JP6793917B2 - アプタマー及び抗体検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫グロブリンG(以下、IgGと称する)抗体を認識するアプタマー及びこれを用いる抗体を検出する方法に関する。
近年、抗体医薬品とその関連製品の開発が盛んになっている。抗体医薬品とは疾患関連因子に特異的に結合する抗体を用いたバイオ医薬品であり、高い薬効と低い副作用が期待されている。抗体医薬品の多くは、免疫原性の低下のために、抗原結合部位として機能する超可変領域(CDR)のみが異種由来、残りの領域はヒト免疫グロブリンG(IgG)で構成されるヒト化モノクローナル抗体である。
一方、新しい医薬品の開発にはその医薬品の有効性や安全性を評価するための薬物動態試験が必須である。生体試料中の薬物の定量は臨床、非臨床においても薬物動態試験において重要な分析要素である。
抗体医薬の薬物動態(PK)と薬力学(PD)については、主に酵素結合免疫吸着検定法(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay:ELISA)、又は化学発光による免疫測定のようなリガンド結合法(Ligand Binding Assay:LBA)(例えば、非特許文献1〜4)が汎用されている。
一方、任意の分子と特異的に結合する核酸分子であるアプタマーが知られている。アプタマーは、モノクローナル抗体の親和性及び特異性に匹敵する高い親和性及び特異性を有して、例えばタンパク質及び小分子などの種々の標的分子を認識することができる、核酸リガンドである。アプタマー、特にDNAアプタマーは、容易かつ安価に合成され、化学的に改変することができる。更に、それらは、それらが標的に結合する際に構造変化が起こるよう設計することができる。これらのアプタマーの利点を使って、特定の分子を検出する検出方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特表2013−531969号公報
Analytical Biochemistry, (2009) vol.391, pp.114-120 Journal of Clinical Oncology, (2008) vol.26, pp.399-405 American Journal of Ophthalmology,(2008) vol.146, pp.508〜512 Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis, (2009) vol.50, pp.861〜866
ヒトの血清などの生体試料中には、多種かつ多量のヒトIgGが含まれている。また複数の抗体医薬が存在する試料中で特定のイディオタイプの抗体を検出することが求められる場合もある。
特定のイディオタイプの抗体を識別して、効率よく検出可能なツールと、これを用いた検出方法に対する要請がある。
本発明には、以下の態様が含まれる。
[1] 下記式(I)で示されるポリヌクレオチドであって、免疫グロブリンG抗体分子に結合し得るアプタマー:
(L1)−[(P)−(L2)−(L3) (I)
(式中、
Pは、以下の配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表し、
GCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGC(配列番号1)
CCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGG(配列番号2)
GGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCC(配列番号3)
CGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCG(配列番号4)
L1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表し、
nは、1以上の整数を表し、
x、y及びzは、それぞれ独立に0又は1の整数を表し、ただし、nが2以上の場合、複数のyは同一であっても異なっていてもよい)。
[2] L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、3〜60ヌクレオチドからなるポリヌクレオチド配列である[1]に記載のアプタマー。
[3] L1〜L3のうち少なくとも2つのリンカー配列を含み、存在するリンカー配列が、少なくとも1つの他のリンカー配列の少なくとも一部と互いに相互作用可能なポリヌクレオチド配列からなる[1]又は[2]に記載のアプタマー。
[4] ヌクレオチドの核酸部分が、DNA、RNA、及び人工核酸からなる群より選択される少なくとも1つである[1]〜[3]のいずれかに記載のアプタマー。
[5] 抗体分子が、血管内皮増殖因子に対する抗体分子である[1]〜[4]のいずれか1に記載のアプタマー。
[6] 抗体分子が、ベバシズマブである[1]〜[5]のいずれか1に記載のアプタマー。
[7] 抗体分子が、抗体全体、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ダイアボディー、単鎖抗体分子、及び、CDRを含む抗体断片からなる群より選択される少なくともひとつである[1]〜[6]のいずれか1に記載のアプタマー。
[8] 下記式(I)で示されるポリヌクレオチド:
(L1)−[(P)−(L2)−(L3) (I)
(式中、
Pは、以下の配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表し、
GCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGC(配列番号1)
CCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGG(配列番号2)
GGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCC(配列番号3)
CGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCG(配列番号4)
L1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表し、
nは、1以上の整数を表し、
x、y及びzは、それぞれ独立に0又は1の整数を表し、ただし、nが2以上の場合、複数のyは同一であっても異なっていてもよい)。
[9] 配列番号1〜配列番号10のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列からなる[8]記載のポリヌクレオチド。
[10] 以下の(A)又は(B)のポリヌクレオチドである[8]記載のポリヌクレオチド:
(A) 配列番号1〜配列番号10のポリヌクレオチド配列において、1個又は数個の
塩基が、付加、欠失、又は置換された配列を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド、
(B) 配列番号5〜配列番号10の配列において、式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列が10%以上の配列同一性を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド。
[11] 核酸部分が、DNA、RNA、及び人工核酸からなる群より選択される少なくとも1つである[8]〜[10]のいずれか1に記載のポリヌクレオチド。
[12] 検査対象の免疫グロブリンG抗体分子を含有する可能性がある試料を準備すること、[1]〜[7]のいずれか1に記載のアプタマーを、準備された試料と接触させることを含む抗体検出方法。
[13] 接触後の試料から、アプタマーと抗体分子との複合体の検出を行うこと、を含む[12]に記載の検出方法。
[14] 試料が、体液試料である[12]又は[13]に記載の検出方法。
[15] 抗体分子が、血管内皮増殖因子に対する抗体である[12]〜[14]のいずれか1に記載の検出方法。
[16] 抗体分子が、ベバシズマブである[12]〜[15]のいずれか1に記載の検出方法。
本発明の態様によれば、特定のイディオタイプの抗体を識別して、効率よく検出可能なツールと、これを用いた検出方法が提供可能である。
配列番号1で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマーの構造の一例を示す概念図である。 配列番号5で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマーの構造の一例を示す概念図である。 配列番号8で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマーの構造の一例を示す概念図である。 実施例1(2)にかかるELONA法による結合評価の結果を示すグラフである。 図5(A)は、VEGF及びトロンビンを競合タンパク質として用いた実施例1(3)にかかるELONA法による結合評価の結果を示すグラフである。図5(B)は、抗ヒトIgG抗体を用いた実施例1(3)にかかるELONA法による結合評価の結果を示すグラフである。 実施例2に係る血清中での結合評価の結果を示すグラフである。 実施例3に係るA14#1の特異性評価の結果を示すグラフである。 実施例4に係るT44の結合評価の結果を示すグラフである。 実施例4に係るAT44の結合評価の結果を示すグラフである。 実施例5に係るA14#1の結合評価の結果を示すグラフである。 実施例5に係る1G24Cの結合評価の結果を示すグラフである。 実施例5に係る2C23Gの結合評価の結果を示すグラフである。 実施例5に係る1GC2CGの結合評価の結果を示すグラフである。
本実施形態にかかるアプタマーは、下記式(I)で示されるポリヌクレオチドであって、免疫グロブリンG抗体分子に結合し得るアプタマー:
(L1)−[(P)−(L2)−(L3) (I)
(式中、
Pは、以下の配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表
し、
GCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGC(配列番号1)
CCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGG(配列番号2)
GGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCC(配列番号3)
CGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCG(配列番号4)
L1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表し、
nは、1以上の整数を表し、
x、y及びzは、それぞれ独立に0又は1の整数を表し、ただし、nが2以上の場合、複数のyは同一であっても異なっていてもよい)。
本アプタマーは、配列番号1〜配列番号4で示される特定のポリヌクレオチド配列を含む上記の式(I)で示されるポリヌクレオチドであることから、塩基の相補性に従った特定の二次構造が形成され得る。この結果、目的とする特定のIgG抗体分子を識別することができると推測される。ただし、この理論に限定されない。
本アプタマーを、本明細書では、「抗体特異性アプタマー」と称する場合がある。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
更に本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
更に本明細書において組成物中の各成分の割合は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を対象とする割合を意味する。
本明細書では、2以上のヌクレオチドが連結されたヌクレオチドの連続体を、「ポリヌクレオチド鎖」又は「ポリヌクレオチド配列」と称する場合がある。本明細書では、相対するヌクレオチドが、その構成要素として含む塩基の相補性に従って互いに水素結合を形成した構造を「ヌクレオチド対」と称する場合があり、このときの相補的な2つの塩基の組み合わせを「塩基対」と称する場合がある。本明細書では、ポリヌクレオチド配列を示す場合、特に断らない限り、左側をポリヌクレオチド配列の5’末端側、右側をポリヌクレオチド配列の3’末端側を意味する。
本明細書において「ステム部」という語とは、2つのポリヌクレオチド配列がそれぞれの構成要素として含む塩基の相補性に従って全体として二本鎖領域を形成し得る領域を意味する。よって、この語は、その領域が、完全に相補的な2つのポリヌクレオチド配列からなるという場合だけでなく、それらポリヌクレオチド配列の少なくとも一部が相補的であって、当該相補的な一部を含む所定の領域にわたって二本鎖領域が形成され得る限り、その領域が、完全には相補的でない2つのポリヌクレオチド配列からなるという場合をも含み得る。
ステム部が形成可能であることは、対象となる2つのポリヌクレオチド鎖の塩基の相補性に従って判断することができる。
本明細書において「ループ部」とは、2つのポリヌクレオチド配列によって形成し得るステム部以外の領域を意味し、具体的には一本鎖領域を形成し得る領域を意味する。ステム部以外の一本鎖領域には、一本のポリヌクレオチド鎖が任意の形態を取ることができる。ステム部以外の一本鎖領域の具体例としては、一本のポリヌクレオチド鎖それ自身の内
部で又は二本のポリヌクレオチド鎖によって形成可能なループ部が挙げられる。一本のポリヌクレオチド鎖それ自身の内部で形成されるループ部を「ヘアピンループ」と称することがあり、二本のポリヌクレオチド鎖によって形成されるループ部を「インターナルループ」と称することがある。
ループ部が形成可能であることは、対象となる2つのポリヌクレオチド鎖の塩基配列の相補性に従って判断することができる。
本明細書において「アプタマー」とは、主として、核酸と、塩基と、リン酸基とで構成されるポリヌクレオチドの分子を意味する。アプタマーの構成要素としての核酸には、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及び人工核酸が含まれる。人工核酸は、化学的に修飾を含む核酸分子であり、架橋型核酸(Bridged Nucleic acid:BNA。ロックド核酸(Locked nucleic acid:LNA)とも称する)、グリセロール核酸(Glycerol nucleic acid:GNA)、シクロヘキセニル核酸(Cyclohexenyl nucleic acid:CN
A)、スレオース核酸(Threose nucleic acid:TNA)などが含まれる。
アプタマーの構成要素としてのリン酸基は、各核酸単位が連結することができれば修飾を有するものであってもよく、酸素原子に代えて硫黄原子を有することができる。このような核酸アプタマーとしては、ホスホロチオエートODN(Phosphorothioate-ODN:PS−ODN)を挙げることができる。
アプタマーの構成要素として塩基には、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)、イノシン(I)等の天然に存在するポリヌクレオチドに見いだされる天然型の塩基と、7−(2−チエニル)イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ds)、2−ニトロ−4−プロピニルピロール(Px)、SOMAmer(登録商標)等の非天然型の塩基とを含むことができる。
式(I)においてPは、配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表す。配列番号1〜配列番号4で示されるポリヌクレオチド配列は、いずれも、24塩基長を有し、1位から3位の塩基と22位から24位の塩基とによる第1のステム部、8位から10位の塩基と16位から18位の塩基とによる第2のステム部、4位の塩基から7位の塩基と19位の塩基から21位の塩基とによる第1のループ部(インターナルループ)、並びに、11位から15位の塩基による第2のループ部(ヘアピンループ)を備えた構造を示し得る(図1参照)。このような二次構造を有することにより、工程のIgG抗体への結合親和性が生じうると推測される。
式(I)においてL1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表す。「Pと相互作用しない」とは、L1、L2及びL3を構成するポリヌクレオチドと、P、即ち、配列番号1〜配列番号4で示されるポリヌクレオチドとが、二本鎖を形成しないことを意味する。
L1、L2及びL3の各リンカー配列は、それぞれ、Pと相互作用しないポリヌクレオチドであれば、L1、L2及びL3に対応するポリヌクレオチド中に、L1、L2及びL3が互いに相互作用可能な塩基からなる部分を含むことができる。抗体特異性アプタマーは、L1、L2及びL3のうち少なくとも2つリンカー配列を含み、存在するリンカー配列が、少なくとも1つの他のリンカー配列の少なくとも一部と互いに相互作用可能な塩基からなる部分を含むことができる。こられに代えて、又はこれに加えて、L1、L2及びL3に対応するポリヌクレオチドは、それ自身の内部で相互作用可能な塩基からなる領域を含むことができる。
L1、L2及びL3のそれぞれのポリヌクレオチド配列は、天然型又は非天然型のランダム又は単一の塩基による配列であってよい。L1、L2及びL3のぞれぞれのポリヌク
レオチド配列は、アプタマーの設計容易性、結合親和性の観点から、それぞれ、単一の塩基、例えばチミン又はアデニンによる配列であってもよい。L1、L2及びL3の塩基長については特に制限はないが、アプタマーの安定性、結合親和性などの観点から、それぞれ、3〜60、10〜50、又は16〜44の範囲内から適宜選択することができる。
式(I)中、x、y及びzは、それぞれL1、L2及びL3の繰り返し単位数を表し、0又は1の整数を表す。即ち、抗体特異性アプタマーにおいて、L1、L2及びL3はそれぞれあってもなくてもよい。L2が複数存在する場合、yは、同じであってよく異なってもよい。zが1のとき、yは0、即ち、l3が存在するとき、L3に隣接するL2はなくてもよい。
L1は、Pの3’末端側、即ち、抗体特異性アプタマーの3’末端部に位置するリンカー配列であり、アプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、3〜30、4〜28、又は6〜25の塩基長を有することができる。L1は、それ自身の内部で相互作用可能な配列であってよく、又はアプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、L2と相互作用可能な配列であってもよい。L1がL2と相互作用可能な配列である場合には、Pとの相補鎖配列形成の排除の観点から、3〜30、4〜28、又は6〜25個の単一
の塩基、例えばチミン又はアデニンによる配列とすることができる。
L3は、Pの5’末端側、即ち、抗体特異性アプタマーの後端部に位置するリンカー配列であり、アプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、3〜30、4〜28、又は6〜25の塩基長を有することができる。L3は、それ自身の内部で相互作用可能な配列であってよく、又はアプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、L2と相互作用可能な配列であってもよい。L3がL2と相互作用可能な配列である場合にはPと
の相補鎖配列形成の排除の観点から、3〜30、4〜28、又は6〜25の個の単一の塩基、例えばチミン又はアデニンによる配列とすることができる。
L2は、Pに連結し、抗体特異性アプタマーの中央部に位置するリンカー配列であり、アプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、3〜60、10〜50、又は16〜44の塩基長を有することができる。L2は、アプタマーの構造安定性、又は結合親和性の観点から、L1又はL3と相互作用しない配列であってもよく、L1、L3、又は、L1及びL3の双方に相互作用可能な配列であってもよい。
L2がL1又はL3と相互作用しない配列である場合には、例えば、3〜60、10〜50、又は16〜44の単一の塩基、例えばチミン又はアデニンによる配列とすることができる。
L2は、アプタマーの構造安定性又は結合親和性の観点から、L1及びL3の双方に相互作用可能な配列であって、10〜50、又は16〜44の単一の塩基、例えばチミン又はアデニンによる配列であってもよい。L2がL1及びL3の双方に相互作用可能な配列を有する場合には、抗体特異性アプタマーは、L2とL1との間、及びL2とL3との間で形成された複数のステム部を有することができる。
式(I)中、nは1以上の整数を表す。即ち、抗体特異性アプタマーは、配列番号1〜配列番号3で示されるポリヌクレオチドをいずれか1つ以上含むことができる。nの値は1以上であればよく、2、3、4、又はそれ以上とすることができる。nの上限値については特に制限はなく、例えば、20とすることができる。
nが2以上の場合、yは同一であっても異なってもよい。即ち、Pが複数存在する場合には、複数のPの間にL2が存在して、かつ、抗体特異性アプタマーがP−L2−Pの構造を含むものであってもよく、複数のPの間にL2がなく、かつ、抗体特異性アプタマー
がP−Pの構造を含むものであってもよい。
式(I)中、Pが2つ以上存在する場合には、抗体特異性アプタマーは、配列番号1〜配列番号4からなる群より選択された2つ以上を有することができる。このような抗体特異性アプタマーは、配列番号1〜配列番号4の多量体とも称される。抗体特異性アプタマーが、配列番号1〜配列番号4の多量体であるときには、配列番号1〜配列番号4のいずれか1種類の配列を複数含む多量体であってもよく、異なる種類の配列を含む複合的な多量体であってもよい。抗体特異性アプタマーが、配列番号1〜配列番号4から選択された異なる種類の配列を含む多量体であるときには、配列番号1〜配列番号4のうちのいずれの組み合わせであってもよく、配列の順序についても特に制限はない。
式(I)で示される抗体特異性アプタマーの一例を示す。
Figure 0006793917
図1は、式(I)中、n=1、x=y=z=0であって、Pが配列番号1で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマー、14#1(配列番号1)を示す。
図2は、式(I)中、n=2、x=z=0、y=1及び0であって、Pが配列番号1で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマー、T16(配列番号5)を示す。
図3は、式(I)中、n=2、x=z=1、y=1及び0であって、L1が(A)、L2が(T)16、L3が(A)、Pが配列番号1で示されるポリヌクレオチドからなる抗体特異性アプタマー、AT16(配列番号8)を示す。
表1中の配列番号5〜配列番号7で示される配列において25位から連続するTの領域(L2)は、連続するAからなる配列としてもよい。配列番号8〜配列番号10で示される配列において、3’末端側の1位から連続するAからなる配列の領域(L1)は、Tからなる配列としてもよく、32位以降の連続するTからなる配列の領域(L2)は、Aからなる配列としてもよく、5’末端側の連続するAからなる配列の領域(L3)は、Tからなる配列としてもよい。
配列番号8〜配列番号10で示される配列において、L1、L2及びL3から選択される少なくとも1つのリンカー配列は、IgG抗体分子に結合し得る範囲で、連続するTの数、又は連続するAの数を1つ以上増減したものであってもよく、0、即ち存在しなくてもよい。
配列番号8〜配列番号10で示される配列において配列番号1で示される配列の領域(P)は、配列番号2又は配列番号3で示される配列としてもよい。配列番号5〜配列番号10で示される配列において2つ存在する配列番号1で示されるポリヌクレオチドの領域(P)のうち、1つ又は全部を、配列番号2又は配列番号3で示される配列としてもよい。
抗体特異性アプタマーの具体例には、以下のものが更に含まれる:
(A) 配列番号1〜配列番号10のポリヌクレオチド配列において、1個又は数個の塩基が、付加、欠失、又は置換された配列を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド、
(3) 配列番号5〜配列番号10の配列において、式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列が10%以上の配列同一性を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド。
ポリヌクレオチド(A)について、付加、欠失、又は置換される塩基の数は、導入される場所によって異なるが、配列番号1〜配列番号10の配列において式(I)中、Pに相当する部分の配列では、1〜5、1〜3、又は1〜2とすることができる。付加、欠失、又は置換される塩基の数は、配列番号4〜配列番号9の配列において式(I)中、L1〜L3に相当する部分の配列では、特に制限はなく、IgG抗体分子に結合し得る範囲で設定することができ、例えば、それぞれ独立に、1〜20、1〜15、1〜10、1〜8、1〜5、1〜3又は1〜2とすることができ、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。
ポリヌクレオチド(B)について、式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列の配列同一性は、配列番号5〜配列番号10の配列において式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列については、特に制限はなく、IgG抗体分子に結合し得る範囲で設定することができる。ポリヌクレオチド(B)について、式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列の配列同一性は、例えば、10%以上、30%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上とすることができる。配列同一性は、当業界で公知の方法によって決定することができ、例えば、Altschul SF, Gish W, Miller W, Myers
EW, Lipman DJ, “Basic local alignment search tool,” J Mol Biol., 1990, 215(3), 403-410.(URL: http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を参照することができる。
抗体特異性アプタマーは、単一の構造を採り得るものを用いてもよく、複数の構造を採り得るものを用いてもよい。複数の構造を採り得るものを用いた場合には、抗体特異性アプタマーは、複数の構造を有するポリヌクレオチドの集合体であってもよい。複数の構造を採り得る集合体として用いる場合には、採り得る異なる構造体の比率には、特に制限はなく、存在し得る異なる構造体が同一に比率で存在する形態であることができ、異なる比
率で存在する形態であってもよい。異なる構造の集合体であることは、例えば、蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence resonance energy transfer:FRET)を利用した方法等の既知の方法によって確認できる。
配列番号1〜配列番号10で示される配列を有するポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド(A)及び(B)において、構成要素としての核酸は、上述したとおり、DNA、RNA、及び人工核酸からなる群より選択される少なくとも1つであることができる。ポリヌクレオチドにおける核酸部分を選択することにより、ポリヌクレオチドが採り得る構造の数、種類、比率等を調整し得る。
配列番号1〜配列番号10で示される配列を有するポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド(A)及び(B)において、構成要素としての核酸は、アプタマーの構造安定性、結合親和性の観点から、人工核酸とすることができる。人工核酸としては、架橋型核酸(Bridged Nucleic acid:BNA。ロックド核酸(Locked nucleic acid:LNA)とも称する
)、グリセロール核酸(Glycerol nucleic acid:GNA)、シクロヘキセニル核酸(Cyclohexenyl nucleic acid:CNA)、スレオース核酸(Threose nucleic acid:TNA)などが含まれる。
本実施形態の抗体特異性アプタマーは、IgG抗体分子に対して結合することができる。抗体特異性アプタマーが結合し得るIgG抗体分子には、血管内皮増殖因子(Vascular
Endothelial Growth Factor:VEGF)に対する抗体分子が挙げられ、この例としては、ベバシズマブが挙げられる。ベバシズマブは、アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸453個の重鎖2分子からなる糖タンパク質であり、分子量は約149000の、ヒト血管内皮増殖因子に対するヒト化モノクローナル抗体である。ベバシズマブは、ヒトVEGFと特異的に結合することにより、血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体とVEGFとの結合を阻害する機能を有する。
抗体特異性アプタマーが結合し得る抗体分子は、抗体分子の相補性決定領域(CDR)を有する分子であれば特に制限はなく、抗体全体又はその断片であってもよい。断片としては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ダイアボディー、単鎖抗体分子、及びCDRを含む抗体断片からなる群より選択される少なくともひとつを挙げることができる。
抗体特異性アプタマーは、公知のSELEX(systematic evolution of ligand by exponential enrichment)法により得ることができる。
抗体特異性アプタマーを製造する好ましい方法は、
固相上に固定化された目的抗体を用いてSELEX選択処理を行い、一本鎖ポリヌクレオチドからなる候補配列を得ること;
それら候補配列を、異なる候補配列間での交叉と、候補配列のそれぞれに対する点ランダム変異とを行うことにより改変し、改変候補配列を得ること;並びに、
目的抗体に対する結合能に基づいて改変候補配列を選り分け、前記アプタマーを得ること、
を含む方法であってもよい。
アプタマーを調製するための方法におけるSELEX選択は当業者に公知であり、SELEX選択は公知の方法によって実施し得る。この方法では、標的分子(目的抗体)を固相上に固定化し、そこに、膨大な種類のランダムな塩基配列を有するポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドライブラリーを加え、当該標的分子に結合するポリヌクレオチドを回収し、次いで、そのポリヌクレオチドをPCRにより増幅し、その後、その増幅されたポリヌクレオチドを、再び標的分子が固定化されている担体へと加える。このプロセスを約10回繰り返すことによって、その標的分子に対する高い結合能を有するアプタマーを
濃縮し、その配列を決定して、その標的分子を認識するアプタマーを得る。
SELEX選択においては、目的抗体の固定化は、単に、例えば風乾によるなどの物理吸着によってか、又は、周知のアミンカップリング剤等を用いて目的抗体のカルボキシル基若しくはアミノ基を利用することにより目的抗体を固相に共有結合させることによって行われてもよい。目的抗体を固定化するための固相は、目的抗体を吸着する、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、濾紙、又はポリスチレンマイクロタイタープレート等のウェルであってもよいが、これらに限定されるものではない。
SELEX選択用のポリヌクレオチドライブラリー中のポリヌクレオチドは、約30mer〜100merのランダムな塩基配列を有しており、自動核酸合成機により合成されるが、これは、アプタマーのサイズが、通常、約15mer〜100merであるためである。この場合には、それらポリヌクレオチドの全長がランダムな塩基配列であってもよいが、SELEXを行う際にPCRを単純化するために、それらポリヌクレオチドの両方の末端領域は既知の塩基配列であってもよい。この場合には、PCRプライマーを、これら既知配列の領域にそれぞれハイブリダイズさせることができる。それらポリヌクレオチドの両方の末端領域中に位置する当該領域のサイズは制限されず、通常は約10mer〜25merである。
続いて、上記に記載されているようにして作製したポリヌクレオチドライブラリーを、固定化された目的抗体と反応させる。好ましくは、ライブラリーと目的抗体との間の反応は室温で行ってもよい。反応時間は、通常は約1分〜30分、好ましくは約10分〜20分であるが、これらに限定されるものではない。反応の際には、目的抗体に結合能を有するアプタマーは、目的抗体に結合し、固相上に固定化される。他方では、目的抗体に結合しないポリヌクレオチドは、固相に結合せず、したがって、洗浄により除去される。
固相に結合しないポリヌクレオチドを洗浄により除去した後に、目的抗体に結合したアプタマーを溶出する。溶出は、例えば、固相を約6M〜8Mの高い濃度の尿素で処理することによって行うことができる。溶出したポリヌクレオチドは、例えばフェノール抽出及び/又はフェノール−クロロホルム抽出とエタノール沈殿といった従来の方法によって回収することができる。回収されたアプタマーは、すべて、固定化された目的抗体に結合するものである。
続いて、回収したアプタマーを鋳型として用いてPCRを行い、これらアプタマーを増幅する。自動的に合成されたポリヌクレオチドが両方の末端領域に上記のプライマー結合領域を有する場合には、それらプライマーを用いてPCRを行う。このようなプライマー結合領域を有しない場合には、回収したアプタマーのポリヌクレオチド配列を決定し、それぞれの末端領域に相補的な一対のPCRプライマーを合成し、これらのプライマーを、PCRを行うために使用する。非対称PCR(PCRに用いられる一対のプライマーの一方が、過剰量で使用される)を行うことにより、主に一本鎖ポリヌクレオチドを増幅することができる。あるいは、PCRにおいて用いられるプライマーのうちの1つとしてビオチン標識プライマーを使用すること;その増幅された二本鎖ポリヌクレオチドをアビジンビーズに結合させること;この状態でポリヌクレオチドをNaOH等により変性させること;及び、ビーズから分離したポリヌクレオチドを回収することにより、増幅された二本鎖ポリヌクレオチドから一本鎖ポリヌクレオチド(ビオチン標識されていない鎖)を回収することができる。これにより、固定化された目的抗体に結合するアプタマーだけが増幅され、また、固定化された目的抗体によく結合するもの、及び、PCRにおいて鋳型として働くものであるアプタマーの分子の数は多いため、増幅されたポリヌクレオチドのライブラリーにおけるそのパーセンテージは高くなる。
続いて、増幅されたアプタマーのライブラリーを上記のポリヌクレオチドライブラリーとして用いて、上記の一連の工程、すなわち、固定化された試験物質との反応;洗浄;アプタマーの溶出及び回収;並びにPCRによる増幅;の一連の工程によるサイクルを約数回から十数回、繰り返す。これにより、当該試験物質によく結合するアプタマーは濃縮され、当該試験物質に対する高い結合能力を有するアプタマーを得ることができる。
SELEX選択の後、改変候補配列を得るために、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて候補配列の改変を行うことができる。改変においては、候補配列は、in silicoで進化させる。in silicoでの進化の適用により、所望のアプタマーの作出の効率を上昇させることが可能である。GAを用いた改変は、例えば、Nucleic Acids Research、2005年、33(12)、e108及びAngew. Chem. Int., Ed. 2005年、33、1061〜1065等に記載されている。
一態様に係る抗体検出方法は、検査対象の免疫グロブリンG抗体分子を含有する可能性がある試料を準備すること、本明細書記載の抗体特異性アプタマーを、準備された試料と接触させることを含む。抗体特異性アプタマーは、IgG抗体のイディオタイプを認識可能であり、目的とする抗体が試料中に存在している場合には、効率よく検出することができる。
本方法に用いられる試料としては、検査対象のIgG抗体分子を含有する可能性がある試料であればよく、固体、液体、ゲルなどの半固体であってよい。液体試料としては、体液試料を挙げることができ、体液試料としては、血清、血漿、又はそれらの希釈物等が挙げられる。ただし、試料は、これらに限定されるものではない。
検査対象からの体液試料を上記アプタマーと接触させることができる。試料中の目的抗体の検出又は測定は、通常の公知方法によって行ってもよい。例えば、イムノクロマトグラフィ又はELISAなどのようなイムノアッセイを、抗体の代わりにアプタマーを用いて行うことが可能である。更に、SPR(表面プラズモン共鳴)を用いた検出方法又はアプタマーブロッティング法等を、本発明の診断に適用させてもよい。あるいは、WO2005/049826及びWO2007/086403に記載されている検出法又はアッセイ法も適用可能である。
抗体特異性アプタマーと用いた目的抗体の検出及び測定には、感度、精度及び迅速な定量の観点から、免疫アフィニティ磁気ビーズと、高温逆相液体クロマトグラフィー(HT−RPLC)蛍光検出法を適用することができる。
抗体特異性アプタマーを用いる目的抗体の検出は、自動検出装置を用いて機械的に行われてもよい。この実施形態においては、試料とアプタマーとを含む検出試料を保持する試料保持部、その検出試料中の目的抗体とアプタマーとの複合体を検出することができる検出部、及び、検出部からの検出の結果を表示する表示部、を有する検出装置が提供され得る。この検出装置によれば、目的抗体の診断は、より容易に行われ得る。
試料保持部は、検出試料を保持することができるいかなる形態を有していてもよい。検出試料は、検出部に提供された際に対象となる試料と抗体特異性アプタマーとを含んでいてもよい。
検出部は、目的抗体とアプタマーとの間の結合を検出することができる構成を有しており、目的抗体及びアプタマーの特異的検出方法に応じて選択されてもよい。検出方法の例としては、上述した例えばイムノクロマトグラフィ、ELISA又はSPR等のイムノアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。また、検出部の例としては、蛍光光度計又はSPR装置等が挙げられるが、これらに限定されない。更に、検出部は、検出結果を
検出データに変換する計算部を有する。よって、検出の結果はデータへと変換され得る。
表示部は、検出部により得られた結果から作成された検出データを、ディスプレイに出力する。このディスプレイは、そうした目的のために使用されるいかなる公知のディスプレイであってもよい。
抗体特異性アプタマーは、試料中の目的抗体を高い信頼性で検出することができるため、抗体特異性アプタマーを、目的抗体検出用キットの1つの要素として使用してもよい。この実施形態においては、抗体特異性アプタマーを含むアプタマー溶液を含む第1の容器と、所望により設けられる、アプタマー溶液又は試料を希釈するために使用できる希釈剤を含む第2の容器と、所望により設けられる、抗体特異性アプタマーを用いた目的抗体の検出の手順を説明する文書と、を含む検出キットが提供され得る。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[実施例1]
(1)SELEX法によるベバシズマブの抗イディオタイプアプタマーの獲得
24塩基のランダム領域を含むランダムDNAライブラリー(配列番号11)と、その5’末端及び3’末端のプライマー領域に相補的な配列(5’ block:配列番号12及び3’ block;配列番号13)を用意して、これらを、95℃で10分間熱処理を行い、その後に30分間かけて室温まで徐冷した。その後、ベバシズマブ(中外製薬)を10mg加え一晩インキュベートした。各配列は、表2に示した。
その後、50μLのDynabeads(登録商標、以下、同じ) Protein A(30mg/mL、Thermo Fisher Scientific)を加え、30分間インキュベートした。洗浄後、Dynabeads Protein AからDNAを溶出するために、400μLのProteinase K溶液(10mM
Trisバッファー、1mM EDTA、0.5% SDS、200mg/mL Proteinase K、pH7.4)中で、60℃で30分間インキュベートし、Dynabeads(以下、単に「ビーズ」ということがある)上のProtein A及びベバシズマブを分解した。
その後フェノールクロロホルム抽出、エタノール沈殿を常法に従って行い、DNAを回収した。回収したDNAに対して、TaKaRa Ex Taq(登録商標、以下、同じ) Hot Start Version(タカラバイオ株式会社)と、フォワードプライマー(配列番号14)、リバー
スプライマー(配列番号15)を用いて、リアルタイムPCRを行い、最適なサイクル数と回収したDNA量を算出した。フォワードプライマー及びリバースプライマーの配列は、表2に示した。
Figure 0006793917
次いで、5’末端にビオチンを修飾したBio-Rev primer(表2参照、配列番号16)を用いて最適なサイクル数でPCR増幅した。0.15MのNaOHを用いて一本鎖に調整した後、次ラウンドのライブラリーとしてDNAを調製した。
以上の操作をセレクション1ラウンドとし、セレクションを5ラウンド行った。6ラウンド目からのセレクションではDynabeads Protein AからのDNAの溶出の操作として、400mLの10nM VEGF(Recombinant HumanVEGF165 、R&D SYSTEMS)中で90分間インキュベートし、ベバシズマブのCDRに結合したDNAをVEGFと置換した。また10ラウンド目からのセレクションでは、ヒトIgG(Human immunoglobulin G1
、Acris ANTIBODIES)を固定化したビーズとひとつ前のラウンドで獲得したDNAプールをインキュベートすることでネガティブセレクションを行った。最終的に14ラウンドのセレクションを行った後、得られたDNAプールの配列を解析し、濃縮された配列を調べた。
(2)ELONA法による認識部位の同定
14ラウンドのセレクションにより得られたDNAプールの配列を96本解析した結果、6種類の重複した配列(配列番号1、17〜21)が得られた。(表3参照)。
Figure 0006793917
これらの6種類のDNA配列をについて、ベバシズマブへの結合を確認するために、以下のELONA法(Enzyme Linked OligoNucleotide Assay)による結合評価を行った。
96穴プレートの各ウェルに2%ウシ胎児血清(BSA)を加え60分間インキュベートし、ブロッキングを行った。ブロッキング後の各ウェルに、ベバシズマブを固定化したDynabeads Protein Aを5μL(10pmol ベバシズマブ/ウェル)加え、磁気分離
により上清を回収し、PBSTバッファー(137mM NaCl、2.7mM KCl、8mM NaHPO、2mM KHPO、0.05% Tween 20、pH7.4)を用いて洗浄した。その後フォールディングした500nMのビオチン標識A14#1〜A14#6をそれぞれ100μL加え、60分間インキュベートした。洗浄後、PBSバッファーを用いて1000倍希釈したHRP修飾NeutrAvidin(NeutrAvidin(商品名)HRP Conjugate、Thermo Fisher Scientific)を100μL加え、30分間インキュベートした。再度洗浄後、HRPの基質を加え、プレートリーダーにより化学発光を測定した。また、ネガティブコントロールとしてチミンの連続配列(Poly_T、24mer)をDNA溶液の代わりに加え、同様の実験を行った。またポジティブコントロールとして、DNA溶液の代わりにビオチン修飾した抗ヒトIgG抗体を加え、同様の実験を行った。結果を図4に示す。
図4に示されるように、A14#1及びA14#2において、Poly_Tに比べ強い化学発
光が観察された。このことからA14#1及びA14#2はベバシズマブに結合していることが示唆された。
(3)競合ELONA法によるA14#1の認識部位の同定
次に最も強い結合を示したA14#1がベバシズマブのCDRに結合しているか、以下にように、VEGFとの競合EL10NA法により評価した。
96穴プレートの各ウェルに2%BSAを加え60分間インキュベートし、ブロッキングを行った。ブロッキング後の各ウェルに、ベバシズマブを固定化したDynabeads Protein Aを6.25μL(1pmolベバシズマブ/ウェル)加え、磁気分離により上清を回収し、PBSTバッファーを用いて洗浄した。その後フォールディングした20nMのビオチン標識A14#1と、競合タンパクとして1000nM、200nM、100nM、又は20nMのVEGFを、100μLずつ加え、60分間インキュベートした。洗浄後、PBSバッファーを用いて10000倍希釈したHRP修飾NeutrAvidinを100μmL加え、30分間インキュベートした。再度洗浄後、HRPの基質を加えプレートリーダーによりA14#1の結合による化学発光を測定した。またネガティブコントロールとしてVEGFの代わりにトロンビン(Human Alpha-Thrombin、Hematologic Technologies Inc.)を加え同様の実験を行った。結果を図5(A)に示す。
また、ビオチン標識化抗ヒトIgG抗体をA14#1の代わりに用いて同様の実験を行った。結果を図5(B)に示す。
競合ELONA法では、A14#1がベバシズマブのCDRに結合していた場合、VEGF濃度依存的にA14#1の結合による化学発光が弱くなることを期待される。図5(A)に示されるように、化学発光を測定した結果、VEGF濃度依存的に化学発光の減少が観察され、一方、トロンビンを用いた場合には、化学発光の減少は観察されなかった。
また、図5(B)に示されるように、ビオチン標識した抗ヒトIgG抗体をA14#1の代わりに用いた結果、VEGFの存在に関わらず強い化学発光が観察された。
このことからA14#1は、VEGFと競合していることが示され、即ち、ベバシズマブのCDRに結合していることが示唆された。
[実施例2]
A14#1の血清中での結合能評価
次に、A14#1の血清中でのベバシズマブに対する結合能を、以下のように評価した。
96穴プレートの各ウェルに、2%BSAを加え60分間インキュベートし、ブロッキングを行った。ブロッキング後の各ウェルに、ビオチンを介してA14#1を固定化したMS300 StreptAvidinビーズ(Magnosphere MS300/streptavidin、JSR Life Sciences)を
100μL(50pmol A14#1/ウェル)加え、磁気分離により上清を回収し、
PBSTバッファーを用いて洗浄した。その後1%(v/v)管理血清プール L−コンセーラ IEX(登録商標、以下、同じ。日水製薬)を用いて種々の濃度(0nM、0.5nM、1.0nM、5.0nM、又は10nM)に希釈したベバシズマブを、それぞれ100μL加え、60分間インキュベートした。洗浄後、PBSバッファーを用いて1000倍希釈したHRP融合抗ヒトIgG抗体(Goat Anti-Human IgG H&L (HRP) ab6858 (abcam))を100μL加え、30分間インキュベートした。再度洗浄後、HRPの基質を加えプレートリーダーにより化学発光を測定した。またネガティブコントロールとして、ベバシズマブの代わりにヒトIgGと、ヒト化モノクローナル抗体医薬品のひとつであるトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標、以下、同じ)、中外製薬)を用いて同様の実験を行った。
結果を図6に示す。
図6に示されるように、化学発光を測定した結果、ベバシズマブに濃度依存的な化学発
光の増加が観察された。またヒトIgG及びトラスツズマブでは化学発光がほとんど観察されなかった。このことから血清中においてもA14#1はベバシズマブに特異的に結合できることが示された。
また、直線性の高い濃度範囲で検量線を作製し、定量限界を算出した。その結果定量限界は0.3nMと算出された。このことからA14#1を用いることで、血清中の4.3μg/mLのベバシズマブを検出することが可能である。
[実施例3]
A14#1の特異性評価
A14#1の特異性を更に評価するために、A14#1を固定化した磁気ビーズを以下のように調製し、これを用いて、更に種々のヒトモノクローナル抗体に対する特異性を評価した。
2mgのストレプトアビジン修飾DynabeadsにPBSバッファー300μLを加え、3
0秒撹拌後、磁石でビーズを捕集し、上清を除去した。捕集したビーズに、PBSバッファー100μL、100μMビオチン化A14#1の水溶液50μLを加え、20分間撹拌した。上清を除去後、0.1%Tween20含有PBSバッファー100μLで3回洗浄後、PBSバッファー100μLを加え、アフィニティービーズ分散液とし、これを冷蔵庫で保存した。
作製したアフィニティービーズ分散液(20mg/mL、100μL)を撹拌後、磁石にて捕集し、上清を除去した。ヒトモノクローナルIgG抗体5種(ベバシズマブ、インフリキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、トシリズマブ)を各20μg/mL水溶液として準備し、それぞれ、全量100μLとなるようにPBSバッファーで希釈した後、捕集されたA14#1固定化磁気ビーズを添加して、室温で1時間撹拌した。その後、磁石によりビーズを捕集し、上清を除去後、0.1%Tween20含有PBSバッファー100μLで3回洗浄した。最後に0.1M水酸化ナトリウム100μLを加え、3分間撹拌し、各抗体を溶出した。
使用したヒトモノクローナルIgG抗体は以下のとおりである。これらの製剤を水で希釈して、目的濃度に調整した後に使用した。以下の「*」は登録商標であることを表す。
ベバシズマブ(アバスチン点滴静注用100mg/4mL、中外製薬)、
インフリキシマブ(レミケード点滴静注用100、田辺三菱製薬)、
トラスツズマブ(ハーセプチン注射用60、中外製薬)、
セツキシマブ(アービタックス注射液100mg、メルクセローノ)、
トシリズマブ(アクテムラ点滴静注用200mg、中外製薬)。
得られた上清2μLを、以下の条件による高温逆相液体クロマトグラフィー(HT-RPLC
)−自然蛍光検出法によって分析した。
HT−RPLC−自然蛍光検出には,超高速液体クロマトグラフ Prominence UFLC(
島津製作所)を使用した。カラムには、Kinetex(登録商標) 2.6 μ C18 100A(100×2.1mm i.d.2.6μm、Phenomenex)を75℃で使用し、流速0.2mL/分、注入量は2μLに設定した。移動相には(A)0.1%TFA含有HO、(B)0.1%TFA含有イソプロパノール−アセトニトリル−HOをグラジエント条件(B%)10%0−1分、10%−25%1−2分、25%−50%2−15分、100%15.01−20分、10%20−28分とした。また、自然蛍光検出波長は、Ex278nm、Em.343nmとした。
結果を図7に示す。図7に示されるように、A14#1は、ベバシズマブに対して高い特異性を示すことがわかった。
[実施例4]
多量体化A14#1の作製及び結合評価
多量体化A14#1の結合能について、以下のように評価した。
(1)多量体化A14#1の作製
多量体化A14#1としてのT16(配列番号4)、T30(配列番号5)、T44(配列番号6)、AT16(配列番号7)、AT30(配列番号8)及びAT44(配列番号9)を、ポリヌクレオチド配列に従ってそれぞれ合成した。
(2)多量体化A14#1の結合能評価
作製されたダイマー化A14#1のうち、T44及びAT44を、以下のようにして、ビオチンを介して、それぞれMagnosphere MS300/streptavidin(JSR Life Sciences、以
下、同じ)に固定した。Magnosphere MS300/streptavidinを単にビーズという場合がある。
300μgのMagnosphere MS300/streptavidinにPBSバッファー300μLを加え、を30秒撹拌後、磁石でビーズを捕集し、上清を除去した。捕集したビーズに、PBSバッファー100μL、1μMビオチン化T44又はAT44の水溶液500μLを加え、30分間撹拌した。上清を除去後、0.1%Tween20含有PBSバッファー100μLで3回洗浄後、PBSバッファー100μLを加え、アフィニティービーズ分散液とし、これを冷蔵庫で保存した。各アフィニティービーズ分散液を、T44固定化Magnosphere MS300/streptavidin又はAT44固定化Magnosphere MS300/streptavidinとして、以
下、用いた。
96穴プレートの各ウェルに、2%(v/v)BSAを加え60分間インキュベートし、ブロッキングを行った。ブロッキング後の各ウェルに、T44固定化Magnosphere MS300/streptavidin又はAT44固定化Magnosphere MS300/streptavidin を100μL(5
0pmol T44又はAT44/ウェル)加え、磁気分離により上清を回収し、PBS
Tバッファーを用いて洗浄した。
その後PBSバッファーを用いて種々の濃度(0nM、1nM、5nM、10nM、25nM、50nM、75nM、100nM、125nM)に希釈したベバシズマブを、それぞれ100μL加え、60分間インキュベートした。洗浄後、PBSバッファーを用いて1000倍希釈したGoat Anti-Human IgG H&L (HRP) ab6858 (abcam)を100μL加え、30分間インキュベートした。再度洗浄後、HRPの基質を加えプレートリーダーにより化学発光を測定した。
結果を図8及び図9に示す。
化学発光を測定した結果、T44及びAT44いずれにおいても、ベバシズマブ濃度依存的なシグナルが得られた(図8及び図9参照)。得られたグラフからスキャチャードプロットを作製し、解離定数(K)を算出した結果、T44のKは29nM、AT44のKは52nMと算出された。A14#1のKは12nMである。従って、T44及びAT44はいずれも、ベバシズマブに対する結合能を有することがわかった。
[実施例5]
(1)1G24C、2C23G及び1GC2CGの作製
A14#1の3’末端側及び5’末端側の塩基を1つ以上変更した1G24C(配列番号2)、2C23G(配列番号3)及び1GC2CG(配列番号4)を、ポリヌクレオチド配列に従って作製した。各ポリヌクレオチドの配列を表4に示す。下線部は、A14#1との相違点を示す。
Figure 0006793917
(2)各ポリヌクレオチドの結合能評価
作製された1G24C、2C23G及び1GC2CGと、A14#1を、実施例4と同様にして、ビオチンを介して、それぞれMagnosphere MS300/streptavidin(JSR Life Sciences)に固定化した。
96穴プレートの各ウェルに、2%(v/v)BSAを加え60分間インキュベートし、ブロッキングを行った。ブロッキング後の各ウェルに、各アプタマーを固定化したMagnosphere MS300/streptavidinを100μL(50pmol アプタマー/ウェル)加え、
磁気分離により上清を回収し、PBSTバッファーを用いて洗浄した。
その後PBSバッファーを用いて種々の濃度(0nM、1nM、5nM、10nM、25nM、50nM、75nM、100nM、125nM)に希釈したベバシズマブを、それぞれ100μL加え、60分間インキュベートした。洗浄後、PBSバッファーを用いて1000倍希釈したGoat Anti-Human IgG H&L (HRP) ab6858 (abcam)を100μL加え、30分間インキュベートした。再度洗浄後、HRPの基質を加えプレートリーダーにより化学発光を測定した。
結果を図10〜図13に示す。
化学発光を測定した結果、A14#1、1G24C、2C23G、1GC2CGのいずれにおいてベバシズマブ濃度依存的なシグナルが得られた(図10〜図13)。得られたグラフからスキャチャードプロットを作製し、Kを算出した結果A14#1のKは12nM、1G24CのKは19nM、2C23GのKは25nM、1GC2CGのKは20nMと算出された。従って、1G24C、2C23G、1GC2CGはいずれも、ベバシズマブに対する結合能を有することがわかった。
本実施形態に係るアプタマーは、イディオタイプアプタマーとして有用であることがわかる。即ち、抗体可変部は、比較的親水性かつ構造自由度が高いという性質を有し、抗原は水素結合や水分子を介して可変部のCDRと結合する。本アプタマーは、このように構造の自由度が高いCDRに対して高い特異性を示すという利点を有する。
従って、本実施形態に係るアプタマーは、特定の目的抗体に特異性を有し、目的抗体の検出に有用であることがわかる。

Claims (16)

  1. 下記式(I)で示されるポリヌクレオチドであって、免疫グロブリンG抗体分子に結合し得るアプタマー:
    (L1)−[(P)−(L2)−(L3) (I)
    (式中、
    Pは、以下の配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表し、
    GCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGC(配列番号1)
    CCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGG(配列番号2)
    GGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCC(配列番号3)
    CGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCG(配列番号4)
    L1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表し、
    nは、1以上の整数を表し、
    x、y及びzは、それぞれ独立に0又は1の整数を表し、ただし、nが2以上の場合に、複数のyは同一であっても異なっていてもよい)。
  2. L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、3〜60ヌクレオチドからなるポリヌクレオチド配列である請求項1記載のアプタマー。
  3. L1〜L3のうち少なくとも2つのリンカー配列を含み、存在するリンカー配列が、少なくとも1つの他のリンカー配列の少なくとも一部と互いに相互作用可能なポリヌクレオチド配列からなる請求項1又は請求項2記載のアプタマー。
  4. ヌクレオチドの核酸部分が、DNA、RNA、及び人工核酸からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のアプタマー。
  5. 抗体分子が、血管内皮増殖因子に対する抗体分子である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のアプタマー。
  6. 抗体分子が、ベバシズマブである請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のアプタマー。
  7. 抗体分子が、抗体全体、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ダイアボディー、単鎖抗体分子、及び、CDRを含む抗体断片からなる群より選択される少なくともひ
    とつである請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のアプタマー。
  8. 下記式(I)で示されるポリヌクレオチド:
    (L1)−[(P)−(L2)−(L3) (I)
    (式中、
    Pは、以下の配列番号1〜配列番号4のいずれかで示されるポリヌクレオチド配列を表し、
    GCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGC(配列番号1)
    CCGGTTGGTGGTAGTTACGTTCGG(配列番号2)
    GGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCC(配列番号3)
    CGGGTTGGTGGTAGTTACGTTCCG(配列番号4)
    L1、L2及びL3は、Pと相互作用しないポリヌクレオチド配列からなるリンカー配列を表し、
    nは、1以上の整数を表し、 x、y及びzは、それぞれ独立に0又は1の整数を表し、ただし、nが2以上の場合に、複数のyは同一であっても異なっていてもよい)。
  9. 配列番号1〜配列番号10のいずれかで示されるヌクレオチド配列からなる請求項8記載のポリヌクレオチド。
  10. 以下の(A)又は(B)のポリヌクレオチドである請求項8記載のポリヌクレオチド: (A) 配列番号〜配列番号10のポリヌクレオチド配列において、1個又は数個の塩基が、付加、欠失、又は置換された配列を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド、
    (B) 配列番号5〜配列番号10のポリヌクレオチド配列において、式(I)中L1〜L3に相当する部分の配列が10%以上の配列同一性を有し、IgG抗体分子に結合し得るポリヌクレオチド。
  11. 核酸部分が、DNA、RNA、及び人工核酸からなる群より選択される少なくとも1つである請求項8〜請求項10のいずれか1項記載のポリヌクレオチド。
  12. 検査対象の免疫グロブリンG抗体分子を含有する可能性がある試料を準備すること、
    請求項1〜請求項7のいずれか1項記載のアプタマーを、準備された試料と接触させることを含む抗体検出方法。
  13. 接触後の試料から、アプタマーと抗体分子との複合体の検出を行うこと、を含む請求項12記載の検出方法。
  14. 試料が、体液試料である請求項12又は請求項13記載の検出方法。
  15. 抗体分子が、血管内皮増殖因子に対する抗体である請求項12〜請求項14のいずれか1項記載の検出方法。
  16. 抗体分子が、ベバシズマブである請求項12〜請求項15のいずれか1項記載の検出方法。
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