JP6795755B2 - 加熱処理装置 - Google Patents
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Description
このような加熱処理装置においては、例えばハンバーグや魚等の食材を加熱処理すると、加熱された食材の一部がコンベヤの載置面に付着してしまうため、定期的にコンベヤに付着した食材を除去する必要がある。ここで、食材の魚がコンベヤに付着するということは、魚の身が剥がれるということであり、コンベヤに身の一部が付着した状態で次に加熱される魚が載置されると、その魚がコンベヤに付着して身が損傷し不良品が発生する恐れがある。そのため、従来の加熱処理装置においては、洗浄領域においてコンベヤに洗浄水を噴射して洗浄するようにしている。
上記函体内の下方に洗浄水を貯溜した貯水槽を形成し、上記コンベヤにおける下方側の搬送経路を上記貯水槽の洗浄水に浸漬させるように構成するとともに、
上記函体の外に洗浄液を噴射する洗浄ノズルと洗浄液を回収する回収槽とを設け、上記貯水槽から出た後の上記函体の外において下方側の搬送経路のコンベヤに向けて上記洗浄ノズルにより洗浄液を噴射するようにしたものである。
上記2つの加熱室7A、7Bを区画する区画壁2Cの下端部2Caは、函体2の底壁2Dから離隔させて所定高さに位置させてあり、それにより、入口室6、加熱室7A、7B及び出口室8の下方側の空間が連通している。そして、本実施例においては、函体2内の下部となる、底壁2Dの隣接上方の連通する空間が、洗浄水11を貯溜する貯水槽12となっている。図示しない洗浄水11の供給源と供給通路を介して、貯水槽12内には上記区画壁2Cの下端部2Caより少し低い位置まで洗浄水11が貯溜されている。なお、洗浄水11としては、清水を用いている。
上記各区画壁2Cには、上記入口2Aと出口2Bの高さと大きさに合わせて開口2Eをそれぞれ形成してあり、それにより、上記コンベヤ3は、入口2A、各開口2E及び出口2Bを貫通して配置されている。
供給通路14の各分岐管14Aには、電磁開閉弁15が配置されており、図示しない制御手段によって各分岐管14Aの電磁開閉弁15を開閉させることにより、所要時に各加熱ノズル5から過熱蒸気を噴射させるようになっている。それにより、コンベヤ3の上下位置の加熱ノズル5から食材4に過熱蒸気が噴射されるとともに、加熱室7A、7B内が所要の温度まで加熱されるようになっている。
コンベヤ3は、上流側端部3Aと下流側の端部3Bに配置された左右2対のスプロケット21と、それらにわたって架け渡された左右一対の無端状チェーン22、22と、これら左右一対の無端状チェーン22,22にわたって搬送方向において当ピッチで架け渡された多数のステンレス棒23とを備えている(図1、図3参照)。そして、上記スプロケット21が図示しないモータに連動して回転されると、無端状チェーン22、つまりコンベヤ3が矢印方向に循環走行されるようになっている。
他方、下流側の端部3Bで下方へ反転された後の下方側の搬送経路となるコンベヤ3(無端状チェーン22)は、出口2Bから出口室8内に導入されてから函体2の底壁2Dに沿って各区画壁2Caの下端部2Ca通って各加熱室7B、7A、入口室6内を経由し、さらに、入口2Aから函体2の外部へ引き出されている。さらに、その後、コンベヤ3は、連通路27の上方を通過して回収槽28内を経由して上流側の端部3Aのスプロケット21により上方に向けて反転されて、上方側の搬送経路に復帰するようになっている。
出口室8内及び入口室6内の下方側には、同じ高さで2本の係合ローラ24,24を回転自在に設けてあり、それらを下方側の搬送経路のコンベヤ3に上方から押し付けて係合させている。これにより、下方側の搬送経路となるコンベヤ3のほとんどの領域が、貯水槽12に貯溜された洗浄水11の内部に浸漬されるようになっている。そして、このようにコンベヤ3が貯水槽12の洗浄水11内に浸漬されることで、載置面となる各ステンレス棒23に食材4の一部が付着している場合には、コンベヤ3が洗浄水11内を走行されることに伴ってステンレス棒23から食材4が脱落するか、又はふやけて脱落しやすい状態となるようにしている。
函体2の底壁2D、つまり貯水槽12の底部は、コンベヤ3の搬送方向中央側の深さが両端部側よりも浅くなるように構成されている。そして、貯水槽12の底部の上記出口2B側と入口2A側の2箇所に排出パイプ25、25が設けられており、各排出パイプ25に常閉の開閉弁26が設けられている。加熱処理作業の終了後に作業者が開閉弁26を開放させることで、貯水槽12に貯溜された洗浄水11を排出させるようになっている。
本実施例においては、貯水槽12の洗浄水11に浸漬された後に貯水槽12から出てきたコンベヤ3に向けて洗浄ノズル16から洗浄液17を噴射することで、コンベヤ3に付着した食材3を効率的に洗い流すことができるようにしている。
回収槽28内の下方側に係合ローラ31を回転自在に配置してあり、その係合ローラ31によってコンベヤ3を回収槽28内の所定深さ位置まで押し下げてあり、それによって係合ローラ31に係合された直後のコンベヤ3が実質的に鉛直方向に立ち上がるようになっている。そのように略鉛直方向に立ち上がったコンベヤ3を前後両側から挟むように回収槽28内に洗浄ノズル16が配置されている。
図2、図3に示すように、洗浄ノズル16は、同じ高さでコンベヤ3の幅方向に配置された一対のパイプ16Aと、このパイプ16Aに等ピッチで設けられた複数の噴射口16Bとを備えており、洗浄液17の供給源34からパイプ16Aを介して各噴射口16Bから洗浄液17を噴射することができる。その際に、噴射口16Bから噴射される洗浄液17は扇状に広がってコンベヤ3に噴射されるので、コンベヤ3の幅方向の全域を洗浄できるようになっている。
連通路27は、断面コ字形の樋状に形成されて回収槽28の側壁と入口2Aが形成された壁部の開口とを接続している。
上記洗浄ノズル16からコンベヤ3に洗浄液17が噴射される際に、洗浄後の洗浄液17は回収槽28に回収されるようになっており、さらに、回収槽28内に洗浄液17が所定量以上溜まると連通路27を介して貯水槽12に流入するようになっている。なお、洗浄液17として清水を使用している。
このように、本実施例においては、函体2内の下方に洗浄水11を貯溜した貯水槽12が設けられており、貯水槽12の洗浄水11内に戻り側となるコンベヤ3の下方側の搬送経路が浸漬されており、さらに、浸漬された後のコンベヤ3に対して洗浄ノズル16から洗浄液17が噴射される構成となっている。
まず、運転開始時のコンベヤ3が作動されていない状態において、函体2内の貯水槽12に洗浄水11が所定の高さまで貯水される。
その後、図示しない制御手段により各分岐管14Aの電磁開閉弁15を開放させてから過熱蒸気供給手段13により各加熱室7A、7Bの加熱ノズル5から過熱蒸気を噴射して加熱室7A、7B内を所定温度まで上昇させる。例えば、処理対象となる食材4が魚の切り身であって、加熱ノズル5から噴射する過熱蒸気の温度が250℃とすると、食材4を供給してコンベヤ3の運転を開始するまでの間に予め加熱室を250℃に昇温させるようにしている。この昇温時間に40分程を要するので、加熱室7A、7Bが昇温されるまでの間に貯水槽12内の洗浄水11が60℃程に昇温されるようになっている。
加熱室7A、7B内の温度が上記所定温度に到達するとコンベヤ3が作動されるので、コンベヤ3が矢印方向に循環走行される。食材4は、作業者もしくは自働で入口2A側となるコンベヤ3上に載置されるようになっている。そして、コンベヤ3が矢印方向に走行されることに伴って、上方側の搬送経路となるコンベヤ3上の食材4は入口2Aから函体2内に搬入された後に、各加熱室7A、7B内を搬送されるとともに加熱ノズル5により上下から過熱蒸気が噴射されることにより加熱処理が行われる。その後、コンベヤ3の走行に伴って、食材4は出口2Bから函体2の外部へ搬出されるようになっており、搬出された食材4は作業者もしくは自働でコンベヤ3から取り出されるようになっている。
コンベヤ3の作動が開始されてから所定時間が経過すると、洗浄ノズル16から洗浄液17が噴射されるとともに、その後、洗浄液17の噴射が継続される。そのため、貯水槽12内を走行してきたコンベヤ3は、入口室6の洗浄水11から上部空間内に出た後に、入口2Aを介して函体2の外部に出てから連通路27上を通過して回収槽28内を通過する際に、上記洗浄ノズル16によって洗浄液17が噴射される。
前述したように、洗浄水11内に浸漬されてきたことにより、コンベヤ3のステンレス棒23に付着した食材4はふやけて脱落しやすい状態となっているので、各ステンレス棒23に付着していた食材4は洗浄ノズル16から噴射された洗浄液17によって容易に剥がれて完全に洗い流される。
洗浄ノズル16から噴射された洗浄液17及び洗い落とされた残滓は、回収槽28内に回収されるようになっており、回収槽28内に所定量以上洗浄液17が溜まると、連通路27を介して貯水槽12へ洗浄液17が流入するようになっている。
このような第2実施例においても上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。そして、この第2実施例では、予備洗浄機能を有する第2の洗浄ノズル116を備えていることにより、上記第1実施例よりも高い洗浄能力を得ることが可能である。
また、上記実施例においては、洗浄水11及び洗浄液17として清水を用いているが、食材4を汚染しない薬液を清水に混合させて、それを洗浄水17及び洗浄液17として使用してもよい。
さらに、上記実施例では過熱蒸気により食材を加熱処理していたが、過熱蒸気の代わりに加熱エアやマイクロ波など他の加熱媒体を用いてもよい。
3‥コンベヤ 4‥食材
5‥加熱ノズル 11‥洗浄水
13‥過熱蒸気供給手段 16‥洗浄ノズル
17‥洗浄液
Claims (4)
- 加熱手段が内部に配置された函体と、上方側の搬送経路と下方側の搬送経路を循環走行されるとともに、上方側の搬送経路で食材を載置して函体内を搬送するコンベヤとを備えて、コンベヤが搬送する食材に加熱処理を行う加熱処理装置において、
上記函体内の下方に洗浄水を貯溜した貯水槽を形成し、上記コンベヤにおける下方側の搬送経路を上記貯水槽の洗浄水に浸漬させるように構成するとともに、
上記函体の外に洗浄液を噴射する洗浄ノズルと洗浄液を回収する回収槽とを設け、上記貯水槽から出た後の上記函体の外において下方側の搬送経路のコンベヤに向けて上記洗浄ノズルにより洗浄液を噴射することを特徴とする加熱処理装置。 - 上記加熱手段は、過熱蒸気を噴射する複数の加熱ノズルであることを特徴とする請求項1に記載の加熱処理装置。
- 上記コンベヤの下方側の搬送経路における上記貯水槽よりも下流側の位置であって、かつ、上記函体の入口に近い位置に、上記洗浄ノズルを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱処理装置。
- 上記コンベヤの上方側の搬送経路における下流側の端部で下方側の搬送経路へ反転されてから上記貯水槽に浸漬されるまでの間の位置に、コンベヤに向けて洗浄液を噴射する第2の洗浄ノズルを設けたことを特徴とする請求項3に記載の加熱処理装置。
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