JP6794821B2 - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本明細書は、複数個のオブジェクトを示す複数個のオブジェクトデータを含む画像データに対する画像処理に関する。
特許文献1には、プリンタにて、複数個のオブジェクトを含む印刷ジョブを処理する技術が開示されている。この技術では、透過、合成属性値を持つαブレンドオブジェクトは、RGB色空間のデータに変換される。そして、RGB色空間にてαブレンドオブジェクトの合成が行われる。
特開2007−208531号公報
しかしながら、上記技術では、常にRGB色空間にて、オブジェクトの合成が行われる。このために、例えば、オブジェクトで用いられる変換前の色空間によっては、合成の前に行われるRGB色空間のデータへの変換処理において、オブジェクトの画質が低下する可能性があった。
本明細書は、透過度データを用いて合成画像を示す合成画像データを生成する画像処理において、オブジェクトの画質の低下を抑制する技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]画像処理装置であって、第1のオブジェクトと、前記第1のオブジェクトが出力される際に、出力される領域が前記第1のオブジェクトと重なる重畳部分を含む第2のオブジェクトと、を含む対象画像を示す対象画像データを取得する取得部であって、前記対象画像データは、前記第1のオブジェクトを示す第1のオブジェクトデータと、前記第2のオブジェクトを示す第2のオブジェクトデータと、を含み、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータと、の少なくとも一方は、透過度を示す透過度データを含む、前記取得部と、前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間とが異なる場合に、使用色空間を決定する決定部と、前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の両方が前記使用色空間になるように、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方に対して、色空間を変換するための変換処理を実行する第1の変換部と、前記変換処理後に、前記使用色空間にて、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータと前記透過度データとを用いて合成処理を実行することによって、前記使用色空間を用いて合成画像を示す合成画像データを生成する合成部と、を備え、前記決定部は、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方を用いて算出される評価値であって、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの少なくとも一方に含まれる特定の色成分の量を示す前記評価値が、第1の値である場合には、前記使用色空間を第1の色空間に決定し、前記評価値が、前記第1の値より前記特定の色成分の量が少ないことを示す第2の値である場合には、前記使用色空間を前記第1の色空間とは異なる第2の色空間に決定する、画像処理装置。
上記構成によれば、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの少なくとも一方に含まれる特定の色成分の量を示す評価値が、第1の値である場合には、使用色空間は、第1の色空間に決定され、該評価値が、第1の値より小さな第2の値である場合には、使用色空間は、第2の色空間に決定される。この結果、適切な使用色空間が決定されるので、透過度データを用いて合成画像を示す合成画像データを生成する画像処理において、オブジェクトの画質の低下を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷装置、印刷方法、画像処理方法、これら装置の機能または上記方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
端末装置と印刷装置との構成を示すブロック図である。 印刷処理のフローチャートである。 対象画像の一例を示す図である。 対象画像データIDを概念的に示す図である。 CMYK画像データ生成処理のフローチャートである。 使用色空間決定処理のフローチャートである。 CMYK値をRGB値に変換する処理のフローチャートである。
A.実施例:
A−1:画像処理装置の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、端末装置100と、実施例における画像処理装置としての印刷装置200と、の構成を示すブロック図である。
印刷装置200は、印刷装置200のコントローラとしてのCPU210と、RAMなどの揮発性記憶装置220と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置230と、液晶ディスプレイなどの表示部240と、液晶パネルと重畳されたタッチパネルやボタンなどの操作部250と、通信インタフェース(IF)270と、印刷実行部280と、を備えている。印刷装置200は、通信インタフェース270を介して、端末装置100などの外部装置と通信可能に接続される。通信インタフェース270は、例えば、USBインタフェース、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェースである。
揮発性記憶装置220は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置230には、コンピュータプログラムPGが格納されている。揮発性記憶装置220や不揮発性記憶装置230は、印刷装置200の内部メモリである。
コンピュータプログラムPGは、印刷装置200の製造時に不揮発性記憶装置230に予め格納されて提供され得る。これに代えて、コンピュータプログラムPGは、例えば、インターネットを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態、あるいは、CD−ROMなどに記録された形態で提供され得る。CPU210は、コンピュータプログラムPGを実行することにより、後述する印刷処理を実行する。
印刷実行部280は、本実施例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4種類のインクを、色材として用いてカラー画像を印刷可能なインクジェット方式の印刷機構である。これに代えて、印刷実行部280は、色材としてトナーを用いてカラー画像を印刷可能なレーザ方式の印刷機構であっても良い。
端末装置100は、印刷装置200のユーザが利用する計算機であり、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォンである。端末装置100は、印刷装置200の製造者によって提供されるドライバプログラムを実行することによって、印刷装置200のためのプリンタドライバとして動作する。例えば、端末装置100は、プリンタドライバとして、印刷装置200に印刷指示を送信して、印刷装置200に印刷を実行させることができる。
A−2:印刷処理
図2は、印刷処理のフローチャートである。この印刷処理は、対象画像データを用いて、印刷実行部280に、対象画像を印刷させる処理である。この印刷処理は、印刷装置200のCPU210によって実行される。この印刷処理は、印刷装置200が、例えば、操作部250や端末装置100を介して、ユーザの印刷指示を取得した場合に、開始される。
S10では、CPU210は、印刷すべき対象画像を示す対象画像データを取得する。対象画像データは、例えば、不揮発性記憶装置230に格納された複数個の画像データの中から、ユーザの指定に基づいて選択される画像データである。あるいは、対象画像データは、端末装置100から印刷指示とともに送信される画像データである。
本実施例では、対象画像データは、例えば、特定のページ記述言語で記述された1以上のページ画像データを含む文書ファイルである。具体的には、対象画像データは、PDF(Portable Document Formatの略)と呼ばれるファイルフォーマットに従って記述された、いわゆるPDFファイルである。
図3は、対象画像の一例を示す図である。図3(A)の対象画像OIは、3個のオブジェクトOb1〜Ob3を含んでいる。図3(B)には、3個のオブジェクトOb1〜Ob3のそれぞれが分離して図示されている。以下では、対象画像データは、図3(A)の対象画像OIを示す1個のページ画像データを含むPDFファイルであるとして、説明する。変形例としては、対象画像データは、複数個の対象画像を示す複数個のページ画像データを含んでも良い。この場合には、図2のS20〜S50の処理が、ページ画像データの数だけ繰り返し実行される。
図4は、図3(A)の対象画像OIを示す対象画像データID(本実施例では、PDFファイル)を概念的に示す図である。この対象画像データIDは、図3(B)の3個のオブジェクトOb1〜Ob3を示す3個のオブジェクトデータOD1〜OD3を含んでいる。オブジェクトOb1〜Ob3は、例えば、写真、文字、描画(イラスト、表、線図、模様など)を含み得る。オブジェクトデータOD1〜OD3は、それぞれ、独立したデータである。
各オブジェクトデータは、オブジェクトを定義するための情報を含む。具体的には、オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトが写真である場合には、写真を構成する複数個の画素の色を画素ごとに示すラスタデータを含み、オブジェクトが文字である場合には、文字の色、サイズ、種類を示すテキストデータを含み、オブジェクトが描画である場合には、該描画の色や形状を定義するベクトルデータを含む。オブジェクトデータは、さらに、オブジェクトを表現する際に用いられる色空間を示す色空間情報と、ページ画像内における位置やサイズ等を示す情報と、を含む。用いられる色空間は、例えば、デバイスに依存する機器依存色空間であるRGB色空間、CMYK色空間、デバイスに依存しない機器独立色空間であるCIELAB色空間、CIEXYZ色空間などが用いられ得る。
さらに、オブジェクトが、他のオブジェクトと、透過度に従って合成される場合には、オブジェクトデータは、合成する際の透過度を示す透過度データを含む。すなわち、該オブジェクトデータには、透過度データが関連付けられている。透過度データは、合成すべき2以上のオブジェクトの少なくとも重畳部分の透過度を示すデータである。透過度データは、例えば、0以上1以下の値(α値と呼ばれる)を画素ごとに規定する公知のデータ(αチャンネルと呼ばれる)である。透過度(α値)が0であることは、完全に透明であることを意味し、透過度が1であることは、完全に不透明であることを意味している。そして、透過度が0に近いほど、透明に近く、透過度が1に近いほど、不透明に近くなる。対象画像データにおいて、互いに合成される複数個のオブジェクトを示す複数個のオブジェクトデータは、一つのグループ(透明グループとも呼ぶ)を構成するように、互いに関連付けられている。透過度に従って、合成されるオブジェクトを、透明オブジェクトとも呼び、透明オブジェクトを示すオブジェクトデータを透明オブジェクトデータとも呼ぶ。なお、本実施例の透過度データTD1、TD2(後述)は、完全に透明でなく、かつ、完全に不透明でないことを示す透過度(0より大きく、かつ、1より小さいα値)を少なくとも一部の画素について規定している。
図3(A)、図3(B)の例では、第1のオブジェクトOb1と第2のオブジェクトOb2とは透明オブジェクトである。すなわち、第1のオブジェクトOb1と第2のオブジェクトOb2とは、対象画像OIが出力(例えば、印刷や表示)される際に、出力される領域が互いに重畳する重畳部分を含んでおり、互いに合成されるべき2個のオブジェクトである。このために、第1のオブジェクトOb1を示す第1のオブジェクトデータOD1は、透過度データTD1を含み、第2のオブジェクトOb2を示す第2のオブジェクトデータOD2は、透過度データTD2を含んでいる。そして、第1のオブジェクトデータOD1と第2のオブジェクトデータOD2は、1つの透明グループTGを構成するように、互いに関連付けられている。
図3(A)、図3(B)の例では、第3のオブジェクトOb3は、透明オブジェクトではなく、他のオブジェクトと合成されないオブジェクトである。このために、第3のオブジェクトOb3を示す第1のオブジェクトデータOD1は、透過度データを含んでおらず、かつ、他のオブジェクトデータとグループを構成していない。
図2のS20では、CPU210は、対象画像データを用いて、CMYK画像データを生成するCMYK画像データ生成処理を実行する。CMYK画像データは、印刷実行部280による印刷に用いられる複数種のインクに対応する複数種の成分値を含む色値(具体的には、C、M、Y、Kの4種の成分値を含むCMYK色空間の色値(CMYK値とも呼ぶ))で画素ごとの色を示すデータである。
S30では、CPU210は、生成されたCMYK画像データに対してハーフトーン処理を実行して、ドットの形成状態を画素ごと、かつ、インクごとに表すドットデータを生成する。ハーフトーン処理は、誤差拡散法やディザ法などの公知の方法を用いて実行される。ドットデータの画素の値は、少なくともドットの有無を示す。また、ドットデータの画素の値は、ドットの有無に加えて、ドットの種類(例えば、サイズ)を示しても良い。具体的には、ドットデータに含まれる各画素の値は、「ドット有り」、「ドット無し」の2つのドットの形成状態のいずれかを示しても良く、例えば、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」の4つのドットの形成状態のいずれかを示しても良い。
S40では、CPU210は、ドットデータを用いて印刷データを生成する。例えば、CPU210は、ドットデータを、印刷実行部280を用いて印刷を行う際に用いられる順番に並べ替える処理と、ドットデータにプリンタ制御コードやデータ識別コードを付加する処理と、を実行して、印刷データを生成する。S50では、CPU210は、生成された印刷データに基づいて、印刷実行部280を制御して、印刷実行部280に画像を印刷させる。
A−3:CMYK画像データ生成処理
図2のS20のCMYK画像データ生成処理について説明する。図5は、CMYK画像データ生成処理のフローチャートである。S100では、CPU210は、対象画像データIDに含まれる複数個のオブジェクトデータOD1〜OD3の中から、処理対象の1個のオブジェクトデータを選択する。
S105では、CPU210は、処理対象のオブジェクトデータが、透明オブジェクトを示す透明オブジェクトデータであるか否かを判断する。処理対象のオブジェクトデータが、透明グループに属している場合には、処理対象のオブジェクトデータは、透明オブジェクトデータであると判断される。例えば、図4の例では、オブジェクトデータOD1、OD2は、透明オブジェクトデータであり、第3のオブジェクトデータOD3は、透明オブジェクトデータではない。
処理対象のオブジェクトデータが透明オブジェクトデータではない場合には(S105:NO)、S110にて、CPU210は、処理対象のオブジェクトデータに対して、ラスタライズ処理を実行する。ラスタライズ処理は、処理対象のオブジェクトデータを、オブジェクトを示すラスタデータであって、複数個の画素の値を含むラスタデータに変換する処理である。変換後のオブジェクトデータ(すなわち、ラスタデータ)の各画素の値は、変換前のオブジェクトデータに含まれる色空間情報によって示される色空間の色値、例えば、RGB色空間の色値(RGB値とも呼ぶ)や、CMYK色空間の色値(CMYK値とも呼ぶ)や、CIRLAB色空間の色値(Lab値とも呼ぶ)である。
処理対象のオブジェクトデータが透明オブジェクトデータではない場合には(S105:YES)、S115にて、CPU210は、処理対象のオブジェクトデータが属する透明グループ(注目透明グループとも呼ぶ)に属する各オブジェクトデータの色空間を特定する。各オブジェクトデータの色空間は、オブジェクトデータに含まれる色空間情報によって示される色空間である。例えば、図4の第1のオブジェクトデータOD1が処理対象のオブジェクトデータである場合には、透明グループTGに属する2個のオブジェクトデータOD1、OD2のそれぞれの色空間が特定される。
S120では、CPU210は、注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータの色空間が、同一であるか否かを判断する。注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータの色空間が、同一である場合には(S120:YES)、S130にて、CPU210は、注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータに対して上記のS110と同様のラスタライズ処理を実行して、全てのオブジェクトデータをラスタデータに変換する。例えば、処理対象のオブジェクトデータが、図4の第1のオブジェクトデータOD1であり、第1のオブジェクトデータOD1と第2のオブジェクトデータOD2との色空間がRGB色空間である場合には、図3の第1のオブジェクトOb1を示すRGB画像データと、第2のオブジェクトOb2を示すRGB画像データとが、それぞれ、生成される。
S135では、CPU210は、全てのオブジェクトデータについてそれぞれ生成されたラスタデータを合成する合成処理を実行して、1個の合成済みオブジェクトを示す合成済みラスタデータを生成する。合成処理は、各オブジェクトデータに含まれる透過度データを用いて、実行される。例えば、処理対象のオブジェクトデータが、図4の第1のオブジェクトデータOD1であり、第1のオブジェクトデータOD1と第2のオブジェクトデータOD2との色空間がRGB色空間である場合には、透過度データTD1、TD2を用いて、第1のオブジェクトOb1を示すRGB画像データと、第2のオブジェクトOb2を示すRGB画像データとが、合成される。その結果、図3の合成済みオブジェクトCObを示すRGB画像データが生成される。具体的な合成処理は、例えば、αブレンドとも呼ばれる公知の計算方法を用いて実行される。この計算方法は、PDFについてのISO規格であるISO 32000-1:2008(Document management -- Portable document format -- Part 1: PDF 1.7)の11章「Transparency」に記載されている。
注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータの色空間が、同一でない場合には(S120:NO)、S140にて、CPU210は、使用色空間決定処理を実行する。例えば、処理対象のオブジェクトデータが、図4の第1のオブジェクトデータOD1であり、第1のオブジェクトデータOD1の色空間がRGB色空間であり、第2のオブジェクトデータOD2の色空間がCMYK色空間である場合には、使用色空間決定処理が実行される。
図6は、使用色空間決定処理のフローチャートである。使用色空間決定処理は、注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータの色空間が、同一でない場合、すなわち、注目透明グループに属する複数個のオブジェクトデータの色空間が、互いに異なる2以上の色空間を含む場合に、合成処理で用いるべき1個の使用色空間を決定する処理である。
S200では、CPU210は、注目透明グループに属する複数個のオブジェクトデータの中に、用いられる色空間がCMYK色空間であるオブジェクトデータがあるか否かを判断する。
色空間がCMYK色空間であるオブジェクトデータがない場合には(S200:NO)、S210にて、CPU210は、RGB色空間を、使用色空間として決定して、使用色空間決定処理を終了する。例えば、図4の第1のオブジェクトデータOD1の色空間がRGB色空間であり、第2のオブジェクトデータOD2の色空間がCIELAB色空間である場合には、RGB色空間が使用色空間として決定される。
色空間がCMYK色空間であるオブジェクトデータがある場合には(S200:YES)、S220にて、CPU210は、CMYK色空間が用いられるオブジェクトデータのK成分の割合Rkを算出する。例えば、図4の第1のオブジェクトデータOD1の色空間がRGB色空間であり、第2のオブジェクトデータOD2の色空間がCMYK色空間である場合には、第2のオブジェクトデータOD2のK成分の割合Rkが算出される。
具体的には、CPU210は、第2のオブジェクトデータOD2に対してラスタライズ処理を実行して、第2のオブジェクトデータOD2を、第2のオブジェクトOb2を示すCMYK画像データに変換する。CMYK画像データは、C、M、Y、Kの成分値に対応し、対応する成分値を画素ごとに示すC、M、Y、Kの各成分データを含んでいる。CPU210は、K成分の成分データを取得し、該成分データに含まれる複数個の画素のK成分の値の合計値K_totalを算出する。CPU210は、CMYK画像データの画素のK成分の値の最大値に、CMYK画像データの画素の個数を乗じた値を、K成分の合計最大値K_mxttlとして算出する。K成分の値の最大値は、例えば、K成分の値が8ビットの256階調の値である場合には、「255」である。CPU210は、K成分の値の合計値K_totalを、K成分の合計最大値K_mxttlで除した値を、K成分の割合Rkとして算出する(Rk=(K_total/K_mxttl))。
S230では、CPU210は、K成分の割合Rkが、特定のしきい値THk以上であるか否かを判断する。K成分の割合Rkが、特定のしきい値THk以上である場合には(S230:YES)、S240にて、CPU210は、CMYK色空間を、使用色空間として決定して、使用色空間決定処理を終了する。特定のしきい値THk未満である場合には(S230:NO)、S210にて、CPU210は、RGB色空間を、使用色空間として決定して、使用色空間決定処理を終了する。
図5のS140の使用色空間決定処理にて、使用色空間が決定されると、S145では、上述したS130と同様に、注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータに対して上記のS110と同様のラスタライズ処理を実行して、全てのオブジェクトデータをラスタデータにそれぞれ変換する。
S150では、CPU210は、注目透明グループに属する全てのオブジェクトデータで用いられる色空間が、S140にて決定済みの使用色空間になるように、色空間を変換するための変換処理を実行する。
例えば、図4の第1のオブジェクトデータOD1の色空間がRGB色空間やCIELAB色空間であり、第2のオブジェクトデータOD2の色空間がCMYK色空間であり、使用色空間がCMYK色空間に決定済みであるとする。この場合には、ラスタライズ処理後の第1のオブジェクトデータOD1、すなわち、オブジェクトOb1を示すラスタデータの色空間を、RGB色空間やCIELAB色空間からCMYK色空間に変換する処理が行われる。すなわち、オブジェクトOb1を示すラスタデータの各画素値(RGB値やLab値)がCMYK値に変換される。RGB値からCMYK値への変換は、例えば、公知のルックアップテーブルを用いて実行される。Lab値からCMYK値への変換は、例えば、公知の計算式を用いて、Lab値をRGB値に変換した後、変換後のRGB値を公知のルックアップテーブルを用いてCMYK値に変換することによって行われる。
また、図4の第1のオブジェクトデータOD1の色空間がRGB色空間であり、第2のオブジェクトデータOD2の色空間がCMYK色空間であり、使用色空間がRGB色空間に決定済みであるとする。この場合には、ラスタライズ処理後の第2のオブジェクトデータOD2、すなわち、オブジェクトOb2を示すラスタデータの色空間を、CMYK色空間からRGB色空間に変換する処理が行われる。すなわち、オブジェクトOb2を示すラスタデータ、すなわち、CMYK画像データの各画素値(CMYK値)がRGB値に変換される。
図7は、CMYK値をRGB値に変換する処理のフローチャートである。CMYK値の各成分値、および、RGB値の各成分値は、10以上の多階調の値、本実施例では、0〜255の256階調の値である。S310では、CMYK値は、C、M、Yの3種の成分値を含む色値であるCMY値に変換される。変換前のCMYK値のC、M、Y、Kの成分値を、Ci、Mi、Yi、Kiとすると、変換後のCMY値のC、M、Yの成分値Co、Mo、Yoは、例えば、以下の式(1)〜(3)で表わされる。
Co=min{255、(Ci+Ki)} ...(1)
Mo=min{255、(Mi+Ki)} ...(2)
Yo=min{255、(Yi+Ki)} ...(3)
ここで、min{A、B}は、AおよびBのうちの最小値を意味する。
S320では、S310にて得られたCMY値(Co、Mo、Yo)は、RGB値に変換される。変換後のRGB値のR、G、Bの成分値Ro、Go、Boは、例えば、以下の式(4)〜(6)で表わされる。
Ro=255−Co ...(4)
Go=255−Mo ...(5)
Bo=255−Yo ...(6)
以上の説明から解るように、CMYK値(Ci、Mi、Yi、Ki)からRGB値(Ro、Go、Bo)への変換は、以下の式(7)〜(9)で表される。
Ro=255−min{255、(Ci+Ki)} ...(7)
Go=255−min{255、(Mi+Ki)} ...(8)
Bo=255−min{255、(Yi+Ki)} ...(9)
図5のS155では、CPU210は、注目透明グループに属する複数個のオブジェクトデータであって、使用色空間のラスタデータに変換済みの複数個のオブジェクトデータを合成する合成処理を実行する。具体的には、CPU210は、S145、S150にて生成された複数個のラスタデータ、すなわち、使用色空間を用いて複数個のオブジェクトを表す複数個のラスタデータを合成する。合成処理の具体的な計算方法は、上述したS135の合成処理と同じである。例えば、処理対象のオブジェクトデータが、図4の第1のオブジェクトデータOD1であり、使用色空間がCMYK色空間に決定された場合には、透過度データTD1、TD2を用いて、第1のオブジェクトOb1を示すCMYK画像データと、第2のオブジェクトOb2を示すCMYK画像データとが、合成される。その結果、図3の合成済みオブジェクトCObを示すCMYK画像データが生成される。
S160では、CPU210は、現在、処理中のラスタデータの色空間は、CMYK色空間であるか否かを判断する。処理中のラスタデータは、例えば、S135、S155の合成処理にて生成された合成済みオブジェクトを示すラスタデータ、あるいは、S110にて生成されたラスタデータである。処理中のラスタデータの色空間は、例えば、CMYK色空間である場合もあり、RGB色空間やCIELAB色空間である場合もある。
処理中のラスタデータの色空間が、CMYK色空間でない場合には(S160:NO)、S165にて、CPU210は、処理中のラスタデータの色空間を、CMYK色空間に変換する。すなわち、処理中のラスタデータの画素の値が、RGB値やLab値である場合には、該画素の値は、CMYK値に変換される。処理中のラスタデータの色空間が、CMYK色空間である場合には(S160:YES)、S165は、スキップされる。
S170では、CPU210は、生成済みのCMYK画像データによって示されるオブジェクト、または、合成済みオブジェクトを、生成すべき対象画像に対応するキャンバス上に配置する。
S175では、全てのオブジェクトデータが処理されたか否か、すなわち、全てのオブジェクトデータがCMYK画像データに変換され、対象画像を示す1個のCMYK画像データが完成したか否かを判断する。未処理のオブジェクトデータがある場合には(S175:NO)、CPU210は、S100に戻る。全てのオブジェクトデータが処理された場合には(S175:YES)、CPU210は、CMYK画像データ生成処理を終了する。
以上説明した第1実施例によれば、CPU210は、第1のオブジェクトOb1と、第1のオブジェクトが印刷される際に、印刷される領域が第1のオブジェクトデータOD1と重なる重畳部分を含む第2のオブジェクトOb2と、を含む対象画像OI(図3)を示す対象画像データID(図4)を取得する(図2のS10)。CPU210は、第1のオブジェクトデータOD1で用いられる色空間と、第2のオブジェクトデータOD2で用いられる色空間とが異なる場合に(図5のS120:NO)、使用色空間を決定する使用色空間決定処理を実行する(図5のS140)。CPU210は、第1のオブジェクトデータOD1で用いられる色空間と、第2のオブジェクトデータOD2で用いられる色空間と、の両方が、決定済みの使用色空間になるように、第1のオブジェクトデータOD1と第2のオブジェクトデータOD2との少なくとも一方に対して、色空間を変換するための変換処理を実行する(図5のS150)。CPU210は、該変換処理後に、使用色空間にて、変換処理後の第1のオブジェクトデータOD1(すなわち、第1のオブジェクトOb1を示すラスタデータ)と、変換処理後の第2のオブジェクトデータOD2(すなわち、第1のオブジェクトOb1を示すラスタデータ)と、透過度データTD1、TD2と、を用いて合成処理を実行することによって、使用色空間を用いて合成済みオブジェクトCObを示す合成画像データを生成する(図5のS155)。
そして、使用決定処理において、CPU210は、第1のオブジェクトデータOD1と第2のオブジェクトデータOD2との少なくとも一方を用いて、第1のオブジェクトOb1と第2のオブジェクトOb2との少なくとも一方に含まれるK成分の量を示す評価値であるK成分の割合Rkを算出する(図6のS220)。K成分の割合Rkが、しきい値THk以上である場合には、使用色空間は、CMYK色空間に決定され、該K成分の割合Rkが、しきい値未満である場合には、使用色空間は、RGB空間に決定される。この結果、適切な使用色空間が決定されるので、透過度データTD1、TD2を用いて合成画像データを生成する画像処理において、オブジェクトOb1、Ob2の画質の低下を抑制することができる。
より詳しく説明する。合成処理を行うためには、合成すべき複数個のオブジェクトデータ(ラスタデータ)の色空間が同じである必要がある。したがって、合成すべき複数個のオブジェクトデータの色空間が異なる場合には、複数個のオブジェクトデータの色空間が同じになるように、変換処理を行う必要がある。ここで、本実施例の合成処理の計算方法(いわゆるαブレンド)は、RGB色空間で行われることが想定されている。このために、生成される合成画像の画質の観点からは、合成処理が行われる色空間は、CMYK色空間よりもRGB色空間が好ましい。
ところで、合成すべき複数個のオブジェクトデータの色空間に、CMYK色空間が含まれる場合には、例えば、合成処理をRGB色空間で行うとすると、オブジェクトデータの色空間を、CMYK色空間からRGB色空間に変換する必要がある。しかしながら、オブジェクトデータの色空間を、CMYK色空間からRGB色空間に変換する場合には、すなわち、4個の成分値を含むCMYK値を、3個の成分値を含むRGB値に変換する場合には、色値に含まれる成分値の個数が減少する分、変換によって情報が失われる可能性がある。この結果、オブジェクトデータの色空間を、CMYK色空間からRGB色空間に変換すると、オブジェクトの画質が低下する可能性がある。CMY値とRGB値とは、互いに補色の関係にあり、色成分の個数も同じであるので、CMY値からRGB値への変換では、画質の低下は起こり難い。このことから、CMYK値のうち、K成分の値が、比較的小さい場合には、CMYK値からRGB値への変換は、CMY値からRGB値への変換に近づくので、CMYK値からRGB値への変換によって画質の低下は起こりがたい。そして、K成分の値が比較的大きい場合には、CMYK値からRGB値への変換は、K成分の情報が失われやすいので、CMYK値からRGB値への変換によって画質の低下が起こりやすい。
オブジェクトデータの色空間を、RGB色空間からCMYK色空間に変換すること、すなわち、3個の成分値を含むRGB値から、4個の成分値を含むCMYK値への変換は、色値に含まれる成分値の個数が増加するので、変換によって情報が失われる可能性は低い。したがって、オブジェクトデータの色空間を、RGB色空間からCMYK色空間に変換しても、オブジェクトの画質が低下する可能性は低い。
このことから、上記実施例では、K成分の割合Rkがしきい値THk以上である場合には(図6のS230:YES)、CMYK色空間からRGB色空間への色空間の変換によって画質の低下が起こりやすいと考えられることから、CMYK色空間からRGB色空間への色空間の変換を避けることを優先して、使用色空間は、CMYK色空間に決定される(図6のS240)。一方、上記実施例では、K成分の割合Rkがしきい値THk未満である場合には(図6のS230:NO)、CMYK色空間からRGB色空間への色空間の変換によって画質の低下が起こり難いと考えられることから、RGB色空間で合成処理を行うことを優先して、使用色空間は、RGB色空間に決定される(図6のS210)。この結果、合成すべき複数個のオブジェクトデータの色空間に、CMYK色空間が含まれる場合に、合成済みの画像の画質の低下を抑制することができる。
また、例えば、上記の式(1)〜(3)に示すように、K(黒)の成分値を含むCMYK値を、K(黒)の成分値を含まないRGB値に変換する過程では、K成分の情報が失われやすいので、画質の低下が起こりやすい。上記実施例では、K(黒)成分の量を示す評価値(具体的には、K成分の割合Rk)に基づいて、使用色空間が決定されるので、このような画質の低下を抑制するように、適切な使用色空間を決定することができる。
上記実施例では、CMYK値をRGB値に変換する処理は、CMYK色空間の色値(CMYK値)を、CMY色空間の色値(CMY値)に変換する処理(図7のS310)と、CMY色空間の色値を、RGB色空間の色値(RGB値)に変換する処理(図7のS320)と、を含む。このCMYK値をCMY値に変換する処理において、K成分の値がある程度大きいと、CMY値の各成分値は、最大値255に固定されてしまう。このために、K成分の値が互いに異なるCMYK値が、同一のCMY値に変換され得るので、画質の低下が起こりやすいことが解る。上記実施例では、K成分の割合Rkがしきい値THk以上である場合には、このようなCMYK値をCMY値に変換する処理を不要とすることができるので、合成済みオブジェクトの画質の低下を抑制することができる。
さらに、上記実施例では、CPU210は、第1のオブジェクトデータOD1で用いられる色空間と、第2のオブジェクトデータOD2で用いられる色空間と、の一方が、CMYK色空間である場合に(図6のS200:YES)、K成分の割合Rkに基づいて、使用色空間を決定する(図6のS220〜S240)。そして、CPU210は、第1のオブジェクトデータOD1で用いられる色空間と、第2のオブジェクトデータOD2で用いられる色空間と、の両方が、CMYK色空間でない場合に(S200:NO)、使用色空間をRGB色空間に決定する(図6のS210)。この結果、第1のオブジェクトデータOD1で用いられる色空間と、第2のオブジェクトデータOD2で用いられる色空間と、の両方が、CMYK色空間でない場合に、適切な使用色空間を決定することができる。具体的には、合成処理に適したRGB色空間を使用色空間として決定することができる。
さらに、上記実施例では、CMYK色空間は、印刷に用いられる複数種のインクに対応する複数個の色成分を含む色空間であり、RGB色空間は、印刷に用いられる複数種のインクに対応しない複数種の色成分を含む色空間である。そして、CPU210は、使用色空間がRGB色空間に決定される場合に、RGB色空間を用いて合成済みオブジェクトCObを示す合成画像データを、CMYK色空間を用いて画像を示す画像データに変換する(図5のS165)。この結果、印刷に用いられるCMYK画像データを適切に生成することができる。
以上の説明から解るように、上記実施例のCMYK色空間は、第1の色空間の例であり、RGB色空間は、第2の色空間の例である。
C.変形例:
(1)上記実施例では、K成分の量を示す評価値として、K成分の割合Rkが用いられているが、これに限られない。K成分の量を示す評価値は、K成分の値の合計値K_totalであっても良い。K成分の値の合計値K_totalそのもの、および、K成分の割合Rk(Rk=(K_total/K_mxttl))は、K成分の値の合計値K_totalに基づく評価値とも呼ぶことができる。また、K成分の量を示す評価値は、例えば、CMYK画像データにおいて、K成分の値が基準値(例えば、128)より大きな画素の個数であっても良い。
K成分の量を示す評価値が、いずれの値が採用される場合であっても、該評価値が、第1の値(例えば、所定のしきい値以上の値)である場合には、CMYK色空間を使用色空間として決定し、該評価値が、該第1の値よりK成分の量が少ないことを示す第2の値(例えば、所定のしきい値未満の値)である場合には、RGB色空間を使用色空間として決定することが好ましい。こうすれば、K成分の量に応じて、適切な使用色空間を決定することができる。
(2)上記実施例では、K成分の割合Rkが、しきい値THk以上である場合には、使用色空間は、CMYK色空間に決定されるが、これに代えて、他の色空間に決定されても良い。例えば、印刷実行部280が、例えば、C、M、Y、Kのインクに加えて、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ライトイエロ(LY)のインクを用いて印刷を行う場合には、使用色空間は、C、M、Y、K、LC、LM、LYの7種類の成分値を含む色空間に決定されても良い。また、上記実施例では、K成分の割合Rkが、しきい値THk未満である場合には、使用色空間は、RGB色空間に決定されるが、これに代えて、他の色空間、例えば、CIELAB色空間や、CIEXYZ色空間に決定されても良い。
一般的に言えば、K成分の割合Rkが、しきい値THk以上である場合には、使用色空間は、K成分を含む色空間に決定され、K成分の割合Rkが、しきい値THk未満である場合には、使用色空間は、K成分を含まない色空間に決定されることが好ましい。こうすれば、K成分の量を示す評価値であるK成分の割合Rkに基づいて、適切な使用色空間を決定することができる。
(3)上記実施例の評価値(K成分の割合Rk)に代えて、K成分とは異なる色成分の量を示す評価値が用いられても良い。一般的には、M個の成分値を含む第1の色空間と、N個の成分値を含む第2の色空間と、が合成処理の色空間として用いられる場合に(M、Nは、1≦N<Mを満たす整数)、第1の色空間に含まれ、かつ、第2の色空間に含まれない特定の成分の量を示す評価値が算出される。例えば、そして、該評価位置が、第1の値である場合に第1の色空間が使用色空間として決定され、該評価値が第1の値より該特定の成分の量が少ないことを示す第2の値である場合には、第2の色空間が使用色空間として決定されることが好ましい。こうすれば、第1の色空間の成分の数が、第2の色空間の成分の数より多いことに起因して、第1の色空間から第2の色空間へとオブジェクトデータの色空間を変換する際に画質の低下が抑制し得る場合に、特定の成分の量に応じて、適切な使用色空間を決定することができる。
(4)上記各実施例では、対象画像データは、PDFファイルであるが、他の形式の画像ファイルであっても良い。例えば、対象画像データには、αブレンドなどの合成処理を行うための透過度データを記録できる形式で記述された他の様々な画像ファイルであっても良い。例えば、対象画像データは、PNG(Portable Network Graphics)形式の画像ファイルであっても良いし、XPS(XML Paper Specification)形式の画像ファイルであっても良い。
(5)上記各実施例のCMYK画像データ生成処理では、例えば、RGB色空間などの他の色空間で合成処理が行われた場合に、合成処理後のラスタデータの各画素の値は、最終的にCMYK色空間の色値(CMYK値)に変換される(図5のS165)。これは、CMYKのインクを用いて印刷を行うための印刷データが最終的に生成されるためである。これに代えて、例えば、画像処理装置として、印刷装置200に代えて液晶ディスプレイなどの表示装置が採用される場合には、該表示装置は、該表示装置に画像を表示するための表示データとして、RGB画像データを最終的に生成する。この場合には、合成処理後のラスタデータが、RGB画像データでない場合には、該ラスタデータは、RGB画像データに変換されても良い。
(6)図2の印刷処理を実行する画像処理装置としての印刷装置200は、他の種類の装置、例えば、端末装置100であっても良い。この場合には、例えば、端末装置100は、ドライバプログラムを実行することによってプリンタドライバとして動作し、該プリンタドライバとしての機能の一部として図2の印刷処理を実行する。端末装置100は、図2のS40にて生成される印刷データを、印刷装置200に供給することによって、印刷装置200に印刷を実行させる。
また、図2の印刷処理を実行する画像処理装置は、例えば、印刷装置200や端末装置100から対象画像データを取得して画像処理を実行するサーバであっても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。この場合には、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機の全体が、画像処理装置に対応する。
(7)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の印刷装置200のCPU210が実行している処理の一部は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...端末装置、200...印刷装置、210...CPU、220...揮発性記憶装置、230...不揮発性記憶装置、240...表示部、250...操作部、270...通信インタフェース、280...印刷実行部、ID...対象画像データ、PG...コンピュータプログラム

Claims (9)

  1. 画像処理装置であって、
    第1のオブジェクトと、前記第1のオブジェクトが出力される際に、出力される領域が前記第1のオブジェクトと重なる重畳部分を含む第2のオブジェクトと、を含む対象画像を示す対象画像データを取得する取得部であって、前記対象画像データは、前記第1のオブジェクトを示す第1のオブジェクトデータと、前記第2のオブジェクトを示す第2のオブジェクトデータと、を含み、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータと、の少なくとも一方は、透過度を示す透過度データを含む、前記取得部と、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間とが異なる場合に、使用色空間を決定する決定部と、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の両方が前記使用色空間になるように、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方に対して、色空間を変換するための変換処理を実行する第1の変換部と、
    前記変換処理後に、前記使用色空間にて、前記第1のオブジェクトデータと前記第2の
    オブジェクトデータと前記透過度データとを用いて合成処理を実行することによって、前記使用色空間を用いて合成画像を示す合成画像データを生成する合成部と、
    を備え、
    前記決定部は、
    前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方を用いて算出される評価値であって、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの少なくとも一方に含まれる特定の色成分の量を示す前記評価値が、第1の値である場合には、第1の色空間を前記使用色空間として決定し、
    前記評価値が、前記第1の値より前記特定の色成分の量が少ないことを示す第2の値である場合には、前記第1の色空間とは異なる第2の色空間を前記使用色空間として決定する、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記特定の色成分は、黒の成分である、画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記第1の色空間は、前記黒の成分を含む色空間であり、
    前記第2の色空間は、前記黒の成分を含まない色空間である、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記第1の色空間は、CMYK色空間であり、
    前記第2の色空間は、RGB色空間である、画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置であって、
    前記決定部は、前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の一方が、前記CMYK色空間である場合に、前記黒の成分の量を示す前記評価値に基づいて、前記CMYK色空間と前記RGB色空間とのいずれかを、前記使用色空間として決定し、
    前記第1の変換部は、前記使用色空間が前記RGB色空間に決定された場合に、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとのうち、前記CMYK色空間が用いられるオブジェクトデータに対して、用いられる色空間を前記CMYK色空間から前記RGB色空間に変換する前記変換処理を実行し、
    前記変換処理は、前記CMYK色空間の色値を、CMY色空間の色値に変換する処理と、前記CMY色空間の色値を、前記RGB色空間の色値に変換する処理と、を含む、画像処理装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記決定部は、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の一方が、CMYK色空間である場合に、前記黒の成分の量を示す前記評価値に基づいて、前記使用色空間を決定し、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の両方が、前記CMYK色空間でない場合に、前記第2の色空間を前記使用色空間として決定する、画像処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記決定部は、
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの少なくとも一方の前記特定の色成分の値を画素ごとに示す成分データを取得し、
    前記成分データに含まれる複数個の画素の前記特定の色成分の値の合計を算出し、
    前記合計に基づく前記評価値がしきい値以上である場合に、前記第1の色空間を前記使用色空間をとして決定し、前記合計に基づく前記評価値がしきい値未満である場合に、前記第2の色空間を前記使用色空間として決定する画像処理装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第1の色空間は、印刷に用いられる複数種の色材に対応する複数種の色成分を含む色空間であり、
    前記第2の色空間は、前記印刷に用いられる前記複数種の色材に対応しない複数種の色成分を含む色空間であり、
    前記画像処理装置は、さらに、
    前記使用色空間が前記第2の色空間に決定される場合に、前記第2の色空間を用いて前記合成画像を示す前記合成画像データを、前記第1の色空間を用いて変換済合成画像を示す変換済合成画像データに変換する第2の変換部を備える、画像処理装置。
  9. コンピュータプログラムであって、
    第1のオブジェクトと、前記第1のオブジェクトが出力される際に、出力される領域が前記第1のオブジェクトと重なる重畳部分を含む第2のオブジェクトと、を含む対象画像を示す対象画像データを取得する取得機能であって、前記対象画像データは、前記第1のオブジェクトを示す第1のオブジェクトデータと、前記第2のオブジェクトを示す第2のオブジェクトデータと、を含み、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータと、の少なくとも一方は、透過度を示す透過度データを含む、前記取得機能と、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間とが異なる場合に、使用色空間を決定する決定機能と、
    前記第1のオブジェクトデータで用いられる色空間と、前記第2のオブジェクトデータで用いられる色空間と、の両方が前記使用色空間になるように、前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方に対して、色空間を変換するための変換処理を実行する第1の変換機能と、
    前記変換処理後に、前記使用色空間にて、前記第1のオブジェクトデータと前記第2の
    オブジェクトデータと前記透過度データとを用いて合成処理を実行することによって、前記使用色空間を用いて合成画像を示す合成画像データを生成する合成機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記決定機能は、
    前記第1のオブジェクトデータと前記第2のオブジェクトデータとの少なくとも一方を用いて算出される評価値であって、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの少なくとも一方に含まれる特定の色成分の量を示す前記評価値が、第1の値である場合には、第1の色空間を前記使用色空間として決定し、
    前記評価値が、前記第1の値より前記特定の色成分の量が少ないことを示す第2の値である場合には、前記第1の色空間とは異なる第2の色空間を前記使用色空間として決定する、コンピュータプログラム。
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