JP6785216B2 - 新規アレルゲン - Google Patents
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Description
- 1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、本発明の上記側面のタンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントと接触させるステップ;および
- 前記サンプルにおいて、前記タンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントに特異的に結合する抗体、例えばIgE抗体の存在を検出するステップ
を含み、
ここで、抗体、例えばIgE抗体の存在は、前記患者が1型アレルギーを有することを示唆する、
1型アレルギーのインビトロ評価方法に関する。
- 1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、ウマからのさらなる精製アレルゲンコンポーネント少なくとも1つと接触させるステップ;および
- 前記サンプルにおいて、前記のウマからの精製アレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の存在を検出するステップ
をさらに含み、
ここで、前記タンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントに特異的に結合するIgE抗体の存在と、前記ウマからのアレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の不存在との組み合わせは、前記患者がネコに対する1型アレルギーを有することを示唆する。
(i)前記のように、調べる抗体アイソタイプを固体または可溶性の支持体上に捕捉するステップ;
(ii)本発明のタンパク質またはタンパク質フラグメントを加えるステップ;および
(iii)タンパク質またはタンパク質フラグメントと抗体の結合を直接的または間接的に検出するステップ
を含むアッセイである。一態様において、タンパク質またはタンパク質フラグメントはフルオロフォアで標識されており、この場合、検出は直接的検出である。他の一態様において、タンパク質またはタンパク質フラグメントは前記のように、例えば酵素結合要素、例えばアビジンまたはストレプトアビジンで誘導体化されている。
本発明の態様をさらに挙げる:
[1] 第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を有し、それらを合わせた全体としての、配列番号3の配列および配列番号4の配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも70%である、単離されたヘテロ二量体タンパク質。
[2] 全体としての、配列番号3の配列および配列番号4の配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも75%、好ましくは80%、85%、90%、95%または98%である、上記項1に記載の単離されたヘテロ二量体タンパク質。
[3] 全体としての、配列番号3のアミノ酸配列および配列番号4のアミノ酸配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも70%、例えば75%、80%、85%、90%、95%または98%である、一本鎖タンパク質。
[4] 配列番号3の配列との配列同一性が少なくとも70%、例えば75%、80%、85%、90%、95%または98%である、単離されたタンパク質。
[5] 配列番号4の配列との配列同一性が少なくとも70%、例えば75%、80%、85%、90%、95%または98%である、単離されたタンパク質。
[6] 配列番号3の配列を有する第1のペプチド鎖および配列番号4の配列を有する第2のペプチド鎖を有するヘテロ二量体タンパク質のIgE抗体エピトープを少なくとも1つ有する、上記項1〜5のいずれかに記載のタンパク質のフラグメント。
[7] 固体または可溶性の支持体に固定化されている、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質またはタンパク質フラグメント。
[8] 検出可能な標識が付けられている、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質またはタンパク質フラグメント。
[9] 上記項1〜5のいずれかに記載のタンパク質または上記項6に記載のタンパク質フラグメントをコードする核酸分子。
[10] 配列番号9の配列との同一性が少なくとも80%であるヌクレオチド配列を含む、上記項9に記載の核酸分子。
[11] 配列番号10の配列との同一性が少なくとも80%であるヌクレオチド配列を含む、上記項9に記載の核酸分子。
[12] 上記項3に記載の一本鎖タンパク質をコードし、配列番号9の配列および配列番号10の配列を組み合わせたものとの全体としての配列同一性が少なくとも80%であるヌクレオチド配列を含む、上記項9に記載の核酸分子。
[13] 上記項9〜12のいずれかに記載の核酸分子を含むベクター。
[14] 上記項13に記載のベクターを含む宿主細胞。
[15] 上記項1〜5のいずれかに記載のタンパク質または上記項6に記載のタンパク質フラグメントの組換え産生方法であって、上記項14に記載の宿主細胞を、該タンパク質の発現に適当な条件下に培養することを含む、方法。
[16]・1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントと接触させるステップ;および
・前記サンプルにおいて、前記タンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントに特異的に結合する抗体の存在を検出するステップ
を含み、
ここで、前記のように結合した抗体の存在は、前記患者が1型アレルギーを有することを示唆する、
1型アレルギーのインビトロ評価方法。
[17] 前記サンプルにおいて、前記タンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントに特異的に結合するIgE抗体および/またはIgG抗体の存在を検出することを含み、
ここで、特異的IgE抗体の存在は、前記患者がウマに対する1型アレルギーを有することを示唆し、特異的IgG抗体のレベルは、ウマに対する、生まれつきの、または環境的暴露もしくは免疫療法によって誘導された免疫寛容に関する情報を与える、
上記項16に記載の方法。
[18]・1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、ウマからのさらなる精製アレルゲンコンポーネント少なくとも1つと接触させるステップ;および
・前記サンプルにおいて、前記のウマからの精製アレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の存在を検出するステップ
をさらに含み、
ここで、前記タンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントに特異的に結合するIgE抗体の存在と、前記のウマからのアレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の不存在との組み合わせは、前記患者がネコに対する1型アレルギーを有することを示唆する、
上記項16または17に記載の方法。
[19] 前記のウマからのさらなる精製アレルゲンコンポーネントが、天然および組換えのEqu c 1、Equ c 2、Equ c 3、Equ c 4/5およびEqu c 15kからなる群から選択される、上記項18に記載の方法。
[20] 上記項16〜19のいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、固体支持体上に固定化された上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントを含むキット。
[21] 固体支持体が、ニトロセルロース、ガラス、シリコンおよびプラスチックの群から選択される、上記項20に記載のキット。
[22] 固体支持体がマイクロアレイチップである、上記項20または21に記載のキット。
[23] 固定化されたタンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントと結合した抗体に結合することができる検出試薬をさらに含む、上記項20〜22のいずれかに記載のキット。
[24] 検出試薬が、IgG抗体および/またはIgE抗体に結合することができる、上記項23に記載のキット。
[25] ヒトまたは動物体に対して実施される処置または診断方法において使用するための、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質またはタンパク質フラグメント。
[26] ヒトまたは動物体に対して実施される1型アレルギーの処置または診断方法において使用するための、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質またはタンパク質フラグメント。
[27] 1型アレルギーの処置方法であって、処置に感受性の個体に、上記項1〜6のいずれかに記載のタンパク質、ペプチド鎖またはタンパク質フラグメントを投与することを含んでなる方法。
用語「タンパク質」および用語「ペプチド」は、それらの当分野における通常の意味を有すると解釈される。本発明において、特に断りがなければ、これら用語は互換的に用いられる。
タンパク質の「長さ」は、当該タンパク質のアミノ酸残基の数である。
下記配列を配列表に記載する。
本発明は1つの側面において、1つまたはそれ以上のジスルフィド結合により連結された、分子量が5kDaのオーダーである第1のペプチド鎖および分子量が10kDaのオーダーである第2のペプチド鎖を含み、非還元条件下におよそ18kDaに相当する電気泳動移動度(見掛けの分子量)を示す、セクレトグロビンファミリーに属する単離されたウマアレルゲン(本発明においてEqu c sと称する)に関する。本発明のこの側面はまた、前記に定義されるように天然Equ c sとある程度の配列同一性を有し、好ましくは天然Equ c sの少なくとも1つのIgE抗体エピトープを含む、Equ c sのバリアントおよびフラグメントを包含する。そのようなバリアントおよびフラグメントは、好ましくは、Equ c s反応性血清に対しIgE反応性を示し、実施例10に記載するアッセイにより測定した場合、そのようなバリアントまたはフラグメントによって、元のrEqu c s分子とのIgE結合が少なくとも10%阻害されうる。後述の本発明の他の側面においても、用語「Equ c s」は、記載の簡潔のために、そのようなバリアントおよびフラグメントをも包含するものとして用いられる。
(配列番号3)を有し、理論分子量は7.9kDaである。
(配列番号4)を有し、理論分子量は9.6kDaである。
ウマ皮屑抽出物、ネコ皮屑抽出物、およびFel d 1の標準ImmunoCAPテストを使用した。組換えEqu c 1およびEqu c 15k、ならびにウマ皮屑から精製したEqu c 2およびEqu c 4、およびウマ血清から精製したEqu c 3を用いる実験用immunoCAPテストを、実質的にWO2011/133105に記載されるように調製した。
実施例1に記載した血清を用いて、ウマ皮屑抽出物中に、Fel d 1に類似する未知のアレルゲンコンポーネントを検出することができた。また、クロマトグラフ手法を用いてウマ皮屑抽出物を分画し、画分をImmunoCAP固相に固定化することにより、未知コンポーネントを複数のクロマトグラフィーステップにおいて追跡することができた。
ウマ皮屑(Allergon, Vaelinge, Sweden)を20mM MOPS(pH7.6)、0.15M NaCl(MBS=MOPS緩衝生理食塩液)で抽出し、遠心により清澄化し、0.45μm混合セルロースエステルフィルター(Millipore, Billerica, MA, USA)で濾過した。第1の精製ステップとして、清澄化した抽出物を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)用のSuperdex(商標)75 カラム (XK26/100, Vt= 505 mL, GE Healthcare Bio-Sciences AB, Uppsala, Sweden) に適用し、MBSにより流速2ml/分で溶出を行った。
SECからのプールを1M NH4SO4に調整し、20mM tris(pH8.0)中の1M NH4SO4で平衡化したPhenyl Sepharose(商標)HPカラム (HR10/10, Vt= 8.0 mL, GE Healthcare Life Sciences) に適用した。1M〜0MのNH4SO4のNH4SO4直線勾配で溶出を行った(図2のクロマトグラムにおいて、溶出体積140〜260mlの間の50%〜100%Bとして示す)。強く結合したタンパク質を溶離するために、ポンプAを洗浄し、緩衝液を20mM Tris(pH8.0)中の30%イソプロパノールに変えた。0〜30%イソプロパノールのイソプロパノール勾配を用いて、カラムに残るタンパク質を溶離した(クロマトグラムにおいて、溶出体積285〜325mlの間の100%〜0%Bとして示す)。クロマトグラムに示す7つのピークを、カップリング緩衝液(0.1M NaHCO3、pH8.0)で1:2希釈し、ImmunoCAP固相に固定し、前記検出用血清を用いてIgE反応性について試験した(表4)。イソプロパノール溶出勾配の画分60に、最も高いIgE反応性が見られた。画分58〜66をプールし、陰イオン交換クロマトグラフィーに付した。
HICプールを、その体積の半量のTris(pH8.5)を添加することにより調整した。その後、プールを、20mM Tris(pH8.5)で平衡化した陰イオン交換カラムSource(商標)15Q (PE4.6/100, Vt= 1.66 mL, GE Healthcare Life Sciences) に適用した。同じ緩衝液中の0〜0.50MのNaCl直線勾配で溶出すると、タンパク質は複数のピークに分かれて溶出され(図3)、そのうちの7つを、カップリング緩衝液で1:4希釈した後、固定化した。この希薄化において殆どの画分中に未知コンポーネントに対するIgE反応性が検出されたので(表5a)、SDS PAGEにおけるタンパク質バンドパターンに基づいてB4−B1、C1−C4およびC1−C11の3つのプールをプールし、カップリング緩衝液で1:20希釈した後、固定化した。これらのさらなる希釈化プール画分のIgE解析により、第1のプールB4−B1において最も活性が高いことがわかった(表5b)。このプールを最終クロマトグラフィーステップであるRPC精製に付した。
陰イオン交換プールを、TFAを終濃度0.065%で添加することにより調整し、最終RPC精製ステップに付すために、そのサンプルを、水中の0.065%TFAで平衡化したSource(商標)15 RPCカラム (Resource, Vt= 3.2 mL; GE Healthcare Life Sciences) に適用した。90%アセトニトリル中の0.05%TFAからなる緩衝液Bの0〜60%直線勾配で溶出を行った。勾配の終盤近くに3つのピークの溶出があり(図4)、それを固相に固定化し、試験した。表6に示すように、最初の2つのピークが未知コンポーネントを高レベルに含んでおり、なかでもピーク番号2が最初のピークよりも含有レベルが少し高かった。
RPC画分のSDS PAGE解析により、最初の2つのRPCピークについて、還元条件で5kDaにおいて1つのバンド、10/11kDaにおいて2重のバンドがあり、これらは非還元条件では合わさって18kDaにおけるブロードなバンドとなるという、同様のパターンが示された。このバンドパターンは、典型的に還元条件で5および10kDaの2バンド、非還元条件で15〜20kDaの1バンドという、セクレトグロビンファミリーのタンパク質のものと一致する。2つのバンドの最大のバンドはグリコシル化されており、そのためdiffuseとなりうるか、または本ケースにおけるように2重バンドとなりうる。
アミノ酸の相対量は各サイクルで同様であったので、このデータから一次および二次配列を決定することは不可能であった。この2通りの配列は、配列表にも配列番号44として示す。
鎖1
実施例1において示されるように未知ウマ皮屑タンパク質と免疫学的に類似するネコアレルゲンタンパク質Fel d 1は、2つのアミノ酸鎖 鎖1および鎖2 (それぞれ、acc no: NP 001041618 および NP 001041619) がジスルフィド架橋で連結されたものからなる。
77850 → 77790
77632 → 77445
76428 → 76399
という3つのエクソンからなる仮定配列であった。
上記と同様にFel d 1の鎖2の配列 (NP 001041619) でウマゲノムデータベース(wsg)をTBLASTN検索すると、アミノ酸21〜85が、ウマゲノム配列の105199塩基対セグメントであるAcc No. AAWR02030062の(順ストランドの)ヌクレオチド位置82588〜82782の翻訳と一致した。
82004 → 82064
82589 → 82770
である2つのエクソンからなる不完全な仮定配列であった。
RNAqueousキット (Ambion, Austin, TX, USA) を用いて、ウマ皮膚から全RNAを調製した。mRNA Purificationキット (Thermo Fisher Scientific) を用いて、全RNAからポリアデニル化RNAを単離し、First-Strand cDNA Synthesisキット (Thermo Fisher Scientific) を用いてファーストストランドcDNAを調製した。Frohman (Frohman 1993) に従い、開始コドン前の非翻訳配列からの遺伝子特異的フォワードオリゴヌクレオチドプライマー:
5'-ATAAAAGGGCTGCAGAATTG-3' (配列番号11、鎖1) および
5'-GCAGCAGAAACCCTGCCCTG-3' (配列番号12、鎖2)
を用いて3'RACEを行った。クローニングのために末端NdeI制限部位を有する、開始コドン前の非翻訳配列からの第2の遺伝子特異的フォワードオリゴヌクレオチドプライマー:
5'-GTGAGCACCTGCCACCTG-3' (配列番号13、鎖1) および
5'-GAAGAGCATTCTAGCAGTTG-3' (配列番号14、鎖2)、
ならびに特異的リバースオリゴヌクレオチドプライマー:
5'-GAATCTTCTAATCAGACAC-3' (配列番号15、鎖1) および
5'-GGTAGAGGAGACAGGTGTC-3' (配列番号16、鎖2)
を用いて第2のPCRを行った。鎖1の4つの独立した3'RACEクローン、および鎖2の3つの独立した3'RACEクローンを単離し、全体の配列を決定し、それによりEqu c sの予測鎖のコード配列を確認することができた。DNA配列決定はApplied Biosystems 3130 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, Foster City, CA, USA) を用いて行った。DNAおよびアミノ酸の配列の解析および計算は、GCG Wisconsin Package (Accelrys, San Diego, CA, USA) のプログラムを用いて行った。
Equ c sの仮定配列を用いて、実施例3に記載した2通りのアミノ酸配列の再評価を行った。この2通りの配列は今や、Equ c sタンパク質の成熟鎖1および鎖2の仮定N末端配列と同じDICPAV (配列番号3の残基1〜6) および CPSFYAV (配列番号4の残基1〜7) であると解釈することができる。
組換えEqu c sのクローニングおよび精製
合成Equ c s一本鎖遺伝子を、5kDaサブユニットおよび10kDaサブユニットのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を、3×(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser、配列番号5の残基72−86)を含むリンカーペプチドをコードする配列と組み合わせることによって設計した。固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC)によるタンパク質精製を可能にするようC末端ヘキサヒスチジンタグを付加して、その全長合成遺伝子を、ベクターpET23a(+)(Novagen, Madison, WI, USA)のNdeI部位およびXhoI部位にクローン化した。
(配列番号5)
組換えタンパク質全体をコードする核酸配列は次のとおりである:
(配列番号6)
(配列番号9)
(配列番号10)
(配列番号7)
であり、該タンパク質をコードする核酸配列は:
(配列番号8)
である。
rEqu c s abのピーク1およびピーク2の分析的ゲル濾過により、ピーク1は二量体および単量体形態のrEqu c sの混合物を含み(図10a)、ピーク2は凝集物を多く含む(図10b)ことが示された。この結果は、もう1つの組換え形態であるrEqu c s baにおいても同様であった(データを示していない)。
2つの形態の組換えEqu c sのピーク1およびピーク2のそれぞれを、文献(Marknell DeWitt, Niederberger et al. 2002)に記載されるように実験用ImmunoCAP(商標)に固定化し、実施例1に記載される血清とのIgE反応を利用して、各調製物のIgE反応性を調べた。表9に示すように、すべての調製物が前記血清に対し同様のIgE反応性を示し、これは、天然タンパク質を含む精製された画分とのIgE反応性とも一致した(表6、画分2)。
スペイン(n=20)およびスウェーデン(n=5)の25人のウマアレルギー患者からの血清を本試験に用いた。すべての患者が、喘息、鼻結膜炎および蕁麻疹のような症状を伴うウマアレルギーであると医師に診断されており、ウマ皮屑抽出物に対する皮膚プリック試験に陽性であった。すべてのサンプルおよび臨床データは、該サンプルおよびデータを収集したバイオバンクを担う各施設の倫理委員会の承認の下に収集された。
本発明の研究の出発点であった未知のIgE反応性はFel d 1によって阻害されたので、組換えEqu c sとFel d 1の関係を調べた。実施例8に記載したウマアレルギー患者25人を含む35人のウマ皮屑感作対象の血清において、Fel d 1に対するIgE結合のレベルを調べた。組換えEqu c sとrFel d 1とに対するIgEレベルの間に、明らかな相関が見られ(r=0.92)(図13)、ほぼ全ての患者において、Fel d 1に対するIgE反応性がEqu c sに対するIgE反応性よりも高かった。
元のアレルゲンタンパク質、本発明の場合はEqu c sを、固体支持体に固定化する。該当の種で感作され、該種からの元のアレルゲンタンパク質に対しIgE反応性を示す少なくとも3人のヒト患者からの血清サンプルを、100μg/mlの終濃度の被験物質、また並行してネガティブコントロールとして緩衝液のみ、および大腸菌の非アレルゲン性マルトース結合タンパク質(MBP)と共に、室温で2時間インキュベートする。次いで、サンプルを、Equ c sを固定化した固体支持体へのIgE結合について試験し、Equ c sのバリアントまたはフラグメントとのプレインキュベーションがIgE結合を特異的に阻害または明らかに低下するかを調べる。
Claims (15)
- 第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を有し、それらを合わせた全体としての、配列番号3の配列および配列番号4の配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも90%であり、配列番号3の配列を有する第1のペプチド鎖および配列番号4の配列を有する第2のペプチド鎖を有するヘテロ二量体タンパク質のIgE抗体エピトープを有する、単離されたヘテロ二量体タンパク質。
- 全体としての、配列番号3の配列および配列番号4の配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも95%または98%である、請求項1に記載の単離されたヘテロ二量体タンパク質。
- 全体としての、配列番号3のアミノ酸配列および配列番号4のアミノ酸配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも90%であり、配列番号3の配列を有する第1のペプチド鎖および配列番号4の配列を有する第2のペプチド鎖を有するヘテロ二量体タンパク質のIgE抗体エピトープを有する、一本鎖タンパク質。
- 全体としての、配列番号3のアミノ酸配列および配列番号4のアミノ酸配列を組み合わせたものとの配列同一性が、少なくとも95%または98%である、請求項3に記載の一本鎖タンパク質。
- 固体または可溶性の支持体に固定化されている、および/または検出可能な標識が付けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質をコードする核酸分子。
- 請求項6に記載の核酸分子を含むベクター。
- 請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
- ・1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質と接触させるステップ;および
・前記サンプルにおいて、前記タンパク質に特異的に結合する抗体の存在を検出するステップ
を含み、
ここで、前記のように結合した抗体の存在は、前記患者が1型アレルギーを有することを示唆する、
1型アレルギーのインビトロ評価方法。 - 前記サンプルにおいて、前記タンパク質に特異的に結合するIgE抗体および/またはIgG抗体の存在を検出することを含み、
ここで、特異的IgE抗体の存在は、前記患者がウマに対する1型アレルギーを有することを示唆し、特異的IgG抗体のレベルは、ウマに対する、生まれつきの、または環境的暴露もしくは免疫療法によって誘導された免疫寛容に関する情報を与える、
請求項9に記載の方法。 - ・1型アレルギーを有することが疑われる患者からの免疫グロブリン含有体液サンプルを、ウマからのさらなる精製アレルゲンコンポーネント少なくとも1つと接触させるステップ;および
・前記サンプルにおいて、前記のウマからの精製アレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の存在を検出するステップ
をさらに含み、
ここで、前記タンパク質に特異的に結合するIgE抗体の存在と、前記のウマからのアレルゲンコンポーネントに特異的に結合するIgE抗体の不存在との組み合わせは、前記患者がネコに対する1型アレルギーを有することを示唆する、
請求項9または10に記載の方法。 - 前記のウマからのさらなる精製アレルゲンコンポーネントが、天然および組換えのEqu c 1、Equ c 2、Equ c 3、Equ c 4/5およびEqu c 15kからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
- 請求項9〜12のいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、固体支持体上に固定化された請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質を含むキット。
- ヒトまたは動物体に対して実施される処置または診断方法、またはアレルギーの処置または診断方法において使用するための、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。
- アレルギーが1型アレルギーである、請求項14に記載のタンパク質。
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