JP6802736B2 - 原子炉 - Google Patents
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Description
そのため連結管と炉心構成要素とのそれぞれの形状に制約があり、炉心構成要素の跳び上がりを抑制するための構造を設け難く、特に、既存の原子炉に炉心構成要素の跳び上がりを抑制するための構造を追加することが容易でないという問題点があった。
この構成によれば、付勢部により進退部が下方に付勢されるので、炉心構成要素が支持構造から上方に変位した際、形状変化部から進退部が確実に突出することができる。そのため炉心構成要素に上下方向の振動が負荷された際に炉心構成要素が支持構造から跳び上がることを確実に抑制し易い。
そして上記構成によれば、付勢部が収容部を炉心構成要素内に開口させた連通開口部と進退部の受圧部とを有している。そのため炉心構成要素が上方へ変位した際、進退部の受圧部に炉心構成要素内の高い圧力が作用し、進退部の下端側に支持構造上方における炉心構成要素周囲の低い圧力が作用する。よって炉心構成要素の内部と貯留部の内部との間の差圧によって進退部を下方へ付勢することができる。
これにより炉心構成要素が上方へ変位した際、進退部を確実に下方へ突出させることができ、付勢するための機械部材等を設置する必要がなくて簡素化できる。
本発明の第一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る原子炉1は、原子炉容器2と、炉心3と、支持構造4と、上部構造物5と、を備えている。
支持構造4は、水平方向に延びる支持板12と、この支持板12に上方から挿通されて支持された複数の連結管13と、を有している。連結管13は上下方向に延びる筒状をなし、水平方向に配列されている。各連結管13には、炉心構成要素14が1つずつ配置されている(図2参照)。
支持構造4は、水平方向に広がる支持板12と、支持板12によって支持される複数の連結管13と、を有している。支持板12は、軸線Ac方向(上下方向)に間隔をあけて配列された上側板部24及び下側板部25を有している(図1参照)。上側板部24と下側板部25との間の空間には冷却材Cの一部が流通する。
筒状部28は、支持構造4に挿入される部位であり、連結管13に燃料棒15が挿入されている状態において、筒状部28の内周面とエントランスノズル16の外周面との間には間隙31が形成されている。この間隙31は、軸線Ac方向から見て円環状をなすとともに、当該軸線Ac方向にわたって広がる空間であり、エントランスノズル16の流入開孔20が配置されている。
フランジ部36は挿入開孔26の開孔寸法よりも大きい。フランジ部36が上側板部24に対して上側から当接することで、当該連結管13が下方へ脱落することなく支持される。
曲面状等をなしていてもよい。
燃料棒15の内側の領域は、上下方向にわたって中空に形成されている。当該中空部は、外部から流入した冷却材Cが下方から上方に向かって流通させる冷却材流路19の一部を構成している。
燃料棒本体17は、核燃料等を内蔵することで、燃料棒15の主要部をなす部材である。燃料棒本体17は、軸線Ac方向から見て六角形の断面形状を有している。燃料棒本体17の内側の空間が冷却材流路19の一部を構成している。
収容部40は、上下方向に延びる軸線Acに沿って燃料棒15に設けられた中空部位であり、ノズル側段差部18の連結管13と対向する外表面に開口して設けられている。収容部40は単数又は複数の孔としてもよいが、本実施形態では弧状又は環状に設けた間隙により構成されている。この収容部40では水平方向の断面形状が軸線Acに沿って略一定形状に連続するのがよい。
この収容部40は下端側の下部収容部44と上端側の上部収容部45とを有する。上部収容部45は下部収容部44より太く形成され、上端には冷却材流路19に開口した連通開口部46が設けられている。
下部進退部47は収容部40の下部収容部44に応じた水平断面形状を有している。下部進退部47が下部収容部44よりも細く形成されることで、下部進退部47と下部収容部44との間に上下方向に延びる間隙からなる抵抗流路49が形成されている。
進退部41が上方に没した状態、即ち、最も上部に配置された状態で下部進退部47の上端側が上部収容部45内に配置され、下部進退部47と上部収容部45との間に貯留部50が形成される。
上部進退部48と上部収容部45との間には微小な間隙が設けられている。
減衰部43では、抵抗流路49を介して貯留部50に液体が流入又は流出する際の流動抵抗により進退部41が受ける運動エネルギーを減衰するように構成されている。また連通開口部46でも運動エネルギーが減衰されるようになっている。
従ってこの実施形態の原子炉1では、上下方向の振動による燃料棒15の跳び上がりを抑制できる構造を容易に設けることができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図7から図10を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第二実施形態の原子炉1Aでは、炉心構成要素14の構成が異なる他は、第一実施形態と同様である。
進退部41Aは、上下方向に延びる軸線Acに沿う形状を有し、収容部40Aに下方に向かって突没可能に収容されている。
地震などにより上下方向の振動が原子炉1に負荷され、図8に示すように、燃料棒15が支持構造4から上方へ変位すると、弾性部材53の付勢力により、進退部41Aがノズル側段差部18から下方へ突出する。
これに伴い、貯留部50Aの容積が増大して、例えばノズル側段差部18の周囲の空間や冷却材流路19から冷却材Cが流入する。
これにより進退部41Aが受ける運動エネルギーに対する減衰力が発生し、上方へ変位した燃料棒15が支持構造4上に変位する際の衝撃を減衰できる。その結果、地震等により上下方向の振動が負荷されても燃料棒15の跳び上がりを抑制することができる。
即ち、収容部40Aに突没可能に収容された進退部41Aが、連結管13に上方から当接することで減衰力を発生しつつ没するように構成され、支持構造4の連結管13などに燃料棒15の跳び上がりを抑制するための構造を別途設ける必要がない。そのため、連結管13の構造の自由度が確保しつつ燃料棒15が支持構造4から跳び上がることを抑制できる。
さらに弾性部材53である付勢部42Aにより、進退部41Aが下方に付勢されているので、支持構造4から上方に変位した際、ノズル側段差部18から進退部41Aを確実に突出させることができる。
次に、本発明の第三実施形態について、図11を参照して説明する。なお、上記第二実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第三実施形態の原子炉1Bでは、連結管13の上端面の構成が異なる他は、第二実施形態と同様である。
図11に示すように、第三実施形態の原子炉1Bでは、連結管13の連結管側段差部30に上方に突出した球面座54(突出部)が設けられている。
球面座54は軸線Acを中心とした環状に設けてられており、ノズル側段差部18における収容部40A及び進退部41Aとは異なる位置に対向して配置されている。
さらに本実施形態では、炉心構成要素14が支持構造4に着座した状態において、球面座54がノズル側段差部18に当接することで、燃料棒15と連結管13との上下方向の位置を規制することができる。
また炉心構成要素14が支持構造4に着座した状態において、例えば弾性部材53を過剰に圧縮するようなことを防止でき、進退部41Aへの支持構造4からの荷重が直接作用することも回避できる。
ここで球面座54は連結管13側に設けられる場合に限定されず、ノズル側段差部18側に設けられていてもよい。即ち、球面座54は炉心構成要素14に収容部40とは異なる位置で連結管13(連結管側段差部30)に対向して、連結管13に上方から当接可能に設けられていてもよい。この場合であっても支持構造4の着座状態が不安定となることを回避でき、弾性部材53を過剰に圧縮するようなことを防止できる。
次に、本発明の第四実施形態について、図12を参照して説明する。なお、上記第二実施形態及び第三実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第四実施形態の原子炉1Cでは、進退部41の構成が異なる他は、第二実施形態と同様である。
図12に示すように、第四実施形態の原子炉1Cでは、進退部41Cの上端面から下方に凹むことで弾性部材53を収容する凹形状の格納部55を設けている。これにより進退部41Cの上端面には、径方向外側及び内側の端部の位置で上方に突出するように突出縁部56が設けられている。軸線Acに沿う断面を見た時に、径方向外側及び内側の各々の突出縁部56は、上方に向かって徐々に肉厚が薄くなっていく。即ち格納部55は軸線Acに沿う断面を見た時に、上方に向かって径方向の寸法が徐々に大きくなる断面台形状をなしている。ただし格納部55はこのような形状に限定されず、単に弾性部材53を収容可能な形状をなしていればよい。
特に本実施形態では、進退部41Cの上端面に格納部55が設けられているので、炉心構成要素14が支持構造4に着座した状態において、突出縁部56の上端が有底形状の収容部40Aの上端部に当接することで、弾性部材53である付勢部42Aを格納部55内に収容できる。
そのため炉心構成要素が支持構造に着座した状態において、弾性部材53を過剰に圧縮するようなことを防止できる。
例えば各実施形態では、収容部40と進退部41(41A、41C)との間の間隙に付勢部42(42A)や減衰部43(43A)を設けた例について説明したが、特に限定されるものではなく、収容部40内に収容された進退部41に付勢力や減衰力を与えるように構成することも可能である。
2…原子炉容器
3…炉心
4…支持構造
5…上部構造物
6…原子炉容器本体
7…遮蔽プラグ
8…冷却材入口配管
9…冷却材出口配管
10…隔壁
11…開孔部
12…支持板
13…連結管
14…炉心構成要素
15…燃料棒
16…エントランスノズル
17…燃料棒本体
18…ノズル側段差部
19…冷却材流路
20…流入開孔
21…封止部材
23…外表面
24…上側板部
25…下側板部
26…挿入開孔
28…筒状部
30…連結管側段差部
31…間隙
32…開孔
36…フランジ部
37…段差部本体
38…対向面
40、40A…収容部
41、41A、41C…進退部
42、42A…付勢部
43、43A…減衰部
44…下部収容部
45…上部収容部
46…連通開口部
47…下部進退部
48…上部進退部
49、49A…抵抗流路
50、50A…貯留部
51…球面座
52…受圧部
53…弾性部材
54…球面座
55…格納部
56…突出縁部
Ac…軸線
C…冷却材
Claims (6)
- 内部が液体で満たされる原子炉容器と、
該原子炉容器内に設けられ、上下方向に延びる筒状をなすとともに水平方向に複数配列された連結管、及び、該連結管を支持して水平方向に延びる支持板を有する支持構造と、
前記連結管に挿入される小径部、該小径部よりも上方に位置する大径部、及び、前記小径部と前記大径部との間に位置して前記連結管に上方から当接して支持される形状変化部を有する炉心構成要素と、
を備え、
前記炉心構成要素は、前記形状変化部に設けられて前記連結管と対向して開口した収容部と、前記収容部に下方に向かって突没可能に収容され、前記連結管に上方から当接することで減衰力を発生しつつ没する進退部と、を備える原子炉。 - 前記炉心構成要素では、前記進退部の進退により容積が増減する貯留部と、前記貯留部に前記液体を流入及び流出させる抵抗流路と、を有する減衰部を前記収容部に設けた請求項1に記載の原子炉。
- 前記炉心構成要素は、前記進退部を下方へ付勢する付勢部を備え、
前記炉心構成要素は、内部が前記液体で満たされた筒状をなし、
前記付勢部は、前記収容部を前記炉心構成要素内に開口させた連通開口部と、前記進退部に設けられて前記連通開口部を介して前記炉心構成要素内の圧力で下方に加圧される受圧部と、を有する請求項2に記載の原子炉。 - 前記炉心構成要素は、前記進退部を下方へ付勢する付勢部を備え、
前記収容部は、下向きに開口した有底形状をなし、
前記収容部の底部と前記進退部との間に前記貯留部が設けられ、
前記収容部の内周側面と前記進退部の外周側面との間の前記抵抗流路が設けられ、
前記付勢部は、前記収容部内に配置された弾性部材である請求項2に記載の原子炉。 - 前記連結管には、前記収容部とは異なる位置で前記炉心構成要素に対向して下方から当接可能な突出部が設けられている請求項4に記載の原子炉。
- 前記進退部の上端面には、前記弾性部材を収容可能な凹形状の格納部が設けられている請求項4又は5に記載の原子炉。
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