JP6804327B2 - タービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法 - Google Patents

タービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、タービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法に関するものである。
水蒸気タービン(以下、蒸気タービン)などのタービンは、その内部に導かれた過熱水蒸気などの流体のエネルギーを回転駆動力に変換している。この流体には、微小な固形物が含まれている場合があり、この微小な固形物が流体と共にタービン内部に浸入し、翼、特に初段静翼に衝突し初段静翼を浸食するため、初段静翼は摩耗する場合がある。
これは、特に蒸気タービンにおいては典型的な損傷の一形態であり、一般的にソリッドパーティクルエロージョン(Solid Particle Erosion/以下、「SPE」という。)と言われている。火力発電用の蒸気タービンにおいては、排熱回収ボイラ(Heat Recovery Steam Generator/以下、「HRSG」という。)を含むボイラの過熱器などで発生する水酸化スケールの微小な固形物が、また地熱タービンにおいては、地熱蒸気中に含まれるシリカなどの微小な固形物が、それぞれ蒸気タービンに浸入し、初段静翼を浸食し、初段静翼は摩耗する。これら微小な固形物の大きさは非常に小さく、蒸気タービンの主蒸気止め弁などに設けられるフィルタなどではその全ての捕捉は困難である。
初段静翼が摩耗するとタービンの性能が落ちることから、摩耗の状態を知りメンテナンスが必要な時期を予定することはタービンの運転において重要である。
そこで、固形物により発生した初段静翼の摩耗の状態を判断する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、蒸気タービン加減弁後の主蒸気リード部における初段ノズル前圧力の変化を検知することでノズル翼のエロージョン発生状態を判断することが開示されている。
また、翼とは異なるが配管の摩耗の状態を検知する方法として、特許文献2には、摩耗監視部分に外側から未貫通穴を開け、内部に圧力計を連通させ、摩耗により未貫通穴が貫通すると流体の圧力が圧力計に伝達されることから摩耗の状態を判断することが開示されている。
さらに、タービンの静翼及び動翼の高温腐食を検知する方法として、特許文献3には、静翼間に設置された翼と同素材のセンサ部に接続された電気抵抗測定器の測定値を監視することで、高温腐食の進行状況を検出することが開示されている。
特開昭61−291704号公報 実開平4−96700号公報 特開平5−118204号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明では、エロージョンの発生状態についての検討がなされているにすぎず、エロージョンの形状については検討がなされていなかった。
また、上記特許文献2に開示された発明では、未貫通穴に連通された圧力計の先端部、つまり点でしか状態を検知できないため、配管のように二次元的な摩耗ではなくタービンの翼のように三次元的に摩耗が進行する場合には設置箇所の検討が困難であるという問題があった。
また、上記特許文献3に開示された発明では、センサ部は静翼間に設置されているため、センサ部の摩耗の状態が翼の摩耗状態とは正確に対応していないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、翼の摩耗の状態を監視し正しく検知可能なタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係るタービン翼摩耗監視装置は、少なくとも1つの翼を備えたタービンの初段静翼の摩耗の監視を行うタービン翼摩耗監視装置において、前記タービンに流入する流体により発生する前記初段静翼の翼の後縁部の翼長手方向の略中央部から始まる摩耗の監視を行う摩耗監視部を備え、前記摩耗監視部は、前記初段静翼の複数の前記翼のうち、全ての前記翼ではなく、前記初段静翼の前記流体の入口から最も遠い位置の近傍であって水平フランジ面の近傍に位置する前記翼を少なくとも含む一以上の前記翼に対し、摩耗の監視を行う
タービンへ供給される流体には、流体以外の微小な固体物が含まれている場合がある。例えば、火力発電用の蒸気タービンにおいては、HRSGを含むボイラの過熱器等で発生する水酸化スケールの微小な固体物が含まれている場合がある。この微小な固体物は粒子状であり、その大きさは非常に小さく、タービンの弁などに設けられているフィルタでは全てを捕捉が困難である。この粒子状の固体物は、タービンに流入すると初段静翼に衝突し、翼を徐々に浸食する。このとき特に、初段静翼を構成する翼の後縁部を浸食し翼は摩耗する。さらに初段静翼の翼の後縁部の摩耗が進行すると、一部の流体が初段静翼の翼を経由せず動翼に直接衝突することで、動翼に過剰な圧力変動がかかり、動翼が損傷したり、タービンの性能が低下する恐れがある。
この浸食による摩耗は、初段静翼の翼の後縁部のうち、流体流速が速くなる翼長手方向の略中央部から前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように浸食速度が分布して摩耗が進行していくことがわかった。そこで、摩耗監視部によって、初段静翼を構成する翼の後縁部の翼長手方向の略中央部の摩耗の監視を行うこととする。
本構成によれば、翼の交換を必要としない時期に、費用(コスト)と期間(時間)が発生するタービンの開放点検を行うことなく、タービンに流入する流体により発生する摩耗を監視し正しく検知することができ、点検に要するコスト及び期間を大幅に低減することができる。また、摩耗を監視し正しく検知することで部品の交換など事前準備をしておき、適切なタイミングでメンテナンスを実施することで、タービンの性能を大きく低下させることなく効率的な運転を行うことができる。
タービンへ供給される流体は、初段静翼の翼のうち、初段静翼への流体(蒸気)入口から最も遠い位置に位置する翼の後縁部に対して他の位置の翼の後縁部よりも摩耗の発生量が多いことがわかった。そこで、蒸気入口から最も遠い位置に位置する一以上の翼、例えば水平フランジ面の近傍に位置する翼を少なくとも含む一以上の翼について摩耗の監視を行うこととする。
これにより、本構成によれば、初段静翼の全ての翼の監視を行わずに、効率よく監視を行うことができる。また、摩耗が他より発生しやすい一以上の翼の監視を行うことから、初段静翼の全体に摩耗が発生する前に摩耗の発生状況予測を行うことができ、メンテナンス時期を計画しておき、事前に交換用部品の準備を行う等、時間のロスなく適切なタイミングで点検・交換などを実施することができる。
上記第一態様では、前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼内の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部の前記翼内部で折り返し前記一方の端部へと前記後縁部に沿うように挿通された電線ケーブルと、前記電線ケーブルの電気抵抗値を測定する抵抗値計測部と、を備え、前記抵抗値計測部の測定した前記電線ケーブルの電気抵抗値が前記摩耗の無い初期状態に対して十分大きい値を示した場合に前記初段静翼の前記翼の摩耗の発生を判断するとしてもよい。
初段静翼の翼内の後縁部の所定位置の一方の端部から翼内部と絶縁状態に挿入され他方の端部を経由し一方の端部へと後縁部に沿うように挿通された電線ケーブルの電気抵抗値を抵抗値計測部によって測定し、その電気抵抗値が翼の摩耗が発生していない初期状態に対して十分大きい値、例えば無限大やMΩ以上を示した場合に、電線ケーブルの一部が翼の摩耗により破断したと判断し、初段静翼の翼の後縁部に摩耗が発生したことを判断することとした。
これにより、本構成によれば、電線ケーブルの追加という簡易な構成を追加するだけで、初段静翼の翼の摩耗発生をタービンの開放点検を行うこと無く正しく検知することができ、翼の交換を必要としない時期にタービンの開放点検をする等の無駄を省くことができる。タービンの開放点検にはコスト及び時間を要するが、これらを大幅に削減することができる。
上記第一態様では、前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルと、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の第1直流抵抗値を計測する第1直流抵抗値計測部と、を備え、前記第1直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行うとしてもよい。
初段静翼の翼内の後縁部近傍の所定位置に翼内部に周囲と絶縁状態で挿通されて先端を翼の他方の端部側と導通させた長尺電線ケーブルと、後縁部と所定位置との間で翼内部に周囲と絶縁状態で挿通されて先端を翼の一方の端部側と導通させた短尺電線ケーブルとの間の翼の長手方向の後縁部を経由した直流抵抗値を計測し、直流抵抗値の変化に応じて翼の摩耗の状態の監視を行うこととした。
翼の摩耗は、初段静翼の翼の後縁部の翼長手方向の略中央部から前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布して摩耗が進行していくことがわかった。これにより、翼の形状が徐々に変化していくことで短尺電線ケーブルと長尺電線ケーブルとの間の直流抵抗値は変化していき、さらに摩耗が進むと先に長尺電線ケーブルが破断する。すなわち、摩耗により破断する前の直流抵抗値の変化も監視することで、翼の摩耗の状況を予測することができる。
本構成によれば、翼の後縁部の摩耗が大きくなる前に摩耗の進行状況を予測することにより、メンテナンス時期を計画しておき、事前に交換用初段静翼を製造し準備する期間をより正確に確保することができる。ここで、交換用初段静翼の製造には約1年程度の期間が必要である。また、初段静翼の交換が必要な時期についても予測可能なことから、初段静翼の交換作業をより適切なタイミングで行うことができる。
上記第一態様では、前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記短尺電線ケーブルとの間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部から翼長手方向の略中央部を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブルと、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の第1直流抵抗値を計測する第1直流抵抗値計測部と、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記中尺電線ケーブルとの間の第2直流抵抗値を計測する第2直流抵抗値計測部と、を備え、前記第1直流抵抗値および前記第2直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行うとしてもよい。
初段静翼の翼内に翼内部と絶縁状態で挿通されて先端を翼の他方の端部側と導通させた長尺電線ケーブルと、後縁部と所定位置との間で翼内部に周囲と絶縁状態で挿通されて先端を翼の一方の端部側と導通させた短尺電線ケーブルと、後縁部と短尺ケーブルとの間で翼内部に周囲と絶縁状態で挿通されて先端を翼の長手方向の略中央部と導通させた中尺電線ケーブルとの間で、短尺電線ケーブルと長尺電線ケーブルとの間の翼の長手方向の後縁部を経由した第1直流抵抗値を計測し、また短尺電線ケーブルと中尺電線ケーブルとの間の翼の長手方向の後縁部を経由した第2直流抵抗値を計測し、第1及び第2直流抵抗値の変化に応じて翼の摩耗の状態の監視を行うこととした。
翼の摩耗の進行により、翼の形状が徐々に変化していくことで後縁部の翼長手方向の略中央部まで後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブルと短尺電線ケーブルとの間の第2直流抵抗値は変化していき、より摩耗が進むと先に中尺電線ケーブルが破断する。中尺電線ケーブルが破断すると、第2直流抵抗値は略0から無限大やMΩ以上まで急変する。さらに摩耗が進むと、さらに翼の形状が徐々に変化していくため、短尺電線ケーブルと長尺電線ケーブルとの間の第1直流抵抗値が変化していき、長尺電線ケーブルが破断すると、第1直流抵抗値は略0から無限大やMΩ以上まで急変する。このように、摩耗による第2直流抵抗値及び第1直流抵抗値の変化を監視することで、翼の摩耗の状況をより確実に監視し、予測することができる。
本構成によれば、中尺電線ケーブルの破断発生を契機として翼の後縁部の摩耗が大きくなる前に摩耗の進行状況を予測することにより、メンテナンス時期をより正確に計画しておき、初段静翼の交換までの期間を適切なタイミングで確保することができる。また、初段静翼の交換作業を適切なタイミングで実施することができる。
中尺電線ケーブルは、初段静翼の製造などの準備期間に合わせて後縁部からの距離を調整してもよい。
上記第一態様では、前記摩耗監視部は、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第1高周波抵抗値を計測する第1高周波抵抗値計測部を備え、前記第1高周波抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行うとしてもよい。
初段静翼の翼内の後縁部近傍に翼内部と絶縁状態で挿通されて先端を翼の他方の端部側と導通させた長尺電線ケーブルと、先端を翼の一方の端部側と導通させた短尺電線ケーブルとの間で、翼の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブルと短尺電線ケーブルの間の所定の高周波電流に対する高周波抵抗を計測し、高周波抵抗の変化に応じて翼の摩耗の状態の監視を行うこととした。
本構成によれば、高周波抵抗は翼表面に集中して電流が通過するときの抵抗変化を検出することから、摩耗監視部は、翼の後縁部の摩耗の進行状況により形状が変化した翼表面に応じた抵抗値を検知するため全体的な摩耗の進行を検出することができる。よって、摩耗による抵抗変化がより事前に検出されるため、メンテナンス時期をより正確に計画しておき、交換用初段静翼を製造し準備する期間をより適切なタイミングで確保することができる。
上記第一態様では、前記摩耗監視部は、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第1高周波抵抗値を計測する第1高周波抵抗値計測部と、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記中尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第2高周波抵抗値を計測する第2高周波抵抗値計測部と、を備え、前記第1高周波抵抗値および前記第2高周波抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行うとしてもよい。
初段静翼の翼内の後縁部近傍に翼内部と絶縁状態で挿通されて先端を翼の他方の端部側と導通させた長尺電線ケーブルと、先端を翼の一方の端部側と導通させた短尺電線ケーブルと、先端を翼の略中央部と導通させた中尺電線ケーブルの間で、翼の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブルと短尺電線ケーブルの間の所定の高周波電流に対する第1高周波抵抗値を計測し、また翼の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブルと中尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第2高周波抵抗値を計測し、第1及び第2高周波抵抗値の変化に応じて翼の摩耗の状態の監視を行うこととした。
本構成によれば、高周波抵抗は翼表面に集中して電流が通過するときの抵抗変化を検出することから、摩耗監視部は、摩耗の進行状況により形状が変化した翼表面に応じた抵抗値を検知するため全体的な摩耗の進行を検出することができる。よって、摩耗による抵抗変化がより事前に検出されるため、メンテナンス時期をより正確に計画しておき、交換用初段静翼を製造し準備する期間を一層に適切なタイミングで確保することができる。
上記第一態様では、前記タービンは、蒸気タービンであるとしてもよい。
本発明の第二態様に係るタービン翼摩耗監視方法は、少なくとも1つの翼を備えたタービンの初段静翼の監視を行うタービン翼摩耗監視方法において、前記タービンに流入する流体により発生する前記初段静翼の翼の後縁部の翼長手方向の略中央部から始まる摩耗の監視を行い、前記初段静翼の複数の前記翼のうち、全ての前記翼ではなく、前記初段静翼の前記流体の入口から最も遠い位置の近傍であって水平フランジ面の近傍に位置する前記翼を少なくとも含む一以上の前記翼に対し、摩耗の監視を行う
上記第二態様では、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の近傍内部において前記後縁部の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部を経由し前記一方の端部へと前記後縁部に沿うように挿通された電線ケーブルの電気抵抗値を測定する工程と、前記電線ケーブルの電気抵抗値が前記摩耗の無い初期状態に対して十分大きい値を示した場合に前記初段静翼の前記翼の摩耗が発生したことを検知する工程とを備えるとしてもよい
上記第二態様では、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルとの間で、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第1直流抵抗値を計測する工程と、前記第1直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う工程とを備えるとしてもよい
上記第二態様では、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルとの間で前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第1直流抵抗値を計測する工程と、前記短尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記短尺電線ケーブルとの間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部から翼長手方向の略中央部を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブルとの間で前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第2直流抵抗値を計測する工程と、前記第1直流抵抗値および前記第2直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う工程とを備えるとしてもよい
本発明によれば、摩耗監視部によって、初段静翼を構成する翼の後縁部の翼長手方向の略中央部の摩耗の監視を行うので、タービンの開放点検を行うことなくタービンに流入する流体により発生する翼の摩耗状態を監視し正しく検知することができ、点検に要するコスト及び期間を大幅に低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るタービンを示した概略構成図である。 図1に示す蒸気タービンの初段静翼のA−A矢視断面図である。 本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼のSPE発生前の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼のSPE発生後の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼のSPE進行状況の概略図である。 本発明の第1実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る電線ケーブルの抵抗計測部による電気抵抗の計測値のグラフである。 本発明の第2実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る第1直流抵抗値計測部の計測値のグラフである。 本発明の第3実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る第1直流抵抗値計測部及び第2直流抵抗値計測部の計測値のグラフである。
以下に、本発明に係るタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、発明の第1実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係るタービンの概略構成が示されている。本実施形態において、タービン1は、例えば過熱水蒸気(以降、蒸気と記載する)を膨張して回転駆動する蒸気タービンであるとする。
図1に示されるように、タービン1は、主蒸気入口管30と、中圧タービン部40と、高圧タービン部50と、タービン軸60とを主な構成として備えている。
高圧タービン部50は、主蒸気入口管30から蒸気(流体)が導入される蒸気室80と、図1に示されるように蒸気室80からの主蒸気流れが最初に導入される初段静翼10と、初段静翼10を通った主蒸気流れが導入される初段動翼20とを備える。
図2には、図1に示すタービンの初段静翼のA−A矢視断面図が示されている。
図2に示されるように、主蒸気入口管30は、例えば4個設けられており、ボイラ(図示せず)からの蒸気が導入される。主蒸気入口管30から導入された蒸気は、蒸気室80を経由し、初段静翼10の翼100を通り初段動翼20へと導かれる。
図3には、本実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼の後縁部の浸食により発生する摩耗であるSPE(Solid Particle Erosion;ソリッドパーティクルエロージョン)発生前の部分断面図が示されている。また、図4には、本実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼のSPE発生後の部分断面図が示されている。
図3に示されるように、タービン1の初段静翼10の各翼100は、主蒸気入口管30から導かれた蒸気を、主蒸気流れとして矢印の方向へ導く。ここで、主蒸気入口管30から導かれた蒸気には、例えば水酸化スケールなどの微小な固形物が粒子状に含まれている。この蒸気に含まれた固形物が初段静翼10の各翼100に衝突し、図4に示されるように翼100の後縁部は浸食され摩耗してSPEが進行する。各翼100は、その材料を例えば鉄−ニッケル系としている。
特に、主蒸気流れと垂直に近い角度で主蒸気流れに面する後縁部から浸食が始まり摩耗が進行する。その後縁部の中でも、圧力の高い高圧タービンの翼室内で蒸気の流速が翼長手方向で他よりも速い初段静翼10の後縁部の翼長手方向の略中央部がSPEの起点となることが多いことがわかった。
図5には、本実施形態に係る蒸気タービンの初段静翼のSPE進行状況が示されている。
図5の点線に示されるように、初段静翼10の後縁部の翼長手方向の略中央部からSPEが発生し、前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように矢印の方向に摩耗の浸食速度が分布して摩耗が進行していく。ここで、図3及び図4の所定位置zまで摩耗が進行すると、初段静翼10が主蒸気流れの整流を行えず、一部の主蒸気流れはその流れ方向が調整されないまま、直接初段動翼20に導入されることとなる。この場合、一部の主蒸気流れが初段動翼20に直接衝突するため、動翼に過剰な圧力変動がかかることとなり、動翼が損傷したり、蒸気タービンの性能が低下する恐れがある。
そこで、本実施形態では、所定位置zから電線ケーブル200を翼100内部の周囲と絶縁状態で挿通し、その電線ケーブル200の電気抵抗値の変化によってSPEの進行状況を監視する。電線ケーブル200は、例えば導通する心線の周囲にセラミックコーティングが施されているなど、耐熱性がある絶縁処理されたケーブルを使用するものとする。
ここで、図2に示される初段静翼10において、各主蒸気入口管30から最も離れた位置に位置する翼100a(図2の斜線部分)の後縁部に対して他の位置の翼100aの後縁部よりも摩耗の発生量が多いことがわかった。例えば、図2の水平方向中心軸に沿う位置にある図示しない上車室と下車室を接合する水平フランジ面の近傍に位置する一以上の翼100aが最もSPEが発生しやすいことがわかった。そこで、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置は、全ての翼100に対して適用されるのではなく、一以上の翼100aに対し適用されるものとする。以下の説明において、翼100と翼100aとを区別する場合は、末尾にaを付し、区別しない場合は、aを省略する。
図6には、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図が示されている。
図6に示されるように、タービン翼摩耗監視装置3は、摩耗監視部5と電線ケーブル200と抵抗値計測部105とを備えている。
図6の太線及び太点線に示されるように、初段静翼10の翼100において、電線ケーブル200が翼長手方向の一方の端部の所定位置zから挿入され、他方の端部もしくは他部付近を経由して再度一方の端部側へと翼長手方向で後縁部に沿うように挿通されている。電線ケーブル200は、前述のように耐熱性がある絶縁処理されたケーブルを使用しているので、挿通された電線ケーブル200は翼100内部の周囲と絶縁状態にある。また、所定位置z(例えばzは翼幅方向に翼100後縁部より10mm)から挿入された電線ケーブル200は、所定位置zと後縁部との間から翼100の外に出る。このように電線ケーブル200が挿通されることにより、所定位置zよりも後縁部に近い側の電線ケーブル200が先に翼100の摩耗の影響を受けることとなる。
抵抗値計測部105は、電線ケーブル200に接続され、電気抵抗値を常時に、または一定時間ごとに計測するもので、翼100と摩耗監視部5の間、もしくは摩耗監視部5内部に設けられ、計測された電気抵抗値は摩耗監視部5で電気抵抗値の変化を監視している。
電線ケーブル200は、翼100の端部より翼長手方向に、例えば放電加工で挿通孔を開け、電線ケーブル200を挿通孔に埋め込み、挿通孔の形状に応じた蓋をすることで翼に設置される。
図7には、本実施形態に係る電線ケーブルの抵抗値計測部105による電気抵抗値の計測値のグラフが示されている。
図7において、縦軸は電線ケーブル200の抵抗値計測部105による電気抵抗値(Ω)、横軸は時間である。
図6の点線に示されるように、翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部からSPEが発生し、前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布して矢印の方向に摩耗が進行していく。摩耗により電線ケーブル200が破断するまでは、図7のグラフに示されるように翼100の摩耗が発生していない初期状態である電線ケーブル200の電気抵抗値はほぼ0に近い値となっている。
摩耗の進行によって、所定位置zよりも後縁部に近い側の電線ケーブル200が破断すると、図7の時間txにおいて電線ケーブル200の電気抵抗値はxΩ(xはMΩ単位の値)となり、絶縁状態にあることが検知できる。
よって、抵抗値センサが電線ケーブル200の電気抵抗値を計測し、摩耗監視部5は、監視対象である電気抵抗値が翼100の摩耗が発生していない初期状態に対して十分大きな抵抗値へ増加し、例えば絶縁状態に急変すると電線ケーブル200が破断、すなわち所定位置z近傍まで初段静翼10の翼100の後縁部の摩耗が進行したと判断することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、摩耗監視部5によって、初段静翼10を構成する翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部の摩耗の監視を行うこととした。
これにより、タービン1の開放点検を行うことなくタービン1に流入する流体により発生する摩耗を正しく検知することができ、翼100の摩耗発生をタービン1の開放点検を行うこと無く正しく検知することができる。また、翼100の交換を必要としない時期にタービン1の開放点検をする等の無駄を省くことができるので、点検に要する多額のコスト及び点検期間(例えば数週間から1,2か月程度)を大幅に低減することができる。また、摩耗を正しく検知することで部品の交換必要時期などを適切なタイミングで実施することができる。
また、タービン1へ供給される流体は、初段静翼10の翼100のうち、蒸気入口となる主蒸気入口管30から最も遠い位置に位置する翼100aの後縁部に対して他の位置の翼100の後縁部よりも摩耗の発生量が多いことがわかった。そこで、本実施形態では、主蒸気入口管30から最も遠い位置に位置する一以上の翼100aとして、図2の水平方向中心軸に沿う位置にある図示しない上車室と下車室を接合する水平フランジ面の近傍に位置する少なくとも翼100aを含む翼100について摩耗の監視を行うこととする。
これにより、本実施形態によれば、全ての翼100の監視を行わずに、効率よく監視を行うことができる。また、最も摩耗が発生しやすい翼100aを含む一以上の翼100の監視を行うことから、初段静翼10全体の摩耗が発生する前に摩耗発生の予測を行うことができ、事前に交換用部品の準備を行う等、時間のロスを少なくする適切なタイミングで点検・交換などを実施することができる。
また、初段静翼10の翼100の後縁部の所定位置zの一方の端部から挿入され他方の端部を経由し一方の端部へと後縁部に沿うように挿通された電線ケーブル200の抵抗値を抵抗値センサによって測定し、その抵抗値が翼100の摩耗が発生していない初期状態に対して十分大きい値、例えば無限大を示した場合に、摩耗監視部5は電線ケーブル200の一部が翼100の摩耗により破断したと判断し、初段静翼10の翼100の摩耗が発生したことを判断することとした。
これにより、本実施形態によれば、電線ケーブル200の追加という簡易な構成を追加するだけで、初段静翼10の翼100の摩耗をタービン1の開放点検を行うこと無く正しく検知することができ、翼100の交換を必要としない時期にタービン1の開放点検をする等の無駄を省くことができる。タービン1の開放点検にはコスト及び時間を要するが、これらを大幅に削減することができる。
また、挿通された電線ケーブル200は、所定位置zから挿入され、所定位置zと後縁部との間から出されて電気抵抗値を計測されることから、所定位置zよりも後縁部に近い側の電線ケーブル200が先に破断するため、摩耗が所定位置zに到達する前に摩耗の進行を判断することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について、図8及び9を用いて説明する。
上記した第1実施形態では、1の電線ケーブルにより摩耗状態を判断するとしたが、本実施形態では、長短2本の電線ケーブルにより摩耗状態を予測するものである。その他の点については第1実施形態と同様であるので、同様の構成については同一符号を付しその説明は省略する。
図8には、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図が示されている。
図8に示されるように、タービン翼摩耗監視装置3は、摩耗監視部5と、短尺電線ケーブル201と、長尺電線ケーブル202と、第1直流抵抗値計測部205とを備えている。
図8の太線及び太点線に示されるように、初段静翼10の翼100内の後縁部近傍において、長尺電線ケーブル202が翼長手方向の一方の端部の所定位置zから翼100内の周囲とは絶縁状態で翼長手方向に挿入される。長尺電線ケーブル202は、他方の端部を先端部とするように後縁部に沿って挿通され、長尺電線ケーブル202先端が翼100と導通するよう接続されている。また、短尺電線ケーブル201が所定位置zと後縁部との間から翼100内の周囲とは絶縁状態で翼長手方向に挿入される。短尺電線ケーブル201は、一方の端部を先端部とするように後縁部に沿って挿通され、短尺電線ケーブル201先端が一方の端部側で翼100と導通するよう接続されている。短尺電線ケーブル201の長さは、長尺電線ケーブル202が摩耗により破断するより前に破断しない程度の長さで挿通されている。
長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201は、第1直流抵抗値計測部205に接続されている。第1直流抵抗値計測部205は、翼100の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の電気抵抗(長尺電線ケーブル202と、長尺電線ケーブル202の先端部と翼100の長手方向の後縁部と短尺電線ケーブル201の先端部と、短尺電線ケーブル201を経由する間の電気抵抗)の直流抵抗値を常時に、または一定時間ごとに計測するもので、翼100と摩耗監視部5の間、もしくは摩耗監視部5内部に設けられている。摩耗監視部5は、第1直流抵抗値計測部205により計測された直流抵抗値の変化を監視している。
図9には、本実施形態に係る第1直流抵抗値計測部205の計測値のグラフが示されている。
図9において、縦軸は第1直流抵抗値計測部205の計測値である電気抵抗値(Ω)、横軸は時間である。また実線は、直流電流を通過させた場合の直流抵抗を計測した場合の電気抵抗値の推移を表し、点線は後述する所定周波数の高周波電流を通過させた場合の高周波抵抗を計測した場合の電気抵抗値の推移を表している。
図8の点線に示されるように、翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部からSPEが発生し、前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布して矢印の方向に摩耗が進行していく。摩耗により長尺電線ケーブル202が破断するまでは、図9のグラフに示されるように第1直流抵抗値計測部205が計測する電気抵抗値は時間t1までほぼ0に近い値となっている。翼100の後縁部の摩耗が徐々に進行すると、翼100の形状が変化することから、翼100の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の電気抵抗値も変化する。本実施形態の場合は、時間t1から翼100の摩耗により電気抵抗値がほぼ0の状態から徐々に上昇する。そして、時間txにおいて長尺電線ケーブル202が破断すると、電気抵抗値はxΩ(xはMΩ単位の値)となる。
よって、翼100の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の直流抵抗値の変化を計測し、摩耗監視部5は、電気抵抗値が絶縁状態に至る前の時間t1からの電気抵抗値の変化に基づき、長尺電線ケーブル202の破断、すなわち所定位置zまでの初段静翼10の翼100の後縁部の摩耗の進行を事前に予測する。
〔第2実施形態の変形例〕
本実施形態では、翼100の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の直流抵抗を計測したが、代わりに翼100の長手方向の後縁部を経由した長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の高周波抵抗を計測するとしてもよい。この場合は、第1直流抵抗値計測部205での計測にあたり、直流電流を印加させる代わりに、所定の高周波電流を用いる。
本変形例の高周波抵抗は、所定の高周波の周波数が1KHz程度の印加とすることで、高周波の表皮効果により高周波電流は主として表面厚さ0.5mm程度を通過するようになり、この表面部分の抵抗を計測するものとする。
高周波抵抗は、翼100の表面を主体とする抵抗値の変化を検出できることから、摩耗による翼100の表面状態の変化に対応して電気抵抗は大きく変化する。よって、摩耗監視部5は、直流抵抗値よりも全体的な摩耗の進行状況をより早い時間より把握することができる。
図9の点線に示すように、高周波抵抗値を計測する場合は、時間t1よりも前の時間t0から電気抵抗値の変化が現れ、電気抵抗値はほぼ0に近い値から徐々に上昇する。よって、摩耗監視部5は、直流抵抗値を計測する場合よりもさらに早い時間に事前に所定位置zまでの摩耗の進行を予測することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法によれば、以下の作用効果を奏する。
初段静翼10の翼100の後縁部近傍に挿通された翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の直流抵抗値を計測し、摩耗監視部5が直流抵抗値の変化に応じて翼の摩耗の状態の監視を行うこととした。
翼100の摩耗は、初段静翼10の翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部から前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布して摩耗が進行していくことがわかった。これにより、翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の直流抵抗値は変化していき、さらに摩耗が進むと長尺電線ケーブル202が破断する。すなわち、摩耗により破断する前の直流抵抗値の変化を監視することで、摩耗監視部5は翼100の摩耗の状況を予測することができる。
翼100の後縁部の摩耗が大きくなる前に翼100の摩耗の状況を予測することによりメンテナンス時期をより正確に計画しておき、事前に交換用初段静翼10を製造し準備する期間を確保することができる。ここで、交換用初段静翼10の製造期間には、例えば数か月から約1年程度の期間が必要である。また、初段静翼10の交換が必要な時期についても予測可能なことから、初段静翼10の交換作業をより適切なタイミングで行うことができる。
また、本実施形態の変形例では、初段静翼10の翼100の後縁部近傍に挿通され、翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の高周波抵抗を計測し、高周波抵抗の変化に応じて翼100の摩耗の状態の予測を行うこととした。
本実施形態の変形例によれば、高周波抵抗は、翼100表面を主体とした抵抗変化を早い時期から検出できることから、摩耗の進行状況により形状が変化した翼100表面に応じた抵抗値を検知するため、全体的な摩耗の進行を検出することができる。よって、摩耗監視部5によって摩耗による抵抗変化がより事前に検出されるため、メンテナンス時期を計画しておき、交換用初段静翼10を製造し準備する期間をより適切なタイミングで確保することができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について、図10及び11用いて説明する。
上記した第2実施形態では、長短2本の電線ケーブルにより摩耗状態を予測するとしたが、本実施形態では、長中短3本の電線ケーブルにより摩耗状態をさらに確実に予測するものである。その他の点については第2実施形態と同様であるので、同様の構成については同一符号を付しその説明は省略する。
図10には、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置の概略構成図が示されている。
図10に示されるように、タービン翼摩耗監視装置3は、摩耗監視部5と、短尺電線ケーブル201と、長尺電線ケーブル202と、中尺電線ケーブル203と、第1直流抵抗値計測部205と、第2直流抵抗値計測部206とを備えている。
図10の太線及び太点線に示されるように、初段静翼10の翼100内の後縁部近傍において、長尺電線ケーブル202が翼長手方向の一方の端部の所定位置zから翼100内の周囲とは絶縁状態で翼長手方向に挿入される。長尺電線ケーブル202は、他方の端部を先端部とするように後縁部に沿って挿通され、長尺電線ケーブル202先端が翼100と導通するよう接続されている。また、短尺電線ケーブル201が所定位置zと後縁部との間から翼100内の周囲とは絶縁状態で翼長手方向に挿入される。短尺電線ケーブル201は、一方の端部を先端部とするように後縁部に沿って挿通され、短尺電線ケーブル201先端が一方の端部側で翼100と導通するよう接続されている。短尺電線ケーブル201の長さは、長尺電線ケーブル202が摩耗により破断するより前に破断しない程度の長さで挿通されている。さらに、中尺電線ケーブル203が短尺電線ケーブル201の挿入位置と後縁部との間から翼100内の周囲とは絶縁状態で翼長手方向に挿入される。中尺電線ケーブル203は、翼長手方向の一方の端部から翼長手方向の略中央部まで後縁部に沿って挿通され、中尺電線ケーブル203先端が翼100と導通するよう接続されている。
長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201とは第1直流抵抗値計測部205に接続されており、第1直流抵抗値計測部205は、長尺電線ケーブル202の先端部と短尺電線ケーブル201の先端部との間の直流抵抗値を常時に、または一定時間ごとに計測するもので、翼100と摩耗監視部5の間、もしくは摩耗監視部5内部に設けられている。
中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201とは第2直流抵抗値計測部206に接続されており、第2直流抵抗値計測部206は、翼100の長手方向の後縁部を経由した中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の電気抵抗(中尺電線ケーブル203と、中尺電線ケーブル203の先端部と翼100の長手方向の後縁部と短尺電線ケーブル201の先端部と、短尺電線ケーブル201を経由する間の電気抵抗)の直流抵抗値を常時に、または一定時間ごとに計測するもので、翼100と摩耗監視部5の間、もしくは摩耗監視部5内部に設けられている。
摩耗監視部5は、第1直流抵抗値計測部205により計測された直流抵抗値の変化と、第2直流抵抗値計測部206により計測された直流抵抗値の変化とを監視している。
図11には、本実施形態に係る第1直流抵抗値計測部及び第2直流抵抗値計測部の計測値のグラフが示されている。
図11において、縦軸は第1直流抵抗値計測部205及び第2直流抵抗値計測部206の計測値である電気抵抗値(Ω)、横軸は時間である。また実線は、第1直流抵抗値計測部205の計測した電気抵抗値(本実施形態では直流電流を通過させた場合の直流抵抗)の推移を表し、点線は第2直流抵抗値計測部206の計測した電気抵抗値の推移を表している。
図10の点線に示されるように、翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部からSPEが発生し、前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布して矢印の方向に摩耗が進行していく。摩耗により中尺電線ケーブル203が破断するまでは、図11のグラフの点線に示されるように第2直流抵抗値計測部206が計測する電気抵抗値は時間t0までほぼ0に近い値となっている。翼100の後縁部の摩耗が徐々に進行すると、翼100の形状が変化することから、翼100の長手方向の後縁部を経由した中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の電気抵抗値も変化する。本実施形態の場合は、時間t0から翼100の摩耗により電気抵抗値がほぼ0の状態から徐々に上昇する。そして、時間t2において中尺電線ケーブル203が破断すると、第2直流抵抗値計測部206の計測する電気抵抗値はxΩ(xはMΩ単位の値)となる。
さらに摩耗が進行すると、図11のグラフの実線に示されるように時間t1から翼100の摩耗により第1直流抵抗値計測部205の計測する電気抵抗値はほぼ0の状態から徐々に上昇する。そして時間txにおいて長尺電線ケーブル202が破断すると、第1直流抵抗値計測部205の計測する電気抵抗値はxΩ(xはMΩ単位の値)となる。
よって、翼100の長手方向の後縁部を経由した中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の電気抵抗値を計測し、摩耗監視部5は、電気抵抗値が絶縁状態に至る前の時間t0からの電気抵抗値の変化に基づき、中尺電線ケーブル203の破断、すなわち中尺電線ケーブル203の挿入位置までの初段静翼10の翼100の後縁部の摩耗の進行を判断し、さらに所定位置zまでの摩耗の進行を確実に事前に予測することができる。
〔第3実施形態の変形例〕
本実施形態では、長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の直流抵抗及び中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の直流抵抗を計測したが、代わりに長尺電線ケーブル202と短尺電線ケーブル201との間の高周波抵抗及び中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の高周波抵抗を計測するとしてもよい。この場合は、第1直流抵抗値計測部205の代わりに、第1高周波抵抗値計測部、また第2直流抵抗値計測部206の代わりに、第2高周波抵抗値計測部を用いる。
本変形例では、所定の高周波電流を通過させた場合の高周波抵抗でもよく、このときの高周波抵抗は、所定の高周波周波数が1KHz程度の印加とすることで高周波電流は主として表面厚さ0.5mm程度を通過するようになり、この表面部分の抵抗を計測するものとする。
高周波抵抗は、翼100の表面を主体とする抵抗値の変化を検出できることから、摩耗による翼100の表面状態の変化に対応して電気抵抗は大きく変化する。よって、摩耗監視部5は、直流抵抗値よりも全体的な摩耗の進行状況を把握することができる。また、摩耗監視部5は、直流抵抗値を計測する場合よりもさらに早い時間に事前に所定位置zまでの摩耗の進行を予測することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るタービン翼摩耗監視装置及びタービン翼摩耗監視方法によれば、以下の作用効果を奏する。
初段静翼10の翼100に挿通された翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の第1直流抵抗値を計測し、また翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と中尺電線ケーブル203との間の第2直流抵抗値を計測し、第1及び第2直流抵抗値の変化に応じて翼100の摩耗の状態の予測を行うこととした。
翼100の後縁部の翼長手方向の略中央部から前縁部及び翼端部に向かって円弧を描くように摩耗の浸食速度が分布した摩耗の進行により、後縁部の翼長手方向の略中央部まで後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブル203と短尺電線ケーブル201との間の第2直流抵抗値は変化していき、より摩耗が進むと中尺電線ケーブル203が破断する。中尺電線ケーブル203が破断すると、第2直流抵抗値は略0から無限大まで急変する。さらに摩耗が進むと、短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の第1直流抵抗値が変化していき、長尺電線ケーブル202が破断すると、第1直流抵抗値は略0から無限大まで急変する。このように、摩耗による第2直流抵抗値及び第1直流抵抗値の変化を監視することで、翼100の摩耗の状況をより確実に予測することができる。
翼100の後縁部の摩耗が始まり早い段階で中尺電線ケーブル203の破断発生を契機として摩耗の状況を予測することにより、メンテナンス時期をより正確に計画しておき、初段静翼10の交換までの期間を長く確保することができる。また、初段静翼10の交換作業を一層に適切なタイミングで実施することができる。
中尺電線ケーブル203は、初段静翼10の製造などの準備期間に合わせて後縁部からの距離を調整してもよい。
また、本実施形態の変形例では、初段静翼10の翼100の後縁部近傍に挿通された翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と長尺電線ケーブル202との間の第1高周波抵抗値を計測し、また翼100の長手方向の後縁部を経由した短尺電線ケーブル201と中尺電線ケーブル203との間の第2高周波抵抗値を計測し、第1及び第2高周波抵抗値の変化に応じて翼100の摩耗の状態の予測を行うこととした。
本実施形態の変形例によれば、高周波抵抗は、翼100表面を主体とした抵抗変化をより早期から検出できることから、摩耗の進行状況により形状が変化した翼100表面に応じた抵抗値を検知するため、全体的な摩耗の進行を検出することができる。よって、摩耗による抵抗変化がより事前に検出されるため、メンテナンス時期をより正確に計画しておき、交換用初段静翼10を製造し準備する期間を一層に適切なタイミングで確保することができる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
たとえば、上述した各実施形態においては電線ケーブル200などを挿通しその抵抗値を計測して摩耗の状況を監視するとしたが、翼100の表面に歪みセンサを設置し歪み量を計測して摩耗の状況を監視するとしてもよい。
1 蒸気タービン(タービン)
3 タービン翼摩耗監視装置
5 摩耗監視部
10 初段静翼
20 初段動翼
30 主蒸気入口管
40 中圧タービン部
50 高圧タービン部
60 タービン軸
80 蒸気室
100、100a 翼
105 直流抵抗値計測部
200 電線ケーブル
201 短尺電線ケーブル
202 長尺電線ケーブル
203 中尺電線ケーブル
205 第1直流抵抗値計測部
206 第2直流抵抗値計測部

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの翼を備えたタービンの初段静翼の摩耗の監視を行うタービン翼摩耗監視装置において、
    前記タービンに流入する流体により発生する前記初段静翼の翼の後縁部の翼長手方向の略中央部から始まる摩耗の監視を行う摩耗監視部を備え
    前記摩耗監視部は、前記初段静翼の複数の前記翼のうち、全ての前記翼ではなく、前記初段静翼の前記流体の入口から最も遠い位置の近傍であって水平フランジ面の近傍に位置する前記翼を少なくとも含む一以上の前記翼に対し、摩耗の監視を行うタービン翼摩耗監視装置。
  2. 前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼内の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部の前記翼内部で折り返し前記一方の端部へと前記後縁部に沿うように挿通された電線ケーブルと、
    前記電線ケーブルの電気抵抗値を測定する抵抗値計測部と、を備え、
    前記抵抗値計測部の測定した前記電線ケーブルの電気抵抗値が前記摩耗の無い初期状態に対して十分大きい値を示した場合に前記初段静翼の前記翼の摩耗の発生を判断する請求項1に記載のタービン翼摩耗監視装置。
  3. 前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、
    前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルと、
    前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の第1直流抵抗値を計測する第1直流抵抗値計測部と、を備え、
    前記第1直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う請求項1に記載のタービン翼摩耗監視装置。
  4. 前記摩耗監視部は、前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、
    前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルと、
    前記後縁部と前記短尺電線ケーブルとの間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部から翼長手方向の略中央部を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブルと、
    前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の第1直流抵抗値を計測する第1直流抵抗値計測部と、
    前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記中尺電線ケーブルとの間の第2直流抵抗値を計測する第2直流抵抗値計測部と、
    を備え、
    前記第1直流抵抗値および前記第2直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う請求項1に記載のタービン翼摩耗監視装置。
  5. 前記摩耗監視部は、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第1高周波抵抗値を計測する第1高周波抵抗値計測部を備え、
    前記第1高周波抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う請求項に記載のタービン翼摩耗監視装置。
  6. 前記摩耗監視部は、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記長尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第1高周波抵抗値を計測する第1高周波抵抗値計測部と、
    前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した前記短尺電線ケーブルと前記中尺電線ケーブルとの間の所定の高周波電流に対する第2高周波抵抗値を計測する第2高周波抵抗値計測部と、
    を備え、
    前記第1高周波抵抗値および前記第2高周波抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う請求項に記載のタービン翼摩耗監視装置。
  7. 前記タービンは、蒸気タービンである請求項1から請求項のいずれかに記載のタービン翼摩耗監視装置。
  8. 少なくとも1つの翼を備えたタービンの初段静翼の監視を行うタービン翼摩耗監視方法において、
    前記タービンに流入する流体により発生する前記初段静翼の翼の後縁部の翼長手方向の略中央部から始まる摩耗の監視を行い、
    前記初段静翼の複数の前記翼のうち、全ての前記翼ではなく、前記初段静翼の前記流体の入口から最も遠い位置の近傍であって水平フランジ面の近傍に位置する前記翼を少なくとも含む一以上の前記翼に対し、摩耗の監視を行うタービン翼摩耗監視方法。
  9. 前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の近傍内部において前記後縁部の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部を経由し前記一方の端部へと前記後縁部に沿うように挿通された電線ケーブルの電気抵抗値を測定する工程と、
    前記電線ケーブルの電気抵抗値が前記摩耗の無い初期状態に対して十分大きい値を示した場合に前記初段静翼の前記翼の摩耗が発生したことを検知する工程とを備える請求項に記載のタービン翼摩耗監視方法。
  10. 前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルとの間で、前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第1直流抵抗値を計測する工程と、
    前記第1直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う工程とを備える請求項に記載のタービン翼摩耗監視方法。
  11. 前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部の所定位置から前記翼内部で絶縁状態に挿入され他方の端部側を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された長尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記所定位置との間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部側を先端部として前記翼と導通させて挿通された短尺電線ケーブルとの間で前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第1直流抵抗値を計測する工程と、
    前記短尺電線ケーブルと、前記後縁部と前記短尺電線ケーブルとの間で前記初段静翼の前記翼の前記後縁部の翼長手方向の一方の端部から前記翼内部で絶縁状態に挿入されかつ翼長手方向の一方の端部から翼長手方向の略中央部を先端部として前記翼と導通させて前記後縁部に沿って挿通された中尺電線ケーブルとの間で前記翼の長手方向の前記後縁部を経由した第2直流抵抗値を計測する工程と、
    前記第1直流抵抗値および前記第2直流抵抗値の変化に応じて前記初段静翼の前記翼の摩耗の状態の監視を行う工程とを備える請求項に記載のタービン翼摩耗監視方法。
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