JP6783745B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関し、特に、変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
このような遊技機としては、遊技者の連打動作の検出によりメータを上昇させ、メータが上限値に到達することにより、遊技者に有利な報知を行なうものがあった(特許文献1)。
特開2012−200477号公報
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、所定表示としてのメータが特定態様としての上限値に変化しなければ遊技者に有利な報知が行なわれることがなく、有利な報知のパターンが一様で面白みに欠けていた。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、所定表示が変化するパターンを多様化させ、遊技の興趣を向上する遊技機を提供することである。
(A) 変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
検出有効期間中における遊技者の動作を検出する動作検出手段と、
所定表示を表示する所定表示手段と、
前記所定表示が特定態様、または当該特定態様とは異なる特殊態様に変化したときに、遊技者に有利な報知を行う報知手段と、を備え、
前記所定表示手段は、
前記検出有効期間中において、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に第1作用演出を実行することにより、前記所定表示を前記特定態様に変化させる第1変化と、
前記検出有効期間中において、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に前記第1作用演出を実行した後に、前記検出有効期間が終了する前であって前記所定表示が前記特定態様に変化していないときに、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に前記第1作用演出とは異なる第2作用演出を実行することにより、前記所定表示を前記特殊態様に変化させる第2変化と、を実行可能であり、
さらに、
遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段と、
遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理を実行可能な第1制御手段と、
遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示と、前記復旧処理に関する復旧表示とを表示可能な表示手段と、
前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な促進報知手段と、
前記第1制御手段から送信される情報に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段と、を備え、
前記第2制御手段は、
前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能であり、
異常が判定されたときに、該判定された異常についての報知を行うことが可能であり、
新たに判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了して新たに判定された異常の報知を開始する一方、所定状態であるときに、新たな異常が判定された場合において、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続する
ことを特徴とする。
(1) 変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
遊技者の動作を検出する動作検出手段(プッシュボタン120、プッシュセンサ124等)と、
所定表示(メータ99等)を表示する所定表示手段(演出表示装置9等)と、
所定表示が特定態様(MAX態様等)に変化したときに、遊技者に有利な報知(大当り報知)を行なう報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)とを備え、
前記所定表示手段は、
前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に第1演出を実行することにより、前記特定態様に変化させ(図12(d)に示すように、メータ99をMAXまで上昇させるメータMAX演出によりMAX態様に変化させる等)、
前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に対して前記第1演出とは異なる作用を実行する第2演出を実行可能であり(図12(e)に示すように、メータ99に亀裂が入るメータ破壊演出を実行する等)、
さらに、
遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、
遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、
遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、
前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、
前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図43及び図45に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)
ことを特徴としている。
このような構成によれば、所定表示が変化するパターンを多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
(2) 前記(1)の遊技機であって、
前記所定表示手段は、前記第2演出の実行に基づいて、前記所定表示の態様を前記特定態様とは異なる特殊態様に変化させ(図12(e)に示すように、メータ99に亀裂が入るメータ破壊演出により、破壊態様に変化する等)、
前記報知手段は、前記所定表示の態様が前記特殊態様に変化したことに基づいて、遊技者に有利な報知を行なう(図12(f)に示すように、メータ99が破壊態様となることに基づいて、大当り報知を行なう等)。
このような構成によれば、所定表示が特殊態様に変化することに期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前記(2)の遊技機であって、
前記特殊態様は、前記所定表示が前記第1演出によって前記特定態様となる前に変化し得る態様を経て表示される(図12(e),(f)に示すように、メータ99の表示は、MAX態様の1つ手前の態様を経て破壊態様となる等)。
このような構成によれば、所定表示が特定態様に変化しない場合にも特殊態様により有利な報知が行なわれる場合があるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記(2)または(3)の遊技機であって、
前記所定表示を前記特定態様に変化させるか前記特殊態様に変化させるかを、前記所定表示の態様を変化させるための前記動作検出手段での検出が可能となる前に決定する決定手段(図14のS632に示すように、メータ99をMAX態様とするか破壊態様とするかを、遊技者動作の検出が可能となる演出図柄変動中処理よりも前の演出図柄変動開始処理において決定する等)をさらに備える。
このような構成によれば、所定表示がいずれの態様に変化するかに注目させることができる。
(5) 前記(1)〜(4)の遊技機であって、
前記所定表示手段は、前記所定表示が前記第1演出によって前記特定態様となる前の途中態様となった後に、前記第2演出を実行可能である(図12(c),(e)に示すようなMAX態様となる1つ手前の途中態様である操作回数20回の上限値となった後に、図12(e)のような亀裂が入るメータ破壊演出を実行する等)。
このような構成によれば、途中態様となっても第2演出の実行に期待を持たせることができる。
(6) 前記(1)〜(5)の遊技機であって、
前記所定表示手段は、
前記動作検出手段により検出有効期間において遊技者が複数回の動作を行なう連続動作(プッシュボタン120の連打操作)が実行されたことに応じて前記第1演出および前記第2演出を実行可能であり(プッシュボタン120の連打操作によりメータMAX演出およびメータ破壊演出を実行する等)、
遊技者による前記連続動作とは異なる所定動作(プッシュボタン120の長押し操作)に基づいて、前記連続動作が実行されたとみなして前記第1演出および前記第2演出を実行可能であり(プッシュボタン120の長押し操作によりメータMAX演出およびメータ破壊演出を実行する等)、
前記検出有効期間において、所定期間(図18のオート連打開始可能期間等)が経過するまでは前記所定動作に基づいて前記連続動作が実行されたとみなし、当該所定期間が経過した後(図18のオート連打開始不可能期間等)に前記所定動作が開始されても前記連続動作が実行されたとみなさない。
このような構成によれば、検出有効期間において所定期間が経過するか否かに基づいて、連続動作が実行されたとみなすか、みなさないかとすることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の(7)〜(14)に係る発明が含まれる。従来より、遊技機において、特開2002−143523号公報に示されているような、遊技機への電力の供給の停止後に再度電力の供給を受けた場合は、変動表示装置(表示手段)に電力が供給されていない状態から復旧(遊技状態の復旧)した旨とともに、遊技状態が特定の遊技状態である旨を表示するものがあった。しかしながら、上記した遊技機には、遊技状態の復旧時において遊技媒体を遊技媒体が流下可能な複数の経路のうちのいずれの経路に打ち出せばよいのかが変動表示装置(表示手段)に表示されないため、遊技者が不利益を受けてしまう場合があるという問題があった。この点に鑑み、遊技者の不利益の発生を低減することができる遊技機の提供が求められている。
上記目的を達成するため、別態様による(7)の遊技機は、
(7) 遊技媒体(例えば、遊技球)を使用した遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、
遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、
遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、
前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、
前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図43及び図45に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
(8) 前記(7)の遊技機であって、
前記第2制御手段は、前記報知手段による報知を制御可能であって(例えば、図43に示すように、演出制御用CPU90120がS90705やS90708の処理を実行して右打ち報知用LED9030を点灯する部分や、S90711の処理を実行して右打ち報知用LED9030を消灯する部分)、
前記第1制御手段から前記報知手段による促進報知を実行するための特定経路報知実行コマンドを受信したことに基づいて、前記促進表示を前記復旧表示とともに前記表示手段に表示する制御を行う(例えば、図43に示すように、演出制御用CPU90120がS90704やS90707の処理において右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信有りと判定した場合にS90705とS90706、またはS90708とS90709の処理を実行し、右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での右打ち報知画像の表示を開始する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段に促進表示を表示させるための個別のコマンドを設ける必要がないので、コマンド数の増加を抑えることができる。
(9) 前記(7)または(8)の遊技機であって、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して所定時間間隔毎の送信タイミングにてコマンドを送信可能であって(例えば、CPU103が2ms毎に図28に示す遊技制御タイマ割込処理のコマンド制御処理(S9020)を実行して演出制御基板12(演出制御用CPU90120)にコマンドを送信する部分)、前記特定経路報知実行コマンドとは別のコマンドであって遊技状態が復旧したことを通知する復旧コマンド(例えば、電断復旧指定コマンド)を、前記特定経路報知実行コマンドと同じ所定時間間隔における送信タイミングにて送信する(例えば、図27に示す遊技制御メイン処理のSa9046及びSa9048において右打ち報知用LED点灯指定コマンドと電断復旧指定コマンドの送信設定を行い、同一割込の遊技制御用タイマ割込処理にてコマンド制御処理を実行することで、右打ち報知用LED点灯指定コマンドと電断復旧指定コマンドとを送信する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、復旧表示の表示開始時期と促進表示の表示開始時期とが異なってしまうことにより、促進表示が見逃されてしまう等の不都合の発生を防ぐことができる。
(10) 前記(7)〜(9)の遊技機であって、
前記表示手段及び前記報知手段とは異なる手段であって、遊技媒体を発射すべき経路が前記特定経路であることを発光によって報知可能な特定経路対応発光部(例えば、右打ち表示部9025D)を含む発光手段(例えば、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020,第1保留表示部9025A、第2保留表示部9025B、普図保留表示部9025C)を備え、
前記第1制御手段は、前記発光手段の発光および消灯を制御可能であり、前記特定経路対応発光部の発光制御に伴って前記報知手段における前記促進報知を開始させるための特定経路報知実行コマンドを送信する制御を行うとともに(例えば、CPU90103が図27に示す遊技制御メイン処理のSa9046及びSa9047の処理や、図36に示す大当り開放前処理のS90302及びS90303の処理にて右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を行うとともに、右打ち表示部9025Dを点灯する部分)、前記特定経路対応発光部の消灯制御に伴って前記報知手段における前記促進報知を終了させるための特定経路報知実行コマンドを送信する制御を行う(例えば、CPU90103が図35に示す特別図柄停止処理のS90196及びS90197や、図37に示す大当り終了処理のS90316a及びS90316bの処理、図40に示す小当り終了処理のS90251及びS90252の処理、にて右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに、右打ち表示部9025Dを消灯する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定経路対応発光部の発光状態と、報知手段における促進報知とが連動するようになるため、報知手段における促進報知を適切に実行することができる。
(11) 前記(7)の遊技機であって、
前記第1制御手段から、遊技状態が復旧したことを通知する復旧コマンドを受信したことに基づいて、前記促進表示を前記復旧表示とともに前記表示手段に表示する制御を行う(例えば、変形例1に示すように、演出制御用CPU90120が、CPU90103が受信した電断復旧指定コマンドから特定した遊技状態に基づいて演出表示装置に電断復旧画面や右打ち報知画像を表示する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段に促進表示を表示させるための個別のコマンドを設ける必要がないので、コマンド数の増加を抑えることができる。
(12) 前記(7)〜(11)の遊技機であって、
遊技媒体が入賞不能または入賞困難な第1状態(例えば、閉鎖状態)と遊技媒体が前記第1状態よりも入賞容易である第2状態(例えば、開放状態)とに変化可能であって、前記特定経路に設けられた可変入賞装置(例えば、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907B)と、
遊技媒体が前記可変入賞装置に入賞したことに基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、CPU90103が図28に示す遊技制御用タイマ割込処理において賞球処理(S9012)を実行する部分)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記可変入賞装置を前記有利状態において前記第2状態に制御可能であり、前記第1制御手段によって復旧された遊技状態が前記有利状態である場合には、前記可変入賞装置が前記第2状態に変化する旨の表示を表示可能である(例えば、演出制御用CPU90120が図45に示す電断復旧画面表示処理のS90625の処理を実行することで、演出表示装置905に大入賞口開放中画像を表示する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技状態の復旧時において、遊技媒体を入賞可能な第2状態に可変入賞装置が変化することを遊技者に認識させることができるので、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
(13) 前記(7)〜(12)の遊技機であって、
優先度が異なる複数種類の事象に対応しての異常を判定可能な異常判定手段(例えば、CPU90103が、図30に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたときに、該判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了し、該判定された異常についての報知を行う異常報知手段(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に、遊技停止フラグがセットされていない場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が実行するエラー報知処理において、該優先度の高いエラーのエラー報知を、既に実行されているエラー報知に代えて実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたことにもとづいて、該判定された異常に対応した状態に制御する状態制御手段(例えば、CPU90103が、S90411において遊技球の発射を禁止して遊技停止状態とする部分)と、
を備え、
前記異常報知手段は、前記状態制御手段により制御されている状態が所定状態(例えば、遊技停止フラグがセットされている遊技停止状態)であるときに、異常に対応する新たな事象が発生した場合には、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続する(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に遊技停止フラグがセットされている場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信しないことにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が、該優先度の高いエラーのエラー報知を実行せずに、既に実行中のエラーの報知を継続する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定状態に制御される契機となった事象が確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
(14) 前記(7)〜(13)の遊技機であって、
前記第2制御手段は、複数の選択肢を表示可能であって(例えば、変形例2として図51(B)に示すように、演出表示装置905に大当り遊技中にスピーカ908L,908Rから出力可能なBGM毎の選択肢を複数表示する部分)、
前記複数の選択肢のうちからいずれかの選択肢が選択されたときに、該複数の選択肢の表示を終了するとともに、該選択された選択肢に応じた制御を実行する制御実行手段を備え(例えば、変形例2に示すように、遊技者等がプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によっていずれか1の選択肢を選択して決定操作を行うことで該図51(B)に示す画像の表示が終了し、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像の表示と、決定された選択肢に応じたBGMがスピーカ908L,908Rから出力される部分)、
前記制御実行手段は、前記複数の選択肢の表示中に電源供給が停止した場合において、電源供給が再開されたときには、前記複数の選択肢のうちの所定の選択肢に応じた制御を実行する(例えば、変形例2に示すように、未だいずれのBGMを出力するかが決定されていない状態においてパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901に電力が再投入されると、図51(B)にて表示した選択肢のうち、1のBGM(本変形例2では曲C)をスピーカ908L,908Rから出力するBGMとして決定し、該決定したBGMのスピーカ908L,908Rからの出力を開始する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、複数の選択肢が表示された状態で電源供給が停止したときにおいて、該複数の選択肢のうちのいずれの選択肢が選択されているかに関わらず、電源供給が再開されたときには、所定の選択肢に応じた制御が実行されることから、処理の軽減を図ることができる。
尚、この発明は、この発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、この発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 メータMAX演出およびメータ破壊演出を説明するための図である。 メータ演出実行決定テーブルを示す図である。 演出設定処理を示すフローチャートである。 メータ演出処理を示すフローチャートである。 メータ演出処理を示すフローチャートである。 特定連打演出例を示す演出表示装置の表示画面図である。 特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。 実施例における遊技機を示す正面図である。 パチンコ遊技機の回路構成例を示すブロック図である。 (A),(B)は、演出制御コマンドを例示する図である。 各乱数を示す説明図である。 変動パターンを例示する図である。 (A)は表示結果判定テーブルを示す説明図であり、(B)は大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を示す説明図であり、(C)は大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図であり、(D)は小当り種別判定テーブルを示す説明図であり、(E)は各種大当りの内容を示す説明図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 第2特別可変入賞球装置の構造を示す正面図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。 メイン側エラー処理の一例を示すフローチャートである。 各種のエラーとエラーの優先順位や解除条件等の内容を示す説明図である。 エラーの報知態様を示す図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。 大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。 大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 小当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。 小当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。 小当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 右打ち報知処理の一例を示すフローチャートである。 エラー報知処理の一例を示すフローチャートである。 電断復旧画面表示処理の一例を示すフローチャートである。 通常状態において振動検出1エラー検出から復旧した際の表示態様を示す図である。 小当り遊技状態において振動検出1エラー検出から復旧した際の表示態様を示す図である。 変形例1における遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 変形例1における右打ち報知処理の一例を示すフローチャートである。 変形例1における電断復旧画面表示処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技のBGM選択中の電断から復旧した際の表示態様及びBGMの出力態様を示す図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、下皿本体の上面における手前側の所定位置に、複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為(遊技者の動作)を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な所定表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。
演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
図2は当り種別表である。図2に示すように、当り種別、当り後大当り確率、当り後ベース、当り後変動時間、開放回数、および、ラウンド開放時間が設定されている。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。また、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い変動パターンである。スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13a(第2始動口スイッチ14a)がオンしていれば、第1保留記憶数(第2保留記憶数)が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データ(第2保留記憶データ)の記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)の値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(第2保留記憶バッファ)における保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1(第2)」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。保留記憶表示制御処理では、保留表示やアクティブ表示の表示に関する処理が実行される。たとえば、保留表示として、演出表示装置9の表示領域において、第1保留記憶数と、第2保留記憶数との合計数を示す合算保留記憶表示部が形成される。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図12は、メータMAX演出およびメータ破壊演出を説明するための図である。本実施の形態に関わるパチンコ遊技機1では、プッシュボタン120が操作されたことによる信号がプッシュセンサ124により検出されることにより、メータ演出が実行される。メータ演出には、メータMAX演出およびメータ破壊演出が含まれる。これらのメータ演出は、演出表示装置9の表示画面上に表示されるメータ99に関する演出である。メータ99は複数の目盛から形成されている。この目盛の値が、プッシュボタン120の操作が有効な操作有効期間中に遊技者によるプッシュボタン120の操作の検出に応じて上昇する。
メータMAX演出は、メータ99の目盛の値を上限値であるMAX態様(MAX値)まで上昇させる演出である。操作有効期間中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されると、目盛の値がMAXまで上昇していく。メータMAX演出では、メータ99の値がMAXまで到達する(MAX態様となる)ことで、遊技者にとって有利な有利状態である大当り状態に制御されることが演出表示装置9の表示画面上で報知される。
メータ破壊演出は、MAX態様となる1つ手前の途中態様となった後に、メータ99に亀裂が入り、その後、メータ99が破壊される破壊態様に変化する演出である。操作有効期間中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されると、目盛の値がMAXの1つ手前で上昇を停止する。その後、さらなる遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されることで、メータ99自体に亀裂が入り始める。亀裂は、プッシュボタン120の操作に応じて次第に大きくなり、上限値に達することでメータが破壊される破壊態様へと変化する。メータ破壊演出では、メータ99が破壊態様となることで、遊技者にとって有利な有利状態である大当り状態に制御されることが演出表示装置9の表示画面上で報知される。なお、途中態様とは、内部制御的に設定されている操作回数の上限を示す表示態様である。
図12(a)は、演出表示装置9の表示画面上で変動中の演出図柄91,92,93と共に、メータ99が画面の右下に表示されている場合を示している。メータ演出が実行される場合には、このように演出表示装置9の画面上にメータ99が表示される。図12(b)は、メータ99の部分を抜き出すとともに、プッシュボタン120を示している。プッシュボタン120の操作が有効な操作有効期間は、演出表示装置9の画面上で有効期間を示すメータとプッシュボタン120を示す画像により表示されるが、図は省略する。
操作有効期間中にプッシュボタン120の操作がプッシュセンサ124により検出された場合には、図12(c)に示すように操作回数に応じて、メータ99の目盛の値が右方向に上昇していく。変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、図12(d)〜(f)に示す成功パターンのようにメータ99の表示が変化する。変動表示の表示結果がはずれとなる場合には、図12(g),(h)に示す失敗パターンのようにメータ99の表示が変化する。
図12(d)は、成功パターンのときのメータMAX演出によりメータ99の値が上限まで上昇し、MAX態様となったことを示す図である。メータMAX演出では、メータ99の値がMAX態様となる1つ手前の表示から、プッシュボタン120を連打することにより、図12(d)のMAX態様となる。その後、演出表示装置9の画面上で大当りの表示がされ、大当り遊技状態へ制御されることが示される。
図12(e)は、成功パターンのときのメータ破壊演出によりメータ99の値がMAX態様となる1つ手前の表示(以下、途中態様とも称する)から、プッシュボタン120を連打することにより、メータ99自体に亀裂が入る表示となることを示す図である。メータ99の亀裂は、プッシュボタン120を連打することにより次第に大きく広がっていく。そして、上限値に達すると図12(f)に示すように、メータ99が分断される破壊態様となる。その後、演出表示装置9の画面上で大当りの表示がされ、大当り遊技状態へ制御されることが示される。
図12(g)は、失敗パターンのときのメータMAX演出を示す図である。図12(g)に示すように、失敗パターンのときのメータMAX演出では、メータ99の値がMAX態様となる1つ手前の途中態様から、いくらプッシュボタン120を連打してもメータがMAX態様とはならず、操作有効期間が終了した後に、演出表示装置9の画面上ではずれの表示がされ、今回の変動表示の表示結果がはずれであったことが示される。
図12(h)は、失敗パターンのときのメータ破壊演出によりメータ99の値がMAX態様となる1つ手前の途中態様から、プッシュボタン120を連打することにより、メータ99自体に亀裂が入る表示となることを示す図である。メータ99の亀裂は、プッシュボタン120を連打することにより次第に大きく広がっていく。しかし、いくらプッシュボタン120を連打してもメータが破壊態様となることはない。操作有効期間が終了した後は、演出表示装置9の画面上ではずれの表示がされ、今回の変動表示の表示結果がはずれであったことが示される。
図12(d)に示すようなメータ99をMAXまで上昇させるメータMAX演出によりMAX態様に変化させるパターンと、図12(e)に示すようなメータ99に亀裂が入るメータ破壊演出を実行するパターンが設けられている。このようにすれば、単純にメータ99をプッシュボタン120の操作により上昇するパターンのみではないので、メータ99が変化するパターンを多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図12(e)に示すように、メータ99に亀裂が入るメータ破壊演出により、図12(f)に示すような破壊態様に変化する。そして、メータ99を破壊したことに基づいて、大当り報知が行なわれる。このようにすれば、メータ99の値が途中で上昇しなくなったとしてもメータ99が破壊態様に変化することに期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図12(e),(f)に示すように、メータ99の表示は、MAX態様の1つ手前の途中態様を経て破壊態様となる。このようにすれば、メータ99がMAX態様に変化しない場合にも破壊態様により大当り報知が行なわれる場合があるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、メータ99に亀裂が入り始めることにより、破壊態様となるかもしれないと思う遊技者のプッシュボタン120の操作を促すことができ、操作有効期間が終了するまで、プッシュボタン120の操作による面白みを高めることができる。
なお、遊技者にとって有利な報知として大当り報知を例に説明したが、有利な報知は大当りを報知するもの以外であってもよい。たとえば、有利な報知として確変状態となることを報知するものであってもよい。また、確変とするか否かを判定する確変判定領域を備えたパチンコ遊技機においては、確変判定領域を通過可能となることを報知するものであってもよい。また、有利な報知としてスーパーリーチ(SPリーチ)などの大当り期待度が相対的に高い演出が実行されることを報知するものであってもよく、遊技者にとって有利となる報知であればよい。なお、これらの有利な報知を行なうためのメータ演出の実行タイミングとして様々なタイミングが設定されていてもよい。たとえば、大当り遊技中、SPリーチ中、変動開始時等の様々なタイミングでメータ演出が実行されるようにしてもよい。また、メータ演出の実行タイミングによって、有利な報知が実行される期待度が異なるようにしてもよい。
図13は、演出制御用CPU101が参照する、メータ演出実行決定テーブルを示す図である。特に、図13(a)は、表示結果が大当りとなることが決定されているときに参照されるテーブルであり、図13(b)は、表示結果がはずれとなることが決定されているときに参照されるテーブルである。いずれのテーブルも、メータ演出の内容を決定するための乱数の役割を担うランダムカウンタSR2の値が割り振られている。
図13(a)に示すように、大当りが事前決定されているときには、メータ演出の内容が実行なし<メータ破壊演出(メータ破壊)<メータMAX演出(MAX到達)となるように乱数が割振られている。また、図13(b)に示すように、はずれが事前決定されているときには、メータ演出の内容が実行なし>メータ破壊演出(メータ未破壊)>メータMAX演出(MAX未到達)となるように乱数が割振られている。
図14は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)内で実行される処理である。演出設定処理においては、メータ演出の実行の有無が、遊技者動作の検出が可能となる演出図柄変動中処理(S802)よりも前に実行される演出図柄変動開始処理(S801)において決定される。本フローチャートに基づく処理は、演出制御用CPU101によって実行される。
本処理においては、はじめに、今回実行される変動が第4スーパーリーチであるか否かが判断される(S630)。本実施の形態では、メータ演出は、第4スーパーリーチとなる場合にのみ実行するものとしているからである。今回の変動が第4スーパーリーチでない場合には、その他の演出の内容を決定する(S634)。
S630において、今回実行される変動が第4スーパーリーチであると判断した場合には、今回の変動の結果が大当りであるかはずれであるかをCPU56から受信したコマンドに基づいて判断する(S631)。S631において、今回の変動の結果が大当りであると判断された場合には、S632において、大当り時メータ演出実行決定テーブルにより、メータ演出の内容を決定する。S631において、今回の変動の結果がはずれであると判断された場合には、S633において、はずれ時メータ演出実行決定テーブルにより、メータ演出の内容を決定する。次いで、S634において、その他の演出を決定し、処理を終了する。
S632に示すように、メータ99をMAX態様とするか破壊態様とするかが、遊技者動作の検出が可能となる演出図柄変動中処理よりも前に実行される演出図柄変動開始処理において決定される。このようにすれば、メータ99がいずれの態様に変化するかに注目させることができる。
図15は、メータ演出処理を示すフローチャートである。メータ演出処理は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)内で実行される処理である。演出制御用CPU101は、メータ演出処理において、まずS632,S633でメータ演出が実行されると判断されたか否かを判断する(S900)。次いで、後述するS911でセットされる操作済フラグがセットされているか否かを判断する(S901)。操作済フラグがセットされている場合には、処理を終了する。操作済フラグがセットされていない場合には、メータ演出の成功パターンであるか否かをS632,S633で決定された内容から判断する。
S902において、成功パターンでないと判断された場合は、図16に示すS930以降の処理へ移行する。S902において、成功パターンであると判断された場合は、S903に移行する。S903では、プッシュボタン120の操作を有効に検出している期間計測タイマの計時値に基づいて、プッシュボタン120の操作が有効なボタン操作有効期間中であるか否かを判断する。ボタン操作有効期間中であると判断した場合には、S904において、プッシュセンサ124の検出信号に基づいて、操作検出(動作検出)があったか否かを判断する。S904において、操作検出がなかった場合には、処理を終了する。操作検出があった場合には、操作回数に応じてメータの値を上昇させる(S905)。なお、メータの値は、プッシュボタン120が複数回操作(たとえば、3回操作)される毎に1目盛上昇するようにしてもよいし、操作毎に少しずつ上昇させてもよい。また、操作有効期間によりメータの値が上昇する操作回数が異なるようにしてもよい。たとえば、操作有効期間開始時は、少ない操作回数でメータの値が上昇するが、操作有効期間の終了間近では、多くの操作回数を伴わないとメータの値が上昇しないようにしてもよい。
次いで、S906では、プッシュボタン120の操作が20回以上検出されたか否かを判定する。操作回数が20回未満の場合は、処理を終了する。操作回数が20回以上検出されたと判断された場合には、実行されるメータ演出がメータMAX演出であるか否かを判断する(S907)。S907において、メータMAX演出であると判断された場合には、メータMAXの1つ手前でメータ上昇を停止させる(S908)。
次いで、S909において、プッシュボタン120の操作が25回検出されたか否かを判断する。プッシュボタン120の操作が25回検出されていない場合は、処理を終了する。プッシュボタン120の操作が25回検出された場合は、メータをMAXまで上昇させ、大当り報知を行なう(S910)。そして、S911において、操作済フラグをセットし、処理を終了する。
S907において、実行されるメータ演出がメータMAX演出でないと判断された場合、つまり、メータ破壊演出であると判断された場合には、S912の処理へ移行する。S912においては、メータに亀裂を発生させる。メータの亀裂は、操作回数が増加する毎に大きくなるように設定されている。
次いで、S913において、プッシュボタン120の操作が25回検出されたか否かを判断する。プッシュボタン120の操作が25回検出されていない場合は、処理を終了する。プッシュボタン120の操作が25回検出された場合は、メータを破壊し、大当り報知を行なう(S914)。そして、S911において、操作済フラグをセットし、処理を終了する。
S903において、ボタン操作有効期間中でないと判断した場合には、操作有効期間が終了しているか否かを判断する(S915)。操作有効期間が終了している場合には、処理を終了する。操作有効期間が終了していなければ、実行されるメータ演出がメータMAX演出であるか否かを判断する(S916)。実行される演出がメータMAX演出であれば、S917の処理へ移行する。
S917においては、メータをMAXまで上昇させ、大当り報知を行なう。その後、操作済フラグをセットし(S919)、処理を終了する。また、S916において実行される演出がメータMAX演出でないと判断されれば(メータ破壊演出である場合は)、メータを破壊し、大当り報知を行なう(S918)。その後、S919において、操作済フラグをセットし、処理を終了する。このように、操作有効期間中に、予め定められた回数の操作が実行されない場合であっても、操作有効期間が終了した場合には、予め定められた回数の操作があったときと同様の演出が実行される。
図16は、メータ演出処理を示すフローチャートである。S902において、成功パターンではない、つまり、失敗パターンであると判断された場合には、図16に示すS930の処理へ移行する。S930では、ボタン操作有効期間中であるか否かを判断する。ボタン操作有効期間中でないと判断した場合には、S936の処理へ移行する。S930において、ボタン操作有効期間中であれば、S931の処理へ移行する。S931においては、操作検出(動作検出)があったか否かを判断する。操作検出がなかった場合には、S936の処理へ移行する。操作検出があった場合には、操作回数に応じてメータの値を上昇させる(S932)。
次いで、S933では、プッシュボタン120の操作が20回以上検出されたか否かを判定する。操作回数が20回未満の場合は、S936の処理へ移行する。操作回数が20回以上検出されたと判断された場合には、実行されるメータ演出がメータMAX演出であるか否かを判断する(S934)。S934において、メータMAX演出であると判断された場合には、メータMAXの1つ手前でメータ上昇を停止させる(S935)。
また、S934において、実行されるメータ演出がメータMAX演出でないと判断された場合、つまり、メータ破壊演出であると判断された場合には、S938の処理へ移行する。S938においては、メータに亀裂を発生させる。メータの亀裂は、操作回数が増加する毎に大きくなるように設定されている。
S935,S938の処理の後に、移行するS936の処理においては、操作有効期間が終了しているか否かを判断する(S936)。操作有効期間が終了していない場合には、処理を終了する。操作有効期間が終了している場合には、はずれ報知を行なう(S937)。そして、処理を終了する。
図15のS906,S907,S912の処理に示すように、図12(c),(e)に示すようなMAX態様となる1つ手前の途中態様である操作回数20回の上限値となった後に、図12(e)のような亀裂が入るメータ破壊演出が実行される。このようにすれば、1つ手前の途中態様となってもさらにメータ99に亀裂が入る演出の実行に期待を持たせることができる。つまり、メータ99が破壊態様となり大当り遊技状態に制御されることに期待を持たせることができる。
[オート連打演出の演出制御例]
次に、演出制御用CPU101により、オート連打動作を含む連打動作が遊技者により実行されたことに応じて特定演出を実行可能な特定連打演出の演出制御例について説明する。以下に示す特定連打演出は、前述した実施の形態に説明した各種演出制御と組合せて実行可能である。たとえば、以下に示すようなシンプルバトル演出に代えて、前述した実施の形態のメータ演出(メータMAX演出、メータ破壊演出)を実行可能である。
特定連打演出は、遊技者による特定動作を検出可能な動作検出手段の検出有効期間中において、たとえば連打のように、遊技者が複数回の動作を行なう連続動作が実行されたことに応じて実行される演出である。
[特定連打演出例]
図17は、特定連打演出例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図17(A)〜(D)に、特定連打演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。特定連打演出は、特定の変動パターンでの変動表示が実行されるときにおいて、変動表示の開始時から所定期間経過時からに、たとえばバトル演出のような特定の演出が実行されるときに、実行可能である。
特定連打演出が行なわれるバトル演出が実行されるときには、図17(A)に示すように、バトルの開始前の事前表示として、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが登場し、「シンプルバトル」というような、シンプルバトル演出を特定する文字が表示される事前表示が所定期間(たとえば、2〜3秒間)に亘り行なわれる。事前表示としては、さらに、敵キャラクタ95のライフ(耐久力)をレベル表示するメータ99が表示される。
シンプルバトル演出は、パチンコ遊技機1で実行可能なバトル演出のうち、比較的簡素な演出が実行されるバトル演出である。シンプルバトル演出においては、図17(B),(C)に示すように、遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが対戦するバトル演出が進行する。シンプルバトル演出においては、連打操作に応じ、特定演出として、味方キャラクタ94が敵キャラクタ95を攻撃し、その攻撃に対応して敵キャラクタ95に対応するメータ99でのレベル表示が減少する。このように、シンプルバトル演出においては、連打操作に応じた特定演出として、連打操作の実行がメータ99でのレベル表示に作用する作用演出が行なわれる。
シンプルバトル演出においては、演出図柄(特別図柄)の変動表示結果が大当り表示結果となることが決定されているときに、図17(D)に示すように、バトル演出においてメータ99での表示が最低レベル(0)になり、味方キャラクタ94が勝ったことを示す勝利表示(たとえば「WIN」という文字の表示等)が行なわれて、大当り表示結果が表示される。一方、シンプルバトル演出においては、演出図柄(特別図柄)の変動表示結果がはずれ表示結果となることが決定されているときに、バトル演出においてメータ99での表示が最低レベル(0)にならず、味方キャラクタ94が負けたことを示す敗北表示(たとえば「LOSE」という文字の表示等)が行なわれて、はずれ表示結果が表示される(図示省略)。
シンプルバトル演出では、遊技者によるプッシュボタン120の連打操作に応じて演出が進行する。連打操作としては、遊技者がプッシュボタン120を自力で連打することにより実行される自力連打の操作と、遊技者がプッシュボタン120を特定時間(たとえば1秒間以上等)長押し操作(継続押し操作)することにより実行されるオート連打の操作とのいずれが実行可能である。連打操作に応じた演出が実行されるときの演出モードとして、自力連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードが自力連打モードと呼ばれ、オート連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードがオート連打モードと呼ばれる。
シンプルバトル演出における連打操作の操作(検出)有効期間は、予め定められた期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。オート連打は、前述したように、プッシュボタン120を特定時間(たとえば、1.0秒間等)に亘り長押し操作したことに基づいて、実行条件が成立してオート連打の機能による操作の検出が開始され、長押し操作の継続期間として0.5秒間等のような期間が経過するごとに操作回数を1つずつカウントして、あたかもプッシュボタン120の連打が実行されたとみなして操作検出が行なわれる機能である。このようなオート連打の操作(検出)有効期間としては、特定期間(たとえば、4.5秒間等)が設定されている。
シンプルバトル演出が実行される演出期間においては、オート連打が開始可能な期間と、オート連打が開始不可能な期間とが設けられている。オート連打開始可能期間においては、図17(B)に示すように、「連打!!長押しでオート連打」というようなメッセージ画像を表示するオート連打開始可能期間であることを報知する演出が行なわれる。一方、オート連打開始不可能期間においては、図17(C)に示すように、「連打!!自力連打」というようなメッセージ画像を表示するオート連打開始不可能期間であることを報知する演出が行なわれる。
[オート連打演出の演出制御タイミング例]
次に、特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングの一例を説明する。図18は、特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。
図18に示すように、特定連打演出においては、連打操作の有効期間が、たとえばリーチ状態の開始時のような第1タイミングから、変動表示終了直前時のような第2タイミングまでのような所定期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。
自力連打開始可能期間は、連打操作の有効期間の全期間に対応して設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から予め定められた期間(たとえば、0.5秒間)経過時から開始され、特定期間(たとえば、連打操作の有効期間における前半期間)経過時までの期間が設定されている。なお、オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から開始されてもよい。オート連打開始不可能期間としては、連打操作の有効期間中におけるオート連打開始可能期間の経過後の期間が設定されている。
自力連打開始可能期間中においては、自力連打の実行に応じたメータ99への作用演出の作用態様(減少態様)の度合が所定度合以下の度合に制御される自力連打低作用設定期間と、自力連打の実行に応じたメータ99への作用演出の作用態様(減少態様)の度合が所定度合よりも高い度合に制御される自力連打高作用設定期間とが含まれている。これにより、同じ自力連打開始可能期間中でも、自力連打低作用設定期間と、自力連打高作用設定期間とで、自力連打に対応して実行される作用演出の作用態様(作用度合)が異なる。このように、自力連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間に応じて、作用演出の作用態様が異なるように設定されている。
自力連打開始可能期間と連打操作有効期間とが同じであるので、連打操作有効期間中は、基本的にいつでも自力連打操作をすることが可能であり、その自力連打操作に応じて、前述した作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打低作用設定期間には、自力連打に基づいて低作用の作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打高作用設定期間には、自力連打に基づいて高作用の作用演出が実行可能である。
このように自力連打開始可能期間が、前半部を自力連打低作用設定期間とし、後半部を自力連打高作用設定期間とすることにより、自力連打に応じた作用演出が変動表示結果の導出表示タイミングに対応するように、演出を連携させることができる。たとえば、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打低作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打に応じて、自力連打低作用設定によるゆっくりとした作用演出が進行し、その後、期間経過により自力連打高作用設定期間となったときは、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、メータ99の表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。たとえば、大当り表示結果を導出表示するときはメータ99の表示のレベルを導出表示前に「0」にし、はずれ表示結果を導出表示するときはメータ99の表示のレベルを導出表示直前に「1」以上の特定のレベルにする演出が行なわれる。
また、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打高作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打高作用設定により、自力連打開始当初から、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、メータ99の表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出をすることが可能とされている。
連打操作有効期間中におけるオート連打開始可能期間中では、オート連打の実行に応じたメータ99への作用演出の作用態様(減少)の度合が、一定の度合に制御される。これにより、オート連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間によらず、作用演出の作用態様が一定となるように設定されている。
オート連打開始可能期間には、プッシュボタン120の予め定められた時間(たとえば、1秒間)以上の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなされてオート連打が開始可能であり、そのオート連打操作に応じて、作用演出が実行可能である。連打操作有効期間中におけるオート連打開始不可能期間には、プッシュボタン120の予め定められた時間以上の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされず、オート連打が開始不可能である。オート連打開始可能期間中においては、オート連打に基づいて、自力連打開始可能期間中とは異なり、一定の作用態様での作用演出が実行可能である。
このようにオート連打開始可能期間に開始可能なオート連打が実行されるときには、オート連打の開始当初から終了までの間において一定の作用態様での作用演出が実行可能であることにより、オート連打に応じて、オート連打作用設定による一定の作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、メータ99の表示のレベルを前述したような変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。
なお、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とが同一期間として設定され、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが同一期間として設定されてもよい。また、図18のように、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とを異なる期間に設定する場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。また、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが異なる期間に設定されてもよく、その場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。
次に、以上、説明した実施の形態の変形例を説明する。
(1) 前述した実施の形態では、所定表示としてのメータ99に作用する演出を実行してもよい。たとえば、所定のキャラクタ画像を表示し、当該キャラクタ画像がメータ99を殴る演出を実行することにより、メータ99が破壊されるようにしてもよい。また、キャラクタの種類によりメータ99の破壊の期待度が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、メータ99に亀裂が入る場合を説明したが、メータ99の態様を異なる作用により変化させてもよい。たとえば、メータ99がガタガタ揺れることにより破壊されるようにしてもよい。また、メータ99に所定のエフェクト画像を付加することにより、メータ99の表示態様が変化するようにしてもよい。また、作用の態様により有利な報知となる期待度が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、メータ99がMAX態様の1つ手前の態様で亀裂が入る場合や、その状態からMAX態様となる場合を説明した。しかし、プッシュボタン120の操作により、メータのMAX値が変化するような演出を実行してもよい。たとえば、プッシュボタン120を連打することにより、MAX値に表示されているバーが下がり、メータの値が溜まっている所まで下がることによりMAX到達となり、大当りを報知するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、所定表示としてメータを示した。しかし、所定表示は、メータ以外の表示であってもよい。たとえば、所定表示を水晶玉とし、水晶の色が変化することにより大当となることを示しても良い。より具体的には、プッシュボタン120の操作により青、黄、緑、赤と変化して、最終的に虹色になれば大当りが確定、虹色にならなくても、赤色の水晶が割れると大当り確定のような演出を実行してもよい。
(5) 前述した実施の形態では、大当りとなることを示す演出として、メータMAX演出、メータ破壊演出が実行される場合を説明した。しかしながら、メータ演出が他にも設けられていてもよい。たとえば、プッシュボタン120の操作中にメータ自体が延びてMAXとなるまでの操作回数が長くなるメータ演出を実行してもよい。
(6) 前述した実施の形態では、メータMAX演出とメータ破壊演出とで、メータMAX態様の1つ手前となる操作回数の上限値が異なるようにしてもよい。たとえば、メータMAX演出の場合には、1つ手前となる操作回数の上限値を20回とし、メータ破壊演出の場合には、1つ手前となる操作回数の上限値を15回としてもよい。また、メータMAX演出とメータ破壊演出とで、MAX態様、破壊態様となる操作回数の上限値が異なるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて所定表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述した各種演出を実行する。たとえば、BBに内部当選したときに、メータMAX演出やメータ破壊演出を実行することにより、BB当選を報知するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(10) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、遊技者の動作を検出する動作検出手段(プッシュボタン120、プッシュセンサ124等)と、所定表示(メータ99等)を表示する所定表示手段(演出表示装置9等)と、所定表示が特定態様(MAX態様等)に変化したときに、遊技者に有利な報知(大当り報知)を行なう報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)とを備え、前記所定表示手段は、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に第1演出を実行することにより、前記特定態様に変化させ(図12(d)に示すように、メータ99をMAXまで上昇させるメータMAX演出によりMAX態様に変化させる等)、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に対して前記第1演出とは異なる作用を実行する第2演出を実行可能であり(図12(e)に示すように、メータ99に亀裂が入るメータ破壊演出を実行する等)、さらに、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図43及び図45に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。このような構成によれば、所定表示が変化するパターンを多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
なお、所定表示を表示する所定表示手段と、促進表示と復旧表示とを表示する表示手段とを、同一の表示装置で構成してもよいし、別個の表示装置で構成してもよい。特定表示と促進表示や復旧表示を同一の表示装置で行う場合には、所定表示手段は表示手段に含まれることになる。また、変動表示について、所定表示を行う表示装置や、促進表示や復旧表示を行う表示装置と同一の表示装置で変動表示を行うようにしてもよいし、別個の表示装置で変動表示を行うようにしてもよい。
さらに、所定表示が変化するパターンを多様化させ、遊技の興趣を向上させることができ、また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる遊技機の形態の一例として、遊技媒体(例えば、遊技球)を使用した遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能である(例えば、図43及び図45に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。尚、以下の形態例においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図19は、この実施例におけるパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。尚、遊技盤902の前面は、遊技機用枠(台枠)903に、開閉可能に設けられたガラス扉枠903aによって覆われている。尚、これらガラス扉枠903aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠903aを開放することはできないようになっている。
遊技盤902の所定位置(図19に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。尚、この実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを方形状とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(演出表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置905の表示領域には、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア905Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア905Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
また、演出表示装置905の右上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち報知用LED9030が設けられている。尚、この実施例の右打ち報知用LED9030は、LED制御基板9014を介して演出制御用CPU90120によって点灯・消灯制御が実行される。
図19に示す例では、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部に、特図保留記憶数を発光により特定可能に表示するための第1保留表示部9025Aと第2保留表示部9025Bとが設けられている。第1保留表示部9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示部9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
更に、第1保留表示部9025Aの上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯(発光)することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち表示部9025Dが設けられている。尚、この実施例の右打ち表示部9025Dは遊技制御用マイクロコンピュータ90100(CPU90103)によって点灯・消灯制御が実行される。
つまり、右打ち表示部9025Dは、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020,第1保留表示部9025A、第2保留表示部9025B、普図保留表示部9025Cと同じく発光により遊技に関する情報を報知可能な発光手段の一部である。また、この実施例における右打ち報知用LED9030及び右打ち表示部9025Dは、共に、左遊技領域9010Lよりも右遊技領域9010Rに近接して配置されている。このため、遊技者は、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態である場合に、視点を移動させることなく右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを視認することが可能となっている。
演出表示装置905の左右には、一般入賞口9050A,9050Dが設けられているとともに、一般入賞口9050Aの下方の領域には、一般入賞口9050B,9050Cとが設けられている。また、演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図20に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態(図19中実線位置参照)と傾動位置(図19中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図20に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図20に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、一般入賞口9050A,9050B,9050C,9050Dを通過(進入)した遊技球は、図20に示す第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bが一体化された特別可変入賞球ユニット907が設けられている。
ここで、特別可変入賞球ユニット907の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機901を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図19に示すように、特別可変入賞球ユニット907は、左部側が第1特別可変入賞球装置907Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置907Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット907の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット907内、特に第2特別可変入賞球装置907B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置907Aは、ソレノイド9082(図20参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉90701を備え、該第1大入賞口扉90701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット907の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉90701は、ソレノイド9082の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置907Aでは、ソレノイド9082がオン状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド9082がオフ状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ9023(図20参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ9023によって検出される。第1カウントスイッチ9023を通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置906Bに誘導され、普通可変入賞球装置906Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
図26に示す第2特別可変入賞球装置907Bは、第1特別可変入賞球装置907Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド9083(図20参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉90711を備え、該第2大入賞口扉90711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置907Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉90711は、ソレノイド9083の駆動によって第2大入賞口を開放する第2状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第1状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置907Bでは、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオン状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオフ状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図26に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ9024Aを通過することで、該第2カウントスイッチ9024A内によって検出される。第2カウントスイッチ9024Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
図26に示すように、第2特別可変入賞球装置907B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路90750が形成されている。遊技球流路90750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路90740(図26中実線に沿う領域)と該主経路90740から分岐する分岐路90741(図26中点線に沿う領域)とを有する。主経路90740と分岐路90741との間には後述する逆流防止部材90730が配設されている。また、主経路90740における逆流防止部材90730の上流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第1分岐部90742が設けられており、主経路90740における逆流防止部材90730の下流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第2分岐部90743が設けられている。つまり、主経路90740を流下する遊技球は、第1分岐部90742または第2分岐部90743から分岐路90741側に移動可能とされている。
主経路90740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ9024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ9024Bを通過することで、該第3カウントスイッチ9024Bによって検出される。第3カウントスイッチ9024Bを通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。また、分岐路90741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ9024Cを通過することで、該第4カウントスイッチ9024Cによって検出される。
尚、この実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉90711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、この実施例のパチンコ遊技機901では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
主経路90740における第1分岐部90742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材90721が設けられている。規制部材90721は、ソレノイド9085(図20参照)の駆動によって主経路90740内に突出することで、遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路90740内から退避することで遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材90721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路90741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路90740に設けられている。このため、規制部材90721が規制状態であるときに主経路90740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材90721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部90743を経由して分岐路90741に向けて流下するように誘導される。
主経路90740と分岐路90741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材90730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材90730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材90721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側から接触したときに主経路90740側から分岐路90741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路90740と分岐路90741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路90740と分岐路90741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材90721の上方には前方に向けて突出する90リブ801が設けられており、逆流防止部材90730は規制位置において該リブ90801に正面視で反時計回り方向から当接する。
尚、逆流防止部材90730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側から第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材90730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路90741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材90730がリブ90801に当接していることによって逆流防止部材90730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側から第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側への遊技球の移動が確実に規制される。
図19に戻って、遊技盤902の所定位置(図19に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示部9025Cが設けられている。普図保留表示部9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を発光により表示する。尚、通過ゲート9041は、特別可変入賞球ユニット907における第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907B間に設置されている。尚、通過ゲート9041内には、後述するゲートスイッチ9021が内蔵されている。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球ユニット907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域9010Lと右側の右遊技領域9010Rとに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域9010Lを流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域9010Rを流下するようになっている。
また、左遊技領域9010Lを流下した遊技球は、普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B及び一般入賞口9050A〜9050Cに入賞可能であり、右遊技領域9010Rを流下した遊技球は、普通可変入賞球装置906B、第1特別可変入賞球装置907A、第2特別可変入賞球装置907B及び一般入賞口9050Dに入賞可能、且つ、通過ゲート9041を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bに入賞不能、かつ、通過ゲート9041を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が図20に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図20に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図20に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置907Aの第1大入賞口扉90701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置907Aを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bは遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)となる。
尚、この実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉90711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第3カウントスイッチ9024Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU90103は、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第4カウントスイッチ9024Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU90103は、該遊技球の第4カウントスイッチ9024Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、この実施例では、第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bが第2状態に制御されるようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置907Aが第2状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、この実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器9020による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機901には、例えば図20に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014、ターミナル基板(情報出力基板)9016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板9011には、図20に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ9060、電磁波による不正を検知するための電波センサ9070、パチンコ遊技機901に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ9080、遊技盤902の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠903aの開放を検知する扉開放センサ9090、第1大入賞口扉90701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉90711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ9092、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ9093、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ9094等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、図20において球切れセンサ9094は、主基板9011に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081〜9083に伝送する出力回路9011、ターミナル基板9016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路90112が搭載されている。
尚、出力回路90111は、ソレノイド9085を駆動させるためのコントローラ9084にも接続されている。コントローラ9084は、パチンコ遊技機901の起動時に出力回路90111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100から起動信号を受信することでソレノイド9085の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ9084がソレノイド9085を駆動することにより、規制部材90721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED909や右打ち報知用LED9030等の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図21(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図21(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図21(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図21(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図21(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機901においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、図31に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板9012側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(図44参照)によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア905Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア905Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100Hは、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
コマンドD200Hは、演出表示装置905に電断復旧画面を表示することを指定する電断復旧指定コマンドである。
コマンドD301Hは、右打ち報知用LED9030の点灯を指定する右打ち報知用LED点灯指定コマンドである。
コマンドD302Hは、右打ち報知用LED9030の消灯を指定する右打ち報知用LED消灯指定コマンドである。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)90106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図22は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図22に示すように、この実施例では、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1´の他、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´、MR4´の初期値決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1´〜MR5´は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図23は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図23に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、この実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3´のみを用いて決定するようにしているが、この発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3´に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図24などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図24(A)に示す表示結果判定テーブル、図24(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図24(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図24(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図24(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1´と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図24(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、MR1´の値が図24(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1´が図24(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、図24(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、この実施例では、CPU90103は、図24(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、この実施例では、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図24(B)、(C)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図24(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図24(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図24(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図24(D)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2´によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
ここで、この実施例における大当り種別について、図24(E)を用いて説明すると、この実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
尚、この実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
また、図24(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
一方で、図24(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
また、図24(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3´に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1´−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1´−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1´−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、この実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1´−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1´−1のみが設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図23に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1´−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図20に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図25に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図25に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155とを備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数回路90104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1´〜MR4´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図20に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図20に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板9012の側においても、主基板9011と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図20に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果LED909の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図20に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S9072、図42参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。図27に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sa901以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU90103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(Sa901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(Sa902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Sa903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(Sa904)、RAM90102をアクセス可能状態に設定する(Sa905)。なお、割込モード2は、CPU90103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU90103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(Sa906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU90103は、通常の初期化処理(Sa9010〜Sa9012)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、後述する電源断検出処理(図29参照)におけるSd902及びSd903の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Sa907)。
バックアップデータが格納されている場合、CPU90103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(Sa908)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sa908では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU90103は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(Sa9041〜Sa9048の処理)を行う。具体的には、ROM90101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM90102内の領域)に設定する(Sa9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。Sa9041およびSa9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、CPU90103は、バックアップデータから電断発生時の遊技状態を特定し(Sa9044)、該特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれか、つまり、この実施例において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態であるか否かを判定する(Sa9045)。
バックアップデータから特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれかである場合(Sa9045;Y)、CPU90103は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(Sa9046)、右打ち表示部9025Dの点灯を開始する。そして、電断復旧指定コマンドの送信設定を行い(Sa9048)、Sa9015に進む。尚、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態である場合(Sa9045;N)は、Sa9046及びSa9047の処理を実行せずにSa9048の処理のみを実行してSa9015に進む。尚、Sa9046において送信設定される右打ち報知用LED点灯指定コマンドとSa9048において送信設定される電断復旧指定コマンドとは、後述するコマンド制御処理において演出制御基板9012に対して送信される。
尚、バックアップデータが格納されていない場合(Sa907;N)やパリティチェックの結果が正常でない場合(Sa908;N)場合は、初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU90103は、まず、RAMクリア処理を行う(Sa9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM90102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM90101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(Sa9012)。
Sa9011およびSa9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
Sa9048またはSa9012の実行後、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Sa9015)。CPU90103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90104に特図表示結果判定用の乱数値MR1´の値を更新させるための設定を行う。
そして、Sa9016において、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU90103は、表示用乱数更新処理(Sa9018)および初期値用乱数更新処理(Sa9019)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(Sa9017)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(Sa9020)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図28のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図28に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、電源断検出処理を実行する(S9010)。そして、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力された検出信号に応じて賞球を払い出すための賞球処理を実行する(S9012)。 その後、所定のメイン側エラー処理(S9015)を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、払出情報などのデータを出力する(S9016)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1´や乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9017)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S9018)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S9019)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S9020)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
図29は、この実施例の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電源断検出処理では、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd901)。電源断信号の入力が無い場合は電源断検出処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、バックアップデータを特定し(Sd902)、該特定したバックアップデータをRAM90102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd903)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd904)、パチンコ遊技機901が電源断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。尚、電源断信号は電源電圧が所定値以下に低下した場合に継続して出力されるので、この実施例における電源断検出処理では、チェックデータの作成後(Sd904の実行後)にループ処理に移行することで、新たなバックアップデータをバックアップデータ格納領域に格納しないようになっている。このため、例えば、新たなバックアプデータの格納中に電源電圧が更に低下することで正常にバックアップデータ格納領域に新たなバックアップデータが格納されなくなってしまうことが防止されている。
図30は、この実施例のメイン側エラー処理(S9015)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU90103は、まず、演出制御基板9012側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90401)
異常報知中タイマが動作中でない場合(S90401;N)にはS90402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S90401;Y)には、S90420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90421;N)には、S90402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S90421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S90422)、S90402に進む。
S90402においては、図31に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。この実施例のパチンコ遊技機1では、図31に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機901の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
この実施例では、図31に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図31に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ9070による電磁波の検出や磁気センサ9060による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ9023や第2カウントスイッチ9024Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図31に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ9080により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
また、各エラー(異常)には、図31に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板9016からパチンコ遊技機901の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(この実施例では4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、この実施例の異常判定処理においてCPU90103は、主基板9011に接続されている磁気センサ9060、電波センサ9070、振動センサ9080、扉開放センサ9090、第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉センサ9092、満タンセンサ9093、球切れセンサ9094の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024Aの遊技球の検知状態等に基づいて、図31に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S90402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S90403)、異常の発生を判定していない場合(S90403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S90403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S90404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S90404;N)には、S90410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S90411に進む。
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S90401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S90404;Y)には、S90410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S90405)、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S90406)。
S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S90406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S90406;N)には、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S90407)。S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S90407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S90413の処理が実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板9012に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S90407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S90408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S90408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS90402にて判定されても、S90413の処理やS90414の処理が実行されることがないため、演出制御基板9012に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S90408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S90409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS90410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S90411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S90411;N)には、S90412を経由することなくS90413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S90411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S90412)、S90413に進む。
S90413においては、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板9012に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S90414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS90414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S9016)において、ターミナル基板9016からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
尚、S90413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S9020のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板9012に送信される。そして、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図44参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
このように、この実施例のパチンコ遊技機901の主基板9011においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図44参照)が実行されることにより、図32に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に図31に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、図32(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒に亘って演出表示装置905において表示されることにより報知される。
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、図32(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、図32(B)に示すように、演出表示装置905の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置905に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、図32(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
図33は、特別図柄プロセス処理として、図28に示すS9018にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9031の処理のいずれかを選択して実行する。
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部90151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部90151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S9022の特別図柄通常処理やS9023の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S9024の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部90153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S9024の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉90701用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S9028の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(この実施例では「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(この実施例では「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S9029の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
尚、この実施例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
S9030の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ9024Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S9031の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図34は、特別図柄通常処理として、図33のS9022にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90141の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S90141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90141;N)、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部90151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S90144)、S90149に移行する。
一方、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S90141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90145の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S90145の処理は、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S90145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90145;N)、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部90151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S90148)、S90149に移行する。
S90149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図24(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S90150)。
S90150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S90151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S90151;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S90152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファに応じた大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S90153)。このとき、CPU90103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図24(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図24(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90154)。
S90154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90155)、決定された大当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S90151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S90151;N)、CPU90103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S90151a)。「小当り」であると判定された場合には(S90151a;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S90151b)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図24(D)参照)を選択してセットする(S90151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90151d)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90151e)、決定された小当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S90156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S90151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S90154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S90156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S90157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S90145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S90145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S90158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図35は、特別図柄停止処理として、図33のS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU90103は、S9032の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S90181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器904Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器904Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板9012に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S90182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S90183)、大当りフラグがセットされていない場合(S90183;N)には、S90189aに移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S90183;Y)には、CPU90103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S90184)、演出制御基板9012に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S90185)。尚、S90185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
更にCPU90103は、演出制御基板9012に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S90186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S90188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90189aにおいてCPU90103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S90189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S90189a;Y)には、S90190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S90189a;Y)、CPU90103は、演出制御基板9012に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S90189b)。尚、S90189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S90189d)。また、時短回数カウンタの値を−1し(S90189e)、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(S90189f)。時短回数カウンタの値が0となっている場合は(S90189g;Y)、時短フラグをクリアしてS90189hに進み(S90189g)、時短回数カウンタの値が0となっていない場合は(S90189g;N)、S90189gを実行せずにS90189hに進む。
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S9026)に対応した値である“7”に更新し(S90189h)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90190においてCPU90103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90190;Y)には、S90198に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S90190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S90191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S90193)、「0」でない場合(S90193;N)にはS90198に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S90194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(S90195)。そして、CPU90103は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90196)、右打ち表示部9025Dを消灯してS90198に進む(S90197)。尚、S90196において送信設定された右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。
そして、CPU90103は、S90198において、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図36は、大当り開放前処理として、図33のS9026にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU90103は、既に右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を実行したことを示す右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを判定する(S90301)。右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされていない場合(S90301;N)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信設定を行うとともに(S90302)、右打ち表示部を点灯させる(S90303)。そして、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをセットしてS90305に進む(S90304)。尚、S90302において送信設定された右打ち報知用LED点灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。尚、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされている場合(S90301;Y)は、S90302〜S90304を実行せずにS90305に進む。
S90305においてCPU90103は、大当り表示時間タイマを−1する。そして、大当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90306)。大当り表示時間タイマがタイマアウトした場合(S90306;Y)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをクリアし(S90307)、開放時間タイマをセットする(S90308)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に応じた値にセットして大当り開放前処理を終了する(S90309)。尚、大当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合(S90306;N)は、S90307〜S90309を実行せずに大当り開放前処理を終了する。
図37は、大当り終了処理として、図33のS9028にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU90103は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90311)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S90311;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置905において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S90312)、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S90311;Y)には、大当り終了表示タイマの値を−1する(S90313)。そして、CPU90103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S90314)。経過していなければ大当り終了処理を終了する。また、大当り終了表示時間を経過していれば(S90314;Y)、CPU90103は、記憶されている大当り種別が大当りAまたは大当りDであるかを判定する(S90315)。
大当り種別が大当りAまたは大当りDである場合(S90315;Y)には、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90316a)、右打ち表示部を消灯してS90319に進む(S90316b)。尚、S90316aにおいて送信設定される右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。また、大当り種別が大当りB、大当りC、大当りEのいずれかである場合(S90315;N)、CPU90103は、時短フラグをセットし(S90317)、時短回数カウンタに「100」をセットした後(S90318)、S90319に進む。
S90319では、CPU90103は、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90320)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板9012に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S90321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S90322)。尚、S90320において送信設定される大当り終了指定コマンドとS90321において送信設定される遊技状態指定コマンドとは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。
図38は、小当り開始前処理として、図33のS9029にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU90103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S90201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S90202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマに予め定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S90203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S9030)に対応した値である“8”に更新し(S90204)、当該小当り開放前処理を終了する。
図39は、小当り開放中処理として、図33のS9030にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU90103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S90211)。そして、CPU90103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90212)。
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S90212;Y)、S90230に進み、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S90213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S90214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S90215)、S90216に移行する。尚、S90215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S90213;N)、S90214及びS90215を経由せずにS90216に進む。
S90216において、CPU90103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S90216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S90216;Y)、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S90217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S90218)、S90223に進む。尚、S90218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S90216;N)、S90217及びS90218を経由せずにS90223に進む。
S90223において、CPU90103は、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90223)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90223;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90224;N)、V入賞フラグをセットする(S90225)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S90227)。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S90228)、開放時間タイマをクリアする(S90229)。
そして、S90230において、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S9031)に対応した値である“9”に更新し(S90230)、当該小当り開放中処理を終了する。
図40は、小当り終了処理として、図33のS9031にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU90103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S90231;N)、小当りフラグをクリアし(S90232)、演出制御基板9012に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90233)。尚、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S90234)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S90231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S90235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S90236;N)、CPU90103は第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90237)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90237;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90238;N)、V入賞フラグをセットする(S90239)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S90241)、小当り終了処理を終了する。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。
また、S90236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S90236;Y)、CPU90103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90242)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90242;Y)、CPU90103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S90243、S90244)。そして、CPU90103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S90246)。尚、大当り種別は、図24(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90247)、決定された大当り種別を記憶してS90248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
S90247の実行後、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90248)、小当り終了処理を終了する。
つまり、この実施例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
尚、S90242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S90242;N)、CPU90103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S90249)。時短フラグがセットされている場合はS90253に進み、時短フラグがセットされていない場合は、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90250)、右打ち報知用LED消灯指定コマンド送信設定を行う(S90251)。尚、遊技状態指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、右打ち表示部9025Dを消灯してS90253に進む。
そして、CPU90103は、S90253において特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S9022)に対応した値である“0”に更新し、小当り終了処理を終了する。
以上のように、この実施例では、CPU90103が特別図柄プロセス処理における各処理を実行することで、時短状態や小当り遊技状態、大当り遊技状態中等の打球操作ハンドルの操作により遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態においては右打ち表示部9025Dが点灯し、打球操作ハンドルの操作により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態においては右打ち表示部9025Dが消灯するようになっている。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。図41は、演出制御基板9012に搭載されている演出制御用CPU90120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S9054)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU90120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM90122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図21参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S9056)。そして、図44に示すエラー報知処理(S9057)と図45に示す電断復旧画面表示処理(S9059)を実行した後、S9052に移行する。
図42は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態である場合に、演出表示装置905での表示や右打ち報知用LED9030の点灯によって遊技者に対して右打ちを行う遊技状態であることを報知する右打ち報知処理(S9071)と、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理(S9072)と、を実行する。
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9082のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)、小当り表示処理(S9080)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御や大当り遊技演出の表示制御及び音出力制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S9080):変動時間の終了後、演出表示装置905に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S9081)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S9081):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S9082)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S9082):演出表示装置905において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)または大当り表示処理(S9077)に対応した値に更新する。
この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された後に電力の供給が再開された場合は、演出制御基板9012側のみ動作が不安定となっており、遊技球の発射を含めた遊技自体は続行可能となっている。このため、特に、この実施例のような変動表示を実行して大当り遊技状態に制御可能であるとともに、小当り遊技中に遊技球が特定領域(この実施例では第3カウントスイッチ9024B)を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能なタイプのパチンコ遊技機(所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機)や、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技終了後に確率変動制御が実施されるパチンコ遊技機においては、演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで遊技者に対して遊技球を右遊技領域9010Rに対して打ち出すよう促さなければ、遊技球が特定領域を通過する機会を失ってしまい、遊技者の不利益が発生する。また、遊技場の店員等においても、パチンコ遊技機901において電断復旧画面が表示されている場合には、遊技者に対して電断復旧画面の表示が終了するまで遊技球の発射の停止を促すことがあり、遊技店側としてもパチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際の適切な対応を行うことができない場合が考えられる。このような理由から、この実施例のパチンコ遊技機901においては、以下に示す右打ち報知処理や電断復旧画面表示処理を実行することで、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、遊技者の不利益の発生を低減することができるようになっている。
図43は、この実施例の右打ち報知処理(S9071)を示すフローチャートである。右打ち報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905において右打ち報知画像を第2態様で表示中であるか否かを判定する(S90701)。尚、右打ち報知画像とは、時短状態や大当り遊技中、小当り遊技中であることを報知するために、演出表示装置905の右上部において右遊技領域9010R側を向くように表示される右向き矢印の画像である。また、この実施例における該右打ち報知画像の表示態様としては、第1態様と前述した第2態様とを演出表示装置905にて表示可能となっており、第2態様は、第1態様よりも大きな右向き矢印の画像を表示する態様である。
右打ち報知画像を第2態様で表示中である場合(S90701;Y)は、S90713に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中または右打ち報知画像を表示していない場合(S90701;N)は、更に、右打ち報知画像を第1態様で表示中であるか否かを判定する(S90702)。右打ち報知画像を第1態様で表示中である場合は(S90702;Y)、S90710に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中でない場合、つまり、右打ち報知画像を表示していない場合(S90702;N)は、S90703に進む。
S90703において演出制御用CPU90120は、電源復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。電源復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90703;Y)は、S90707に進み、電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90703;N)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90704)。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90704;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90704;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90705)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第1態様にて開始し(S90706)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90707において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90707;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90707;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90708)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第2態様にて開始し(S90709)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90710において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が無い場合(S90710;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有る場合(S90710;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030を消灯する(S90711)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部における右打ち報知画像の表示終了し(S90712)、右打ち報知処理を終了する。
また、S90713において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信がある場合(S90713;Y)は、S90711及びS90712の処理(右打ち報知用LED9030の消灯及び右打ち報知画像の表示終了)を実行して右打ち報知処理を終了し、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれのコマンドの受信もない場合(S90713;N)は、S90711及びS90712の処理を実行せずに右打ち報知処理を終了する。
つまり、この実施例では、遊技中に遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905の右上部に右打ち報知画像を第1態様にて表示する。そして、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態(通常状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第1態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を第2態様にて表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第2態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、図28、図35、図37、図40及び図43に示すように、この実施例では、CPU90103が所定時間(例えば2ms)毎に定期的に遊技制御用タイマ割込処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行して右打ち報知用LED点灯指定コマンドや右打ち報知用LED消灯指定コマンドを演出制御基板9012に向けて送信することによって、CPU90103が右打ち表示部9025Dを点灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を点灯させ、CPU90103が右打ち表示部9025Dを消灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を消灯させていることができる。このため、遊技者は、右打ち表示部9025Dを視認せずとも、右打ち報知用LED9030を視認することによって遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかであるか否かを判別することが可能となっている。
図44は、この実施例のエラー報知処理(S9057)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90501)。
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S90502に進む。
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S90510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90511)。
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90511;N)には、S90512とS90513を経由することなくS90502に進む。
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S90511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S90512)、実行中のエラー報知を終了して(S90513)、S90502に進む。
S90502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板9011から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S9054)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S90502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S90502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S90503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S90504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置905に表示する内容と、遊技効果LED909の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S90505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S90506)。
次いで、S90504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S90507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S90506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S90507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS90501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S90506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
図45は、この実施例の電断復旧画面表示処理(S9059)を示すフローチャートである。電断復旧画面表示処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、後述する復旧画面表示プロセスタイマの動作中であるか否か、つまり、演出表示装置905において電断復旧画面の表示中であるか否かを判定する(S90611)。復旧画面表示プロセスタイマの動作中である場合(S90611;Y)はS90618に進み、復旧画面表示プロセスタイマの動作中でない場合(S90611;N)は、電断復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90612)。電断復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90612;N)は、電断復旧画面表示処理を終了し、電断復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90612;Y)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90613)。
右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90613;N)は、演出表示装置905において遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(左打ち用電断復旧画面)を表示するための左打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進み(S90614)、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90613;Y)は、演出表示装置905において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)を表示するための右打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進む(S90615)。
そして、S90615において演出制御用CPU90120は、S90614またはS90615において選択した復旧画面表示プロセステーブルの復旧画面表示プロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。尚、S90614またはS90615において選択される復旧画面表示プロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各復旧画面表示プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1や音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての演出用部品としてのスピーカ908L,908R等)の制御を実行し、電断復旧画面の表示を開始する(S90617)。例えば、演出表示装置905においてS90614またはS90615にて選択した復旧画面表示プロセステーブルに応じた電断復旧画面を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、電断復旧画面表示処理を終了する。
一方、S90618において演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスタイマの値を−1する。そして、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90619)。復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトした場合(S90619;Y)は、復旧画面表示プロセスデータの切り替えを行う(S90620)。即ち、復旧画面表示プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を復旧画面表示プロセスタイマに設定することによって復旧画面表示プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90621)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90622)。そして、S90624に進む。
一方、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S90619;N)は、復旧画面表示プロセスタイマに対応する復旧画面表示プロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S90623)、S90624に進む。
そして、S90624において演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドの受信が有る場合(S90624;Y)は、演出表示装置905において表示中の電断復旧画面に加えて、演出表示装置905に大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する大入賞口開放中報知画像の表示を開始してS90629に進む。また、大入賞口開放中指定コマンドの受信が無い場合(S90624;N)は、大入賞口開放中報知画像の表示中であるか否かを判定する(S90626)。大入賞口開放中報知画像の表示中でない場合(S90626;N)はS90629に進み、大入賞口開放中報知画像の表示中である場合(S90626;Y)は、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有るか否か、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されたか否かを判定する(S90627)。大入賞口解放後指定コマンドの受信が無い場合(S90627;N)は電断復旧画面表示処理を終了し、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有る場合(S90627;Y)は、大入賞口開放中報知画像の表示を終了してS90630に進む(S90628)。
そして、S90629において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信が有る場合(S90629;Y)は、復旧画面表示プロセスタイマをクリアし、電断復旧画面の表示を終了して電断復旧画面表示処理を終了する。また、図柄確定コマンドと当り終了指定コマンドとのいずれのコマンドの受信も無い場合(S90629;N)は、S90630を実行せずに電断復旧画面表示処理を終了する。
つまり、この実施例では、演出制御用CPU90120は、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が通常状態であれば、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動が停止すると、演出制御用CPU90120は、左打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
また、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
更に、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中コマンドを受信する、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放されると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示し、遊技者に対して第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する。このようにこの実施例では、大当り遊技中や小当り遊技中に電断復旧画面の表示中であっても、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像が表示されることによって遊技者に対して遊技球が第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞するように右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促すことができるので、大当り遊技中に第1大入賞口や第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技者が得られる賞球数が少なくなってしまうことや、小当り遊技中に第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過せず、大当り遊技が開始される(大当り遊技状態に制御される)可能性が無くなってしまうこと等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。つまり、この実施例における遊技価値とは、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口に入賞したことにより付与される賞球数と、遊技球が第2大入賞口に入賞した後に第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで大当り遊技状態に制御されることを指す。
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口または第2大入賞口の開放中の期間のみ表示する形態、つまり、第1大入賞口または第2大入賞口の開放が繰り返されることにより大入賞口開放中報知画像の表示と非表示とが繰り返し実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、或いは、大当り遊技または小当り遊技において最後の第1大入賞口または第2大入賞口の開放が終了するまで継続して表示してもよい。
また、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知するために、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることの報知は、演出表示装置905での画像の表示に加えて、或いは替えて、スピーカ908L,908Rからの音出力、遊技効果LED909の発光等により実行してもよい。
次に、この実施例における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様について、図46及び図47に基づいて説明する。
先ず、遊技状態が通常状態である場合について説明する。図46(A)に示すように、通常状態は遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は消灯している。図46(B)に示すように、該通常状態での変動表示の実行中に振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、図46(C)に示すように、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面として「復旧中 しばらくおまちください」等のメッセージが表示される。
次に、遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態である場合について説明する。尚、この実施例では、時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様は同一であるので、小当り遊技状態での例を説明する。
図47(A)に示すように、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)は遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は点灯している。また、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)中は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第1態様にて表示されている。
図47(B)に示すように、該小当り遊技で振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、図47(C)に示すように、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面として「復旧中 右打ちを続けて下さい」等のメッセージが表示される。
尚、右打ち用電断復旧画面の表示中は、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された時点での遊技状態が小当り遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030が点灯しており、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第2態様にて表示されている。そして、右打ち用電断復旧画面の表示中に第2大入賞口(大当り遊技中は第1大入賞口または第2大入賞口)が開放されると、演出表示装置905の下部に大入賞口開放中報知画像として「大入賞口が開いています」等のメッセージが表示される。
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで共通の大入賞口開放中報知置画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示してもよい。
また、この実施例では右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで共通の大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示し、第1大入賞口と第2大入賞口のどちらに遊技球を入賞させればよいかを遊技者が認識し易いようにしてもよい。
以上、この実施例におけるパチンコ遊技機901にあっては、時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態においてパチンコ遊技機901の電力供給を停止し、クリアスイッチを操作せずにパチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際に、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで、パチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際において、遊技球を発射する遊技領域が演出表示装置905に表示されないことにより、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
また、この実施例のパチンコ遊技機901では、右打ち報知用LED9030の点灯態様は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合と遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合とで同一である一方で、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示態様は、遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合の第1態様と、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合の第2態様と、の2種類となっているので、遊技者は、右打ち報知画像の表示態様が第1態様であるか第2態様であるかを確認することで、パチンコ遊技機901が電力の供給が再開された状態であるのか否かを容易に認識することができる。
また、演出制御用CPU90120は、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示するので、演出表示装置905での電断復旧画面の表示の開始を指定するための専用コマンドや、演出表示装置905での右打ち報知画像の表示の開始を指定するための専用コマンドを設ける必要が無いので、コマンド数の増加を抑えることができる。更に、この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合以外のタイミングにおいても右打ち報知用LED点灯指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとによって細かく右打ち報知用LED9030の点灯・消灯と右打ち報知画像の表示開始・表示終了とを連動させることができる。
また、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に遊技制御用タイマ割り込み処理を実行するとともに、遊技制御用タイマ割り込み処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行し、同一割込のコマンド制御処理において電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドにて演出制御基板9012に対して電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドとを送信するので、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とすることができ、これら電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとが異なってしまうことにより、右打ち報知画像が遊技者から見逃されてしまう等の不都合の発生を防ぐことができる。
尚、この実施例では、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち報知画像の表示開始タイミングは、電断復旧画面の表示中であれば電断復旧画面の表示開始タイミングと異なっていてもよい。
また、この実施例のパチンコ遊技機901は、遊技球を発射すべき遊技領域が右遊技領域9010RであることをCPU90103による点灯制御と消灯制御とによって報知可能な右打ち表示部9025Dを備え、CPU90103は、右打ち表示部9025Dの点灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED点灯指定コマンドを送信し、右打ち表示部9025Dの消灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED消灯指定コマンドを送信するので、右打ち表示部9025Dの点灯状態と演出表示装置905における右打ち報知画像との表示状態とが連動するようになるため、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示を適切に実行することができる。
また、この実施例におけるパチンコ遊技機901は、第1大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第1特別可変入賞球装置907Aと、第2大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第2特別可変入賞球装置907Bと、を備え、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて賞球を付与する賞球処理(S9012)を実行可能であるとともに、小当り遊技中に第2大入賞口に入賞した遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことに基づいて遊技状態を大当り遊技状態に制御可能となっている。そして、演出表示装置905では、第1大入賞口や第2大入賞口が開放状態となったことに基づいて大入賞口開放中報知画像を表示するので、パチンコ遊技機901に電力の供給が再開された際に、第1大入賞口や第2大入賞口が遊技球の入賞可能な開放状態となったことを遊技者に認識させることができ、遊技球が発射されないことにより第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞せずに賞球が得られないことや、第3カウントスイッチ9024Bを遊技球が通過しないことにより大当り遊技状態に制御されない等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。
尚、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中が大当り遊技中や小当たり遊技中であれば、大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口や第2大入賞口が解放されるよりも前から演出表示装置5に表示し、遊技者に第1大入賞口や第2大入賞口から開放されることを認識させてもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中には、第1大入賞口や第2大入賞口が開放されても大入賞口開放中報知画像を表示しないようにしてもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中に第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった場合(普通可変入賞球装置906Bが通常開放状態から拡大開放状態に変化した場合)は、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった旨を報知する画像を演出表示装置905に表示してもよい。つまり、この実施例における手段6の「可変入賞装置」とは、この実施例のように第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bでもよいし、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置906Bであってもよい。
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれか一方のみが開放されたことに基づいて演出表示装置905に表示してもよい。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示してもよい。このようにすることで、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示するための個別のコマンドを設ける必要がなくなり、コマンド数の増加を抑えることができる。
具体的には、変形例1として図48〜図50に基づいて説明する。先ず、図48に示すように、本変形例1における遊技制御メイン処理では、CPU90103は、Sa901〜Sa908及びSa9041〜Sa9044の処理を実行した後、Sa9044の処理において特定した遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(Sa9046a)、Sa9048及びSa9015〜Sa9020の処理を実行する。尚、Sa46aにおいて送信設定された遊技状態指定コマンドはコマンド制御処理(S20)によって演出制御基板9012に対して送信される。
次いで、図49に示すように、演出制御用CPU90120は、S90701〜S90703を実行し、S90703において電断復旧指定コマンドの受信が有ると判定した場合、電源復旧指定コマンドともに受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定する(S90707a)。そして、該特定した遊技状態が通常状態であるか否かを判定し(S90707b)、特定した遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかである場合(S90707b;N)は、S90708及びS90709の処理を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始する。
尚、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行することで遊技状態が通常状態から大当り遊技状態や等に変化する場合は、S90704a〜S90704cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態ではない、つまり、大当り遊技状態であれば、S90705及びS90706を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始すればよい。そして、S90702において右打ち報知画像を第1態様で表示中であると判定した場合(S90702;Y)は、S90710a〜S90710cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態であれば、S90708及びS90709を実行して右打ち報知用LED9030の消灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を終了すればよい。
このように、本変形例1においては、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示させるための個別のコマンドを設ける必要が無いことによりコマンド数の増加を抑えつつ、遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドによって細かく演出表示装置905での電断復旧画面と右打ち報知画像との表示を実現することができる。
尚、本変形例1では、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた電断復旧指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した電断復旧指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、大当り遊技中に演出表示装置905において大当り遊技演出の表示を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技演出としては、1の演出だけでなく、複数の演出を実行可能としてもよい。また、大当り遊技演出として複数の演出を実行可能とする場合は、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能としてもよい。
また、このようにプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能なパチンコ遊技機1においては、演出の選択中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に予め定められた1の演出を大当り遊技演出として実行することによって、演出制御用CPU90120の処理の軽減を図れるようにしてもよい。
具体的には、変形例2として図51(A)〜図51(E)に示すように、演出制御用CPU90120は、演出図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示した後、大当り遊技の1ラウンド目において、該大当り遊技中に大当り遊技演出としてスピーカ908L,908Rから出力するBGM(楽曲)の選択肢を表示する(図51(B)に示す曲A、曲B、曲Cの選択肢)。
図51(B)に示す画面においては、遊技者等がプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によっていずれか1の選択肢を選択して決定操作を行うことで該図51(B)に示す画像の表示が終了し、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像の表示と、決定された選択肢に応じたBGMがスピーカ908L,908Rから出力される。
一方、未だいずれのBGMを出力するかが決定されていない状態、つまり、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901に電力が再投入されると、前記実施例と同じく演出表示装置905において右打ち用電断復旧画面と右打ち報知用画像を表示する。
そして、第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されて1ラウンド目が終了すると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像を表示するとともに、図51(B)にて表示した選択肢のうち、1のBGM(本変形例2では曲C)をスピーカ908L,908Rから出力するBGMとして決定し、該決定したBGMのスピーカ908L,908Rからの出力を開始する。
尚、本変形例2では、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを一義的に決定する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを表示した選択肢の中からランダムに決定してもよい。
また、前記実施例では、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態に制御されたことに基づいて演出表示装置905に右打ち報知画像を表示し、遊技者に対して右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態、つまり、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態に制御されている場合、演出制御用CPU90120は、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて演出表示装置905での表示やスピーカ908L,908Rでの音出力、遊技効果LED909の発光等により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知を行ってもよい。尚、このように、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知なパチンコ遊技機901においては、該警告報知の実行中に変動表示結果として演出図柄が大当りや小当りを示す組み合わせで導出表示された場合、該警告報知を停止するようにしてもよい。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際にCPU90103が電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することによって演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された際に演出制御用CPU90120にて実行中である処理の少なくとも一部を記憶可能な記憶部を演出制御基板9012上に設け、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、CPU90103から電断復旧指定コマンドや右打ち報知用LED点灯指定コマンド等の受信無しに該記憶部に記憶されている内容に基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示可能としてもよい。
また、前記実施例では、第1大入賞口や第2大入賞口を、右遊技領域9010Rを流下する遊技球のみが入賞可能なように右遊技領域9010Rに設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1大入賞口や第2入賞口は、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設けてもよい。尚、このように、第1大入賞口や第2入賞口を、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面とともに、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう促す左打ち報知画像を表示してもよい。つまり、この発明における「特定経路」とは、遊技領域の左右にかかわらず、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に開放状態である大入賞口が配置されている経路であればよい。
更に、遊技球を打ち出すことが可能な領域であれば、第1大入賞口や第2大入賞口を、演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の上部等の右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設けてもよい。このように、第1大入賞口や第2大入賞口を右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に遊技球を第1大入賞口や第2大入賞口が設けられた位置(例えば、センター飾り枠の上部等)に向けて打ち出すよう促す報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを点灯させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、右打ち報知用LED9030を点灯させなくともよい。また、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dを省略し、演出表示装置905にて特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示を行ってもよい。さらに、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとによる報知に代えて、スピーカ908L,908R等による音声出力による報知を行ってもよい。
また、前記実施例では、右打ち表示部9025Dの点灯及び消灯をCPU90103が制御し、右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯を演出制御用CPU90120が制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち表示部9025Dと右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯は、共にCPU90103が制御してもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU90103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機901における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技の終了後に時短制御が実施される(遊技状態が時短状態に制御される)大当り種別を設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技の終了後に変動表示結果が大当りとなる確率が上昇する確率変動制御が実施される大当り種別を設けてもよい。確率変動制御を実施可能なパチンコ遊技機901においては、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9023Bを通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に確率変動制御を実施するようにしてもよい。
1 パチンコ遊技機、9 演出表示装置、100 演出制御用マイクロコンピュータ、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、901 パチンコ遊技機、904A 第1特別図柄表示器、904B 第2特別図柄表示器、905 演出表示装置、9025D 右打ち表示部、9030 右打ち報知用LED、90103 CPU、90120 演出制御用CPU。

Claims (1)

  1. 変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    検出有効期間中における遊技者の動作を検出する動作検出手段と、
    所定表示を表示する所定表示手段と、
    前記所定表示が特定態様、または当該特定態様とは異なる特殊態様に変化したときに、遊技者に有利な報知を行う報知手段と、を備え、
    前記所定表示手段は、
    前記検出有効期間中において、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に第1作用演出を実行することにより、前記所定表示を前記特定態様に変化させる第1変化と、
    前記検出有効期間中において、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に前記第1作用演出を実行した後に、前記検出有効期間が終了する前であって前記所定表示が前記特定態様に変化していないときに、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記所定表示に前記第1作用演出とは異なる第2作用演出を実行することにより、前記所定表示を前記特殊態様に変化させる第2変化と、を実行可能であり、
    さらに、
    遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段と、
    遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理を実行可能な第1制御手段と、
    遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示と、前記復旧処理に関する復旧表示とを表示可能な表示手段と、
    前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な促進報知手段と、
    前記第1制御手段から送信される情報に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段と、を備え、
    前記第2制御手段は、
    前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能であり、
    異常が判定されたときに、該判定された異常についての報知を行うことが可能であり、
    新たに判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了して新たに判定された異常の報知を開始する一方、所定状態であるときに、新たな異常が判定された場合において、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続する
    ことを特徴とする遊技機。
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