JP6785031B2 - 微粒子分散液の乾燥方法 - Google Patents

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本発明は微粒子分散液を減圧乾燥し、効率的かつ容易に微粒子を回収する微粒子分散液の乾燥方法に関する。
サブミクロン以下の微粒子は、工業製品分野においてポリマーと混合することでポリマーに様々な機能を付加することが可能であり、医薬食品分野においては、人体への吸収を促進することが可能となること等は既に公知のことであり、現在も機能向上のための更なる微粒子化が多分野で検討されている。
しかしながら、従来の技術においては、液中に分散されたサブミクロン以下の微粒子は、臨界圧力や臨界温度を超える処理を用いずに分散液を蒸発させる乾燥工程においては、微粒子同士の凝集が起こるため、一次微粒子の特長が十分に引き出せないという課題があった。
また、臨界圧力や臨界温度を超える処理を用いても、微粒子化が進むほど、微粒子分散液を炭酸ガスと置換する工程において、置換流体中に微粒子が同伴され、回収率が低下し、微粒子分散液における微粒子濃度が小さいと一度に乾燥して得られる微粒子が少なく、大量処理に時間がかかりすぎるという課題があった。
さらに、凝集した微粒子を一次粒子近くまで小さくするためにボールミルなど追加の粉砕工程が必要となるなどの課題があった。
特許文献1には、超臨界炭酸ガスと温度差をつけた分離塔を用いて、原材料からの有効成分抽出方法が示されているが、本願のように微粒子の乾燥工程に用いるものであって、本願が示す混合系における臨界温度以上で温度差をつけることで、乾燥塔内部の最頂部において微粒子の浮力を小さくすることにより微粒子同伴が抑制された分散液と炭酸ガスの置換工程を含む微粒子の乾燥方法は開示されていない。
また、特許文献2ならびに特許文献3において、超臨界炭酸ガスを用いた微粒子製造方法が示されているが、いずれも微粒子分散液の上方から下方へ炭酸ガスを流通させて、置換を行うものであって、本願が示す乾燥塔内部の下方から上方へ炭酸ガスを温度差をつけて流通させて最頂部において微粒子の浮力を小さくすることにより微粒子同伴が抑制された分散液と炭酸ガスの置換工程を含む微粒子の乾燥方法は開示されていない。
微粒子分散液の上方から下方へ炭酸ガスを流通させながら置換を行う方法は、サブミクロン以下の微粒子、特に10〜100ナノメートルまたは10ナノメートル以下のさらに小さな微粒子を含む分散液においては、微粒子の同伴により、収率が低下したり、フィルターが詰まるなどの問題がある。
特許第3678317号公報 特開2009−26820号公報 特開2009−160518号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、液中に分散されたサブミクロン以下の微粒子を乾燥工程において、微粒子同士の凝集を起こすことなく、一次微粒子の特長を十分に引き出すことが可能であり、ボールミルなど追加の粉砕工程も不要とする微粒子分散液の乾燥方法を提供すること、サブミクロン以下の微粒子、特に10〜100ナノメートルまたは10ナノメートル以下のさらに小さな微粒子を含む微粒子分散液を炭酸ガスと置換する工程において、置換流体中に微粒子が同伴されることを抑制し、回収率を向上させることができる微粒子分散液の乾燥方法を提供すること、および、微粒子分散液の大量処理にかかる時間を短縮させることのできる微粒子分散液の乾燥方法を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は10〜100ナノメートルまたは10ナノメートル以下の大きさの微粒子が溶媒に分散した微粒子分散液を乾燥塔に入れる微粒子分散液導入工程と、前記乾燥塔の下部に設けられた炭酸ガス導入部より、乾燥塔最上部において炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上となるように、前記乾燥塔内部に炭酸ガスを導入する炭酸ガス導入工程と、該炭酸ガス導入工程の圧力条件を保ちながら前記乾燥塔の上下方向に2以上設けられた温度調整機構により乾燥塔内部の温度をそれぞれ調節するとともに、前記乾燥塔の上部に設けられた排出部より溶媒が溶解した炭酸ガスを排出し置換を行う置換工程と、該置換工程後に乾燥塔全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保ちながら減圧乾燥を行う減圧乾燥工程とより構成され、前記置換工程では微粒子の沈降速度>炭酸ガスの上昇速度となるように炭酸ガスを排出する微粒子分散液の乾燥方法を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1の発明では、乾燥塔の上下方向に2以上設けられた温度調整機構により乾燥塔内部の温度をそれぞれ調節するとともに、前記乾燥塔2の上部に設けられた排出部より溶媒を排出し微粒子分散液の溶媒と炭酸ガスの置換工程を行うことにより、排出される溶媒等に微粒子が同伴することを効率よく防止することができる。
したがって、微粒子を効率よく回収することができる。
(2)また、乾燥塔全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保ちながら減圧乾燥を行う減圧乾燥工程を行うことにより、気相〜液相間に作用する力によって発生する微粒子の凝集を抑制することができる。
したがって、粉砕工程等を追加する必要がなく、容易かつ安価に微粒子の回収を行うことができる。
(3)請求項2の発明については前記(1)、(2)と同様な効果が得られるとともに、微粒子よりも小さな開口を多数形成した整流板を用いて炭酸ガス導入工程または置換工程を行うことにより、微粒子が炭酸ガスまたは溶媒に同伴して排出されることを確実に防止することができる。
(4)また、微粒子よりも小さな開口を多数形成した整流板により、減圧工程においても排出される炭酸ガスが整流され、乾燥塔内部の微粒子の動きを安定させることができる。
(5)請求項3の発明については前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、1バッチあたりの微粒子回収量を大きくすることができる。
(6)請求項4の発明については前記(1)、(2)と同様な効果が得られる。
本発明を実施するための第1の形態の工程図。 本発明を実施するための第1の形態の乾燥装置の概要図。 本発明を実施するための第1の形態の処理条件を示す説明図。 本発明を実施するための第2の形態の工程図。 本発明を実施するための第2の形態の乾燥装置の概要図。 本発明を実施するための第3の形態の工程図。 本発明を実施するための第4の形態の工程図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図3に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は微粒子分散液を減圧乾燥し、効率的かつ容易に微粒子を回収する微粒子分散液の乾燥方法で、この微粒子分散液の乾燥方法1はサブミクロン以下の大きさの微粒子が溶媒に分散した微粒子分散液を乾燥塔2に入れる微粒子分散液導入工程3と、前記乾燥塔2の下部に設けられた炭酸ガス導入部4より、乾燥塔最上部において炭酸ガス又は炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上となるように、前記乾燥塔2内部に炭酸ガスを導入する炭酸ガス導入工程5と、該炭酸ガス導入工程5の圧力条件を保ちながら前記乾燥塔2の上下方向に2以上設けられた温度調整機構6により乾燥塔2内部の温度をそれぞれ調節するとともに、前記乾燥塔2の上部に設けられた排出部7より溶媒が溶解した炭酸ガスを排出し微粒子分散液の溶媒と炭酸ガスの置換を行う置換工程8と、該置換工程8後に乾燥塔全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保ちながら減圧および乾燥を行う減圧乾燥工程9とより構成されている。
また、前記微粒子分散液の乾燥方法1には微粒子分散液の乾燥装置10が用いられ、この微粒子分散液の乾燥装置10は、サブミクロン以下の大きさの微粒子が分散した微粒子分散液を入れる乾燥塔2と、該乾燥塔2の下部に設けられ、炭酸ガス又は炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上で炭酸ガスを導入できる炭酸ガス導入部4と、前記乾燥塔2の上部に設けられた炭酸ガス排出部7と、前記乾燥塔の上下方向に2以上設けられ、それぞれ異なる温度に調整することができる温度調整機構6、6とより構成されている。
前記微粒子分散液導入工程3は、微粒子分散液を乾燥塔2に入れる工程で、該微粒子分散液に用いられる微粒子は、金属錯体および金属酸化物の前駆体等の金属微粒子、無機微粒子、染料、ポリアルキルグリコール、フッ素化合物、低分子ポリマー、低分子モノマー、親水性材料、疎水性材料等が考えられる。
微粒子の大きさとしては、10〜100ナノメートルまたは10ナノメートル以下のさらに小さな微粒子であることが好適であり、前記溶媒としては、炭酸ガスに溶解性のあるアミン、アルコール、その他有機系溶媒や水が考えられる。
前記炭酸ガス導入工程5は、前記乾燥塔2の下部に設けられた炭酸ガス導入部4より、前記乾燥塔2内部に炭酸ガスを導入する工程で、導入される炭酸ガスは、乾燥塔2の内部最上部において炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上となるような圧力に設定されている。乾燥塔2の内部最上部においても臨界圧力以上の圧力に設定し炭酸ガスを導入することで、乾燥塔内部の気相が消滅するため、気相〜液相間に作用する力によって発生する微粒子の凝集を抑制することができる。なお、気相〜液相間に作用する力によって発生する微粒子の凝集とは、粉体に水を垂らした際に、粉体が凝縮し塊になる現象であり、本願発明では炭酸ガスを超臨界状態にすることにより、このような凝集を抑制している。なお、アミン系溶媒やアルコール系溶媒および水は炭酸ガスに溶解しやすいため、炭酸ガスを前記圧力で導入することで、溶媒は炭酸ガスに溶解し、乾燥塔内部には溶媒が溶解した炭酸ガス(以下、溶解炭酸ガスという)およびこの溶解炭酸ガスに単分散した微粒子が存在することになる。
前記置換工程8は、前記炭酸ガス導入工程5の圧力条件を保ちながら前記乾燥塔2の上下方向に2以上設けられた温度調整機構6、6により乾燥塔2内部の温度をそれぞれ調節するとともに、炭酸ガスを乾燥塔内の下方から上方へ向かって流し、前記乾燥塔2の上部に設けられた排出部7より溶解炭酸ガスを排出することで微粒子分散液の溶媒と炭酸ガスの置換を行う工程で、乾燥塔2内部の温度は、本実施の形態においては、溶媒がアルコール系の場合には、乾燥塔2下方の温度を20℃とし、乾燥塔2最上部を100℃に設定する。なお、この場合、乾燥塔内部の圧力は15MPaに設定する。溶媒が水の場合は、乾燥塔2下方の温度を20℃とし、乾燥塔2最上部を200℃に設定し、乾燥塔内部の圧力は25MPaに設定する。
次に、乾燥塔2の内部最上部において、炭酸ガス又は炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上となるような圧力を保ちつつ、乾燥塔内に上方へ向かう流れを発生させるために、前記炭酸ガス導入部4より炭酸ガスを導入し、前記排出部7より炭酸ガスを排出する。これにより、乾燥塔下方から上方へ向かう炭酸ガスの流れが発生し、この流れに乗って溶解炭酸ガスおよび微粒子も上方へと移動する。
溶解炭酸ガスおよび微粒子が上方へ移動すると、溶解炭酸ガスの温度は移動するに従って上昇し、溶解炭酸ガスの密度が小さくなる。そうすると、微粒子の比重が溶解炭酸ガスに対して大きくなり、乾燥塔2上方では溶解炭酸ガスから微粒子が分離され、溶解炭酸ガスのみが排出部7から排出され、乾燥塔2内部には、炭酸ガスおよび微粒子のみが残存し、溶媒と炭酸ガスが置換された状態となる。
なお、乾燥塔内部の最も流体密度の小さい部分において下方から上方へ向かう炭酸ガスの流速は、100mm/sec以下であり、さらに好適には10mm/sec以下である。つまり、前述とすることにより、微粒子の沈降速度>炭酸ガスの上昇速度とする。沈降速度は、微粒子と炭酸ガスまたは炭酸ガスに溶解している分散液の溶媒との比重差に比例し、粘度に半比例する。
また、乾燥塔へ導入される炭酸ガスの圧力を 乾燥塔最上部において炭酸ガスまたは炭酸ガスに溶解している分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上とすることで、乾燥塔内部の気相が消滅するため、従来の気相〜液相間に作用する力によって発生する微粒子の凝集を抑制することが出来る。
前記減圧乾燥工程9は、乾燥塔全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保ちながら減圧乾燥を行う工程である。この減圧乾燥工程9でも乾燥塔2全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保っているため、炭酸ガスの比重は微粒子よりも小さく、微粒子は乾燥塔2の上方には位置せず、乾燥塔2上部の排出部7からは炭酸ガスのみが放出される。
なお、減圧乾燥工程9における微粒子の同伴を効果的に抑制し、回収率を向上させるためには、時間あたりの圧力の減少量を一定とする定圧減圧より、密度の減少量を一定とする定密度減圧、または、重量の減少量を一定とする定重量減圧が好ましい。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図4ないし図7に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図4および図5に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、乾燥塔2内部に着脱できる内筒11を備え、該内筒11の上下部に整流板12、12を備え、この内筒11内で、上下の精密ふるい間に微粒子分散液を配置できる微粒子分散液の乾燥装置10Aとしてもよい。また、乾燥塔2の上下方向に2以上設けられた温度調整機構6、6により乾燥塔2内部の温度をそれぞれ調節するとともに、炭酸ガスを前記内筒11の上下部に整流板12、12を介して下方から上方へ向かって流し、前記乾燥塔2の上部に設けられた排出部7より溶解炭酸ガスを排出することで微粒子分散液の溶媒と炭酸ガスの置換を行う置換工程8Aを行い、前記精密ふるい12を介して炭酸ガスを排出する減圧乾燥工程9Aを行う微粒子分散液の乾燥方法1Aとしてもよい。
整流板12は、開き目を小さくしたり、開き目の深さを大きくしたりすることにより発生する流通抵抗によって整流を行う。整流板の前後の差圧は少なくとも10KPa 以上を常時保つことが好ましい。本実施の形態では、焼結金属またはセラミックによる2 ミクロン、0.01ミクロン、0.003ミクロンの濾過精度であるフィルターを用いた。
また、整流板12は、乾燥塔2内部に付帯される乾燥後のサブミクロン以下の微粒子を取り出すための内筒11に対して取り付けられても良く、乾燥塔2に内筒11を付帯することにより、減圧終了後に乾燥塔2に残った微粒子を簡便に回収することが出来る。
内筒11は、乾燥塔2の外部から内部流体への熱伝達を妨げないように、乾燥塔内径に対して内筒外面との隙間が2%以下とすることが好ましく、本実施の形態では乾燥塔内径φ50mm に対して内筒外径φ49mmとし、内筒の胴部は流体が通過することのないソリッドな構造で、さらに内筒外面との隙間を内部流体がバイパスしないようにパッキンを用いている。
このように構成した本実施の形態の微粒子分散液の乾燥方法1Aおよび乾燥装置10Aは、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、内筒11または乾燥塔2の下方に付帯された、整流板12によって、炭酸ガス導入工程5・置換工程8A・減圧乾燥工程9Aにおいて乾燥塔2へ導入される炭酸ガスが、整流板12の二次側で整流され、乾燥塔2の断面方向の流速分布が整えられるため、乾燥塔内部の微粒子の動きを安定に出来る。
また、内筒11または乾燥塔2の上方に付帯された整流板12によって、炭酸ガス導入工程5・置換工程8A・減圧乾燥工程9Aにおいて乾燥塔2から排出される炭酸ガスが、整流板12の一次側で整流され、乾燥塔2の断面方向の流速分布が整えられるため、乾燥塔内部の微粒子の動きを安定に出来る。
さらに、内筒11を乾燥塔2から取り外すことにより、減圧乾燥工程後に行う微粒子の回収を容易に行うことができ、内筒11の上下部に整流板12、12を備えることにより、微粒子が炭酸ガスに同伴して排出されることを確実に防止することができる。
なお、内筒11を流れる炭酸ガスの流速を一定にするために、前記整流板12、12を整流機能を有する程度の厚みに形成してもよい。整流機能を有することにより、乾燥塔2内部(内筒11内部)の炭酸ガスの流れが整流され、微粒子の動きを安定させることができる。
また、本実施の形態においては、内筒11に整流板12、12を設けたが、本発明はこれに限られず、内筒11を用いず乾燥塔内部の上下に直接整流板12、12を設けるものであっても良い。
さらに、整流板12、12は乾燥塔2内部又は内筒11内部の上下部のいずれか一方に設けても良い。なお、下部のみに整流板12を設ける場合には、整流機能を有する整流板12であることが好ましい。
図6に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、前記置換工程8後に微粒子分散液を追加する微粒子分散液追加工程13を行い乾燥塔2内部に微粒子分散液を補充しと、該微粒子分散液追加工程13後に前記置換工程8を再度行う再置換工程14とを行い、その後に、前記減圧乾燥工程9を行う微粒子分散液の乾燥方法1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、1バッチの所要時間に置換工程時間のみを追加して、2バッチ分の微粒子分散液を処理することができる。
図7に示す本発明を実施するための第4の形態において、記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、前記置換工程8後に微粒子分散液を追加する追加成分添加工程15を行い、その後に、前記再置換工程14および前記減圧乾燥工程9を行う微粒子分散液の乾燥方法1Cにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、微粒子分散液の減圧乾燥工程9の中で、一次粒子を凝集させることなく、追加処理を行うことにより、乾燥後に得られる微粒子の機能性を高めることが出来る。
また、追加成分を添加した炭酸ガスを乾燥塔2へ流通させる際には、乾燥塔2最上部において炭酸ガスに溶解している分散液や追加成分の混合系における臨界圧力以上で導入するとともに乾燥塔2の最上部の温度調節は、乾燥塔2内部の最上部の炭酸ガスに溶解している分散液の溶媒や追加成分の複数系における臨界温度以上とする。
本実施の形態では、炭酸ガスとの置換工程8の後に、エタノールを流通させ、微粒子中の不純物の精密洗浄を行っている。また、シランカップリング剤を流通させ、微粒子に疏水性を付加した。疎水性微粒子は塗料や溶融樹脂など有機材料中の分散性を向上させることが期待できる。
また、多孔質体な微粒子に対して、炭酸ガスで精密洗浄を行ったあとに、追加成分を微粒子内部に浸透添加してもよい。
さらに、追加成分を添加した炭酸ガスによる処理の後に減圧乾燥工程9を行う際には、炭酸ガスのみで置換工程8をしてから減圧を行うことが好ましい。
本実施の形態では、炭酸ガス中の追加成分濃度が大きく、減圧乾燥工程9を行った際に追加成分の析出を抑制するために、追加成分濃度が小さい炭酸ガスまたは炭酸ガスのみで置換工程8をしてから減圧乾燥工程9を行った。
本願発明の詳細な説明においては、温度調整機構は乾燥塔2の上下方向に2つ設けられたものについて説明したが、本発明はこれに限られず、3以上の温度調整機構を設けても良い。
本発明は微粒子分散液から微粒子を回収する産業で利用される。
1、1A、1B、1C:微粒子分散液の乾燥方法、
2:乾燥塔、 3:微粒子分散液導入工程、
4:炭酸ガス導入部、 5:炭酸ガス導入工程、
6:温度調整機構、 7:排出部、
8、8A:置換工程、 9、9A:減圧乾燥工程、
10、10A:微粒子分散液の乾燥装置、
11:内筒、 12:整流板、
13:微粒子分散液追加工程、 14:再置換工程、
15:追加成分添加工程。

Claims (4)

  1. 10〜100ナノメートルまたは10ナノメートル以下の大きさの微粒子が溶媒に分散した微粒子分散液を乾燥塔に入れる微粒子分散液導入工程と、前記乾燥塔の下部に設けられた炭酸ガス導入部より、乾燥塔最上部において炭酸ガスに溶解している微粒子分散液の溶媒との混合系における臨界圧力以上となるように、前記乾燥塔内部に炭酸ガスを導入する炭酸ガス導入工程と、該炭酸ガス導入工程の圧力条件を保ちながら前記乾燥塔の上下方向に2以上設けられた温度調整機構により乾燥塔内部の温度をそれぞれ調節するとともに、前記乾燥塔の上部に設けられた排出部より溶媒が溶解した炭酸ガスを排出し置換を行う置換工程と、該置換工程後に乾燥塔全体を炭酸ガスの単一相における臨界温度以上に保ちながら減圧乾燥を行う減圧乾燥工程とより構成され、前記置換工程では微粒子の沈降速度>炭酸ガスの上昇速度となるように炭酸ガスを排出する微粒子分散液の乾燥方法。
  2. 前記乾燥塔内部には、1つ以上の整流板が設けられ、この整流板を介して炭酸ガスを流動させることを特徴とする請求項1記載の微粒子分散液の乾燥方法。
  3. 前記置換工程後に微粒子分散液を追加する微粒子分散液追加工程と、該微粒子分散液追加工程後に前記置換工程を再度行う再置換工程とを行った後に、前記減圧乾燥工程を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の微粒子分散液の乾燥方法。
  4. 前記置換工程中または置換工程後のいずれかに、炭酸ガスに溶解可能な追加成分を添加した炭酸ガスを乾燥塔へ流通させる追加成分添加工程を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子分散液の乾燥方法。
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