<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体指標評価システム100の外観を示す図である。図1に示すように、生体指標評価システム100は、生体指標評価装置1と生体指標測定装置2とから構成される。図1に示すように、生体指標測定装置2は、平板状の測定台10上の被測定者の体重等の生体指標を測定する装置である。生体指標評価装置1は、生体指標測定装置2から測定した生体指標を取得して生体指標の評価を行う装置である。
生体指標評価装置1は、一例としてパーソナルコンピューター、タブレット端末、携帯電話等の携帯端末等により構成される。生体指標評価装置1は、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信、あるいはLANケーブルまたはUSBケーブル等を用いた有線通信により、生体指標測定装置2から後述する測定データを受信する。生体指標評価装置1は、図1に示すように表示部62を備えており、受信した測定データに基づいて生体指標の評価を行い、評価の結果を表示部62に表示させる。
生体指標測定装置2は、平板状の測定台10と、平板状の操作パネル20とを備えている。平板状の測定台10上には、各電流供給電極11および各電圧測定電極12が、被測定者の右足及び左足に接触するように設置される。
操作パネル20は、操作部21と、表示部22とを備えている。操作部21は、被測定者からの指示を受付ける入力機器であり、例えば、電源をオン・オフするための電源ボタン、および表示部22の表示を切り替えるための表示切換ボタン等の機能ボタンを備える。また、操作部21は、被測定者の識別情報としてのID番号、ならびに被測定者の名前、年齢、性別、および身長等の各種設定を行うための設定ボタン等を備える。なお、図1においてはいずれのボタンも図示を省略している。また、操作部21に備えられるボタンはこれらに限られるものではなく、表示部22と一体に構成されたタッチパネルを操作部21として利用することも可能である。表示部22は、例えば液晶パネル等により構成されており、例えば被測定者の体重等の生体指標の測定結果が表示される。
図2は、生体指標評価システム100の機能を説明するためのブロック図である。まず、図2を参照して生体指標測定装置2の機能について説明する。図2に示すように、生体指標測定装置2は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、生体指標測定部40と、演算制御部230と、記憶装置250とを備えている。操作部21および表示部22は、図1を参照して説明した操作部21および表示部22に対応している。
通信部23は、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信インターフェース、あるいは有線通信インターフェースからなり、生体指標評価装置1との通信を行う。
演算制御部230は、例えばマイクロプロセッサ等の情報処理装置からなる。演算制御部230は、記憶装置250のプログラム記憶部251に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部231、表示制御部232、および生体指標演算部233として機能する。
通信制御部231は、生体指標評価装置1から通信部23を介して測定データの送信要求があった際に、生体指標測定部40により測定した測定データを生体指標評価装置1に送信するように通信部23を制御する。
表示制御部232は、体重等の生体指標の測定結果を表示部22に表示させる制御を行う。また、表示制御部232は、被測定者のID番号の入力を求めるメッセージを表示部22に表示させる制御を行う。表示の具体列についての詳細は後述する。
生体指標測定部40は、被測定者の生体指標を測定する。生体指標測定部40は、体組成測定部41と、体重測定部42とを含んでいる。体組成測定部41は、被測定者の体組成を測定する。図2に示すように、体組成測定部41は、電流供給部14と、電圧測定部15と、一対の電流供給電極11と、一対の電圧測定電極12と、演算制御部230の生体指標演算部233とを含んでいる。
電流供給部14は、一対の電流供給電極11の間に測定電流を供給する。測定電流は、被測定者の身体を経由して各電流供給電極11の間を流れる所定の周波数(例えば5kHz〜250kHz)の交流電流である。
電圧測定部15は、一対の電圧測定電極12の間の電圧に応じた計測信号を生成する。この計測信号は、被測定者の生体インピーダンスに応じた信号であり、A/D変換器(図示略)でデジタル信号に変換された上で生体指標演算部233に入力される。
生体指標演算部233は、生体インピーダンスに応じた計測信号に基づいて生体指標としての体組成を演算によって求める。また、生体指標演算部233は、演算によって求めた生体指標としての体組成(体脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、体水分量等)を、被測定者のID番号および測定日と関連付けて測定データとして記憶装置250に記憶させる。なお、生体指標測定装置2には、図示を省略するリアルタイムクロック(RTC)ICが備えられている。生体指標演算部233は、リアルタイムクロックICから、年、月、日等のデータを読み取ることにより、測定日を認識可能となっている。
体重測定部42は、測定台10に作用する荷重に応じて体重を測定する。体重測定部42は、図2に示すように、重量センサ16と、増幅変換部17と、演算制御部230の生体指標演算部233とを含む。重量センサ16は、測定台10に作用する荷重に応じた電圧を生成する。具体的には、測定台10の下方に配設された起歪体の変形に応じた電圧(すなわち、測定台10上の被測定者の体重に応じた電圧)を生成する歪ゲージが重量センサ16として利用することができる。増幅変換部17は、重量センサ16が生成した電圧を増幅して計測信号を生成する。この計測信号は、A/D変換器(図示略)でデジタル信号に変換された上で生体指標演算部233に入力される。生体指標演算部233は、体重に応じた計測信号に基づいて生体指標としての体重を演算によって求める。また、生体指標演算部233は、演算によって求めた生体指標としての体重を、被測定者のID番号および測定日と関連付けて測定データとして記憶装置250に記憶させる。
記憶装置250は、例えば不揮発性のメモリー、あるいはHDD(ハードディスクドライブ)等により構成され、プログラム記憶部251と、測定データ記憶部252を備えている。プログラム記憶部251には、演算制御部230が実行するプログラムや演算制御部230が利用するテーブル等の各種のデータが記憶される。
測定データ記憶部252には、生体指標測定部40により測定された生体指標、測定日、および被測定者のID番号が測定データとして記憶される。
なお、記憶装置250は、生体指標測定装置2に接続可能な不揮発性のメモリー、外付けのHDD、あるいはUSBメモリーであってもよいし、外部のサーバーあるいは外部のサーバーに接続されたHDDであってもよい。
本実施形態の生体指標測定装置2は、被測定者の生体指標として、体重、体脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、体水分量、BMI(Body Mass Index)等の測定が可能である。以下の説明において具体例を示す場合には、スポーツの実施現場における体を管理する上で慣用され、体調と関連する体重に注目し、体重の測定を行う場合を代表事例として抽出して示す。
次に、図2を参照して生体指標評価装置1の機能について説明する。生体指標評価装置1は、図2に示すように、演算制御部30と、記憶装置50と、操作部61と、表示部62と、通信部63とを備えている。生体指標評価装置1は、生体指標の被測定者自身が使用することも可能であるが、以下の説明では、一例として、スポーツの実施現場において被測定者の体を管理する管理者(以下、単に、管理者とする)によって用いられる場合について説明する。
操作部61は、管理者からの指示を受付ける入力機器であり、例えば、電源をオン・オフするための電源ボタンを備える。また、本実施形態では、一例として、表示部62と一体に構成されたタッチパネルを操作部61として利用する。本実施形態では、生体指標の評価を行う評価モードを選択するためのボタン、ならびに測定データおよび活動行為情報の取得を行うデータ取得モードを選択するためのボタンが操作部61に含まれる。また、被測定者のID番号、および後述する評価対象日および活動行為情報等を入力するスクリーンキーボード、ならびに表示部62における表示画面を切り替えるボタン等が操作部61に含まれる。なお、図2においてはいずれのボタンも図示を省略している。
表示部62は、例えば液晶パネル等により構成されており、例えば被測定者の体重等の生体指標、および生体指標の評価結果を表示する。また、生体指標の変化率の履歴を表示することも可能である。
通信部63は、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信インターフェース、あるいは有線通信インターフェースからなり、生体指標測定装置2との通信を行う。
演算制御部30は、例えばマイクロプロセッサ等の情報処理装置からなる。演算制御部30は、記憶装置50のプログラム記憶部51に記憶されたプログラムを実行することにより、測定データ取得部31、活動行為情報取得部32、記憶処理部33、評価基準作成部34、評価部35、および表示制御部36として機能する。
測定データ取得部31は、測定データおよび活動行為情報の取得を行うデータ取得モードを選択するためのボタンがクリックされると、通信部63を制御して生体指標測定装置2に測定データの送信要求を送信する。また、測定データ取得部31は、生体指標測定装置2から測定データが送信された場合には、通信部63を制御して測定データを取得する。
活動行為情報取得部32は、操作部61による入力に基づいて被測定者の活動行為情報を取得する。活動行為情報とは、活動行為を示す情報を意味する。例えば、体重の測定日に練習を行った、休みだった、あるいは試合を行った等の活動の行為に関する情報である。本実施形態では、一例として、前記測定日が練習を行った日であることを示す「練習日」、前記測定日が休みだったことを示す「休日」、および前記測定日に試合を行ったことを示す「試合日」の3種類の情報が活動行為情報として用いられる。
記憶処理部33は、測定データ取得部31によって取得した測定データ、活動行為情報取得部32によって取得した活動行為情報、および以下に説明する評価部35による評価の結果を記録データとして記憶装置50の記録データ記憶部52に記憶させる。
評価基準作成部34は、生体指標の評価対象日から遡った所定期間における活動行為情報の経過のパターンに応じて、記憶装置50の記録データ記憶部52から記録データを抽出する。評価対象日は操作部61において入力され、生体指標の任意の測定日を評価対象日に指定することが可能となっている。
活動行為情報の経過のパターンには、例えば、評価対象日の前日および前々日が「練習日」または「休日」だったという第1のパターンが含まれる。また、活動行為情報の経過のパターンには、評価対象日の前日が「試合日」だったという第2のパターンが含まれる。さらに、活動行為情報の経過のパターンには、評価対象日の前日が「練習日」または「休日」であり、かつ前々日が「試合日」だったという第3のパターンが含まれる。評価基準作成部34は、これらのパターンに応じて、記憶装置50の記録データ記憶部52に記憶された記録データの中から、評価基準の作成に用いる記録データを抽出する。詳しくは後述する。
また、評価基準作成部34は、上述のように抽出した記録データを用いて評価基準を作成する。例えば、評価基準には、体重の平均値および標準偏差に基づく適正範囲、体重の変化率の平均値等に基づく適正範囲が含まれる。詳しくは後述する。
評価部35は、評価基準作成部33によって作成された評価基準に基づいて、評価対象日における生体指標の評価を、活動行為情報の経過のパターンに応じて行う。評価には、例えば、体重の減少あるいは増加、体重の減少率の大小、あるいは、回復しているか否かが含まれる。詳しくは後述する。
なお、本実施形態の生体指標評価装置1は、被測定者の生体指標として、体重、体水分量、BMI(Body Mass Index)等の評価が可能である。以下の説明において具体例を示す場合には、スポーツの実施現場における体を管理する上で慣用され、体調と関連する体重に注目し、体重の評価を行う場合を代表事例として抽出して示す。
表示制御部36は、取得した測定データに含まれる体重等の生体指標、生体指標の変化率および生体指標の評価の結果を表示部62に表示させる制御を行う。また、表示制御部36は、被測定者のID番号、測定日、評価対象日および活動行為情報の入力を求めるメッセージを表示部62に表示させる制御を行う。さらに、表示制御部36は、後述する記録データが不足している旨のメッセージを表示部62に表示させる制御を行う。表示の具体列についての詳細は後述する。
記憶装置50は、例えば不揮発性のメモリー、あるいはHDD(ハードディスクドライブ)等により構成され、プログラム記憶部51と、記録データ記憶部52を備えている。プログラム記憶部51には、演算制御部30が実行する生体指標評価プログラムや演算制御部30が利用するテーブル等の各種のデータが記憶される。
記録データ記憶部52には、取得した測定データ、取得した活動行為情報、および生体指標の評価の結果が、互いに関連付けられて、被測定者のID番号ごとに記録データとして記憶される。記録データの具体例については後述する。
なお、記憶装置50は、生体指標評価装置1に接続可能な不揮発性のメモリー、外付けのHDD、あるいはUSBメモリーであってもよいし、外部のサーバーあるいは外部のサーバーに接続されたHDDであってもよい。
次に、本実施形態の生体指標評価システム100の全体動作について図3から図8のフローチャートを参照して説明する。
図3は、生体指標測定装置2の生体指標の測定処理を示すフローチャートである。生体指標測定装置2は、電源がオン状態にされると、動作を開始する。なお、生体指標測定装置2は、生体指標の測定を行う動作モード以外にも、種々の動作モードでの動作が可能であるが、本実施形態の説明においては、動作モードが生体指標の測定を行う動作モードに設定されているものとする。
演算制御部230の表示制御部232は、被測定者の識別情報としてのID番号の入力を促す表示を表示部22に表示させる。例えば、表示制御部232は、「ID番号を入力してください」というようなメッセージを表示部22に表示させる(図3;S1)。
前記メッセージにしたがってID番号が入力されると、生体指標演算部233は、入力されたID番号を取得して、記憶装置250に一時的に記憶させる(図3;S2)。
ID番号の取得が終了すると、生体指標演算部233は、生体指標の測定を実行する(図3;S3)。生体指標として体重を測定する場合は、生体指標演算部233は、体重測定部42の増幅変換部17から出力される被測定者の体重に応じた計測信号を入力し、体重を演算によって求める。生体指標演算部233は、体重を記憶装置250に一時的に記憶させる。
表示制御部232は、今回測定した生体指標を、表示部22に表示させる(図3;S4)。表示の方法は、生体指標の数値自体を表示してもよいし、後述するようにグラフの形式で表示させてもよい。生体指標として体重を測定する場合は、体重の数値が数字表示の形式またはグラフの形式で表示される。
生体指標の表示が終了すると、生体指標演算部233は、被測定者のID番号ごとに、測定日および生体指標を互いに関連付けて測定データとして測定データ記憶部252に記憶させる(図3;S5)。生体指標として体重を測定する場合は、被測定者のID番号ごとに、測定日および体重を互いに関連付けて測定データとして測定データ記憶部252に記憶させる。
なお、測定日については、リアルタイムクロックIC(図示せず)を参照して得られる日付を用いるものとする。但し、操作部21により測定日を入力するようにしてもよい。
以上で生体指標の測定処理は終了となる。
次に、生体指標測定装置2の通信処理について説明する。図4は、生体指標測定装置2の通信処理を示すフローチャートである。生体指標測定装置2の通信制御部231は、上述した生体指標の測定処理と並行して、所定の時間間隔で通信処理を実行する。
通信制御部231は、通信部23において生体指標評価装置1からの測定データの送信要求があったかどうかを判断する(図4;S10)。通信制御部231は、生体指標評価装置1からの測定データの送信要求がないと判断すると(図4;S10:NO)、通信処理を終了する。
一方、通信制御部231は、生体指標評価装置1からの測定データの送信要求があったと判断すると(図4;S10:YES)、記憶装置250の測定データ記憶部252から、被測定者のID番号、測定日、および生体指標を読み出し、これらを測定データとして生体指標評価装置1に送信する(図4;S11)。生体指標として体重を測定する場合は、被測定者のID番号、測定日、および体重を測定データとして生体指標評価装置1に送信する。
生体指標評価装置1からは、測定データの送信要求を随時送信可能であるが、本実施形態では、一例として、被測定者が生体指標を測定する際には、管理者が生体指標評価装置1と生体指標測定装置2との無線通信接続あるいは有線通信接続を確立させた状態で待機しているものとする。そして、管理者は、被測定者が生体指標を測定したことを確認して、生体指標評価装置1から生体指標測定装置2に測定データの送信要求を送信するものとする。したがって、本実施形態では、被測定者が生体指標を測定するごとに、測定データが生体指標測定装置2から生体指標評価装置1に送信される。
次に、生体指標評価装置1の測定データ取得処理及び活動行為情報の取得処理について説明する。図5は、生体指標評価装置1の測定データ取得処理及び活動行為情報の取得処理を示すフローチャートである。
管理者は、まず、生体指標評価装置1に予めインストールされ、記憶装置50のプログラム記憶部51に記憶されている生体指標プログラムを起動させる。生体指標プログラムが起動されると、測定データ取得部31は、生体指標評価装置1と生体指標測定装置2との接続の確立を試みる。前記接続が確立されると、生体指標評価装置1の表示部62には、生体指標の評価を行う評価モードと、測定データおよび活動行為情報の取得を行うデータ取得モードとを選択するためのボタンが表示される。
管理者が前記ボタンをクリックしてデータ取得モードを選択すると、演算制御部30の表示制御部36は、被測定者のID番号の入力を促す表示を表示部62に表示させる。例えば、表示制御部36は、「ID番号を入力してください」というようなメッセージを表示部62に表示させる(図5;S20)。
前記メッセージにしたがってID番号が入力されると、表示制御部36は、取得する測定データの測定日の入力を促す表示を表示部62に表示させる。例えば、表示制御部36は、「測定日を入力してください」というようなメッセージを表示部62に表示させる(図5;S20)。
測定データ取得部31は、操作部61により入力されたID番号と測定日を取得して、記憶装置50に一時的に記憶させる(図5;S21)。次に、測定データ取得部31は、通信部63を制御することにより、取得したID番号と測定日を含む測定データの送信要求を生体指標測定装置2に送信する(図5;S22)。
測定データ取得部31は、生体指標測定装置2から、ID番号、測定日、および生体指標を含む測定データが送信され、通信部63を介して受信される測定データを取得し、記憶装置50に一時的に記憶させる(図5;S23)。生体指標として体重を測定する場合は、ID番号、測定日、および体重が測定データとして取得され、記憶装置50に一時的に記憶される。
測定データの取得が終了すると、表示制御部36は、「本日のスケジュール実行結果を入力してください」というようなメッセージと、「練習日」、「休日」、および「試合日」の選択項目を表示部62に表示させる(図5;S24)。
活動行為情報取得部32は、スケジュール実行結果(活動行為情報)として、「練習日」、「休日」、または「試合日」のいずれかの選択項目が選択されると、選択された選択項目に対応する活動行為情報を取得し、記憶装置50に一時的に記憶させる(図5;S25)。
活動行為情報の取得が終了すると、記憶処理部33は、上述のように記憶装置50に一時的に記憶されたID番号、測定日、および生体指標と、活動行為情報とを、互いに関連付けて記録データとして記憶装置50の記録データ記憶部52に記憶させる(図5;S26)。生体指標として体重を測定する場合は、ID番号、測定日、体重、および活動行為情報が互いに関連付けられて記録データとして記憶装置50に記憶される。
記録データの記憶については種々の態様が考えられるが、本実施形態では、一例として、測定日、生体指標、および活動行為情報を記録データのテーブルTBL1のレコードとして記録データ記憶部52に記憶させる。記録データのテーブルTBL1はID番号ごとに管理している。図9は、生体指標として体重を測定した場合における記録データのテーブルTBL1の一例を示す図である。図9に示す例では、テーブルTBL1におけるID番号のレコードR1には、「0001」が記憶されている。これは、以下の記録データのレコードに記憶された記録データがID番号「0001」の被測定者の記録データであることを示している。例えば、測定日が7月3日、体重が73.7(kg)、活動行為情報が「練習日」であり、この記録データが最初の記録データであった場合には、記録データのレコードのうち、一番目のレコードR2には、次のように記録データが記憶される。レコードR2における測定日のフィールドには「7/3」、体重のフィールドには「73.7」、および活動行為情報のフィールドには「練習日」が記憶される。なお、図9に示すテーブルTBL1には、変化率1および変化率2のフィールドと評価のフィールドが存在しているが、この段階では変化率1および変化率2の算出ならびに評価が行われていないため、これらのフィールドには「−」が記憶される。
以上の記憶処理が終了すると、測定データ取得処理及び活動行為情報の取得処理が終了する。
次に、生体指標評価装置1における生体指標の評価処理について説明する。図6から図8は、生体指標評価装置1における生体指標の評価処理を示すフローチャートである。評価処理は、活動行為情報の経過のパターンによって異なる。本実施形態においては、一例として、活動行為情報の経過のパターンを次のような3種類のパターンに分類している。
(1)第1のパターン:評価対象日の前々日の活動行為情報が「練習日」または「休日」で、前日の活動行為情報が「練習日」または「休日」であるパターン。
(2)第2のパターン:評価対象日の前日の活動行為情報が「試合日」のパターン。
(3)第3のパターン:評価対象日の前日の活動行為情報が「練習日」または「休日」であり、かつ、評価対象日の前々日の活動行為情報が「試合日」に該当するパターン。
本実施形態では、評価対象日までの活動行為情報の経過のパターンが前記3種類のパターンのうちのどのパターンであるかに応じてそれぞれ異なる評価処理を行う。
まず、第1のパターンにおける評価処理ついて説明する。
(第1のパターン)
管理者が、生体指標評価装置1の表示部62に表示される生体指標の評価を行う評価モードを選択するボタンをクリックすると、図6から図8に示す評価処理が開始される。
評価処理が開始されると、表示制御部36は、被測定者のID番号の入力を促す表示を表示部62に表示させる。例えば、表示制御部36は、「ID番号を入力してください」というようなメッセージを表示部62に表示させる(図6;S30)。
前記メッセージにしたがってID番号が入力されると、表示制御部36は、評価対象日の入力を促す表示を表示部62に表示させる。例えば、表示制御部36は、「評価対象日を入力してください」というようなメッセージを表示部62に表示させる(図6;S30)。
評価基準作成部34は、入力されたID番号と評価対象日を取得して、記憶装置50に一時的に記憶させる(図6;S31、S32)。次に、評価基準作成部34は、評価対象日までの活動行為情報の経過のパターンがどのパターンであるかについて判別する(図6;S40)。活動行為情報の経過のパターンの判別は、記録データのテーブルTBL1を参照して行われる。
評価基準作成部34は、一時的に記憶させたID番号を参照して、記録データ記憶部52から該当するテーブルTBL1のレコードを特定し、特定したテーブルTBL1のレコードを参照することにより、評価対象日から遡った所定期間における活動行為情報の経過のパターンを判別する(図6;S40)。
例えば、評価を行おうとする被測定者のID番号が「0001」であり、今回の評価対象日が7月5日であったとすると、評価基準作成部34は、図9に示すようなID番号「0001」に対応する記録データのレコードを特定する。当該レコードのうち、評価対象日の前々日である7月3日が測定日のフィールドに記憶されているレコードR2においては、活動行為情報のフィールドに「練習日」が記憶されている。また、評価対象日の前日である7月4日が測定日のフィールドに記憶されているレコードR3においては、活動行為情報のフィールドに「練習日」が記憶されている。したがって、評価基準作成部34は、7月5日の評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンは、第1のパターンであると判別する(図6;S40:第1のパターン)。
評価基準作成部34は、活動行為情報の経過のパターンが第1のパターンであると判別した後、第1のパターンの基準レコードが設定されているかどうかを判断する(図6;S50)。第1のパターンの基準レコードとは、生体指標の平均値の算出に必要なレコードの数が予め定められた設定値に達した場合に設定されるレコードである。本実施形態では、前記設定値に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードが第1のパターンの基準レコードとして設定される。第1のパターンの基準レコードが設定されている場合には、当該基準レコードを含めた前記設定値分のレコード群に基づいて生体指標の平均値が算出される。また、前記基準レコードよりも新しい測定日のレコードが蓄積され、前記基準レコードの翌日から数えたレコードの数が前記設定値に達した場合には、前記基準レコードが再設定され、当該再設定された基準レコードを含めた前記設定値分のレコード群に基づいて生体指標の平均値が算出される。
評価基準作成部34は、第1のパターンの基準レコードがまだ設定されていないと判断すると(図6;S50:NO)、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図6;S60)。
本実施形態では、第1のパターンにおいて平均値算出の対象となるレコードは、評価対象日よりも前の日が測定日のフィールドに記憶されているレコードであって、活動行為情報の経過のパターンが第1のパターンと判別されるレコードである。したがって、活動行為情報の経過のパターンが第2のパターンまたは第3のパターンと判別されるレコードは、第1のパターンにおいては平均値算出の対象となるレコードから除外される。つまり、活動行為情報のフィールドに「試合日」が記憶されているレコードが存在した場合には、そのレコードの翌日と翌々日に相当するレコードは、前記対象となるレコードから除外される。
図9に示す例で、評価対象日が7月5日である場合には、平均値算出の対象となるレコードは、レコードR2とレコードR3の2つとなる。評価基準作成部34は、平均値算出の対象となるレコードの数を計数し、レコードの数が第1のパターン用の設定値N1に達したかどうかを判断する(図6;S70)。本実施形態においては、第1のパターン用の設定値N1は一例として10に設定されている。但し、設定値N1は適宜変更可能である。図9において評価対象日が7月5日の例では、平均値算出の対象となるレコードの数は2であり、評価基準作成部34は、レコードの数が設定値N1(=10)に達していないと判断する(図6;S70:NO)。
レコードの数が設定値N1(=10)に達していないと判断されると、表示制御部35は、記録データが不足している旨のメッセージを表示部62に表示させる(図6;S150)。次に、表示制御部36は、今回測定した生体指標を、表示部62に表示させる(図6;S180)。生体指標として体重を測定する例では、今回測定した体重を、表示部62に表示させる。表示の方法は、生体指標の数値自体を表示してもよいし、後述するようにグラフの形式で表示させてもよい。
生体指標表示が終了すると、記憶処理部33は、評価結果を記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。図9において評価対象日が7月5日の例では、平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N1に達していないために評価は行われない。この場合には、テーブルTBL1の記憶内容に変化はない。評価が行われない場合には、ステップS190の処理を省略するようにしてもよい。
次に、被測定者が生体指標測定装置2において生体指標の測定を繰り返し行い、生体指標評価装置1においてテーブルTBL1に記憶される記録データのレコードの数が、第1のパターンにおける生体指標の平均値算出に必要な数に達した場合について説明する。
評価基準作成部34が、評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンを、第1のパターンであると判別し(図6;S40:第1のパターン)、基準レコードがまだ設定されていないと判断したとする(図6;S50:NO)。評価基準作成部34は、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図6;S60)。例えば、図9に示す例では、評価対象日が7月13日であった場合、7月13日よりも前の測定日が測定日のフィールドに記憶されているレコードは、レコードR2からレコードR11までの10個のレコードとなる。これらのレコードは、全て第1のパターンにおける生体指標の平均値算出の対象となるレコードなので、評価基準作成部34は、平均値算出に必要なレコードの数が設定値N1に達したと判断する(図6;S70:YES)。
評価基準作成部34は、設定値N1に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードを第1のパターンの基準レコードとして設定し(図6;S80)、当該基準レコードを記憶装置50に一時的に記憶させる。図9において評価対象日が7月13日であった場合には、設定値N1に達したレコードR2からレコードR11までのレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードである、測定日が7月12日のレコードR11が第1のパターンの基準レコードとして設定される。
次に、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N1分のレコード群を、生体指標の平均値算出の対象となる対象レコード群として設定し(図6;S90)、対象レコード群を示す情報を記憶装置50に一時的に記憶させる。対象レコード群を示す情報としては、図9には図示を省略しているレコード番号等が考えられる。図9において評価対象日が7月13日であった場合には、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N1分のレコード群、即ち、レコードR2からレコードR11までのレコード群を前記対象レコード群として設定する。
評価基準作成部34は、対象レコード群に基づいて、生体指標の平均値と標準偏差を算出する(図6;S140)。また、評価基準作成部34は、生体指標の平均値と標準偏差に基づいて、評価基準を作成し(図6;S141)、記憶装置50に一時的に記憶させる。
本実施形態では、評価基準作成部34は、10日分の生体指標の平均値ave1と標準偏差SD1とを算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日の生体指標が、平均値ave1から標準偏差SD1を差し引いた値以上で、平均値ave1に標準偏差SD1を加えた値以下であることを第1のパターンにおける評価基準として作成する。
図9の例で評価対象日が7月13日であったとすると、評価基準作成部34は、レコードR2からレコードR11までの対象レコード群から体重を読み取り、10日分の体重の平均値ave1と標準偏差SD1を算出する。図9の例では、体重の平均値ave1は74.3kgであり、標準偏差SD1は0.6となる。したがって、評価基準は73.7kg以上74.9kg以下となる。
次に、評価部35は、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしているかどうかを判断する(図6;S160)。評価部35により、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしていると判断されると(図6;S160:YES)、表示制御部36は、表示部62に今回測定した生体指標を表示させる(図6;S180)。生体指標の表示は、表示部62に生体指標を数値で示してもよいし、生体指標の変化をグラフで表示させる態様であってもよい。しかし、評価部35により、今回測定した生体指標が、評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示制御部36は、表示部62にアラート表示と今回測定した生体指標の表示とを実行させる(図6;S170)。
図9の例で評価対象日が7月13日であったとすると、評価対象日の7月13日の体重は73.1kgであり、評価基準である73.7kg以上74.9kg以下を満たしていない。したがって、評価部35は、評価対象日の体重が、評価基準を満たしていないと判断する(図6;S160:NO)。表示制御部36は、評価対象日の体重が評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示部62に体重減少注意を示すアラート表示と、今回測定した体重の表示とを行わせる(図6;S170)。
図10は、表示部62における生体指標およびアラート表示画面の一例を示す図である。図10に示すように、生体指標およびアラート表示画面には、画面上部に被測定者のID番号が表示され、縦軸に体重、横軸に測定日が表示される。また、アラート表示画面においては、体重が評価基準を満たす場合には黒丸印と共に体重値が表示されるが、体重が評価基準を満たしていない場合には、体重減少注意のアラートマーク、あるいは、体重増加注意のアラートマークが表示される。図10に示す例では、7月13日の測定日において、73.1kgの体重値と共に、体重減少注意のアラートマークが表示されている。また、図10に示す例では、体重値の変化を把握し易いように各体重値を結んだ折れ線グラフが表示されている。
生体指標の表示(図6;S180)またはアラート表示および生体指標の表示(図6;S170)が終了すると、記憶処理部33は、評価結果を記録データとして記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。例えば、図9の例で評価対象日が7月13日であった場合には、レコードR12の評価のフィールドに「体重減少」を記憶させる。以上で評価処理が終了する。
次に、第1のパターンにおける基準レコードと対象レコード群の再設定処理について説明する。評価基準作成部34は、基準レコードが設定されていると判断すると(図6;S50:YES)、評価対象日の前日のレコードから基準レコードの翌日までのレコードのうち、平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図8;S100)。そして、評価基準作成部34は、抽出したレコードの数が設定値N1に達したかどうかを判断する(図6;S110)。
例えば、図9に示す例で、基準レコードがレコードR11に設定されており、評価対象日が7月16日であったとする。この場合には、評価基準作成部34は、7月16日の前日である7月15日が測定日となっているレコードR14から基準レコードであるレコードR12の翌日のレコードであるレコードR13までのレコードのうち、平均値算出の対象となるレコードを抽出する。上述したように、第1のパターンに評価処理においては、平均値算出の対象となるレコードからは第2のパターンと第3のパターンに該当するレコードは除外される。レコードR13は前日のレコードR12の活動行為情報が「試合日」であり、第2のパターンに該当する。また、レコードR14は前々日のレコードR12の活動行為情報が「試合日」であり、第3のパターンに該当する。したがって、レコードR13およびレコードR14は、第1のパターンにおける平均値算出の対象となるレコードからは除外される。その結果、平均値算出の対象となるレコードは、基準レコードの翌日のレコードであるレコードR12のみとなる。
この場合、評価基準作成部34は、平均値算出に必要なレコードの数は1であり、設定値N1に達していないと判断し(図6;S110:NO)、基準レコードと対象レコード群の再設定処理を行わない。したがって、評価部35は、既に作成されている評価基準に基づいて、評価対象日の生体指標の評価を行う(図6;S160)。図9に示す例で評価対象日が7月16日であったとすると、レコードR2からレコードR11までのレコード群における平均値と標準偏差に基づいて作成された評価基準を、評価対象日の7月16日の生体指標が満たしているかどうかが判断される。
図11は、被測定者A(ID番号=0001)の体重の測定履歴をグラフ形式で表した図である。図11に示す測定日および体重は、図9に示すテーブルTBL1に記載した測定日および体重と対応している。図11においては、試合日を黒の四角のマークで示し、練習日または休日を黒丸のマークで示している。図11に示すように、評価対象日が7月16日である場合は、7月16日の前日および前日よりも前の体重であって第1のパターンの平均値算出の対象となる体重が記憶されたレコードは、図11において(1)で示す7月13日の体重が記憶されたレコードのみとなる。したがって、この場合には、7月3日から7月12日までのレコードにおける体重の平均値と標準偏差に基づいて作成された評価基準により、評価対象日である7月16日の体重の評価が行われる。図11においては、前記評価基準を作成した範囲を「基準A」として示している。
しかし、測定が進み、第1のパターンにおいて平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N1に達したとする。この場合には、評価基準作成部34は、平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N1に達したと判断し(図6;S110:YES)、評価基準作成部34は、基準レコードの再設定(図6;S120)および対象レコード群の再設定(図6;S130)を行う。
図11に示す例では、7月13日から7月30日まで18回の測定が行われているが、この中には、活動行為情報の経過のパターンとして、前日が試合日であった第2のパターンと、前々日が試合日であった第3のパターンが含まれている。具体的には、図11に(a1)、(a2)、(a3)、(a4)で示される測定日が第2のパターンであり、(b1)、(b2)、(b3)、(b4)で示される測定日が第3のパターンである。これらの測定日のレコードは、第1のパターンにおいて平均値算出の対象となるレコードから除外される。第1のパターンにおいて平均値算出の対象となるレコードは、図11において、(1)から(10)で示す測定日のレコードである。
例えば、7月31日が評価対象日であったとする。評価対象日の前日である7月30日のレコードから、基準レコードの翌日のレコードである7月13日までのレコードのうち、第1のパターンの平均値算出の対象となるレコードは、図11に(1)から(10)で示す測定日のレコードである。この場合、評価基準作成部34は、平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N1に達したと判断する(図6;S110:YES)。
評価基準作成部34は、設定値N1に達した図11に(1)から(10)で示す測定日のレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードである、図11に(10)で示す測定日のレコードを基準レコードとして再設定する(図6;S120)。図11に(10)で示す測定日のレコードは、図9において7月30日が測定日であるレコードR29に対応している。評価基準作成部34は、レコードR29を基準レコードとして再設定し、記憶装置50に一時的に記憶させる。
また、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N1分のレコード群を、生体指標の平均値算出の対象となる対象レコード群として再設定する(図6;S130)。基準レコードを含めた設定値N1分のレコード群は、図11に(1)から(10)で示す測定日のレコードからなるレコード群となる。図11に(1)から(10)で示す測定日のレコードは、それぞれ図9におけるレコードR12,R15,R16,R19,R20,R21,R24,R25,R28,R29に対応している。評価基準作成部34は、これらのレコードR12,R15,R16,R19,R20,R21,R24,R25,R28,R29からなるレコード群を対象レコード群として再設定し、記憶装置50に一時的に記憶させる。
評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に基づいて、生体指標の平均値と標準偏差を算出する(図6;S140)。また、評価基準作成部34は、生体指標の平均値と標準偏差に基づいて、評価基準を作成し(図6;S141)、記憶装置50に一時的に記憶させる。評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に記憶された体重の平均値ave1と標準偏差SD1とを算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日の体重が、平均値ave1から標準偏差SD1を差し引いた値以上で、平均値ave1に標準偏差SD1を加えた値以下であることを、第1のパターンにおける新たな評価基準として作成する。
7月31日および7月31日より後の日においては、この新たな評価基準を用いて評価が行われることになる。図11においては、この新たな評価基準を作成した範囲を「基準B」として示している。
以下、同様にして、評価対象日の前日のレコードから、基準レコードの翌日のレコードまでのレコードのうち、第1のパターンの平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N1(=10)に達するごとに、基準レコードと対象レコード群が再設定される。また、再設定された基準レコードと対象レコード群とに基づいて新たな評価基準が作成され、新たな評価基準を用いて評価が行われる。
測定日の前日および前々日が練習日または休日である場合に、当該測定日における被測定者の体重が評価基準に対して大きく増加した場合は、エネルギー過剰が疑われる。また、被測定者の体重が評価基準に対して大きく減少した場合は、エネルギー不足、体水分量の減少が疑われる。したがって、本実施形態の評価結果を用いれば、測定日の前日および前々日が練習日または休日であるという状況に適したアドバイスを被測定者に対して行うことができる。以上のように本実施形態によれば、練習日や休日のスケジュールに合わせた適切な生体指標の評価が可能になる。
(第2のパターン)
次に、活動行為情報の経過のパターンとして、評価対象日の前日が試合日であった第2のパターンの例について説明する。
被測定者のID番号の取得と評価対象日の取得の実行後、評価基準作成部34は、活動行為情報の経過のパターンがどのパターンであるかについて判別する(図6;S40)。例えば、評価対象日が図9に示す7月14日であったとすると、評価対象日の前日である7月13日が測定日のフィールドに記憶されているレコードR12においては、活動行為情報のフィールドに「試合日」が記憶されている。したがって、評価基準作成部34は、7月14日の評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンは、第2のパターンであると判別する(図6;S40:第2のパターン)。
図7は本実施形態の評価処理における第2のパターンに特有の処理を示すフローチャートである。評価基準作成部34は、第2のパターンであると判別した後、評価対象日のレコードと評価対象日の前日のレコードとに基づいて評価対象日の生体指標の変化率を変化率1として算出する(図7;S41)。本実施形態では、生体指標の変化率として変化率1と変化率2の2種類の変化率を用いており、変化率1は、評価対象日の前日である試合日の生体指標に対する評価対象日の生体指標の変化率である。変化率2は、評価対象日の前々日である試合日の生体指標に対する評価対象日の生体指標の変化率である。第2のパターンにおいては、変化率1を用いる。
生体指標の例として体重を挙げると、一般的に、試合日の翌日は体重が減少していることが多い。しかし、体重が大きく減少している場合は、体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。そこで、本実施形態は、第2のパターンでは、試合日から見た試合日の翌日の生体指標の変化率を変化率1として算出し、この変化率1を設定値N2(=3)分集計して平均値ave2を算出し、測定した体重が平均値ave2未満の場合には体重減少率が大きいとして注意喚起することとしている。
第2のパターンにおける変化率1は次式により算出する。
変化率1[%]=(試合日の翌日の生体指標−試合日の生体指標)/試合日の生体指標*100・・・(式1)
図9に示す例で評価対象日が7月14日の場合は、レコードR13が評価対象日(試合日の翌日)のレコードとなる。また、レコードR12が評価対象日の前日(試合日)のレコードとなる。評価基準作成部34は、レコードR13の生体指標としての体重のフィールドに記憶されている72.9[kg]を読み出し、レコードR12の生体指標としての体重のフィールドに記憶されている73.1[kg]を読み出す。評価基準作成部34は、前記式1にこれらの体重を当てはめ、変化率1を、−0.3[%]と算出する。記憶処理部33は、算出された変化率1を評価対象日の変化率1として評価対象日のレコードの変化率1のフィールドに記憶させる(図7;S42)。図9に示す例で評価対象日が7月14日の場合は、レコードR13の変化率1のフィールドに、−0.3[%]が記憶される。なお、評価対象日の生体指標の変化率1が既に算出されており、評価対象日のレコードにおける生体指標のフィールドに変化率1が既に記憶されている場合には、図7に示すステップS41とステップS42の処理は省略してもよい。
変化率1の記憶処理が終了すると、評価基準作成部34は、第2のパターンの基準レコードが設定されているかどうかを判断する(図7;S51)。第2のパターンの基準レコードとは、変化率1の平均値の算出に必要なレコードの数が予め定められた設定値N2(=3)に達した場合に設定されるレコードである。本実施形態では、前記設定値N2に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードが第2のパターンの基準レコードとして設定される。第2のパターンの基準レコードが設定されている場合には、評価対象日の前日から前記基準パターンの翌日までの前記設定値分のレコード群に基づいて変化率1の平均値が算出される。また、前記基準レコードよりも新しい測定日のレコードが蓄積され、評価対象日の前日から前記基準レコードの翌日までのレコードの数が前記設定値N2に達した場合には、前記基準レコードが再設定され、評価対象日の前日から前記再設定された基準レコードの翌日までの前記設定値N2分のレコード群に基づいて変化率1の平均値が算出される。
評価基準作成部34は、第2のバターンの基準レコードがまだ設定されていないと判断すると(図7;S51:NO)、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図7;S61)。
本実施形態では、第2のパターンにおいて生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードは、評価対象日よりも前の日が測定日のフィールドに記憶されているレコードであって、活動行為情報の経過のパターンが第2のパターンと判別されるレコードである。したがって、活動行為情報の経過のパターンが第1のパターンまたは第3のパターンと判別されるレコードは、第2のパターンにおいては生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードから除外される。つまり、活動行為情報のフィールドに「試合日」が記憶されているレコードが存在した場合には、そのレコードの翌日に相当するレコード以外は、前記対象となるレコードから除外される。
図9に示す例で、評価対象日が7月14日である場合には、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードは、評価対象日前には存在していない。評価基準作成部34は、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数を計数し、レコードの数が第2のパターン用の設定値N2に達したかどうかを判断する(図7;S71)。本実施形態においては、第2のパターン用の設定値N2は一例として3に設定されている。但し、設定値N2は適宜変更可能である。図9において評価対象日が7月14日の例では、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードの数は0であり、評価基準作成部34は、レコードの数が設定値N2(=3)に達していないと判断する(図7;S71:NO)。
レコードの数が設定値N2(=3)に達していないと判断されると、表示制御部36は、記録データが不足している旨のメッセージを表示部62に表示させる(図6;S150)。次に、表示制御部36は、評価対象日の生体指標を、表示部62に表示させる(図6;S180)。生体指標として体重を測定する例では、今回測定した体重を、表示部62に表示させる。表示の方法は、生体指標の数値自体を表示してもよいし、図10のようにグラフの形式で表示させてもよい。
生体指標表示が終了すると、記憶処理部33は、評価結果を記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。図9において評価対象日が7月14日の例では、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N2に達していないために評価は行われない。この場合には、テーブルTBL1の記憶内容に変化はない。評価が行われない場合には、ステップS190の処理を省略してもよい。
次に、被測定者が生体指標測定装置2において生体指標の測定を繰り返し行い、生体指標評価装置1においてテーブルTBL1に記憶される記録データのレコードの数が、第2のパターンにおける生体指標の変化率1の平均値算出に必要な数に達した場合について説明する。
評価基準作成部34が、評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンを、第2のパターンであると判別し(図6;S40:第2のパターン)、評価対象日のレコードと評価対象日の前日のレコードとに基づいて、評価対象日の生体指標の変化率1を算出したとする(図7;S41)。また、記憶処理部33が、算出した変化率1を評価対象日のレコードの変化率1のフィールドに記憶させたとする(図7;S42)。そして、評価基準作成部34が、第2のパターンの基準レコードがまだ設定されていないと判断したとする(図7;S51:NO)。
次に、評価基準作成部34は、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図7;S61)。
例えば、図9に示す例で評価対象日が7月27日であったとする。この場合、7月27日よりも前の測定日のレコードであって、活動行為情報の経過のパターンが第2のパターンと判別されるレコードは、レコードR13,R17,R22の3個のレコードとなる。これらのレコードは、全て第2のパターンにおける変化率1の平均値算出の対象となるレコードなので、評価基準作成部34は、変化率1の平均値算出に必要なレコードの数が設定値N2に達したと判断する(図7;S71:YES)。
評価基準作成部34は、設定値N2に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードを第2のパターンの基準レコードとして設定し(図7;S81)、当該基準レコードを記憶装置50に一時的に記憶させる。図9において評価対象日が7月27日であった場合には、設定値N2に達したレコードR13,R17,R22のレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードである、測定日が7月23日のレコードR22が第2のパターンの基準レコードとして設定される。
次に、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N2分のレコード群を、生体指標の変化率1の平均値算出の対象となる対象レコード群として設定し(図7;S91)、対象レコード群を示す情報を記憶装置50に一時的に記憶させる。対象レコード群を示す情報としては、図9には図示を省略しているレコード番号等が考えられる。図9において評価対象日が7月27日であった場合には、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N2分のレコード群、即ち、レコードR13,R17,R22までのレコード群を前記対象レコード群として設定する。
評価基準作成部34は、対象レコード群に基づいて、生体指標の変化率1の平均値を算出する(図7;S142)。また、評価基準作成部34は、生体指標の変化率1の平均値に基づいて、評価基準を作成し(図7;S143)、記憶装置50に一時的に記憶させる。本実施形態では、評価基準作成部34は、3日分の生体指標の変化率1の平均値ave2を算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日の変化率1が平均値ave2以上であることを評価基準として作成する。
図9において評価対象日が7月27日であった場合には、評価基準作成部34は、対象レコード群であるレコードR13,R17,R22のそれぞれの変化率1のフィールドから、−0.3[%]、1.2[%]、および−0.1[%]を読み出す。そして、評価基準作成部34は、これらの平均値ave2を算出する。この例では、平均値ave2は、0.27%となる。したがって、評価基準は0.27[%]以上となる。
次に、評価部35は、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしているかどうかを判断する(図6;S160)。評価部35により、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしていると判断されると(図6;S160:YES)、表示制御部36は、表示部62に評価対象日の生体指標を表示させる(図6;S180)。生体指標の表示は、表示部62に生体指標を数値で示してもよいし、図10のように生体指標の変化をグラフで表示させる態様であってもよい。しかし、評価部35により、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示制御部36は、表示部62にアラート表示と評価対象日の生体指標の表示とを実行させる(図6;S170)。
図9の例で評価対象日が7月27日であったとすると、評価対象日の7月27日の変化率1は−1.2[%]であり、評価基準である0.27[%]以上を満たしていない。したがって、評価部35は、評価対象日の変化率1が、評価基準を満たしていないと判断する(図6;S160:NO)。表示制御部36は、評価対象日の変化率1が評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示部62に体重減少率大を示すアラート表示と、評価対象日の体重の表示とを行わせる(図6;S170)。
図10は、表示部62における生体指標およびアラート表示画面の一例を示す図である。図10に示すように、生体指標およびアラート表示画面には、画面上部に被測定者のID番号が表示され、縦軸に体重、横軸に測定日が表示される。また、アラート表示画面においては、評価対象日の変化率1が評価基準を満たす場合には黒丸印と共に体重値が表示されるが、評価対象日の変化率1が評価基準を満たしていない場合には、体重減少率大のアラートマークが表示される。図10に示す例では、7月27日の測定日において、74.7kgの体重値と共に、体重減少率大のアラートマークが表示されている。
生体指標の表示(図6;S180)またはアラート表示および生体指標の表示(図6;S170)が終了すると、記憶処理部37は、評価結果を記録データとして記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。例えば、図9の例で評価対象日が7月27日であった場合には、レコードR26の評価のフィールドに「体重減少率大」を記憶させる。以上で評価処理が終了する。
図12は、被測定者A(ID番号=0001)について、測定日の前日の体重に対する変化率の推移の一例を示す図である。図12においては、点線の四角形で囲んだ変化率が、変化率1を示している。図12に示す例では、7月27日の変化率1が、7月14日、7月18日、7月23日の変化率1に比べてマイナス方向に大きくなっていることが分かる。
試合日の翌日は、一般に体重が減少していることが多いが、変化率1が評価基準に対して大きく下回っている場合は体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。したがって、本実施形態の評価結果を用いれば、試合日の翌日であったという状況に適したアドバイスを被測定者に対して行うことができる。
次に、第2のパターンにおける基準レコードと対象レコード群の再設定処理について説明する。評価基準作成部34は、基準レコードが設定されていると判断すると(図7;S51:YES)、評価対象日の前日のレコードから基準レコードの翌日までのレコードのうち、変化率1の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図7;S101)。そして、評価基準作成部34は、抽出したレコードの数が設定値N2に達したかどうかを判断する(図7;S111)。
例えば、図9に示す例で、基準レコードがレコードR22に設定されており、評価対象日が図9には図示を省略する8月1日であったとする。この場合には、評価基準作成部34は、8月1日の前日である7月31日が測定日となっているレコード(図示せず)から基準レコードであるレコードR22の翌日のレコードであるレコードR23までのレコードのうち、変化率1の平均値算出の対象となるレコードを抽出する。上述したように、第2のパターンに評価処理においては、変化率1の平均値算出の対象となるレコードからは第1のパターンと第3のパターンに該当するレコードは除外される。その結果、変化率1の平均値算出の対象となるレコードは、レコードR26のみとなる。
この場合、評価基準作成部34は、変化率1の平均値算出に必要なレコードの数は1であり、設定値N2に達していないと判断し(図7;S111:NO)、基準レコードと対象レコード群の再設定処理を行わない。したがって、評価部35は、既に作成されている評価基準に基づいて、評価対象日における生体指標の変化率1の評価を行う(図6;S160)。評価対象日が8月1日であったとすると、レコードR13,R17,R22までのレコード群における変化率1の平均値に基づいて作成された評価基準を、評価対象日の8月1日の生体指標の変化率が満たしているかどうかが判断される。
しかし、測定が進み、第2のパターンにおいて変化率1の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N2に達したとする。この場合には、評価基準作成部34は、変化率1の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N2に達したと判断し(図7;S111:YES)、評価基準作成部34は、基準レコードの再設定(図7;S121)および対象レコード群の再設定(図7;S131)を行う。
評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に基づいて、生体指標の変化率1の平均値を算出する(図7;S142)。また、評価基準作成部34は、生体指標の変化率1の平均値に基づいて、評価基準を作成し(図7;S143)、記憶装置50に一時的に記憶させる。評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に記憶された生体指標の変化率1の平均値ave2を算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日における生体指標の変化率1が、平均値ave2以上であることを第2のパターンにおける新たな評価基準として作成する。新たな評価基準が作成されると、再設定された基準レコードよりも後の日を評価対象日とする場合には、この新たな評価基準を用いて評価が行われることになる。
以下、同様にして、評価対象日の前日のレコードから、基準レコードの翌日のレコードまでのレコードのうち、第2のパターンの変化率1の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N2(=3)に達するごとに、基準レコードと対象レコード群が再設定される。また、再設定された基準レコードと対象レコード群とに基づいて新たな評価基準が作成され、新たな評価基準を用いて評価が行われる。
生体指標の例として体重を挙げると、試合日の翌日は、一般に体重が減少していることが多い。しかし、評価対象日の体重が評価基準に対して大きく減少している場合は体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。したがって、本実施形態の評価結果を用いれば、試合日の翌日であったという状況に適したアドバイスを被測定者に対して行うことができる。以上のように本実施形態によれば、試合日のスケジュールに合わせた適切な体重の評価が可能になる。
(第3のパターン)
次に、活動行為情報の経過のパターンとして、評価対象日の前々日が試合日であった第3のパターンの例について説明する。
被測定者のID番号の取得と評価対象日の取得の実行後、評価基準作成部34は、活動行為情報の経過のパターンがどのパターンであるかについて判別する(図6;S40)。例えば、評価対象日が図9に示す7月15日であったとする。この場合は、評価対象日の前々日である7月13日が測定日のフィールドに記憶されているレコードR12においては、活動行為情報のフィールドに「試合日」が記憶されている。したがって、評価基準作成部34は、7月15日の評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンは、第3のパターンであると判別する(図6;S40:第3のパターン)。
図8は本実施形態の評価処理における第3のパターンに特有の処理を示すフローチャートである。評価基準作成部34は、第3のパターンであると判別した後、評価対象日のレコードと評価対象日の前々日のレコードとに基づいて評価対象日の生体指標の変化率2を算出する(図8;S43)。本実施形態では、生体指標の変化率として変化率1と変化率2の2種類の変化率を用いており、変化率1は、評価対象日の前日である試合日の生体指標に対する評価対象日の生体指標の変化率である。変化率2は、評価対象日の前々日である試合日の生体指標に対する評価対象日の生体指標の変化率である。第3のパターンにおいては、変化率2を用いる。
生体指標の例として体重を挙げると、一般的に、試合日の翌々日には減少した体重が回復していることが多く、ここで回復していなければ、体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。そこで、本実施形態は、第3のパターンでは、試合日から見た試合日の翌々日の生体指標の変化率を変化率2として算出し、この変化率2を設定値N3(=3)分集計して平均値ave3を算出し、測定した体重が平均値ave3未満の場合には体重が回復していないとして注意喚起することとしている。
第3のパターンにおける変化率2は次式により算出する。
変化率2[%]=(試合日の翌々日の生体指標−試合日の生体指標)/試合日の生体指標*100・・・(式2)
図9に示す例で評価対象日が7月15日の場合は、レコードR14が評価対象日(試合日の翌々日)のレコードとなる。また、レコードR12が評価対象日の前々日(試合日)のレコードとなる。評価基準作成部34は、レコードR14の生体指標としての体重のフィールドに記憶されている73.7[kg]を読み出し、レコードR12の生体指標としての体重のフィールドに記憶されている73.1[kg]を読み出す。評価基準作成部34は、前記式2にこれらの体重を当てはめ、変化率2を、0.8[%]と算出する。記憶処理部33は、算出された変化率2を評価対象日の変化率2として評価対象日のレコードの変化率2のフィールドに記憶させる(図8;S44)。図9に示す例で評価対象日が7月15日の場合は、レコードR14の変化率2のフィールドに、0.8[%]が記憶される。なお、評価対象日の生体指標の変化率2が既に算出されており、評価対象日のレコードにおける生体指標のフィールドに変化率2が既に記憶されている場合には、図8に示すステップS43とステップS44の処理は省略してもよい。
変化率2の記憶処理が終了すると、評価基準作成部34は、第3のパターンの基準レコードが設定されているかどうかを判断する(図8;S52)。第3のパターンの基準レコードとは、変化率2の平均値の算出に必要なレコードの数が予め定められた設定値N3(=3)に達した場合に設定されるレコードである。本実施形態では、前記設定値N3に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードが第3のパターンの基準レコードとして設定される。第3のパターンの基準レコードが設定されている場合には、評価対象日の前日から前記基準パターンの翌日までの前記設定値分のレコード群に基づいて変化率2の平均値が算出される。また、前記基準レコードよりも新しい測定日のレコードが蓄積され、評価対象日の前日から前記基準レコードの翌日までのレコードの数が前記設定値N3に達した場合には、前記基準レコードが再設定され、評価対象日の前日から前記再設定された基準レコードの翌日までの前記設定値N3分のレコード群に基づいて変化率2の平均値が算出される。
評価基準作成部34は、第3のバターンの基準レコードがまだ設定されていないと判断すると(図8;S52:NO)、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図8;S62)。
本実施形態では、第3のパターンにおいて生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードは、評価対象日よりも前の日が測定日のフィールドに記憶されているレコードであって、活動行為情報の経過のパターンが第3のパターンと判別されるレコードである。したがって、活動行為情報の経過のパターンが第1のパターンまたは第2のパターンと判別されるレコードは、第3のパターンにおいては生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードから除外される。つまり、活動行為情報のフィールドに「試合日」が記憶されているレコードが存在した場合には、当該レコードの測定日のフィールドに記憶された測定日の翌々日に相当する日が測定日のフィールドに記憶されているレコード以外は、前記対象となるレコードから除外される。
図9に示す例で、評価対象日が7月15日である場合には、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードは、評価対象日前には存在していない。評価基準作成部34は、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数を計数し、レコードの数が第3のパターン用の設定値N3に達したかどうかを判断する(図8;S72)。本実施形態においては、第3のパターン用の設定値N3は一例として3に設定されている。但し、設定値N3は適宜変更可能である。図9において評価対象日が7月15日の例では、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数は0であり、評価基準作成部34は、レコードの数が設定値N3(=3)に達していないと判断する(図8;S72:NO)。
レコードの数が設定値N3(=3)に達していないと判断されると、表示制御部35は、記録データが不足している旨のメッセージを表示部62に表示させる(図6;S150)。次に、表示制御部36は、今回測定した生体指標を、表示部62に表示させる(図6;S180)。生体指標として体重を測定する例では、今回測定した体重を、表示部62に表示させる。表示の方法は、生体指標の数値自体を表示してもよいし、図10のようにグラフの形式で表示させてもよい。
生体指標表示が終了すると、記憶処理部33は、評価結果を記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。図9において評価対象日が7月15日の例では、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N3に達していないために評価は行われない。この場合には、テーブルTBL1の記憶内容に変化はない。評価が行われない場合には、ステップS190の処理を省略してもよい。
次に、被測定者が生体指標測定装置2において生体指標の測定を繰り返し行い、生体指標評価装置1においてテーブルTBL1に記憶される記録データのレコードの数が、第3のパターンにおける生体指標の変化率2の平均値算出に必要な数に達した場合について説明する。
評価基準作成部34が、評価対象日を基準とした活動行為情報の経過のパターンを、第3のパターンであると判別し(図6;S40:第3のパターン)、評価対象日のレコードと評価対象日の前々日のレコードとに基づいて、評価対象日の生体指標の変化率2を算出したとする(図8;S43)。また、記憶処理部33が、算出した変化率2を評価対象日のレコードの変化率2のフィールドに記憶させたとする(図8;S44)。そして、評価基準作成部34が、第3のパターンの基準レコードがまだ設定されていないと判断したとする(図8;S52:NO)。
次に、評価基準作成部34は、前記特定したテーブルTBL1のレコードのうち、評価対象日の前日および前日よりも前のレコードであって、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図8;S62)。
例えば、図9に示す例で評価対象日が7月28日であったとする。この場合、7月28日よりも前の測定日のレコードであって、活動行為情報の経過のパターンが第3のパターンと判別されるレコードは、レコードR14,R18,R23の3個のレコードとなる。これらのレコードは、全て第3のパターンにおける変化率2の平均値算出の対象となるレコードなので、評価基準作成部34は、変化率2の平均値算出に必要なレコードの数が設定値N3に達したと判断する(図8;S72:YES)。
評価基準作成部34は、設定値N3に達したレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードを第3のパターンの基準レコードとして設定し(図8;S82)、当該基準レコードを記憶装置50に一時的に記憶させる。図9において評価対象日が7月28日であった場合には、設定値N3に達したレコードR14,R18,R23のレコード群のうちの最も新しい測定日のレコードである、測定日が7月24日のレコードR23が第3のパターンの基準レコードとして設定される。
次に、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N3分のレコード群を、生体指標の変化率2の平均値算出の対象となる対象レコード群として設定し(図8;S92)、対象レコード群を示す情報を記憶装置50に一時的に記憶させる。対象レコード群を示す情報としては、図9には図示を省略しているレコード番号等が考えられる。図9において評価対象日が7月28日であった場合には、評価基準作成部34は、基準レコードを含めた設定値N3分のレコード群、即ち、レコードR14,R18,R23までのレコード群を前記対象レコード群として設定する。
評価基準作成部34は、対象レコード群に基づいて、生体指標の変化率2の平均値を算出する(図8;S144)。また、評価基準作成部34は、生体指標の変化率2の平均値に基づいて、評価基準を作成し(図8;S145)、記憶装置50に一時的に記憶させる。本実施形態では、評価基準作成部34は、3日分の生体指標の変化率2の平均値ave3を算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日の変化率2が平均値ave3以上であることを評価基準として作成する。
図9において評価対象日が7月28日であった場合には、評価基準作成部34は、対象レコード群であるレコードR14,R18,R23のそれぞれの変化率2のフィールドから、0.8[%]、0.8[%]、および1.2[%]を読み出す。そして、評価基準作成部34は、これらの平均値ave3を算出する。この例では、平均値ave3は、0.93%となる。したがって、評価基準は0.93[%]以上となる。
次に、評価部35は、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしているかどうかを判断する(図6;S160)。評価部35により、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしていると判断されると(図6;S160:YES)、表示制御部36は、表示部62に評価対象日の生体指標を表示させる(図6;S180)。生体指標の表示は、表示部62に生体指標を数値で示してもよいし、図10のように生体指標の変化をグラフで表示させる態様であってもよい。しかし、評価部35により、評価対象日の生体指標が、評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示制御部36は、表示部62にアラート表示と評価対象日の生体指標の表示とを実行させる(図6;S170)。
図9の例で評価対象日が7月28日であったとすると、評価対象日の7月28日の変化率2は−0.9[%]であり、評価基準である0.93[%]以上を満たしていない。したがって、評価部35は、評価対象日の変化率2が、評価基準を満たしていないと判断する(図6;S160:NO)。表示制御部36は、評価対象日の変化率2が評価基準を満たしていないと判断されると(図6;S160:NO)、表示部62に回復完了していないことを示すアラート表示と、評価対象日の体重の表示とを行わせる(図6;S170)。
図10は、表示部62における生体指標およびアラート表示画面の一例を示す図である。図10に示すように、生体指標およびアラート表示画面には、画面上部に被測定者のID番号が表示され、縦軸に体重、横軸に測定日が表示される。また、アラート表示画面においては、評価対象日の変化率2が評価基準を満たす場合には黒丸印と共に体重値が表示されるが、評価対象日の変化率2が評価基準を満たしていない場合には、回復完了していない旨のアラートマークが表示される。図10に示す例では、7月28日の測定日において、74.9kgの体重値と共に、回復完了していない旨のアラートマークが表示されている。
生体指標の表示(図6;S180)またはアラート表示および生体指標の表示(図6;S170)が終了すると、記憶処理部37は、評価結果を記録データとして記録データ記憶部52のテーブルTBL1に記憶させる(図6;S190)。例えば、図9の例で評価対象日が7月28日であった場合には、レコードR27の評価のフィールドに「回復完了していない」を記憶させる。以上で評価処理が終了する。
図13は、被測定者A(ID番号=0001)について、測定日の前々日の体重に対する変化率の推移の一例を示す図である。図13においては、点線の四角形で囲んだ変化率が、変化率2を示している。図13に示す例では、7月28日の変化率2が、7月15日、7月19日、7月24日の変化率2に比べてマイナス方向に大きくなっていることが分かる。
一般的に、試合日の翌々日には減少した体重が回復していることが多く、変化率2が評価基準に対して大きく下回っている場合は体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。したがって、本実施形態の評価結果を用いれば、試合日の翌々日であったという状況に適したアドバイスを被測定者に対して行うことができる。
次に、第3のパターンにおける基準レコードと対象レコード群の再設定処理について説明する。評価基準作成部34は、基準レコードが設定されていると判断すると(図8;S52:YES)、評価対象日の前日のレコードから基準レコードの翌日までのレコードのうち、変化率2の平均値算出の対象となるレコードを抽出する(図8;S102)。そして、評価基準作成部34は、抽出したレコードの数が設定値N3に達したかどうかを判断する(図8;S112)。
例えば、図9に示す例で、基準レコードがレコードR23に設定されており、評価対象日が図9には図示を省略する8月2日であったとする。この場合には、評価基準作成部34は、8月2日の前日である8月1日が測定日となっているレコード(図示せず)から基準レコードであるレコードR23の翌日のレコードであるレコードR24までのレコードのうち、変化率2の平均値算出の対象となるレコードを抽出する。上述したように、第3のパターンに評価処理においては、変化率2の平均値算出の対象となるレコードからは第1のパターンと第2のパターンに該当するレコードは除外される。その結果、変化率2の平均値算出の対象となるレコードは、レコードR27のみとなる。
この場合、評価基準作成部34は、変化率2の平均値算出に必要なレコードの数は1であり、設定値N3に達していないと判断し(図8;S112:NO)、基準レコードと対象レコード群の再設定処理を行わない。したがって、評価部35は、既に作成されている評価基準に基づいて、評価対象日における生体指標の変化率2の評価を行う(図6;S160)。評価対象日が8月2日であったとすると、レコードR14,R18,R23までのレコード群における変化率2の平均値に基づいて作成された評価基準を、評価対象日の8月2日の生体指標の変化率が満たしているかどうかが判断される。
しかし、測定が進み、第3のパターンにおいて変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N3に達したとする。この場合には、評価基準作成部34は、変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N3に達したと判断し(図8;S112:YES)、評価基準作成部34は、基準レコードの再設定(図8;S122)および対象レコード群の再設定(図8;S132)を行う。
評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に基づいて、生体指標の変化率2の平均値を算出する(図8;S144)。また、評価基準作成部34は、生体指標の変化率2の平均値に基づいて、評価基準を作成し(図8;S145)、記憶装置50に一時的に記憶させる。評価基準作成部34は、再設定された対象レコード群に記憶された生体指標の変化率2の平均値ave3を算出する。また、評価基準作成部34は、評価対象日における生体指標の変化率2が、平均値ave3以上であることを第3のパターンにおける新たな評価基準として作成する。新たな評価基準が作成されると、再設定された基準レコードよりも後の日を評価対象日とする場合には、この新たな評価基準を用いて評価が行われることになる。
以下、同様にして、評価対象日の前日のレコードから、基準レコードの翌日のレコードまでのレコードのうち、第3のパターンの変化率2の平均値算出の対象となるレコードの数が設定値N3(=3)に達するごとに、基準レコードと対象レコード群が再設定される。また、再設定された基準レコードと対象レコード群とに基づいて新たな評価基準が作成され、新たな評価基準を用いて評価が行われる。
生体指標の例として体重を挙げると、一般に、試合日の翌々日には減少した体重が回復していることが多いが、試合日の翌々日の体重が評価基準に満たない場合には、体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。したがって、本実施形態の評価結果を用いれば、試合日の翌々日であったという状況に適したアドバイスを被測定者に対して行うことができる。以上のように本実施形態によれば、試合のスケジュールに合わせた適切な体重の評価が可能になる。
以上のように本実施形態によれば、練習日または休日および試合日のスケジュールに合わせて異なる評価基準を用いて生体指標の評価を行うので、試合日に向けた効果的な体調管理を行うことができる。また、試合日後の回復状態を適切に判断し、回復が十分でない場合には、適切な対応策を施すことができる。
また、誰に対しても同じ評価ではなく、各被測定者の測定履歴に基づいて、それぞれ異なる評価基準を用いるため、各被測定者に適した個別の体調管理を行うことができる。
さらに、多数の被測定者について測定履歴が得られる場合には、試合日後の生体指標の変化の傾向と、試合日後からの回復傾向を、測定履歴に基づいてパターン化することも可能であると考えられる。したがって、サッカーチーム等の集団に対して体調管理の指導を行う場合でも、集団のメンバーに対する指導をパターンに基づいて的確かつ簡潔に行うことができる。
本発明による生体指標の評価は、測定値の用紙への記入や手作業による分析を不要とするので、被測定者に対する即座のフィードバックが可能となると共に、管理者による被測定者の体調管理の簡易化を実現することができる。被測定者にとっても、煩雑な作業を行うことなく適切な評価が得られるので、被測定者本人の自己管理能力の改善につながる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図14を参照しつつ説明する。第1実施形態においては、日々の体重の測定値と該当する場合のアラートとを表示部62に表示させる態様について説明したが、本実施形態では、必要な記録データだけを抽出して表示部62に表示させるところが第1実施形態と異なる。
必要な記録データの一例としては試合日の翌日における生体指標の変化率が挙げられる。生体指標の例として体重を挙げると、一般に、試合日の翌日の体重減少を抑えることが、試合日後からの疲労回復には必要であると言われている。したがって、試合日の翌日の体重の変化率を一覧表示させることは、被測定者に日頃の適切な体調管理を実行させる上で重要である。そこで、本実施形態においては、試合日の翌日における体重の変化率の推移を示す変化率推移表示モードを設けた。操作部61の入力ボタン(図示略)を押下して被測定者のID番号を入力し、モード切換ボタン(図示略)を押下することにより、演算制御部30の評価基準作成部34は、変化率推移表示モードの処理を実行する。
評価基準作成部34は、入力されたID番号に紐付けられたテーブルTBL1を参照して、試合日に該当する測定日と、試合日に該当する測定日の体重に対する試合日の翌日に該当する測定日における体重の変化率である変化率1とを抽出する。表示制御部36は、抽出された試合日に該当する測定日と、変化率1とに基づいて表示部62に図14に示すような変化率推移表示画面を表示させる。
図14は、本実施形態における試合日の翌日における体重の変化率である変化率1の推移を示す変化率推移表示画面の一例を示す図である。図14に示すように、変化率推移表示画面においては、画面の右上に被測定者のID番号が表示される。縦軸には体重の変化率1[%]が表示され、試合日の翌日に該当する測定日における体重の変化率1が棒グラフ形式で表示される。横軸には、試合翌日の日付ではなく、試合日の日付が表示される。試合日の日付の下には、試合日の翌日に該当する測定日における体重の変化率1が数値で表示される。
管理者は、このような変化率推移表示画面を表示させ、被測定者に見せることにより、試合日の翌日における体重の変化率1を被測定者に認識させ、被測定者に指導することができる。図14に示す例では、指導の結果、被測定者の体重回復への意識が高まり、体重の変化率1(減少率)が徐々に減っていることが分かる。このように本発明の生体指標評価装置1は、教育ツールとしても活用することができる。
上述の例では、試合日の翌日における体重の変化率1だけを抽出したが、本発明はこのような構成に限定される訳ではなく、他の記録データを抽出して表示させることも可能である。例えば、試合日の翌々日における体重の変化率2だけを抽出して表示させてもよい。あるいは、試合日の翌日における体重の変化率1と試合日の翌々日における体重の変化率2とを抽出して表示させてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について図15を参照しつつ説明する。第1実施形態および第2実施形態においては、表示部62に表示される測定値等を被測定者が確認できる態様について説明したが、本実施形態では、表示部62に表示される測定値等を管理者のみが確認できる態様であるところが第1実施形態および第2実施形態と異なる。
サッカーチームのメンバー等、多数の被測定者の体調を一人の管理者が把握するためには、各被測定者の体調を一覧できることが好ましい。そこで、本実施形態においては、各被測定者の測定値等の一覧表を管理者のみが確認できる管理者モードを設けた。管理者が操作部61の入力ボタン(図示略)を押下して管理者のID番号を入力し、モード切換ボタン(図示略)を押下することにより、演算制御部30の評価基準作成部34は、管理者モードの処理を実行する。
管理者モードにおける表示には様々な態様が考えられるが、一例として、評価対象日における体重、体重の前日からの変化率、および前日のスケジュールを一覧表示する態様について説明する。
評価対象日は、操作部61の入力ボタン(図示略)により入力する。評価基準作成34は、各被測定者のテーブルTBL1を参照して、各被測定者のID番号と、入力された評価対象日に対応する測定日の体重と、体重の前日からの変化率と、入力された評価対象日の前日の活動行為情報とを抽出する。なお、テーブルTBL1に体重の前日からの変化率が記憶されていない場合には、体重の前日からの変化率を算出する。表示制御部36は、抽出されたID番号、前日の活動行為情報、体重、および体重の前日からの変化率に基づいて表示部62に図15に示すような一覧表示画面を表示させる。
図15は、本実施形態における一覧表示画面の一例を示す図である。図15に示すように、一覧表示画面においては、ID番号、名前、前日スケジュール、体重、および変化率が一覧表示される。「名前」は、例えばID番号と被測定者の名前が紐付けられたテーブルを設けておき、当該テーブルを参照することにより表示可能となる。「前日スケジュール」は、上述のように抽出された前日の活動行為情報に基づいて表示される。前日の活動行為情報が「試合日」であった場合には、図15の一覧表示画面においては「試合」と表示される。また、前日の活動行為情報が「練習日」であった場合には、図15の一覧表示画面においては「練習」と表示される。「変化率」は、上述のように入力された評価対象日に対応する測定日の前日の体重に対する、評価対象日に対応する測定日の体重の変化率である。第1実施形態で説明したように、このような変化率がテーブルTBL1に記憶されるのは、評価対象日に対応する測定日が第2のパターンに該当する場合だけである。したがって、評価対象日に対応する測定日の前日の活動行為情報が「練習日」であった場合には、前記変化率がテーブルTBL1に記憶されていない。この場合には、評価基準作成部34は、評価対象日に対応する測定日の前日の体重に対する、評価対象日に対応する測定日の体重の変化率を算出するようにすればよい。
また、評価基準作成部34は、一覧表示画面用の評価基準を作成し、当該評価基準に基づいて被測定者のグループ分けを行う。例えば評価基準作成部34は、変化率が−0.2[%]以上0.2%[%]以下であるとする評価基準を作成する。そして、評価基準作成部34は、変化率が、評価基準を上回るグループ、評価基準内のグループ、および評価基準を下回るグループに分ける。表示制御部35は、変化率が、評価基準を下回るグループを「※要注意※減少」と表示される欄に表示させ、評価基準内のグループを「範囲内」と表示される欄に表示させる。また、表示制御部35は、変化率が評価基準を上回るグループを「※要注意※増加」と表示される欄に表示させる。
管理者は、このような一覧表示画面を利用することにより、各被測定者のスケジュールに応じた体調を容易に把握することが可能になる。例えば、「※要注意※減少」の欄に表示される被測定者のうち、前日のスケジュールが「試合」である被測定者は、体調不良、グリコーゲン未回復、脱水が疑われる。また、「※要注意※減少」の欄に表示される被測定者のうち、前日のスケジュールが「練習」である被測定者は、エネルギー不足、体水分量の減少が疑われる。「※要注意※増加」の欄に表示される被測定者は、エネルギー過剰が疑われる。したがって、本実施形態の一覧表示画面を用いれば、各被測定者のスケジュールに応じた体調に合わせて適切なアドバイスを被測定者に対して行うことができる。
上述の例では、評価対象日に対応する測定日における体重の前日からの変化率を一覧表示画面に表示させたが、本発明はこのような構成に限定される訳ではなく、他の情報を一覧表示画面に表示させることも可能である。例えば、評価対象日に対応する測定日における体重の前々日からの変化率を一覧表示画面に表示させるようにしてもよい。あるいは、評価対象日に対応する測定日における体重の前日からの変化率と、評価対象日に対応する測定日における体重の前々日からの変化率とを一覧表示画面に表示させるようにしてもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について図16から図18を参照しつつ説明する。第1実施形態から第3実施形態においては、生体指標測定装置2と生体指標評価装置1とから構成される生体指標評価システム100により本発明を具現化する態様について説明した。しかし、本実施形態では、生体指標測定装置2および生体指標評価装置1の機能を有する単体の生体指標評価装置1Aを用いて本発明を具現化する態様について説明する。
図16は、本実施形態の生体指標評価装置1Aの外観を示す図である。図16に示すように、生体指標評価装置1Aは、平板状の測定台10上の被測定者の体重等の生体指標を測定すると共に、生体指標の評価を行う装置である。
図16に示すように、生体指標評価装置1Aは、第1実施形態において説明した生体指標測定装置2と同様に、平板状の測定台10と、平板状の操作パネル20とを備えている。平板状の測定台10上には、各電流供給電極11および各電圧測定電極12が、被測定者の右足及び左足に接触するように設置される。
操作パネル20には、操作部21と、表示部22とを備えている。操作部21は、第1実施形態において説明した生体指標測定装置2の操作部21の機能と、第1実施形態等で説明した生体指標評価装置1における操作部61の機能とを兼ね備えている。操作部21は、被測定者および管理者からの指示を受付ける入力機器であり、例えば、電源をオン・オフするための電源ボタン、表示部22の表示を切り替えるための表示切換ボタン等の機能ボタンを備える。また、操作部21は、被測定者の識別情報としてのID番号、管理者のID番号、評価対象日、活動行為情報、被測定者の名前、年齢、性別、および身長等の各種設定を行うための設定ボタン等を備える。さらに、操作部21は、生体指標の評価を行う評価モードを選択するためのボタン、ならび測定データおよび活動行為情報の取得を行うデータ取得モードを選択するためのボタンを備える。また、操作部21は、評価対象日および活動行為情報等を入力するボタン、ならびに表示部62における表示画面を切り替えるボタン等を備える。また、操作部21に備えられるボタンはこれらに限られるものではなく、表示部22と一体に構成されたタッチパネルを操作部21として利用することも可能である。なお、図16においてはいずれのボタンも図示を省略している。
表示部22は、第1実施形態において説明した生体指標測定装置2の表示部22の機能と、第1実施形態等で説明した生体指標評価装置1における表示部62の機能とを兼ね備えている。表示部22は、例えば液晶パネル等により構成されており、例えば被測定者の体重等の生体指標の測定結果、生体指標の評価結果、生体指標の変化率等が表示される。
図17は、生体指標評価装置1Aの機能を説明するためのブロック図である。図17に示すように、生体指標評価装置1Aは、操作部21と、表示部22と、演算制御部230と、生体指標測定部40と、記憶装置250とを備えている。
生体指標評価装置1Aにおける生体指標測定部40は、第1実施形態等で説明した生体指標測定装置2における生体指標測定部40と同様の機能を備えている。生体指標測定部40は、被測定者の生体指標を測定する。生体指標測定部40は、体組成測定部41と、体重測定部42とを含んでいる。体組成測定部41および体重測定部42の機能は、第1実施形態等で説明した機能と同様なので説明を省略する。
生体指標評価装置1Aの演算制御部230は、第1実施形態において説明した生体指標測定装置2の演算制御部230の機能と、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の演算制御部30の機能とを兼ね備えている。演算制御部230は、例えばマイクロプロセッサ等の情報処理装置からなる。演算制御部230は、記憶装置250のプログラム記憶部251に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部232、生体指標演算部233、活動行為情報取得部235、記憶処理部236、評価基準作成部237、および評価部238として機能する。なお、本実施形態においては、測定データの取得を行う必要はないので、演算制御部230は測定データ取得部として機能することはない。
なお、生体指標評価装置1Aには、第1実施形態等において説明した生体指標測定装置2の通信部23と、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の通信部63とに相当する通信部は備えられていない。また、生体指標評価装置1Aの演算制御部230には、第1実施形態において説明した生体指標測定装置2の演算制御部230における通信制御部231としては機能しない。したがって、生体指標評価装置1Aでは、第1実施形態で説明した図4に示す通信処理制御は行われない。
生体指標評価装置1Aの表示制御部232は、第1実施形態等において説明した生体指標測定装置2の表示制御部232の機能と、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の表示制御部36の機能とを兼ね備えている。表示制御部232は、被測定者および管理者のID番号の入力を求めるメッセージ、評価対象日、および活動行為情報の入力を求めるメッセージ、ならびに記録データが不足している旨のメッセージを表示部22に表示させる制御を行う。また、表示制御部232は、体重等の生体指標の測定結果、生体指標の変化率、および生体指標の評価の結果を表示部22に表示させる制御を行う。
生体指標評価装置1Aの生体指標演算部233は、第1実施形態等において説明した生体指標測定装置2の生体指標演算部233と同様の機能を備えている。生体指標演算部233は、被測定者の生体インピーダンスに応じた計測信号および被測定者の体重に応じた計測信号に基づいて、生体指標としての体組成(体脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、体水分量等)および体重を演算によって求める。
生体指標評価装置1Aの活動行為情報取得部235は、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の活動行為情報取得部32と同様の機能を備えている。活動行為情報取得部235は、操作部21による入力に基づいて被測定者の活動行為情報を取得する。活動行為情報は、上述した各実施形態で説明した活動行為情報と同様である。
生体指標評価装置1Aの記憶処理部236は、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の記憶処理部33と同様の機能を備えている。記憶処理部236は、生体指標演算部233によって求めた生体指標と、リアルタイムクロックIC(図示せず)を参照して得られる測定日とを、ID番号に関連付けて、記録データ記憶部253に記憶されたテーブルTBL1に記録データとして記憶させる。また、記憶処理部236は、活動行為情報取得部236によって取得した活動行為情報、評価部238による評価の結果を記録データとして記録データ記憶部253に記憶されたテーブルTBL1に記憶させる。
生体指標評価装置1Aの評価基準作成部237は、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の評価基準作成部34と同様の機能を備えている。評価基準作成部237は、活動行為情報の経過のパターンに応じて、評価基準作成部237は、記憶装置250の記録データ記憶部253に記憶された記録データの中から、評価基準の作成に用いる記録データを抽出する。評価基準作成部237は、抽出した記録データを用いて評価基準を作成する。
生体指標評価装置1Aの評価部238は、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の評価部35と同様の機能を備えている。評価部238は、評価基準作成部237によって作成された評価基準に基づいて、評価対象日における生体指標の評価を、活動行為情報の経過のパターンに応じて行う。
生体指標評価装置1Aの記憶装置250は、第1実施形態等において説明した生体指標測定装置2の記憶装置250の機能と、第1実施形態等において説明した生体指標評価装置1の記憶装置50の機能とを兼ね備えている。記憶装置250は、例えば不揮発性のメモリー、あるいはHDD(ハードディスクドライブ)等により構成され、プログラム記憶部251と、記録データ記憶部253とを備えている。なお、本実施形態においては、測定データを取得する必要はないので、記憶装置250は測定データ記憶部を備えていない。プログラム記憶部251には、演算制御部230が実行する生体指標測定プログラム、生体指標評価プログラム、および演算制御部230が利用するテーブル等の各種のデータが記憶される。記録データ記憶部253には、生体指標、活動行為情報、および生体指標の評価の結果が、互いに関連付けられて、被測定者のID番号ごとに記録データとして記憶される。
なお、記憶装置250は、生体指標評価装置1Aに接続可能な不揮発性のメモリー、外付けのHDD、あるいはUSBメモリーであってもよいし、外部のサーバーあるいは外部のサーバーに接続されたHDDであってもよい。
次に、本実施形態の生体指標評価装置1Aの全体動作について説明する。生体指標の測定処理については、第1実施形態において図3を参照して説明した生体指標の測定処理と異なる箇所を説明する。
図18は、本実施形態における生体指標評価装置1Aの生体指標の測定処理を示すフローチャートである。第1実施形態においては、図3に示すように、生体指標演算部233は、被測定者のID番号ごとに、測定日および生体指標を互いに関連付けて測定データとして測定データ記憶部252に記憶させる(図3;S5)。しかしながら、本実施形態においては、生体指標演算部233は、被測定者のID番号を参照して、記録データ記憶部253から該当するテーブルTBL1のレコードを特定する。次に、記憶処理部236は、リアルタイムクロックIC(図示せず)を参照して現在の年、月、および日を測定日として、特定したレコードの測定日のフィールドに記憶させる。そして、記憶処理部236は、測定した生体指標を、前記レコードの生体指標のフィールドに記憶させる(図18;S6)。
生体指標評価装置1の測定データ取得処理及び活動行為情報の取得処理について説明する。図19は、生体指標評価装置1Aにおける活動行為情報の取得処理を示すフローチャートである。
管理者は、まず、生体指標評価装置1Aにおける記憶装置250のプログラム記憶部251に記憶されている生体指標プログラムを起動させる。生体指標プログラムは、操作部21における活動行為情報の取得を行うデータ取得モードを選択するためのボタンをクリックすることにより起動される。
管理者が前記ボタンをクリックしてデータ取得モードを選択すると、演算制御部230の表示制御部232は、被測定者のID番号の入力を促す表示を表示部22に表示させる。例えば、表示制御部232は、「ID番号を入力してください」というようなメッセージを表示部22に表示させる(図19;S200)。
記憶処理部236は、入力されたID番号を、記憶装置250に一時的に記憶させる。ID番号の入力が終了すると、表示制御部232は、「本日のスケジュール実行結果を入力してください」というようなメッセージと、「練習日」、「休日」、および「試合日」の選択項目を表示部22に表示させる(図19;S201)。
活動行為情報取得部235は、スケジュール実行結果として、「練習日」、「休日」、または「試合日」のいずれかの選択項目が選択されると、選択された選択項目に対応する活動行為情報を取得し、記憶装置250に一時的に記憶させる(図19;S202)。
活動行為情報の取得が終了すると、記憶処理部236は、上述のように記憶装置250に一時的に記憶されたID番号を参照して、記録データ記憶部253から該当するテーブルTBL1のレコードを特定する。次に、記憶処理部236は、リアルタイムクロックIC(図示せず)を参照して得られる測定日のレコードを特定する。次に、記憶処理部236は、記憶装置250に一時的に記憶させた活動行為情報を、特定したレコードの活動行為情報のフィールドに記録データとして記憶させる(図19;S203)。生体指標として体重を測定する場合は、ID番号、測定日、体重、および活動行為情報が互いに関連付けられて記録データとして記録データ記憶部253に記憶されたテーブルTBL1に記憶される。
記録データの記憶については種々の態様が考えられるが、本実施形態では、第1実施形態と同様に、測定日、生体指標、および活動行為情報を図9に示す記録データのテーブルTBL1のレコードとして記録データ記憶部253に記憶させる。記録データのテーブルTBL1はID番号ごとに管理している。
以上の記憶処理が終了すると、活動行為情報の取得処理が終了する。
次に、生体指標評価装置1Aにおける生体指標の評価処理について説明する。本実施形態における生体指標の評価処理は、第1実施形態において図6から図8を参照して説明した生体指標の評価処理と同様である。本実施形態における生体指標の評価処理は、表示制御部232、記憶処理部236、評価基準作成部237、および評価部238によって実行される。詳細な説明は省略するが、本実施形態においても、活動行為情報の経過のパターンに応じて記録データが記録データ記憶部253から抽出され、抽出された記録データに基づいて評価基準が作成される。そして、評価基準に基づいて評価対象日における生体指標の評価が行われる。生体指標および評価結果は、第1実施形態において図10を参照して説明したように、生体指標およびアラート表示画面として表示部22に表示される。
したがって、本実施形態においても、練習日または休日および試合日のスケジュールに合わせて異なる評価基準を用いて生体指標の評価を行うので、試合日に向けた効果的な体調管理を行うことができる。また、試合日後の回復状態を適切に判断し、回復が十分でない場合には、適切な対応策を施すことができる。
また、誰に対しても同じ評価ではなく、各被測定者の測定履歴に基づいて、それぞれ異なる評価基準を用いるため、各被測定者に適した個別の体調管理を行うことができる。
さらに、多数の被測定者について測定履歴が得られる場合には、試合日後の生体指標の変化の傾向と、試合日後からの回復傾向を、測定履歴に基づいてパターン化することも可能であると考えられる。したがって、サッカーチーム等の集団に対して体調管理の指導を行う場合でも、集団のメンバーに対する指導をパターンに基づいて的確かつ簡潔に行うことができる。
さらに、本実施形態においても、生体指標の評価は、測定値の用紙への記入や手作業による分析を不要とするので、被測定者に対する即座のフィードバックが可能となると共に、管理者による被測定者の体調管理の簡易化を実現することができる。被測定者にとっても、煩雑な作業を行うことなく適切な評価が得られるので、被測定者本人の自己管理能力の改善につながる。
本実施形態の生体指標評価装置1Aでは、第2実施形態において図14を参照して説明した必要な記録データだけを抽出して表示部22に表示させることも可能である。管理者は、生体指標評価装置1Aを用いて図14に示すような変化率推移表示画面を表示させ、被測定者に見せることにより、試合日の翌日における体重の変化率を被測定者に認識させ、被測定者に指導することができる。したがって、生体指標評価装置1Aは、教育ツールとしても活用することができる。
本実施形態の生体指標評価装置1Aでは、第3実施形態において図15を参照して説明した管理者のみが確認できる測定者の測定値等の一覧表示画面を表示部22に表示させることも可能である。例えば、本実施形態の生体指標評価装置1Aにおいても、図15に示すような、ID番号、前日の活動行為情報、体重、および体重の前日からの変化率を、評価基準に基づいて被測定者のグループ分けを行って表示部22に表示させる。したがって、本実施形態においても、管理者は、このような一覧表示画面を利用することにより、各被測定者のスケジュールに応じた体調を容易に把握することが可能になる。また、本実施形態においても、各被測定者のスケジュールに応じた体調に合わせて適切なアドバイスを被測定者に対して行うことができる。
なお、第4実施形態においては、生体指標を直接テーブルTBL1に記録データとして記憶させる。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、記憶装置250に測定データ記憶部を備え、生体指標を測定データ記憶部に記憶させてから記録データ記憶部253に記憶されたテーブルTBL1に記録データとして記憶させてもよい。あるいは、生体指標が算出された時、または生体指標が測定データ記憶部に記憶された時に、記憶処理部236がテーブルTBL1に記憶させるようにしてもよい。
<変形例>
以上の実施形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
(1)変形例1
以上の実施形態では、生体指標として体重を用いた例について説明したが、本発明はこのような構成に限定される訳ではない。例えば、生体指標として体水分量、BMI(Body Mass Index)等のスポーツの実施現場における体を管理する上で用いてもよい。
(2)変形例2
以上の実施形態では、活動行為情報の経過のパターンとして、第1のパターンから第3のパターンまでの3種類のパターンを用いたが、本発明はこのような構成に限定される訳ではなく、パターンの種類を適宜増やすことが可能である。例えば、試合日が2日続くようなパターン、あるいは試合日が1日おきに行われるようなパターンを加えてもよい。また、試合日が連続した場合の試合日の翌日における生体指標の評価は、第2のパターンを優先して行うようにしてもよい。
(3)変形例3
以上の実施形態では、記憶装置50を生体指標評価装置1に内蔵する例について説明したが、本発明はこのような構成に限定される訳ではなく、記憶装置50を外部のサーバー等に設置するようにしてもよい。また、以上の実施形態では、記憶装置250を生体指標測定装置2および生体指標評価装置1Aに内蔵する例について説明したが、本発明はこのような構成に限定される訳ではなく、記憶装置250を外部のサーバー等に設置するようにしてもよい。
(4)変形例4
以上の実施形態では、活動行為情報の経過のパターンが第1のパターンの場合、評価基準値を算出する際に標準偏差を用いたが、任意のばらつき尺度が採用され得る。例えば、測定値の分散またはレベル値の変動係数(標準偏差をその集団の平均値で除算した値)がばらつき尺度として採用可能である。
(5)変形例5
第1実施形態から第3実施形態においては、測定データを生体指標測定装置2から生体指標評価装置1に送信する態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、測定データはUSBメモリー等の記憶媒体を用いて生体指標測定装置2から生体指標評価装置1に受け渡すようにしてもよい。
(6)変形例6
第1実施形態から第3実施形態においては、活動行為情報を生体指標評価装置1において入力する態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、活動行為情報を生体指標測定装置2により入力し、通信またはUSBメモリー等の記憶媒体を用いて生体指標評価装置1により活動行為情報を取得するようにしてもよい。
(7)変形例7
第1実施形態から第3実施形態においては、生体指標の変化率を生体指標評価装置1において算出する態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、生体指標の変化率を生体指標測定装置2により算出し、通信またはUSBメモリー等の記憶媒体を用いて生体指標評価装置1により生体指標の変化率を取得するようにしてもよい。
(8)変形例8
以上の実施形態においては、管理者がボタン等を選択することにより活動行為情報を取得する態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、測定日と活動行為情報とが関係付けられたスケジュールテーブルを予め用意しておき、スケジュールテーブルを参照することにより、活動行為情報を取得してもよい。
(9)変形例9
第1実施形態から第3実施形態では、被測定者が生体指標を測定するごとに、生体指標評価装置1において測定データを生体指標測定装置2から取得する態様について説明した。また、第4実施形態では、被測定者が生体指標を測定するごとに、管理者が測定データの取得処理を実行させる態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、測定データをまとめて取得するようにしてもよい。例えば、1日ごとに全ての被測定者の測定データをまとめて取得してもよいし、所定期間ごとに全ての被測定者の測定データをまとめて取得してもよい。測定データをまとめて取得する場合には、図5を参照した説明した測定データの測定処理および活動行為情報取得処理を必要回数に応じて実行すればよい。
(10)変形例10
以上の実施形態では、生体指標評価プログラムを、生体指標評価装置1における記憶装置50のプログラム記憶部51、または生体指標評価装置1Aにおける記憶部250のプログラム記憶部251に記憶させる態様について説明した。しかし、本発明はこのような態様に限定される訳ではない。前記生体指標評価プログラムは、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体に記憶させるようにしてもよい。このような記録媒体としては、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピューター読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。