JP6785016B1 - きのこ廃培地の前処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法及び当該前処理方法によって前処理されたペレット用資材を提供すること。【解決手段】きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に含水率55%以下にする前処理を行ない、ペレット製造に供するペレット用資材とする。また、廃培地のpHを前処理の適否の指標とし、廃培地から石づきを分離する場合には、きのこ収穫直後のpH<含水率55%以下のpH、の関係が認められたものを、廃培地から石づきを分離しない場合には、含水率55%以下にするまでのpHの低下幅≦1、であるものをペレット用資材とする。【選択図】なし

Description

本発明は、きのこ廃培地をペレット燃料等のリサイクル製品とするための前処理方法に関するものである。
近年、きのこ栽培において年間30万トン以上の廃菌床(廃培地)が国内排出されている。こうした廃培地は通常、産業廃棄物として処理されており、膨大な処理費用がかかっている。そのため廃培地を堆肥化したり、畜産農家用の敷料としたりする等の再利用が模索されている。しかしながら非常に多くの水分を含む廃培地はそのままの状態で全てを再利用することは難しく、多くが現場で山積みにされたまま放置され悪臭を引き起こす等、環境問題になっている。
廃培地の用途の一つとしてバイオマス燃料が挙げられる。これは廃培地を破砕、乾燥し、燃料とするものである。しかしながら上記の通り、廃培地の腐敗、雑菌の繁殖等によって悪臭が発生することが大きな問題となっている。大量の廃培地から発生する臭気は上記の通り一部地域では環境問題になっている。このような臭気はきのこ栽培地域の環境やバイオマス燃料を製造する作業環境を悪化させるだけでなく、バイオマス燃料の品質にも悪影響を与える。
ここで、きのこ廃培地から燃料や敷料等を製造する発明としては、茸栽培に使用した茸栽培用培地の使用済培地を乾燥し、当該乾燥した使用済培地をペレット状、粒状、タブレット状およびフレーク状のいずれかの形状に成形してバイオマス燃料を製造するバイオマス燃料製造方法(特許文献1)、茸栽培に使用した後の廃培地を乾燥させて固形燃料を製造するバイオマス燃料製造装置において、原料を搬送しながら乾燥させて圧縮するスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアの始端部に設けられ、ホッパーから投入される原料を前記スクリューコンベア内に定量供給する定量供給機と、前記スクリューコンベアの終端部に設けられ、前記スクリューコンベア内で乾燥、圧縮されて固形化した原料の切断、整粒を行う成形部とを備え、前記スクリューコンベアは、内筒と外筒とを有する二重構造のトラフと、該トラフ内で回転して搬送する2本のスクリューと、前記スクリューの回転軸内及び前記トラフの内筒と外筒との間に熱媒体を導入する手段と、前記内筒内を減圧排気する手段とを備えるとともに、前記スクリューは、スクリューコンベア入口側及び出口側のピッチよりも中間部のピッチを広く形成し、入口側に原料を圧縮して水分を搾り出す水分搾出部を、中間部に原料をほぐして水分を蒸発させる水分蒸発部を、出口側に原料を圧縮して固形化させる原料固形化部をそれぞれ設けたことを特徴とするバイオマス燃料製造装置(特許文献2)がある。
きのこ廃培地を乾燥処理する装置、方法等の発明としては、きのこ栽培後に発生した廃培地が投入される受入ホッパと、前記受入ホッパからの廃培地と後記戻りコンベアからの乾燥粉体とを含水率調整のために混合する混合機と、前記混合機からの混合廃培地を粉砕する流動乾燥粉砕機と、前記流動乾燥粉砕機内の乾燥粉体を吸引する吸引ブロワーと、前記吸引ブロワーにより導かれた乾燥粉体を回収する乾粉回収機と、前記乾粉回収機で回収された乾燥粉体を2系統に配分する分配ダンパーと、配分された1系統の乾燥粉体について前記混合機に搬送する戻りコンベアとを備えるとともに、配分された他の1系統の乾燥粉体について振動により粗状と細状に篩い分けを行う振動篩機と、前記振動篩機による粗状乾燥粉体を搬送するスクリューコンベアと、前記振動篩機による細状乾燥粉体を比重選別して乾燥製品を得る比重選別機とを備える一方、前記スクリューコンベアからの粗状乾燥粉体を高温気体と焼却灰に分離するサイクロン焼却機と、を具備することを特徴とするきのこ廃培地乾燥装置(特許文献3)がある。
特許文献1にはペレット状、粒状、タブレット状およびフレーク状のいずれかの形状に成形する前の含水率を13%以下となるように廃培地を乾燥させることが示されている。具体的には、茸栽培施設から回収した含水率60〜70%の廃培地を貯留、脱水機による脱水および送風機による乾燥により含水率を12%程度まで乾燥(1次乾燥)、その後、ペレット成形装置を用いて直径が6mm程度で長さが10〜15mm程度のペレット状に成形、さらに二次乾燥装置の送風、冷却で含水率10%まで乾燥(2次乾燥)するというものである。
特許文献2には含水量が70〜80%のシメジ茸等の廃培地と、含水量が50〜60%のえのき茸やエリンギ茸の廃培地とを混合させて相対水量を65%程度とするとともに、消臭剤を混合して燃料製造用の原料を調整し、当該発明に係る装置に投入して所定の含水率になるまで乾燥、固形化することが示されている。
特許文献3にはきのこ栽培後に発生する米ぬかが含まれた含水率60〜70%のきのこ廃培地と、きのこ廃培地を乾燥粉砕した乾燥粉体とを混合し含水率40〜50%に調整した後に乾燥粉砕する処理、比重選別処理等行い、含水率8〜15%の粗状乾燥粉体として焼却処理したり、比重が軽い乾燥粉体を再利用可能な乾燥廃培地にしたりすること等が示されている。
しかしながら、特許文献1では使用後の含水率が高い廃培地からの臭気については問題としておらず、乾燥機を用いてペレット等の成形に供するための所望の含水量まで乾燥機で乾燥するものである。特許文献2は原料調整装置を用いてバイオマス燃料製造用の原料を製造する点において本発明と共通するが、やはり廃培地からの臭気については問題にしておらず、また、特別なバイオマス燃料装置に投入するための前処理にとどまるものである。特許文献3についてもやはり臭気については問題にされておらず、また、混合廃培地の含水率を40〜50%にする処理を設けているが、これは含水率が高いと専用の装置内壁に培地が付着するためであり、これを防ぐための前処理にとどまるものである。
また、廃培地には臭気の問題以外に再利用にあたって乾燥、成形に係る問題がある。廃培地を乾燥機等の装置で処理するにあたり、廃培地内部の粘性の大きい箇所が核となり団子状態(ダマ)になるという問題である。
特許文献1、2のように菌床を乾燥機に直接投入して乾燥処理するとダマが発生し、成形性が低下するだけでなくカビの発生や品質低下につながる等の問題が懸念される。
特許文献3のように廃培地に乾燥粉体を混合するものでは乾燥粉体を別に用意する必要がある。また、乾燥粉体の混合が廃培地のダマの発生を抑止する有効な措置であるかどうかは明らかではない。
また、別の問題として石づき処理が挙げられる。石づき(きのこの軸の下端部分)は廃培地の一部であり、他の成分よりも多くの水分を含有する等の性質を有するものである。そのため、廃培地を再利用する際には石づきを分離処理するのが一般的である。しかしながら、石づきの分離処理には人手がかかるため、その分、コストが高くなってしまう。このような石づき処理の問題を解決しようとする特許文献は見当たらない。
このように特許文献1〜3に係る発明は廃培地から発生する臭気の抑制や石づき処理等に係る問題解決を示唆するものではない。
特開2008−120890号公報 特開2010−77201号公報 特開2016−5822号公報
本発明が解決しようとする課題は、きのこ廃培地からの臭気の発生を抑え、ペレット用資材として乾燥や成形に適した前処理方法等を提供することである。
第1の発明は、きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に送風により含水率50〜55%にしてパドルドライヤー投入用とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法である。また、第2の発明は、きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離し、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地についてpHを測定し、きのこ収穫直後のpH<含水率55%以下のpH、の関係が認められたものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法である。また、第3の発明は、きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離し、含水率55%以下にするものであり、前記石づき分離後のきのこ廃培地についてpHを測定し、含水率が下がるとpHが上がる負の相関関係、が認められたものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法である。また、第4の発明は、きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離せずに、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地のpHを測定し、前記きのこ収穫直後の廃培地のpHを基準にして、含水率55%以下にするまでのpHの低下幅≦1、であるものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法である。また、第5の発明は、きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離せずに、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地のpHを測定し、前記きのこ収穫直後の廃培地のpHを基準にして、含水率55%以下にするまでのpHの低下幅>1、の関係が認められたものを取り除き、ペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法である。また、第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれかの前処理方法によって前処理され、所望の含水率に調整された粉体であることを特徴とするペレット用資材である。
本発明は、きのこ廃培地からの臭気の発生を抑制し、乾燥、成形処理に適したペレット用資材とする効果が期待できる。
図1は粉体化処理場兼保管場におけるきのこ廃培地粉体の外観である。 図2はきのこ廃培地の乾燥日数と含水率の関係図である。 図3は廃培地から石づきを分離した場合の含水率とpHの関係図である。 図4は廃培地から石づきを分離しなかった場合の含水率とpHの関係図である。
本発明の実施の形態を以下に説明する。
(1)菌床
きのこ廃培地をペレット用資材としてペレット製造に供するための前処理方法について説明する。ここで、ペレット用資材とは最終製造物を燃料や敷料等のリサイクル製品とするもので、きのこ収穫後の廃培地を粉体状になるまで水分を下げ、乾燥機に投入可能な状態にしたものを意味する。まず、粉体化するきのこ廃培地を用意した。本実施例では、富山きのこセンター(ホクト株式会社)においてブナシメジ栽培後に排出される廃培地を用いた(きのこ収穫直後の廃培地含水率は約65%)。菌床は広葉樹のオガクズ、米ぬかから構成される。一般的に菌床はオガクズ等の木質基材、米ぬか等の栄養源から構成され、多量の水分を含むものである。木質基材としては他にブナ、ナラ、トチ等の広葉樹、スギ、マツ等の針葉樹を用いることも可能であるし、栄養源としては米ぬかだけでなく、むぎぬか(フスマ)、トウモロコシぬか、小麦粉等を用いてもできる。また、栽培するきのこの種類についてもブナシメジに限定するものでない。ブナシメジ以外にシイタケの廃培地についても本実施例と同様の結果が得られることが確認されている(記載は省略)。これらを踏まえ、本発明は前記以外にエリンギ、マイタケ、エノキタケ、ヒラタケ等、きのこ全般に適用されるものである。
(2)粉体化
用意したきのこ廃培地(概ね350〜400kg)から石づきを分離したものをエアレーションにより乾燥させた。本実施例で用いた菌床は乾燥とともに脆くなり粉体化した(図1)。図1はきのこ廃培地保管場兼粉体化処理場における粉体状廃培地である。この繰り返し評価により、木質系基材を主とする菌床の廃培地の場合、収穫から7日以内に含水率55%以下にすることで、臭気の発生を抑え、次工程の乾燥処理に適したものとなり、品質の安定したペレット用資材となることが確認された。ここで、本発明における含水率は、水分の重量を水分と固形分の重量の和で除したものであり、複数サンプルの平均値を意味する。なお、本実施例におけるエアレーション装置(製造元:株式会社ミライエ)は1メートル程度に堆積した粉体の最下部に設置した棒状に伸びた複数の排気パイプに設けられた複数の穴からエアーを噴出すものである。含水率50%程度までであれば乾燥機のような大きな熱量を要することなく乾燥し、粉体化できることが確認された。
粉体化にあたっては同程度の重量のきのこ廃培地から石づきを分離せずにそのまま乾燥した場合の含水率を併せて確認した(図2)。図2は同時期におけるきのこ廃培地の乾燥日数と含水率(堆積物頂上から深さ約40cmの試料)の一例である。石づきを分離した場合の方が早く乾燥する傾向にあることが確認された。また、堆積したきこの廃培地を乾燥する過程において、各日における内部(深さ約40cmと約80cm)の温度差を確認したところ、石づきを分離した場合の最大温度差は8.2℃、最小温度差は0.4℃、平均温度差は6.0℃、石づきを分離しない場合の最大温度差は17.0℃、最小温度差は2.4℃、平均温度差は8.2℃であった。
きのこ廃培地の含水率とpHの関係を確認した(図3、図4)。図3は石づきを分離した場合、図4は石づきを分離しない場合の含水率とpHの関係の一例である。本発明に係る前煎処理の想定する含水率範囲内において、石づきを分離した場合には含水率が低下するほどpHが上昇する負の相関が確認された。石づきを分離しない場合はこのような傾向は確認されなかった。
廃培地を放置しつづけた場合、きのこ収穫から7日を超えると腐敗が起こることが確認されたが、この場合、時間経過とともにpHが低下する傾向にあることが確認された。
実施例1において粉体化処理したペレット用資材を用いてペレットを製造した。
(1)乾燥
廃培地を粉体化した後、粉体を熱風式乾燥機に投入した。本実施例で用いた乾燥機は内部が回転して粉体を攪拌するとともに熱風を送り込むパドルドライヤー(ヒルデブランド社製:型番HD14/WTD)である。乾燥機に投入した粉体を30秒で含水率20%とした(乾燥機の処理量は1064kg/時)。ここで、乾燥機に投入するきのこ廃培地の含水率が55%以下の場合は乾燥機内でのダマの発生は確認されなかった。一方、含水率が55%を超えるとダマが発生しやすくなることが確認された。
また、本発明に係るシステムの構成では乾燥工程における含水率17〜25%を実現するものとすることで狙いとする品質のペレットを製造できることが確認された。乾燥工程における乾燥後の廃培地含水率とペレットの性状を表1に示す。乾燥工程において含水率が25%を超えると時間が経ってペレットからカビが発生する場合があった。含水率25%以下にした場合には数週間経ってもカビの発生は認められなかった。また、肉眼評価では含水率25%程度からペレットの表面にテカリが生じ、含水率20%以下とした場合にはペレットの表面に高級感のある光沢が確認された。含水率をさらに下げていくと(含水率10%以下では)ペレットの結合性が弱くなることが確認された。また、ペレットを水中に投下した場合、含水率25%を超えるものは容易に分解することが確認されたが、含水率25%以下では分解し難くなることが確認された。
(2)貯留・ミキシング
乾燥機による乾燥後、上記含水率の粉体を貯留用ミキサーに数時間から数日間、貯留した。当該工程は次工程(ペレット化)におけるペレットの生産を安定的に行うためのバッファとしての機能を担うとともに粉体含水率を一定に維持し、品質を安定化するための工程でもある。本実施例に用いたミキサーは粉体の最大貯留量が5トンであり、攪拌、温風エアレーション、排気を通じて粉体の含水率を維持することができるものである。
(3)ペレット化
貯留後、含水率20%の粉体をペレット成形用装置(ペレタイザー:新興工機株式会社製)に投入し、燃料用ペレットとした(図1のペレット化)。本実施例で用いたペレタイザーはリングダイ方式であり、能力は1.5トン/時である。これにより出来たペレットの性状等は以下の通りである。
・直径約6mm、
・長さ概ね10〜30mm
・円柱状
・かさ密度0.5〜0.6kg/m3
・含水率約17%
・灰分4〜8%
・臭気は製造直後、製造数週間後とも無
・カビ発生は製造直後、製造数週間後とも無
・色合いはこげ茶(良品)
成形時のペレタイザーの摩擦熱の影響によりペレットの含水率は17%まで下がっていた。繰り返し評価によりペレット化を通じて含水率は3〜5%低下することが確認された。本実施例により製造したペレットの熱量は16000KJ/kg(前後15%のバラつき)である。図2、図4に係る石づきを分離しなかった場合の粉体から得られたペレットに関しても上記品質と同程度のものが得られることが確認された。
以上、実施例1においてきのこ廃培地から発生する臭気を抑制したペレット用資材を製造し、実施例2において当該ペレット用資材を用いてペレットを製造した。
実施例1では、きのこ農家において発生したきのこ廃培地を好気的雰囲気下で7日以内に含水率を55%以下とすることで腐敗等の進行を遅らせ、臭気を抑制できることが示唆された。
さらに、乾燥機による乾燥工程においてダマの発生を抑制できることが示唆された。
また、廃培地の含水率とpHの関係は石づきの分離度合いの指標にし得ることが示唆された。石づきを分離処理した場合、含水率が小さくなるほどpHは上昇するという負の相関が確認され、かつ、ペレット用資材に供しても品質に問題はなかった。すなわち、石づきを分離処理する場合、廃培地を55%以下まで乾燥するにあたり、pHが徐々に高くなるという負の相関が認められるものは適切に前処理されたと判断することができる。本実施例ではpH測定時の含水率の範囲が石づきの有無で必ずしも一致するものではないが、平均pHに関して見ても、石づきを分離したものの方が高い結果となった。これは、含水率とpHが負の相関を示すか否かというだけでなく、石づきを分離することで平均pHが上がったか否かでも前処理の適否を判断し得るものである。例えば、石づきを分離した場合の平均pHが石づきを(事前に測定しておいた又は比較対象として測定した)分離しなかった場合の平均pHと比較して大きいこと(例えば、含水率45〜55%における数値で見ると平均pHの差が1以上)を石づきが分離処理されたきのこ廃培地であると判断できることが示唆された。石づきが分離された廃培地のみをペレット用資材とする場合にはこれらの適否判断において不適と判断された廃培地をペレット製造工程から除外してもよいし、石づきが多少混入したものであってもペレット用資材として認める場合には、後述の指標に基づいて処理を行ってもよい。
pHは廃培地の腐敗進行の指標にもし得ることが示唆された。本実施例の繰り返し評価では、廃培地の腐敗が進行するとこれに伴ってpHが低下することが確認された。従って、時間経過とともにpHの低下が認められたものは前処理が適切に行われたものではなく、悪臭を発生させたり、ペレット品質を低下させたりする可能性があると判断できる。
このようなpHを指標とする判断は廃培地から石づきを分離処理せずにペレット用資材とする場合にも有用である。上記の通り、石づきは良質なペレット製造の阻害要因となり得るため一般的に分離除去されるものであるが、本実施例では適切な前処理を行うことで石づきを分離したものと同程度の品質のペレットを製造できることが確認できた。例えば、図4に示される含水率47〜63%の範囲内やその近傍において、初期pHと比較し、経時的なpH低下幅が概ね1以内であればペレット製造に適したものであると判断することができる。また、含水率55%以下にするまでのpHの低下幅が1より大きい廃培地についてはペレット製造工程からの除外対象であると判断することができる。
さらに厳格に管理するのであれば、廃培地を含水率55%以下にする過程においてpHの低下が認められた廃培地についてはペレット製造工程から取り除く等の措置を講じることでペレット用資材の品質を維持することができる。
実施例2では実施例1により処理し粉体状にしたきのこ廃培地を用いることでカビや臭気を発生せず、外観、結合性ともに良いペレットを製造することができた。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明によれば、きのこ廃培地からの臭気を抑制し、良質なペレットを製造するための前処理方法等に利用することができる。

Claims (6)

  1. きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、
    前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に送風により含水率50〜55%にしてパドルドライヤー投入用とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法。
  2. きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、
    前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離し、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地についてpHを測定し、
    きのこ収穫直後のpH<含水率55%以下のpH
    の関係が認められたものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法。
  3. きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、
    前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離し、含水率55%以下にするものであり、前記石づき分離後のきのこ廃培地についてpHを測定し、
    含水率が下がるとpHが上がる負の相関関係
    が認められたものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法。
  4. きのこ廃培地をペレット用資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、
    前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離せずに、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地のpHを測定し、前記きのこ収穫直後の廃培地のpHを基準にして、
    含水率55%以下にするまでのpHの低下幅≦1
    であるものをペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法。
  5. きのこ廃培地をペレット資材とするきのこ廃培地の前処理方法において、
    前記きのこ廃培地をきのこ収穫から7日以内に、石づきを分離せずに、含水率55%以下にするものであり、前記きのこ廃培地のpHを測定し、前記きのこ収穫直後の廃培地のpHを基準にして、
    含水率55%以下にするまでのpHの低下幅>1
    の関係が認められたものを取り除き、ペレット用資材とすることを特徴とするきのこ廃培地の前処理方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の前処理方法によって前処理され、所望の含水率に調整された粉体であることを特徴とするペレット用資材。
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