以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、パチンコ球などの遊技球(遊技媒体)を遊技領域に発射して遊技領域に設けられている始動入賞口に入賞することにより複数種類の図柄を可変表示させた後に停止させて図柄組合せを表示させて遊技を実行する遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの下段、中可変表示列10Mの下段、右可変表示列10Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、水平方向の辺が垂直方向の辺よりも長い長方形状の表示領域を有している。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、表示領域において所定の画像を表示することにより演出を実行する。遊技者が視認可能となる液晶表示器27の表示領域の形状は、長方形状に限らず、正方形状であってもよく、また円形状あるいは三角形状であってもよい。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80は、例えばLEDにより構成され、有利期間において点灯し、有利期間ではない通常期間において消灯する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、チャンススイッチ81F、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定。)をいう。
演出操作部81は、遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を検出するスイッチである。チャンススイッチ81Fは、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作が含まれる。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示(可変表示列)を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
演出操作部81およびチャンススイッチ81Fを含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際にエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「G7」「BR」「C1」「C2」「BE」「RP」「MD」「T1」「T2」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「G7」として緑色の「7」の絵柄、「BR」として「BAR」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「C1」および「C2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「C」ともいう。同様に、「T1」および「T2」も外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「T」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定され、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定されている。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果)に応じて遊技者に対して所定の遊技価値を新たに付与する。所定の遊技価値としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、遊技価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、演出操作部81、およびチャンススイッチ81Fなどが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することにより、操作部を光らせることができる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときに、決定スイッチ81aが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態(以下では、待機状態、あるいは遊技待機中ともいう)において、予め定められているデモ演出を実行する。デモ演出は、複数種類設けられている。サブCPU71は、遊技待機中に制御されたときに停止している図柄(表示結果)に応じた種類のデモ演出を実行する。また、デモ演出実行中において操作(例えば、賭数を設定するための操作など)が検出されたときには、復帰時演出が実行可能となる。サブCPU71は、デモ演出が開始されてから操作が検出されるまでの時間に応じて復帰時演出を実行する。デモ演出および復帰時演出は、ともに、液晶表示器27において予め定められているデモ画面や復帰時画面を表示することにより行われる演出である。
さらに、サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際にチャンススイッチ81Fへの操作を促す促進演出を実行し、チャンススイッチ81Fが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、演出操作部81の上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」「RBB2」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB」ともいう)が設けられている。「RBB1」「RBB2」の図柄組合せには、各々、「R7」の3つ揃い、「G7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」および「RBB2」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図6の備考欄に記載の枚数)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RPC」「RTT1」〜「RTT9」が設けられている。「RPC」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の下段・中段・上段に「T」図柄が停止、若しくは、リール11Lの下段に「BR」図柄、リール11Mの中段、リール11Rの上段に「T」図柄が停止し、見た目上は、少なくとも一部に「T」図柄が斜めに揃う。また、「RTT1」〜「RTT9」は、有利RTに制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。
小役としては、役名称「BEL」「ATA1」〜「ATA12」および「CH」が設けられている。「BEL」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「ATA1」〜「ATA12」および「CH」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「BEL」は、規定数が「3」に設定されている遊技状態(「ボーナス状態」以外)においては、押し順が正解したときに入賞となり、メダルが9枚払い出されるのに対し、規定数が「2」に設定されている「ボーナス状態」においては、押し順にかかわらず入賞となりメダルが12枚払い出される。「ATA1」〜「ATA12」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが1枚払出される。「CH」は、入賞するとメダルが1枚払い出される。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「ボーナス1」「ボーナス2」が設けられている。「ボーナス1」「ボーナス2」は、それぞれ1つのボーナス役から構成される当選役グループである。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えばCHなど)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプ」および「昇格リプ」が設けられている。「通常リプ」は、「RPC」のみから構成される当選役グループである。一方、「昇格リプ」は、「RTT1」〜「RTT9」から構成される当選役グループである。
小役の当選役グループとしては、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」および「1枚役」が設けられている。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「BEL」に加えて、「ATA1」〜「ATA12」のうちの2種類以上の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「1枚役」は、「CH」から構成される当選役グループである。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「初期RT」、「通常RT」、「有利RT」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、およびボーナス役の入賞に伴う「ボーナス状態」などが設けられている。「初期RT」、「通常RT」、および「有利RT」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「ボーナス1」「ボーナス2」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、各々、例えば設定値1のときには当選確率が1/1000となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、設定値6のときには当選確率が1/900となるように判定値が定められている。なお、「ボーナス1」「ボーナス2」は、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプ」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「有利RT」中の当選確率が1/1.7となり「通常RT」および「初期RT」中における当選確率が1/8となり、「RBB内部当選状態」中における当選確率が1/3となるように判定値が定められている。また、「昇格リプ」は、「通常RT」においてのみ役抽選の対象となり、1/20の当選確率となるように判定値が定められている。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
通常リプおよび昇格リプのいずれかに当選する確率は、「通常RT」≦「初期RT」<「RBB内部当選状態」<「有利RT」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「有利RT」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
小役を含む当選役グループのうち「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」、および「ボーナス状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「ボーナス状態」中においては、1/1の確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選するように判定値が定められており、1遊技毎に「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選して「BEL」に入賞する。「ボーナス状態」は、一般遊技状態などと比較して「BEL」に入賞する確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
「1枚役」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「1枚役」に当選する確率は、いずれの設定値が設定されているときでも1/50の確率で当選するように、設定値にかかわらず共通の判定値が定められている。当選役グループは、図7に示す種類に限るものではない。また、設定差が設けられている当選役グループと、設定差が設けられていない当選役グループとは、図7を用いて説明した当選役グループに限るものではない。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。本実施形態における「はずれ」となる確率は、有利RT中においては約19%となるように定められているが、これに限るものではなく、例えば極めて低い確率(5%等)となるように定められているものであってもよい。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300の有利期間関連処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「ボーナス1」「ボーナス2」に当選したときにはいずれかの「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「通常リプ」「昇格リプ」に当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
(有利期間関連処理)
S300の有利期間関連処理では、有利期間にかかわる処理を行う。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。有利一般は、CZあるいはAT遊技を実行可能なATに移行するか否かの移行抽選(CZ移行抽選、AT移行抽選)を実行可能な期間である。CZは、ATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。AT移行抽選においてATに移行する旨が決定される割合は、有利一般中であるときよりもCZ中であるときの方が高い。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、有利一般中およびCZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件であって、例えば図7で示した当選役グループのいずれかに当選することにより成立する条件などを含む。有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、図8を用いて後述するいずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば「1枚役」当選により成立する条件や「ボーナス1」または「ボーナス2」当選により成立する条件などを含む。このため、例えば、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選したときには、有利移行条件が成立するとともに、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立する。その結果、通常期間であっても、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選することにより、CZ移行抽選およびAT移行抽選で当選することにより、有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件は、全く同じ条件であってもよく、また全く異なる条件であってもよく、さらには共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。なお、第1の条件である上限ゲーム数1500や、第2の条件である上限累計数2400については、必ずしもその数値に到達するとは限らず、これらの条件を超えることのない数値で有利期間が終了されることもあり、例えば、第1の条件においては1450前後で終了したり、第2の条件においては2300前後で終了したりするようにしてもよい。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、ATゲーム数やATナビ回数が終了したことや、ATが終了した後における有利一般中においてCZあるいはATに移行されることなく遊技を所定回数消化することや、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件(有利期間終了条件)」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の特定事象により成立し得る条件であってもよい。
有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
また、有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、有利期間関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、後述するS700の有利期間設定処理により行われる。
また、有利期間関連処理では、有利期間のうちのAT中における役抽選の結果に応じて、有利操作態様を報知用表示器60により報知するための報知処理を実行可能とする。例えば、当選役グループのうち「左正解ベル1」に当選しているときには、後述するように「BEL」を入賞させるために左のリール11Lから停止させるように、報知用表示器60を構成する7セグメントのうちアルファベットの大文字「L」に対応する位置のセグメント(左辺の上下2つ下辺の1つ)を点灯させる態様で報知用表示器60を駆動制御する。さらに、有利期間関連処理では、当該有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても有利操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。有利期間関連処理が終了すると、S400のリール制御処理に移行する。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
「ボーナス役」を構成する図柄は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。また、「RBB2」を構成する図柄についても、少なくとも1つのリールにおいて引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図7に示すように、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。リール停止処理では、ボーナス役に当選している状態において当該ボーナス役を入賞させることができない場合に、ボーナス役に当選していないときには停止されることなく、ボーナス役に当選しているときにのみ特定の図柄を可変表示部13に停止可能となる。特定の図柄は、いわゆるリーチ目ともいう。なお、「RBB1」「RBB2」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプ」に含まれる「RPC」を構成する図柄「RP」は、図3に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。また、「昇格リプ」に含まれる「RTT1」〜「RTT9」各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「昇格リプ」当選時には「RTT1」〜「RTT9」のすべてに当選する。その結果、「昇格リプ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RTT1」〜「RTT9」のうちのいずれかを入賞させることができる。
小役のうち「1枚役」に含まれる「CH」を構成する図柄(「R7」「MD」)は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「1枚役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインに「CH」を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。
ここで、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。また、第2停止とは、第1停止により一のリールが停止し残り2つのリールが回転しているときに停止させることをいい、第3停止とは、残り1つのリールが回転しているときに停止させることをいう。第1停止、第2停止、および第3停止のためのストップスイッチへの操作を、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作ともいう。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、図7に示すように、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、「BEL」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「BEL」を構成する図柄「BE」は、引込み可能範囲内に配列されているために、「BEL」の取りこぼしが発生することはない。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「BEL」よりも同時当選している「ATA1」または「ATA4」を優先して引き込むように定められている。「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄「R7」「T1」および「T2」は、いずれも、図3に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができる。しかし、左あるいは右第1停止したときには、「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。また、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。なお、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選しているとき(例えば、「ボーナス状態」中など)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて「BEL」を入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ「ATA1」〜「ATA12」のうちの当選している役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「初期RT」あるいは「有利RT」において入賞ラインNL上に停止すると「通常RT」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう(図7参照)。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S500の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S500の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の払出欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ(図柄の種類、図柄番号など)、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄や入賞ラインNL以外に停止されている図柄(例えば、可変表示部13に表示されており遊技者が視認可能となっている図柄)などに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率、役物比率、および役物等状態比率等を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S600の遊技状態設定処理に移行する。
(遊技状態設定処理)
S600の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8(a)には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「初期RT」または「有利RT」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「通常RT」において昇格リプレイである「RTT1」〜「RTT9」に入賞したときに、「有利RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
また、遊技状態設定処理は、「初期RT」「通常RT」および「有利RT」のいずれかにおいて「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に入賞したときに、「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理は、「ボーナス状態」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図8(a)を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態として初期RTに設定されて遊技が開始される。初期RTにおいては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、通常RTに制御されることになる。
通常RTでは、「昇格リプ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞すると有利RTに制御される。しかし、有利RTに制御された後においも非AT中であるため、初期RT中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「通常RT」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半を通常RTにおいて行うことになる。
また、通常RT中等において「RBB」に当選したとしても、当該「RBB」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RBB内部当選状態」に制御される。
「RBB」に入賞すると、「ボーナス状態」に制御される。RBB中においては、高確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選する結果、操作態様にかかわらず「BEL」を入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「初期RT」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「通常RT」「有利RT」中において「押し順ベル」に当選したときに、「BEL」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「BEL」を入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、通常移行出目を回避できるため、「有利RT」から「通常RT」に転落してしまうことも防止でき、「再遊技役」に当選・入賞する割合も高まった状態を保った有利な状態で遊技を行うことができる。なお、有利期間のうちのCZは、所定回数遊技が行われた後において「押し順ベル」当選時に有利操作態様を報知することにより終了する。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「有利RT」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「有利RT」に制御されるまでの「初期RT」および「通常RT」に制御される期間は、「有利RT」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「初期RT」中において「押し順ベル」に当選したときには、「通常RT」へ移行可能となるようにするため、「ベル」を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。
(有利期間設定処理)
S700の有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。有利期間設定処理では、有利期間中における状態の遷移を制御するための処理を実行する。ここで、図8(b)を用いて、有利期間中における状態遷移の概要を説明する。
有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立することに基づいて有利期間に制御する。有利期間移行条件は、例えば内部抽選において再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する。このため、遊技の大半は、有利期間において行われる。有利期間中においては、当該有利期間が開始されてからの賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数(いわゆるMY値)や遊技回数がカウントされる。
通常期間から有利期間に制御されたときには、図8(b)に示すように有利一般に制御される。有利一般中においては、CZ移行抽選において当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確・通常・高確等の複数種類のモードのうちのいずれかに制御されるようにしてもよく、例えば、通常期間から有利期間に制御されたときには、複数種類のモードのうち、CZ移行抽選において当選する確率が高いモードに制御されてもよい。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。また、有利一般中におけるAT移行抽選の有利度合い(例えばAT当選する割合等)も、低確・通常・高確等のモードの種類に応じて異なるようにしてもよい。なお、CZ移行抽選やAT移行抽選の一方または両方は一定となるように定められていてもよい。
また、通常期間から有利期間に制御されるときには、ATに制御するまでに要する天井遊技回数を設定する。ATは、天井遊技回数に到達することやAT当選することにより制御される状態である点において、役抽選においてボーナスに当選することにより制御可能となるRBB等とは異なる。天井遊技回数とは、ATに強制的に制御する回数である。有利期間が開始されてから消化した遊技回数が天井遊技回数に到達することにより、ATに制御される。天井遊技回数は、所定のゲーム数(例えば999回)に一律に定められているものであってもよく、また、通常期間から有利期間に制御されるときに複数のゲーム数(例えば、250回、500回、999回)のうちから抽選により決定されるものであってもよい。
有利一般中のCZ移行抽選において当選したときには、所定期間(例えば所定ゲーム数(20回等)消化する期間等)に亘りCZに制御される。CZ中においては、AT移行抽選においてAT当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確チャンスモード・通常チャンスモード・高確チャンスモードを含む複数種類のチャンスモードのうちのいずれかに制御される。AT当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)は、高確チャンスモードが最も高く、通常チャンスモード、低確チャンスモードの順となるように定められている。CZ移行抽選においては、CZ当選したときに、複数種類のチャンスモードのうちのいずれに制御するかが決定される。CZにおいてAT移行当選することなく所定期間が経過(所定ゲーム数(20回等)消化)したときには、再び有利一般に制御される。有利期間に制御されてから初めて制御されるCZであるときには、当該有利期間中において2回目以降に制御されるCZであるときよりも高い割合で、複数種類のチャンスモードのうちAT移行抽選においてAT当選する確率が高い高確チャンスモードに制御される。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されてCZに制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。
CZ中においては、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて、現在制御されているチャンスモードよりも遊技者にとって有利度合いが高い(当選確率が高い)チャンスモードに昇格させるか否かの昇格抽選を行い、当該昇格抽選において当選することによりチャンスモードの種類を遊技者にとっての有利度合いが高いモードに昇格させる制御が行われる。また、CZ中においては、サブCPU71側において、図9〜図15等において説明するように、制御されているチャンスモードの種類に応じた演出画面が液晶表示器27に表示される。
有利一般またはCZにおけるAT移行抽選において当選したときや天井遊技回数に到達したときには、ATに制御される。ATを開始するときには、有利期間報知ランプ80を点灯させる。
AT中は、ナビ対象役に当選したときに有利操作態様を報知するナビ演出が実行される。また、AT中においては、ATに制御可能とするATゲーム数を上乗せするか否か(上乗せ抽選)、1回のATの終了条件が成立(例えばATゲーム数を消化)した後に再度ATに制御するか否か(ATストック抽選)、1回のATの終了条件が成立した後にATストックがない場合に有利一般およびCZのいずれに制御するか(AT終了後状態抽選)などについて抽選する各種AT中抽選が行われる。各種AT中抽選は、例えば、内部抽選において所定の当選役グループ(例えば、1枚役、ボーナス1、ボーナス2など)に当選することにより行われる。また、ATストック抽選では、当選することにより、ATに制御可能な回数(ATストック回数)を1加算する。ATストック回数は、AT終了後においてATに繰返し制御可能となり、制御される毎に1ずつ減算される。なお、AT中における各種AT中抽選の有利度合い(当選確率等)は、一律に定められているものであってもよく、また、複数のモード(低確率モード、通常確率モード、高確率モードなど)のうち制御されているモードに応じた有利度合いとなるようにしてもよい。
各種AT中抽選のうち上乗せ抽選において、ATゲーム数が上乗せされたときには、当該ATの残りATゲーム数に加算される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上であるときには、再度ATに制御される。有利一般またはCZからATに制御する場合や、ATストック回数を消費して再度ATに制御する場合、ATゲーム数やATストック回数を上乗せする場合には、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作に応じてAT関連図柄組合せ(例えば、「R7−G7−G7」等)を停止可能としてもよい。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上ではないときには、AT終了後状態抽選の結果に応じて、有利一般およびCZのいずれかに制御される。有利期間中においてATに少なくとも1回制御された後、AT終了後において制御される有利一般およびCZ中のAT移行抽選において当選することなく、所定の終了条件が成立(例えば、予め定められたゲーム数を消化したときなど)したときには、通常期間に制御される。このとき、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
また、有利期間は、有利期間中の遊技回数が上限遊技回数の1500に到達することにより第1の条件が成立するか、有利期間中の賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数上限累計数の2400に到達することにより第2の条件が成立することにより終了する。このような、第1の条件および第2の条件が成立するまでの残り遊技回数あるいは累計数が所定値未満となったときには、エンディングに制御される。具体的には、AT中において、有利期間中の遊技回数が1200に到達したときや、有利期間中の差数が2000に到達したときにエンディングに制御される。エンディング中においても、ナビ演出が実行されるように定められている。エンディングは、第1の条件または第2の条件が成立するまで継続し、第1の条件または第2の条件が成立することにより有利期間終了条件が成立したときに、通常期間に制御する。このときにも、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
有利期間設定処理では、遊技状態設定処理および有利期間設定処理により設定された結果、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般、CZ、およびAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるか、有利期間中において更新される各種情報(各種AT中抽選を行う条件の成立)などを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。有利期間設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S700の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。演出実行手段は、サブCPU71により行われる演出制御処理に含まれる。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
(当選役グループに関する演出)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中に有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを受信したときには、当該コマンドから特定される有利操作態様を特定可能な画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「BEL」を入賞させることが可能となる。また、「有利RT」かつAT中であるART中は、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときでも「BEL」を入賞させることができるため、通常移行出目が停止してしまい「通常RT」に転落してしまうことを確実に防止できる。なお、有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。
(各種条件に関連する演出)
前述したとおり、S300の有利期間関連処理においては、所定の有利期間移行条件、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、各種AT中抽選条件、有利期間を終了させる条件各々を成立させ得る状況となったことを特定可能なコマンドがサブ制御基板73に出力される。
演出制御処理では、所定の条件が成立したときに示唆演出を実行可能である。所定の条件は、例えば、CZ移行抽選条件が成立すること、AT移行抽選条件が成立すること、各種AT中抽選条件が成立すること、ボーナスや1枚役に当選することなど、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が生じることにより成立する。特典は、例えば、内部抽選においてボーナスに当選すること、CZ移行抽選で当選すること、AT移行抽選で当選すること、ATゲーム数の上乗せ抽選で当選すること、ATストック抽選で当選することなど、遊技者にとっての有利度合いが向上するものであったり、遊技者に対して有利となる利益が付与されたりするものが相当する。
示唆演出は、特典が付与されるか否かを結末として報知可能な演出である。示唆演出としては、例えば、液晶表示器27等において、キャラクタを出現させて所定のメッセージを表示するキャラクタ演出であり、キャラクタやメッセージの種類が異なるように複数種類のパターンが設けられている。また、示唆演出には、複数回(例えば3回〜4回)の遊技に亘って所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出など)を進行させた後に、当該演出の結末を報知することにより特典が付与されているか否かを報知する連続演出や、チャンススイッチ81Fへの操作を促し当該操作に応じて結末を報知するチャンスボタン演出が含まれる。連続演出の結末とは、所定の演出の流れにおける最終的な結論であって、ストーリー性を有する演出の場合には当該ストーリー展開における最終的な結果を意味する。連続演出は、遊技の進行度合いに対応して実行する演出内容が予め定められている。遊技の進行度合いは、例えば、連続演出開始から何回目の遊技であるか、何回目の遊技のベットスイッチが操作あるいはメダル投入されたか、何回目の遊技のスタートスイッチやストップスイッチが操作されたかなどにより特定される。連続演出中は、遊技の進行度合いに応じて予め定められた演出に切り替えて実行される。
(帯演出について)
次に、遊技の進行に基づいて実行される帯演出について説明する。サブCPU71側においては、有利一般、CZ、およびATのうちのいずれに制御されているかに応じた演出画面(例えば背景画像)を液晶表示器27の表示領域に表示する。また、サブCPU71は、CZ中の演出画面において、液晶表示器27の表示領域のうち帯状の帯領域において文字画像を所定間隔でスクロールさせる帯表示を行う。図9〜図15は、CZ中における帯表示の例を説明するための図である。CZ中の帯表示は、例えば、低確チャンスモードあるいは通常チャンスモードに制御されているときに実行される第1帯表示と、高確チャンスモードに制御されているときに実行される第2帯表示とを含む。
図9は、第1帯表示の例を説明するための図である。第1帯表示は、図9(a)および図9(b)に示すように、液晶表示器27の表示領域の下方における帯領域27aにおいて「チャンスゾーン」という文字画像1を左方向へスクロールさせる表示である。本実施形態における帯表示は、帯領域に対応させて帯画像を表示した上で、さらに当該帯画像に文字画像を重畳させてスクロールさせる例について説明するが、帯画像を表示することなく(帯領域の外縁を表示することなく)帯領域内の背景画像に文字画像を重畳させてスクロールさせるものであってもよい。
第1帯表示を行う帯領域27aと、第1帯表示においてスクロールさせる文字画像1との関係は、図9(c)に示すように定められている。文字画像1の長さ(始点から終点までの全長)をa1とし、文字画像1の終点から次にスクロールされる「チャンスゾーン」という文字画像1の始点までの間隔の長さをa2とし、これらの合計長さ(文字画像1の始点から次の文字画像1の始点までの長さ)をAとし、さらに帯領域27aの長手方向の長さ(液晶表示器27の表示領域の水平方向の辺の長さ)をXとした場合、第1帯表示における1つの文字画像と間隔との合計長さAは、帯領域27aの長手方向の長さXの半分以下(X/2≧A(=a1+a2))となる。このため、第1帯表示は、図9(b)に示すように、1つ目の文字画像1のうちの「チャンス」が表示されておらず、また3つ目の文字画像1のうちの「ゾーン」が表示されていないときであっても、2つ目の文字画像1のように当該文字画像1のうちの始点から終点まで(全長)が表示される。また、図9(b)における2つ目の文字画像1が左方向にスクロールされて、「チ」の文字画像が表示されないスクロール位置となった場合であっても、図9(b)における3つ目の文字画像1が左方向にスクロールされており、当該文字画像1について始点から終点まで(全長)が表示されることとなる。このように、第1帯表示においては、文字画像のスクロール位置にかかわらず、帯領域27aにおいてスクロールされている文字画像に、始点から終点まで(全長)が表示されている文字画像1が含まれることとなる。このため、第1帯表示については、図9(a)および図9(b)に示すように、1本の帯領域27aにおいて表示される。
これに対して、第2帯表示においては、図9(d)に示す「スペシャルグレードチャンスゾーン」という文字画像2がスクロールされる。しかし、「スペシャルグレードチャンスゾーン」という文字画像2の長さB(始点から終点までの全長)は、図9(d)に示すように、帯領域27aの長手方向の長さX以下となるが、帯領域27aの長手方向の長さXの半分よりも長い(X/2<B≦X)。このため、文字画像2を1本の帯領域においてスクロールさせた場合、スクロール位置によって、スクロールされる文字画像に、始点から終点までの全長が表示されている文字画像2が含まれないことになり得てしまう。この点に鑑み、本実施形態における第2帯表示については、第1帯表示とは異なり、2本の帯領域において文字画像をスクロールさせ、なおかつ、2本の帯領域各々においてスクロールさせる文字画像により補完し合えるように、一方の帯領域における文字画像のスクロール態様と他方の帯領域における文字画像のスクロール態様とを異ならせてスクロールさせる。
図10は、第2帯表示の例を説明するための図である。第2帯表示は、図10(a)〜図10(c)に示すように、液晶表示器27の表示領域の下方における帯領域27aのみならず、上方における帯領域27bの双方において「スペシャルグレードチャンスゾーン」といった文字画像2をスクロールさせる表示である。帯領域27bは、帯領域27aと長手方向の長さが同じであり、帯領域27aと平行する領域である。
また、第2帯表示における帯領域27aでは、「スペシャルグレードチャンスゾーン」という文字画像2のうち、当該文字頭の「ス」を先頭として文字画像2を左方向へスクロールさせる。これに対し、第2帯表示における帯領域27bでは、「スペシャルグレードチャンスゾーン」という文字画像2のうち、当該文字末尾の「ン」を先頭として文字画像2を右方向へスクロールさせる。また、文字画像2をスクロールさせる速さは、帯領域27aと帯領域27bとで同じである。これにより、図10(b)に示すように、帯領域27aにおける文字画像2の一部が表示されないスクロール位置となった場合でも、当該表示されなくなった文字画像2の一部については、帯領域27bにおいて表示させることができる。また、図10(c)に示すように、帯領域27bにおける文字画像2の一部が表示されないスクロール位置となった場合でも、当該表示されなくなった文字画像2の一部については、帯領域27aにおいて表示させることができる。このように、2本の帯領域各々においてスクロールさせる文字画像により補完し合えるようにスクロールできる。
さらに、第2帯表示においては、スクロール中に帯領域27aおよび帯領域27b各々における文字画像2のスクロール位置が上下揃い(長手方向において同じ)となる位置が、図10(d)に示すように長手方向の中央位置ではなく当該中央位置よりも端側の所定位置となるようにスクロールさせる。所定位置とは、例えば、文字画像2の始点位置から長手方向における中央位置までの長さmと、長手方向における中央位置から文字画像2の終点位置までの長さnとの関係が、図10(d)に示すようにm>nとなる位置をいう。換言すれば、スクロール中に帯領域27aおよび帯領域27b各々における文字画像2のスクロール位置が上下揃い(長手方向において同じ)となったときの当該文字画像2の中心位置が、帯領域27aおよび帯領域27b各々の長手方向における中央位置よりも端側にずれた予め定められた位置をいう。これにより、図10(b)に示すように、帯領域27a(一方)における文字画像2の一部が表示されないスクロール位置となった場合でも、帯領域27b(他方)においては文字画像2の始点から終点までを表示できる期間を持たせることができる。第2帯表示は、図10(d)に示す状態から開始され、帯領域に応じた方向へのスクロールが開始される。これにより、遊技者の注目度が高まる帯表示の開始時において、ふたつの帯領域各々の所定位置において同じとなるように(揃った状態で)文字画像を表示させることができるため、帯表示の開始時点から文字画像を遊技者が把握し易くなる。また、帯表示の開始時における文字画像を仮に見逃したとしても、いずれかの帯領域において文字画像の全長が表示されている状態を一定期間確保できるため、遊技者が落ち着いて文字画像を確認できる。
第1帯表示は、CZに制御されることにより開始され、CZ終了となる特定遊技において第3停止操作を検出することを契機として終了する。特定遊技とは、例えば、遊技回数に基づいてCZ終了となる遊技や、AT当選報知がされる遊技などをいう。図11は、第1帯表示中の特定遊技において第3停止操作を検出して第1帯表示を終了するとともにAT当選報知がされる場合の例を説明するための図である。図11(a)に示すようにリール11L〜11R各々の回転が開始されて特定遊技が開始され、図11(b)に示すようにリール11Lおよび11Mの回転が停止された後、図11(c)に示すように、第3停止操作が行われたこと(ON検知)を契機として第1帯表示を終了するとともにAT当選報知(「AT確定!!」といったメッセージ表示)がされる。なお、第1帯表示を終了する契機は、第3停止操作についてON検知されることにより成立するものに限らず、第3停止操作により対応するリールの回転が停止することにより成立するものであってもよく、また、第3停止操作についてOFF検知されることにより成立するものであってもよい。
これに対し、第2帯表示中においては、チャンスボタン演出を実行可能であり、当該チャンスボタン演出中においてチャンススイッチ81Fへの操作が検出されることによりAT抽選の結果が報知され、AT当選時にはAT当選報知が行われる。第2帯表示は、CZに制御されることにより開始され、CZ終了となる特定遊技において第3停止操作を検出(ON検知)するか、チャンスボタン演出中においてチャンススイッチ81Fへの操作を検出(ON検知)することを契機として終了する。なお、第3停止操作により第2帯表示を終了する契機は、第3停止操作についてON検知されることにより成立するものに限らず、第3停止操作により対応するリールの回転が停止することにより成立するものであってもよく、また、第3停止操作についてOFF検知されることにより成立するものであってもよい。
図12は、第2帯表示中の特定遊技において第3停止操作を検出して第2帯表示を終了するとともにAT当選報知がされる場合の例を説明するための図である。図12(a)に示すようにリール11L〜11R各々の回転が開始されて特定遊技が開始され、図12(b)に示すようにリール11Lおよび11Mの回転が停止された後、図12(c)に示すように、第3停止操作が行われたことを契機として第2帯表示を終了するとともにAT当選報知(「AT確定!!」といったメッセージ表示)がされる。
図13は、第2帯表示中の遊技においてチャンスボタン演出が実行され、チャンススイッチ81Fへの操作により第2帯表示を終了するとともにAT当選報知がされる場合の例を説明するための図である。図13(a)に示すようにリール11L〜11R各々の回転が開始されて遊技が開始され、図13(b)に示すようにリール11Lおよび11Mの回転が停止された後、図13(c)に示すように、第3停止操作が行われたことを契機としてチャンスボタン演出(「押せ!!」といったメッセージとともにチャンススイッチ81Fに対応するボタン画像が表示)が実行され、図13(d)に示すように、チャンススイッチ81Fへの操作が行われたことを契機として第2帯表示を終了するとともにAT当選報知(「AT確定!!」といったメッセージ表示)がされる。なお、チャンスボタン演出は、例えば、役抽選においてAT移行抽選条件が成立したゲームが終了した後に実行されるものであってもよく、また、スタートスイッチ19が操作された役抽選においてAT移行抽選条件が成立したときであって1ゲームが開始されるときに実行されるものであってもよい。
図14は、第1帯表示中において所定の中断条件が成立したときの例を説明するための図である。中断条件は、例えば、CZ中の昇格抽選が行われることにより成立する例について説明するが、これに限るものではない。図14では、図14(a)に示すように第1帯表示中であってリール11L〜11R各々の回転が停止されている状態において、図14(b)に示すようにスタートスイッチ19が操作されることによりリール11L〜11R各々の回転が開始されるとともに、役抽選の結果に基づき昇格抽選が行われて昇格抽選演出(「昇格チャンス!」といったメッセージ表示)が実行された場合を示している。また、昇格抽選が行われることにより中断条件が成立するため、図14(b)に示すように、第1帯表示が中断される。昇格抽選演出が開始された遊技において第3停止操作が行われることにより再開条件が成立し、昇格抽選の結果(例えば、「残念」といったメッセージ表示)を表示するとともに、第1帯表示が再開される。このように、第1帯表示中においては、遊技の進行に基づき遊技結果の有利度合いにかかわる昇格抽選演出の画像を表示するときには、中断条件が成立して第1帯表示よりも優先して昇格抽選演出の画像を表示する。一方、第2帯表示中においては、遊技の進行に基づき他の画像を表示する場合であっても、当該他の画像よりも第2帯表示を優先して表示する。これにより、第2帯表示の視認性が低下することを防止できる。
図9〜図14において図示していないが、液晶表示器27において帯表示を行っているときであっても当該帯表示においてスクロールされる文字情報(あるいは制御されているチャンスモード)に応じた背景画像が液晶表示器27に表示される。
図15は、帯表示の種類と背景画像の種類との関係を説明するための図である。図15(a)および図15(b)は、第1帯表示中において表示される背景画像の例を説明するための図である。第1帯表示では、前述したようにスクロールされる文字画像1に始点から終点までが表示されている文字画像1が含まれるため、背景画像が変化したとしても文字画像1を把握し易い。このため、第1帯表示中においては、図15(a)に示すようにキャラクタが前進するような背景画像1と、図15(b)に示すようにキャラクタが対決するような背景画像2とを含む複数種類の背景画像のうちから、遊技の進行に基づいていずれかの背景画像に切り替えて表示する。
一方、2本の帯表示から文字情報を補完し合うようにスクロールする第2帯表示では、図15(c)に示すように、キャラクタが手を合せて祈るような1種類の背景画像を表示し、他の種類の背景画像に切り替えられることはない。なお、第2帯表示中における背景画像は、1種類であればよく、当該1種類の背景画像の態様(例えば、AT当選に対する期待度に応じてキャラクタの周囲の色)を変化させるものであってもよい。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態におけるスロットマシン1においては、第1帯表示中は、図9に示すように、スクロール位置にかかわらず、スクロールされる文字画像1に始点から終点までの全長が表示される文字画像1(図9(a)においては2つ目の文字画像)が含まれ、かつひとつの帯領域27aにおいて表示される。このため、スクロール位置にかかわらず、少なくとも一つの文字画像1についてその全長を遊技者が把握できるとともに、限りある表示領域のスペース効率を高めて他の画像(背景画像等)を阻害してしまうことを低減できる。一方、帯領域の長手方向の半分よりも長い文字画像2をスクロールさせる第2帯表示中は、図10に示すように、ふたつの帯領域27a、27b各々において異なる方向(スクロール態様)にスクロールさせる。このため、一方の帯領域において表示されている文字画像2から当該文字画像の全長を把握できない部分が生じたときには他方の帯領域において表示されている文字画像2により補完し合うことにより、全長が帯領域の長手方向の半分よりも長い文字画像2を遊技者が把握可能となる。
また、第2帯表示においては、図10(a)〜図10(c)で示したように、長手方向が同じ長さであり各々平行している帯領域27a、27bを用いて、一方の帯領域27aにおいては文字画像2を左方向へスクロールさせ、他方の帯領域27bにおいては文字画像2を右方向へスクロールさせることにより、双方の帯領域で文字画像2が欠けるタイミングおよび欠ける部分を異ならせることができる。このため、一方の帯領域における文字画像2がその一部を把握できない位置にスクロールされた場合でも、当該把握できない文字画像2の一部が他方の帯領域において表示させることができる。また、図10(d)で示したように、一方の帯領域における文字画像2と他方の帯領域における文字画像2との長手方向における表示位置が、一方の帯領域および他方の帯領域各々における長手方向の中央位置ではなく当該中央位置よりも端側の所定位置において同じとなるようにスクロールされる。これにより、一方の帯領域における文字画像2がその一部を把握できない位置にスクロールされた後において、他方の帯領域において文字画像2の全長が表示されている状態を一定期間確保できる。このため、一方の帯領域における文字画像と他方の帯領域における文字画像とから文字画像2の全長を遊技者が把握しやすくなる。
また、図11〜図13で示したように、第1帯表示および第2帯表示はともに所定操作としての第3停止操作により終了する場合を生じさせ、さらに第2帯表示については特定操作としてのチャンススイッチ81Fへの操作により終了する場合をも生じさせることができる。このため、帯表示の終了契機における意外性を創出でき、第3停止操作時やチャンススイッチ81F操作時において緊張感や期待感を抱かせることができ、その結果、遊技者に飽きを生じさせてしまうことを防止できる。
また、補完し合って文字画像2を把握する場合が生じる第2帯表示中においては、図15(c)に示すように、ひとつの種類の背景画像が表示される。このため、遊技者の視線を第2帯表示に引き寄せることができ、その結果、遊技者が一見して文字画像2を想起し易くなる。一方、第1帯表示中においては、文字画像1を把握させつつ、図15(a)および図15(b)に示すように複数種類定められている背景画像のうちのいずれかが表示されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図14で示したように、第1帯表示中においては、遊技の進行に基づき遊技結果の有利度合いにかかわる昇格抽選演出の画像を表示するときには、中断条件が成立して第1帯表示よりも優先して昇格抽選演出の画像が表示される。これにより、昇格抽選演出の画像を表示する前後において文字画像1を把握させつつ、遊技結果の有利度合いにかかわる昇格抽選演出の画像を把握させることができる。また、中断条件は、第1帯表示を終了させる契機となる第3停止操作とは異なるスタートスイッチ19への操作により成立し得る。これにより、意外性を創出できる。これに対し、補完し合って文字画像2を把握する場合が生じる第2帯表示中においては、他の画像が当該第2帯表示よりも優先して表示されることがない。このため、文字画像2が把握できない部分を他の画像により増大させてしまうことを防止できる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
上記実施形態における帯表示を行う帯領域としては、表示領域の下辺に沿った帯領域27aと、表示領域の上辺に沿った帯領域27bとを例示したが、これに限らず、例えば、表示領域の左辺や右辺に沿った帯領域であってもよく、また、表示領域を斜めに横断する帯領域であってもよい。また、帯領域として、帯領域の長手方向の端部が表示領域の辺に接する例示したが、これに限らず、帯領域の長手方向の端部が表示領域の辺に接することなく(到達することなく)、表示領域内において帯領域の端部が形成されているものであってもよい。なお、この場合における帯表示の長手方向の長さXは、表示領域の端から端までの長さではなく、帯領域の端部から端部までの長さとして、図9や図10(後述する図16)で示す関係となるように帯表示を行うようにしてもよい。
また、帯表示は、表示領域の周囲(外周)に装飾部材(固定部材、可動部材など)が設けられており、表示領域の一部が装飾部材により視認不可能となるような遊技機にも適用可能である。このような遊技機において帯表示を行う場合であって、当該帯表示の長手方向が装飾部材により視認不可能となる領域と交差する場合には、当該帯表示の長手方向の長さXを、当該表示領域の端から端までの長さではなく、当該表示領域の端から端までの長さから装飾部材により視認不可能となる長さを差し引いた長さとして、図9や図10(後述する図16)で示す関係となるように帯表示を行うようにしてもよい。なお、表示領域の一部が装飾部材により視認不可能となるような遊技機において帯表示を行う場合であって、当該帯表示の長手方向が装飾部材により視認不可能となる領域と交差する場合であっても、例えば、スクロールさせる文字画像のうち装飾部材により視認不可能となる文字数が所定数(例えば2)未満であって視認不可能となる程度がわずかであるときには、帯表示の長手方向の長さXを表示領域の端から端までの長さとして、図9や図10(後述する図16)で示す関係となるように帯表示を行うようにしてもよい。これにより、例えばシリーズものの遊技機を作製する場合であって、帯表示などの演出の作りをほぼ変更せずに、筐体のデザインだけ変更する場合などにおいて、帯表示を新たに一から作り直す必要がなく開発段階における効率化を実現できる。
また、第2帯表示においてスクロールさせる文字情報の文字数は、第1帯表示においてスクロールさせる文字情報の文字数よりも多い例について説明した。しかし、第2帯表示においてスクロールさせる文字情報は、スクロールさせようとする帯領域の長手方向の長さ以下となるが、当該帯領域の長手方向の長さの半分よりも長い文字情報であれば、上記実施形態で示した文字情報に限らず、また、第1帯表示においてスクロールさせる文字情報の文字数よりも多いものに限るものではなく、第1帯表示においてスクロールさせる文字情報と文字数が同じであってもよく、少ないものであってもよい。
図16は、第2帯表示の変形例を説明するための図である。図16(a)では、第2帯表示として、「超チャンス!」といった文字情報3を帯領域27c、27d各々においてスクロールさせる例を示している。文字情報3は、文字情報1よりも文字数は少ないが、スクロールさせる帯領域27cの長手方向の長さが帯領域27aよりも短い。その結果、「超チャンス!」という文字画像3の長さ(始点から終点までの全長)は、帯領域27cの長手方向の長さ以下となるが、帯領域27cの長手方向の長さの半分よりも長い関係となる。このため、文字情報1よりも文字数は少ない「超チャンス!」といった文字情報3を、帯領域27cのみならず、帯領域27dにおいてもスクロールさせる。
帯領域27dは、帯領域27cと長手方向の長さが同じであり、帯領域27cと平行する領域である。また、変形例における第2帯表示における帯領域27cでは、「超チャンス!」という文字画像3のうち、当該文字末尾の「!」を先頭として文字画像3を右下がり方向へスクロールさせる。これに対し、変形例における第2帯表示における帯領域27dでは、「超チャンス!」という文字画像3のうち、当該文字頭の「超」を先頭として文字画像3を左上がり方向へスクロールさせる。また、文字画像3をスクロールさせる速さは、帯領域27cと帯領域27dとで同じである。このような変形例における第2帯表示であっても、例えば、帯領域27cにおける文字画像3の一部が表示されないスクロール位置となった場合でも、当該表示されなくなった文字画像3の一部については、帯領域27dにおいて表示させることができ、2本の帯領域各々においてスクロールさせる文字画像により補完し合えるようにスクロールできる。これにより、双方の帯領域で文字画像3が欠けるタイミングおよび欠ける部分を異ならせることができる。その結果、一方の帯領域における文字画像3がその一部を把握できない位置にスクロールされた場合でも、当該把握できない文字画像3の一部が他方の帯領域において表示させることができる。
さらに、変形例における第2帯表示においては、スクロール中に帯領域27cおよび帯領域27d各々における文字画像3のスクロール位置が長手方向において同じとなる位置が、図10(d)と同様に、長手方向の中央位置ではなく当該中央位置よりも端側の所定位置となるようにスクロールさせる。これにより、帯領域27c(一方)における文字画像3の一部が表示されないスクロール位置となった場合でも、帯領域27d(他方)においては文字画像3の始点から終点までを表示できる期間を持たせることができる。このため、一方の帯領域における文字画像3がその一部を把握できない位置にスクロールされた後において、他方の帯領域において文字画像3の全長が表示されている状態を一定期間確保できる。その結果、一方の帯領域における文字画像と他方の帯領域における文字画像とから文字画像3の全長を遊技者が把握しやすくなる。
また、上記実施形態および変形例では、帯表示中において、帯表示に用いる帯領域の位置や帯領域の数が変化しない例について説明した。しかし、複数種類の帯表示には、帯表示中における遊技の進行に基づいて、帯表示に用いる帯領域の位置や帯領域の数が変化する種類の帯表示を含むものであってもよい。例えば、上記実施形態では、図14を参照しつつ第2帯表示中においては他の画像よりも優先して当該第2帯表示を行う例について説明したが、第2帯表示中において遊技の進行に基づいた遊技情報に関する遊技情報画像を帯領域と重畳する領域に表示するときには、少なくとも重畳する帯領域における帯表示を終了し、重畳しない領域であってひとつの帯領域に減らして文字画像をスクロールさせるようにしてもよい。ここで、図16を参照して、第2帯表示中における遊技の進行に基づいて遊技情報に関する遊技情報画像の表示に伴って帯表示に用いる帯領域の位置および帯領域の数が変化する例について説明する。
まず、CZ中における遊技の進行に基づいて表示される遊技情報に関する遊技情報画像について説明する。CZは、前述したとおりAT移行当選することなく所定期間が経過(所定ゲーム数(例えば20回等)消化)することにより終了する。また、CZ中においては、AT移行抽選においてAT当選したときに図11〜図13等で例示したようにAT当選報知が行われる場合と、AT当選していてもAT当選報知を行わずにCZの所定期間が経過したときにAT当選報知が行われる場合とが生じるように構成されており、AT当選していてもAT当選報知を行わずにCZの所定期間が経過したときにAT当選報知が行われる場合が生じる。このため、CZ中においては、AT当選しているか否かにかかわらず遊技の進行に基づいて、例えばCZの残りゲーム数が特定ゲーム数(例えば5回)以下となったときに、遊技情報としてCZの残りゲーム数と当該CZ中においてAT当選していることに対する期待度とを示す遊技情報画像を表示する。これにより、CZが終了するまで、AT当選していることに対する期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技情報画像としては、例えば、図16(b)および図16(c)に示すように、CZの残りゲーム数として「残り5G」が表示され、AT当選していることに対する期待度として5つの星画像のうち期待度に応じた数だけ点灯表示される。なお、遊技情報画像は、これに限るものではない。遊技情報画像は、液晶表示器27の表示領域内の上方において表示される。このため、図16(a)に示す変形例における第2帯表示中においては、図16(b)に示すように、帯領域27dと遊技情報画像を表示する領域とにおいて重畳する部分が生じる。このような場合にまで、図14などで示したように、第2帯表示を遊技情報画像(他の画像)よりも優先して表示すると、AT当選していることに対する期待度を遊技者に報知できない虞が生じる。
上記課題を解決するために、図16(a)において説明した帯領域27c、27dを用いた第2帯表示を終了して、図16(c)に示すように、遊技情報画像を表示する領域と重畳しないひとつの帯領域27aにおいて文字情報3をスクロールさせる帯表示に切り替えるようにしてもよい。また、帯表示を切り替える際には、図16(c)に示すように、背景画像の種類も切り替えるようにしてもよい。これにより、文字画像3に加えて遊技の進行に基づいて表示される遊技情報画像をも遊技者が把握し易くなる。なお、図16では、残りゲーム数に基づいて切り替える契機が成立したときに、帯領域27c、27dを用いた第2帯表示を終了してひとつの帯領域27aに切り替える例について説明したが、これに限らず、例えば、残りゲーム数に基づいて切り替える契機が成立したときに帯領域27c、27dを用いた第2帯表示を終了して、液晶表示器27の表示領域全面において所定のタイトル画像(例えば「残り5ゲーム!」といった文字画像を含む)を表示させた後に、ひとつの帯領域27aに切り替えるようにしてもよい。
また、図16(c)に示す帯領域27aの長手方向の長さは、図16(a)等に示す帯領域27cおよび帯領域27dのいずれの長手方向よりも長く定められている。このため、図16(c)に示すように帯領域27aにおいてスクロールさせる文字画像3の個数が帯領域27c等よりも多くなるため、帯領域がひとつになっても文字画像3を遊技者が把握し易い状況を維持できる。
なお、図16(c)で示す遊技情報画像を表示する領域には、AT当選してATに移行された後においても、当該ATに関する遊技情報(例えば、AT残りゲーム数、次回ATが継続する期待度(セット継続期待度)等)が表示される。これにより、CZからATに移行したときに遊技情報の表示位置が変わらないため、遊技者は戸惑うことなく遊技に集中できる。
上記実施形態および変形例で、ふたつの帯領域を用いる帯表示(図10および図16参照)においては、図10(d)で示したように、スクロールさせる文字画像のスクロール位置が長手方向において同じとなる位置が当該長手方向の中央位置ではなく当該中央位置よりも端側の所定位置となるようにスクロールされる例について説明した。これに加えて、ふたつの帯領域におけるスクロールを開始(当該帯表示を開始)するときには、中央位置よりも端側の所定位置においてふたつの帯領域における文字画像が揃った状態から帯領域各々に応じた方向にスクロールさせるようにしてもよい。これにより、遊技者の注目度が高まる帯表示の開始時において、ふたつの帯領域各々の所定位置において同じとなるように(揃った状態で)文字画像を表示させることができるため、帯表示の開始時点から文字画像を遊技者が把握し易くなる。また、帯表示の開始時における文字画像を仮に見逃したとしても、いずれかの帯領域において文字画像の全長が表示されている状態を一定期間確保できるため、遊技者が落ち着いて文字画像を確認できる。
上記実施形態および変形例においては、図15で示したように、補完し合って文字画像を把握する場合が生じる帯表示中においてはひとつの種類の背景画像が表示され、第1帯表示中においては複数種類定められている背景画像のうちのいずれかが表示される例について説明した。しかし、上記実施形態および変形例における帯表示中に表示される背景画像は、これに限るものではない。例えば、図10および図16等に示したふたつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、図9等に示したひとつの帯領域を用いる帯表示中であるときよりも、帯表示の背景として表示される画像の変化度合いが低い画像を表示するものであればよい。
より具体的には、図10および図16等に示したふたつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、背景として静止画を表示するのに対し、図9等に示したひとつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、背景として動画を表示するようにしてもよい。また、図10および図16等に示したふたつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、背景として演出の変動が小さい(背景色のみ変化等)画像を表示するのに対し、図9等に示したひとつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、背景として演出の変動が大きい(図15(a)および図15(b)のように背景の種類が根本的に変化等)画像を表示するようにしてもよい。また、液晶表示器27に所定の画像を表示する所定の演出を実行する頻度が、図10および図16等に示したふたつの帯領域を用いる帯表示中であるときには、図9等に示したひとつの帯領域を用いる帯表示中であるときよりも低くなるように定められているものであってもよい。このように構成することにより、ふたつの帯領域において文字画像をスクロールさせる帯表示中においては、画像の変化度合が比較的低い背景画像が表示される。このため、遊技者の視線を帯表示に引き寄せることができ、その結果、遊技者がスクロールされている文字画像を把握し易くなる。一方、ひとつの帯領域において文字画像をスクロールさせる帯表示中においては、遊技者が既に文字情報を把握済みである可能性があるため、画像の変化度合が高い背景画像を表示することにより遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施形態および変形例においてふたつの帯領域を用いる帯表示について、一方の帯領域においてスクロールされる文字画像の一部(例えば、図10(c)の帯領域27aにおける1つ目の文字画像のうちの「スペシャル」)が表示されないスクロール位置となった場合でも、当該表示されなくなった文字画像の一部(例えば、図10(c)の帯領域27bにおける「スペシャル」)のすべてを帯領域27bにおいて表示することにより完全に補完できる例について説明した。しかし、帯表示は、文字画像を常時スクロールさせる表示であって時間経過とともに文字画像が表示されるものである。このため、完全に補完するものに限らず、例えば、一方の帯領域においてスクロールされる文字画像の一部(例えば、図10(c)の帯領域27aにおける1つ目の文字画像のうちの「スペシャル」)が表示されないスクロール位置となった場合でも、当該表示されなくなった文字画像の一部分のみ(例えば「ペシャル」)を含む文字画像(例えば「ペシャルグレードチャンスゾーン」)が帯領域27bにおいて表示させることにより一部を補完できるようにしてもよい。
上記実施形態および変形例においては、帯表示をCZ中に行う例について説明したが、所定情報を遊技者に報知する状況であればこれに限らず、CZとは異なる状態等において帯表示が行われるものであってもよい。帯表示は、例えば、ボーナス状態中やATゲーム数が上乗せされる割合が高い上乗せ特化状態中など遊技者にとっての有利度合いが高まっている状態や、上乗せ特化状態などの遊技者にとって有利な遊技状態に制御するか否かを通常時よりも有利な態様(例えば当選確率が高い)で抽選する前兆状態、遊技者にとって有利な遊技状態(ATや上乗せ特化状態など)に制御されることが確定しているときであって当該有利な有利状態に制御する直前において当該有利な遊技状態の有利度合い(例えば性能、ATゲーム数、上乗せ当選割合等)を抽選して準備している準備状態などにおいて行うものであってもよい。前兆状態は、1ゲーム毎に有利な遊技状態に制御するか否かの抽選を行う状態であってもよい。また、準備状態は、有利な遊技状態の有利度合いの抽選を、1ゲーム毎に行うとともに、役抽選において当選確率が低いいわゆるレア役(例えば、1枚役)に当選した時にも行う状態であってもよい。
また、図9で示した帯表示(第1帯表示等)と、図10や図16等で示したふたつの帯領域において行う帯表示(第2帯表示等)とは、同じ状態(CZ)において行われる例について説明したが、これに限らず、異なる状態において行われるものであってもよい。例えば、図9で示した帯表示(第1帯表示等)は、第1の遊技状態(例えば、上記の準備状態中)において行い、図10や図16等で示したふたつの帯領域において行う帯表示(第2帯表示等)は、第2の遊技状態(例えば、上記の前兆状態)において行うようにしてもよい。図10や図16等で示したふたつの帯領域において行う帯表示(第2帯表示等)を第2の遊技状態としての上記の前兆状態において行う場合、図13(c)で示したチャンスボタン演出は、レア役に当選したゲーム開始時に行うものであってもよい。レア役は、役抽選において当選する確率が低い。このため、第2帯表示が終了する頻度は、例えば、レア役当選によりAT当選して終了するよりも1ゲーム毎の抽選によりAT当選して終了する方が高い。つまり、第2帯表示が終了する頻度は、チャンススイッチ81Fへの操作が受け付けられたときよりも、第3停止操作が受け付けられたときの方が高い。これにより、意外性を際立たせることができる。
上記実施形態および変形例において、図16(a)〜図16(c)に示すように、ふたつの帯領域を用いた帯表示から、ひとつの帯領域を用いた帯表示に切り替える契機として、CZ終了という所定タイミングまでの残りゲーム数が所定ゲーム数となることにより成立する例について説明した。しかし、ふたつの帯領域を用いた帯表示から、ひとつの帯領域を用いた帯表示に切り替える契機としては、これに限らず、ふたつの帯領域を用いた帯表示を開始してから消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立するものであってもよい。また、ふたつの帯領域を用いた帯表示から、ひとつの帯領域を用いた帯表示に切り替える契機としては、ゲーム数に基づいて成立するものに限らず、例えば、払出されたメダルの枚数や、純増枚数、役抽選の結果などに基づいて成立するものであってもよい。
また、図16(c)においては、ひとつの帯領域を用いた帯表示に切り替えられるときに表示される遊技情報として、残りゲーム数と、AT当選していることに対する期待度を特定するための情報とを例示した。しかし、ひとつの帯領域を用いた帯表示に切り替えられるときに表示される遊技情報は、これに限らず、払出されたメダルの枚数や、純増枚数、ATに継続して制御された継続回数等であってもよい。
また、図16では、切り替える契機が成立したときに、図16(a)に示す帯領域27c、27dを用いた第2帯表示を終了して、図16(c)に示すように帯領域27c、27dのいずれとも異なる帯領域27aにおいて文字情報をスクロールさせる帯表示に切り替える例について説明した。しかし、切り替える契機が成立したときには、帯領域27c、27dのうち、遊技情報画像と重畳する帯領域27dにおける帯表示のみを終了させ、帯領域27cのみにおいて帯表示を行うようにしてもよい。
上記実施形態および変形例における第1帯表示は、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(ATなど)に制御されることが確定しており、当該有利な遊技状態に制御されるまでの準備状態中において行われるものであってもよい。この場合、第1帯表示の背景画像には、有利な遊技状態に制御された場合に更新され得る遊技情報画像(例えば、AT中のメダル枚数、ATの残りゲーム数等)を含めてもよい。これにより、有利な遊技状態に制御されることを遊技者が理解し易くなる。これに対して、第2帯表示は、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(ATなど)に制御するか否かを通常時よりも有利な態様(例えば当選確率が高い)で抽選する前兆状態中において行われるものであってもよい。前兆状態には所定ゲーム数消化するまで制御されるようにしてもよく、この場合、第2帯表示の背景画像には、前兆状態の残りゲーム数(第2帯表示が行われる残りゲーム数でもある)を含めてもよい。これにより、前兆状態に制御可能な期間を遊技者が理解し易くなる。
また、上記のように、第1帯表示を準備状態中に行い、第2帯表示を前兆状態中に行うようにする場合、例えば、前兆状態に制御されるときに第2帯表示を行い、当該前兆状態中において有利な遊技状態に制御する旨が決定されることにより、第1帯表示に切り替えて準備状態に制御されるようにしてもよい。
また、帯表示においてスクロールさせる文字画像は、図9〜図16等で示したものに限るものではない。例えば、上記のように、第1帯表示を準備状態中に行い、第2帯表示を前兆状態中に行うようにする場合、第1帯表示においては、準備状態中である旨を特定可能となる文字画像(「ATまでの準備中」等)をスクロールさせ、第2帯表示においては、有利な遊技状態に制御可能となる条件(達成条件)を特定可能となる文字画像(「虹色の背景に変化すればAT濃厚」等)をスクロールさせるようにしてもよい。
上記実施形態および変形例において帯表示(第1帯表示、第2帯表示)を行う場合には、帯表示を行う帯領域と平行する領域であって、当該帯領域よりも小さい帯領域(以下、サポート領域という)において帯表示により報知する情報をサポートするためのサポート画像をスクロールさせるようにしてもよい。例えば、上記のように、第1帯表示を準備状態中に行い、第2帯表示を前兆状態中に行うようにする場合、第1帯表示中におけるサポート領域ではサポート画像として「準備中」という文字画像をスクロールさせ、第2帯表示中におけるふたつのサポート領域ではサポート画像として「がんばれ」という文字画像をスクロールさせるようにしてもよい。また、サポート領域においてサポート画像をスクロールさせる速度は、帯領域において文字画像をスクロールさせる速度と異ならせてもよく、例えば、帯領域よりも遅い速度となるようにしてもよい。また、図16に示す帯表示中においては、図16(a)に示すようにふたつの帯領域において帯表示を行っているときにサポート領域においてサポート画像をスクロールさせ、切り替え契機が成立したときにふたつの帯領域における帯表示の終了とともにサポート領域におけるスクロールも終了させ、図16(c)の状態に切り替えられた後においてはサポート領域におけるスクロールを行わないようにしてもよい。これにより、スクロール表示が複雑になり過ぎることを防止できる。
上記実施形態および変形例について、図14を参照して、第1帯表示中においては、当該第1帯表示よりも優先して他の画像(昇格抽選演出の画像)が表示される場合が生じ得るのに対し、第2帯表示中においては、他の画像が当該第2帯表示よりも優先して表示されることがない例について説明した。しかし、他の画像としては、帯表示を表示しないようにするものに限らず、帯表示の一部に重畳して表示される画像(例えば、ナビ演出画像等)や、瞬間的に遊技者が認識し難くなる認識困難画像(遊技者の目を瞬間的に眩ます画像、フラッシュ画像、半透明画像等)であってもよい。例えば、第1帯表示中においては、当該第1帯表示よりも優先して認識困難画像が表示される場合が生じ得るのに対し、第2帯表示中においては、認識困難画像が当該第2帯表示よりも優先して表示されることがない(つまり、第2帯表示については認識困難となることがない)ようにしてもよい。
上記実施形態および変形例における帯表示において文字画像をスクロールさせる速度は、ひとつの帯領域を用いた帯表示(図9)およびふたつの帯領域を用いた帯表示(図10、図16)のいずれにおいても同じ速度である例について説明した。しかし、文字画像をスクロールさせる速度は、用いる帯領域の数や帯表示の種類に応じて異ならせてもよい。例えば、ふたつの帯領域を用いた帯表示(図10、図16(a)等)において文字画像をスクロールさせる速度は、一つの帯領域を用いた帯表示(図9、図16(c)等)において文字画像をスクロールさせる速度よりも遅くなるように定められているものであってもよい。これにより、補完し合って文字画像を把握する場合が生じる帯表示中であっても、文字画像を確認し易くなる。また、帯表示においてスクロールさせる文字画像内の文字の大きさは、ひとつの帯領域を用いた帯表示(図9)およびふたつの帯領域を用いた帯表示(図10、図16)のいずれにおいても同じ大きさである例について説明した。しかし、文字画像内の文字の大きさは、用いる帯領域の数や帯表示の種類に応じて異ならせてもよい。例えば、ふたつの帯領域を用いた帯表示(図10、図16(a)等)における文字画像内の文字の大きさは、一つの帯領域を用いた帯表示(図9、図16(c)等)における文字画像内の文字の大きさよりも小さくなるように定められているものであってもよい。これにより、補完し合って文字画像を把握する場合が生じる帯表示中であっても、より多くの文字数を表示できるため、文字画像を確認し易くなる。
上記実施形態および変形例においては、図10や図16(a)におけるふたつの帯領域においてスクロールさせる場合に、当該ふたつの帯領域各々におけるスクロール方向および文字画像が表示されなくなるタイミングなどを異ならせることにより、スクロール態様を異ならせる例を示した。しかし、スクロール態様は、これに限らず、スクロール方向および文字画像が表示されなくなるタイミングのうちのいずれか一方のみを異ならせるものであってもよく、また、これに替えてあるいは加えて、他の事項(例えば、スクロール速度、文字の大きさ等)において異ならせるものであってもよい。
上記実施形態および変形例における図16では、残りゲーム数に基づいて切り替える契機が成立したときに液晶表示器27の表示領域全面において所定のタイトル画像を表示させた後に、ひとつの帯領域27aに切り替える例ついて説明した。しかし、切り替える契機は、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、上乗せ特化状態等)への制御が決定されることにより成立するものであってもよく、この場合、切り替える契機が成立することにより帯表示を一旦終了して、有利な遊技状態に対応する画面を表示し、当該有利な遊技状態が終了した後に、ひとつの帯領域27aにおける帯表示を再開するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例に替えてあるいは加えて、例えば、帯表示に用いる帯領域の長手方向の長さに応じて、所定長さ以下の場合にはふたつの帯領域を用いて帯表示を行い、所定長さを越える場合にはひとつの帯領域を用いて帯表示を行うようにしてもよい。
上記実施形態および変形例における帯表示を行う液晶表示器27として、水平方向の辺が垂直方向の辺よりも長い横長の長方形状である例を示したが、これに限らず、垂直方向の辺が水平方向の辺よりも長い縦長の長方形状であってもよい。また、帯表示を行う表示領域は、複数の表示器により構成される領域であってもよい。例えば、横長の長方形状となる液晶表示器を上下に並べて配置可能とし、ふたつの液晶表示器により構成される縦長の表示領域(ふたつの液晶表示器に跨がった領域)において帯表示を行うようにしてもよい。なお、縦長の表示領域においては、垂直方向に沿う帯領域を用いて帯表示を行うのが好ましい。
上記実施形態および変形例における帯表示を行う帯領域は、長手方向の一方端の幅と他方端の幅とが同じで、横長あるいは縦長の矩形となる例について説明した。しかし、帯領域は、長手方向に延びる領域を有するものであればこれに限らず、例えば、長手方向の一方端の幅と他方端の幅とが異なる領域であってもよい。具体的に、図9(a)に示す帯領域27aは、右端の幅の方が左端の幅よりも大きくなるようにし、幅が大きい右端から幅が小さい左端に向けてスクロールさせるようにしてもよい。これにより、左方に向けて奥行き感を創出することができる。また、ふたつの帯領域を用いる場合には、一方端の幅と他方端の幅との大小関係が同じ関係となるようにしてもよい。具体的に、図10(a)に示す帯領域27aおよび帯領域27bのいずれにおいても、右端の幅の方が左端の幅よりも大きくなるようにしてもよい。また、ふたつの帯領域を用いる場合には、一方端の幅と他方端の幅との大小関係が逆の関係となるようにしてもよい。具体的に、図10(a)に示す帯領域27aは、右端の幅の方が左端の幅よりも大きくなるようにするのに対し、帯領域27bは、左端の幅の方が右端の幅よりも大きくなるようにしてもよい。
また、帯表示を行う帯領域は、長手方向に延びる領域を有するものであれば、波を打つような波状の領域(波帯領域という)であってもよい。また、波帯領域は、規則的に波を打つ領域(例えば、周波数が一定、振幅が一定、波を打つ位置が一定等)であってもよく、また、不規則的に波が揺れる領域(例えば、周波数が変動、振幅が変動、波を打つ位置が変動等。グラグラと波が揺らぐ等)であってもよい。
上記実施形態および変形例における帯表示では、文字画像をスクロールさせる例について説明した。しかし、帯表示においてスクロールさせる画像は、文字画像に限らず、これに替えてあるいは加えて、記号に相当する記号画像や、模様に相当する模様画像であってもよい。また、帯表示として、文字画像のみ(あるいは文字画像を含む画像)をスクロールさせる帯表示と、記号や模様等のみをスクロールさせる帯表示とを設けてもよい。記号や模様等のみをスクロールさせる帯表示は、遊技者に積極的に報知すべき情報はなく、装飾的な役割が強い。これに対して、文字画像のみ(あるいは文字画像を含む画像)をスクロールさせる帯表示は、極力短い時間で全文字を遊技者に報知するのが好ましい。このため、スクロールさせる速度は、記号や模様等のみをスクロールさせる帯表示よりも文字画像のみ(あるいは文字画像を含む画像)をスクロールさせる帯表示の方が速くなるようにしてもよい。これにより、文字画像のみ(あるいは文字画像を含む画像)をスクロールさせる帯表示中においては極力短い時間で全文字を遊技者に報知でき、記号や模様等のみをスクロールさせる帯表示中においてはゆっくりスクロールさせることにより装飾的な効果を高めることができる。
上記実施形態および変形例における図10および図16では、2本の帯表示を行う場合、各々においてスクロールさせる文字画像により補完し易くするために平行する領域を用いる例について説明した。しかし、2本の帯表示を行う場合には、略平行するふたつの領域を用いてもよく、また、文字画像の補完に影響が少なければ平行しないふたつの領域を用いてもよい。
遊技機は、上記実施形態および変形例において説明した帯表示を行うものであればよく、上記実施形態および変形例において説明した帯表示とは異なる帯表示を行うことがあるものであってもよい。つまり、本発明は、特許請求の範囲に記載されている帯表示を行うことがある遊技機であれば、特許請求の範囲に記載されている帯表示とは異なる帯表示を行うことがある遊技機についても包含する。
(帯表示開始時について)
上記実施形態および変形例において特定条件が成立して図9〜図16に示す帯表示を開始する際には、当該帯表示においてスクロールさせる文字を含む文字画像(特定画像)の始点(読み始めとすべき箇所)を遊技者が認識しやすくなる態様で帯表示を開始するようにしてもよい。遊技者が認識しやすくなる態様としては、例えば、ループ(繰り返しスクロール)させる文字画像に対して当該文字画像の始点に始点画像を付加した文字画像を帯領域となり得る領域の一方端から他方端に向けてスライドさせて表示した後、始点画像を付加していない文字画像をループさせることにより帯表示を開始するようにしてもよく、また、文字画像の始点が帯領域のうちのスクロールさせる方向(特定方向)の先端側の所定位置となる初期配置状態で文字画像を所定時間に亘って固定表示(停止表示)した後に、当該文字画像を特定方向へスクロールさせることにより帯表示を開始するようにしてもよい。
図17は、帯表示を開始する際に、スクロールさせる文字画像の始点に始点画像を付加した文字画像を帯領域となり得る領域の一方端から他方端に向けてスライドさせて表示する例を示している。図17では、例えば図9に示す帯表示を開始する際の表示例を示すが、これに限らず、図10〜図16に示す帯表示を開始する際に適用(1本の帯表示に適用、2本の帯表示双方に適用、2本の帯表示のうちいずれか一方のみに適用)するものであってもよい。
図17(a)は、特定条件が成立することにより、始点画像Aが帯領域27aとなり得る領域の右端から左端に向けてスライドさせているタイミング(タイミング1とする)の表示例を示している。始点画像Aとしては、人を模したキャラクタ画像が示されているが、これに限らず、所定の物を模したオブジェクト画像であってもよく、単なるマーク等を模したオブジェクト画像などであってもよい。始点画像Aは、帯領域27aとなり得る領域の右端から出現する(表示される)。図17(a)では、始点画像Aに含まれるキャラクタが帯領域27aとなり得る領域の右端から左方向(後においてスクロールされる方向と同じ方向)に向けてロープを引っ張っている様子が示されている。以降においては、時間の経過に応じて始点画像Aが左方向に移動しているかのようにキャラクタの足が動くような演出画像とともにスライドして表示される。ロープの先には、図17(b)に示すように、文字画像の始点(帯表示の始点)に接続されている。つまり、始点画像Aは、文字画像に対して当該文字画像の始点に付加されている。なお、付加とは、文字画像(帯表示)を先導していることがわかる形態となっていればよく、直接接続されているものに限らず、近接しているようなものも含む。
図17(b)は、タイミング1よりも後のタイミング2の表示例を示している。図17(b)においては、始点画像Aが帯領域27aとなり得る領域の略中央位置まで移動するとともに、始点画像Aの移動に伴ってロープの先に接続されている文字画像が左方向にスライドしている様子が示されている。このように、始点に始点画像Aが付加された文字画像が一体となって帯領域27aとなり得る領域の右端から左端に向けてスライドさせて表示される。始点に始点画像Aが付加された文字画像は、始点画像Aが帯領域27aの左端にスライドするまで、図17(a)および図17(b)に示すように速度V1でスライドさせて表示される。
図17(b)に示すように、始点画像A(キャラクタ画像とロープ画像)は、文字画像(特定画像)の始点よりもスライド方向において前方側となる位置であって、当該文字画像とは重畳しない位置に配置(付加)されている。このため、スライド表示中において始点画像Aにより文字画像の視認性が阻害されてしまうことを防止できる。
また、図17(b)に示すように、始点画像A(キャラクタ画像とロープ画像)の縦の長さは、文字画像(含まれる文字、あるいは帯領域27a)の縦よりも長い。また、始点画像A(キャラクタ画像とロープ画像)の横の長さは、文字画像に含まれる文字の一文字分の横よりも長い。このため、始点画像Aが文字画像よりも目立つため、文字画像の始点をより分かりやすくなる。
図17(c)は、タイミング2よりも後のタイミング3の表示例を示している。図17(c)のタイミング3は、タイミング2以降も継続するスライドにより、始点画像Aが帯領域27aの左端から当該帯領域27a外に移動して表示されなくなったタイミングを示している。このため、図17(c)においては、図9(a)と同じように帯領域27aにおいて「チャンスゾーン」という文字画像(始点画像Aを含まない画像)のみのスクロールを開始する様子が示されている。図17(a)および図17(b)で示したように、タイミング3に到達するまでに、始点画像Aにより遊技者は文字画像の始点を容易に把握できる。これにより、タイミング3において文字画像のみのスクロールが開始されるときには、当該文字画像に基づいて遊技者が文字等を読み取り把握しやすくなる。その結果、帯表示開始時に文字画像に含まれる文字を読み取ることができずそれ以降においてループしてスクロールされる文字画像が再び表示されるまで遊技進行を待機させる事態を防止でき、遊技を進めることができるため、スロットマシンの稼働を向上させることができる。
また、始点画像Aが帯領域27aの左端から当該帯領域27a外に移動して表示されなくなったタイミング3(所定タイミング)以降においては、文字画像をスライド(スクロール)させる速度が、速度V1よりも遅い速度V2に切り替えられる。換言すると、始点に始点画像Aが付加された文字画像をスライドさせる際の速度V1は、その後文字画像のみをスクロールさせる際の速度V2よりも早い。このため、始点に始点画像Aが付加された文字画像のスライド表示を開始してからタイミング3に至るまでに要する時間を極力短くでき、かつ、帯表示開始から遅滞なく(遅れすぎることなく)文字画像の全貌を遊技者は把握可能となる。
なお、始点画像Aを表示するための始点表示用データと、スクロール対象となる文字画像を表示するための文字表示用データとは、各々別個に設けられており、ROM77に格納されているものを想定している。この場合、帯表示開始時においては、始点表示用データと文字表示用データとを用いて図17(a)および図17(b)に示す画像を表示するようにし、図17(c)以降においては、文字表示用データのみを繰り返し用いてスクロールさせるものであってもよい。しかし、これに限らず、例えば、始点画像Aと文字画像とを一体として表示するための合体表示用データと、始点画像Aを含まず文字画像のみを表示するための単独表示用データとが設けられており、ROM77に格納されているものであってもよい。この場合、帯表示開始時においては、1つ目の文字画像については始点画像Aと文字画像とを一体として表示するための合体表示用データを用いて表示し、2つ目以降の文字画像については単独表示用データを繰り返し用いて表示するようにしてもよい。
図17では、速度V1から速度V2に切り替える所定タイミングとして、帯表示を開始する際に始点画像Aを帯領域27aの右端から左端までスライドした後に始点画像Aの表示が消えたタイミングを例示したが、これに限らず、帯領域27aの先端に始点画像Aの左端部が到達したタイミングであってもよく、始点画像Aの半分の表示が消えたタイミングであってもよく、また、始点画像Aの表示が消えてから一定時間(例えば、0.2秒)経過したタイミングであってもよい。
図18は、帯表示を開始する際に、文字画像の始点が帯領域においてスクロールさせる方向の先端側の所定位置となる初期配置状態で文字画像を所定時間に亘って固定表示する例を示している。図18では、例えば図9に示す帯表示を開始する際の表示例を示すが、これに限らず、図10〜図16に示す帯表示を開始する際に適用(1本の帯表示に適用、2本の帯表示双方に適用、2本の帯表示のうちいずれか一方のみに適用)するものであってもよい。また、帯表示を開始する際には、図17に示す態様とする場合と図18に示す態様とする場合のいずれをも生じさせ得るものであってもよく、例えば、両態様のうち開始する帯表示の種類に応じて予め定められている態様とするものであってもよく、また、両態様のうち乱数抽選などによって選択された態様とするものであってもよい。また、帯表示を開始する際には、図17に示す態様で帯表示を開始し、例えば図17(c)の所定タイミングにおいて図18に示す態様とするものであってもよい。
図18(a)は、特定条件が成立することにより帯領域27aに文字画像が表示されたタイミング(タイミング1とする)の表示例を示している。図18の例においてスクロールされる文字画像は、「レア役やBRでCZへ!?」という文字を含む第1文字画像(第1情報群画像)と、「BRは停止数が多いほど期待度UP!!」という文字を含む第2文字画像(第2情報群画像)とを含む。第1文字画像は、例えば、レア役である1枚役やBR図柄が停止することによりCZに移行される可能性を有するといった情報(第1の情報)を示唆する画像である。また、第2文字画像は、例えば、BR図柄が停止した回数が多いほどCZに移行される可能性が高まるといった情報(第2の情報)を示唆する画像である。第1文字画像および第2文字画像は、ともに「BR」という文字を含み、かつ当該「BR」という文字が絵巻物を想起させるオブジェクト内に配置された共通の画像(所定の情報画像)を含む。
図18(a)では、第1文字画像の始点が帯領域27aのうちスクロールする方向の先端(左端)側の予め定められている位置(帯領域27aの左端に近い所定位置)に配置されるとともに、当該第1文字画像の終点から第1間隔Xをあけて第2文字画像のうちの帯領域27aに表示可能な範囲の画像(「BRは停」まで)が配置された初期配置状態で表示されている様子が示されている。帯表示の背景画像としては、表示領域上方において時間の経過に応じて左右に移動する雲を模した画像が表示され、表示領域右側において恐竜を模したキャラクタ画像が表示され、表示領域左側においては「バトルモード」といった現在選択されている演出モードを報知する画像が表示されている。スクロール対象となる第1文字画像および第2文字画像は、現在選択されている演出モードであるバトルモード中におけるCZへの移行にかかわる契機・期待等にかかわる情報を示唆する画像である。
図18に示す帯表示を開始してから予め定められた選択可能期間(例えば、決定スイッチ81aが操作されるまでの期間、あるいは10秒間)においては、左右上下選択スイッチ81b〜81eへの操作に応じて複数種類の演出モードのうちからいずれかに切り替えることができる。複数種類の演出モードは、例えば、演出の実行確率や種類、期待度(信頼度)、抽選条件、報知態様等が異なるように定められており、選択された演出モードに基づいて演出等が実行される。スクロールされる文字画像は、現在選択されている演出モードに応じて、当該演出モード中におけるCZへの移行にかかわる契機・期待等にかかわる情報を示唆する文字画像(演出モードに応じた文字画像)に切り替えられるものであってもよい。
図18(b)は、タイミング1よりも後のタイミング2の表示例を示している。図18(b)においては、図18(a)と比較して、時間の経過に応じて雲を模した画像については移動表示されているものの、帯領域27aにおいて表示されている文字画像についてはスクロールされておらず同じ状態で固定表示されている。このように、図18で示す帯表示においては、当該帯表示が開始されてから所定時間に亘って文字画像が初期配置状態で固定表示される。このため、遊技者は帯領域27aの所定位置付近を視認することにより文字画像の始点を容易に把握できる。これにより、帯表示開始時において表示される文字画像に基づいて遊技者が文字等を読み取り把握しやすくなる。その結果、帯表示開始時に読み取ることができずそれ以降において文字画像がスクロールされて改めて表示されるまで遊技進行を待機させる事態を防止でき、遊技を進めることができるため、スロットマシンの稼働を向上させることができる。
また、所定時間が経過した後においては、第1文字画像と第2文字画像との第1間隔Xを維持したまま、文字画像が所定の速度でスクロールされる。文字画像を初期配置状態で固定表示する所定時間は、例えば、文字画像を所定の速度でスクロールさせる際に当該文字画像に含まれる一文字分(ある文字の始点から次の文字の始点、あるいはある文字の始点から当該文字の終点等)の長さだけスクロールするのに要する時間よりも長い時間が定められており、例えば、1秒等であってもよい。これにより、文字画像の始点を把握する時間に加えて一文字目を読む時間を確実に確保できる。固定表示する所定時間は、スクロールさせる文字画像に含まれる文字数や、第1文字画像に含まれる文字数に応じて異なる時間が定められており、例えば、文字数が多いほど長い時間が定められているものであってもよい。
図18(c)は、タイミング2よりも後のタイミング3の表示例を示している。図18(c)においては、図18(b)と比較して、時間の経過に応じて雲を模した画像については移動表示され、さらに帯領域27aにおいて表示されている文字画像についてもスクロールされている。図18(c)に示されるように、第1文字画像のうちの先頭の文字である「レ」が帯領域27aの左端から当該帯領域27a外に移動して表示されなくなったのに対し、第2文字画像のうちの「BRは停」に続く「止」が帯領域27a内に移動して表示されている。
図18(d)は、タイミング3よりもさらに後のタイミング4の表示例を示している。図18(d)においては、図18(c)と比較して、時間の経過に応じて雲を模した画像については移動表示され、さらに帯領域27aにおいて表示されている文字画像についてもスクロールされている。図18(d)に示されるように、第2文字画像のうちの先頭の文字である「BRは」が帯領域27aの左端から当該帯領域27a外に移動して表示されなくなり「停止数が多いほど期待度UP!!」のみが表示され、当該第2文字画像の終点から第2間隔Yをあけて次の文字画像に相当する第1文字画像のうちの帯領域27aに表示可能な範囲の画像(「レ」のみ)が帯領域27a内に移動して表示されている。第2文字画像の終点からループされる次の第1文字画像の始点までの第2間隔Yは、一つの文字画像となる第1文字画像の終点から第2文字画像の始点までの第1間隔Xよりも長い間隔が定められている。これにより、第1文字画像と第2文字画像とがひと固まりとなった文字画像であり、第2文字画像の次にスクロールされる第1文字画像は次の文字画像に含まれる画像であることを、遊技者は視覚的に把握しやすくなる。
図18に示す帯表示中においては、左右上下選択スイッチ81b〜81eへの操作に応じて複数種類の演出モードのうちからいずれかに切り替えることができ、当該切替に応じて表示領域左側において報知される演出モード表示についても切り替えられる(例えば、「一撃モード」「後出しモード」等)。また、図18に示す帯表示中において左右上下選択スイッチ81b〜81eへの操作に応じて演出モードが切り替えられる毎に、帯表示は、初期配置状態に初期化されて図18(a)と同じ表示状態に切り替えられる。また、帯表示は、初期配置状態に初期化されたときにも、当該帯表示が初期化されてから所定時間に亘って文字画像が初期配置状態で固定表示され、所定時間経過後において文字画像のスクロールが開始される。また、前述したようにスクロールされる文字画像は、現在選択されている演出モードに応じて、当該演出モード中におけるCZへの移行にかかわる契機・期待等にかかわる情報を示唆する文字画像(演出モードに応じた文字画像)に切り替えられるものであってもよい。これにより、演出モードを切り替えることによっても、文字画像の始点を容易に把握でき、当該文字画像に基づいて遊技者が文字等を読み取り把握しやすくなる。また、文字画像の1文字目等を仮に見逃してしまった場合であっても、文字画像が改めて表示されるまで待機するより、一旦演出モードを切り替えた後に元の演出モードに戻した方が、文字画像の始点を早いタイミングで把握可能となり得る。また、演出モードを切り替えたときにおいても、初期配置状態で文字画像が所定時間に亘って固定表示されるため、余裕をもって当該文字画像を確認できる。また、演出モードの切り替え毎に文字画像を初期配置状態とする場合に、文字画像のみならず帯領域27aに対応する画像を一旦消去した後に、初期配置状態にある文字画像を含む帯領域27aを表示するようにしてもよい。
また、図18の例においてスクロールされる文字画像は、「レア役やBRでCZへ!?」という文字を含む第1文字画像と、「BRは停止数が多いほど期待度UP!!」という文字を含む第2文字画像とを含み、一連の文字画像により異なる情報を示唆でき、情報量や表示方法の自由度を増大させることができる。また、第1文字画像も第2文字画像も、「BR」に関する共通の画像を有することにより文字画像の始点が分かりにくくなるおそれがあるが、切り替えられる毎に初期配置状態で文字画像が所定時間に亘って固定表示されるため、文字画像の始点をより確実に把握可能となる。なお、第1文字画像および第2文字画像のうち「BR」に関する共通の画像を除く画像は、同じ色(例えば金色)を基調とする画像であってもよい。これにより、「BR」に関する共通の画像をより一層目立たせることができる。
図18における帯表示における帯領域は、液晶表示器27の右端から左端までにわたる領域を例示したが、これに限らず、例えば、スクロール方向の先端側となる帯領域の端部が液晶表示器27の左右方向において略中央位置となり、スクロール開始元となる帯領域の端部が液晶表示器27の右端の近傍位置となる領域であってもよく、また、液晶表示器27の上下方向にスクロールする場合には、スクロール方向の先端側となる帯領域の端部が液晶表示器27の上下方向において略中央位置となり、スクロール開始元となる帯領域の端部が液晶表示器27の上端または下端の近傍位置となる領域であってもよい。これにより、帯表示開始時の文字画像の始点が左右方向あるいは上下方向において略中央位置となるため、当該文字画像をより一層把握しやすくすることができる。
なお、図18に示すように文字画像をスクロール表示するためのデータとしては、図18(b)に示す状態(初期配置状態)から文字画像をスクロール表示のみするための動画データを設けてROM77に格納し、帯表示開始時においては、動画データを所定時間経過するまで進行させないようにタイマ管理することにより図18(a)〜図18(b)等に示すように文字画像を所定位置において固定表示し、所定時間経過後から動画データを進行させて図18(b)〜図18(d)等に示すように文字画像をスクロール表示するものであってもよい。また、図18に示すように文字画像をスクロール表示するためのデータとしては、これに限らず、例えば、図18(a)または図18(b)に示す状態(初期配置状態)で文字画像を表示するための静止画データと、図18(b)に示す状態(初期配置状態)から文字画像をスクロール表示のみするための動画データを設けてROM77に格納し、帯表示開始時においては、静止画データを所定時間経過するまで表示することにより図18(a)〜図18(b)等に示すように文字画像を所定位置において固定表示し、所定時間経過後から動画データを用いて図18(b)〜図18(d)等に示すように文字画像をスクロール表示するものであってもよい。
図18(a)などにおいては、第1文字画像の始点が帯領域27aのうちスクロールする方向の先端(左端)側の所定位置として、当該先端(左端)側に極めて近い位置であって、当該先端(左端)から離れている長さが文字画像に含まれる一文字の幅未満となる位置を例示したが、これに限らず、当該先端(左端)から離れている長さが文字画像に含まれる一文字の幅よりも長くなる位置であってもよい。
なお、図17および図18等に示す帯表示においてスクロールされる文字画像は、文字を含むものであればこれに限らず、所定のオブジェクトや、所定のキャラクタが含まれている画像であってもよい。
上記実施形態における図9(c)では、帯表示を行う帯領域27aと、帯表示においてスクロールさせる文字画像との関係が(X/2≧A(=a1+a2))となるように定められている例について説明したが、これに限らず、帯表示における1つの文字画像と間隔との合計長さAは、図19に示すように、帯領域27aの長手方向の長さXから1つの文字画像の長さa1を差し引いた長さ以下(X−a1≧A(=a1+a2))となるように定められているものであってもよい。これによっても、文字画像のスクロール位置にかかわらず、少なくとも一つの文字画像の始点から終点まで(全長)が表示されることになる。さらに、全長が表示される文字画像を1つだけ表示する期間が長くなり、遊技者の目を当該文字画像に向けやすくなる。
その他
上記実施形態および変形例においては、有利操作態様報知画像(ナビ演出)を報知する対象となる当選役グループとして押し順ベルを例示した。しかし、有利操作態様報知画像の対象は、これに限らず、例えば、リプレイ当選確率が高い有利RTに制御可能となる有利な再遊技役を含む当選役グループであって、有利な再遊技役を入賞させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。また、有利操作態様報知画像の対象は、例えば、リプレイ当選確率が低い不利RTに制御可能となる不利な再遊技役を含む当選役グループであって、不利な再遊技役の入賞を回避させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。