JP6803918B2 - 導電性高分子を用いたゲル電気泳動法及び転写法の組合せ並びにその使用方法 - Google Patents

導電性高分子を用いたゲル電気泳動法及び転写法の組合せ並びにその使用方法 Download PDF

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Description

アンドリュー・ウッドハム
弁護士整理番号16−01−7768PCT
[関連出願への相互参照]
本出願は、2015年11月10日に出願された米国仮特許出願第62/253,143号の利益を主張する、2016年2月5日に出願された米国特許出願第15/017,540号の一部継続出願である、2016年11月10日に出願された米国特許出願第15/348,803号の優先権及び利益を主張するものであり、それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
本発明は、一般に、巨大分子のゲル電気泳動法及び転写法に関し、より詳細には、透明導電性ポリマーを有する単一のプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットの使用に関する。
[発明の背景]
ウェスタンブロッティングは一般的な技術であるが、転写ステップから生じる多くの問題が依然として存在する。これらは、膜(メンブレン)上にゲルを配置するときの気泡の導入、及び、必要とされるタンパク質の量を減らすためにゲルがより薄くなってきたので、ブロッティング膜にセッティングするプレキャストからゲルをユーザーが動かすときに起きるゲルの破損、を含む。これらの組合せは、限られた量のタンパク質の分析が必要な場合、特に、利用可能なタンパク質がもうこれ以上ない場合或いは臨床検体である場合には、致命的となる可能性がある。更に、タンパク質の分離及び転写の組合せユニットの概念は、プレキャストゲルを収容するため、絶縁性のプラスチックの現行使用によって妨げられている。更に、研究者らは、電気泳動の間にタンパク質の分離を見ることをしばしば好み、ゲルを支持する構造プレート(gel supporting structural plates)としての不透明材料の使用を制限する。
伝統的な2ステップ・プロセス(タンパク質分離及びタンパク質転写)を1ステップに減らし、電気泳動及びタンパク質転写のための別々の装置の代わりに単一の装置を使用して、ウェスタンブロッティング法を単純化する。しかしながら、単一のゲル電気泳動及びタンパク質転写組合せユニットを作る際の1つの課題は、ゲルを膜(メンブレン)に物理的に転写することなく、電気泳動の間にタンパク質分離の程度をユーザが見えるように視覚化し、その後タンパク質をブロッティング膜に転写する装置を作成することである。電気泳動及びタンパク質転写の両方を実行するような装置に対して、プレートはゲルの構造的なサポートを形成しなければならないが、また、ゲル・サポート・プレートを通ってブロッティング膜に電流を流すこともできる。その課題は、タンパク質をブロッティング膜に転写させるために必要とされる電流が、電気泳動中に、タンパク質を分離するのに必要とされる電流に対して垂直に流れなければならないことである。
種々の装置及び技術を用いて、タンパク質及び他の高分子の分離及び転写を単純化する多くの試みがなされてきた。Fernwoodらの米国特許第4,994,166号は、スラブ・ゲル電気泳動法及びブロッティングのための単一の装置が記載されており、これらの両方は対向する垂直壁に沿って分離電極を有する単一のタンク・セル内で実施され、ブロッティング電極はゲルのレベルの上方及び下方に水平に配置される。セルは、分離及びブロッティング電極が別々に通電される、分離モード及びブロッティングモードでオペレーションされる。Fernwoodは、電界が膜(メンブレン)を通過することを許すための多孔質ゲル・サポートを必要とし、そして、トップ転写電極は、分離相の間に、緩衝液との接触から除かれなければならない。Fernwoodはまた、たんぱく質の電気泳動及び転写の両方に対するゲル・サポート・プレートを使用することの問題のいくつかについて議論している。相分離の間にゲルの2つの末端の間に維持されるポテンシャルの違いがあるに違いために、そのゲルの周りの場を、分離の間に、緩衝液と接触する導電性のブロッティング電極が、無効化し、それによって、たんぱく質の移動及び分離を防止する。Fernwoodは、ワイヤーアレイを下部ブロッティング電極として使用することでこの問題を解決し、場を無効化することを避けるために、電極は、タンク内の液体緩衝液レベルよりも上又は下の何れかに上昇させなければならない。提供される別の解決策は、電極プレートの高さが固定され、ゲル・サポート・プレートとの電気的接触を確立又は破壊するために、必要に応じて緩衝液レベルを上昇及び下降させることである。電気泳動及び転写フェーズの間で、プレート又は緩衝液を上昇又は下降させることは、タンパク質をブロッティング膜に分離・転写するための装置及び方法への追加の複雑さのレベルを必要とする。
Dutertreの米国特許第5,102,524号は、先ず、巨大分子(例えば、タンパク質)を分離し、そして、次に分子をブロッティング膜に転写する、2ステップ・プロセスにおいて異なる電極のセットが使用される、ゲル・プレートを通した巨大分子の移動を制御する電気泳動装置及び方法を記述する。
Cognardの米国特許第5,593,561号はまた、巨大分子の制御された移動及び容器内のメンブレンへのその転写のための電気泳動装置及び方法を記述する。電極間に確立された第1の電場は、ゲル中の巨大分子の分離のための手段を提供し、そして、第1の電場に垂直な第2の電場は、その巨大分子をメンブレン上に転写するための手段を提供する。記述された方法において、電極及びブロッティング膜(メンブレン)が容器内で組み立てられ、次いで容器がゲルで満たされる。次いでゲルを液化させ、メンブレンの除去を容認する。Cognardの装置は、作成済みのゲル及びメンブレン・ユニットなしで使用するためのものである。
Margalitの米国特許第8,173,002号は、タンパク質をブロッティング膜上に転写するためのドライ・ブロッティング・システムを開示している。そのシステムは、電気泳動装置を含まないので、その装置は、単一の装置内においてタンパク質の分離及びブロッティングをユーザが視認できるように視覚化することを認容しない。その装置は、ブロッティング装置上のブロッティング膜へとゲルを転写するために、ユーザーが存在することが必要となる。Margalitは、導電性ポリマーの使用を教示するが、タンパク質を分離してタンパク質をブロッティング膜に転写することができる単一の装置との組み合わせではない。Margalitは、ユーザが電気泳動中にタンパク質の分離を見えるように視覚化するために、透明ゲル・サポート・プレートの使用を教示しない。
Ohseの米国特許出願公開公報第2006/0042951号は、微細な溝(ファイン・グローブ)、転写電極、及び約0.1μmの厚さを有する透明な導電性材料の使用により、タンパク質を分離して転写する装置を開示している。その装置は、試料中の物質を流路に沿って移動させるための一対の分離電極、及び、試料中の物質を電気泳動によって捕獲材料に転写させるための一対の転写電極、を含む。透明な導電性材料は、ゲルのためのサポート壁として機能するのに十分な剛性を有さないであろう、約0.1μmの厚さのためにサポート構造となることができない。分離及びブロッティングは、電気泳動緩衝液中で実施されるが、ウエスタンブロットに一般的に使用されるゲル・スラブ又はゲル・スラブ・アセンブリを使用しない。
Serikovの米国特許第6,602,391号は、巨大分子の毛細管分離及び分離後のブロッティングのための装置及び方法を開示する。しかしながら、Serikovは、ユーザーが巨大分子の分離をみることができ、そして、ウェスタンブロッティングのためのブロッティング膜にその巨大分子を転写することができるような、スラブ・ゲルの使用を開示しない。
導電性ポリマーは、以前にも記述されていきていたが、電気泳動及びブロッティングと関連してではない。Atesらは、「導電性ポリマー及びその応用」(Current Physical Chemistry,2012,2,224−240)において、導電性ポリマーの多数の応用を記述する。Jungの国際特許出願第PCT/EP2013/065163号は、帯電防止層用の導電性ポリマー組成物及び透明電極を開示する。Kimの国際特許出願第PCT/KR2008/002236号は、透明電極として使用される導電性高分子、及び、インクジェット・スプレー法を用いて電極を製造する方法を開示する。米国特許出願第13/616,804号は、透明電極を作るため、導電性ポリマー層が形成される、透明パネル及び透明パネルの製造方法を開示する。
プレキャストゲル及びその導電性ポリマー・ハウジングが、タンパク質の分離後にゲルを取り除くことなく、電気泳動及びブロッティングのために使用されることができるように、そして、タンパク質がブロッティング膜に転写されるときに、ゲル・サポート構造として使用されることができるように、ゲル・サポート構造として導電性プレートが使用される、電気泳動及びブロッティング装置において、導電性高分子を用いた透明な導電性プレートは、使用されてこなかった。
単一のプレキャストゲル及びメンブレンの組合せユニットにおいて、ゲル電気泳動及びタンパク質転写を実施できるデバイス及び関連する方法が、現在もまだ必要とされている。更に、研究者らは電気泳動フェーズの間に電気泳動ステップを見守ることを好むので、可視化が可能になるが、ウェスタンブロットの電気泳動ステップ及びタンパク質転写フェーズの両方において使用され得る、ゲル構造サポート・プレートを開発する必要性が残っている。
本発明の背景及び記述において、開示されたすべての特許、特許出願、及び非特許出願は、その全体がすべての目的のために参照により組み込まれる。
[発明の詳細]
本発明は、タンパク質のブロッティング膜への効率的な転写がその後に続く、ハンズフリーのタンパク質分離を実行するため、迅速で信頼性があり且つ容易な方法を提供する導電性ポリマーを使用する1つのプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットで、ゲル電気泳動及び転写を提供することによって、前述の欠点を有利に埋め合わせる。
ゲルに隣接する位置にブロッティング膜が配置され、それによって、タンパク質分離フェーズの間に1つの方向においてゲルを通して電流が流れることを許容し、そして、タンパク質分離フェーズが完了した後に、その分離フェーズの間に電流の流れの方向に垂直な方向において導電性プレート又は半導電性プレートを通して電流が流れるように、そのブロッティング膜が配置された電気泳動ゲルをサポートするための装置の構造における、導電性の、半導電性の、及び/又は消散的な材料の如何なる使用にも関連する、如何なる技術、発明、ノウハウ、方法、組成物、装置、機械、生成物、消耗品、フォーミュラ、及びそれらの如何なる組合せとして、この技術は定義される。このことは、ゲルをプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットから除去することなく達成される。
本発明は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットにおけるゲル電気泳動及びタンパク質転移のための方法を含む。プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットは、ウェスタンブロットにおける使用のための、導電性/半導電性ポリマー・ケーシング、電気泳動ゲル、及びブロッティング膜から構成される。ゲル及びメンブレンのペアは、導電性ポリマーの2枚のシートの間に挟まれている。ゲルは、電流がゲルのy軸の反対側における電極間を流れるとき、そのゲル内においてサイズによってタンパク質を分離することができる。ブロッティング膜は、タンパク質分離後に、ゲルを物理的にブロッティング膜に転写することなく、タンパク質分離後にゲルから転写されたタンパク質を固定することができる。
本発明はまた、ゲル及びメンブレンの間の導電性の低いゲル(即ち、高い割合のポリアクリルアミド)の薄層;ポリアクリルアミド、ビス−トリス、トリス−アセテート等から作られたものを含む異なるタイプの電気泳動ゲル;ニトロセルロース及びポリビニリデンジフルオリド(polyvinylidene difluoride)(PVDF)から作られたものを含む異なる免疫ブロッティング膜(immunoblotting membranes);異なる導電性ポリマー材料;プラスチック絶縁体;バッファタンク及びバッファ蓋;プレキャストゲル及び電極を備えたメンブレン・ホルダー・カセット;負極チャンバ;正極チャンバ;電極アセンブリ;アノード及びカソード・バッファ;冷却ユニット; 及び プログラム可能な電源;のうち1つ以上を含むかもしれない。
本発明は、現行の方法の根本的な問題を解決するためにウェスタンブロッティング適用において特定の抵抗を有する革新的な導電性ポリマーを利用することにおいて、そして、便利な1ステップ電気泳動及び転写方法を可能にすることにおいて、独特である。より具体的には、1対の電極を用いて1つの方向にサイズによってタンパク質を分離し、そして、異なる1対の電極の使用を通してブロッティング膜へ垂直な方向においてタンパク質を転写する、装置に対して有利である、1つのシナリオ(電気泳動)において絶縁体として、及び、もう1つのシナリオ(タンパク質転写)において電極として、作用するプレキャストゲル及びブロッティング膜の組み合わせを収納するために導電性/半導電性ポリマーを使用するという事実に、本発明はその独自性を依存している。プレキャストゲルを構造的にサポートするために使用される導電性ポリマーは、透明であり、これにより、電気泳動中にタンパク質分離をユーザが視認できるように視覚化することができる。
本発明の目的は、従来の溶液に関連する問題又は欠点の何れかから、不都合を受けない導電性ポリマーを用いて、1つのプレキャストゲル及びブロッティング膜の組合せユニットで、ゲル電気泳動及び転写を提供することである。
1つの実施例において、電気泳動分離及びブロッティングのための装置が存在する。この装置は、透明な導電性ポリマーから作られた第1の電気的半導電性のプレートと、及び、第1の電気的半導電性のプレートに対して実質的に平行な第2の電気的半導性のプレートと、を有する。この装置は、電気泳動ゲルと、第1の電気的半導電性のプレート及びブロッティング膜の間にその電気泳動ゲルが位置するブロッティング膜と、を有する。そのブロッティング膜は、電気泳動ゲル及び第2の電気的半導電性のプレートの間にある。
もう1つの実施例において、その装置はまた、第2の電気的に半導電性のプレート及びブロッティング膜の間に低導電率(高抵抗率)ゲルを含む。その実施例はまた、第2の電気的に半導電性のプレート及びブロッティング膜の間にろ紙を含む。
更に別の実施例において、第1の透明な導電性のプレートは、プレート全体に電流/電荷を分散させるように配列して又は格子状に配置された導電性のワイヤを有する。
更にもう1つの実施例において、第1のプレートは、一般に、非導電性の静電気消散性材料から形成される。この装置は、透明なポリマーから作られる第1のプレート、第1のプレートに隣接する電気的半導電性の透明層、第1のプレートと実質的に平行な第2のプレート、電気泳動ゲル及びブロッティング膜、を有する。この実施例において、非導電性の静電気消散性材料は、ブロッティング・フェーズの間にプレート電極として作動するが、電気泳動の間には絶縁プレートとして作動する、少なくとも第1のプレートの内側表面に提供される薄い透明な導電性のポリマー層又は薄い透明な導電性のフィルムを有する。
更にもう1つの実施例において、その装置は、分離フェーズ電極をそれぞれ備える上方バッファ・チャンバ及び下方バッファ・チャンバを有する液体レセプタクル・タンクを含む。そのタンクはまた、分離フェーズ電極から生成される電場が、ブロッティング・フェーズ電極から生成される電場に実質的に垂直になるような態様で、1対のブロッティング・フェーズ電極アレンジを有する。その装置はまた、たんぱく質の分離ステップの後、分離フェーズ電極への電圧及びブロッティング・フェーズ電極への電圧の間で自動又は手動で切り替え、それぞれの電圧を印加するように、構成されるパワーサプライを含む。
更にもう1つの実施例において、巨大分子の分離及びブロッティング膜への分離後のブロッティングのための方法がある。ユーザは、液体レセプタクル・タンク内に第1の向きに装置を供給する。その装置は、透明な導電性ポリマーと、第1の導電性のプレートに実質的に平行な第2の導電性のプレートと、電気泳動ゲルと、及びブロッティング膜と、を含む第1の半導電性のプレートを有する。その電気泳動ゲルは、第1の導電性プレート及びブロッティング膜の間に位置し、そして、ブロッティング膜は、電気泳動ゲル及び第2の導電性のプレートの間に位置する。ユーザは、ゲルのy軸に沿って電流が流れることを引き起こす、1対の分離電極に第1の電気的な駆動力を印加することによって、その装置のゲルに沿って、巨大分子(例えば、タンパク質)を分離する。その電圧は、サイズによって、即ち、より大きな分子はより小さな分子よりもy軸に沿ってよりゆっくり移動することによって、生体分子の分離を引き起こす。その分離電極に印加される電気的な力は、その後、中断される。液体レセプタクル・タンクからゲル及び転写メンブレンを除去することなく、また液体レセプタクル・タンク内のゲル及びメンブレンの同じ向きを維持しながら、第2の電気的な駆動力は、第1の電気的な駆動力に対して実質的に垂直に一対のブロッティング電極に印加される。ゲル及びメンブレン・ユニットの方向は、分離電極及びブロッティング電極の両方に相対的に維持される。第2の電気的な駆動力は、第1の方向におけるゲルのz軸に沿って電流が流れるようにする。第2の電気的な駆動力は、そのゲルに隣接するブロッティング膜にそのゲルから生体分子を転写する。生体分子を分離し、そして、その生体分子をブロッティング膜に転写するステップは、そのユニットをタンクから取り外すことなく実施され、これにより、分離ステップ及び転写ステップの間のゲル及びメンブレンの組合せユニットを新しい方向に設定する必要もなく、単一の液体レセプタクル・タンク内における、電気泳動及びブロッティング膜へのタンパク質の転写のステップを結合させる。
本発明は、この要約、詳細な説明、及び具体的に議論され又は別様に開示される如何なる好ましい及び/又は特定の実施例、の両方と併せて読まれることを意図した、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されることができ、ここにおいて、説明される実施例に限られるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は説明のためのみに提供され、本開示が完璧で完全であり、当業者に本発明の全範囲を十分に伝える。
[図面の簡単な説明]
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、本明細書、特許請求の範囲、及び図面を参照することにより、よりよく理解されるようになるであろう。
図1は、電気泳動及び転写のためのプレキャストゲル及びメンブレンの組合せユニットの一般的な構成の側面図を示す。
図2は、従来技術で知られているような電気泳動に典型的に使用される典型的なプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットの正面図を示す。
図3は、電気泳動及び転写タンク内におけるプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットの側断面図を示す。
図4は、タンク内において配置されたプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットを備えていない電気泳動及び転写タンクの斜視図を示す。
図5は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットの1つの実施例の正面図を示す。
図6は、導電性金網(conductive wire mesh)と、電気泳動ゲルと接触する薄い導電性ポリマー又はフィルムと、を有するゲル及びメンブレン組合せユニットの1つの実施例の側面図を示す。
図7は、ゲル及びメンブレン組合せユニットの1つの実施例の斜視図を示す。
図8は、ゲル及びメンブレンのためのギャップを作るために、1つのプレート上に突起を有するゲル及びメンブレ組合せユニットの1つの実施例の平面図を示す。
図9は、図8の実施例の斜視図を示す。
[図面の詳細な説明]
本発明は、本発明の実施例が示されている、添付の図面を参照して、以下においてより十分に記述されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記述の実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧で完全であるように、そして、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように、提供される。
ある要素がもう1つの要素の「上に」あると言及されるとき、それは、そのもう1つの要素の上に直接存在することができ、或いは、その間に介在する要素が存在し得る、と理解されるであろう。ここにおいて使用されるように、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又はそれ以上の任意の及びすべての組み合わせをも含む。
第1、第2、第3などの用語は、種々の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを記述するためにここにおいて使用されてよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを、もう1つの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションから区別するために使用されるのみである。
図面に示された要素、構成要素、領域、層、及びセクションは、必ずしも原寸に比例して描かれていないことが理解されるであろう。
ここにおいて使用される用語は、特定の実施例を記述するだけのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここにおいて使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上、別様に明白に示さない限りは、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」或いは「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」は、述べられた特徴、領域、整数(integers)、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するが、1又はそれ以上の他の特徴、領域、整数(integers)、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在若しくは追加を除外しないことは、更に理解されるであろう。
更に、「下方の(lower)」又は「底(bottom)」、「上方の(upper)」又は「トップ(top)」、「左(left)」又は「右(right)」、のような相対的な用語は、図において説明されるように、1つの要素の、もう1つ若しくはそれ以上の要素に対する関係を記述するためここにおいて使用されてよい。相対的な用語は、図面に描かれている方向に加えて、その装置の異なる方向を包含することが意図されていることが理解されるであろう。
他に別様に定義されない限り、ここにおいて使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているもののような用語は、関連する技術分野及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、ここで明白にそのように定義づけされてないならば、理想化された若しくは過度に形式ばった意味において解釈されることはないであろう。
本発明の例示的な実施例は、本発明の理想化された実施例を参照してここにおいて説明される。このように、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形が予期されるべきである。従って、本発明の実施例は、ここにおいて、図解される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状におけるずれを含むものとされる。ここにおいて妥当に例示的に開示された本発明は、ここにおいて具体的には開示されていない如何なる要素が存在しない場合であっても、妥当に実施されることができる。
本発明は、導電性ポリマーを用いた1つのプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10を用いたゲル電気泳動及び転写に関する。電気泳動は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)(SDS−PAGE)に限定されるものではないが、それを含む様々な方法を用いて実施されることができる。
1つの実施例において、本発明は、2枚のシートの導電性ポリマー2,4の間に挟まれる転写/ブロッティング膜12及びゲル6を含むプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10、という構成要素から作られる。更に、低導電率を有するゲル8は、ゲル6及びメンブレン12を分離する。
図1は、電気泳動及び転写のためのプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10の一般的な構成の1つの実施例の側面図を示す。一般に、ゲル6及びメンブレン12は、導電性/半導電性ポリマーからなる2つの半導電性プレート又はシート2,4の間に挟まれている。更に、ゲル6及びメンブレン12は、低導電性(即ち、高い割合のポリアクリルアミドの)ゲル8の薄層によって分離されてもよい。分離モードの間、電流は、ゲル6の上方の表面20からゲル6の下方の表面18に流れる。ブロッティング・モード(即ち、タンパク質の転写モード)の間、第1の半導電性プレート2から第2の半導電性プレート4に電流が流れる。
第1の半導電性プレート2は、透明な導電性材料で作られている。これらの導電性材料は、ポリアニリン(polyanilines)、ポリピロール(polypryrrols)、ポリチオフェン(polythiophenes)、又は他の透明導電性ポリマーであって以下により詳細に記述されるもの、の組成物を含む。第1の導電性プレート2は、外側の表面20及び内側の表面14を有する。第2の導電性プレート4はまた、導電性材料で作られているが、ユーザがそのゲルの1つの側を見るだけでタンパク質移動を視認するように可視化できるので、透明である必要はない。不透明な導電性材料の代わりに透明な導電性材料を含むシステムを使用する利点は、電気泳動の間にタンパク質移動/分離の程度を視覚的に決定するために、電気泳動の分離フェーズを見ることをユーザがしばしば好むことである。典型的なプレート電極は金属であり、従って、不透明である。しかしながら、もし典型的な金属プレート電極がゲルの表面に沿って使用されるならば、ユーザは、電気泳動中にタンパク質がどの程度分離したかを決定することができない。1つの実施例において、ゲルの1つの側を見ることによってタンパク質の移動が観察され得るので、1つの導電性プレート2だけが、どれだけタンパク質の移動が生じたかをユーザが視覚的に決定するため、透明であればよい。ゲル6の第2の側は、転写/ブロッティング膜12によって視界から遮断されるであろう。好ましい実施例において、導電性プレート2のために使用されるポリマーは、10〜10 ohm−cmの範囲の体積抵抗率を有するが、10 ohm−cm程度の高さであってもよい。プレート2,4は、ゲルをサポートするために様々なサイズであり得る。典型的なゲル・サポート・プレートは、約10cm×10cmであるが、プレートはゲルを収容するために如何なるサイズであってもよい。
体積抵抗率が10〜10 ohm−cmの範囲又はそれ以上のものを持つプレートを使用することは、プレート2,4が囲む電気泳動ゲル(典型的に、10〜300 ohm−cmの間)のそれよりも高い体積抵抗率をそのプレートが持つので、ゲルの垂直方向の端近くで電極に電流が印加されるとき、電場の無効化を防止する。半導電性プレート2,4をして無効化電場を発するようにさせることなく、電流が、最小抵抗の通路を取り、そして、トップの分離電極からゲルを通して底の分離電極へと流れるので、無効化電場は防止される。
一般に、電気泳動ゲルのためのサポート構造を作るために使用されるポリマーは、ポリマーであり、従って、電気的に絶縁性である。しかし、半導体(1000 S/cmまで)よりもはるかに高いレベルで本質的に電気を伝導する特別なクラスのポリマーがあり、そして、それらの導電率/抵抗率は、生成の異なる方法によってコントロールされ得る。導電性ポリマーは、電気を伝導する有機ポリマーである。具体的には、金属よりも低い導電率を提供し、透明性のような、プラスチックの特性を有することができる。電気的特性(即ち、抵抗率)は、有機合成法及び分散技術を用いて、微調整することができる。有機導電性ポリマーのタイプは、ポリアセチレン(polyacetylene)、ポリ(ピロール)(poly(pyrrole))(PPY)、ポリアニリン(polyanilines)、ポリ(チオフェン)(poly(thiophene))(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))(PEDOT)、ポリ(p−フェニレンスルフィド(poly(p−phenylene sulfide)(PPS)、ポリ(アセチレン)(poly(acetylene))(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(poly(p−phenylene vinylene))(PPV)、及びそれらの誘導体を含む。導電性ポリマーは、導電性ポリマーの組合せ、又は、そのポリマーの誘導体の組合せ、及び非導電性ポリマーと導電性ポリマーの組合せから作られてもよい。一般に、ポリマーの電気伝導性は、ポリマー骨格に沿って電子の非局在化及びドーピングによって、ポリマーの共役π軌道から電子を取り除くことによって作られる。
電場が導電性プレートの全体に沿って均一に分布することを確実にするために、プレートの組成は高い静電気消散性特性を有するべきである。各導電性プレートの全ての領域から発散する実質的に等しい電界を確保するために、導電性プレートの外側の表面は、第1の電気的に半導電性のプレートの上又は内部に配置された1つ又はそれ以上の薄い導電性のワイヤ(又は、ナノワイヤ)を有してもよい。そのワイヤは、アレイ状又は格子状又はメッシュ状に配置されてもよい。電気泳動の間にタンパク質分離をユーザがモニタすることを許すために、そのワイヤ及び導電性プレートを通してゲルをユーザが見ることをそのワイヤが妨害しないように、そのワイヤは目立たない。0.5cmと1.0cmの間の間隔が空けられたワイヤのグリッド又はワイヤを有する好ましい実施例は、その表面から発する実質的に均一な電場を有するプレート電極を作るのに十分であり得る。
再び図1を参照すると、第1の導電性プレート2の内側の表面14に隣接して、電気泳動ゲル6がある。電気泳動ゲル6は、典型的なスラブ・ゲルである。ゲル6は、アガロース(agarose)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、トリス−グリシン(Tris−glycine)、ビス−トリス(bis−Tris)、及びトリス−アセテート(Tris−acetate)を含む、当技術分野で既知の任意の数の組成物から作られ得る。アガロースゲル(Agarose gels)は、典型的に、DNA及びRNA分析のために使用され、そして、ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gels)、トリス−グリシン(Tris−glycine)、ビス−トリス(bis−Tris)、トリス−アセテート(Tris−acetate)は、タンパク質分析のために使用されるであろう。タンパク質分析のための典型的な分離ゲルは、6%及び15%の間のポリアクリルアミド(polyacrylamide)で作られる。好ましい実施において、ビス−トリスゲル(bis−Tris gel)は10%から12%の範囲内にあり、トリス−アセテートゲル(Tris−acetate gel)は7%〜10%の範囲内にあるが、値は、そのサンプル内において探り又は分析することを望むタンパク質のサイズに応じてこれらの範囲の外側にあってもよい。例えば、巨大分子の既知の重量が小さいほど、より高いゲルの割合が使用されるべきである。電気泳動ゲル6の寸法は、典型的には矩形であり、好ましい実施例において約10cm×10cmであるが、同時に行なわれる試料の数、試料のタイプ、及び試料体積に応じて変化し得る。好ましい実施例において、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10は、厚さが1cm未満であるが、より厚く設計されてもよい。電気泳動ゲル6の反対側には、低い導電性(即ち、高い割合)のゲル8がある。
低導電性ゲル8に隣接して、転写メンブレン12がある。固定メンブレンとしても知られている転写メンブレンは、ブロッティングペーパー、ニトロセルロース、PVDF、ナイロン、及び、当業者によく知られるような、処理され又は誘導体化された形態のような材料だけでなく他の材料のような広範囲のブロッティング材料のいずれかであってもよい。メンブレン12の使用、及び、巨大分子が電気泳動ゲル6から低導電性ゲル8を通ってメンブレン12に転写される方法は、以下で更に詳細に検討される。転写メンブレン12及び電気泳動ゲル6の間の低導電性ゲル8は、電気泳動の間、転写メンブレン12の電気泳動ゲル6との直接の接触を防止する。タンパク質はウエスタンブロット転写メンブレン12に対して高い親和性を有するので、低導電性ゲル8は、電気泳動の間にタンパク質がメンブレン12の表面に結合することを防止する。
転写メンブレン12に隣接して、ろ紙60がある。ろ紙60は、高導電性ゲル8及び第2の導電性プレート4との間に挟まれている。ろ紙60は、濡れたとき、イオン・リザーバーとして作用し、それによって、巨大分子のメンブレン12への転写を支援する。ろ紙はまた、転写メンブレン12が濡れた状態に保たれることを確保する。転写メンブレン12及びろ紙60は、メタノール溶液、他の湿潤バッファで、ゲル及びメンブレン組合せユニット10のアセンブリになる前に予備的に湿潤されてもよいが、或いは、ろ紙60は、電気泳動及びブロッティング・フェーズにおいて使用される緩衝液(buffer solution)から濡れてもよい。転写メンブレン湿潤緩衝液(transfer membrane−wetting buffer)は、典型的にはメタノールを含む。
図1のゲル及びメンブレン組合せユニット10は、透明な第1の導電性プレート2及び第2の導電性プレート4の間にすべてが挟まれるが、電気泳動ゲル6、低導電性ゲル8、転写メンブレン12、及びろ紙60を含む。低導電性ゲル8及び/又はろ紙60を有さない実施例はまた、巨大分子を分離し、巨大分子を転写メンブレン12に転写するように機能することができる。
図2は、電気泳動及びタンパク質転写のためのプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10の正面図を示す。電気泳動分離フェーズの間、タンパク質は、ゲル20のトップ部からゲル18の底部まで垂直方向に移動する。電気泳動の間、より大きいタンパク質(上部バンド62として示される)は、より小さいタンパク質(下部バンド64として示される)よりもゲル6を介してより遅く移動する。1つの実施例において、ゲル6の側面に位置する2つの非導電性の絶縁性プラスチック・ストリップ26,28があるが、電気泳動の間にゲル6を通して電流を流すように、導電性プラスチック/ポリマー・シート2,4の間にも挟まれている。これらのストリップはまた、カセットに構造的なサポート及び剛性を提供する。転写/ブロッティング・ステップの間のタンパク質の移動は、y軸に沿ったタンパク質分離の方向に対して垂直なz軸に沿って行われる。
図3のタンク装置30は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10と一緒に、電気泳動分離フェーズ及び転写フェーズの両方のためのシステムとして機能する。タンク装置30は、フロントパネル32、リアパネル68、第1のサイドパネル70、第2のサイドパネル72、底パネル66、リヤパネル68上のリップ部58、及び蓋(図示せず)を含む、液体レセプタクルである。リップ部58は、様々な形状とすることができるが、好ましい実施例において、タンク装置30の第1の及び第2のサイドパネル70,72の内側の壁に沿って実質的にU字形である。
タンパク質の分離及び転写のためのゲルは、通常、タンク装置30内のトリス−アセテート−EDTA(Tris−acetate−EDTA)(TAE)緩衝液のような緩衝溶液を含む電解液中に沈められる。プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10に使用されるゲルのタイプに応じて、他の緩衝液(buffers)を使用してもよい。例えば、トリス−アセテート緩衝液(Tris−acetate buffer)は、トリス−アセテート・ゲル(Tris−acetate gels)のために使用されてよく、一方、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(2−(N−morpholino)ethanesulfonic acid)(MES)又は3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(3−(N−morpholino)propanesulfonic acid)(MOPS)緩衝液は、ビス−トリス・ゲル(bis−Tris gels)ために使用されてよい。この系の緩衝液(buffers)は、電気泳動フェーズ及び転写フェーズの両方に対して効率的であるべきである。タンク装置30は、上方チャンバ34及び下方チャンバ36を有する。上方チャンバ34内には、第1の分離フェーズ負極(カソード)38が配置されている。下方チャンバ36内には、第2の分離フェーズ正極(アノード)40が配置されている。第1の及び第2の分離フェーズ電極38、40はそれぞれ、分離電極38、40に給電するために、プログラム可能な電源(power source)(図示せず)に接続されている。電気泳動及びブロッティングにおける使用のためのタンク装置のための電源は、本技術分野においてよく知られている。第1の及び第2の分離フェーズ電極38、40の間の所望の電圧は、80及び150ボルトの間である。電源は、前記ブロッティング転写電極50、52から、前記分離フェーズ電極38、40の電気的な遮断のため、スイッチング手段を用いる。
上方チャンバ34及び下方チャンバ36は、それぞれ緩衝液(buffer solution)56で満たされており、電気的に導電性のゲル/メンブレン組合せユニット10を介して互いに電気的に接続されており、このことは、第1の分離電極38から、上方チャンバ34内の緩衝液(buffer)56を通って、下方チャンバ36内の緩衝液(buffer)56へとゲル6を通って、第2の分離電極40へと、負の電荷が通過することを許容する。これは、部分的には、それらが収容するゲルよりも高い抵抗を有するゲルを収容する導電性ポリマーのために達成される。リアパネル68は、2の分離電極40からゲル6へと電気的な接続を提供するために、ゲル6の下方の表面18まで、下方チャンバ36から緩衝液(buffer solution)が満ちることを許すために、その下方の領域内に、1つ又はそれ以上の開口74を有する。上方チャンバ34及び下方チャンバ36内の緩衝溶液(buffer solution)56は、同じ緩衝溶液(buffer solution)であってもよく、又は異なる緩衝溶液(buffer solutions)であってもよいが、ここで、いくつかの実施例において、上方チャンバ34内の緩衝溶液(buffer solution)56は酸化防止剤を含んでもよい。
ワイヤは、上方チャンバ34内の溶液がカソード(−)として機能するようにさせ、そして、下方チャンバ36内の溶液がアノード(+)として機能するようにさせる、緩衝溶液56に電気を供給する。ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate)(SDS)を含むサンプル緩衝液又は当該技術分野においてよく知られる他の緩衝液の中のタンパク質は、負の正味電荷をタンパク質に付与するので、本技術分野で知られているように、それらがゲル6中にあるとき、電源から生成された起電力(EMF)によって、それらはカソード(−)38からアノード(+)40へと移動する。タンパク質をゲル内のウェル84に置き、そして、電場を印加することにより、タンパク質は、その分子量によって主に決定される、異なる速度でゲル6内を通って移動するであろう。従って、第1の分離電極38及び第2の分離電極40は、タンパク質及び他の巨大分子をサイズによって分離する電気泳動フェーズの間、それぞれカソード及びアノードとして機能する。
上方チャンバ34及び下方チャンバ36内の緩衝溶液56は、互いに液体接触していないが、依然として、互いに電気的な接触状態にある。各チャンバ34、36内の緩衝溶液56は、緩衝溶液56がタンク装置30の全体を満たすことを防止するゲル及びメンブレン組合せユニット10及びガスケット44、46により、接触が防止される。タンク装置10のリアパネル68の内側の表面には、リアパネル・ガスケット46が設けられている。リアパネル・ガスケット46は、分離フェーズの間の望ましくない電流の流れを引き起こすであろう、緩衝液56のブロッティング電極52への接触を防止する。更に、リップ部58の外側の表面に沿って配置されたリップ・ガスケット44がある。リップ・ガスケット44は、分離フェーズのために必要な緩衝溶液56が、冷却チャンバ42内で使用される冷却溶液54に接触することを防止する。冷却チャンバは、水、緩衝液、又は他のタイプのクーラントで満たされ得る。好ましい実施例におけるガスケットは、液体漏出を防止するシールを形成する、ゴム、シリコーン、又は本技術分野において一般に知られている他の材料から作られる。
リアパネル・ガスケット46は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10がタンク装置30内に配置されたときに、第2の導電性プレート4の外側の表面24がガスケット46に接触して押し付けられるように配置される。リップガスケット44は、第1の導電プレート2の内側の表面がリップガスケット44に押し付けられるように配置されている。図4に示すように、リアパネル・ガスケット46は、リアパネル68の内側の表面に沿う連続した輪(ループ)である。リップガスケット44は、(ループガスケットを形成するためのトップ領域を備えない)2つの側部領域に接続された底部領域を有する開放形状である。そのトップ上にゴムシール構造がないことにより、緩衝液56が、ゲル6のトップ20との電気的な接触状態になることを可能にする。要するに、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10がタンク装置10内に正しく配置されると、ガスケット44、46が、上方チャンバ34及び下方チャンバ36(電気泳動フェーズに対して必要であるもの)を、冷却チャンバ42及びタンパク質転写フェーズの間に要求される他の構造物から分離した状態に保持するシールを形成するように、ガスケット44、46は配置される。チャンバ34、36、42が、互いに液体の及び/又は電気的な接触状態にならないようにするもう1つの特徴は、第1の導電性プレート2が第2の導電性プレート4よりも大きいことである。好ましい実施例において、第1の導電性プレートは約12cm×12cmであり、第2の導電性プレート4は約10cm×10cm(ゲル6とほぼ同じ寸法)である。大きい方の第1の導電性プレート2は、第1の導電性プレート2が、リップガスケット44に接触することを可能にし、小さい方の第2の導電性プレート4が、リアパネル・ガスケット46に接触することを可能にする。小さい方の第2の導電性プレート4は、緩衝溶液56が上方チャンバ34及び下方チャンバ36内の第2の導電性プレート4の上側及び下側をそれぞれ通過して、ゲル6に達するが、大きい方の第1の導電性プレート2を通過しない。これにより、緩衝溶液56が冷却チャンバ42内に流入すること、及び、転写/ブロッティング・フェーズの間に使用される転写電極50、52と接触することが、防止される。
上方分離電極38及び下方分離電極40によって作られた電場により、タンパク質がゲル6に沿って垂直に分離される分離フェーズの後、電流は、次に分離電極38、40から、転写/ブロッティング・フェーズにおける使用のために、転写電極50、52にシフトされるが、これにより、第1の導電性プレート2及び第2の導電性プレート4に転写電極50、52によって供給されるEMFを介してゲル6からメンブレン12へとタンパク質を移動させる。第1の導電性プレート2は、電源に接続された第1の転写電極50と電気的な接触状態にあり、第2の導電性プレート4は、第2の転写電極52と電気的な接触状態にある。第1の導電性プレート2及び第2の導電性プレート4は、導電性のプラスチックで形成されているので、電流が転写電極50、52に印加されると、導電性プレート2、4がプレート電極として作用する。
図3において示される実施例において、第1の転写電極50は、異なるチャンバ34、36、42を形成するために、ガスケット44、46に対するところにプレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10を保持するために十分な張力を供給する、アーチ形状の金属留め具(arc shaped metal brace)である。転写電極50はまた、タンク30内のプレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10を、タンク30内の様々なガスケット44、46に対して、固定し/張力を与える構造からの分離した要素であってもよい。他の実施例において、ゲル6を依然としてユーザは見ることができるが、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10はその場所にしっかりと保持されるであろうように、第1の転写電極50は、2又はそれ以上のブラケット(例えば、左側に1つ、右側に1つ)内へと分離されてもよい。他のタイプの留め具(braces)/ブラケット(braces)/テンショナ(tensioners)もまた、転写電極50から第1の導電性プレートへの電気的な接触及び張力がある限りは、本発明の精神から離れることなく、冷却チャンバ42の内側に配置されることができる。
第2の転写電極52は、リアパネル68の内側の表面に沿って配置され、タンパク質転写/ブロッティング・モードの間にアノード(+)として機能する。図3に示される実施例において、第2の転写電極52は、第2の導電性プレート4との十分な接触を第2の転写電極52が成すように、スプリング又は反動作用(a spring or recoil action)を有する。他の実施例において、転写電極52は、反対のブレイシング部材(opposing bracing member)に対してタンク30内部にプレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10を固定(brace)することを支援するために、スプリング又は反動作用を有する要素から分離した要素であってもよい。電源は、第1の転写電極50を第2の転写電極52と接続させ、転写/ブロッティング・フェーズの間に、第1の導電性プレート2がカソード(−)として作用し、第2の導電性プレートがアノード(+)として作用するように、転写電極50、52に印加される。電源は、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10内に収容された転写メンブレン12へ、第2の導電性プレート4に向かって、タンパク質の十分な転写を達成するために、2つのプレート電極の間の電圧差を達成するのに十分な電気を供給する。ブロッティング・モードの間に印加される典型的な電圧は、約30ボルトである。
図4は、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10を備えていないタンク装置30の斜視図である。プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10は、リップガスケット44を有するリップ部58に隣接して(左側に)配置される。第1の導電性プレート2は第2の導電性プレート4よりも大きいので、電気泳動ゲル6、低導電性ゲル8、転写メンブレン12、及びろ紙60がリップ部58の内部空洞内にあり、そして、第2の導電性プレート4がリアパネル・ガスケット46に対して押し付けられるところ、第1の導電性プレート2は、外側の表面上にある。
図5は、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10の正面図である。前述したように、第1の導電性プレート2は、第2の導電性プレート4よりも大きい。ゲル6、低導電性ゲル8、転写メンブレン12、及びろ紙60(第2の導電性プレート4によって遮られているので、図5には示されていない)は、すべて第1の及び第2の導電性プレート2、4の間に挟まれている。図5の実施例において、ゲル6、低導電性ゲル8、転写メンブレン12、及びろ紙60は、ほぼ同じ高さを有するが、ゲル6の側面に位置する絶縁性プラスチック・ストリップ26、28の挿入を可能にするために、僅かにより小さい幅を有してもよい。ゲル6内のウェル84は、タンパク質が堆積させられ得るゲルの形成の間にゲルくし(gel comb)によって生成されてもよい。
図6〜図7は、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10のもう1つの実施例を示している。全体に導電性ポリマーで作られている第1のプレート2の代わりに、第1のプレートは、約10から1010 ohm−cmの範囲の体積抵抗率を持つ、静電気消散性特性を有する透明なプラスチックから作られる。複数の導電性ワイヤ又はメッシュ76は、第1のプレート2の内側の表面上又は第1のプレート2内に埋め込まれるが、グリッド又はアレイ状に配置されていてもよい。メッシュ76は、第1のプレート2の内側の表面に沿って電流を分配する。また、薄い透明導電層78は、第1のプレート2の内側の表面に沿って配置され、そして、メッシュ76と電気的に接触しているが、約10から10 ohm−cmの範囲内の体積抵抗率を有する薄い透明な導電性ポリマー又は透明な導電性フィルム(transparent conducting film)(TCF)78から作られている。TCFは本技術分野において知られており、そして、図6〜図7の実施例において、第1のプレート2は、TCFフィルム76又は透明な導電性ポリマーの層でコーティングされ、それによって、プレート電極を形成する。金網(wire mesh)76は、電荷がフィルム78又は薄い透明な導電性ポリマーに沿って均一に広がることを確保する。TCFは、導電性ポリマーであってもよいが、インジウム錫酸化物(indium tin oxide)(ITO)、フッ素ドープ錫(fluorine doped tin)(FTO)、ドープ酸化亜鉛(doped zinc oxide)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(aluminum−doped zinc−oxide)(AZO)を限定されることなく含む、透明な導電性金属であり得る。好ましい実施例において、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10の長期保存にとって有利である、水分への化学的な耐久性があるので、TCFは、ITOである。
透明な導電性ポリマーの薄い被膜のTCFを使用するシステムの1つの可能な利点は、既知の透明な導電性ポリマーの中でさえも、厚さが増加するにつれて導電性ポリマーの透明度が低下することである。第1の剛性な導電性プレート2の導電性領域をプレートの(又はプレート2のトップの上に積層される)薄い領域に限定することにより、ゲル及びメンブレン組合せユニット10は、電気泳動ゲル6の構造的なサポートを形成するために、高い透明性及び高い剛性を維持する。インジウム錫酸化物の薄いフィルムは透明であり、かつ、導電性である。しかしながら、(ゲル・サポート・プレートのケースにおけるように)厚み及び剛性がともに必要とされるならば、インジウム錫酸化物の厚いプレートは、透明性を失い、そして、導電性プレート全体を形成するためには理想的ではないが、これは、電気泳動の間、そのプレートは、ユーザがタンパク質分離を視認できるようにしないからである。第1の電気的に半導電性のプレートは、静電気消散性プラスチックの上を覆う外側の電気的に半導電性の透明層を有することを特徴としてもよい。この層は、非常に薄くてもよい(1mm未満、又は100μm未満でさえあり得る)。
図6〜図7は、第1のプレート2、金網(wire mesh)76、TCF又は薄い透明な導電性ポリマー78、電気泳動ゲル6、転写メンブレン12、第2のプレート4、及び第2のプレート4の外側の表面の上に配置される追加の金網(wire mesh)76のそれぞれの側面図及び斜視図を示す。第2のもの4の外側の表面に沿って配置される金網(wire mesh)76は、ゲル6から転写メンブレン12に高分子をより効率的に転写するように、リアプレート4に沿って効率的に電流を分配する。
図8〜図9は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10のもう1つの例を図解する。図8は、プレキャストゲル/メンブレン組合せユニット10の上面図であり、図9は、その斜視図である。この実施例は、リアプレート4の内側の表面に当接する非導電性の静電気消散フロントプレート2の、2つのペデスタル突起80を含む。第2のプレート4は、ペデスタル80上に載置され、それによって、第1のプレート2の内側の表面及び第2のプレート16の内側の表面の間にギャップを形成する。そのギャップは、ゲルの厚さに応じて変化してもよい。1つの実施例において、そのギャップは、約0.1cmから約0.5cmの範囲にあるであろう。そのギャップは、これまで述べてきたように、電気泳動ゲル6、低導電性ゲル8、転写メンブレン12、及びろ紙60のような高分子の適切な分離及びブロッティングに必要な種々の構成要素を保持する。この実施例において、第1のプレート2の全体は透明であるが、高度に導電性ではない。第1のプレートの内側の表面に沿った導電性は、第1のプレート2を通るゲル6の視界を視覚的に遮断しない第1の金網(wire mesh)76を覆う又はに接続される、薄い導電性ポリマー層又は他のタイプの透明な導電性フィルム78の使用によって達成される。電場が、プレート電極として作動する、薄い導電性ポリマー層78の上に生成されるように、第1の金網(wire mesh)76は、導電性ポリマー層78の全体に沿って実質的に均一に電荷を分配する。好ましい実施例において、フィルム又は薄い透明なポリマーは、1mm未満の厚さを有し、そして、10及び10 ohm−cmの間の体積抵抗率を有する。リアプレート4は、第2の金網(wire mesh)82を有するが、これがリアプレート4の全体に沿って実質的に均一な電荷を生成し、これにより、巨大分子がブロッティング・フェーズの間に、ゲル6から転写メンブレン12へと効率的にかつ均一に転写される。
好ましい実施例において、分離/転写緩衝液56は、約10〜200 ohm−cmの体積抵抗率を有するであろう。導電性プラスチックのフロントプレート2及びリアプレート4は、10から10 ohm−cmの範囲内の体積抵抗率を有するであろう。フロントプレート2の内側の表面上に薄い導電性コーティング又はフィルム78を使用する実施例において、コーティング又はフィルムの体積抵抗率は、10から10 ohm−cmの範囲内にあり、そして、フロントプレート2は、10から1010 ohm−cmの体積抵抗率を持つ静電気消散性の透明プラスチックから作られるであろう。これらの範囲は、電源がフロント及びリアプレート2、4を通してよりもむしろ分離電極38、40に印加されるとき、分離フェーズの間に電流がゲルを通して流れることを可能にするであろう。次に、電源が50及び52又は76及び52に印加されるとき、ブロッティング・フェーズの間にブロッティング・メンブレン12上にタンパク質が埋め込まれることを可能にするように、フロントプレート2から、ゲル6、8及びメンブレン12を通して、リアプレート4へと、ゲルの長さに実質的に垂直に電流が流れるであろう。これらの範囲は、例示的な実施例に関して記述されてきたが、緩衝液56及びゲル6を収容する導電性ポリマー(即ち、プレート2、4)よりも妥当により低い抵抗率を緩衝液56及びゲル6が有するように、そして、逆に緩衝液56及びゲル6よりも妥当により高い導電率を導電性ポリマー(即ち、プレート2、4)が持つ、如何なる実施例も、記述される分離及び転写フェーズを可能にするであろうところ、それらは限定するものではないことは理解されるべきである。
[ゲル・サポート・プレートにおける使用のための導電性/半導電性ポリマーの特性]
本発明におけるポリマーに関して、用語「導電性」は、絶縁性である、大抵のポリマーにおいて見られる導電性の欠如に相対的である。導電性ポリマーは、金属より導電性が低く、従って、半導電性であるが、用語「導電性ポリマー」は依然として一般的に使用され、典型的には半導電性とみなされる範囲内にあるすべてのポリマーをいう。ポリピロールは、典型的に、10〜7.5×10 S/mの間の導電率を有する。ポリチオフェンは、10〜10 S/mの間の導電率を有する。ポリフェニレン及びそのアナログであるポリ(パラフェニレン)は、10〜10 S/cmの間の導電率を有する。ポリ(p−フェニレンビニレン)は3〜5x10 S/mの間の導電率を有し、ポリアニリンは3x10〜2x10 S/mの間の導電率を有する。導電率は、(I、AsF、Na、Kでのドーピングのように)ポリマーをpドープ又はnドープするために、分子を添加することによって増加することができる。ポリチオフェン及びポリアセチレンのようなドープされていない導電性ポリマーは、一般に約10−8〜10−6 S/mの導電率を有する。材料の特性を記述するのに一般的に使用される、抵抗率は、導電率の数学的な逆数である。
導電性ポリマーの導電率は、10−11から10−15 S/mの間の導電率を有する、ガラスのような典型的な絶縁体の導電性よりも数桁高い。同様に、ゴムは、約10−14 S/mの導電率を有する。絶縁体とは対照的に、ほとんどの金属の導電率は、導電性ポリマーの導電率よりも数桁高い。約10〜10 S/mの導電率を有する、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、又は大抵の他の金属。導電性ポリマーの中程度の導電性は、これらの導電性ポリマーが、それに印加される電荷及び導電性ポリマーを取り囲む組成物に応じて、絶縁体又は導電体として作用することを可能にする。プレートの半導電性の性質は、ゲル・サポート・プレートが金属のように高く導電性であったならば生じるであろう電場の無効化に、そのプレートが寄与することを防止する。
[ゲル・サポート・プレートの透明性]
透明な導電性ポリマーを論じるときに、本技術分野で理解されているような用語「透明」は、100%光学的に透明なポリマーを含むだけでなく、半透明であり、そして、ポリマーを通って幾らかの光の透過を可能にするポリマーをも含む。透明な導電性ポリマーの厚みが増加するにつれて、いくらかの減衰及びスペクトル吸収が起こるが、ポリマーは、依然として、透明なプレートを通してゲル内に染料前線(dye front)をユーザが視認するように視覚化するのに十分な規模で透過する光の相当量を可能にする。従って、用語「透明な導電性ポリマー」又は「透明な半導電性ポリマー」は、ユーザがプレートを通して染料前線を視認するように視覚化できる、プレートを通って十分な光が透過できるポリマーから作られるプレート及びそれらのポリマーを含む。
[実験例プロトコル]
[ゲル電気泳動]
1.タンパク質サンプル(細胞溶解物、免疫沈降物、組換えタンパク質など)は、以下のように調製される:
a. 10μLの4×ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)サンプル緩衝液[例えば、250mM Tris−HCl;8%SDS;40%グリセロール;4%β−メルカプトエタノール;50mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA);0.8%w/vブロモフェノール・ブルー]を30μLのタンパク質サンプルに添加する。
b. サンプルを70℃で10分間インキュベートする。
2.約20μLのサンプルは、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10を含む2つの導電性/半導性プラスチック・プレート2、4の間に一緒にあるメンブレン12に隣接するゲル6(例えば、10%ポリアクリルアミド)の上に載せられる。
3.約10μLの予め染色されたタンパク質ラダー(pre−stained protein ladder)はゲルの上に載せられる。フロントプレートが透明であるので、予め染色されたタンパク質ラダーは、任意のウェル内に充填されることができる。
4.タンパク質は、分離フェーズ電極38、40を横切る一定の電圧で電気泳動的に分離される。分離に使用される電圧及び時間は、標的タンパク質のサイズ、標的タンパク質の所望の分離の度合、及びゲルの割合(例えば、10%ポリアクリルアミドゲルに対しては、150Vで60分間)に依存する。フロントプレートが透明であるので、ユーザは、予め染色されたタンパク質ラダー及びタンパク質サンプルからの染料前線の進行を視覚的に評価することによって、フロントプレートを通る分離の相対的な度合をモニターすることができる。

[分離されたサンプルをメンブレン上に転写する]
1.分離されたタンパク質は、転写電極50、52を横切って一定のアンペア数でメンブレン12上に電気泳動転写される。使用されるアンペア数及び時間は、転写される標的タンパク質のサイズに依存する(例えば、500mA、30分)。このアンペア数を達成するために必要な電圧は、抵抗がより高くなると、金属プレート電極を使用して標準転写装置と比べてより高いが、このようにして、最終電圧及びアンペア数は、使用されるポリマーの抵抗及び電源の電圧及びアンペア数の能力に依存するであろう。

[分離され、且つ、転写されたサンプルを調べる]
1.プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニット10は、分離されたタンパク質を持つメンブレンを除去するために分解される。
2.メンブレンは、ブロッキング緩衝液(blocking buffer)[例えば、1%Tween 20(TBST)を含むトリス緩衝生理食塩水(Tris−buffered saline)中の5%脱脂粉乳]中で室温で1時間(又は、その代わりとして4℃で一晩)インキュベートされる。
3.メンブレン12は、室温で1時間(又は、代わりとして4℃で一晩)、ブロッキング緩衝液中において一次抗体の適切な希釈物(例えば、多くの市販の抗体に対しては、1:200−1:1000)と共にインキュベートされる。
4.メンブレン12は、TBSTで3回、それぞれ5分間洗浄される。
5.メンブレン12は、室温で1時間、ブロッキング緩衝液中において、コンジュゲート二次抗体(conjugated secondary antibody)の推奨された希釈物と共にインキュベートされる(例えば、1mg/mLのHRP−コンジュゲートに対しては、1:5000)。
6.そのメンブレンは、TBSTで3回、それぞれ5分間洗浄される。
7.シグナル展開のために、基板メーカーの推奨事項が使用される。
8.画像は、ケミルミネッセンスのために標準暗室現像技術使用して、又は、比色検出のための通常の画像走査法を用いて取得される。
[半導電性プレート組成物の実験例]
透明なポリマーの多数の組成物は、ゲル・サポート・プレートとして使用されることができる。透明な導電性/半導電性ポリマープレートは、ポリ(ピロール)(poly(pyrrole))(PPY)、ポリアセチレン、ポリアニリン(polyanilines)(PANi)、ポリ(チオフェン)(poly(thiophene))(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))(PEDOT)、ポリ(p−フェニレンスルフィド(poly(p−phenylene sulfide)(PPS)、ポリ(アセチレン)(poly(acetylene))(PAC)、及びポリ(p−フェニレンビニレン)(poly(p−phenylene vinylene))(PPV)、並びに、それらの混合物から作られ得る。例えば、最もよく特徴付けられている導電性/半導電性ポリマーの1つであるPPYは、アクリルポリマー(「導電性ポリ(メタクリル酸メチル)/ポリピロール複合材料の表面特性」、Journal of Materials Science 35 (2000) 1743−1749参照)、セルロース(「硝酸セルロースに基づくナノセルロースポリピロール複合材料」、International Journal of Polymer Science,Volume 2013,Article ID 175609参照)、ポリスチレン(「ナノサイズのポリピロールポリスチレン複合粒子の合成及び特徴」、Journal of Applied Polymer Science,Vol.91,1360−1367(2004)参照)、ポリウレタン(「遮蔽用ポリピロール複合材料」、Synthetic Metals 151(2005)211−217参照)、ポリジメチルシロキサン(「ポリピロール及びポリジメチルシロキサンの柔軟性のある及び導電性のある複合材料」、Journal of Applied Polymer Science,Vol.93,736−741(2004)参照)、ポリエチレングリコール(PEG)(「ポリピロール及びその複合材料の特性の研究」、World Journal of Chemistry 2(2:67−74,2007)参照)、及びポリ(アクリロニトリル−co−ビニルアセテート)(「導電性ポリ(アクリロニトリル−co−ビニルアセテート)複合材料の特徴:ピロール誘導体のマトリックス重合」、Fibers and Polymers 2011,Vol.12,No.2,151−158参照)を含む従来の/絶縁性ポリマーと共に複合材料に組み込まれてきた。重要なことに、PPy複合材料は、複合材料が従来の材料の機械的及び物理的特性及び導電性ポリマーの電気的な伝導性を保持するところ、これらの従来のコポリマーで作られてきた(「ポリ(メチルメタクリレート)基板上のポリピロールの化学的なその場での重合」、Thin Solid Film 515(2007)5324−5328参照)。これらの複合材料は、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットの転写フェーズに対して要求される体積抵抗率の範囲内又はそれより下にされてきたが、このことは、従来のコポリマーとの複合体中のPPyの低い割合が、電気泳動の間の分離フェーズにおける使用に対して十分に高い抵抗率を持つことを示し、そのため、電場無効化の効果が起こらず、そして、プレート間に挟まれたゲルからタンパク質をブロッティング・メンブレンに転写する転写フェーズに対して十分に導電性であることを示している。
導電率は、PPyに添加されるモノマー開始剤濃度の量を変えることによって調節することができる(「電気活性ポリピロールフィルムを用いた骨形成の調節」、Polymers,2016;8(7):258参照)。PPyは、従来のプラスチックと混合されることができ、それにより、混合物は、PPyの電気的な伝導性だけでなく、従来のプラスチックの透明性及び剛性を保持できる。99%のポリウレタン(従来のポリマー)及び1%のPPy−Ni(半導電性特性を有するPPyニッケル複合材料)を有する複合材料は、ゲルプレートが電気泳動タンパク質の分離及びブロッティングの両方に対して使用するのに十分な導電性を有する(「シールド用ポリピロール複合材料」、Synthetic Metals 151(2005)211−217参照)。95%の従来ポリマー、5%PPyポリマー、2mmの厚さ(又は、90%の従来のポリマー10%PPy複合材料で1mm厚のプレート)は、本実施例において、使用に対して、十分に剛性が高く、透明で、及び導電性である。0.5mmから4mmの間の又はより高い厚みの種々の範囲はまた、従来のポリマーが、本技術分野においてよく知られ及び利用可能である多くのものがあるところ、剛性及び透明性の要件を満たしている限りは、本実施例において使用されるように作られ得るであろう。1%及び10%の間のPPyの複合材料は、タンパク質分離フェーズの間に絶縁性プレートとして作用するのに十分な体積抵抗率を有し、そして、タンパク質転写の間に、タンパク質がゲルからブロッティング・メンブレンに転写することができるだけの十分な導電性を有している。
半導電性プレートが半導電性ポリマーをプレート全体に渡って含まない実施例において、PPyの層は、そのプレートの間の細い金網(wire mesh)を備える静電気消散性の剛性のあるプラスチックシートに適用され得、そして、PPyは、同じゴールを達成するために使用され得る。100μmのPPy層のように薄い又はそれよりも薄くした層は、透明な静電気消散性プレートをコーティングするとき、予め染色されたタンパク質ラダー及びサンプルローディング染料(染料前線)の可視性を可能にするのに十分な透明性を保持することができる。
透明な半導電性プレートに使用するためのもう1つの組成物は、印加される電圧に応じてエレクトロクロミックであり、そして、色/透明性を変化させる、ポリアニリン(PANI)複合材料を含む(「ポリアニンに基づくハイブリッド有機/無機材料のエレクトロクロミック特性」、J.Braz.Chem.Soc.、27巻、10号、1847〜1857頁、2016年を参照)。例えば、電圧が複合体に印加されない場合、PANI複合材料は透明な黄色である。電圧が印加されると、複合材料は緑色/青色に変化する。このポリマーを使用する場合、複合材料は、装置が作動しているとき、不透明であり、且つ、低い光透過率を有するだろうが、ユーザが電圧をオフにすると、電気泳動中のいつであってもタンパク質分離の程度をユーザは評価でき、そして、タンパク質分離を継続するために電流を再印加する。PANIの薄層は、透明な静電気消散性シートに塗布することができ、或いは、より厚い厚みで無電圧状態で黄色の透明性を保持するように、PANIが他のポリマーとブレンドされることができる。
透明性が要求されない場合に(即ち、透過性を必要としないリアプレートに対して)使用されるもう1つのクラスの材料は、混合イオン電気伝導体(MIEC)のそれである。これらの材料は、イオン伝導度及び電気伝導度の両方を有する。例えば、イオン伝導体でもある非透明性の導電性/半導電性プレートは、ナノフィブリル化セルロース−ポリ[3,4−エチレンジオキシチオフェン](nanofibrillated cellulose−Poly[3,4−ethylenedioxythiophene])(NFC−PEDOT)で作られ得る(「パワーエレクトロニクスのための有機混合イオン−電子伝導体」、Advanced Science 2016,3,1500305を参照)。NFC−PEDOTは、分離及び転写フェーズの両方の間での使用に対して一貫した電気的特性を有し、そして、それがまた、イオンリザーバー(ion reservoir)として作用するので、転写フェーズの効率を向上させる。プレートを作るために使用され得る他の非透明性の導電性/半導電性ポリマーは、市販のTivar(登録商標)EC、Tecaform(登録商標)ELS、30%炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、Tecapeek(登録商標)ELS、Tempalux(登録商標)CN導電性ポリエーテルイミド(PEI)、導電性ポリエーテルスルホン(PES CN)、スタティック・コントロールKynar(登録商標)PVDF CN(ポリビニリデンフルオライド)、Pomalux(登録商標)静電気制御アセタール、Propylux(登録商標)静電気制御ポリプロピレン、Absylux(登録商標)静電気制御アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、及び、Boedeker Plastics、Inc.(テキサス州)から入手可能なZelux(登録商標)静電制御ポリカーボネートを含む。
本発明を例示的な実施例に関して説明してきたが、ここにおいて使用されてきた単語は説明のための単語であり、限定のためのものではないことを理解されたい。当業者によって理解されるように、その完全な公平な範囲が与えられる、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、多様な変更がされ得る。

Claims (14)

  1. 電気泳動分離及びブロッティングのための装置であって、
    透明な導電性ポリマーから作られる第1の電気的に半導電性プレートと、
    導電性ポリマーから作られる第2の電気的に導電性プレートと、ここで、第2の電気的に導電性のプレートは、第1の電気的に半導電性プレートに実質的に平行であり、
    電気泳動ゲルと
    ブロッティング膜と
    電気泳動ゲルよりも低い導電率を有する低導電性ゲルと、ここで、その低導電性ゲルは、電気泳動ゲル及びブロッティング膜の間にあり、それによって、低導電性ゲルが、電気泳動ゲルからの拡散消失、及び、巨大分子の分離フェーズの間のブロッティング膜への付着、から巨大分子の移動を防ぎ、
    第2の半導電性プレート及びブロッティング膜の間のろ紙と、を含み、ここで、そのろ紙は、湿潤しているとき、イオンリザーバーとして作用し、そして、電気泳動ゲルから低導電性ゲルを通してブロッティング膜へ巨大分子を転写する際に支援するために第2の導電性プレート及びブロッティング膜の間の実質的な電気的接触を提供し、
    電気泳動ゲルは、第1の電気的に半導電性プレート及びブロッティング膜の間にあり、
    ブロッティング膜は、電気泳動ゲル及び第2の電気的に半導電性プレートの間にある
    ブロッティング膜は、ニトロセルロース膜、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜、又はナイロン膜の少なくとも1つである、装置。
  2. 請求項1の装置であって、第1の電気的に半導電性プレート内に又は上に配置される電気的に導電性ワイヤを更に含み、第1の電気的に半導電性プレートが、静電気消散性プラスチックを覆う外側の電気的に半導電性の透明な層を有することを特徴とする、装置。
  3. 請求項の装置であって、外側の電気的に半導電性の透明な層は、1mmよりも薄く、そして、第1の電気的に半導電性プレートの内側の表面の上に配置され、その外側の電気的に半導電性の透明な層は、インジウム錫酸化物、フッ素ドープ錫、ドープ酸化亜鉛、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛の少なくとも1つを含む、装置。
  4. 請求項1の装置であって、第1の電気的に半導電性プレートが、ポリアセチレン、ポリ(ピロール)(PPy)、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(p−フェニレン)スルフィド、ポリ(p−フェニレンビニレン)、及び、それらの誘導体からなるグループから選択される透明な導電性ポリマーの1又はそれ以上のタイプを含むポリマーから作られる、装置。
  5. 請求項の装置であって、第1の電気的に半導電性プレートが、少なくとも1mmの厚みを有し、そして、透明な導電性ポリマー及び非導電性の透明なポリマーの複合材料を含む、装置。
  6. 請求項の装置であって、その複合材料は、1%及び10%の間のPPy複合材料であり、それにより、タンパク質分離フェーズの間に絶縁性プレートとして作用するのに十分な体積抵抗率を有するように、そして、タンパク質転写フェーズの間にブロッティング膜へとタンパク質が移動できるだけ十分な導電率を有するように、そして、電気泳動ゲルをサポートするのに十分な剛性を有するように、そして、第1の電気的に半導電性プレートを通って染料前線をユーザが視覚化できるだけ十分な透明性を有するように、第1の電気的に半導電性プレートを提供する、装置。
  7. 請求項の装置であって、PPy複合材料が、半導電性特性を有するPPyニッケル複合材料である、装置。
  8. 電気泳動分離及びブロッティング巨大分子のための装置であって、
    透明なポリマーで作られる第1のプレートと、
    その第1のプレートに隣接する電気的に半導電性の透明な層と、
    その第1のプレートに実質的に平行な第2のプレートと、
    電気泳動ゲルと
    ブロッティング膜と
    ここで、電気泳動ゲルは、電気的に半導電性の透明な層及びブロッティング膜の間にあり、及び
    ブロッティング膜は、電気泳動ゲル及び第2のプレートの間にあり、
    第1のプレート及び電気的に半導電性の透明な層と接触している第1の電気的に導電性のワイヤアレイを含み、
    そのようにして、第1の電気的に導電性のワイヤアレイが電気的に半導電性の透明な層に沿って電荷を分配する、装置。
  9. 請求項の装置であって、電気的に半導電性の透明な層は、第1のプレートの内側の表面上に配置される電気的に導電性フィルムであり、電気的に半導電性フィルムは、インジウム錫酸化物、フッ素ドープ錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、及びそれらの誘導体からなるグループから選択される導電性の透明な金属の1又はそれ以上のタイプを含むフィルムから作られる、装置。
  10. 請求項の装置であって、第1のプレートは、ポリアセチレン、ポリ(ピロール)(PPy)、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、及びそれらの誘導体からなる群から選択される透明な導電性ポリマーの1又はそれ以上のタイプを含むポリマーから作られる、装置。
  11. 請求項の装置であって、電気的に半導電性の透明な層は、10 及び 10 ohm−cmの間の体積抵抗率を有し、及び、第1のプレートは、10 及び 1010 ohm−cmの間の体積抵抗率を有する、装置。
  12. 請求項の装置であって、第2のプレートに隣接する第2の電気的に導電性のワイヤアレイを更に含み、これにより、第2の電気的に導電性のワイヤアレイが、第2のプレートに沿って電荷を分配する、装置。
  13. 電気泳動分離及びブロッティング巨大分子のためのシステムであって、
    上方バッファ・チャンバ及び下方バッファ・チャンバ、フロントパネル、リアパネル、及び底を有する液体レセプタクル・タンクと、
    上方バッファ・チャンバ内の第1の分離フェーズ電極と、
    下方バッファ・チャンバ内の第2の分離フェーズ電極と、
    第1のブロッティング・フェーズ電極と、
    第2のブロッティング・フェーズ電極と、
    (i)透明な導電性ポリマーから作られる第1の電気的に半導電性のプレート、 (ii)第1の電気的に導電性プレートに対して実質的に平行である、導電性ポリマーから作られる第2の電気的に半導電性のプレート、 (iii)電気泳動ゲル、及び (iv)ブロッティング膜、を有する、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットと、及び
    電源と、を含み、ここで、電源は、電気泳動ゲルに沿って巨大分子の電気泳動分離を実行するために、電圧を第1の分離フェーズ電極及び第2の分離フェーズ電極に印加するように構成され、そして、電源は、第1の及び第2の分離フェーズ電極から第1の及び第2のブロッティング・フェーズ電極へと、電圧を自動でスイッチするように構成され、それによって、その電圧をスイッチングすることで、ユーザがタンパク質の電気泳動分離及びタンパク質のブロッティング膜上への転写を実行できるようになる、
    システム。
  14. 請求項13のシステムであって、
    液体レセプタクル・タンクは更に、第1のブロッティング・フェーズ電極を収容する冷却チャンバと、及び
    液体タンク・レセプタクルのリアパネルの上に配置されるガスケットと、を更に含み、それによって、ガスケットは、プレキャストゲル及びメンブレン組合せユニットが液体レセプタクル・タンク内に配置されるとき、上方チャンバから下方チャンバに液体が流れることを防止する、システム。
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