以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、ビーコンを利用した情報配信イメージを示す図である。図1に示されるように、本実施形態では、ビーコン100(発信器)を保持する利用者Pが所定の表示装置200に近づいた際に、該ビーコン100からの信号に基づいて、表示装置200に特定の情報を配信する情報配信装置を説明する。ビーコン100は、利用者Pを一意に特定する情報である識別情報を発信する。ビーコン100は、利用者Pによって保持可能であって識別情報を発信することができるものであれば限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット、又は携帯型ビーコン等である。表示装置200は、ビーコン100及び情報配信装置と通信可能であって、配信情報を表示することができるものであれば限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット、又はデジタルサイネージにおいて一般的に用いられる各種ディスプレイ等である。
本実施形態では、1人の利用者Pが1台のビーコン100を保持しているとして説明する。すなわち、利用者Pとビーコン100とは1対1に対応している。また、複数のロケーションに、1台ずつ表示装置200が設けられているとして説明する。各ロケーションにおいては、1台の表示装置200と複数のビーコンとが通信を行う。
図2は、情報配信装置の機能構成を示すブロック図である。図2に示される情報配信装置10は、ビーコン100からの信号に基づいて配信情報を決定し、該配信情報を表示装置200に配信する情報処理装置である。より詳細には、情報配信装置10は、ビーコン100からの信号を受信する表示装置200と通信を行うことにより、ビーコン100からの信号に基づき配信情報を決定する。
情報配信装置10は、機能的には、収集部11と、蓄積部12と、グルーピング部13と、決定部14と、配信部15と、を備えている。情報配信装置10は、例えば図3に示されるハードウェアによって構成されている。
図3は、情報配信装置10のハードウェア構成を示す図である。図3に示されるように、情報配信装置10は、物理的には、1又は複数のプロセッサ1001、主記憶装置であるメモリ1002、ハードディスク又は半導体メモリ等のストレージ1003、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信装置1004、入力装置1005、及びディスプレイ等の出力装置1006等を含むコンピュータシステムとして構成されている。図2に示される各機能は、図3に示されるメモリ1002等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、プロセッサ1001の制御のもとで入力装置1005、出力装置1006、及び通信装置1004を動作させるとともに、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことにより実現される。
再び図2を参照して、情報配信装置10の各機能の詳細を説明する。
収集部11は、各ロケーションの表示装置200から、複数のビーコン100からの信号に係る情報(信号情報)を収集する。収集部11は、各ロケーションの表示装置200から、所定の時間間隔において継続的に、信号情報を収集する。信号情報には、少なくとも、ビーコン100の利用者Pを一意に特定する情報である識別情報(ビーコンID)、並びに、ビーコン100からの信号の発信に係る時刻及び場所に関する情報が含まれている。ビーコン100からの信号の発信に係る時刻とは、例えば、表示装置200が信号を受信した時刻である。また、ビーコン100からの信号の発信に係る場所とは、例えば、表示装置200が位置するロケーションを示す情報である。この構成により、収集部11は、ロケーション及び時刻別にビーコンIDを得る。収集部11は、得た情報に基づき、図4に示すロケーション別受信データD1を生成する。
図4は、ロケーション別受信データD1を示す表である。図5は、ロケーション別受信データD1の収集イメージを示す図である。図5(a)に示す10時の状態においては、ロケーションXに、ビーコンID:001,002,003によって示される利用者Pが滞在し、ロケーションYに、ビーコンID:004,005,006,007,008によって示される利用者Pが滞在し、ロケーションZに、ビーコンID:009,010によって示される利用者Pが滞在している。この場合には、上述した信号情報に基づいて、図4に示すロケーション別受信データD1の1行目(10時の行)に示される対応表が生成される。同様に、図5(b)に示す10時20分の状態においては、ロケーションXに、ビーコンID:001,002,003,004によって示される利用者Pが滞在し、ロケーションYに、ビーコンID:005,006,007,008によって示される利用者Pが滞在し、ロケーションZに、ビーコンID:009,010によって示される利用者Pが滞在している。この場合には、上述した信号情報に基づいて、図4に示すロケーション別受信データD1の2行目(10時20分の行)に示される対応表が生成される。同様に、図5(c)に示す10時40分の状態においては、ロケーションXには利用者Pが滞在しておらず、ロケーションYに、ビーコンID:001,002,003,009,010によって示される利用者Pが滞在し、ロケーションZに、ビーコンID:004,005,006,007,008によって示される利用者Pが滞在している。この場合には、上述した信号情報に基づいて、図4に示すロケーション別受信データD1の5行目(10時40分の行)に示される対応表が生成される。収集部11は、生成したロケーション別受信データD1を蓄積部12に格納する。
更に、各ロケーションの表示装置200から収集される信号情報には、信号の強度を示す情報が含まれている。信号の強度を示す情報とは、例えば、表示装置200が受信した信号の強度を示す情報である。
図6は、属性データD2を示す表である。収集部11は、信号情報に含まれるビーコンIDと、利用者Pの属性とに基づいて、図6に示す属性データD2を生成する。属性データD2では、ビーコンIDと利用者Pの属性とが対応付けられている。収集部11は、例えば、ビーコンIDと利用者Pの属性とを対応付けて管理する会員登録データベース等のデータベースを参照することにより、利用者Pの属性を把握する。利用者Pの属性を示す情報とは、例えば利用者Pの年代及び性別を示す情報である。なお、上述した、各ロケーションの表示装置200から収集される信号情報又はその他の情報に、利用者Pの属性を示す情報が含まれ、収集部11が当該情報を用いて属性データD2を生成する構成であってもよい。その他の情報とは、例えば、カメラ画像等から解析されて特定される性別又は年代等の情報である。
図7(a),(b)は、信号強度データD3,D4を示す表である。収集部11は、信号情報に含まれるビーコンIDと、信号の強度を示す情報とに基づいて、図7(a)(b)に示す信号強度データD3,D4を生成する。信号強度データD3,D4では、ビーコンIDと信号の強度を示す情報とが対応付けられている。収集部11は、例えばロケーション毎に信号強度データを生成し、図7(a),(b)は、例えば互いに異なるロケーションについて生成された信号強度データである(詳細は後述する)。収集部11は、生成した属性データ及び信号強度データを蓄積部12に格納する。
蓄積部12は、収集部11により格納された各種データを蓄積(記憶)するデータベースである。すなわち、蓄積部12は、少なくとも、上述したロケーション別受信データ、属性データ、及び信号強度データを記憶する。
グルーピング部13は、収集部11が収集した情報(すなわち、蓄積部12に記憶されている情報)に基づき、時刻及び場所の一致性から、複数の利用者Pのグルーピングを行う。グルーピング部13は、蓄積部12に記憶されたロケーション別受信データD1(図4参照)を参照し、該ロケーション別受信データD1に基づき、複数の利用者Pのグルーピングを行う。
グルーピング部13は、まず、ロケーション別受信データD1から、図8に示すビーコン別集計データD5を生成する。ビーコン別集計データD5では、ビーコンID毎(ビーコンIDに対応する利用者P毎)に、各ビーコンID(各ビーコンIDに対応する利用者P)と同一時刻の同一ロケーションで検出された回数がカウントされている。なお、同一時刻とは、完全に一致するものでなくてもよく、例えば数分程度の所定の時間帯に含まれる互いに異なる時刻であってもよい。例えば、ビーコン別集計データD5の1行目(ビーコンID:001の行)は、ビーコンID:001の利用者Pが、ビーコンID:002,003の利用者Pと6回、ビーコンID:004の利用者Pと1回、ビーコンID:009,010の利用者Pと3回、同一時刻の同一ロケーションで検出されたことを示している。
グルーピング部13は、生成したビーコン別集計データD5に基づき、複数の利用者Pのグルーピングを行う。グルーピング部13は、同一時刻且つ同一場所で検出された回数の多い複数の利用者Pをグルーピングする。グルーピング部13は、グループを複数生成するようにグルーピング行ってもよい。
図9に示すように、グルーピング部13は、例えば、データ集計期間中、常に同一時刻且つ同一場所で検知された利用者Pだけを、同一グループと推定する。図9に示す例では、6回中6回同一時刻且つ同一場所で検出された、ビーコンID:001,002,003の利用者Pが同一グループと推定され、ビーコンID:005,006,007,008の利用者Pが同一グループと推定され、ビーコンID:009,010の利用者Pが同一グループと推定される。
また、グルーピング部13は、全ての検出結果において同一時刻且つ同一場所となっていない組み合わせであっても、ビーコン別集計データD5における結果が類似するものについて、パターン照合によって同一グループと推定してもよい。すなわち、図10に示すように、ビーコンID:001,002,003については、ビーコンID:004〜010と同一時刻且つ同一場所で検出された回数が、互いに同じであるので、これらの利用者Pを同一グループと推定してもよい。また、ビーコンID:005,006,007,008については、ビーコンID:001〜004,009,010と同一時刻且つ同一場所で検出された回数が、互いに同じであるので、これらの利用者Pを同一グループと推定してもよい。また、ビーコンID:009,010については、ビーコンID:001〜008と同一時刻且つ同一場所において検出された回数が、互いに同じであるので、これらの利用者Pを同一グループと推定してもよい。
グルーピング部13は、グルーピング結果D8を蓄積部12に格納する。図11に示すように、グルーピング結果D8では、グループID(グループを特定する情報)と、グループを構成するビーコンIDと、グループを構成する利用者Pの人数(すなわち、グループを構成するビーコンIDの数)が対応付けられている。
決定部14は、グルーピング部13が行ったグルーピング結果(すなわち、蓄積部12に記憶されているグルーピング結果D8)に基づき、配信情報を決定する。決定部14は、複数のグループのうち、含まれる利用者Pの数が最も多いグループを代表グループとし、該代表グループに応じて配信情報を決定する。すなわち、決定部14は、蓄積部12に記憶されたグルーピング結果D8(図11参照)を参照し、グループに含まれる利用者Pの数が4人であって最も多い、グループCを代表グループとする。なお、決定部14は、複数のグループから1つのグループを選択しなくてもよく、例えば、利用者Pの数が多いグループから順に優先順位をつけ、複数のグループを代表グループとしてもよい。
或いは、決定部14は、ロケーション毎に、各グループの滞在時間に応じて配信情報を決定してもよい。この場合、決定部14は、蓄積部12に記憶されているグルーピング結果D8と、各ロケーションにおける滞在時間(該当グループに含まれる利用者Pの滞在時間)とに基づき、図12に示されるグループ滞在時間表D9を作成する。グループ滞在時間表D9では、グループIDと、グループを構成するビーコンIDと、グループを構成する利用者Pの構成人数と、各利用者Pの各ロケーションX〜Zにおける合計滞在時間とが対応付けられている。決定部14は、当該グループ滞在時間表D9に基づき、各グループの滞在時間を特定する。グループの滞在時間は、例えば以下の第1手法〜第3手法のいずれかより特定される。第1手法では、グループの中で最も滞在時間が長い利用者Pの滞在時間がグループの滞在時間とされる。第2手法では、グループを構成する全利用者Pの滞在時間の平均値がグループの滞在時間とされる。第3手法では、グループの代表者(例えば信号の強度が最も強い利用者P(詳細は後述))の滞在時間がグループの滞在時間とされる。例えば図12に示す例において、グループAのロケーションXにおける滞在時間を特定する場合、第1手法を用いる場合には、グループAの中でロケーションXにおける滞在時間が最も長い、ビーコンID:002の利用者Pの滞在時間(12分)がグループの滞在時間とされる。第2手法を用いる場合には、ビーコンID:001〜003の各利用者Pの滞在時間の平均値((10+12+11)/3=11分)がグループの滞在時間とされる。第3手法を用いる場合には、例えばロケーションXにける信号の強度が最も強い利用者PがビーコンID:001の利用者Pであったとすると、当該ビーコンID:001の利用者Pが代表者とされ、当該利用者Pの滞在時間(10分)がグループの滞在時間とされる。決定部14は、例えば滞在時間が長いグループについて配信情報に興味を示すグループであると推定し、該グループを代表グループとする。または、決定部14は、例えば滞在時間が短いグループについて広告効果が高いグループであると推定し、該グループを代表グループとしてもよい。
決定部14は、例えば、グルーピング部13によりグルーピングされたグループに含まれる複数の利用者P(例えば、代表グループに含まれる複数の利用者P)のうち、信号の強度が最も強いビーコン100に係る利用者Pを代表利用者とし、該代表利用者に応じて配信情報を決定する。具体的には、決定部14は、蓄積部12に記憶された信号強度データD3,D4(図7(a)及び(b)参照)を参照し、信号の強度が最も強いビーコン100に係る利用者Pを代表利用者とする。ここで、上述したように、信号強度データは異なるロケーション毎に収集部11に収集されており、図7(a)の信号強度データD3、及び図7(b)の信号強度データD4は互いに異なるロケーションについて生成された信号強度データである。
図7(a)の信号強度データD3に係るロケーションについては、決定部14は、信号強度が35dbmであって最も強いビーコンID:005に係る利用者Pを代表利用者とする。また、図7(b)の信号強度データD4に係るロケーションについては、決定部14は、信号強度が40dbmであって最も強いビーコンID:006に係る利用者Pを代表利用者とする。
決定部14は、例えば、特定した代表利用者の属性に基づき、配信情報を決定する。具体的には、決定部14は、蓄積部12に記憶された属性データD2(図6参照)を参照し、代表利用者の属性に基づき配信情報を決定する。すなわち、例えば代表利用者がビーコンID:005に係る利用者Pである場合には、属性データD2を参照し、20台女性との相関性が高い情報(広告等)を配信情報として決定する。
なお、決定部14は、グルーピング部13によりグルーピングされたグループに含まれる複数の利用者Pの属性に基づき、配信情報を決定してもよい。例えば、グループに含まれる利用者Pが、ビーコンID:005〜008に係る利用者Pである場合に、決定部14は、図6に示す属性データD2を参照し、グループに含まれる利用者Pの属性に共通性(女性且つ20代〜30代)を見い出し、当該属性と相関性が高い情報を配信情報として決定してもよい。決定部14は、決定した配信情報を配信部15に出力する。
配信部15は、決定部14から入力された配信情報を表示装置200に出力(配信)する。配信部15は、例えばビーコン100からの信号を受け取った表示装置200から、ビーコンIDを含んだ信号情報を受信し、該ビーコンIDで示される利用者Pに応じた配信情報を表示装置200に配信する。表示装置200は、当該配信情報を表示する。配信部15は、例えば、グルーピングされた各利用者Pを特定するビーコンIDを含んだ各信号情報を、同一の表示装置200から所定の時間内に受信した場合に限り、グルーピング結果に基づく配信情報を表示装置200に配信することとしてもよい。
次に、図13を参照して、情報配信装置10が行う情報配信方法の一連の処理を説明する。図13は、情報配信装置10が行う情報配信方法の一連の処理を示すフローチャートである。
まず、収集部11が、各ロケーションの表示装置200から、複数のビーコン100からの信号に係る情報(信号情報)を収集する(ステップS1)。収集部11は、収集した情報に基づき各種データを生成する。
続いて、蓄積部12は、収集部11が生成した各種データを蓄積(記憶)する(ステップS2)。各種データとは、例えば、ロケーション及び時刻別にビーコンIDを対応付けたロケーション別受信データD1(図4参照)、各ビーコンIDと該ビーコンIDに係る利用者Pの属性とを対応付けた属性データD2(図6参照)、ビーコンIDと信号の強度を示す情報とを対応付けた信号強度データD3,D4(図7(a)(b)参照)等である。
続いて、グルーピング部13は、蓄積部12に記憶されている情報に基づき、時刻及び場所の一致性から、複数の利用者Pのグルーピングを行う(ステップS3)。グルーピング部13は、例えば、ロケーション別受信データD1から、図8に示すビーコン別集計データD5を生成する。ビーコン別集計データD5では、ビーコンID毎(ビーコンIDに対応する利用者P毎)に、各ビーコンID(各ビーコンIDに対応する利用者P)と同一時刻の同一ロケーションで検出された回数がカウントされている。更に、グルーピング部13は、生成したビーコン別集計データD5に基づき、複数の利用者Pのグルーピングを行う。グルーピング部13は、例えば、同一時刻且つ同一場所で検出された回数の多い複数の利用者Pをグルーピングする。グルーピング部13は、グルーピング結果D8を蓄積部12に格納する。
続いて、決定部14は、グルーピング部13が行ったグルーピング結果(すなわち、蓄積部12に記憶されているグルーピング結果D8)に基づき、配信情報を決定する(ステップS4)。決定部14は、例えば、複数のグループのうち、含まれる利用者Pの数が最も多いグループを代表グループとし、該代表グループに応じて配信情報を決定する。更に、決定部14は、例えば、グルーピング部13によりグルーピングされたグループに含まれる複数の利用者P(例えば、代表グループに含まれる複数の利用者P)のうち、信号の強度が最も強いビーコン100に係る利用者Pを代表利用者とし、該代表利用者に応じて配信情報を決定する。そして、決定部14は、例えば、特定した代表利用者の属性に基づき、配信情報を決定する。決定部14は、決定した配信情報を配信部15に出力する。
続いて、配信部15は、決定部14から入力された配信情報を表示装置200に出力(配信)する(ステップS5)。配信部15は、例えばビーコン100からの信号を受け取った表示装置200から、ビーコンIDを含んだ信号情報を受信し、該ビーコンIDで示される利用者Pに応じた配信情報を表示装置200に配信する。
次に、本実施形態に係る情報配信装置10の作用効果について説明する。
従来の情報配信装置では、利用者個人の嗜好に応じた情報を配信している。しかしながら、例えばショッピングモール又は展示会等、多数の利用者が同時に存在する場合においては、各利用者にとって適切な情報を配信することが困難であった。
上述したとおり、本実施形態に係る情報配信装置10は、利用者Pを一意に特定する情報を含んだ信号を発信するビーコン100からの信号に基づいて、配信情報を決定する装置であって、複数の利用者Pに対応する複数のビーコン100からの信号に係る情報として、利用者Pを一意に特定する情報、並びに、ビーコン100からの信号の発信に係る時刻及び場所に関する情報を収集する収集部11と、収集部11が収集した情報に基づき、時刻及び前記場所の一致性から、複数の利用者Pのグルーピングを行うグルーピング部13と、グルーピング部13によるグルーピング結果に基づき、配信情報を決定する決定部14と、を備える。
このように、情報配信装置10では、ビーコン100からの信号に係る情報として、利用者Pを一意に特定する情報(ビーコンID)、並びに、ビーコン100からの信号の発信に係る時刻及び場所に関する情報が収集される。そして、当該時刻及び場所が一致する複数の利用者Pがグルーピングされる。このようにグルーピングされることにより、同一の時刻に同一の場所にいる利用者群(すなわち、共に行動していると想定される利用者群)を同一のグループとすることができる。そして、該グルーピング結果に応じて配信情報が決定されることにより、単一の利用者Pだけでなく、共に行動していると想定される複数の利用者Pを考慮して、適切な配信情報を決定することができる。
更に、グルーピング部13は、時刻及び前記場所の一致性から、グルーピングを行ったグループを複数生成し、決定部14は、複数のグループのうち、含まれる利用者Pの数が最も多いグループを代表グループとし、該代表グループに応じて配信情報を決定する。これにより、共に行動していると想定される利用者Pが最も多いグループに応じて配信情報が決定される。このことで、より多くの利用者Pにとって適切な情報配信が行われることとなり、情報配信効果の最大化を図ることができる。
収集部11は、ビーコン100からの信号に係る情報として、配信情報を表示する表示装置200におけるビーコン100からの信号の強度を収集し、決定部14は、グルーピング部13によりグルーピングされたグループに含まれる複数の利用者Pのうち、信号の強度が最も強いビーコン100に係る利用者Pを代表利用者とし、該代表利用者に応じて配信情報を決定する。表示装置200における信号の強度が強いとは、表示装置200からの距離が短いことを意味する。そして、表示装置200からの距離が短いとは、表示装置200に興味を示したことを意味する。このため、信号の強度が強いビーコン100に係る利用者Pは、表示装置200に興味を示し易い利用者であると言える。そして、このような利用者Pを代表利用者として該代表利用者に応じて配信情報を決定することにより、配信情報に興味を示し易い利用者に対して効果的な情報を配信することができる。このように、代表利用者を決定することにより、グループ内の最重要顧客の興味を引きつけ、該最重要顧客からグループ内の各利用者Pへの情報の伝搬(口コミ)を図ることができる。
収集部11は、ビーコン100からの信号に係る情報として、利用者Pの属性を示す情報を収集し、決定部14は、グルーピング部13によりグルーピングされたグループに含まれる複数の利用者Pの属性に基づき、配信情報を決定してもよい。これにより、グループに含まれる各利用者Pの特性に応じて、効果的な情報を配信することができる。
配信情報を表示する表示装置200に対して、配信情報を配信する配信部15を更に備えている。これにより、決定した配信情報を表示装置200に対して確実に配信することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線で)接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、上記実施形態における情報配信装置10などは、上記実施形態の情報配信装置10の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図2は、本実施形態に係る情報配信装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の情報配信装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。情報配信装置10のハードウェア構成は、図3に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
情報配信装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及び/又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、情報配信装置10の収集部11は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、上記実施形態に係る楽器音認識方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバ、その他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、情報配信装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更された態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」との両方を意味する。
本明細書で使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈又は技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置であることが示されていなければ、複数の装置をも含むものとする。
また、情報処理装置の一例として情報配信装置10を説明したが、本発明に係る情報処理装置は、グルーピング結果に基づき配信情報を決定するものであればよく、表示装置200への配信情報の配信は、別の装置により行われるものであってもよい。
ビーコン100からの信号を表示装置200が受信するとして説明したがこれに限定されず、ビーコン100からの信号を受信する受信器が別途設けられていてもよい。