JP6803797B2 - レーザチップ、レーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システム - Google Patents

レーザチップ、レーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システム Download PDF

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Description

本発明は、例えばレーザ伝送路の先端に装着するレーザチップ、前記レーザチップを装着したレーザ処置具、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムに関する。
近年、開腹手術や歯科治療などの分野において、電気メスやレーザ光を利用したレーザ治療器を用いて施術されることがあり、またこれらの治療器を用いた低侵襲医療の開発が進んでいる。例えば低侵襲医療として内視鏡を用いた外科的あるいは内科的治療が行われている。特に初期消化管がんを対象とする内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal DissectionであってESDと略する。)は、患者への負担が少ない有効な治療方法として注目されている。
例えば、上記のESDでは、まず施術対象となる患部周辺をマーキングし、これを目印として粘膜層を切開する。次に粘膜下層の組織を剥離し、腫瘍部分の全組織を除去するものである。これらのマーキング、粘膜切開、粘膜下層剥離の各施術は、処置具として高周波電気メスが一般に使用されるが、粘膜下層には血管も存在しているため施術中に出血する可能性がある。また、大腸など特に組織壁の薄い部位の施術には、粘膜下層の外側にある筋層まで穿孔し合併症を引き起こすなど、ESDの施術者は高度な手技が求められる。
この高周波電気メスに代わる処置具として、生体組織の切開、止血、凝固及び蒸散に有効なレーザ光を利用した施術法が開発されている。特に炭酸ガスレーザ光は、生体組織や水に対する吸収率が非常に大きく、レーザ光が組織深部まで侵入せず、深部の正常組織に損傷を与えることなく、レーザ光が照射される表層部より順次切開することができるため、従来の高周波電気メスによる施術法と比較すると、過度の熱損傷を抑えて微小領域での施術ができる。
このような状況において、施術中にエネルギー源を変更することなく、レーザのみで止血を含む全ての施術を可能とするレーザ医療機器の開発が進められており、レーザ照射口に取り付ける様々なレーザチップが提案されている。例えば、特許文献1には、中実の塩化ナトリウムで構成されたレーザチップが開示されており、このレーザチップをレーザ伝送路の先端のレーザ照射口に組み付けることで、塩化ナトリウム製のレーザチップを透過するレーザ光で生体の切開や切除を行うことができるとともに、レーザ伝送路内部に血液などが侵入して汚染されることを防止できるとされている。
しかしながら、粘膜切開により粘膜下層の血管から出血した場合には当然に止血する必要がある。例えば小規模な出血であれば、パワー密度を下げたレーザ光を照射して徐々に血液を凝固させながら止血できる場合もあるが、出血の規模によっては、レーザ光を照射しても十分に止血できないといった問題があった。
特開平9−537号公報
そこで本発明は、出血部位を確実に止血することができるレーザチップ、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムを提供することを目的とする。
この発明は、レーザ伝送路の先端に設けられたレーザ照射口に着脱自在な装着部と、前記装着部の先端側に支持され、前記レーザ照射口から照射されたレーザ光を透す透光性を有する先端部材とで構成され、前記先端部材は、密度が1.90g/cm 以上となるように、塩化ナトリウム結晶を凝集させ、生体組織に接触すると溶解するとともに、損傷部位に当接させて止血するための耐久性を有する凝集体で構成されたレーザチップであることを特徴とする。
またこの発明は、レーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、上述のレーザチップとが備えられたレーザ処置具であることを特徴とする。
またこの発明は、炭酸ガスレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より発振されたレーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、上述のレーザチップとが備えられたレーザ治療装置であることを特徴とする。
さらにまたこの発明は、上述のレーザ治療装置と、前記レーザ伝送路を挿通可能とした内視鏡とで構成されたレーザ治療システムであることを特徴とする。
これらの発明を利用するレーザ医療は、特定のレーザ治療に限定せず、ESDなどの軟性内視鏡を用いたレーザ治療や硬性内視鏡を用いた外科的な治療、あるいは開腹手術や歯科治療などのレーザ治療を含む。
前記結晶体は、人体に対して害のない結晶体をさす。
前記凝集体は、複数の前記結晶体を凝集させて形成された多結晶体であり、入射されたレーザ光を拡散する。具体的には、無色透明の前記結晶体を凝集させて形成した白色など有色の多結晶体などをさし、レーザ光の透光性を有していれば、どのような多結晶体であってもよい。
上述の塩化ナトリウム結晶を凝集させるとは、結晶化された塩化ナトリウムを凝集させて、白色の塩化ナトリウムの前記凝集体を形成することをいい、例えば塩化ナトリウムの微粒子に水またはアルコールなどの溶媒を含有させ、加圧凝縮あるいは加熱処理により溶媒を消散させて凝集させ、塩化ナトリウムの前記凝集体とすることなどをいう。
この発明により、出血部位を確実に止血することができる。
詳述すると、前記先端部材は人体に害のない前記結晶体を凝集させた前記凝集体で構成されているため、前記レーザ照射口から照射されたレーザ光は前記先端部材の内部で散乱され、前記先端部材の先端から拡散されて照射される。このため、前記先端部材の先端から拡散されて照射されるレーザ光を、出血している損傷部位及びその周辺に照射することで、前記損傷部位とその周辺の血液を凝固できる。
また、前記先端部材を前記損傷部位に直接押し当てることによる止血もできる。さらにまた、前記先端部材を損傷部位に直接押し当てることにより、前記先端部材と前記損傷部位との間に介在する血液を極力減らすことができ、血液に吸収されるレーザ光を低減させることができる。これにより確実に前記損傷部位の血液を凝固させて、前記損傷部位を確実に止血できる。
なお、レーザ光は必ずしも炭酸ガスレーザである必要はなく、本発明は他のレーザ光を用いたレーザ治療にも用いることができる。
また、前記凝集体を、塩化ナトリウム結晶を凝集させているため、前記先端部材は塩化ナトリウム結晶を凝集させて構成されているため溶解性を有する。これにより、生体組織に接触させた前記凝集体は溶解し、前記損傷部位の血液が凝固しても生体組織が前記塩化ナトリウムの凝集体と固着することを防止でき、前記レーザチップを損傷部位から外すときに前記先端部材と固着した生体組織が引っ張られて損傷部位の傷が開くことを防止できる。
また、前記先端部材を一般的によく使用され、扱いやすい塩化ナトリウム結晶を凝集させて構成することにより、製造が容易かつ製造コストを削減できるとともに、安定した品質の前記先端部材を製造することができる。
また、前記凝集体の密度が、1.90g/cm以上であるため、十分な耐久性を有することができる。
例えば、前記塩化ナトリウムの凝集体の密度が、1.90g/cm未満である場合、溶解性が高いため、前記凝集体が生体組織に接触させた場合などに溶解が早く進行して崩壊するが、前記塩化ナトリウムの凝集体の密度を1.90g/cm以上とすることで、通常の施術時間内において損傷部位に前記先端部材を当接させて止血させるための十分な耐久性を有する。
またこの発明の態様として、前記凝集体は、溶媒の残量が0.1%以下としてもよい。
前記溶媒は、例えば水やエタノールなどのアルコール類などのように前記塩化ナトリウムの結晶を凝集させるのに用いられる溶媒であればどのようなものでもよい。
この発明により、前記溶媒によるレーザ光の吸収を低減することができるとともに、赤外線領域における塩化ナトリウム本来の透光性を活かして、レーザチップ内でのレーザエネルギー損失に伴う発熱を抑え、レーザ伝送路の出射端の熱的な損傷を防ぐことができる。
またこの発明の態様として、前記凝集体における前記レーザ光の照射方向前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された、又は平坦面で形成された当接部を設けてもよい。
上述の曲面とは、具体的には、先端側に向けて突出した凸状の曲面や、前記レーザ照射口側に凹状となる曲面をさす。
この発明により、損傷領域を広げることがなく確実に止血することができる。
詳述すると、例えば、前記当接部の曲率半径が+10mm以上である場合や前記当接部が平坦である場合、すなわち前記当接部が凸状の曲面で形成されている場合や前記当接部が平坦である場合、前記当接部を前記損傷部位に直接押し当てて前記損傷部位における血液に拡散されたレーザ光を照射できるため、前記損傷部位及びその周囲の血液を凝固させて、前記損傷部位を確実に止血できる。
一方で、前記当接部の曲率半径が−10mm以上である場合、すなわち前記当接部が凹状の曲面で形成されている場合、前記当接部を前記出血部位に押し付けることで出血部位から出た血液を前記凹部に溜めることができ、前記血液に拡散されたレーザ光を照射することで前記凹部に溜められた血液を凝固して前記損傷部位を止血できる。
このように、曲率半径が異なる前記当接部を用いた止血は、止血の作用が異なるため、出血部位や出血状況に応じて曲率半径が異なる曲面又は平坦面の前記当接部を使い分けることができる。
またこの発明の態様として、前記照射方向と直交する前記凝集体の断面において、わたり長さが1mm以上で構成してもよい。
前記わたり長さは、前記凝集体の断面が円形状で構成された場合における断面の直径や、前記凝集体の断面が四角形で構成された場合における対角線の長さや辺の長さ、前記凝集体の断面が楕円状で構成された場合における長軸の長さ、記凝集体の断面が多角形状で構成された場合における対向する頂点間の長さや、対向する頂点と辺との直交距離などを含む。
この発明により、傷口の大きな損傷部位を確実に止血できる。
詳述すると、非接触でのレーザ照射では直径が1mm以上である血管が損傷して出血した場合には、前記レーザ光を照射しても損傷部位を完全に止血することができないおそれがある。しかしながら、前記照射方向と直交する前記凝集体のわたり長さを1mm以上とすることで、前記損傷部位の血管にわたって前記先端部材を押し付けることができ、損傷部位と前記レーザチップとの間の血液を極力排除しながらに前記レーザ光を当てることができるため、効率よく止血できる。
またこの発明の態様として、前記先端部材は、前記装着部に対して着脱自在に構成してもよい。
この発明により、出血のない正常状態での切開や切除においては、先端部位を取外すことで、レーザ光を直接目標部位に照射できるため、効率よく施術を行うことができる。一方で、出血した場合には、先端部位を装着させて止血することができる。また、施術中に前記先端部材が損傷した場合や溶解して縮小した場合などに、前記先端部材のみを交換することができる。すなわち、前記先端部材のみを交換可能に取り付けることができるため、ランニングコストを削減することができる。
この発明により、出血部位を確実に止血することができるレーザチップ、レーザ治療装置、及びレーザ治療システムを提供することができる。
内視鏡装置とレーザ治療装置による治療システムの概略構成図。 内視鏡装置とレーザ治療装置の構成を示すブロック図。 中空導波路の先端に装着したレーザチップの概略斜視図。 中空導波路の先端及びレーザチップの概略分解斜視図。 中空導波路に装着したレーザチップの説明図。 治療システムを用いた止血の説明図。 レーザチップの別の実施形態の説明図。 レーザチップの別の実施形態の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50とで構成されるレーザ治療システム1の概略構成を示す構成図であり、図2は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50の構成を示すブロック図である。
内視鏡装置10は、図1に示すように装置本体に対して接続ケーブル11により術者操作ユニット12が接続されている。
術者操作ユニット12は、主に操作部13と内視鏡チューブ21とで構成されている。
操作部13は、接眼部15、上下アングルノブ16、左右アングルノブ17、操作ボタン18、及びデバイス挿入口20等が設けられている。
操作ボタン18は、送気、送水、吸引、ズームなどの操作入力を受け付ける。
内視鏡チューブ21は、基部から先端へ向かって可撓管部22、湾曲管部23、及び先端構成部30がこの順に設けられている。また、内視鏡チューブ21の内部には、デバイス挿入口20から先端構成部30のデバイス出口36まで連通するデバイス挿入路19が設けられている。このデバイス挿入路19は、鉗子やレーザ伝送路60といった治療用デバイスを挿入する治療用デバイス挿入路として機能する。
なお、図1では可撓管部22の途中から湾曲管部23の先端にかけて拡径しているように図示しているが、これは先端構成部30の構成を分かり易く描画するためであって、実際には、食道、胃、腸といった生体内に挿通させるのに適した、一定の径を保った形状となっている。
可撓管部22は、適度に湾曲する円筒形状を有しており、デバイス挿入口20から適宜の鉗子などの治療用デバイスを先端構成部30まで挿通できる。この実施例では、治療用デバイスとしてレーザ治療装置50のレーザチップ70を先端に組み付けたレーザ伝送路60が挿通されている。
湾曲管部23は、上下アングルノブ16の操作によって上下方向に湾曲操作され、左右アングルノブ17によって左右方向に湾曲操作される。
先端構成部30は、ライトガイド31,35、副送水口32、レンズ33、ノズル34、及びデバイス出口36が設けられている。
ライトガイド31,35は、撮像のための照明となる光を照射する照明部位である。これにより、光の届かない体内を照らして観察及び施術できるようにする。
副送水口32は、染色液等の液体を放出する送水口である。
レンズ33は、ライトガイド31,35等の照明による光を集光し、撮像画像を取得するためのレンズ及びその後ろに配置された撮像素子である。
ノズル34は、レンズ33を洗浄するための洗浄液等をレンズ33へ向かって放出する部位である。
デバイス出口36は、レーザ治療装置50のレーザ伝送路60等の治療用デバイスの出口である。このレーザ伝送路60は、内視鏡チューブ21の全長でもあるデバイス挿入路長よりも長く形成されている。なお、レーザ伝送路60の詳細については後述する。
図2に示すように、レーザ治療装置50は、操作部・表示部51、電源部52、中央制御部54、ガイド光発光部56、及びレーザ発振部57を備えている。
操作部・表示部51は、レーザの出力設定や動作モードの変更などの操作入力を受け付けて入力信号を中央制御部54に伝達し、中央制御部54からレーザの出力条件や装置の動作状況などの表示信号を受け取って適宜の情報の表示を行う。
電源部52は、中央制御部54など各部に動作電力を供給する。
中央制御部54は、各部に対して各種制御動作を実行する。この中央制御部54は、レーザ出力制御部54aと記憶部54bも有している。
レーザ出力制御部54aは、操作部・表示部51で設定された出力や動作モードに応じてレーザ発振部57によるレーザ光57aの出力値を制御する。記憶部54bは、出力の設定や動作モードの設定内容などの制御データなどの他に適宜のデータを記憶している。
ガイド光発光部56は、治療用のレーザ光57aが照射される位置を示すためのガイド光を発光する。このガイド光は、治療用のレーザ光57aが照射される位置を確認することができる。
レーザ発振部57は、施術に用いるレーザ光57aの発振を実行する。この実施例では、レーザ光57aとして、炭酸ガスレーザを用いる。炭酸ガスレーザの照射強度の設定や照射の開始停止といった操作は、操作部・表示部51による手動操作と、中央制御部54による制御出力によって行われる。なお、手動操作の一部又は全部を、レーザ治療装置50に対して通信・制御可能に設けたフートコントローラ(不図示)を用いた足踏み操作に替えることもできる。
上述したガイド光発光部56が照射するガイド光56a、及びレーザ発振部57が発振するレーザ光57aは、全て1つのレーザ伝送路60によって伝送される。
内視鏡装置10は、操作部41、電源部42、中央制御部43、照明部44、撮像部45、水噴射部46、及び画像表示部47が設けられている。
操作部41は、操作部13(図1参照)による操作入力を中央制御部43に伝達する。すなわち、上下アングルノブ16や左右アングルノブ17の操作による湾曲管部23の湾曲動作、操作ボタン18による押下操作などを伝達する。またあるいは、術者操作ユニット12のものとは別個に、例えば内視鏡装置の制御器本体(不図示)に操作部を設け、照明の光量、静止画の撮影記憶等の操作を中央制御部43に伝達する。
電源部42は、中央制御部43など各部に動作電力を供給し、中央制御部43は、各部に対して各種制御動作を実行する。
照明部44は、ライトガイド31,35(図1参照)からの照明を実行する。
撮像部45は、レンズ33(図1参照)から伝送される画像を撮像し、施術に必要な撮像画像を得たり、画像処理をしたりする。この撮像画像を連続してリアルタイムに取得することで、術者が円滑に施術を行えるようにしている。
水噴射部46は、副送水口32からの液体の噴射を実行する。また、ノズル34からの液体の噴射も実行する。撮像部45が、先端構成部30の近傍に設けてあってもよいし、内視鏡装置10の制御器本体(不図示)内に設けてあってもよいのは、前述のとおりである。
画像表示部47は、中央制御部43から伝達される信号に従って画像を表示する。この画像には、撮像部45で取得した撮像画像も含まれる。したがって、術者は、この画像表示部47にリアルタイムに表示される撮像画像を確認しながら施術を行うことができる。
次に、図3乃至図5に基づいて、レーザ伝送路60の構造及びレーザ伝送路60の先端に装着するレーザチップ70の構造について説明する。
図3はレーザ伝送路60の先端の拡大斜視図を示し、より具体的にはレーザ伝送路60の先端に装着したレーザチップ70の概略斜視図を示し、図4はレーザ伝送路60及びレーザチップ70の概略分解斜視図を示し、図5はレーザ伝送路60に装着したレーザチップ70の説明図を示す。なお、図3及び図4において、レーザ伝送路60を構成するレーザ用チューブ61の一部は点線で示すことで、透過状態を表す。
図5について詳述すると、図5(a)は図3中のA−A断面図、すなわちレーザ伝送路60にレーザチップ70を装着した状態における縦断面図を示し、図5(b)はレーザ伝送路60にレーザチップ70を装着した状態におけるレーザ光57aの照射を表す側面図を示す。なお、図5(b)において、レーザ用チューブ61の内部に設けた中空導波路63を点線で示すことでレーザ用チューブ61の内部構成を表し、また中空導波路63を通るレーザ光57aも表示する。
レーザ伝送路60は、図3及び図4に示すように、レーザ用チューブ61と、レーザ用チューブ61の先端に設けられたレーザチップ側装着部62と、レーザ用チューブ61の内部に挿通された中空導波路63とで構成し、上述したように、内視鏡チューブ21より長く形成している。
レーザ用チューブ61は、内部に中空導波路63を挿通させる挿通空間61a(図5参照)を有する中空状で可撓性のある樹脂チューブであり、図3及び図4に示すように、外周面には内視鏡チューブ21のデバイス挿入路19の内径よりわずかに小さい外径を有する複数の外周凸部61bと、隣り合う外周凸部61b同士の間において、外周凸部61bより凹状である外周凹部61cとを、周方向に並列配置しており、レーザ光57aの照射方向に対応する光軸方向Dから視た断面において略歯車状に形成している。
挿通空間61aに挿通される中空導波路63は、内部中空の円筒形の筒状体の内面全周を誘電体薄膜(図示省略)で被覆した筒状体であり、先端にレーザ光57aを照射するレーザ照射口63aが設けられている。
このように構成されたレーザ用チューブ61は、デバイス挿入路19に挿通した際に外周凸部61bがデバイス挿入路19に当接してしっかりと固定されるとともに、内視鏡チューブ21の曲げに応じて柔軟に曲げることができる。
レーザチップ側装着部62は、図4及び図5(a)に示すように、それぞれ筒状体である伝送路側装着部62a、連結部62b、レーザチップ用装着部62cが後方から並んで配列された構成である。
伝送路側装着部62aは、図5(a)に示すように、レーザチップ側装着部62をレーザ用チューブ61に嵌合できるようにレーザ用チューブ61の内径と略同一の外径を有するとともに、中空導波路63を挿通させて保持可能なように、後述する中空導波路63の外径よりも一回り大きな内径を有している。
連結部62bは、伝送路側装着部62aの先端に設けられた筒状体であり、デバイス挿入路19の内径よりわずかに小さい外径を有するとともに、中空導波路63の外径と略同一の内径を有しており、レーザチップ側装着部62がレーザ用チューブ61に装着された状態において、レーザ用チューブ61とレーザチップ側装着部62との外周面が面一となるとともに、後述するレーザ照射口63aをレーザ用チューブ61の中央部分に固定することができる。
レーザチップ用装着部62cは、連結部62bの先端から前方に延びるように設けられた、伝送路側装着部62aと略同一の外径を有する筒状体であり、外周面には光軸方向Dに沿ったネジ山62dが設けられている。
この中空導波路63を構成する筒状体は、ガラス管など表面が円滑で、銀などの反射膜及び誘電体薄膜の形成に適した素材により長尺状に形成され、誘電体薄膜は、COP(環状オレフィンポリマー)やポリイミドなど、レーザ光を効率よく反射伝送する適宜の素材で形成している。
このように、中空導波路63の内周面を銀などの反射膜及び誘電体薄膜で被覆しているため、中空導波路63の内部を導通するレーザ光57aを高い伝送効率で導通することができる。
レーザ伝送路60の先端に装着されるレーザチップ70は、図3乃至図5に示すように、レーザ伝送路装着部71と、支持部72とが後方からこの順で配列された筒状体であり、支持部72の先端には塩化ナトリウム凝集体80が挟持されている。
レーザ伝送路装着部71は、連結部62bの外径と略同一の外径を有するとともに、レーザチップ用装着部62cの外径と略同一の内径を有する筒状体であり、内周面にはネジ山62dと螺合可能なネジ溝が設けられている。
支持部72は、レーザ伝送路装着部71の前方において一体に形成された筒状体であり、レーザ伝送路装着部71の内径よりも一回り小さい内径を有している。また、支持部72の先端は4つの凝集体保持部73で構成されている。
凝集体保持部73は、図3乃至図5に示すように、光軸方向Dを回転軸として90度ごとに4つ配置された、光軸方向Dに直交する直交断面が四半円状に形成された板状体であり、その内径は支持部72と略同一に形成されている。また、それぞれの凝集体保持部73の先端には内径側に突出する爪部74が設けられている。
この凝集体保持部73は、先端側に形成された挟持部73aと、挟持部73aを支持部72に支持する連結支持部73bとで構成されている。なお、連結支持部73bの板幅(外周に沿った幅)は挟持部73aの板幅よりも短く構成されている。
この支持部72及び凝集体保持部73について別観点から説明する。
円筒状に形成された支持部72は、中央部分における外周面に周方向に沿って等間隔に配置された長円状貫通孔72aが貫通しており、それぞれの長円状貫通孔72aの先端中央から前方に向けて切り欠かれた切欠き部72bが形成されている。連結支持部73bは、周方向に沿って4つ並んだ長円状貫通孔72a同士の間に形成され、挟持部73aは切欠き部72bの間に形成される。なお、この長円状貫通孔72aは、レーザ伝送路60から噴射されるガスなどを流すための貫通孔も兼ねている。
このように構成された凝集体保持部73は、連結支持部73bの板幅が挟持部73aの板幅よりも短く構成されることで、径方向に対して所望の弾性を有している。また、挟持部73aの板幅を大きくすることで後述する塩化ナトリウム凝集体80との接触面積を増やすことができ、塩化ナトリウム凝集体80をしっかりと挟持することができる。
なお、凝集体保持部73の形状は、必ずしもこの形状である必要はなく、適宜設計などに応じて形状を変更できる。
先端部材に対応する塩化ナトリウム凝集体80は、円柱状に形成された当接部81と、当接部81の後方に形成された被挟持部82とで構成された、白色の塩化ナトリウム凝集体である。
この塩化ナトリウム凝集体80は、粒子径が5〜100μmである塩化ナトリウムの微粒子にアルコールを加え、加圧凝縮することで成形されている。なお、成形された塩化ナトリウム凝集体80の密度は1.90g/cm以上2.18g/cm以下で、アルコールの含量は0.1%以下である。
塩化ナトリウム凝集体80を構成する当接部81について詳述すると、当接部81は支持部72の外径と略同一の外径を有した中実の円柱体であり、当接部81の先端には、光軸方向Dと直交する直交面に沿った円形状の当接面81aが形成されている。この当接面81aの直径が1mmである。
なお、当接面81aは、直径が1mmとしているが、1mm以上であれば特に大きさは限定しない。また、厳密に1mm以上とするのではなく、適当な公差を含むものとする。
当接部81の後方に形成された被挟持部82は、当接部81よりも小径で支持部72の内径と略同一の外径を有する中実の略円柱体であり、後方端部は面取りがされている。また、被挟持部82の先端側は、周方向に沿って内径側に窪んだ被嵌合溝83が形成されている(図5(a)参照)。
この塩化ナトリウム凝集体80を構成する被挟持部82は、周方向に並んだ4つの爪部74が形成される内径よりも一回り大きな外径を有するため、被挟持部82を爪部74の間に押し込むことで、弾性を有する凝集体保持部73が径外側に広がることとなる。そして被挟持部82を所定の位置まで挿入することで、爪部74が被嵌合溝83と係合するとともに、挟持部73aが被挟持部82の外周面を挟持するため、塩化ナトリウム凝集体80をレーザチップ70が強固に保持できる。
このように塩化ナトリウム凝集体80を保持したレーザチップ70は、レーザ伝送路装着部71をレーザチップ用装着部62cに螺合させることにより、レーザ伝送路60に装着できる。この状態で、レーザ治療装置50を操作してレーザ光57aを発振することで、当接面81aからレーザ光57aを照射できる。
ここで、塩化ナトリウム凝集体80は塩化ナトリウムの結晶微粒子が凝集した白色の凝集体であることにより、塩化ナトリウム凝集体80内部には塩化ナトリウム凝集体80を構成する複数の塩化ナトリウム結晶体の界面が多数存在するため、中空導波路63の先端から照射されたレーザ光57aが塩化ナトリウム凝集体80の内部で散乱されることとなり、レーザ光57aは塩化ナトリウム凝集体80の内部において拡散される。このため、塩化ナトリウム凝集体80の後面に入射されるレーザ光57aはさらに広がりながら生体組織に照射される(図5(b)参照)。
次に、上述のように構成されたレーザチップ70を装着するレーザ伝送路60を用いた止血方法について、図6に基づいて簡単に説明する。
ここで、図6はレーザ治療システム1を用いた生体組織の出血部位Eを止血する方法の説明図である。詳しくは、図6(a)は出血部位Eに対して塩化ナトリウム凝集体80を対向させた状態を示し、図6(b)は出血部位Eに対して塩化ナトリウム凝集体80を押し当てるとともに、レーザ光57aを照射した状態を示し、図6(c)は図6(b)における概略断面図を示す。なお、出血部位Eは、粘膜層L1と筋層L3との間にある粘膜下層L2を走る血管とする。
まず、直接又は適宜切開用レーザチップを介してレーザ光57aを照射することで、患部を切開・切除することができる。
この場合において、施術対象である患部の近傍にレーザ光を照射して患部の切開作業中に出血部位Eからの出血があった場合、レーザ伝送路60の先端である連結部62bに塩化ナトリウム凝集体80を挟持したレーザチップ70を装着し、当接面81aが出血部位Eと対向するように配置し(図6(a)参照)出血部位Eに直接当接面81aを押し当てる(図6(b)参照)。
そして、当接面81aを出血部位Eに押し当てた状態で塩化ナトリウム凝集体80の内部で拡散されたレーザ光57aを出血部位Eに照射することで、出血部位Eからの出血した血液Bを凝固させることができる。
詳述すると、当接面81aを出血部位Eに直接押し当てることによって、当接面81aと出血部位Eとの間に介在する血液Bを減らすことができるため、出血部位Eから出血する血液Bに直接レーザ光57aを照射することができ、より確実に血液Bを凝固させて出血部位Eからの出血を止めることができる。
特に炭酸ガスレーザ光は、生体組織や水に対する吸収率が非常に大きいため、当接面81aと出血部位Eとの間に多量に血液Bが介在していると、血液Bが炭酸レーザ光を吸収し、出血部位Eを確実に止血することが困難となる。これ対して、当接面81aと出血部位Eとの間に介在する血液Bを減らすことができる本発明では、炭酸ガスレーザ光を用いる施術において、確実に血液Bを凝固させて出血部位Eを止血できる。
また、塩化ナトリウム凝集体80は塩化ナトリウム結晶の凝集体であり、体液(血液など)により溶解するため、出血部位Eに押し当てて血液Bを凝固させても出血部位Eと固着することがなく、塩化ナトリウム凝集体80を出血部位Eから離したときに傷口が開き再出血することを防止できる。
さらにまた、レーザ光57aは、塩化ナトリウム凝集体80を透過することにより拡散されるため、レーザ光57aを粘膜下層L2に照射した場合であっても筋層L3が穿孔されることも防止できる。
ここで上述の例では、当接面81aが平坦面である当接部81について場合を説明したが、当接部81の当接面は必ずしも平坦面である必要はなく、例えば当接面が緩やかな凸面や凹面であってもよい。
以下、当接面が緩やかな凸面で構成された塩化ナトリウム凝集体80x及び緩やかな凹面で構成された塩化ナトリウム凝集体80yについて、図7及び図8に基づいて説明する。なお、以下で説明する塩化ナトリウム凝集体80x,80yの構成のうち、塩化ナトリウム凝集体80と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7は、当接面が緩やかな凸面である場合の説明図を示し、図8は当接面が緩やかな凹面である場合の説明図を示す。詳しくは、図7(a)は当接面が緩やかな凸面である塩化ナトリウム凝集体80xを挟持したレーザチップ70の断面図を示し、図7(b)は塩化ナトリウム凝集体80xを用いた出血部位Eの止血方法の概略断面図を示す。また、図8(a)は当接面が緩やかな凹面である塩化ナトリウム凝集体80yを挟持したレーザチップ70の断面図を示し、図8(b)は塩化ナトリウム凝集体80yを用いた出血部位Eの止血方法の概略断面図を示す。
塩化ナトリウム凝集体80xは、図7(a)に示すように、塩化ナトリウム凝集体80xの前方に形成される当接面が、前方に突出する曲率半径が15mmの緩やかな曲面の当接凸面81xで構成されている。
このため、当接凸面81xを出血部位Eに当接させた場合、生体組織が曲面に沿って変形し、出血部位Eと当接凸面81xとの間に介在する血液量をより減らすことができ、より確実に血液Bにレーザ光57aを照射することができ、血液Bを確実に凝固させて出血部位Eからの出血を止血できる(図7(b)参照)。
また、塩化ナトリウム凝集体80と異なり塩化ナトリウム凝集体80xは当接凸面81xの端部に角部が形成されていないため、角部で出血部位E近辺の生体組織を損傷することを防止できる。
一方、塩化ナトリウム凝集体80yは、図8(a)に示すように、塩化ナトリウム凝集体80yの前方に形成される当接面が、後方に窪んだ曲率半径が15mmの緩やかな曲面の当接凹面81yで構成されている。
このため、当接凹面81yを出血部位Eに当接させた場合、当接凹面81yと出血部位Eとの間に血液Bを溜め、この血液Bにレーザ光57aを照射することができる。これにより当接凹面81yに溜められた血液Bを確実に凝固させることができ、出血部位Eからの出血を止血できる(図8(b)参照)。
この場合、塩化ナトリウム凝集体80,80xの場合と異なり、当接凹面81yと出血部位Eとの間に介在する血液Bが増加するため、レーザ光57aを血液Bが吸収することとなり筋層L3への穿孔を確実に防止できる。
このように構成されたレーザチップ70は、レーザ伝送路60の先端に設けられたレーザ照射口63aから照射されるレーザ光57aを拡散させる塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yと、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを挟持してレーザ照射口63aに塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを支持するとともに、レーザ照射口63aに着脱自在なレーザ伝送路装着部71とで構成され、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yが、塩化ナトリウムの結晶体を凝集させた凝集体で構成されたことにより、レーザチップ70は出血部位Eを確実に止血することができる
詳述すると、塩化ナトリウムの結晶体を凝集させた凝集体である塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yは人体に対して害がなく、またレーザ光57aを内部で散乱させることができるため、レーザ照射口63aから照射されたレーザ光57aは、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの内部で散乱されて塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの当接面81a,81x,81yから拡散されて照射される。このため、当接部81の当接面81a,81x,81yから照射されるレーザ光は、出血している損傷部位及びその周辺にも照射でき、前記損傷部位とその周辺の血液を凝固できる。
また、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの当接面81a,81x,81yを出血部位Eに直接押し当てることにより、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yと出血部位Eとの間に介在する血液Bを極力減らすことができ、出血部位Eに対して拡散させたレーザ光57aを照射することができる。これにより、出血部位Eを広げることなく血液Bを凝固させることができ、出血部位Eを確実に止血できる。
また、塩化ナトリウムの結晶体を凝集させて構成された塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの密度が、1.90g/cm以上であることにより、十分な耐久性を有することができる。
具体的には、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを構成する塩化ナトリウムの凝集体の密度が、1.90g/cm未満である場合、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yは溶解性が高いため、生体組織に接触させた場合などに溶解が早く進行し塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yが崩壊することとなる。しかしながら、塩化ナトリウムの凝集体の密度を1.90g/cm以上とすることで、通常の施術時間内において塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを出血部位Eに当接させても十分な耐久性を有する。
なお、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの密度の上限値は、塩化ナトリウムの単位格子当たりの密度である2.18g/cmよりも低くなる。すなわち、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yの密度は1.90g/cm以上2.18g/cm以下であることが好ましい。
また、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yは、溶媒の残量を0.1%以下とすることにより、溶媒であるアルコールによるレーザ光57aの吸収を低減することができ、赤外領域における塩化ナトリウム本来のレーザ光を透過させるため、レーザ光57aを吸収することによる発熱を低減し、レーザ伝送路の出射端の熱的な損傷を防ぐことができる。
また、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yにおける当接面81a,81x,81yのわたり長さである直径が1mm以上で構成されているため、傷口の大きな出血部位Eを確実に止血できる。
詳述すると、出血部位Eを有する血管の径が1mm以下である場合には、出力を弱めたレーザ光57aを照射することにより、血液を凝固させて止血できるが、血管の径が1mm以上である場合には、レーザ光57aを照射しても損傷部位を完全に止血することができない。
しかしながら、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yにおける当接面81a,81x,81yの直径を1mm以上とすることで、出血部位Eに確実に押し付けることができるとともに、塩化ナトリウム凝集体80,80xにおける当接面81a,81xと出血部位Eとの間の血液を極力排除しながらレーザ光57aを照射できるため、効率よく止血することができ
また、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yは、レーザチップ70に対して着脱自在に構成することにより、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yが損傷した場合や溶解して縮小した場合などに、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yのみを交換することができる。このように塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yのみを交換可能に取り付けることができるため、ランニングコストを削減することができる。
さらにまた、塩化ナトリウム凝集体80x,80yにおける光軸方向Dの前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された、当接凸面81xや当接凹面81yを設けることにより、損傷領域を広げることがなく確実に止血することができる。
詳述すると、例えば、当接部81の前方の当接面を、曲率半径が+10mm以上の凸状の曲面の当接凸面81xや平坦である当接面81aで形成している場合、当接面81aや当接凸面81xを出血部位Eに直接押し当てて出血部位Eにおける血液Bに拡散されたレーザ光57aを照射できるため、出血部位E及びその周囲の血液Bを凝固させて、出血部位Eを確実に止血できる。
一方で、当接部81の前方の当接面を曲率半径が−10mm以上の凹状の曲面である当接凹面81yで形成している場合、当接凹面81yを出血部位Eに押し付けることで出血部位Eから出た血液Bを当接凹面81yの凹部に溜めることができ、血液Bに拡散されたレーザ光57aを照射することで当接凹面81yの凹部に溜められた血液Bを凝固して出血部位Eを止血できる。
このように、曲率半径が異なる当接凸面81xや当接凹面81y、あるいは平坦な当接面81aを用いた止血は、止血の作用が異なるため、出血箇所の部位や出血状況に応じて曲率半径が異なる当接凸面81xや当接凹面81y、あるいは平坦面の当接面81aを有する塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを使い分けることでより確実に出血部位Eを止血できる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の先端部材は、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yに対応し、
以下同様に、
装着部は、レーザ伝送路装着部71に対応し、
凝集体は、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yに対応し、
レーザチップは、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを挟持したレーザチップ70に対応し、
当接部は、当接面81a、当接凸面81x、当接凹面81yに対応し、
炭酸ガスレーザ光は、レーザ光57aに対応し、
内視鏡は、内視鏡装置10に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
また、上述の結晶体は、多少の摂取量では人体の生命活動に影響のない物質の結晶体であればよく、塩化ナトリウムの結晶体である必要はなく、例えば塩化カリウム等の結晶などであってもよい。すなわち、人体に害のない物質であれば特に物質が限定されるものではない。
また、塩化ナトリウム結晶を凝集させるために、粒子状の塩化ナトリウムを凝集して固めているが、粒子状である必要はなく、所定の大きさを有する結晶体を凝集して固めてもよい。
さらにまた、例えば塩化ナトリウムの微粒子に水またはアルコールなどの溶媒を含有させ、加圧凝縮により成形しているが、例えば加熱処理により凝集させることもできる。なお、溶媒は、アルコールの他に、水などのような塩化ナトリウムの結晶を凝集させるのに用いられる溶媒であればどのようなものでもよい。
また、本実施形態では、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yを出血部位Eに当接させて止血すること方法について記載しているが、必ずしも当接させなければならないわけではなく、出血部位Eに対して所定の間隔を隔ててレーザ光57aを照射してもよい。
さらにまた、本実施形態では、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yは、中実の略円柱体としており、当接面81a,81x,81yが正面視円形状に構成されているが、当接面81a,81x,81yは例えば正面視で正方形や長方形、楕円形など様々な形状をすることができ、また、同様に、塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yも中実の略円柱体以外にも、四角柱や三角柱などの多角形状や、円錐形状、円錐台形状としてもよい。この場合、レーザチップ70の爪部74の形状などを塩化ナトリウム凝集体80,80x,80yに合わせて変更するものとする。
また、当接面81a,81x,81yの直径を1mmとしているが、例えば当接面81a,81x,81yを正方形と下場合には対角線や一辺の長さを1mm以上とすることが好ましく、同様に当接面81a,81x,81yを長方形状とした場合には、長辺の長さを1mm以上、楕円形状とした場合には長軸の長さを1mm以上、とするのが好ましい。すなわち、当接面81a,81x,81yのわたり長さを1mm以上とすることが好ましい
また、本実施形態では炭酸ガスレーザを用いたレーザ発振器としているが、必ずしも炭酸ガスレーザである必要はなく、他のレーザ光を用いたレーザ治療にも用いることができる。
さらにまた、本実施形態ではレーザ伝送路60を中空導波路で構成しているが、必ずしも中空導波路である必要はなく、例えば中実型のファイバーなどで様々なレーザ伝送路を用いることができる。
1 レーザ治療システム
10 内視鏡装置
50 レーザ治療装置
57 レーザ発振部
57a レーザ光
60 レーザ伝送路
63a レーザ照射口
70 レーザチップ
71 レーザ伝送路装着部
80,80x,80y 塩化ナトリウム凝集体
81a 当接面
81x 当接凸面
81y 当接凹面
D 光軸方向

Claims (8)

  1. レーザ伝送路の先端に設けられたレーザ照射口に着脱自在な装着部と、
    前記装着部の先端側に支持され、前記レーザ照射口から照射されたレーザ光を透す透光性を有する先端部材とで構成され、
    前記先端部材は、
    密度が1.90g/cm 以上となるように、塩化ナトリウム結晶を凝集させ、生体組織に接触すると溶解するとともに、損傷部位に当接させて止血するための耐久性を有する凝集体で構成され
    レーザチップ。
  2. 前記凝集体は、溶媒残量が0.1%以下である
    請求項に記載のレーザチップ。
  3. 前記凝集体における前記レーザ光の照射方向前方に、曲率半径が10mm以上の曲面で形成された、又は平坦面で形成された当接部が設けられた
    請求項1又は請求項2に記載のレーザチップ。
  4. 照射方向と直交する前記凝集体の断面が、わたり長さが1mm以上で構成された
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップ。
  5. 前記先端部材は、前記装着部に対して着脱自在に構成された
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップ。
  6. レーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップとが備えられた
    レーザ処置具。
  7. 炭酸ガスレーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より発振されたレーザ光を施術対象部位へ導くレーザ伝送路と、
    請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のレーザチップとが備えられた
    レーザ治療装置。
  8. 請求項に記載のレーザ治療装置と、
    前記レーザ伝送路を挿通可能とした内視鏡とで構成された
    レーザ治療システム。
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