JP6792594B2 - 鋼板の洗浄装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、矢板に衝撃を加えて矢板に付着している泥を落とした後、ローラーコンベアによって矢板をその長手方向に沿って搬送しながら高圧水を吹き付けて矢板に付いた泥を洗い流す装置が開示されている。
また、特許文献2には、ローラーコンベアによって矢板をその長手方向に沿って搬送しながら、矢板に高圧水を吹き付けつつブラシで矢板を擦って洗浄する装置が開示されている。
以下では、洗浄される鋼板が矢板Yの場合を説明する。
図1に示すように、本実施形態の鋼板の洗浄装置1(以下、単に洗浄装置1という場合がる)は、洗浄する矢板Yが配置される鋼板配置部2と、鋼板配置部2に配置された矢板Yを洗浄する洗浄部10とを備えている。
図1に示すように、鋼板配置部2は、間隔を空けて並んで配置された複数の脚部2aを備えている。この複数の脚部2aの上には、網状部材2bが配置されている。この網状部材2bは、その上面が一方(図1では左側)から他方(図1では右側)にむかって下傾する傾斜面となるように配設されている。
なお、網状部材2bの上面が特許請求の範囲にいう配置面に相当し、網状部材2bが傾斜する方向(図1では左右方向、図2(B)では上下方向)が特許請求の範囲にいう配置面の第一方向に相当する。
また、網状部材2bが傾斜する方向(配置面の第一方向)に沿った方向と交差する方向(図2(B)では左右方向)が特許請求の範囲にいう配置面の第二方向に相当する。
以下では、配置面の第一方向を縦行方向、配置面の第二方向を横行方向、といい、配置面の縦行方向に沿って移動することを縦行移動、配置面の第二方向を横行方向に沿って移動することを横行移動、という場合がある。
図1および図2に示すように、洗浄部10は、洗浄機構20と、洗浄機構20が取り付けられるフレーム11と、フレーム11(つまり洗浄機構20)を縦行移動させる洗浄ノズル縦行部12と、洗浄機構20を横行移動させる洗浄ノズル横行部13と、洗浄ノズル縦行部12および洗浄ノズル横行部13の作動を制御する制御部15(図2(A)参照)と、を備えている。
図1に示すように、洗浄機構20は、洗浄水を鋼板配置部2の傾斜面(言い換えれば傾斜面上の矢板Y)に吹き付ける洗浄ノズル21を備えている(図5参照)。この洗浄ノズル21は、洗浄水を吹き出す吹き出し口21hが傾斜面の下流側(高さの低い側、図1では右側)に向いた状態となるようにノズル保持部22に設けられている。しかも、洗浄ノズル21は、傾斜方向と平行かつ傾斜面に向かう方向に洗浄水が吹き出し口21hから吹き出されるようにノズル保持部22に設けられている。
図1および図2に示すように、鋼板配置部2の両側方には、鋼板配置部2の上面が傾斜する方向(図1では左右方向、図2(B)では上下方向、以下、傾斜方向という場合がある)に沿って一対のレール10r,10rが設置されている。
また、鋼板配置部2の上方には、鋼板配置部2を跨ぐように配置されたフレーム11が設けられている。このフレーム11は、一対の脚部11a,11aと、この一対の脚部11a,11a間に配置された梁11bと、を有している。このフレーム11の一対の脚部11a,11aは、その下端が一対のレール10r,10rにそれぞれ配置されている。この一対の脚部11a,11aの下端には、車輪11sが設けられており、この車輪11sによってフレーム11は一対のレール10r,10rに沿って移動可能、つまり、傾斜面の方向に沿って移動可能となるように設けられている。言い換えれば、フレーム11は、縦行方向に沿って移動可能に設けられている。
このフレーム11には、洗浄ノズル縦行部12が設けられている。この洗浄ノズル縦行部12は、フレーム11を傾斜面の傾斜方向(縦行方向)に沿って移動させるものであり、傾斜面の方向に沿ってフレーム11を間欠的に移動させることができる機能を有している。具体的には、洗浄ノズル縦行部12は、上述した車輪11sを駆動するモータと減速機を有する駆動源を備えている。このため、洗浄ノズル縦行部12は、モータの駆動を制御することによって、傾斜面の方向(縦行方向)に沿ってフレーム11を間欠的かつ所望の方向に移動させることができる。
図5に示すように、フレーム11の梁11bには、洗浄ノズル横行部13を介して、洗浄ノズル21を有する洗浄機構20が取り付けられている。洗浄ノズル横行部13は、梁11bの下面に設けられた一対の横行レール13r,13rを備えている。この一対の横行レール13r,13rは、断面I状の鋼材(I鋼)で形成されており、その軸方向が梁11bの長手方向(図2では左右方向、図5では紙面に垂直な方向)に沿うようかつ互いに平行となるように設置されている。しかも、一対の横行レール13r,13rは、その軸方向がほぼ水平になるように設けられている。つまり、一対の横行レール13r,13rは、鋼板配置部2の傾斜方向とほぼ直交するように、言い換えれば横行方向と平行になるようにフレーム11の梁11bに取り付けられている。
この場合、車輪14sと挟持車輪14pとを歯車等で連結して、両者が同時かつ逆向きに回転しかつ同時に停止するようにしておくことが望ましい。
図2(A)に示すように、洗浄ノズル縦行部12の駆動源および洗浄ノズル横行部13の駆動源13mは、制御部15に電気的に接続されており、制御部15によってその作動が制御されている。より詳しくは、制御部15は、洗浄ノズル縦行部12によってフレーム11とともに洗浄機構20を傾斜方向に沿って縦行移動させる方向とタイミング、縦行移動する速度を制御する機能を有している。さらに、制御部15は、洗浄ノズル横行部13によって洗浄機構20を一対の横行レール13r,13rに沿って横行移動させる方向とタイミング、横行移動する速度を制御する機能を有している。
なお、制御部15を設ける場所はとくに限定されず、フレーム11の梁11bに設けてもよい。また、本実施形態の鋼板の洗浄装置1の外部に制御部15を設けて、有線または無線で洗浄ノズル縦行部12の駆動源や洗浄ノズル横行部13の駆動源13m等に信号を送信して、装置外部から洗浄ノズル縦行部12の駆動源や洗浄ノズル横行部13の駆動源13m等を制御するようにしてもよい。
上記のごとき構成を有する本実施形態の鋼板の洗浄装置1によれば、洗浄ノズル縦行部12および洗浄ノズル横行部13によってフレーム11および洗浄機構20を移動すれば、鋼板配置部2の網状部材2b上の複数の矢板Yを自動かつ短時間で洗浄することができる。
鋼板配置部2の傾斜面の水平面に対する傾斜角度はとくに限定されない。鋼板配置部2上に安定して矢板Yを配置でき、しかも、洗浄水をスムースに下流側に流すことができる角度であればよい。例えば、鋼板配置部2の傾斜面の水平面に対する傾斜角度は2度程度以下が好ましい。
鋼板配置部2の複数の脚部2aの上に直接矢板Yを載せるようにすればよい。この場合でも、脚部2a間の空間から洗浄水を迅速に排水できるので、洗浄水によって除去された泥などが矢板Yに再付着することを防止できる。この場合には、複数の脚部2aの両端に位置する脚部2a(図1では左端と右端の脚部2a)の上面を繋ぐ面(仮想傾斜面)の傾斜角度が上記角度となり、かつ、両端に位置する脚部2aの間の脚部2aの上端が仮想傾斜面よりも上方に位置しないように配設される。
本実施形態の鋼板の洗浄装置1では、洗浄機構20の洗浄ノズル21によって洗浄水を吹き付けて矢板Yを洗浄できるが、洗浄機構20が以下の構造を有していれば、より洗浄効果を高めることができる。
図5に示すように、洗浄機構20の洗浄ノズル21は、筒状であってその先端に吹き出し口21hが形成されたものである。この洗浄ノズル21は、上述したように、洗浄水を吹き出す吹き出し口21hが傾斜方向の下流側を向いた状態となるようにノズル保持部22に設けられている。しかも、洗浄ノズル21は、傾斜方向と平行かつ傾斜面に向かう方向に洗浄水が吹き出し口21hから吹き出されるようにノズル保持部22に設けられている。具体的には、洗浄ノズル21は、その軸方向が鋼板配置部2の網状部材2bの傾斜方向に沿うように設けられており、その吹き出し口21hが鋼板配置部2の網状部材2bの傾斜方向の下流側を向くように配設されている。
洗浄ノズル21は、上記のような状態でノズル保持部22に固定されていてもよい。しかし、吹き出し口21hが鋼板配置部2の網状部材2bの傾斜方向に沿って往復移動するようになっていれば、洗浄水による矢板Yの洗浄効果を高めることができる。つまり、前記洗浄ノズル21が揺動した際に、洗浄ノズル21の吹き出し口21hから吹き出される洗浄水が網状部材2bの傾斜方向に沿って往復移動するようになっていれば、洗浄水による矢板Yの洗浄効果を高めることができる。吹き出し口21hを往復移動させる機構はとくに限定されず、どのような構造を採用してもよい。
洗浄ノズル21は、1本でもよいし2本以上設けてもよい。複数本の洗浄ノズル21を傾斜方向に並べて配置すれば、一回で洗浄できる範囲を広くできるので、洗浄時間を短くできる。また、複数本の洗浄ノズル21を横行方向に沿って並べて配置すれば、一回横行方向に移動させるだけで、同じ場所を複数回洗浄できるので、矢板Yの洗浄効果を高めることができる。
洗浄ノズル21の吹き出し口21hから吹き出される洗浄水が矢板Yに吹き付けられる位置は、吹き出し口21hと矢板Yとの鉛直方向に位置によって決定される。したがって、矢板Yの形状や大きさが変化すれば、洗浄水が矢板Yに吹き付けられる位置も変化する。
2 鋼板配置部
10 洗浄部
12 洗浄ノズル縦行部
13 洗浄ノズル横行部
15 横行部
20 洗浄機構
21 洗浄ノズル
21h 吹き出し口
25 往復移動機構
26 軸
27 カム板
27h スリット
28 回転板
28c カム
30 高さ調整機構
31 ラック
32 ピニオン
Y 矢板
Claims (4)
- 複数本の鋼板が配置される配置面を有する鋼板配置部と、
該鋼板配置部の上方に配置された、前記鋼板配置部の配置面の第一方向に沿った方向かつ該配置面に向かう方向に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズルと、
該洗浄ノズルを前記鋼板配置部の配置面の第一方向に沿った方向と交差する第二方向に移動させる洗浄ノズル横行部と、
前記洗浄ノズルを前記鋼板配置部の配置面の第一方向に沿って移動させる洗浄ノズル縦行部と、
該洗浄ノズル縦行部および前記洗浄ノズル横行部の作動を制御する制御部と、を備え、
該制御部は、
前記洗浄ノズル横行部によって前記第二方向に沿って前記洗浄ノズルを移動させる横行移動と、前記洗浄ノズル縦行部によって前記配置面の第一方向に沿って該配置面の第一方向における前記鋼板配置部の配置面の長さよりも短い距離だけで前記洗浄ノズルを移動させる縦行移動と、を繰り返すように、前記洗浄ノズル縦行部および前記洗浄ノズル横行部の作動を制御するものであり、
前記吹き出し口から洗浄水を吹き出す方向が互いに平行となるように設けられた複数の前記洗浄ノズルを備えており、
前記洗浄ノズルが揺動した際に、該洗浄ノズルの吹き出し口から吹き出される洗浄水が前記配置面の第一方向に沿って往復移動するように、該洗浄ノズルを揺動させる往復移動機構を備えており、
該往復移動機構は、
前記吹き出し口が往復移動する位相がズレるように前記複数の洗浄ノズルの揺動を制御する
ことを特徴とする鋼板の洗浄装置。 - 前記洗浄ノズルが、
一端に前記吹き出し口が設けられ、他端が前記第二方向と平行な軸を支点として揺動可能に設けられた軸状の部材によって形成されており、
前記往復移動機構が、
前記第二方向と平行な回転軸周りに回転する回転板と、
該回転板と前記洗浄ノズルを連結し、該回転板が回転すると前記洗浄ノズルの先端を前記配置面の第一方向に沿って揺動させるカム機構と、を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の鋼板の洗浄装置。 - 前記洗浄ノズルと前記鋼板配置部との距離を調整する高さ調整機能を有している
ことを特徴とする請求項1または2記載の鋼板の洗浄装置。 - 前記鋼板配置部は、
その配置面を形成する網状部材からなる天板を備えている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の鋼板の洗浄装置。
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JP2018115822A JP6792594B2 (ja) | 2018-06-19 | 2018-06-19 | 鋼板の洗浄装置 |
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