JP6801255B2 - ハブユニットの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ハブユニットの製造方法に関する。
車両用の軸受装置であるハブユニットは、内軸と、外輪と、複数の転動体とを備える。内軸の端部には内輪が固定される。内軸及び内輪は、外周に軌道面を有する。外輪は、内軸及び内輪の軌道面に対応する軌道面を内周に有する。複数の転動体は、内軸と外輪との間に形成された軸受空間において、軌道面上に配置される。
ハブユニットには、等速ジョイントが取り付けられる。等速ジョイントの軸部は、内軸の中心孔に挿入される。等速ジョイントの軸部は、通常、スプライン又はセレーション(以下、スプラインと総称する)方式で内軸と結合される。このため、内軸の内周面には、等速ジョイントの軸部を固定するための切削加工を施す必要がある。内軸の内周面に対する切削加工は、各構成部材の組立前、あるいは組立後に行われる。
一般に、各構成部材を組み立てる前の切削加工は、切削油を使用した湿式で行われる。このため、ブローチ等の切削工具の摩耗は抑制される。しかしながら、切削加工後に内軸を内輪に圧入したり、あるいは内軸の端部をかしめて内輪を内軸に固定したりすることにより、スプライン径が収縮するおそれがある。このため、高いスプライン精度を確保することは難しい。
高いスプラインの精度が求められるハブユニットの場合、スプライン径の収縮を防止するため、組立後に切削加工を行うことが好ましい。この場合、軸受空間内に切削油が浸入したり、ハブユニットの表面に切削油が付着したりしないように、切削油を使用しない乾式で切削加工が行われる。
特許文献1には、組立前に切削加工を行うものであるが、スプライン精度を向上させるための技術が提案されている。特許文献1では、ハブ輪(内軸)を内輪に圧入したときの影響を考慮した上で、圧入前に内軸に対して切削加工を行う。具体的には、内軸においてスプラインを形成する範囲のうち、圧入の影響を受ける範囲を冷却するとともにその他の範囲を加熱して切削加工を行う。これにより、切削加工後に内軸が常温に戻ったとき、圧入の影響を受ける範囲がその他の範囲に比べて拡径する。この拡径量は、その後の組立工程で内軸を内輪に圧入したときに生じる縮径によって相殺される。よって、所望の形状及び寸法のスプラインを得ることができる。
特開2012−35798号公報
特許文献1では、切削加工の間、スプラインの形成範囲のうち圧入の影響を受けない範囲を加熱するために、高周波誘導加熱装置を使用する必要がある。当該装置への影響を考慮すると、切削加工において切削油を使用することは難しい。切削油を使用しないで切削加工を行う場合、切削工具が激しく摩耗する。よって、切削工具の寿命が短くなり、切削工具を頻繁に交換する必要がある。切削工具に特殊なコーティングを施して摩耗を低減することも可能であるが、そうすると切削工具が高価になる。切削工具の交換回数が多い場合、又は高価な切削工具を使用した場合、ハブユニットの製造コストが増大する。
本開示は、高いスプライン精度を確保しつつ、製造コストを低減することができるハブユニットの製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係るハブユニットの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、ハブユニット中間体を組み立てる。ハブユニット中間体は、内軸と、外輪と、複数の転動体とを含む。内軸は、軸方向に延びる中心孔を有する。内軸には、内輪が固定される。外輪には、内軸が挿入される。複数の転動体は、軸受空間に配置される。軸受空間は、内軸と外輪との間に形成される。第1マスキング器具は、貫通孔を有する。工程b)では、第1マスキング器具を、貫通孔が軸方向に延びるようにハブユニット中間体上に載置し、軸受空間を第1マスキング器具で覆う。工程c)では、貫通孔に切削油を供給しながら、貫通孔を介して切削工具を中心孔に挿入して内軸の内周面にスプライン穴を形成する。
本開示に係るハブユニットの製造方法によれば、高いスプライン精度を確保しつつ、製造コストを低減することができる。
図1は、各実施形態に係る製造方法によって製造されるハブユニットの概略構成を示す縦断面図である。 図2は、図1に示すハブユニットの、第1実施形態に係る製造方法における一工程を説明するための図である。 図3は、第1実施形態に係る製造方法における別の工程を説明するための図である。 図4は、第1実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図5は、第1実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図6は、図1に示すハブユニットの、第2実施形態に係る製造方法における一工程を説明するための図である。 図7は、第2実施形態に係る製造方法における別の工程を説明するための図である。 図8は、第2実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図9は、第2実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図10は、第2実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図11は、第2実施形態に係る製造方法におけるさらに別の工程を説明するための図である。 図12は、第2実施形態に係る製造方法において、各工程の実施位置を説明するための図である。
実施形態に係るハブユニットの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、ハブユニット中間体を組み立てる。ハブユニット中間体は、内軸と、外輪と、複数の転動体とを含む。内軸は、軸方向に延びる中心孔を有する。内軸には、内輪が固定される。外輪には、内軸が挿入される。複数の転動体は、軸受空間に配置される。軸受空間は、内軸と外輪との間に形成される。第1マスキング器具は、貫通孔を有する。工程b)では、第1マスキング器具を、貫通孔が軸方向に延びるようにハブユニット中間体上に載置し、軸受空間を第1マスキング器具で覆う。工程c)では、貫通孔に切削油を供給しながら、貫通孔を介して切削工具を中心孔に挿入して内軸の内周面にスプライン穴を形成する(第1の構成)。
第1の構成によれば、各構成部材を組み立ててなるハブユニット中間体に対し、切削加工を施している。すなわち、例えば、内輪に対する内軸の圧入や、内軸のかしめ加工等といった内軸の内径を変化させ得る工程は、スプライン穴を形成する工程よりも前に終了している。このため、スプライン穴が形成された後で内軸の内径が変化するのを防止することができ、高いスプライン精度を確保することができる。
第1の構成によれば、スプライン穴を形成する間、ハブユニット中間体の軸受空間が第1マスキング器具で覆われるため、切削油の軸受空間への浸入が防止される。よって、各構成部材の組立後に切削加工を実施するにもかかわらず、切削油を使用することができる。これにより、切削工具の摩耗を小さくすることができる。その結果、切削工具の寿命が向上し、ハブユニットの製造コストを低減することができる。
上記第1マスキング器具は、さらに、排出路を有していてもよい。排出路は、貫通孔と交差する方向に延びる。排水路は、一端部が貫通孔に接続される。排水路は、他端部が第1マスキング器具の外周面に開口する(第2の構成)。
第2の構成によれば、第1マスキング器具の貫通孔内に切削油が貯留されたとき、貫通孔に接続された排出路に余分な切削油が流れ、第1マスキング器具の外部に自然に排出される。このため、切削加工中において、特に切削油の流量管理をしなくても、貫通孔から切削油が溢れるのを防止することができる。
上記貫通孔において、ハブユニット中間体側に配置される一端部の開口面積は、他端部の開口面積よりも小さくてもよい(第3の構成)。
第3の構成によれば、第1マスキング器具の貫通孔は、ハブユニット中間体と反対側、つまり切削油を受け入れる側において、大きな開口面積を有する。このため、切削油が貫通孔内に導入されやすい。一方、ハブユニット中間体側では、貫通孔の開口面積を小さくしているため、第1マスキング器具がハブユニット中間体を覆う面積の減少を抑制することができる。よって、貫通孔に対してより確実に切削油を供給しつつ、軸受空間を保護することができる。
上記製造方法は、さらに、工程d)を備えていてもよい。工程d)では、スプライン穴が形成されたハブユニット中間体に第1マスキング器具を載置したまま、貫通孔に対して送風する(第4の構成)。
第4の構成によれば、切削加工後に送風を行うことにより、第1マスキング器具の貫通孔から切削油を除去することができる。このため、ハブユニット中間体に対して第1マスキング器具を着脱する際、第1マスキング器具から切削油が滴下するのを抑制することができる。よって、切削油がハブユニット中間体の軸受空間に浸入するのをより確実に防止することができる。また、切削油によってハブユニットの製造設備が汚染されるのを防止することもできる。
上記工程b)は、工程b−1)と、工程b−2)とを含んでいてもよい。工程b−1)では、ハブユニット中間体上に第2マスキング器具を載置し、軸受空間を第2マスキング器具で覆う。工程b−2)では、第2マスキング器具が載置されたハブユニット中間体上に第1マスキング器具を載置し、第2マスキング器具を介して、軸受空間を第1マスキング器具で覆う。第2マスキング器具は、拡径部を有する。拡径部は、ハブユニット中間体の周囲に配置される。拡径部は、軸方向において第1マスキング器具側に配置される一端部から他端部に向かうにつれて外径が大きくなる(第5の構成)。
第5の構成によれば、切削加工に際し、軸受空間が第1及び第2マスキング器具によって二重に覆われる。このため、軸受空間への切削油の浸入をより確実に防止することができる。
第5の構成によれば、仮に第1マスキング器具とハブユニット中間体との間から切削油が漏出したとしても、この切削油は、第2マスキング器具の拡径部を伝い、ハブユニット中間体の径方向外側に流れ落ちる。このため、切削油の軸受空間への浸入をより確実に防止することができる。
上記工程b−1)は、第1実施位置で実施され、上記工程c)は、第2マスキング器具が載置されたハブユニット中間体を第1実施位置から第2実施位置に移動させた後、第2実施位置で実施されてもよい(第6の構成)。
第6の構成によれば、第2マスキング器具の装着を実施する第1実施位置と、切削加工を実施する第2実施位置とが異なる。このため、複数のハブユニットを連続して製造する場合に、サイクルタイムを短縮することができる。すなわち、第2実施位置において一のハブユニット中間体に切削加工を施す間、第1実施位置において、次に切削加工されるハブユニット中間体に第2マスキング器具を装着することができる。このように複数の工程を並行して実施することにより、各工程における待機時間を短くすることができ、ハブユニットを効率よく製造することができる。
第6の構成によれば、ハブユニット中間体は、第2マスキング器具によって軸受空間が覆われた状態で、切削加工の実施位置である第2実施位置まで移動する。このため、ハブユニット中間体の移動中に供給管等から切削油が滴下したとしても、軸受空間内に切削油が浸入するのを防止することができる。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。
<第1実施形態>
[ハブユニットの構成]
図1は、第1実施形態に係る製造方法、及び後述する第2実施形態に係る製造方法によって製造されるハブユニット10の縦断面図である。縦断面とは、直線Xを通る平面で切断したときの面をいう。横断面は、直線Xに直交する平面で切断したときの面である。直線Xが延びる方向は、ハブユニット10の軸方向である。以下、ハブユニット10の軸方向において、車両に取り付けたときに車体に近い方をインナ側、車体から遠い方をアウタ側と称する。
ハブユニット10は、内軸11と、内輪12と、外輪13と、複数の転動体141,142と、密封装置15,16とを備える。
内軸11は、中心孔111を有する。中心孔111は、小径部111aと、大径部111bとを有する。大径部111bは、中心孔111のアウタ側の端部を構成し、小径部111aの径よりも大きい径を有する。小径部111aと大径部111bとの径の差により、内軸11の内周面にはショルダ面111cが形成されている。
中心孔111には、図示しない等速ジョイントの軸部が挿入される。等速ジョイントの軸部は、内軸11とスプラインで結合される。このため、内軸11の内周面には、スプライン穴が形成される。より詳細には、スプライン穴は、内軸11の内周面のうち、小径部111aを画定する部分に設けられる。
本実施形態において、スプラインとは、歯と溝との嵌まり合いによって結合される方式を広く意味し、セレーションも含む概念である。スプライン穴とは、内軸11の内周面において軸方向に延びる溝であり、その形状は特に限定されるものではない。
内軸11は、本体部112と、フランジ部113とを備えている。本体部112は、直線Xを軸心とする概略円筒状をなす。本体部112には、上述の中心孔111が形成されている。中心孔111は、本体部112を軸方向に貫通する。本体部112の外周面には、軌道面114aが設けられている。軌道面114aは、直線Xを軸心とする環状面である。
フランジ部113は、本体部112の外周面から径方向外側に突出する。フランジ部113は、直線Xを軸心とする概略環状をなす。フランジ部113には、図示しないディスクホイールやブレーキディスク等が取り付けられる。
内輪12は、直線Xを軸心とする筒状をなす。内輪12の外周面には、軌道面121bが設けられている。軌道面121bは、直線Xを軸心とする環状面である。
内輪12は、内軸11に固定されている。内輪12は、内軸11のインナ側の端部において、本体部112の外周面に装着されている。本体部112のインナ側の端部は、径方向外側にかしめられ、内輪12のインナ側の端面に接触している。すなわち、本実施形態では、内輪12は、内軸11にかしめ固定されている。ただし、内輪12に対して内軸11を圧入することにより、内輪12が内軸11に固定されていてもよい。
外輪13には、内軸11が挿入されている。外輪13は、本体部131と、フランジ部132とを備えている。
本体部131は、直線Xを軸心とする概略円筒状をなす。本体部131は、内軸11の本体部112の外側において、本体部112と同軸に配置される。本体部131の内周面には、軌道面133a,133bが設けられている。軌道面133a,133bは、直線Xを軸心とする環状面である。軌道面133aは、軌道面133bよりもアウタ側に配置されている。軌道面133aは、内軸11の軌道面114aと対向する。軌道面133bは、内輪12の軌道面121bと対向する。
フランジ部132は、本体部131の外周面から径方向外側に突出する。フランジ部132は、直線Xを軸心とする概略環状をなす。フランジ部132には、図示しない車両の懸架装置が取り付けられる。
複数の転動体141,142は、内軸11及び内輪12と外輪13との間に配置される。内輪12が固定された状態の内軸11と外輪13との間には、軸受空間Sが形成される。転動体141,142は、軸受空間Sに配置されている。転動体141は、内軸11の軌道面114a及び外輪13の軌道面133aに接触して配置される。転動体142は、内輪12の軌道面121b及び外輪13の軌道面133bに接触して配置される。
密封装置15,16は、軸受空間Sを密封する。密封装置15,16は、直線Xを軸心とする概略環状をなす。密封装置15は、軸受空間Sのアウタ側の端部を封鎖する。密封装置16は、軸受空間Sのインナ側の端部を封鎖する。
[ハブユニットの製造方法]
上述のように構成されたハブユニット10の製造方法について、図2〜図5を参照しつつ説明する。ハブユニット10の製造方法は、組立工程と、マスキング工程と、スプライン穴形成工程とを備える。
(組立工程)
図2は、ハブユニット中間体10aを組み立てる工程を例示する図である。本実施形態において、ハブユニット中間体10aとは、スプライン穴が形成される前のハブユニット10をいう。
図2に示すように、ハブユニット中間体10aは、内軸11、内輪12、外輪13、転動体141,142、及び密封装置15,16を組み立てることによって作製される。内軸11、内輪12、外輪13、転動体141,142、及び密封装置15,16は、一般に行われている方法で組み立てることができる。
組立工程では、内軸11を内輪12に挿入し、内軸11のインナ側の端部を径方向外側にかしめることで、内輪12を内軸11に固定する。内軸11を内輪12に圧入する場合、内軸11に対するかしめ加工を行わなくてもよい。内輪12が固定された内軸11は、外輪13に挿入される。軸受空間Sは、転動体141,142を収容し、密封装置15,16によって密封される。
組み立てられたハブユニット中間体10aは、支持台30上に載置される。本実施形態において、ハブユニット中間体10aは、アウタ側の端部を支持台30側、インナ側の端部を支持台30の反対側に向けて、支持台30上に載置される。ただし、ハブユニット中間体10aのインナ側の端部を支持台30側にして、ハブユニット中間体10aを支持台30上に載置してもよい。
(マスキング工程)
図3は、第1マスキング器具20によってハブユニット中間体10aを覆う工程を例示する図である。
図3に示すように、ハブユニット中間体10aは、支持台30によって支持される。ハブユニット中間体10aの中心孔111には、支持台30の突出部31が挿入される。突出部31は、ハブユニット中間体10aのショルダ面111cと面接触する。支持台30は、後述する切削油を排出するための排出孔32を有する。排出孔32は、支持台30上にハブユニット10aが載置された状態で、中心孔111の小径部111aと連通する。
第1マスキング器具20は、ハブユニット中間体10aを切削油から保護するために使用される。第1マスキング器具20は、支持台30によって支持されたハブユニット中間体10a上に載置される。第1マスキング器具20は、ハブユニット中間体10aのインナ側の端部上に配置される。第1マスキング器具20は、ハブユニット中間体10aのうち、少なくとも軸受空間Sを覆う。
ここで、第1マスキング器具20の構成について説明する。以下、説明の便宜上、第1マスキング器具20において、ハブユニット中間体10aに対向する側を下、その反対側を上と称することがある。第1マスキング器具20の上下方向は、ハブユニット中間体10aの軸方向と一致する。
第1マスキング器具20の下面は、凹部21を有する。凹部21内には、ハブユニット中間体10aのインナ側の端部が配置される。第1マスキング器具20の下面のうち、凹部21の外側の部分には、外輪13のフランジ部132が対向する。
内軸11のかしめ部分は、凹部21内において第1マスキング器具20に接触する。内軸11がかしめ加工されていない場合、凹部21内において、内輪12が第1マスキング器具20に接触してもよい。第1マスキング器具20の下面のうち、凹部21内でハブユニット中間体10aに接触する部分には、Oリング等の環状ガスケット22が設けられる。環状ガスケット22は、第1マスキング器具20の下面とハブユニット中間体10aとの間から切削油が漏れるのを防止する。
第1マスキング器具20は、貫通孔23と、排出路24とを有する。第1マスキング器具20がハブユニット中間体10a上に載置されたとき、貫通孔23は、ハブユニット中間体10aの軸方向に延びる。すなわち、貫通孔23は、第1マスキング器具20を上下方向に貫通する。
貫通孔23の下端部は、第1マスキング器具20の下面において凹部21内に開口する。貫通孔23において、下端部の開口面積は、上端部の開口面積よりも小さい。例えば、貫通孔23は、ハブユニット中間体10a側に向かって縮径するテーパ形状である。この場合、貫通孔23の横断面形状は円形となるが、特にこれに限定されるものではない。
第1マスキング器具20は、軸受空間Sへの切削油の浸入を防止する必要がある。このため、第1マスキング器具20が載置されたハブユニット中間体10aを上方から見たとき、少なくとも、密封装置16の全部が第1マスキング器具20によって覆われる。貫通孔23の横断面形状が円形であれば、貫通孔23の下端部の径D23は、密封装置16の内径D16よりも小さくなる。第1マスキング器具20の横断面形状が円形の場合、第1マスキング器具20の外径は、密封装置16の外径よりも大きい。
第1マスキング器具20は、ハブユニット中間体10aに対する切削油の付着も防止できることが好ましい。このため、第1マスキング器具20が載置されたハブユニット中間体10aを上方から見たとき、密封装置16だけでなく、密封装置16よりも径方向外側の部分が全てマスキング部材20によって覆われていることが好ましい。例えば、第1マスキング器具20の横断面形状が円形の場合、第1マスキング器具20の外径をハブユニット中間体10aの最大外径よりも大きくすることができる。
排出路24は、一端部が貫通孔23に接続され、他端部が第1マスキング器具20の外周面に開口している。排出路24は、貫通孔23と交差する方向に延びる。本実施形態において、排出路24は、貫通孔23と実質的に直交する。第1マスキング器具20がハブユニット中間体10a上に載置された状態では、排出路24は概ね水平方向に延びている。
排出路24は、貫通孔23の上端部に接続されている。排出路24は、第1マスキング器具20の上面に形成された溝状の経路である。すなわち、排出路24は、排出路24が延びる方向に垂直な断面で見て、概略U字状をなす。ただし、排出路24の位置及び形状は、特に限定されるものではない。
(スプライン穴形成工程)
図4及び図5は、ハブユニット中間体10aに切削加工を施し、内軸11の内周面にスプライン穴を形成する工程を例示する図である。
図4に示すように、切削加工に際し、複数の供給管40から第1マスキング器具20の貫通孔23に向かって、切削油Yを供給する。また、ブローチなどの切削工具50を第1マスキング器具20の貫通孔23に挿入し、下方に移動させる。切削工具50の最大外径は、貫通孔23の下端部の径D23(図3)よりも小さい。切削工具50は、内軸11の中心孔111を通過し、内軸11の内周面にスプライン穴を形成する。
切削加工の間、マスキング部材20の貫通孔23内に切削油Yが徐々に溜まり、貫通孔23内の切削油Yの液面が上昇する。貫通孔23内の切削油Yは、排出路24まで達したときに排出路24を水平方向に流れ、マスキング部材20の外部に排出される。排出された切削油Yは、図示しない切削油タンクに回収され、再び切削加工に利用される。
排出路24は、貫通孔23の上端から切削油Yを溢れさせることなく排出するのに十分な大きさを有する。例えば、排出路24の断面積は、複数の供給管40の断面積の合計よりも大きい。
切削工具50が中心孔111の小径部111aを完全に通過したとき、内軸11の内周面へのスプライン穴の形成が完了する。切削工具50が中心孔111を通過し、支持台30の排出孔32の下方に抜けると、図5に示すように、第1マスキング器具20の貫通孔23に貯留されていた切削油Yが中心孔111側に流れる。切削油Yは、内軸11の中心孔111及び支持台30の排出孔32を通り、支持台30の下方に排出される。
切削油Yが全て排出された後、スプライン穴が形成されたハブユニット中間体10aから第1マスキング器具20を取り外し、当該ハブユニット中間体10aを支持台30から取り外す。これにより、図1に示すハブユニット10が完成する。
[効果]
本実施形態によれば、内軸11のかしめ加工、及び/又は内輪12に対する内軸11の圧入を含む組立工程の後で、切削加工を実施し、内軸11の内周面にスプライン穴を形成する。このため、かしめ加工や圧入等に起因するスプライン径の変化が生じることがない。よって、高いスプライン精度を確保することができる。
本実施形態によれば、切削加工中、少なくともハブユニット中間体10aの軸受空間Sが第1マスキング器具20によって覆われる。このため、切削加工において、軸受空間Sに切削油を浸入させることなく、切削油を使用することができる。これにより、切削工具50の摩耗を小さくすることができる。よって、切削工具50の寿命が向上し、切削工具50の交換頻度を減らすことができる。また、切削工具50として、特殊なコーティングを施した高価なものを使用する必要性がなく、一般的で安価なものを使用することができる。その結果、ハブユニット10の製造コストを低減することができる。
本実施形態では、第1マスキング器具20には、貫通孔23に接続された排出路24が設けられている。このため、切削加工中に貫通孔23内に切削油Yが溜まり、その液面が上昇したとき、余分な切削油Yは、排水路24を介してマスキング部材20の外部に自動的に排出される。よって、供給管40から供給される切削油Yの流量を特に管理しなくても、貫通孔23の上端から切削油Yが溢れるのを防止することができる。
本実施形態によれば、第1マスキング器具20の貫通孔23は、ハブユニット中間体10aと反対側、つまり切削油Yを受け入れる側である上端部が広く開口している。このため、供給管40からの切削油Yが貫通孔23内に導入されやすい。よって、貫通孔23、切削工具50、及び内軸11の内周面に対してより確実に切削油Yを供給することができる。
一方、貫通孔23の下端部の開口面積は、その上端部の開口面積よりも小さい。例えば、貫通孔23の下端部の径D23は、密封装置16の内径D16よりも小さい。よって、軸受空間Sを切削油Yから確実に保護することができる。
本実施形態では、第1マスキング器具20とハブユニット中間体10aとの接触部に環状ガスケット22が設けられている。このため、第1マスキング器具20とハブユニット中間体10aとの間から、切削油Yが漏れ出すことを防止することができる。よって、ハブユニット中間体10aへの切削油Yの付着及び軸受空間Sへの切削油Yの浸入を防止する効果をさらに向上させることができる。
<第2実施形態>
[ハブユニットの製造方法]
以下、第2実施形態に係るハブユニット10の製造方法について、図6〜図12を参照しつつ説明する。第2実施形態に係るハブユニット10の製造方法は、組立工程、マスキング工程、及びスプライン穴形成工程に加えて、送風工程を備える。
(組立工程)
ハブユニット中間体10aを組み立てる工程については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(マスキング工程)
図6及び図7に示すように、第2実施形態では、第1マスキング器具20A及び第2マスキング器具20Bを使用する。第1及び第2マスキング器具20A,20Bは、ハブユニット中間体10aを切削油から保護するために使用される。以下、説明の便宜上、第1及び第2マスキング器具20A,20Bにおいて、ハブユニット中間体10aに対向する側を下、その反対側を上と称することがある。第1及び第2マスキング器具20A,20Bの上下方向は、ハブユニット中間体10aの軸方向と一致する。
図6は、第2マスキング器具20Bによってハブユニット中間体10aを覆う工程を例示する図である。図6に示すように、まず、第2マスキング器具20Bがハブユニット中間体10a上に載置される。第2マスキング器具20Bは、ハブユニット中間体10aのインナ側の端部上に配置される。第2マスキング器具20Bは、ハブユニット中間体10aのうち、少なくとも軸受空間Sを覆う。
ここで、第2マスキング器具20Bの構成について説明する。第2マスキング器具20Bは、環状部25と、拡径部26とを有する。
環状部25は、ハブユニット中間体10aと同軸に配置される環状板である。環状部25は、密封装置16上に配置される。環状部25の内径は、密封装置16の内径と実質的に等しい。環状部25の外径は、密封装置16の外径以上である。環状部25の外径は、内軸11のインナ側の端部の外径以上であることが好ましい。環状部25は、実質的に密封装置16の全体をインナ側から覆う。
拡径部26は、環状部25の外周縁に接続されている。拡径部26は、環状部25と同軸のテーパ円筒状をなす。拡径部26は、環状部25から遠ざかるにつれて拡径する。拡径部26において、下端部の外径及び内径は、上端部の外径及び内径よりも大きい。
本実施形態において、拡径部26は、1種類のテーパ円筒で構成されている。しかしながら、拡径部26の構成は、これに限定されるものではない。拡径部26は、テーパ率が互いに異なる複数種類のテーパ円筒で構成されていてもよいし、1種類以上のテーパ円筒と、直径が一定の円筒との組み合わせによって構成されていてもよい。
拡径部26の最大外径は、ハブユニット中間体10aの最大外径よりも大きいことが好ましい。これにより、第2マスキング器具20Bが載置されたハブユニット中間体10aを上方から見たとき、密封装置16だけでなく、密封装置16よりも径方向外側の部分の全てが第2マスキング器具20Bで覆われる。
図7は、第1マスキング器具20Aによってハブユニット中間体10aを覆う工程を例示する図である。図7に示すように、第2マスキング器具20Bがハブユニット中間体10a上に載置された後、第1マスキング器具20Aがハブユニット中間体10a上に載置される。
第1マスキング器具20Aは、ハブユニット中間体10aのインナ側の端部上に配置される。第1マスキング器具20Aは、第2マスキング器具20Bを介して、軸受空間Sを覆う。第1及び第2マスキング器具20A,20Bが載置されたハブユニット中間体10aは、第1実施形態と同様、支持台30によって支持される。
第1マスキング器具20Aは、第1実施形態に係る第1マスキング器具20とほぼ同一の構成を有する。ただし、第1マスキング器具20Aは、凹部21Aの構成において第1実施形態に係る第1マスキング器具20と異なる。
図3に示すように、第1実施形態に係る第1マスキング器具20の凹部21は、実質的に一定の直径を有する。これに対し、本実施形態に係る第1マスキング器具20Aの凹部21Aは、図7に示すように、上方から下方に向かうにつれて拡径する。
第1マスキング器具20Aがハブユニット中間体10a上に載置されたとき、凹部21Aは拡径部26の一部を受け入れる。凹部21Aの周壁面は、第2マスキング器具20Bの拡径部26のうち凹部21Aに受け入れられる部分の外周面に沿う形状に形成されている。
(スプライン穴形成工程)
図8は、第1及び第2マスキング器具20A,20Bが載置されたハブユニット中間体10aに切削加工を施し、内軸11の内周面にスプライン穴を形成する工程を例示する図である。
本実施形態では、スプライン穴形成工程、及び後述する送風工程において、供給管40Aが利用される。各供給管40Aは、第1及び第2供給部41,42を有する。第1供給部41は、切削加工に際し、供給管40Aのノズルに切削油を供給する。第2供給部42は、送風に際し、供給管40Aのノズルに空気を供給する。すなわち、各供給管40Aは、2系統の供給管である。ただし、切削加工用の供給管と送風用の供給管とを別々に設けることもできる。
図8に示すように、切削加工では、各供給管40Aは、第1供給部41から供給された切削油Yを、第1マスキング器具20Aの貫通孔23に向かって噴出する。各供給管40Aからの切削油Yを貫通孔23に供給しながら、第1実施形態と同様に、切削工具50を内軸11の中心孔111に挿入してスプライン穴を形成する。
(送風工程)
図9は、スプライン穴が形成された後のハブユニット中間体10aに対し、送風を行う工程を例示する図である。
スプライン穴の形成が終了した後、図9に示すように、第1マスキング器具20Aの貫通孔23に向かって送風を行う。各供給管40Aは、第2供給部42から供給された空気Zを貫通孔23に向かって噴出する。
第1実施形態で説明したように、第1マスキング器具20Aの貫通孔23内の切削油Yは支持台30の下方に排出される。送風は、切削油Yの排出中に開始することができる。送風は、少なくとも貫通孔23内の切削油Yがなくなるまで継続されることが好ましい。より好ましくは、貫通孔23内の切削油Yがなくなった後も、所定時間、送風が継続される。送風は、貫通孔23内の切削油Yがなくなった後、例えば、1秒以上継続される。
送風の終了後、図10に示すように、まず、スプライン穴が形成されたハブユニット中間体10aから第1マスキング器具20Aを取り外す。その後、図11に示すように、当該ハブユニット中間体10aから第2マスキング器具20Bを取り外す。これにより、図1に示すハブユニット10が完成する。
本実施形態に係るハブユニット10の製造方法の各工程は、同じ位置で実施されてもよいが、サイクルタイム短縮の観点から、異なる位置で実施されることが好ましい。図12は、ハブユニット中間体10aを移動させながら各工程を実施する例を示す図である。
例えばハブユニット10の製造を行う工場等には、図12に示すように、第1〜第3実施位置P1〜P3が設けられる。第1〜第3実施位置P1〜P3は、互いに異なる位置である。第1〜第3実施位置P1〜P3では、各々異なる工程が実施される。
第1実施位置(加工前ポジション)P1では、ハブユニット中間体10aに第2マスキング器具20Bを装着する工程(図6)が実施される。第2マスキング器具20Bが装着されたハブユニット中間体10Bは、第1実施位置P1から第2実施位置P2に移動する。
ハブユニット中間体10aは、例えば第1搬送装置60Aによって、第1実施位置P1から第2実施位置P2に搬送される。第1搬送装置60Aは、内軸11のフランジ部113の下にフォーク61を差し込み、ハブユニット中間体10aを持ち上げて搬送する。図12では、搬送中のハブユニット中間体10aを下方から見た状態を模式的に示している。後述する第2搬送装置60Bの構成は、第1搬送装置60Aの構成と同様である。
第2実施位置P2(加工ポジション)では、ハブユニット中間体10aに第1マスキング器具20Aを装着する工程(図7)が実施される。第1マスキング器具20Aは、第2マスキング20Bの上からハブユニット中間体10aに装着される。図12では、第1マスキング器具20Aの図示を省略している。
第2実施位置P2では、続いて、スプライン穴形成工程(図8)及び送風工程(図9)が実施される。第2実施位置P2において、第1及び第2マスキング器具20A,20Bが装着されたハブユニット中間体10aに対し、切削加工及び送風が行われる。
第2実施位置P2では、次に、スプライン穴形成後のハブユニット中間体10a(ハブユニット10)から第1マスキング器具20Aを取り外す工程(図10)が実施される。その後、ハブユニット10は、第2マスキング器具20Bが装着された状態で、第2実施位置P2から第3実施位置P3に移動する。ハブユニット10は、例えば第2搬送装置60Bによって、第2実施位置P2から第3実施位置P3に搬送される。
第3実施位置P3(加工後ポジション)では、ハブユニット10から第2マスキング器具20Bを取り外す工程(図11)が実施される。
このように、ハブユニット10の製造において、第2マスキング器具20Bの装着を第1実施位置P1で、第1マスキング器具20Aの装着から取り外しまでを第2実施位置P2で、第2マスキング器具20Bの取り外しを第3実施位置P3で実施することができる。
[効果]
本実施形態によれば、切削加工の後、第1マスキング器具20Aの貫通孔23に対して送風が行われるため、貫通孔23内の切削油Yが除去される。これにより、第1マスキング器具20Aを切削加工後のハブユニット中間体10aから取り外したり、次に切削加工されるハブユニット中間体10aに装着したりする際に、第1マスキング器具20Aから切削油Yが滴下するのを抑制することができる。よって、切削油Yがハブユニット中間体10aの軸受空間Sに浸入するのをより確実に防止することができる。また、第1マスキング器具20Aからの切削油Yの滴下が抑制されることにより、切削油Yによるハブユニット10の製造設備の汚染を防止することもできる。
本実施形態によれば、ハブユニット中間体10aの軸受空間Sは、第1及び第2マスキング器具20A,20Bによって二重に覆われる。このため、軸受空間Sを切削油Yからより確実に保護することができる。
本実施形態において、第2マスキング器具20Bは、上方から下方に向かうにつれて拡径する拡径部26を有する。このため、第1マスキング器具20Aとハブユニット中間体10aとの間から切削油Yが漏出したとしても、切削油Yは、第2マスキング器具20aの拡径部26の外周面を伝い、ハブユニット中間体10aの径方向外側に流れ落ちる。よって、切削油Yの軸受空間Sへの浸入をより確実に防止することができる。
本実施形態では、第1実施位置P1においてハブユニット中間体10aに対する第2マスキング器具20Bの装着を実施し、第1実施位置P1と異なる第2実施位置P2においてハブユニット中間体10aの切削加工を実施する。また、切削加工の後、第2実施位置P2と異なる第3実施位置P3において、ハブユニット中間体10aから第2マスキング器具20Bを取り外す。このため、複数のハブユニット10を連続して製造する場合に、サイクルタイムを短縮することができる。
すなわち、第2実施位置P2においてハブユニット中間体10aに切削加工を施す間、第1実施位置P1において、次に切削加工されるハブユニット中間体10aに第2マスキング器具20Bを装着することができ、また、第3実施位置P3において、切削加工が終了したハブユニット中間体10aから第2マスキング器具20Bを取り外すことができる。このように複数の工程を並行して実施することができるため、各工程における待機時間を短くすることができる。よって、ハブユニット10を効率よく製造することができる。
第2マスキング器具20Bの装着工程、第1マスキング器具20Aの装着から取り外しまでの工程、及び第2マスキング器具20Bの取り外し工程を並行して実施する場合は、少なくとも3つの第2マスキング器具20Bを準備すればよい。
本実施形態では、ハブユニット中間体10aは、第2マスキング器具20Bで軸受空間Sが保護された状態で、第1〜第3実施位置P1〜P3を移動する。このため、ハブユニット中間体10aの移動中に供給管40Aから切削油Yが滴下したとしても、軸受空間S内に切削油Yが浸入するのを防止することができる。
以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10:ハブユニット
10a:ハブユニット中間体
11:内軸
111:中心孔
12:内輪
13:外輪
141,142:転動体
S:軸受空間
20,20A:第1マスキング器具
23:貫通孔
24:排出路
20B:第2マスキング器具
26:拡径部

Claims (6)

  1. ハブユニットの製造方法であって、
    a)軸方向に延びる中心孔を有し、内輪が固定された内軸と、前記内軸が挿入された外輪と、前記内軸と前記外輪との間に形成された軸受空間に配置された複数の転動体とを含むハブユニット中間体を組み立てる工程と、
    b−1)前記ハブユニット中間体上に第2マスキング器具を載置し、前記軸受空間を前記第2マスキング器具で覆う工程と、
    b−2)前記第2マスキング器具が載置された前記ハブユニット中間体上に貫通孔を有する第1マスキング器具を前記貫通孔が前記軸方向に延びるように載置し、前記第2マスキング器具を介して、前記軸受空間を前記第1マスキング器具で覆う工程と、
    c)前記貫通孔に切削油を供給しながら、前記貫通孔を介して切削工具を前記中心孔に挿入して前記内軸の内周面にスプライン穴を形成する工程と、
    を備える、製造方法。
  2. 請求項1に記載のハブユニットの製造方法であって、
    前記第1マスキング器具は、さらに、
    前記貫通孔と交差する方向に延び、一端部が前記貫通孔に接続され、他端部が前記第1マスキング器具の外周面に開口する排出路、
    を有する、製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のハブユニットの製造方法であって、
    前記貫通孔において、前記ハブユニット中間体側に配置される一端部の開口面積は、他端部の開口面積よりも小さい、製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のハブユニットの製造方法であって、さらに、
    d)前記スプライン穴が形成された前記ハブユニット中間体に前記第1マスキング器具を載置したまま、前記貫通孔に対して送風する工程、
    を備える、製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のハブユニットの製造方法であって
    前記第2マスキング器具は、
    前記ハブユニット中間体の周囲に配置され、前記軸方向において前記第1マスキング器具側に配置される一端部から他端部に向かうにつれて外径が大きくなる拡径部、
    を有する、製造方法。
  6. 請求項5に記載のハブユニットの製造方法であって、
    前記工程b−1)は、第1実施位置で実施され、
    前記工程c)は、前記第2マスキング器具が載置された前記ハブユニット中間体を前記第1実施位置から第2実施位置に移動させた後、前記第2実施位置で実施される、製造方法。

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