以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の機器使用システム100の概略的な動作を説明する図の一例である。図1では、オフィスの従業員8がオフィスの複合機20を私的に使用する場合を例にして説明する。本実施形態の従業員8は二種類のICカードを有している。
(1)まず、従業員8は企業72から配布された社員証等のICカードA(符号は61)を用いて複合機20にログインする。企業72の所有する複合機20が従業員8などの企業72に利用が認められたユーザにより利用されることを確認するために、ユーザの認証を行い、認証された場合にログインは許可される。認証が成功しないとログインは許可されず、ユーザにエラーが通知される。
企業72は、このログイン機能によって複合機20の利用を制限することができる。例えば、ログインをしなければ複合機20を利用できなくすることができる。また例えば、ログインをしない状態で利用できる複合機20の機能をコピーのみといった一部の機能のみに制限し、従業員8はログインすることで複合機20により利用可能な他の機能を利用できるようにすることもできる。
このように企業72は、企業72が所有する複合機20などの機器の利用を制限するために、予め利用を許可するユーザを認証するための認証情報を設定しておき、ユーザが機器を利用するときに認証情報を入力させてログインを行わせるようにし、企業72により許可されないユーザによる機器の不正利用を防止する。ICカードAは、このログインにおける認証情報を入力するための入力媒体として、企業72から各従業員8に対して配布される。従業員8は複合機20にログインするために、提供されたICカードAを用いて認証情報を入力し、これにより、認証された従業員8は複合機20にログインして許可された機能を使用することが可能になる。
(2)従業員8が複合機20を私的に使用する場合、従業員8は複合機20にログインした後、従業員8に利用が許可される機能のうち、複合機20を私的に使用するための後述する私的使用アプリの利用を選択する。従業員8による選択操作に応じて私的使用アプリは、私的使用を行うユーザを認証するために認証情報の入力を促す画面を表示し、従業員8はこの画面の指示にしたがって、自らが所持している汎用的なICカードB(符号は62)を用いて私的使用サーバ10にログインすることができる。
(3)私的使用サーバ10にはICカードBの識別情報(以下、IDmという)と複合機20の識別情報(以下、複合機ID)が送信される。
(4)私的使用サーバ10では、私的使用サーバ10による私的使用サービスを導入する契約を結んだ企業72を識別するための企業IDと複合機IDが予め対応付けられており、また、私的使用サービスを利用するユーザ毎にIDmとデポジット残高が予め対応付けられている。私的使用サーバ10は複合機20から送信された複合機IDに基づき複合機20の機器認証を実行し、送信された複合機IDに対応付く企業IDの企業72からの私的使用であると判定する。
(5)また、複合機20から送信されたIDmが私的使用サービスを利用するユーザのユーザ情報として登録されているか否かに基づいて従業員8を認証する。IDm及び複合機IDが認証され、認証結果が複合機20に送信されると、従業員8は複合機20を操作して私的使用サービスを利用することができる。
(6)従業員8は複合機20の私的使用アプリを介して私的に複合機20の機能を使用すると、使用に関する私的使用ログが私的使用サーバ10に送信される。
(7)私的使用サーバ10は私的使用ログに基づいて、企業72により定められた料金ルールからポイント消費量を算出し、従業員8のデポジット残高からポイント消費量を徴収することで、企業72の複合機20における私的使用に応じた課金を行う。
(8)また、企業72は従量課金されている複合機20の使用料を例えば月ごとに複合機提供企業60に支払う。あるいは、複合機20の使用に応じて消費される消耗品を購入し、適宜補充する。
(9)また、私的使用であるため、私的使用サーバ10は複合機20が設置されている企業72の経理部門9に、複合機20で私的使用アプリを使用してもらうためのアプリ料(私的使用サーバ10側の収入でありどのような名目でもよい)を支払う。
このようにして、従業員8は社内の複合機20を私的に使用できる。企業としては各従業員がどのくらい私的に使用したかを管理する必要がない。また、以下のように、従業員8、企業72、私的使用サーバ10のサービス提供企業及び複合機提供企業60のそれぞれにメリットがある。
例えば、従業員8が1枚の用紙の印刷に支払うポイント消費量を8円とする。また、企業72が複合機提供企業60に支払う1枚の用紙の印刷の使用料を5円とする。この場合、例えば、私的使用サーバ10が6円を経理部門9に支払うと企業72としては1円(=6円−5円)の儲けが得られる。また、企業72としては従業員8の福利厚生を充実させることができる。なお、福利厚生の充実が主な目的であれば企業72の利益は不要であり、企業72の考え方によっては若干のマイナスとなってもよい。また、私的使用サーバ10は2円(8円−6円)の利益が得られる。従業員8としてはコンビニなどに行く手間が省けるし、コンビニなどで1枚の料金が10円であるとすると、2円安く印刷が可能である。したがって、企業72、私的使用サーバ10及び従業員8のいずれもが機器使用システム100による恩恵を受けることができる。更に、複合機提供企業60もオフィスにおける複合機20の使用頻度を向上させることができるため従量課金の金額が多くなるという恩恵を受けられる。
また、本実施形態では、私的使用サーバ10においてICカードBのIDmで従業員8が特定されるため、企業72の社員に配布されるICカードAに記憶されている情報を使用する必要はない。一方、私的使用サーバ10には複合機IDを企業72と対応付けて管理しているため、私的使用サーバ10は企業72内における私的使用であると判定できる。したがって、企業72内における複合機20の私的使用に対する課金処理を企業72の社員に配布されるICカードAに記憶されている情報を用いずに行うことができる。
<用語について>
機器とは、人が使用することでサービスを提供する装置である。あるいは、使用によりコストが発生する装置である。本実施形態では機器として複合機を例にして説明する。ただし、複合機の他、プロジェクタ、テレビ会議端末、電子黒板、デジタルカメラ、ドローンなどでもよくこれらには限られない。
使用者とは、企業・組合・法人・個人事業主などの団体に所属している人をいう。具体的には会員、被雇用者、労働者、又は、従業員などと呼ばれる。本実施形態では従業員8という用語で説明する。
認証とは、機器や機能を使用する権利を有することを証明することをいう。認証が成立し、権利を有する機器や機能の使用が許可される状態になることをログインする、ログオンするという場合がある。
機器の動作内容とは、使用者がどのように機器を動作させるかを示す情報である。あるいは、操作内容と称してもよい。本実施形態では、コピーに関する設定やコンテンツの選択などが相当する。
業務使用とは、使用者が所属する団体において業務と認められる態様で機器を使用することである。私的使用とは、業務態様以外で団体に設置された機器を使用することをいう。一般使用とは、団体に設置された機器でなく任意の者が使用できる機器を使用することをいう。
<システム構成例>
図2は、本実施形態の機器使用システム100の全体的なシステム構成図の一例を示す。機器使用システム100は、コンテンツサーバ70、私的使用サーバ10、及び、各地に設置された複合機20を有する。複合機提供企業60は機器使用システム100の構成要素でなくてもよいが、複合機20を各地に提供(販売)したり、複合機20の利用に応じた課金処理を行ったり、複合機20の利用に際して消費する消耗品を提供(販売)する販売者として図示されている。
コンテンツサーバ70はコンテンツ提供企業71により運営されており、複合機20の私的使用に限られず各種のコンテンツを提供するサーバである。コンテンツ登録者3はコンテンツをコンテンツサーバ70に登録する。コンテンツには種々のものがあり得るが、例えばコンサートチケットの予約・販売、地図、楽譜、芸能人の写真などである。およそ、用紙に印刷できる情報であればコンテンツとなりうる。このようなコンテンツを収集するために、コンテンツ提供企業71はコンテンツの版権を有するコンテンツホルダーと契約を結び、各種のコンテンツの販売権を得る。コンテンツ提供企業71側の従業員がコンテンツ登録者3としてコンテンツサーバ70にコンテンツを登録するだけでなく、契約を結んだコンテンツホルダー側の従業員がコンテンツ登録者3としてコンテンツを登録してもよい。また、用紙に印刷できなくても、動画やMP3などをコンテンツとしてダウンロード可能でよい。コンテンツサーバ70に登録されたコンテンツは私的使用サーバ10を介して複合機20に送信される。
企業72には複合機提供企業60から提供された複合機20が設置されている。この複合機20には設置後に、例えばインターネットを介してインストールするなどして新規にアプリケーションソフトウェアプログラム(以下、アプリケーションという)を搭載することができる。そのため、複合機20には私的使用に関するサービスを従業員8が受けるためのアプリケーション(以下、私的使用アプリ201aという)が搭載される。この私的使用アプリ201aは私的使用サーバ10から配信されても、プログラムを配信する専用のサーバから配信されてよい。また、複合機提供企業60が保持するログ管理サーバ63は各複合機20と通信可能に接続されており、複合機20の使用に関する使用ログを取得する。なお、この使用ログには業務使用に関するログと、私的使用に関する私的使用ログの両方が含まれており、また、私的使用による使用か業務使用による使用かが区別されていなくてよい。
複合機提供企業60は、企業72、施設・マンション73、及び、店舗74などに複合機20を提供する会社などであり、複合機提供企業60は更に複合機20の管理、保守、及び、複合機20の使用料に応じた課金、用紙やトナーなど複合機20の使用に係る消耗品の提供を行う。また更に、複合機提供企業60は、複合機20を提供する提供先において利便性や安全性を向上させるためのアプリケーションや、アプリケーションを搭載したサーバなどの情報処理装置を提供する。例えば、提供先の企業72において、複合機20を利用するユーザのユーザ認証を行う認証サーバや認証アプリケーション(以下、認証アプリ)、複合機20に印刷させる印刷データを蓄積し印刷の実行を制御する印刷サーバや印刷アプリケーション、複合機20によりスキャンした原稿の画像データに対しワークフローを実行して配信するワークフロー配信サーバやワークフロー配信アプリケーションなどがある。
企業72には従業員8や管理者7が所属している。管理者7は、複合機20を従業員8が使用するための管理を行う者であり、例えば従業員8の認証に関する管理を行う。管理者7は、社員証(ICカードAに相当)に埋め込まれたICチップに記憶され従業員8の認証情報として用いられる情報(ユーザ名、社員番号、パスワード、写真証カード番号等)を複合機20又は後述する従業員認証サーバに登録している。また、管理者7は、各従業員8の認証情報に対応付けて、複合機20が有する種々の機能に関して利用権限を与える。例えば、コピー権限、プリント権限、スキャン権限、FAX権限や、その他複合機20に搭載されるアプリケーションにより実現される機能に対する権限などの利用権限を管理者7は設定できる。従業員8は、ICカードAで複合機20にログインすることで、与えられた権限の範囲内で複合機20を使用することができる。更に、従業員8は私的使用サーバ10に登録した汎用的なICカード(ICカードBに相当)により私的使用サーバ10にログインすることで、複合機20を私的に使用する場合の私的使用サービスを受けることができる。
施設・マンション73は複合機20の設置場所の一例である。私的使用サービスは、施設・マンション73の管理組合などと契約を結び、複合機20と私的使用アプリ201aを投入することで、企業72以外でも複合機20を用いて住人4等が私的に使用できる。施設・マンション73の場合、社員証(ICカードA)に相当する入力媒体として管理組合などが住人4に配布するカードキー、居住者専用カードなどを採用することができる。また、店舗74も設置場所の一例であるが、店舗74の場合、従業員8を含む不特定の来客者が複合機20を使用するので、社員証(ICカードA)に相当するICカードがなくても複合機20を使用できるようにするのが望ましく、例えば、手入力で認証情報を入力するか、汎用的なICカードBにより入力するか、あるいは、スマートフォンや携帯電話などの携帯端末により入力するなどの方法が考えられる。
私的使用サーバ10は私的使用サービス提供企業76が運営しており、私的使用サービス提供企業76の運営者5が私的使用サーバ10を管理する。私的使用サーバ10は機器使用システム100を構築するためのサーバである。私的使用サーバ10は、コンテンツサーバ70、及び、各複合機20と通信可能に接続されている。コンテンツサーバ70からはコンテンツに関する情報を取得し、複合機20からは複合機20の私的使用に関する私的使用ログを取得する。また、私的使用サーバ10は、私的使用ログに基づき、デポジットから徴収したポイント消費量の一部を企業72や施設・マンション73などに振り分けることでアプリ料を支払い、また、コンテンツサーバ70にコンテンツの提供に係る代金を支払う。
なお、私的使用サービスは、私的使用アプリ201a、私的使用サーバ10、及び、コンテンツサーバ70により、複合機20のユーザに対して、コンテンツを販売するサービスや私的使用に対する課金を行うサービスを提供するものである。したがって、コンテンツ提供企業71と私的使用サービス提供企業76は、別々の企業である必要はない。コンテンツホルダーとの契約並びにコンテンツ収集と、複合機20所有者との契約並びに私的使用アプリ201aの導入と、を一つの企業が一貫して行い私的使用サービスを提供するビジネス形態や、私的使用サービス提供企業76が、私的使用サーバ10を持たないコンテンツ提供企業71を中間ベンダーとしてコンテンツホルダーからコンテンツを収集するようなビジネス形態などを想定することができる。
<機器使用システム100の詳細な構成について>
図3は、機器使用システム100の詳細なシステム構成の一例を示す。なお、図2と同一の構成については主に差異について説明する。
コンテンツ登録端末71aは、コンテンツ登録者3により操作される端末であり、一般的な例としてPC(Personal Computer)が挙げられるが、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、腕時計型端末やサングラス型端末などのウェアラブルPCなどであってもよい。コンテンツ登録端末71aはコンテンツ登録者により操作され入力されたコンテンツを受け付ける。コンテンツ登録端末71aはコンテンツをコンテンツサーバ70に送信することで登録する。なお、コンテンツ提供企業71は一社でなくてよい。また、通常、コンテンツ提供企業71は複数のコンテンツホルダーからコンテンツを収集することが多い。
ユーザ環境75には、ユーザ端末75aが配置される。ユーザ環境75とは、従業員8などの私的使用サービスを利用したいユーザが私的使用サーバにユーザ情報を登録する際の環境をいう。例えば、従業員8は自宅にあるユーザ端末75aを利用してインターネットに接続し、私的使用サービスにアクセスしてユーザ情報の登録を行う。なお、例えば企業72の勤務規定に違反しなければ従業員8は企業72内のユーザ端末75aを使用して登録してもかまわない。ユーザ情報については後述される。また、ユーザ端末75aはコンテンツ登録端末71aと同様でよい。
また、企業72には、複合機20と共に従業員認証サーバ72aが配置される。管理者7は管理者端末72bを操作して、従業員8に関する従業員情報を従業員認証サーバ72aに登録する。従業員情報については後述する。また、管理者端末72bはコンテンツ登録端末71aと同様でよい。
従業員認証サーバ72aは、例えばICカードAに記録された情報に基づいて、従業員8を認証し認証結果を複合機20に送信する。すなわち、従業員8が複合機20にログインするためにICカードAをカードリーダに読み取らせると、カードリーダを介してICカードAに記憶されている情報を認証アプリが取得し、取得した情報に含まれる認証情報を従業員認証サーバ72aに送信する。従業員認証サーバ72aは送信された認証情報が従業員認証サーバ72aに登録されているか否かに基づき、従業員8の認証が成立するか否かを判定する。認証が成立すると判定すると認証OKの認証結果を認証アプリに返し、認証アプリは従業員8による複合機20へのログインを許可する。一方、認証が成立しないと判定すると認証NGの認証結果を認証アプリに返し、認証アプリは従業員8による複合機20へのログインを許可しない。
なお、従業員認証サーバ72aが有する機能は、複合機20に搭載される認証アプリが有していてもよい。この場合、企業は従業員認証サーバ72aを用意する必要はない。
複合機提供企業60のログ管理サーバ63は、複合機20から複合機20の使用ログを取得し、複合機20ごとに使用ログを記録している。例えば、使用日時、用紙サイズ、カラー・白黒などの使用条件、使用枚数、消耗品残量などである。ログ管理サーバ63は使用ログを解析することにより印刷枚数に応じた課金や消耗品の補充を行う。
<ハードウェアについて>
<<複合機20のハードウェアについて>>
図4(a)は、複合機20の構成を模式的に示す図の一例である。本体装置90は、情報処理端末80と通信可能に接続される。本体装置90と情報処理端末80との通信は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、近距離無線通信(Bluetooth(登録商標)又は赤外線等)、又は、LAN(有線又は無線の別は問わない)等のネットワークを介して行われる。
本体装置90は、少なくとも原稿を読み取るスキャナ機能と印刷機能を提供する装置である。これに対し、情報処理端末80では搭載されたアプリケーションが動作して従業員8等とのインタフェースとなる画面を表示する。
情報処理端末80は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等、単独で完結した情報処理を実行可能な電子機器である。本実施形態において、情報処理端末80は、本体装置90に専用の操作部として機能する。より詳しくは、情報処理端末80は、従来、複合機20の専用の操作部として設置されていた操作パネルの代わりに、本体装置90に接続される。情報処理端末80と本体装置90とは、一台の装置として把握され、ハードウェア資源を共有してもよい。また、情報処理端末80は複合機20から取り外しができなくてもよいし、取り外しができてもよい。
次に、図4(b)を用いて、複合機20のハードウェア構成について説明する。図4(b)は、複合機20のハードウェアブロック図の一例を示す。複合機20の本体装置90と情報処理端末80は、通信路300を介して相互に通信可能に接続されている。
本体装置90は、情報処理端末80が受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体装置90は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
まず、本体装置90のハードウェア構成について説明する。本体装置90は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD(ハードディスクドライブ)14と、通信I/F(インタフェース)15と、接続I/F16と、エンジン部17と、リーダライタ19を備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。
CPU11は、本体装置90の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12又はHDD14等に格納されたプログラム90pを実行しエンジン部17を制御することで、本体装置90全体の動作を制御する。また、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
通信I/F15は、ネットワーク501と接続するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路300を介して情報処理端末80と通信するためのインタフェースである。
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及び、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(スキャナ機能)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(印刷機能)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。更に、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿搬送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。なお、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及び、プリンタ機能の全てを備えていなくてもよい。本発明を実施する上で最低限の機能さえ備わっていればよく、例えば、コピー機能やプリンタ機能のみであってもよい。
リーダライタ19は、ICカードからの情報の読み取り及びICカードへの情報の書き込みを行う通信装置である。リーダライタ19は、技術方式の異なる複数種類のICカード、例えば、FeliCa(登録商標)、MIFARE(登録商標)、eLWISE(登録商標)などに対応して情報を読み取ることができる。なお、リーダライタ19は複合機20に対し外付けされ、USBボートなどの接続I/Fを介して接続してもよい。また、情報処理端末が有していてもよく、外部接続I/F28を介して情報処理端末と接続していてもよい。また、ICカードからの情報の読み取る読取機能のみを有するカードリーダであってもよい。少なくともICカードからの情報の読み取る読取装置としての役割を果たす。
次に、情報処理端末80のハードウェア構成について説明する。情報処理端末80は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、ディスプレイ27と、外部接続I/F28と、ホームキー29とを備える。これらがシステムバス30を介して相互に接続されている。
CPU21は、情報処理端末80の動作を統括的に制御する。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22又はフラッシュメモリ24等に格納されたプログラム80pを実行することで、情報処理端末80全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの後述する各種機能を実現する。
通信I/F25は、ネットワーク501と接続するためのインタフェースである。接続I/F26は、通信路300を介して本体装置90と通信するためのインタフェースである。
ディスプレイ27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けると共に、各種の情報(例えば受け付けた操作に応じた情報、複合機20の動作状況を示す情報、設定状態などを示す情報など)を画面として表示する。ディスプレイ27は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL表示装置で構成されてもよい。また、情報処理端末80はディスプレイ27に加えて、ハードウェアキーやランプ表示などを有していてもよい。例えば、ホームキー29と呼ばれるハードウェアキーとして装備していることで、従業員8はホームキー29を押下することで利用可能なアプリの一覧を表示できる。なお、ホームキー29は画面に表示されるソフトウェアキーとしても実装可能である。
外部接続I/F28は、外部の装置と通信するためのインタフェースであり、例えばICカードリーダ/ライタと接続することができる。
ホームキー29は、従業員8がホームキー押下というイベントを情報処理端末80に入力するためのキーである。図4(b)のホームキー29はハードウェアキーとして実装される例であるが、ソフトウェアキーで実装されてもよい。
<<私的使用サーバのハードウェアについて>>
図5は私的使用サーバのハードウェア構成図の一例である。私的使用サーバ10は、CPU301、ROM302、RAM303及び補助記憶装置304を備える。更に、私的使用サーバは、入力部305、表示制御部306、ネットワークI/F307及び外部機器I/F308を備える。なお、私的使用サーバ10の各部は、バスBを介して相互に接続されている。したがって、私的使用サーバ10は情報処理装置としての機能を有する。
CPU301は、補助記憶装置304に格納された各種プログラム、OS(Operating System)等を実行する。ROM302は不揮発性メモリである。ROM302は、補助記憶装置304に格納された各種プログラムを、CPU301が実行するために必要なプログラム、データ等を格納する。
RAM303は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。CPU301によって実行される際に補助記憶装置304に格納された各種プログラムがRAM303に展開され、RAM303はCPU301の作業領域となる。
補助記憶装置304は、CPU301により実行される各種プログラム及び各種プログラムがCPU301により実行される際に利用される各種データベースを記憶する。補助記憶装置304は例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリである。なお、各種データベースについては後述する。
入力部305は、オペレータが私的使用サーバに各種指示を入力するためのインタフェースである。例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力装置などである。
表示制御部306は、CPU301からの要求により、私的使用サーバが有する各種情報をカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの形態でディスプレイ310に表示する。表示制御部306は、例えばグラフィックチップやディスプレイI/Fである。
ネットワークI/F307は、ネットワークを介して、複合機20と通信を行う通信装置である。ネットワークI/F307は例えばイーサネット(登録商標)カードであるがこれに限られない。
外部機器I/F308は、USBケーブル、又は、USBメモリ等の各種の記憶媒体320などを接続するためのインタフェースである。
なお、私的使用サーバ10は、いわゆるクラウドコンピューティングに対応していることが好ましく、私的使用サーバ10は、1つの筐体に収納されていたりひとまとまりの装置として備えられていたりする必要はない。この場合、私的使用サーバ10の構成は、負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成される。
コンテンツサーバ70、ログ管理サーバ63、コンテンツ登録端末71a、管理者端末72b、及び、ユーザ端末75aのハードウェア構成は、私的使用サーバ10と相違がないか、相違があるとしても本実施形態の説明に対し支障がないものとする。
<ICカードについて>
図6は、ICカード61、62の構造を模式的に説明する図の一例である。なお、図6では、IDmを除き、ICカード61が記憶している内容を主に説明している。IDmはICカード61,62が共通に有する。
ICカード61,62にはICカードの製造販売業者によって製造番号が割り当てられており、製造番号がIDmと称される場合が多い。IDmは、ICカードのリーダライタ19が通信相手を識別するためのICカードの識別情報(識別子やIDともいう)でありICカード毎に一意性が保証されている。あるいは、少なくともICカードを特定する機能を有する情報である。ICカードのリーダライタ19はコマンドのパラメータにIDmを指定することでIDmが一致するカードを特定した通信が可能になる。
また、必須ではないが、ICカードにはシステムコードが割り当てられる。このシステムコードは、ICカードを利用する企業などの事業者が製造販売業者に申請することによって、製造販売業者から割り当てられるコードである。このとき、割り当てられたシステムコードが記憶されたICカードが、製造販売業者から事業者に提供される。
ICカードは、公開領域61aとプライベート領域61bを有する。公開領域61aには上記のIDmが記録される。また、システムコードを有するICカードである場合、割り当てられたシステムコードが記録される。公開領域61aに記録される情報は、上記したFeliCa、MIFARE、eLWISEなどのICカードに採用されている技術方式において定義されているコマンドを指定して取得することができる。公開領域61aには、IDmやシステムコードに限らず、管理者7が任意に設定した情報を記録することもできる。一方で、IDmはICカードを識別する情報であり製造販売業者によって割り当てられる情報である。プライベート領域61bは、管理者7が任意に情報を記憶できる領域である。管理者7は、プライベート領域61bに任意に設定した情報を取得するための暗号情報としてアクセスキーを指定することができる。アクセスキーは、事業者が製造販売業者に申請することによって、製造販売業者から割り当てられる。
アクセスキーが設定されている情報は、適切なアクセスキーをICカードに渡さないと情報を取得できない。図6の例では、プライベート領域61bに記録されている「ユーザ名」「社員番号」「パスワード」「社員証カード番号」に対して、アクセスキーが指定されている。
社員証などのICカードAの場合、管理者7は、公開領域61aやプライベート領域61bに、ユーザ名、社員番号、パスワード、社員証カード番号などを、適宜作成することができる。具体的には、「ユーザ名」や「社員番号」といった情報項目名と、その項目の情報を記録させるブロック(記憶領域)を指定することができる。
複合機20のログインを制御する認証アプリには、ICカードAのいずれの記憶領域から認証情報を取得するかの情報が設定されている。管理者7により、ICカードAを用いたユーザ認証において、IDmを利用するか、任意に設定した領域の情報を利用するか、が選択され、IDmを利用する場合には、認証アプリには、IDmを認証情報として使用することを示す設定が記憶される。一方で、任意に設定した領域の情報を利用する場合には、管理者7が「社員証カード番号」として指定した情報を認証情報として取得するため、認証アプリには「社員証カード番号」の情報が記憶される領域の設定が記憶される。また、このとき、「カード番号」の情報がプライベート領域61bに記録される場合は、アクセスキーも記憶される。本実施形態では、社員証カード番号を社員の認証に使用される情報(第一の認証情報)としたが、ユーザ名、社員番号、パスワードなどが認証に使用されてもよい。
また、汎用的なICカードBの場合、公開領域61aやプライベート領域61bにどのような情報が記憶されているかは、従業員8によって様々である。しかしながら、複合機20のリーダライタ19はIDmを取得することができるため、汎用的なICカードBがどのようなものでも複合機20はIDmを取得できる。言い換えると、リーダライタ19によりIDmを取得可能なICカードは、汎用的なICカードBとして採用できる。なお、汎用的なICカードとしては、交通系カード、電子マネー用カードなどが知られている。交通系カードとは、鉄道やバスなどの公共交通機関を従業員8が利用する際に運賃の支払いなどに利用される、非接触型ICカードである。電子マネー用カードは各種の商品の支払いなどに利用される非接触型ICカードである。いずれも、プリペイド(前払い式)カードであり、これらのサービスには残金が情報として記憶されている。なお、交通系カードとしては、SUICA(登録商標)、PASMO(登録商標)、及び、ICOCA(登録商標)などが知られている。電子マネー用カードとしては、EDY(登録商標)、SUICA(登録商標)などが知られている。
IDmは第二の認証情報となりうるが、ICカードBから汎用的なリーダライタ19が取得可能な情報であればIDmには限られない。
なお、ICカードの規格には、Type F(Felica)A(Myfare)B(eLWISE)などがある。それぞれのカードタイプに応じてIDmに含まれる製造番号の桁数が異なるが、IDmを取得できる点で代わりはない。本実施形態では、ICカードA,BのどちらでもICカードの規格の制約は考慮しなくてよい。
なお、ICカードの規格によってICカードが扱うコマンドが異なる。このため、複合機20のリーダライタ19がIDm等を読み取る場合は、それぞれの規格でIDmを取得するためのコマンドを順番に送る総当り方式で取得する。
<機能について>
次に、図7を用いて、複合機20のソフトウェア構成図について説明する。図7は、複合機20のソフトウェア構成の一例を示す模式図である。本体装置90は、アプリ層101と、サービス層102と、OS層103とを有する。アプリ層101、サービス層102、及び、OS層103の実体は、ROM12やHDD14等に格納されている各種ソフトウェアである。CPU11が、これらのソフトウェアを実行することにより、各種の機能が提供される。
アプリ層101のソフトウェアは、ハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するためのアプリケーションソフトウェア(情報処理端末80で動作するアプリと同様に「アプリ」と称する)である。例えばアプリとしては、コピー機能を提供するためのコピーアプリ、スキャナ機能を提供するためのスキャナアプリ、ファクス機能を提供するためのファクスアプリ、プリンタ機能を提供するためのプリンタアプリなどが挙げられる。
サービス層102のソフトウェアは、アプリ層101とOS層103との間に介在し、アプリに対し、本体装置90が備えるハードウェア資源を利用するためのインタフェースを提供するためのソフトウェアである。より具体的には、ハードウェア資源に対する動作要求の受付、動作要求の調停を行う機能を提供するためのソフトウェアである。サービス層102が受け付ける動作要求としては、スキャナによる読み取りやプロッタによる印刷等の要求がある。
なお、サービス層102によるインタフェースの機能は、本体装置90のアプリ層101だけではなく、情報処理端末80のアプリ層201に対しても提供される。すなわち、情報処理端末80のアプリ層201のアプリも、サービス層102のインタフェース機能を介して、本体装置90のハードウェア資源(例えばエンジン部17)を利用した機能を実現することができる。
OS層103のソフトウェアは、本体装置90が備えるハードウェアを制御する基本機能を提供するための基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)である。サービス層102のソフトウェアは、各種アプリからのハードウェア資源の利用要求を、OS層103が解釈可能なコマンドに変換してOS層103に渡す。そして、OS層103のソフトウェアによりコマンドが実行されることで、ハードウェア資源は、アプリの要求に従った動作を行う。
同様に、情報処理端末80は、アプリ層201と、サービス層202と、OS層203とを有する。情報処理端末80が備えるアプリ層201、サービス層202及びOS層203も、階層構造については本体装置90と同様である。ただし、アプリ層201のアプリにより提供される機能や、サービス層202が受け付け可能な動作要求の種類は、本体装置90とは異なる。アプリ層201のアプリは、主として本体装置90が備える機能(コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能)に関する操作や表示を行うためのユーザーインタフェースの機能を提供するためのソフトウェアである。なお、アプリ層201のアプリは情報処理端末80が備えるハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するためのソフトウェアであってもよい。
なお、本実施形態では、本体装置90のOS層103のソフトウェアと、情報処理端末80のOS層203のソフトウェアが互いに異なる。つまり、本体装置90と情報処理端末80は、別々のオペレーティングシステムで互いに独立して動作する。例えば、本体装置90のOS層103のソフトウェアとしてLinux(登録商標)を用い、情報処理端末80のOS層203のソフトウェアとしてAndroid(登録商標)を用いることが可能である。なお、本体装置90と情報処理端末80のOSは同じものでもよい。
以上のように、本実施形態の複合機20では、本体装置90と情報処理端末80が別々のオペレーティングシステムで動作するため、本体装置90と情報処理端末80との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。
また、図7に示すように、アプリ層101は認証アプリ101aを有し、アプリ層201は私的使用アプリ201aを有する。認証アプリ101aは、例えば、企業72が従業員8による複合機20の利用に際してユーザ認証機能を導入したい場合に、複合機提供企業60から購入するアプリケーションプログラムである。また、私的使用アプリ201aは、企業72が私的使用サービスを導入したい場合に、私的使用サービス提供企業76から購入あるいは入手するアプリケーションプログラムである。これらは可搬性の記憶媒体に記憶された状態で配布されてもよいし、プログラム配信用のサーバから配信されてもよい。なお、認証アプリ101aはアプリ層201にあってもよく、私的使用アプリ201aがアプリ層101にあってもよい。
<機能について>
図8は、機器使用システム100に含まれる私的使用サーバ10と複合機20の機能をブロックで示す機能ブロック図の一例である。
<<複合機20の機能>>
複合機20は、送受信部41、エンジン制御部47、ログ記録部48、認証アプリ101a、私的使用アプリ201a、情報取得部51、操作受付部46、及び、ログイン状態保持部52の各機能を有する。これら各機能部は、図4に示された各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ24からRAM23に展開されたプログラム80pに従ったCPU21からの命令、又は、HDD14からRAM13に展開されたプログラム90pに従ったCPU11からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム90pには認証アプリ101aが含まれ、プログラム80pには私的使用アプリ201aが含まれている。なお、認証アプリ101aと私的使用アプリ201aが図示されているのは説明の便宜上のためである。
また、複合機20は、図4に示されたフラッシュメモリ24、RAM23、RAM13、HDD14により実現される記憶部4000を有する。記憶部4000には、ログDB4001、私的使用ログDB4002、及び、複合機ID4003が記憶される。複合機ID4003とは、複合機20を特定する機能をもった情報をいう。機器識別情報と称してもよい。具体的には、例えばシリアル番号、製造番号などであるが、私的使用アプリ201aのシリアル番号やライセンスキーでもよい。つまり、複合機IDは、私的使用アプリ201aを搭載した複合機20をそれぞれ識別する情報として用いられる情報である。1つの私的使用アプリ201aは1つの複合機ID4003で動作し、私的使用アプリ201aのシリアル番号やライセンスキーは一意性が保証されている。また、私的使用アプリ201aがシリアル番号、製造番号などの複合機20を特定するための情報にアクセスすることが困難な場合でも、シリアル番号やライセンスキーは私的使用アプリ201aが保持する情報であるため、私的使用アプリ201aが取得して私的使用サーバ10の送信できる。
情報取得部51は、図4のCPU11がプログラム90pを実行してリーダライタ19を制御すること等で実現される。情報取得部51は、ICカードA,Bと通信して、ICカードA,Bに記録されている情報を取得する。また、認証アプリ101aからの指示に応じて、ICカードAから認証情報を取得し、私的使用アプリ201aからの指示に応じて、ICカードからIDmを取得する。情報取得部51は、ユーザの所持するICカードA,Bがリーダライタ19の通信距離の範囲内にある場合、存在を検出するための通信を繰り返す。
認証アプリ101aは、図4のCPU11がプログラム90p(例えば認証アプリ101a)を実行すること等で実現される、認証要求部49を有する。認証要求部49は、情報取得部51が取得した認証情報を認証要求と共に従業員認証サーバ72aに送信し、従業員認証サーバ72aから認証結果(認証OK,認証NG)を取得する。
ログイン状態保持部52は、図4のCPU11がプログラム90pを実行すること等で実現される。ログイン状態保持部52は、認証要求部49から認証が成立した従業員8のユーザ名等の通知を受け、複合機20における従業員8のログイン状態を保持する。すなわち、現在、複合機20にログインしているユーザ名を保持する。更に、ログイン状態保持部52は、動作モードに応じて、ログイン状態を解除するか継続するかを制御する。管理者7はこの動作モードを設定できる。動作モードとしては、以下の動作モード1及び2がある。
動作モード1:ICカードAによるログインが維持された状態で、ICカードAの不検出の通知を受けた場合に、即座にログイン状態を解除するか否かを指定するモード。
動作モード2:ICカードAに基づきログイン状態が維持された状態で、他のICカードの検出の通知を受けた場合に、ICカードAのログイン状態を解除して他のICカードに基づくログイン処理を実行するか否かを指定するモード。
本発明では、従業員8のICカードAから取得した認証情報に対して認証アプリ101aが認証を行い複合機20にログインした上で、私的使用アプリ201aが他のICカードBから取得したIDmで認証を行い私的使用サービスにログインする、といった利用シーンが想定され得る。
このような利用シーンを実現するためには、動作モード1において、ICカードAの不検出によりログインが解除、つまり、ログアウトされてしまうと、複合機20にログインするためのログイン画面に戻ってしまい、私的使用アプリ201aに対する操作ができなくなってしまう。したがって、管理者7は、ログイン状態を解除しないように動作モード1を指定する。
また、動作モード2において、ICカードAでログインした状態で、社員証ではないICカードBを検出することで、認証アプリ101aの認証要求部49がユーザ認証を依頼してしまうと、ICカードBは認証されないため、ログイン状態が解除されてしまい、私的使用アプリ201aに対する操作ができなくなってしまう。したがって、管理者7は、他のICカードが検出されてもログイン処理を実行しないように動作モード2を指定する。
エンジン制御部47は、図4のCPU11がプログラム90pを実行してエンジン部17を制御すること等で実現される。エンジン制御部47は、エンジン部17(プロッタエンジン、スキャナエンジン、ファクス送受信エンジンなど)を制御する。
ログ記録部48は、図4のCPU11がプログラム90pを実行すること等で実現され、エンジン制御部47がどのような処理を行ったかを検知してログDB4001に記憶させる。例えば、日時、ユーザ名、印刷枚数、用紙サイズ、カラー・白黒などの使用条件などを記憶する。なお、エンジン制御部47とログ記録部48は業務使用か私的使用かを区別しない。
操作受付部46は、図4のCPU21がプログラム80pを実行してディスプレイ27(タッチパネル)やホームキー29を制御すること等で実現される。操作受付部46は、ディスプレイ27に表示された画面に対し従業員8からの操作を受け付ける。
私的使用アプリ201aは、図4のCPU21がプログラム80p(例えば私的使用アプリ201a)を実行すること等で実現される、全体制御部42、画面制御部43、サーバ認証要求部44、及び、私的使用ログ記録部45を有する。
画面制御部43は、図4のCPU21が私的使用アプリ201aを実行してディスプレイ27を制御すること等で実現される。画面制御部43は、予め定められた画面遷移情報にしたがって、ディスプレイ27に各種の画面を表示する。具体的な画面例は後述される。
サーバ認証要求部44は、図4のCPU21が私的使用アプリ201aを実行すること等で実現され、私的使用アプリ201aの利用が従業員により選択され情報取得部51からICカードBが検出されると、ICカードBからIDmを取得して私的使用サーバ10に対してユーザ認証を要求する。また、従業員8が初めてICカードBを複合機20に読ませた場合、私的使用サーバ10に対しユーザ情報の登録を行う。
私的使用ログ記録部45は、複合機20が私的使用された場合に、エンジン制御部47がどのような処理を行ったかを検知して私的使用ログとしてログDB4001に記憶させる。例えば、日時、IDm、印刷枚数、用紙サイズ、カラー・白黒などの使用条件などを記憶する。この時、ログ記録部48も使用ログを記録する。したがって、私的使用ログDB4002の私的使用ログはログDB4001の使用ログと重複して記録される。
全体制御部42は、図4のCPU21が私的使用アプリ201aを実行すること等で実現され、私的使用アプリ201aの全体的な動作を制御する。例えば、ログイン状態保持部52がログイン状態を保持することを検知したり通知を受けたりして、画面制御部43に後述するログイン画面を表示させる。また、操作受付部46が受け付けた操作によって画面制御部43に画面を表示させる。また、情報取得部51からIDmを取得して私的使用サーバ10に送信し、私的使用サーバ10からの認証結果(IDmの登録有無)が認証NGの場合、サーバ認証要求部44にユーザ情報の登録を行わせる。認証OKの場合、従業員8の操作に応じてエンジン制御部47に印刷を行わせる。また、私的使用ログ記録部45に私的使用ログを記録させる。また、私的使用ログを私的使用サーバ10に送信する。
送受信部41は、図4のCPU21が私的使用アプリ201aを実行し通信I/F25を制御すること等により実現され、私的使用サーバ10との間で各種の情報を送受信する。なお、以下では、送受信部41が送受信する場合でも「送受信部41を介して」という記載を省略する場合がある。
<<私的使用サーバ10の機能>>
私的使用サーバ10は、送受信部31、ユーザ情報登録部32、課金部33、私的ユーザ認証部34及びデポジット処理部35、を有する。これら各機能部は、図5に示された各構成要素のいずれかが、補助記憶装置304からRAM303に展開されたプログラム204pに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
また、私的使用サーバ10は、図5に示されたRAM303又は補助記憶装置304より実現される記憶部3000を有する。記憶部3000には、企業情報DB3001、ユーザ情報DB3002、料金表DB3003及び私的使用管理DB3004が記憶される。
表1は、企業情報DB3001に記憶されている情報をテーブル状に示す表の一例である。企業情報DB3001では企業IDと複合機IDが対応付けて登録されている。企業IDは複合機20が設置された企業72を特定する機能を持った情報である。企業IDは、複合機20の所有権を有する対象を識別する情報であり、企業72のような法人単位で識別されることが通常のため法人識別情報と称してもよい。複合機IDは上記のとおりである。つまり、企業情報DBには、企業毎に、企業が所有する複合機20を管理する情報である。私的使用サーバ10の運営者5又は管理者7は、機器使用システム100を導入する企業72に設置された複合機20に私的使用アプリ201aをインストールする。この時、私的使用サービス提供企業76は複合機IDを取得して、企業IDに対応付けて企業情報DB3001に登録する。以後は、企業情報DB3001に複合機IDと企業IDが登録されるので、一方が分かると他方が判明する。
表2は、ユーザ情報DB3002に記憶されている情報をテーブル状に示す表の一例である。ユーザ情報DB3002に記憶されている情報をユーザ情報と称する。ユーザ情報DB3002ではユーザ名、パスワード、IDm、及び、デポジット残高が対応付けて登録されている。ユーザ名とパスワードは従業員8がユーザ端末75aを操作して私的使用サービスにアクセスして新規のユーザ登録を行うときに任意に登録できる情報であり、私的使用サーバ10が私的使用サービスを利用するユーザを認証するための情報となる。IDmは、リーダライタ19がICカードBから読み取ったものである。IDmは従業員8がユーザ名とパスワードを登録した上で、初めて私的使用のためにICカードBを複合機20に読み取らせた場合に登録される。表2のユーザ1と2でIDmが登録されているのは、ユーザ1と2がすでに複合機20の私的使用アプリ201aを1回以上、使用したことがあることを示しており、ユーザ3のIDmが登録されていないのは、ユーザ3がユーザ端末75aでIDm以外のユーザ情報を登録した状態であることを示す(複合機20から一度も私的使用サービスを利用していない)。デポジット残高は、私的使用サービスを利用するユーザが私的使用に係る料金を支払うために、ユーザ端末75aから前払いした金額に応じたデポジットのポイントである。ポイントは金額に換算可能であり、例えば1ポイント=1円、1ポイント=10円などのように換算される。
表3(a)は、料金表DB3003に記憶されている情報をテーブル状に示す表の一例である。表3(a)は私的使用に関する料金表であり、企業IDに、複合機20の各機能(コピー、プリント、ファクス)の料金、アプリ料(複合機)、コンテンツ価格、及び、アプリ料(コンテンツ)が対応付けて登録されている。複合機20の各機能(コピー、プリント、ファクス)の料金は、従業員8が私的使用した場合に従業員8が支払う料金、つまり、ポイント消費量に相当するものである(デポジット残高から徴収される)。アプリ料(複合機20)は、従業員8が複合機20の機能を使用した際に私的使用サービス提供企業76が企業72に支払うアプリ料を料率で示す情報である。例えば、K001の企業72には複合機20の機能を私的使用に応じて従業員8から徴収したポイント消費量の80%が支払われることが登録されている。またコンテンツ価格は、コンテンツによって様々であり別途、従業員8が購入したコンテンツに応じてデポジット残高から徴収される。また、アプリ料(コンテンツ)は、従業員8が複合機20からコンテンツを予約・購入した際に私的使用サービス提供企業76が企業72に支払うアプリ料を料率で示す情報である。例えば、K001の企業72には従業員8が支払ったポイント消費量の3%が支払われることが登録されている。コンテンツの購入においては、デポジット残高から徴収されたポイント消費量の多くはコンテンツ提供企業71に支払われ、一部は私的使用サービス提供企業76に振り分けられる(支払われる)。アプリ料(複合機20)に比べ料率が低いのは、コンテンツの価格は一般に高いためである。コンテンツの販売時にチケット、地図、楽譜、及び、写真などの印刷が行われた場合は、このアプリ料(複合機20)から企業72が複合機提供企業60に支払う使用料がまかなわれる。アプリ料(コンテンツ)はコンテンツによって可変であってもよい。コンテンツが種々のコンテンツホルダーから提供されることを考慮すると、可変の方が好ましい。なお、表3(a)のポイント消費量等は説明のための一例に過ぎない。
表3(b)は一般使用に関する料金表であり、店舗74などから複合機20が使用された場合のポイント消費量が登録されている。複合機20の機能のポイント消費量は、私的使用よりも高くなっている。これは、従業員8に店舗74よりも企業72で私的使用させようとするインセンティブを私的使用サーバ10の運営者5が設けたためである。また、企業72にアプリ料を支払う必要がないので、アプリ料は設定されない。表3(b)のポイント消費量等は説明のための一例に過ぎない。
表4は、私的使用管理DB3004に記憶されている情報をテーブル状に示す表の一例である。表4では、企業IDに、日時、IDm、私的使用の内容、ポイント消費量、及び、アプリ料が対応付けて登録されている。企業IDは上記のとおりである。日時は、従業員8が複合機20を私的に使用した日時である。IDmはICカードBのIDmである。私的使用の内容は、従業員8がどのような私的使用を行ったかが登録される。私的使用ログに記録された情報であれば私的使用管理DB3004に記録可能である。ポイント消費量は、従業員8がデポジット残高から機器使用システム100に支払ったポイントである。アプリ料は、機器使用システム100が企業72に支払う金額である。機器使用システム100は例えば月末などの締め日に企業72ごとにアプリ料を合計し企業72の経理部門9などに支払う。
(私的使用サーバ10の機能)
続いて、私的使用サーバ10の機能を説明する。送受信部31は、図5のCPU301がプログラム204pを実行しネットワークI/F307を制御すること等により実現され、複合機20等との間で各種の情報を送受信する。なお、以下では、送受信部31が送受信する場合でも「送受信部31を介して」という記載を省略する場合がある。
ユーザ情報登録部32は、図5のCPU301がプログラム204pを実行すること等により実現され、ユーザ情報DB3002へユーザ情報の登録を受け付ける。ユーザ情報の登録はユーザ端末75aから登録されるフェーズと、複合機20から登録されるフェーズの2ステップで行われる。
私的ユーザ認証部34は、図5のCPU301がプログラム204pを実行すること等により実現され、ユーザ情報DB3002を参照して、私的使用サービスを利用するユーザを認証する。ユーザ端末75aからユーザ名及びパスワードと共に認証要求を受信すると、ユーザ名及びパスワードを照合して認証を行う。複合機20からIDmと共に認証要求を受信すると、IDmを照合して認証を行う。
課金部33は、図5のCPU301がプログラム204pを実行すること等により実現され、従業員8による私的使用及び一般使用に関してデポジット残高からポイント消費量を徴収する。
デポジット処理部35は、図5のCPU301がプログラム204pを実行すること等により実現され、従業員8からの要求に対しユーザ情報DB3002にデポジット(ポイント残高)を入金するための処理を行う。デポジット処理部35は、例えばクレジットカードシステムと連携する。
<各種の動作について>
以下では、従業員8の従業員情報の登録、機器使用システム100のユーザ情報の登録、初回使用時のユーザ情報(IDm)の登録、2回目以降の使用時の処理について説明する。
<<従業員8の従業員情報の登録>>
図9は、企業72の管理者7が従業員8の従業員情報を登録する手順を示すシーケンス図の一例である。管理者7は図9の処理を任意のタイミングでスタートさせる。
S1:管理者7は管理者端末72bを操作して従業員8の従業員情報を従業員認証サーバ72aに登録するための操作を行う。管理者端末72bは管理者7の操作を受け付けて、従業員8の従業員情報を従業員認証サーバ72aに送信する。従業員8の従業員情報は、例えばユーザ名、カードID(Idm又は社員証カード番号に対応)、社員番号、パスワード、コピー権限の有無、プリント権限の有無などである。
S2:従業員認証サーバ72aは従業員情報を受信し、従業員情報をデータベース等に記憶させる。なお、図9の処理は従来から行われている場合が多く、本実施形態で必ず行わなければならないものではない。
<<機器使用システム100のユーザ情報の登録>>
機器使用システム100を使用すれば従業員8は企業72内で複合機20を私的に使用できるため、機器使用システム100を使用したい従業員8は機器使用システム100にユーザ情報を登録する。また、従業員8は店舗74などからも機器使用システム100を使用することができるため、機器使用システム100にユーザ情報を登録しても利便性が低下することは少ない。
図10は、従業員8が機器使用システム100に従業員8のユーザ情報を登録する手順を示すシーケンス図の一例である。従業員8は図10の処理を任意のタイミングでスタートさせる。
S1:従業員8は、ユーザ端末75aを操作して私的使用サーバ10と通信し、ユーザ情報の入力用の画面をユーザ端末75aに表示させる。ユーザ情報登録部32はWebサーバとしての機能を有し、HTML、及びスクリプト言語などで記述された画面情報をユーザ端末75aに送信する。これにより、従業員8は、私的使用サービスを利用するユーザとして新規にユーザ登録を行う場合、新規登録を選択してユーザ名・パスワードを入力する。ユーザ端末75aはユーザ名・パスワードの入力を受け付ける。
S2:ユーザ端末75aはユーザ名・パスワードを私的使用サーバ10に送信する。
S3:私的使用サーバ10のユーザ情報登録部32はユーザ名・パスワードを受信し、ユーザ情報DB3002に、既に登録されているユーザ名・パスワードと重複しなければ、ユーザ名・パスワードを対応付けてユーザを新規に登録する。
S4:次に、ユーザ情報登録部32はデポジットの入力を促すための画面情報をユーザ端末75aに送信する。なお、新規のユーザでない場合は、入力したユーザ名・パスワードに対する認証が行われた後に、ユーザの操作に応じて画面情報が送信される。
S5:ユーザ端末75aはこの画面情報を受信してディスプレイ27などに表示するので、従業員8はデポジットのポイントを選択し、クレジットカード情報(カード番号、使用期限、氏名など)を入力する。デポジットのポイントは1000、3000、5000などから従業員8が選択できるようになっている。
S6:ユーザ端末75aはデポジットのポイントとクレジットカード情報の入力を受け付け、私的使用サーバ10に送信する。
S7:私的使用サーバ10のデポジット処理部35はデポジットのポイントとクレジットカード情報を取得し、クレジットカードシステム1000に送信する。なお、クレジットカードシステム1000を利用した決済ではリダイレクト等を用いた認証が行われているが図では省略されている。
S8:従業員8のクレジットカード情報でデポジットのポイントを決済できると、クレジットカードシステム1000はデポジット処理部35に決済完了を送信する。
S9:デポジット処理部35は決済完了をユーザ情報登録部32に送信する。
S10:ユーザ情報登録部32はステップS5で取得したデポジットのポイントをユーザ情報DB3002に設定する。
S11:また、ユーザ情報登録部32はポイントの登録が完了した旨をユーザ端末75aに送信する。
このように従業員8は、ユーザ環境75から機器使用システム100のユーザ情報を登録できる。上記のように、ユーザ情報を登録した時点ではユーザ情報DB3002にIDmは登録されない。したがって、従業員8がリーダライタ19を用意する必要がない。
<<初回使用時の登録>>
企業72にいる従業員8は、複合機20を私的に使用することができるが、機器使用システム100にユーザ情報を登録した後、初めて複合機20を私的に使用する場合は私的使用サーバ10にIDmを登録する。
図11[A1]は、従業員8が機器使用システム100に複合機20から従業員8のIDmを登録する手順を示すシーケンス図の一例である。従業員8は図11の処理を任意のタイミングでスタートさせる。
S1:複合機20がログイン状態ではない場合、つまり、ログアウトの状態である場合、複合機20はログイン画面を表示しており、複合機20にログインしなければ私的使用アプリ201aは使用できないようになっている。従業員8は、複合機20にログインするための認証情報を入力するため、社員証などの定められているICカードAをリーダライタ19に読み取らせる。なお、ユーザはユーザ名とパスワードを情報処理端末80からキーボード入力することで認証情報を入力してもよい。すなわち、従業員8であることの認証を受けられればよい。また、従業員8が誤ってICカードBを読み取らせてもICカードBには認証に用いられるIDmあるいは社員証カード番号が記憶されていないのでログインできない。
S2:複合機20の情報取得部51はICカードが検出されたイベントを通知し、このイベントを認証要求部49が取得する。ICカードの検出イベントを受けて、認証要求部49は、情報取得部を介して認証情報の取得を行う。このとき、設定に基づきシステムコードやアクセスキーが必要であれば、それらをICカードに送信する。ICカードAは情報取得部51からの要求に応じて、ICカードAに記録されている認証情報(IDmあるいは社員証カード番号)を送信し、認証要求部49が認証情報を取得する。
S3:認証要求部49は認証情報と共に認証要求を従業員認証サーバ72aに送信する。なお、従業員認証サーバ72aを設置せず、複合機20内で認証を行う場合は、認証要求部49がそのまま認証してもよい。
S4:従業員認証サーバ72aは認証要求に応じて、受信した認証情報が従業員情報に登録されていれば認証OKという認証結果を、登録されていなければ認証NGという認証結果を認証要求部49に送信する。本実施形態では認証OKが送信されたものとする。
S5:認証OKを取得した認証要求部49は、従業員認証サーバ72aからユーザ名などのユーザを特定できる情報や権限情報など、認証された従業員8の従業員情報を取得し、従業員8による複合機20へのログインを許可する。また、ログイン状態保持部52は、ログイン状態となった従業員の従業員情報を保持する。
S6:従業員8はメニュー画面を見てメニューを選択する。たとえば、いくつかあるアイコンの中から私的使用のためのアイコンや業務仕様のためのアイコンを選択できる。ここでは私的使用アプリ201aの利用を指示するアイコンである、後述するプライベートアイコンを選択したものとする。なお、プライベートアイコンを押下したが、私的使用アプリ201aがアクティベートされていない場合、ライセンス入力画面が表示される。ライセンス入力画面については図22にて説明する。
S7:プライベートアイコンが選択されることで私的使用アプリ201aが起動する。まず、全体制御部42は私的使用サービスにログインするために、ログイン画面の表示要求を画面制御部43に通知する。ログイン画面については図17にて説明する。従業員8が私的使用するためには私的使用サーバ10に認証してもらう必要があるため、このログインは私的使用サービスへのログインである。
S8:画面制御部43は、ログイン画面を情報処理端末80のディスプレイ27に表示させる。
S9:従業員8はログイン画面を見て、ICカードBをリーダライタ19に読み取らせる。すなわち、ICカードAをリーダライタ19の検出範囲外にどかしてICカードBをリーダライタ19に読み取らせる。情報取得部は、ICカードAがどかされたことによるICカードの未検出イベントと、ICカードBが検出された検出イベントを通知する。この通知は、ログイン状態を制御する認証アプリ101a及び起動中の私的使用アプリ201aによって取得される。このとき、認証アプリ101aは、動作モード1及び2の設定に基づき、複合機20へのログイン状態を保持したまま制御する。一方で、私的使用アプリ201aは、ICカードの検出イベントに応じて、IDmを取得するコマンドを送信し、情報取得部51にIDmの取得を指示する。
S10:複合機20の情報取得部51は、私的使用アプリ201aからの要求に応じてICカードBからIDmを読み取り、取得したIDmを全体制御部42に送信する。
S11:ログイン画面を表示した状態で全体制御部42がIDmを取得すると、従業員8が私的使用サービスを利用するユーザであることの認証のため、サーバ認証要求部44にIDmを送出する。なお、この時、全体制御部42は、取得したIDmによって認証アプリ101aによる認証処理が成功しないことを確認してもよい。具体的には、認証アプリ101aに取得したIDmに対するユーザ確認を要求する。認証アプリ101aは、ログイン状態保持部において保持されている従業員情報に、取得したIDmが記録されているか否かを判定し、全体制御部42に判定結果を通知する。記録されている旨の判定結果であった場合、全体制御部42は、取得したIDmによる私的使用サービスへのログインを認めず、エラー画面を通知する。記録されていない旨の判定結果であった場合に、サーバ認証要求部44にIDmは送出される。このようにすることで、従業員認証サーバにおいて認証される認証情報を、外部サービスである私的使用サービスにログインするための認証情報として使用させないようにすることができ、セキュリティが向上する。
S12:サーバ認証要求部44はIDmと共に認証要求を私的使用サーバ10に送信する。
S13:私的使用サーバ10の私的ユーザ認証部34はIDmを取得すると、IDmをユーザ情報DB3002から検索する。IDmがユーザ情報DB3002に登録されていれば、従業員8の初回使用時の登録が済んでいることになる。図11では初回使用時の登録が済んでいない場合を説明する。
S14:私的ユーザ認証部34は、IDmが登録されていないので認証NGという認証結果をサーバ認証要求部44に送信する。
S15:サーバ認証要求部44は認証NGという認証結果を全体制御部42に通知する。
S16:全体制御部42はIDmが登録されていないので、初回登録が必要であると判定し、初回登録画面の表示要求を画面制御部43に通知する。初回登録画面については図18にて説明する。
S17:画面制御部43は初回登録画面を情報処理端末80のディスプレイ27に表示する。
S18:従業員8は初回登録画面を見て、ユーザ名とパスワードを入力する。このユーザ名とパスワードは従業員8がユーザ環境75からユーザ端末75aを操作してユーザ情報として登録したものである。ユーザ名とパスワードの入力を必要とするのは、ICカードBを第三者が入手して初回登録することを防止するためである。
S19:操作受付部46はユーザ名とパスワードを受け付け、全体制御部42に送出する。
S20:全体制御部42はユーザ名とパスワードをサーバ認証要求部44に送出する。
S21:サーバ認証要求部44はユーザ名とパスワードと共に認証要求を私的使用サーバ10に送信する。
S22:私的使用サーバ10の私的ユーザ認証部34は、ユーザ名とパスワードをユーザ情報DB3002で検索する。検索の結果、複合機20から送信されたユーザ名とパスワードの組がユーザ情報DB3002に登録されている場合、従業員8の認証が成立したと判定する。ここでは従業員8の認証が成立したものとする。
S23:認証が成立したので、私的ユーザ認証部34はステップS13で取得したIDmと共に登録要求をユーザ情報登録部32に要求する。
S24:ユーザ情報登録部32はステップS21で認証したユーザ名とパスワードに対応づけてIDmをユーザ情報DB3002に登録する。
S25:私的ユーザ認証部34は登録完了を複合機20に通知する。
S26:画面制御部43は登録完了画面を表示する。なお、ステップS25,26の説明ではシーケンスを一部省略した。
以上のようにして、従業員8は初回登録を済ませIDmを私的使用サーバ10に登録できる。したがって、2回目以降、複合機20にICカードBを読み取らせることで私的使用サーバ10にログインできる。
<<2回目以降の使用時の処理>>
ICカードBのIDmが私的使用サーバ10に登録された後、従業員8が複合機20を私的に使用する場合の処理を説明する。
図12はICカードBによる認証が成立した後の全体的な流れを示すフローチャート図の一例であり、図13、14はICカードBによる認証が成立した後に複合機20が私的に使用される際のシーケンス図の一例である。
図12の処理は、図11のステップS14で認証OKの認証結果が送信された場合にスタートする。
複合機20の私的使用アプリ201aは認証OKを取得することで、サービス選択メニュー画面を情報処理端末80のディスプレイに表示する(S10)。サービス選択メニュー画面については図19にて説明する。
複合機20の私的使用アプリ201aはサービスの選択を受け付ける(S20)。サービスは主に複合機20が動作するものとコンテンツの予約・購入に関するものの2つである。複合機20が動作するサービスとしてコピー(私的コピー)がある。
複合機20が動作するサービスが選択された場合(コピー機能が選択された場合)、複合機20の私的使用アプリ201aはエンジン制御部47に印刷実行を要求する(S30)。
エンジン制御部47は従業員8が設定した原稿を読み取り、従業員8が設定した枚数だけ印刷を実行する(S40)。なお、ログ記録部48はエンジン制御部47の動作に基づいて使用ログを記録し、私的使用ログ記録部45はエンジン制御部47の動作に基づいて私的使用ログを記録する。
そして、印刷が完了すると私的使用アプリ201aは私的使用ログを私的使用サーバ10に送信する。これにより私的使用サーバ10は従業員8に対し課金することができる(S50)。
コンテンツの予約・購入のサービスが選択された場合、複合機20の私的使用アプリ201aは私的使用サーバ10に対しコンテンツの一覧を要求する。これにより、複合機20の私的使用アプリ201aは情報処理端末80のディスプレイにコンテンツ一覧画面を表示する(S60)。コンテンツ一覧画面については図20にて説明する。
複合機20の私的使用アプリ201aは従業員8によるコンテンツの選択を受け付ける(S70)。
全体制御部42は、予約・購入されたコンテンツに関する情報の印刷をエンジン制御部47に要求する(S80)。
エンジン制御部47は予約・購入されたコンテンツに関する情報を印刷する(S90)。なお、ログ記録部48はエンジン制御部47の動作に基づいて使用ログを記録し、私的使用ログ記録部45はコンテンツの購入に関する私的使用ログを記録する。
そして、印刷が完了すると私的使用アプリ201aは私的使用ログを私的使用サーバ10に送信する。これにより私的使用サーバ10は従業員8に対し課金することができる(S100)。
<<コピー処理>>
次に、図13を用いて、コピーが選択された場合の処理を詳細に説明する。
S1〜S6:これらの処理は図11のステップS9〜S13と同様でよい。
S7:2回目以降の使用時ではIDmが登録されているので、私的ユーザ認証部34は認証OKという認証結果をサーバ認証要求部44に送信する。
S8:サーバ認証要求部44は認証OKという認証結果を全体制御部42に通知する。
S9:認証OKを取得すると全体制御部42は、図20のサービス選択メニュー画面の表示要求を画面制御部43に通知する。
S10:画面制御部43はサービス選択メニュー画面を情報処理端末80のディスプレイ27に表示する。
S11:従業員8はサービス選択メニュー画面を見て、サービス(コピー又はコンテンツの予約・購入)を選択する。
S12:操作受付部46はサービスの選択を受け付け、全体制御部42に送出する。ここではコピーが選択されたものとする。
S13:コピーが選択されたので、全体制御部42は印刷実行要求をエンジン制御部47に送出する。すなわち、エンジン制御部47はコピー動作に関するサービスを呼び出して、コピー動作を実行させる。コピーに関しては従業員8が印刷部数などを設定できるがユーザの設定やスタートまでの操作は省略されている。なお、デポジット残高が全体制御部42に通知されており全体制御部42は現在のデポジット残高を情報処理端末80のディスプレイ27に表示させる。これにより、従業員8はどのくらいの私的使用が可能かを把握できる。また、全体制御部42はデポジット残高の範囲で従業員8の私的使用を受け付ける制御が可能になる。
S14:エンジン制御部47は従業員8の印刷設定にしたがって印刷を実行する。
S15,16:印刷の実行内容はログ記録部48と私的使用ログ記録部45に通知される。
S17:ログ記録部48は適宜、印刷の実行内容を取得し使用ログを記録する。
S18:私的使用ログ記録部45は適宜、印刷の実行内容を取得し私的使用ログを記録する。
S19:エンジン制御部47は、印刷の実行が完了すると印刷完了を全体制御部42に通知する。
S20:1回の私的使用が終わったので、全体制御部42は私的使用ログと複合機IDを私的使用サーバ10に送信する。複合機IDが送信されるのは私的使用サーバ10が企業72を特定するためである。
S21:私的使用サーバ10の課金部33は、私的使用ログに基づいてポイント消費量をユーザ情報DB3002のデポジットから徴収する。この課金処理については図15にて説明する。
S22:私的使用サーバ10はポイント消費量と従業員8のポイント残高を複合機20に送信する。
S23:複合機20の全体制御部42はポイント消費量とポイント残高を画面制御部43に通知し、私的使用完了画面を表示させる。私的使用完了画面については図21にて説明する。
S24:画面制御部43は私的使用完了画面を情報処理端末80のディスプレイ27に表示する。
<<コンテンツの予約・購入>>
次に、図14を用いて、コンテンツの予約・購入が選択された場合の処理を詳細に説明する。図14では主に図13との相違を説明する。ステップS1〜S11の処理は図13と同様でよい。
S12:操作受付部46はサービスの選択を受け付け、全体制御部42に送出する。ここではコンテンツが選択されたものとする。
S13-1:コンテンツが選択されたので、全体制御部42は印刷実行要求をエンジン制御部47に送出する。ここでの印刷内容は、選択されたコンテンツである。印刷内容はコンテンツによって定められている。例えば、芸能人の写真がそのままコンテンツとしてインされる。また、映画のチケットであれば映画の内容が分かるような情報が印刷される。更に、コンテンツに関する情報(コンテンツを特定する情報、コンテンツの名称、購入金額、購入日時、従業員8を特定する情報(IDm等)など)が含まれてもよい。
S13-2:また、コンテンツが選択されたので、全体制御部42はコンテンツに関する情報を私的使用ログ記録部45に送出する。これにより、私的使用ログ記録部45はどのコンテンツが予約・購入されたのかを取得できる。
S14:エンジン制御部47はコンテンツ、及び、必要であればコンテンツに関する情報の印刷を実行する。
S15,16:印刷の実行内容はログ記録部48と私的使用ログ記録部45に通知される。
S17:ログ記録部48は適宜、印刷の実行内容を取得し使用ログを記録する。
S18:私的使用ログ記録部45は、コンテンツに関する情報の印刷が完了したことを検出して、コンテンツに関する情報を私的使用ログに記録する。
S19:エンジン制御部47は、印刷の実行が完了すると印刷完了を全体制御部42に通知する。
S20:1回の私的使用が終わったので、全体制御部42は私的使用ログと複合機IDを私的使用サーバ10に送信する。
S21:私的使用サーバ10の課金部33は、私的使用ログに基づいてポイント消費量をユーザ情報DB3002のデポジットから徴収する。この課金処理については図15にて説明する。S22〜S24の処理は図13と同様でよい。
<<課金処理>>
図15を用いて、課金処理について説明する。図15は私的使用サーバ10が行う課金処理を説明する図の一例である。図15の処理は、私的使用サーバ10が私的使用ログと複合機IDを取得するとスタートする。
課金部33は、複合機IDに基づいて私的使用か否かを判定する(S10)。私的使用かどうかは、例えば企業情報DB3001に複合機IDが登録されているか否かにより判定できる。企業情報DB3001に複合機IDが登録されている場合に私的使用ログが送信されることは、企業72内から複合機IDが送信されたことになる。あるいは、複合機IDごと企業72内に設置されているかどうかを示すフラグが対応付けられたテーブルを私的使用サーバ10が保持していてもよい。このような判定により、従業員8は1回のユーザ登録で私的使用も一般使用も可能になる。
ステップS10の判定がYesの場合、課金部33は料金表DB3003から表3(a)の私的使用に関する料金表を取得する(S20)。
次に、課金部33は私的使用に関する料金表に基づいて、ポイント消費量を算出する(S30)。例えば、コピーの場合は印刷枚数に単価を乗じてポイント消費量を算出し、コンテンツの場合はコンテンツ提供企業71が決定したコンテンツの金額をテーブルなどから取得する。
次に、課金部33は認証に使用されたIDmに対応づけられているデポジット残高からポイント消費量を徴収する(S40)。すなわち、ユーザ情報DB3002のデポジット残高からポイント消費量を減算する。
また、私的使用なので、課金部33は企業72にアプリ料を支払うため私的使用に関する情報を私的使用管理DB3004に記録する(S50)。これにより、企業72ごとにアプリ料が算出されるので、企業72も利益を得ることができる。また、IDmが記録されているので企業72は、私的使用した従業員8を特定できる。
ステップS10の判定がNoの場合、課金部33は料金表DB3003から表3(b)の一般使用に関する料金表を取得する(S60)。この場合、従業員8は企業72に設置された複合機20を使用するわけではないため、ICカードAを用いたログインを行う必要がない。すなわち、直接、ICカードBを複合機20に読み取らせればよい。したがって、一般的なロケーションフリー印刷などにも本実施形態の機器使用システム100を適用できる。
次に、課金部33は一般使用に関する料金表に基づいて、ポイント消費量を算出する(S70)。例えば、コピーの場合は印刷枚数に単価を乗じてポイント消費量を算出し、コンテンツの場合はコンテンツ提供企業71が決定したコンテンツの金額をテーブルなどから取得する。
次に、課金部33は認証に使用されたIDmに対応づけられているデポジット残高からポイント消費量を徴収する(S80)。すなわち、ユーザ情報DB3002のデポジット残高からポイント消費量を減算する。
従業員8から見ると、コンビニなどの店舗74でも企業72内と同じICカードBで機器使用システム100を使用できるというメリットがある。機器使用システム100の運営者5から見ると、私的使用と一般使用を区別して課金できるので、私的使用を促進させたり一般使用を促進させたりする戦略的な価格設定が可能になる。
<画面について>
図16は、メニュー画面601の一例を示す図である。メニュー画面601は、従業員8が複合機20にログインすることで表示される。メニュー画面601は、複合機20が従来から持っている画面であり、従業員8はアイコンで表示される機能を選択することで複合機20を使用する。このため、メニュー画面601にはコピーアイコン601a、ファクスアイコン601b、スキャナアプリ601c、及び、プリンタアプリ601dが表示される。そして、本実施例では、私的使用アプリ201aを意味するプライベートアイコン601eが表示される。従業員8はプライベートアイコン601eを選択することで、複合機20を私的に使用することができる。また、コピーアイコン601aを選択してコピーを行った場合、ログ記録部48によるログは生成され記録されるが、私的使用アプリ201aは起動していないため、私的使用ログ記録部45によるログの生成及び記録は行われない。
図17は、ログイン画面602の一例を示す図である。ログイン画面602は、プライベートアイコン601eが選択されると表示される。ログイン画面602には、サイトロゴ602a、トップへボタン602b、戻るボタン602c、及び、終了ボタン602dを有する。サイトロゴ602aとは私的使用サーバ10の商標などである。トップへボタン602bは画面がディスプレイに表示しきれない場合に画面の最上部を表示させるためのボタンである。戻るボタン602cは1つ前の画面に戻るためのボタンであり、終了ボタン602dは私的使用アプリ201aを終了するためのボタンである。
また、ログイン画面602には、「ICカードリーダにお手持ちのICカードをかざしてください」というメッセージ602eとICカードタッチアイコン602fが表示される。従業員8はメッセージ602eとICカードタッチアイコン602fを見てICカードBをリーダライタ19にかざす必要があることを認識できる。
図18は、初回登録画面603の一例を示す図である。初回登録画面603は、従業員8がユーザ登録後、初めてICカードBを複合機20に読み取らせた場合に表示される。初回登録画面603は、サイトロゴ602a、トップへボタン602b、戻るボタン602c、及び、終了ボタン602dを有する。これらについては図17のログイン画面602と同様でよい。また以降では説明を省略する。また、初回登録画面603は、「このカードは未登録です。登録する場合は下記にユーザIDとパスワードを入力して「登録」ボタンを押してください。」というメッセージ603a、ユーザ名入力欄603b、パスワード入力欄603c、登録ボタン603d及びキャンセルボタン603eを有する。
従業員8はユーザ登録時に設定したユーザ名をユーザ名入力欄603bに入力し、パスワードをパスワード入力欄603cに入力する。そして、登録ボタン603dを押下すると、私的使用サーバ10にこれらが送信される。なお、初回登録画面603でユーザ名のみを要求してもよい(パスワード不要)。ユーザ名が秘匿され一意性が保証されている場合、私的使用サーバ10がユーザ名だけで認証できるためである。
図19は、サービス選択メニュー画面の一例を示す図である。サービス選択メニュー画面604はICカードBによる私的使用サーバ10の認証が成立すると表示される。サービス選択メニュー画面604は、ポイント確認ボタン604a、私的コピーボタン604b、コンテンツ印刷ボタン604c、及び、設定ボタン604dを有する。
ポイント確認ボタン604aは、従業員8の現在のポイント残高を従業員8が複合機20に表示させるためのボタンである。私的コピーボタン604bは、従業員8が複合機20を用いて私的にコピーする際に押下するボタンである。コンテンツ印刷ボタン604cは従業員8がコンテンツを予約・購入する際に押下するボタンである。設定ボタン604dは従業員8がパスワードを変更したり私的使用に関するサービスから退会したりする際に押下するボタンである。
図20(a)は、コンテンツ一覧画面605の一例を示す図である。コンテンツ一覧画面605はサービス選択メニュー画面でコンテンツ印刷ボタン604cが押下されると表示される。コンテンツ一覧画面605はカテゴリーごとに選択ボタン605aを有する。例えば、ブロマイド、テレビ・映画、キャラクター、記事などのカテゴリーがあるがあくまで一例である。従業員8は興味のあるカテゴリーを選択して、芸能人、テレビ番組、映画、など詳細な項目を選択していく。従業員8は写真を印刷したり、映画などのチケットを購入したりできる。
図20(b)はコピー画面606の一例を示す図である。コピー画面606はサービス選択メニュー画面で私的コピーボタン604bが押下されると表示される。コピー画面606は各種のコピー設定ボタン606aと印刷ボタン606bを有する。従業員8はコピー設定ボタン606aを押下して各種の設定を行い、印刷ボタン606bを押下することでコピーすることができる。
図21は、私的使用完了画面607の一例を示す図である。私的使用完了画面607は、コピーやコンテンツの印刷が終了し課金が終わると表示される。なお、図21はコピーが終了した場合に表示される私的使用完了画面607である。私的使用完了画面607は、「印刷が完了しました」というメッセージ607a、ポイント残高607b、及びポイント消費量607cを表示する。従業員8は、消費したポイントや現在のポイント残高を把握できる。
図22は、ライセンス入力画面608の一例を示す図である。ライセンス入力画面608は、私的使用アプリ201aがアクティベートされていない状態でプライベートアイコンが選択されると表示される。アクティベートとは活性化という意味であり、使用可能な状態にすることをいう。ライセンス入力画面608はライセンスキーの入力を促すメッセージ608a、ライセンスキー入力欄608b、問い合わせボタン608c、及び、次へボタン608dを有する。
ライセンスキーはアクティベートするためのキー(数字とアルファベットの組み合わせ)であり、私的使用サーバ10の運営者5が管理している。管理者7が問い合わせボタン608cを押下すると運営者5の連絡先が表示され、ライセンスキーを入手できる。管理者7がライセンスキーをライセンスキー入力欄608bに入力し、次へボタン608dを押下すると、ライセンスキーが私的使用サーバ10に送信される。運営者5は企業IDとライセンスキーを複合機IDとして対応付けて企業情報DB3001に登録する。また、私的使用サーバ10はライセンスキーへの応答として私的使用アプリ201aのアクティベートを許可する信号を複合機20に送信する。これにより、私的使用アプリ201aが使用可能になる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の機器使用システム100によれば、従業員8、企業72、複合機提供企業60及び、私的使用サーバ10の運営者5がいずれも恩恵を受けることができる。また、私的使用サーバ10においてICカードBのIDmで従業員8が特定されるため、企業72の社員に配布されるICカードAに記憶されている情報が外部で管理されるおそれがない。また、ICカードBはIDmで認証されるためICカードの規格によってリーダライタ19が読めないなどの状況が生じにくいので、従業員8が有するスマフォや一般的なICカードで使用できる。また、従業員8が私的使用サーバ10にユーザ登録しても、コンビニなどの店舗74から従業員8が複合機20を一般使用できる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、企業72や施設・マンション73の他、地域団体に所属する住人4を企業72の従業員8と同様に扱うことも可能である。住人4は地方自治体、店舗74、郵便局などに会員登録しておく。この場合、社員証の代わりにマイナンバーカードを使用してよい。したがって、一般的な住人4も一般使用よりも安価に複合機20を私的使用できる。
また、従業員8がICカードBを失くしてしまった場合は、新たなICカードBを私的使用サーバ10に登録する。すなわち、新しいユーザとして登録される。また、従業員8がユーザIDとパスワードで私的使用サーバ10にログインできるので、複合機20などからIDmを変更する処理を行ってもよい。
また、私的使用アプリ201aが認証アプリ101aから、ICカードAに記憶されている従業員8の情報を取得できる場合、これらを私的使用サーバ10に送信してもよい。これにより、私的使用サーバ10はログインした従業員8の年齢、性別、所属、役職などに応じたコンテンツや広告を提供できる。
また、私的使用サーバ10は、企業72からの複合機20の使用か、店舗74からの複合機20の使用かに応じて、異なるサービス選択メニュー画面を表示させることができる。したがって、従業員8は企業72内で適切なサービスを使用し、店舗74では多種多様なサービスを使用できる。
また、本実施形態では、従業員8は、複合機20へのログインの後に、私的使用サーバ10へのログインを行った。しかし、企業72において、複合機20へログインすることなく、私的使用サーバ10へのログインできる場合、従業員8は、私的使用サーバ10へのログインの後に、複合機20へのログインを行ってもよい。この場合、私的使用サーバ10へログインした状態で、従業員8が複合機20を私的使用するとポイント消費量が高額である。このため、従業員8は複合機20へログインして、その旨を私的使用サーバ10に送信する。私的使用サーバ10は私的使用の料金表で再度、ポイント消費量を算出して複合機20に送信する。したがって、従業員8は後追い的に複合機20へログインして、ポイント消費量を下げることができる。
また、本実施形態では、ICカードを用いて従業員8が認証された。この他、Bluetooth(登録商標)、Transfer Jet(登録商標)、ZigBee(登録商標)、その他の近距離無線通信、などで複合機20がIDmに相当する情報を取得してもよい。また、従業員8が携帯する携帯端末が表示したバーコードやQRコード(登録商標)などを複合機20が読み取ってもよい。
また、私的使用サーバ10が有する各手段及び記憶部3000を、複数のコンピュータに任意に割り当ててもよい。また、記憶部3000の各データベースは私的使用サーバ10がアクセスできる場所にあれば、私的使用サーバ10が有していなくてよい。
また、図8などの構成例は、私的使用サーバ10と複合機20による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。私的使用サーバ10と複合機20の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、認証要求部49は第一の認証手段の一例であり、情報取得部51は情報取得手段の一例であり、サーバ認証要求部44は第二の認証手段の一例であり、操作受付部46は受付手段の一例であり、エンジン制御部47は機器制御手段の一例であり、送受信部41は送信手段の一例である。課金部33はポイント徴収手段の一例であり、画面制御部43は登録画面表示手段の一例であり、ユーザ情報DB3002はユーザ情報記憶部の一例であり、ユーザ情報登録部32はユーザ情報登録手段の一例である。ICカードAは第一の記憶媒体の一例であり、ICカードBは第二の記憶媒体の一例であり、企業情報DB3001は法人情報記憶手段の一例であり、従業員認証サーバ72aは認証装置の一例である。