JP6788829B2 - 医療デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は医療デバイスおよびその製造方法に関する。
近年、軟質材料に導電性配線を有する基材を組み合わせた医療デバイスの研究・開発が盛んにおこなわれている。
軟質材料は、医療デバイスに伸縮性を付与することができる材料をいう。軟質材料は、低分子有機モノマーを用いて重合することにより作製することが一般的である。
導電性配線を有する基材とはたとえばフィルムなどの基材に導電性配線を形成したものである。
軟質材料に導電性配線を有する基材を組み合わせた医療デバイスとしては、半導体チップ、生体データ取得用の各種センサー、二次電池、発電デバイスなどを実装し、軟質材料により伸縮性を付与し、ウェアラブデバイス、電子デバイスを有するコンタクトレンズ、体内に設置する軟質のセンサーとしたものが挙げられる(例えば特許文献1および2)。
特開2002−521526号公報 特開2016−46258号公報
ところで、医療デバイスが生体と直接接触するものである場合には、安全性を確保するため、デバイスに含まれる溶出可能成分を高温のアルコール性有機溶媒などで除去する必要がある。また菌を除去するため、高温の水を用いて滅菌処理することが一般に行われる。
ここで、医療デバイスが軟質材料に導電性配線を有する基材を組み合わせたものである場合、高温のアルコール性有機溶媒に対し、軟質材料に用いられる材料は膨潤しやすく、導電性配線は膨潤し難いという問題が生じ得る。この膨潤しやすさの相違によって、軟質材料が変形する場合や、軟質材料と導電性配線の境界面で剥離が生じる場合があった。また、アルコール性有機溶媒を用いた工程の通過中に導電性配線の腐食が進行する場合があった。
また、予め軟質材料の溶出可能成分を、アルコール性有機溶媒等を用いて除去した後に、軟質材料と導電性配線と組み合わせることで、軟質材料と導電性配線の境界面での剥離の発生を低減することは考えられる。しかし、工程はより煩雑となる。
また、生体と直接接触する医療デバイスは、一般に最終工程で滅菌処理が行われる。この工程に起因する、軟質材料の変形、軟質材料と導電性配線の境界面での剥離、および導電性配線の腐食といった問題は解決することが困難である。
このため、軟質材料の変形が抑えられ、導電性配線との接着性が高い医療デバイスを提供することは大きな意義を有する。
さらに別の側面として、軟質材料に用いられる材料は、ガラス転移温度の低い高分子材料であることが多く、粘着性つまりタック性が高くなってしまう。このため、接触する生体の表面が眼球や体内などの粘膜である場合、軟質材料と粘膜との間に摩擦が生じ、粘膜表面を傷つけてしまう場合があった。
このため、軟質材料と粘膜表面との間の摩擦が低い医療デバイスを提供することもまた大きな意義を有する。
そこで本発明は、導電性配線と軟質材料との接着性が高く、表面摩擦が低減された医療デバイスを提供する。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
(a)導電性配線を有する基材、
(b)接着性組成物の硬化膜、および
(c)ハイドロゲル
がこの順に配置されてなり、
前記接着性組成物が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含む、医療デバイスである。
本発明によれば、導電性配線と軟質材料であるハイドロゲルとの接着性が高く、ハイドロゲルと生体表面との摩擦が低減された医療デバイスを得ることができる。
また本発明により得られる医療デバイスは、溶出可能成分や滅菌工程における、導電性配線と軟質材料の境界面での剥離や、導電性配線の腐食が低減されたものである。
本発明の医療デバイスの一実施形態を示す概念図である。 表面摩擦係数を測定する装置を示す全体模式図である。 表面摩擦計数を測定する装置の測定治具および摩擦子を示す上面図である。 表面摩擦計数を測定する装置の測定治具および摩擦子を示す断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は下記の構成を有する。すなわち、
(a)導電性配線を有する基材、
(b)接着性組成物の硬化膜、および
(c)ハイドロゲルがこの順に配置されてなり、
前記接着性組成物が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含む、医療デバイスである。
本発明の医療デバイスの好適な例としては、半導体チップ、生体データ取得用の各種センサー、二次電池、発電デバイスなどを実装し、ハイドロゲルにより伸縮性を付与した、皮膚に貼り付けて使用する医療用デバイスや生体データセンサー、また電子デバイスを有するコンタクトレンズ、体内に設置する軟質のセンサーなどが挙げられる。
まず、本発明の医療デバイスは(a)導電性配線を有する基材を有する。
本発明に用いられる基材は特に限定されることはないが、柔軟性を有しているという点からポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、シクロオレフィン系フィルム、ポリジメチルシロキサンフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが用いることが出来る。
本発明に用いられる導電性配線は、次のようにして基材上に形成することができる。
まず、導電性材料として銅、銀、白金、モリブデン、チタン、金、マグネシュウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、カーボン、インジュウム、スズ、などやこれらの元素を含む合金を用いることが出来るが、抵抗値が低く、加工しやすいことから銅、銀を用いることが好ましい。
次に基材上に導電性配線を形成する。基材上に上述の導電性材料をスパッタやメッキ成膜した後に、レジストパターン形成、酸性液などでのエッチング、レジスト剥離工程を経て、導電性配線のパターンを形成する方法や、導電性インクを用いてスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンサーによる描画などにより、基材上に導電性配線を形成することが可能である。また、転写フィルムに導電性配線を形成した後に目的の基材に転写することもできる。
本発明の医療デバイスは、(b)接着性組成物の硬化膜、を有する。
本発明の医療デバイスにおける(b)接着性組成物の硬化膜、とは、組成物をたとえば熱や光などの工程にて硬化することにより接着状態がより強固となる硬化膜であることを意味する。そして、前記硬化膜に用いられる接着性組成物は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含むことにより、医療デバイス製造中での原料を除去する工程や煮沸滅菌工程でのハイドロゲルと導電配線を有する基材からの剥離を防ぎ、導電性配線の腐食や抵抗値上昇を大幅に抑えることが可能である。
本発明の医療デバイスに用いられる接着性組成物は、導電性配線の腐食や抵抗値上昇を抑えるという点でポリエステル樹脂が有効であり、剥離を防ぐという点でポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が有効である。さらに水蒸気の浸透性が低く、導電性配線の腐食や抵抗値上昇を抑えるという点と剥離が防げることからポリエステル樹脂が最も好ましい。
本発明の医療デバイスに用いられる接着性組成物は上記の樹脂を含有するところ、樹脂成分は接着性組成物の硬化膜が伸張して力を分散させる役割を有しているため、全成分中50質量%以上が樹脂成分であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
前記接着性組成物が含有する樹脂は、複数の異なる樹脂であってもよいが、樹脂それぞれが、硬化課程において分離し得られる硬化膜が不均一になる場合があるため、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂についてはそれぞれ単独で使用することが好ましい。一方、材料の改質という点から樹脂全量100質量%のうち、異なる樹脂を10質量%以下含ませてもよい。
これらの樹脂は有機溶媒に溶解させやすく、スプレーやディッピング、スピンコート法にて簡便に塗布できるという利点も持ち合わせている。
ポリエステル樹脂としてはジカルボン酸化合物とジオール化合物を原料として重縮合して得られるほか、環状ラクトン化合物、乳酸、グリコール酸を原料として重縮合反応しても得られる。上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。またジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6,000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらの重合体ないしは共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。また市販品である「“サンドーマ”(登録商標)2109(A)PT」、「“サンドーマ”(登録商標)5595A(PT)」、「“サンドーマ”(登録商標)2188(A)PT」、「“サンドーマ”(登録商標)FS−118−N(商品名)」、「“サンドーマ”(登録商標)2915PT(商品名)」、「“サンドーマ”(登録商標)FH−123(−N)(商品名)」(以上サンドーマシリーズ DICマテリアル(株)製不飽和ポリエステル)、「“リゴラック(登録商標)”1560L(商品名)」、「“リゴラック(登録商標)”1635(商品名)」、「“リゴラック(登録商標)”RI−105(商品名)」、「“リゴラック(登録商標)”M−411(商品名)」、「“リゴラック(登録商標)”157BQH(商品名)」(以上リゴラックシリーズ昭和電工(株)製 不飽和ポリエステル)、「“ユピカ(登録商標)”4075(商品名)」、「“ユピカ(登録商標)4300”(商品名)」、「“ユピカ”(登録商標)5126(商品名)」、「“ユピカ”(登録商標)5423(商品名)」、「“ユピカ”(登録商標)FLT−125(商品名)」、「“ユピカ”(登録商標)5423(商品名)」(以上“ユピカ”(登録商標)シリーズ、日本ユピカ株式会社製 不飽和ポリエステル)、「WR−301(商品名)」((株)ADEKA製)、「V−259ME(商品名)」、(新日鉄住金化学(株)製 不飽和ポリエステル)、「V−259PHA(商品名)」(新日鉄住金化学(株)製、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)、「V−259EH」(新日鉄住金化学(株)製 不飽和ポリエステル)、「OGSOLCR−TR1(商品名)」、「“OGSOL(登録商標)”CR−TR2(商品名)(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)」、「“OGSOL(登録商標)”CR−TR3(商品名)(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)」、「“OGSOL(登録商標)”CR−TR4(商品名)(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)」、「“OGSOL(登録商標)”CR−TR5(商品名)(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)」、「“OGSOL(登録商標)”CR−TR6(商品名)(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)」(以上、“OGSOL(登録商標)”シリーズ 大阪ガスケミカル(株)製 フルオレン構造を有するポリエステル)、「ぺスレジンA−110F(商品名)」、「ぺスレジンA−160P(商品名)」、「ぺスレジンA−613D(商品名)」(以上ぺスレジンAシリーズ、高松油脂(株)製、ポリエステル)などが挙げられる。
このなかでも、溶出可能成分除去工程や滅菌処理工程において水分やアルコール溶剤を浸透させず、導電性配線を腐食させにくいという点で疎水性の高いフルオレン骨格を有するポリエステルが特に好ましい。
また接着性組成物とハイドロゲルの形成時にラジカル反応をし、密着性が向上するという点から、さらにポリエステル樹脂が不飽和二重結合基であるラジカル重合性基を有しているポリエステルすなわち不飽和ポリエステルであることが好ましい。
ポリアミド樹脂とは、(i)アミノ酸、(ii)ラクタムあるいは(iii)ジアミンとジカルボン酸を主たる原料とし合成することが出来る。(a)ポリアミド樹脂の原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、1,1−アミノウンデカン酸、1,2−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の実施形態において、(a)ポリアミド樹脂の原料として、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
ポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)などが挙げられる。また、ポリアミド樹脂の具体的な例としては、これらの混合物や共重合体なども挙げられる。ここで、「/」は共重合体を示す。以下、同様とする。また市販のナイロン樹脂「アラミン(商品名、東レ(株)製)」などを用いることも出来る。
本発明に用いられる接着剤組成物が、(c)ハイドロゲルを形成させる工程においてラジカル反応をし、密着性が向上するという点や、架橋密度向上による、導電性配線の腐食や抵抗値上昇を防ぐという点で、接着性組成物にラジカル重合性基を有する化合物を含有することが好ましく、さらに熱ラジカル開始剤や光ラジカル開始剤と併用することが好ましい。
ラジカル重合性基を有する化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート若しくはアルキッド変性(メタ)アクリレート等オリゴマー、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又はε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
得られる医療デバイスの接着性組成物の硬化膜とハイドロゲル接着性が向上する点でイソシアヌレート骨格すなわち式(1)の構造単位を含有することが好ましい。
イソシアヌレート骨格を有する化合物としては例えば、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又はε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌレートトリアリルなどが挙げられる。
また疎水性が高く、導電性配線の腐食や抵抗値上昇を防ぐという点で接着性組成物の硬化膜にフルオレン構造を有する骨格すなわち一般式(2)で表される構造単位を有することが好ましい。
(一般式(2)中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜16のアリール基を表す。)
一般式(2)中のRとしては、アルキル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のいずれでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基およびその置換体の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基などが挙げられる。アリール基およびその置換体の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。フルオレン構造単位を有する化合物としては9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ビニルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、「“OGSOL(登録商標)”−EA0200(商品名)」、「“OGSOL(登録商標)”−EA0300(商品名)」、「“OGSOL(登録商標)”−GA5000(商品名)」、「“OGSOL(登録商標)”−EA−F5710(商品名)」(以上“OGSOL(登録商標)”シリーズ、大阪ガスケミカル(株)製)などが挙げられる。本発明に用いられる接着性組成物中のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂の樹脂がフルオレン構造やイソシアヌレート環を有する樹脂であってもよい。
従って、本発明の医療デバイスは、前記接着性組成物が、イソシアヌレート骨格である式(1)で表される構造単位およびフルオレン骨格である一般式(2)で表される構造単位、のうち少なくともいずれかを有することが好ましい。両方の骨格を有することがより好ましい。
また、本発明に用いられる接着剤組成物には、光もしくは熱ラジカル開始剤、またはその両方を含有してもよい。光ラジカル開始剤は光(紫外線、電子線を含む)によりラジカルを発生させるものである。熱ラジカル開始剤は熱によりラジカルを発生させるものである。
ラジカル開始剤の具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルフォスフィン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどが挙げられる。
導電性配線を有する基材に塗布する前の接着性組成物には有機溶媒や界面活性剤が含まれていてもよい。有機溶媒を含むことにより各種塗布方法に適した粘度や表面張力に調整することができる。この有機溶媒のほとんどは塗布後の乾燥工程やハイドロゲル形成後の溶出可能成分の除去工程にて取り除かれることもあるため、医療デバイスとしたときには存在しても極微量となる場合もある。ラジカル開始剤は接着性組成物において樹脂成分に対して0.1%以上10%以下であることが好ましい。0.1%以上であれば、光による硬化反応が十分に進行し、10%以下であれば、溶出可溶成分となることを防げるため、好ましい。
導電性配線を有する基材に接着性組成物の硬化膜を形成する方法としてはスプレーやディッピング、スピンコート、スリットコート、インクジェットなどで安価で簡単にコーティング加工できる。コーティング後に必要に応じて、加熱乾燥、真空乾燥加工を行う。その後、光照射による光硬化反応、または加熱による熱硬化工程を行う。
本発明の医療デバイスは(c)ハイドロゲルを有する。
(c)ハイドロゲルは、引張弾性率が100kPa以上3000kPa以下の材料が好ましく、200kPa以上がより好ましく、250kPa以上がさらに好ましく、300kPa以上がさらにより好ましい。また、本発明のハイドロゲルの引張弾性率は、3000kPa以下であることが好ましく、1200kPa以下がより好ましく、1000kPa以下がさらに好ましく、800kPa以下がさらにより好ましく、700kPa以下が特に好ましく、600kPa以下が最も好ましい。引張弾性率が100kPa以上であれば、軟らかすぎず、ハンドリングが向上する。また、引張弾性率が3000kPa以下であれば、柔軟性を有し接着性が向上し、また装用して使用する医療デバイスにおいては、装用感が向上する。引張弾性率2000kPa、好ましくは1200kPa以下になるとより良好な装用感が得られるので、100kPa以上2000kPa以下の範囲が好ましく、200kPa以上1200kPa以下の範囲がより好ましい。
本発明における引張弾性率は、ホウ酸緩衝液による湿潤状態の試料にて、引張試験機(例えばオリエンテック社製の“テンシロン”(登録商標))を用いて測定することが可能である。
医療デバイスと生体の接触部位が、体外表面の摩擦の生じる部分たとえば眼や体内中などでは角膜や体内表面を傷つけにくいという点で上記引張弾性率であることが好ましい。
また同様に、装用感を向上せしめ、体内表面を傷つけにくいという点で、本発明の医療デバイスは、含水状態の(c)ハイドロゲルのウェットタック力が10g以下であることが好ましく、5g以下であることがより好ましい。ウェットタック力の下限は特に限定はされないが、製造や取り扱い時に滑り過ぎ取り扱いづらいという観点を鑑み、0.01g以上であることが好ましい。
本発明におけるウェットタック力は、テクスチャーアナライザーを用いて測定することができる。
本発明に用いられる(c)ハイドロゲルは、酸素透過性が高く、蒸れによる皮膚疾患が発生しやすいという点からフッ素系材料及びまたはシリコーン系材料であることが好ましい。より好ましくは、シリコーン材料であり、ウェットタック力を調整しやすい。(c)ハイドロゲルは、含水により表面摩擦が低減されるという点で含水率が1%以上であることが好ましく、高すぎるとゲル作製後ハイドロゲル化させた際に膨潤し目的の寸法が得られにくいことから50%以下あることが好ましく、より寸法精度が必要な場合は35%以下がより好ましい。ハイドロゲルに水の通り道ができるため、20%以上であることがより好ましい。
本発明における含水率は(c)ハイドロゲルの含水状態の重量(W1)、および乾燥状態の重量(W2)をまず測定する。次に、次式により含水率を算出することができる。
含水率(%)=(W1−W2)/W1×100
ただし、本発明でいう、(c)ハイドロゲルが含水状態にあるとは、(c)ハイドロゲルを25℃のリン酸緩衝生理食塩水に6時間以上浸漬した状態を意味する。また、(c)ハイドロゲルが乾燥状態にあるとは、真空乾燥機で40℃、16時間以上乾燥させた状態を意味する。
本発明に用いられる(c)ハイドロゲルのうち、フッ素系材料の原料としてはトリフルオロメチルアクリレート、トリフルオロメチルメタクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、トリフルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ペンタフルオロブチルアクリレート、ヘプタフルオロペンチルアクリレート、ノナフルオロヘキシルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、テトラデカフルオロオクチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、オクタデカフルオロデシルメタアクリレートなどのラジカル重合性基を有するフッ素含有低分子化合物を用いることが出来、またこれらの低分子化合物をオリゴマー化、ポリマー化した化合物を原料として用いても良い。
シリコーン系材料としては特に限定されないが、(c)ハイドロゲルと接着性組成物の硬化膜の剥離が防げるという点で少なくとも一つ以上のラジカル重合性基を有する化合物であるアルケニル基を有するシリコーン原料、すなわち一般式(3)、一般式(4)、および一般式(5)から選ばれる少なくとも一つの構造単位を有するシリコーン系原料を使用することが出来る。この原料を使用することによりハイドロゲル形成時に他のラジカル重合性化合物と均一に逐次重合反応進行することができ、透明性が向上もしくは見た目の均一性が向上する。
(一般式(3)、一般式(4)、および一般式(5)中、Rは炭素数2〜10のアルケニル基を有する有機基、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基、炭素数2〜10のアルケニル基を有する有機基または炭素数6〜16のアリール基を表す。)
としてはビニル基、アリル基、スチリル基、γ−アクリロイルプロピル基、メタクリロイル基、アクリロイル基(メタクリロイル基とアクリロイル基を総称して、「(メタ)アクリロイル基」と記すこともある。:以降も同様)、アクリロイルプロピルメチル、グリシドキ基、などが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。Rとしては、これらのアルキル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のいずれでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基およびその置換体の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基などが挙げられる。アリール基およびその置換体の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。またラジカル重合性基を有するシリコーン原料として市販のFM7726、(JNC(株)製、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)、FM0725(JNC(株)製品名)、X−22−164シリーズ(信越化学(株)製品名)、X−22−2445(信越化学(株)製品名)、BY16−152C(東レ・ダウシリコン―ン(株)製品名)などを用いてもよい。原料としてメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、およびN−ビニル−N−メチルアセトアミド等の親水性のラジカル重合性基を有する低分子化合物を原料として用いることで含水率を調整できる。またハイドロゲル形成後に、ハイドロゲル表面を酸性化合物と塩基性化合物を交互にコーティングするレイヤーバイレイヤー法や、ポリマーコーティング加工、フッ素系ガスなどによるプラズマ処理加工によりタック力を低下、調整することも出来る。
ハイドロゲルの形成方法としてはとくに制限されることはないが、原料から目的の形状のハイドロゲルを簡便に得られるという点で、導電性配線を有する基材上もしくは周囲に原料をコーティングした後に光もしくは熱硬化する方法や、樹脂もしくは金属型中に導電性配線を設置した後にハイドロゲルの原料を型に流し込み、光もしくは熱硬化する方法などが挙げられる。
本発明に用いられる接着性組成物を、前記(a)導電性配線を有する基材にコーティングし、光硬化した後に、前記(c)ハイドロゲルを形成する工程を順番に製造を行うと、弾性率が低く剥離や変質、変形しやすいハイドロゲルが通過する工程が減るため目的のハイドロゲルが安定して得られやすいという点で好ましい。ハイドロゲル形成は、短時間で安定して反応しやすい点やハイドロゲル原料を遮光しておくことにより長期品質を安定できるという点から、光硬化による方法が好ましい。
<ラジカル重合性基を有するポリエステル樹脂Aの合成>
ジメチルテレフタレート0.5モル、エチレングリコール0.9モル、ネオペンチルグリコール0.4モル、イソフタル酸0.34モル、セバシン酸0.1モル、無水マレイン酸0.6モルの比率で原料をそれぞれ計量、準備する。別途酸及びグリコールの総仕込み重量に対して酢酸亜鉛0.01%、テトラブチルオルソチタネート0.0025%をそれぞれ計量、準備する。分留装置付きフラスコに既に計量済みのジメチルテレフタレート、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、酢酸亜鉛、テトラブチルオルソチタネート仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら160〜220℃でエステル交換反応を行った。理論量のメタノールが留出した後既に計量済みのイソフタル酸、セバシン酸、無水マレイン酸を仕込み180〜240℃でエステル化反応を行い、酸価が20以下になったら反応容器を徐々に減圧し、1〜3トール、240℃で5時間反応を行い、エチレン性不飽和結合を含有する数平均分子量8000、ラジカル重合性基を有するポリエステル樹脂Aを得た。
<ポリエステル樹脂Bの合成>
無水マレイン酸を用いない代わりに、イソフタル酸を0.94モル使用する以外はラジカル重合性基を有するポリエステル樹脂Aと同様に行い、数平均分子量9500のポリエステル樹脂Bを得た。
<ポリアミド樹脂Aの合成>
乾燥窒素気流下、2 ,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子(株)製BAHF)14.6g(0.04モル)、ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド2.4g(0.01モル)をN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド14.7g(日本農薬(株)製、0.050モル)をガンマブチロラクトン25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、6時間−15℃で攪拌を続けた。反応終了後、メタノール10重量%含んだ水3Lに反応後の溶液を投入して投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリアミド樹脂Aを得た。
<シロキサン樹脂Aの合成>
メタノール溶液150g中に20gのKBM−22(信越化学社製)、10gのKBM−5103(信越化学製)、15gのX−12−967C(信越化学社製)、KBM−202SS(信越化学社製、150g)、25gのKBM−103(信越化学社製)、水57gをセパラブルフラスコに入れ70℃で1時間撹拌、そののちに110℃に昇温し3時間反応した。実測値の固形分を測定したのちに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて計算上固形分が40%になるように希釈を行い、シロキサン樹脂Aを得た。
<ポリイミド樹脂Aの合成>
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル11.41g(0.057モ
ル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール(東京化成工業(株)製)8.18g(0.075モル)をN−メチル−2−ピロリドン80gに溶解した。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物31.0g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で4時間攪拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリイミド樹脂Aを得た。ポリマー粉体を、赤外吸収スペクトルで測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。
<シリコーン系ハイドロゲル原料A>
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート(15質量部)、X−22−164AS(信越化学社製、30質量部)、FM−7726(JNC(株)製、46質量部)、2−メチル−2−ブタノール(10重量部)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、シリコーン系ハイドロゲル原料Aを得た。
<シリコーン系ハイドロゲル原料B>
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(5質量部)、ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリルプロピルグリセロールメタクリレート2(35質量部)、末端モノメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(分子量900、30質量部)、N、N-ジメチルアクリルアミド(5質量部)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)、tert−アミルアルコール(20質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、シリコーン系ハイドロゲル原料Bを得た。
<シリコーン系ハイドロゲル原料C>
ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリルプロピルグリセロールメタクリレート(22質量部)、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(32質量部)、末端モノメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(分子量900、33質量部)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(0.5質量部)、X−22−164B(信越化学社製2質量部)、tert−アミルアルコール(45質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、シリコーン系ハイドロゲル原料Cを得た。
<ハイドロゲル原料D>
アクリルアミド(800質量部)、N,N−ビスメチレンアクリルアミド(80質量部)、水(3120質量部)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、ハイドロゲル原料Dを得た。
<シリコーン系ハイドロゲル原料E>
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート(15質量部)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(10質量部)、メチルメタクリル酸(30質量部)X−22−2404(信越化学社製、45質量部)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、シリコーン系ハイドロゲル原料Eを得た。
<シリコーン系ハイドロゲル原料F>
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート(15質量部)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(10質量部)、X−22−164AS(30質量部)、X−22−2404(45質量部)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、シリコーン系ハイドロゲル原料Fを得た。
<ゲル原料A>
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート(60質量部)、FM7726、(JNC(株)製)(30重量部)、FM7721(10重量部)、2−メチル−2−ブタノール(10重量部)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(2質量部)を混合し、攪拌機で1時間攪拌し、ゲル原料Aを得た。
<医療デバイスの作製>
導電性配線を有する基材としてPNSH0512RAH(有沢化学製 銅付ポリイミドフィルム 総厚さ 25μm)を2.5cm×5cmに切断し、銅面に表1記載の質量部で混合、攪拌した接着性組成物をスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて塗布し、熱風オーブン70℃5分間仮乾燥させた。その後パラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いてi線照度計にて3000J/m2を照射し、再度熱風オーブンにて70℃10分間本乾燥させた。
ここで、図1は本発明の医療デバイスの一実施形態を示す概念図である。図1に示すように、接着性組成物を塗布した導電性配線を有する基材33上に中心部分1cm×1.5cmくり抜いたパラフィルム32を置き、透明スライドガラス30とパラフィルム(Bemis Flexible Packaging社製)31にて両側を挟み、ハイドロゲルの成形型を作製した。成形型の中にハイドロゲルの原料を入れて、光照射(フィリップスTL03、1.6mW/cm、30分間)し、30〜32を取りはずすことにより、接着性組成物の硬化膜付の銅付ポリイミドフィルム上の中心に1cm×1.5cmのハイドロゲルを形成し、医療デバイスを作製した。なおハイドロゲルを形成していない部分のフィルム厚を定圧厚さ測定機シックネスゲージPG−20J((株)テクロック製)により測定し、銅付ポリイミドフィルム25μmを除した値を接着性組成物の硬化膜の膜厚とした。この膜厚が15μmとなるようにスピンコート条件を決定した。各実施例、比較例で用いた、接着性組成物と、ハイドロゲルの原料については表1に記載した。樹脂成分の質量部については溶媒を含む樹脂溶液を用いた場合について樹脂部分を指し、溶媒は含まない値である。
このようにして、接着性組成物の硬化膜、ハイドロゲルの順に形成した導電性配線付基材ポリイミドフィルムを用いて下記(1)、(2)、(4)、(6)〜(9)の試験を実施し、結果を表2に記載した。作成したデバイスは作製後にリン酸緩衝生理食塩水に保管し、試験直前にサンプルをリン酸緩衝生理食塩水から取り出して1分以内に行った。
ハイドロゲルを切り出して行う試験については、リン酸緩衝生理食塩水から取り出して1分以内に切り出したサンプルをリン酸緩衝生理食塩水に戻し、測定直前にサンプルをリン酸緩衝生理食塩水から取り出し1分以内に行った。リン酸緩衝生理食塩水は、RO浄水に1リットルに塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.44g、リン酸二水素カリウム0.24gを溶解させて作製した。
(1)原料抽出工程後の接着性試験
医療デバイス製造中での原料を除去する工程後の剥離しにくさ、つまり密着性を評価するために次の試験を実施した。医療デバイスを密閉ガラス瓶に70%イソプロパノール水溶液に浸漬下状態で入れた。60℃1時間加熱を行った。医療デバイスをすぐに取り出し、室温まで冷却した。医療デバイスを取り出し、見た目とニチバン製植物系“セロテープ(登録商標)”CT405AP−15を用いた“セロテープ(登録商標)”剥離試験により、下記の5段階判定をした。5が最も良好である。
1.ハイドロゲルが完全に剥がれてしまっている。
2.ハイドロゲルが一部残っている。
3.ハイドロゲルがほとんど残っているが一部に亀裂や剥がれがみられる。
4.ハイドロゲルが完全に残っているが、セロハンテープ剥離試験により剥がれる。
5.ハイドロゲルが完全に残っており、セロハンテープ剥離試験により剥がれない。
(2)滅菌工程後の接着性試験
医療デバイス製造中での滅菌工程後の剥離しにくさ、つまり密着性を評価するために次の試験を実施した。医療デバイスを密閉バイアル瓶中に清浄なリン酸緩衝生理食塩水に浸漬した状態で入れた。121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った後、室温まで冷却した。医療デバイスを取り出し、見た目と“セロテープ”剥離試験により、下記の5段階判定をした。5が最も良好である。
1.ハイドロゲルが完全に剥がれてしまっている。
2.ハイドロゲルが一部残っている。
3.ハイドロゲルがほとんど残っているが一部に亀裂や剥がれがみられる。
4.ハイドロゲルが完全に残っているが、“セロテープ”剥離試験により剥がれる。
5.ハイドロゲルが完全に残っており、“セロテープ”剥離試験でも剥がれない。
(3)滅菌工程後の抵抗値変化率測定
導電性配線を有する基材としてPNSH0512RAH(有沢化学製 銅付ポリイミドフィルム 総厚さ 25μm)を2.5cm×5cmに切断し“ロレスタ”(登録商標)MCP−T700(以後ロレスタ、ASPプローブ使用、三菱化学アナリテック)により初期抵抗値を測定した。医療デバイス作成と同様の手順で医療デバイスを作成し、密閉バイアル瓶中に清浄なリン酸緩衝生理食塩水に浸漬した状態で入れた。121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った後、室温まで冷却した。ハイドロゲルと接着性組成物の硬化膜を剥離し、下地の銅の抵抗値をロレスタにより測定し、滅菌工程後の抵抗値とした。下記式より、滅菌工程による抵抗値変化率を求めた。100%以上で値が低い方が銅の腐食が抑制されており良好である。
(抵抗変化率)=(滅菌後工程後の抵抗値)×100/(初期抵抗値)
(4)ホウ酸緩衝液中での加速保管腐食試験
導電性配線を有する基材としてPNSH0512RAH(有沢化学製 銅付ポリイミドフィルム 総厚さ 25μm)を2.5cm×5cmに切断し“ロレスタ”(登録商標)により初期抵抗値を測定した。医療デバイス作成と同様の手順で医療デバイスを作成し、密閉ガラス瓶に70%イソプロパノール水溶液に浸漬下状態で入れた。60℃、500時間保管した後に、室温まで冷却した。ハイドロゲルと接着性組成物の硬化膜を剥離し、下地の銅の抵抗値をロレスタにより測定し、滅菌工程後の抵抗値とした。下記式より、滅菌工程による抵抗値上昇率を求めた。100%以上で値が低い方が銅の腐食が抑制されており良好である。
(抵抗変化率)=(滅菌後工程後の抵抗値)×100/(初期抵抗値)
(5)接着性組成物の硬化膜の透明性評価
接着性組成物とスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いてPETフィルムルミラーS−3810S(東レ(株)製)基材へ塗布し、熱風オーブン70℃5分間仮乾燥させた。その後パラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いてi線照度計にて3000J/m2を照射し、再度熱風オーブンにて70℃10分間本乾燥させた。カラーコンピューターSM−7−CH(スガ試験機株式会社製)により、視感透過率(Y値 %)を測定した。値が高い方が良好である。
(6)ハイドロゲルのウェットタック力測定
テクスチャーアナライザーTA.XT Plus(英光精機(株)製)を用いて測定を行った。円形状(直径5mm)のプローブ表面に地震対策超粘着振動吸収剤ウレタンエラストマー(Hikari.co.ltd販売品)をプローブの先端と同じ大きさに切断して貼り付け、さらにポリエチレンフィルム(製品名:ユニパック、(株)生産日本社製)を同様に貼り付けてプローブを作成した。ハイドロゲルをプローブ先端ポリエチレンフィルムとハイドロゲルを接触させて測定を行った。測定条件は下記のとおりで測定を実施した。
テストスピード(サンプル接触前〜接触時):0.5mm/secにてプローブ先端をハイドロゲルに接触させAppledForce:500gの荷重を付加する。ContactTime5秒間、500gの加重で接触させる。テストスピード(プローブ戻り時=タック力測定時):10mm/secにてプローブを離した際の最大荷重(g)をウェットタック力とした。
(7)ハイドロゲルの引張弾性率
ハイドロゲルのシートもしくはコンタクトレンズ形状のサンプルから規定の打抜型を用いて幅(最小部分)5mm、長さ14mm、厚さ0.2mmの試験片を切り出した。該試験片を用い、オリエンテック社製のテンシロンRTM−100型を用いて引張試験を実施した。引張速度は100mm/分で、グリップ間の距離(初期)は5mmで測定を実施した。
(8)ハイドロゲルの表面摩擦力測定
サンプルまたは直径14mmの円状に切り取ったフィルム形状のサンプルを用いて測定を実施した。測定装置としては、摩擦感テスターKES−SE(カトーテック株式会社)を使用した。図2は、表面摩擦係数を測定する装置を示す全体模式図である。図3は、図2に示すA方向からみた、表面摩擦計数を測定する装置の測定治具および摩擦子を示す上面図である。図4は、表面摩擦計数を測定する装置の測定治具および摩擦子を示す断面図である。まず、装置1の試料台10にテフロン(登録商標)製の板(65mm×100mm×1.0mm、図3では省略)を水平に置き、その上に表面が平滑な石英ガラス板10a(55mm×90mm×1.0mm)を水平に置き固定した。テフロン(登録商標)製の板と石英ガラス板は十分に平面性の高いものを用いた。ここで、石英ガラス板10aは、測定毎に表面を“キムワイプ(登録商標)”で拭き取って清浄で乾いた状態とする。測定では、図3,図4に示す測定治具11(重さ62g=W)の摩擦子20にサンプルSを3枚取り付けて測定を行った。このとき、サンプルSは、摩擦子20の取付けホルダ21の先端に載置された後、パッキン22によって押えられ、ナット23で固定される。サンプルSが摩擦子20の端部から突出して固定された状態で、3枚のサンプルの各々の中央部に、下記条件Aにおいてはホウ酸緩衝液を、下記条件Bにおいては生理食塩水を、各0.1mL垂らした。その後、速やかに測定治具11を装置1に取り付け、3枚のサンプルSがすべて石英ガラス板10aと接触した状態で、試料台10を水平方向(矢印Y)に1.0mm/秒の速度で移動させたときの水平方向の応力(F)が、摩擦検出部12が検出し、力計13によって測定される。表面摩擦係数(MIU)は次式で求めた。MIU=F/W。摩擦が低いほど粘膜、角膜、皮膚への刺激が少なく良好である。
(9)ハイドロゲルの含水率測定
ハイドロゲルの含水状態の重量(W1)、および乾燥状態の重量(W2)を
測定し、次式により含水率を算出した。
含水率(%)=(W1−W2)/W1×100
ただし、本発明においてハイドロゲルの含水状態とは、ハイドロゲルを25℃のリン酸緩衝生理食塩水に6時間以上浸漬した状態を意味する。また、ハイドロゲルの乾燥状態とは真空乾燥機で40℃、16時間以上乾燥させた状態を意味する。
1 装置
10 試料台
10a 石英ガラス板
11 測定治具(アルミニウム製)
12 摩擦検出部
13 力計
20 摩擦子
21 取付ホルダ(アルミニウム製)
22 パッキン(“テフロン(登録商標)”製)
23 ナット(アルミニウム製)
S サンプル
30 透明スライドガラス
31 パラフィルム(Bemis Flexible Packaging社製)
32 中心部分1cm×1.5cmくり抜いたパラフィルム
33 接着性組成物を塗布した導電性配線を有する基材

Claims (12)

  1. (a)導電性配線を有する基材、
    (b)接着性組成物の硬化膜、および
    (c)ハイドロゲル
    がこの順に配置されてなり、
    前記接着性組成物が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含む、医療デバイス。
  2. 前記(c)ハイドロゲルの引張弾性率が100kPa以上3000kPa以下である、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記(c)ハイドロゲルのウェットタック力が10g以下である、請求項1または2に記載の医療デバイス。
  4. 前記接着性組成物が、イソシアヌレート骨格である式(1)で表される構造単位およびフルオレン骨格である一般式(2)で表される構造単位、のうち少なくともいずれかを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の医療デバイス。
    (一般式(2)中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜16のアリール基を表す。)
  5. 前記接着性組成物が、ポリエステル樹脂を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の医療デバイス。
  6. 前記接着性組成物が、ラジカル重合性基を有する化合物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の医療デバイス
  7. 前記(c)ハイドロゲルが、ラジカル重合性基を有する化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の医療デバイス。
  8. 前記(c)ハイドロゲルが、シリコーンを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の医療デバイス。
  9. 前記(c)ハイドロゲルの含水率が、1%〜50%の範囲内である請求項1〜8のいずれかに記載の医療デバイス。
  10. 眼用機器である、請求項1〜9のいずれかに記載の医療デバイス。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の医療デバイスを製造する方法であって、
    前記接着性組成物を、前記(a)導電性配線を有する基材にコーティングし、光硬化した後に、前記(c)ハイドロゲルを形成する工程を含む、医療デバイスの製造方法。
  12. 前記(c)ハイドロゲルを形成する工程が、光硬化工程を含む、請求項11に記載の医療デバイスの製造方法
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