JP6800385B2 - アンテナ装置、通信装置及び電磁波観測装置 - Google Patents

アンテナ装置、通信装置及び電磁波観測装置 Download PDF

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Description

この発明は、複数の反射鏡パネルを備えるアンテナ装置と、アンテナ装置を備える通信装置及び電磁波観測装置とに関するものである。
衛星搭載用のアンテナ装置として、複数の反射鏡パネルが並べられている反射鏡を有するアンテナ装置が用いられることがある。
反射鏡を有するアンテナ装置は、例えば、自重によって反射鏡の反射面に変形が生じている場合、アンテナ性能が劣化する。
アンテナ性能の劣化を低減できるアンテナ装置として、以下の特許文献1には、光学測定装置が、主反射鏡における反射面の変形を測定し、駆動制御部が、光学測定装置の測定結果に基づいて、主反射鏡の反射面を変形制御する反射面制御アンテナが開示されている。
特開平4−132403号公報
特許文献1に開示されている反射面制御アンテナは、駆動制御部が、光学測定装置の測定結果に基づいて、主反射鏡の反射面を変形制御している。したがって、アンテナ性能の劣化の低減は、変形制御の制御精度に依存しており、変形制御の制御精度は、光学測定装置の測定精度に依存している。
光学測定装置において、高精度な測定精度を実現するには、光学測定装置が、多数のプリズムを実装している必要がある。光学測定装置が、多数のプリズムを実装する場合、コスト高及び大型化を招いてしまう。
光学測定装置として、プリズムを実装していないレーザスキャナを用いる場合、大型化等を回避することができる。しかし、光学測定装置として、レーザスキャナを用いる場合、測定誤差が大きいため、駆動制御部における変形制御の制御精度が低くなり、アンテナ性能の劣化を低減できないことがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、プリズムを実装していないレーザスキャナを用いて、反射鏡パネルの反射面における点の位置座標を測定する場合でも、アンテナ性能の劣化を低減することができるアンテナ装置、通信装置及び電磁波観測装置を得ることを目的とする。
この発明に係るアンテナ装置は、電磁波を反射させる複数の反射鏡パネルと、複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する座標測定部と、座標測定部により測定された複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する座標選別部と、座標選別部により選別された位置座標から、複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する移動位置算出部とを備え、複数の駆動装置が、移動位置算出部により算出されたそれぞれの移動位置に、複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させるようにしたものである。
この発明に係るアンテナ装置は、プリズムを実装していないレーザスキャナを用いて、反射鏡パネルの反射面における点の位置座標を測定する場合でも、アンテナ性能の劣化を低減することができる。
実施の形態1によるアンテナ装置2を備える通信装置を示す構成図である。 制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合の処理手順を示すフローチャートである。 座標測定部13が有する位置座標の測定誤差を示す説明図である。 反射鏡パネルの反射面である2次曲面と、座標測定部13により位置座標が測定された点との距離を示す説明図である。 駆動装置22−jによる反射鏡パネル12−nの移動を示す説明図である。 座標測定部13により測定された位置座標と、選別処理部17により選別された位置座標とを示す説明図である。 移動位置算出部18が、選別処理部17により選別された位置座標を用いて、反射鏡パネル12−nの移動位置を算出したときの移動後の反射鏡パネル12−nの形状と、変形が生じていない状態であるときの反射鏡パネル12−nの形状との誤差を示す説明図である。 実施の形態3によるアンテナ装置2を備える電磁波観測装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるアンテナ装置2を備える通信装置を示す構成図である。通信装置は、通信衛星又は地上局などに実装される。
図1において、通信部1は、アンテナ装置2の電磁波送受信部11と接続されている。
通信部1は、送信信号を電磁波送受信部11に送信し、また、電磁波送受信部11から出力された受信信号を受信する。
アンテナ装置2は、通信部1と接続されている。
アンテナ装置2は、通信部1から送信された送信信号を電磁波として空間に放射する一方、空間を伝搬している電磁波を受信し、受信した電磁波を受信信号として通信部1に出力する。
電磁波送受信部11は、通信部1により送信された送信信号を電磁波に変換し、電磁波を反射鏡12に向けて放射する給電部を備えている。
また、電磁波送受信部11は、反射鏡12により反射された電磁波を受信し、受信した電磁波を受信信号に変換し、受信信号を通信部1に出力する。
反射鏡12は、反射鏡パネル12−1〜12−4を備えている。
反射鏡パネル12−1〜12−4は、隙間なく並べられており、電磁波送受信部11から放射された電磁波を図示せぬ通信対象の機器が存在する方向に反射させる。
また、反射鏡パネル12−1〜12−4は、図示せぬ通信対象の機器から放射された電磁波を電磁波送受信部11が存在する方向に反射させる。
図1に示すアンテナ装置2では、反射鏡12として、4つの反射鏡パネル12−1〜12−4が並べられている。しかし、反射鏡12は、複数の反射鏡パネルを備えていればよく、4つの反射鏡パネル12−1〜12−4を備えるものに限るものではない。
図1に示すアンテナ装置2では、図面の簡単化のため、4つの反射鏡パネル12−1〜12−4が一列に並んでいるようには描かれているが、実際には、複数の反射鏡パネルがマトリックス状に配置されている。
座標測定部13は、プリズムを実装していないレーザスキャナなどの光学測定装置によって実現される。
座標測定部13は、離散的な角度間隔で光を反射鏡パネル12−1〜12−4に放射することで、反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する。
座標測定部13は、測定した複数の点の位置座標を示す座標データを制御装置14に出力する。
図2は、制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
制御装置14は、座標選別部15、移動位置算出部18及び駆動制御部21を備えている。
座標選別部15は、例えば、図2に示す座標選別回路31によって実現される。座標選別部15は、距離算出部16及び選別処理部17を備えている。
座標選別部15は、座標測定部13から出力された座標データが示す複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する。
距離算出部16は、座標測定部13により位置座標が測定された複数の点のうち、それぞれの反射鏡パネル12−n(n=1,2,3,4)の反射面における複数の点の中から、3つ以上の点をそれぞれ選択する。
距離算出部16は、それぞれ選択した3つ以上の点が張る平面又は曲面と、それぞれの反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点との距離をそれぞれ算出する。
距離算出部16は、算出したそれぞれの距離を選別処理部17に出力する。
選別処理部17は、それぞれの反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点の位置座標の中から、距離算出部16により算出された距離が、測定誤差の許容範囲に対応する距離に関する閾値Thよりも小さい点の位置座標を選別する。距離に関する閾値Thは、例えば、選別処理部17の内部メモリに格納されている。閾値Thは、外部から与えられるものであってもよい。
選別処理部17は、選別した位置座標を移動位置算出部18に出力する。
移動位置算出部18は、例えば、図2に示す移動位置算出回路32によって実現される。移動位置算出部18は、第1の算出処理部19及び第2の算出処理部20を備えている。
移動位置算出部18は、座標選別部15により選別された位置座標から、反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する。
移動位置算出部18は、反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれの移動位置を駆動制御部21に出力する。
第1の算出処理部19は、以下の関数を内部メモリに記憶している。内部メモリに記憶している関数は、外部から与えられるものであってもよい。
内部メモリに記憶している関数は、反射鏡パネル12−nの移動量を示す移動パラメータと回転量を示す回転パラメータとを含む行列が与えられると、座標選別部15により選別された反射鏡パネル12−nの反射面における位置座標と、反射鏡パネル12−nとの距離を出力する関数である。
第1の算出処理部19は、行列に含まれている移動パラメータ及び回転パラメータのそれぞれを変えながら、関数から出力される距離の二乗和を繰り返し算出する。
第1の算出処理部19は、繰り返し算出した複数の二乗和の中で、1番小さい二乗和を探索し、探索した二乗和に対応する移動パラメータ及び回転パラメータのそれぞれを含む行列を第2の算出処理部20に出力する。
第2の算出処理部20は、駆動装置22−1〜22−5の中で、反射鏡パネル12−nを支持している駆動装置を特定する。
第2の算出処理部20は、第1の算出処理部19から出力された反射鏡パネル12−nについての行列と、特定した駆動装置が反射鏡パネル12−nを支持している位置とを乗算することで、反射鏡パネル12−nの移動位置を算出する。
第2の算出処理部20は、算出した反射鏡パネル12−nの移動位置を駆動制御部21に出力する。
駆動制御部21は、例えば、図2に示す駆動制御回路33によって実現される。
駆動制御部21は、第2の算出処理部20により算出された反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれの移動位置に基づいて、駆動装置22−1〜22−5を駆動するための制御信号を生成する。
駆動装置22−1〜22−5は、反射鏡パネル12−1〜12−4のいずれかを支持しており、駆動制御部21により生成された制御信号に従って、支持している反射鏡パネルを移動させる。
図1に示すアンテナ装置2では、駆動装置22−1は、反射鏡パネル12−1を支持しており、駆動装置22−2は、反射鏡パネル12−1,12−2を支持しており、駆動装置22−3は、反射鏡パネル12−2,12−3を支持している。
また、駆動装置22−4は、反射鏡パネル12−3,12−4を支持しており、駆動装置22−5は、反射鏡パネル12−4を支持している。
図1に示すアンテナ装置2では、駆動装置22−1〜22−5のうち、駆動装置22−2〜12−4は、複数の反射鏡パネルを支持している。しかし、これは一例に過ぎず、駆動装置22−1〜22−5の全てが、1つの反射鏡パネルのみを支持しているものであってもよい。
図1では、制御装置14の構成要素である座標選別部15、移動位置算出部18及び駆動制御部21のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアで実現されるものを想定している。即ち、制御装置14が、座標選別回路31、移動位置算出回路32及び駆動制御回路33で実現されるものを想定している。
ここで、座標選別回路31、移動位置算出回路32及び駆動制御回路33のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
制御装置14の構成要素は、専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、制御装置14がソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合、座標選別部15、移動位置算出部18及び駆動制御部21の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ41に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行する。
図4は、制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合の処理手順を示すフローチャートである。
また、図2では、制御装置14の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアで実現される例を示し、図3では、制御装置14がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置14における一部の構成要素が専用のハードウェアで実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェアなどで実現されるものであってもよい。
次に、図1に示す通信装置について説明する。
通信部1は、送信信号として、例えば、高周波の変調信号を生成する。通信部1は、送信信号を電磁波送受信部11に送信する。
電磁波送受信部11は、通信部1から送信信号を受けると、送信信号を電磁波に変換し、電磁波を12−1〜12−4に向けて放射する。
反射鏡パネル12−1〜12−4は、電磁波送受信部11から放射された電磁波を反射させる。
反射鏡パネル12−1〜12−4の理想的な位置及び向きは、アンテナ装置2が所望のアンテナ性能を満足するように、電磁界シミュレーションによって定められる。
しかしながら、実環境では、反射鏡パネル12−1〜12−4の自重、反射鏡パネル12−1〜12−4を支持している支持構造物の重さ、又は、風及び振動の影響によって、反射鏡パネル12−1〜12−4の反射面に変形が生じてしまうことがある。反射面に変形が生じることで、反射鏡パネル12−1〜12−4は、理想的な位置及び向きからずれてしまう。
座標測定部13は、プリズムを実装していないレーザスキャナなどの光学測定装置によって実現されているため、図5に示すように、位置座標の測定誤差として、角度方向と距離方向のそれぞれに、ランダムな誤差を有している。
座標測定部13による位置座標の測定点が、反射鏡パネルの端部付近である場合、座標測定部13が有する測定誤差のうち、距離方向の誤差が非常に大きくなる。
図5は、座標測定部13が有する位置座標の測定誤差を示す説明図である。
図5において、σangleは、座標測定部13における角度誤差分布の標準偏差であり、σは、座標測定部13における距離誤差分布の標準偏差である。
θは、反射鏡パネルの法線と、座標測定部13により位置座標が測定された点と座標測定部13とを結ぶ線分とのなす角である。
また、図1に示すアンテナ装置2は、図示せぬ副鏡及び電磁波送受信部11を支える図示せぬ支持構造を有している。
したがって、座標測定部13は、支持構造についての不要な点の位置座標を、反射鏡パネルの反射面についての位置座標として測定しまうことがある。
図1に示すアンテナ装置2は、座標測定部13により測定された複数の点の位置座標のうち、測定誤差が大きな位置座標及び不要な位置座標を除外して、測定誤差が小さな位置座標のみを用いて、反射鏡パネル12−1〜12−4を駆動する。
図1に示すアンテナ装置2は、測定誤差が小さな位置座標のみを用いて、反射鏡パネル12−1〜12−4を駆動することで、アンテナ性能の劣化を低減することができる。
具体的には、以下の通りである。
座標測定部13は、離散的な角度間隔で光を反射鏡パネル12−1〜12−4に放射することで、反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する。
座標測定部13は、測定した複数の点の位置座標を示す座標データを座標選別部15に出力する。
座標選別部15は、座標測定部13から座標データを受けると、座標データが示す複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する。
以下、座標選別部15による位置座標の選別処理を具体的に説明する。
座標選別部15が備える距離算出部16及び選別処理部17は、以下に示す処理を反射鏡パネル12−n(n=1,2,3,4)毎に実施する。
距離算出部16は、座標測定部13により位置座標が測定された複数の点のうち、反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点の中から、3つ以上の点を選択する(図4のステップST1)。距離算出部16により選択される3つ以上の点は、未だ選択されていない点の組み合わせであり、例えば、ランダムに選択される。
次に、距離算出部16は、反射鏡パネル12−nの反射面として、選択した3つ以上の点が張る平面又は曲面を定める。
仮に、反射面が平面である場合、3つ以上の点をつなげることで得られる多角形によって平面を定めることができる。
反射面が平面である場合、平面を示す関数は、以下の式(1)のように表すことができる。
αx+βy+γz+δ=0 (1)
式(1)において、x,y,zは、平面の空間座標であり、α,β,γ,δは、パラメータである。
したがって、反射面が平面である場合、距離算出部16が、3つ以上の点を選択して、3つ以上の点の位置座標を式(1)に代入すれば、パラメータα,β,γ,δを求めることができるため、距離算出部16が、平面を定めることができる。
反射面が曲面である場合、曲面を示す関数f()は、以下の式(2)に示すように、曲面の空間座標(x,y,z)とパラメータp〜pとで表すことができる。
f(x,y,z,p,p,…,p) (2)
仮に、反射面が2次曲面である場合、2次曲面を定める自由度は、平行移動の3次元及び回転の3次元であるため、パラメータp〜pとしては、平行移動についての3つの移動パラメータp〜pと、回転についての3つの回転パラメータp〜pとが想定される。
したがって、反射面が2次曲面である場合、距離算出部16が、6つの点を選択して、6つの点の位置座標を式(2)に代入すれば、移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pを求めることができるため、距離算出部16が、2次曲面を定めることができる。
例えば、pは、曲面の空間座標(x,y,z)におけるx軸方向の移動量を示す移動パラメータ、pは、y軸方向の移動量を示す移動パラメータ、pは、z軸方向の移動量を示す移動パラメータである。
は、x軸周りの回転量を示す回転パラメータ、pは、y軸周りの回転量を示す回転パラメータ、pは、z軸周りの回転量を示す回転パラメータである。
以下の説明では、反射鏡パネル12−nの反射面が、図6に示すような2次曲面であるとする。また、反射鏡パネル12−nの反射面について、座標測定部13により位置座標が測定された点の数がM個であるとする。
図6は、反射鏡パネル12−nの反射面である2次曲面と、座標測定部13により位置座標が測定された点との距離を示す説明図である。
図6において、〇は、座標測定部13により位置座標が測定された点である。
距離は、座標測定部13により位置座標が測定された点から、反射鏡パネル12−nの反射面に垂直におろした点とを結ぶ線分の距離である。
図6では、座標測定部13により位置座標が測定された点の数がM=13個である例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pを定めることができることが可能な数よりも多くの数であれば、座標測定部13により位置座標が測定された点の数Mは、何個でもよい。
ここでは、M個の点の位置座標がC=(x,y,z)であり、位置座標Cが測定された点から、反射鏡パネルの反射面に垂直におろした点とを結ぶ線分の距離がLであるとする。m=1,2,・・・,Mである。
距離算出部16は、定めた2次曲面と、座標データが示すM個の点との距離Lをそれぞれ算出し、それぞれ算出した距離Lを選別処理部17に出力する(図4のステップST2)。
位置座標Cが測定された点から、反射鏡パネル12−nの反射面に垂直におろした点の位置座標は、距離算出部16において、不明である。したがって、距離算出部16が、距離Lを算出するには、反射鏡パネル12−nの反射面に垂直におろした点の位置座標を特定する必要がある。
反射鏡パネル12−nの反射面に垂直におろした点の位置座標は、反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点の位置座標のうち、位置座標Cとの距離が最小になる点の位置座標で近似することができる。また、反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点の位置座標は、曲面を示す関数f(x,y,z,p,p,…,p)から得ることができる。
したがって、距離算出部16は、反射鏡パネル12−nの反射面における複数の点の位置座標の中で、位置座標Cとの距離が最小になる点の位置座標を探索し、探索した位置座標と位置座標Cとの距離Lを算出する。
選別処理部17は、M点の位置座標C(m=1,2,・・・,M)の中から、距離算出部16により算出された距離Lが閾値Thよりも小さい点の位置座標を選別する(図4のステップST3)。例えば、測定誤差の標準偏差が1mmである場合、標準偏差の2倍である2mm程度の値が、閾値Thに設定される。
M=13であるとき、位置座標C(m=1,2,・・・,12)について点の距離Lが、「0.80、0.80、0.26、0.24、0.12、0.22、0.71、0.58、0.46、0.81、0.76、0.66、0.78」であり、閾値Thが0.5であるとする。この場合、距離Lが閾値Thよりも小さい点の距離は、「0.26、0.24、0.12、0.22、0.46」の5つである。
選別処理部17は、3つ以上の点の距離算出部16による選択回数sと設定回数Selとを比較する(図4のステップST4)。設定回数Selは、選別処理部17の内部メモリに格納されている。設定回数Selは、外部から与えられるものであってもよい。
選別処理部17は、選択回数sが設定回数Sel未満であれば(図4のステップST4:YESの場合)、未だ選択していない3つ以上の点の組み合わせについての選択を距離算出部16に指示する。
距離算出部16は、選別処理部17から選択指示を受けると、新たに3つ以上の点を選択し(図4のステップST1)、選択した3つ以上の点が張る平面又は曲面を定める。
距離算出部16は、定めた平面又は曲面と、座標データが示すM個の点との距離Lをそれぞれ算出し、それぞれ算出した距離Lを選別処理部17に出力する(図4のステップST2)。
選別処理部17は、M点の位置座標C(m=1,2,・・・,M)の中から、距離算出部16により算出された距離Lが閾値Thよりも小さい点の位置座標を選別する(図4のステップST3)。
M=13であるとき、位置座標C(m=1,2,・・・,12)について点の距離Lが、「0.02、0.61、0.52、0.51、0.64、0.30、0.38、0.40、0.78、0.56、0.69、0.71、0.78」であるとする。この場合、距離Lが閾値Thよりも小さい点の距離は、「0.02、0.30、0.38、0.40」の4つである。
選別処理部17は、選択回数sが設定回数Selに到達していれば(図4のステップST4:NOの場合)、距離算出部16により距離Lが算出される毎に選別した位置座標の個数の中で、最も多い個数を特定する。
選別処理部17は、距離算出部16により距離Lが算出される毎に選別した位置座標のうち、最も個数が多い位置座標C(i=1,・・・,I:Iは1以上M以下の整数)を移動位置算出部18に出力する(図4のステップST5)。最も個数が多い位置座標Cは、距離算出部16により距離Lが算出される毎に選別された位置座標の中で、設定された移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pが最も適正である。
選別処理部17は、仮に、最も多い個数が5つであるとすれば、例えば、距離Lが「0.26、0.24、0.12、0.22、0.46」である5つの位置座標C(i=1,・・・,5)を移動位置算出部18に出力する。
ステップST1〜ST5の処理は、座標選別部15によって、反射鏡パネル12−1〜12−4の全てについて位置座標C(i=1,・・・,I)が選別されるまで繰り返し実施される。
移動位置算出部18は、座標選別部15により選別された位置座標から、反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する。
以下、移動位置算出部18による移動位置の算出処理を具体的に説明する。
移動位置算出部18が備える第1の算出処理部19及び第2の算出処理部20は、以下に示す処理を反射鏡パネル12−n毎に実施する。
第1の算出処理部19は、選別処理部17により選別された反射鏡パネル12−nについての位置座標C(i=1,・・・,I)と、反射鏡パネル12−nとのフィッティング計算を実行することで、反射鏡パネル12−nの移動量を算出する(図4のステップST6)。
以下、第1の算出処理部19によるフィッティング計算を具体的に説明する。
第1の算出処理部19は、行列Kが与えられると、座標選別部15により選別された反射鏡パネル12−nの反射面における位置座標Cと、反射鏡パネル12−nとの距離Lを出力する関数h(K)を用意している。
行列Kは、以下の式(3)に示すように、反射鏡パネル12−nの移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pを含む行列である。行列Kは、反射鏡パネル12−nの平行移動量と回転量に関する行列である。

Figure 0006800385

式(3)において、Δx=p、Δy=p、Δz=p、θ=p、θ=p、θ=pである。
第1の算出処理部19は、以下の式(4)に示すように、移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pのそれぞれを変えながら、関数h(K)の出力である距離の二乗和Σ|h(K)|を繰り返し算出する。

Figure 0006800385

第1の算出処理部19は、以下の式(5)に示すように、繰り返し算出した複数の二乗和Σ|h(K)|の中で、1番小さい二乗和Σ|h(K)|を探索する。

Figure 0006800385

第1の算出処理部19は、反射鏡パネル12−nの移動量として、探索した二乗和Σ|h(K)|に対応する行列Kを第2の算出処理部20に出力する。
ステップST6の処理は、第1の算出処理部19によって、反射鏡パネル12−1〜12−4の全てについての行列K〜Kが得られるまで繰り返し実施される。
第2の算出処理部20は、駆動装置22−1〜22−5の中で、反射鏡パネル12−nを支持している駆動装置を特定する。
ここでは、説明の便宜上、反射鏡パネル12−nを支持している駆動装置は、駆動装置22−jであるとする。
図7は、駆動装置22−jによる反射鏡パネル12−nの移動を示す説明図である。
駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを支持している位置は、第2の算出処理部20において、既知である。
駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを支持している位置は、以下の式(6)に示すように、pベクトルで表されるものとする。明細書の文章中では、電子出願の関係上、「p」の文字の上に「→」の記号を付することができないため、pベクトルのように表記している。

Figure 0006800385

式(6)において、x,y,zは、駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを支持している位置の座標であり、反射鏡パネル12−nのローカル座標系での座標である。Tは、転置を示す記号である。
第2の算出処理部20は、以下の式(7)に示すように、反射鏡パネル12−nについての行列Kとpベクトルを乗算することで、駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを移動させる位置である移動位置を算出する(ステップST7)。qベクトルは、反射鏡パネル12−nの移動位置を表している。

Figure 0006800385

式(7)において、x,y,zは、駆動装置22−jによる反射鏡パネル12−nの移動位置の座標であり、反射鏡パネル12−nの移動後の座標系での座標である。
ステップST7の処理は、第2の算出処理部20によって、駆動装置22−1〜22−5の全てについてのqベクトルが算出されるまで繰り返し実施される。
ここでは、第2の算出処理部20は、駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを支持しているとして、駆動装置22−jについてのqベクトルを算出している。
しかし、反射鏡12は、複数の反射鏡パネルが隙間なく配置されているため、駆動装置22−jが、隣接して配置されている複数の反射鏡パネルを支持していることがある。
例えば、駆動装置22−2は、反射鏡パネル12−1と反射鏡パネル12−2の双方を支持しており、駆動装置22−3は、反射鏡パネル12−2と反射鏡パネル12−3の双方を支持している。
また、駆動装置22−4は、反射鏡パネル12−3と反射鏡パネル12−4の双方を支持している。
以下、駆動装置22−jが、隣接して配置されている複数の反射鏡パネルを支持している場合のqベクトルの算出方法を説明する。
ここでは、一例として、駆動装置22−2についてのqベクトルの算出方法を説明する。
まず、第2の算出処理部20は、反射鏡パネル12−1についての行列Kと、駆動装置22−2が反射鏡パネル12−1を支持している位置を示すpベクトルとを乗算することで、qベクトル(1)を算出する。qベクトル(1)は、駆動装置22−2によるによる反射鏡パネル12−1の移動位置を表している。
次に、第2の算出処理部20は、反射鏡パネル12−2についての行列Kとpベクトルを乗算することで、qベクトル(2)を算出する。qベクトル(2)は、駆動装置22−2によるによる反射鏡パネル12−2の移動位置を表している。
第2の算出処理部20は、駆動装置22−2による反射鏡パネル12−1,12−2の移動位置として、qベクトル(1)が示す位置と、qベクトル(2)が示す位置との平均座標の位置を算出する。
駆動制御部21は、駆動装置22−jが反射鏡パネル12−nを移動させた後の位置が、第2の算出処理部20により算出された移動位置となるように、駆動装置22−jを駆動するための制御信号を生成する(図4のステップST8)。
例えば、駆動装置22−1を駆動するための制御信号は、駆動装置22−1が反射鏡パネル12−1を移動させた後の位置が、qベクトルが示す位置となる制御信号である。
また、駆動装置22−2を駆動するための制御信号は、駆動装置22−2が反射鏡パネル12−1,12−2を移動させた後の位置が、qベクトル(1)が示す位置とqベクトル(2)が示す位置との平均座標の位置となる制御信号である。
駆動装置22−1〜22−5は、駆動制御部21により生成された制御信号に従って、支持している反射鏡パネルを移動させる。
以下、アンテナ装置2が、測定誤差が小さな位置座標のみを用いて、反射鏡パネル12−1〜12−4を駆動することで、アンテナ性能の劣化を低減できるという効果について説明する。
ここでは、説明の簡単化のために、反射鏡パネル12−nの反射面が、xy平面におけるy=εx+ζ(0<x<5)の曲線で表されるものとする。
反射鏡パネル12−nの反射面において、位置座標が測定される複数の点のx軸方向の間隔が0.01mであり、座標測定部13によって、0.01mの間隔で251個の点の位置座標が測定されるものとする。
座標測定部13によって、251個の点の位置座標が測定される際、251個の点に対して、y軸方向に標準偏差が2mの正規分布で誤差が与えられるものとする。
また、座標測定部13によって、251個の点の位置座標が測定される際、251個の点のうち、ランダムに選択された30個の点に対して、x軸方向に+2mの誤差が与えられるものとする。
さらに、251個の点のうち、上記の30個の点とは別に、ランダムに選択された30個の点に対して、x軸方向に−2mの誤差が与えられるものとする。
ここでは、誤差を判別し易くするために、実際の測定誤差よりも大きな誤差として、+2m又は−2mの誤差が与えられるものとしているが、実際の測定誤差に近い±1mm程度の誤差が与えられるものとしてもよい。
反射鏡パネル12−nの反射面が、例えば、xy平面におけるy=εx+ζ(0<x<5)の曲線で表される場合、座標測定部13により測定された251個の点の位置座標の中から、2つの点の位置座標を選択すれば、パラメータε,ζを算出することができる。
例えば、選択した2つの点の位置座標が、(x,y)と(x,y)とであるとすれば、パラメータε,ζは、以下の式(8)〜(9)のように表される。

Figure 0006800385
選別処理部17が、251個の点の位置座標の中から、距離が小さい点の位置座標を選別する際に用いる閾値Thが、例えば、2.0mであるとして、コンピュータが、シミュレーションを実施すると、選別処理部17による位置座標の選別結果は、図8のようになる。
図8は、座標測定部13により測定された位置座標と、選別処理部17により選別された位置座標とを示す説明図である。
図8において、△は、座標測定部13により測定された251個の点の位置座標、〇は、選別処理部17により選別された位置座標である。
図9は、移動位置算出部18が、選別処理部17により選別された位置座標を用いて、反射鏡パネル12−nの移動位置を算出したときの移動後の反射鏡パネル12−nの形状と、変形が生じていない状態であるときの反射鏡パネル12−nの形状との誤差を示す説明図である。
図9において、「座標選別ありの反射鏡パネルの形状」は、移動位置算出部18が、選別処理部17により選別された位置座標を用いて、反射鏡パネル12−nの移動位置を算出したときの移動後の反射鏡パネル12−nの形状である。
「座標選別なしの反射鏡パネルの形状」は、移動位置算出部18が、座標測定部13により測定された全ての位置座標を用いて、反射鏡パネル12−nの移動位置を算出したときの移動後の反射鏡パネル12−nの形状である。
「真の反射鏡パネルの形状」は、変形が生じていない状態の反射鏡パネル12−nの形状である。
座標選別なしの反射鏡パネルの形状と、真の反射鏡パネルの形状との誤差の平均は、約2mである。
座標選別ありの反射鏡パネルの形状と、真の反射鏡パネルの形状との誤差の平均は、約0.02mであり、座標選別ありの場合の誤差は、選別なしの場合の誤差と比べて、100分の1になっている。
以上の実施の形態1は、座標測定部13により測定された複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する座標選別部15と、座標選別部15により選別された位置座標から、複数の反射鏡パネル12−1〜12−4のそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する移動位置算出部18とを備えるように、アンテナ装置2を構成した。したがって、アンテナ装置2は、プリズムを実装していないレーザスキャナを用いて、反射鏡パネル12−1〜12−4の反射面における点の位置座標を測定する場合でも、アンテナ性能の劣化を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態1のアンテナ装置2では、第1の算出処理部19が、繰り返し算出した複数の二乗和Σ|h(K)|の中で、1番小さい二乗和Σ|h(K)|を探索するものを示している。
実施の形態2では、第1の算出処理部19が、繰り返し算出した複数の二乗和Σ|h(K)|のそれぞれに、選別処理部17により選別された反射鏡パネル12−nの反射面における位置座標の測定誤差に基づく重み係数wを乗算する。そして、第1の算出処理部19が、重み係数wを乗算した複数の二乗和Σw|h(K)|の中で、1番小さい二乗和Σw|h(K)|を探索するアンテナ装置2について説明する。
実施の形態2によるアンテナ装置2の構成は、図1に示すアンテナ装置2の構成と同じである。
まず、第1の算出処理部19は、実施の形態1と同様に、移動パラメータp〜p及び回転パラメータp〜pを変えながら、関数h(K)の出力である距離の二乗和Σ|h(K)|を繰り返し算出する。
次に、第1の算出処理部19は、以下の式(10)に示すように、座標測定部13における角度誤差分布の標準偏差σangleと距離誤差分布の標準偏差σとに基づいて、反射鏡パネル12−nの反射面における位置座標の測定誤差に基づく重み係数wを決定する。図5には、角度誤差分布の標準偏差σangleと、距離誤差分布の標準偏差σと、座標測定部13と、反射鏡パネル12−nとの関係が示されている。

Figure 0006800385
次に、第1の算出処理部19は、繰り返し算出した複数の二乗和Σ|h(K)|のそれぞれに重み係数wを乗算する。
第1の算出処理部19は、以下の式(11)に示すように、重み係数wを乗算した複数の二乗和Σw|h(K)|の中で、1番小さい二乗和Σw|h(K)|を探索する。

Figure 0006800385

第1の算出処理部19は、探索した二乗和Σw|h(K)|に対応する行列Kを第2の算出処理部20に出力する。
第1の算出処理部19による1番小さい二乗和Σw|h(K)|の探索処理は、反射鏡パネル12−1〜12−4の全てについての行列K〜Kが得られるまで繰り返し実施される。
第2の算出処理部20の処理内容は、実施の形態1と同様である。
第1の算出処理部19が、距離の二乗和Σw|h(K)|を繰り返し算出する際、位置座標の測定誤差に基づく重み係数wが一定である場合、駆動装置22−jによる反射鏡パネル12−nの移動位置が、測定誤差が大きな方向にずれてしまうことがある。
第1の算出処理部19が、角度誤差分布の標準偏差σangleと距離誤差分布の標準偏差σとに基づいて、重み係数wを決定することで、駆動装置22−jによる反射鏡パネル12−nの移動位置が、測定誤差が大きな方向にずれてしまうことを回避できる。
ここでは、第1の算出処理部19が、角度誤差分布の標準偏差σangleと距離誤差分布の標準偏差σとに基づいて、重み係数wを決定している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、第1の算出処理部19が、光学測定装置である座標測定部13から光を反射鏡パネル12−nに照射したのち、反射鏡パネル12−nに反射された光の強度に基づいて、重み係数wを決定するようにしてもよい。
第1の算出処理部19は、例えば、座標測定部13から、選別処理部17により選別された位置座標での光の反射強度Iを取得する。
第1の算出処理部19は、以下の式(12)に示すように、反射強度Iから重み係数wを決定する。

Figure 0006800385
以上の実施の形態2は、第1の算出処理部19が、繰り返し算出した複数の二乗和Σ|h(K)|のそれぞれに、選別処理部17により選別された位置座標の測定誤差に基づく重み係数wを乗算する。そして、第1の算出処理部19が、重み係数wを乗算した複数の二乗和Σw|h(K)|の中で、1番小さい二乗和Σw|h(K)|を探索し、探索した二乗和Σw|h(K)|に対応する行列を前記第2の算出処理部20に出力するように、アンテナ装置2を構成した。したがって、実施の形態2のアンテナ装置2は、実施の形態1のアンテナ装置2よりも更に、アンテナ性能の劣化を低減することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、アンテナ装置2を備える電磁波観測装置について説明する。
電磁波観測装置は、天体などから放射される電磁波を観測するために、電磁波を電気信号に変換し、電気信号を記録する装置である。
図10は、実施の形態3によるアンテナ装置2を備える電磁波観測装置を示す構成図である。図10において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
電磁波受信部51は、反射鏡12により反射された電磁波を電気信号に変換し、電気信号を信号記録部52に出力する。
信号記録部52は、ハードディスクなどの記憶装置によって実現される。
信号記録部52は、電磁波受信部51から出力された電気信号を記録する。
信号記録部52には、図示せぬ信号処理装置が接続されている。信号処理装置は、信号記録部52により記録されている電気信号を解析して、天体の位置又は輝度などを検出する装置である。
図10に示すアンテナ装置2は、受信アンテナとして使用され、送信アンテナとして使用されない点以外は、図1に示すアンテナ装置2と同様であるため、図10に示すアンテナ装置2の具体的な動作の説明を省略する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、複数の反射鏡パネルを備えるアンテナ装置に適している。
また、この発明は、アンテナ装置を備える通信装置及び電磁波観測装置に適している。
1 通信部、2 アンテナ装置、11 電磁波送受信部、12 反射鏡、12−1〜12−4 反射鏡パネル、13 座標測定部、14 制御装置、15 座標選別部、16 距離算出部、17 選別処理部、18 移動位置算出部、19 第1の算出処理部、20 第2の算出処理部、21 駆動制御部、22−1〜22−5 駆動装置、31 座標選別回路、32 移動位置算出回路、33 駆動制御回路、41 メモリ、42 プロセッサ、51 電磁波受信部、52 信号記録部。

Claims (9)

  1. 電磁波を反射させる複数の反射鏡パネルと、
    前記複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する座標測定部と、
    前記座標測定部により測定された複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する座標選別部と、
    前記座標選別部により選別された位置座標から、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する移動位置算出部と、
    前記移動位置算出部により算出されたそれぞれの移動位置に、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる複数の駆動装置と
    を備えたアンテナ装置。
  2. 前記座標選別部は、
    前記座標測定部により位置座標が測定された複数の点のうち、それぞれの反射鏡パネルの反射面における複数の点の中から、3つ以上の点をそれぞれ選択し、それぞれ選択した3つ以上の点が張る平面又は曲面と、それぞれの反射鏡パネルの反射面における複数の点との距離をそれぞれ算出する距離算出部と、
    前記座標測定部により測定された複数の点の位置座標のうち、それぞれの反射鏡パネルの反射面における複数の点の位置座標の中から、前記距離算出部により算出された距離が、前記許容範囲に対応する距離に関する閾値よりも小さい点の位置座標をそれぞれ選別する選別処理部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記移動位置算出部は、反射鏡パネルの移動量を示す移動パラメータと反射鏡パネルの回転量を示す回転パラメータとを含む行列が与えられると、前記座標選別部により位置座標が選別された点と反射鏡パネルとの距離を出力する関数を用いて、それぞれの反射鏡パネルの移動位置を算出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 前記移動位置算出部は、
    前記行列に含まれている移動パラメータ及び回転パラメータのそれぞれを変えながら、前記関数から出力される距離の二乗和を繰り返し算出し、繰り返し算出した複数の二乗和の中で、1番小さい二乗和を探索し、探索した二乗和に対応する移動パラメータ及び回転パラメータのそれぞれを含む行列を出力する第1の算出処理部と、
    前記第1の算出処理部から出力された行列を用いて、それぞれの反射鏡パネルの移動位置を算出する前記第2の算出処理部とを備えていることを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1の算出処理部は、繰り返し算出した複数の二乗和のそれぞれに、前記座標選別部により選別された位置座標の測定誤差に基づく重み係数を乗算し、前記重み係数を乗算した複数の二乗和の中で、1番小さい二乗和を探索し、探索した二乗和に対応する移動パラメータ及び回転パラメータのそれぞれを含む行列を前記第2の算出処理部に出力することを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1の算出処理部は、前記座標測定部における角度誤差分布の標準偏差と、前記座標測定部における距離誤差分布の標準偏差とに基づいて、前記重み係数を決定することを特徴とする請求項5記載のアンテナ装置。
  7. 前記座標測定部は、前記複数の反射鏡パネルに光を照射することで、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する光学測定装置であり、
    前記第1の算出処理部は、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点での前記光の反射強度に基づいて、前記重み係数を決定することを特徴とする請求項5記載のアンテナ装置。
  8. 送信信号を送信し、受信信号を受信する通信部と、
    前記通信部と接続されているアンテナ装置とを備え、
    前記アンテナ装置は、
    電磁波を反射させる複数の反射鏡パネルと、
    前記複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する座標測定部と、
    前記座標測定部により測定された複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する座標選別部と、
    前記座標選別部により選別された位置座標から、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する移動位置算出部と、
    前記移動位置算出部により算出されたそれぞれの移動位置に、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる複数の駆動装置と、
    前記通信部から送信された送信信号を電磁波に変換し、当該電磁波を前記複数の反射鏡パネルに向けて放射する一方、前記複数の反射鏡パネルにより反射された電磁波を受信信号に変換し、当該受信信号を前記通信部に出力する電磁波送受信部と
    を備えていることを特徴とする通信装置。
  9. 電気信号を記録する信号記録部と、
    前記信号記録部と接続されているアンテナ装置とを備え、
    前記アンテナ装置は、
    電磁波を反射させる複数の反射鏡パネルと、
    前記複数の反射鏡パネルのそれぞれの反射面における複数の点の位置座標を測定する座標測定部と、
    前記座標測定部により測定された複数の点の位置座標の中から、測定誤差が許容範囲内の位置座標を選別する座標選別部と、
    前記座標選別部により選別された位置座標から、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる位置である移動位置を算出する移動位置算出部と、
    前記移動位置算出部により算出されたそれぞれの移動位置に、前記複数の反射鏡パネルのそれぞれを移動させる複数の駆動装置と、
    前記複数の反射鏡パネルにより反射された電磁波を電気信号に変換し、当該電気信号を前記信号記録部に出力する電磁波受信部と
    を備えていることを特徴とする電磁波観測装置。
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