JP3569000B2 - ガスタービン翼異常監視システム - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はガスタービン翼異常監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
発電プラント等において、運用されるガスタービンとして例えば図12に示す構成のものが知られている。すなわち、ケーシング1内にタービン軸2と、圧縮機軸3とが同軸として設けられ、タービン軸2に設けられた動翼4およびケーシング1に設けられた靜翼5によってタービンの段落が構成され、ケーシング1に設けられた靜翼7および圧縮機軸3に設けられた動翼6によって圧縮機段落が構成されている。
【0003】
タービン段落および圧縮機段落との間に燃焼器8が設けられ、圧縮機段落で圧縮された圧縮空気が燃焼器8に供給されてここで燃料の燃焼がなされ、燃焼によって生じる高温の燃焼ガスがトランジションピース9を経てタービン段落に案内され、動翼4が回転駆動されてタービン軸1によって仕事が行われる。
【0004】
ところで、従来ガスタービンの効率を向上させる手段として、タービンの入口温度を高温にすることが知られており、実際にタービン入口温度の上昇がなされている。これに伴ってガスタービンの燃焼器8やトランジションピース9、動翼4および靜翼5を耐熱材料で構成する必要が高まり、通常その材料として耐熱超合金材料等が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これまでにガスタービン用耐熱材料として使用されている耐熱超合金の限界温度は800〜900℃であるのに対して、タービン入口温度は約1300℃、局所的には1500℃以上と材料の限界温度を超える温度となっている。このため、ガスタービンの信頼性を維持するために静翼5を材料の耐熱限界温度以下まで冷却する所謂冷却翼の採用が不可欠となっている。
【0006】
この冷却翼は耐熱超合金の限界温度とタービン入口温度との500℃以上の差を克服するために、複雑な冷却構造を有する。
【0007】
上記の冷却構造の一例を図13、図14に示す。まず、図13は動翼の冷却構造を示す断面図である。この図において、圧縮段階で圧縮された圧縮空気は冷却空気10として動翼4の基部に導かれ、動翼4の内部に供給される。そして、冷却空気通路部を通過することにより翼の内面を冷却する。タービュレンスプロモータ14と呼ばれる短矩形状または類似の形状の突起を冷却通路に設けることにより、冷却空気の熱伝導率が増加することは知られており、通常は図13および図14に冷却通路部にはターピュレンスプロモータ14が設置されている。
【0008】
而して、冷却空気10の一部はいくつかのリターン部15を経て流れの向きを変えながら翼の内面を冷却しつつ、チップ吹出し孔13から動翼4の外部に放出される。また、冷却空気10の他の一部は翼の後縁部に設けられたピンフィン12と呼ばれる円筒状または類似の形状の冷却フィンを通過することにより、翼の冷却を行い動翼4の外部に放出される。また、冷却空気10の別の一部は、翼の内面を冷却した後にフィルム冷却孔11から動翼4の外部に吹出され、翼の外面の冷却を行う。
【0009】
一般に冷却構造を採用した動翼には、高温のガスから熱を供給される翼外面と、低温の冷却空気により熱が吸収される翼内面との間に温度差が生じるため、熱応力が生じる。この温度差による熱応力は、翼の厚みを小とすることにより減少することが知られている。
【0010】
材料の耐熱限界温度を遥かに超えるタービン入口温度の条件下で、さらに回転による大きな遠心力を受ける条件下で使用される動翼4は、図13および図14で示したような冷却が正常に機能しない場合には、翼の溶融や飛散といった大事故を生じるおそれがある。動翼の冷却が正常になされているか否かを監視することは、高温ガスタービンの信頼性を維持するために不可欠なことである。
【0011】
上記の冷却が正常に作用しなくなる原因の一つとして、異物混入による損傷があり、図15および図16により異物混入による損傷につき説明する。
【0012】
図15に示すように、高温ガス中に混入した異物16比較的低温で静翼5の入口から進入する。この時点では、異物は翼を破損するに十分な速度を持っていない。このため、動翼4の上流部分が損傷を受けることは希である。しかしながら、静翼5の間を抜けて動翼4に向かう頃には、ガス流の加速と翼の回転との相乗効果で、翼を破損するに十分な速度を持つこととなる。そのため、動翼4の主として前縁部背側を損傷しここで反射する。反射する際、動翼4は静翼5に対して動いているため、異物は加速された再び静翼5に向かう。そして、静翼5に衝突して、異物16は静翼5の背側後縁部を破損し、再び動翼に向かう。
【0013】
一般に、衝突する異物はある程度の大きさがないと、翼を損傷することはない。また、衝突して翼を損傷する際には、異物自身も破損し細分化する。このため、破損を繰り返すうちにやがて破損を生じない大きさとなり、下流に向かう。
【0014】
この異物混入による翼の破損は、タービン入口温度の比較的低い機種の場合には、翼の肉厚が厚いため大きな破損は生じにくい。しかしながら、約1300℃にもなる高温ガスタービンの場合には、前記のように複雑な冷却構造をとりしかも翼の肉厚が薄くなるため、大きな破損を生じやすい。
【0015】
この翼破損により、複雑な冷却構造が壊れ冷却効果が減少する場合がある。その一例は、図16に示すようなものが知られている。図16は、翼の前縁部が損傷し、孔18が生じた状態を示す。本来、冷却空気10は翼の内面を冷却しつつチップ吹き出し孔13から動翼4の外部に吹き出される。しかしながら、孔18が生じたことにより、冷却空気10はチップ吹き出し孔13へは流通しにくくなり、主として孔18から外部に流出する。そのため、孔18とチップ吹き出し孔13との間には、冷却空気が不十分な領域が生じ、その影響によって翼の前縁部に高温部17を生じる。一方、孔18近傍は冷却空気が流出するため通常よりも温度が低下する。また、孔18よりも冷却空気の上流側では孔18のできたことにより冷却空気10が流れやすくなり、冷却空気流量が増加して通常よりも温度が低下して低温部20を生じる。
【0016】
通常の状態では存在しない高温部17と低温部20とが接近した場所に生じることにより、多大な熱応力を生じて孔18は拡大して翼溶融や飛散といった大事故を生じることとなる。
【0017】
近年の高温ガスタービンでは、前記のように材料の耐熱限界温度を超えたタービン入口温度に対応するため、翼を薄くしてしかも複雑な冷却構造としてあるので、上記のような破損形態は従来よりも生じやすくなっている。
【0018】
また、何等かの原因によって冷却孔の閉塞や供給圧力の低下等によっても、前記同様の問題が生じやすくなっている。
【0019】
上記のように、効率を上げるために材料の限界温度を遥かに超えたタービン入口温度で運転される高温ガスタービン動翼においては、何等かの原因により翼の冷却機能が正常に機能しない場合には翼溶融、飛散等を生じるおそれがある。しかも、翼が複雑な冷却構造をとっているために、冷却空気の流量バランスが崩れたような場合でも、冷却効率が極端に低下するおそれがある。
【0020】
従って、翼の冷却効果が正常に機能しているか否かを監視することは、高温ガスタービンの信頼性を維持するために重要な問題である。
【0021】
図17は、図示で示す動翼4に熱電対を取り付けた状態を示し、図18は前図の熱電対の取付部21の断面を示すものである。翼の異常により、所定の冷却効果が得られない場合には翼の温度は上昇する。図17、図18は熱電対によって前記翼の温度を監視するものである。図18において、翼に溝22を設け、この溝22内に熱電対23を取り付け、その上から金属溶射により金属コーティング等により肉盛りによって成形を行っている。
【0022】
しかしながら、上記の熱電対の設置の仕方においては、翼に溝を設ける為に設置場所に制約があり、設置された熱電対の監視範囲は設置された場所の近傍のみであり、1段落当り多数の翼全部を監視するには多数の熱電対を設置しなければならず、実用的でない。
【0023】
上記の事情は、タービンの静翼についても同様である。
【0024】
本発明は上記の事情に基づきなされたもので、高温ガスタービンの静翼の異常を監視する実用的な翼異常監視システムを提供する。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスタービン翼異常監視システムは、静翼内部に冷却空気圧測定点を設け、冷却空気圧を測定することにより静翼の異常を監視する監視システムにおいて、各冷却空気圧測定点に接続された導圧管を円周方向に複数に区分し、同じ区分内における導圧管を相互に接続し、各区分毎に設けられた差圧計によって、静翼の外部に設けられた冷却空気元圧測定点における冷却空気元圧と冷却空気圧との差圧を測定することを特徴とする。
【0026】
【実施例】
タービン静翼の異常を監視するシステムについて説明する。
【0027】
静翼において、冷却構造が崩れた場合には、冷却効果が減少することがある。その場合を図7、図8について説明する。まず、図7に示すように翼の後縁部が損傷して孔41が生じた場合には、冷却空気10は本来翼の後縁部に設けたピンフィン12間を通過し、後縁44の先端のスリット46から外部ら流出する。しかしながら、孔41が生じたことにより冷却空気10はスリット46に流通しにくくなり,主として孔41から流出する。このため、孔41とスリット46との間の部分には冷却空気10が流れず、高温部43が生じる。
【0028】
一方、孔41付近は冷却空気が流出することにより通常よりも温度が低下し、低温部42が生じる。通常では存在しないはずの高温部43、低温部42が接近した位置に存在することにより、多大な熱応力を生じて孔41は拡大して翼の溶融、飛散といった大事故を発生させるおそれがある。図8は、翼の後縁に凹み45を生じた場合を示す。凹み45の影響でピンフィン12部の冷却通路が狭くなる。このため、本来スリット46に流れるべき冷却空気が後縁部全体に流れなくなる。そのため、後縁部に高温部43を生じることとなる。これも、大事故の原因となり得る。
【0029】
近年の高温ガスタービンでは、材料の限界温度を超えた入口温度での使用に対応するために、複雑で翼の薄い冷却構造をとっていることは前記動翼について説明したところと同様である。
【0030】
上記のような大事故の発生を未然に防止するため、翼、特に静翼の状態を監視する手段としては図10、図11に示すものがある。図10は静翼に熱電対が取り付けてあるものであり、図11はその断面を示すものである。静翼5には溝51が設けられ、この溝51内には熱電対52が収容されている。53は金属溶射によって設けられた肉盛り部である。
【0031】
上記のように、静翼に溝を設けるために設置場所に制約があり、静翼全体を監視するためには多数の熱電対が必要であり、実用的でない。。
【0032】
本発明は上記の事情に基づきなされたもので、実用的で信頼性に優れたガスタービンの静翼監視システムを提供する。
【0033】
図1において、静翼5の内部に冷却空気圧測定点31を設け、導圧管33に接続する。冷却空気圧測定点31および冷却空気圧測定点32に接続された両方の導圧管33に差圧計34が接続されている。
【0034】
静翼5の内側における冷却空気圧測定点31は、インサートのない翼については図2に示すように単に静翼5の内部に設け、インサートのある翼については図3に示すようにインサート34の外側の翼壁との空間に設ける。また、冷却空気圧測定点32は翼の破損が生じやすい後縁の付近に設ける。
【0035】
翼の破損は主として異物の混入によることは前記の通りである。異物による破損は、タービン各段落の周方向に配置されたどの翼に起るか予測できない。このため、冷却空気圧測定点31は全ての翼に対して設けなければならないが、翼1枚ごとに差圧計を設けることは実用的でない。そこで、図4に示すように、冷却空気圧測定点31に接続される導圧管33を相互に接続して、差圧計34に導き、周方向に4個程度の差圧計で差圧を測定する。
【0036】
または、図5に示すように冷却空気圧測定点31に接続された導圧管33を多点式圧力計測器35で差圧を測定する。
【0037】
静翼5は精密鋳造で作られているので翼1枚ごとに若干のばらつきがあり、従って冷却空気圧にもばらつきが生じる。また、冷却空気元圧との差圧も運転状態によっても変動する。
【0038】
このため、異常診断システムは図6に示すような形でより総合的な診断を行うようにする。すなわち、図1〜図5により測定した冷却空気圧データに対して、運転状態を監視するデータを参照し、さらにこれまでに正常な状態で翼が運転された実績の冷却空気圧データを参照する。これに対して、事前解析により求めらる異常判定値と照らし合わせて総合的に判断する。
【0039】
まず、冷却空気元圧と冷却空気圧力の差圧は運転状態により変動する。そのため、運転状態を監視するデータを参照する必要がある。
【0040】
また、静翼5は1枚ごとに冷却空気圧にばらつきを生じることは前記した通りである。そのため、翼が正常な状態で運転された実績の冷却空気圧データを参照する必要がある。
【0041】
また、冷却空気圧データが正常な状態から外れていても、翼の温度が許容できる範囲内であれば、異常と判断する必要はない。このため、事前の解析により翼の温度が許容できる範囲を超えるに至る差圧偏差の限界値を求めておき、これを異常判定値として参照する必要がある。
【0042】
参照する実績データは、ある程度正常な状態で運転されたデータが必要であるため、十分なデータが得られるまでボアスコープ等による点検等を定期的に行い、翼が正常であることを確認するとともにデータベースを構築する。
【0043】
また、運転実績データベースには、通常の運転により生じる平均値よりの偏差、ある測定点の測定値の時間的変化、隣接翼との差異、圧力分布パターンの変化等も登録される。
【0044】
これにより、測定したは冷却空気差圧データ運転状態に適応した状態から、平均値からの偏差等の絶対値や相対値、割合の変化ファクタも加味して、異常に上下した場合に総合的に異常診断がなされる。
【0045】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明によればガスタービンの静翼の状態を常時監視することができ、温度の上昇による翼の溶融、飛散等を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図。
【図2】図1のA−A線における断面図。
【図3】さらに他の実施例の断面図。
【図4】本発明の模式図。
【図5】本発明の他の例の模式図。
【図6】前記実施例の異常診断判定の概念図。
【図7】異物による静翼の損傷例を示す断面図。
【図8】異物による静翼の損傷例を示す他の断面図。
【図9】翼に異常が生じた場合の冷却空気圧の分布を示す線図。
【図10】従来例を示す図。
【図11】前図の要部拡大断面図。
【図12】ガスタービンの概略構成図。
【図13】動翼の冷却構造を示す縦断面図。
【図14】その横断面図。
【図15】異物混入の際の異物の軌跡を示す図。
【図16】異物による動翼の損傷例を示す図。
【図17】従来の動翼の温度測定例を示す図。
【図18】図17の要部拡大断面図。
【符号の説明】
4………動翼
5………静翼
【産業上の利用分野】
本発明はガスタービン翼異常監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
発電プラント等において、運用されるガスタービンとして例えば図12に示す構成のものが知られている。すなわち、ケーシング1内にタービン軸2と、圧縮機軸3とが同軸として設けられ、タービン軸2に設けられた動翼4およびケーシング1に設けられた靜翼5によってタービンの段落が構成され、ケーシング1に設けられた靜翼7および圧縮機軸3に設けられた動翼6によって圧縮機段落が構成されている。
【0003】
タービン段落および圧縮機段落との間に燃焼器8が設けられ、圧縮機段落で圧縮された圧縮空気が燃焼器8に供給されてここで燃料の燃焼がなされ、燃焼によって生じる高温の燃焼ガスがトランジションピース9を経てタービン段落に案内され、動翼4が回転駆動されてタービン軸1によって仕事が行われる。
【0004】
ところで、従来ガスタービンの効率を向上させる手段として、タービンの入口温度を高温にすることが知られており、実際にタービン入口温度の上昇がなされている。これに伴ってガスタービンの燃焼器8やトランジションピース9、動翼4および靜翼5を耐熱材料で構成する必要が高まり、通常その材料として耐熱超合金材料等が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これまでにガスタービン用耐熱材料として使用されている耐熱超合金の限界温度は800〜900℃であるのに対して、タービン入口温度は約1300℃、局所的には1500℃以上と材料の限界温度を超える温度となっている。このため、ガスタービンの信頼性を維持するために静翼5を材料の耐熱限界温度以下まで冷却する所謂冷却翼の採用が不可欠となっている。
【0006】
この冷却翼は耐熱超合金の限界温度とタービン入口温度との500℃以上の差を克服するために、複雑な冷却構造を有する。
【0007】
上記の冷却構造の一例を図13、図14に示す。まず、図13は動翼の冷却構造を示す断面図である。この図において、圧縮段階で圧縮された圧縮空気は冷却空気10として動翼4の基部に導かれ、動翼4の内部に供給される。そして、冷却空気通路部を通過することにより翼の内面を冷却する。タービュレンスプロモータ14と呼ばれる短矩形状または類似の形状の突起を冷却通路に設けることにより、冷却空気の熱伝導率が増加することは知られており、通常は図13および図14に冷却通路部にはターピュレンスプロモータ14が設置されている。
【0008】
而して、冷却空気10の一部はいくつかのリターン部15を経て流れの向きを変えながら翼の内面を冷却しつつ、チップ吹出し孔13から動翼4の外部に放出される。また、冷却空気10の他の一部は翼の後縁部に設けられたピンフィン12と呼ばれる円筒状または類似の形状の冷却フィンを通過することにより、翼の冷却を行い動翼4の外部に放出される。また、冷却空気10の別の一部は、翼の内面を冷却した後にフィルム冷却孔11から動翼4の外部に吹出され、翼の外面の冷却を行う。
【0009】
一般に冷却構造を採用した動翼には、高温のガスから熱を供給される翼外面と、低温の冷却空気により熱が吸収される翼内面との間に温度差が生じるため、熱応力が生じる。この温度差による熱応力は、翼の厚みを小とすることにより減少することが知られている。
【0010】
材料の耐熱限界温度を遥かに超えるタービン入口温度の条件下で、さらに回転による大きな遠心力を受ける条件下で使用される動翼4は、図13および図14で示したような冷却が正常に機能しない場合には、翼の溶融や飛散といった大事故を生じるおそれがある。動翼の冷却が正常になされているか否かを監視することは、高温ガスタービンの信頼性を維持するために不可欠なことである。
【0011】
上記の冷却が正常に作用しなくなる原因の一つとして、異物混入による損傷があり、図15および図16により異物混入による損傷につき説明する。
【0012】
図15に示すように、高温ガス中に混入した異物16比較的低温で静翼5の入口から進入する。この時点では、異物は翼を破損するに十分な速度を持っていない。このため、動翼4の上流部分が損傷を受けることは希である。しかしながら、静翼5の間を抜けて動翼4に向かう頃には、ガス流の加速と翼の回転との相乗効果で、翼を破損するに十分な速度を持つこととなる。そのため、動翼4の主として前縁部背側を損傷しここで反射する。反射する際、動翼4は静翼5に対して動いているため、異物は加速された再び静翼5に向かう。そして、静翼5に衝突して、異物16は静翼5の背側後縁部を破損し、再び動翼に向かう。
【0013】
一般に、衝突する異物はある程度の大きさがないと、翼を損傷することはない。また、衝突して翼を損傷する際には、異物自身も破損し細分化する。このため、破損を繰り返すうちにやがて破損を生じない大きさとなり、下流に向かう。
【0014】
この異物混入による翼の破損は、タービン入口温度の比較的低い機種の場合には、翼の肉厚が厚いため大きな破損は生じにくい。しかしながら、約1300℃にもなる高温ガスタービンの場合には、前記のように複雑な冷却構造をとりしかも翼の肉厚が薄くなるため、大きな破損を生じやすい。
【0015】
この翼破損により、複雑な冷却構造が壊れ冷却効果が減少する場合がある。その一例は、図16に示すようなものが知られている。図16は、翼の前縁部が損傷し、孔18が生じた状態を示す。本来、冷却空気10は翼の内面を冷却しつつチップ吹き出し孔13から動翼4の外部に吹き出される。しかしながら、孔18が生じたことにより、冷却空気10はチップ吹き出し孔13へは流通しにくくなり、主として孔18から外部に流出する。そのため、孔18とチップ吹き出し孔13との間には、冷却空気が不十分な領域が生じ、その影響によって翼の前縁部に高温部17を生じる。一方、孔18近傍は冷却空気が流出するため通常よりも温度が低下する。また、孔18よりも冷却空気の上流側では孔18のできたことにより冷却空気10が流れやすくなり、冷却空気流量が増加して通常よりも温度が低下して低温部20を生じる。
【0016】
通常の状態では存在しない高温部17と低温部20とが接近した場所に生じることにより、多大な熱応力を生じて孔18は拡大して翼溶融や飛散といった大事故を生じることとなる。
【0017】
近年の高温ガスタービンでは、前記のように材料の耐熱限界温度を超えたタービン入口温度に対応するため、翼を薄くしてしかも複雑な冷却構造としてあるので、上記のような破損形態は従来よりも生じやすくなっている。
【0018】
また、何等かの原因によって冷却孔の閉塞や供給圧力の低下等によっても、前記同様の問題が生じやすくなっている。
【0019】
上記のように、効率を上げるために材料の限界温度を遥かに超えたタービン入口温度で運転される高温ガスタービン動翼においては、何等かの原因により翼の冷却機能が正常に機能しない場合には翼溶融、飛散等を生じるおそれがある。しかも、翼が複雑な冷却構造をとっているために、冷却空気の流量バランスが崩れたような場合でも、冷却効率が極端に低下するおそれがある。
【0020】
従って、翼の冷却効果が正常に機能しているか否かを監視することは、高温ガスタービンの信頼性を維持するために重要な問題である。
【0021】
図17は、図示で示す動翼4に熱電対を取り付けた状態を示し、図18は前図の熱電対の取付部21の断面を示すものである。翼の異常により、所定の冷却効果が得られない場合には翼の温度は上昇する。図17、図18は熱電対によって前記翼の温度を監視するものである。図18において、翼に溝22を設け、この溝22内に熱電対23を取り付け、その上から金属溶射により金属コーティング等により肉盛りによって成形を行っている。
【0022】
しかしながら、上記の熱電対の設置の仕方においては、翼に溝を設ける為に設置場所に制約があり、設置された熱電対の監視範囲は設置された場所の近傍のみであり、1段落当り多数の翼全部を監視するには多数の熱電対を設置しなければならず、実用的でない。
【0023】
上記の事情は、タービンの静翼についても同様である。
【0024】
本発明は上記の事情に基づきなされたもので、高温ガスタービンの静翼の異常を監視する実用的な翼異常監視システムを提供する。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスタービン翼異常監視システムは、静翼内部に冷却空気圧測定点を設け、冷却空気圧を測定することにより静翼の異常を監視する監視システムにおいて、各冷却空気圧測定点に接続された導圧管を円周方向に複数に区分し、同じ区分内における導圧管を相互に接続し、各区分毎に設けられた差圧計によって、静翼の外部に設けられた冷却空気元圧測定点における冷却空気元圧と冷却空気圧との差圧を測定することを特徴とする。
【0026】
【実施例】
タービン静翼の異常を監視するシステムについて説明する。
【0027】
静翼において、冷却構造が崩れた場合には、冷却効果が減少することがある。その場合を図7、図8について説明する。まず、図7に示すように翼の後縁部が損傷して孔41が生じた場合には、冷却空気10は本来翼の後縁部に設けたピンフィン12間を通過し、後縁44の先端のスリット46から外部ら流出する。しかしながら、孔41が生じたことにより冷却空気10はスリット46に流通しにくくなり,主として孔41から流出する。このため、孔41とスリット46との間の部分には冷却空気10が流れず、高温部43が生じる。
【0028】
一方、孔41付近は冷却空気が流出することにより通常よりも温度が低下し、低温部42が生じる。通常では存在しないはずの高温部43、低温部42が接近した位置に存在することにより、多大な熱応力を生じて孔41は拡大して翼の溶融、飛散といった大事故を発生させるおそれがある。図8は、翼の後縁に凹み45を生じた場合を示す。凹み45の影響でピンフィン12部の冷却通路が狭くなる。このため、本来スリット46に流れるべき冷却空気が後縁部全体に流れなくなる。そのため、後縁部に高温部43を生じることとなる。これも、大事故の原因となり得る。
【0029】
近年の高温ガスタービンでは、材料の限界温度を超えた入口温度での使用に対応するために、複雑で翼の薄い冷却構造をとっていることは前記動翼について説明したところと同様である。
【0030】
上記のような大事故の発生を未然に防止するため、翼、特に静翼の状態を監視する手段としては図10、図11に示すものがある。図10は静翼に熱電対が取り付けてあるものであり、図11はその断面を示すものである。静翼5には溝51が設けられ、この溝51内には熱電対52が収容されている。53は金属溶射によって設けられた肉盛り部である。
【0031】
上記のように、静翼に溝を設けるために設置場所に制約があり、静翼全体を監視するためには多数の熱電対が必要であり、実用的でない。。
【0032】
本発明は上記の事情に基づきなされたもので、実用的で信頼性に優れたガスタービンの静翼監視システムを提供する。
【0033】
図1において、静翼5の内部に冷却空気圧測定点31を設け、導圧管33に接続する。冷却空気圧測定点31および冷却空気圧測定点32に接続された両方の導圧管33に差圧計34が接続されている。
【0034】
静翼5の内側における冷却空気圧測定点31は、インサートのない翼については図2に示すように単に静翼5の内部に設け、インサートのある翼については図3に示すようにインサート34の外側の翼壁との空間に設ける。また、冷却空気圧測定点32は翼の破損が生じやすい後縁の付近に設ける。
【0035】
翼の破損は主として異物の混入によることは前記の通りである。異物による破損は、タービン各段落の周方向に配置されたどの翼に起るか予測できない。このため、冷却空気圧測定点31は全ての翼に対して設けなければならないが、翼1枚ごとに差圧計を設けることは実用的でない。そこで、図4に示すように、冷却空気圧測定点31に接続される導圧管33を相互に接続して、差圧計34に導き、周方向に4個程度の差圧計で差圧を測定する。
【0036】
または、図5に示すように冷却空気圧測定点31に接続された導圧管33を多点式圧力計測器35で差圧を測定する。
【0037】
静翼5は精密鋳造で作られているので翼1枚ごとに若干のばらつきがあり、従って冷却空気圧にもばらつきが生じる。また、冷却空気元圧との差圧も運転状態によっても変動する。
【0038】
このため、異常診断システムは図6に示すような形でより総合的な診断を行うようにする。すなわち、図1〜図5により測定した冷却空気圧データに対して、運転状態を監視するデータを参照し、さらにこれまでに正常な状態で翼が運転された実績の冷却空気圧データを参照する。これに対して、事前解析により求めらる異常判定値と照らし合わせて総合的に判断する。
【0039】
まず、冷却空気元圧と冷却空気圧力の差圧は運転状態により変動する。そのため、運転状態を監視するデータを参照する必要がある。
【0040】
また、静翼5は1枚ごとに冷却空気圧にばらつきを生じることは前記した通りである。そのため、翼が正常な状態で運転された実績の冷却空気圧データを参照する必要がある。
【0041】
また、冷却空気圧データが正常な状態から外れていても、翼の温度が許容できる範囲内であれば、異常と判断する必要はない。このため、事前の解析により翼の温度が許容できる範囲を超えるに至る差圧偏差の限界値を求めておき、これを異常判定値として参照する必要がある。
【0042】
参照する実績データは、ある程度正常な状態で運転されたデータが必要であるため、十分なデータが得られるまでボアスコープ等による点検等を定期的に行い、翼が正常であることを確認するとともにデータベースを構築する。
【0043】
また、運転実績データベースには、通常の運転により生じる平均値よりの偏差、ある測定点の測定値の時間的変化、隣接翼との差異、圧力分布パターンの変化等も登録される。
【0044】
これにより、測定したは冷却空気差圧データ運転状態に適応した状態から、平均値からの偏差等の絶対値や相対値、割合の変化ファクタも加味して、異常に上下した場合に総合的に異常診断がなされる。
【0045】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明によればガスタービンの静翼の状態を常時監視することができ、温度の上昇による翼の溶融、飛散等を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図。
【図2】図1のA−A線における断面図。
【図3】さらに他の実施例の断面図。
【図4】本発明の模式図。
【図5】本発明の他の例の模式図。
【図6】前記実施例の異常診断判定の概念図。
【図7】異物による静翼の損傷例を示す断面図。
【図8】異物による静翼の損傷例を示す他の断面図。
【図9】翼に異常が生じた場合の冷却空気圧の分布を示す線図。
【図10】従来例を示す図。
【図11】前図の要部拡大断面図。
【図12】ガスタービンの概略構成図。
【図13】動翼の冷却構造を示す縦断面図。
【図14】その横断面図。
【図15】異物混入の際の異物の軌跡を示す図。
【図16】異物による動翼の損傷例を示す図。
【図17】従来の動翼の温度測定例を示す図。
【図18】図17の要部拡大断面図。
【符号の説明】
4………動翼
5………静翼
Claims (2)
- 静翼内部に冷却空気圧測定点を設け、冷却空気圧を測定することにより静翼の異常を監視する監視システムにおいて、
各冷却空気圧測定点に接続された導圧管を円周方向に複数に区分し、同じ区分内における導圧管を相互に接続し、各区分毎に設けられた差圧計によって、静翼の外部に設けられた冷却空気元圧測定点における冷却空気元圧と冷却空気圧との差圧を測定することを特徴とするガスタービン静翼監視システム。 - 静翼が破損しやすい静翼後縁付近に冷却空気圧測定点を設けたことを特徴とする請求項1記載のガスタービン静翼監視システム。
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