<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明においては、本発明の第1の実施形態の電池管理装置が、予め定めた同じ物理量をセンサによって検出する電池駆動型の現場機器である3つのセンサ装置のそれぞれに搭載された電池を管理する場合の一例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における電池管理装置の概略構成、および電池管理装置によって管理する現場機器(センサ装置)を含んで構築される第1の実施形態における電池管理システムの概略構成を示したブロック図である。電池管理システム1は、ゲートウェイ装置10と、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置とを含んで構成される。以下の説明においては、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置を区別せずに表す場合には、「センサ装置20」という。
図1には、本発明の第1の実施形態の電池管理装置が、ゲートウェイ装置10として構成され、ゲートウェイ装置10が、電池管理装置によって電池を管理する対象の3つのセンサ装置20のそれぞれと無線通信30によって接続されている構成の電池管理システム1を示している。また、図1には、電池管理システム1がセンサ装置20から取得した測定値などのデータを、フィールドネットワーク40を介してやり取りする(送受信)する上位システム50を併せて示している。
フィールドネットワーク40は、プラント内に構築された有線または無線の専用の通信ネットワークである。フィールドネットワーク40に適用される通信規格としては、例えば、ISA100.11aなどの工業用の無線規格、センサネットワークシステムなどの無線規格、Wireless/Wired HART(登録商標)などの無線と有線とが混在した通信規格、MODBUS(登録商標)などのマスター/スレーブ方式の通信規格、FOUNDATION(登録商標)フィールドバス、PROFIBUS(PROCESS FIELD BUS)(登録商標)などのフィールドバス規格など、プラントにおいて適用される種々の通信規格や方式が考えられる。
なお、プラントとしては、石油の精製や化学製品の生産を行う工業プラントの他、ガス田や油田などの井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力などの発電を管理制御するプラント、太陽光や風力などの環境発電を管理制御するプラント、上下水やダムなどを管理制御するプラントなどが含まれる。
上位システム50は、プラントに構築されるシステムにおける上位の制御システムである。上位システム50は、プラント内に配置されたそれぞれの設備が稼働している状態を監視し、それぞれの設備の運転の制御などを行う。上位システム50は、例えば、分散制御システム(Distributed Control System:DCS)などの制御システムである。
センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれは、プラントにおいてIIoT(Industrial Internet of Things:産業用IoT(Internet of Things:モノのインターネット))を実現するために、プラント内に配置された設備に設置される電池駆動型の現場機器(測定器)である。センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれは、プラント内に配置された設備において予め定めた物理量を検出する位置に設置され、通常の動作において、センサによって予め定めた物理量を検出する。電池管理システム1においてセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれは、プラント内に配置された設備において近接する位置(以下、「同じ位置」という)に設置される。従って、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれは、設置された設備における予め定めた同じ物理量をセンサによって検出する。そして、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれは、センサによって検出した物理量を表す測定値を、無線通信30によってゲートウェイ装置10に出力(送信)する。
電池管理システム1では、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれが、1つのセンサ装置20であるものとして動作する。このため、電池管理システム1では、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれが、同じグループに属するセンサ装置20であると定義され、電池管理装置によって、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれの動作(稼働)が制御される。より具体的には、電池管理システム1では、電池管理装置からの制御に応じて、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのいずれか1つのセンサ装置20のみが通常の動作を行い、残りのセンサ装置20は、待機(スリープ)状態になって動作が停止するように制御される。このため、電池管理システム1では、電池管理装置によって通常の動作を行うように制御されたセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのいずれか1つのセンサ装置20のみが、センサによって検出した物理量を表す測定値を、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)する。そして、電池管理システム1では、電池管理装置によって動作を停止するように制御された残りのセンサ装置20に搭載された電池の消費が抑えられる。
センサ装置20は、電池201と、センサ管理部202と、無線インターフェース(I/F)部203と、記憶部204と、センサ205とを含んで構成される。なお、図1においては、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれに備えた上述の構成要素を区別するため、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれの符号の一部、より具体的には、「A」、「B」、または「C」を、それぞれの構成要素の符号の「数字」の後に付与して示している。
電池201は、センサ装置20に備えたそれぞれの構成要素に電源を供給する小型の電池である。電池201は、例えば、単三形の電池である。なお、電池201は、単三形の乾電池(一次電池)であっても、例えば、リチウムイオン二次電池などの充電式の電池であってもよい。
センサ205は、センサ装置20が設置された設備の位置において予め定めた物理量(アナログ量)を検出するセンサである。センサ205は、例えば、設備の振動を検出する振動センサや、設備の温度を検出する温度センサである。センサ205は、通常の動作において、検出した物理量を表す信号を、センサ管理部202に出力する。なお、センサ205は、上述したような振動センサや温度センサに限定されるものではなく、設備における様々な物理量を検出する様々なセンサが考えられる。
記憶部204は、少なくとも、センサ装置20自体を識別するための識別情報(ID)(以下、「機器ID」という)と、電池管理システム1において定義されたグループ内のみでそれぞれのセンサ装置20を識別するためのタグ情報(以下、「機器タグ」という)とを記憶する記憶部である。記憶部204は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの種々のメモリを含んで構成され、機器IDおよび機器タグのそれぞれの情報を記憶している。
ここで、機器IDは、センサ装置20に対して排他的に付与された型番(シリアル番号)など、センサ装置20のそれぞれを識別するための情報である。機器IDとしては、例えば、センサ装置20のそれぞれを一意に識別するために予め割り当てられる64ビットの識別情報(機器固有情報)である「EUI64」などの識別情報を用いることができる。なお、機器IDは、変更することができない識別情報である。
また、機器タグは、電池管理装置がセンサ装置20の動作(稼働)を制御する際に、電池管理システム1において定義された同じグループ内のみで、センサ装置20のそれぞれを別々に識別するために設定する任意のタグ情報である。そして、機器タグは、電池管理装置によるセンサ装置20の動作(稼働)の制御において、変更することができるタグ情報である。機器タグは、例えば、センサ装置20の製品名と、排他的な記号や番号とを組み合わせて、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20を別々に識別するためのタグ情報を設定してもよいし、通常の動作を行うように制御しているセンサ装置20と、動作を停止するように制御しているセンサ装置20とを区別するためのタグ情報を設定してもよい。例えば、センサ装置20Aの機器タグを「センサA」、センサ装置20Bの機器タグを「センサB」、センサ装置20Cの機器タグを「センサC」として、排他的な機器タグを設定してもよい。また、通常の動作を行うように制御しているセンサ装置20の機器タグを「通常動作センサ」とし、動作を停止するように制御している複数のセンサ装置20の機器タグを未設定としてもよいし、「停止センサ」などの同じ機器タグを設定してもよい。
なお、本発明においては、記憶部204に記憶している機器IDおよび機器タグの形式に関しては、特に規定しない。
なお、記憶部204は、機器IDおよび機器タグに加えて、電池管理システム1において定義されたセンサ装置20のグループを識別するためのタグ情報(以下、「グループタグ」という)を記憶する構成であってもよい。ここで、グループタグは、電池管理システム1において定義されたセンサ装置20のグループごとに排他的に設定する、同じグループに属する全てのセンサ装置20を1つに総合して識別するための情報である。グループタグとしては、例えば、同じグループに属するセンサ装置20が設置されている設備(設備の位置、設備の番号など)や、設備において検出する物理量など、プラントにおいてセンサ装置20のグループを1つのセンサ装置20として識別するためのタグ情報を設定してもよい。
センサ管理部202は、センサ装置20の全体を制御する制御部である。センサ管理部202は、センサ205が検出して出力した物理量を表す測定値を算出する。なお、本発明においては、センサ管理部202がセンサ205から出力された物理量を表す測定値の算出方法に関しては、特に規定しない。センサ管理部202は、算出した測定値のデータを無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。このとき、センサ管理部202は、記憶部204に記憶されている機器IDの情報を、算出した測定値と共に無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。これにより、無線通信30を介して出力(送信)さてきた測定値を受信したゲートウェイ装置10は、測定値のデータと共に出力(送信)さてきた機器IDの情報に基づいて、いずれのセンサ装置20から測定値が出力(送信)されてきたのかを認識することができる。
なお、センサ管理部202は、測定値のデータをゲートウェイ装置10に出力(送信)する際に、機器IDの情報と共に、または機器IDの情報に代わって、機器タグの情報を無線インターフェース部203に出力してもよい。この場合でも、ゲートウェイ装置10は、測定値のデータと共に出力(送信)さてきた機器タグの情報に基づいて、測定値を出力(送信)してきたセンサ装置20を認識することができる。
また、センサ管理部202は、無線通信30を介して電池管理装置から出力(送信)され、無線インターフェース部203から出力されたセンサ装置20の動作(稼働)を制御する制御情報(以下、「動作制御情報」という)に従って、センサ装置20に備えたそれぞれの構成要素への電池201からの電源の供給を制御する。より具体的には、電池管理装置から通常の動作をするように制御されたセンサ装置20に備えたセンサ管理部202は、電池201と、無線インターフェース部203、記憶部204、およびセンサ205とを接続して、電池201がそれぞれの構成要素に電源を供給するように制御する。また、電池管理装置から動作を停止するように制御されたセンサ装置20に備えたセンサ管理部202は、電池201と、無線インターフェース部203、記憶部204、およびセンサ205との接続を遮断して、電池201がそれぞれの構成要素に電源を供給しないように制御し、電池201の消費を抑えるようにする。
また、センサ管理部202は、電池201の消費量(言い換えれば、電池201の残量)を監視し、監視した電池201の消費量に基づいて、電池201の電池寿命を判定する。そして、センサ管理部202は、監視した電池201の消費量が、予め定めた消費量よりも多くなった場合に、電池201の電池寿命が近づいてきたことを表す情報(以下、「電池寿命情報」という)を無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10(つまり、電池管理装置)に出力(送信)させる。例えば、センサ管理部202は、電池201の出力電圧を監視し、監視している出力電圧が予め定めた電圧値よりも低くなった場合に、電池201の電池寿命が近づいてきたと判定し、電池寿命情報を電池管理装置に出力(送信)する。なお、本発明においては、センサ管理部202が電池201の消費量を監視する方法に関しては、特に規定しない。センサ管理部202は、記憶部204に記憶されている機器IDの情報および機器タグの情報のいずれか一方、または両方の情報を、電池寿命情報と共に無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。これにより、無線通信30を介して出力(送信)さてきた電池寿命情報を受信した電池管理装置は、電池寿命情報と共に出力(送信)さてきた情報に基づいて、いずれのセンサ装置20の電池201の電池寿命が近づいてきたのかを認識することができる。そして、センサ管理部202は、出力(送信)した電池寿命情報に応じて電池管理装置から出力(送信)された動作制御情報に従って、センサ装置20に備えたそれぞれの構成要素への電池201からの電源の供給を制御する。
なお、電池管理装置によって動作を停止するように制御されたセンサ装置20に備えたそれぞれの構成要素は、電池201の消費を抑えるために動作を停止しているが、センサ管理部202は、予め定めた一定の時間(例えば、24時間)ごとに能動的に起動する。例えば、センサ管理部202において、タイマー機能のみは動作を停止せず、予め定めた一定の時間ごとに起動する。そして、能動的に起動したセンサ管理部202は、電池201の残量を確認し、確認した電池201の残量を表す情報(以下、「電池残量情報」という)を無線インターフェース部203に出力して、無線通信30を介してゲートウェイ装置10(つまり、電池管理装置)に出力(送信)させる。このときも、センサ管理部202は、記憶部204に記憶されている機器IDの情報を、電池残量情報と共に無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。これにより、無線通信30を介して出力(送信)さてきた電池残量情報を受信した電池管理装置は、動作を停止するように制御しているそれぞれのセンサ装置20に備えた電池201の残量を定期的に確認することができる。なお、記憶部204に記憶されている機器タグが、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20を別々に識別するために設定された排他的な機器タグである場合、センサ管理部202は、機器IDの情報および機器タグの情報のいずれか一方、または両方の情報を、電池残量情報と共にゲートウェイ装置10に出力(送信)させるようにしてもよい。
なお、電池管理システム1では、通常の動作を現在行っているセンサ装置20に搭載した電池201の電池寿命がくる前に、同じグループに属し、動作を停止して電池201の消費を抑えているいずれかのセンサ装置20が通常の動作を行うように切り替える。言い換えれば、電池管理システム1では、現在では通常の動作を行っているが、電池201の電池寿命がくることが予想されるセンサ装置20の動作を停止させ、現在まで動作を停止していた同じグループに属している他の1つのセンサ装置20が、次に通常の動作を行うセンサ装置20となるようにセンサ装置20の動作(稼働)を制御する。電池管理システム1におけるセンサ装置20の切り替えの処理は、ゲートウェイ装置10に構成された電池管理装置が、電池寿命情報と電池残量情報とに基づいて行う。より具体的には、電池管理システム1では、電池管理装置が、通常の動作を現在行っているセンサ装置20から電池寿命情報が出力された後、動作を停止している他のセンサ装置20から電池残量情報が出力されたタイミングのときに、通常の動作を行うセンサ装置20を切り替える。つまり、電池管理システム1では、通常の動作を現在行っているセンサ装置20が電池寿命情報を出力したときに、すぐに通常の動作を行うセンサ装置20を切り替えるのではなく、予め定めた一定の時間ごとに1回(例えば、24時間ごとに1回)の間隔で、通常の動作を行うセンサ装置20を切り替えるタイミングとなる。このため、通常の動作を現在行っているセンサ装置20は、電池201の電池寿命が、少なくとも、動作を停止している他のセンサ装置20が電池残量情報を出力する周期の時間以上(例えば、24時間以上)残っている状態のときに、電池寿命情報を出力する。これにより、電池管理システム1では、電池残量情報を出力するために、動作を停止しているセンサ装置20を必要以上に起動させる必要がなくなる。
無線インターフェース部203は、無線通信30を介してゲートウェイ装置10との間で様々な情報をやり取り(送受信)する。より具体的には、無線インターフェース部203は、センサ装置20の通常の動作において、センサ管理部202から出力された測定値のデータおよび機器ID(機器タグであってもよい)の情報を、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)する。また、無線インターフェース部203は、センサ管理部202が電池201の電池寿命が近づいてきたことを電池管理装置に通知する際に、センサ管理部202から出力された電池寿命情報および機器ID(機器タグであってもよい)の情報を、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)する。また、無線インターフェース部203は、電池管理装置がセンサ装置20の動作(稼働)を制御する際に、無線通信30を介して電池管理装置から出力(送信)されてきた動作制御情報を受信し、受信した動作制御情報をセンサ管理部202に出力する。
なお、電池管理装置によって動作を停止するように制御されたセンサ装置20に備えた無線インターフェース部203は、上述したように、電池201の消費を抑えるために動作を停止している。しかし、無線インターフェース部203は、センサ管理部202が電池残量情報をゲートウェイ装置10に出力(送信)するとき、つまり、予め定めた一定の時間ごと(例えば、24時間ごと)に起動され、電池寿命情報を出力(送信)するときと同様に、センサ管理部202から出力された電池残量情報をゲートウェイ装置10に出力(送信)する。
無線通信30は、ゲートウェイ装置10と、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれとの間で通信を行う、無線の通信規格に準拠した通信経路である。無線通信30は、ISA100.11aに準拠した通信経路である。なお、無線通信30に適用される通信規格は、例えば、無線LAN通信(いわゆる、WiFi(登録商標))などの無線通信規格、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信規格、IrDA(登録商標)(Infrared Data Association)などの赤外線通信規格など、種々の無線の通信規格であってもよい。
ゲートウェイ装置10は、無線通信30を介して接続された、プラント内に配置されたそれぞれの設備が稼働している状態の監視や設備の運転の制御を行うことを目的としたフィールド機器(無線フィールド機器)と呼ばれる現場機器(測定器や操作器)と、フィールドネットワーク40を介して接続された上位システム50との間でやり取りされる様々な情報やデータを中継する中継装置である。なお、図1においては、ゲートウェイ装置10において無線通信30を介して現場機器との間で無線通信を行う構成要素である無線通信インターフェース部や、フィールドネットワーク40を介して上位システム50との間で通信を行う通信インターフェース部の図示を省略している。
ゲートウェイ装置10は、通常の動作において、電池管理装置から通常の動作を行うように制御されたセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのいずれか1つのセンサ装置20から無線通信30を介して出力(送信)されてきた測定値のデータを、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)、すなわち、転送する。なお、図1に示した構成では、ゲートウェイ装置10は、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれとの間で無線通信30を介した通信(送受信)を行うこともあるが、上位システム50との間では、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cが1つのセンサ装置20であるものとして、フィールドネットワーク40を介した通信(送受信)を行う。このため、ゲートウェイ装置10は、無線通信30を介して測定値のデータを出力(送信)してきた、つまり、電池管理装置から通常の動作を行うように制御されたセンサ装置20が属するグループを識別するためのタグ情報(例えば、センサ装置20に備えた記憶部204に記憶したグループタグの情報)を、測定値のデータと共に上位システム50に出力(送信)する。
また、ゲートウェイ装置10は、電池管理装置の機能を実現するための構成要素として、電池管理部101を備えている。電池管理部101は、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20から無線通信30を介して出力(送信)されてきた電池寿命情報および電池残量情報に基づいて、動作させるセンサ装置20を切り替える。より具体的には、電池管理部101は、電池寿命情報を送信してきたセンサ装置20の動作を停止するように制御すると共に、電池残量情報を送信してきた同じグループに属する他のセンサ装置20の内、いずれか1つのセンサ装置20が通常の動作を行うように制御する。これにより、電池管理システム1では、例えば、定期点検や定期修理など、プラントにおいて行われる設備に対する点検作業の一定の期間(例えば、2年間)の周期よりもセンサ装置20に搭載された電池201の電池寿命が短い場合でも、上位システム50からは、センサ装置20は電池201の寿命がきておらず、通常の動作を続けているように見せることができる。つまり、電池管理システム1では、上位システム50から見た場合に、センサ装置20は、定期点検や定期修理などが次に行われるときまで電池切れが起こらないように見せることができる。
また、電池管理部101は、それぞれのセンサ装置20から無線通信30を介して出力(送信)されてきた電池残量情報に基づいて、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20に搭載された電池201の残量を定期的に確認する。なお、電池管理部101は、電池寿命情報を出力(送信)してきたセンサ装置20や、動作を停止するように制御してはいるものの電池201の残量が少なくなってきたと考えられるセンサ装置20を示す情報を、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)するようにしてもよい。これにより、フィールドネットワーク40を介して出力(送信)さてきたセンサ装置20に搭載された電池201の情報を受信した上位システム50は、設備に設置されているセンサ装置20の電池201を交換するために必要な手配を行うことができる。
なお、ゲートウェイ装置10には、図1に示したセンサ装置20以外にも、様々な現場機器(測定器や操作器)が、無線通信30を介して接続されていてもよい。そして、ゲートウェイ装置10には、無線通信30を介して接続された複数の現場機器から出力(送信)されたデータを収集し、フィールドネットワーク40を介して収集したデータを上位システム50に出力(送信)するデータ収集装置としての機能を備えていてもよい。
ここで、ゲートウェイ装置10に無線通信30を介して接続される現場機器には、図1に示したセンサ装置20のように、複数の現場機器が1つにグループ化されて動作する構成や、単独で動作する構成など、様々な構成のものがある。このため、ゲートウェイ装置10は、無線通信30を介して接続される現場機器(無線フィールド機器)に対して「プロビジョニング(Provisioning)」と呼ばれる無線接続の手続きを行うことによって、それぞれの現場機器を紐付けて管理する。このプロビジョニングにおいて、ゲートウェイ装置10は、現場機器の識別情報(例えば、上述した機器ID)などの情報を取得すると共に、無線通信30の識別情報(ID)や、それぞれの現場機器が無線通信30を介して接続するために必要なパスワードに相当するジョインキー(Join Key)と呼ばれる情報を発行して、それぞれの現場機器に記憶させる。これにより、ゲートウェイ装置10との間でプロビジョニングが行われた現場機器は、仮にゲートウェイ装置10との接続が途切れた後に、再度ゲートウェイ装置10に接続する場合には、記憶しているジョインキーをゲートウェイ装置10に送信することによって、ゲートウェイ装置10による現場機器の認証が行われ、無線通信30を介したゲートウェイ装置10との接続を再開することができる。なお、センサ装置20では、ゲートウェイ装置10によって発行された無線通信30の識別情報(ID)やジョインキーなどの情報を、記憶部204に記憶する。
このような構成によって、電池管理システム1では、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、同じグループに属する複数のセンサ装置20の内、いずれか1つのセンサ装置20のみを、通常の動作においてセンサ205によって検出した物理量を表す測定値を、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)するように制御する。また、電池管理システム1では、電池管理部101が、同じグループに属する残りのセンサ装置20は、待機(スリープ)状態になって動作が停止するように制御する。
なお、図1に示した電池管理システム1の構成では、ゲートウェイ装置10内に電池管理部101が構成されている構成を示したが、電池管理部101は、ゲートウェイ装置10の外部、つまり、ゲートウェイ装置10と並列の位置に構成されてもよい。
次に、電池管理装置が、動作させるセンサ装置を切り替える処理の処理手順について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態における電池管理装置(より具体的には、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101)において現場機器、つまり、センサ装置20を変更する処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
なお、以下の説明においては、図1に示したセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20が、設備の同じ位置に設置され、プロビジョニングによって無線通信30を介してすでにゲートウェイ装置10に接続されて、同じグループに属するセンサ装置20として定義されているものとして説明する。また、以下の説明においては、電池管理部101が、機器IDによってセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20のそれぞれを識別し、通常の動作をしているセンサ装置20のみに機器タグを設定する(つまり、動作を停止するように制御しているそれぞれのセンサ装置20の機器タグは未設定)ものとして説明する。また、以下の説明においては、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、すでに、センサ装置20Aを通常の動作を行うように制御し、センサ装置20Bとセンサ装置20Cとのそれぞれを、動作を停止するように制御している状態であるものとして説明する。
なお、図1に示した電池管理システム1の構成では、電池管理装置の機能を実現する電池管理部101が、ゲートウェイ装置10内に構成されている。このため、電池管理部101は、ゲートウェイ装置10に備えた不図示の無線通信インターフェース部および無線通信30を介してセンサ装置20のそれぞれとの間で無線通信を行う構成である。つまり、電池管理部101がそれぞれのセンサ装置20に出力する動作制御情報は、不図示の無線通信インターフェース部が無線通信30を介してセンサ装置20のそれぞれに出力(送信)し、センサ装置20のそれぞれから無線通信30を介して出力(送信)されたデータや情報は、不図示の無線通信インターフェース部が受信して電池管理部101に出力する構成である。しかし、以下の説明においては、説明を容易にするため、電池管理部101が、無線通信30を介してセンサ装置20のそれぞれとの間で無線通信を行うものとして説明する。
図2には、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aからセンサ装置20Bに切り替える処理の一例を示している。より具体的には、図2に示した電池管理部101によるセンサ装置20の切り替え処理は、通常の動作を行っているセンサ装置20Aに搭載されている電池201Aの電池寿命が近づいてきたときに、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aからセンサ装置20Bに切り替える処理である。
図2に示した電池管理部101によるセンサ装置20の切り替え処理は、電池管理部101が起動すると開始される。
電池管理部101がセンサ装置20の切り替え処理を開始すると、まず、通常の動作を現在行っているセンサ装置20Aから出力(送信)された、電池201Aの電池寿命が近づいてきたことを表す電池寿命情報を受信したか否かを判定する(ステップS100)。ステップS100の判定の結果、センサ装置20Aからの電池寿命情報を受信していない、つまり、センサ装置20Aに搭載された電池201Aの出力電圧は、予め定めた電圧値よりも低くなっていない場合(ステップS100の“NO”)、電池管理部101は、ステップS100に戻って、センサ装置20Aからの電池寿命情報の受信を待つ。
一方、ステップS100の判定の結果、センサ装置20Aからの電池寿命情報を受信した、つまり、センサ装置20Aに搭載された電池201Aの出力電圧が予め定めた電圧値よりも低くなって電池寿命が近づいてきている場合(ステップS100の“YES”)、電池管理部101は、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aから切り替えると判定する。
そして、電池管理部101は、センサ装置20Aと同じグループに属し、動作を停止するように制御しているセンサ装置20Bおよびセンサ装置20Cから、電池残量情報を受信したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110の判定の結果、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれからも電池残量情報を受信していない、つまり、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれも、予め定めた一定の時間ごと(例えば、24時間ごと)に起動しているタイミングとなっていない場合(ステップS110の“NO”)、電池管理部101は、ステップS110に戻って、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかからの電池残量情報の受信を待つ。
一方、ステップS110の判定の結果、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかからの電池残量情報を受信した、つまり、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかが、予め定めた一定の時間ごと(例えば、24時間ごと)に起動しているタイミングとなった場合(ステップS110の“YES”)、電池管理部101は、電池201の残量が十分あることを表す電池残量情報を出力(送信)してきたセンサ装置20を、通常の動作を行うように制御する。なお、図2に示したセンサ装置20の切り替え処理では、センサ装置20Bに通常の動作を行わせ、センサ装置20Cをそのまま、つまり、動作を停止するように制御するものとする。
そして、電池管理部101は、センサ装置20Bに、通常の動作を指示する動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS120)。また、電池管理部101は、センサ装置20Aに、機器タグを消去、つまり、動作を停止するように制御されているセンサ装置20と同じ機器タグの状態にするための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS130)。なお、電池管理部101は、ステップS130において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20と同じ機器タグ(例えば、「停止センサ」など)を設定するための動作制御情報を、センサ装置20Aに出力(送信)してもよい。
続いて、電池管理部101は、センサ装置20Bに指示した通常の動作が受け付けられると、センサ装置20Bに、通常の動作をするセンサ装置20であることを表す機器タグ(例えば、「通常動作センサ」など)を設定するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS140)。これにより、センサ装置20Bは、電池管理システム1において、通常の動作を行うセンサ装置20としての動作を開始する。また、電池管理部101は、センサ装置20Aの機器タグが消去されると、センサ装置20Aに、動作を停止するように制御するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS150)。これにより、センサ装置20Aは、電池管理システム1において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20となる。
なお、電池管理部101は、ステップS150においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御するとき、またはセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20Aが、電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しないように制御してもよい。また、電池管理部101は、ステップS150においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20の切り替えを行ったことを表す情報を、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)して、センサ装置20Aの電池201Aの電池寿命がきたことを通知してもよい。
その後、電池管理部101は、ステップS100に戻って、通常の動作を行うように制御したセンサ装置20Bに搭載された電池201Bの電池寿命が近づいてきたことを表す電池寿命情報を受信したか否かの判定を繰り返す。そして、電池管理部101は、通常の動作を行っているセンサ装置20Bから、電池201Bの電池寿命が近づいてきたことを表す電池寿命情報を受信すると、上述した説明と同様に、ステップS110〜ステップS150の処理を行って、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Bからセンサ装置20Cに切り替える。
なお、電池201Aの電池寿命が近づいてきたことによって、ステップS150において動作を停止するように制御されたセンサ装置20Aは、例えば、定期点検や定期修理などの点検作業を行うときに、搭載されている電池201Aを新たな電池201Aに交換する。ここで、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを交換するタイミングは、上述した点検作業のタイミングに限定されるものではない。例えば、センサ装置20Aが設置された設備において他の作業が必要となったときや、上述したように、電池管理部101によってセンサ装置20の切り替えが行われたことを表す情報が上位システム50に通知された後の任意のタイミングで、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを交換してもよい。これにより、電池管理システム1では、上述した説明と同様に、他のセンサ装置20に搭載された電池201(例えば、センサ装置20Cに搭載された電池201C)の電池寿命が近づいてきたときに、電池管理部101が、センサ装置20Aを再び通常の動作を行うように制御することができる。
なお、センサ装置20A〜センサ装置20Cが設置されている位置が、防爆区域(防爆エリア)である場合には、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを交換する際に、センサ装置20Aを防爆エリアの外に運び出してから電池201Aを交換する必要がある。このため、防爆エリアの外に運び出したセンサ装置20Aは、無線通信30を介したゲートウェイ装置10との無線通信が途切れることになる。しかし、センサ装置20Aは、ゲートウェイ装置10との間でのプロビジョニングがすでに完了し、ジョインキーなどの情報を記憶部204に記憶しているため、電池201Aを交換したセンサ装置20Aを再び、設備の同じ位置に設置するのみで、新たにプロビジョニングの手続きを行うことなく、無線通信30を介したゲートウェイ装置10との接続を再開することができる。つまり、センサ装置20は、ゲートウェイ装置10との接続が途切れた場合でも、センサ装置20に対して何らかの設定などを行うことなく、ゲートウェイ装置10との接続を再開することができる。
このような処理によって、電池管理システム1においてゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101は、同じグループに属する通常の動作を行っているいずれか1つのセンサ装置20に搭載された電池201の電池寿命が近づいてきたときに、電池201の消費を抑えるように動作を停止していた同じグループに属する他の1つのセンサ装置20が通常の動作を行うように切り替える。
なお、図2に示した電池管理部101によるセンサ装置20の切り替え処理では、ステップS110において、電池管理部101が電池残量情報を受信したか否かを判定して、通常の動作を行うセンサ装置20を切り替える手続き処理(ステップS120〜ステップS150の処理)を行う場合について説明した。しかし、センサ装置20を切り替える手続き処理の開始は、例えば、動作を停止しているセンサ装置20が電池残量情報出力した際に、センサ装置20から電池管理部101に問い合わせる構成であってもよい。
このように、電池管理システム1では、同じグループに属する複数のセンサ装置20の内、いずれか1つのセンサ装置20のみに通常の動作を行わせ、残りのセンサ装置20は動作を停止させて、電池201の消費を抑えるように制御する。これにより、電池管理システム1では、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20に搭載されている電池201の電池寿命が短い場合でも、センサ205によって検出した物理量を表す測定値が欠落することなく、上位システム50に出力(送信)することができる。つまり、電池管理システム1は、定期点検や定期修理などが次に行われるときまでに必要な期間以上、電池切れが起こらないIIoTに対応した計測システムとして稼働させ、IIoTに対応したプラントを実現することができる。
しかも、電池管理システム1では、設備の同じ位置に設置された複数のセンサ装置20を同じグループとして定義している。このため、上位システム50からは、複数のセンサ装置20を1つのセンサ装置20として見ることができる。このことにより、プラントにおいては、IIoTに対応するために上位システム50の構成を変更などの行うことなく、IIoTに対応したプラントをより容易に実現することができる。
なお、図1に示した電池管理システム1では、3つのセンサ装置20が同じグループに属する場合について説明した。しかし、同じグループに属するセンサ装置20の個数は、電池201の電池寿命の時間と、センサ装置20に搭載した電池201を交換することができない最大の期間とに基づいて決定する。つまり、プラント内に配置された設備に対して同じ位置に設置するセンサ装置20の個数は、電池201の持ち時間の合計時間が、センサ装置20に搭載した電池201を交換することができない最大の期間よりも長くなるように決定する。このとき、同じ位置に設置するセンサ装置20の個数に余裕をもたせて、最大の期間よりも十分に長くなるように、多めの個数にしてもよい。これにより、最大の期間が延びてしまった場合でも、電池切れが起こらない計測システムとして運用することができる。図1に示した電池管理システム1では、それぞれのセンサ装置20に備えた電池201の電池寿命が「1年」であり、電池201を交換することができる最大の期間が点検作業の間隔の「2年」であるものと考えて、設備の同じ位置に設置するセンサ装置20の個数を「3つ」とした場合の一例である。
なお、図1に示した電池管理システム1において、例えば、点検作業の間隔が「1年」である場合や、電池201の交換を逐次行うことができる場合など、電池201を交換することができる最大の期間が短い場合には、同じ位置に設置するセンサ装置20の個数を少なくする(例えば、「2つ」にする)こともできる。一方、図1に示した電池管理システム1において、それぞれのセンサ装置20に搭載する電池201として、例えば、市販の乾電池など、電池のコストを非常に低く抑えることができる電池を採用した場合には、短い電池寿命を十分に補うことができるだけの個数のセンサ装置20を設備の同じ位置に設置することによって、上述した説明と同様に、必要な期間以上、電池切れが起こらないIIoTに対応した計測システムを実現することができる。この場合、電池管理システム1において同じ位置に設置するセンサ装置20の個数は多くなることが考えられるが、市販の乾電池はコストが非線形に下がるため、設置するセンサ装置20の個数の増加に伴うコストの増加よりも、市販の乾電池を採用することによるセンサ装置20の設計や製造の容易性や電池のコスト低下の方が、より有効であると考えられる。このため、電池管理システム1では、センサ装置20に搭載した電池201を交換することができない最大の期間が長い場合でも、非常に安価な電池を採用することができ、IIoTに対応したプラントを、より実現しやすくすることができる。
なお、上述した電池管理システム1では、センサ装置20が、例えば、24時間ごとなど、予め定めた一定の時間ごとにセンサ管理部202が能動的に起動して、電池201の残量を表す電池残量情報を、電池管理部101に出力(送信)する構成である場合について説明した。この構成である場合、動作を停止するように制御されているセンサ装置20であっても、電池残量情報をゲートウェイ装置10(電池管理部101)に出力(送信)する際に、少なくとも電池201を消費してしまうことになる。しかし、電池管理システム1では、電池管理部101が動作させるセンサ装置20を切り替える処理を変更することによって、動作を停止するように制御されているセンサ装置20が、電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しないようにして、電池201の消費をより少なくすることができる。
<処理の変形例>
ここで、センサ装置20が電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しないようにした場合において、ゲートウェイ装置10(より具体的には、電池管理部101)が、動作させるセンサ装置20を切り替える処理の処理手順を、第1の実施形態の変形例の処理として説明する。なお、第1の実施形態の変形例の処理においても、電池管理システム1の構成、つまり、ゲートウェイ装置10やセンサ装置20の構成は、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1の構成と同様である。従って、第1の実施形態の変形例の処理を行う電池管理システム1の構成に関する詳細な説明は省略する。
なお、第1の実施形態の変形例の処理では、上述したように、センサ装置20は、予め定めた一定の時間ごとにセンサ管理部202が能動的に起動して電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しない。従って、第1の実施形態の変形例の処理では、それぞれのセンサ装置20に備えた無線インターフェース部203も、予め定めた一定の時間ごとに起動することはない。ただし、第1の実施形態の変形例の処理では、動作を停止するように制御されたセンサ装置20に備えた無線インターフェース部203は、電池管理部101が無線通信30を介して出力(送信)した動作制御情報を受信することができるように、受信を待機している状態で動作が停止されている。なお、無線インターフェース部203が、受信を待機している状態での動作を停止する機能は、既存の無線通信の技術を用いて実現することができる。従って、第1の実施形態の変形例の処理では、受信を待機している状態で無線インターフェース部203が動作を停止する方式に関する詳細な説明は省略する。
図3は、本発明の第1の実施形態における電池管理装置(より具体的には、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101)において現場機器、つまり、センサ装置20を変更する変形例の処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。図3に示した第1の実施形態の変形例の処理も、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aからセンサ装置20Bに切り替える処理の一例を示している。つまり、図3に示した第1の実施形態の変形例の処理においても、通常の動作を行っているセンサ装置20Aに搭載されている電池201Aの電池寿命が近づいてきたときに、電池管理部101が、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aからセンサ装置20Bに切り替える処理示している。
なお、以下の説明においても、図2に示した電池管理部101による処理手順と同様に、図1に示したセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20は、設備の同じ位置に設置された状態でプロビジョニングによってすでにゲートウェイ装置10に接続され、同じグループに属するセンサ装置20として定義されているものとして説明する。また、以下の説明においても、図2に示した電池管理部101による処理手順と同様に、電池管理部101が、機器IDによってセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20のそれぞれを識別し、通常の動作をしているセンサ装置20のみに機器タグを設定する(つまり、動作を停止するように制御しているそれぞれのセンサ装置20の機器タグは未設定)ものとして説明する。また、以下の説明においても、図2に示した電池管理部101による処理手順と同様に、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、すでに、センサ装置20Aを通常の動作を行うように制御し、センサ装置20Bとセンサ装置20Cとのそれぞれを、動作を停止するように制御している状態であるものとして説明する。
また、図3に示した第1の実施形態の変形例の処理でも、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、図1に示した電池管理システム1の構成において、電池管理装置の機能を実現する電池管理部101が、ゲートウェイ装置10内に構成されている。しかし、第1の実施形態の変形例の処理でも、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、説明を容易にするため、電池管理部101が、無線通信30を介してセンサ装置20のそれぞれとの間で無線通信を行って、動作制御情報をそれぞれのセンサ装置20に出力(送信)するものとして説明する。
図3に示した電池管理部101によるセンサ装置20の切り替え処理も、図2に示した電池管理部101によるセンサ装置20の切り替え処理と同様に、電池管理部101が起動すると開始される。
電池管理部101がセンサ装置20の切り替え処理を開始すると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS100と同様に、センサ装置20Aから出力(送信)された電池寿命情報を受信したか否かを判定する(ステップS200)。ステップS200の判定の結果、センサ装置20Aからの電池寿命情報を受信していない場合(ステップS200の“NO”)、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS100と同様に、ステップS200に戻って、センサ装置20Aからの電池寿命情報の受信を待つ。
一方、ステップS200の判定の結果、センサ装置20Aからの電池寿命情報を受信した場合(ステップS200の“YES”)、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS100と同様に、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aから切り替えると判定する。
そして、電池管理部101は、センサ装置20Aと同じグループに属し、動作を停止するように制御しているセンサ装置20Bを起動させるための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS210)。
そして、電池管理部101は、センサ装置20Bが起動されると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS120と同様に、センサ装置20Bに、通常の動作を指示する動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS220)。また、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS130と同様に、センサ装置20Aに、機器タグを消去するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS230)。なお、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS130と同様に、ステップS230において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20と同じ機器タグ(例えば、「停止センサ」など)を設定するための動作制御情報を、センサ装置20Aに出力(送信)してもよい。
続いて、電池管理部101は、センサ装置20Bに指示した通常の動作が受け付けられると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS140と同様に、センサ装置20Bに、通常の動作をするセンサ装置20であることを表す機器タグを設定するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS240)。これにより、センサ装置20Bは、電池管理システム1において、通常の動作を行うセンサ装置20としての動作を開始する。また、電池管理部101は、センサ装置20Aの機器タグが消去されると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS150と同様に、センサ装置20Aに、動作を停止するように制御するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS250)。これにより、センサ装置20Aは、電池管理システム1において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20となる。
なお、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ステップS250においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御するとき、またはセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20Aが、電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しないように制御してもよい。また、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ステップS250においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20の切り替えを行ったことを表す情報を、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)して、センサ装置20Aの電池201Aの電池寿命がきたことを通知してもよい。
その後、電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ステップS200に戻って、通常の動作を行うように制御したセンサ装置20Bに搭載された電池201Bの電池寿命が近づいてきたことを表す電池寿命情報を受信したか否かの判定を繰り返す。そして、電池管理部101は、通常の動作を行っているセンサ装置20Bから、電池201Bの電池寿命が近づいてきたことを表す電池寿命情報を受信すると、上述した説明と同様に、ステップS210においてセンサ装置20Cを起動させて、ステップS220〜ステップS250の処理を行い、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Bからセンサ装置20Cに切り替える。
なお、ステップS250において動作を停止するように制御されたセンサ装置20Aは、図2に示した第1の実施形態の処理における説明と同様に、搭載されている電池201Aを交換して、電池管理部101がセンサ装置20Aを再び通常の動作を行うように制御することができるようにする。
このような変形例の処理によって、電池管理システム1においてゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、同じグループに属する通常の動作を行っているいずれか1つのセンサ装置20に搭載された電池201の電池寿命が近づいてきたときに、電池201の消費を抑えるように動作を停止していた同じグループに属する他の1つのセンサ装置20が通常の動作を行うように切り替える。
このように、電池管理システム1では、変形例の処理によっても、同じグループに属する複数のセンサ装置20の内、いずれか1つのセンサ装置20のみに通常の動作を行わせ、残りのセンサ装置20は動作を停止させて、電池201の消費を抑えるように制御する。これにより、電池管理システム1では、変形例の処理によっても、上位システム50からは、複数のセンサ装置20を1つのセンサ装置20として見ることができ、センサ装置20に搭載した電池201の電池切れによって測定値が欠落することなく、上位システム50に出力(送信)することができる。
しかも、電池管理システム1における変形例の処理では、動作を停止しているそれぞれのセンサ装置20が予め定めた一定の時間ごとに起動されない。より具体的には、図2に示した第1の実施形態の処理では、例えば、24時間ごとに1回の間隔で動作を停止しているそれぞれのセンサ装置20が起動されたが、電池管理システム1における変形例の処理では、通常の動作を行っているセンサ装置20Aに搭載された電池201Aが電池寿命に近づくまで(例えば、1年間)、動作を停止しているそれぞれのセンサ装置20が起動されない。このため、電池管理システム1における変形例の処理では、図2に示した第1の実施形態の処理よりも、動作を停止しているそれぞれのセンサ装置20に搭載した電池201の消費を抑えることができる。
なお、本発明の第1の実施形態の電池管理システム1では、それぞれのセンサ装置20が、センサ205を備えた構成である場合について説明した。しかし、プラント内に配置された設備によっては、同じ位置に複数のセンサ装置20を設置することができない場合もある。例えば、流量や圧力を測定するセンサは、設備の同じ位置に複数設置することができないものと考えられる。この場合、センサを電池で駆動するには、コストが高い大容量の電池が必要になってしまうと考えられる。しかしながら、本発明の考え方は、このような場合においても同様に適用することができ、電池の小型化(小容量化)や低コスト化を実現することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電池管理システム(以下、「電池管理システム2」という)は、設備の同じ位置に第1の実施形態のセンサ装置20を複数設置することができない場合において、電池駆動型の複数の現場機器が、1つのセンサ(測定部や操作部)を共有する構成の電池管理システムである。以下の説明においても、第1の実施形態の電池管理装置と同様に、本発明の第2の実施形態の電池管理装置が、電池駆動型の現場機器として構成される3つのセンサ装置のそれぞれに搭載された電池を管理する場合の一例について説明する。なお、電池管理システム2を構成する構成要素には、図1に示した第1の実施形態の電池管理装置を含んで構築された第1の実施形態の電池管理システム1を構成する構成要素と同様の構成要素も含んでいる。従って、以下の説明においては、第2の実施形態の電池管理システム2において、第1の実施形態の電池管理システム1の構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付与し、その構成要素に関する詳細な説明は省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態における電池管理装置の概略構成、および電池管理装置によって管理する現場機器(センサ装置)を含んで構築される第2の実施形態における電池管理システム2の概略構成を示したブロック図である。電池管理システム2は、ゲートウェイ装置10と、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cの3つのセンサ装置と、センサ62とを含んで構成される。以下の説明においては、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cの3つのセンサ装置を区別せずに表す場合には、「センサ装置22」という。
図4には、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、本発明の第2の実施形態の電池管理装置が、ゲートウェイ装置10として構成され、ゲートウェイ装置10が、電池管理装置によって電池を管理する対象の3つのセンサ装置22のそれぞれと無線通信30によって接続されている構成の電池管理システム2を示している。また、図4には、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理システム2がセンサ装置22から取得した測定値などのデータを、フィールドネットワーク40を介してやり取りする(送受信)する上位システム50を併せて示している。
センサ62は、プラント内に配置された設備に設置され、設置された設備の位置において予め定めた物理量(アナログ量)を検出するセンサである。センサ62は、例えば、設備において流量を検出する流量センサや、設備において圧力を検出する圧力センサである。センサ62は、検出した物理量を表す信号を、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれに出力する。なお、センサ62は、上述したような流量センサや圧力センサに限定されるものではなく、設備における様々な物理量を検出する様々なセンサが考えられる。
センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれは、プラント内に配置された設備に設置される電池駆動型の現場機器である。ただし、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれは、第1の実施形態のセンサ装置20と異なり、予め定めた物理量を検出するセンサを備えておらず、共通のセンサ62と組み合わされて、第1の実施形態のセンサ装置20と同様の現場機器(測定器)が構成される。そして、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれは、通常の動作において、共通のセンサ62が検出して出力した物理量を表す測定値を、無線通信30によってゲートウェイ装置10に出力(送信)する。
センサ装置22は、電池221と、センサ管理部222と、無線インターフェース(I/F)部203と、記憶部204とを含んで構成される。なお、図4においても、図1に示したセンサ装置20と同様に、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれに備えた上述の構成要素を区別するため、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれの符号の一部である「A」、「B」、または「C」を、それぞれの構成要素の符号の「数字」の後に付与して示している。
なお、センサ装置22に備えたそれぞれの構成要素には、図1に示したセンサ装置20に備えた対応する構成要素と同様の構成要素も含んでいる。より具体的には、センサ装置22に備えた構成要素は、センサ装置20に備えたセンサ205が外部に設置された共通のセンサ62に代わったことに伴って、センサ装置20に備えた電池201およびセンサ管理部202が、電池221およびセンサ管理部222に代わっている以外は、それぞれの構成要素の機能や動作は、センサ装置20に備えた対応する構成要素と同様である。従って、以下の説明においては、センサ装置22の構成要素において、センサ装置20に備えた構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付与して、それぞれの構成要素に関する詳細な説明は省略し、センサ装置22においてセンサ装置20と異なる構成要素および動作についてのみ説明する。なお、以下の説明においては、説明を容易にするため、センサ装置22に適宜組み合わされるセンサ62を含めた構成を、センサ装置22として説明する。
電池221は、センサ装置20に搭載された電池201と同様に、センサ装置22に備えたそれぞれの構成要素に電源を供給する小型の電池である。ただし、電池221は、センサ装置22に備えた構成要素に加えて、組み合わされた外部のセンサ62にも電源を供給する。
センサ管理部222は、センサ装置20に搭載されたセンサ管理部202と同様に、センサ装置22の全体を制御する制御部である。また、センサ管理部222は、組み合わされた外部のセンサ62が検出して出力した物理量を表す測定値を算出し、算出した測定値のデータを無線インターフェース部203に出力して、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。このとき、センサ管理部222は、センサ装置20に搭載されたセンサ管理部202と同様に、記憶部204に記憶されている機器IDの情報を、算出した測定値と共に無線インターフェース部203に出力し、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)させる。これにより、無線通信30を介して出力(送信)さてきた測定値を受信したゲートウェイ装置10は、測定値のデータと共に出力(送信)さてきた機器IDの情報に基づいて、センサ62が検出した物理量を表す測定値を、いずれのセンサ装置22が算出して出力(送信)してきたのかを認識することができる。なお、本発明においては、センサ管理部222がセンサ62から出力された物理量を表す測定値の算出方法に関しては、特に規定しない。
また、センサ管理部222は、無線通信30を介して電池管理装置から出力(送信)され、無線インターフェース部203から出力されたセンサ装置22の動作(稼働)を制御する動作制御情報に従って、センサ装置22に備えたそれぞれの構成要素および外部のセンサ62への電池221からの電源の供給を制御する。より具体的には、電池管理装置から通常の動作をするように制御されたセンサ装置22に備えたセンサ管理部222は、電池221と、無線インターフェース部203、記憶部204、および外部のセンサ62とを接続して、電池221がそれぞれの構成要素に電源を供給するように制御する。また、電池管理装置から動作を停止するように制御されたセンサ装置22に備えたセンサ管理部222は、電池221と、無線インターフェース部203、記憶部204、および外部のセンサ62との接続を遮断して、電池221がそれぞれの構成要素に電源を供給しないように制御し、電池221の消費を抑えるようにする。
なお、センサ管理部222におけるその他の機能は、センサ装置20に搭載されたセンサ管理部202と同様である。従って、センサ管理部222におけるその他の機能および動作に関する詳細な説明は省略する。
電池管理システム2では、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれが、1つのセンサ装置22であるものとして動作する。より具体的には、電池管理システム2では、センサ装置22Aとセンサ62との組み合わせ、センサ装置22Bとセンサ62との組み合わせ、およびセンサ装置22Cとセンサ62との組み合わせのそれぞれが、1つのセンサ装置22とセンサ62との組み合わせであるものとして動作する。このため、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれが、同じグループに属するセンサ装置22であると定義され、電池管理装置によって、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれの動作(稼働)が制御される。そして、電池管理システム2では、電池管理装置が、第1の実施形態の電池管理装置と同様である。つまり、電池管理システム2でも、電池管理部101が、第2の実施形態の電池管理装置の機能を実現するための構成要素としてゲートウェイ装置10に備えられている。このため、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理装置からの制御に応じて、センサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのいずれか1つのセンサ装置22のみが通常の動作を行い、残りのセンサ装置22は、待機(スリープ)状態になって動作が停止するように制御される。そして、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理装置によって通常の動作を行うように制御されたセンサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのいずれか1つのセンサ装置22のみが、センサ62が検出して出力した物理量を表す測定値を、無線通信30を介してゲートウェイ装置10に出力(送信)する。また、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理装置によって動作を停止するように制御された残りのセンサ装置22に搭載された電池221の消費が抑えられる。
従って、電池管理システム2において電池管理装置がセンサ装置22A、センサ装置22B、およびセンサ装置22Cのそれぞれの動作(稼働)を制御する方法や処理は、第1の実施形態の電池管理システム1と同様である。つまり、電池管理システム2においても、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、図2に示した第1の実施形態におけるセンサ装置20の切り替え処理や、図3に示した第1の実施形態におけるセンサ装置20の切り替え処理の変形例と同様に、センサ装置22の動作(稼働)を制御する。より具体的には、電池管理システム2においても、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、通常の動作を行っているセンサ装置22に搭載した電池221の電池寿命がくる前に、通常の動作を行うセンサ装置22を、動作を停止して電池221の消費を抑えている同じグループに属する他の1つのセンサ装置22に切り替える。従って、電池管理システム2において電池管理装置がセンサ装置22のそれぞれの動作(稼働)を制御する方法や処理に関する詳細な説明は省略する。
このように、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、ゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、同じグループに属する複数のセンサ装置22の内、いずれか1つのセンサ装置22のみに通常の動作を行わせ、残りのセンサ装置22は動作を停止させて、電池221の消費を抑えるように通常の動作を行うセンサ装置22を制御する(切り替える)。これにより、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様の効果を得ることができる。より具体的には、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置22に搭載されている電池221の電池寿命が短い場合でも、センサ205によって検出した物理量を表す測定値が欠落することなく、上位システム50に出力(送信)することができる。そして、電池管理システム2でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、定期点検や定期修理などが次に行われるときまでに必要な期間以上、電池切れが起こらないIIoTに対応した計測システムとして稼働させ、IIoTに対応したプラントを実現することができる。
つまり、本発明の電池管理装置は、電池を管理する対象の電池駆動型の現場機器(センサ装置)のそれぞれに予め定めた物理量を検出するセンサを備えているか否かに関わらず、上位システム50から見た1つの現場機器(センサ装置)は、定期点検や定期修理などが次に行われるときまで電池切れが起こらないように見せることができる。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態においては、電池駆動型の現場機器(センサ装置)に搭載された電池を管理する電池管理装置および電池管理システムの構成と動作について説明した。しかし、本発明の考え方は、電池の管理以外にも、プラントにおいて応用することができる。例えば、センサ装置に備えたセンサに故障が発生した場合においても、動作させるセンサ装置の切り替え、つまり、電池の切り替えと同様に考えて、物理量を検出するセンサの切り替えに応用することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電池管理システム(以下、「電池管理システム3」という)は、第1の実施形態の電池管理システム1または第2の実施形態の電池管理システム2において本発明の電池管理装置が実現していた電池を管理する機能に、故障したセンサに対応する機能を追加した構成の電池管理システムである。以下の説明においては、第3の実施形態の電池管理システム3が、第1の実施形態の電池管理システム1に、故障したセンサに対応する機能を追加した場合の一例について説明する。
第3の実施形態の電池管理システム3でも、本発明の第3の実施形態の電池管理装置は、第1の実施形態の電池管理装置と同様に、予め定めた同じ物理量をセンサによって検出する電池駆動型の現場機器である3つのセンサ装置のそれぞれに搭載された電池を管理する。さらに、第3の実施形態の電池管理システム3では、本発明の第3の実施形態の電池管理装置が、それぞれのセンサ装置に備えたセンサに故障が発生したときの対応を行う。より具体的には、第3の実施形態の電池管理システム3では、本発明の第3の実施形態の電池管理装置が、センサ装置に搭載された電池の電池寿命が近づいてきたとき、または、センサ装置に備えたセンサが故障したときに、通常の動作を行わせるセンサ装置を切り替える。
なお、電池管理システム3を構成する構成要素には、図1に示した第1の実施形態の電池管理装置を含んで構築された第1の実施形態の電池管理システム1を構成する構成要素と同様の構成要素も含んでいる。従って、以下の説明においては、第3の実施形態の電池管理システム3において、第1の実施形態の電池管理システム1の構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付与し、その構成要素に関する詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の第3の実施形態における電池管理装置の概略構成、および電池管理装置によって管理する現場機器(センサ装置)を含んで構築される第3の実施形態における電池管理システム3の概略構成を示したブロック図である。電池管理システム3は、ゲートウェイ装置13と、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20とを含んで構成される。
図5には、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、本発明の第3の実施形態の電池管理装置が、ゲートウェイ装置13として構成され、ゲートウェイ装置13が、電池管理装置によって電池を管理する対象の3つのセンサ装置20のそれぞれと無線通信30によって接続されている構成の電池管理システム3を示している。また、図5には、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理システム3がセンサ装置20から取得した測定値などのデータを、フィールドネットワーク40を介してやり取りする(送受信)する上位システム50を併せて示している。
ゲートウェイ装置13は、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10と同様に、センサ装置20など、無線通信30を介して接続された現場機器(測定器や操作器)、すなわち、フィールド機器(無線フィールド機器)と、フィールドネットワーク40を介して接続された上位システム50との間でやり取りされる様々な情報やデータを中継する。なお、図5においても、ゲートウェイ装置13において無線通信30を介して現場機器との間で無線通信を行う構成要素である無線通信インターフェース部や、フィールドネットワーク40を介して上位システム50との間で通信を行う通信インターフェース部の図示を省略している。
ゲートウェイ装置13は、電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10と同様に、通常の動作において、電池管理装置から通常の動作を行うように制御されたセンサ装置20のいずれか1つのセンサ装置20から無線通信30を介して出力(送信)されてきた測定値のデータを、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に転送する。ゲートウェイ装置13も、電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10と同様に、センサ装置20が1つのセンサ装置20であるものとして、フィールドネットワーク40を介した通信(送受信)を行う。このとき、ゲートウェイ装置13も、ゲートウェイ装置10と同様に、無線通信30を介して測定値のデータを出力(送信)してきたセンサ装置20が属するグループを識別するためのタグ情報(例えば、グループタグの情報)を、測定値のデータと共に上位システム50に出力(送信)する。
また、ゲートウェイ装置13は、電池管理装置の機能を実現するための構成要素として、電池管理部131を備えている。電池管理部131は、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101と同様に、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20から無線通信30を介して出力(送信)されてきた電池寿命情報および電池残量情報に基づいて、それぞれのセンサ装置20の動作(稼働)を制御する(切り替える)。これにより、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、上位システム50から見た1つのセンサ装置20は、定期点検や定期修理などが次に行われるときまで電池切れが起こらないように見せることができる。
また、電池管理部131は、センサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したときに対応する機能(故障処理機能)を実現するための構成要素として、故障処理部1311を備えている。故障処理部1311は、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したことを表す通知(以下、「センサ故障通知」という)がされた場合に、電池管理部131による動作(稼働)するセンサ装置20の制御(切り替え)を行う。より具体的には、故障処理部1311は、センサ205に故障が発生したセンサ装置20を、電池201の電池寿命が近づいてきたときと同様に切り替える。これにより、電池管理システム3では、例えば、定期点検や定期修理など、プラントにおいて行われる設備に対する点検作業の一定の期間(例えば、2年間)の間にセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生した場合でも、プラント内に配置されたそれぞれの設備が稼働している状態の監視や、それぞれの設備の運転の制御などを行うために上位システム50が用いるセンサ装置20の測定値の欠落を、最低限に抑えることができる。
なお、センサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したことを表すセンサ故障通知は、上位システム50からフィールドネットワーク40を介して出力(送信)されてくる。例えば、上位システム50は、通常の動作においてゲートウェイ装置10によって転送されたセンサ装置20の測定値が、長い期間欠落した場合や、想定される測定値から著しく外れている場合に、センサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したことを表すセンサ故障通知を出力(送信)してくる。なお、以下の説明においては、上述したような測定値の欠落や想定外の測定値を区別せずに、センサ205に故障が発生したことによって測定値の欠落が起こり、センサ故障通知が出力(送信)されるものとして説明する。
なお、センサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したことを表すセンサ故障通知は、上位システム50から出力(送信)されてくる構成に限定されるものではない。例えば、センサ故障通知は、センサ装置20に備えている不図示の故障判定機能によってセンサ205が故障していると判定された場合に、センサ装置20自体から無線通信30介して出力(送信)されてくる構成であってもよい。また、例えば、故障処理部1311に、通常の動作を行っているセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したか否かを判定する機能(故障判定機能)を備えてもよい。なお、故障処理部1311は、センサ装置20や故障処理部1311においてセンサ205に故障が発生したと判定した場合、センサ205が故障したと判定したセンサ装置20を示す情報を、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)するようにしてもよい。これにより、フィールドネットワーク40を介して出力(送信)さてきたセンサ装置20に備えたセンサ205の故障の情報を受信した上位システム50は、設備に設置されているセンサ装置20に備えたセンサ205の交換や修理を行うために必要な手配を行うことができる。
なお、本発明においては、センサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したか否かを判定する機能(故障判定機能)や、センサ205に故障が発生したことを故障処理部1311に通知する方法に関しては、特に規定しない。
なお、図5に示した電池管理システム3の構成では、ゲートウェイ装置13内に電池管理部131が構成されている構成を示したが、電池管理部131は、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、ゲートウェイ装置13の外部、つまり、ゲートウェイ装置13と並列の位置に構成されてもよい。また、図5に示した電池管理システム3の構成では、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131内に故障処理部1311が構成されている構成を示したが、故障処理部1311は、電池管理部131の外部やゲートウェイ装置13の外部、つまり、電池管理部131と並列の位置に構成されてもよい。
なお、ゲートウェイ装置13には、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10と同様に、図5に示したセンサ装置20以外にも、様々な現場機器(測定器や操作器)が、無線通信30を介して接続されていてもよい。そして、ゲートウェイ装置13には、電池管理システム1を構成するゲートウェイ装置10と同様に、無線通信30を介して接続された複数の現場機器から出力(送信)されたデータを収集し、フィールドネットワーク40を介して収集したデータを上位システム50に出力(送信)するデータ収集装置としての機能を備えていてもよい。そして、ゲートウェイ装置13に無線通信30を介して接続される現場機器にも様々な構成のものがあり、ゲートウェイ装置13は、ゲートウェイ装置10と同様に、プロビジョニングを行うことによって、それぞれの現場機器を紐付けて管理する。
電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれが、1つのセンサ装置20であるものとして動作する。このため、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれが、同じグループに属するセンサ装置20であると定義され、電池管理装置(電池管理部131)によって、センサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cのそれぞれの動作(稼働)が制御される。つまり、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理部131によって通常の動作を行うように制御されたいずれか1つのセンサ装置20のみが、センサによって検出した物理量を表す測定値を、無線通信30を介してゲートウェイ装置13に出力(送信)し、電池管理部131によって動作を停止するように制御された残りのセンサ装置20に搭載された電池201の消費が抑えられる。
なお、電池管理システム3において、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131が、センサ装置20のそれぞれの動作(稼働)を制御する方法や処理は、第1の実施形態の電池管理システム1と同様である。つまり、電池管理システム3においても、電池管理部131が、図2に示した第1の実施形態におけるセンサ装置20の切り替え処理や、図3に示した第1の実施形態におけるセンサ装置20の切り替え処理の変形例と同様に、通常の動作を行っているセンサ装置20に搭載した電池201の電池寿命がくる前に、通常の動作を行うセンサ装置20を、動作を停止している同じグループに属する他の1つのセンサ装置20に切り替える。従って、電池管理システム3において電池管理装置(電池管理部131)がセンサ装置20のそれぞれの動作(稼働)を制御する方法や処理に関する詳細な説明は省略する。
また、電池管理システム3では、上述したように、電池管理部131に備えた故障処理機能(故障処理部1311)によって、通常の動作を行うように制御されたセンサ装置20に搭載した電池201の電池寿命が近づいてきたときと同様に、センサ205が故障したセンサ装置20を、センサ205が故障していないセンサ装置20に切り替えるように、それぞれのセンサ装置20の動作(稼働)が制御される。つまり、電池管理システム3では、電池管理部131に備えた故障処理部1311からの制御に応じて、センサ205が故障していないセンサ装置20のみが、動作(稼働)が制御される対象のセンサ装置20となる。これにより、電池管理システム3では、電池管理部131からの制御に応じて、電池201の電池寿命がきておらず、センサ205が故障していない、いずれか1つのセンサ装置20のみが通常の動作を行い、残りのセンサ装置20は、待機(スリープ)状態になって動作が停止するように制御される。
次に、電池管理装置が、通常の動作を行っているセンサ装置に備えたセンサに故障が発生したときに、動作させるセンサ装置を切り替える処理の処理手順について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態における電池管理装置(より具体的には、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131における故障処理機能である故障処理部1311)において現場機器、つまり、センサ装置20を変更する処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、以下の説明においては、図5に示した上位システム50が、フィールドネットワーク40を介してセンサ故障通知を出力(送信)してくるものとして説明する。
なお、以下の説明においては、図5に示したセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20が、設備の同じ位置に設置され、プロビジョニングによって無線通信30を介してすでにゲートウェイ装置13に接続されて、同じグループに属するセンサ装置20として定義されているものとして説明する。また、以下の説明においては、電池管理部131および故障処理部1311が、機器IDによってセンサ装置20A、センサ装置20B、およびセンサ装置20Cの3つのセンサ装置20のそれぞれを識別し、通常の動作をしているセンサ装置20のみに機器タグを設定する(つまり、動作を停止するように制御しているそれぞれのセンサ装置20の機器タグは未設定)ものとして説明する。また、以下の説明においては、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131が、すでに、センサ装置20Aを通常の動作を行うように制御し、センサ装置20Bとセンサ装置20Cとのそれぞれを、動作を停止するように制御している状態であるものとして説明する。
なお、図5に示した電池管理システム3の構成でも、図1に示した第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、電池管理装置の機能を実現する電池管理部131が、ゲートウェイ装置13内に構成されている。また、図5に示した電池管理システム3の構成では、故障処理機能を実現する故障処理部1311が、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131内に構成されている。このため、電池管理部131や故障処理部1311は、ゲートウェイ装置13に備えた不図示の無線通信インターフェース部および無線通信30を介してそれぞれのセンサ装置20の動作(稼働)を制御する構成である。さらに、電池管理部131や故障処理部1311は、ゲートウェイ装置13に備えた不図示の通信インターフェース部およびフィールドネットワーク40を介して上位システム50との間で有線または無線の通信を行う構成である。しかし、以下の説明においては、説明を容易にするため、電池管理部131や故障処理部1311が、無線通信30を介してセンサ装置20のそれぞれとの間で動作制御情報や、電池寿命情報、および電池残量情報などやり取りする無線通信を行い、フィールドネットワーク40を介して上位システム50との間でセンサ故障通知などの有線通信を行うものとして説明する。
図6には、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131内の故障処理部1311が、通常の動作を行っているセンサ装置20Aに備えたセンサ205Aに故障が発生した場合に、図2に示した第1の実施形態におけるセンサ装置20の切り替え処理のタイミングで、センサ205が故障したセンサ装置20Aを、センサ205が故障していないセンサ装置20Bに切り替える処理の一例を示している。つまり、図6に示した電池管理部131によるセンサ装置20の切り替え処理は、通常の動作を行っているセンサ装置20Aに搭載されている電池201Aの電池寿命はきていないが、センサ205が故障したため、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aからセンサ装置20Bに切り替える処理である。
図6に示した故障処理部1311によるセンサ装置20の切り替え処理は、電池管理部131および故障処理部1311が起動すると開始される。
故障処理部1311がセンサ装置20の切り替え処理を開始すると、まず、上位システム50から、通常の動作を現在行っているセンサ装置20Aに備えたセンサ205Aに故障が発生したことを表すセンサ故障通知を受信したか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300の判定の結果、上位システム50からのセンサ故障通知を受信していない、つまり、センサ装置20Aに備えたセンサ205Aは故障していない場合(ステップS300の“NO”)、故障処理部1311は、ステップS300に戻って、上位システム50からのセンサ故障通知の受信を待つ。
一方、ステップS300の判定の結果、上位システム50からのセンサ故障通知を受信した、つまり、センサ装置20Aに備えたセンサ205に故障が発生した場合(ステップS300の“YES”)、故障処理部1311は、通常の動作を行わせるセンサ装置20を、センサ装置20Aから切り替えると判定する。そして、故障処理部1311は、センサ装置20Aを交換することを表す指示を、電池管理部131に出力する(ステップS310)。
これにより、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS110と同様に、センサ装置20Aと同じグループに属し、動作を停止するように制御しているセンサ装置20Bおよびセンサ装置20Cから、電池残量情報を受信したか否かを判定する(ステップS320)。ステップS320の判定の結果、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれからも電池残量情報を受信していない(センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれも起動しているタイミングとなっていない)場合(ステップS320の“NO”)、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS110と同様に、ステップS320に戻って、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかからの電池残量情報の受信を待つ。
一方、ステップS320の判定の結果、センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかからの電池残量情報を受信した(センサ装置20Bおよびセンサ装置20Cのいずれかが起動しているタイミングとなった)場合(ステップS320の“YES”)、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS110と同様に、電池201の残量が十分あることを表す電池残量情報を出力(送信)してきたセンサ装置20を、通常の動作を行うように制御する。なお、図6に示したセンサ装置20の切り替え処理では、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、センサ装置20Bに通常の動作を行わせ、センサ装置20Cをそのまま、つまり、センサ205Aが故障したセンサ装置20Aの代わりにセンサ装置20Bを操作させて、センサ205Aが故障したセンサ装置20Aの動作を停止するように制御するものとする。
そして、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS120と同様に、センサ装置20Bに、通常の動作を指示する動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS330)。また、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS130と同様に、センサ装置20Aに、機器タグを消去するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS340)。なお、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS130と同様に、ステップS340において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20と同じ機器タグ(例えば、「停止センサ」など)を設定するための動作制御情報を、センサ装置20Aに出力(送信)してもよい。
続いて、電池管理部131は、センサ装置20Bに指示した通常の動作が受け付けられると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS140と同様に、センサ装置20Bに、通常の動作をするセンサ装置20であることを表す機器タグを設定するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS350)。これにより、センサ装置20Bは、電池管理システム3において、通常の動作を行うセンサ装置20としての動作を開始する。また、電池管理部131は、センサ装置20Aの機器タグが消去されると、図2に示した第1の実施形態の処理のステップS150と同様に、センサ装置20Aに、動作を停止するように制御するための動作制御情報を、無線通信30を介して出力(送信)する(ステップS360)。これにより、センサ装置20Aは、電池管理システム3において、動作を停止するように制御されているセンサ装置20となる。
なお、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ステップS360においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御するとき、またはセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20Aが、電池残量情報を電池管理部101に出力(送信)しないように制御してもよい。また、電池管理部131は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、ステップS360においてセンサ装置20Aの動作を停止するように制御した後、センサ装置20の切り替えを行ったことを表す情報を、フィールドネットワーク40を介して上位システム50に出力(送信)して、センサ205Aが故障したセンサ装置20Aを交換したことを通知してもよい。
その後、電池管理部131は、センサ装置20Aの交換が完了したことを表す通知を、故障処理部1311を出力する(ステップS370)。
これにより、故障処理部1311は、ステップS330に戻って、上位システム50から、通常の動作を行っているセンサ装置20Bに備えたセンサ205Bに故障が発生したことを表すセンサ故障通知を受信したか否かの判定を繰り返す。そして、故障処理部1311は、通常の動作を行っているセンサ装置20Bに備えたセンサ205Bに故障が発生したことを表すセンサ故障通知を受信すると、上述した説明と同様に、ステップS310〜ステップS370の処理を行って、センサ205Bが故障したセンサ装置20Bを、センサ装置20Cに切り替える(交換する)。
なお、センサ205Aが故障したことによって、ステップS360において動作を停止するように制御されたセンサ装置20Aは、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを新たな電池201Aに交換するときと同様に、例えば、定期点検や定期修理などの点検作業を行うときに、センサ205Aの交換や修理を行う。これにより、電池管理システム3では、上述した説明と同様に、他のセンサ装置20に備えたセンサ205(例えば、センサ装置20Cに備えたセンサ205C)に故障が発生したときに、故障処理部1311および電池管理部131が、センサ装置20Aを再び通常の動作を行うように制御することができる。
なお、センサ装置20Aに備えたセンサ205Aの交換や修理を行うタイミングや、センサ205Aの交換や修理を行った後の処理や手順は、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを新たな電池201Aに交換するときと同様である。つまり、センサ装置20Aに備えたセンサ205Aの交換や修理を行うタイミングは、上述した点検作業のタイミングに限定されるものではなく、例えば、センサ装置20Aが設置された設備において他の作業が必要となったときや、電池管理部131によってセンサ装置20Aを交換したことを表す通知が上位システム50に通知された後の任意のタイミングで行ってもよい。また、センサ装置20A〜センサ装置20Cが設置されている位置が防爆区域(防爆エリア)である場合など、センサ装置20Aとゲートウェイ装置13との接続が途切れた場合でも、センサ装置20Aに搭載されている電池201Aを新たな電池201Aに交換するときと同様に、新たにプロビジョニングの手続きや、センサ装置20Aに対して何らかの設定などを行うことなく、無線通信30を介したゲートウェイ装置13との接続を再開することができる。
このような構成および処理によって、電池管理システム3においてゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131(故障処理部1311を含む)は、同じグループに属する通常の動作を行っているいずれか1つのセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したときに、センサ205に故障が発生したセンサ装置20を、電池201の電池寿命が近づいてきたセンサ装置20の動作を切り替えるのと同様に、電池201の消費を抑えるように動作を停止していた同じグループに属する他の1つのセンサ装置20に切り替える。
なお、図6に示した電池管理部131および故障処理部1311によるセンサ装置20の切り替え処理では、図2に示した第1の実施形態の処理と同様に、電池管理部131が電池残量情報を受信したか否かを判定して、通常の動作を行うセンサ装置20を切り替える手続き処理(ステップS320〜ステップS360の処理)を行う場合について説明した。しかし、電池管理部131および故障処理部1311によるセンサ装置20の切り替え処理は、図2に示した第1の実施形態の処理と同様の手続き処理に限定されるのもではなく、図3に示した第1の実施形態の変形例の処理と同様の手続き処理であってもよい。なお、この場合の処理手順は、図6に示した電池管理部131によるセンサ装置20の切り替え処理に基づいて容易に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
このように、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、ゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131が、同じグループに属する複数のセンサ装置20の内、いずれか1つのセンサ装置20のみに通常の動作を行わせ、残りのセンサ装置20は動作を停止させて、電池201の消費を抑えるように通常の動作を行うセンサ装置20を制御する(切り替える)。これにより、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様の効果を得ることができる。より具体的には、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、同じグループに属するそれぞれのセンサ装置20に搭載されている電池201の電池寿命が短い場合でも、センサ205によって検出した物理量を表す測定値が欠落することなく、上位システム50に出力(送信)することができる。そして、電池管理システム3でも、第1の実施形態の電池管理システム1と同様に、上位システム50からは、複数のセンサ装置20を1つのセンサ装置20として見ることができ、IIoTに対応するために上位システム50の構成を変更などの行うことなく、定期点検や定期修理などが次に行われるときまでに必要な期間以上、電池切れが起こらない、IIoTに対応したプラントをより容易に実現することができる。
しかも、電池管理システム3では、通常の動作をしているセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生した場合でも、通常の動作をするセンサ装置20を、同じグループに属するセンサ205が故障していないセンサ装置20に切り替える(交換する)ことができる。これにより、電池管理システム3では、通常の動作をしているセンサ装置20に備えたセンサ205に故障が発生したことによる測定値の欠落を、最低限に抑えることができる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、電池管理システムを構成する電池管理装置は、プラント内に配置された設備に対して同じ位置に設置される複数の電池駆動型の現場機器を同じグループに属する現場機器として定義し、いずれか1つの現場機器のみが通常の動作を行い、残りの現場機器は、待機(スリープ)状態になって動作が停止するように制御する。また、本発明を実施するための形態によれば、電池管理装置は、通常の動作を現在行っている現場機器に搭載した電池の電池寿命がくる前に、同じグループに属し、動作を停止して電池の消費を抑えているいずれかの現場機器が通常の動作を行うように切り替える。つまり、本発明を実施するための形態では、電池管理装置が、電池の電池寿命がきた通常の動作を行っている現場機器を、電池寿命はきていない他の現場機器に交換する。このように、本発明を実施するための形態では、電池管理装置が、電池駆動型の現場機器に搭載された電池の交換を管理する。
これにより、本発明を実施するための形態では、電池管理システムを、現場機器に搭載した電池の電池寿命が、例えば、定期点検や定期修理など、プラントにおいて行われる設備に対する点検作業の一定の期間の周期よりも短い場合でも、上位システムから見た場合に、定期点検や定期修理などが次に行われるときまで、現場機器の電池切れが起こらないように見せることができ、電池切れが起こらない計測システムとして運用することができる。このことにより、本発明を実施するための形態では、例えば、現場機器に搭載した電池として、電池寿命は短いが非常に安価な電池を採用することができ、現場機器の小型化や低コスト化を実現し、現場機器の電池切れが起こらないIIoTに対応したプラントを、より実現しやすくすることができる。
なお、本発明を実施するための形態では、機器IDおよび機器タグを定義し、例えば、電池管理装置の機能を実現するゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101が、機器IDによって同じグループに属するセンサ装置20のそれぞれを識別し、機器タグによってセンサ装置20の動作を管理する(切り替える)構成を示した。また、本発明を実施するための形態では、グループタグを定義し、例えば、ゲートウェイ装置10が、通常の動作を行っているセンサ装置20から出力(送信)されてきた測定値のデータと共にグループタグを上位システム50に出力(送信)することによって、上位システム50が、複数のセンサ装置20を1つのセンサ装置20として見ることができるようにする構成示した。しかし、設備の同じ位置に設置された複数の現場機器のそれぞれを識別する方法や、同じ位置に設置された複数の現場機器を1つの現場機器として上位システムが見られるようにする方法は、本発明を実施するための形態に示した機器IDや機器タグ、およびグループタグを用いる方法に限定されるものではなく、それぞれの目的を実現することができる方法であれば、いかなる方法であっても、本発明の考え方を適用することができる。
また、本発明を実施するための形態では、第3の実施形態の電池管理システム3において、電池駆動型の現場機器に搭載された電池を管理する電池管理装置によって現場機器を切り替える考え方を、現場機器(センサ装置20)に備えた、センサ装置20の機能を実現するための機能部であるセンサ(センサ205)に故障が発生した場合に、現場機器(センサ装置20)の切り替え(交換)を行う方法として応用した場合について説明した。しかし、本発明の電池管理装置における現場機器の切り替えの考え方は、本発明を実施するための形態に示した電池やセンサと同様に、プラントにおいて現場機器の切り替えを伴う交換や修理が必要となると考えられる様々な構成要素(機能部)や状況に対応する方法として応用し、適用することができる。
なお、例えば、図1において示したゲートウェイ装置10に備えた電池管理部101や、図5において示したゲートウェイ装置13に備えた電池管理部131(故障処理部1311を含む)などの電池管理装置の機能を実現するための各構成要素による処理(電池管理方法)を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の電池管理装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。