以下に添付図面を参照して、本発明に係る記録再生制御装置、再生制御装置、記録再生制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る記録再生制御装置を有する車両用記録再生装置の構成例を示すブロック図である。図2は、車両用記録再生装置を示す側面図である。図3は、車両用記録再生装置を示す正面図である。車両用記録再生装置10は、イベントを記録した第一画角のイベント記録データを、イベント検出方向に拡大した、第一画角より狭い第二画角で表示する。
車両用記録再生装置10は、所謂ドライブレコーダであり、車両に載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。本実施形態では、図2に示すように、車両用記録再生装置10は、ブラケット20を介してウィンドシールドSに固定されている。車両用記録再生装置10は、カメラ(撮影部)210と、記録部220と、操作部230と、表示部240と、加速度センサ250と、GPS(Global Positioning System)受信部260と、記録再生制御装置100とを有する。
カメラ210は、車両の外部を撮影するカメラである。本実施形態では、カメラ210は、水平方向に100°程度以上130°程度以下、上下方向に55°程度以上75°程度以下を撮影可能なカメラとして説明するが、これに限定されず、360°の全天周を撮影可能なカメラ、または、各方向をそれぞれ撮影する複数のカメラ群であってもよい。図2に示すように、カメラ210は、例えば、車両の車室内前方に配置されている。カメラ210は、エンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間は、映像を常時撮影する。本実施形態では、カメラ210は、車両のアクセサリ電源がONである間、映像を常時撮影する。本実施形態では、カメラ210は、アクセサリ電源がOFFであるとき、言い換えると、車両の駐車中、イベントが検出されると、映像の撮影を開始する。カメラ210は、撮影した映像データを記録再生制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。撮影された映像データの画角を、第一画角とする。
記録部220は、車両用記録再生装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。記録部220は、記録再生制御装置100の記録制御部123から出力された制御信号に基づいて、イベント記録データまたはループ記録データを記録する。
操作部230は、車両用記録再生装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部230は、撮影した映像データを記録部220に手動で保存する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録したイベント記録データまたはループ記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、ループ記録を終了する操作を受付可能である。操作部230は、操作情報を記録再生制御装置100の操作制御部125に出力する。
操作部230は、表示部240に備えられているタッチパネルであり、記録部220に保存されているイベント記録データを再生する操作を、表示部240に表示されたイベント記録データの一覧などをタッチすることで、イベント記録データの選択、再生指示を行う。イベント記録データの一覧は、サムネイル表示などで表示される。
表示部240は、一例としては、車両用記録再生装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用した表示装置などである。表示部240は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。本実施形態では、図2、図3に示すように、表示部240は、カメラ210と一体に形成されている。表示部240は、記録再生制御装置100の表示制御部126から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部240は、カメラ210が撮影している映像、または、記録部220に記録された映像を表示する。
加速度センサ250は、車両に加わる加速度を検出するセンサである。加速度センサ250は、検出結果を記録再生制御装置100のイベント検出部127に出力する。加速度センサ250は、例えば3軸方向の加速度を検出するセンサである。3軸方向とは、車両の前後方向、左右方向、および上下方向である。3軸方向に加速度によって、車両に対する衝撃が検出可能である。
GPS受信部260は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部260は、受信した電波の信号を記録再生制御装置100の位置情報取得部128へ出力する。
記録再生制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。記録再生制御装置100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。記録再生制御装置100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは記録再生制御装置100におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録再生制御装置100は、バス110に接続された、映像データ取得部120と、バッファメモリ121と、映像データ処理部122と、記録制御部123と、再生制御部124と、操作制御部125と、表示制御部126と、イベント検出部127と、位置情報取得部128と、イベント検出方向取得部129とを有する。
映像データ取得部120は、車両の周囲を撮影した映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部120は、カメラ210が出力した映像データを取得する。
バッファメモリ121は、記録再生制御装置100が備える内部メモリであり、映像データ取得部120が取得した一定時間分の映像データを、更新しながら一時的に記録するメモリである。
映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、例えばH.264やMPEG−4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データから、一定時間分のファイルとした映像データを生成する。具体例として、映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、記録順に60秒間の映像データを1ファイルとして生成する。映像データ処理部122は、生成した映像データを記録制御部123へ出力する。また、映像データ処理部122は、生成した映像データを表示制御部126へ出力する。ファイルとして生成される映像データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。ここで言う映像データとは、カメラ210が撮影した映像に加えて音声が含まれたデータであってもよい。
記録制御部123は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、記録部220に記録させる制御を行う。記録制御部123は、車両のアクセサリ電源がONであるときなど、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、上書き可能な映像データとして、記録部220に記録する。より詳しくは、記録制御部123は、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122が生成した映像データを記録部220に記録し続け、記録部220の容量が一杯になった場合、最も古い映像データに新しい映像データを上書きして記録する。
また、記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、映像データ処理部122が生成した映像データにおける所定の期間の映像データを、上書きが禁止されたイベント記録データとして記録部220に保存する。
さらに、記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、検出したイベントに起因する映像データを、カメラ210が撮影した第一画角のイベント記録データとして保存する。また、記録制御部123は、イベント記録データとして映像データを記録する対象のイベントに対応するイベント検出方向を示す情報を、イベント検出方向取得部129から取得した場合、イベント記録データとイベント検出方向を示す情報とを対応付けて、記録部220に保存する。
イベントに起因する映像データとは、ループ記録処理が行われている期間においては、イベントが検出された時点の前後所定期間の映像データであり、所定期間の例としては、イベントが検出された時点の前後10秒以上、60秒以下程度の期間である。イベントに起因する映像データとは、ループ記録処理が行われず、イベントが検出されてから撮影を開始する場合は、イベントが検出され撮影が開始されてから、所定期間経過するまでの映像データであり、所定期間の例としては、例えば10秒以上、60秒以下程度の期間である。
再生制御部124は、選択されたイベント記録データまたはループ記録データを再生する。再生制御部124は、操作制御部125から出力された選択操作および再生操作の制御信号に基づいて、記録部220に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを再生するよう制御する。再生制御部124は、選択されたイベント記録データに対応付けられたイベント検出方向を示す情報がある場合、イベント検出方向を示す情報を、表示制御部126に出力する。
操作制御部125は、操作部230が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部125は、映像データの手動保存操作を示す保存操作情報、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。例えば、操作制御部125は、ループ記録を終了する操作を示す終了操作情報を取得して制御信号を出力する。
表示制御部126は、表示部240における映像データの表示を制御する。表示制御部126は、映像データを表示部240に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部126は、カメラ210が撮影している映像、または、再生制御部124が再生した記録部220に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを、第一画角で表示部240に表示させる。
表示制御部126は、イベント記録データにイベント検出方向取得部129が検出したイベント検出方向を示す情報タが含まれている場合、再生制御部124が再生したイベント記録データを、イベント検出方向取得部129が検出したイベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示させる。
例えば、第二画角は、水平方向が90°程度以下、上下方向が50°程度以下である。第二画角のイベント記録データと、第一画角のイベント記録データとは、ユーザが認識可能な程度に画角の差異を有する。第二画角のイベント記録データは、第一画角のイベント記録データに対して、中心点の左右方向の位置がイベント検出方向である右方向または左方向にずれている。第二画角のイベント記録データは、第一画角のイベント記録データに対して、中心点の上下方向の位置が同じであってもよいし、上方向または下方向にずれてもよい。第二画角のイベント記録データと第一画角のイベント記録データとは、例えば、消失点の高さ、地平線の高さ、または、画像中に映された建物の一部やガードレールなど基準物の高さが変わらないようにしてしてもよい。
さらに、表示制御部126は、イベント記録データが保存されてから第一所定期間内にイベント記録データが再生された場合、イベント検出方向取得部129が検出したイベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示してもよい。第一所定期間は、例えば、数分間程度など、イベントの発生直後にイベント記録データを再生して確認する場合に該当する期間である。表示制御部126は、イベント記録データが保存されてから第一所定期間が経過した後は、イベント記録データが再生された場合、拡大せずに第一画角で表示する。
図4を用いて、イベント検出方向が取得されていない場合における、表示制御部126によって表示部240に表示されるイベント記録データ310について説明する。図4は、表示部240に表示されたイベント記録データの一例を示す図である。表示制御部126は、イベント検出方向がないイベント記録データ310を再生する場合、第一画角で表示部240に表示させる。
図5を用いて、イベント検出方向が取得されている場合における、表示制御部126によって表示部240に表示されるイベント記録データ310について説明する。図5は、表示部に表示されたイベント記録データの他の例を示す図である。表示制御部126は、イベント検出方向を有するイベント記録データ310をイベント検出方向に拡大した第二画角で表示部240に表示させる。図5のイベント記録データ310は、図4のイベント記録データ310より狭い画角で表示されている。
イベント検出部127は、車両に対するイベントを検出する。イベント検出部127が車両に対するイベントを検出する方法は任意であるが、一例として、イベント検出部127は、加速度センサ250の検出結果に基づいて、イベントを検出する。この場合、イベント検出部127は、加速度センサ250が検出した加速度における閾値以上の加速度が検出されると、イベントとして検出する。イベント検出部127がイベントとして検出する加速度は、車両に対する衝撃が検出されるような閾値が設定される。
位置情報取得部128は、GPS受信部260が受信した電波に基づいて、車両の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部128が算出した位置情報は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、イベント記録データとともに保存される。
イベント検出方向取得部129は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、車両に対するイベント検出方向を取得する。
図6ないし図8を用いて、イベント検出方向について説明する。図6は、イベント検出方向を説明する図である。図7は、イベント検出方向を説明する図であり、イベントが検出された時点の前後の加速度センサの検出結果を示す図である。図8は、イベント検出方向を説明する図である。例えば、図6に示すように、直進する自車両VAの右側方から他車両VBが衝突した場合について説明する。右側方から他車両VBに衝突された自車両VAは、左側へ押される。図7に示すように、自車両VAに作用する左右方向の加速度は、イベント検出時点の付近において、車両の右方向に向けて加わる加速度をプラス方向の加速度とした場合、マイナス方向の加速度、言い換えると、左方向の加速度が増加する。これにより、自車両VAの右方向に他車両VBなどの物体が衝突したことがわかる。この場合に検出されるイベントの検出方向は右方向である。また、例えば、図8に示すように、自車両VAの前右側に他車両VBが衝突した場合について説明する。この場合も、自車両VAに作用する左右方向の加速度は、左方向の加速度が増加するので、イベントの検出方向は右方向である。
次に、図9を用いて、記録再生制御装置100における記録処理の流れについて説明する。図9は、第一実施形態に係る記録再生制御装置における記録処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ループ記録処理を行う場合について説明する。
記録再生制御装置100は、イベント検出および第一画角でのループ記録を開始する(ステップS101)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、イベント検出部127によって、加速度センサ250の検出結果に基づいて、イベントを検出する。記録再生制御装置100は、映像データ処理部122によって、バッファメモリ121に記録された映像データから、所定期間の映像ごとのループ記録映像データを生成する。記録再生制御装置100は、記録制御部123によって、ループ記録映像データを記録部220に記録させる。記録再生制御装置100は、ステップS102に進む。
記録再生制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントを検出したか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントが検出された場合(ステップS102でYes)、ステップS103に進む。記録再生制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントが検出されなかった場合(ステップS102でNo)、ステップS105に進む。
イベントが検出された場合(ステップS102でYes)、記録再生制御装置100は、イベント検出方向取得部129によって、イベント検出方向を取得する(ステップS103)。記録再生制御装置100は、ステップS104に進む。
記録再生制御装置100は、イベント検出前後の映像データであるイベント記録データと、イベント検出方向を保存する(ステップS104)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、映像データ処理部122によって、記録部220に記録されたループ記録映像データから、少なくともイベントの発生時点を含む映像データをイベント記録データとして生成する。記録再生制御装置100は、記録制御部123によって、イベント記録データを記録部220に保存する。記録再生制御装置100は、イベント記録データとともに、イベント検出方向を示す情報を保存する。記録再生制御装置100は、ステップS105に進む。ステップS103において、イベントが検出されたにもかかわらずイベント検出方向が取得できない場合は、ステップS104においては、イベント検出方向を取得せずにイベント記録データを保存する。
記録再生制御装置100は、イベント検出およびループ記録を終了するか否かを判定する(ステップS105)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力された場合や、車両の動作が終了するなど、任意の条件で、イベント検出およびループ記録を終了すると判定して(ステップS105でYes)、処理を終了する。記録再生制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力されていないと、イベント検出およびループ記録を終了しないと判定して(ステップS105でNo)、ステップS102の処理を再度実行する。
次に、図10を用いて、記録再生制御装置100における再生処理の流れについて説明する。図10は、第一実施形態に係る記録再生制御装置100における再生処理の流れを示すフローチャートである。
記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生指示があるか否かを判定する(ステップS111)。記録再生制御装置100は、操作制御部125がイベント記録データの再生指示を示す操作情報を取得した場合、イベント記録データの再生指示があると判定して(ステップS111でYes)、ステップS112に進む。記録再生制御装置100は、操作制御部125がイベント記録データの再生指示を示す操作情報を取得しない場合、イベント記録データの再生指示がないと判定して(ステップS111でNo)、ステップS111の処理を再度実行する、または本処理を終了してもよい。
イベント記録データの再生指示があったと判定した場合(ステップS111でYes)、記録再生制御装置100は、イベント検出方向があるか否かを判定する(ステップS112)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、再生対象のイベント記録データとともにイベント検出方向を示す情報が保存されている場合、イベント検出方向があると判定して(ステップS112でYes)、ステップS113に進む。記録再生制御装置100は、再生対象のイベント記録データとともにイベント検出方向を示す情報が保存されていない場合、イベント検出方向がないと判定して(ステップS112でNo)、ステップS114に進む。
イベント検出方向があると判定した場合(ステップS112でYes)、記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を開始し、再生したイベント記録データをイベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示する(ステップS113)。記録再生制御装置100は、ステップS115に進む。
イベント検出方向がないと判定した場合(ステップS112でNo)、記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を開始し、再生したイベント記録データを第一画角で表示する(ステップS114)。記録再生制御装置100は、ステップS115に進む。
記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を終了するか否かを判定する(ステップS115)。イベント記録データを最後まで再生した場合、または、再生を停止する操作が行われた場合、記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を終了すると判定して(ステップS115でYes)、処理を終了する。上記に該当しない場合、記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を終了しないと判定して(ステップS115でNo)、ステップS115の処理を再度実行する。
上記の処理において、イベント記録データが保存されてから第一所定期間内にイベント記録データが再生された場合に限って、第二画角で表示してもよい。この場合、ステップS112の後で、ステップS113の前に、イベント記録データが保存されてから第一所定期間内であるか否かを判定するステップを設ける。イベント記録データが保存されてから第一所定期間内であると判定される場合、ステップS113に進む。イベント記録データが保存されてから第一所定期間内ではないと判定される場合、ステップS114に進む。
次に、図11を用いて、記録再生制御装置100における再生処理の流れの他の例について説明する。図11は、第一実施形態に係る記録再生制御装置における再生処理の流れの他の例を示すフローチャートである。ステップS121ないしステップS123、ステップS126、ステップS127、ステップS128の処理は、図10に示すフローチャートのステップS111ないしステップS113、ステップS115、ステップS114、ステップS115と同様の処理を行う。
記録再生制御装置100は、第一画角での再生指示があるか否かを判定する(ステップS124)。記録再生制御装置100は、操作制御部125がイベント記録データの第一画角での再生指示を示す操作情報を取得した場合、第一画角での再生指示があると判定して(ステップS124でYes)、ステップS125に進む。記録再生制御装置100は、操作制御部125がイベント記録データの第一画角での再生指示を示す操作情報を取得しない場合、第一画角での再生指示がないと判定して(ステップS124でNo)、ステップS126に進む。
第一画角での再生指示があると判定した場合(ステップS124でYes)、記録再生制御装置100は、再生中のイベント記録データの画角を第二画角から第一画角に変更して表示する(ステップS125)。記録再生制御装置100は、ステップS126に進む。
次に、図12を用いて、記録再生制御装置100における再生処理の流れの他の例について説明する。図12は、第一実施形態に係る記録再生制御装置における記録・再生処理の流れの他の例を示すフローチャートである。ステップS131ないしステップS134、ステップS135ないしステップS139、ステップS141、ステップS142、ステップS143、ステップS144の処理は、図9および図10に示すフローチャートのステップS101ないしステップS104、ステップS111ないしステップS115、ステップS111、ステップS114、ステップS115、ステップS105と同様の処理を行う。
イベント記録データの再生指示がないと判定した場合(ステップS135でNo)、記録再生制御装置100は、イベント記録データが保存されてから第一所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS140)。記録再生制御装置100は、イベント記録データが保存されてから第一所定期間が経過したと判定する場合(ステップS140でYes)、ステップS141に進む。記録再生制御装置100は、イベント記録データが保存されてから第一所定期間が経過したと判定しない場合(ステップS140でNo)、ステップS135の処理を再度実行する。
このように、イベント検出方向を有するイベント記録データを再生する場合、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示させる。また、イベント検出方向がないイベント記録データを再生する場合、第一画角で表示部240に表示させる。
上述したように、本実施形態では、表示制御部126によって、イベント検出方向を有するイベント記録データを再生する場合、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示することができる。本実施形態は、イベント検出方向を有するイベント記録データを、イベント検出方向に対して拡大するので、イベントに関連する被撮影物をイベント記録データから見つけやすくすることができる。このようにして、本実施形態によれば、イベントの状態を適切に確認することができる。
本実施形態では、表示制御部126によって、イベント検出方向がないイベント記録データを再生する場合、第一画角で表示部240に表示することができる。
本実施形態では、表示制御部126によって、第二画角でのイベント記録データの再生中に、第一画角での再生指示があった場合、第二画角から第一画角に変更して表示することができる。
本実施形態では、表示制御部126によって、イベント記録データが保存されてから第一所定期間内にイベント記録データが再生された場合に限って、再生されたイベント記録データを第二画角で表示部240に表示することができる。これにより、本実施形態は、イベント検出から時間があまり経過していない、新しいイベント記録データのみを第二画角で表示することができる。
[第二実施形態]
図13を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録再生装置10について説明する。図13は、第二実施形態に係る記録再生制御装置における再生処理の流れを示すフローチャートである。車両用記録再生装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用記録再生装置10と同様である。以下の説明においては、車両用記録再生装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。車両用記録再生装置10は、操作制御部125と表示制御部126とにおける処理が第一実施形態と異なる。
操作制御部125は、映像データのスロー再生操作を示すスロー再生操作情報と、スロー再生の解除操作を示す解除操作情報とを取得して制御信号を出力する。
表示制御部126は、操作制御部125から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、スロー再生が指示されたことを示す場合、第二画角で表示させる。
次に、図13を用いて、記録再生制御装置100における処理の流れについて説明する。ステップS151、ステップS152、ステップS154、ステップS159、ステップS160の処理は、図10に示すフローチャートのステップS111、ステップS114、ステップS112、ステップS115、ステップS115と同様の処理を行う。
記録再生制御装置100は、スロー再生指示があるか否かを判定する(ステップS153)。記録再生制御装置100は、スロー再生指示があると判定する場合(ステップS153でYes)、ステップS154に進む。記録再生制御装置100は、スロー再生指示があると判定しない場合(ステップS153でNo)、ステップS159に進む。
イベント検出方向があると判定した場合(ステップS154でYes)、記録再生制御装置100は、イベント記録データをスロー再生し、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示する(ステップS155)。記録再生制御装置100は、ステップS157に進む。
イベント検出方向がないと判定した場合(ステップS154でNo)、記録再生制御装置100は、イベント記録データをスロー再生し、第一画角で表示する(ステップS156)。記録再生制御装置100は、ステップS157に進む。
記録再生制御装置100は、スロー再生の解除指示があるか否かを判定する(ステップS157)。記録再生制御装置100は、スロー再生の解除指示があると判定する場合(ステップS157でYes)、ステップS158に進む。記録再生制御装置100は、スロー再生の解除指示があると判定しない場合(ステップS157でNo)、ステップS160に進む。
スロー再生の解除指示があると判定する場合(ステップS157でYes)、記録再生制御装置100は、イベント記録データを通常の速さで再生し、第一画角で表示する(ステップS158)。記録再生制御装置100は、ステップS159に進む。
このように、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生中にスロー再生指示がされた場合、イベント記録データをスロー再生するとともに、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示させる。
上述したように、本実施形態では、表示制御部126によって、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生中にスロー再生指示がされた場合スロー再生するとともに、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示することができる。これにより、スロー再生でイベントの状態を確認したいときに、イベントに関連する被撮影物をより適切に確認することができる。
[第三実施形態]
図14を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録再生装置10について説明する。図14は、第三実施形態に係る記録再生制御装置における再生処理の流れを示すフローチャートである。車両用記録再生装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用記録再生装置10と同様である。車両用記録再生装置10は、表示制御部126における処理が第一実施形態と異なる。
表示制御部126は、操作制御部125から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、第二所定期間内に再度の再生、言い換えると、リピート再生指示が指示されたことを示す場合、第二画角で表示させる。第二所定期間は、例えば、イベント記録データの記録時間と同程度の時間である。第二所定期間は、例えば、数分程度としてもよい。
表示制御部126は、第二所定期間内にリピート再生が繰り返し指示された場合、リピート再生するたびに、第二画角を変えて表示させてもよい。より詳しくは、表示制御部126は、第二所定期間内にリピート再生が繰り返し指示された場合、リピート再生するたびに、段階的に画角を狭くした第二画角で表示させてもよい。表示制御部126は、第二所定期間内にリピート再生が繰り返し指示された場合、1回目のリピート再生時は、第二画角で表示し、2回目以降のリピート再生時は、画角を広くして表示させてもよい。
次に、図14を用いて、記録再生制御装置100における処理の流れについて説明する。ステップS161、ステップS162、ステップS164、ステップS167の処理は、図10に示すフローチャートのステップS111、ステップS114、ステップS112、ステップS115と同様の処理を行う。
記録再生制御装置100は、前回の再生指示からの経過時間が第二所定期間内にリピート再生指示があるか否かを判定する(ステップS163)。記録再生制御装置100は、リピート再生指示があると判定する場合(ステップS163でYes)、ステップS164に進む。記録再生制御装置100は、リピート再生指示があると判定しない場合(ステップS163でNo)、ステップS167に進む。
イベント検出方向があると判定した場合(ステップS164でYes)、記録再生制御装置100は、イベント記録データをリピート再生し、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示する(ステップS165)。記録再生制御装置100は、ステップS167に進む。
イベント検出方向がないと判定した場合(ステップS164でNo)、記録再生制御装置100は、イベント記録データをリピート再生し、第一画角で表示する(ステップS166)。記録再生制御装置100は、ステップS167に進む。
このように、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生指示から第二の所定期間内にリピート再生指示がされた場合、リピート再生するとともに、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示させる。
上述したように、本実施形態では、表示制御部126によって、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生指示から第二の所定期間内にリピート再生指示がされた場合、イベント記録データをリピート再生するとともに、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部240に表示することができる。これにより、リピート再生でイベントの状態を確認したいときに、イベントに関連する被撮影物をより適切に確認することができる。
[第四実施形態]
図15を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録再生装置10について説明する。図15は、第四実施形態に係る記録再生制御装置における再生処理の流れを示すフローチャートである。車両用記録再生装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用記録再生装置10と同様である。車両用記録再生装置10は、操作制御部125と表示制御部126とにおける処理が第一実施形態と異なる。
操作制御部125は、映像データの一時停止操作を示す一時停止操作情報と、一時停止の解除操作を示す解除操作情報とを取得して制御信号を出力する。
表示制御部126は、操作制御部125から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、一時停止が指示されたことを示す場合、第二画角で表示させる。
次に、図15を用いて、記録再生制御装置100における処理の流れについて説明する。ステップS171、ステップS172、ステップS174、ステップS179の処理は、図10に示すフローチャートのステップS111、ステップS114、ステップS112、ステップS115と同様の処理を行う。
記録再生制御装置100は、一時停止指示があるか否かを判定する(ステップS173)。記録再生制御装置100は、一時停止指示があると判定する場合(ステップS173でYes)、ステップS174に進む。記録再生制御装置100は、一時停止指示があると判定しない場合(ステップS173でNo)、ステップS179に進む。
イベント検出方向があると判定した場合(ステップS174でYes)、記録再生制御装置100は、イベント検出方向に対して拡大した第二画角でイベント記録データの一時停止映像を表示する(ステップS175)。記録再生制御装置100は、ステップS177に進む。
イベント検出方向がないと判定した場合(ステップS174でNo)、記録再生制御装置100は、第一画角でイベント記録データの一時停止映像を表示する(ステップS176)。記録再生制御装置100は、ステップS177に進む。
記録再生制御装置100は、一時停止の解除指示があるか否かを判定する(ステップS177)。記録再生制御装置100は、一時停止の解除指示があると判定する場合(ステップS177でYes)、ステップS178に進む。記録再生制御装置100は、一時停止の解除指示があると判定しない場合(ステップS177でNo)、ステップS179に進む。
一時停止の解除指示があると判定する場合(ステップS177でYes)、記録再生制御装置100は、イベント記録データの再生を再開し、第一画角で表示する(ステップS178)。記録再生制御装置100は、ステップS179に進む。
このように、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生中に一時停止指示がされた場合、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で一時停止した映像を表示部240に表示させる。
上述したように、本実施形態では、表示制御部126によって、イベント検出方向を有するイベント記録データの再生中に一時停止指示がされた場合、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で一時停止した映像を表示部240に表示することができる。これにより、一時停止でイベントの状態を確認したいときに、イベントに関連する被撮影物をより適切に確認することができる。
[第五実施形態]
図16を参照しながら、本実施形態に係る再生制御装置500を有する再生装置50について説明する。図16は、第五実施形態に係る再生制御装置を有する再生装置の構成例を示すブロック図である。
再生装置50は、イベントを記録した第一画角のイベント記録データを、イベント検出方向に拡大した、第一画角より狭い第二画角で表示する。再生装置50は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットを含む電子機器である。再生装置50は、記録部610と、操作部620と、表示部630と、再生制御装置500とを有する。
記録部610は、車両用記録再生装置10などによって、イベント記録データ、イベント検出方向を示す情報、ループ記録データなどが記録されている。記録部610は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。
操作部620は、再生装置50に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部620は、記録部610に記録したイベント記録データまたはループ記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部620は、記録部610に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。操作部620は、操作情報を再生制御装置500の操作制御部522に出力する。
操作部620は、表示部630に備えられているタッチパネルであり、記録部610に保存されているイベント記録データを再生する操作を、表示部630に表示されたイベント記録データの一覧などをタッチすることで、イベント記録データの選択、再生指示を行う。イベント記録データの一覧は、サムネイル表示などで表示される。
表示部630は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部630は、再生制御装置500の表示制御部524から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部630は、記録部610に記録された映像を表示する。
再生制御装置500は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。再生制御装置500は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。再生制御装置500には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは再生制御装置500におけるデータの一時記憶などに用いられる。再生制御装置500は、バス510に接続された、操作制御部522と、再生制御部523と、表示制御部524とを有する。
操作制御部522は、操作部620が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部522は、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。
再生制御部523は、操作制御部522から出力された選択操作および再生操作の制御信号に基づいて、記録部610に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを再生するよう制御する。再生制御部523は、選択されたイベント記録データに対応付けられたイベント検出方向を示す情報がある場合、イベント検出方向を示す情報を、表示制御部524に出力する。
表示制御部524は、イベント情報取得部521が取得したイベント記録データを、イベント検出方向を示す情報に基づいて、イベント検出方向に対して拡大した第二画角で表示部630に表示させる。
表示制御部524は、操作制御部522から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、スロー再生が指示されたことを示す場合、第二画角で表示してもよい。より詳しくは、表示制御部524は、第二実施形態の表示制御部126と同様の処理を行ってもよい。
表示制御部524は、操作制御部522から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、第二所定期間内に再度の再生が指示されたことを示す場合、第二画角で表示してもよい。より詳しくは、表示制御部524は、第三実施形態の表示制御部126と同様の処理を行ってもよい。
表示制御部524は、操作制御部125から取得した制御信号が、再生され第一画角で表示されているイベント記録データに対し、一時停止が指示されたことを示す場合、第二画角で表示してもよい。より詳しくは、表示制御部524は、第四実施形態の表示制御部126と同様の処理を行ってもよい。
このように、車両用記録再生装置10で保存された映像データを再生する再生装置50においても、第一実施形態ないし第四実施形態と同様に、再生したイベント記録データを第一画角または第二画角で表示したりする。
上述したように、本実施形態では、車両用記録再生装置10で保存された映像データを再生する再生装置50においても、第一実施形態ないし第四実施形態と同様に、再生したイベント記録データを第一画角または第二画角で表示したりすることができる。このようにして、本実施形態によれば、イベントの状態を適切に確認することができる。
これまで本発明に係る車両用記録再生装置10について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
図示した車両用記録再生装置10の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
車両用記録再生装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
上記では、表示制御部126が、再生したイベント記録データを第二画角で表示しているときは、第一画角における水平方向中央を示す表示を行ってもよい。より詳しくは、図17に示すように、表示制御部126は、イベント記録データを第二画角で表示しているときは、第一画角における水平方向中央を示す、ガイド線画像320を重ねて表示する。図17は、表示部に表示されたイベント記録データの一例を示す図である。
上記では、ループ記録処理を行う場合について説明したが、イベントが検出されてから撮影を開始する場合についても同様である。