〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
また、図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)〜(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
<ゲーム概要>
ゲームシステム1によって実行されるゲーム(以下、本ゲーム)は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。
また、本ゲームは、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
<ゲーム詳細>
本実施形態において、後述するダウンロード時間に応じてユーザに付与される報酬は、何らかの処理をユーザが実行することが可能なデジタルデータである。中でも、ユーザがゲームのプレイにおいて利用可能な報酬とは、ユーザに付与される何らかのデジタルデータゲーム上で利用可能なゲーム内付加価値としてのデジタルデータである。ゲーム内付加価値は、例えば、キャラクタ、該キャラクタに見立てたカード、ユーザに有利な効果をもたらすアイテム、キャラクタに身に付けさせる装備品、キャラクタに身に付けさせることができる能力、制限されたクエストをプレイする権利、アイテムまたはカードを保有する保有上限を拡張する権利、各種のゲーム内付加価値と交換が可能なゲーム内通貨またはポイント、キャラクタが当選する抽選を実行する権利(チケットなど)、および、ユーザまたはキャラクタに設定されている各種のパラメータの増分などであってもよい。
なお、報酬などのゲーム内価値をユーザに付与することは、一例として、ユーザに対応付けて管理されている、ゲーム内価値としてのデジタルデータのステータスを、使用不可から使用可能に遷移させることであってもよい。あるいは、該デジタルデータを、ユーザ識別情報またはユーザIDに対応付けて、ゲームシステム1に含まれる少なくともいずれかのメモリ(メモリ11、メモリ21)に新規に記憶させることであってもよい。ゲーム内価値をユーザに保有させることおよび獲得させることは、上述のゲーム内価値をユーザに付与することと同義である。
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム131、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100が実行するゲームプログラムである。また、ゲームプログラム131は、サーバ200が実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラムを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、進行支援部211、同期制御部212、および、ダウンロード支援部213として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
進行支援部211は、ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100の制御部110が、本ゲームに含まれる各種のプレイパートを進行させるための支援を行う。例えば、上述の各プレイパートのいずれが実行されているのかに応じて、そのときにユーザ端末100が参照すべき情報を適宜提供する。
同期制御部212は、PvP戦において、対戦する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する。さらに、同期制御部212は、対戦相手のマッチング、対戦の進行状況の同期をとるための同期制御などを実行する。
ダウンロード支援部213は、ユーザ端末100からの要求に応じて、ゲームのプログラムおよびデータの一方または両方をユーザ端末100に提供し、ユーザ端末100における当該ダウンロードを適宜に支援する。
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、ゲーム進行部111、ダウンロード進行部112、および、報酬管理部113として機能する。
ゲーム進行部111は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。
ダウンロード進行部112は、ユーザの操作にしたがって、ゲームプログラムおよびゲームデータの一方または両方のダウンロードを進行させる。
本発明において、ダウンロードの形態は限定されない。たとえば、モバイルゲームでは、第1のサーバからダウンロード用の一定量の第1のデータがダウンロードされ、それに基づいて、第2のサーバから、ゲームプレイ用の大量の第2のデータがダウンロードされることがある。ダウンロードされるデータは、第1のデータの一部または全部であってもよいし、第2のデータの一部または全部であってもよいし、またはこれらの任意の組み合わせ、であってもよい。
ダウンロードするデータは、ダウンロード用の第1のデータとゲームプレイ用の第2のデータとを含む。本実施形態では、第1のデータが、ダウンロードに要する時間を取得する処理、取得した値に応じた報酬を決定する処理、および当該報酬をユーザへ付与する処理、を実行させる。ダウンロードする当該データには、第1および第2以外の他のデータを含んでいてもよい。
また、ダウンロード進行部112は、ダウンロードに要する時間を取得する。当該ダウンロードに要する時間は、実測値であってもよく、見込値であってもよく、その両方であってもよい。
実測値は、ダウンロードの開始から経過した実際の時間である。このような経過時間の実測値は、公知の方法に基づいて取得することができる。また、本実施形態において、実測値を取得する時期は、報酬をユーザに付与可能な範囲において適宜に決めることが可能である。報酬をダウンロード中に表示部152に表示する場合では、実測値は、即時に取得されることが好ましい。
見込値は、ダウンロードの開始からダウンロードが所定の状態に達するまでの予想時間である。見込値は、データ通信の通信速度などの、ダウンロードの速度に係るパラメータを考慮して決定することができる。見込値は、例えば、基準となる通信環境に基づいてデータをダウンロードしたときに要する時間であってよい。以下の実施形態では、ダウンロードに要する時間として実測値を取得する。
報酬管理部113は、ダウンロード進行部112が取得したダウンロードに要する時間に応じて、ユーザに付与すべき報酬を決定する。また、報酬管理部113は、決定した報酬を表示部152に表示させる。報酬管理部113が表示部152に報酬を表示させるタイミングは、特に限定されないが、例えば、データのダウンロード中であることが好ましい。ダウンロード中にユーザが報酬を視認することによって、ダウンロードに要する時間が長時間であっても、ゲームのプレイに対するモチベーションの低下を抑制できる。また、報酬管理部113は、ユーザに付与すべきことが決定した報酬をユーザに関連付けてメモリ11に記憶させる。
(報酬)
また、ゲームプログラム131は、プロセッサ10に、上記の取得するステップにおいて取得した値に応じてユーザに付与する報酬を決定させる。報酬は、ユーザのダウンロード離れを防止する観点からは、ユーザにとって有利なものであることが好ましく、ゲームに対するユーザの興味を持たせ続ける観点からは、ユーザがゲーム内で消費可能な第1のオブジェクトであることが好ましい。第1のオブジェクトの例には、消費アイテムが含まれ、その例には、ガチャチケット、宝石およびコインなどの有価物の画像として表示されるゲーム内価値、および、キャラクタのパラメータを高める特定のアイテム、が含まれる。以下の実施形態では、当該報酬は、いずれの閾値についてもガチャチケット1枚としている。
ガチャチケットは、その消費によってユーザにガチャを実行させることができるゲーム内アイテムである。ガチャとは、抽選とも言われ、具体的には、ガチャチケットの消費に基づいて、ゲームのプレイにおいて利用可能な第2のオブジェクトのうちの何れかを選択して、ユーザに保有されるものとしてメモリ11に記憶させる処理を意味する。第2のオブジェクトは、例えば、ユーザがゲームのプレイにおいて利用可能なキャラクタである。ユーザは、間接的に当該キャラクタを報酬として獲得できることから、ユーザにとって、ゲームを有利に進められることへの期待感が高められる。また、当該キャラクタが所定の規則に基づき選択されることから、より有利なオブジェクトが選択されることへの期待感が高められる。
また、制御部110は、図示しない操作受付部、および、表示制御部などとしても機能する。操作受付部は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部は、上述の入力操作の、入力部151における入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部は、例えば、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。表示制御部は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、制御部110の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部は、制御部110の各部によって生成された映像を含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部は、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
さらに、制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
なお、図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
<処理例>
制御部110は、図3のフローに示されるように、ユーザがゲームを実行するためのデータのダウンロードを実行させる。当該ダウンロードは、例えば、ユーザが初めてゲームをプレイする前に行われるデータのダウンロードである。
ステップS301において、ダウンロード進行部112は、例えばダウンロードを要求することのユーザの操作を受け付けて、ダウンロードの要求をサーバ200へ送信する。
ステップS302において、ダウンロード支援部213は、ダウンロードの要求を受信する。ステップS303において、ダウンロード支援部213は当該要求に対応するデータを制御部210に送信する。ステップS304において、ダウンロード進行部112は、サーバ200から送信されたデータを受信し、ダウンロードを開始する。
ダウンロード進行部112は、ダウンロードを開始すると、ダウンロードの開始からの経過時間を実測値として取得する。すなわち、S305において、ダウンロード進行部112は、ダウンロードに要する時間として、ダウンロードの開始からの経過時間の実測値を取得する。
ステップS306において、報酬管理部113は、次回の閾値に応じた報酬をデータのダウンロード中に表示部152に表示させる。本実施形態では、ダウンロードに要する時間については複数の閾値が設定されている。たとえば、閾値は、ダウンロードの開始から3分おきに設定されている。ステップS306における「次回の閾値」とは、ダウンロードの開始直後であれば、最初の閾値を意味する。また、それぞれの閾値に応じた報酬があらかじめ設定されている。
閾値が複数設定されている形態において、報酬管理部113が表示させる報酬は、次の閾値に対応する報酬に限定されるものではない。例えば、報酬管理部113は、複数設定されている閾値であって、取得した実測値より大きい閾値のうち、少なくとも一部の閾値を超えたときに決定する報酬を、ダウンロード中に表示部152に表示させるものであればよい。例えば、報酬の表示方法は、直近の未来の(例えば次の閾値に対応した)報酬を逐次表示する方法であってもよく、それよりも遠い未来の(例えば10先の閾値に対応した)報酬を表示する方法であってもよいし、未来の報酬の全て(例えば全閾値で設定されている報酬の一覧)を表示する方法であってもよい。次回以降の閾値の少なくとも一部の閾値に対する報酬をユーザが視認できることにより、当該閾値に対応するダウンロード時間までゲームのプレイに対するモチベーションの低下をより抑制できる。
ステップS307において、報酬管理部113は、取得した実測値が次の閾値を超えているか否かを判定する。実測値が閾値を超えていない場合では、ステップS305に戻り、上記の判定で閾値を超えていると判定されるまで、実測値の取得と上記の判定とを繰り返す。
取得した当該実測値とそれに対応する報酬であるガチャチケットとを表示する画面の一例を図4(A)に示す。
画面400は、図4(A)に示されるように、キャラクタ410、ダウンロードの情報を表示するウインドウ420、通信の状態を示す表示430、および、次回の報酬についてのコメント440を含む。キャラクタ410は、例えばゲームのプレイでユーザが利用可能なキャラクタである。制御部110は、画面400が表示される前に、ユーザによるキャラクタ410を特定する操作を受け付け、ユーザが選んだキャラクタ410を表示部152に表示させてもよい。キャラクタ410は、静止していてもよいし、所定の、あるいは任意の動作を実行していてもよい。
ウインドウ420は、ダウンロードの経過を明示する。ウインドウ420は、例えば、ダウンロード中であることを示すメッセージ421、ダウンロードすべき全データに対するダウンロードされたデータの割合を示すゲージ422、当該割合の数値423、およびダウンロードの開始からの経過時間424を含んでいる。
表示430は、ダウンロードのための通信が継続しているか否かを表示する。
コメント440は、キャラクタ410のセリフとして、ダウンロードの開始からの経過時間が次の閾値(ここでは3分)を超えれば、報酬としてガチャチケット1枚をユーザに付与する旨を表示している。コメント440は、音声によるコメントであってもよい。このように、報酬管理部113は、次の閾値を超えたときの次の報酬を表示部152に表示させる。表示される次の報酬には、次の閾値を超えたときに付与されるものが含まれていればよく、付与されないものが含まれていてもよい。たとえば、次の報酬とは、その候補として表示された複数のうちのいずれかであってもよい。ユーザは、ダウンロードがさらに続くことによって得られるさらなる報酬を予め知ることができる。よって、報酬を獲得することへの期待感がより一層高まる。
ステップS307において実測値が次の閾値を超えていると判定すると、ステップS308において、報酬管理部113は、当該閾値に応じた報酬の付与を決定する。次に、報酬管理部113は、表示部152に、決定した報酬を表示させる。表示部152は、例えば図4(B)に示されるような画面450を表示させる。
このように、本実施形態では、報酬管理部113は、ダウンロード時間の取得した実測値に応じてユーザに付与する報酬を決定する。報酬の決定方法は限定されないが、ダウンロードが長期化してもユーザの興味を失わない観点から、報酬は、ダウンロード時間が長くなるほどユーザに有利なように決めることが好ましい。このような報酬の決定方法は、報酬が有するパラメータの量をダウンロード時間の経過に伴って増やす方法であってもよく、ユーザへ付与する報酬の数を増やす方法であってもよく、これらの両方を含む方法であってもよい。パラメータの量は、例えばアイテムに関連付けられた希少度であってもよい。
ダウンロード時間が長くなるほどユーザに付与する報酬が増えるように、報酬を決定する形態では、報酬を継時的に連続して増やしてもよく、処理の簡素化の観点から、ダウンロード時間について設定された閾値ごとに報酬を設定し、閾値を超えるか否かによって報酬を決定してもよい。本実施形態では、報酬管理部113は、実測値が閾値を超えている場合に、対応する報酬をユーザに付与すべき報酬と決定する。このような方法によれば、報酬を閾値毎に設定しておけばよいので、報酬を簡素に決定することができる。
画面450は、図4(B)に示されるように、キャラクタ410およびコメント440に代えて、報酬の画像460および報酬内容の表示470を表示する以外は画面400と同様に構成されている。画像460は、ガチャチケットの画像であり、表示470は、ガチャチケットを獲得したことを示している。
画面400から画面450への切り替えは、例えば、実測値が閾値を超えると同時に自動的に切り替わる。このように、報酬管理部113が決定した報酬が表示されることで、ユーザがダウンロードの待ち時間中に感じる苛立ちが軽減され、また、ダウンロード後にゲームをプレイすることへの期待感が高められる。
ステップS309において、報酬管理部113は、取得した実測値より大きい次の閾値があるか否かを判定する。ステップS309においてより大きな次の閾値が存在する場合では、ステップS305に戻り、ダウンロードの開始からの経過時間をさらに継続して取得し、報酬管理部113は次回の閾値に応じた報酬を表示部152に表示させる。制御部110は、例えば、ユーザによるタップなどの、ユーザが画面450を確認したことを示す操作を受け付けると、表示部152に、画面を、画面450から画面400に復帰させる。
このような処理例によれば、報酬管理部113は、ステップS305で取得した実測値が大きいほど、閾値を超えるごとにそれぞれの閾値に対応するガチャチケットなどの報酬を、ユーザに付与する報酬として決定する。よって、ユーザは、ダウンロードが長引くほどより有利な、報酬を獲得することができる。
ステップS309において次の閾値が存在しない場合には、それ以上ユーザに付与する報酬が存在しないことから、制御部110は、前述したダウンロードの開始からの経過時間に応じた報酬の決定と表示に係る一連の処理を終了させる。
上記の処理例によれば、ユーザは、ダウンロードしている時間に応じた量の報酬を獲得することから、ダウンロードが長期化してもゲームに対する興味を持ち続けることができ。よって、ダウンロードの長期化による不満が解消され、ダウンロード中途放棄によるユーザのゲーム離れが抑制される。特に、ユーザが初めてゲームをプレイする前に行われるデータのダウンロードは、長期化しやすく、またユーザがゲームへの興味を失いやすいことから、上記の処理を適用するのに好適である。ユーザは、まだプレイしていないゲームに利用可能な報酬を、これからゲームをプレイするためのデータのダウンロード時間に応じて獲得することができる。よって、ユーザは、当該ゲームへの興味を持ち続けるとともに、当該ゲームを有利にプレイすることの期待が報酬の獲得とともに高まる。よって、ユーザがダウンロードを途中で止めにくい。
〔実施形態2〕
本実施形態において、ゲームプログラムは、プロセッサに、チュートリアルモードを実行するステップをさらに実行させる。チュートリアルモードの実行には、前記ゲームのプレイにおいて利用可能な第2のオブジェクトのうちのいずれかを選択してユーザに付与する(いわゆるガチャ)処理の実行が含まれる。これらの点以外は、本実施形態は前述した実施形態1と同様に実施することが可能である。たとえば、本実施形態は、図3のフローのステップS308において、ダウンロードに要する時間を取得するステップで取得する値が大きいほど、チュートリアルモードにおける第2のオブジェクトの選択でユーザが有利になるように報酬を決定することによって実施することが可能である。
チュートリアルモードとは、ゲームをプレイする方法をユーザに案内するためのゲームプログラムにより実行されるゲームの一部である。当該チュートリアルモードで案内する内容は、例えば、ゲームの操作方法およびゲームの世界観である。チュートリアルモードは、第2オブジェクトを選択するためのガチャを含む範囲において、適宜に設定することが可能である。チュートリアルモードにおけるガチャも、所定の規則に基づいて第2のキャラクタをユーザに付与されるものとして選択する範囲において、適宜に実施することが可能である。
本実施形態の、報酬を決定するステップにおいて、「チュートリアルモードにおける第2のオブジェクトの選択でユーザが有利になる」とは、ゲームのプレイにおいてより有利な第2のオブジェクトを選択し、ユーザに付与すること、が挙げられる。第2のオブジェクトをユーザにとってより有利する方法の例には、ユーザに付与する第2のキャラクタの数を増やすこと、第2のオブジェクトの希少度を上げること、および、希少度の高いキャラクタが第2のオブジェクトとしてガチャで選択される確率を上げること、が含まれる。
ここで「希少度」とは、キャラクタ(カード)の希少価値を等級で表したものである。本ゲームでは、一例として、メインプレイパート(対戦パート、実践パート、実戦パート)においてユーザに有利な効果をもたらすキャラクタ、すなわち、能力の高いキャラクタほど、上級の希少度が設定されている。本実施形態では、希少価値の高い等級から順に、「S」、「A」、「B」、および、「C」のアルファベットで示された希少度が設定される。なお、希少度は、例えば、キャラクタ(カード)の入手困難性、より具体的には、キャラクタ(カード)が当たる抽選における当選確率、クエストまたはミッションのクリア報酬として入手される場合のクエストまたはミッションの難易度、または、有償で入手する場合の価格などと相関があってもよい。一般に、高価な、または、入手困難性が高いキャラクタ(カード)ほど、上級の希少度が設定されている。
本実施形態では、例えば、ダウンロードに要する時間が閾値を経過するごとに、第2のオブジェクトを選択するガチャにおいて、特定の希少度のキャラクタが選択される確率が1%ずつ上昇するように報酬が決定されてよい。あるいは、本実施形態では、ダウンロードの実測値が閾値を10回超えると、特定の希少度のキャラクタの当選を確実とするように報酬を決定してもよい。あるいは、ユーザが選んだキャラクタの当選を確実とするように報酬を決定してもよい。
本実施形態によれば、ユーザは、ゲームのプレイの開始により確実に実施される、ユーザのためのオブジェクトが選択される機会において、ダウンロードに要する時間が長くなるほどより有利な結果を期待できる。よって、ユーザによるダウンロードの中途放棄をより一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、当該第2のオブジェクトの選択をユーザに有利にすることについて、チュートリアルモードにおける成績をさらに反映させてもよい。たとえば、チュートリアルモードにおけるユーザのプレイ時間が閾値以下と短い場合、ユーザのプレイでキャラクタが負ったダメージが閾値以下と小さい場合、当該キャラクタによって倒した敵キャラクタの数が閾値以上と多い場合、チュートリアルモードで課した条件の達成率が閾値以上と高い場合、などのチュートリアルモードにおけるユーザの成績に応じて、第2のオブジェクトの選択について、当該成績が良いほどユーザにとって有利にする度合を高めるように決定してもよい。
〔変形例〕
本発明の一態様において、実測値に代えてダウンロードが完了するまでの見込値に応じてユーザに付与する報酬を決定してもよい。このような実施形態は、図5に示すフローによって実施することが可能である。
たとえば、ダウンロード進行部112が、図3のステップS301からステップS304においてダウンロードを実行すると、ステップS501において、ダウンロード進行部112は、ダウンロードに要する時間の見込値を取得する。例えば、ダウンロード進行部112は、ダウンロードを指示する操作を受け付けたときの通信環境に応じて、ダウンロード完了までの時間の見込値を取得する。当該見込値は、ダウンロード進行部112が求めてもよいし、サーバからデータとともに通知されてもよい。また、ダウンロード進行部112は、取得した見込値に応じた報酬を決定する。
ステップ502において、報酬管理部113は、決定された報酬を表示部152に表示させる。また、ステップS503において、報酬管理部113は、表示した報酬をユーザに付与することを決定する。当該見込値は、ステップS501からステップS503を繰りかえり実行することにより更新され得る。
このように、報酬管理部113は、実測値によらず、見込値に応じて報酬の付与を決定してもよい。ダウンロードが見込値よりも早くに完了した場合、ユーザは表示された報酬が付与されないことが当然であっても損をした気持ちになりやすい。見込値に応じて決定され、表示された報酬をユーザに付与することは、ユーザのゲームに対する興味を引き留める観点から効果的である。
上記の形態では、例えば、図4(A)の画面400において、キャラクタ410のコメントとして、ダウンロードが見込みより早く終わったが、見込値に応じた報酬は付与する旨を表示してもよい。このようなコメントを併せて表示することにより、ユーザのゲームに対する興味がより一層高まることが期待される。
なお、見込値を取得する場合では、実測値を取得するステップをさらに実行し、取得した見込値におけるダウンロードの進捗度合と、当該進捗度合に達した実測値とに基づいて、当該見込値を更新してもよい。このように、本発明では、実測値と見込値の両方に基づいて報酬を決定し、付与してもよい。このような処理を実行することは、データのダウンロードにおける通信環境に応じて見込値をより適正に求めることが可能となり、ダウンロードの実情に応じた報酬を見込値に基づいて決定することができ、ユーザの報酬に対する不満が緩和される。見込値の更新が見込値の減算である場合、減算に応じて報酬を変更してもよく、変更しなくてもよい。例えば、ユーザに提示した、見込値に応じた報酬の内、最大の見込値に応じた報酬を付与してもよい。
次に、例えば、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータを変更したり、ダウンロードしたデータをアンインストールしたりすることによって、初めてのプレイ時に必要となるデータを、同一のユーザが複数回ダウンロードする場合の処理例について説明する。このような場合、制御部110は、いずれのダウンロードにおいても報酬を付与する上記の処理を実行してもよく、二回目以降のダウンロードでは上記の処理を実行しなくてもよい。このような形態において、ダウンロード後にプレイを開始するときに、ユーザの識別情報が過去にプレイしたユーザの識別情報と一致するか否かを判定し、一致する場合には報酬を付与しないこととしてもよい。このような形態においては、ダウンロード進行部112は、ダウンロード中に過去にプレイしたユーザには報酬は付与されない旨を表示部152に表示させてもよい。
また、本発明は、ゲームをプレイするためのデータにおける初回のダウンロードに限らず、ユーザが長時間のデータ処理を要する場合にも適用することが可能である。このような長時間のデータ処理の例には、ゲームのデータを大幅に更新する場合のダウンロード、および、多量のデータのユーザ端末へのインストール、が含まれる。たとえば、ゲームのプレイを継続して実行しているユーザは、自身が保有するキャラクタが期待するほどのパフォーマンスを発揮しないことに不満を感じることがある。ゲームを既にプレイしているユーザに対する長時間のデータ処理に上記の処理を適用することは、ユーザにとって保有するキャラクタの強化を期待することができるので、当該ユーザのゲームに対する興味を十分に高めること、および、当該ユーザのゲーム離れを防ぐこと、が期待される。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、ダウンロード支援部213)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、ダウンロード進行部112および報酬管理部113)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
(項目1) ゲームプログラム(131)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10、20)およびメモリ(11、21)を備えるコンピュータ(ユーザ端末100およびサーバ200の少なくとも一方)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザがゲームを実行するためのデータのダウンロードに要する時間の実測値および見込値の少なくとも一方を取得するステップと、当該取得するステップにおいて取得した値に応じてユーザに付与する報酬を決定するステップとを実行させる。これにより、ユーザは、当該ダウンロードしている時間に応じた量の報酬を獲得することが可能となる。よって、ダウンロードの時間が長くなることに対する不満を抑制できる。したがって、ゲームのプログラムおよびデータのダウンロードが長期化してもゲームに対する興味をユーザに持ち続けさせることができ、その結果、ユーザがダウンロードを途中で放棄することによるユーザのゲーム離れを抑制することができる、という効果を奏する。
(項目2) (項目1)において、ゲームプログラムは、プロセッサに、報酬を決定するステップにおいて決定した報酬を、データのダウンロード中に表示部に表示させるステップをさらに実行させてもよい。このように報酬が表示されることにより、ダウンロードの間にユーザが待たされることによって感じる苛立ちが軽減され、また、ダウンロード後にゲームをプレイすることに対するユーザの期待感が高められる。よって、ユーザのダウンロード中途放棄によるゲーム離れがより抑制される。
(項目3) (項目1)または(項目2)において、報酬を決定するステップでは、ダウンロード時間を取得するステップで取得した値が大きいほど、ユーザにとってより有利な報酬を決定してもよい。この構成によれば、ユーザは、ダウンロードが長引くほどより有利な報酬を獲得することが可能となる。よって、ユーザのダウンロードの中途放棄によるゲーム離れをより抑制することができる。
(項目4) (項目1)から(項目3)までのいずれか1項目において、報酬を決定するステップでは、上記取得するステップで取得した値が閾値を超えている場合に報酬を決定してもよい。そして、ゲームプログラムは、プロセッサに、当該取得するステップで取得した値が、複数設定されている閾値であって、当該取得した値より大きい閾値のうち、の少なくとも一部の閾値を超えたときに決定する可能性がある報酬を、データのダウンロード中に表示部に表示させるステップをさらに実行させてもよい。この構成によれば、上記の構成によれば、ダウンロード時間の閾値に応じた報酬がユーザに付与される。よって、報酬を決定する処理をより簡素化することができる。また、ユーザは、ダウンロードがある閾値に対応する時間を超えてさらに続いても、ダウンロードがそのまま続くことによって得られる報酬を予め知ることができる。よって、報酬を獲得することへの期待感がより一層高まり、ユーザによるダウンロードの中途放棄をより抑制することができる。
(項目5) (項目1)から(項目4)までのいずれか1項目において、当該取得するステップは、ユーザが初めてゲームをプレイする前に行われるデータのダウンロードのときに実行するステップであってもよい。この構成によれば、ユーザは、ゲームをまだプレイしていないものの、ダウンロード時間に応じた報酬を獲得することが可能である。よって、ユーザが初回のダウンロードを途中で放棄することによる、ユーザのゲーム離れを抑制することができる。
(項目6) (項目1)から(項目5)までのいずれか1項目において、報酬を決定するステップでは、ゲーム内で消費可能な第1のオブジェクトを報酬として決定してよい。そして、ゲームプログラムは、プロセッサに、第1のオブジェクトの消費に基づいて、ゲームのプレイにおいて利用可能な第2のオブジェクトのうちの何れかを選択して、ユーザに保有されるものとしてメモリに記憶させるステップをさらに実行させてもよい。この構成によれば、ユーザは、報酬として、オブジェクトを獲得する機会を獲得できる。よって、ゲームを有利に進められることへの期待感が高まり、またより有利なオブジェクトが選択されることへの期待感が高まる。よって、ユーザによるダウンロードの中途放棄をより一層抑制することができる。
(項目7) (項目1)から(項目5)までのいずれか1項目において、ゲームプログラムは、プロセッサに、ゲームをプレイする方法を案内し、かつ、ゲームのプレイにおいて利用可能な第2のオブジェクトのうちのいずれかを選択して前記ユーザに付与することを含む、チュートリアルモードを実行するステップをさらに実行させてもよい。そして、報酬を決定するステップでは、前述の取得するステップで取得する値が大きいほど、チュートリアルモードにおける第2のオブジェクトの選択で前記ユーザが有利になるように報酬を決定してもよい。この構成によれば、ユーザは、ゲームのプレイを開始したときに与えられることが確定している、ユーザのためのゲームオブジェクトが選択される機会において、ダウンロードに要する時間が長くなるほどより有利な結果が期待できる。よって、ユーザによるダウンロードの中途放棄をより一層抑制することができる。
(項目8) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。該方法は、プロセッサが(項目1)に記載の各ステップを実行する方法である。(項目8)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
(項目9) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、該情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムを記憶する記憶部(メモリ、120)と、該ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置(ユーザ端末100)の動作を制御する制御部(プロセッサ、110)とを備える。(項目9)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。