JP6785141B2 - 基礎代謝亢進剤 - Google Patents

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本発明は、基礎代謝亢進剤に関する。より詳しくは、生命維持のためのエネルギー消費活動の亢進剤及び該亢進剤を含有する組成物に関する。
近年、食事の洋風化などによる食生活の変化や運動の減少などにより肥満は増加傾向にある。肥満は心疾患や脳梗塞などにつながる危険因子として知られるため、通常の食生活の中で体脂肪の蓄積が抑制できる商品に注目が集まっている。肥満はエネルギー代謝量と摂取量のバランスのずれによって生じるため、エネルギー代謝の亢進、中でも全エネルギー代謝量の60%程度を占める基礎代謝の亢進は肥満解消につながること等が期待される。基礎代謝とはヒトが生きていく上で必要最小限のエネルギー代謝量であり、(1)約12時間以上の絶食、(2)安静仰臥位で筋の緊張を最小限にした状態、(3)快適な室温で心身ともにストレスの少ない覚醒状態、の全てを満たす条件下で測定される(非特許文献1参照)。
非特許文献2では、有意でないもののカプシエイトを12週間摂取することによってヒトにおける安静時の代謝が約50kcal/day上昇することが報告されているが、基礎代謝に与える影響は不明である。また、乳酸菌に関しては、特許文献1にはラクトバチラス・ブレビス SBC8803が、非特許文献3にはラクトバチラス・パラカゼイ ST11が、非特許文献4にはラクトバチラス・プランタラム No.14がそれぞれ体温上昇効果を示すことが記載されている。
WO2014/199698号公報
静脈経腸栄養 Vol.24 No.5 2009, 5-11 Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):45-50. Obesity Research & Clinical Practice (2008) 2, 159-169 Food Sci. Technol. Res., 18 (6), 885 - 891, 2012
特許文献1に記載されている菌株は、体温上昇効果が認められているものの、その効果はストレス環境下においてのみ発揮されるものであり、また非特許文献3、4に記載されている菌株は単回摂取によって体温上昇効果が認められ一過性の効果として考えられるため、それぞれの乳酸菌で基礎代謝に影響を与えることは知られていない。
本発明の課題は、基礎代謝を継続して亢進する亢進剤及び該亢進剤を含有する基礎代謝亢進用組成物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、TLR2活性を所定量上昇させる乳酸菌を継続摂取することにより、基礎代謝が有意に上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 乳酸菌の非存在下に比べて存在時に、TLR2活性が2倍以上高くなる作用を示す乳酸菌の菌体又はその処理物を有効成分とする基礎代謝亢進剤。
〔2〕 前記〔1〕記載の亢進剤を含有する基礎代謝亢進用組成物。
本発明の基礎代謝亢進剤は、基礎代謝を継続して亢進することで、エネルギー代謝を亢進させ、ひいては太りにくい体質にすることが出来、効果的な肥満解消につなげることが出来るという優れたものである。
図1は、各乳酸菌のTLR2活性の上昇効果を示す図である。 図2は、TUA4337L株摂取による基礎代謝量の変動を示す図である。
生体の免疫システムにおいては、外界からの病原菌等が侵入すると、Toll様レセプター(Toll-like Receptor、TLR)がこれを発見する役目を果たしている。TLRは現在までに10種類以上が同定され、それぞれ異なる分子構造を認識することが知られているが、本願発明においては、意外にも、乳酸菌がTLR2を刺激して基礎代謝を亢進することを見出した。このような効果が奏される詳細なる理由は不明なるも、乳酸菌のペプチドグリカンがTLR2に認識されて非接触時に比べてTLR2が2倍以上活性化することにより、サイトカイン等のタンパク質の発現が誘導されて基礎代謝が亢進されると推定される。また、前記効果は死菌を使用した際にも確認されることから、これは菌体そのものが直接作用して発揮される効果であると考えられる。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。
本発明における乳酸菌は、TLR2活性の上昇能を有する。以降、前記乳酸菌のことを、単に本発明の乳酸菌と記載することもある。なお、本明細書において、「TLR2活性の上昇能を有する」又は「TLR2活性の上昇能あり」とは、公知のTLR2活性評価において、当該乳酸菌を用いた場合に、用いない場合として、例えば、リン酸緩衝生理食塩水を接触させた場合と比べて、TLR2活性が2倍以上、好ましくは2.5倍以上の数値を示す場合に「上昇能を有する」又は「上昇能あり」として評価できることを意味する。
本発明におけるTLR2活性評価の方法としては、特に限定はなく、例えば、TLR2の遺伝子・タンパク発現解析や、TLR2刺激により誘導される各種サイトカイン類の発現などを指標にして行うことができる。なお、当業者であれば技術常識に従って設定を適宜調整して行うことができる。
かかるTLR2活性の上昇能を有する乳酸菌としては、前記で規定した上昇能を示すとして評価出来るものであれば特に限定はなく、例えば、ラクトバチルス・ペントーサス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノーサスなどを例示することができる。なかでも、ラクトバチルス・ペントーサス、ラクトバチルス・プランタラムを好適例として例示することが出来る。具体的には、例えば、ラクトバチルス・ペントーサスとしては、JCM1558株(以下、「基準株」と略記することがある)やTUA4337L株を例示することができる。TUA4337L株は、識別の表示NRIC 0883、受託番号NITE BP−1479として、国際受託日2012年12月10日付で、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託されたものである。以下、ラクトバチルス・ペントーサス TUA4337L株のことを、TUA4337L株と略記する。
本発明の乳酸菌の菌体形態としては、生菌及び死菌のいずれであってもよい。生菌は、例えば、当該乳酸菌株を培養することにより得ることができる。死菌は、例えば、生菌に対して加熱、紫外線照射、ホルマリン処理、酸処理などを行うことにより得ることができる。
また、本発明の乳酸菌を培養するための培地としては、特に制限されず、通常の、炭素源、窒素源、無機塩類、有機栄養素などを含む培地が挙げられる。また、寒天培地や液体培地での培養も可能である。培養温度は、好ましくは10〜45℃、より好ましくは15〜42℃、さらに好ましくは28〜38℃、さらに好ましくは35〜37℃であり、増殖可能pHは、好ましくはpH3.0〜12.5、より好ましくはpH3.5〜12.0である。
また、菌体の処理物としては、得られた生菌、死菌に対して、磨砕や破砕等の公知の処理を行ったものが挙げられる。具体的には、磨砕物、破砕物、液状物(抽出液等)、濃縮物、ペースト化物、乾燥物(噴霧乾燥物、凍結乾燥物、真空乾燥物、ドラム乾燥物等)、希釈物等を挙げることができる。
本発明の基礎代謝亢進剤は、前記したTLR2活性の上昇能を有する乳酸菌の菌体又はその処理物を有効成分として含有することで、基礎代謝を亢進するために使用することができるが、基礎代謝の亢進により副次的に得られる効果を発揮するために使用することもできる。かかる効果としては、例えば、内臓脂肪の低下が挙げられる。なお、本明細書において、基礎代謝の測定は、公知の方法に従って行うことができ、例えば、間接エネルギー代謝測定装置(ヒューマンメタボリックチャンバーおよびフード、マスク等による呼気測定)により測定することができる。
本発明の基礎代謝亢進剤は、前記したTLR2活性の上昇能を有する乳酸菌の菌体又はその処理物を含有するのであれば、その含有量は特に限定されず、その他の成分も特に限定されない。本発明の基礎代謝亢進剤における前記乳酸菌の菌体又はその処理物の含有量としては、通常0.0001〜100質量%程度である。
また、本発明の基礎代謝亢進剤は、前記した乳酸菌の菌体又はその処理物が経口摂取できるのであれば、その形態は限定されない。例えば、前記乳酸菌の菌体又はその処理物に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することもできる。かかる形態とすることにより、例えば、飲食品、医薬組成物、化粧料、飼料又はこれらの原料として好適に用いられる。
本発明はまた、本発明の基礎代謝亢進剤として、前記した乳酸菌の菌体又はその処理物を含有することを特徴とする基礎代謝亢進用組成物を提供する。かかる特徴を有することにより、該組成物は例えば、医薬組成物、飲食品、化粧料又は飼料として好適に使用され得る。
医薬組成物としては、例えば、ヒトにおける基礎代謝の低下に起因する疾患の治療剤又は予防剤が挙げられる。具体的には、本発明の組成物は、体脂肪・内臓脂肪蓄積、低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、血行不良(冷え症・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、うつ、疲労、ストレス、免疫力低下、しみ・吹き出物、メタボリックシンドローム等の治療剤及び/又は予防剤として好適に使用され得る。
医薬組成物の製剤形態としては、本発明の乳酸菌を含有するのであれば特に制限されず、具体的には、散剤、粉末剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、錠剤〔素錠、糖衣錠、口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠(チュアブル錠)、発泡錠、トローチ剤、フィルムコーティング錠等を含む〕、ドライシロップ剤、フィルム剤、液剤〔懸濁剤、乳剤、シロップ剤、リモナーデ剤等を含む〕、ゼリー剤が例示され、製菓剤〔キャンディー(飴)、グミ剤、ヌガー剤等〕も包含される。なお、カプセル剤としては、ハードカプセル剤の他に、本発明の基礎代謝亢進剤をそのまま充填したソフトカプセル剤も含まれる。
医薬組成物は、例えば、本発明の乳酸菌を含有する原料に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って製剤化することができる。これらの組成物はそのまま水等と共に服用することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品、医薬部外品、又は飲食品(健康食品)等の原材料として用いることができる。
飲食品としては、例えば、ヒトにおける基礎代謝の低下に起因する状態の改善用又は予防用の飲食品が挙げられる。具体的には、本発明の組成物は、内臓脂肪の低下や蓄積の改善又は予防のための食品として、基礎代謝、脂肪燃焼/分解、糖代謝、体温、エネルギー代謝などを亢進/上昇させるための食品として好適に使用され得る。具体的には、特定保健用食品、栄養機能食品、老人用食品、特別用途食品、機能性食品、健康補助食品(サプリメント)として、例えば、前記医薬組成物の項に記載したヒトにおける基礎代謝の低下に起因する症状の改善又は予防のために用いられるものである旨の表示を付して提供することが可能になると考えられる。
飲食品の具体例としては、レトルト食品、飲料(例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、清涼飲料水(果汁入りも含む)、果肉飲料、野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、ゼリー飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の嗜好飲料類)、調味料(例えば、ソース、スープ、ドレッシング、マヨネーズ、クリーム)、菓子(例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット等の焼菓子、チューインガム、チョコレート、キャンデー)、デザート(例えば、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム)を挙げることができる。また、飲食品の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
飲食品は、例えば、公知の食品組成物を調製する際に、その原材料に本発明の乳酸菌を所定量混合して、公知の食品組成物の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の食品組成物に、本発明の乳酸菌を所定量となるように添加することで調製してもよい。添加時期や添加方法については特に限定されるものではない。
化粧料としては、例えば、基礎代謝の低下に起因するしみ・吹き出物、肌のたるみ・しわ、肌の潤い・はりの低下の予防及び/又は改善のための化粧料が挙げられる。
化粧料としては、本発明の基礎代謝亢進剤を含有すればよく、基礎代謝の亢進を目的とした化粧水、乳液、クリーム等が挙げられる。また、剤型は特に限定されるものではなく、溶液、乳液、クリーム剤、ジェル剤、軟膏剤、液剤、パウダー剤、ペースト剤、パップ剤、プラスター剤、エアゾール剤等、外用適用可能な様々な剤型とすることができる。
飼料としては、例えば、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒツジ、ウマ等の家畜や、イヌ、ネコ等のペット動物における基礎代謝の低下に起因する状態の改善用又は予防用の飼料が挙げられる。
本発明の基礎代謝亢進用組成物における前記乳酸菌の菌体又はその処理物の含有量は、乳酸菌の種類や形態、組成物の使用目的や形態等によって一概に設定することができないが、高い基礎代謝亢進効果を得る観点から、下限としては、例えば、0.0001質量%、0.001質量%、0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%が挙げられる。また、上限としては、例えば、70質量%、60質量%、50質量%、40質量%、30質量%、20質量%、10質量%が挙げられる。また、菌体数としては、1.0×10〜1.0×1012個/gの範囲内であることが好ましく、1.0×10〜1.0×1012個/gの範囲内であることがより好ましい。上記「個/g」は生菌又は死菌では「CFU/g」と表すことができる。
本発明の基礎代謝亢進用組成物は、本発明の乳酸菌の他に製剤分野や食品分野等において通常使用される担体、基剤、及び/又は添加剤等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合して調製することができる。
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。なお、本明細書において、摂取とは、摂取、服用、又は飲用の全態様を含むものとして用いられる。
本発明の組成物の摂取量は、その形態、摂取方法、使用目的及び当該組成物の摂取対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。例えば、経口摂取する場合は、本発明の乳酸菌の有効ヒト摂取量としては、菌体数として、体重50kgのヒトで1日当たり、好ましくは1.0×10個以上、より好ましくは1.0×10個以上、更に好ましくは1.0×1010個以上、更に好ましくは3.0×1010個以上であり、好ましくは1.0×1013個以下、より好ましくは1.0×1012個以下、更に好ましくは2.0×1011個以下、更に好ましくは1.0×1011個以下である。また、乾燥重量としては、体重50kgのヒトで1日当たり、好ましくは0.0002g以上、より好ましくは0.002g以上、更に好ましくは0.02g以上、更に好ましくは0.06g以上であり、好ましくは20g以下、より好ましくは2g以下、更に好ましくは0.4g以下、更に好ましくは0.2g以下である。摂取は、所望の摂取量範囲内において、1日内において単回で又は数回に分けて行ってもよい。摂取期間も任意である。本発明においては、前記有効量の範囲内において摂取する場合に、摂取時の呈味を邪魔することなく、より強力な基礎代謝の亢進作用を示し、かつ、その効果が期間中は摂取する限り維持されるという優れた効果を奏するものである。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1
図1に示す乳酸菌のTLR2活性の上昇効果を確認した。供試菌株において、JCM株は、国立研究開発法人理化学研究所バイオリソースセンターから、IAM株は、東京大学分子細胞生物学研究所から購入した。またAF44、AN87、AQ31、AP88は社内で保管している菌株を用いた。具体的には、下記に示す菌液調製方法に従ってサンプルを調製し、得られたサンプルを下記に示す測定方法に従って、TLR2活性を測定した。
<菌液調製>
(1) 各乳酸菌のグリセロールストック(-80℃保存)から、MRS培地(10mL)へ100μL植菌
(2) 培養(35℃、24hr)
(3) 培養液を遠心(8000rpm、5min)して上清除去後、リン酸緩衝生理食塩水(以下、「PBS(−)」と記載)10mLで懸濁
(4) (3)の懸濁液を遠心(8000rpm、5min)して上清除去後、PBS(−)10mLで再懸濁
(5) (4)の懸濁液を適宜希釈してOD660を測定し、OD660=10となるようにPBS(−)を用いて乳酸菌液(サンプル)を調製
<TLR2活性測定>
TLR2, NFκB/SEAP Stably Transfected HEK-293 Reporter Cell Line(Novus biologicals社製:商品コード;NBP2-26274)を5×104cells/wellで96well plateに播種し、5%CO2、37℃で16h培養した。上記で調製した乳酸菌液の10倍希釈液を各100μL/well添加し、5%CO2、37℃で24h処理した。得られた培養上清について、SEAPorter Assay Kit(商品コード:NBP2-25285)のプロトコルに従い、各培養上清サンプルを5倍希釈で供し、PNPP基質添加の30分後に405nmの吸収波長を測定することでSEAP量を定量した。PBS(−)のみを添加して細胞を培養した際の上清のSEAP量を「1」として、各種乳酸菌液を添加して培養した際の相対的なSEAP量をTLR2活性値(TLR2相対活性値)とした。結果を図1に示す。
図1より、ラクトバチラス・ペントーサスもしくはラクトバチラス・プランタラムが高いTLR2活性上昇能を示すことが明らかとなった。
試験例2
次に、TUA4337L株の継続投与による基礎代謝に与える影響を検討することを目的としてヒト試験を実施した。試験は、ヘルシンキ宣言の精神を遵守して実施した。
より詳しくは、TLR2が腸管免疫の活性化やエネルギー代謝に関与することが公知であるために(例えば、特開2010−252800号公報、Brain, Behavior, and Immunity 36(2014)90-100等参照)、当該実施例においては、ヒトに対する効果を評価するために、TLR2の活性化に関与する乳酸菌がヒトの基礎代謝に与える影響を調べた。
(被験者)
20歳以上65歳未満の男女において、BMIが25kg/m2以上30kg/m2未満の者を対象とした。両群で性別、年齢、除脂肪量が不均衡とならないように割付を行った。割付を行った67名のうち、12週目の検査までの所定の研究スケジュールや研究内容を終了した者は59名であり、そのうち有効性解析対象除外基準に抵触した4名を除外した55名を解析対象者とした。また事前検査実施前には、被験者に本試験の目的と方法について十分な説明を書面にて行い、書面による同意を得た。なお、除外基準としては、週に3回以上定期的に運動・スポーツ、筋トレを行っている者;ダイエットをしている者;乳酸菌を多く含む食品(乳酸菌飲料、ヨーグルト、キムチなど)や乳酸菌製剤を週3回以上摂取する習慣がある者;体脂肪、脂質代謝に影響を及ぼす可能性のあるサプリメント・健康食品を常用している者;医薬品による治療を継続的に行っている者;食物アレルギーを持つ者;その他、実施医師責任者により本研究参加に不適切と判断された者などを除外基準とした。また、被験者には、試験期間中は、試験参加前の食事、飲酒、運動、睡眠等の生活習慣を極力変えないことなどの指導を行った。
(TUA4337L死菌粉末の調製)
酵母エキス及びグルコースを含む培地でTUA4337L株(受託番号NITE BP-1479)を培養し、培養液を遠心除去した後に加熱殺菌を行った。加熱殺菌した菌体を凍結乾燥させ、その乾燥物を粉砕したものをTUA4337L死菌粉末とした。
(摂取スケジュール・摂取方法・検査方法)
試験はプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験として実施した。試験サンプルとしては、TUA4337L死菌粉末の約1010個を含む液剤、及びTUA4337Lを含まない液剤(プラセボ)を用いた。試験サンプルは液剤1本(195mL)を1日1回摂取させた。期間は12週間とした。検査は、摂取前、摂取4週目、摂取8週目、摂取12週目に、AR-10(有限会社アルコシステム)を用いてフード法にて二酸化炭素排出量(VCO2)及び酸素摂取量(VO2)を測定し、それらの値から基礎代謝を算出した(以下)。基礎代謝の測定は、各被験者に12時間以上絶食していることを確認後、仰臥位で少なくとも10分以上安静にしてから測定を開始した。
基礎代謝量(kcal/day)=(3.9×VO2(mL/min)+1.1×VCO2(mL/min))×1.44
(基礎代謝の解析結果)
解析対象者の背景を表1に示した。また、表2には基礎代謝の実測値と変動値(投与前から投与12週目まで)を示し、図2に基礎代謝の変動値を解析した結果を示した。
Figure 0006785141
Figure 0006785141
表2及び図2から、TUA4337L摂取群において、摂取前と比較して4週目以降で有意な基礎代謝の上昇が認められ、また12週目においてプラセボ群と比較してTUA4337L摂取群で基礎代謝が上昇する傾向が認められた。
本発明の基礎代謝亢進剤は、基礎代謝そのものを亢進することで、エネルギー消費を増加することができることから、例えば、体脂肪・内臓脂肪蓄積、低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、血行不良(冷え症・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、うつ、疲労、ストレス、免疫力低下、しみ・吹き出物、メタボリックシンドローム等の症状等の予防又は改善に有用である。

Claims (6)

  1. ラクトバチルス・ペントーサス TUA4337L株(受託番号NITE BP-1479)の菌体又はその処理物を有効成分とし、前記処理物が、磨砕物、破砕物、濃縮物、ペースト化物、乾燥物、及び希釈物からなる群より選択される1種以上である、基礎代謝亢進剤。
  2. 菌体が死菌である、請求項1記載の亢進剤。
  3. 請求項1又は2記載の亢進剤を含有する、基礎代謝亢進用組成物。
  4. 内服用組成物である、請求項記載の組成物。
  5. 飲食品である、請求項又は記載の組成物。
  6. 菌体数として、体重50kgのヒトで一日当たり、1.0×10個〜1.0×1011個摂取されるための、請求項いずれか記載の組成物。
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