JP6794583B2 - Cgrp受容体アンタゴニストとして有用な3−メチルピロリジン−2,5−ジオン誘導体 - Google Patents

Cgrp受容体アンタゴニストとして有用な3−メチルピロリジン−2,5−ジオン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、特定の新規カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニスト化合物、該化合物を含む薬学的組成物、片頭痛など特定の生理障害を予防または治療するために該化合物を使用する方法、ならびに該化合物の合成に有用な中間体およびプロセスに関する。
本発明は、片頭痛ならびにCGRPによって媒介されると考えられる他の神経疾患および神経障害の予防および治療の分野にある(例えば、S.Benemei,et.al.,Current Opinion in Pharmacology,9,9−14(2009)を参照のこと)。片頭痛は、世界中で何百万人もの人々が患っている衰弱性疾患である。片頭痛の治療選択肢には、スマトリプタンやゾルミトリプタンなどのトリプタンが含まれる。残念ながら、現在患者に利用可能である承認された薬剤は、常に有効な治療を提供するわけではなく、これらの薬剤は、めまい、知覚異常、および胸部不快感などのさまざまな有害な副作用を伴い得る。さらに、トリプタンには、実質的な基礎心血管疾患または制御不能な高血圧を患っている患者には禁忌となる特定の心血管の懸念がある(T.W.Ho,et.al.,The Lancet,372,2115−2123(2008)を参照のこと)。したがって、片頭痛の予防および治療には満たされていない重要なニーズがある。新しいCGRP受容体アンタゴニストは、片頭痛などの特定の神経疾患の治療または予防を提供することが所望される。
米国特許公開第2017/0044138A1号および第2017/0044163号は、それぞれ、片頭痛の治療または予防に有用な特定のCGRP受容体アンタゴニスト化合物を開示する。米国特許第6,680,387号は、II型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症の治療のための特定の5−ベンジル−または5−ベンジリデン−チアゾリジン−2,4−ジオンを開示する。
本発明は、CGRP受容体のアンタゴニストである特定の新規化合物を提供する。本発明はまた、中枢浸透性であるCGRP受容体のアンタゴニストも提供する。
したがって、本発明は、式Iの化合物:

またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明はさらに、式IIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明はまた、患者における片頭痛を予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法も提供する。
本発明はさらに、患者における片頭痛を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、患者におけるCGRP受容体をアンタゴナイズする方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法も提供する。
さらに、本発明は、治療法、特に片頭痛の治療に使用するための、式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。加えて、本発明は、片頭痛の予防における使用のための、式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらにまた、本発明は、片頭痛の治療のためのまたは片頭痛を予防するための医薬を製造のための、式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明はさらに、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とともに、式Iもしくは式IIの化合物、またはこれらの薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。本発明はさらに、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とともに、式Iもしくは式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を混合することを含む、薬学的組成物を調製するためのプロセスを提供する。本発明はまた、式Iおよび式IIの化合物の合成のための新規の中間体およびプロセスも包含する。例えば、本発明はさらに、以下の中間体:
を提供し、式中、PGは好適な保護基である。好適な保護基の例は、トリフェニルメチル、p−メトキシベンジルなどである。
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療」、または「治療する」という用語は、既存の症状または障害の進行または重症度を抑制すること、遅延させること、阻止すること、または改善することを含む。
本明細書で使用される場合、「予防すること」または「予防」という用語は、片頭痛などの特定の疾患または障害を起こしやすいが、現在、片頭痛の症状などの疾患または障害の症状を患っていない患者を保護することを指す。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、哺乳類、特にヒトを指す。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、患者に単回または複数回投与されると、診断中または治療中の患者に所望の効果を提供する、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の量または投与量を指す。
有効量は、既知技法の使用によって、および同様の状況下で得られた結果を観察することによって、当業者により容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際には、患者の種、そのサイズ、年齢、および全体的な健康状態、関与する特定の疾患または障害、疾患または障害の程度または関与または重症度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与の様式、投与される製剤の生物学的利用率特性、選択された投与レジメン、付随する薬物の使用、ならびにその他の関連する状況を含むが、これらに限定されない、多数の要因が担当診断医によって考慮される。
本発明の化合物は、約0.01〜約20mg/体重kgの範囲内の1日当たりの投与量で有効である。ある場合には、前述の範囲の下限よりも低い投与量レベルが十分以上である場合があり、他の場合には、許容される副作用を伴って、さらに多い用量が用いられてもよく、したがって、前述の投与量範囲は、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
本発明の化合物は、経口および経皮経路を含む、化合物を生体利用可能にする任意の経路によって投与される薬学的組成物として製剤化される。より好ましくは、そのような組成物は経口投与用である。このような薬学的組成物およびこれを調製するためのプロセスは、当技術分野で周知である(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,L.V.Allen,Editor,22nd Edition,Pharmaceutical Press,2012を参照されたい)。
式Iおよび式IIの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、本発明の予防方法および治療方法において特に有用であるが、ある特定の立体配置が好ましい。以下の段落では、このような好ましい立体配置について説明する。本発明は、すべての個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む上記化合物のエナンチオマー混合物を企図するが、以下に記載の絶対配置を有する化合物が特に好ましい。これらの選好が、本発明の予防方法および治療方法ならびに新規化合物の両方に適用可能であることが理解されるであろう。
以下の化合物:
ならびにその薬学的に許容される塩および水和物が好ましい。
以下の化合物:
およびその薬学的に許容される塩がより好ましい。
以下の化合物:
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロクロリド、
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロブロミド、
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロブロミドモノハイドレート、および
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロクロリドモノハイドレートが特に好ましい。
以下の調製に記載される特定の中間体は、1つ以上の窒素保護基を含んでもよい。保護基は、特定の反応条件および実施される特定の変換に応じて、当業者によって認識されるように変化し得ることが理解される。保護および脱保護条件は、当業者に周知であり、文献(例えば、”Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,Fourth Edition,by Peter G.M.Wuts and Theodora W.Greene,John Wiley and Sons,Inc.2007を参照のこと)に記載されている。
個々の異性体、エナンチオマー、およびジアステレオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって、本発明の化合物の合成における都合の良い時点で、当業者により分離または分解され得る(例えば、J.Jacques,et al.,“Enantiomers,Racemates,and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981、およびE.L.Eliel and S.H.Wilen,”Stereochemistry of Organic Compounds”,Wiley−Interscience,1994を参照のこと)。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、当技術分野で周知の標準的な条件下で、本発明の化合物の適切な遊離塩基、および好適な溶媒(ジエチルエーテルなど)中の適切な薬学的に許容される酸の反応によって形成され得る。加えて、そのような塩の形成は、窒素保護基の脱保護と同時に起こり得る。そのような塩の形成は、当技術分野で周知であり、また理解されている。例えば、Gould,P.L.,“Saltselection for basic drugs,”International Journal of Pharmaceutics,33:201−217(1986)、Bastin,R.J.,et al.“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities,” Organic Process Research and Development,4:427−435(2000)、およびBerge,S.M.,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,66:1−19,(1977)を参照されたい。
特定の略語は次のように定義される。「ACN」は、アセトニトリルを指す。「c−Pr」は、シクロプロピルを指す。「DCM」は、DCMまたは塩化メチレンを指す。「DMEA」は、N,N−ジメチルエチルアミンを指す。「DIPEA」は、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを指す。「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドを指す。「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指す。「Et」は、エチルを指す。「EtO」は、ジエチルエーテルを指す。「EtOAc」は、酢酸エチルを指す。「EtOH」は、エタノールを指す。「g」は、遠心分離に関連して使用される場合、相対的な遠心力を指す。「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを指す。「HOBt」は、ヒドロキシベンゾトリアゾールを指す。「hr」は時間(hour)または時間(hr)を指す。「HATU」は、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェートまたはN−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2、3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシドを指す。「HTRF」は、均一時間分解蛍光を指す。「IC50」は、その薬剤に対して可能な最大の阻害反応の50%を生じる薬剤の濃度を指す。「kPa」は、キロパスカルを指す。「kV」はキロボルトを指す。「LAH」は、水素化アルミニウムリチウムを指す。「LC−ES/MS」は、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析法を指す。「LDA」は、リチウムジイソプロピルアミドを指す。「mA」は、ミリアンペアを指す。「MDCK」は、Madin−Darbyのイヌ腎上皮細胞を指す。「min」は、分を指す。「Me」は、メチルを指す。「MeOH」は、メタノールまたはメチルアルコールを指す。「MTBE」は、メチル−tert−ブチルエーテルを指す。「NaHMDS」は、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムを指す。「n−BuLi」は、n−ブチルリチウムを指す。「psi」は、ポンド/平方インチを指す。「rpm」は毎分回転数を指す。「RT」は室温を指す。「SEM」とは、平均の標準誤差を指す。「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを指す。「T3P」は、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−三酸化物溶液を指す。「t−BuOH」は、tert−ブタノールを指す。「TEA」は、トリエチルアミンを指す。「TFA」はトリフルオロ酢酸を指す。「THF」は、テトラヒドロフランを指す。「TMEDA」は、テトラメチルエチレンジアミンを指す。「t」は、保持時間を指す。「U/mL」は、ミリリットルあたりの単位を指す。
本発明の化合物またはその塩は、当技術分野の当業者に既知のさまざまな手順によって調製されてもよく、そのうちのいくつかが、以下のスキーム、調製法、および実施例で説明されている。当業者は、本発明の化合物またはその塩を調製するために、記載される経路のそれぞれに対する特定の合成ステップを、異なる様式で組み合わるか、または異なるスキームのステップと併せることができることを認識している。以下のスキームにおける各ステップの生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕、および結晶化を含む、当技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。以下のスキームにおいて、すべての置換基は、別途指示のない限り、すでに定義されたとおりである。試薬および出発材料は、当業者であれば容易に入手可能なものである。以下のスキーム、調製法、実施例、およびアッセイは、本発明をさらに説明するものであるが、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
スキーム1は、(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンの合成を示す。スキーム1、ステップAにおいて、イソプロピル(E)−ブタ−2−エノエートの不斉アリール化は、当技術分野で十分に説明されているように、ロジウムなどの遷移金属触媒を使用する結合条件下で達成され得る。一般に、アリールボロン酸は、イソプロピル(E)−ブタ−2−エノエートに結合されて、高いエナンチオ選択性を持つロジウム触媒生成物のイソプロピル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエートを得ることができる。例えば、約1.05〜1.1当量の4−ブロモペニルボロン酸を、約0.01当量のロジウム触媒、具体的にはビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートで処理した後、0.01〜0.015当量の(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、約1当量のTEA、および約1当量のイソプロピル(E)−ブタ−2−エノエートなどの適切なキラルリガンドを湿潤1,4−ジオキサンまたはTHFと水(約8:1)などの適切な溶媒混合液中に加えた。得られた反応混合物を約40℃で約18時間加熱することができる。次いで、抽出方法およびクロマトグラフィーなどの当技術分野において周知の技術を利用して、生成物を単離および精製することができる。例えば、反応混合物を水で希釈し、MTBEまたはDCMなどの適切な非極性有機溶媒で抽出することができる。有機抽出物を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップAの粗生成物を得ることができる。次いで、粗生成物は、ヘキサン/EtOAc勾配などの好適な溶離液を伴うシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して、ステップAの精製生成物、イソプロピル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエートを高鏡像体過剰率で得ることができる。
スキーム1、ステップBにおいて、スキーム1のステップAの生成物の加水分解は、当技術分野で周知のけん化条件下で達成され得る。例えば、イソプロピル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエートは、MeOHなどの適切なアルコール溶媒に溶解し、NaOHなどの過剰の無機塩基水溶液で処理することができる。約1時間加熱した後、生成物は、抽出、粉砕、および蒸発法などの当技術分野で周知の技術を利用して単離および精製することができる。例えば、反応混合物をDCMなどの適切な有機溶媒で抽出し、得られた分離水層を濃HClなどの過剰の鉱酸で処理してpHを約4にすることができる。次いで、酸性化した水層を、DCMなどの適切な有機溶媒で抽出することができる。有機抽出物を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップBの粗生成物を得ることができる。粗生成物をヘプタンなどの非極性有機溶媒で粉砕することができ、得られた沈殿物をろ別し、濾液を減圧下で濃縮して、非常に高い鏡像体過剰率で、ステップBの生成物、(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタン酸を得ることができる。
スキーム1、ステップCにおいて、スキーム1のステップBの生成物のエステル化は、当技術分野で周知の広範囲の酸性/塩基性エステル化方法の下で、またはジアゾメタンでの直接エステル化によって実施することができる。例えば、MeOHなどの適切なアルコール溶媒に溶解した(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタン酸を、濃HSOなどの過剰の鉱酸で処理することができる。得られた混合物を約2時間加熱し、次いで抽出などの当技術分野で周知の技術を利用して生成物を単離することができる。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を水とMTBEなどの好適な有機溶媒との間で分配することができる。有機抽出物を合わせ、水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、追加精製不要で使用に好適な、ステップCの生成物、メチル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエートを得ることができる。
スキーム1、ステップDにおいて、スキーム1のステップCの生成物のアルキル化は、文献で周知のさまざまなアルキル化条件を使用して達成することができる。例えば、メチル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエートのメチル化は、無水THFなどの適切な溶媒中のn−BuLiなどの約1.5〜1.75当量の非求核性塩基で、低温で処理し、続いて、得られたアニオンを約1.5〜1.6当量のCHIでクエンチすることにより達成できる。次いで、抽出などの当技術分野で周知の技術を利用することにより、生成物を単離することができる。反応混合物を水とMTBEなどの適切な有機溶媒との間で分配することができる。合わせた有機抽出物を水、飽和NaCl水溶液で順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップDの生成物である(3S、2R/S)−メチル3−(4−ブロモフェニル)−2−メチルブタノエートを、追加精製不要で使用に好適なジアステレオマーの混合物として得ることができる。
スキーム1、ステップEにおいて、ジアステレオマーの混合物としてのスキーム1のステップDの生成物、(3S、2R/S)−メチル3−(4−ブロモフェニル)−2−メチルブタノエートを、低温で無水THFなどの適切な有機溶媒中のn−ブチルリチウムなどの約1当量の有機塩基で処理することができる。次いで、得られた混合物を、約0.9当量のtert−ブチル2−ブロモアセテートの溶液で処理することができる。次いで、抽出などの当技術分野で周知の技術を利用することにより、生成物を単離することができる。反応混合物を水とMTBEなどの適切な有機溶媒との間で分配することができ、合わせた有機抽出物を水および飽和NaCl水溶液で順次洗浄することができる。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップEの生成物である4−(tert−ブチル)1−メチル(S/R)−2−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−メチルスクシナートを、追加精製不要で使用に好適なジアステレオマーの混合物として得ることができる。
スキーム1、ステップFにおいて、スキーム1のステップEの生成物のジアステレオマーエステルの混合物は、先行技術で周知の条件下で加水分解され得る。例えば、4−(tert−ブチル)1−メチル(S/R)−2−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−メチルスクシナートは、DCMなどの適切な有機溶媒に溶解し、TFAなどの過剰な有機酸で処理することができる。得られた混合物を室温で約18時間撹拌し、次いで抽出などの当技術分野で周知の技術を利用して生成物を単離することができる。反応混合物を水および飽和NaCl水溶液で順次洗浄し、有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップFの生成物である(3S/R、4R)−4−(4−ブロモフェニル)−3−(メトキシカルボニル)−3−メチルペンタン酸を、追加精製不要で使用に好適なジアステレオマー混合物として得ることができる。
スキーム1、ステップGにおいて、スキーム1のステップFのジアステレオマーの混合物である、(3S/R、4R)−4−(4−ブロモフェニル)−3−(メトキシカルボニル)−3−メチルペンタン酸は、無水DMFなどの適切な極性有機溶媒中で溶解でき、約3当量のTEAまたはDIPEAなどの非求核性塩基、約1.2当量のHATUなどのアミドカップリング試薬、および過剰のメタノール性アンモニア溶液で順次処理することができる。得られた混合物を室温で約2〜12時間撹拌し、次いで抽出などの当技術分野で周知の技術を利用することによって、生成物を単離することができる。反応混合物を水とDCMなどの適切な有機溶媒との間で分配し、層を分離し、合わせた有機抽出物を水および飽和NaCl水溶液で順次洗浄することができる。次いで、抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップGの生成物であるメチル(2S/R)−4−アミノ−2−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−2−メチル−4−オキソ−ブタノエートを、追加精製不要で使用に好適なジアステレオマーの混合物として得ることができる。
スキーム1、ステップHにおいて、スキーム1のステップGのジアステレオマー生成物の混合物を、非求核性塩基の存在下で加熱することにより環化し、続いてキラルクロマトグラフィー条件下でジアステレオマーを分離することができる。例えば、メチル(2S/R)−4−アミノ−2−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−2−メチル−4−オキソ−ブタノエートを、THF/水の混合液(約1:1)に溶解し、炭酸ナトリウムなどの約2.5当量の非求核性塩基で処理し、得られた混合物を約60℃で約2時間加熱することができる。次いで、生成物は、抽出後のキラルクロマトグラフィー条件下でのジアステレオマーの分離など、当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。例えば、反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ジアステレオマーの粗混合物を得る。ジアステレオマーは、N,N−ジエチルメチルアミン/CO(約1:9)などの少量の非求核性アミンを含むEtOHのアイソクラティック溶媒系を使用して、キラルSFC技術により分離し、ステップHの分離生成物である、(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンおよび(3R)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。
スキーム1、ステップIにおいて、ステップHの生成物は、当技術分野で十分に説明されている条件下でカルボニル化することができる。例えば、約1当量の(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンは、約0.03〜0.04当量の酢酸パラジウム(II)などの遷移金属試薬、約0.10〜0.15当量のブチル−ジ−1−アダマンチル−ホスフィンなどの好適なホスフィンリガンド試薬、およびわずかに過剰のTMEDAなどの非求核性塩基とともに、トルエンなどの好適な非極性有機溶媒中で、一酸化炭素/水素の雰囲気下で約75psiに加圧された密閉反応容器内で加熱することができる。得られた混合物を約95℃で約16時間加熱し、次いで室温に冷却し、珪藻土の床で濾過し、減圧下で濃縮することができる。次いで、生成物は、クロマトグラフィーなどの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。例えば、溶媒蒸発後に得られた粗残渣を、ヘキサン/酢酸エチルなどの好適な有機溶媒混合液で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、ステップIの生成物、4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒドを得ることができる。
4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒドのスクシンイミド窒素は、スキーム1、ステップJに示す当技術分野に既知の条件下で、好適な保護基「PG」で保護することができる。例えば、PG=トリチルの場合、スキーム1、ステップIの生成物である約1当量の4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]エチル]−ベンズアルデヒドを、室温で約4〜6時間、DMFなどの好適な極性有機溶媒中のCsCOなどの約1.5当量の適切な塩基、および約1.2当量の塩化トリフェニルメチルで処理することができる。生成物は、抽出法およびクロマトグラフィーなどの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。例えば、粗反応混合物を水で希釈し、DCMまたはEtOAcなどの好適な有機溶媒で抽出し、得られた層を分離し、有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することができる。得られた粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチルなどの好適な有機溶媒混合物で溶出する、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ステップJの生成物、4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒドを得ることができる。
スキーム1、ステップKにおいて、スキーム1のステップJのN−保護ベンズアルデヒド生成物は、当技術分野で十分に説明されている広範な条件下で還元することができる。例えば、スキーム1、ステップJの生成物である、約1当量の4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]−ベンズアルデヒドは、EtOHなどの好適なアルコール溶媒に懸濁するか、またはTHFもしくは1,4−ジオキサンなどの好適な極性有機溶媒に溶解し、約1.5当量の水素化ホウ素ナトリウムの全量をもしくは少しずつ添加して、約30〜60分間、約0°Cで処理することができる。生成物は、抽出法およびクロマトグラフィーなどの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。粗反応混合物を水で希釈し、EtOAcなどの好適な極性有機溶媒で抽出し、得られた層を分離し、有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチルなどの好適な有機溶媒混合物で溶出する、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ステップKの生成物、(3S)−3−[(1R)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。
スキーム1、ステップLにおいて、スキーム1のステップKのアルコール生成物は、当技術分野で周知の一連の条件下で、ハロゲン化アルキル、アルキルメシレート、またはアルキルトシレートなどの好適な脱離基に変換することができる。例えば、スキーム1、ステップKの生成物である、約1当量の(3S)−3−[(1R)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオンは、DCMなどの好適な有機溶媒に溶解し、約0℃まで冷却し、TEAなどの約1.5当量の適切な非求核性塩基、および約1.2当量のメタンスルホニルクロリドで順次処理することができる。生成物は、抽出方法などの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。反応混合物を水およびDCMで希釈し、得られた層を分離し、有機抽出物を飽和NaHCO水溶液および飽和NaCl水溶液で順次洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ステップLの粗生成物、[4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]フェニル]メチルメタンスルホナート(追加精製せずにその後の使用に十分な純度のもの)を得ることができる。
スキーム1、ステップLの生成物は、当技術分野で十分に説明されている広範な条件下でさまざまな求核剤で処理することができる。例えば、スキーム1、ステップMにおいて、DMFなどの適切な極性有機溶媒中の約1当量の(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)−オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン溶液を、DMFまたはACNなどの好適な有機溶媒中の約0.75〜0.95当量の2−シクロプロピル−6−メチル−ピリジン−4−オールのスラリー、および約0.75〜0.95当量のNaHまたはNaHMDSに、約0℃〜室温で加えることができる。得られた混合物を約16時間撹拌し、抽出法およびクロマトグラフィーなどの当技術分野で周知の技術を利用して生成物を単離することができる。反応混合物を水で希釈し、EtOAcなどの好適な極性有機溶媒で抽出し、層を分離し、有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することができる。得られた粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチルなどの好適な有機溶媒混合物で溶出する、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ステップMの生成物、(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。
スキーム1、ステップNは、スクシンイミド窒素の脱保護を示し、当技術分野で周知のとおり、保護基に特異的な広範な条件下で達成することができる。例えば、PG=トリチルの場合、スキーム1、ステップMの生成物である、約1当量の(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオンは、DCMなどの好適な有機溶媒に溶解し、過剰のTFAで約12〜24時間処理することができる。反応混合物は、1NのNaOH水溶液でpHを約6に調整することができる。生成物は、抽出方法およびクロマトグラフィーなどの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出し、層を分離し、有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することができる。得られた粗生成物を、DCM中のMeOHなどの適切な溶媒混合物で溶出する、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ステップNの生成物、(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。
スキーム2は、4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒドの合成を示す。スキーム2、ステップAにおいて、スキーム1ステップHの生成物である(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンのスクシンイミド窒素を、スキーム1ステップJに記載されている手順と本質的に同様の様式で、トリチル化することによって保護することができる。例えば、約1当量の(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンは、DMFなどの好適な極性有機溶媒中、CsCOなどの約1.5当量の適切な塩基および約1.2当量の塩化トリフェニルメチルで、室温で約4時間、処理することができる。生成物は、濾過などの当技術分野で周知の技術を利用することにより単離することができる。例えば、反応混合物を水で希釈し、約0℃に冷却することができる。得られた沈殿物を濾過により回収し、熱いMeOHで再構成し、室温に冷却し、生じた沈殿物を濾過により回収して、ステップAの生成物、(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。スキーム2、ステップBにおいて、この物質は、スキーム1のステップIに記載されている手順と本質的に同様の様式でカルボニル化して、4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2、5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒドを得ることができる。スキーム1、ステップK〜Nにすべて記載のとおり、その後の還元、メシレートへの変換、2−シクロプロピル−6−メチル−ピリジン−4−オールによるエーテル化、および脱保護によって、(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンを得ることができる。
調製法および実施例
以下の調製法および実施例は、本発明をさらに説明し、本発明の化合物の典型的な合成を表す。試薬および出発材料は、当業者によって容易に入手可能であるか、または容易に合成され得る。調製法および実施例は限定ではなく例示として説明され、当業者によりさまざまな変更が行われ得ることを理解すべきである。
本発明の化合物のRまたはS配置は、X線分析およびキラルHPLCの保持時間との相関などの標準技術により決定され得る。
LC−ES/MSは、AGILENT(登録商標)HP1100液体クロマトグラフィーシステムにおいて行われる。エレクトロスプレー質量分析測定(ポジティブおよび/またはネガティブモードで取得される)は、HP1100HPLCと連動するMass Selective Detector四重極質量分析計で行われる。LC−MS条件(低pH):カラム:PHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)NX C−18 2.1×50mm 3.0μm、勾配:5〜100%Bで3分間、次に100%Bで0.75分間、カラム温度:50℃+/−10℃、流速:1.2mL/分、溶媒A:0.1%HCOOH含有脱イオン水、溶媒B:0.1%ギ酸含有ACN、波長214nm。代替LC−MS条件(高pH):カラム:XTERRA(登録商標)MS C18カラム2.1×50mm、3.5μm、勾配:5%の溶媒Aで0.25分間、勾配:5%〜100%の溶媒Bで3分間、および100%の溶媒Bで0.5分間または10%〜100%の溶媒Bで3分間、および100%の溶媒Bで0.75分間、カラム温度:50℃+/−10℃、流速:1.2mL/分、溶媒A:10mMのNHHCO pH9、溶媒B:ACN、波長:214nm。
分取逆相クロマトグラフィーは、Mass Selective Detector質量分析計およびLEAP(登録商標)自動回収装置/自動分取装置を備えたAGILENT(登録商標)1200LC−ES/MSで行われる。高pH法は、75×30mmのPHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)−NX、10×20mmのガードを備えた5μm粒径カラムで実行される。流速85mL/分。溶離液は、アセトニトリル中10mMの重炭酸アンモニウム(pH10)である。
NMRスペクトルは、Bruker AVIII HD400MHz NMR Spectrometerで実施し、残留溶媒[CDCl、7.26ppm、(CDSO、2.50ppm]を参照標準として使用して、ppmで報告されるCDCl溶液または(CDSO溶液として得る。ピーク多重度を報告する場合、次の略語を使用することができる。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br−s(ブロード一重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。結合定数(J)は、報告される場合、ヘルツ(Hz)で報告される。
調製法1
イソプロピル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエート
スキーム1、ステップA:N雰囲気下、1,4−ジオキサン(750mL)中の(4−ブロモフェニル)ボロン酸(110g、547.73mmol)の脱酸素溶液に、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(2g、5.13mmol)、続いて(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(4.5g、7.2mmol)を加える。混合物を室温で1時間熟成した後、HO(100mL)、TEA(70mL、502mmol)、およびイソプロピル(E)−ブタ−2−エノエート(65g、507.14mmol)を添加する。得られた赤色溶液を40℃で18時間加熱する。反応混合物を減圧下で半分の体積に濃縮し、500mLのMTBEで希釈する。有機溶液を水500mLで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固させる。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(勾配1:0〜9:1)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(144g、94.6%収率、94.5%ee)。主エナンチオマーt=2.20分、副エナンチオマーt=2.69分(キラルSFC Lux Amylose−2、5%のMeOH/CO、5mL/分、225nm)。H NMR(DMSO−d):δ1.05(d、J=6.2Hz、3H)、1.10(d、J=6.2Hz、3H)、1.19(d、J=7.0Hz、3H)、2.48−2.59(m、2H)、3.08−3.19(m、1H)、4.74−4.84(m、1H)、7.20−7.24(m、2H)、7.44−7.48(m、2H)。
調製法2
(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタン酸
スキーム1、ステップB:室温で撹拌しながら、MeOH(8L)中のイソプロピル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエート(1042g、3471.0mmol)の溶液に5MのNaOH水溶液(2L)を加える。反応物をN雰囲気下で40分間50℃に加熱する。30℃に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を2Lの水で希釈する。得られた水性混合物をDCM(約2L)で1回抽出する。水層を約1kgの氷で処理し、濃HCl(1L)を20分かけてゆっくりと添加することでpHを約4に酸性化する。次に、濁った水層をDCM(約4L)で抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、透明な褐色油とし、固化してオフホワイトの固体にした。ヘプタン(約4L)を固体に加え、得られた混合物を2時間45℃に加熱すると、固体が沈殿する。固体を濾過により回収し、ヘプタン(200〜250mL)で洗浄する。次いで、濾液を減圧下で濃縮乾固させて、表題化合物をオフホワイトの固体として得る(771g、91.4%収率、99%ee)。ES/MS(m/z):241.0(M−H)。主エナンチオマーt=2.35分、副エナンチオマーt=2.82分(キラルSFC Lux Amylose−2、5%のMeOH/CO、5mL/分、225nm)。H NMR(DMSO−d):δ1.19(d、J=7.0Hz、3H)、2.48−2.52(m、2H)、3.07−3.17(m、1H)、7.20−7.25(m、2H)、7.44−7.49(m、2H)、12.08(s、1H)。
[α] 25+25.0°(c=1、MeOH)。
調製法3
メチル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエート
スキーム1、ステップC:濃HSO(45mL、802mmol)を(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタン酸(450g、1851.1mmol)のMeOH(4.5L)溶液に加える。混合物を65℃で2時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮して乾燥残渣にする。固体をMTBE(2.5L)およびHO(2.5L)で希釈し、得られた混合物をMTBE(2×2.5L)で抽出した。合わせた抽出物をHO(2.5L)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、さらなる精製をせずに使用することができる淡黄色の油(469.8g、>99%収率)として表題化合物を得る。ES/MS(m/z):274.0(M+NH )。H NMR(CDCl):δ1.27(d、J=7.0Hz、3H)、2.50−2.62(m、2H)、3.20−3.30(m、1H)、3.61(s、3H)、7.07−7.12(m、2H)、7.39−7.43(m、2H)。
調製法4
(3S、2R)−メチル3−(4−ブロモフェニル)−2−メチルブタノエート
および
(3S、2S)−メチル3−(4−ブロモフェニル)−2−メチルブタノエート
スキーム1、ステップD:ヘキサン(1250mL)中のn−BuLiの2.5M溶液を、無水THF(2.3L)中のDIPEA(444mL、3150mmol)の溶液に−40℃で30分かけて滴加する。30分後、無水THF(3.3L)中のメチル(3S)−3−(4−ブロモフェニル)ブタノエート(468.90g、1750.7mmol)の溶液を40分かけて添加し、反応混合物を−40°Cで40分間熟成させる。CHI(176mL、2798mmol)を30分かけて加え、混合物を−40℃で15分間撹拌する。反応混合物を、−40℃でMeOH(283mL)、続いてHO(2.5L)でゆっくりクエンチし、混合物を室温まで温める。反応混合物をHO(2.5L)で希釈し、得られた層を分離する。水層をさらにMTBE(7.5L)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(3L)および飽和NaCl水溶液(2.5L)で順次洗浄する。有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を、さらなる精製をせずに使用できるジアステレオマーの混合物(7:3)として薄茶色の油(489g、93%収率)として得る。主ジアステレオマーt=1.29分、副ジアステレオマーt=1.32分(XBRIDGE(登録商標)C18カラム、3.5μ、2.1×50mm、1.2mL/分、50℃、ACN中10〜95%の10mMのNHCO(pH10))。ES/MS(79Br/81Brのm/z):288.0、290.0(M+NH )。
調製法5
4−(tert−ブチル)1−メチル(S)−2−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−メチルスクシナート
および
4−(tert−ブチル)1−メチル(R)−2−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−メチルスクシナート
スキーム1、ステップE:ヘキサン(1150mL、2900mmol)中のn−BuLiの2.5M溶液を、無水THF(3L)中のDIPEA(410L、2910mmol)の溶液に−40°Cで20分かけて添加する。得られた混合物を−40℃で30分間撹拌し、無水THF(3L)中のジアステレオマー混合溶液、メチル(2R/S、3S)−3−(4−ブロモフェニル)−2−メチル−ブタノエート(488.00g、1619.8mmol)を1時間かけて添加する。反応混合物を−40℃で45分間熟成し、無水THF(250mL)中のtert−ブチル2−ブロモアセテート(391mL、2596mmol)の溶液を30分かけて添加する。得られた混合物を−40℃でさらに30分間撹拌する。MeOH(250mL)を加えた後、HO(2.5L)を加え、得られた混合物を室温まで温める。混合物をHO(2.5L)で希釈し、得られた層を分離する。水層をMTBE(5L)で抽出し、有機抽出物をHO(5L)、続いて飽和NaCl水溶液(2.5L)で順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を、さらなる精製をせずに使用できるジアステレオマーの混合物として濃茶色の油(786g、87%収率)として得る。主ジアステレオマーt=1.51分、副ジアステレオマーのt=1.53分(XBRIDGE(登録商標)C18カラム、3.5μ、2.1×50mm、1.2mL/分、50℃、ACN中10〜95%の10mMのNHCO(pH10))。ES/MS(79Br/81Brのm/z):328.8、330.8(M−tBu+H)。
調製法6
(3S、4R)−4−(4−ブロモフェニル)−3−(メトキシカルボニル)−3−メチルペンタン酸
および
(3R、4R)−4−(4−ブロモフェニル)−3−(メトキシカルボニル)−3−メチルペンタン酸
スキーム1、ステップF:DCM(6L)中のジアステレオマー混合溶液の4−(tert−ブチル)1−メチル(R/S)−2−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−メチルスクシナート(785g、1406mmol)をTFA(1.06L)で処理し、室温で18時間撹拌する。反応混合物をHO(2×5L)および飽和NaCl水溶液(5L)で順次洗浄する。有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を、さらなる精製をせずに使用できるジアステレオマーの混合物(8:2)として暗褐色のガム(604g、91%収率)として得る。ES/MS(79Br/81Brのm/z):329.0、331.0(M+H)。
調製法7
メチル(2S)−4−アミノ−2−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−2−メチル−4−オキソ−ブタノエート
および
メチル(2R)−4−アミノ−2−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−2−メチル−4−オキソ−ブタノエート
スキーム1、ステップG:0℃の無水DMF(4L)中の(3R/S、4R)−4−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシカルボニル−3−メチルペンタン酸(603g、1282mmol)とTEA(550mL、3870mmol)とのジアステレオマー混合物に、HATU(597g、1538.69mmol)を15分かけて添加する。反応混合物を室温で2時間熟成する。7MのNH/MeOH(1.83L)の溶液を10°Cで30分かけて添加し、得られた混合物を室温に温め、1時間撹拌する。反応混合物を10℃に冷却し、DCM(5L)、続いてHO(5L)でゆっくり希釈する。得られた層を分離し、水層をさらにDCM(2.5L)で抽出する。合わせた抽出物をHO(5L)および飽和NaCl水溶液(5L)で順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物をさらなる精製をせずに使用できるジアステレオマーの混合物(8:2)として、暗色のガム(520g、87%収率)として得る。主ジアステレオマーt=0.97分、副ジアステレオマーのt=0.99分(XBRIDGE(登録商標)C18カラム、3.5m、2.1×50mm、1.2mL/分、50℃、ACN中10〜95%の10mMのNHCO(pH10))。ES/MS(79Br/81Brのm/z):328.0/330.0(M+H/M+H+2)。
調製法8
(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン
および
(3R)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン

スキーム1、ステップH:THF(4.2L)およびHO(4.2L)に溶解したジアステレオマー混合物、メチル(2R/S)−4−アミノ−2−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−2−メチル−4−オキソ−ブタノエート(519g、1107mmol)に、NaCO(293g、2764.46mmol)を加え、混合物を60℃で2時間加熱する。反応物を室温に冷却し、EtOAc(2.5L)で抽出する。有機層をHO(3L)で洗浄する。得られた水性抽出物をEtOAc(5L)で抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、SFCにより分離される2つのジアステレオマーの粗混合物を得る[カラム:AS−H、150×50mm、10%EtOH(0.2%DEMA)、340g/分、BPR150bar、注入量:4ml、220nm]。(3R)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン:第1の溶出化合物(43.8g、11%)。H NMR(CDCl):δ1.33(d、J=7.2Hz、3H)、1.40(s、3H)、2.34(d、J=18.4Hz、1H)、2.80(、J=18.4Hz、1H)、3.23(q、J=7.2Hz、1H)、7.07(d、2H)、7.40(d、2H)、7.54(br−s、1H)。ES/MS(79Br/81Brのm/z):313.0、315.0(M+H)。(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン:第2の溶出化合物(241.8g、55%)。H NMR(CDCl):δ1.23(s、3H)、1.30(d、J=7.1Hz、3H)、2.21(d、J=18.4Hz、1H)、2.96(d、J=18.4Hz、1H)、3.14(q、J=7.1Hz、1H)、7.04−7.09(m、2H)、7.42−7.48(m、2H)、8.09(br−s、1H)。ES/MS(79Br/81Brのm/z):313.0、315.0(M+H)。
調製法9
2−シクロプロピル−6−メチル−ピリジン−4−オール

1,2−ジメトキシエタン(150mL)中のNaH(油中60%、11.6g、289mmol)の懸濁液を油浴で110°Cに加熱する。アセチルアセトン(6.0mL、57.8mmol)、メチルシクロプロパンカルボキシレート(9.0mL、86.8mmol)、および1,2−ジメトキシエタン(75mL)の溶液を40分かけて滴加する。さらに4時間加熱した後、懸濁液を室温まで冷却し、減圧下でDMEを除去する。得られたスラリーをEtO(200mL)で希釈し、氷/水浴で約5℃に冷却し、氷水(200mL)で注意深くクエンチする。層を分離し、有機層を水(100ml)および0.25MのNaOH水溶液(100mL)で洗浄する。合わせた水層を氷/水浴で冷却し、濃HCl(40mL)で慎重に処理する。酸性の水性混合物をEtO(4×200mL)で抽出し、有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、淡琥珀色油を得る。得られた残渣を28%NHOH(180mL、4.6mol)で処理し、得られた混合物を3時間加熱還流し、続いて減圧下で濃縮した。粗生成物を、(2NのNH/MeOH)/DCM(勾配1:99〜1:9)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(8.0g、90%収率)。ES/MS(m/z):150.0(M+H)。
調製法10
4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド
スキーム1、ステップI:100mlのParrオートクレーブに(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(2.47g、8.34mmol)、酢酸パラジウム(II)(75mg、0.334mmol)、ブチル−ジ−1−アダマンチル−ホスフィン(CataCXiumA(登録商標))(360mg、0.954mmol)、無水トルエン(70ml)、およびTMEDA(1.3ml、8.6mmol)を装填する。オートクレーブを密閉する。反応混合物を合成ガス(H/CO(1:1))(75psi)の雰囲気下に置き、95℃に加熱し、その状態で16時間撹拌する。混合物を冷却し、懸濁液を珪藻土のパッドで濾過する。濾過ケークをEtOAcで洗浄し、回収した濾液を減圧下で濃縮して、琥珀色の油を得る。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(勾配9:1〜2:3)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(1.27g、62%収率)。ES/MS(m/z):263.0(M+NH )。
調製法11
4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド

スキーム1、ステップJ:炭酸セシウム(2.24g、6.87mmol)および塩化トリフェニルメチル(1.56g、5.50mmol)を4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド(1.12g、4.58mmol)およびDMF(25ml)の溶液に室温で撹拌しながら添加する。4.5時間撹拌した後、混合物を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×75ml)で抽出する。合わせた抽出物を水(50ml)および飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色泡沫を得る。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(勾配49:1〜7:3)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(2.28g、100%収率)。ES/MS(m/z):510.2(M+Na)。
調製法12
(3S)−3−[(1R)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン
スキーム1、ステップK:水素化ホウ素ナトリウム(147mg、3.81mmol)を単回で、氷/水浴で冷却したEtOH(50ml)中の4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド(1.24g、2.54mmol)懸濁液に添加する。40分後、反応物を水(10ml)でクエンチし、減圧下で濃縮してEtOHを除去する。得られた濃縮物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2x50ml)で抽出する。合わせた抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して白色泡沫を得る。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(勾配19:1〜1:19)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(1.19g、95%収率)。ES/MS(m/z):507.2(M+NH )。
調製法12の代替手順
オーバーヘッド撹拌機を備えた3口丸底フラスコ内の、無水THF(1.6L)に溶解した4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド(160.7g、329.6mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(10g、264.3mmol)を2gずつ加える。反応混合物を室温で3時間撹拌し、EtAOc(2L)および水(1.5L)で希釈し、得られた層を分離する。有機抽出物を水(1L)および飽和NaCl水溶液(500mL)で順次洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をEtOAc(1L)およびMTBE(1L)に溶解し、水(500mL)および1NのHCl水溶液(250mL)を加え、二相混合物を約15分間撹拌する。有機層を分離し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、得られた残渣を真空オーブンで40〜50℃で一晩乾燥させて、表題化合物(164.5g、96%収率)を褐色固体として得る。
調製法13
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン
スキーム1、ステップL:氷/水浴で約5°Cに冷却したDCM(15mL)中の(3S)−3−[(1R)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン(636mg、1.30mmol)の溶液を、TEA(274μL、1.95mmol)およびメタンスルホニルクロリド(122μL、1.56mmol)で処理する。冷浴で2時間撹拌した後、混合物をDCM(25mL)および水(25mL)で希釈する。層を分離し、水層をDCM(25mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製[4−[(1R)−1−[(3S)−3]−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]フェニル]メチルメタンスルホネートを油として得る。
スキーム1、ステップM:別のフラスコで、水素化ナトリウム(油中60%、78mg、1.95ミリモル)を、DMF(5mL)中の2−シクロプロピル−6−メチル−ピリジン−4−オール(291mg、1.95mmol)溶液に加える。室温で40分間撹拌した後、DMF(5ml)中の粗メシレートの溶液を水素化ナトリウム混合物に加え、室温で16時間撹拌する。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出する。合わせた有機層を水および飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油を得る。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(勾配19:1〜1:3)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(597mg、74%収率)。ES/MS(m/z):621.3(M+H)。
調製法13の代替手順
氷/水浴で約5℃に冷却したDCM(1.2L)中の(3S)−3−[(1R)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン(121.3g、247.8mmol)の溶液をTEA(52mL、373mmol)で処理し、メタンスルホニルクロリド(23mL、297mmol)を約10分かけて滴加する。反応混合物を約5℃で約1時間撹拌し、水(1.2L)を加える。有機層を分離し、水(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ヘキサン(500mL)と共沸し、減圧下で濃縮して、得られた残渣を高真空に供して、[4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]フェニル]メチルメタンスルホネート(143.6g、定量的収率、ヘキサン含有生成物)を黄色固体として得る。
2−シクロプロピル−6−メチル−ピリジン−4−オール(56g、375.4mmol)をACN(1.3L)に溶解し、THF中の2MのNaHMDS溶液を20分かけて滴加する。完全に添加した後、反応混合物を55℃に加熱し、[4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3]−イル]エチル]フェニル]メチルメタンスルホネート(133.8g、235.7mmol)をACN(670mL)に溶解した溶液を55℃で45分かけて滴加する。反応混合物を55℃で1時間加熱し、室温に冷却し、MTBE(2L)と水(2L)の混合物に注ぎ、有機層を分離し、水(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCM(300mL)に溶解し、MgSOで乾燥し、珪藻土の床で濾過した。濾過ケークを追加のDCMで洗浄し、濾液を減圧下で還元する。得られた残渣を、ヘキサン/アセトン(勾配9:1〜7:3)で溶出する、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得る(62.7g、43%収率)。
調製法14
(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン
スキーム2、ステップA:(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(201g、678.6mmol)を4Lの3口フラスコ内のDMF(1500mL)に室温の窒素下で機械的に撹拌しながら溶解する。CsCO(330g、1012.8mmol)を約5分かけて加え、混合物を室温に温め、さらに3時間撹拌する。内部温度を20℃未満に維持しながら、反応混合物を水(1500mL)で希釈する。得られた沈殿物を真空濾過によって回収する。濾過ケークを水(2×500mL)で洗浄し、窒素気流下で乾燥させる。濾過ケークを機械的に撹拌しながら12Lの3口に移す。MeOH(4L)を加え、混合物を約5分間加熱還流する。メタノール溶液を約0℃に冷却し、得られた沈殿物を真空濾過により回収し、固体を真空下で約50℃で乾燥させて、白色固体として表題化合物(350.9g、96%収率)を得る。ES/MS(m/z、79Br/81Br):538.1/540.1(M+H)。
調製法15
4−[(1R)−1−[(3S)−3−メチル−2,5−ジオキソ−1−トリチル−ピロリジン−3−イル]エチル]ベンズアルデヒド
スキーム2、ステップB:(3S)−3−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(185.5g、0.35mol)を3等分に分割して、それぞれをParrオートクレーブ容器内に配置し、それぞれがパラジウム(II)アセテート(0.77g、3.4mmol)、ブチル−ジ−1−アダマンチル−ホスフィン(CataCXiumA(登録商標))(5.0g、0.014mol)、無水トルエン(500mL)、およびTMEDA(17.5ml、0.12mol)を含有する。各容器を排気し、CO/Hの雰囲気で約75psiまで満たす。容器を95℃で16時間加熱し、室温まで冷却する。各反応物を珪藻土の床で濾過し、濾液を合わせて減圧下で濃縮する。得られた残渣をトルエン(約1L)に溶解し、2Lの3口フラスコに移し、活性炭(200g(200gの))を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。反応混合物を珪藻土の床で濾過し、濾過ケークをMTBE(1L)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた残渣をEtOH(1.3L)でスラリー化し、75℃に加熱し、水(640mL)を約20分かけて滴加する。混合物を室温に冷却し、固体を濾過により回収し、水(500mL)ですすぎ、窒素圧下で乾燥させて、黄色固体として表題化合物(160.7g、収率87%)を得る。ES/MS(m/z):488.1(M+H)。
実施例1
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン
スキーム1、ステップN:DCM(5ml)中の(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン(597mg、0.961mmol)の溶液に、TFA(3ml、38.6mmol)を加え、混合物を17時間撹拌する。減圧下で濃縮した後、DCM(20ml)と水(20ml)を濃縮物に加え、1NのNaOH水溶液でpH6に調整する。DCM(2×50ml)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油を得た。粗生成物を、DCM/MeOH(勾配1:0〜9:1)で溶出する、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なクロマトグラフィー画分を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物を得る(332mg、91%収率)。ES/MS(m/z):379.0(M+H)。[α] 20=−42.142°(C=0.2、MeOH)
実施例1の代替手順
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−1−トリチル−ピロリジン−2,5−ジオン(61.7g、99.4mmol)をDCM(230mL)に溶解し、約5°Cに冷却する。TFA(310mL)を約10分かけてゆっくり加え、反応混合物を室温に温め、一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をMTBE(620mL)と水(620mL)との間で分配する。混合物を約5℃に冷却し、5NのNaOH水溶液を加え(pH約14)、層を分離する。水性抽出物を濃HClで酸性化(pH約5)し、EtOAc(1.2L)で抽出する。層を分離し、有機抽出物を飽和NaHCO水溶液(2×500mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、約2時間高真空に供して、オフホワイトの固体として表題化合物(31.4g、83.5%収率)を得る。ES/MS(m/z):379.0(M+H)。
実施例1A
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロブロミドモノハイドレート
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(401mg、1.06mmol)を60°CのEtOAc(8mL)でスラリー化する。EtOAc(2mL)に溶解した48%臭化水素酸の溶液を加え、混合物を60℃で1時間撹拌する。得られた白色固体を濾過により回収し、EtOAcですすぎ、風乾して、白色結晶固体として表題化合物(385mg、収率79%)を得る。
実施例1B
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロクロリドモノハイドレート
(3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(250mg、0.7mmol)を、60°Cで撹拌しながら、EtOAc/EtOH(4:1)の混合物に溶解する。EtOAc(0.7mL)中の1MのHCl溶液を添加し、得られた混合物を60℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、淡黄色沈殿物を濾過により回収し、EtOAcですすぎ、風乾させて、表題化合物(151mg、55%収率)を淡黄色結晶固体として得る。
粉末X線回折(XRPD)
結晶固体のXRPDパターンは、35kVおよび50mAで作動する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えたBruker D4 EndeavorX線粉末回折計にて得られる。サンプルは、2θにおける0.009°のステップサイズおよび0.5秒/ステップの走査速度で、0.6mmの発散スリット、5.28mmの固定散乱防止スリット、および9.5mm検出スリットを用いて、2θにおける4および40°で走査される。乾燥粉末を石英サンプルホルダーに充填し、ガラススライドを使用して滑らかな表面を得る。結晶形の回折パターンは、周囲温度および相対湿度で収集される。結晶学の分野において、任意の所与の結晶形に関して、結晶形態および晶癖などの要因から生じる好ましい配向に起因して、回折ピークの相対強度が変化し得ることは周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変化するが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopeia #23,National Formulary#18,pages 1843−1844,1995を参照されたい。さらに、所与の任意の結晶形について、角ピーク位置がわずかに変化し得ることも、結晶学の分野において周知である。例えば、ピーク位置は、サンプルが分析される温度もしくは湿度の変動、サンプルの変位、または内部標準の有無に起因して変動し得る。本発明の場合、2θの±0.2のピーク位置の変動は、示された結晶形の明確な同定を妨げることなくこれらの潜在的な変動を考慮する。結晶形の確認は、特徴的なピーク(°2θの単位で)、典型的にはより顕著なピークの任意の固有の組み合わせに基づいて行われ得る。周囲温度および相対湿度にて収集された結晶形の回折パターンは、°2θの8.85および26.77で、NIST675標準ピークに基づき調整する。
実施例1Aの化合物のサンプルは、CuKa放射線を用いるXRDパターンによって、以下の表1に記載の回析ピーク(2θ値)を有するものとして特徴付けられる。具体的には、パターンは、回折角について±0.2度の許容差を伴って、13.9°、22.1°、8.7°、19.5°、および18.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた、26.1°におけるピークを含む。
実施例1Bの化合物のサンプルは、CuKa放射線を用いるXRDパターンによって、以下の表2に記載の回析ピーク(2θ値)を有するものとして特徴付けられる。具体的には、パターンは、回折角について±0.2度の許容差を伴って、13.8°、22.2°、19.7°、21.3°、14.1°、および25.4°からなる群より選択される1つ以上のピークと組み合わせた、26.3°におけるピークを含む。
CGRP受容体アンタゴニストによるcAMP産生の阻害
hCGRP(ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド)受容体は、Gαsタンパク質と機能的に結合する。hCGRPの刺激は、細胞内cAMPの合成の増加をもたらし、受容体アンタゴニストの添加により阻止することができる。したがって、受容体活性は、細胞内に存在するcAMP量の反映であり、標準的なin vitro技術を使用して検出することができる。
細胞培養:内因hCGRP受容体を発現する培養SK−N−MC神経芽細胞腫細胞(ATCC)を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS;GIBCO(登録商標))、非必須アミノ酸(GIBCO(登録商標))、1mMのピルビン酸ナトリウム、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、および10μg/mLのストレプトマイシンを補充したイーグル最小必須培地(HYCLONE(商標))中で約70%コンフルエントで増殖させた。新鮮な培地を提供した後、細胞を37℃で一晩インキュベートする。アッセイの日に、細胞をACCUTASE(登録商標)(MP Biomedicals)を用いて分離し、アッセイ緩衝液[1:2で混合したCaClおよびMgCl、3.3mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、3.3mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、0.03%のウシ血清アルブミン、ならびに0.5mMの1−メチル−3−イソブチルキサンチン各100ミリグラム/mlを含むハンクス平衡塩溶液/ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(cAMPの阻害剤として)]中に再懸濁し、3〜5K/ウェルを、384ウェルのポリ−D−リジンでコーティングした白色プレート(BD Biosciences)に播種する。
cAMP産生の阻害:用量反応試験では、化合物をジメチルスルホキシドで1:3に、次いでアッセイ緩衝液で1:10に順次希釈する。hCGRP受容体の受容体特異的アゴニストとしてのヒトCGRP(0.8nM;Bachem)を希釈化合物と混合し、EC80濃度で誘発刺激物質として細胞に添加する。
データ分析:細胞内cAMP量は、ベンダーごとの指示に従ってHTRFテクノロジー(Cisbio)を使用して定量化される。簡潔に、溶解緩衝液中のcAMP−d2抱合体および抗cAMP−クリプテート抱合体を、処理された細胞とともに室温で90分間インキュベートする。HTRFシグナルをENVISION(登録商標)プレートリーダー(Perkin−Elmer)を用いて直ちに検出し、620〜665nMでの蛍光の比率を計算する。生データは、各実験で生成されたcAMP標準曲線を使用して、cAMP量(ピコモル/ウェル)に変換される。相対EC50値は、4パラメータロジスティック曲線フィッティングプログラム(ACTIVITYBASE(登録商標)v5.3.1.22またはGENEDATA SCREENER(登録商標)v12.0.4)を用いて、濃度応答曲線の上下範囲から計算され、K値は、次式を使用してアゴニスト補正IC50値として推定される。

推定K値は、平均値±SEMとして報告され、実行回数(n)から平均される。
本質的に上記の手順に従って、実施例1の化合物は、0.57±0.25nM(n=11)のヒトCGRPで測定したKを有する。これは、実施例1の化合物がin vitroでヒトCGRP受容体のアンタゴニストであることを実証する。
ABCB1、ヒトP糖タンパク質(Pgp)による流出のin vitro測定
細胞培養:ヒト野生型ABCB1(Pgp)を安定して発現するMDCKII細胞は、Netherlands Cancer Institute(Amsterdam,The Netherlands)から入手する。MDCK細胞は、前述のように維持される(Desai et al.,Mol Pharm10:1249−1261,2013)。
MDCK細胞を通過する双方向輸送:アッセイは本質的に前述のように実施される(Desai et al.,Mol Pharm10:1249−1261,2013)。輸送は、10mMのDMSO保存溶液から希釈した基質濃度5μM(最終DMSO濃度0.05%)および単一の60分時間間隔を使用して、非阻害および阻害細胞単層を通過して両方向で測定される。2.5μMの実施例1の化合物を使用して、Pgpを選択的に阻害する。見かけの透過係数(Papp)は、回収された総質量に対する60分あたりの輸送質量の勾配として推定される。底部対頂部(BA)/頂部対底部(AB)Papp比は、純流出率(NER)に対する各細胞株における阻害剤の有無で計算される。Pgpによる流出に関する実施例1の化合物のNERは、1.7であると決定される。
ラットにおける非結合脳−血漿分配係数(Kp,uu,brain)のin vivo測定
非結合脳−血漿分配係数(Kp,uu,brain)は、血液脳関門(BBB)を通過する化合物の能力を評価するための重要な薬物動態パラメータの1つである(Hammarlund−Udenaes、M.;Friden、M.;Syvanen、S.;Gupta、A.On theRate and Extent of Drug Delivery to the Brain.Pharm.Res.2008、25(8)、1737−1750)。Kp,uu,brainは通常、前臨床種で次の方法論を使用して測定され、0.3を超えるKp,uu,brain値は、血漿中の非結合化合物の30%超がBBBを通過することを示す。
試験集団:動物研究は、Covance Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認されたプロトコルの下で実施される。体重250〜350gのオスのSprague−Dawleyラットは、Harlan Sprague Dawley Inc.(Indianapolis,IN)から入手する。動物は、試験前および試験中に自由に食物と水を摂取できる。
用量投与:動物はそれぞれ、精製水中の10ml/kgのヒドロキシエチルセルロース(1%w/v)/ポリソルベート80(0.25%v/v)/Antifoam1510−US(0.05%v/v)(プローブ超音波処理済み)を経口投与され、10mg/kgの実施例1のCGRP受容体アンタゴニスト化合物を投与される。
薬物動態サンプリング:時点ごとに3匹の動物を使用する。血液(心臓穿刺による)および脳サンプルは、投与後0.5および2時間で採取される。血液サンプルをK−EDTA抗凝固剤で処理し、1600gで10分間遠心分離して血漿を採取する。脳サンプルは、灌流せずに、計量および均質化する。すべてのサンプルをLC−MS/MSによる分析まで−70℃で保存し、各時点で血漿および脳中の実施例1の化合物の濃度を決定する。
血漿および脳タンパク質結合の測定:ラット血漿および脳ホモジネートタンパク質のin vitro結合は、他所(Zamek−Gliszczynski et al.,J Pharm Sci,101:1932−1940,2012)に記載のように、平衡透析を使用して決定される。結果は、血漿(fu,plasma)および脳(fu,brain)に結合していない画分として報告され、表1に記載のKp,uu,brainの計算に使用される。実施例1の化合物のラットのfu,plasmaおよびfu,brainは、それぞれ0.071および0.043であると決定された。
分析および結果
p,uu,brainは、以下の式から各時点で計算され、上記で実行されたin vitroおよびin vivoの測定値の組み合わせから個々の成分が得られる。
式中、Ctotal,brain、Cu,brain、Ctotal,plasma、およびCu,plasmaは、総脳内濃度および総血漿濃度ならびに非結合脳内濃度および非結合血漿濃度であり、fu,brainおよびfu,plasmaはそれぞれ、非結合脳内画分および非結合血漿画分である。
実施例1の化合物の血漿濃度および脳内濃度を表3に提供する。結果は、平均±標準偏差として表される。
オスのSprague−Dawleyラットにおける10mpk経口投与の1時間後および3時間後の実施例1の非結合脳内濃度は、それぞれ41±15nMおよび22±5nMであると決定される。さらに、オスのSprague−Dawleyラットにおける10mpk経口投与の1時間後および3時間後の実施例1のKp,uu,brainは、それぞれ0.89±0.17および0.93±0.43であると決定される。
全体として考慮すると、これらのデータは、実施例1の化合物が中枢浸透性化合物であることを示している。

Claims (18)

  1. 次式:
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
  2. 次式:
    の請求項1に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物。
  3. 次式:
    の請求項1または請求項2のいずれかに記載の化合物もしくは塩、またはその水和物。
  4. 次式:
    である、請求項3に記載の化合物または塩。
  5. 次式:
    である、請求項4に記載の化合物。
  6. (3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロクロリドである、請求項1に記載の化合物、またはその水和物。
  7. (3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロクロリドモノハイドレートである、請求項6に記載の化合物。
  8. 前記化合物が、結晶質である、請求項7に記載の化合物。
  9. 0.2度の回折角の許容差を伴って、13.8°、22.2°、19.7°、21.3°、14.1°、および25.4°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた、26.3°の回折角2θにおけるX線粉末回折スペクトルのピークを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
  10. (3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロブロミドである、請求項1に記載の化合物、またはその水和物。
  11. (3S)−3−[(1R)−1−[4−[(2−シクロプロピル−6−メチル−4−ピリジル)オキシメチル]フェニル]エチル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオンヒドロブロミドモノハイドレートある、請求項10に記載の化合物。
  12. 前記化合物が、結晶質である、請求項11に記載の化合物。
  13. 0.2度の回折角の許容差を伴って、13.9°、22.1°、8.7°、19.5°、18.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた、26.1°の回折角2θにおけるX線粉末回折スペクトルのピークを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
  14. 求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物を含む、患者の片頭痛を治療する薬学的組成物
  15. 治療に使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物。
  16. 片頭痛の治療に使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物。
  17. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とともに含む、薬学的組成物。
  18. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、またはその水和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と混合することを含む、薬学的組成物を調製するためのプロセス。
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