JP2001041860A - 機械構造部品の腐食環境損傷診断方法及びその装置 - Google Patents

機械構造部品の腐食環境損傷診断方法及びその装置

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JP2001041860A JP11220914A JP22091499A JP2001041860A JP 2001041860 A JP2001041860 A JP 2001041860A JP 11220914 A JP11220914 A JP 11220914A JP 22091499 A JP22091499 A JP 22091499A JP 2001041860 A JP2001041860 A JP 2001041860A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で
稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断を定量的に扱
うことができる機械構造部品の腐食環境損傷診断方法を
提供すること。 【構成】常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対す
る腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食
抵抗パラメータとを検出・監視し、前記腐食促進パラメ
ータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材
料へ腐食損傷を与える否かを判定し、かつ前記腐食抵抗
パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を演算し、
当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもた
らす期間に限って、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損
傷の進行状態を逐次演算することにより前記機械構造部
品を診断するので、機械構造部品の腐食環境損傷診断を
定量的に扱うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械構造部品の腐食
環境損傷診断方法およびその装置に係わり、例えば蒸気
タービン低圧ロータやガスタービン圧縮機など運転環境
が比較的苛酷でかつ腐食条件が時間とともに変動する環
境で使用される機械構造部品の腐食損傷、き裂の発生お
よび成長に起因した補修・交換の判定が必要となる機械
構造部品の腐食環境損傷診断方法およびその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】腐食環境中で使用されている機械構造部
品は、腐食損傷、腐食疲労き裂や応力腐食割れの発生に
より、しばしば運転休止を余儀なくされることがあり、
それを防ぐため事前の腐食損傷評価、すなわち腐食寿命
診断技術が重要である。
【0003】従来の腐食環境下での腐食損傷に伴う寿命
診断技術は、対象とする実機部材の使用時間後の腐食量
を計測または実験から予測して、あらかじめ腐食損傷マ
スターカーブを作り、このマスターカーブに基づいて機
器の使用時間から直接腐食損傷寿命を予測している例
(例えば特公平6−72838号参照)が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、腐食環境に
曝されている機械構造部品の腐食環境状態は使用時間内
においてかなり変動することが多く、腐食環境の状態が
時間的に変動することを考慮しないと機械構造部品の腐
食環境損傷診断を定量的に扱うことが難しく、十分な寿
命評価ができない。例えば、蒸気タービン低圧ロータで
は、運転出力により蒸気条件が湿り状態または乾き状態
へと変動する部位があり、この場合、当該部位で腐食損
傷が起こるのは水分の存在する湿り状態の時間だけであ
り、水分のない乾き状態の間は腐食損傷が起きない。ま
た、水分の存在する湿り状態においても、その水分に含
まれている腐食性不純物の含有量の変動により腐食損傷
の程度が異なってくる。
【0005】また、ガスタービン圧縮機の場合も、蒸気
タービン低圧ロータと同様に運転出力により、圧縮空気
の条件が湿り状態または乾き状態へと変動する部位があ
り、腐食環境が時間的に変動する。更に、ガスタービン
圧縮機の場合は気象条件(主に降雨)により圧縮空気の
湿り状態が変動し、加えて大気汚染(特にSOx)の程
度が、水分に含まれている腐食性不純物の含有量にも影
響するため、腐食損傷を複雑にしており、腐食損傷診断
を定量的に扱うことが困難であった。
【0006】本発明は上記状況に対処するためになされ
たものである。すなわち、腐食環境状態が時間的に変動
する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷
診断において、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料
に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料
の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、腐食促進パラ
メータの検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷
が起こるか否かを判定し、機器の使用時間ではなく、当
該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限っ
て、腐食抵抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態
を逐次、演算し、機械構造部品の腐食環境損傷診断を定
量的に扱うことができる機械構造部品の腐食環境損傷診
断方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、腐食環境状態が時間的に変動
する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷
診断方法において、常時、腐食環境の当該機械構造部品
材料に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品
材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、前記腐食
促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械
構造部品材料へ腐食損傷を与える否かを判定し、かつ前
記腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性
を演算し、当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食
損傷をもたらす期間に限って、当該腐食損傷抵抗特性を
基に腐食損傷の進行状態を逐次演算することにより前記
機械構造部品を診断することを特徴とする。
【0008】請求項1によると、腐食促進パラメータの
検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こる
か否かを判定し、機器の使用時間ではなく、当該機械構
造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵
抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態を逐次、演
算していくので、機械構造部品の腐食環境損傷診断を定
量的に扱うことができる。
【0009】本発明の請求項2は、互いに電気的に接続
された腐食環境監視センサと、腐食損傷演算装置と、警
告装置およびこれらを制御する制御装置とを備えた、腐
食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で使用される
機械構造部品の腐食環境損傷診断装置において、前記腐
食環境監視センサは、常時腐食環境の当該機械構造部品
材料に対する腐食促進パラメータと当該機械構造部品材
料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、その検出結
果を電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力し、か
つ前記腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境
が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判
定し、その結果を電気信号として前記腐食損傷演算装置
に出力すると共に、前記腐食損傷演算装置は当該腐食環
境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食
環境監視センサによって判定された期間に限って、当該
機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータの検出結果から
腐食損傷抵抗特性を、予め設定してある腐食抵抗パラメ
ータと腐食損傷抵抗特性の関係のデータベースに照らし
て演算し、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行
状態を逐次演算し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果
を警告装置に電気信号として出力し、警告装置は当該腐
食損傷の進行状態の演算結果を、当該機械構造部品に対
して予め設定してある腐食損傷の限界値と比較し、当該
腐食損傷進行状態の演算結果が当該限界値を越えた時に
警告を発することを特徴とする。
【0010】請求項2によると、腐食環境監視センサは
常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促
進パラメータと腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、
腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が機械
構造部品材料へ腐食損傷を与える否かを判定し、その結
果を電気信号として腐食損傷演算装置に出力し、腐食損
傷演算装置は腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を
もたらすと判定された期間に限って、腐食抵抗パラメー
タの検出結果から、腐食損傷の進行状態を逐次、演算し
ていくので、機械構造部品の腐食環境損傷診断を精度よ
く定量的に扱うことができる。
【0011】本発明の請求項3は、請求項2記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断装置において、腐食環境中
で使用される機械構造部品は蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサは
センサ部と検出・監視制御部から構成され、このセンサ
部は前記蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機
と同一、またはこれと電気化学的に同等若しくは類似の
材料からなる電極と、白金電極対と、参照電極及び電気
的絶縁材料からなる保持材と、導線とから構成されてお
り、前記電極、白金電極対、参照電極の一端に前記導線
を接続し、また前記電極、白金電極対、参照電極、導線
を、前記保持材で電気的に絶縁して保持することを特徴
とする。
【0012】請求項3によると、当該腐食環境そのもの
に対する腐食促進パラメータは白金電極対を介して、ま
た、当該機器材料そのものに対する腐食抵抗パラメータ
は当該蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と
同一、又はこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料
からなる電極と参照電極を介して、更に、当該蒸気ター
ビン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又はこれ
と電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と
参照電極および白金電極を介してほぼ同時に計測でき、
かつ、各電極間は保持材により電気的に絶縁されてお
り、長期間に亙り安定した計測機能を保持できる。
【0013】本発明の請求項4は、請求項1記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中
で使用される機械構造部品は蒸気タービン低圧ロータで
あり、この蒸気タービン低圧部の静翼またはケーシング
に腐食環境監視センサを設置するための設置孔または貫
通孔を設け、この設置孔または貫通孔に設置した腐食環
境監視センサのセンサ部により、蒸気および凝縮水の流
れを全体として乱すことなく、凝縮水などの微小水滴中
の腐食促進パラメータおよび当該機械構造部品の腐食抵
抗パラメータを検出・監視することを特徴とする。
【0014】請求項4によれば、蒸気タービン低圧部の
静翼またはケーシングに蒸気および凝縮水の流れを乱す
ことなく腐食環境監視センサを設置できるので、当該部
の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータおよび
の腐食抵抗パラメータが直接把握できる。
【0015】本発明の請求項5は、請求項3記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断装置において、腐食環境中
で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサ
は、白金電極対により、その表面に付着した凝縮水の液
抵抗を測定し、予め内蔵する所定の当該凝縮水の限界液
抵抗値と比較し、蒸気の湿り状態または乾き状態を判定
し、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧
縮機と同一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材
料からなる電極と参照電極に付着した凝縮水を介して当
該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機
材の腐食電位を、また、当該蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に同
等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極および
白金電極に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低
圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電流密度
を電気化学的に検出することを特徴とする。
【0016】請求項5によると、腐食環境監視センサ
は、各電極表面に付着した微小水滴(凝縮水)を介して
腐食促進パラメータである液抵抗を測定し、また、蒸気
の湿り・乾き状態を判定し、かつ、機械構造部品の腐食
抵抗パラメータである腐食電位、腐食電流密度を計測で
きる機能を有する。
【0017】本発明の請求項6は、請求項1記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断方法において、環境条件が
時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品
の腐食損傷が孔食である場合、当該機械構造部品を構成
する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐
食抵抗パラメータを常時検出し、腐食促進パラメータが
検出される期間に限り、検出された腐食抵抗パラメータ
を逐次積算して、腐食抵抗パラメータの累積値を算出
し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定して
ある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔食
寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定し
てある限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定する
ことを特徴とする。
【0018】請求項6によると、腐食損傷が孔食である
場合、その孔食が成長する期間を腐食促進パラメータの
判定から正確に把握でき、かつ、その間の孔食寸法の成
長は腐食抵抗パラメータから演算でき、更に成長した孔
食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部品に
対して予め設定してある限界値とを比較して精度よく判
定できる。
【0019】本発明の請求項7は、請求項1記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中
で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が孔食である
場合、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン
圧縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮機における湿
分と腐食電流密度を常時検出し、運転状態に応じて湿分
が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐
次積算して、その累積値である電気量を算出し、これを
基に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧
縮機に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔
食寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該蒸気タ
ービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予
め設定してある孔食寸法の限界値とを比較して、き裂発
生の有無を判定することを特徴とする。
【0020】請求項7によると、蒸気タービン低圧ロー
タまたはガスタービン圧縮機で腐食損傷が孔食である場
合、運転状態に応じて湿分が検出される期間に限り、検
出された腐食電流密度を逐次積算して孔食寸法の成長を
演算でき、更に成長した孔食を起点としたき裂発生の有
無は、当該機械構造部品に対して予め設定してある限界
値とを比較して精度よく判定できる。
【0021】本発明の請求項8は、環境条件が時間的に
変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環
境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れまた
は腐食疲労き裂の進展であり、当該機械構造部品を構成
する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐
食抵抗パラメータを常時検出し、検出された腐食抵抗パ
ラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂
進展速度を、当該機械構造部品を構成する材料に対し
て、予め設定してある腐食抵抗パラメータと応力腐食割
れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータ
ベース、並びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲
労き裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの
関係のデータベースと照合して演算し、これを腐食促進
パラメータが検出される期間に限り、逐次積算又は加算
して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度
の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果
と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値と
を比較して、当該き裂の有害性を判定することを特徴と
する。
【0022】請求項8によると、腐食損傷が応力腐食割
れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、腐食抵抗パラ
メータおよび力学パラメータから応力腐食割れ進展速度
または腐食疲労き裂進展速度が算出でき、これを腐食促
進パラメータが検出できる期間に限り、逐次積算または
加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展
速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算
結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界
値とを比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定する
ことができる。
【0023】本発明の請求項9は、請求項1記載の機械
構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中
で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が応力腐食割
れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、当該蒸気ター
ビン低圧ロータを構成する材料の蒸気中または圧縮空気
中における液抵抗または湿分の液抵抗と腐食電位を常時
検出し、検出された腐食電位から応力腐食割れ進展速度
または腐食疲労き裂進展速度を、当該蒸気タービン低圧
ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対し
て、予め設定してある腐食電位と応力腐食割れ進展速度
または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並
びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展
速度と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン
圧縮機の力学パラメータの関係のデータベースと照合し
て演算し、併せて検出された液抵抗を当該蒸気タービン
低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に
対して予め設定して液抵抗の限界値と比較し、当該液抵
抗が当該限界値を下回る期間に限り、当該応力腐食割れ
進展速度または腐食疲労き裂進展速度を逐次積算又は加
算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速
度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結
果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧
縮機に対して予め設定してある限界値とを比較して、当
該き裂の有害性を判定することを特徴とする。
【0024】請求項9によると、蒸気タービン低圧ロー
タまたはガスタービン圧縮機で腐食損傷が応力腐食割れ
または腐食疲労き裂の進展である場合、腐食電位および
力学パラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲
労き裂進展速度が算出でき、これを液抵抗が当該限界値
を下回る期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割
れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値である
き裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造
部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当
該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態(請
求項1対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法の
フロー図であり、図2は図1の機械構造部品の使用期間
と腐食損傷の判定との関係を示す図である。
【0026】図1に示すように、本実施の形態の機械構
造部品の腐食環境損傷診断方法は、腐食環境状態が時間
的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食
環境損傷の診断を行うものである。すなわち、常時、腐
食環境1の機械構造部品材料に対する腐食促進パラメー
タ2を検出・監視し、この腐食促進パラメータ2の検出
結果から腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を与え
るか否かを判定5する。また、当該機械構造部品材料3
の腐食抵抗パラメータ4の検出結果から腐食損傷抵抗特
性6を演算する。さらに腐食環境が機械構造部品材料へ
腐食損傷をもたらすと判定5した期間7に限って、当該
腐食損傷抵抗特性6を基に腐食損傷の進行状態8を逐次
演算することで、機械構造部品の腐食環境損傷の診断を
行うものである。
【0027】図2は機械構造部品の使用期間と腐食促進
パラメータとの関係の検出結果を示した図であり、この
検出結果から腐食環境1が機械構造部品材料3へ腐食損
傷を与えるか否かを判定5し、腐食環境1が機械構造部
品材料3へ腐食損傷をもたらす期間7(t1+t2+t
3+……+tn)を知ることができる。
【0028】本実施の形態によれば、今まで良く用いら
れていた機器の使用期間から単純に腐食損傷を予測する
のではなく、腐食環境の機械構造部品材料に対する腐食
促進パラメータの検出結果から当該機械構造部品材料へ
腐食損傷が起こるか否かを判定し、機械構造部品材料へ
腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータ
に基づいて腐食損傷の進行状態を逐次演算していくの
で、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動
する機械構造部品の腐食環境損傷診断をより定量的に扱
うことができる。
【0029】図3は本発明の第2の実施の形態(請求項
2対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置のブロ
ック構成図である。図に示すように、本実施の形態の腐
食環境損傷診断装置は、互いに電気的に接続された腐食
環境監視センサ9と、腐食損傷演算装置10と、警告装
置11およびこれらを制御する制御装置12とから構成
されている。
【0030】腐食環境監視センサ9は、常時、腐食環境
1の機械構造部品材料3に対する腐食促進パラメータ2
と機械構造部品材料3の腐食抵抗パラメータ4とを検出
・監視し、その検出結果を電気信号として腐食損傷演算
装置10に出力し、併せて、腐食環境の機械構造部品材
料に対する腐食促進パラメータ2の検出結果から当該腐
食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否
かを判定5する。その判定結果を電気信号として腐食損
傷演算装置10に出力する。
【0031】腐食損傷演算装置10では腐食環境が機械
構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食環境監視セン
サ9によって判定された期間に限って、当該機械構造部
品材料の腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵
抗特性6を、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐
食損傷抵抗特性の関係のデータベース13に照らして演
算し、腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態8を
逐次演算し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果を警告
装置11に電気信号として出力する。警告装置11は腐
食損傷の進行状態の演算結果を、機械構造部品に対して
予め設定してある腐食損傷の限界値14と比較し、腐食
損傷進行状態の演算結果が限界値14を越えた時に警告
を発する。
【0032】本実施の形態によれば、腐食環境監視セン
サ9は,常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対す
る腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラメータ4とを検
出・監視し、腐食促進パラメータ2の検出結果から腐食
環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判
定し、その判定結果を電気信号として腐食損傷演算装置
10に出力する。腐食損傷演算装置10は腐食環境が機
械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと判定された期間
に限って、腐食抵抗パラメータ4の検出結果から、腐食
損傷の進行状態を逐次演算していくので、今まで多用さ
れていた機器の使用期間から単純に腐食損傷を予測する
のと比較して格段に精度よく、腐食環境状態が時間的に
変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境
損傷診断ができる。
【0033】図4は本発明の第3の実施の形態(請求項
3対応)の腐食環境監視センサの概略構成図である。図
に示すように、本実施の形態の腐食環境監視センサ9
は、センサ部15と検出・監視制御部16とから構成さ
れている。腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気
タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場
合、腐食環境監視センサ9のセンサ部15は、当該蒸気
タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又は
これと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電
極17と、白金電極対18と、参照電極19と、電気的
絶縁材料からなる保持材20および導線21とから構成
されている。このような電極17、白金電極対18、参
照電極19の一端に導線21を接続し、また電極17、
白金電極18、参照電極19、導線21を前記保持材2
0で電気的に絶縁して保持する。さらに、各電極間の間
隔は2μm以上、各電極の深さ方向の長さは0.2mm
以上とする。
【0034】本実施の形態によれば、腐食環境監視セン
サ部15は各電極の間隔を2μm以上としたことによ
り、腐食に関与する径2μm以上の微小水滴22が電極
間に存在すると、電極間が電気的に導通することにな
り、当該腐食環境そのものに対する腐食促進パラメータ
2は白金電極対18を介して、また、当該機器材料その
ものに対する腐食抵抗パラメータ4は電極17と参照電
極19を介して、ほぼ同時に計測できる。
【0035】また、センサ保持材20としては、絶縁特
性を有する高強度耐高温の樹脂材、石英材、またはそれ
と同等の材料が使用されているので、高速流体、高温に
曝される腐食環境監視センサ部15は耐久性、耐高温
性、耐エロージョン・コロージョン性が高まり長期間に
亘りその機能が保持できる。更に、各電極の深さ方向の
長さは、0.2mm以上とすることで、高速流体に曝さ
れた電極自体の腐食やエロージョン・コロージョンによ
る減肉が起きても各電極は最低1年間はその機能を保持
でき、センサ部の消耗による更新回数を少なくできる。
【0036】図5は本発明の第4の実施の形態(請求項
3対応)の腐食環境監視センサの各電極配置の概略構成
図である。図は本実施の形態の腐食環境監視センサの電
極配置を示したもので、同図(A)は白金電極の同心円
配置23を示す図であり、17は蒸気タービン低圧部ま
たはガスタービン圧縮機と同一、又はこれと電気化学的
に同等若しくは類似の材料からなる電極、18は白金電
極対、19は参照電極である。
【0037】同図(B)はワイヤー束断面配置24を示
す図、同図(C)は平行配置25を示す図である。この
他ジグザグ配置、櫛形対配置、およびこれら配置の2つ
以上の組み合わせが考えられ、いずれも腐食促進パラメ
ータとなる微小水滴(凝縮水)の存在を容易に検出でき
る。ただし、製造の容易さを考慮すると白金電極の同心
円配置23が最も優れている。
【0038】図6は本発明の第5の実施の形態(請求項
3対応)の隙間形成装置を設けた腐食環境監視センサの
概略構成図である。図に示すように、本実施の形態の腐
食環境監視センサ15は、その近傍に寿命診断対象の部
位を構成する材料3と同一の材料から成る隙間形成装置
26を設ける。隙間形成装置26と腐食環境監視センサ
15との間隔はスペーサ板27の厚みを調整して行い、
当該機械構造部品の隙間を再現する配置構成としてい
る。
【0039】本実施の形態によれば、腐食環境監視セン
サ15の近傍に人工的に隙間環境を再現でき、隙間環境
中で使用される機械構造部品そのもののの腐食促進パラ
メータおよび腐食抵抗パラメータを把握できる。
【0040】図7は本発明の第6の実施の形態(請求項
4対応)の概略構成図であり、同図(A)は蒸気タービ
ン低圧部の断面図、同図(B)は蒸気タービン低圧部の
静翼に腐食環境監視センサを設置した概略構成図であ
る。
【0041】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低圧ロータ
28である場合、蒸気タービン低圧部の静翼29に腐食
環境監視センサ9を設置するためのセンサ設置孔30
と、静翼29に流入する蒸気及び凝縮水を導入する導入
孔31、並びに導入孔31に導かれた蒸気及び凝縮水を
排出する排出孔32を設け、これらを互いに連結させ、
センサ設置孔30に設置した腐食環境監視センサ9のセ
ンサ部15により、蒸気および凝縮水の流れを全体とし
て乱すことなく、微小水滴(凝縮水)中の腐食促進パラ
メータ2および当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータ
4を検出・監視する。
【0042】本実施の形態によれば、蒸気タービン低圧
部の静翼29に蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく
腐食環境監視センサ9を設置でき、当該部の腐食環境損
傷診断に必要な腐食促進パラメータ2およびの腐食抵抗
パラメータ4を直接把握できる。
【0043】図8は本発明の第7の実施の形態(請求項
4対応)の蒸気タービン低圧部のケーシングに腐食環境
監視センサを設置するときの概略構成図である。なお、
蒸気タービン低圧部の全体概要構成は図7に示されてい
る。
【0044】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低圧ロータ
28である場合、蒸気タービン低圧部のケーシング33
に腐食環境監視センサ9を設置するため、蒸気タービン
低圧ケーシング外面33aからケーシング内面33bの
蒸気通路部34に向かって腐食環境監視センサ9を挿入
するための貫通孔35を設け、センサ設置固定部36に
よって固定した腐食環境監視センサ9のセンサ部15に
より、蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく、微小水
滴(凝縮水)中の腐食促進パラメータ2および当該機械
構造部品の腐食抵抗パラメータ4を検出・監視する。
【0045】本実施の形態によれば、蒸気タービン低圧
部のケーシング33に蒸気および凝縮水の流れを乱すこ
となく腐食環境監視センサ9を設置でき、当該機械構造
部品の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータ2
およびの腐食抵抗パラメータ4を直接把握できる。
【0046】図9は本発明の第8実施の形態(請求項4
対応)のガスタービン圧縮機のケーシングに腐食環境監
視センサを設置するときの概略構成図である。図に示す
ように、本実施の形態の機械構造部品が腐食環境中で使
用されるガスタービン圧縮機である場合、基本的には蒸
気タービン低圧部のケーシングに設置する場合と同様で
ある。すなわち、圧縮機のケーシング37に腐食環境監
視センサ9を設置するため圧縮機外面ケーシング37a
からケーシング内面37bの圧縮空気通路部38に向か
って腐食環境監視センサ9を挿入するための貫通孔39
を設け、センサ設置固定部40によって固定した腐食環
境監視センサ9のセンサ部15により、圧縮空気の流れ
を乱すことなく、圧縮空気中の腐食促進パラメータ2お
よび当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータ4を検出・
監視する。
【0047】本実施の形態によれば、ガスタービン圧縮
機のケーシング37に圧縮空気の流れを乱すことなく腐
食環境監視センサ9を設置でき、当該部の腐食環境損傷
診断に必要な腐食促進パラメータ2および腐食抵抗パラ
メータ4を直接把握できる。
【0048】図10は本発明の第9実施の形態(請求項
5対応)の腐食環境監視センサの機能の概略構成図であ
り、同図(A)は腐食電位を検出する場合、同図(B)
は腐食電流密度を検出する場合の概略構成図である。
【0049】同図(A)に示すように、本実施の形態の
機械構造部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低
圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合、腐食環
境監視センサ9は、白金電極対18により、その表面に
付着した微小水滴(凝縮水)22の液抵抗41を測定
し、予め内蔵する所定の凝縮水の限界液抵抗値42と比
較し、蒸気の湿り状態または乾き状態を判定43し、当
該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と
同一または電気化学的に同等、若しくは類似の材料から
なる電極17と参照電極19に付着した凝縮水を介して
当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮
機材の腐食電位44を検出する。
【0050】また、図(B)に示すように、前記電極1
7と参照電極19および白金電極対18に付着した凝縮
水22を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガ
スタービン圧縮機材の腐食電流密度45を電気化学的に
検出する。
【0051】本実施の形態によれば、腐食環境監視セン
サは、各電極表面に付着した微小水滴(凝縮水)を介し
て腐食促進パラメータ2である液抵抗を測定し、また、
蒸気の湿りまたは乾き状態を判定し、かつ、機械構造部
品の腐食抵抗パラメータ4である腐食電位、または腐食
電流密度を計測できる。
【0052】図11は本発明の第10実施の形態(請求
項6対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
いて、腐食損傷が孔食である場合のフロー図である。図
に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境
損傷診断方法は、当該機械構造部品を構成する材料の腐
食環境中における腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラ
メータ4を常時検出し、腐食促進パラメータ2が検出さ
れる期間46に限り、検出された腐食抵抗パラメータ4
を逐次積算して、腐食抵抗パラメータ4の累積値47を
算出し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定
してある演算手順に従って孔食寸法48を逐次演算し、
この孔食寸法48の演算結果と当該機械構造部品に対し
て予め設定してある限界値49とを比較して、き裂発生
の有無を判定50する。
【0053】本実施の形態によれば、腐食損傷が孔食で
ある場合、その孔食が成長する期間を腐食促進パラメー
タ2の判定から正確に把握でき、かつ、その間の孔食寸
法の成長は腐食抵抗パラメータ2から演算でき、更に成
長した孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構
造部品に対して予め設定してある限界値49と比較して
精度よく判定できる。
【0054】図12は本発明の第11実施の形態(請求
項7対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断
方法において、腐食損傷が孔食である場合のフロー図で
ある。
【0055】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧
ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気
中または圧縮空気中における湿分51と腐食電流密度5
2を常時検出し、運転状態に応じて湿分51が検出され
る期間53に限り、検出された腐食電流密度52を逐次
積算して、その累積値である電気量54を算出し、これ
を基に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン
圧縮機に対して予め設定してある演算手順に従って孔食
寸法48を逐次演算し、孔食寸法48の演算結果と当該
蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対
して予め設定してある孔食寸法の限界値49を比較し
て、き裂発生の有無を判定50する。
【0056】本実施の形態によれば、運転状態に応じて
湿分が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度
を逐次積算して孔食寸法の成長を演算でき、更に成長し
た孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部
品に対して予め設定してある限界値と比較して精度よく
判定できる。
【0057】図13は本発明の第12実施の形態(請求
項8対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
いて、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合のフロ
ー図である。
【0058】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品の腐食環境損傷診断方法は、当該機械構造部品を構
成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ2
と腐食抵抗パラメータ4を常時検出し、検出された腐食
抵抗パラメータ4から応力腐食割れ進展速度を、当該機
械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある
腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度の関係を示
すグラフ(データベース)55、並びに当該応力腐食割
れ進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係
を示すグラフ(データベース)56と照合して演算し、
これを腐食促進パラメータ2が検出される期間46に限
り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積
値であるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と
当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値58
を比較して、当該き裂の有害性を判定59する。
【0059】本実施の形態によれば、腐食損傷が応力腐
食割れの進展である場合、腐食抵抗パラメータ4および
力学パラメータから応力腐食割れ進展速度が算出でき、
これを腐食促進パラメータ2が検出される期間に限り、
逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値で
あるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該
機械構造部品に対して予め設定してある限界値を比較し
て、当該き裂の有害性を精度よく判定することができ
る。
【0060】図14は本発明の第13実施の形態(請求
項8対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
いて、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場合のフロ
ー図である。
【0061】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品の腐食環境損傷診断方法は、当該機械構造部品を構
成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ2
と腐食抵抗パラメータ4を常時検出し、検出された腐食
抵抗パラメータ4から腐食疲労き裂進展速度を、当該機
械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある
腐食抵抗パラメータと腐食疲労き裂進展速度の関係を示
すグラフ(データベース)60、並びに当該腐食疲労き
裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係
を示すグラフ(データベース)61を照合して演算し、
これを腐食促進パラメータ2が検出される期間46に限
り、逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度の累積
値であるき裂寸法62を算出し、き裂寸法の演算結果と
当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値63
とを比較して、当該き裂の有害性を判定64する。
【0062】本実施の形態によれば、腐食抵抗パラメー
タ4および力学パラメータから腐食疲労き裂進展速度が
算出でき、これを腐食促進パラメータ2が検出される期
間に限り、逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度
の累積値であるき裂寸法62を算出し、き裂寸法の演算
結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界
値63を比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定す
ることができる。
【0063】図15は本発明の第14実施の形態(請求
項9対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータで
ある場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が
応力腐食割れの進展である場合のフロー図である。
【0064】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧
ロータを構成する材料の蒸気中における液抵抗41と腐
食電位44を常時検出し、検出された腐食電位から応力
腐食割れ進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータを構
成する材料に対して、予め設定してある腐食電位と応力
腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ(データベース)
65、並びに当該応力腐食割れ進展速度と当該蒸気ター
ビン低圧ロータの力学パラメータの関係を示すグラフ
(データベース)56と照合して演算し、併せて検出さ
れた液抵抗41を当該蒸気タービン低圧ロータを構成す
る材料に対して予め設定して液抵抗の限界値66と比較
し、当該液抵抗が当該限界値を下回る期間67に限り、
当該応力腐食割れ進展速度を逐次積算又は加算して応力
腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法57を算出
し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータ
に対して予め設定してある限界値68を比較して、当該
き裂の有害性を判定69する。
【0065】本実施の形態によれば、腐食電位および力
学パラメータから応力腐食割れ進展速度が算出でき、こ
れを液抵抗が当該限界値を下回る期間に限り、逐次積算
又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂
寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造
部品に対して予め設定してある限界値を比較して、当該
き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0066】図16は本発明の第15実施の形態(請求
項9対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータま
たはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断
方法において、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場
合のフロー図である。
【0067】図に示すように、本実施の形態の機械構造
部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧
ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気
中または圧縮空気中における湿分の液抵抗41と腐食電
位44を常時検出し、検出された腐食電位から腐食疲労
き裂進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガ
スタービン圧縮機を構成する材料に対して、予め設定し
てある腐食電位と腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグ
ラフ(データベース)70、並びに当該腐食疲労き裂進
展速度と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービ
ン圧縮機の力学パラメータの関係を示すグラフ(データ
ベース)61と照合して演算し、併せて検出された液抵
抗41を当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービ
ン圧縮機を構成する材料に対して予め設定して液抵抗の
限界値71と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回る
か否かを判定72し、更に当該限界値を下回る期間中7
3で、かつ蒸気タービンまたはガスタービン圧縮機の負
荷が予め設定してある特定の負荷帯にある期間74に限
り、当該腐食疲労き裂進展速度を逐次積算又は加算して
腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法62を算
出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロー
タまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある
限界値75とを比較して、当該き裂の有害性を判定76
する。
【0068】本実施の形態によれば、腐食電位および力
学パラメータから腐食疲労き裂進展速度が算出でき、こ
れを液抵抗が当該限界値を下回る期間中で、かつ蒸気タ
ービンまたはガスタービン圧縮機の負荷が予め設定して
ある特定の負荷帯にある期間に限り、逐次積算又は加算
して腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算
出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して
予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害
性をより精度よく判定することができる。
【0069】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動
する機械構造部品の腐食環境損傷診断において、常時、
腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラ
メータと、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータ
とを検出・監視し、腐食促進パラメータの検出結果から
当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こるか否かを判定
し、機器の使用時間ではなく、当該機械構造部品材料へ
腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータ
に基づいて腐食損傷の進行状態を逐次、演算し、機械構
造部品の腐食環境損傷診断をより定量的に扱うことがで
きるので、苛酷な腐食条件のもとで使用される機械構造
部品の腐食損傷、き裂の発生および成長に起因した補修
・交換の判定が精度よくでき、機器の信頼性向上、安全
な運用という意味でその効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機械構造部品の腐
食環境損傷診断方法のフロー図。
【図2】図1の機械構造部品の使用期間と腐食損傷の判
定との関係を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の機械構造部品の腐
食環境損傷診断装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の腐食環境監視セン
サの概略構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の腐食環境監視セン
サの各電極配置の概略構成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の隙間形成装置を設
けた腐食環境監視センサの概略構成図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の概略構成図であ
り、同図(A)は蒸気タービン低圧部の断面図、同図
(B)は蒸気タービン低圧部の静翼に腐食環境監視セン
サを設置した概略構成図。
【図8】本発明の第7の実施の形態の蒸気タービン低圧
部のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの
概略構成図。
【図9】本発明の第8実施の形態のガスタービン圧縮機
のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの概
略構成図。
【図10】本発明の第9実施の形態の腐食環境監視セン
サの機能の概略構成図であり、同図(A)は腐食電位を
検出する場合、同図(B)は腐食電流密度を検出する場
合の概略構成図。
【図11】本発明の第10実施の形態の機械構造部品の
腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である
場合のフロー図。
【図12】本発明の第11実施の形態の機械構造部品が
蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であ
る場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔
食である場合のフロー図。
【図13】本発明の第12実施の形態の機械構造部品の
腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割
れの進展である場合のフロー図。
【図14】本発明の第13実施の形態の機械構造部品の
腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐食疲労き
裂の進展である場合のフロー図。
【図15】本発明の第14実施の形態の機械構造部品が
蒸気タービン低圧ロータである場合の腐食環境損傷診断
方法において、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場
合のフロー図。
【図16】本発明の第15実施の形態の機械構造部品が
蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であ
る場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐
食疲労き裂の進展である場合のフロー図。
【符号の説明】
1…腐食環境、2…腐食促進パラメータ、3…機械構造
部品材料、4…腐食抵抗パラメータ、5…腐食損傷を与
えるか否かを判定、6…腐食損傷抵抗特性、7…腐食損
傷をもたらす期間、8…腐食損傷の進行状態、9…腐食
環境監視センサ、10…腐食損傷演算装置、11…警告
装置、12…制御装置、13…データベース、14…腐
食損傷の限界値、15…センサ部、16…検出・監視制
御部、17…電極、18…白金電極対、19…参照電
極、20…電気的絶縁材料からなる保持材、21…導
線、22…微小水滴、23…同心円配置、24…ワイヤ
ー束断面配置、25…平行配置、26…隙間形成装置、
27…スペーサ板、28…蒸気タービン低圧ロータ、2
9…静翼、30…センサ設置孔、31…導入孔、32…
排出孔、33…ケーシング、34…蒸気通路部、35…
貫通孔、36…センサ設置固定部、37…圧縮機のケー
シング、38…圧縮空気通路部、39…貫通孔、40…
センサ設置固定部、41…液抵抗、42…限界液抵抗
値、43…蒸気の湿り状態、又は乾き状態を判定、44
…腐食電位、45…腐食電流密度、46…検出される期
間、47…腐食抵抗パラメータの累積値、48…孔食寸
法、49…限界値、50…き裂発生の有無を判定、51
…湿分、52…腐食電流密度、53…湿分が検出される
期間、54…電気量、55…腐食抵抗パラメータと応力
腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ、56…力腐食割
れ進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係
を示すグラフ、57…応力腐食割れ進展速度の累積値で
あるき裂寸法、58…限界値、59…き裂の有害性を判
定、60…腐食抵抗パラメータと腐食疲労き裂進展速度
の関係を示すグラフ、61…腐食疲労き裂進展速度と当
該機械構造部品の力学パラメータの関係を示すグラフ、
62…腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法、
63…限界値、64…き裂の有害性を判定、65…腐食
電位と応力腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ、66
…液抵抗の限界値、67…液抵抗が当該限界値を下回る
期間、68…限界値、69…き裂の有害性を判定、70
…腐食電位と腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグラ
フ、71…液抵抗の限界値、72…液抵抗が当該限界値
を下回るか否かを判定、73…限界値を下回る期間中、
74…特定の負荷帯にある期間、75…限界値、76…
き裂の有害性を判定、100…動翼。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 和成 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 永田 晃則 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 有村 正雄 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G024 AD01 AD34 BA21 BA27 FA06 3G002 EA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食環境状態が時間的に変動する腐食環
    境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断方法に
    おいて、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対す
    る腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食
    抵抗パラメータとを検出・監視し、前記腐食促進パラメ
    ータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材
    料へ腐食損傷を与える否かを判定し、かつ前記腐食抵抗
    パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を演算し、
    当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもた
    らす期間に限って、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損
    傷の進行状態を逐次演算することにより前記機械構造部
    品を診断することを特徴とする機械構造部品の腐食環境
    損傷診断方法。
  2. 【請求項2】 互いに電気的に接続された腐食環境監視
    センサと、腐食損傷演算装置と、警告装置およびこれら
    を制御する制御装置とを備えた、腐食環境状態が時間的
    に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食
    環境損傷診断装置において、前記腐食環境監視センサ
    は、常時腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食
    促進パラメータと当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラ
    メータとを検出・監視し、その検出結果を電気信号とし
    て前記腐食損傷演算装置に出力し、かつ前記腐食促進パ
    ラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部
    品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定し、その結果を
    電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力すると共
    に、前記腐食損傷演算装置は当該腐食環境が当該機械構
    造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食環境監視センサ
    によって判定された期間に限って、当該機械構造部品材
    料の腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特
    性を、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐食損傷
    抵抗特性の関係のデータベースに照らして演算し、当該
    腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態を逐次演算
    し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果を警告装置に電
    気信号として出力し、警告装置は当該腐食損傷の進行状
    態の演算結果を、当該機械構造部品に対して予め設定し
    てある腐食損傷の限界値と比較し、当該腐食損傷進行状
    態の演算結果が当該限界値を越えた時に警告を発するこ
    とを特徴とする機械構造部品の腐食環境損傷診断装置。
  3. 【請求項3】 腐食環境中で使用される機械構造部品は
    蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であ
    り、腐食環境監視センサはセンサ部と検出・監視制御部
    から構成され、このセンサ部は前記蒸気タービン低圧部
    またはガスタービン圧縮機と同一、またはこれと電気化
    学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と、白金電
    極対と、参照電極及び電気的絶縁材料からなる保持材
    と、導線とから構成されており、前記電極、白金電極
    対、参照電極の一端に前記導線を接続し、また前記電
    極、白金電極対、参照電極、導線を、前記保持材で電気
    的に絶縁して保持することを特徴とする請求項2記載の
    機械構造部品の腐食環境損傷診断装置。
  4. 【請求項4】 腐食環境中で使用される機械構造部品が
    蒸気タービン低圧ロータであり、この蒸気タービン低圧
    部の静翼またはケーシングに腐食環境監視センサを設置
    するための設置孔または貫通孔を設け、この設置孔また
    は貫通孔に設置した腐食環境監視センサのセンサ部によ
    り、蒸気および凝縮水の流れを全体として乱すことな
    く、凝縮水などの微小水滴中の腐食促進パラメータおよ
    び当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータを検出・監視
    することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐
    食環境損傷診断方法。
  5. 【請求項5】 腐食環境中で使用される機械構造部品が
    蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であ
    り、腐食環境監視センサは、白金電極対によりその表
    面に付着した凝縮水の液抵抗を測定し、予め内蔵する所
    定の当該凝縮水の限界液抵抗値と比較し、蒸気の湿り状
    態または乾き状態を判定し、当該蒸気タービン低圧ロー
    タまたはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に
    同等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極に付
    着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材ま
    たはガスタービン圧縮機材の腐食電位を、また、当該蒸
    気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同
    一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材料からな
    る電極と参照電極および白金電極に付着した凝縮水を介
    して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン
    圧縮機材の腐食電流密度を電気化学的に検出することを
    特徴とする請求項3記載の機械構造部品の腐食環境損傷
    診断装置。
  6. 【請求項6】 環境条件が時間的に変動する腐食環境中
    で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
    いて、腐食損傷が孔食である場合、当該機械構造部品を
    構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ
    と腐食抵抗パラメータを常時検出し、腐食促進パラメー
    タが検出される期間に限り、検出された腐食抵抗パラメ
    ータを逐次積算して、腐食抵抗パラメータの累積値を算
    出し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定し
    てある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔
    食寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定
    してある限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定す
    ることを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食
    環境損傷診断方法。
  7. 【請求項7】 環境条件が時間的に変動する腐食環境中
    で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
    いて、前記機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまた
    はガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が孔食である場
    合、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧
    縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮機における湿分
    と腐食電流密度を常時検出し、運転状態に応じて湿分が
    検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐次
    積算して、その累積値である電気量を算出し、これを基
    に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮
    機に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔食
    寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該蒸気ター
    ビン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め
    設定してある孔食寸法の限界値とを比較して、き裂発生
    の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の機械
    構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  8. 【請求項8】 環境条件が時間的に変動する腐食環境中
    で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法にお
    いて、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進
    展であり、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境
    中における腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータを
    常時検出し、検出された腐食抵抗パラメータから応力腐
    食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を、当該機
    械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある
    腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度または腐食
    疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並びに当該応
    力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度と当該
    機械構造部品の力学パラメータの関係のデータベースと
    照合して演算し、これを腐食促進パラメータが検出され
    る期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展
    速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸
    法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に
    対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂
    の有害性を判定することを特徴とする請求項1記載の機
    械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  9. 【請求項9】 腐食環境中で使用される機械構造部品が
    蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であ
    り、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展
    である場合、当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材
    料の蒸気中または圧縮空気中における液抵抗または湿分
    の液抵抗と腐食電位を常時検出し、検出された腐食電位
    から応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度
    を、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧
    縮機を構成する材料に対して、予め設定してある腐食電
    位と応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度
    の関係のデータベース、並びに当該応力腐食割れ進展速
    度または腐食疲労き裂進展速度と当該蒸気タービン低圧
    ロータまたはガスタービン圧縮機の力学パラメータの関
    係のデータベースと照合して演算し、併せて検出された
    液抵抗を当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービ
    ン圧縮機を構成する材料に対して予め設定して液抵抗の
    限界値と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回る期間
    に限り、当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂
    進展速度を逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度
    または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を
    算出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロ
    ータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してあ
    る限界値とを比較して、当該き裂の有害性を判定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境
    損傷診断方法。
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