JP6789610B2 - 非水電解質二次電池用負極材料の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性相を有する粒子を含む非水電解質二次電池用負極材料の製造方法に関する。
非水電解質二次電池は、携帯機器用や車載用として幅広く用いられている。近年では、電池の小型化及び軽量化が進む一方で、高出力の電池も要求されており、電池のエネルギー密度の向上が求められている。電池のエネルギー密度を向上させる方法としては、電池の電圧を高くする方法や電池内に蓄電可能な電気量を増大させる方法がある。一般的に、電池の電圧は、機器側の要求によって決まるため、電池のエネルギー密度を向上させる方法としては、電池内に蓄電可能な電気量を増大させる方法が現実的な方法である。
電池内に蓄電可能な電気量を増大させる方法としては、例えば正極または負極の活物質を改良して、電池の高容量化を図る方法が考えられる。例えばリチウムイオン電池の場合、負極材として、黒鉛が多く用いられているが、電池の高容量化を図るために、黒鉛よりも多くのLiを吸蔵可能な材料(例えばSi、Snなどの合金)を用いる方法が考えられている。
ところで、負極材としてSi、Snなどの合金を用いると、電池が充放電を繰り返した際のサイクル特性が問題になる。例えば、Si系合金はLiと反応する際の体積の膨張率が大きい。よって、Si系合金を負極材として用いると、電池が充放電を繰り返すたびに、Siの合金が膨張・収縮を繰り返すため、Si系合金の粒子が崩壊する。これにより、負極材の寿命が短くなり、電池のサイクル特性が悪化する。
このような電池のサイクル特性の悪化を改善するために、種々の検討が行われている。検討の結果、材料の組織の制御及び結晶粒の微細化が最もサイクル特性の改善効果が大きいと考えられている。例えば、Si系合金の場合では、Liを吸蔵しない相によってSi相を囲むことにより、粒子の崩壊を抑制するとともに、結晶粒を微細化することにより、粒子の膨張・収縮によって該粒子の一部に応力が集中しないようにする方法が考えられている。
結晶粒を微細化する方法として、例えば特許文献1,2に開示されるように、ボールミルやアトライタミルなどを用いた方法が知られている。なお、ボールミルは、回転可能な円筒状の容器内に複数のボールとともに被粉砕物を入れた状態で、該容器を回転させることにより、複数のボールによって被粉砕物を粉砕及び加工して結晶粒を微細化する。一方、アトライタミルは、容器内に、水平方向に回転可能な攪拌部材を備えた回転体と、球状の粉砕メディアとを収納した状態で、回転体を回転させることにより、粉砕メディアによって被粉砕物の結晶粒を微細化する。
特表2011−502335号公報 特表2012−526920号公報
ところで、ボールミルの場合には、微細な結晶粒の粒子を得つつ、装置を大型化するのが難しい。すなわち、装置を大型化するために容器を大型化して多量のボールを入れても、大きい容器内ではボールが十分に移動しないため、結晶粒を十分に微細化できない可能性が高い。これに対し、アトライタミルでは、容器内で水平方向に回転する攪拌部材によって容器内で粉砕メディアを攪拌して移動させるため、粉砕メディアの移動量はボールミルにおけるボールの移動量よりも大きくなる。したがって、アトライタミルは、結晶粒を微細化しつつ装置の大型化が可能である。
ところが、従来の構成のアトライタミルでは、容器の底に溜まった原料合金の被粉砕物を、攪拌部材によって攪拌された粉砕メディアによって効率良く粉砕及び加工することができず、例えばリチウムイオン電池の負極材料として必要な数10nmレベルまで結晶粒を微細化するためには、長い時間を要するという問題があった。
本発明の目的は、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法において、結晶粒の微細化を短時間で効率良く行うことにより、微細な結晶粒を有する粒子を量産可能な方法を提供することにある。
本発明者らは、アトライタミルにおいて粒子を微細化した後の容器内において、該容器内に投入された被粉砕物が容器の底部に滞留しているため、粉砕メディアによって結晶粒が十分に微細化されていない点に着目した。鋭意検討の結果、発明者らは、粉砕メディアに対して鉛直方向成分の力が作用するように容器内で攪拌部材を回転させるとともに、攪拌部材の先端の回転速度及び総面積、粉砕メディアの投入量によって決まるフルード数を適切な範囲にすることで、該容器内での粉砕メディアの移動量が大きくなり、結晶粒を効率良く微細化できることを見出した。
すなわち、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用負極材料の製造方法は、活性相を有する粒子を含む非水電解質二次電池用負極材料の製造方法である。ここで、活性相とは、電荷キャリアを可逆的に吸蔵及び放出することができる相である。この製造方法は、回転軸とともに回転する攪拌部材によって攪拌された粉砕メディアによって原料合金の被粉砕物を粉砕及び加工することにより、前記粒子を得る粉砕工程を有する。前記攪拌部材は、前記粉砕メディアに対して鉛直方向成分の力を与えるように、水平方向と交差する方向に回転する。前記攪拌部材の先端の回転速度v及び投影面積S、前記粉砕メディアの投入量Vは、下式(1)によって得られるフルード数Frが0.6≦Fr≦3を満たすように設定されている。
Fr=v/√(g×L) (1)
ここで、L=V/Sであり、gは重力加速度を示す(第1の方法)。
回転軸とともに回転する攪拌部材を、粉砕メディアに対して鉛直方向成分の力を与えるように、水平方向と交差する方向に回転させることにより、容器内での粉砕メディアの移動量を十分に大きくすることができる。これにより、回転軸が鉛直方向に延びる従来のアトライタミルに比べて、結晶粒を効率良く微細化することができる。
しかも、上式(1)の値が所定の範囲内になるように攪拌部材の先端の回転速度v及び投影面積S、粉砕メディアの投入量Vを調整することで、結晶粒をより効率良く微細化することが可能になる。一般的に、攪拌部材の先端の回転速度vが速いほど粉砕メディアの運動量が大きくなって、粉砕メディア同士の接触や容器と粉砕メディアとの接触によるエネルギーが大きくなり、粒子及び結晶粒のナノサイズ化が進行しやすい。しかしながら、攪拌部材の先端の回転速度vが速い場合でも、粉砕メディアの投入量Vが少なく、式(1)の値が大きくなると、結晶粒のナノサイズ化は加速度的には進行しない。また、式(1)の値が小さい場合にも、粉砕メディアの運動量が小さく、結晶粒のナノサイズ化が加速度的には進行しない。つまり、上述のように、式(1)の値が適当な範囲になるように、攪拌部材の先端の回転速度v及び投影面積S、粉砕メディアの投入量Vを設定することで、結晶粒を効率良く微細化することができる。
前記第1の方法において、前記粉砕メディアの投入量V及び前記原料合金の被粉砕物の投入量Vは、下式(2)を満たしている(第2の方法)。
/V<0.4 (2)
このように、粉砕メディアの投入量V及び原料合金の被粉砕物の投入量Vが上式(2)を満たすことで、粉砕メディアの投入量Vに対する被粉砕物の投入量を、該被粉砕物が効率良く粉砕及び加工されるような量にすることができる。したがって、結晶粒を効率良く微細化することができる。
前記第1または第2の方法において、前記回転軸は、水平方向に延びるように配置されている(第3の方法)。これにより、回転軸とともに回転する攪拌部材は、鉛直方向に回転する。よって、攪拌部材によって粉砕メディアを鉛直方向に大きく移動させることができる。このように粉砕メディアを鉛直方向に大きく移動させることにより、該粉砕メディアによって容器の底部に溜まった被粉砕物をより効果的に粉砕することができる。したがって、結晶粒をより効率良く微細化することができる。
前記第1から第3の方法のうちいずれか一つの方法において、前記活性相は、Siを含む相である(第4の方法)。これにより、黒鉛よりも多くのLiを吸蔵可能なSiを用いて負極材を構成することが可能になるため、リチウムイオン電池の容量を増大させることができる。そして、上述の方法によってSiを含む粒子中の結晶粒を効率良く微細化することにより、サイクル特性に優れた電池を効率良く生産することが可能になる。
前記第1から第4の方法のうちいずれか一つの方法において、前記活性相は、電荷キャリアを吸蔵しない不活性相に囲まれている(第5の方法)。これにより、電池の充放電の際に、活性相が膨張・収縮を繰り返して壊れるのを防止できる。そして、このように活性相が不活性相に囲まれた粒子中の結晶粒を、上述の方法によって効率良く微細化することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用負極材料の製造方法によれば、粉砕メディアに鉛直方向の力が作用するように攪拌部材を回転させるとともに、式(1)が所定の範囲内の値となるように攪拌部材の先端の回転速度v及び投影面積S、粉砕メディアの投入量Vを決定することにより、粒子中の結晶粒を効率良く微細化することができる。これにより、粒子中の結晶粒の微細化を短時間で効率良く行うことができ、非水電解質二次電池用負極材料を効率良く量産することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る製造方法で用いる粉砕装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、粉砕装置の回転体を回転させた場合の容器内の粉砕メディア及び被粉砕物の動きを模式的に示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池用負極材料の製造方法を実現するための粉砕装置1の概略構成を示す図である。この粉砕装置1は、被粉砕物Mを粉砕及び加工することにより、非水電解質二次電池用負極材料の結晶粒を微細化するための装置であり、容器10と、該容器10内で回転する回転体20と、該容器10内で回転体20の回転によって攪拌される粉砕メディア30とを有する。なお、以下の説明では、非水電解質二次電池として、電荷キャリアがLiであるリチウムイオン電池の例を挙げているが、この限りではなく、非水電解質二次電池として機能する電池であれば、電荷キャリアがNaであるナトリウムイオン電池など、他の種類の電池であってもよい。
粉砕装置1によって粉砕される被粉砕物Mは、Si、Snなどの合金を含む活性相と、例えばTi系合金(例えばTiSi、TiNiSi、TiSnなど)を含み、前記活性相を覆う不活性相とを有する。なお、活性相に用いる合金は、黒鉛よりも多くの電荷キャリアを吸蔵可能な合金であればどのような合金であってもよい。また、不活性相に用いる合金は、電荷キャリアを吸蔵しない合金であればどのような合金であってもよい。
粉砕装置1において、回転体20は、容器10内に水平方向に延びるとともに鉛直方向に回転するように配置されている。なお、回転体20は、特に図示しないが、容器10に対して軸受等によって回転可能に支持されている。
回転体20は、水平方向に延びる回転軸21と、回転軸21に接続された複数の攪拌部材22とを有する。回転軸21は、一端側が、図示しないモータに接続されているとともに図示しない軸受によって回転可能に支持されている。これにより、回転軸21は、モータの回転駆動によって回転する。
攪拌部材22は、例えば棒状または板状の部材であって、回転軸21の延伸方向と直交する方向(すなわち鉛直方向)に延びるように、回転軸21に対して一端側で接続されている。攪拌部材22は、回転軸21に対して回転軸21の延伸方向に複数、設けられている。なお、攪拌部材22は、回転軸21上における回転軸21の延伸方向の同じ位置に複数、設けられていてもよいし、回転軸21の延伸方向の異なる位置に設けられていてもよい。また、攪拌部材22の形状は、棒状または板状に限らず、他の形状であってもよい。
回転体20を上述のような構成にすることで、図2に示すように、回転体20によって、容器10内に収容された球状の複数の粉砕メディア30を効率良く攪拌することができる。すなわち、水平方向に延びる回転軸21が回転することにより、攪拌部材22が鉛直方向に回転し、複数の粉砕メディア30を鉛直方向に持ち上げることができる。これにより、回転軸が鉛直方向に延びて攪拌部材が水平方向に回転する従来の構成に比べて、容器10内での複数の粉砕メディア30の移動量を増大させることができる。
また、上述のような回転体20の構成は、被粉砕物が連続的に投入及び排出される連続式の処理方法よりも、被粉砕物が容器内に滞留しているバッチ式の処理方法に効果的である。
粉砕メディア30は、例えばSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)などの金属材料によって構成された球状の部材である。粉砕メディア30は、超硬合金などのような高い比重のものを用いてもよい。粉砕メディア30は、例えば、直径2〜15mmが好ましく、直径5〜10mmがより好ましい。
回転体20によって容器10内で複数の粉砕メディア30を移動させることにより、容器10内に充填された被粉砕物Mを、粉砕メディア30同士の接触、粉砕メディア30と攪拌部材22との接触、粉砕メディア30と容器10の内面との接触、及び粉砕メディア30と回転軸21との接触の少なくとも一つの接触によって、粉砕及び加工して結晶粒を微細化することができる。ここで、回転軸21とともに回転する攪拌部材22によって攪拌された粉砕メディア30によって原料合金の被粉砕物Mを粉砕することにより、粒子を得る工程が粉砕工程に対応する。
なお、従来のアトライタミルでは、攪拌部材の先端の回転速度が大きいほどボールの運動量が大きくなるため、ボール同士の接触や容器とボールとの接触によるエネルギーが大きくなり、結晶粒の微細化が進行しやすい。しかしながら、発明者らの鋭意努力の結果、上述のように攪拌部材22によって粉砕メディア30を攪拌する構成の粉砕装置1において、攪拌部材22の先端の回転速度vが大きくても、粉砕メディア30の投入量Vが少なく、下式(1)により得られるフルード数Frが大きい場合には、結晶粒の微細化が加速しないことが明らかになった。一方、フルード数Frが小さい場合にも、容器10内の粉砕メディア30の運動量が少なくなるため、結晶粒の微細化が加速度的に進行しないことが分かった。
Fr=v/√(g・L) (1)
ここで、L=V/Sであり、vは攪拌部材22の先端の回転速度(m/s)、gは重力加速度(9.8m/s)、Vは粉砕メディア30の投入量(体積量、m)、Sは攪拌部材22の投影面積(m)を、それぞれ示す。
なお、攪拌部材22の投影面積Sとは、各攪拌部材22を、その延伸方向に対して直交し且つ回転軸21の延伸方向に対しても直交する方向から見た場合の、各攪拌部材22の面積の合計である。
そして、発明者らは、鋭意努力の結果、上式(1)により得られるフルード数Frが0.6≦Fr≦3を満たす範囲が好ましいことを見出した。そのため、粉砕装置1の攪拌部材22の先端の回転速度v及び投影面積S、粉砕メディア30の投入量Vは、0.6≦Fr≦3を満たすように設定される。
このように、流体力学の関係式であるフルード数Frを用いることにより、粉砕装置1における容器10内での粉砕メディア30の挙動を流体と同様に考えて、粉砕メディア30の動きを数値的に評価することが可能となる。すなわち、上述のようにフルード数Frの範囲を定めることにより、容器10内の粉砕メディア30の挙動も規定することが可能となる。
そして、フルード数Frを上述のような範囲に設定することで、実施例として後述するように、結晶粒を効率良く微細化できるような粉砕メディア30の挙動を規定することができる。したがって、上述のフルード数Frの範囲とすることで、粉砕装置1によって被粉砕物Mを効率良く粉砕して結晶粒を微細化することができる。
上述の実施形態のような構成を有する粉砕装置1を用いて被粉砕物Mの結晶粒を微細化した場合の効果を確認するために、粉砕装置1によって被粉砕物Mの結晶粒を微細化して得た粒子を負極材として用いてリチウムイオン電池を製作し、その電気特性を評価した。すなわち、製作されたリチウムイオン電池の充放電を複数回、繰り返して電池容量の変化(いわゆるサイクル特性)を確認した。得られた粒子中の結晶粒が微細化されていれば、該粒子を負極材とするリチウムイオン電池のサイクル特性が向上する。よって、リチウムイオン電池のサイクル特性を評価することにより、得られた粒子中の結晶粒が微細化されているかどうかの判定を行う。
まず、粉砕装置1を用いて被粉砕物を粉砕及び加工して微細化を行う。具体的には、Ti−17Ni−58Si(wt%)の合金の被粉砕物(径が約30〜50μm)と凝縮抑制剤としてのステアリン酸とを、98:2の重量比で調製した後、粉砕装置1の容器10内に投入する。容器10内には、粉砕メディア30としてSUJ2の材質の球状部材も投入する。投入する粉砕メディア30の径(粉砕メディア径)を8mm(実施例1から3)、9.5mm(実施例4から8)、11mm(実施例9)と変化させて、粉砕装置1によって一定時間処理した後、それぞれバッチ処理して得られる粒子を、リチウムイオン電池の負極材に用いた。なお、容器10内に投入する粉砕メディア30の投入量Vに対する被粉砕物の投入量Vの比(被粉砕物と粉砕メディアとの体積比率、表1では単に体積比率)も変化させて、結晶粒の微細化に与える影響も調べた(実施例6)。
また、粉砕装置1における攪拌部材22の先端の回転速度を、それぞれ、2.02m/s(実施例4,9)、2.47m/s(実施例1,5から8,10)、3.64m/s(実施例2,3)に設定して、結晶粒の微細化への影響を調べた。さらに、粉砕メディアの投入量Vと攪拌部材22の投影面積Sとの関係式であるLを、0.17m(実施例2)、0.69m(実施例1,3から10)と変化させることによって、Lによる結晶粒の微細化への影響を調べた。すなわち、これらの値によってフルード数Frを変えることにより、フルード数Frと結晶粒の微細化との関係を調べた。
また、回転軸21の傾きによる粒子の微細化への影響を調べるために、回転軸21を水平方向に対して4度(実施例7)、8度(実施例8)に傾けた状態で被粉砕物の粉砕を行った。
さらに、被粉砕物と粉砕メディアとの体積比率の影響を調べるために、それぞれ、体積比率を0.1(実施例5)、体積比率を0.3(実施例6)、体積比率を0.4(実施例9)として、結晶粒の微細化への影響を調べた。
なお、各実施例において、粉砕装置1の運転時間を、3時間、6時間、9時間とした場合のそれぞれの結晶粒子の微細化への影響も調べた。また、表1中において、上述の実施形態のように、回転軸21が水平方向に延びている構成は、装置の種類を横型として記載している。
粉砕装置1によって得られた粒子、アセチレンブラック、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を、75:15:5:5の比で混合したものを、銅電極に4mg/cmで塗布し、負極材を製作した。そして、金属Liによって正極材を構成するとともに、1MLiPF6が溶解したエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とが1:1の比で混合された液体を電解液として用いて、2016型のコイン形電池を作製した。
作製したコイン形電池に対して、0.75mAで0.1mVまで定電流充電を行った後、0.05mAまで定電圧充電を行い、その後、定電流で1.5Vまで放電を行うサイクルを50サイクル繰り返すことにより、電池のサイクル特性を調べた。電池のサイクル特性は、最初の1サイクルの放電容量が、50サイクル後にどの程度、維持できているかによって評価を行った。
なお、比較例1として、攪拌部材の先端の回転速度vが3.75m/s、攪拌装置の運転時間が2時間、4時間、6時間、8時間の各時間で、被粉砕物Mを微細化した。この比較例1では、粉砕メディアの径は5mm、L=0.1m、被粉砕物と粉砕メディアとの体積比率は0.3とした。なお、比較例1で用いた装置では、各実施例で用いた装置に比べて、回転軸の長さが短い(例えば回転軸が容器の半分程度の長さを有する)。
また、実施例における攪拌部材の先端の回転速度vの影響を調べるために、比較例2として、攪拌部材22の先端の回転速度vを1.5m/sとした。この比較例2では、攪拌部材の先端の回転速度以外は、実施例4,5と同じ粉砕条件及び加工条件である。
なお、比較例3として、従来のように、回転体が水平方向に回転する構成(縦型)の場合でも試験を行った。この比較例3では、粉砕メディアの径を9.5mm、攪拌部材の先端の回転速度vを2.51m/s、L=0.29m、被粉砕物と粉砕メディアとの体積比率を0.1とした。
Figure 0006789610
評価結果を表1に示す。表1に示すように、粉砕装置の運転時間が長いほど、50サイクル後の電池の容量維持率は大きくなる。これは、粉砕装置の運転時間が長いほど、粉砕装置によって結晶粒が微細化されているためである。よって、各条件の影響は、粉砕装置の運転時間が最も長い場合(9時間)に、最も顕著に表れている。したがって、以下では、粉砕装置の運転時間が9時間の場合において、各条件における評価結果を比較する。
表1に示すように、回転軸が垂直方向に延びる、いわゆる縦型の粉砕装置を用いた場合(比較例3)に比べると、回転軸が水平方向に延びる横型の粉砕装置を用いた場合(実施例1から9、比較例1、2)の方が、全体的に、50サイクル後の電池容量の維持率が大きい。したがって、本実施形態の構成のような粉砕装置の方が、粒子中の結晶粒をより確実に微細化できることが分かる。
また、攪拌部材の先端の回転速度vが小さい場合には、Lが同程度であれば、Frの値が小さくなって、50サイクル後の電池容量の維持率が低下する(例えば、実施例4〜9と比較例2)。一方、攪拌部材の先端の回転速度vが大きくても、Frの値が大きい場合(例えば、比較例1)には、それよりもFrの値が小さい実施例1〜9に比べて、50サイクル後の電池容量の維持率が低い。
したがって、表1に示す結果から、Frの値の範囲としては、比較例2のFrの値よりも大きく、比較例1のFrの値よりも小さい範囲、すなわち、0.6≦Fr≦3がよい。より好ましくは、Frの値は、従来の縦型の粉砕装置におけるFrの値1.48よりも小さい範囲である。すなわち、0.6≦Fr≦1.4がより好ましい。
また、実施例6及び実施例9に示すように、粉砕装置内に投入する被粉砕物と粉砕メディアとの体積比が大きい場合(実施例9の場合)には、50サイクル後の容積維持率が低下する。これは、粉砕装置内に投入する被粉砕物の量が多すぎるため、粉砕メディアによって粒子を十分に微細化できていないことが原因と考えられる。よって、粉砕装置内に投入する被粉砕物の量は、実施例9の値よりも小さいのが好ましい。したがって、被粉砕物と粉砕メディアとの体積比は、0.4よりも小さい値がよい。好ましくは、被粉砕物と粉砕メディアとの体積比は、0.35以下である。粉砕メディアを六方最密充填した場合、該粉砕メディアに対する空隙の比率が0.35である。そのため、被粉砕物の投入量が粉砕メディアに対して体積比で0.35以下であれば、該粉砕メディアによって被粉砕物を効率良く粉砕及び加工することができる。
なお、水平方向に対する回転軸の傾斜角度を変えた場合(実施例7、8)でも、50サイクル後の電池容量の維持率にはあまり大きな変化は見られなかった。ただし、回転軸の回転によって攪拌部材が粉砕メディアを鉛直方向に大きく移動させるためには、水平方向に対する回転軸の傾きは45度以下が好ましい。より好ましくは、水平方向に対する回転軸の傾きは30度以下であり、さらに好ましくは20度以下であり、特に好ましいのは15度以下である。このように、水平方向に対する回転軸の傾きを30度以下にすることにより、粉砕メディアを鉛直方向により大きく移動させることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、回転軸21が水平方向に延びるように回転体20を配置しているが、この限りではなく、回転体20が水平方向と交差する方向に回転するように配置されていてもよい。また、回転体20は、回転中に、水平方向に対して回転軸21が傾斜するように構成されていてもよい。例えば、回転体20は、回転中に容器10とともに揺動可能な構成であってもよい。
前記実施形態では、回転体20において、攪拌部材22は、回転軸21の延伸方向と直交する方向に延びている。しかしながら、攪拌部材22は、互いに干渉しない範囲で、回転軸21の延伸方向に対して傾斜するように設けられていてもよい。
本発明は、非水電解質二次電池の負極材に含まれる粒子を、効率良く大量に微細化する場合に利用可能である。
21 回転軸
22 攪拌部材
30 粉砕メディア
M 被粉砕物

Claims (4)

  1. 活性相を有する粒子を含む非水電解質二次電池用負極材料の製造方法であって、
    回転軸とともに回転する攪拌部材によって攪拌された粉砕メディアによって原料合金の被粉砕物を粉砕することにより、前記粒子を得る粉砕工程を有し、
    前記粉砕メディアは直径2mm〜15mmの球状部材であり、
    前記攪拌部材は、前記粉砕メディアに対して鉛直方向成分の力を与えるように、水平方向と交差する方向に回転し、
    前記回転軸の水平方向に対する傾きは45度以下であり、
    前記攪拌部材の先端の回転速度v及び投影面積S、前記粉砕メディアの投入量Vは、下式(1)によって得られるフルード数Frが0.6≦Fr≦3を満たすように設定され
    前記粉砕メディアの投入量V及び前記原料合金の被粉砕物の投入量V は、下式(2)を満たしている、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法。
    Fr=v/√(g×L) (1)
    ここで、L=V/Sであり、gは重力加速度を示す。
    /V<0.4 (2)
  2. 請求項1記載の非水電解質二次電池用負極材料の製造方法において、
    前記回転軸は、水平方向に延びるように配置されている、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極材料の製造方法において、
    前記活性相は、Siを含む相である、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法。
  4. 請求項1からのいずれか一つに記載の非水電解質二次電池用負極材料の製造方法において、
    前記活性相は、電荷キャリアを吸蔵しない不活性相に囲まれている、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法。
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