JP6802964B2 - 核酸鎖の四重螺旋構造の形成を可能にするデオキシヌクレオシド誘導体 - Google Patents
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Description
項1. 下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
R2は、水素原子、又は水酸基の保護基を示す。
AOはアルキレンオキサイドを示す。
mは1〜8の整数を示す。
nは1〜10の整数を示す。
L1は、ピリジン環の5位の炭素とL2とを連結するリンカー基を示す。
L2は、nが1の場合には単結合、nが2〜10の場合にはL1に対して1価の結合と基−(AO)n−R2に対してn価の結合を持つ分岐リンカー基を示す。]
項2. 一般式(1)中、AOがエチレンオキサイドである、項1に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
項3. 一般式(1)中、nが1である、項1又は2に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
項4. 一般式(1)中、nが2〜10であり、
L2が、下記一般式(2)に示すリンカー基である項1又は2に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
p及びqは0〜10の整数であり、且つp+q=nの関係を満たす。]
項5. 一般式(1)中、nが2であり、
L2が、下記一般式(21)に示すリンカー基である項1、2又は4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
項7. 下記塩基配列(i)を含む、項6に記載のポリヌクレオチド。
A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(i)の5’末端側又は3’末端側に項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
項8. 下記塩基配列(ii)〜(iv)のいずれかを含み、GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と四重螺旋構造を形成する、項6に記載のポリヌクレオチド。
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、及びB2は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、及びB2のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(ii)の5’末端側又は3’末端側に項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iii)の5’末端側又は3’末端側に項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iv)の5’末端側又は3’末端側に項1〜4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
項9. 前記配列(ii)〜(iv)の5’末端側又は3’末端側に、標的核酸鎖の一部の塩基配列に対する相補的な塩基配列が付加されている、項8に記載のポリヌクレオチド。
項10. 前記相補的な塩基配列が、
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の5’末端から5’末端側に数えて1〜55番目までの塩基の領域内の塩基配列、或いは
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の3’末端から3’末端側に数えて1〜55番目までの塩基の領域内の塩基配列
に対して相補的な塩基配列である、項9に記載のポリヌクレオチド。
項11. 前記標的核酸鎖がDNA鎖又はRNA鎖である、項8〜10のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
項12. GG又はGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と、項8〜11のいずれかに記載のポリヌクレオチドとを共存させる工程を含む、核酸鎖の四重螺旋構造の形成方法。
本発明のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドは、下記一般式(1)で表される化合物である。
本発明は、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドを含むポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドを、他のデオキシヌクレオシドとリン酸ジエステル結合によって連結して得られるポリヌクレオチドである。本発明のポリヌクレオチドは、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが導入されていることによって、安定な四重螺旋構造を形成することが可能になっている。
1−1.直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの合成
(1−1−1)化合物1の合成
Khan, S. I.; Grinstaff, M. W. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 4704-4705に記載の方法に従って、下記構造の化合物1を合成した。
アルゴン雰囲気下、テトラエチレングリコール(10.37 g, 53.38 mmol)とイミダゾール(1.386 g, 20.36 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液に対し、クロロイソプロピルシラン(1.842 g, 9.554 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液を0℃で15分かけて滴下した。得られた混合物を0℃で30分撹拌後、25℃で12時間撹拌し、そこに飽和食塩水(50 mL)を加えた。得られた混合物に対し、酢酸エチルを用いて3回抽出した(各100 mL)。酢酸エチル抽出液に対し無水硫酸ナトリウム(10 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて30 °Cで減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=25/75から50/50へ段階的に変化させた)によって3,3-ジイプロピル-2-メチル-4,7,10,13-テトラオキサ-3-シラペンタデカン-15-オールを無色油状物として得た(2.595 g, 7.414 mmol, 収率78%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 4.23 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.86 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.73-3.65 (m, 12H), 3.61 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.44 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 1.10 (sept, J = 4.4 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 4.4 Hz, 18H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 79.80, 74.60, 72.88, 70.94, 70.82, 70.77, 70.73, 70.55, 69.26, 18.10, 12.10 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C20H40KO5Siの計算値: 427.2282 [M + K]+; 観測値: 427.2316.
アルゴン雰囲気下、化合物1(2.512 g, 3.827 mmol)、ヨウ化銅(I)(146 mg, 0.767 mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(442 mg, 0.382 mmol)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド(35 mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.1 mL, 7.89 mmol)の混合溶液に分散させた混合物に対し、3,3-ジイプロピル-2-メチル-4,7,10,13,16-ペンタオキサ-3-シラノナデカ-18-イン(4.458 g, 11.48 mmol)の脱水N,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)溶液を25℃で15分かけて滴下した。得られた混合物を50℃で12時間撹拌し、さらに70℃で3時間撹拌した。その後0℃に冷やし、水(2 mL)と飽和食塩水(100 mL)を加えた。得られた混合物に対し、酢酸エチルを用いて4回抽出した(各300 mL)。酢酸エチル抽出液に対し無水硫酸ナトリウム(10 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=25/75から100/0へ段階的に変化させた)によって下記構造の化合物2(直鎖型ポリエチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド)を黄色油状物として得た(3.321 g, 3.626 mmol, 収率95%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 22 °C): δ 8.4 (broad s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.34-7.22 (m, 7H), 6.84 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 6.28 (dd, J = 7.6 and 6.0 Hz, 1H), 4.51 (secs, J = 3.2 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 4.06 (quart, J = 3.2 Hz, 1H), 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.79 (s, 6H), 3.67-3.56 (m, 12H), 3.47 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.45 (dd, J = 10.8 and 3.2 Hz, 1H), 3.40 (dd, J = 10.8 and 3.2 Hz, 1H), 2.49 (ddd, J = 13.6, 6.0 and 3.2 Hz, 1H), 2.27 (ddd, J = 13.6, 7.6 and 6.0, 1H), 1.10-1.08 (m, 21H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 161.39, 158.72, 149.25, 144.58, 142.89, 135.56, 130.05, 128.58, 128.13, 127.97, 127.07, 113.42, 99.84, 90.10, 87.08, 86.53, 85.84, 72.80, 72.28, 70.85, 70.70, 70.56, 70.33, 69.05, 63.57, 63.02, 58.85, 55.32, 41.55, 18.05, 12.03 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C50H68N2NaO12Siの計算値: 939.4439 [M + Na]+; 観測値: 939.4435.
テトラエチレングリコールに代えてエチレングリコールを使用すること以外は、前記と同条件で合成を行い、直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数1)を得た。
テトラエチレングリコールに代えてオクタエチレングリコールを使用すること以外は、前記と同条件で合成を行い、直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数8)を得た。
(1−2−1)3,3-ジイソプロピル-2-メチル-4,7,10,13-テトラオキサ-3-シラペンタデカン-15-イル 4-メチルベンゼンスルホネートの合成
3,3-ジイソプロピル-2-メチル-4,7,10,13-テトラオキサ-3-シラペンタデカン-15-イル 4-メチルベンゼンスルホネートを、Kawasaki, S.; Muraoka, T.; Obara, H.; Ishii, T.; Hamada, T.; Kinbara, K. Chem. Asian J. 2014, 9, 2778-2788に記載の方法に従って合成した。
アルゴン雰囲気下、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(0.9522 g, 8.97 mmol)の脱水ピリジン溶液(10 mL)に対し、トリチルクロリド(1.231 g, 4.41 mmol)を25 ℃で加えた。得られた混合物を25 ℃で12時間撹拌し、そこに水(100 mL)を加えた。得られた混合物に対し、酢酸エチルを用いて3回抽出した(各100 mL)。酢酸エチル抽出液を飽和食塩水(80 mL)で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム(10 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて30 ℃で減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=20/80から60/40へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物4を白色固体として得た(1.785 g, 3.382 mmol, 収率77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 7.46-7.41 (m, 6H), 7.31-7.22 (m, 9H), 3.81 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.28 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 2.05 (s, 2H), 2.03 (sept, J = 2.8 Hz, 1H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 23 °C): δ 143.79, 128.61, 127.94, 127.15, 86.99, 63.61, 63.04, 43.22 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C23H24NaO3の計算値: 371.1623 [M + Na]+; 観測値: 371.1661.
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(411 mg, 17.12 mmol)の脱水テトラヒドロフラン懸濁液(10 mL)に対し、3,3-ジイソプロピル-2-メチル-4,7,10,13-テトラオキサ-3-シラペンタデカン-15-イル 4-メチルベンゼンスルホネート(3.502 g, 6.94 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(45 mL)を0 ℃で50分かけて滴下した。得られた混合物を還流させ、化合物4(1.125 g, 3.23 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(40 mL)を30分かけて滴下した。得られた混合物を18時間還流させた。反応混合物を25 ℃に冷やし、塩化メチレン(200 mL)を加え、セライト濾過により不溶物を除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて30 ℃で減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=20/80から30/70へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物5を無色油状物として得た(1.684 g, 1.66 mmol, 収率51%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 7.42-7.40 (m, 6H), 7.30-7.21 (m, 9H), 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.67-3.51 (m, 32H), 3.16 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 2.19 (sept, J = 6.0 Hz, 1H), 1.11-0.98 (m, 42H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 144.42, 128.85, 127.79, 126.95, 86.34, 72.86, 70.92, 70.79, 70.74, 70.61, 63.06, 61.39, 40.51, 18.09, 12.08 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C57H96NaO11Si2の計算値: 1035.639 [M + Na]+; 観測値: 1035.637, C57H96KO11Si2の計算値: 1051.613 [M + K]+; 観測値: 1051.611.
アルゴン雰囲気下、化合物5(1.481 g, 1.461 mmol)の脱水メタノール溶液(60 mL)に対し、氷酢酸(10 mL)を25 ℃で20分かけて滴下した。得られた混合物を3時間還流させた後、ロータリーエバポレーターを用いて40 ℃で溶媒を減圧留去した。得られた残渣に塩化メチレン(200 mL)を加え、その懸濁液を飽和食塩水(各200 mL)で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム(10 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて30 °Cで減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=20/80から100/0へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物6を無色油状物として得た(0.740 g, 0.959 mmol, 収率66%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 29 °C): δ 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.74 (dd, J = 6.0 and 4.8 Hz, 2H), 3.68-3.54 (m, 32H), 2.87 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 2.13 (sept, J = 6.0 Hz, 1H), 1.12-1.03 (m, 42H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 29 °C): δ 72.83, 71.08, 70.90, 70.78, 70.72, 70.66, 70.51, 63.72, 63.05, 41.35, 18.05, 12.06 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C38H82NaO11Si2の計算値: 793.5293 [M + Na]+; 観測値: 793.5350, C38H82KO11Si2の計算値: 809.5033 [M + K]+; 観測値: 809.5069.
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60 mg, 2.5 mmol)の脱水テトラヒドロフラン懸濁液(10 mL)に対し、化合物6(733 mg, 0.95 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(20 mL)を0 ℃で30分かけて滴下した。得られた混合物にプロパルギルブロミド(0.10 mL, 1.33 mmol)を0 ℃で加えた。得られた混合物を17時間25 °Cで撹拌した後、塩化メチレン(50 mL)を加え、セライト濾過により不溶物を除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて40 ℃で減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=50/50から70/30へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物7を無色油状物として得た(0.602 g, 0.745 mmol, 収率78%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 4.11 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.67-3.55 (m, 28H), 3.49 (d, J = 6.0 Hz, 6H), 2.41 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.29 (sept, J = 6.0 Hz, 1H), 1.12-1.03 (m, 42H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 29 °C): δ 80.10, 74.26, 72.84, 70.91, 70.78, 70.75, 70.72, 70.66, 70.58, 69.61, 68.59, 63.05, 58.47, 42.40, 40.18, 18.06, 12.07 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C41H84NaO11Si2の計算値: 831.5450 [M + Na]+; 観測値: 831.5474, C41H84KO11Si2の計算値: 847.5189 [M + K]+; 観測値: 847.5216.
アルゴン雰囲気下、化合物1(0.150 g, 0.229 mmol)、ヨウ化銅(I)(10 mg, 0.054 mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(27 mg, 0.023 mmol)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド(7 mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.07 mL, 0.42 mmol)の混合溶液に分散させた混合物に対し、化合物7(0.369 g, 0.456 mmol)の脱水N,N-ジメチルホルムアミド(8 mL)溶液を25℃で5分かけて滴下した。得られた混合物を50 ℃で19時間撹拌し、さらに70 ℃で3時間撹拌した。その後50 ℃に冷やし、溶媒を油回転真空ポンプを用いて減圧留去した。得られた残渣に対し酢酸エチル(20 mL)を加え、飽和食塩水(各40 mL)で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム(5 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて40 °Cで減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Silica Gel 60, 溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=50/50から100/0へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物8(分岐型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(付加モル数4のエチレンオキサイドが2本結合))を茶色油状物として得た(0.283 g, 0.212 mmol, 収率93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 22 °C): δ 8.2 (broad s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.34-7.22 (m, 7H), 6.84 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 6.28 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.49 (secs, J = 3.2 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.79 (s, 6H), 3.67-3.53 (m, 30H), 3.45-3.43 (m, 6H), 3.40-3.85 (m, 2H), 2.47 (m, 1H), 2.29 (ddd, J = 13.6, 6.0 and 3.2 Hz, 1H), 2.13 (ddd, J = 13.6, 7.6 and 6.0, 1H), 1.11-1.03 (m, 42H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 28 °C): δ 161.19, 158.76, 149.15, 144.61, 142.84, 135.59, 135.55, 130.09, 128.15, 128.01, 127.10, 113.45, 99.88, 90.46, 87.10, 86.35, 85.78, 72.83, 72.21, 70.90, 70.73, 70.71, 70.67, 70.57, 70.54, 69.61, 68.66, 63.65, 63.05, 60.50, 59.02, 55.33, 41.46, 40.18, 21.13, 18.07, 14.30, 12.07 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C71H112N2NaO18Si2の計算値: 1359.735 [M + Na]+; 観測値: 1359.732, C71H112N2KO18Si2の計算値: 1375.709 [M + K]+; 観測値: 1375.705.
(2−1)化合物3(3’位水酸基がホスホロアミダイト化された直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数4))の合成
アルゴン雰囲気下、化合物2(2.509 g, 2.74 mmol)の脱水塩化メチレン溶液(50 mL)に対し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.9 mL, 11.1 mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホアミダイト(0.8 mL, 3.58 mmol)を0 ℃で滴下した。得られた混合物を0 ℃で40分撹拌した。その後、25℃で3時間半撹拌し、溶媒を油回転真空ポンプを用いて減圧留去した。得られた残渣物に対し、飽和重曹水(15 mL)を加え、塩化メチレンを用いて3回抽出した(各40 mL)。塩化メチレン抽出液に対し無水硫酸ナトリウム(10 g)を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて30℃で減圧留去し、得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Chromatorex NH silica, 溶離液:塩化メチレン/メタノール=100/0から90/10へ段階的に変化させた)によって、下記構造の化合物3(3’位水酸基がホスホロアミダイト化された化合物2)を薄黄色油状物として得た(1.592 g, 1.42 mmol, 収率52%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 23 °C): δ 8.11 and 8.07 (s and s, total 1H), 7.42 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.34-7.21 (m, 7H), 6.83 (dd, J = 8.8 and 3.8 Hz, 4H), 6.27 (dd, J = 7.6 and 6.0 Hz, 1H), 4.59 (secs, J = 3.2 Hz, 1H), 4.21 and 4.16 (d and d, J = 2.4 and 2.4 Hz, total 1H), 4.06 (m, 2H), 3.83 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.79 and 3.78 (s and s, total 6H), 3.67-3.56 (m, 12H), 3.46-3.38 (m, 5H), 3.32 (m, 1H), 2.63 (m, 2H), 2.57 (m, 1H), 2.44 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.29 (m, 1H), 1.18-1.14 (m, 12H), 1.10-1.05 (m, 21H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 161.37, 161.33, 158.43, 149.15, 149.08, 144.30, 144.26, 142.59, 135.27, 135.24, 135.21, 129.85, 129.81, 127.85, 127.76, 127.71, 126.79, 117.41, 117.21, 113.13, 99.67, 99.61, 89.77, 89.74, 86.77, 85.90, 85.60, 85.52, 73.63, 73.46, 73.23, 73.07, 72.53, 70.58, 70.43, 70.28, 70.03, 68.69, 63.01, 62.84, 62.75, 58.52, 58.25, 58.12, 58.06, 57.93, 55.07, 55.04, 43.16, 43.09, 43.04, 42.97, 24.47, 24.40, 24.36, 24.29, 20.25, 20.17, 20.06, 19.99, 17.79, 11.76 ppm. 31P NMR (162 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 149.04 and 148.64 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C59H85N4NaO13PSiの計算値: 1139.5518 [M + Na]+; 観測値: 1139.5530.
化合物2に代えて直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数1)を使用すること以外は、前記と同条件で合成を行い、3’位水酸基がホスホロアミダイト化された直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数1)を得た。
化合物2に代えて直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数8)を使用すること以外は、前記と同条件で合成を行い、3’位水酸基がホスホロアミダイト化された直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数8)を得た。
アルゴン雰囲気下、化合物8(0.306 g, 0.23 mmol)の脱水塩化メチレン溶液(25 mL)に対し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.160 mL, 0.92 mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホアミダイト(0.061 mL, 0.27 mmol)を0 °Cで滴下した。得られた混合物を0 ℃で40分撹拌した。その後、25 ℃で3時間半撹拌し、メタノール(0.5 mL)を加え、溶媒を油回転真空ポンプを用いて減圧留去した。得られた残渣から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Chromatorex NH silica, 溶離液:塩化メチレン/メタノール=98/2から96/4へ段階的に変化させた)によって下記構造の化合物9(3’位水酸基がホスホロアミダイト化された化合物8)を薄黄色油状物として得た(0.184 g, 0.12 mmol, 収率52%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 8.05 and 8.01 (s and s, total 1H), 7.40 (m, 2H), 7.34-7.19 (m, 7H), 6.83 (dd, J = 8.8 and 3.8 Hz, 4H), 6.24 (dd, J = 7.6 and 6.0 Hz, 1H), 4.57 (m, 1H), 4.31 and 4.28 (d and d, J = 6.4 and 6.4 Hz, total 1H), 4.20-3.84 (m, 3H), 4.15 (s, 2H), 3.96 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.772 and 3.766 (s and s, total 6H), 3.67-3.56 (m, 28H), 3.43 and 3.39 (s and s, total 2H), 3.42-3.38 (m, 6H), 2.77 (m, 2H), 2.44 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.27 (m, 1H), 1.18-1.14 (m, 6H), 1.10-1.05 (m, 48H) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3, 25 °C): δ 161.15, 158.63, 149.10, 144.50, 142.75, 135.33, 132.95, 132.14, 132.04, 131.99, 131.96, 130.07, 130.02, 128.58, 128.46, 128.03, 127.93, 127.89, 126.97, 117.60, 117.36, 113.30, 99.77, 90.22, 86.99, 85.81, 85.73, 72.71, 70.79, 70.63, 70.61, 70.57, 70.46, 70.43, 69.49, 68.57, 62.93, 58.89, 58.54, 58.34, 58.22, 57.82, 55.24, 55.22, 50.73, 50.56, 45.36, 43.36, 43.30, 43.24, 43.18, 43.02, 42.90, 40.04, 24.70, 24.68, 24.62, 22.96, 22.90, 21.44, 20.41, 20.34, 20.13, 17.97 ppm. 31P NMR (162 MHz, CDCl3, 26 °C): δ 149.68 and 148.87 ppm. ESI-TOF MS: m/z: C80H129N4NaO19PSi2の計算値: 1559.842 [M + Na]+; 観測値: 1559.839, C80H129N4KO19PSi2の計算値: 1575.816 [M + K]+; 観測値: 1575.817.
5’位水酸基が4,4'-ジメトキシトリルで保護され、且つ3’位水酸基がホスホロアミダイト化されたヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン)と、3’位水酸基がホスホロアミダイト化されたエチレンオキサイド化デオキシヌクレオシドを用いて、DNA自動合成機を利用して、ホスホロアミダイト法によって所定の塩基配列となるようにポリヌクレオチドを固相合成した。
1H, 13C, 31P核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、400 MHz FT NMR Bruker BioSpin AVANCE III 400 spectrometerを用いて測定した。エレクトロスプレーイオン化飛行時間質量分析計 (ESI-TOF MS)スペクトルは、Bruker microTOF-Q II-S1を用い、ポジティブモードで、メタノールを溶媒として用いて測定した。N,N-ジイソプロピルエチルアミンはSigma-Aldrichから購入した。クロロイソプロピルシラン、ヨウ化銅(I)、イミダゾールはナカライテスクから購入した。N,N-ジイソプロピルクロロホスホアミダイト、水素化ナトリウム、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、氷酢酸、プロパルギルブロミドは、和光純薬工業から購入した。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリチルクロリド、テトラエチレングリコールは東京化成工業から購入した。脱水塩化メチレン、脱水N,N-ジメチルホルムアミド、脱水テトラヒドロフランは関東化学から購入し、使用直前にGlass-Contourシステムの2本のカラムを通して使用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、関東化学から購入したSilica Gel 60 (球状, 中性, 粒径: 63-210 μm)、または富士シリシア化学から購入したChromatorex-NH silica (NH DM 1020, 球状, 粒径: 75-150 μm, 細孔径: 10 nm)を用いて行った。
エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシドがDNA構造に及ぼす影響を検討するため、四重螺旋構造を形成するDNA鎖(Q1)に直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数1、4、又は8)を導入したポリヌクレオチド(Q1−X、Q1−Y、Q1−Z)を合成した。また、四重螺旋構造を形成するDNA鎖(Q1)に分岐型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(付加モル数4のエチレンオキサイドが2本結合)を導入したポリヌクレオチド(Q1−X2)を合成した。更に、重螺旋構造を形成するDNA鎖(D1)に直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数8)を導入したポリヌクレオチド(Q1−X)も合成した。Q1、Q1−X、Q1−Y、Q1−Z、Q1−X2、D1、及びD1−Xの塩基配列は表1に示す通りである。Q1、Q1−X、Q1−Y、Q1−Z、及びQ1−X2は、図1に示すように四重螺旋構造を形成する。また、D1及びD1−Xは、図2に示すように二重螺旋構造を形成する。
HIV-1由来のRNAを鋳型にして逆転反応を行い、エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが付加された四重鎖が逆転写反応に及ぼす影響を解析した。HIV-1由来の鋳型RNA(配列番号1)は一部に、GGG(49〜51位)という配列をもつ(このGGGは通常は何の構造も形成しない)。先ず、このGGG部位の5’末端側に位置する塩基配列(19〜34位)に相補的な配列をもつDNA1(配列番号2)と、配列番号1の19〜34位の塩基配列に対して相補的な配列とリンカー部位、鋳型RNAのGGG部位と四重鎖を形成する配列をもつDNA2(配列番号3)を合成した。DNA2の塩基配列(配列番号3)において、1〜3位、7〜9位、及び13〜15位の各GGGがGカルテット形成部位に該当し、4〜6位、10〜12位、及び16〜18位の各配列がループ配列に該当し、19〜28位の配列がリンカー部位に該当し、29〜44位の配列が配列番号1の19〜34位の塩基配列に対する相補的な配列に該当する。DNA2の塩基配列(配列番号3)において、ループ配列に位置する5位の塩基は、直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数4)の塩基(X)によって形成されている。鋳型RNA、DNA1、DNA2、及びプライマーDNAの塩基配列を表2に示す。
ヌクレアーゼが、エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが付加されたポリヌクレオチドに及ぼす影響を検討するために、表3に示す35塩基のポリヌクレオチド(DNA3)、及びDNA3と同じ塩基配列で一か所のチミンを直鎖型エチレンオキサイド化デオキシヌクレオシド(エチレンオキサイドの付加モル数4)の塩基(X)に置き換えたポリヌクレオチド(DNA4)を設計した。これらのポリヌクレオチド5μMを、30 mM KCl, 40 mM Tris-HCl (pH 8.0), 8 mM MgCl2及び2 mMジチオトレイトールを含む溶液に溶解させ、1 unitのDNase Iと共に、37℃において15分静置した。その後、20%変性アクリルアミドゲル電気泳動によって、DNAを解析した。
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
R2は、水素原子、又は水酸基の保護基を示す。
AOはアルキレンオキサイドを示す。
mは1〜8の整数を示す。
nは2〜10の整数を示す。
L1は、ピリミジン環の5位の炭素とL2とを連結するリンカー基であって、下記一般式(A)で表されるリンカー基(酸素原子がL2側に結合)を示す。
L2は、下記一般式(2)で表されるリンカー基を示す。]
L21、L22及びL23は、それぞれ同一又は異なって、−O−;−S−;−(CO)O−;−NHCO−;−NH(CO)O−;−O(CO)O−;−NH−;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、及び2級アミノ基を1又は2個含んでいてもよい炭素数1〜7のアルキレン基;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、及び2級アミノ基を1又は2個含んでいてもよい炭素数2〜7のアルキニレン基を示し、
p及びqは0〜10の整数であり、且つp+q=nの関係を満たす。] - 一般式(1)中、AOがエチレンオキサイドである、請求項1に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
- 一般式(1)中、nが2であり、
L2が、下記一般式(21)に示すリンカー基である請求項1又は2に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが他のデオキシヌクレオシドとリン酸ジエステル結合によって連結しているポリヌクレオチド。
- 下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが他のデオキシヌクレオシドとリン酸ジエステル結合によって連結しており、下記塩基配列(i)を含む、ポリヌクレオチド。
R2は、水素原子、又は水酸基の保護基を示す。
AOはアルキレンオキサイドを示す。
mは1〜8の整数を示す。
nは1〜10の整数を示す。
L1は、ピリミジン環の5位の炭素とL2とを連結するリンカー基であって、下記一般式(A)で表されるリンカー基(酸素原子がL2側に結合)を示す。
L2は、nが1の場合には単結合、nが2〜10の場合にはL1に対して1価の結合と基−(AO)m−R2に対してn価の結合を持つ分岐リンカー基であって下記一般式(2)に示すリンカー基を示す。]
L21、L22及びL23は、それぞれ同一又は異なって、−O−;−S−;−(CO)O−;−NHCO−;−NH(CO)O−;−O(CO)O−;−NH−;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、及び2級アミノ基を1又は2個含んでいてもよい炭素数1〜7のアルキレン基;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、及び2級アミノ基を1又は2個含んでいてもよい炭素数2〜7のアルキニレン基を示し、
p及びqは0〜10の整数であり、且つp+q=nの関係を満たす。]
A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(i)の5’末端側又は3’末端側に前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。] - 一般式(1)中、nが2であり、
L2が、下記一般式(21)に示すリンカー基である、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
- 下記塩基配列(ii)〜(iv)のいずれかを含み、GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と四重螺旋構造を形成する、請求項5又は6に記載のポリヌクレオチド。
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、及びB2は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、及びB2のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(ii)の5’末端側又は3’末端側に前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iii)の5’末端側又は3’末端側に前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
A1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
B1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1〜5個の塩基からなるループ配列を示す。
B1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iv)の5’末端側又は3’末端側に前記アルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。] - 前記配列(ii)〜(iv)の5’末端側又は3’末端側に、標的核酸鎖の一部の塩基配列に対する相補的な塩基配列が付加されている、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
- 前記相補的な塩基配列が、
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の5’末端から5’末端側に数えて1〜55番目までの塩基の領域内の塩基配列、或いは
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の3’末端から3’末端側に数えて1〜55番目までの塩基の領域内の塩基配列
に対して相補的な塩基配列である、請求項8に記載のポリヌクレオチド。 - 前記標的核酸鎖がDNA鎖又はRNA鎖である、請求項7〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
- GG又はGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と、請求項7〜10のいずれかに記載のポリヌクレオチドとを共存させる工程を含む、核酸鎖の四重螺旋構造の形成方法(但し、人間を治療する方法を除く)。
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