンド姿勢(クォータニオン)を回転行列に変換したものであるRqは、以下の式(13)のように表される。
時刻txにおけるZ軸周りの回転を表す回転行列Rzは、回転角をθとすると、以下の式(14)のように表わされる。
なお、回転角θは、以下の式(15)のように表される。
グリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)に、回転行列Rzの転置行列Rzを掛け合わせることにより、時刻tにおけるグリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)が補正される。具体的には、ヘッド速度(センサ座標系)が最大となる時刻txは、一般的に、バッティングにおけるインパクト時(バッターの両肩およびバットが略平行な時点)近傍となる。そのため、時刻tにおけるグリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)は、バッティング中にグリップエンド部が正面を向くと考えられる当該時点(時刻txに対応)でのグリップエンド姿勢(回転行列)に基づいて補正される。これによって、複数回のスイングによる方位誤差をリセットし、高精度にスイング軌道を算出することが可能になる。
次に、CPU102は、センサ座標系での3軸方向のグリップエンド加速度a(t),a(t),a(t)と、補正されたグリップエンド姿勢(回転行列)Rq(t)とに基づいて、絶対座標系でのグリップエンド加速度a(t)を算出する(ステップS60)。具体的には、CPU102は、式(16)を用いてグリップエンド加速度a(t)を算出する。
なお、上述したように、加速度センサは重力加速度を検出する。そのため、式(16)に示すように、センサ座標系におけるグリップエンド加速度から、絶対座標系におけるグリップエンド加速度に座標変換する場合には、重力加速度が差し引かれる。
次に、CPU102は、時刻tにおいて、グリップエンド部の合成角速度Vcs(センサ座標系)が閾値Vth未満か否かを判断する(ステップS62)。なお、時刻tにおけるグリップエンド部の合成角速度Vcs(t)は、以下の式(17)のように表される。
時刻tにおいて、グリップエンド部の合成角速度Vcs(t)が閾値Vth未満である場合には(ステップS62においてNO)、CPU102は、時刻tにおける絶対座標系でのグリップエンド速度v(t)を初期値に設定する(ステップS64)。具体的には、CPU102は、v(t)=(0,0,0)に設定する。
一方、時刻tにおいて、グリップエンド部の合成角速度Vcsが閾値Vth以上である場合には(ステップS62においてYES)、CPU102は、グリップエンド加速度a(t)を順方向積分してグリップエンド速度v(t)を算出する(ステップS66)。具体的には、グリップエンド速度v(t)は、グリップエンド加速度a(t)、1周期前の時刻で算出されたグリップエンド速度v(t−1)、およびサンプリング周期Tを用いると以下の式(18)のように表わされる。
次に、CPU102は、式(18)を用いて算出されたグリップエンド速度v(t)に基づいて、時刻tにおける絶対座標系でのヘッド速度vhw(t)を算出する(ステップS68)。具体的には、ヘッド速度vhw(t)は式(19)のように表される。
次に、CPU102は、所定期間Ta内の各時刻(サンプリング周期毎の時刻)のセンサデータ(加速度および角速度の時系列データ)について、ステップS50からステップS68までの一連の処理を実行したか否かを判断する(ステップS72)。全ての時系列データについて、当該一連の処理が実行されていない場合には(ステップS72においてNO)、CPU102は次回の周期に対応する時刻(t+1)について当該一連の処理を繰り返す。
これに対して、全ての時系列データについて、当該一連の処理を実行した場合には(ステップS72においてYES)、CPU102は、順方向積分を用いたスイング解析処理を終了する。
再び、図7を参照して、CPU102は、メモリ104を参照して、所定期間Taの開始時刻から時刻t0までの所定期間Tbに含まれるセンサ情報の時系列データを用いて、逆方向積分を用いたスイング解析処理を実行する(ステップS22)。所定期間Taの開始時刻が時刻tsの1秒前である場合、所定期間Tbは、時刻tsの1秒前から時刻t0までの期間に設定される。
以下、逆方向積分を用いたスイング解析処理について詳細に説明する。図9は、本実施の形態に従うスイング解析装置10が実行する逆方向積分を用いたスイング解析処理の一例を示すフローチャートである。絶対座標系において、逆方向積分を開始する時刻t0でのグリップエンド速度vwbはvwb=(0,0,0)に設定され、グリップエンド位置pwbは、pwb=(0,0,0)に設定される。
CPU102は、ステップS80〜S86の処理を実行する。ここで、ステップS80,S82,S84,S86の処理は、それぞれ図8中のステップS50,S52,S58,S60の処理と同様である。具体的には、ある時刻tについての絶対座標系でのグリップエンド加速度a(t)が算出される。なお、図8において順方向積分によるスイング解析処理により所定期間Ta内の各時刻でのグリップエンド加速度a(t)は算出済みである。そのため、CPU102は、ステップS80〜S86の処理を省略して、メモリ104に記憶された各時刻でのグリップエンド加速度a(t)を用いてステップS88以降の処理を実行するように構成されていてもよい。
CPU102は、グリップエンド加速度a(t)を逆方向積分してグリップエンド速度vwb(t)を算出する(ステップS88)。具体的には、グリップエンド速度vwb(t)は、1周期前の時刻で算出されたグリップエンド速度vwb(t+1)、時刻(t+1)でのグリップエンド加速度a(t+1)およびサンプリング周期Tを用いると以下の式(20)のように表わされる。
次に、CPU102は、式(19)中のv(t)に、算出されたグリップエンド速度vwb(t)を代入して、時刻tにおける絶対座標系でのヘッド速度vhwb(t)を算出する(ステップS90)。
続いて、CPU102は、所定期間Tb内の各時刻(サンプリング周期毎の時刻)のセンサデータ(加速度および角速度の時系列データ)について、ステップS80からステップS90までの一連の処理を実行したか否かを判断する(ステップS94)。全ての時系列データについて、当該一連の処理が実行されていない場合には(ステップS94においてNO)、CPU102は次回の周期に対応する時刻(t−1)について当該一連の処理を繰り返す。
これに対して、全ての時系列データについて、当該一連の処理を実行した場合には(ステップS94においてYES)、CPU102は、逆方向積分を用いたスイング解析処理を終了する。
再び、図7を参照して、CPU102は、順方向積分により算出されたグリップエンド速度v(t)、および逆方向積分により算出されたグリップエンド速度vwb(t)に適応カルマンフィルタを適用して、グリップエンド速度Vfb(t)を算出する(ステップS24)。具体的には、CPU102は、以下のような演算を実行する。
順方向積分に基づく3軸方向のグリップエンド速度vwx(t),vwy(t),vwz(t)と、逆方向積分に基づく3軸方向のグリップエンド速度vwbx(t),vwby(t),vwbz(t)とを入力として、CPU102は、以下の状態方程式(21)および観測方程式(22)を解く。
式(21)中のx(t)は、3軸方向のグリップエンド速度Vfbx(t),Vfby(t),Vfby(t)を表わし、u(t)は3軸方向のグリップエンド加速度awx(t),awy(t),awz(t)を表わし、w(t)はプロセス雑音であり、W(t)はプロセス雑音(白色雑音)の大きさを表わす共分散行列である。なお、W(t)の対角成分であるdは定数(例えば、0.001)である。式(22)中のm(t)は観測雑音であり、M(t)は観測雑音(白色雑音)の大きさを表わす共分散行列である。なお、M(t)の対角成分中のhは定数(例えば、3)である。
CPU102は、スイング期間の初期、中期、終期について、定数h(例えば、h=3)を用いて観測ノイズに関する共分散行列M(t)を変化させることにより、各期間のグリップエンド速度Vfb(t)を算出する。具体的には、tの値が小さいほど、グリップエンド速度Vfb(t)には、順方向積分に基づくグリップエンド速度v(t)が大きく反映され(すなわち、グリップエンド速度v(t)の重みが大きく)、逆方向積分に基づくグリップエンド速度vwb(t)が小さく反映される(すなわち、グリップエンド速度v(t)の重みが小さい)。
ここで、スイング期間が時刻tsの1秒前から時刻t0(すなわち、所定期間Tb)であるとする。スイング期間の初期においては、tの値が小さい(すなわち、スイング期間の開始時刻からの経過時間が短い)。そのため、CPU102は、グリップエンド速度v(t)の重みよりもグリップエンド速度vwb(t)の重みが小さいグリップエンド速度Vfb(t)を算出する。当該算出されたグリップエンド速度Vfb(t)の結果に対しては、順方向積分に基づくグリップエンド速度v(t)の結果が大きく影響しており、逆方向積分に基づくグリップエンド速度vwb(t)の結果はほとんど影響を及ぼさない。
スイング期間の中期においては、初期の場合よりもtの値が大きくなる(すなわち、スイング期間の開始時刻からの経過時間が長くなる)。そのため、スイング期間の中期において、CPU102により算出されたグリップエンド速度Vfb(t)の結果に対しては、グリップエンド速度v(t)の結果およびグリップエンド速度vwb(t)の結果が同程度の影響を及ぼすことになる。
スイング期間の終期においては、中期の場合よりもtの値がさらに大きくなる(すなわち、スイング期間の開始時刻からの経過時間がさらに長くなる)。そのため、CPU102は、グリップエンド速度v(t)の重みよりもグリップエンド速度vwb(t)の重みが大きいグリップエンド速度Vfb(t)を算出する。当該算出されたグリップエンド速度Vfb(t)の結果に対しては、順方向積分に基づくグリップエンド速度v(t)の結果はほとんど影響を及ぼさず、逆方向積分に基づくグリップエンド速度vwb(t)の結果が大きく影響する。このように、各期間について、グリップエンド速度v(t)およびグリップエンド速度vwb(t)の重みが変動することにより、実際の速度を精度よく反映するグリップエンド速度を算出できる。
また、CPU102は、順方向積分に基づくヘッド速度vhw(t)および逆方向積分に基づくヘッド速度vhw(t)についても上記と同様な方式で適応カルマンフィルタを適用することにより、各期間について、実際の速度を精度よく反映するヘッド速度Vhfb(t)を算出してもよい。この場合、CPU102は、絶対座標系での3軸方向のヘッド速度vhfbx(t),vhfby(t),vhfbz(t)を式(23)に用いて、ヘッド合成速度Vhc(t)を算出してもよい。
次に、CPU102は、適応カルマンフィルタを用いて算出されたグリップエンド速度Vfb(t)を時間積分してグリップエンド軌道を算出する(ステップS26)。また、CPU102は、適応カルマンフィルタを用いて算出されたヘッド速度Vhfb(t)を時間積分してヘッド軌道を算出してもよい。CPU102は、算出結果として、例えば、スイング軌道(グリップエンド軌道およびヘッド軌道の少なくとも一方)およびヘッド速度(あるいは、ヘッド合成速度)をディスプレイ110に表示する(ステップS28)。そして、処理は終了する。
<実施例>
本願発明者は、上述したスイング解析方式の有効性について検証した。図10〜図13を参照しながら、その検証結果について説明する。検証方法としては、本実施の形態に従うスイング解析方式(以下、単に「本解析方式」)を用いた場合のグリップエンド速度およびグリップエンド軌道と、比較例に従うスイング解析方式(比較例解析方式)を用いた場合のグリップエンド速度およびグリップエンド軌道とを比較することにより行なった。また、本実施例では、右利きの被験者にスイングをしてもらい、グリップエンド速度およびスイング軌道を算出した。
(グリップエンド速度)
図10は、比較例解析方式(その1)により算出されたグリップエンド速度を示す図である。図11は、比較例解析方式(その2)により算出されたグリップエンド速度を示す図である。図12は、本解析方式により算出されたグリップエンド速度を示す図である。
ここで、比較例解析方式(その1)に基づくグリップエンド速度は、上述した図7中のステップS20に対応するスイング解析処理(順方向積分)により算出されており、ステップS22に対応するスイング解析処理(逆方向積分)は実行されていない(これに伴いステップS24も実行されていない)。比較例解析方式(その2)に基づくグリップエンド速度は、S22に対応するスイング解析処理(逆方向積分)により算出されており、ステップS20に対応するスイング解析処理(順方向積分)は実行されていない。
図10を参照して、スイング開始付近においては、順方向積分に基づいて算出されたグリップエンド速度は、ゼロ近傍から急激に立ち上がっており、実際のグリップエンド速度(以下、「実グリップエンド速度」とも称する。)を精度よく反映している。しかし、スイング終了付近(領域500に対応)においては、算出されたグリップエンド速度は、積分誤差の蓄積の影響のためゼロに向かって落ち着いておらず、実グリップエンド速度を精度よく反映できていない。
図11を参照して、スイング終了付近においては、逆方向積分に基づいて算出されたグリップエンド速度は、ゼロに向かって落ち着いており実グリップエンド速度を精度よく反映している。しかし、スイング開始付近(領域600に対応)においては、算出されたグリップエンド速度は、積分誤差の影響のためゼロ近傍に落ち着いておらず、実速度を精度よく反映できていない。
一方、図12を参照して、本解析方式に基づいて算出されたグリップエンド速度は、スイング開始付近においては、ゼロ近傍から急激に立ち上がっている。また、スイング終了付近においては、算出されたグリップエンド速度は、ゼロに向かって落ち着いている。そのため、本解析方式によると、スイング開始から終了までの全期間にわたって実際のグリップエンド速度を精度よく反映できている。
(スイング軌道)
図13は、各スイング解析方式により算出されたグリップエンド軌道を示す図である。具体的には、図13(a)は、比較例解析方式により算出されたグリップエンド軌道を示している。ここで、比較例解析方式に基づくグリップエンド軌道は、図7中のステップS20に対応するスイング解析処理(順方向積分)により算出されており、ステップS22に対応するスイング解析処理(逆方向積分)は実行されていない(これに伴いステップS24も実行されていない)。図13(b)は、本解析方式により算出されたグリップエンド軌道を示している。
図13(a)を参照すると、スイングするときに手首を返す状態が反映されておらず、比較例解析方式に基づいて算出されたグリップエンド軌道は、被験者の実際のグリップエンド軌道を反映できていない。
一方、図13(b)を参照すると、スイングするときに手首を返す状態が反映されている様子(図中の領域700に対応)が確認できる。そのため、本解析方式によるグリップエンド軌道は、被験者の実際のグリップエンド軌道を精度良く反映している。
図10〜図13の結果によると、各方式ともに、拡張カルマンフィルタを用いた姿勢算出を行なっているため、精度良くバット(センサ装置)の姿勢を推定できている。また、各方式ともに、センサ装置20の方位補正を行なっているため、被験者がスイングする前にバットを握り返したりすることによる方位誤差の影響を排除できている。しかし、比較例方式では、積分誤差の蓄積により、実際のグリップエンド速度およびグリップエンド軌道を精度よく推定できなかったと考えられる。本解析方式によると、精度の良いバットの姿勢推定を可能とするとともに、バットの握り返し等の方位誤差に影響を与える要素を排除し、さらに積分誤差の蓄積をも排除できるため、実際のグリップエンド速度およびグリップエンド軌道を精度よく推定できる。
<その他の実施の形態>
上述した実施の形態では、打球具としてのバットをスイングする構成について説明したが、当該構成に限られない。被験者が打球具をスイングする点において、例えば、野球、テニス、ゴルフ、バドミントンなどのスポーツは共通している。そのため、打球具は、テニスまたはバドミントンで用いられるラケット、ゴルフで用いられるゴルフクラブであってもよい。さらに、打球具を利用しない打具によるスイング動作(剣道における竹刀のスイング動作等)、あるいは道具を利用しないスイング動作(サッカーの脚のスイング動作、マラソンの腕のスイング動作等)にも広く適用することができる。
上述した実施の形態において、スイング解析装置10は、スイング軌道の算出結果として、図13(b)などのグリップエンド軌道を表示してもよいし、ヘッド速度の算出結果として、図12に示すような時系列のヘッド速度、あるいは最大ヘッド速度を表示してもよい。また、スイング解析装置10は、被験者のスイング回数を表示してもよい。
上述した実施の形態において、適応カルマンフィルタの代わりに拡張カルマンフィルタを適用することにより、最終的なスイング速度(グリップエンド速度およびヘッド速度の少なくとも一方)およびスイング軌道を算出する構成であってもよい。
上述した実施の形態では、ヘッド部の合成速度がゼロに到達した時刻t0(または、ゼロ近傍に到達した時刻)を算出して、時刻t0から遡って逆方向積分を行なうことにより、逆方向積分に基づく第2の速度を算出する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、スイング期間を所定期間Taとして規定し、所定期間Taの終了時刻から遡って第2の速度を算出する構成であってもよい。
また、コンピュータを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本実施の形態にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
<実施の形態の効果>
本実施の形態によると、被験者が長時間連続して複数回のスイングを行なう場合であっても、各スイングについて精度よくスイング軌道およびスイング速度を算出することができる。これにより、例えば、スイング回数を重ねることによる測定誤差(ドリフト誤差など)を修正するために、センサ装置をリセットするなどの余計な手間を省くことができ、被験者はスイングだけに集中することができる。
本実施の形態によると、バットにセンサ装置を取り付けるだけでよいため、例えば、被験者の自宅でのスイングチェック用や、監督などによる部員のスイングチェック用など様々な場面で簡単に利用することができる。
また、本実施の形態によると、ドリフト誤差などの補正のために地磁気センサを用いる必要がないため、システム全体としての低コスト化を実現することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 スイング解析装置、20 センサ装置、80 バット、102,202 CPU、104,204 メモリ、106 タッチパネル、108 ボタン、110 ディスプレイ、112 無線通信部、113 通信アンテナ、114 メモリインターフェイス、115 記録媒体、116 スピーカ、118 マイク、120 通信インターフェイス、150 情報入力部、152 姿勢算出部、154 補正部、156 座標変換部、158 第1の速度算出部、160 第2の速度算出部、162 スイング情報算出部、164 回数算出部、166 報知部、206 加速度センサ、208 角速度センサ、212 蓄電池、500,600,700 領域、1000 スイング解析システム。

Claims (9)

  1. 被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付ける情報入力部と、
    前記加速度情報および前記角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を算出する姿勢算出部と、
    前記スイング期間の第1の時刻における前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を補正する補正部と、
    前記補正部により補正された前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記センサにより検出された前記加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換する座標変換部と、
    前記スイング期間において、時間の経過に従って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第1の速度を算出する第1の速度算出部と、
    前記スイング期間において、時間を遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する第2の速度算出部と、
    前記第1の速度および前記第2の速度に第2のフィルタを適用して、前記被検出対象のスイング速度を算出するスイング情報算出部とを備え、
    前記第2の速度算出部は、前記スイング期間において、前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して前記第2の速度を算出する、スイング解析装置。
  2. 前記スイング期間は、複数の期間に区分され、
    前記スイング情報算出部は、
    前記複数の期間のうち前記スイング期間の開始時刻を含む第1の期間においては、前記第1の速度の重みよりも前記第2の速度の重みを小さくするように前記第2のフィルタを適用して前記スイング速度を算出し、
    前記複数の期間のうち前記スイング期間の終了時刻を含む第2の期間においては、前記第1の速度の重みよりも前記第2の速度の重みを大きくするように前記第2のフィルタを適用して前記スイング速度を算出する、請求項1に記載のスイング解析装置。
  3. 前記スイング情報算出部は、前記複数の期間のうち時間的に後の期間ほど、前記第1の速度の重みを小さくし、前記第2の速度の重みを大きくするように前記第2のフィルタを適用して、各前記期間における前記スイング速度を算出する、請求項2に記載のスイング解析装置。
  4. 前記第1の時刻は、前記スイング期間において、前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度が最大となる時刻である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスイング解析装置。
  5. 前記スイング期間は、前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度が第1の基準閾値を超えた第2の時刻を基準とした前後の一定期間である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイング解析装置。
  6. 前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度が予め定められた速度に到達した回数に基づいて、前記被検出対象のスイング回数を算出する回数算出部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスイング解析装置。
  7. 前記第1のフィルタは拡張カルマンフィルタであり、前記第2のフィルタは適応カルマンフィルタである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスイング解析装置。
  8. コンピュータに被検出対象のスイングを解析させるためのプログラムであって、
    前記プログラムは、前記コンピュータに、
    前記被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付けるステップと、
    前記加速度情報および前記角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を算出するステップと、
    前記スイング期間の第1の時刻における前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を補正するステップと、
    前記補正された前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記センサにより検出された前記加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換するステップと、
    前記スイング期間において、時間の経過に従って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第1の速度を算出するステップと、
    前記スイング期間において、時間を遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第2の速度を算出するステップと、
    前記第1の速度および前記第2の速度に第2のフィルタを適用して、前記被検出対象のスイング速度を算出するステップとを実行させ、
    前記第2の速度を算出するステップは、前記スイング期間において、前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して前記第2の速度を算出することを含む、プログラム。
  9. 被検出対象に取り付けられたセンサと、
    前記被検出対象のスイングを解析するためのスイング解析装置とを備え、
    前記スイング解析装置は、
    被検出対象に取り付けられたセンサにより検出された加速度情報および角速度情報の入力を受け付ける情報入力部と、
    前記加速度情報および前記角速度情報に第1のフィルタを適用して、スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を算出する姿勢算出部と、
    前記スイング期間の第1の時刻における前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記スイング期間の前記被検出対象の姿勢情報を補正する補正部と、
    前記補正部により補正された前記被検出対象の姿勢情報に基づいて、前記センサにより検出された前記加速度情報をセンサ座標系から絶対座標系に座標変換する座標変換部と、
    前記スイング期間において、時間の経過に従って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第1の速度を算出する第1の速度算出部と、
    前記スイング期間において、時間を遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して第2の速度を算出する第2の速度算出部と、
    前記第1の速度および前記第2の速度に第2のフィルタを適用して、前記被検出対象のスイング速度を算出するスイング情報算出部とを含み、
    前記第2の速度算出部は、前記スイング期間において、前記角速度情報に基づいて算出される前記被検出対象の速度がゼロまたはゼロ近傍に到達する時刻から遡って前記絶対座標系に座標変換された前記加速度情報を時間積分して前記第2の速度を算出する、スイング解析システム。
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