JP6783511B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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本発明は、皮膚外用剤に関する。
油溶性カミツレ抽出物は、光老化抑制作用、コラーゲン産生促進作用、養毛作用、ATP産生促進作用、皮膚バリア機能改善作用、細胞分化促進作用、コラーゲンゲル収縮促進作用、毛穴収縮作用等の多くの生理作用を有することから、数多くの化粧品に配合されている(例えば、特許文献1〜4)。
また、カルニチン類もバリア機能促進作用、抗老化改善作用等の生理作用を有することから、数多くの化粧品に配合されている(例えば、特許文献5、6)。
特開平8-73324号公報 特開平8-92056号公報 特開平10-72336号公報 特開2007-161666号公報 特開2012-206976号公報 特開2013-139407号公報
しかしながら、油溶性カミツレ抽出物とカルニチン類を併用した場合、つや感に優れるシリコーン油を配合した製剤では、経時安定性が著しく低下するという問題があることが分かった。そのため、それらを改善する必要が生じていた。
したがって本発明は、油溶性カミツレ抽出物とカルニチン類とを併用した、経時安定性に優れ、肌の柔らかさ、つや感に優れ、べたつきがなく、保湿感も良好な皮膚外用剤に関する。
本発明者らは、油溶性カミツレ抽出物とカルニチン類と共に、シリコーン油と高級アルコールを一定比率で含有させることによって、前記要求を満たす皮膚外用剤が得られることを見出した。
本発明は、下記成分(A)〜(D)を含有し、成分(D)に対する成分(C)の含有質量比[(C)/(D)]が1.1以上45以下である皮膚外用剤を提供するものである。
(A) 油溶性カミツレ抽出物
(B) カルニチン、その誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物
(C) 25℃で液状のシリコーン油
(D) 炭素数10以上24以下の高級アルコール
本発明の皮膚外用剤は、油溶性カミツレ抽出物とカルニチン類とを併用し、経時安定性に優れ、肌の柔らかさ、つや感に優れ、べたつきもなく、保湿感も良好である。
〔成分(A):油溶性カミツレ抽出物〕
成分(A)の油溶性カミツレ抽出物は、キク科植物であるカミツレ〔Matricaria chamomilla L. (Compositae)〕の花を、親油性有機溶剤で抽出することにより得られる。用いられる溶剤としては、溶解度パラメータ(SP値)が15〜21の範囲にある油剤が好ましく、例えばミリスチン酸イソプロピル(SP値17.0)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(SP値17.7)、流動パラフィン(SP値16.4)、スクワラン(SP値16.2)及びこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。また、これらはヒマシ油、パーシック油、大豆油、ヒマワリ油等の植物由来の油等であっても良い。一般に、抽出に用いる油剤によって、抽出物に含まれる成分の種類と量が異なる。本発明においては、スクワランを用いた抽出物が、より優れた光老化抑制作用等の生理作用効果を発現させる観点から好ましい。ここで、SP値とは物質間の相溶性の尺度をいい、特開平10-194920号公報に記載の方法に従って、Hansenの3次元溶解度パラメーターを計算することにより求めることができる。
油溶性カミツレ抽出物は、例えば、特開平10-194920号公報記載の方法により、カミツレから親油性有機溶剤を用いて抽出することにより製造できる。具体的には、抽出は、粉砕した乾燥カミツレ花に、カミツレ花に対して1〜100質量倍の親油性有機溶剤を加え、10〜90℃で1〜96時間攪拌することにより行われる。温度は、油剤の種類により適宜設定することができる。
本発明において成分(A)の油溶性カミツレ抽出物は、製造時に他の油性成分との混和性を向上させるため、前記抽出溶媒中に乾燥固形分が溶解した溶液の形態であってもよい。この場合、油溶性カミツレ抽出物中の乾燥固形分は、製造時に他の油性成分との混和性を向上させ、経時安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下である。
ここで乾燥固形分量とは、抽出物を乾燥して溶媒を除去した固形分量であり、親油性有機溶剤量が判明している場合は親油性有機溶剤量を除いた残量である。
かかる油溶性カミツレ抽出物には、カマズレン、ウンベリフェロン、7-メトキシクマリン、マトリシン、マトリカリン、タラキサステロール、ウペオール、アピイン、下記式で表されるスピロエーテル化合物等が含まれている。
Figure 0006783511
これら含有成分の中でも、スピロエーテル化合物の含有量が、光老化抑制作用等の生理作用効果を発現させると考えられる。本発明において、油溶性カミツレ抽出物中のスピロエーテル化合物量は、光老化抑制作用等の生理作用効果を発現させ、経時安定性を向上させる観点から、好ましくは10ppm以上、より好ましくは100ppm以上、更に好ましくは200ppm以上、更に好ましくは300ppm以上、更に好ましくは360ppm以上であり、また、好ましくは500ppm以下、より好ましくは480ppm以下、更に好ましくは450ppm以下、更に好ましくは440ppm以下、更に好ましくは420ppm以下である。また、油溶性カミツレ抽出物は、1種以上を用いることができるが、2種以上を用いる場合には、全抽出物中のスピロエーテル化合物の総量が上記範囲内となることが好ましい。
皮膚外用剤中における成分(A)の乾燥固形分としての含有量は、光老化抑制作用等の生理作用効果を発現させ、経時安定性を向上させる観点から、好ましくは0.00004質量%以上、より好ましくは0.0002質量%以上、更に好ましくは0.00032質量%以上、更に好ましくは0.0004質量%以上、更に好ましくは0.0008質量%以上であり、また、好ましくは0.02質量%以下、より好ましくは0.008質量%以下、更に好ましくは0.004質量%以下、更に好ましくは0.0032質量%以下、更に好ましくは0.0028質量%以下である。
更に、同様の観点より、皮膚外用剤中における前記スピロエーテル化合物としての含有量は、好ましくは0.0375ppm以上、より好ましくは0.1875ppm以上、更に好ましくは0.3ppm以上、更に好ましくは0.375ppm以上、更に好ましくは0.75ppm以上であり、また、好ましくは18.75ppm以下、より好ましくは7.5ppm以下、更に好ましくは3.75ppm以下、更に好ましくは3ppm以下、更に好ましくは2.625ppm以下である。
〔成分(B):カルニチン、その誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物〕
成分(B)は、カルニチン、その誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物である(カルニチン類と記載する場合もある)。これらのカルニチン、その誘導体又はそれらの塩としては、生理活性機能を発現し、経時安定性を向上させる観点から、下記一般式(1)又は(2)で表されるカルニチン、アシルカルニチン又はそれらの塩が好ましい。
Figure 0006783511
〔式中、R1は水素原子又は炭素数1〜8のアシル基を示し、X-はアニオンを示す。〕
1のうちアシル基の炭素数としては、生理活性機能の強さ、経時安定性を向上させる観点から、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2のアセチル基が更に好ましい。
一般式(2)中のX-としては、クロリド、スルフォネート、ニトレート、アセテート、シトレート、ニコチネート、サリチレート等が挙げられ、皮膚刺激性を低減させる観点から、クロリド、スルフォネート及びニトレートから選択される1種又は2種以上が好ましく、クロリド及びスルフォネートから選択される1種又は2種がより好ましい。また、X-としてクロリドを含むことが好ましい。
成分(B)の具体例としては、一般式(1)において、R1が水素原子であるカルニチン(化学名:4-トリメチルアンモニオ-3-ヒドロキシ酪酸);一般式(2)においてR1が水素原子であるカルニチン塩;一般式(1)において、R1がアシル基であるオクタノイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、バレリルカルニチン、ブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、アセチルカルニチン等;一般式(2)において、R1がアシル基であるオクタノイルカルニチン塩、ヘキサノイルカルニチン塩、バレリルカルニチン塩、ブチリルカルニチン塩、プロピオニルカルニチン塩、アセチルカルニチン塩等が挙げられる。
成分(B)には、立体異性体としてD体とL体が存在し、混合物としてDL体が知られているが、生理活性機能の強さの観点から、L体及びDL体が好ましく、L体がより好ましい。
これらのうち、生理活性機能が強く、経時安定性を向上させ、べたつきを低減し、保湿効果を向上させる観点から、L-カルニチン、L-カルニチン塩酸塩、L-カルニチン硫酸塩、L-カルニチン硝酸塩、アセチル-L-カルニチン、アセチル-L-カルニチン塩酸塩、アセチル-L-カルニチン硫酸塩、アセチル-L-カルニチン硝酸塩、アセチル-L-カルニチンアセテート、アセチル-L-カルニチンシトレート、アセチル-L-カルニチンニコチネート及びアセチル-L-カルニチンサリチレートから選択される1種又は2種以上が好ましく、L-カルニチン、L-カルニチン塩酸塩、L-カルニチン硫酸塩、L-カルニチン硝酸塩、アセチル-L-カルニチン、アセチル-L-カルニチン塩酸塩、アセチル-L-カルニチン硫酸塩及びアセチル-L-カルニチン硝酸塩から選択される1種又は2種以上がより好ましく、L-カルニチン、L-カルニチン塩酸塩及びL-カルニチン硫酸塩から選択される1種又は2種以上が更に好ましく、L-カルニチン及びL-カルニチン塩酸塩から選択される1種又は2種が更に好ましい。また、成分(B)としてL-カルニチン塩酸塩を含むことが好ましい。
成分(B)は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。皮膚外用剤中における成分(B)の含有量は、皮膚に対する保湿効果を向上させ、べたつきを抑制する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.3質量%以下である。
〔成分(C):25℃で液状のシリコーン油〕
成分(C)のシリコーン油は、25℃で液状のものである。かかるシリコーン油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらのうち、ツヤ感を向上させ、べたつきを抑制し、塗布時の伸びの良さを向上させる観点から、直鎖状又は分岐鎖状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンから選択される1種又は2種以上が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサンから選択される1種又は2種以上がより好ましい。また、成分(C)として直鎖状又は分岐鎖状のジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサンから選択される2種を含むことが更に好ましい。
成分(C)のシリコーン油としては、つや感を向上させ、べたつきを抑え、経時安定性を向上させる観点から、25℃における動粘度が0.5mm2/s以上であるものが好ましく、1mm2/s以上であるものがより好ましく、1.5mm2/s以上であるものがより好ましく、また、200000mm2/s以下であるものが好ましく、50000mm2/s以下であるものがより好ましく、5000mm2/s以下であるものが更に好ましく、1000mm2/s以下であるものが更に好ましい。
25℃での動粘度は、毛細管式粘度計を使って、一定容量の液体が25℃、一気圧下で粘度計の毛細管を流れる時間を測定し、この流出時間と粘度計定数から次式を用いて算出される。毛細管式粘度計は、ウベローデ又はキャノン−フェンスケ型式が用いられる。
<動粘度の算出方法>
動粘度(mm2/s)=流出時間(秒)×粘度計定数
これらは、市販品を用いることができ、具体的には、信越化学工業社から発売されているシリコーンKF-96シリーズの1〜100CS、東レ・ダウコーニング社から発売されているシリコーンSH200 Fluidシリーズの1〜100CS、2-1184 Fluid、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社から発売されているTSF451シリーズの5A〜100A等が挙げられる。
成分(C)は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。皮膚外用剤中における成分(C)の含有量は、つや感を向上させ、べたつきを抑える観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.18質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、使用感・安定性の点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
〔成分(D):炭素数10以上24以下の高級アルコール〕
成分(D)の高級アルコールは、式ROH(Rは炭素数10以上24以下の直鎖又は分岐のアルキル又はアルケニル基)で表される飽和又は不飽和の直鎖又は分岐のアルコールである。成分(D)は、製剤の安定性を向上させ、ツヤ感を向上させ、保湿感を向上させる観点から、炭素数が好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上であり、さらに好ましくは16以上であり、また、好ましくは24以下であり、より好ましくは22以下であり、更に好ましくは20以下である。また、製剤の安定性を向上させ、保湿感を向上させる観点から、好ましくは直鎖アルコールである。
具体的には、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール等が挙げられ、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのうち、製剤の安定性を向上させ、ツヤ感を向上させ、保湿感を向上させる観点から、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種以上が好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種以上がより好ましく、セチルアルコール及びステアルアルコールから選択される1種又は2種が更に好ましく、セチルアルコール及びステアルアルコールから選択される2種が更に好ましい。
皮膚外用剤中における成分(D)の含有量は、ツヤ感を向上させ、べたつきを抑制し、保湿感を向上させる観点より、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.06質量%以上、更に好ましくは0.07質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
また、成分(D)に対する成分(C)の質量比[(C)/(D)]は、ツヤ感を向上させ、べたつきを抑え、保湿感、肌のやわらかさを向上させ、製剤の経時安定性を向上させる観点より、1.1以上であって、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.7以上、更に好ましくは2.5以上であり、また、45以下であって、好ましくは35以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは15以下、更に好ましくは8以下である。
〔成分(E):1以上の構成脂肪酸が炭素数6以上22以下である脂肪酸トリグリセリド〕
本発明の皮膚外用剤には、更に成分(E)として、1以上の構成脂肪酸が炭素数6以上22以下である脂肪酸トリグリセリドを含有させることができる。中でも、製剤の安定性を向上させ、保湿感、肌のやわらかさを向上させる観点から、構成脂肪酸のうち2以上が炭素数6以上22以下であるものが好ましく、構成脂肪酸の全てが炭素数6以上22以下であるものがより好ましい。
かかる脂肪酸トリグリセリドとして具体的には、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル等が挙げられる。また、これらはトリヤシ油脂肪酸グリセリル、オリーブ油、メドフォーム油、マカデミアナッツ油、米糠油、シアバター等の植物由来の脂肪酸トリグリセリドであっても良い。
これらのうち、前記の観点から、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル及びトリリノール酸グリセリドから選択される1種又は2種以上が好ましく、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル及びトリリノール酸グリセリルから選択される1種又は2種以上がより好ましく、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル及びトリリノール酸グリセリルから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。これらの好適な脂肪酸トリグリセリドを含有する植物由来の脂肪酸トリグリセリドとしては、オリーブ油、マカデミアナッツ油及びシアバターから選択される1種又は2種以上が挙げられる。
これら脂肪酸トリグリセリドは、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。皮膚外用剤中における成分(E)の含有量は、製剤の安定性を向上させ、べたつきを抑え、保湿感、肌のやわらかさを向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。
〔成分(F):エタノール〕
本発明の皮膚外用剤には、更に成分(F)として、エタノールを含有させることができる。皮膚外用剤中におけるエタノールの含有量は、べたつきを抑え、経時安定性を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
〔成分(G):糖アルコール〕
本発明の皮膚外用剤には、更に成分(G)として、糖アルコールを含有させることができる。糖アルコールは、糖が還元されたものであり、例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールが挙げられる。このうち、保湿感を向上させ、肌の柔らかさを向上させる観点より、ソルビトール及びマルチトールから選択される1種又は2種以上が好ましい。また、成分(G)としてソルビトールを含むことが好ましい。
これら糖アルコールは、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。皮膚外用剤中における糖アルコールの含有量は、保湿感を向上させ、肌の柔らかさを向上させる観点より、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
〔成分(H):炭化水素〕
本発明の皮膚外用剤には、更に成分(H)として、炭化水素を含有させることができる。このような炭化水素としては、通常化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、α-オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン(流動ポリイソブチレン)、重質流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油が挙げられる。これら液状の炭化水素は、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのうち、肌仕上がりの向上、経時安定性の向上の観点から、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動パラフィン、流動パラフィン及びスクワランから選択される1種又は2種以上が好ましく、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン及びスクワランから選択される1種又は2種以上がより好ましく、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン及びスクワランから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
皮膚外用剤中における成分(H)の含有量は、製剤の安定性を向上させ、肌のやわらかさを向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
また、成分(B)と成分(H)の合計に対する成分(C)の含有質量比[(C)/((B)+(H))]は、ツヤ感を向上させ、べたつきを抑え、保湿感、肌のやわらかさを向上させ、製剤の経時安定性を向上させる観点より、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1.5以上であり、また、好ましくは21以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下、更に好ましくは6以下、更に好ましくは5以下である。
〔成分(I):水〕
本発明の皮膚外用剤は、成分(I)として水を含有することが好ましい。皮膚外用剤中における成分(I)の含有量は、べたつきを低減し、保湿感、肌のやわらかさを向上させる観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、また92質量%以下が好ましく、88質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。具体的には、好ましくは50〜92質量%、より好ましくは60〜88質量%、更に好ましくは70〜85質量%である。
〔他の任意成分ほか〕
本発明の皮膚外用剤には、界面活性剤、水溶性高分子、成分(G)以外の多価アルコール、成分(C)、(D)、(E)、(H)以外の油剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、金属イオン封鎖剤、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、制汗剤、薬剤、各種の抽出液、香料等の通常化粧料に用いられる各種の原料を含有することができる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、例えば、制汗剤を香料として使用したり、他の用途との併用として、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用することができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等公知のものが使用できるが、低刺激で乳化安定性に優れ、べたつきがより少なく、皮膚上での伸びがより良好となる観点から、非イオン界面活性剤が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレングリコール型非イオン性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ソルビタン等のモノ脂肪酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、同様の観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノ脂肪酸ソルビタンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。また、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むことが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの付加モル数は、乳化安定性に優れ、べたつきがより少なく、皮膚上での伸びがより良好となる観点から、25〜70が好ましく、30〜68がより好ましく、35〜65が更に好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としてポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油から選ばれる1種又は2種を含むことが好ましい。
皮膚外用剤中における界面活性剤の含有量は、低刺激で乳化安定性に優れ、べたつきがより少なく、皮膚上での伸びがより良好となる観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、また、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。
水溶性高分子としては、水溶性のカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子又は双極性高分子等が挙げられる。
カチオン性高分子としては、具体的には、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]基を有するヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10)、(ビニルピロリドン-ジメチルアミノメチルエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム-11)、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
アニオン性高分子としては、具体的には、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カラゲーナン、キサンタンガム、ポリスチレンスルホネート、寒天、ガッチガム、カラヤガム、ペクチン、アルギネート塩、同じくアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩が挙げられる。
非イオン性高分子としては、具体的には、セルロースエーテル(ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、プロピレングリコールアルギネート、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アミロース、ヒドロキシエチルアミロース及びこれらの混合物等が挙げられる。
両性高分子又は双極性高分子として、具体的には、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-43等が挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。べたつきを抑え、経時安定性を向上させる観点から、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩から選択される1種又は2種以上が好ましく、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びキサンタンガムから選択される1種又は2種以上がより好ましく、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びキサンタンガムから選択される2種又は3種が更に好ましい。
皮膚外用剤中における水溶性高分子の含有量は、前記の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.7質量%以下が更に好ましい。
成分(G)以外の多価アルコールとしては、2〜4価の多価アルコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン;ソルビトール、マルチトール等の糖類が挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
これらのうち、きしみ、べたつきを抑え、肌馴染みが良好で、経時安定性を向上させる観点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選択される1種又は2種以上が好ましく、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選択される1種又は2種以上がより好ましく、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
皮膚外用剤中の多価アルコールの含有量は、前記の観点から、1質量%以上が好ましく、1.5質量%がより好ましく、また、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
成分(C)、(D)、(E)、(H)以外の油剤としては、ロウ、脂肪酸、脂肪酸と1価又は2価アルコールのエステル油、エーテル油等の種々の油剤を挙げることができるが、つや感、肌のやわらかさを向上させ、経時安定性を向上させる観点から、皮膚外用剤中における成分(C)、(D)、(E)、(H)以外の油剤の含有量は、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましい。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、[4-ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル-3-メチルブチル]-3,4,5-トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;その他、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-tert-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アルギニン、アスパラギン酸、トラネキサム酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L-メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ等が挙げられる。
また、上記薬剤は、遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸又は塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
各種の抽出液としては、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、カロットエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液等が挙げられる。
更に、本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて適当な香料、色素等を乳化安定性の損なわない範囲で添加できる。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品等に好適に用いることができる。具体的には、洗顔料、クレンジング化粧料、ローション、乳液、美容クリーム、下地化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料;各種薬剤を含有する軟膏、クリーム等の外用医薬品として好適に利用できる。特に、本発明の皮膚外用剤は、べたつき感やぬるつき感がないため、皮膚化粧料として好適に利用でき、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
本発明の皮膚外用剤の剤形は任意であり、液状、エマルション、ジェル状、スプレー状、ムース状等のものとして調製されるが、みずみずしい感触を与え、塗布時の伸びが良好な点から、乳化皮膚用外用剤とするのが好ましく、水中油型乳化皮膚外用剤とすることがより好ましい。
〔製造方法〕
本発明の皮膚外用剤は、形態に応じて所定の手順により製造することができる。例えば、本発明の皮膚外用剤の製造方法は、成分(A)〜(I)を共に混合する工程を含んでもよい。
また、本発明の皮膚外用剤の製造方法は、成分(B)、成分(F)、成分(G)及び成分(I)を含む水相を、加熱し、撹拌する工程1と、
成分(A)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、成分(H)を含む油相を、加熱し、撹拌する工程2と、
工程1の調製物と、工程2の調製物とを、混合させる工程3を含んでいても良い。
工程1における加熱温度は、水を沸騰させないで、水相成分を十分に溶解させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である。
工程2における加熱温度は、油相成分を十分に溶解させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である
また、揮発しやすい成分である成分(F)や熱の影響を受けやすい成分(B)は、予め乳化物を形成させた後に、添加し、混合させることが好ましい。具体的には、本発明の皮膚外用剤の製造方法は、成分(G)及び(I)を含む水相を加熱し、撹拌する工程1と、
成分(A)、成分(C)、成分(D)、成分(E)及び成分(H)を含む油相を加熱し、撹拌する工程2と、
工程1の調製物と、工程2の調製物とを混合させる工程3と、
工程3の調製物を冷却する工程4と、
工程4の調製物の温度が50℃未満に下がった後、成分(B)及び成分(F)を添加し、混合する工程5を含んでも良い。
工程1における加熱温度は、水を沸騰させないで、水相成分を十分に溶解させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である。
工程2における加熱温度は、油相成分を十分に溶解させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である
工程5において、中和されていない成分(B)を用いる場合、混合状態を均一な状態に維持する観点から、予め成分(B)を中和した後、工程4の調製物に添加し、混合させることが好ましい。
実施例1〜13及び比較例1〜6
表1〜3に示す処方に従い、以下の方法に従って、皮膚外用剤(水中油型乳化物)を調製した。なお、表1中の実施例2は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
(製造方法)
A:成分2を成分27の一部(成分2の10質量倍量)に溶解させ、そこに成分26の一部(成分2の0.5質量倍量)を添加し、中和させる
B:成分1、3〜15を80℃の加熱下で、攪拌混合する。
C:成分17〜23、予め精製水にて膨潤させた成分24及び成分25、残りの27を80℃の加熱下で、攪拌混合する。
D:工程Cの調製物に工程Bの調製物を添加し、80℃の加熱下でホモミキサー(7000rpm、10分)を用いて均一に攪拌混合する。
E:冷却を開始する
F:工程Dの調製物の温度が50℃に下がった時に、残りの成分26を添加し、ホモミキサー(2000rpm、2分)で均一に攪拌混合する。
G:工程Fの調製物の温度が40℃に下がった時に、成分16、工程Aの調製物を添加し、ホモミキサー(3500rpm、10分)で更に均一に攪拌混合する。
H:工程Gの調製物の温度が35℃まで下がったら、冷却を終了し、自然冷却させる。
これらの試料を用いて、以下の評価項目について、以下の判定基準に従って官能評価及び安定性評価を行い、結果を表1〜3に併せて示した。
(官能評価)
専門評価パネラー10名により、試料を使用してもらい使用直後に「つや感の向上性」「べたつきのなさ」、「保湿感の持続性」及び「肌の柔らかさの向上性」についてアンケート評価を行い、試料の使用後1時間後に「保湿感の持続性」についてアンケート評価をおこなった。下記判定基準により官能評価を実施した。評価は、その平均点(小数点以下第1位を四捨五入)を表した。
つや感の向上性
(判定基準)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:やや良い。
2点:悪い。
1点:非常に悪い。
べたつきのなさ
(判定基準)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:やや良い。
2点:悪い。
1点:非常に悪い。
保湿感の持続性
(判定基準)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:やや良い。
2点:悪い。
1点:非常に悪い。
肌の柔らかさの向上
(判定基準)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:やや良い。
2点:悪い。
1点:非常に悪い。
(安定性試験)
表1〜3に記載の皮膚外用剤を100mLガラス瓶に80mL入れて密封し、それぞれの試料を50℃の恒温槽に1ヶ月間保管した。調製直後の状態を基準として、1ヶ月後の試料の外観変化について、目視により下記基準に基づいて判定した。
○ :変化無し
△ :極めて軽微な分離(離油、離水等)が見られる
× :明確な分離(離油、離水等)が見られる
Figure 0006783511
Figure 0006783511
Figure 0006783511
*1:スクワラン抽出物、乾燥固形分0.4質量%、スピロエーテル化合物370ppm含有
*2:KF-96A-100cs、信越化学工業社製
*3:FZ-209、東レ・ダウコーニング社製
*4:KF-995、信越化学工業社製
*5:SH 244 FLUID、東レ・ダウコーニング社製
*6:KF-96A-100000cs、信越化学工業社製
*7:パールリームEX、日油社製
*8:サラコス334、日清オイリオグループ社製
*9:PEMULEN TR-1、ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製
*10:シンタレンL、和光純薬社製
以下、本発明の処方例を示す。いずれも実施例と同等の効果を奏するものである。
処方例1(水中油型乳液)
成分 含有量(質量%)
油溶性カミツレ抽出物(*1) 0.5
L-塩化カルニチン 0.5
メチルフェニルポリシロキサン(*3) 2.5
セタノール 0.3
ステアリルアルコール 0.2
オリーブ油 0.5
マカデミアナッツ油 0.5
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル(*8) 1.0
エタノール 7.0
マルチトール(マルチトール75質量%水溶液) 1.5
濃グリセリン 2.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
カルボキシビニルポリマー(*10) 0.2
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム(*11) 0.01
水酸化カリウム 適量
豆乳発酵液(*12) 0.1
チョウジ抽出液(*13) 0.1
ヒメフウロエキス(*14) 0.1
サンゴ草抽出液(*15) 0.1
ヒメノボタンエキス(*16) 0.1
エデト酸塩 0.02
フェノキシエタノール 0.5
水 残量
*1、*3、*8、*10は表1、表2、表3と同様
*11:ヒアルロン酸 FCH-120、キッコーマンバイオケミファ社製
*12:豆乳発酵液、三省製薬社製
*13:ファルコレックス チョウジ、一丸ファルコス社製
*14:プリンセスケア、一丸ファルコス社製
*15:コーラル グラス、テクノーブル社製
*16:キンキンコウ抽出液BG70、丸善製薬社製
処方例2(ジェルクリーム)
成分 含有量(質量%)
油溶性カミツレ抽出物(*1) 0.5
L-塩化カルニチン 0.5
メチルフェニルポリシロキサン(*3) 3.5
メチルポリシロキサン(100mm2/s)(*2) 1.5
セタノール 0.6
ステアリルアルコール 0.4
オリーブ油 1.5
マカデミアナッツ油 0.5
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル(*8) 1.0
エタノール 7.0
ソルビトール(ソルビトール70質量%水溶液) 1.5
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
カルボキシビニルポリマー(*10) 0.4
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム(*11) 0.01
水酸化カリウム 適量
豆乳発酵液(*12) 0.1
チョウジ抽出液(*13) 0.1
ユズエキス(*17) 0.1
ローズマリーエキス(*18) 0.1
甜茶エキス(*19) 0.1
エデト酸塩 0.02
フェノキシエタノール 0.5
水 残量
*1、*2、*3、*8、*10は表1、表2、表3と同様、*11、*12、*13は処方例1と同様
*17:ユズ抽出液 丸善製薬社製
*18:まんねんろう抽出液 香栄興業社製
*19:甜茶抽出液BGW 丸善製薬社製

Claims (4)

  1. 下記成分(A)〜(D)及び(H)を含有し、成分(D)に対する成分(C)の含有質量比[(C)/(D)]が1.1以上45以下、成分(B)と成分(H)の合計に対する成分(C)の含有質量比[(C)/((B)+(H))]が1.5以上21以下である皮膚外用剤。
    (A) 油溶性カミツレ抽出物
    (B) 下記一般式(1)又は(2)で表されるカルニチン及びそれらの塩から選ばれる化合物
    Figure 0006783511
    〔式中、X - はアニオンを示す。〕
    (C) 25℃で液状のシリコーン油
    (D) 炭素数10以上24以下の高級アルコール
    (H) 炭化水素
  2. 成分(D)に対する成分(C)の含有質量比[(C)/(D)]が、1.3以上35以下である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 乾燥固形分としての成分(A)の含有量が、0.00004質量%以上0.02質量%以下である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 水中油型乳化皮膚外用剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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