JP6801994B2 - 巻重結束体の保管装置 - Google Patents
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Description
これに対し、樹脂のみの帯状部材からなる巻重結束体の場合、ドラムレスで長期間、縦置き保管すると、自重によって扁平化変形を来す。すなわち、横方向の径が長くなり、上下方向の径が短くなる。このため、施工リールへのセット及び施工リールの回転操作が容易でない。例えば、施工リールの一対の円形フレームどうし間に架け渡すテンションバーの位置を巻重結束体の外周面の位置に応じて調節すると、時間がかかる。テンションバーの位置を一律に巻重結束体の長径に合わせると、短径側における巻重結束体とテンションバーとの間に隙間ができ、結束手段を外した時や施工リールを回した時に巻重結束体が暴れるおそれがある。施工リールを巻重結束体の変形に合わせた楕円形にすると、施工リールの回転が不安定である。
本発明は、かかる事情に鑑み、スチール等の補強部材の無い帯状部材からなる巻重結束体であっても、ドラムレスで長期間、縦置き保管したときの扁平化変形を防止することを目的とする。
前記巻重結束体を、その軸線と直交する断面が起立されるように縦置き支持する縦置き支持手段と、
前記巻重結束体に対して前記軸線と直交する横方向に縮径させ、又は上下方向に拡径させる保形力を付与する保形力付与手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明方法は、帯状部材を巻き重ねてなる巻重体の軸線まわりの周方向の複数箇所を結束手段によって結束することによって巻重結束体を形成し、
前記軸線と直交する断面が起立されるように、縦置き支持手段によって前記巻重結束体を縦置き支持し、
保形力付与手段によって、前記巻重結束体に対して前記軸線と直交する横方向に縮径させ、又は上下方向に拡径させる保形力を付与することを特徴とする。
前記保形力付与手段として保形用締付ベルトを、前記巻重結束体を水平まわりに囲むように環状に掛け回して締め付けることが好ましい。
保形用締付ベルトの締め付けによって、巻重結束体に対して横方向に縮径させる保形力を付与することができる。これによって、巻重結束体の自重による変形を確実に防止することができる。なお「水平まわりに囲む」とは、保形用締め付けベルトが巻重結束体に対して横方向に縮径させる保形力を付与し得るように巻重結束体を囲んでいることを言い、保形用締め付けベルトが水平に対して多少傾いた状態をも含む。
これによって、帯状部材が留め具との接触によって損傷するのを防止できる。
これによって、保形用締付ベルトと巻重結束体との間に結束緩衝材を介在させることができ、巻重結束体の帯状部材が保形用締付ベルトと直接接触して損傷するのを防止できる。
<第1実施形態>
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1及び図2に示すように、巻重結束体保管構造1は、巻重結束体9と、該巻重結束体9のための保管装置2を備えている。巻重結束体9は、巻重体90Xと、結束手段10を含む。巻重体90Xは、帯状部材90を環状に巻き重ねたものである。帯状部材90は、塩ビ(PVC)等の樹脂にて構成され、帯状に長く延びている。帯状部材90には、鋼板などの補強部材が設けられていない。このため、補強部材付きのものと比べて、巻重体90Xの保形性が低い。図3(c)に示すように、帯状部材90は、例えば老朽化した下水道管、農業用水管等の既設管6の更生に用いられる。
製造ラインからの帯状部材90を製造ドラム(図示省略)に巻き付けることで巻重体90Xを形成する。この巻重体90Xを結束手段10によって結束し、巻重結束体9を形成する。その後、製造ドラムを分解して撤去する。これによって、巻重結束体9をドラムレス状態とする。このドラムレス巻重結束体9をパレット21上に縦置きし、かつ固定用ベルト22でパレット21に縛り付けて固定する。これによって、ドラムレス巻重結束体9を縦置きに支持した状態で保管できる。保管用ドラムが不要であるため、保管用ドラムの保管スペースが不要である。更には、保管用ドラムのための資材やコストを省略できる。
固定用ベルト22と巻重体90Xとの間に底部結束緩衝材12Bが介在されることによって、巻重体90Xの帯状部材90が、固定用ベルト22との直接接触で損傷するのを防止できる。
一方、縦置き状態のドラムレス巻重結束体9は、自重によって扁平化しようとする。つまり、左右方向wに伸び、上下方向vに縮むことで楕円状になろうとする(図3(b)の二点鎖線参照)。
保形用締付ベルト30の締め付けによって、巻重結束体9を左右方向wに縮径させる向きの力(保形力)が付与される。この保形力によって巻重結束体9の自重による扁平化応力に抗することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
ベルト本体31と巻重体90Xとの間には結束緩衝材12Cが介在されているから、帯状部材90がベルト本体31との接触によって損傷するのを防止できる。留め具32は中空部9cに面しているから、帯状部材90が金属製の留め具32との接触によって損傷するのを防止できる。
保形用締付ベルト30として市販のラッシングベルトを用いることができ、特別な治具を用意する必要が無く、コストを削減できる。
図3(a)に示すように、巻重結束体9をパレット21に載せたままの状態で、老朽化した下水道管等の既設管6(同図(c))の更生施工現場へ搬送する。保形用締付ベルト30は、搬送前に解いてもよく、搬送後に解いてもよい。施工現場には施工リール40を用意しておく。図4に示すように、施工リール40は、一対の円形フレーム41と、複数のテンションバー43と、回転支持台45を含む。テンションバー43は、一対の円形フレーム41どうし間に架け渡され、かつ円形フレーム41の周方向に互いに等間隔置きに配置されている。
繰り出した帯状部材90をマンホール5から既設管6へ導入する。そして、製管機8によって既設管6の内周面に帯状部材90を螺旋状にライニングする。これによって、更生管7(螺旋管)が構築される。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る巻重結束体保管構造1Bを示したものである。
巻重結束体保管構造1Bには、保形力付与手段として一対の突っ張り棒3Bが設けられている。これら突っ張り棒3Bが、X字状にクロスされて中空部9c内に配置されている。各突っ張り棒3Bの両端部は、巻重結束体9の内周面に押し当てられている。この押し当て力は、巻重結束体9を上下方向vへ拡径させる向きの分力(保形力)を含む。この保形力によって、巻重結束体9の自重による扁平化応力に抗することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
図6は、本発明の第3実施形態に係る巻重結束体保管構造1Cを示したものである。
巻重結束体保管構造1Cにおいては、保形力付与手段として一本の突っ張り棒3Cが設けられている。突っ張り棒3Cは、真っ直ぐ上下に向けられて中空部9c内に配置されている。突っ張り棒3Cの両端部が、巻重結束体9の内周面の上下部分に押し当てられている。この押し当て力(保形力)は、巻重結束体9を上下方向vへ拡径させるように作用する。これによって、巻重結束体9の自重による扁平化応力に抗することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
図7は、本発明の第4実施形態に係る巻重結束体保管構造1Dを示したものである。
巻重結束体保管構造1Dにおいては、保形力付与手段としてチェーンブロック50が設けられている。チェーンブロック50のチェーン53の両端部が、巻重結束体9の左右方向wの両側の結束バンド11に係止されている。詳細な図示は省略するが、チェーンブロック50のチェーンブロック本体51には、ねじりバネ等の付勢手段が設けられている。付勢手段によって、チェーン53がチェーンブロック本体51へ向かって引き寄せられるように付勢されている。この引き寄せ力(保形力)は、巻重結束体9を左右方向wへ縮径させるように作用する。これによって、巻重結束体9の自重による扁平化応力に抗することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
図8は、本発明の第5実施形態に係る巻重結束体保管構造1Eを示したものである。
巻重結束体保管構造1Eにおいては、保形力付与手段として緩衝体3Eが設けられている。緩衝体3Eは、樹脂にて構成されていてもよく、圧縮エアが充填されていてもよい。緩衝体3Eが、中空部9c内に収容されている。緩衝体3Eの外周部が巻重結束体9の内周面に押し当てられている。特に、巻重結束体9が自重で上下方向vに縮もうとすることで、緩衝体3Eの上下両側部が巻重結束体9の内周面の上下部分に強く押し当てられている。この押し当て力(保形力)によって、巻重結束体9の自重による扁平化応力に抗することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
図9は、本発明の第6実施形態に係る巻重結束体保管構造1Fを示したものである。
巻重結束体保管構造1Fにおいては、一対の輪止め部材23Fが保形力付与手段を兼ねている。輪止め部材23Fは、巻重結束体保管構造1Fの輪止め部材23(図1)よりも斜面部23aの傾斜が急になっている。斜面部23aの傾斜角は、パレット21の上面に対して例えば45°以上である。斜面部23aは、巻重結束体9の外周面の下半部における比較的上側の箇所に接している。このため、巻重結束体9が自重で左右方向wに広がろうとするのを、一対の輪止め部材23Fによって阻止することができる。したがって、補強部材の無い帯状部材90からなる巻重結束体9をドラムレスで長期間、縦置き保管しても扁平化変形を防止でき、元の円形状態を略保持できる。
例えば、複数の実施形態の保形力付与手段を併用してもよい。例えば、巻重結束体9を保形用締付ベルト30(図1)で締め付け、かつ巻重結束体9の中空部9cには突っ張り棒3B又は3C(図5、図6)を設けてもよい。
本発明の帯状部材は、スチール等の補強部材が無いものに限られず、補強部材付きであってもよい。
本発明の帯状部材は、巻き重ねられ、かつ結束されて保持される帯状のものであればよく、既設管の更生用に限られない。
v 上下方向
w 左右方向(軸線と直交する横方向)
1,1B〜1F 巻重結束体保管構造
2 巻重結束体保管装置
3B 突っ張り棒(保形力付与手段)
3C 突っ張り棒(保形力付与手段)
3E 緩衝体(保形力付与手段)
9 巻重結束体
90 帯状部材
90X 巻重体
10 結束手段
12C 横方向の両側部の結束緩衝材
20 縦置き支持手段
23F 輪止め部材(保形力付与手段)
30 保形用締付ベルト(保形力付与手段)
31 ベルト本体
32 バックル(留め具)
50 チェーンブロック(保形力付与手段)
Claims (3)
- 帯状部材を巻き重ねて結束した巻重結束体のための保管装置であって、
前記巻重結束体を、その軸線と直交する断面が起立されるように縦置き支持する縦置き支持手段と、
前記巻重結束体に対して前記軸線と直交する横方向に縮径させ、又は上下方向に拡径させる保形力を付与する保形力付与手段と、
を備え、前記保形力付与手段が、前記巻重結束体の中空部内に配置された突っ張り棒を含み、前記突っ張り棒の両端部が前記巻重結束体の内周面に押し当てられていることを特徴とする巻重結束体保管装置。 - 帯状部材を巻き重ねて結束した巻重結束体のための保管装置であって、
前記巻重結束体を、その軸線と直交する断面が起立されるように縦置き支持する縦置き支持手段と、
前記巻重結束体に対して前記軸線と直交する横方向に縮径させ、又は上下方向に拡径させる保形力を付与する保形力付与手段と、
を備え、前記保形力付与手段が、前記巻重結束体の中空部内に収容された緩衝体を含み、前記緩衝体の上下両側部が、前記巻重結束体の内周面の上下部分に押し当てられていることを特徴とする巻重結束体保管装置。 - 前記巻重結束体の前記横方向の両側部には結束緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻重結束体保管装置。
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