JP6801169B2 - 積層フィルムのエンボス模様加工方法、その加工装置およびエンボス模様付きパウチ - Google Patents
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Description
また、パウチの裏側のフィルムの印字、印刷等による文字、説明文が不鮮明となるという問題も生じていた。
本発明の積層フィルムのエンボス模様加工方法、その加工装置およびエンボス模様付きパウチに用いる積層フィルムとしては、伸びが異なる少なくとも2種類のフィルムを用意し、図示しないが、伸びの大きいフィルムを内面フィルムに、伸びの小さいフィルムを外面フィルムとした積層フィルムが用いられる。そして、伸びの大きい内面フィルムとしては、ヒートシール性を有するフィルム、例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどが用いられる。一方、伸びの小さい外面フィルムとしては、延伸フィルムを用いればよく、具体的には、ナイロンフィルムやPETフィルムなどのポリアミドやポリエステルから成る延伸フィルムが用いられる。好適な積層フィルム1の層構成としては、内層側から外層側に向かって、ポリエチレン/延伸ナイロン、ポリエチレン/延伸ナイロン/延伸PET、ポリプロピレン/延伸ナイロン、ポリプロピレン/延伸ナイロン/延伸PETを挙げることができる。
エンボス模様加工は、積層フィルム1a、1b同士をヒートシールしたパウチ1に行うことができ、パウチ1としては、前述した従来公知の積層フィルムから成るパウチ1であって、内容物が充填される前の製袋後のパウチ(中間パウチ)を用いることができる。このようなパウチ1としては、例えば、2枚の側面フィルムの間に2つ折りにした底部フィルムを介在させ、サイドシール部及びボトムシール部によりシールしたスタンディングパウチや、或いは積層フィルムを3方シール或いは4方シールした平パウチを使用することができる。
また、エンボス模様加工は、製袋ラインの積層フィルム1a、1b同士を重ね合わせた状態で行っても良く、例えば、パウチ1とするヒートシール工程の前、或いは後に行うが、エンボス模様加工時の積層フィルム1a、1b同士のズレを防止する観点からヒートシール工程の後に行うのが好ましい。
さらに、積層フィルム1a、1b同士をヒートシールしたパウチ1にエンボス模様加工を行うか、或いは積層フィルム1a、1b同士を重ねた状態でエンボス模様加工を行うことにより、一方の積層フィルムに立体加飾によるエンボス模様を形成する際、他方の積層フィルムの介在によって、エンボス模様を形成する積層フィルムが、後述するエンボス加工装置のアンビルロールに接触することがない。
この結果、エンボス模様を形成する積層フィルムの外側への張り出しが大きくなり、後述する外側へ張り出した凸部2aと、この凸部2aに隣接する凹部2bとの立体加飾によるエンボス模様2が明瞭に形成される。
図1に示すように、エンボス加工装置10は、エンボス加工部14を設けた加工金型13を装着した加工ロール11と、アンビルロール12とを有する。そして、エンボス加工部14は、加工ロール11に直接設けてもよいが、多種多様なデザインに対応させるため、エンボス加工部14を加工金型13に設け、この加工金型13を加工ロール11に装着することが好ましい。
前記圧縮加工量は、表側積層フィルム1aの総厚みの1/3未満であると表側積層フィルム1aの外側への張り出しが不十分となり、満足する立体加飾によるエンボス模様が得られない虞がある。一方、1/2を越えると、表側積層フィルム1aにクラック、或いは破断を生じる虞があり、また、裏側積層フィルム1bにまで圧縮応力が到達する虞がある。さらに、2/3以上であると、表側積層フィルム1aの内面フィルムと裏側積層フィルム1bの内面フィルムが、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、接触界面での摩擦熱や材料自体の内部移動による内部発生熱などで自己発熱が生じ、これらによって溶融が生じて接着する虞がある。このため、圧縮加工量は、積層フィルムの構成と前記要因を考慮して適宜選択されることとなる。尚、この圧縮加工量は、例えば、後述するエンボス加工装置10の加工ロール11に装着する加工金型13のエンボス加工部14の、アンビルロール12に対する加工代を調整することで調節することができる。
また、前述したエンボス加工装置10においては、加工ロール11とアンビルロール12を逆に配置して、パウチ1の他方の積層フィルムの裏側積層フィルム1bに圧縮加工を行ってもよい。
さらに、エンボス加工装置10としては、従来公知の加工装置、例えば、上下動する上型にエンボス加工部を設けた加工金型を装着したプレス式の加工装置であっても良い。
図3は、本発明のエンボス模様付きパウチを説明するための概略斜視図である。本発明のエンボス模様付きパウチ20は、図4に示すように、エンボス模様付きパウチ20を構成する一方の積層フィルム1a上に、外側に張り出した凸部2aに複数のドット状の凹部2bが配設されたエンボス模様2が形成されている。
この結果、表側積層フィルム1aが、外側に張り出した凸部2aと、この凸部2aに隣接するドット状の凹部2bとの立体加飾によるエンボス模様2を有し、裏側積層フィルム1bに、前記エンボス模様由来の凹凸を有しないエンボス模様付きパウチ20とすることができる。
尚、パウチ20のエンボス模様2は、凸部2aをドット状としても良いが、エンボス模様2の明瞭さの点から凹部2bをドット状とするのが好ましい。
1a 表側積層フィルム
1b 裏側積層フィルム
2 エンボス模様
2a 凸部
2b 凹部
10 エンボス模様加工装置
11 加工ロール
12 アンビルロール
13 加工金型
14 エンボス加工部
20 エンボス模様付きパウチ
Claims (5)
- 伸びの大きい内面フィルムと伸びの小さい外面フィルムの積層フィルムのエンボス模様加工方法であって、
積層フィルム同士の一方の積層フィルムの凸部形成箇所を外面フィルム側から冷間で厚み方向に圧縮加工して、圧縮加工領域の積層フィルムに、外側に張り出した凸部と該凸部に隣接する圧縮加工力分散用凹部との立体加飾によってエンボス模様を形成するとともに、該凸部と該圧縮加工力分散用凹部の一方をドット状とし、
前記圧縮加工力分散用凹部の外面を外側に凸の曲面とし、
前記積層フィルム同士の他方の積層フィルムに、前記エンボス模様由来の凹凸を生じさせることなく、前記一方の積層フィルムにエンボス模様を形成することを特徴とする、積層フィルムのエンボス模様加工方法。 - 前記エンボス模様の前記圧縮加工力分散用凹部をドット状とする請求項1に記載の積層フィルムのエンボス模様加工方法。
- 伸びの大きい内面フィルムと伸びの小さい外面フィルムの積層フィルムから成る積層フィルムのエンボス模様加工装置であって、
一対の回転ロールの一方に、積層フィルム同士の一方の積層フィルムの凸部形成箇所を外面フィルム側から冷間で厚み方向に圧縮加工する凸部加工部と、該凸部加工部に隣接する圧縮加工力分散用凹部加工部が形成され、
前記圧縮加工力分散用凹部加工部により形成される圧縮加工力分散用凹部の外面が外側に凸の曲面であり、
エンボス加工部の前記凸部加工部と前記圧縮加工力分散用凹部加工部の一方をドット加工部としたことを特徴とする、積層フィルムのエンボス模様加工装置。 - 前記エンボス加工部の前記圧縮加工力分散用凹部加工部をドット加工部とした請求項3に記載の積層フィルムのエンボス模様加工装置。
- 前記エンボス加工部を加工金型に設け、前記加工金型を回転ロールに装着した請求項3または4に記載の積層フィルムのエンボス模様加工装置。
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