JP6804496B2 - 熱破壊式電力切断スイッチ及び該スイッチを備えたコンセント - Google Patents

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Description

本発明は熱破壊式電力切断スイッチ及び該スイッチを備えたコンセントに関し、特に、ヒューズ及びバイメタルの切断構造とは異なり、電流の通過に依存することなく破壊を実行できる過熱破壊部材であって、熱エネルギーの伝達を通じて破壊を実行し、スイッチに導通を切断させる、熱破壊式電力切断スイッチ及び該スイッチを備えたコンセントに関する。
従来のロッカースイッチは、制御スイッチを一定の角度範囲内で往復枢動させることで、スイッチの接続または切断を制御しており、例えば、中華民国特許第560690号「切替スイッチの火花遮蔽構造」は、スイッチの枢動時に位置決め部材を利用して第1位置または第2位置にスイッチを位置決めすることで、接続または切断を形成している。
従来の押しボタンスイッチは、毎回の押圧操作でスイッチの接続と切断を反復制御することができ、ボタンには従来の自動ボールペンの往復ボタンに似た構造を利用し、該スイッチのボタンを押すたびに下方位置または上方位置に位置決めしており、一例として中国特許第CN103441019号の「ボタンスイッチ」がある。
中華民国特許第321352号の「ワイヤ上スイッチ構造の改良」はヒューズを備えたスイッチ構造を開示しているが、該ヒューズが電源活線の経路中に配置されているため、保護作用が電流の通過に依存しており、特に過負荷の電流でやっと該ヒューズを切断させることができるもので、ヒューズの動作時に電流を通過させる必要があり、一方で電流が過大のときのみヒューズの切断が可能であるため、往々にして低融点の鉛錫合金、亜鉛を使用してヒューズとするが、その導電性は銅にはるかに及ばない。延長コンセントを例とすると、延長コンセントは主に銅を導電体として使用するが、延長コンセントに中華民国特許第321352号のスイッチを組み合わせて電源を制御する場合、ヒューズの導電率が優れず、エネルギー消費の問題が生じやすい。
中華民国特許第M382568号の「双極自動切断式安全スイッチ」は、バイメタル型の過負荷保護スイッチを開示しているが、バイメタルは同様に電流が通過する経路中に配置する必要があり、電流の通過によって変形を生じ、特に過負荷の電流でやっと該バイメタルを変形させて電気回路を中断させることができる。
中華民国特許第M250403号の「グループ式コンセントに用いる過負荷保護スイッチの構造」は、延長コンセントに応用した過負荷保護スイッチを開示しており、該特許の過負荷保護スイッチにはバイメタルが設置され、延長コンセント全体の総仕事率が超過したとき、該バイメタルが熱で変形して自動的にトリップし、電気を遮断して保護の作用を達成する。しかしながら、該バイメタルの過負荷保護作用は電流の通過に依存する必要があり、バイメタルの導電率は銅にはるかに及ばないため、エネルギー消費の問題が生じやすい。
また、電流の過負荷で過熱が引き起こされるほか、延長コンセントを例とすると、次の状況でいずれも任意のコンセントの過熱が発生する可能性がある。
1. プラグの金属刃が重度に酸化し、金属刃が酸化物に覆われると、プラグをコンセントに差し込んだとき、導電性が悪い酸化物によって抵抗が大きくなり、コンセントが過熱する。
2. プラグの金属刃をコンセントに差し込んだとき、差込みが不十分で、局部のみの接触となり、過小な接触面積がコンセントの過熱につながる。
3. プラグの金属刃が変形または摩損し、コンセントに差し込んだときの接触が不完全となり、過小な接触面積によってコンセントの過熱が引き起こされる。
4. プラグの金属刃またはコンセントの金属片に異物(埃や汚れなど)が付着し、導電性が悪くなり、抵抗が大きくなって過熱する。
上述の状況下では、コンセントの動作温度と過負荷保護スイッチの動作温度に大きな落差が生じる。
発明者は、米国特許出願第US9698542号の「Assembly and method of plural conductive slots sharing an overheating destructive fixing element」において、銅片の距離と温度の差異の実験を開示しており、US9698542号特許出願のTABLE 2の試験では、上述の過熱したコンセントがTABLE 2の実験の位置10に位置し、上述の過負荷保護スイッチがTABLE 2の実験の位置1に位置する場合、両者間の距離は9センチであり、コンセントの動作温度が202.9℃に達し、25分経過後、過負荷保護スイッチの動作温度はわずか110.7℃であったことが分かった。つまり、コンセントと過負荷保護スイッチ間の距離が9センチのとき、コンセントの動作温度がすでに過熱して202.9℃に達し、燃焼事故が起こる可能性があるとき、過負荷保護スイッチのバイメタルはまだ110.7℃で、変形の温度に達しておらず、過負荷保護スイッチは自動的にトリップして電気を遮断しない。
コンセントに過熱を生じる状況はさまざまであり、かつコンセントと過負荷保護スイッチのバイメタルの距離によって極めて大きな温度差が生じるため、効果的に過熱保護を達成するには、延長コンセントの各コンセント上に過負荷保護スイッチのバイメタルを設置すべきであるが、バイメタル型の過負荷保護スイッチは価格が比較的高く、延長コンセントの各コンセントすべてに設置する場合、価格の大幅な上昇を免れず、逆に普及使用に不利となる。
中華民国特許第560690号明細書 中国特許第CN103441019号明細書 中華民国特許第321352号明細書 中華民国特許第M382568号明細書 中華民国特許第M250403号明細書 米国特許出願第US9698542号明細書
現在使用されている延長コンセントとそのスイッチを鑑みると、それぞれ上述のような欠点があるため、本発明の目的は、それらの欠点を改善できる、熱破壊式電力切断スイッチ及び該スイッチを備えたコンセントを提供することにある。
本発明の熱破壊式電力切断スイッチは、座体と、第1導電部材と、第2導電部材と、可動導電部材と、過熱破壊部材と、操作ユニットと、第2弾性部材を含み、該座体が収納空間を備え、該第1導電部材が該座体に穿置され、該第2導電部材が該座体に穿置され、該可動導電部材が該収納空間内に設置され、該第1導電部材に電気的に接続され、かつ該第2導電部材に選択的に接続され、該過熱破壊部材が、破壊温度下で破壊され、該破壊温度が100℃〜250℃であり、該操作ユニットが該座体に組み込まれ、操作部材と、第1弾性部材を含み、該操作部材が接触部材と、規制部材を含み、該接触部材が該可動導電部材に接触し、該過熱破壊部材が該規制部材に当接され、該第1弾性部材が該接触部材と該過熱破壊部材の間で圧縮されて規制され、第1弾性力を有し、該第2弾性部材が第2弾性力を有し、該第2弾性力が該操作部材に作用し、該操作部材が第1位置にあるとき、該第1弾性力が該接触部材に該可動導電部材を押圧させ、該可動導電部材を該第2導電部材に接触させて通電状態を形成し、該通電状態下で、電流が該第1導電部材、該可動導電部材、該第2導電部材を通過して熱エネルギーを生成し、該熱エネルギーが該接触部材、該第1弾性部材を介して該過熱破壊部材に伝達され、該過熱破壊部材が該熱エネルギーを吸収して、該破壊温度下で破壊され、それにより該第1弾性力が小さくなるか失われ、このとき該第2弾性力が該第1弾性力より大きくなり、該第2弾性力が該操作部材を第2位置まで移動させ、それにより該可動導電部材が該第2導電部材を離脱して電力切断状態が形成される。
前記第2弾性部材はばねである。
前記第1導電部材と該第2導電部材の排列方向を縦方向と定義し、該操作部材が該縦方向上に一定長さを備え、該第1弾性部材が該長さの中央位置に設置され、該第2弾性部材の該長さにおける設置位置と、該中央位置の間には一定の距離がある。
前記可動導電部材はロッキング導電部材であり、該ロッキング導電部材が該第1導電部材に跨設され、該接触部材が該ロッキング導電部材上で摺動し、該ロッキング導電部材をシーソーのような運動形態で該第2導電部材と接触または分離させる。
前記操作部材に枢着点が設けられ、該枢着点が該座体に枢着され、該操作部材が該枢着点を軸心として一定限度内で往復枢動する。
前記操作部材がさらに中心筒と、内筒を含み、該中心筒の該可動導電部材から遠い一端に貫通孔が設けられ、該規制部材が該貫通孔の周縁に設置され、該中心筒が該内筒に緊密に被着され、該内筒が貫通状の収容空間を備え、該第1弾性部材が該収容空間内に設置され、該収容空間の二端にそれぞれ第1開口と第2開口が設けられ、該接触部材の一部が該収容空間に挿入され、該接触部材の一部が該第1開口から突出され、該貫通孔の径幅が該第1弾性部材の径幅より大きい。
前記接触部材が空心状を呈する熱伝導ハウジングであり、該熱伝導ハウジングが開口端と弧形の接触端を含み、該接触端が該可動導電部材に接触し、かつ該第1弾性部材の一端が該開口端内に挿入される。
前記過熱破壊部材は、円形片体、柱体、帽子状体、ブロック体、球体、不規則体または放射状片体とすることができる。
前記可動導電部材がカンチレバー導電部材であり、該第2弾性部材はばね片であり、該第1導電部材、該ばね片、該カンチレバー導電部材の三者が一体成形される。
前記座体に突出部が設けられ、該操作部材が該突出部に被せて設置され、該操作部材が該突出部で一定限度内の往復移動をする。
前記接触部材が支持熱伝導部材であり、該支持熱伝導部材が位置規制柱と支持座部を備え、該位置規制柱が該第1弾性部材の一端に挿入され、該支持座部が該カンチレバー導電部材に接触する。
前記操作部材がさらに中心筒と、内筒を含み、該中心筒の該カンチレバー導電部材から遠い一端に貫通孔が設けられ、該規制部材が該貫通孔の周縁に設置され、該中心筒が該内筒に緊密に被着され、該内筒が貫通状の収容空間を備え、該第1弾性部材が該収容空間内に設置され、該収容空間の二端にそれぞれ第1開口と第2開口が設けられ、該貫通孔の径幅が該第1弾性部材の径幅より大きい。
本発明のスイッチを備えたコンセントは、上述の熱破壊式電力切断スイッチ、活線差込片、活線導電部材、中性線導電部材、ハウジングを含み、そのうち、該ハウジングが活線差込口と、中性線差込口を含み、該活線差込片が該第2導電部材に電気的に接続され、該活線差込片が該活線差込口に対応する活線差込部を含み、該活線導電部材が活線連接端を含み、該活線連接端が該第1導電部材に電気的に接続され、該中性線導電部材が該中性線差込口に対応する中性線差込部を含む。
前記熱破壊式電力切断スイッチが複数であり、該活線差込口が複数であり、該活線差込片が複数であり、各活線差込片が各該第2導電部材にそれぞれ電気的に接続され、該活線導電部材が複数の活線連接端を含み、各活線連接端が各該第1導電部材に電気的に接続され、該中性線差込口が複数であり、該中性線差込部が複数であり、すべての該中性線差込部が該中性線導電部材に接続される。
上述の技術的特徴には次のような利点がある。
1.過熱破壊部材が電流伝達経路上になく、電流の伝達を担わないため、本発明を電器製品や延長コンセントに使用したとき、過熱破壊部材の導電性が銅に及ばなくても、電器や延長コンセントの電力性能に直接影響しない。
2.全体構造が簡単で製造しやすく、スイッチの体積が明らかに増加することもなく、かつ製造コストが比較的低く、既知のロッカースイッチ、押しボタンスイッチ、その他スイッチに実施しやすい。
3.体積が小さくコストが低いため、延長コードのスイッチでの応用に適しており、延長コードの各コンセントにそれぞれ1つ熱破壊式電力切断スイッチを配置すれば、各スイッチに対応する各コンセント差込口の使用時における安全性が確約される。これにより従来のバイメタルの価格が高く、複数のコンセント差込口で1つの過負荷保護スイッチを共用しなければならない欠点を改善することができる。かつ、過負荷保護スイッチから距離が比較的遠いコンセント差込口がすでに過熱していて温度上昇が起こっていても、過負荷保護スイッチがトリップ温度に達していないためトリップしない現象が発生しない。
本発明の実施例1を示す断面図であり、ロッカースイッチの構造及び該ロッカースイッチがオフの位置にあることを示す。 本発明の実施例1を示す断面図であり、該ロッカースイッチがオンの位置にあることを示す。 本発明の実施例1を示す断面図であり、該過熱破壊部材が過熱により破壊されると、該可動導電部材が該第2導電部材を離脱し、該ロッカースイッチがオンの位置からオフの位置に戻り、電力切断を形成することを示す。 本発明の実施例2を示す断面図であり、押しボタンスイッチの構造及び該押しボタンスイッチがオフの位置にあることを示す。 本発明の実施例2を示す断面図であり、該押しボタンスイッチがオンの位置にあることを示す。 本発明の実施例2を示す断面図であり、該過熱破壊部材が過熱により破壊されると、該可動導電部材が該第2導電部材を離脱して電力切断を形成することを示す。 本発明の実施例3の熱破壊式電力切断スイッチを延長コンセントに用いた立体分解図である。 本発明の実施例3の熱破壊式電力切断スイッチを延長コンセントに用いた構造透視図である。
上述の技術的特徴を総合し、本発明のコンセントとその熱破壊式電力切断スイッチの主な効果について、以下で実施例を挙げて詳しく説明する。
本発明の実施例1を図1に示す。本実施例は熱破壊式電力切断スイッチであり、かつ本実施例においてはロッカースイッチであり、図1に該ロッカースイッチがオフの状態を示す。該ロッカースイッチは、座体1Aと、第1導電部材2A及び第2導電部材3Aと、可動導電部材と、過熱破壊部材5Aを含む。
該座体1Aは収納空間11Aを備えている。
該第1導電部材2A及び第2導電部材3Aはいずれも該座体1Aに穿置される。
該可動導電部材は該収納空間11A内に設置され、該可動導電部材がロッキング導電部材4Aであり、該ロッキング導電部材4Aが該第1導電部材2Aに跨設され、該第1導電部材2Aに電気的に接続される。
該過熱破壊部材5Aは、破壊温度下で破壊され、該破壊温度が100℃〜250℃であり、該過熱破壊部材5Aは電流の持続的供給を維持するために用いるものではないため、例えばプラスチックなどの絶縁材料を選択して用いることができ、または非絶縁材料の低融点の合金を選択して用いることもできる。そのうち低融点の合金は、ビスマスとカドミウム、インジウム、銀、錫、鉛、アンチモン、銅のうちのいずれかまたは複数を組み合わせた合金とすることができ、またはその他融点が100℃〜250℃の間の低融点金属または合金としてもよく、例えば錫ビスマス合金の融点は約138℃である。本実施例において、該過熱破壊部材5Aは円形片体として設けられるが、その他例えば柱体、帽子状体、ブロック体、球体、不規則体または放射状片体等も実施可能な実施例である。
動作温度が異常に上昇した場合、活線回路を切断することが最善であるため、該第1導電部材A2が使用上活線第1端、該第2導電部材3Aが使用上活線第2端となっており、該ロッキング導電部材4Aにより該第1導電部材2Aと第2導電部材3Aを導通させて、活線回路を形成する。
本実施例の該ロッカースイッチはさらに、操作ユニット6Aを備え、該ロッキング導電部材4Aを操作して該第1導電部材2Aと該第2導電部材3Aを連通させ、活線回路を形成するか、或いは該第1導電部材2Aと該第2導電部材3Aの導通を切断し、活線に切断を形成する。該操作ユニット6Aは該座体1A上に組み込まれ、操作部材61Aと第1弾性部材62Aを含み、該操作部材61Aに枢着点611Aが設けられ、該枢着点611Aが該座体1Aに枢着され、該枢着点611Aを軸心として該操作部材61Aに一定限度内で往復枢動させることができる。該操作部材61Aはさらに、接触部材と、中心筒610Aと、内筒614Aと、規制部材612Aを含み、該接触部材が空心状を呈する熱伝導ハウジング613Aであり、該熱伝導ハウジング613Aが開口端6131Aと弧形の接触端6132Aを含み、該熱伝導ハウジング613Aの該接触端6132Aが該ロッキング導電部材4Aに接触し、該中心筒610Aの該ロッキング導電部材4Aから遠い一端に貫通孔615Aが設けられ、該規制部材612Aが該貫通孔615Aの周縁に設置される。該中心筒610Aが該内筒614Aに緊密に被着され、該内筒614Aが貫通状の収容空間6141Aを備え、該第1弾性部材62Aが該収容空間6141A内に設置され、該収容空間6141Aの二端にそれぞれ第1開口6142Aと第2開口6143Aが設けられ、該熱伝導ハウジング613Aの一部が該収容空間6141Aに挿入され、また該熱伝導ハウジング613Aの一部が該第1開口6142Aから突出される。該貫通孔615Aの径幅は該第1弾性部材62Aの径幅より大きい。該第1弾性部材62Aの一端が該熱伝導ハウジング613Aの該開口端6131A内に挿入され、該過熱破壊部材5Aが該規制部材612Aに当接され、該第1弾性部材62Aが該熱伝導ハウジング613Aと該過熱破壊部材5Aの間で圧縮されて規制され、第1弾性力を具備する。
本実施例のロッカースイッチはさらに第2弾性部材7Aを備え、該第2弾性部材7Aは本実施例においてばねであり、該第2弾性部材7Aは第2弾性力を備え、該第2弾性力が該操作部材61Aに作用する。
図2に示すように、使用者が該操作部材61Aを操作して該枢着点611Aの周りを枢動させ、該熱伝導ハウジング613Aを該ロッキング導電部材4A上で摺動させると、該ロッキング導電部材4Aにシーソーのような運動形態で該第2導電部材3Aと選択的に接触または分離させることができる。該熱伝導ハウジング613Aが該ロッキング導電部材4A上で該ロッキング導電部材4A上の銀接点41Aの方向に摺動すると、該第1弾性力が該銀接点41Aを該第2導電部材3Aに接触させて、通電状態を形成する。
図3に示すように、第1導電部材2Aまたは第2導電部材3Aに接続された外部導電設備に異常な状態が発生したとき、例えば外部導電設備がコンセントである場合、プラグの金属刃とコンセントの間に酸化物や埃がある、金属刃の挿入が不完全である、金属刃が変形している等の現象があると、コンセントの導電部位に比較的大きな熱エネルギーが発生し、該熱エネルギーが第1導電部材2Aまたは第2導電部材3Aを介してロッキング導電部材4Aに伝達され、さらに該熱伝導ハウジング613A、該第1弾性部材62Aを介して該過熱破壊部材5Aに伝達され、該過熱破壊部材5Aが該熱エネルギーを吸収して徐々にその材料の融点に達し、このとき該過熱破壊部材5Aが徐々に剛性を失い始める。例えば該過熱破壊部材5Aの材質が錫ビスマス合金である場合、その融点は138℃であるが、融点に近づくときに剛性が失われ始め、同時に該第1弾性力の作用下で、該過熱破壊部材5Aが該第1弾性部材62Aの圧迫を受けて変形し、さらには破壊される。本実施例において、図1に示した元々の過熱破壊部材5Aが破壊・変形されると、過熱破壊部材5Aが図3に示す形状となり、即ち過熱破壊部材5Aが2つの部分に分断され、該第1弾性部材62Aが該過熱破壊部材5Aを貫通して該貫通孔615Aから突出され、それにより該第1弾性力が小さくなるか失われて、このとき該第2弾性力が該第1弾性力より大きくなる。本実施例において、前記第1導電部材2Aと該第2導電部材3Aの排列方向を縦方向と定義し、該操作部材61Aが該縦方向上に一定長さを備え、該第1弾性部材62Aが該長さの中央位置に設置され、該第2弾性部材7Aの該長さにおける設置位置と、該中央位置の間には一定の距離がある。このため、該第2弾性力が該第1弾性力より大きくなると、該操作部材61Aがトルクの作用で、該枢着点611Aを軸心として枢動され、該熱伝導ハウジング613Aを動かして該ロッキング導電部材4A上で摺動させ、該操作部材61Aがオフの位置に移動されるため、該ロッキング導電部材4Aの銀接点41Aが該第2導電部材3Aを離脱し、電力の切断状態が形成され、これにより過熱保護作用が達成される。
本発明の実施例2を図4に示す。本実施例は熱破壊式電力切断スイッチであり、かつ本実施例においては押しボタンスイッチであり、図4に該押しボタンスイッチがオフの状態を示す。該押しボタンスイッチは、座体1Bと、第1導電部材2B及び第2導電部材3Bと、可動導電部材と、過熱破壊部材5Bを含む。
該座体1Bが収納空間11Bと、突出部12Bを備えている。
該第1導電部材2B及び第2導電部材3Bはいずれも該座体1Bに穿置される。
該可動導電部材が該収納空間11B内に設置され、該可動導電部材はカンチレバー導電部材4Bである。
該過熱破壊部材5Bは、破壊温度下で破壊され、該破壊温度が100℃〜250℃であり、該過熱破壊部材5Bは電流の持続的供給を維持するために用いるものではないため、例えばプラスチックなどの絶縁材料を選択して用いることができ、または非絶縁材料の低融点の合金を選択して用いることもできる。低融点の合金は、ビスマスとカドミウム、インジウム、銀、錫、鉛、アンチモン、銅のうちのいずれかまたは複数を組み合わせた合金とすることができ、またはその他融点が100℃〜250℃の間の低融点金属または合金としてもよく、例えば錫ビスマス合金の融点は約138℃である。本実施例において、該過熱破壊部材5Bは円形片体として設けられるが、その他例えば棒体、帽子状体、放射状片体、ブロック体、球体または不規則体等も実施可能な実施例である。
動作温度が異常に上昇した場合、活線回路を切断することが最善であるため、該第1導電部材2Bが使用上活線第1端、該第2導電部材3Bが使用上活線第2端となっており、該カンチレバー導電部材4Bにより該第1導電部材2Bと第2導電部材3Bを導通させて、活線回路を形成する。
本実施例の該押しボタンスイッチはさらに操作ユニット6Bを備え、(該カンチレバー導電部材4Bを操作して、該第1導電部材2Bと該第2導電部材3Bを連通させ、活線回路を形成するか、或いは該第1導電部材2Bと該第2導電部材3Bの導通を切断し、活線に切断を形成する。該操作ユニット6Bは該座体1Bに組み込まれ、操作部材61Bと、第1弾性部材62Bを含み、該操作部材61Bが該突出部12Bに被せて設置され、該操作部材61Bは該突出部12B上で一定限度内の往復移動をすることができる。操作ユニット6B全体の往復移動と位置決め構造は従来の自動ボールペンの押しボタン構造または先行技術で述べた中国特許第CN103441019号の「ボタンスイッチ」の構造と同じであるため、本実施例の図面では従来の位置決め構造を一部省略し、表示していない。該操作部材61Bはさらに接触部材と、中心筒610Bと、内筒614Bと、規制部材612Bを含む。該中心筒610Bの該カンチレバー導電部材4Bから遠い一端に貫通孔615Bが設けられ、該規制部材612Bが該貫通孔615Bの周縁に設置され、該中心筒610Bが該内筒614Bに緊密に被着され、該内筒614Bが貫通状の収容空間6141Bを備え、該第1弾性部材62Bが該収容空間内6141Bに設置され、該収容空間6141Bの二端にそれぞれ第1開口6142Bと第2開口6143Bが設けられる。該接触部材は支持熱伝導部材613Bであり、該支持熱伝導部材613Bは該第1開口6142Bに接近している。該貫通孔615Bの径幅は該第1弾性部材62Bの径幅より大きい。該支持熱伝導部材613Bは位置規制柱6131Bと、支持座部6132Bを備え、該位置規制柱6131Bが該第1弾性部材62Bの一端に挿入され、該第1弾性部材62Bを該支持座部6132B上に当接させ、該支持座部6132Bが該カンチレバー導電部材4Bに接触する。該過熱破壊部材5Bが該規制部材612Bに当接され、該第1弾性部材62Bが該支持熱伝導部材613Bと該過熱破壊部材5Bの間で圧縮されて規制され、第1弾性力を具備する。
本実施例の該押しボタンスイッチはさらに第2弾性部材を備え、該第2弾性部材はばね片7Bであり、かつ該第1導電部材2B、該ばね片7B、該カンチレバー導電部材4Bの三者が一体成形されており、該ばね片7Bが第2弾性力を有し、該第2弾性力は該操作部材61Bに作用する。
図5に示すように、使用者は自動ボールペンのボタンのように、該操作部材61Bを操作して該突出部12Bに相対して移動させることで、該カンチレバー導電部材4Bと該第2導電部材3Bを選択的に接触または分離させる。該操作部材61Bがカンチレバー導電部材4Bに向かって移動され、位置決めされると、該支持熱伝導部材613Bの支持座部6131Bによって該カンチレバー導電部材4Bが押圧されて銀接点41Bの位置が近づき、該カンチレバー導電部材4Bが該第2導電部材3Bに接触して通電状態が形成される。同時に、該第1弾性部材62Bがさらに圧縮され、該第1弾性力が大きくなり、このとき該第1弾性力が該第2弾性力より大きくなる。
図6に示すように、第1導電部材2Bまたは第2導電部材3Bに接続された外部導電設備に異常な状態が発生したとき、例えば外部導電設備がコンセントである場合、プラグの金属刃とコンセントの間に酸化物や埃がある、金属刃の挿入が不完全である、金属刃が変形している等があると、コンセントの導電部位に比較的大きな熱エネルギーが発生し、該熱エネルギーが第1導電部材2Bまたは第2導電部材3Bを介してカンチレバー導電部材4Bに伝達され、さらに該支持熱伝導部材613Bの支持座部6132B、位置規制柱6131Bと該第1弾性部材62Bを介して該過熱破壊部材5Bに伝達され、該過熱破壊部材5Bが該熱エネルギーを吸収して徐々にその材料の融点に達し、このとき該過熱破壊部材5Bが徐々に剛性を失い始める。例えば該過熱破壊部材5Bの材質が錫ビスマス合金である場合、その融点は138℃であるが、融点に近づくときに剛性が失われ始め、同時に該第1弾性力の作用下で、該過熱破壊部材5Bが該第1弾性部材62Bの圧迫を受けて変形し、さらには破壊されて、該第1弾性部材62Bを規制できなくなる。本実施例において、図4に示した元々の過熱破壊部材5Bが破壊・変形されると、過熱破壊部材5Bが図6に示す形状となり、即ち過熱破壊部材5Bが2つの部分に分断され、該第1弾性部材62Bが該過熱破壊部材5Bを貫通して該貫通孔615Bから突出され、それにより該第1弾性力が小さくなるか失われて、このとき該第2弾性力が該第1弾性力より大きくなるため、該カンチレバー導電部材4Bが元の位置を回復し、該カンチレバー導電部材4Bの銀接点41Bが該第2導電部材3Bを離脱して電力切断状態が形成され、これにより過熱保護作用が達成される。
図7と図8に本発明の実施例3を示す。本実施例は前述の実施例の熱破壊式電力切断ロッカースイッチを3組のコンセント差込口81を含む延長コンセントに応用したもので、該延長コンセントが、ハウジング8と、活線導電部材9と、中性線導電部材10と、3つの過熱破壊スイッチ20を含む。
該ハウジング8が、上ハウジング8Aと、下ハウジング8Bを有し、該上ハウジング8Aが3組のコンセント差込口81を含み、各コンセント差込口81が活線差込口811と、中性線差込口812を含む。
該活線導電部材9は該ハウジング8に設置され、該活線導電部材9に、独立した3つの活線差込片91に対応する3つの活線連接端92が間隔をあけて設けられ、各活線差込片91が活線差込部911を含み、かつ該活線差込部911が該活線差込口811に対応している。
該中性線導電部材10は該ハウジング8に設置され、該中性線導電部材10に、3つの中性線差込部101が間隔をあけて設けられ、かつ各中性線差込部101が該中性線差込口812に対応している。
該3つの熱破壊式電力切断スイッチ20は、前述の実施例1から実施例2で述べたとおりであり、そのうち、該熱破壊式電力切断スイッチ20の第1導電部材201が該活線導電部材9の活線連接端92または該活線差込片91に連接され、該第2導電部材202が該活線差込片91または該活線導電部材9の活線連接端92に連接される。本実施例は該第1導電部材201が該活線差込片91に連接され、該第2導電部材202が該活線導電部材9の活線連接端92に連接された例である(この部分の連接の特徴はすでに実施例1から実施例2で説明済みであるため、ここでは説明を省略する)。これにより、該延長コンセントのいずれかの活線差込片91の動作温度が異常に高くなったとき、熱エネルギーが第1導電部材201または第2導電部材202から所属する該熱破壊式電力切断スイッチ20に伝達され、該熱破壊式電力切断スイッチ20が過熱によって電気回路を切断し、電源供給が停止され、このとき温度異常が発生した該活線差込片91はすぐに電源を終止し、動作温度の上昇が継続されず、動作温度を下げることができる。各熱破壊式電力切断スイッチ20が独立して1組の活線差込口811と中性線差込口812を制御するため、いずれか1組の熱破壊式電力切断スイッチ20が過熱で電気回路を切断しても、その他の組の活線差込口811と中性線差込口812は正常な使用を継続することができる。
上述の実施例の説明を総合すると、本発明の操作、使用及び本発明の効果について充分に理解することができる。以上の実施例は、本発明の最良の実施例に基づくものであり、これらを以って本発明の実施の範囲を限定することはできず、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいた同等効果の簡単な変化や修飾はすべて本発明の範囲内に含まれる。
1A 座体
11A 収納空間
2A 第1導電部材
3A 第2導電部材
4A ロッキング導電部材
41A 銀接点
5A 過熱破壊部材
6A 操作ユニット
61A 操作部材
610A 中心筒
611A 枢着点
612A 規制部材
613A 熱伝導ハウジング
6131A 開口端
6132A 接触端
614A 内筒
6141A 収容空間
6142A 第1開口
6143A 第2開口
615A 貫通孔
62A 第1弾性部材
7A 第2弾性部材
1B 座体
11B 収納空間
12B 突出部
2B 第1導電部材
3B 第2導電部材
4B カンチレバー導電部材
41B 銀接点
5B 過熱破壊部材
6B 操作ユニット
61B 操作部材
610B 中心筒
612B 規制部材
613B 支持熱伝導部材
6131B 位置規制柱
6132B 支持座部
614B 内筒
6141B 収容空間
6142B 第1開口
6143B 第2開口
615B 貫通孔
62B 第1弾性部材
7B ばね片
8 ハウジング
8A 上ハウジング
8B 下ハウジング
81 コンセント差込口
811 活線差込口
812 中性線差込口
9 活線導電部材
91 活線差込片
911 活線差込部
92 活線連接端
10 中性線導電部材
101 中性線差込部
20 熱破壊式電力切断スイッチ
201 第1導電部材
202 第2導電部材

Claims (7)

  1. 熱破壊式電力切断スイッチであって、座体と、第1導電部材と、第2導電部材と、可動導電部材と、過熱破壊部材と、操作ユニットと、第2弾性部材を含み、
    該座体が収納空間を備え、
    該第1導電部材が該座体に穿置され、
    該第2導電部材が該座体に穿置され、
    該可動導電部材が該収納空間内に設置され、該第1導電部材に電気的に接続され、かつ該第2導電部材に選択的に接続され、該可動導電部材がロッキング導電部材であり、
    該過熱破壊部材が、破壊温度下で破壊され、該破壊温度が100℃〜250℃であり、
    該操作ユニットが該座体に組み込まれ、操作部材に枢着点が設けられ、該枢着点が該座体に枢着され、該操作部材が該枢着点を軸心として一定限度内で往復枢動し、該操作ユニットが該操作部材と、第1弾性部材を含み、該操作部材が接触部材と、規制部材を含み、該接触部材が該可動導電部材に接触し、該過熱破壊部材が該規制部材に当接され、該第1弾性部材が該接触部材と該過熱破壊部材の間で圧縮されて規制され、第1弾性力を有し、該接触部材が空心状を呈する熱伝導ハウジングであり、該操作部材がさらに中心筒と、内筒を含み、該中心筒の該可動導電部材から遠い一端に貫通孔が設けられ、該規制部材が該貫通孔の周縁に設置され、該中心筒が該内筒に緊密に被着され、該内筒が貫通状の収容空間を備え、該第1弾性部材が該収容空間内に設置され、該収容空間の二端にそれぞれ第1開口と第2開口が設けられ、該接触部材の一部が該収容空間に挿入され、該接触部材の一部が該第1開口から突出され、該貫通孔の径幅が該第1弾性部材の径幅より大きく、
    該第2弾性部材が第2弾性力を有し、該第2弾性力が該操作部材に作用し、
    該第1導電部材と該第2導電部材の配列方向を縦方向と定義し、該操作部材が該縦方向上に一定長さを備え、該第1弾性部材が該長さの中央位置に設置され、該第2弾性部材の該長さにおける設置位置と、該中央位置の間には一定の距離があり、
    該操作部材が第1位置にあるとき、該第1弾性力が該接触部材に該可動導電部材を押圧させ、該可動導電部材を該第2導電部材に接触させて通電状態を形成し、該通電状態下で、電流が該第1導電部材、該可動導電部材、該第2導電部材を通過して熱エネルギーを生成し、該熱エネルギーが該接触部材、該第1弾性部材を介して該過熱破壊部材に伝達され、該過熱破壊部材が該熱エネルギーを吸収して、該破壊温度下で破壊され、それにより該第1弾性力が小さくなるか失われ、このとき該第2弾性力が該第1弾性力より大きくなり、該操作部材がトルクの作用で、該枢着点を軸心として枢動され、該熱伝導ハウジングを動かして該ロッキング導電部材上で摺動させ、該操作部材を第2位置まで移動させ、それにより該可動導電部材が該第2導電部材を離脱して電力切断状態が形成されることを特徴とする、熱破壊式電力切断スイッチ。
  2. 前記第2弾性部材がばねであることを特徴とする、請求項1に記載の熱破壊式電力切断スイッチ。
  3. 前記ロッキング導電部材が該第1導電部材に跨設され、該接触部材が該ロッキング導電部材上で摺動し、シーソーのような運動形態で該ロッキング導電部材と該第2導電部材が接触または分離されることを特徴とする、請求項1に記載の熱破壊式電力切断スイッチ。
  4. 前記熱伝導ハウジングが開口端と弧形の接触端を含み、該接触端が該可動導電部材に接触し、かつ該第1弾性部材の一端が該開口端内に挿入されることを特徴とする、請求項1に記載の熱破壊式電力切断スイッチ。
  5. 前記過熱破壊部材が、円形片体、柱体、帽子状体、ブロック体、球体または放射状片体であることを特徴とする、請求項1に記載の熱破壊式電力切断スイッチ。
  6. スイッチを備えたコンセントであって、請求項1乃至のいずれかに記載された熱破壊式電力切断スイッチ、活線差込片、活線導電部材、中性線導電部材、ハウジングを含み、そのうち、
    該ハウジングが活線差込口と、中性線差込口を含み、
    該活線差込片が該第2導電部材に電気的に接続され、該活線差込片が該活線差込口に対応する活線差込部を含み、
    該活線導電部材が活線連接端を含み、該活線連接端が該第1導電部材に電気的に接続され、
    該中性線導電部材が該中性線差込口に対応する中性線差込部を含む、ことを特徴とする、スイッチを備えたコンセント。
  7. 前記熱破壊式電力切断スイッチが複数であり、該活線差込口が複数であり、該活線差込片が複数であり、各活線差込片が各該第2導電部材にそれぞれ単独で電気的に接続され、該活線導電部材が複数の活線連接端を含み、各活線連接端が各該第1導電部材に電気的に接続され、該中性線差込口が複数であり、該中性線差込部が複数であり、すべての該中性線差込部が該中性線導電部材に接続されたことを特徴とする、請求項に記載のスイッチを備えたコンセント。
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