本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。尚、以下の実施例においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。尚、遊技盤2の前面は、遊技機用枠(台枠)3に、開閉可能に設けられたガラス扉枠3aによって覆われている。尚、これらガラス扉枠3aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠3aを開放することはできないようになっている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。尚、本実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを方形状とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(演出表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
また、演出表示装置5の右上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域10Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち報知用LED30が設けられている。尚、本実施例の右打ち報知用LED30は、LED制御基板14を介して演出制御用CPU120によって点灯・消灯制御が実行される。
図1に示す例では、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部に、特図保留記憶数を発光により特定可能に表示するための第1保留表示部25Aと第2保留表示部25Bとが設けられている。第1保留表示部25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示部25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
更に、第1保留表示部25Aの上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯(発光)することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域10Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち表示部25Dが設けられている。尚、本実施例の右打ち表示部25Dは遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)によって点灯・消灯制御が実行される。
つまり、右打ち表示部25Dは、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20,第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普図保留表示部25Cと同じく発光により遊技に関する情報を報知可能な発光手段の一部である。また、本実施例における右打ち報知用LED30及び右打ち表示部25Dは、共に、左遊技領域10Lよりも右遊技領域10Rに近接して配置されている。このため、遊技者は、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態である場合に、視点を移動させることなく右打ち報知用LED30と右打ち表示部25Dとを視認することが可能となっている。
演出表示装置5の左右には、一般入賞口50A,50Dが設けられているとともに、一般入賞口50Aの下方の領域には、一般入賞口50B,50Cとが設けられている。また、演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図1中実線位置参照)と傾動位置(図1中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、一般入賞口50A,50B,50C,50Dを通過(進入)した遊技球は、図2に示す第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bが一体化された特別可変入賞球ユニット7が設けられている。
ここで、特別可変入賞球ユニット7の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図1に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、左部側が第1特別可変入賞球装置7Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置7Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット7の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット7内、特に第2特別可変入賞球装置7B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、該第1大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット7の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ23(図2参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23を通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置6Bに誘導され、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
図8に示す第2特別可変入賞球装置7Bは、第1特別可変入賞球装置7Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド83(図2参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉711を備え、該第2大入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置7Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉711は、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口を開放する第2状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第1状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図8に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24A内によって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
図8に示すように、第2特別可変入賞球装置7B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路750が形成されている。遊技球流路750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路740(図8中実線に沿う領域)と該主経路740から分岐する分岐路741(図8中点線に沿う領域)とを有する。主経路740と分岐路741との間には後述する逆流防止部材730が配設されている。また、主経路740における逆流防止部材730の上流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第1分岐部742が設けられており、主経路740における逆流防止部材730の下流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第2分岐部743が設けられている。つまり、主経路740を流下する遊技球は、第1分岐部742または第2分岐部743から分岐路741側に移動可能とされている。
主経路740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ24Bを通過することで、該第3カウントスイッチ24Bによって検出される。第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ24Cを通過することで、該第4カウントスイッチ24Cによって検出される。
尚、本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、本実施例のパチンコ遊技機1では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
主経路740における第1分岐部742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材721が設けられている。規制部材721は、ソレノイド85(図2参照)の駆動によって主経路740内に突出することで、遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路740内から退避することで遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路740に設けられている。このため、規制部材721が規制状態であるときに主経路740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部743を経由して分岐路741に向けて流下するように誘導される。
主経路740と分岐路741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路740側から接触したときに主経路740側から分岐路741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路740と分岐路741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路740と分岐路741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材721の上方には前方に向けて突出するリブ801が設けられており、逆流防止部材730は規制位置において該リブ801に正面視で反時計回り方向から当接する。
尚、逆流防止部材730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、逆流防止部材730の先端部と第2分岐部743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側から第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材730がリブ801に当接していることによって逆流防止部材730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材730の先端部と第2分岐部743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側から第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側への遊技球の移動が確実に規制される。
図1に戻って、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示部25Cが設けられている。普図保留表示部25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を発光により表示する。尚、通過ゲート41は、特別可変入賞球ユニット7における第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7B間に設置されている。尚、通過ゲート41内には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
本実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域10Lと右側の右遊技領域10Rとに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域10Lを流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域10Rを流下するようになっている。
また、左遊技領域10Lを流下した遊技球は、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B及び一般入賞口50A〜50Cに入賞可能であり、右遊技領域10Rを流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A、第2特別可変入賞球装置7B及び一般入賞口50Dに入賞可能、且つ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、本実施例では、第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bが第2状態に制御されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置7Aが第2状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、ターミナル基板(情報出力基板)16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板11には、図2に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ60、電磁波による不正を検知するための電波センサ70、パチンコ遊技機1に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ80、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉開放センサ90、第1大入賞口扉701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ91、第2大入賞口扉711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ92、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ93、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ94等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、図2において球切れセンサ94は、主基板11に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83に伝送する出力回路111、ターミナル基板16からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路112が搭載されている。
尚、出力回路111は、ソレノイド85を駆動させるためのコントローラ84にも接続されている。コントローラ84は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から起動信号を受信することでソレノイド85の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ84がソレノイド85を駆動することにより、規制部材721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED9や右打ち報知用LED30等の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、図13に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(図26参照)によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100Hは、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことで第3カウントスイッチ24Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
コマンドD200Hは、演出表示装置5に電断復旧画面を表示することを指定する電断復旧指定コマンドである。
コマンドD301Hは、右打ち報知用LED30の点灯を指定する右打ち報知用LED点灯指定コマンドである。
コマンドD302Hは、右打ち報知用LED30の消灯を指定する右打ち報知用LED消灯指定コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図6などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図6(A)に示す表示結果判定テーブル、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図6(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図6(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図6(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、MR1の値が図6(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1が図6(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、本実施例では、CPU103は、図6(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本実施例では、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図6(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、図6(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図6(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
ここで、本実施例における大当り種別について、図6(E)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
尚、本実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
また、図6(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
一方で、図6(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
また、図6(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1−1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図7に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図7に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果LED9の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S72、図24参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。図9に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sa1以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(Sa1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(Sa2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Sa3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(Sa4)、RAM102をアクセス可能状態に設定する(Sa5)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(Sa6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU103は、通常の初期化処理(Sa10〜Sa12)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、後述する電源断検出処理(図11参照)におけるSd2及びSd3の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Sa7)。
バックアップデータが格納されている場合、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(Sa8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sa8では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(Sa41〜Sa48の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(Sa42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。Sa41およびSa42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、CPU103は、バックアップデータから電断発生時の遊技状態を特定し(Sa44)、該特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれか、つまり、本実施例において遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態であるか否かを判定する(Sa45)。
バックアップデータから特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれかである場合(Sa45;Y)、CPU103は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(Sa46)、右打ち表示部25Dの点灯を開始する。そして、電断復旧指定コマンドの送信設定を行い(Sa48)、Sa15に進む。尚、遊技状態が遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態である場合(Sa45;N)は、Sa46及びSa47の処理を実行せずにSa48の処理のみを実行してSa15に進む。尚、Sa46において送信設定される右打ち報知用LED点灯指定コマンドとSa48において送信設定される電断復旧指定コマンドとは、後述するコマンド制御処理において演出制御基板12に対して送信される。
尚、バックアップデータが格納されていない場合(Sa7;N)やパリティチェックの結果が正常でない場合(Sa8;N)場合は、初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(Sa10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(Sa12)。
Sa11およびSa12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
Sa48またはSa12の実行後、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Sa15)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に特図表示結果判定用の乱数値MR1の値を更新させるための設定を行う。
そして、Sa16において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU103は、表示用乱数更新処理(Sa18)および初期値用乱数更新処理(Sa19)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(Sa17)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(Sa20)。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図10に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電源断検出処理を実行する(S10)。そして、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24C、第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24C、第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dといった各種スイッチから入力された検出信号に応じて賞球を払い出すための賞球処理を実行する(S12)。 その後、所定のメイン側エラー処理(S15)を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、払出情報などのデータを出力する(S16)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1や乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S17)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S18)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S19)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S20)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
図11は、本実施例の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電源断検出処理では、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd1)。電源断信号の入力が無い場合は電源断検出処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、バックアップデータを特定し(Sd2)、該特定したバックアップデータをRAM102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd3)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd4)、パチンコ遊技機1が電源断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。尚、電源断信号は電源電圧が所定値以下に低下した場合に継続して出力されるので、本実施例における電源断検出処理では、チェックデータの作成後(Sd4の実行後)にループ処理に移行することで、新たなバックアップデータをバックアップデータ格納領域に格納しないようになっている。このため、例えば、新たなバックアプデータの格納中に電源電圧が更に低下することで正常にバックアップデータ格納領域に新たなバックアップデータが格納されなくなってしまうことが防止されている。
図12は、本実施例のメイン側エラー処理(S15)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU103は、まず、演出制御基板12側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S401)
異常報知中タイマが動作中でない場合(S401;N)にはS402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S401;Y)には、S420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S421;N)には、S402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S422)、S402に進む。
S402においては、図13に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。本実施例のパチンコ遊技機1では、図13に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機1の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
本実施例では、図13に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図13に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ70による電磁波の検出や磁気センサ60による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ23や第2カウントスイッチ24Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図13に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ80により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bの作動時に振動センサ80により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bの作動時に振動センサ80により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
また、各エラー(異常)には、図13に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板16からパチンコ遊技機1の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(本実施例では4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、本実施例の異常判定処理においてCPU103は、主基板11に接続されている磁気センサ60、電波センサ70、振動センサ80、扉開放センサ90、第1大入賞口扉センサ91、第2大入賞口扉センサ92、満タンセンサ93、球切れセンサ94の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24Aの遊技球の検知状態等に基づいて、図13に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S403)、異常の発生を判定していない場合(S403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S404;N)には、S410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S411に進む。
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S404;Y)には、S410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S405)、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S406)。
S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S406;N)には、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S407)。S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S413の処理が実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板12に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS402にて判定されても、S413の処理やS414の処理が実行されることがないため、演出制御基板12に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S411;N)には、S412を経由することなくS413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S412)、S413に進む。
S413においては、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板12に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S16)において、ターミナル基板16からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
尚、S413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S20のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板12に送信される。そして、演出制御基板12においては、後述するエラー報知処理(図26参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1の主基板11においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板12においては、後述するエラー報知処理(図26参照)が実行されることにより、図14に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に図13に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、図14(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒に亘って演出表示装置5において表示されることにより報知される。
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、図14(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、図14(B)に示すように、演出表示装置5の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置5に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、図14(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機1の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図10に示すS18にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S31の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉701用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(本実施例では「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S29の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
尚、本実施例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
S30の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ24Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉711用のソレノイド83に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S31の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図16は、特別図柄通常処理として、図15のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファに応じた大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。このとき、CPU103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図6(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図6(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶してS156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S151a)。「小当り」であると判定された場合には(S151a;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S151b)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図6(D)参照)を選択してセットする(S151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S151d)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S151e)、決定された小当り種別を記憶してS156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、特別図柄停止処理として、図15のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S189aに移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S185)。尚、S185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S17)にて演出制御基板12に送信される。
更にCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新し(S189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S189aにおいてCPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S189a;Y)には、S190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S189a;Y)、CPU103は、演出制御基板12に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S189b)。尚、S189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S17)にて演出制御基板12に送信される。
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S189d)。また、時短回数カウンタの値を−1し(S189e)、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(S189f)。時短回数カウンタの値が0となっている場合は(S189g;Y)、時短フラグをクリアしてS189hに進み(S189g)、時短回数カウンタの値が0となっていない場合は(S189g;N)、S189gを実行せずにS189hに進む。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S26)に対応した値である“7”に更新し(S189h)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S198に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS198に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(S195)。そして、CPU103は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S196)、右打ち表示部25Dを消灯してS198に進む(S197)。尚、S196において送信設定された右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S20)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。
そして、CPU103は、S198において、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図18は、大当り開放前処理として、図15のS26にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU103は、既に右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を実行したことを示す右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを判定する(S301)。右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされていない場合(S301;N)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信設定を行うとともに(S302)、右打ち表示部を点灯させる(S303)。そして、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをセットしてS305に進む(S304)。尚、S302において送信設定された右打ち報知用LED点灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S20)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。尚、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされている場合(S301;Y)は、S302〜S304を実行せずにS305に進む。
S305においてCPU103は、大当り表示時間タイマを−1する。そして、大当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S306)。大当り表示時間タイマがタイマアウトした場合(S306;Y)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをクリアし(S307)、開放時間タイマをセットする(S308)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に応じた値にセットして大当り開放前処理を終了する(S309)。尚、大当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)は、S307〜S309を実行せずに大当り開放前処理を終了する。
図19は、大当り終了処理として、図15のS28にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S311)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S311;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S312)、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S311;Y)には、大当り終了表示タイマの値を−1する(S313)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S314)。経過していなければ大当り終了処理を終了する。また、大当り終了表示時間を経過していれば(S314;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が大当りAまたは大当りDであるかを判定する(S315)。
大当り種別が大当りAまたは大当りDである場合(S315;Y)には、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S316a)、右打ち表示部を消灯してS319に進む(S316b)。尚、S316aにおいて送信設定される右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S20)を実行することで演出制御基板12に対して送信される。また、大当り種別が大当りB、大当りC、大当りEのいずれかである場合(S315;N)、CPU103は、時短フラグをセットし(S317)、時短回数カウンタに「100」をセットした後(S318)、S319に進む。
S319では、CPU103は、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S320)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S322)。尚、S320において送信設定される大当り終了指定コマンドとS321において送信設定される遊技状態指定コマンドとは、コマンド制御処理(S20)を実行することで演出制御基板12に対して送信される。
図20は、小当り開始前処理として、図15のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマに予め定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S30)に対応した値である“8”に更新し(S204)、当該小当り開放前処理を終了する。
図21は、小当り開放中処理として、図15のS30にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S211)。そして、CPU103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S212)。
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S212;Y)、S230に進み、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU103は第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S215)、S216に移行する。尚、S215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S20)にて演出制御基板12に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S213;N)、S214及びS215を経由せずにS216に進む。
S216において、CPU103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S216;Y)、CPU103は第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S218)、S223に進む。尚、S218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S20)にて演出制御基板12に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S216;N)、S217及びS218を経由せずにS223に進む。
S223において、CPU103は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S223)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は(S223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなっている場合は(S223;Y)、既に第3カウントスイッチ24Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S224;N)、V入賞フラグをセットする(S225)。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S227)。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S20)において演出制御基板12に送信される。また、CPU103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S228)、開放時間タイマをクリアする(S229)。
そして、S230において、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S31)に対応した値である“9”に更新し(S230)、当該小当り開放中処理を終了する。
図22は、小当り終了処理として、図15のS31にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S231;N)、小当りフラグをクリアし(S232)、演出制御基板12に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S233)。尚、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S20)において演出制御基板12に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S234)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S236;N)、CPU103は第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S237)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は(S237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなっている場合は(S237;Y)、既に第3カウントスイッチ24Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S238;N)、V入賞フラグをセットする(S239)。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S241)、小当り終了処理を終了する。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S20)において演出制御基板12に送信される。
また、S236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S236;Y)、CPU103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S242)。V入賞フラグがセットされている場合は(S242;Y)、CPU103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S243、S244)。そして、CPU103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S246)。尚、大当り種別は、図6(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S247)、決定された大当り種別を記憶してS248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
S247の実行後、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新し(S248)、小当り終了処理を終了する。
つまり、本実施例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
尚、S242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S242;N)、CPU103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S249)。時短フラグがセットされている場合はS253に進み、時短フラグがセットされていない場合は、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行うとともに(S250)、右打ち報知用LED消灯指定コマンド送信設定を行う(S251)。尚、遊技状態指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとは、前述したコマンド制御処理(S20)において演出制御基板12に送信される。また、CPU103は、右打ち表示部25Dを消灯してS253に進む。
そして、CPU103は、S253において特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S22)に対応した値である“0”に更新し、小当り終了処理を終了する。
以上のように、本実施例では、CPU103が特別図柄プロセス処理における各処理を実行することで、時短状態や小当り遊技状態、大当り遊技状態中等の打球操作ハンドルの操作により遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態においては右打ち表示部25Dが点灯し、打球操作ハンドルの操作により遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態においては右打ち表示部25Dが消灯するようになっている。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図23は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。そして、図26に示すエラー報知処理(S57)と図27に示す電断復旧画面表示処理(S59)を実行した後、S52に移行する。
図24は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態である場合に、演出表示装置5での表示や右打ち報知用LED30の点灯によって遊技者に対して右打ちを行う遊技状態であることを報知する右打ち報知処理(S71)と、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理(S72)と、を実行する。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S82のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)、小当り表示処理(S80)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御や大当り遊技演出の表示制御及び音出力制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S80):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S81)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S81):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S82)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S82):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)または大当り表示処理(S77)に対応した値に更新する。
本実施例では、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止された後に電力の供給が再開された場合は、演出制御基板12側のみ動作が不安定となっており、遊技球の発射を含めた遊技自体は続行可能となっている。このため、特に、本実施例のような変動表示を実行して大当り遊技状態に制御可能であるとともに、小当り遊技中に遊技球が特定領域(本実施例では第3カウントスイッチ24B)を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能なタイプのパチンコ遊技機(所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機)や、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技終了後に確率変動制御が実施されるパチンコ遊技機においては、演出表示装置5に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで遊技者に対して遊技球を右遊技領域10Rに対して打ち出すよう促さなければ、遊技球が特定領域を通過する機会を失ってしまい、遊技者の不利益が発生する。また、遊技場の店員等においても、パチンコ遊技機1において電断復旧画面が表示されている場合には、遊技者に対して電断復旧画面の表示が終了するまで遊技球の発射の停止を促すことがあり、遊技店側としてもパチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際の適切な対応を行うことができない場合が考えられる。このような理由から、本実施例のパチンコ遊技機1においては、以下に示す右打ち報知処理や電断復旧画面表示処理を実行することで、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に、遊技者の不利益の発生を低減することができるようになっている。
図25は、本実施例の右打ち報知処理(S71)を示すフローチャートである。右打ち報知処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5において右打ち報知画像を第2態様で表示中であるか否かを判定する(S701)。尚、右打ち報知画像とは、時短状態や大当り遊技中、小当り遊技中であることを報知するために、演出表示装置5の右上部において右遊技領域10R側を向くように表示される右向き矢印の画像である。また、本実施例における該右打ち報知画像の表示態様としては、第1態様と前述した第2態様とを演出表示装置5にて表示可能となっており、第2態様は、第1態様よりも大きな右向き矢印の画像を表示する態様である。
右打ち報知画像を第2態様で表示中である場合(S701;Y)は、S713に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中または右打ち報知画像を表示していない場合(S701;N)は、更に、右打ち報知画像を第1態様で表示中であるか否かを判定する(S702)。右打ち報知画像を第1態様で表示中である場合は(S702;Y)、S710に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中でない場合、つまり、右打ち報知画像を表示していない場合(S702;N)は、S703に進む。
S703において演出制御用CPU120は、電源復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。電源復旧指定コマンドの受信が有る場合(S703;Y)は、S707に進み、電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(S703;N)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S704)。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S704;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S704;Y)、演出制御用CPU120は、LED制御基板14を制御することによって右打ち報知用LED30の点灯を開始する(S705)。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の右上部において右打ち報知画像の表示を第1態様にて開始し(S706)、右打ち報知処理を終了する。
また、S707において演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S707;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S707;Y)、演出制御用CPU120は、LED制御基板14を制御することによって右打ち報知用LED30の点灯を開始する(S708)。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の右上部において右打ち報知画像の表示を第2態様にて開始し(S709)、右打ち報知処理を終了する。
また、S710において演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が無い場合(S710;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有る場合(S710;Y)、演出制御用CPU120は、LED制御基板14を制御することによって右打ち報知用LED30を消灯する(S711)。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の右上部における右打ち報知画像の表示終了し(S712)、右打ち報知処理を終了する。
また、S713において演出制御用CPU120は、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信がある場合(S713;Y)は、S711及びS712の処理(右打ち報知用LED30の消灯及び右打ち報知画像の表示終了)を実行して右打ち報知処理を終了し、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれのコマンドの受信もない場合(S713;N)は、S711及びS712の処理を実行せずに右打ち報知処理を終了する。
つまり、本実施例では、遊技中に遊技状態が遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御されると、演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED30を点灯するとともに、演出表示装置5の右上部に右打ち報知画像を第1態様にて表示する。そして、遊技状態が遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出す遊技状態(通常状態)に制御されると、演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED30を消灯するとともに、第1態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機1への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機1への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機1への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、右打ち報知用LED30を点灯するとともに、演出表示装置5に右打ち用電断復旧画面を第2態様にて表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED30を消灯するとともに、第2態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
また、図10、図17、図19、図22及び図25に示すように、本実施例では、CPU103が所定時間(例えば2ms)毎に定期的に遊技制御用タイマ割込処理においてコマンド制御処理(S20)を実行して右打ち報知用LED点灯指定コマンドや右打ち報知用LED消灯指定コマンドを演出制御基板12に向けて送信することによって、CPU103が右打ち表示部25Dを点灯させることに連動して演出制御用CPU120が右打ち報知用LED30を点灯させ、CPU103が右打ち表示部25Dを消灯させることに連動して演出制御用CPU120が右打ち報知用LED30を消灯させていることができる。このため、遊技者は、右打ち表示部25Dを視認せずとも、右打ち報知用LED30を視認することによって遊技状態が遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかであるか否かを判別することが可能となっている。
図26は、本実施例のエラー報知処理(S57)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用CPU120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S501)。
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S502に進む。
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S511)。
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S511;N)には、S512とS513を経由することなくS502に進む。
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S512)、実行中のエラー報知を終了して(S513)、S502に進む。
S502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板11から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S54)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置5に表示する内容と、遊技効果LED9の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S506)。
次いで、S504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
図27は、本実施例の電断復旧画面表示処理(S59)を示すフローチャートである。電断復旧画面表示処理では、演出制御用CPU120は、先ず、後述する復旧画面表示プロセスタイマの動作中であるか否か、つまり、演出表示装置5において電断復旧画面の表示中であるか否かを判定する(S611)。復旧画面表示プロセスタイマの動作中である場合(S611;Y)はS618に進み、復旧画面表示プロセスタイマの動作中でない場合(S611;N)は、電断復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S612)。電断復旧指定コマンドの受信が無い場合(S612;N)は、電断復旧画面表示処理を終了し、電断復旧指定コマンドの受信が有る場合(S612;Y)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S613)。
右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S613;N)は、演出表示装置5において遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(左打ち用電断復旧画面)を表示するための左打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS616に進み(S614)、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S613;Y)は、演出表示装置5において遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)を表示するための右打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS616に進む(S615)。
そして、S615において演出制御用CPU120は、S614またはS615において選択した復旧画面表示プロセステーブルの復旧画面表示プロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。尚、S614またはS615において選択される復旧画面表示プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各復旧画面表示プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、復旧画面表示プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1や音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての演出用部品としてのスピーカ8L,8R等)の制御を実行し、電断復旧画面の表示を開始する(S617)。例えば、演出表示装置5においてS614またはS615にて選択した復旧画面表示プロセステーブルに応じた電断復旧画面を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、電断復旧画面表示処理を終了する。
一方、S618において演出制御用CPU120は、復旧画面表示プロセスタイマの値を−1する。そして、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S619)。復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトした場合(S619;Y)は、復旧画面表示プロセスデータの切り替えを行う(S620)。即ち、復旧画面表示プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を復旧画面表示プロセスタイマに設定することによって復旧画面表示プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S621)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S622)。そして、S624に進む。
一方、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S619;N)は、復旧画面表示プロセスタイマに対応する復旧画面表示プロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S623)、S624に進む。
そして、S624において演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドの受信が有る場合(S624;Y)は、演出表示装置5において表示中の電断復旧画面に加えて、演出表示装置5に大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する大入賞口開放中報知画像の表示を開始してS629に進む。また、大入賞口開放中指定コマンドの受信が無い場合(S624;N)は、大入賞口開放中報知画像の表示中であるか否かを判定する(S626)。大入賞口開放中報知画像の表示中でない場合(S626;N)はS629に進み、大入賞口開放中報知画像の表示中である場合(S626;Y)は、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有るか否か、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されたか否かを判定する(S627)。大入賞口解放後指定コマンドの受信が無い場合(S627;N)は電断復旧画面表示処理を終了し、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有る場合(S627;Y)は、大入賞口開放中報知画像の表示を終了してS630に進む(S628)。
そして、S629において演出制御用CPU120は、図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信が有る場合(S629;Y)は、復旧画面表示プロセスタイマをクリアし、電断復旧画面の表示を終了して電断復旧画面表示処理を終了する。また、図柄確定コマンドと当り終了指定コマンドとのいずれのコマンドの受信も無い場合(S629;N)は、S630を実行せずに電断復旧画面表示処理を終了する。
つまり、本実施例では、演出制御用CPU120は、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機1への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機1への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機1への電力の供給を停止した時点の遊技状態が通常状態であれば、演出表示装置5に左打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動が停止すると、演出制御用CPU120は、左打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
また、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機1への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合、パチンコ遊技機1への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に右打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU120は、右打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
更に、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中コマンドを受信する、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放されると、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に大入賞口開放中報知画像を表示し、遊技者に対して第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する。このように本実施例では、大当り遊技中や小当り遊技中に電断復旧画面の表示中であっても、演出表示装置5に大入賞口開放中報知画像が表示されることによって遊技者に対して遊技球が第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞するように右遊技領域10Rに向けて遊技球を打ち出すよう促すことができるので、大当り遊技中に第1大入賞口や第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技者が得られる賞球数が少なくなってしまうことや、小当り遊技中に第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過せず、大当り遊技が開始される(大当り遊技状態に制御される)可能性が無くなってしまうこと等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。つまり、本実施例における遊技価値とは、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口に入賞したことにより付与される賞球数と、遊技球が第2大入賞口に入賞した後に第3カウントスイッチ24Bを通過したことで大当り遊技状態に制御されることを指す。
尚、本実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口または第2大入賞口の開放中の期間のみ表示する形態、つまり、第1大入賞口または第2大入賞口の開放が繰り返されることにより大入賞口開放中報知画像の表示と非表示とが繰り返し実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、或いは、大当り遊技または小当り遊技において最後の第1大入賞口または第2大入賞口の開放が終了するまで継続して表示してもよい。
また、本実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知するために、演出表示装置5に大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることの報知は、演出表示装置5での画像の表示に加えて、或いは替えて、スピーカ8L,8Rからの音出力、遊技効果LED9の発光等により実行してもよい。
次に、本実施例における右打ち報知用LED30の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様について、図28及び図29に基づいて説明する。
先ず、遊技状態が通常状態である場合について説明する。図28(A)に示すように、通常状態は遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED30は消灯している。図28(B)に示すように、該通常状態での変動表示の実行中に振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1に再度電力の供給が開始されると、図28(C)に示すように、演出表示装置5に左打ち用電断復旧画面として「復旧中 しばらくおまちください」等のメッセージが表示される。
次に、遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態である場合について説明する。尚、本実施例では、時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態における右打ち報知用LED30の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様は同一であるので、小当り遊技状態での例を説明する。
図29(A)に示すように、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)は遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED30は点灯している。また、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)中は、演出表示装置5の右上部において右打ち報知画像が第1態様にて表示されている。
図29(B)に示すように、該小当り遊技で振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1に再度電力の供給が開始されると、図29(C)に示すように、演出表示装置5に右打ち用電断復旧画面として「復旧中 右打ちを続けて下さい」等のメッセージが表示される。
尚、右打ち用電断復旧画面の表示中は、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止された時点での遊技状態が小当り遊技状態であるので、右打ち報知用LED30が点灯しており、演出表示装置5の右上部において右打ち報知画像が第2態様にて表示されている。そして、右打ち用電断復旧画面の表示中に第2大入賞口(大当り遊技中は第1大入賞口または第2大入賞口)が開放されると、演出表示装置5の下部に大入賞口開放中報知画像として「大入賞口が開いています」等のメッセージが表示される。
尚、本実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで共通の大入賞口開放中報知置画像を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示してもよい。
また、本実施例では右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで共通の大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示し、第1大入賞口と第2大入賞口のどちらに遊技球を入賞させればよいかを遊技者が認識し易いようにしてもよい。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態においてパチンコ遊技機1の電力供給を停止し、クリアスイッチを操作せずにパチンコ遊技機1に電力の供給を再開した際に、演出表示装置5に右打ち用電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで、パチンコ遊技機1に電力の供給を再開した際において、遊技球を発射する遊技領域が演出表示装置5に表示されないことにより、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、右打ち報知用LED30の点灯態様は、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された場合と遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合とで同一である一方で、演出表示装置5における右打ち報知画像の表示態様は、遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合の第1態様と、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された場合の第2態様と、の2種類となっているので、遊技者は、右打ち報知画像の表示態様が第1態様であるか第2態様であるかを確認することで、パチンコ遊技機1が電力の供給が再開された状態であるのか否かを容易に認識することができる。
また、演出制御用CPU120は、CPU103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示するので、演出表示装置5での電断復旧画面の表示の開始を指定するための専用コマンドや、演出表示装置5での右打ち報知画像の表示の開始を指定するための専用コマンドを設ける必要が無いので、コマンド数の増加を抑えることができる。更に、本実施例では、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された場合以外のタイミングにおいても右打ち報知用LED点灯指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとによって細かく右打ち報知用LED30の点灯・消灯と右打ち報知画像の表示開始・表示終了とを連動させることができる。
また、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に遊技制御用タイマ割り込み処理を実行するとともに、遊技制御用タイマ割り込み処理においてコマンド制御処理(S20)を実行し、同一割込のコマンド制御処理において電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドにて演出制御基板12に対して電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドとを送信するので、演出表示装置5における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とすることができ、これら電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとが異なってしまうことにより、右打ち報知画像が遊技者から見逃されてしまう等の不都合の発生を防ぐことができる。
尚、本実施例では、演出表示装置5における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、右打ち報知画像の表示開始タイミングは、電断復旧画面の表示中であれば電断復旧画面の表示開始タイミングと異なっていてもよい。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技球を発射すべき遊技領域が右遊技領域10RであることをCPU103による点灯制御と消灯制御とによって報知可能な右打ち表示部25Dを備え、CPU103は、右打ち表示部25Dの点灯制御に伴って演出制御基板12に対して右打ち報知用LED点灯指定コマンドを送信し、右打ち表示部25Dの消灯制御に伴って演出制御基板12に対して右打ち報知用LED消灯指定コマンドを送信するので、右打ち表示部25Dの点灯状態と演出表示装置5における右打ち報知画像との表示状態とが連動するようになるため、演出表示装置5における右打ち報知画像の表示を適切に実行することができる。
また、本実施例におけるパチンコ遊技機1は、第1大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第1特別可変入賞球装置7Aと、第2大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第2特別可変入賞球装置7Bと、を備え、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて賞球を付与する賞球処理(S12)を実行可能であるとともに、小当り遊技中に第2大入賞口に入賞した遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて遊技状態を大当り遊技状態に制御可能となっている。そして、演出表示装置5では、第1大入賞口や第2大入賞口が開放状態となったことに基づいて大入賞口開放中報知画像を表示するので、パチンコ遊技機1に電力の供給が再開された際に、第1大入賞口や第2大入賞口が遊技球の入賞可能な開放状態となったことを遊技者に認識させることができ、遊技球が発射されないことにより第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞せずに賞球が得られないことや、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過しないことにより大当り遊技状態に制御されない等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。
尚、本実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置5に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中が大当り遊技中や小当たり遊技中であれば、大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口や第2大入賞口が解放されるよりも前から演出表示装置5に表示し、遊技者に第1大入賞口や第2大入賞口から開放されることを認識させてもよい。
また、本実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置5に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中には、第1大入賞口や第2大入賞口が開放されても大入賞口開放中報知画像を表示しないようにしてもよい。
また、本実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置5に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中に第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった場合(普通可変入賞球装置6Bが通常開放状態から拡大開放状態に変化した場合)は、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった旨を報知する画像を演出表示装置5に表示してもよい。つまり、本実施例における手段6の「可変入賞装置」とは、本実施例のように第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bでもよいし、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bであってもよい。
また、本実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置5に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれか一方のみが開放されたことに基づいて演出表示装置5に表示してもよい。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機1の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出制御用CPU120は、電力の供給が再開された際に、CPU103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120は、電力の供給が再開された際に、CPU103から遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示してもよい。このようにすることで、演出表示装置5に右打ち報知画像を表示するための個別のコマンドを設ける必要がなくなり、コマンド数の増加を抑えることができる。
具体的には、変形例1として図30〜図32に基づいて説明する。先ず、図30に示すように、本変形例1における遊技制御メイン処理では、CPU103は、Sa1〜Sa8及びSa41〜Sa44の処理を実行した後、Sa44の処理において特定した遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(Sa46a)、Sa48及びSa15〜Sa20の処理を実行する。尚、Sa46aにおいて送信設定された遊技状態指定コマンドはコマンド制御処理(S20)によって演出制御基板12に対して送信される。
次いで、図31に示すように、演出制御用CPU120は、S701〜S703を実行し、S703において電断復旧指定コマンドの受信が有ると判定した場合、電源復旧指定コマンドともに受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定する(S707a)。そして、該特定した遊技状態が通常状態であるか否かを判定し(S707b)、特定した遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかである場合(S707b;N)は、S708及びS709の処理を実行して右打ち報知用LED30の点灯と演出表示装置5での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始する。
尚、CPU103が特別図柄プロセス処理を実行することで遊技状態が通常状態から大当り遊技状態や等に変化する場合は、S704a〜S704cの処理に示すように、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態ではない、つまり、大当り遊技状態であれば、S705及びS706を実行して右打ち報知用LED30の点灯と演出表示装置5での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始すればよい。そして、S702において右打ち報知画像を第1態様で表示中であると判定した場合(S702;Y)は、S710a〜S710cの処理に示すように、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態であれば、S708及びS709を実行して右打ち報知用LED30の消灯と演出表示装置5での第1態様の右打ち報知画像の表示を終了すればよい。
このように、本変形例1においては、演出表示装置5に右打ち報知画像を表示させるための個別のコマンドを設ける必要が無いことによりコマンド数の増加を抑えつつ、遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドによって細かく演出表示装置5での電断復旧画面と右打ち報知画像との表示を実現することができる。
尚、本変形例1では、CPU103は、パチンコ遊技機1に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して送信し、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した遊技状態指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置5に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103は、パチンコ遊技機1に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた電断復旧指定コマンドを演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して送信し、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した電断復旧指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置5に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、大当り遊技中に演出表示装置5において大当り遊技演出の表示を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技演出としては、1の演出だけでなく、複数の演出を実行可能としてもよい。また、大当り遊技演出として複数の演出を実行可能とする場合は、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能としてもよい。
また、このようにプッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能なパチンコ遊技機1においては、演出の選択中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に予め定められた1の演出を大当り遊技演出として実行することによって、演出制御用CPU120の処理の軽減を図れるようにしてもよい。
具体的には、変形例2として図33(A)〜図33(E)に示すように、演出制御用CPU120は、演出図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示した後、大当り遊技の1ラウンド目において、該大当り遊技中に大当り遊技演出としてスピーカ8L,8Rから出力するBGM(楽曲)の選択肢を表示する(図33(B)に示す曲A、曲B、曲Cの選択肢)。
図33(B)に示す画面においては、遊技者等がプッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作によっていずれか1の選択肢を選択して決定操作を行うことで該図33(B)に示す画像の表示が終了し、演出表示装置5に大当り遊技演出としての画像の表示と、決定された選択肢に応じたBGMがスピーカ8L,8Rから出力される。
一方、未だいずれのBGMを出力するかが決定されていない状態、つまり、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機1に電力が再投入されると、前記実施例と同じく演出表示装置5において右打ち用電断復旧画面と右打ち報知用画像を表示する。
そして、第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されて1ラウンド目が終了すると、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に大当り遊技演出としての画像を表示するとともに、図33(B)にて表示した選択肢のうち、1のBGM(本変形例2では曲C)をスピーカ8L,8Rから出力するBGMとして決定し、該決定したBGMのスピーカ8L,8Rからの出力を開始する。
尚、本変形例2では、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開されてから、スピーカ8L,8Rから出力するBGMを一義的に決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開されてから、スピーカ8L,8Rから出力するBGMを表示した選択肢の中からランダムに決定してもよい。
また、前記実施例では、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域10Rに向けて打ち出す遊技状態に制御されたことに基づいて演出表示装置5に右打ち報知画像を表示し、遊技者に対して右遊技領域10Rに向けて遊技球を打ち出すよう促す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態、つまり、遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出す遊技状態に制御されている場合、演出制御用CPU120は、遊技球が右遊技領域10Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて演出表示装置5での表示やスピーカ8L,8Rでの音出力、遊技効果LED9の発光等により遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出すよう警告報知を行ってもよい。尚、このように、遊技球が右遊技領域10Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出すよう警告報知なパチンコ遊技機1においては、該警告報知の実行中に変動表示結果として演出図柄が大当りや小当りを示す組み合わせで導出表示された場合、該警告報知を停止するようにしてもよい。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際にCPU103が電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドを演出制御基板12に対して送信することによって演出表示装置5に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止された際に演出制御用CPU120にて実行中である処理の少なくとも一部を記憶可能な記憶部を演出制御基板12上に設け、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際には、CPU103から電断復旧指定コマンドや右打ち報知用LED点灯指定コマンド等の受信無しに該記憶部に記憶されている内容に基づいて演出表示装置5に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示可能としてもよい。
また、前記実施例では、第1大入賞口や第2大入賞口を、右遊技領域10Rを流下する遊技球のみが入賞可能なように右遊技領域10Rに設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1大入賞口や第2入賞口は、左遊技領域10Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設けてもよい。尚、このように、第1大入賞口や第2入賞口を、左遊技領域10Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に、演出表示装置5に左打ち用電断復旧画面とともに、遊技球を左遊技領域10Lに向けて打ち出すよう促す左打ち報知画像を表示してもよい。つまり、本発明における「特定経路」とは、遊技領域の左右にかかわらず、パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に開放状態である大入賞口が配置されている経路であればよい。
更に、遊技球を打ち出すことが可能な領域であれば、第1大入賞口や第2大入賞口を、演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の上部等の右遊技領域10Rや左遊技領域10L以外の領域に設けてもよい。このように、第1大入賞口や第2大入賞口を右遊技領域10Rや左遊技領域10L以外の領域に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に、演出表示装置5に遊技球を第1大入賞口や第2大入賞口が設けられた位置(例えば、センター飾り枠の上部等)に向けて打ち出すよう促す報知画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際に、右打ち報知用LED30と右打ち表示部25Dとを点灯させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機1への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機1への電力の供給が再開された際には、右打ち報知用LED30を点灯させなくともよい。また、前記実施例における右打ち報知用LED30と右打ち表示部25Dを省略し、演出表示装置5にて特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示を行ってもよい。さらに、前記実施例における右打ち報知用LED30と右打ち表示部25Dとによる報知に代えて、スピーカ8L,8R等による音声出力による報知を行ってもよい。
また、前記実施例では、右打ち表示部25Dの点灯及び消灯をCPU103が制御し、右打ち報知用LED30の点灯及び消灯を演出制御用CPU120が制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、右打ち表示部25Dと右打ち報知用LED30の点灯及び消灯は、共にCPU103が制御してもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技の終了後に時短制御が実施される(遊技状態が時短状態に制御される)大当り種別を設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技の終了後に変動表示結果が大当りとなる確率が上昇する確率変動制御が実施される大当り種別を設けてもよい。確率変動制御を実施可能なパチンコ遊技機1においては、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ23Bを通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に確率変動制御を実施するようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技媒体(例えば、遊技球)を使用した遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa41〜Sa48)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域10R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、前記復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置5)と、前記表示手段とは異なる手段であって、前記特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED30)と、前記第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、前記表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、前記第2制御手段は、前記復旧表示とともに前記促進表示を表示する制御が可能であり(例えば、図25及び図27に示すように、演出制御用CPU120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置5に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)、さらに、前記表示手段は、 遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)への制御の期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図46(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像9094による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図46(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像9095等)とを表示可能であるとともに、態様の異なる複数種類の要素(図46(a),(d)に示す要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像を表示可能であり、前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図46(a),(d)に示すシャッター画像9094、リーチタイトル画像9095のいずれにも要素E901〜E905が含まれるように表示する等)遊技機が挙げられる。
この特徴によれば、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。また、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができる。これにより、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、復旧表示および促進表示を表示する表示手段と示唆表示を表示する表示手段は、同一の表示装置(例えば画像表示可能な演出表示装置)で構成してもよいし、別個の表示装置で構成してもよい。また、別個の表示装置で構成する場合に、復旧表示と促進表示とを同じ表示装置で表示してもよいし、異なる表示装置で表示してもよい。また、別個の表示装置で構成する場合に、復旧表示および促進表示と示唆表示を行う表示装置と、復旧表示および促進表示を行う(示唆表示を行わない)表示装置、あるいは、示唆表示を行う(復旧表示および促進表示を行わない)表示装置と、を組み合わせるようにしてもよい。
さらに、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができ、また、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができ、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、前記有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図46(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像9094による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図46(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像9095等)による表示とを表示可能な表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100,演出表示装置909等)を備え、前記表示手段は、態様の異なる複数種類の要素(図46(a),(d)に示す要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像(図46(a),(d)に示すフルーツ柄等)を表示可能であり、前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図46(a),(d)に示すシャッター画像9094、リーチタイトル画像9095のいずれにも要素E901〜E905が含まれるように表示する等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、この他の形態例を「実施の形態」ということがある。図34はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図35は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図36参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図36参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図36参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図36参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図36参照)が設けられていればよい。図34に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図34に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図35の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図35に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図36は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図36には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図37は、各乱数を示す説明図である。図37においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図38は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図38(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図38(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図38(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図38(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図38(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図38(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図38(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図38(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図38(B)、および、図38(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図38(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図38(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図38(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図38(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図38(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図38(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図38(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図38(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図38(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図39を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図39は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図39には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図39(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図39に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図39の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図39の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機901では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置909において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置909において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置909において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機901では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図39(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図39のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図39(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図39(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図39のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図39(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図39(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図39(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図39(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図39(a),図39(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図39(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図39(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図39(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図39(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図39(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図39(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図39(a)および図39(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図39(c)および図39(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図39(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図39(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図40は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図40に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図40のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図39に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図41は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図41に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図42は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図43は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図44は、図43に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S90601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S90602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM90102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S90604)、S90616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S90604の処理では、所定のタイミングでSR1´−1〜SR1´−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S90602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90605)、S90616へ進む。S90605の処理では、所定のタイミングでSR1´−1〜SR1´−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1´−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1´−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S90601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S90601のN)、演出制御用CPU90101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90603)、S90616へ進む。
S90603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1´−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1´−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1´−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1´−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
[示唆演出]
次に、本実施の形態で行なわれる各種演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なう示唆演出が実行される場合がある。示唆演出には、第1示唆演出(シャッター演出)と第2示唆演出(リーチタイトル演出)とがある。第1示唆演出としてのシャッター演出では、変動開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、第2示唆演出としてのリーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。
[特定画像]
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り期待度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E901のバナナ画像,要素E902のメロン画像,要素E903のリンゴ画像,要素E904のスイカ画像,要素E905のイチゴ画像が含まれる。これら要素E901〜E905を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E901〜E905の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E901〜E905の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E901〜E905のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
変動開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示がされないときよりも大当り期待度が高い。また、リーチ演出実行中に、画面の右下等の位置に小さくリーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り期待度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E901〜E905を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り期待度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り期待度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、変動表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
[共通報知]
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに演出用ランプの発光による報知を行なう。演出用ランプは、演出表示装置909の上方の位置に設けられている(図示省略)。共通音および演出用ランプの発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図46は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図46(a)〜(f)は、第4スーパーリーチ実行時にシャッター演出およびリーチタイトル演出が実行される場合の例である。
図46(a)に示すように、シャッター演出が実行されると、画面上にはシャッター画像9094が表示される。シャッター画像9094には、要素E901〜E905全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図46(b)に示すように、図柄の変動表示が開始される。下向きの矢印が左,中,右図柄の変動表示を示している。左図柄および右図柄の変動表示が仮停止すると、図46(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図46(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。変動表示は画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像9095が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像9095には、要素E901〜E905全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像9095には、バトルリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
ここで、バトルリーチ演出とは、敵キャラと味方キャラとが戦い、味方キャラが勝利すると大当りとなることが示され、敵キャラに味方キャラが敗北するとはずれとなることが示される演出である。リーチタイトル演出では、このようなバトルリーチを含む複数種類のリーチ演出の内容が、当該リーチ演出が実行される前にリーチタイトル画像9095により示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り期待度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図46(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による変動表示画面に戻る。図46(d)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図46(a),(d)に示すように、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E901〜E905を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像9094とリーチタイトル画像9095とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り期待度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図46(a)に示すシャッター画像9094の表示サイズは、図46(d)に示すリーチタイトル画像9095の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像9094の表示サイズとリーチタイトル画像9095の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図46(a)に示すシャッター画像9094と図46(d)に示すリーチタイトル画像9095とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
図47は、音声出力タイミングおよび演出用ランプ発光タイミングを示すタイミングチャートである。横軸は、時間tを示す。図47に示すように、シャッター演出およびリーチタイトル演出の実行時において、フルーツ柄画像が表示されるときには、共通音を出力して音による報知を行なう。共通音は、たとえば、なんらかのメロディを出力するものである。共通音を出力している期間中は、演出用ランプが発光することにより、光による報知も行なう。演出用ランプの発光態様は、シャッター演出とリーチタイトル演出とで共通である。
共通音の出力が終わった後は、シャッター演出においては、音声および光のいずれによる報知演出も行わない。一方で、リーチタイトル演出においては、共通音の出力が終わった後に、特定音を出力して音による報知を行なう。特定音は、たとえば、画面上にキャラクタが登場し、なんらかの音声を出力するもの(ボイス出力)である。特定音を出力して報知を行なう期間は、光による報知は行わない。
ここで、フルーツ柄画像が表示されないときは、フルーツ柄画像が表示されるときと異なる報知を実行することが望ましい。このようにすれば、フルーツ柄画像が表示されるときに特別感を与えることができる。
図47に示すように、シャッター演出、リーチタイトル演出においてスピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに演出用ランプの発光による報知を行なうため、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図47に示すように、リーチタイトル画像9095が表示されるときには、共通報知として、メロディを出力し、その後にシャッター画像9094が表示されるときには出力しない特定音であるボイスをさらに出力する。このようにすれば、リーチタイトル画像9095が表示されるときにフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、図47に示すように、シャッター演出の実行期間(画像表示期間)とシャッター演出が実行されているときの共通音とは同じ期間出力され、リーチタイトル演出の実行期間(画像表示期間)とリーチタイトル演出が実行されているときの共通音および特定音とを足した出力期間とは同じであった。しかしながら、画像表示期間と音出力期間とが異なるようにしてもよい。たとえば、画像表示期間が音出力期間よりも短い場合には、音による余韻を楽しむことができる。逆に、画像表示期間が音出力期間よりも長い場合には、画像による余韻を楽しむことができる。なお、光による報知についても画像表示期間との関係で報知が短い場合や長い場合があってもよい。また、共通音から特定音に跨り光による報知が実行されるようにしてもよい。
また、シャッター演出の実行期間とリーチタイトル演出の実行期間とを同じにしてもよい。そのような場合、リーチタイトル演出が実行されるときには、リーチタイトル演出の実行期間が終了した後に特定音が出力されるようにすればよい。
次に、フルーツ柄画像の決定方法について説明する。図48は、フルーツ柄実行決定テーブルを示す説明図である。フルーツ柄実行決定テーブルは、フルーツ柄画像の表示を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。フルーツ柄実行決定テーブルには、図48(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルと、図48(B)のはずれ時フルーツ柄実行決定テーブルとが含まれている。これらのフルーツ柄実行決定テーブルは、演出制御基板9080に設けられたROM90102に記憶されている。
図48(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「フルーツ柄を実行する>フルーツ柄を実行しない」という大小関係となるように、フルーツ柄画像の表示を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図48(B)のはずれ時フルーツ柄実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「フルーツ柄を実行する<フルーツ柄を実行しない」という大小関係となるように、フルーツ柄画像の表示を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図49は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100が実行する演出図柄変動開始処理において実行される(図45のS90616参照)。演出設定処理では、第4スーパーリーチにおいてフルーツ柄の表示の実行有無を決定し、フルーツ柄画像が表示される場合には表示設定や音声の出力設定が行われる。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
演出設定処理では、まず、今回実行される変動表示の変動パターンが第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S90630)。受信した変動パターンコマンドは、RAM90103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU90101は、RAM90103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。S90630の処理で、今回実行される変動が第4スーパーリーチであったと判定した場合(S90630のY)は、S90631へ進む。一方、今回実行される変動が第4スーパーリーチでなかったと判定した場合(S90630のN)は、S90637へ進む。
S90631では、フルーツ柄実行決定テーブル(図48参照)により、フルーツ柄の表示の実行の有無を決定し(S90631)、S90632へ進む。たとえば、大当り時には、図48(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルを用いて、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、フルーツ柄の実行有無を決定する。S90632の処理で、フルーツ柄の実行があったと判定した場合(S90632のY)は、S90633へ進む。一方、フルーツ柄の実行がなかったと判定した場合(S90632のN)は、S90637へ進む。
S90633の処理で、シャッター演出時に要素E901〜E905すべての要素が第1示唆画像内(シャッター画像9094内)に表示されるサイズとなるように設定し(S90633)、S90634へ進む。要素E901〜E905の画像データは、標準サイズのものがデータとして格納されている。標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをこのままシャッター画像に表示させると、それぞれのフルーツ柄(要素E901〜E905)が小さく見えるため、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを拡大して表示させる(図46(a)参照)。
次いで、S90634の処理で、シャッター演出時に共通音(メロディー)が出力されるように設定し(図47参照)、S90635へ進む。
S90635の処理で、リーチタイトル演出時に要素E901〜E905すべての要素が第2示唆画像内(リーチタイトル画像9095内)に表示されるサイズとなるように設定し(S90635)、S90636へ進む。ここでは、S90633の処理で用いた標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを使用する。標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをこのままシャッター画像に表示させると、それぞれのフルーツ柄(要素E901〜E905)がリーチタイトル画像9095内に収まりきらないので、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを縮小して要素E901〜E905の全てが視認可能となるように表示させる(図46(d)参照)。
なお、リーチタイトル画像9095内に全ての要素E901〜E905が表示されるように、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データの一部を切り出して表示させてもよい。また、標準サイズの要素E901〜E905のそれぞれを縮小して、縮小されたそれぞれの要素E901〜E905をリーチタイトル画像9095内に配置されるように配置してもよい。ただし、標準サイズの要素E901〜E905のそれぞれを縮小するよりも、上述のように、標準サイズの要素E901〜E905から構成された1つの画像データを縮小した方が、データ容量を削減できるとともに処理負担を低減することができる。
S90636の処理で、リーチタイトル演出時に共通音(メロディー)および特定音(ボイス)が出力されるように設定し(図47参照)、S90637へ進む。共通音は、シャッター演出時に出力される音声と同じである。メロディによる共通音の出力が終わると、キャラクタの音声であるボイスの出力を行なう。
S90637の処理で、その他の演出を決定し(S90637)、処理を終了する。その他の演出としては、たとえば、シャッター演出およびリーチタイトル演出で実行される演出用ランプの発光による演出を決定する。演出用ランプの発光態様は、シャッター演出およびリーチタイトル演出で同じように設定されるが、発光態様が異なるようにしてもよい。S90637の処理では、この他に各変動表示パターンで実行される各種の演出が決定される。
図46(a),(d)の表示の設定としてS90633,S90636により実行される処理により、要素E901〜E905の表示サイズをシャッター画像9094とリーチタイトル画像9095との表示サイズの違いに応じて変更して表示することができる。このようにすれば、示唆画像の表示サイズに関わらずフルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図46(a),(d)の表示の設定としてS90633,S90636により実行される処理により、要素E901〜E905のすべてがシャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のそれぞれに収まるように表示することができる。このようにすれば、示唆画像の表示サイズに関わらずフルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、シャッター演出とリーチタイトル演出とが同一期間内で実行されるようにしてもよい。このような場合には、図46(a)のような全画面で表示されるフルーツ柄画像と、図46(d)のような画面の一部を用いて表示されるフルーツ柄画像とが重なって表示され、遊技者から認識し難くなることが想定される。しかしながら、図46(d)に示すように、フルーツ柄画像の周囲に縁画像が表示されることで、フルーツ柄画像が重なって表示された場合であっても、認識し難くすることを防ぐことができる。なお、縁画像ではなく、画像に台座部を設ける等の他の画像を付加することで視認し易くしてもよいし、縁画像の線を太くして表示することで視認し易くしてもよい。なお、フルーツ柄画像が重なって表示されない場合には、縁画像を表示しなくてもよい。このように、単体の画像で表示するときには実行されないことが、重なる画像で表示される場合に実行されるようにしてもよい。また、シャッター演出とリーチタイトル演出とが同一期間内で実行されるような場合において、先に実行されたシャッター演出により音が出力されている場合には、後に実行されたリーチタイトル演出による音の出力を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、音が途中で途切れて違和感を感じてしまうことを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 図46等で示した例においては、要素E901〜E905のすべての要素がシャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のそれぞれに収まるように表示される場合を説明した。しかし、これに限らず、表示のさせ方として以下のようにしてもよい。
たとえば、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095の画像表示領域内において、要素E901〜E905を左から右にスクロールさせて表示させるようにしてもよい。要素E901〜E905は、繰り返しスクロール表示されるため、画像表示領域内においては、常に、要素E901〜E905のうちいくつかの要素が表示されている状態となる。このような場合には、要素E901〜E905のそれぞれは、図46で示したものより画像サイズが大きく、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095の画像表示領域内に収まりきれないものであってもよい。ただし、要素E901〜E905を左から右にスクロールさせて表示させることによって、一定時間経過後には、全ての要素が視認可能となる。このように、要素E901〜E905をスクロール表示することで、表示領域が異なっていても同じサイズの要素を全て表示させることが可能となる。
また、シャッター画像9094に比べて表示サイズが小さいリーチタイトル画像9095においては、シャッター画像9094に比べてリーチタイトル画像9095の方がスクロールさせる速度を速くしてもよい。スクロールさせる速度を早くすることで、画像が小さくても遊技者の目につきやすくさせることができる。なお、遊技者の目につきやすくさせるため、リーチタイトル画像9095を点滅させながらスクロールさせるものであってもよい。また、シャッター画像9094はスクロールさせず、リーチタイトル画像9095のみをスクロールさせることで、遊技者の目につきやすくさせてもよい。
また、スクロールさせる方向は、左から右にスクロールさせるものに限らず、右から左にスクロールさせるものであってもよいし、上から下にスクロールさせるものであってもよいし、下から上にスクロールさせるものであってもよいし、斜め方向にスクロールさせるものであってもよいし、スクロール動作により大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、スクロールされるものに限らず、要素E901〜E905を拡大、縮小を繰り返させるものであってもよい。この場合、拡大時には全ての要素が表示されないが、縮小時には全ての要素が表示されるようにすればよい。また、文字を含む画像を要素として表示し、これをスクロールさせてもよい。この場合、一定時間のスクロールにより、全ての文字が認識可能になるようにすればよい。また、動作が実行される表示と動作が実行されない表示とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、特定画像として、全ての要素E901〜E905が第1示唆表示および第2示唆表示のそれぞれに収まるように表示するようにした。しかし、これに限らず、要素E901〜E905のうち少なくとも2つ以上の要素が第1示唆表示および第2示唆表示のそれぞれに収まるように表示するようなものであればよい。たとえば、フルーツの「柄」である以上は、バナナ(要素E901)のみから構成されることは適切でなく、複数種類のフルーツから構成されていることが望ましい。また、要素としては、フルーツ等の柄に限らず、文字によって構成されるものであってもよい。しかしながら、画像の表示パターンとしては、1つの要素のみで表示する大当り期待度示唆パターンが設けられていてもよい。たとえば、リンゴ(要素E903)のみで構成される画像表示パターンを備えてもよい。このような1つの要素のみから構成される画像パターンは、全ての要素から構成される画像表示パターン(フルーツ柄画像)よりも大当り期待度の低いパターンとして実行されるようにすればよい。このようにすれば、画像を表示するパターンが増加するので、興趣を向上できる。ただし、シャッター演出とリーチタイトル演出といった表示手段に表示される面積の異なる表示演出により同じ大きさで1つの要素を表示してしまうと、1つの要素のみで表示するパターンが設けられている場合には、1つの要素のみで表示するパターンを全ての要素から構成される画像表示パターンと勘違いしてしまうことが起こる。よって、特定画像を表示するときに要素の表示サイズを変更するとともに、複数の要素がしっかりと視認できるようにする必要がある。
(3) 前述した実施の形態では、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを拡大してシャッター画像として表示させ、当該画像データを縮小してリーチタイトル画像として表示させた。しかし、これに限らず、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを格納しておいてもよい。この場合、当該画像データをそのままシャッター画像として表示させ、当該画像データを縮小してリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。また、リーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを格納しておいてもよい。この場合、当該画像データを拡大してシャッター画像として表示させ、当該画像データをそのままリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。また、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データおよびリーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データの2つの画像データを格納しておいてもよい。この場合、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをそのままシャッター画像として表示させ、リーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをそのままリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。
(4) 前述した実施の形態では、図48、図49に示したように、第4スーパーリーチ実行時において、フルーツ柄実行決定テーブルに基づきフルーツ柄実行有無を決定し(S90631)、フルーツ柄が実行される場合には、必ずシャッター演出およびリーチタイトル演出が行なわれるようにした(S90633〜S90636)。しかし、これに限らず、以下のようにしてもよい。たとえば、予告演出の種類を変動パターンに応じて決定してもよい。たとえば、変動パターンが第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチである場合は、シャッター演出の実行の有無をまず決定する。さらに、その後、シャッター演出が実行される場合に、フルーツ柄画像を表示するか否か決定すればよい。リーチタイトル演出についても、リーチタイトル演出を実行するか否かを決定した後に、フルーツ柄画像を表示するか否か決定してもよい。そして、フルーツ柄画像を表示すると決定された場合に表示サイズを変更する処理を実行すればよい。
なお、大当り期待度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り期待度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい。そして、変動表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。ただし、シャッター演出とリーチタイトル演出とで、選択される画像パターン数が異なるようにしてもよい。たとえば、タイミング的に先に実行されるシャッター演出では、4種類の画像パターンのうちいずれかの画像パターンが選択され、タイミング的に後に実行されるリーチタイトル演出では、青画像<赤画像<フルーツ柄画像といった3種類の画像パターンのうちいずれかの画像パターンが選択されようにしてもよい。このような場合に、後ろのタイミングで実行される演出に対しては、先のタイミングで実行される演出のうち、遊技者が大当り期待度が低いと認識している画像パターンを選択されないようにすることで、期待感の低下を防止することができる。
(5) 前述した実施の形態では、特定画像として、要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)を含んで構成されたフルーツ柄の画像を用いた例について説明した。しかし、これに限らず、連続模様による柄を特定画像にしてもよい。たとえば、動物の模様のような連続模様の画像を特定画像としてもよい。ただし、画像を拡大する場合は、連続模様であるということを認識可能である程度に拡大する必要がある。たとえば、図49のS90633において、格納されている画像データを拡大して表示させる際に、動物の模様であるということを認識できない大きさまで拡大しないように設定すればよい。
(6) 前述した実施の形態では、特定画像として、フルーツ柄画像以外を用いてもよい。たとえば、単なる丸型や四角型のようなシンボルを組合せた図柄の表示パターンでもよいし、様々なキャラクタ画像を組合わせた画像の表示パターンでもよい。このように、特定画像は、人が別々の画像として認識できる複数種類の画像(複数種類の要素となる画像)の組合せから構成されるものであればよい。
(7) 前述した実施の形態では、第1示唆演出(シャッター演出)と第2示唆演出(リーチタイトル演出)とのうち、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。このような場合において、第2示唆演出(リーチタイトル演出)が実行されたときは、第1示唆演出(シャッター演出)が実行されたときに比べて、大当り期待度が高くなるように構成してもよい。さらに、このような場合には、第2示唆演出が実行されるときに、第1示唆演出が実行されるときと比べて、より遊技者の注意を引く演出を行なうようにしてもよい。たとえば、リーチタイトル演出が行なわれた場合には、第1示唆演出が行なわれた場合に比べ、音声出力時間が長い(共通音に加えて特定音の出力がある)が、これに限らず、第2示唆演出が実行時には、音声出力時の音量を大きくするようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示
装置等の表示装置において、前述したシャッター演出やリーチタイトル演出が実行されるようにしてもよい。スロットマシンに適用した場合においては、フルーツ柄画像が表示される場合には、フルーツ柄画像が表示されない場合よりも、ビッグボーナスやAT(アシストタイム)等の遊技者にとって有利な状態となる可能性が高いことが示されるようにすればよい。
(9) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(10) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(11) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(12) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(13) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。