JP6799307B2 - 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法 - Google Patents

法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6799307B2
JP6799307B2 JP2016238314A JP2016238314A JP6799307B2 JP 6799307 B2 JP6799307 B2 JP 6799307B2 JP 2016238314 A JP2016238314 A JP 2016238314A JP 2016238314 A JP2016238314 A JP 2016238314A JP 6799307 B2 JP6799307 B2 JP 6799307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
slope
ring
lifeline
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016238314A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018093914A (ja
Inventor
孝二 内海
孝二 内海
裕之 駒走
裕之 駒走
忠寛 佐伯
忠寛 佐伯
徹 八幡
徹 八幡
暁裕 須一
暁裕 須一
泰良 藤嶋
泰良 藤嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshoku Corp
Tesac Corp
Original Assignee
Nisshoku Corp
Tesac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshoku Corp, Tesac Corp filed Critical Nisshoku Corp
Priority to JP2016238314A priority Critical patent/JP6799307B2/ja
Publication of JP2018093914A publication Critical patent/JP2018093914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6799307B2 publication Critical patent/JP6799307B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Emergency Lowering Means (AREA)

Description

本発明は、ロープで作業者の身体を保持し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業の際に用いて好適な法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法に関する。
ロープで作業者の身体を保持し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行う従来のロープ高所作業では、安全帯を取り付けた一本のメインロープのみに頼る墜落阻止措置がとられてきた(例えば特許文献1参照)。
特許第5748529号公報
しかし、上記従来の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では、ロープの結び目がほどける、ロープが切れる等のメインロープ自体に直接問題が生じ墜落した死亡災害が発生している。さらに、法面保護工事ではロープと安全帯の接続を外したことによる墜落災害も報告されている。そこでより高度な安全措置が求められているのが現状である。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業の安全性及び作業性の向上に資する法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置は、メインロープ及びライフラインと、前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具を備えている(請求項1)。
別の観点から本発明に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置は、メインロープ及びライフラインと、前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具及び前記安全帯を連結する延長ロープを備えている(請求項2)。
さらに別の観点から本発明に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置は、メインロープ及びライフラインと、前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具と、該リトラクタ式墜落阻止器具及び前記安全帯を連結するため両端にリング状部分を設けてあり、外面が樹脂で被覆された付着物拭き取り容易のための樹脂被覆型延長ロープとによって構成されている(請求項3)。
上記目的を達成するために、本発明に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法は、請求項1〜3の何れか一項に記載の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置を用いるロープ高所作業方法であって、前記ライフラインを、前記メインロープが連結される支持物とは異なる支持物に直接又は間接的に連結し、作業位置に応じ、前記継ぎ足し用ベルトを加減し、かつ、前記分岐連結体を連結する前記リング状部分を変更する(請求項4)。
本願発明では、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業の安全性及び作業性の向上に資する法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法が得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法では、継ぎ足し用ベルトの両端に設けられたリング状部分を連結具で連結することで継ぎ足せる構造としてあるため、継ぎ足し作業を容易に行える上、従来の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では発生し得た、ロープの結び目がほどけるといった事故は生じず、この点でも安全性が高まることになる。
また、上記法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法では、継ぎ足し用ベルトと分岐連結体とを用いてライフラインを構成している。ここで、分岐連結体のみを用いてライフラインを構成することもできるが、この場合、作業者は、分岐連結体の長さに対応する範囲でしか移動することができないという制限を受ける。この点、本発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法では、継ぎ足し用ベルトの継ぎ足し及び継ぎ足し用ベルトに対する分岐連結体の連結位置の変更によって作業者の可動範囲を広げることができ、それだけ作業性の向上を図ることが可能となる。
請求項1〜3に係る発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置では、ライフラインにリトラクタ式墜落阻止器具を用いる。ここで、リトラクタ式墜落阻止器具を用いず、接続器具によって安全帯に取り付けられるメインロープと同様のロープによってライフラインを構成しても安全性を高めることはできるが、作業位置を変更する際に二つの接続器具を同時に操作する必要が生じる。しかし、吹付けノズルを保持しながら行う吹付作業時には少なくとも片手はふさがるのであり、このときに空いているもう片方の手のみで二つの接続器具を操作するのは至難であり、作業性が著しく低下する恐れがある。この点、本発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法では、一つの接続器具のみを操作すればよく、安全性及び作業性の向上をともに図ることができる。
また、請求項2〜3に係る発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置では、リトラクタ式墜落阻止器具の末端に延長ロープを連結している。ここで、リトラクタ式墜落阻止器具のみを用いて分岐連結体を構成することもできるが、この場合、法面におけるモルタル等の吹付け作業時に吹付けノズルから吹き出したモルタル等がリトラクタ式墜落阻止器具のランヤードに付着すると、リトラクタ式墜落阻止器具の自動緊張機構に不具合を来す恐れがあり、このことは、安全性の低下に繋がる。また、ランヤードにモルタル等が付着しないように吹付け作業を行おうとすると、それだけ作業性が低下することになる。その上、点検の際に異物が付着しているランヤードは交換対象となるため、使用する度にランヤードに付着した異物を取り除くメンテナンスが必要となるが、このメンテナンスに係る労力も増大する。
この点、請求項2〜3に係る発明の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置では、延長ロープを設けて安全帯を装着した作業者とリトラクタ式墜落阻止器具のランヤードとを離し、ランヤードがモルタル等の吹付け範囲内に入らないようにすることにより、延長ロープにモルタル等がかかることはあってもランヤードにかからないようにすることができ、上記各問題を解決することができる。なお、延長ロープはリトラクタ式墜落阻止器具に巻き取られるものではないため、モルタル等が付着してもリトラクタ式墜落阻止器具に不具合が生じることはない。また、延長ロープとして外面が樹脂で被膜されたものを用いる(例えば樹脂被膜型アラミド繊維ロープを用いる)ことにより、モルタル等が繊維の奥まで入り込まず、その外面に付着したモルタル等を容易に拭き取ることができるので、メンテナンスが容易となり、延長ロープを長期間使用することも可能となる。
本発明の一実施の形態に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法を概略的に示す説明図である。 前記法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法の要部の構成を概略的に示す説明図である。 前記実施の形態で用いられる継ぎ足し用ベルトの構成を概略的に示す説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
本実施の形態に係る法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法は、図1に示すように、法面Nにて法面Nに吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置1を用いて行うものである。そして、この法面Nに吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置1は、メインロープ2及びライフライン3と、メインロープ2及びライフライン3に取り付けられる安全帯4とを具備している。
メインロープ2は、法面Nの法肩に存在する堅固な支持物(立木等の自然物、強度のあるアンカーバーや手すり等の人工物)5に緊結され、法面Nの谷側に向かって垂らされる。図2に示すように、このメインロープ2には、グリップ(接続器具)6が接続され、このグリップ6には2本のランヤード7が接続される。そして、各ランヤード7の先端に設けられた係止部(本例ではフック)8が、作業者Wの身体に装着された安全帯4の身体保持器具(バックサイドベルト)9の左右2箇所に設けられた被係止部(本例ではD環)10に係止することにより、作業者Wの転落防止と姿勢の安定とが図られる。作業者Wが法面N上を昇降する際は、グリップ6を操作することにより、メインロープ2におけるグリップ6の嵌合位置を調節すればよい。
ライフライン3は、図1に示すように、両端にリング状部分11を有し、連結環Kを介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分11が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルト13と、この継ぎ足し用ベルト13に設けられたリング状部分11の何れかに連結される分岐連結体14とによって構成されている。
ここで、継ぎ足し用ベルト13は、図3に示すように、合成繊維製のベルト本体13Aに、これより短い合成繊維製の短冊体13Bを複数縫合して構成されている。各短冊体13Bは折り畳まれた状態でベルト本体13Aに縫合され、縫合されない中間の折り返し部分によってリング状部分11が形成されている。なお、ベルト本体13Aの両端のリング状部分11は、ベルト本体13Aの両端に短冊体13Bを縫合することによって形成してもよいし、ベルト本体13A自体の折り返し部分によって形成(アイ加工)するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ベルト本体13Aの幅は25mm、長さは20mであり、短冊体13Bの幅は25mm、折り畳んだ状態での長さは10cmであり、短冊体13Bは1〜2m間隔でベルト本体13Aに取り付けられている。このような構成からなる継ぎ足し用ベルト13は、一本の重さが2.2kgと比較的軽いスリングベルトタイプをしており、破断荷重も30kNであって一般的な安全帯の基準(19kN以上)を満たしている。
さらに、ベルト本体13Aの内部には、外部とは色の異なる糸で構成された芯部を設けてあり、ベルト本体13Aの使用に伴って地山等でその外部が擦れて傷付くと色の異なる芯部が露出する。そのため、ベルト本体13Aの芯部の露出の有無を、継ぎ足し用ベルト13の廃棄の目安とすることができる。
他方、分岐連結体14は、図1、図2に示すように、作業者Wの通常の動作を妨げない程度の張力を常にランヤード15aに与える自動緊張機構を有するリトラクタ式墜落阻止器具(セーフティブロック)15と、リトラクタ式墜落阻止器具15及び安全帯4の胴ベルト16を連結する延長ロープ17とによって構成されている。
ここで、リトラクタ式墜落阻止器具15は、ランヤード(ワイヤー)15aを低速での引き出し可能に且つ高速での引き出し不能に収容するケース15bを備え、ランヤード15aの先端にはフック15c(図2参照)が設けられている。そして、ケース15bは、ランヤード15aが高速で引き出されようとしたときには図外の自動ロック装置によりロックがかかるように構成されているので、作業者Wが例えば足を滑らせた際にはこの自動ロック装置が働き、墜落が阻止される。
また、図2に示すように、延長ロープ17は、両端にリング状部分18を有し、一端(上端)は、連結環Kを介してリトラクタ式墜落阻止器具15のフック15cに連結され、他端(下端)は、連結環Kを介して安全帯4の胴ベルト16に設けられた被連結部(本例ではD環)19に連結される。なお、延長ロープ17は、樹脂被覆型の高強度繊維(例えば、アラミド,HMPE(超高分子量ポリエチレン),ポリアリレート,PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)など)ロープであり、アイ加工によって両端にリング状部分18が形成されている。
また、図1に示すように、本実施形態では、二本の継ぎ足し用ベルト13が連結環Kを介して連結され、上側の継ぎ足し用ベルト13の先端(上端)は、連結環K及び支持ロープ(例えば、径18mm、長さ20m、重さ約4.4kgの綱)12を介して支持物5に連結されている。すなわち、この支持ロープ12は、メインロープ2が連結されている支持物5とは異なる支持物5に一端(上端)が連結(緊結)され、他端(下端)に例えばアイ加工によってリング状部分12aが設けられ、このリング状部分12aに連結環Kを介して上側の継ぎ足し用ベルト13が連結される。そして、上側の継ぎ足し用ベルト13の中間部または端部にあるリング状部分11に、連結環Kを介して分岐連結体14のリトラクタ式墜落阻止器具15のケース15bが連結される。なお、本実施形態のケース15bには、連結環Kによる連結が可能な図外の被連結部が設けられているが、これに限らず、例えば継ぎ足し用ベルト13のリング状部分11とケース15bとを連結環Kを介さずに直接連結することができるように構成してあってもよい。
安全帯4は、メインロープ2が取り付けられる身体保持器具9と、ライフライン3が取り付けられる胴ベルト16と、身体保持器具9及び胴ベルト16を連結する連結ベルト20とによって構成された傾斜面用ハーネスである(図2参照)。身体保持器具9は、主として作業者Wの臀部を広範囲に覆って支持し、胴ベルト16は作業者Wの胴回りに装着され、それぞれバックルにより作業者Wに固定される。
上記の構成からなる安全帯4を用いる本実施形態の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では、メインロープ2及びライフライン3を相互に異なる支持物5に連結しておく。そして、作業者Wは、昇降する際には、グリップ6を操作して、メインロープ2におけるグリップ6の接続位置を調節・変更すればよい。
一方、ライフライン3については、継ぎ足し用ベルト13のリング状部分11の一つに分岐連結体14が連結されていて、作業者Wが分岐連結体14のケース15bに接近するのに伴ってランヤード15aがケース15b内に巻き込まれ、作業者Wがケース15bから離間するのに伴ってランヤード15aがケース15bから引き出されるように構成されている。そのため、作業者Wの作業位置の変更が、ケース15bから引き出し可能なランヤード15aの長さに対応する可動範囲内に収まる場合には、ライフライン3に関する操作は不要である。また、作業者Wが、上記可動範囲を超え、さらにケース15bの位置を動かしても到達することのできない位置に移動しようとするような場合には、その作業位置に応じて、分岐連結体14を連結するリング状部分11を変更し、必要であれば、継ぎ足し用ベルト13を加減すればよい。そして、継ぎ足し用ベルト13は、連結環Kを介して複数継ぎ足し可能に構成されているものであるので、その加減自体は非常に簡易に行うことができる。
本実施形態の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では、メインロープ2とライフライン3とを用いる。ここで、ライフライン3を用いずにメインロープ2を二つにしても安全性を高めることはできるが、作業位置を変更する際に二つのグリップ6を同時に操作する必要が生じる。しかし、例えば図1に示すように、吹付けノズル21を抱えて行う吹付作業時には少なくとも片手はふさがるのであり、このときに二つのグリップ6を操作するのは至難であり、作業性が著しく低下する恐れがある。この点、本実施形態の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では、一つのグリップ6のみを操作すればよく、安全性及び作業性の向上をともに図ることができる。また、メインロープ2ライフライン3の継ぎ足し用ベルト13の外観を異ならせておくことにより、両者2,13を取り違えるミスを防止することもできる。
また、本実施形態のライフライン3では、継ぎ足し用ベルト13と分岐連結体14とを用いている。ここで、分岐連結体14のみを用いてライフライン3を構成することは可能であるが、この場合、作業者Wは、ケース15bから引き出し可能なランヤード15a及び延長ロープ17の長さに対応する範囲でしか移動することができないという制限を受ける。また、法長が長い現場ではランヤード15aの長いリトラクタ式墜落阻止器具15を用いる必要があるが、ランヤード15aが長くなるほどリトラクタ式墜落阻止器具15は高価になり重くもなる。この点、本実施形態のライフライン3では、継ぎ足し用ベルト13の継ぎ足し及び継ぎ足し用ベルト13に対する分岐連結体14の連結位置の変更によって作業者Wの可動範囲を広げることが可能であり、法長が長い現場でも、継ぎ足し用ベルト13の継ぎ足しによって対応することができるので、ランヤード15aが比較的短く、低価格で軽量なリトラクタ式墜落阻止器具15を用いることもできる。なお、ランヤード15aや継ぎ足し用ベルト13としては、法面Nの法長等に応じた長さのものを用いればよい。
さらに、リトラクタ式墜落阻止器具15のみを用いて分岐連結体14を構成することは可能であるが、この場合、法面におけるモルタル等の吹付け作業時に吹付けノズル21から吹き出したモルタル等がリトラクタ式墜落阻止器具15のランヤード15aに付着すると、リトラクタ式墜落阻止器具15の自動緊張機構に不具合を来す恐れがあり、このことは、安全性の低下に繋がる。また、ランヤード15aにモルタル等が付着しないように吹付け作業を行おうとすると、それだけ作業性が低下することになる。その上、点検の際に異物が付着しているランヤード15aは交換対象となるため、使用する度にランヤード15aに付着した異物を取り除くメンテナンスが必要となるが、このメンテナンスに係る労力も増大する。
しかし、本実施形態のライフライン3では、延長ロープ17を設けて安全帯4を装着した作業者Wとランヤード15aとを離し、ランヤード15aがモルタル等の吹付け範囲内に入らないようにすることにより(図2参照)、延長ロープ17にモルタル等がかかることはあってもランヤード15aにかからないようにすることができ、上記各問題を解決することができる。なお、延長ロープ17はリトラクタ式墜落阻止器具15に巻き取られるものではないため、モルタル等が付着してもリトラクタ式墜落阻止器具15に不具合が生じることはない。また、延長ロープ17として外面が樹脂で被膜されたものを用いることにより、モルタル等が繊維の奥まで入り込まず、その外面に付着したモルタル等を容易に拭き取ることができるので、メンテナンスが容易となり、延長ロープ17を長期間使用することも可能となる。
延長ロープ17の好ましい長さは、吹付作業時のモルタル等が吹付けノズル21の先から飛散する範囲から考慮すると、1.0〜5.0m程度、より好適には2.0〜3.0m程度である。延長ロープ17を上記範囲より短くすると、モルタル等がランヤード15aにかかる恐れがある。また、延長ロープ17を上記範囲より長くすると、リトラクタ式墜落阻止器具15の自動緊張機構の許容範囲を逸脱してライフライン3の全体に適度な張力が働かなくなって弛みが生じる恐れがあり、この弛みが大きくなるほど作業者Wの墜落し得る距離が伸びるため、安全性の低下に直結する。そして、この弛み防止の点から、延長ロープ17は高強度であるだけでなく軽量であることも重要であり、例えば長さが3mで約500gの重量しかない株式会社テザックのハイテクロンSロープ(商品名)等の軽量な樹脂被膜型の高強度アラミド繊維ロープを延長ロープ17として使用することが好ましい。
また、本実施形態のライフライン3では、継ぎ足し用ベルト13の両端に設けられたリング状部分11を連結環Kで連結することで継ぎ足せる構造としてあるため、継ぎ足し作業を容易に行える上、従来の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法では発生し得た、ロープの結び目がほどけるといった事故は生じず、この点でも安全性が高まることになる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
上記実施形態には、開閉可能なゲートが設けられたリング状の器具である連結環(カラビナ)Kを用いる連結方法を示しているが、この連結環Kを用いる連結箇所において、他の連結具を用いたり、連結環Kの連結対象どうしを直接連結可能に構成したりしてもよい。例えば、上記実施形態では、連結環Kを介してリトラクタ式墜落阻止器具15のフック15cと延長ロープ17の一端(リング状部分18)を連結しているが、連結環Kを介さずに両者15c、18を直接連結するようにしてもよい。
図1には、ライフライン3の継ぎ足し用ベルト13を、支持物5に対し、支持ロープ12及び連結環Kを介して間接的に連結する例を示しているが、これに限らず、例えば、支持ロープ12を用いずに連結環Kのみを介して継ぎ足し用ベルト13を支持物5に連結したり、継ぎ足し用ベルト13を支持物5に直接連結(緊結)したりしてもよい。
上記実施形態では、安全帯4として、図2に示す傾斜面用ハーネスを用いているが、これに限らず、作業内容等に応じて垂直面用ハーネス等、種々の構成のものを用いるようにしてもよい。
図2に示すように、作業者Wの作業範囲内には、メインロープ2とライフライン3の延長ロープ17とが存在し得るのであり、図2に示す例では、これらのロープを束ねるといったことはしていないので、作業時に邪魔になり易い。
そこで、リトラクタ式墜落阻止器具15と延長ロープ17とを連結する連結環K、延長ロープ17と安全帯4とを連結する連結環K又はリトラクタ式墜落阻止器具15のフック15cの少なくとも何れか一つにメインロープ2を通してメインロープ2とライフライン3とを束ね、作業範囲をより広範に確保するようにしてもよい。特に、リトラクタ式墜落阻止器具15と延長ロープ17とを連結する連結環K又はフック15cの何れか一方と、延長ロープ17と安全帯4とを連結する連結環Kとにメインロープ2を通し、メインロープ2とライフライン3の延長ロープ17とを略平行状態にすれば、作業範囲を非常に広範囲に確保することができるので好ましい。
また、このようにメインロープ2とライフライン3とを束ねる構成に代えて、あるいはこの構成に加えて、メインロープ2におけるグリップ6よりも山側部分又は谷側部分の何れか一方又は両方と、延長ロープ17とを束ねる筒状カバー(図示していない)を設けるという構成を採用すれば、メインロープ2において筒状カバーで覆われた部分に対するモルタル等の付着を防止することもできる。ここで、筒状カバーは、例えば合成樹脂等で筒状に成形されたものでもよいし、一枚のシート状に成形され、表面の一端と裏面の他端とに設けられ相互に係合する係合部(例えば面ファスナーやボタン等)どうしを係合させることで筒状になるように構成されたものであってもよい。
また、筒状カバーは作業者Wの作業範囲内に配置してあることが好ましく、メインロープ2に沿って移動可能であっても、グリップ6や連結環Kを乗り越えて作業者Wから離れた位置に移動しないように構成してあれば、筒状カバーを作業範囲内に位置させておくことができる。但し、これに限らず、例えば適宜の連結手段により筒状カバーを安全帯4、グリップ6、連結環Kの何れかに連結し、筒状カバーの移動範囲を制限するようにしてもよい。
図3に示す継ぎ足し用ベルト13では、ベルト本体13Aに縫合された短冊体13Bの縫製部(リング状部分11を除いた部分)から縫製糸が露出することになるが、例えば面ファスナー式のパットや筒形のパット等で縫製部を着脱自在に覆うことによって、地山等との接触を避けることができ、パットを外せば縫製部を容易に点検することもできる。
ベルト本体13Aの表裏は同じ色にしてあってもよいが、表と裏の色を変え、目視でベルト本体13Aのねじれをすぐに確認することができるようにしてもよく、この場合、ベルト本体13Aのねじれを容易に解消することができ、使用上における安全性が高まる。
また、短冊体13Bの色をベルト本体13Aの色と異ならせたり、リング状部分11を設けた箇所にベルト本体13Aとは異なる色の布等を巻いたりするなどして色分けすることで、リング状部分11の位置を瞬時に判別することができるようにすれば、分岐連結体14をリング状部分11に取り付ける作業を行い易くすることができる。
また、継ぎ足し用ベルト13は、合成繊維製であることからその表面に凹凸があり、法面N上での吹付け作業時に用いられるモルタル等が付着して取れなくなる可能性があるが、表面を樹脂加工することや熱処理することで平滑にすれば、モルタル等が付着し難くすることができる。
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 ロープ高所作業用装置
2 メインロープ
3 ライフライン
4 安全帯
5 支持物
6 グリップ
7 ランヤード
8 係止部
9 身体保持器具
10 被係止部
11 リング状部分
12 支持ロープ
12a リング状部分
13 継ぎ足し用ベルト
13A ベルト本体
13B 短冊体
14 分岐連結体
15 リトラクタ式墜落阻止器具
15a ランヤード
15b ケース
15c フック
16 胴ベルト
17 延長ロープ
18 リング状部分
19 被連結部
20 連結ベルト
21 吹付けノズル
K 連結環
N 法面
W 作業者

Claims (4)

  1. メインロープ及びライフラインと、
    前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、
    前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具を備えていることを特徴とする法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置。
  2. メインロープ及びライフラインと、
    前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、
    前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具及び前記安全帯を連結する延長ロープを備えていることを特徴とする法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置。
  3. メインロープ及びライフラインと、
    前記メインロープ及び前記ライフラインに取り付けられる安全帯とを具備し、法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置であって、
    前記メインロープと同時併用する前記ライフラインは、両端にリング状部分を有し、連結具を介して複数継ぎ足し可能に構成され、中間部分にも複数のリング状部分が長さ方向に間隔をあけて設けられた継ぎ足し用ベルトと、前記リング状部分の何れかに連結される分岐連結体とを具備するとともに、前記分岐連結体が、リトラクタ式墜落阻止器具と、該リトラクタ式墜落阻止器具及び前記安全帯を連結するため両端にリング状部分を設けてあり、外面が樹脂で被覆された付着物拭き取り容易のための樹脂被覆型延長ロープとによって構成されていることを特徴とする法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置を用いるロープ高所作業方法であって、前記ライフラインを、前記メインロープが連結される支持物とは異なる支持物に直接又は間接的に連結し、作業位置に応じ、前記継ぎ足し用ベルトを加減し、かつ、前記分岐連結体を連結する前記リング状部分を変更することを特徴とする法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業方法。
JP2016238314A 2016-12-08 2016-12-08 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法 Active JP6799307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016238314A JP6799307B2 (ja) 2016-12-08 2016-12-08 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016238314A JP6799307B2 (ja) 2016-12-08 2016-12-08 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018093914A JP2018093914A (ja) 2018-06-21
JP6799307B2 true JP6799307B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=62632086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016238314A Active JP6799307B2 (ja) 2016-12-08 2016-12-08 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6799307B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6987089B2 (ja) * 2018-09-27 2021-12-22 Mogコンサルタント株式会社 高所作業方法
CN114425131A (zh) * 2021-12-27 2022-05-03 大连橡胶塑料机械有限公司 一种高空作业挂点工装

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09250237A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Sekisui Chem Co Ltd 屋根上作業用足場装置とその足場装置の組立方法
JP3034574U (ja) * 1996-08-09 1997-02-25 藤井電工株式会社 ベルト巻取式墜落防止装置
JP2002070017A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Matsuo Kogyo Kk 法面作業方法及びこれに用いる法面作業安全帯
JP4138632B2 (ja) * 2003-11-10 2008-08-27 日本電信電話株式会社 屋根上作業方法および屋根上作業に用いる器具
CN205494731U (zh) * 2016-01-30 2016-08-24 国网技术学院 杆塔防坠落装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018093914A (ja) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5456798B2 (ja) 安全ハーネス
US8312965B2 (en) Belay and abseiling apparatus for single or double rope
US20060011415A1 (en) Devices, systems and methods for emergency descent from a height
JP6799307B2 (ja) 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法
KR101288774B1 (ko) 안전조끼가 착탈 가능한 추락방지용 안전벨트 구조
KR100626420B1 (ko) 고소작업용 충격흡수 안전벨트
US20070114095A1 (en) Positioning and safety lanyard device and associated method of use
US1409702A (en) Safety device for use in window cleaning and other exposed positions
JP6055582B2 (ja) 落下防止安全装置及び落下防止安全方法
JP6733884B2 (ja) ハーネス型安全帯
JP6549463B2 (ja) 傾斜面用ランヤードのグリップ及び安全対策装備並びに傾斜面作業における二重安全対策方法
JP6798688B2 (ja) 法面に吹付け作業を施して法面保護工事を行うロープ高所作業用装置及びロープ高所作業方法
CN111714804A (zh) 安全带
JP2004141480A (ja) ハーネス型安全帯
US11241351B1 (en) Fireman's carry harness
JP4420802B2 (ja) 樹上作業の墜落防止方法
JP2005185598A (ja) 安全帯
JP6063699B2 (ja) 樹上作業体勢安定確保方法
JP6899197B2 (ja) 安全装置
JP4333927B1 (ja) 樹木昇降用安全帯
CN213823238U (zh) 一种用于电力设备检修的防滑安全带
JP6683317B2 (ja) 墜落防止装置
JP6263688B2 (ja) 樹上作業の墜落防止方法
JPH11104257A (ja) ハーネス型安全帯
JP5102472B2 (ja) 安全ベスト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6799307

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250