JP3718377B2 - 機械構造部品の腐食環境損傷診断方法及びその装置 - Google Patents

機械構造部品の腐食環境損傷診断方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械構造部品の腐食環境損傷診断方法およびその装置に係わり、例えば蒸気タービン低圧ロータやガスタービン圧縮機など運転環境が比較的苛酷でかつ腐食条件が時間とともに変動する環境で使用される機械構造部品の腐食損傷、き裂の発生および成長に起因した補修・交換の判定が必要となる機械構造部品の腐食環境損傷診断方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腐食環境中で使用されている機械構造部品は、腐食損傷、腐食疲労き裂や応力腐食割れの発生により、しばしば運転休止を余儀なくされることがあり、それを防ぐため事前の腐食損傷評価、すなわち腐食寿命診断技術が重要である。
【0003】
従来の腐食環境下での腐食損傷に伴う寿命診断技術は、対象とする実機部材の使用時間後の腐食量を計測または実験から予測して、あらかじめ腐食損傷マスターカーブを作り、このマスターカーブに基づいて機器の使用時間から直接腐食損傷寿命を予測している例(例えば特公平6−72838号参照)が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、腐食環境に曝されている機械構造部品の腐食環境状態は使用時間内においてかなり変動することが多く、腐食環境の状態が時間的に変動することを考慮しないと機械構造部品の腐食環境損傷診断を定量的に扱うことが難しく、十分な寿命評価ができない。例えば、蒸気タービン低圧ロータでは、運転出力により蒸気条件が湿り状態または乾き状態へと変動する部位があり、この場合、当該部位で腐食損傷が起こるのは水分の存在する湿り状態の時間だけであり、水分のない乾き状態の間は腐食損傷が起きない。また、水分の存在する湿り状態においても、その水分に含まれている腐食性不純物の含有量の変動により腐食損傷の程度が異なってくる。
【0005】
また、ガスタービン圧縮機の場合も、蒸気タービン低圧ロータと同様に運転出力により、圧縮空気の条件が湿り状態または乾き状態へと変動する部位があり、腐食環境が時間的に変動する。更に、ガスタービン圧縮機の場合は気象条件(主に降雨)により圧縮空気の湿り状態が変動し、加えて大気汚染(特にSOx)の程度が、水分に含まれている腐食性不純物の含有量にも影響するため、腐食損傷を複雑にしており、腐食損傷診断を定量的に扱うことが困難であった。
【0006】
本発明は上記状況に対処するためになされたものである。すなわち、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断において、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、腐食促進パラメータの検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こるか否かを判定し、機器の使用時間ではなく、当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態を逐次、演算し、機械構造部品の腐食環境損傷診断を定量的に扱うことができる機械構造部品の腐食環境損傷診断方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、前記腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与える否かを判定し、かつ前記腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を演算し、当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態を逐次演算することにより前記機械構造部品を診断することを特徴とする。
【0008】
請求項1によると、腐食促進パラメータの検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こるか否かを判定し、機器の使用時間ではなく、当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態を逐次、演算していくので、機械構造部品の腐食環境損傷診断を定量的に扱うことができる。
【0009】
本発明の請求項2は、互いに電気的に接続された腐食環境監視センサと、腐食損傷演算装置と、警告装置およびこれらを制御する制御装置とを備えた、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断装置において、前記腐食環境監視センサは、常時腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、その検出結果を電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力し、かつ前記腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定し、その結果を電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力すると共に、前記腐食損傷演算装置は当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食環境監視センサによって判定された期間に限って、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐食損傷抵抗特性の関係のデータベースに照らして演算し、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態を逐次演算し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果を警告装置に電気信号として出力し、警告装置は当該腐食損傷の進行状態の演算結果を、当該機械構造部品に対して予め設定してある腐食損傷の限界値と比較し、当該腐食損傷進行状態の演算結果が当該限界値を越えた時に警告を発することを特徴とする。
【0010】
請求項2によると、腐食環境監視センサは常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を与える否かを判定し、その結果を電気信号として腐食損傷演算装置に出力し、腐食損傷演算装置は腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと判定された期間に限って、腐食抵抗パラメータの検出結果から、腐食損傷の進行状態を逐次、演算していくので、機械構造部品の腐食環境損傷診断を精度よく定量的に扱うことができる。
【0011】
本発明の請求項3は、請求項2記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置において、腐食環境中で使用される機械構造部品は蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサはセンサ部と検出・監視制御部から構成され、このセンサ部は前記蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、またはこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と、白金電極対と、参照電極及び電気的絶縁材料からなる保持材と、導線とから構成されており、前記電極、白金電極対、参照電極の一端に前記導線を接続し、また前記電極、白金電極対、参照電極、導線を、前記保持材で電気的に絶縁して保持することを特徴とする。
【0012】
請求項3によると、当該腐食環境そのものに対する腐食促進パラメータは白金電極対を介して、また、当該機器材料そのものに対する腐食抵抗パラメータは当該蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又はこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と参照電極を介して、更に、当該蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又はこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と参照電極および白金電極を介してほぼ同時に計測でき、かつ、各電極間は保持材により電気的に絶縁されており、長期間に亙り安定した計測機能を保持できる。
【0013】
本発明の請求項4は、請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中で使用される機械構造部品は蒸気タービン低圧ロータであり、この蒸気タービン低圧部の静翼またはケーシングに腐食環境監視センサを設置するための設置孔または貫通孔を設け、この設置孔または貫通孔に設置した腐食環境監視センサのセンサ部により、蒸気および凝縮水の流れを全体として乱すことなく、凝縮水などの微小水滴中の腐食促進パラメータおよび当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータを検出・監視することを特徴とする。
【0014】
請求項4によれば、蒸気タービン低圧部の静翼またはケーシングに蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく腐食環境監視センサを設置できるので、当該部の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータおよびの腐食抵抗パラメータが直接把握できる。
【0015】
本発明の請求項5は、請求項3記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置において、腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサは、白金電極対により、その表面に付着した凝縮水の液抵抗を測定し、予め内蔵する所定の当該凝縮水の限界液抵抗値と比較し、蒸気の湿り状態または乾き状態を判定し、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電位を、また、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極および白金電極に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電流密度を電気化学的に検出することを特徴とする。
【0016】
請求項5によると、腐食環境監視センサは、各電極表面に付着した微小水滴(凝縮水)を介して腐食促進パラメータである液抵抗を測定し、また、蒸気の湿り・乾き状態を判定し、かつ、機械構造部品の腐食抵抗パラメータである腐食電位、腐食電流密度を計測できる機能を有する。
【0017】
本発明の請求項6は、請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、環境条件が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食損傷が孔食である場合、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータを常時検出し、腐食促進パラメータが検出される期間に限り、検出された腐食抵抗パラメータを逐次積算して、腐食抵抗パラメータの累積値を算出し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定することを特徴とする。
【0018】
請求項6によると、腐食損傷が孔食である場合、その孔食が成長する期間を腐食促進パラメータの判定から正確に把握でき、かつ、その間の孔食寸法の成長は腐食抵抗パラメータから演算でき、更に成長した孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して精度よく判定できる。
【0019】
本発明の請求項7は、請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が孔食である場合、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮機における湿分と腐食電流密度を常時検出し、運転状態に応じて湿分が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐次積算して、その累積値である電気量を算出し、これを基に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある孔食寸法の限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定することを特徴とする。
【0020】
請求項7によると、蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機で腐食損傷が孔食である場合、運転状態に応じて湿分が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐次積算して孔食寸法の成長を演算でき、更に成長した孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して精度よく判定できる。
【0021】
本発明の請求項8は、環境条件が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展であり、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータを常時検出し、検出された腐食抵抗パラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を、当該機械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係のデータベースと照合して演算し、これを腐食促進パラメータが検出される期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を判定することを特徴とする。
【0022】
請求項8によると、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、腐食抵抗パラメータおよび力学パラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度が算出でき、これを腐食促進パラメータが検出できる期間に限り、逐次積算または加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0023】
本発明の請求項9は、請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材料の蒸気中または圧縮空気中における液抵抗または湿分の液抵抗と腐食電位を常時検出し、検出された腐食電位から応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して、予め設定してある腐食電位と応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機の力学パラメータの関係のデータベースと照合して演算し、併せて検出された液抵抗を当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して予め設定して液抵抗の限界値と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回る期間に限り、当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を判定することを特徴とする。
【0024】
請求項9によると、蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機で腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、腐食電位および力学パラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度が算出でき、これを液抵抗が当該限界値を下回る期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態(請求項1対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法のフロー図であり、図2は図1の機械構造部品の使用期間と腐食損傷の判定との関係を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷の診断を行うものである。すなわち、常時、腐食環境1の機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータ2を検出・監視し、この腐食促進パラメータ2の検出結果から腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定5する。また、当該機械構造部品材料3の腐食抵抗パラメータ4の検出結果から腐食損傷抵抗特性6を演算する。さらに腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと判定5した期間7に限って、当該腐食損傷抵抗特性6を基に腐食損傷の進行状態8を逐次演算することで、機械構造部品の腐食環境損傷の診断を行うものである。
【0027】
図2は機械構造部品の使用期間と腐食促進パラメータとの関係の検出結果を示した図であり、この検出結果から腐食環境1が機械構造部品材料3へ腐食損傷を与えるか否かを判定5し、腐食環境1が機械構造部品材料3へ腐食損傷をもたらす期間7(t1+t2+t3+……+tn)を知ることができる。
【0028】
本実施の形態によれば、今まで良く用いられていた機器の使用期間から単純に腐食損傷を予測するのではなく、腐食環境の機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータの検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こるか否かを判定し、機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態を逐次演算していくので、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断をより定量的に扱うことができる。
【0029】
図3は本発明の第2の実施の形態(請求項2対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置のブロック構成図である。
図に示すように、本実施の形態の腐食環境損傷診断装置は、互いに電気的に接続された腐食環境監視センサ9と、腐食損傷演算装置10と、警告装置11およびこれらを制御する制御装置12とから構成されている。
【0030】
腐食環境監視センサ9は、常時、腐食環境1の機械構造部品材料3に対する腐食促進パラメータ2と機械構造部品材料3の腐食抵抗パラメータ4とを検出・監視し、その検出結果を電気信号として腐食損傷演算装置10に出力し、併せて、腐食環境の機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータ2の検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定5する。その判定結果を電気信号として腐食損傷演算装置10に出力する。
【0031】
腐食損傷演算装置10では腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食環境監視センサ9によって判定された期間に限って、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性6を、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐食損傷抵抗特性の関係のデータベース13に照らして演算し、腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態8を逐次演算し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果を警告装置11に電気信号として出力する。警告装置11は腐食損傷の進行状態の演算結果を、機械構造部品に対して予め設定してある腐食損傷の限界値14と比較し、腐食損傷進行状態の演算結果が限界値14を越えた時に警告を発する。
【0032】
本実施の形態によれば、腐食環境監視センサ9は,常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラメータ4とを検出・監視し、腐食促進パラメータ2の検出結果から腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定し、その判定結果を電気信号として腐食損傷演算装置10に出力する。腐食損傷演算装置10は腐食環境が機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと判定された期間に限って、腐食抵抗パラメータ4の検出結果から、腐食損傷の進行状態を逐次演算していくので、今まで多用されていた機器の使用期間から単純に腐食損傷を予測するのと比較して格段に精度よく、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断ができる。
【0033】
図4は本発明の第3の実施の形態(請求項3対応)の腐食環境監視センサの概略構成図である。
図に示すように、本実施の形態の腐食環境監視センサ9は、センサ部15と検出・監視制御部16とから構成されている。腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合、腐食環境監視センサ9のセンサ部15は、当該蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又はこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極17と、白金電極対18と、参照電極19と、電気的絶縁材料からなる保持材20および導線21とから構成されている。このような電極17、白金電極対18、参照電極19の一端に導線21を接続し、また電極17、白金電極18、参照電極19、導線21を前記保持材20で電気的に絶縁して保持する。さらに、各電極間の間隔は2μm以上、各電極の深さ方向の長さは0.2mm以上とする。
【0034】
本実施の形態によれば、腐食環境監視センサ部15は各電極の間隔を2μm以上としたことにより、腐食に関与する径2μm以上の微小水滴22が電極間に存在すると、電極間が電気的に導通することになり、当該腐食環境そのものに対する腐食促進パラメータ2は白金電極対18を介して、また、当該機器材料そのものに対する腐食抵抗パラメータ4は電極17と参照電極19を介して、ほぼ同時に計測できる。
【0035】
また、センサ保持材20としては、絶縁特性を有する高強度耐高温の樹脂材、石英材、またはそれと同等の材料が使用されているので、高速流体、高温に曝される腐食環境監視センサ部15は耐久性、耐高温性、耐エロージョン・コロージョン性が高まり長期間に亘りその機能が保持できる。更に、各電極の深さ方向の長さは、0.2mm以上とすることで、高速流体に曝された電極自体の腐食やエロージョン・コロージョンによる減肉が起きても各電極は最低1年間はその機能を保持でき、センサ部の消耗による更新回数を少なくできる。
【0036】
図5は本発明の第4の実施の形態(請求項3対応)の腐食環境監視センサの各電極配置の概略構成図である。
図は本実施の形態の腐食環境監視センサの電極配置を示したもので、同図(A)は白金電極の同心円配置23を示す図であり、17は蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、又はこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極、18は白金電極対、19は参照電極である。
【0037】
同図(B)はワイヤー束断面配置24を示す図、同図(C)は平行配置25を示す図である。この他ジグザグ配置、櫛形対配置、およびこれら配置の2つ以上の組み合わせが考えられ、いずれも腐食促進パラメータとなる微小水滴(凝縮水)の存在を容易に検出できる。ただし、製造の容易さを考慮すると白金電極の同心円配置23が最も優れている。
【0038】
図6は本発明の第5の実施の形態(請求項3対応)の隙間形成装置を設けた腐食環境監視センサの概略構成図である。
図に示すように、本実施の形態の腐食環境監視センサ15は、その近傍に寿命診断対象の部位を構成する材料3と同一の材料から成る隙間形成装置26を設ける。隙間形成装置26と腐食環境監視センサ15との間隔はスペーサ板27の厚みを調整して行い、当該機械構造部品の隙間を再現する配置構成としている。
【0039】
本実施の形態によれば、腐食環境監視センサ15の近傍に人工的に隙間環境を再現でき、隙間環境中で使用される機械構造部品そのもののの腐食促進パラメータおよび腐食抵抗パラメータを把握できる。
【0040】
図7は本発明の第6の実施の形態(請求項4対応)の概略構成図であり、同図(A)は蒸気タービン低圧部の断面図、同図(B)は蒸気タービン低圧部の静翼に腐食環境監視センサを設置した概略構成図である。
【0041】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低圧ロータ28である場合、蒸気タービン低圧部の静翼29に腐食環境監視センサ9を設置するためのセンサ設置孔30と、静翼29に流入する蒸気及び凝縮水を導入する導入孔31、並びに導入孔31に導かれた蒸気及び凝縮水を排出する排出孔32を設け、これらを互いに連結させ、センサ設置孔30に設置した腐食環境監視センサ9のセンサ部15により、蒸気および凝縮水の流れを全体として乱すことなく、微小水滴(凝縮水)中の腐食促進パラメータ2および当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータ4を検出・監視する。
【0042】
本実施の形態によれば、蒸気タービン低圧部の静翼29に蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく腐食環境監視センサ9を設置でき、当該部の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータ2およびの腐食抵抗パラメータ4を直接把握できる。
【0043】
図8は本発明の第7の実施の形態(請求項4対応)の蒸気タービン低圧部のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの概略構成図である。なお、蒸気タービン低圧部の全体概要構成は図7に示されている。
【0044】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低圧ロータ28である場合、蒸気タービン低圧部のケーシング33に腐食環境監視センサ9を設置するため、蒸気タービン低圧ケーシング外面33aからケーシング内面33bの蒸気通路部34に向かって腐食環境監視センサ9を挿入するための貫通孔35を設け、センサ設置固定部36によって固定した腐食環境監視センサ9のセンサ部15により、蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく、微小水滴(凝縮水)中の腐食促進パラメータ2および当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータ4を検出・監視する。
【0045】
本実施の形態によれば、蒸気タービン低圧部のケーシング33に蒸気および凝縮水の流れを乱すことなく腐食環境監視センサ9を設置でき、当該機械構造部品の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータ2およびの腐食抵抗パラメータ4を直接把握できる。
【0046】
図9は本発明の第8実施の形態(請求項4対応)のガスタービン圧縮機のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの概略構成図である。
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品が腐食環境中で使用されるガスタービン圧縮機である場合、基本的には蒸気タービン低圧部のケーシングに設置する場合と同様である。すなわち、圧縮機のケーシング37に腐食環境監視センサ9を設置するため圧縮機外面ケーシング37aからケーシング内面37bの圧縮空気通路部38に向かって腐食環境監視センサ9を挿入するための貫通孔39を設け、センサ設置固定部40によって固定した腐食環境監視センサ9のセンサ部15により、圧縮空気の流れを乱すことなく、圧縮空気中の腐食促進パラメータ2および当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータ4を検出・監視する。
【0047】
本実施の形態によれば、ガスタービン圧縮機のケーシング37に圧縮空気の流れを乱すことなく腐食環境監視センサ9を設置でき、当該部の腐食環境損傷診断に必要な腐食促進パラメータ2および腐食抵抗パラメータ4を直接把握できる。
【0048】
図10は本発明の第9実施の形態(請求項5対応)の腐食環境監視センサの機能の概略構成図であり、同図(A)は腐食電位を検出する場合、同図(B)は腐食電流密度を検出する場合の概略構成図である。
【0049】
同図(A)に示すように、本実施の形態の機械構造部品が腐食環境中で使用される蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合、腐食環境監視センサ9は、白金電極対18により、その表面に付着した微小水滴(凝縮水)22の液抵抗41を測定し、予め内蔵する所定の凝縮水の限界液抵抗値42と比較し、蒸気の湿り状態または乾き状態を判定43し、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同一または電気化学的に同等、若しくは類似の材料からなる電極17と参照電極19に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電位44を検出する。
【0050】
また、図(B)に示すように、前記電極17と参照電極19および白金電極対18に付着した凝縮水22を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電流密度45を電気化学的に検出する。
【0051】
本実施の形態によれば、腐食環境監視センサは、各電極表面に付着した微小水滴(凝縮水)を介して腐食促進パラメータ2である液抵抗を測定し、また、蒸気の湿りまたは乾き状態を判定し、かつ、機械構造部品の腐食抵抗パラメータ4である腐食電位、または腐食電流密度を計測できる。
【0052】
図11は本発明の第10実施の形態(請求項6対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である場合のフロー図である。
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラメータ4を常時検出し、腐食促進パラメータ2が検出される期間46に限り、検出された腐食抵抗パラメータ4を逐次積算して、腐食抵抗パラメータ4の累積値47を算出し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定してある演算手順に従って孔食寸法48を逐次演算し、この孔食寸法48の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値49とを比較して、き裂発生の有無を判定50する。
【0053】
本実施の形態によれば、腐食損傷が孔食である場合、その孔食が成長する期間を腐食促進パラメータ2の判定から正確に把握でき、かつ、その間の孔食寸法の成長は腐食抵抗パラメータ2から演算でき、更に成長した孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値49と比較して精度よく判定できる。
【0054】
図12は本発明の第11実施の形態(請求項7対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である場合のフロー図である。
【0055】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮空気中における湿分51と腐食電流密度52を常時検出し、運転状態に応じて湿分51が検出される期間53に限り、検出された腐食電流密度52を逐次積算して、その累積値である電気量54を算出し、これを基に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある演算手順に従って孔食寸法48を逐次演算し、孔食寸法48の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある孔食寸法の限界値49を比較して、き裂発生の有無を判定50する。
【0056】
本実施の形態によれば、運転状態に応じて湿分が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐次積算して孔食寸法の成長を演算でき、更に成長した孔食を起点としたき裂発生の有無は、当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値と比較して精度よく判定できる。
【0057】
図13は本発明の第12実施の形態(請求項8対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合のフロー図である。
【0058】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラメータ4を常時検出し、検出された腐食抵抗パラメータ4から応力腐食割れ進展速度を、当該機械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ(データベース)55、並びに当該応力腐食割れ進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係を示すグラフ(データベース)56と照合して演算し、これを腐食促進パラメータ2が検出される期間46に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値58を比較して、当該き裂の有害性を判定59する。
【0059】
本実施の形態によれば、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合、腐食抵抗パラメータ4および力学パラメータから応力腐食割れ進展速度が算出でき、これを腐食促進パラメータ2が検出される期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値を比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0060】
図14は本発明の第13実施の形態(請求項8対応)の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場合のフロー図である。
【0061】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータ2と腐食抵抗パラメータ4を常時検出し、検出された腐食抵抗パラメータ4から腐食疲労き裂進展速度を、当該機械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグラフ(データベース)60、並びに当該腐食疲労き裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係を示すグラフ(データベース)61を照合して演算し、これを腐食促進パラメータ2が検出される期間46に限り、逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法62を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値63とを比較して、当該き裂の有害性を判定64する。
【0062】
本実施の形態によれば、腐食抵抗パラメータ4および力学パラメータから腐食疲労き裂進展速度が算出でき、これを腐食促進パラメータ2が検出される期間に限り、逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法62を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値63を比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0063】
図15は本発明の第14実施の形態(請求項9対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータである場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合のフロー図である。
【0064】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材料の蒸気中における液抵抗41と腐食電位44を常時検出し、検出された腐食電位から応力腐食割れ進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材料に対して、予め設定してある腐食電位と応力腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ(データベース)65、並びに当該応力腐食割れ進展速度と当該蒸気タービン低圧ロータの力学パラメータの関係を示すグラフ(データベース)56と照合して演算し、併せて検出された液抵抗41を当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材料に対して予め設定して液抵抗の限界値66と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回る期間67に限り、当該応力腐食割れ進展速度を逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータに対して予め設定してある限界値68を比較して、当該き裂の有害性を判定69する。
【0065】
本実施の形態によれば、腐食電位および力学パラメータから応力腐食割れ進展速度が算出でき、これを液抵抗が当該限界値を下回る期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法57を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値を比較して、当該き裂の有害性を精度よく判定することができる。
【0066】
図16は本発明の第15実施の形態(請求項9対応)の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場合のフロー図である。
【0067】
図に示すように、本実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法は、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮空気中における湿分の液抵抗41と腐食電位44を常時検出し、検出された腐食電位から腐食疲労き裂進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して、予め設定してある腐食電位と腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグラフ(データベース)70、並びに当該腐食疲労き裂進展速度と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機の力学パラメータの関係を示すグラフ(データベース)61と照合して演算し、併せて検出された液抵抗41を当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して予め設定して液抵抗の限界値71と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回るか否かを判定72し、更に当該限界値を下回る期間中73で、かつ蒸気タービンまたはガスタービン圧縮機の負荷が予め設定してある特定の負荷帯にある期間74に限り、当該腐食疲労き裂進展速度を逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法62を算出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある限界値75とを比較して、当該き裂の有害性を判定76する。
【0068】
本実施の形態によれば、腐食電位および力学パラメータから腐食疲労き裂進展速度が算出でき、これを液抵抗が当該限界値を下回る期間中で、かつ蒸気タービンまたはガスタービン圧縮機の負荷が予め設定してある特定の負荷帯にある期間に限り、逐次積算又は加算して腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性をより精度よく判定することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によれば、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断において、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、腐食促進パラメータの検出結果から当該機械構造部品材料へ腐食損傷が起こるか否かを判定し、機器の使用時間ではなく、当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、腐食抵抗パラメータに基づいて腐食損傷の進行状態を逐次、演算し、機械構造部品の腐食環境損傷診断をより定量的に扱うことができるので、苛酷な腐食条件のもとで使用される機械構造部品の腐食損傷、き裂の発生および成長に起因した補修・交換の判定が精度よくでき、機器の信頼性向上、安全な運用という意味でその効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法のフロー図。
【図2】図1の機械構造部品の使用期間と腐食損傷の判定との関係を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の腐食環境監視センサの概略構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の腐食環境監視センサの各電極配置の概略構成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の隙間形成装置を設けた腐食環境監視センサの概略構成図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の概略構成図であり、同図(A)は蒸気タービン低圧部の断面図、同図(B)は蒸気タービン低圧部の静翼に腐食環境監視センサを設置した概略構成図。
【図8】本発明の第7の実施の形態の蒸気タービン低圧部のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの概略構成図。
【図9】本発明の第8実施の形態のガスタービン圧縮機のケーシングに腐食環境監視センサを設置するときの概略構成図。
【図10】本発明の第9実施の形態の腐食環境監視センサの機能の概略構成図であり、同図(A)は腐食電位を検出する場合、同図(B)は腐食電流密度を検出する場合の概略構成図。
【図11】本発明の第10実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である場合のフロー図。
【図12】本発明の第11実施の形態の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である場合のフロー図。
【図13】本発明の第12実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合のフロー図。
【図14】本発明の第13実施の形態の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場合のフロー図。
【図15】本発明の第14実施の形態の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータである場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れの進展である場合のフロー図。
【図16】本発明の第15実施の形態の機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機である場合の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が腐食疲労き裂の進展である場合のフロー図。
【符号の説明】
1…腐食環境、2…腐食促進パラメータ、3…機械構造部品材料、4…腐食抵抗パラメータ、5…腐食損傷を与えるか否かを判定、6…腐食損傷抵抗特性、7…腐食損傷をもたらす期間、8…腐食損傷の進行状態、9…腐食環境監視センサ、10…腐食損傷演算装置、11…警告装置、12…制御装置、13…データベース、14…腐食損傷の限界値、15…センサ部、16…検出・監視制御部、17…電極、18…白金電極対、19…参照電極、20…電気的絶縁材料からなる保持材、21…導線、22…微小水滴、23…同心円配置、24…ワイヤー束断面配置、25…平行配置、26…隙間形成装置、27…スペーサ板、28…蒸気タービン低圧ロータ、29…静翼、30…センサ設置孔、31…導入孔、32…排出孔、33…ケーシング、34…蒸気通路部、35…貫通孔、36…センサ設置固定部、37…圧縮機のケーシング、38…圧縮空気通路部、39…貫通孔、40…センサ設置固定部、41…液抵抗、42…限界液抵抗値、43…蒸気の湿り状態、又は乾き状態を判定、44…腐食電位、45…腐食電流密度、46…検出される期間、47…腐食抵抗パラメータの累積値、48…孔食寸法、49…限界値、50…き裂発生の有無を判定、51…湿分、52…腐食電流密度、53…湿分が検出される期間、54…電気量、55…腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ、56…力腐食割れ進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係を示すグラフ、57…応力腐食割れ進展速度の累積値であるき裂寸法、58…限界値、59…き裂の有害性を判定、60…腐食抵抗パラメータと腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグラフ、61…腐食疲労き裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係を示すグラフ、62…腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法、63…限界値、64…き裂の有害性を判定、65…腐食電位と応力腐食割れ進展速度の関係を示すグラフ、66…液抵抗の限界値、67…液抵抗が当該限界値を下回る期間、68…限界値、69…き裂の有害性を判定、70…腐食電位と腐食疲労き裂進展速度の関係を示すグラフ、71…液抵抗の限界値、72…液抵抗が当該限界値を下回るか否かを判定、73…限界値を下回る期間中、74…特定の負荷帯にある期間、75…限界値、76…き裂の有害性を判定、100…動翼。

Claims (9)

  1. 腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で稼動する機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、常時、腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、前記腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与える否かを判定し、かつ前記腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を演算し、当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらす期間に限って、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態を逐次演算することにより前記機械構造部品を診断することを特徴とする機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  2. 互いに電気的に接続された腐食環境監視センサと、腐食損傷演算装置と、警告装置およびこれらを制御する制御装置とを備えた、腐食環境状態が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断装置において、前記腐食環境監視センサは、常時腐食環境の当該機械構造部品材料に対する腐食促進パラメータと当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータとを検出・監視し、その検出結果を電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力し、かつ前記腐食促進パラメータの検出結果から当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷を与えるか否かを判定し、その結果を電気信号として前記腐食損傷演算装置に出力すると共に、前記腐食損傷演算装置は当該腐食環境が当該機械構造部品材料へ腐食損傷をもたらすと腐食環境監視センサによって判定された期間に限って、当該機械構造部品材料の腐食抵抗パラメータの検出結果から腐食損傷抵抗特性を、予め設定してある腐食抵抗パラメータと腐食損傷抵抗特性の関係のデータベースに照らして演算し、当該腐食損傷抵抗特性を基に腐食損傷の進行状態を逐次演算し、当該腐食損傷の進行状態の演算結果を警告装置に電気信号として出力し、警告装置は当該腐食損傷の進行状態の演算結果を、当該機械構造部品に対して予め設定してある腐食損傷の限界値と比較し、当該腐食損傷進行状態の演算結果が当該限界値を越えた時に警告を発することを特徴とする機械構造部品の腐食環境損傷診断装置。
  3. 腐食環境中で使用される機械構造部品は蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサはセンサ部と検出・監視制御部から構成され、このセンサ部は前記蒸気タービン低圧部またはガスタービン圧縮機と同一、またはこれと電気化学的に同等若しくは類似の材料からなる電極と、白金電極対と、参照電極及び電気的絶縁材料からなる保持材と、導線とから構成されており、前記電極、白金電極対、参照電極の一端に前記導線を接続し、また前記電極、白金電極対、参照電極、導線を、前記保持材で電気的に絶縁して保持することを特徴とする請求項2記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置。
  4. 腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータであり、この蒸気タービン低圧部の静翼またはケーシングに腐食環境監視センサを設置するための設置孔または貫通孔を設け、この設置孔または貫通孔に設置した腐食環境監視センサのセンサ部により、蒸気および凝縮水の流れを全体として乱すことなく、凝縮水などの微小水滴中の腐食促進パラメータおよび当該機械構造部品の腐食抵抗パラメータを検出・監視することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  5. 腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食環境監視センサは、白金電極対によりその表面に付着した凝縮水の液抵抗を測定し、予め内蔵する所定の当該凝縮水の限界液抵抗値と比較し、蒸気の湿り状態または乾き状態を判定し、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電位を、また、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機と同一、又は電気化学的に同等、若しくは類似の材料からなる電極と参照電極および白金電極に付着した凝縮水を介して当該蒸気タービン低圧ロータ材またはガスタービン圧縮機材の腐食電流密度を電気化学的に検出することを特徴とする請求項3記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断装置。
  6. 環境条件が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が孔食である場合、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータを常時検出し、腐食促進パラメータが検出される期間に限り、検出された腐食抵抗パラメータを逐次積算して、腐食抵抗パラメータの累積値を算出し、これを基に当該機械構造部品に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  7. 環境条件が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、前記機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が孔食である場合、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料の蒸気中または圧縮機における湿分と腐食電流密度を常時検出し、運転状態に応じて湿分が検出される期間に限り、検出された腐食電流密度を逐次積算して、その累積値である電気量を算出し、これを基に当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある演算手順にしたがって孔食寸法を逐次演算し、孔食寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある孔食寸法の限界値とを比較して、き裂発生の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  8. 環境条件が時間的に変動する腐食環境中で使用される機械構造部品の腐食環境損傷診断方法において、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展であり、当該機械構造部品を構成する材料の腐食環境中における腐食促進パラメータと腐食抵抗パラメータを常時検出し、検出された腐食抵抗パラメータから応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を、当該機械構造部品を構成する材料に対して、予め設定してある腐食抵抗パラメータと応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度と当該機械構造部品の力学パラメータの関係のデータベースと照合して演算し、これを腐食促進パラメータが検出される期間に限り、逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該機械構造部品に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を判定することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
  9. 腐食環境中で使用される機械構造部品が蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機であり、腐食損傷が応力腐食割れまたは腐食疲労き裂の進展である場合、当該蒸気タービン低圧ロータを構成する材料の蒸気中または圧縮空気中における液抵抗または湿分の液抵抗と腐食電位を常時検出し、検出された腐食電位から応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を、当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して、予め設定してある腐食電位と応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の関係のデータベース、並びに当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機の力学パラメータの関係のデータベースと照合して演算し、併せて検出された液抵抗を当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機を構成する材料に対して予め設定して液抵抗の限界値と比較し、当該液抵抗が当該限界値を下回る期間に限り、当該応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度を逐次積算又は加算して応力腐食割れ進展速度または腐食疲労き裂進展速度の累積値であるき裂寸法を算出し、き裂寸法の演算結果と当該蒸気タービン低圧ロータまたはガスタービン圧縮機に対して予め設定してある限界値とを比較して、当該き裂の有害性を判定することを特徴とする請求項1記載の機械構造部品の腐食環境損傷診断方法。
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