JP6785161B2 - 容器及び容器の製造方法 - Google Patents
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Description
また、少なくとも1辺の曲線部が容器内側に円弧状に湾曲することにより、曲線部でカール部が経時的に徐々に巻戻されて強度が低下することを抑えることができる。
また、少なくとも1辺の曲線部が容器内側に円弧状に湾曲することにより、曲線部でカール部が経時的に徐々に巻戻されて強度が低下することを抑えることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る容器の構造や機能について、図面を参照しつつ説明する。
一方、図3Bに示す長辺部751の場合、長辺部751が直線的に延びているので、長辺部751を巻き戻すような外力又は応力が長辺部751に生じると、長辺部751には巻き戻しに対する抵抗が殆どなく、カールが戻りやすい。
なお、図3Cに示す長辺部851の場合、長辺部851を巻き戻す方向A1において板材が突出するように湾曲している。この場合、外側にある部分A2で長辺部851の長手方向に隣接する領域間で材料がぶつかるような作用は生じない。しかしながら、カールの量がある程度多ければ、長辺部851の奥又はカールの先端では図3Aと同様の現象が生じ得る。このため、図3Cに示すように長辺部851が巻き戻す方向A1において突出していても、その巻戻しの抵抗は、図3Bに示す直線的な場合に比較して増加する。
一枚絞りタイプの容器10は、継時変化によって、カール部5が外に膨らんでしまう傾向があり、特に長辺部51が顕著に外に膨らむ傾向がある。よって、旧来的な形状の容器(不図示)において、長辺部が顕著に外に膨らんでしまった状態で蓋をはめようとすると、蓋をはめるためには、長辺部を内側に寄せなければならず、ワンタッチではめることが難しい。本実施形態の容器10のように長辺部51が内側に湾曲していることによって、継時変化による外への膨らみが軽減され、ワンタッチで蓋7をはめることができる。
次に、四角形のシート材8に罫線型を利用して多数の浅い窪み状の罫線(スクイーズ)81を形成する(図5参照)。これらの罫線81は折畳みによる圧縮が多い箇所で密度が高くなって互いに近接している。具体的には、周壁部3のコーナー壁部33、フランジ部4、カール部5等に相当する箇所等で罫線81の密度が高くなっている。なお、図5では、説明の便宜上シート材8が切り抜かれた状態を示しているが、シート材8の切抜き又は打抜きは、後述するプレス転写と同時に行われる。切り抜かれたシート材8は、長円形の輪郭又は縁部分8aを有し、この縁部分8aの外縁(つまり輪郭)は、容器10を展開したものに相当する。
次に、抜き型を利用して四角形の罫線81を設けたシート材8から長円形の輪郭を有するシート材8を切り抜くとともに、シート材8を一対の金型91,92間に挟んで加熱状態で型締めして金型91,92の型面形状をシート材8に転写するプレス転写により、3次元的な容器10の形状を得る(図7参照)。これにより、容器10の底部2と周壁部3とフランジ部4とが一括して形成される。金型91,92の型面形状は、容器10の外形に対応するものであり、例えばフランジ部4のうちカール部5の長辺部51の根元に対応する部分は内側に湾曲している。このような形状転写に際して、シート材8は、罫線81の箇所で折畳まれて圧縮される。これにより、湾曲又は折曲げ形状が転写されて所期の立体形状を形成することができる。折畳まれた罫線81の痕跡として容器10の周辺側には罫線跡82が残っている(図2Aのみに図示)。なお、この段階ではカール部5は形成されておらず、カール部5に対応する外縁部分については、一方の金型91に沿って垂直に立ったように延びている。
次に、公知の手法を用いてカール部5を形成する。具体的には、図8A及び8Bに示すように、シート材8を挟んだ金型91,92の周囲に配置されたカーリングダイ93及び押型94を用い、カーリングダイ93のカール成形面93aと押型94の円弧状成形面94aとの間の空間内に外縁部分を巻上げ或いは巻き込むようにしてカール部5を形成する。具体的な手法については、詳細を省略するが、特開10−71656号公報等に記載の方法や装置を用いることができる。
なお、シート材8の切抜きとプレス転写は、別の工程として行うことができる。また、カール部5の形成は、プレス転写用の金型と一体的に構成されたものとでき、プレス転写とカール形成とを一括して行うこともできる。
以下、第2実施形態に係る容器について説明する。第2実施形態に係る容器は、第1実施形態の容器の一部を変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
図9に示す第2実施形態の容器10は、図2A等に示す容器10から一対の取手15を取除いたものとなっている。この場合、容器10をフランジ部4や底部2で支持して搬送する。なお、図示を省略するが、例えば一対のフランジ短辺部42を幅広にすれば、フランジ部4の保持が容易になる。
以下、第3実施形態に係る容器について説明する。第3実施形態に係る容器は、第1実施形態の容器の一部を変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
図10に示す第3実施形態の容器10は、カール部5を構成する一対の対向する長辺部51が、ともに僅かに外側に円弧状に湾曲している。一対の長辺部51が、外側に湾曲していても、カール部5のうち特に長辺部51等を形成する際、つまりフランジ部4のフランジ長辺部41の周縁外側にカールを形成する際に、カール方向に垂直な方向に関してシート材8に湾曲が形成されることになり、シート材8が巻く方向に折れる座屈の発生を防止して巻込み不良を防止できる。
なお、図10に示す例において、一対のフランジ短辺部42に一対の取手15を設けることもできる。
以下、第4実施形態に係る容器について説明する。第4実施形態に係る容器は、第1実施形態の容器の一部を変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
図11に示す第4実施形態の容器10は、フランジ部4が、長方形枠状ではなく正方形枠状である。この場合、短辺及び長辺の区別がなく、周壁部3は、一対の対向する第1壁部131と、一対の対向する第2壁部132と、これらをつなぐ4つのコーナー壁部33とを含む。また、フランジ部4は、一対の対向する第1フランジ辺部141と、一対の対向する第2フランジ辺部142と、これらをつなぐ4つのフランジコーナー部43とを含む。さらに、カール部5は、一対の対向する第1辺部151と、一対の対向する第2辺部152と、これらをつなぐ4つのコーナー部53とを含む。カール部5において、第1辺部151は、僅かに内側に円弧状に湾曲しており、一対の曲線部となっている。また、第2辺部152も、僅かに内側に円弧状に湾曲しており、一対の曲線部となっている。つまり、第4実施形態の容器10は、カール部5の全ての辺部151,152が内側に円弧状に湾曲している。なお、一対の第2辺部152については、外側に湾曲させることもできる。
Claims (9)
- 底部と、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の上端から外方に延びるとともに周縁にカール部を設けた枠状のフランジ部とを備え、板材からなる容器であって、
前記カール部は、少なくとも1辺の曲線部を含み、
前記少なくとも1辺の曲線部に隣接する前記フランジ部の1辺において、中央の幅が両端の幅より狭く、
前記少なくとも1辺の曲線部は、前記カール部の根元に対応する部分において容器内側に円弧状に湾曲している容器。 - 前記カール部は、前記曲線部にそれぞれ相当し互いに対向する一対の曲線部を含む、請求項1に記載の容器。
- 前記フランジ部は、長方形枠状であり、前記一対の曲線部は、前記フランジ部の長辺側に対応して設けられている、請求項2に記載の容器。
- 前記カール部は、前記少なくとも1辺の曲線部に隣接して直線的に延びる少なくとも1辺の直線部を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
- 前記フランジ部は、長方形枠状であり、前記カール部は、前記フランジ部の長辺側に対応して、前記少なくとも1辺の曲線部として対向する一対の曲線部を含むとともに、前記フランジ部の短辺側に対応して、前記少なくとも1辺の直線部として対向する一対の直線部を含む、請求項4に記載の容器。
- 前記周壁部のうち前記一対の直線部に対応する領域は、湾曲して内側に突起するように成形されている、請求項5に記載の容器。
- 前記カール部は、前記少なくとも1辺の曲線部の両端から延びるコーナー部において、巻込み量が多くなっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器。
- 前記フランジ部は、長方形枠状であり、前記カール部は、前記少なくとも1辺の曲線部として、前記フランジ部の長辺側に対応して設けられて対向する一対の曲線部を有するとともに、前記一対の曲線部の両端から延びる4つのコーナー部において、巻込み量が多くなっている、請求項7に記載の容器。
- 底部と、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の上端から外方に延びる角形枠状のフランジ部とを備える容器の製造方法であって、
前記底部、前記周壁部、及び前記フランジ部を板材からプレス成形する際に、前記フランジ部の周縁に、少なくとも1辺の曲線部を含むカール部を成形し、
前記少なくとも1辺の曲線部に隣接する前記フランジ部の1辺において、中央の幅が両端の幅より狭く、
前記少なくとも1辺の曲線部は、前記カール部の根元に対応する部分において容器内側に円弧状に湾曲している容器の製造方法。
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