I.定義
本発明がより容易に理解され得るように、ある特定の技術用語および科学用語を以下に具体的に定義する。本文献のいずれかの箇所で具体的に定義されない限り、本明細書において使用される全ての他の技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。
「約」は、数値によって定義されたパラメータ(例えば、OX40アゴニストもしくは4−1BBアゴニストの用量、または本明細書において記載される組み合わせ療法での処置時間の長さ)を修飾するために使用される場合、そのパラメータが、そのパラメータについて言及された数値の10%ほど下または上に変化し得ることを意味する。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kgから5.5mg/kgの間で変化し得る。
添付の特許請求の範囲を含む本明細書において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」などの単数形態の語は、文脈から別段のことが明らかに示されない限り、その対応する複数形の言及を含む。
「投与」および「処置」は、動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、器官、または生体液に適用される場合、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官、または生体液への外因性の医薬品、治療物質、診断物質、または組成物の接触を指す。細胞の処置は、細胞への試薬の接触、および、体液が細胞と接触している場合の体液への試薬の接触を包含する。「投与」および「処置」はまた、例えば細胞の、試薬、診断化合物、結合化合物による、または別の細胞による、インビトロおよびエクスビボでの処置を意味する。用語「対象」には、あらゆる生物、好ましくは動物、さらに好ましくは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコ、ウサギ)、最も好ましくはヒトが含まれる。
「抗体」は、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に、免疫グロブリン分子の可変領域内に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して特異的に結合することができる、免疫グロブリン分子である。本明細書において使用される場合、この用語は、無傷のポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体だけでなく、別段の特定がない限り、特異的結合について無傷抗体と拮抗するそのあらゆる抗原結合部分、抗原結合部分を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子のあらゆる他の修飾された立体構造も包含する。抗原結合部分には、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、ドメイン抗体(dAb、例えば、サメおよびラクダ抗体)、相補性決定領域(CDR)を含む断片、一本鎖可変断片抗体(scFv)、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NARおよびbis−scFv、ならびに、ポリペプチドへの特異的な抗原結合を行わせるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部分を含有するポリペプチドが含まれる。抗体には、あらゆるクラス、例えばIgG、IgA、またはIgM(またはそのサブクラス)の抗体が含まれ、抗体は、いかなる特定のクラスのものである必要はない。抗体の重鎖の定常領域のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンの5つの主要なクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分けることができる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常領域は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は周知である。
本明細書において使用される、抗体の「抗原結合断片」または「抗原結合部分」という用語は、所与の抗原(例えば、OX40または4−1BB)に特異的に結合する能力を保持する無傷抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、無傷抗体の断片によって行われ得る。抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、Nature 341:544〜546、1989)、ならびに単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。
標的(例えば、OX40受容体)に「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書において区別せずに使用される)抗体、抗体コンジュゲート、またはポリペプチドは、当技術分野において良く理解されている用語であり、このような特異的または優先的な結合を決定するための方法もまた、当技術分野において周知である。分子は、別の細胞または物質よりも特定の細胞または物質と、より頻繁に、より迅速に、より長い時間、および/またはより大きな親和性で、反応または会合する場合、「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体は、他の物質に結合するよりも、より大きな親和性、親和力で、より容易に、および/またはより長い時間結合する場合、標的に「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、OX40エピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、他のOX40エピトープまたは非OX40エピトープに結合するよりも、このエピトープを、より大きな親和性、親和力で、より容易に、および/またはより長い時間、結合する抗体である。この定義を読むことによって、例えば、第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分またはエピトープ)は、第2の標的に特異的または優先的に結合してもしなくてもよいことも理解される。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的な結合を必ずしも要しない(含むことはできるが)。通常、結合への言及は優先的結合を意味するが、必ずしもそうではない。
抗体の「可変領域」は、単独のまたは組み合わせた、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。当技術分野において知られているように、重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域としても知られている3つの相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖内のCDRは、FRによって共に近接してまとめられ、他の鎖のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するために、以下の少なくとも2つの技術が存在する。(1)異種間の配列多様性に基づくアプローチ(すなわち、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(第5版、1991、National Institutes of Health、Bethesda MD))、および(2)抗原抗体複合体の結晶学研究に基づくアプローチ(Al−lazikaniら、1997、J.Molec.Biol.273:927〜948)。本明細書において使用される場合、CDRは、いずれかのアプローチ、両アプローチの組み合わせ、または本明細書において提供されるあらゆる他のCDR定義によって定義されるCDRを指し得る。
可変領域の「CDR」は、Kabatの定義、Chothiaの定義、KabatおよびChothiaの両方の蓄積の定義、AbMの定義、接触の定義、および/もしくは立体構造の定義、または当技術分野において周知のあらゆるCDR決定方法に従って同定される可変領域内のアミノ酸残基である。抗体CDRは、Kabatらによって元々定義された超可変領域として同定され得る。例えば、Kabatら、1992、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、NIH、Washington D.C.を参照されたい。CDRの位置はまた、Chothiaらによって元々記載された構造的ループ構造としても同定され得る。例えば、Chothiaら、Nature 342:877〜883、1989を参照されたい。CDR同定のための他のアプローチには、KabatとChothiaとの間の折衷であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(現在はAccelrys(登録商標))を使用して誘導される、「AbM定義」、または、MacCallumら、J.Mol.Biol.、262:732〜745、1996で説明されている、観察される抗原接触に基づくCDRの「接触定義」が含まれる。本明細書においてCDRの「立体構造の定義」として言及される別のアプローチにおいて、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピーの寄与をもたらす残基として同定され得る。例えば、Makabeら、Journal of Biological Chemistry、283:1156〜1166、2008を参照されたい。さらに他のCDR結合定義は、上記のアプローチの1つに厳密に従わなくてもよいが、それでも、特定の残基もしくは残基群またはさらにはCDR全体が抗原結合に有意に影響しないという予測または実験的所見に照らして、より短くまたは長くなり得るものの、Kabat CDRの少なくとも一部と重複する。本明細書において使用される場合、CDRは、当技術分野において知られている、アプローチの組み合わせを含むあらゆるアプローチによって定義されるCDRを指し得る。本明細書において使用される方法は、これらのアプローチのいずれかに従って定義されるCDRを利用し得る。2つ以上のCDRを含むあらゆる所与の実施形態で、CDRは、Kabat、Chothia、伸長、AbM、接触、および/または立体構造の定義のいずれかに従って定義され得る。
「キメラ抗体」は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種(例えば、ヒト)に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列に同一または相同であるが、鎖の残り部分が、別の種(例えば、マウス)に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列に同一または相同である抗体、および、所望の生物学的活性を示す限りのこのような抗体の断片を指す。
「ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。ヒト抗体は、マウスにおいて、マウス細胞において、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて生産されると、マウス炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」または「ラット抗体」は、それぞれマウス免疫グロブリン配列またはラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。
「ヒト化抗体」は、非ヒト(例えば、マウス)抗体およびヒト抗体の配列を含有する抗体の形態を指す。このような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する。通常、ヒト化抗体は、超可変ループの全てまたはほぼ全てが非ヒト免疫グロブリンのそれに対応し、かつFR領域の全てまたはほぼ全てがヒト免疫グロブリン配列のそれに対応する、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインのほぼ全てを含む。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部も含んでいてよい。接頭辞「hum」、「hu」、または「h」は、ヒト化抗体を親齧歯動物抗体から区別する必要がある場合に、抗体クローンの指定に加えられる。ヒト化された形態の齧歯動物抗体は、親齧歯動物抗体の同一のCDR配列を通常含むが、ある特定のアミノ酸置換が、ヒト化抗体の親和性を増大させるため、安定性を増大させるため、または他の理由で含まれてもよい。
用語「がん」、「がん性の」、または「悪性の」は、制御されていない細胞成長を典型的には特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか、または説明する。がんの例には、限定はしないが、癌腫、リンパ腫、白血病、芽細胞腫、および肉腫が含まれる。このようながんのより特定の例には、扁平上皮細胞癌、骨髄腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頚部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄細胞白血病−1タンパク質(Mcl−1)、骨髄異形成症候群(MDS)、胃腸(管)がん、腎臓(renal)がん、卵巣がん、肝臓がん、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、結腸直腸がん、子宮内膜がん、腎臓(kidney)がん、前立腺がん、甲状腺がん、黒色腫、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓がん、多形性膠芽腫、胃(gastric)がん、骨がん、ユーイング肉腫、子宮頸がん、脳腫瘍、胃(stomach)がん、膀胱がん、ヘパトーマ、乳がん、結腸癌、肝細胞癌(HCC)、腎明細胞癌(RCC)、頭頚部がん、肝胆道がん、中枢神経系がん、食道がん、悪性胸膜中皮腫、全身性軽鎖アミロイドーシス、リンパ形質細胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、神経内分泌腫瘍、メルケル細胞癌、精巣がん、および皮膚がんが含まれる。
「生物療法剤」は、腫瘍の維持および/もしくは成長をサポートする、または抗腫瘍免疫応答を抑制する、あらゆる生物学的経路におけるリガンド/受容体シグナル伝達を遮断する、抗体または融合タンパク質などの生体分子を意味する。
「化学療法剤」は、がん細胞の死滅を生じさせ得る、または、がん細胞の成長、分割、修復、および/もしくは機能に干渉し得る、化学的または生物学的物質を指す。化学療法剤の例には、その開示が参照によって本明細書に組み込まれるWO2006/129163およびUS20060153808において開示されているものが含まれる。化学療法剤のクラスには、限定はしないが、アルキル化剤、代謝拮抗物質、キナーゼ阻害剤、紡錘体毒植物アルカロイド、細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、光増感剤、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、抗プロゲステロン、エストロゲン受容体下方調節因子(ERD)、エストロゲン受容体アンタゴニスト、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、異常な細胞増殖または腫瘍成長に関与する遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明の処置方法において有用な化学療法剤には、細胞増殖抑制剤および/または細胞傷害剤が含まれる。
本開示によって提供される抗体および組成物は、あらゆる適切な腸内経路または非経口経路の投与を介して投与することができる。用語「腸内経路」の投与は、胃腸管のいずれかの部分を介する投与を指す。腸内経路の例には、口腔経路、粘膜経路、口腔内経路、および直腸経路、または胃内経路が含まれる。「非経口経路」の投与は、腸内経路以外の投与経路を指す。非経口経路の投与の例には、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与、腹腔内投与、腫瘍内投与、膀胱内投与、動脈内投与、髄腔内投与、嚢内投与、眼窩内投与、心臓内投与、経気管投与、関節内投与、被膜下投与、くも膜下投与、髄腔内投与、硬膜外および胸骨内投与、皮下投与、または局所的投与が含まれる。本開示の抗体および組成物は、経口摂取、経鼻胃管、胃瘻管、注射、注入、移植可能な注入ポンプ、および浸透圧ポンプなどによる、あらゆる適切な方法を使用して投与することができる。投与の適切な経路および方法は、使用する具体的な抗体、所望の吸収速度、使用する具体的な製剤または投薬形態、処置する障害のタイプまたは重症度、作用の具体的な部位、および患者の状態などの多くの因子に応じて変化し得、また、当業者によって容易に選択され得る。
薬剤の投与に関連して本明細書において使用される用語「同時投与」は、個々の薬剤が対象内で一度に存在するような、薬剤の投与を指す。(同一のまたは代わりの経路を介する)薬剤の付随投与に加えて、同時投与には、異なる時点での(同一のまたは代わりの経路を介する)薬剤の投与が含まれ得る。
本明細書において使用される「Chothia」は、Al−Lazikaniら、JMB 273:927〜948(1997)において記載されている抗体番号付け系を意味する。
「保存的に修飾された変異体」または「保存的置換」は、抗原の親和性および/または特異性などのタンパク質の生物学的活性または他の所望の特性を改変することなく変化が頻繁になされ得るように、タンパク質内のアミノ酸を、類似の特徴(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格の立体構造、および堅固性など)を有する他のアミノ酸で置換することを指す。当業者には、通常は、ポリペプチドの非必須領域内の単一のアミノ酸置換が生物学的活性を実質的に改変しないことが認識される(例えば、Watsonら、(1987)Molecular Biology of the Gene、The Benjamin/Cummings Pub.Co.、p.224(第4版)を参照されたい)。さらに、構造的または機能的に類似のアミノ酸の置換は、生物学的活性を混乱させる可能性が低い。典型的な保存的置換を、以下の表1に示す。
明細書および特許請求の範囲の全体を通して使用される、「から基本的になる(consists essentially of)」、および「から基本的になる(consist essentially of)」または「から基本的になる(consisting essentially of)」などの変型は、あらゆる言及された要素または要素群を含めること、および、特定された投薬レジメン、方法、または組成物の基本的なまたは新規な特性を実質的に変化させない、言及された要素に類似のまたは異なる性質を有する他の要素を含めてもよいことを指す。非限定的な例として、言及されたアミノ酸配列から基本的になるOX40アゴニストはまた、結合化合物の特性に実質的に影響しない1つまたは複数のアミノ酸残基の置換を含む、1つまたは複数のアミノ酸を含み得る。
本明細書において使用される「フレームワーク領域」または「FR」は、CDR領域を除く免疫グロブリン可変領域を意味する。
「相同性」は、最適にアラインされた場合の2つのポリペプチド配列間の配列類似性を指す。2つの比較された配列の両方において、ある位置に同一のアミノ酸単量体サブユニットが存在する場合、例えば、2つの異なるAbの軽鎖CDR内のある位置にアラニンが存在する場合、この2つのAbは、その位置で相同である。相同性のパーセントは、2つ配列が共有する相同な位置の数を、比較した位置の総数によって割り、それに100をかけたものである。例えば、配列が最適にアラインされた場合に、2つの配列内の10の位置のうち8つの位置が適合しているかまたは相同であれば、この2つの配列は80%相同である。通常、比較は、2つの配列が最大の相同性パーセントを得るようにアラインされる場合に行われる。例えば、比較は、BLASTアルゴリズムによって行うことができ、このアルゴリズムにおいて、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列の長さ全体にわたってそれぞれの配列間で最大の適合を得るように選択される。
以下の参考文献は、配列分析に多く使用されるBLASTアルゴリズムに関する。BLAST ALGORITHMS:Altschul,S.F.ら、(1990)J.Mol.Biol.215:403〜410;Gish,W.ら、(1993)Nature Genet.3:266〜272;Madden,T.L.ら、(1996)Meth.Enzymol.266:131〜141;Altschul,S.F.ら、(1997)Nucleic Acids Res.25:3389〜3402;Zhang,J.ら、(1997)Genome Res.7:649〜656;Wootton,J.C.ら、(1993)Comput.Chem.17:149〜163;Hancock,J.M.ら、(1994)Comput.Appl.Biosci.10:67〜70;ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.ら、「A model of evolutionary change in proteins.」in Atlas of Protein Sequence and Structure、(1978)第5巻、補遺3. M.O.Dayhoff(編)、pp.345〜352、Natl.Biomed.Res.Found.、Washington,DC;Schwartz,R.M.ら、「Matrices for detecting distant relationships.」in Atlas of Protein Sequence and Structure、(1978)第5巻、補遺3. M.O.Dayhoff(編)、pp.353〜358,Natl.Biomed.Res.Found.、Washington,DC;Altschul,S.F.、(1991)J.Mol.Biol.219:555〜565;States,D.J.ら、(1991)Methods 3:66〜70;Henikoff,S.ら、(1992)Proc.Natl.cad.Sci.USA 89:10915〜10919;Altschul,S.F.ら、(1993)J.Mol.Evol.36:290〜300;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.ら、(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264〜2268;Karlin,S.ら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873〜5877;Dembo,A.ら、(1994)Ann.Prob.22:2022〜2039;およびAltschul,S.F.「Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.」in Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai編)、(1997)pp.1〜14、Plenum、New York。
「単離された抗体」および「単離された抗体断片」は、精製状態を指し、このような文脈では、指名された分子が、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物、または他の材料、例えば細胞残屑および成長培地などの、他の生体分子を実質的に有さないことを意味する。通常、用語「単離された」は、本明細書において記載される結合化合物の実験的または治療的使用に実質的に干渉する量で存在していない限り、このような材料が完全に不在であること、または水、緩衝液、もしくは塩が不在であることを意図しているわけではない。
本明細書において使用される「Kabat」は、Elvin A.Kabat((1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.)によって開拓された免疫グロブリンのアラインメントおよび番号付け系を意味する。
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」または「mAb」または「Mab」は、実質的に均質な抗体の集団を、すなわち、集団に含まれる抗体分子が、微量に存在し得る考えられる天然の突然変異を除いてアミノ酸配列が同一であることを指す。逆に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、異なるアミノ酸配列を、異なるエピトープに特異的であることが多いその可変ドメイン、特にそのCDRに有する、多数の異なる抗体を典型的に含む。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均質な抗体集団から得られる抗体の特徴を示し、何らかの特定の方法による抗体の生産を要するとは解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら、(1975)Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製され得るか、または組換えDNA法によって作製され得る(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら、(1991)Nature 352:624〜628、およびMarksら、(1991)J.Mol.Biol.222:581〜597において記載されている技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離され得る。また、Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731も参照されたい。
「患者」または「対象」は、ヒト、ならびにウシ、ウマ、イヌ、およびネコなどの獣医学上の哺乳動物患者を含む、治療が望ましい、または臨床試験、疫学的研究に参加している、または対照として使用される、あらゆる単一の対象を指す。
本明細書において使用される「RECIST 1.1応答基準」は、応答が測定される背景に基づいて適切な、標的の病変または標的でない病変についての、Eisenhauerら、E.A.ら、Eur.J Cancer 45:228〜247(2009)に示される定義を意味する。
「持続した応答」は、本明細書において記載される治療物質または組み合わせ療法での治療を停止した後に持続している治療効果を意味する。一部の実施形態では、持続した応答は、処置期間と少なくとも同一の期間、または処置期間よりも少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、もしくは3倍長い期間を有する。
「組織切片」は、組織試料の単一部分または一片、例えば、正常組織または腫瘍の試料の組織切断物の薄片を指す。
本明細書において使用される、がんを「処置する(treat)」または「処置する(treating)」は、1つまたは複数の治療物質(例えば、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの組み合わせ療法)を、がんを有するまたはがんと診断された対象に投与して、例えば、がん細胞数の低減、腫瘍サイズの低減、末梢器官内へのがん細胞浸潤速度の低減、または腫瘍転移もしくは腫瘍成長の速度の低減などの、少なくとも1つの正の治療効果を達成することを意味する。がんにおける正の治療効果は、多くの方法で測定することができる(W.A.Weber、J.Nucl.Med.50:1S〜10S(2009)を参照されたい)。例えば、NCI標準に従った腫瘍成長の阻害に関しては、T/C≦42%は最小レベルの抗腫瘍活性である。T/C<10%は高い抗腫瘍活性レベルであると見なされ、T/C(%)は、処置された腫瘍容積の中央値/対照の腫瘍容積の中央値×100である。一部の実施形態では、本発明の組み合わせによって達成される処置は、PR、CR、OR、PFS、DFS、およびOSのいずれかである。「腫瘍が進行するまでの時間」とも呼ばれるPFSは、がんが成長しない、処置中および処置後の時間の長さを示し、患者がCRまたはPRを受けた時間量、および患者がSDを受けた時間量を含む。DFSは、患者が無疾患のままである、処置中および処置後の時間の長さを指す。OSは、未処理または未処置の個体または患者と比較した余命の延長を指す。一部の実施形態では、本発明の組み合わせに対する応答は、RECIST 1.1応答基準を使用して評価されるPR、CR、PFS、DFS、OR、またはOSのいずれかである。がん患者の処置に効果的な、本発明の組み合わせのための処置レジメンは、患者の病状、年齢、および体重、ならびに治療法が対象において抗がん応答を引き起こす能力などの因子に従って変化し得る。本発明の態様のいずれかの実施形態は、全ての対象における正の治療効果の達成において効果的ではない可能性があるが、ステューデントt検定、カイ二乗検定、マン・ホニットニーのU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール・タプストラ検定、およびウィルコクソン検定などの当技術分野において知られているあらゆる統計的検定によって決定するところ、統計的に有意な数の対象において効果的である。
用語「処置レジメン」、「投与プロトコル」、および「投与レジメン」は、本発明の組み合わせにおける各治療物質の投与の用量およびタイミングを指すために区別せずに使用される。
本明細書において使用される場合、「処置する」は、有利なまたは所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的では、有利なまたは所望の臨床結果には、限定はしないが、新生物細胞もしくはがん性細胞の増殖の低減(もしくは破壊)、新生物細胞の転移の阻害、または腫瘍のサイズの縮小もしくは減少、の1つまたは複数が含まれる。
本明細書において使用される「好転させる」は、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの無投与と比較して1つまたは複数の症候を減らすまたは改善させることを意味する。「好転させる」にはまた、症候の期間の短縮または低減も含まれる。
本明細書において使用される場合、薬物、化合物、または医薬組成物の「有効投薬量」または「有効量」は、何らかの1つまたは複数の有利なまたは所望の結果をもたらすために十分な量である。予防的使用では、有利なまたは所望の結果には、疾患の生化学的、組織学的、および/または行動的症候、その合併症、および疾患の発症の間に表れる中間の病理学的表現型を含む、疾患の、リスクをなくすもしくは低減させること、重症度を減らすこと、または発生を遅らせることが含まれる。治療的使用では、有利なまたは所望の結果には、様々な疾患もしくは症状(例えば、がんなど)の1つもしくは複数の症候の発生の低減もしくは好転、疾患を処置するために必要な他の薬剤の用量の減少、別の薬剤の影響の増強、および/または患者の疾患の進行の遅延等の臨床成績が含まれる。有効投薬量は、1回または複数回の投与で投与することができる。本発明の目的では、薬物、化合物、または医薬組成物の有効投薬量は、予防的または治療的処置を直接的にまたは間接的に達成するために十分な量である。臨床的背景で理解されるように、薬物、化合物、または医薬組成物の有効投薬量は、別の薬物、化合物、または医薬組成物と組み合わせて達成されてもされなくてもよい。したがって、「有効投薬量」は、1つまたは複数の治療物質の投与の背景で考慮され得、単一の作用物質は、1つまたは複数の他の作用物質と組み合わせて所望の結果が達成され得るかまたは達成される場合には、有効量で投与されていると見なされ得る。
用語「薬学的に許容できる担体」は、結合分子の送達のための、製剤における使用に適切なあらゆる不活性物質を指す。担体は、抗被着剤、結合剤、被覆剤、崩壊剤、充填剤または希釈剤、防腐剤(抗酸化剤、抗菌剤、または抗真菌剤など)、甘味料、吸収遅延剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などであり得る。適切な薬学的に許容できる担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、デキストロース、植物油(オリーブオイルなど)、生理食塩水、緩衝液、緩衝生理食塩水、および等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、ソルビトール、および塩化ナトリウムが含まれる。
がんと診断されたまたはがんを有する疑いがある対象に適用される「腫瘍」は、あらゆるサイズの悪性のまたは潜在的に悪性の新生物または組織腫瘤を指し、原発性腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、嚢胞または液体の区域を通常は含有しない、組織の異常な成長または腫瘤である。異なるタイプの固形腫瘍が、それを形成する細胞のタイプについて名付けられている。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫である。白血病(血液のがん)は、固形腫瘍を通常は形成しない(National Cancer Institute、Dictionary of Cancer Terms)。
「進行した悪性固形腫瘍」および「進行した固形腫瘍」は、最初処置または第一選択処置の後に再発している、進行性の、転移している、局所的に進行した、および/またはその処置が無効である腫瘍を指すために、区別せずに使用される。進行した固形腫瘍には、限定はしないが、骨、脳、乳房、肝臓、肺、リンパ節、膵臓、前立腺、および軟部組織(肉腫)における転移性腫瘍が含まれる。
「腫瘍細胞量」とも呼ばれる「腫瘍組織量」は、身体全体に分布している腫瘍材料の総量を指す。腫瘍組織量は、リンパ節および骨髄を含む身体全体のがん細胞の総数または腫瘍の総サイズを指す。腫瘍組織量は、当技術分野において知られている様々な方法によって、例えば、対象から除去した際の腫瘍の寸法を例えばカリパスを使用して測定することによって、または、体内にあるときに画像化技術、例えば、超音波、骨のスキャン、コンピュータ断層撮影(CT)、もしくは磁気共鳴イメージング(MRI)スキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することによって、判定することができる。
用語「腫瘍サイズ」は、腫瘍の長さおよび幅として測定することができる腫瘍の総サイズを指す。腫瘍サイズは、当技術分野において知られている様々な方法によって、例えば、対象から除去した際の腫瘍の寸法を例えばカリパスを使用して測定することによって、または、体内にあるときに画像化技術、例えば、骨のスキャン、超音波、CT、もしくはMRIスキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することによって、判定され得る。
本明細書において使用される用語「OX40抗体」は、ヒトOX40受容体に結合し得る、本明細書において定義される抗体を意味する。
用語「OX40」および「OX40受容体」は、本願において区別せずに使用され、あらゆる形態のOX40受容体、ならびに、OX40受容体の活性の少なくとも一部を保持するその変異体、アイソフォーム、および種ホモログを指す。したがって、本明細書において定義および開示されている結合分子は、ヒト以外の種のOX40も結合し得る。他のケースでは、結合分子は、ヒトOX40に完全に特異的であり得、種交差反応性または他のタイプの交差反応性を示さない可能性がある。ヒトOX40への具体的な言及などによる別段の指示がない限り、OX40には、全ての哺乳動物種、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシの、非変性配列OX40が含まれる。1つの典型的なヒトOX40は、277アミノ酸からなるタンパク質である(UniProt受託番号P43489)。
本明細書において使用される「OX40アゴニスト抗体」は、OX40に結合すると(1)OX40を刺激するかもしくは活性化させる、(2)OX40の活性、機能、もしくは存在を増強させる、増大させる、促進する、誘発する、もしくは延長する、または(3)OX40の発現を増強させる、増大させる、促進する、または誘発する、本明細書において定義されるあらゆる抗体を意味する。本発明の処置方法、薬剤、および使用のいずれかにおいて有用なOX40アゴニストには、OX40に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)が含まれる。
ヒトOX40に結合し、かつ本発明の処置方法、薬剤、および使用において有用なmAbの例は、例えば、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,960,515号、PCT特許出願公開第WO2009079335、WO201302823、およびWO2013119202、および米国特許出願公開第20150190506号において記載されている。一部の実施形態では、本明細書において開示されている処置、方法、薬剤、および使用において有用な抗OX40抗体は、それぞれ配列番号7および配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む完全ヒトアゴニストモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、本明細書において開示されている処置、方法、薬剤、および使用において有用な抗OX40抗体は、それぞれ配列番号28および配列番号29で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む完全ヒトアゴニストモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗OX40抗体は、完全ヒトIgG2またはIgG1抗体である。
以下の表2は、本発明の処置方法、薬剤、および使用において使用するための典型的な抗OX40抗体配列を示す。
本明細書において使用される用語「4−1BB抗体」は、ヒト4−1BB受容体に結合し得る、本明細書において定義される抗体を意味する。
用語「4−1BB」および「4−1BB受容体」は、本願において区別せずに使用され、あらゆる形態の4−1BB受容体、ならびに、4−1BB受容体の活性の少なくとも一部を保持するその変異体、アイソフォーム、および種ホモログを指す。したがって、本明細書において定義および開示されている結合分子は、ヒト以外の種の4−1BBも結合し得る。他のケースでは、結合分子は、ヒト4−1BBに完全に特異的であり得、種交差反応性または他のタイプの交差反応性を示さない可能性がある。ヒト4−1BBへの具体的な言及などによる別段の指示がない限り、4−1BBには、全ての哺乳動物種、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシの、非変性配列4−1BBが含まれる。1つの典型的なヒト4−1BBは、255アミノ酸からなるタンパク質である(受託番号NM_001561、NP_001552)。完全ヒト4−1BBアミノ酸配列の一実施形態を、配列番号21で示す。
4−1BBは、シグナル配列(アミノ酸残基1〜17)と、それに続く細胞外ドメイン(169アミノ酸)、膜貫通領域(27アミノ酸)、および細胞内ドメイン(42アミノ酸)を含む(Cheuk ATCら、2004、Cancer Gene Therapy 11:215〜226)。受容体は、細胞表面上で単量体および二量体形態で発現し、シグナル伝達するために、4−1BBリガンドと三量体化する可能性がある。
本明細書において使用される「4−1BBアゴニスト」は、4−1BBに結合すると(1)4−1BBを刺激するかもしくは活性化させる、(2)4−1BBの活性、機能、もしくは存在を増強させる、増大させる、促進する、誘発する、もしくは延長する、または(3)4−1BBの発現を増強させる、増大させる、促進する、または誘発する、本明細書において定義されるあらゆる化学的化合物または生体分子を意味する。本発明の処置方法、薬剤、および使用のいずれかにおいて有用な4−1BBアゴニストには、4−1BBに特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)が含まれる。4−1BBの代替的名称または同義語には、CD137およびTNFRSF9が含まれる。ヒト個体が処置される本発明の処置方法、薬剤、および使用のいずれかにおいて、4−1BBアゴニストは、4−1BB介在性の応答を増大させる。本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは、いくつかのモデルにおいて、細胞傷害性T細胞応答を著しく増強させ、その結果、抗腫瘍活性をもたらす。
ヒト4−1BBに結合し、かつ本発明の処置方法、薬剤、および使用において有用なmAbの例は、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、US8,337,850およびUS2013−0078240において記載されている。本発明の処置方法、薬剤、および使用において4−1BBアゴニストとして有用な、具体的な抗ヒト4−1BB mAbには、例えば、PF−05082566が含まれる。PF−05082566は、4−1BBを標的化する完全ヒト化IgG2アゴニストモノクローナル抗体である。
一部の実施形態では、本明細書において開示されている処置、方法、薬剤、および使用において有用な抗4−1BB抗体は、それぞれ配列番号17および配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む完全ヒト化IgG2アゴニストモノクローナル抗体である。
以下の表3は、本発明の処置方法、薬剤、および使用において使用するための典型的な抗4−1BB抗体配列を示す。
mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体であり得、またヒト定常領域を含み得る。一部の実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4定常領域からなる群から選択され、一部の実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1またはIgG4定常領域である。一部の実施形態では、抗体は、Fab、Fab'−SH、F(ab')2、scFv、およびFv断片からなる群から選択される。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは、(a)軽鎖CDR配列番号14、15、および16、ならびに重鎖CDR配列番号11、12、および13を含むモノクローナル抗体である。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、OX40アゴニストは、(a)軽鎖CDR配列番号4、5、および6、ならびに重鎖CDR配列番号1、2、および3を含むモノクローナル抗体である。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは、ヒト4−1BBに特異的に結合し、かつ(a)配列番号17を含む重鎖可変領域またはその変異体、および(b)配列番号18を含むアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域またはその変異体を含むモノクローナル抗体である。
重鎖可変領域配列の変異体は、フレームワーク領域(すなわち、CDRの外側)に最大17の保存的なアミノ酸置換を有することを除いて参照配列に同一であり、好ましくは、フレームワーク領域に10個、9個、8個、7個、6個、または5個未満の保存的なアミノ酸置換を有する。軽鎖可変領域配列の変異体は、フレームワーク領域(すなわち、CDRの外側)に最大5つの保存的なアミノ酸置換を有することを除いて参照配列に同一であり、好ましくは、フレームワーク領域に4つ、3つ、または2つ未満の保存的なアミノ酸置換を有する。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、OX40アゴニストは、ヒトOX40に特異的に結合し、かつ(a)配列番号7を含む重鎖可変領域またはその変異体、および(b)配列番号8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域またはその変異体を含むモノクローナル抗体である。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは、ヒト4−1BBに特異的に結合し、かつ、配列番号19のC末端リジン残基が不在であってもよいという条件で、(a)配列番号19で示される重鎖アミノ酸配列、および(b)配列番号20で示される軽鎖アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体である。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、OX40アゴニストは、ヒトOX40に特異的に結合し、かつ、配列番号9のC末端リジン残基が不在であってもよいという条件で、(a)配列番号9で示される重鎖アミノ酸配列、および(b)配列番号10で示される軽鎖アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体である。
本発明の処置方法、薬剤、および使用の一部の実施形態では、OX40アゴニストは、PF−04518600である。PF−04518600は、OX40受容体のアゴニストとして機能する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体(mAb)である。
実施形態が「含む(comprising)」という語と共に本明細書において記載される箇所はどこも、「からなる(consisting of)」および/または「から基本的になる(consisting essentially of)」という用語で記載される他の類似の実施形態もまた提供されていることを理解されたい。
本発明の態様または実施形態がマーカッシュグループまたは他の代替的なグループ化の用語で記載されている箇所では、本発明は、列挙されたグループ全てをまとめて包含するだけではなく、グループの各メンバーも個別に、またメイングループの全ての考えられるサブグループも、また、グループメンバーの1つまたは複数が欠けたメイングループも包含する。本発明はまた、特許請求の範囲に記載された発明におけるグループメンバーのいずれかの1つまたは複数を明確に排除することも想定する。
別段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一致しないケースでは、定義を含む本明細書が優先される。本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「含む(comprise)」という語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変型は、言及された整数または整数群を含めるが、あらゆる他の整数または整数群を排除しないと理解される。文脈により別段の要求がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含む。用語「例えば(e.g.)」または「例えば(for example)」に続くあらゆる例は、網羅的または限定的であることを意味するものではない。
典型的な方法および材料が本明細書において記載されるが、本明細書において記載されるものに類似または同等の方法および材料もまた、本発明の実施または試験において使用することができる。材料、方法、および実施例は例示的なものにすぎず、限定することを意図したものではない。
II.方法、使用、および薬剤
本発明の一態様では、本発明は、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストを含む組み合わせ療法を個体に投与することを含む、個体におけるがんを処置するための方法を提供する。
組み合わせ療法はまた、1つまたは複数のさらなる治療物質を含み得る。さらなる治療物質は、例えば、化学療法剤、生物療法剤(限定はしないが、VEGF、VEGFR、EGFR、Her2/neu、他の増殖因子受容体、CD20、CD40、CD−40L、CTLA−4、PD−L1、およびICOSに対する抗体を含む)、免疫原性物質(例えば、弱められたがん性細胞、腫瘍抗原、抗原提示細胞、例えば、腫瘍由来の抗原または核酸でパルスされた樹状細胞、免疫刺激サイトカイン(例えば、IL−2、IFNα2、GM−CSF)、および、限定はしないがGM−CSFなどの免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子をトランスフェクトされた細胞)であり得る。
化学療法剤の例には、チオテパおよびシクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、およびウレドパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチロールメラミンを含むエチレンイミンおよびメチラメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、およびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体KW−2189およびCBI−TMIを含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノボエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマ1Iおよびカリケアマイシンphil1、例えば、Agnew、Chem.Intl.Ed.Engl.、33:183〜186(1994)を参照されたい;ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補給剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシンおよびアンサマイトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA、およびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル;クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどのプラチナ類似体;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容できる塩、酸、または誘導体が含まれる。また、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール、レトロゾール、およびアナストロゾールなどの、副腎におけるエストロゲンの生産を調節する、酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤;ならびに、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;ならびに、上記のいずれかの薬学的に許容できる塩、酸、または誘導体も含まれる。
一部の実施形態では、OX−40アゴニストおよび4−1BBアゴニストを含む、本明細書において提供される組み合わせ療法におけるさらなる治療物質は、例えば、抗CTLA4抗体、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗LAG3抗体、抗TIGIT抗体、抗HVEM抗体、抗BTLA抗体、抗CD40抗体、抗CD47抗体、抗CSF1RもしくはCSF1抗体、抗MARCO抗体、CCR2阻害剤、サイトカインに基づく治療法[例えば、IL−2(またはIL−2変異体)、IL−7(およびIL−7変異体)、IL−15(およびIL−15変異体)、IL−12(およびIL−12変異体)、IFNγ(またはIFNγ変異体)、IFNα(またはIFNα変異体)、IL−8または抗IL−8抗体]、抗CXCR4抗体、抗VEGFR1もしくはVEGFR2抗体、TNFα(またはTNFα変異体)、抗TNFR1もしくはTNFR2抗体、キナーゼ阻害剤、ALK阻害剤、MEK阻害剤、IDO阻害剤、GLS1阻害剤、抗CD3二重特異的抗体、CART細胞もしくはT細胞療法標的療法、例えばPTK7−ADC、抗腫瘍抗体[例えば、抗CD19抗体、抗CD20抗体、または抗Her2抗体]、腫瘍溶解性ウイルス、または腫瘍ワクチンであり得る。
本発明の組み合わせ療法における各治療物質は、標準的な薬務に従って、単独で、または、治療物質と1つまたは複数の薬学的に許容できる担体、賦形剤、および希釈剤とを含む薬剤(本明細書において医薬組成物とも呼ばれる)内で、投与され得る。
本発明の組み合わせ療法における各治療物質は、同時に(例えば、同一薬剤内で、または一度に)、併行して(すなわち、任意の順序で相次いで投与される別個の薬剤内で)、または任意の順序で連続的に投与され得る。連続的な投与は、組み合わせ療法における治療物質が、異なる投薬形態であり(一つの作用物質が錠剤またはカプセルであり、別の作用物質が無菌液体である)、かつ/または異なる投与スケジュールで投与される場合、例えば、少なくとも1日に1回投与される化学療法剤、および、1週間に1回、2週間に1回、または3週間に1回などの、より少ない頻度で投与される生物療法剤の場合に、特に有用である。
投薬単位は、例えば、mg(すなわち、対象当たりのmg)、mg/kg(すなわち、体重1kg当たりのmg)、またはmg/m2で表してよい。mg/m2の投薬単位は、体表面積1平方メートル当たりのミリグラム量を指す。
一部の場合では、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストが、単回投薬形態に組み合わされているかまたは共製剤される。
OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの同時投与は処置または予防の期間中維持され得るが、抗がん活性は、単離された状態の1つの化合物を組み合わせ処置後に投与することによっても(例えば、組み合わせ処置後の、4−1BBアゴニストを伴わないOX40アゴニスト、または、OX40アゴニストを伴わない4−1BBアゴニスト)達成され得る。
一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは、OX40アゴニストの投与の前に投与され、一方、他の実施形態では、4−1BBアゴニストは、OX40アゴニストの投与の後に投与される。
一部の実施形態では、組み合わせ療法における治療物質の少なくとも1つは、同一のがんを処置するための単剤療法として作用物質が使用される場合に典型的に利用されるものと同一の投薬レジメン(用量、頻度、および処置期間)を使用して投与される。他の実施形態では、患者は、作用物質が単剤療法として使用される場合よりも少ない総量の、例えば、より少ない用量、より少ない頻度、および/またはより短い処置期間の、組み合わせ療法における治療物質の少なくとも1つを投与される。
本発明の組み合わせ療法は、腫瘍を除去するための外科手術の前または後に使用され得、また、放射線照射療法の前、最中、または後に使用され得る。
一部の実施形態では、本発明の組み合わせ療法は、生物療法剤または化学療法剤で事前に処置されていない、すなわち未処置の患者に投与される。他の実施形態では、組み合わせ療法は、生物療法剤または化学療法剤での事前の治療法の後に持続した応答を得られなかった、すなわち処置を経験した患者に投与される。
本発明の組み合わせ療法は、触診によって、または、MRI、超音波、もしくはCATスキャンなどの当技術分野において周知の画像化技術によって発見するのに十分に大きな腫瘍を処置するために、典型的に使用される。一部の実施形態では、本発明の組み合わせ療法は、少なくとも約200mm3、300mm3、400mm3、500mm3、750mm3、または最大1000mm3の寸法を有する進行したステージの腫瘍を処置するために使用される。
一実施形態では、投薬レジメンは、あらゆる治療法に慣例的な様式で、特定の患者の状態、応答、および関連する処置に合わせられ、また、状態の変化に応じて、かつ/または他の臨床的状態に照らして、調整される必要があり得る。
一部の実施形態では、本発明の組み合わせ療法のための投薬レジメン(本明細書において、投与レジメンとも呼ばれる)の選択は、血清または組織の実体の代謝回転速度、症候のレベル、実体の免疫原性、および処置される個体内の標的となる細胞、組織、または器官へのアクセス可能性を含む、いくつかの因子によって決まる。好ましくは、患者に送達される各治療物質の量を最大化する投薬レジメンは、許容できる副作用レベルと一致する。したがって、組み合わせ内の各生物療法剤および化学療法剤の用量および投薬頻度は、一部、特定の治療物質、処置されるがんの重症度、および患者の特徴によって決まる。抗体、サイトカイン、および低分子の適切な用量の選択におけるガイダンスは入手可能である。例えば、Wawrzynczak(1996)Antibody Therapy、Bios Scientific Pub.Ltd、Oxfordshire、UK;Kresina(編)(1991)Monoclonal Antibodies、Cytokines and Arthritis、Marcel Dekker、New York、NY;Bach(編)(1993)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases、Marcel Dekker、New York、NY;Baertら、(2003)New Engl.J.Med.348:601〜608;Milgromら、(1999)New Engl.J.Med.341:1966〜1973;Slamonら、(2001)New Engl.J.Med.344:783〜792;Beniaminovitzら、(2000)New Engl.J.Med.342:613〜619;Ghoshら、(2003)New Engl.J.Med.348:24〜32;Lipskyら、(2000)New Engl.J.Med.343:1594〜1602;Physicians’ Desk Reference 2003(Physicians’ Desk Reference、第57版);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)を参照されたい。適切な投薬レジメンの決定は、臨床医によって、例えば、処置に影響することまたは処置に影響すると予測されることが当技術分野において知られているまたは予想されるパラメータまたは因子を使用して行われ得、また、例えば、患者の病歴(例えば、事前の治療法)、処置されるがんのタイプおよびステージ、ならびに、組み合わせ療法における治療物質の1つまたは複数に対する応答のバイオマーカーに依存する。
本発明の組み合わせ療法における生物療法剤は、連続注入によって、または、例えば、1日に1回、2日に1回、1週間に3回、もしくは1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月に1回などの間隔での用量によって、投与され得る。1週間の総用量は、例えば、体重1kg当たり少なくとも0.05μg、0.2μg、0.5μg、1μg、10μg、100μg、0.2mg、1.0mg、2.0mg、10mg、25mg、50mg、またはそれ以上であり得る。例えば、Yangら、(2003)New Engl.J.Med.349:427〜434;Heroldら、(2002)New Engl.J.Med.346:1692〜1698;Liuら、(1999)J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451〜456;Portieljiら、(2003)Cancer Immunol.Immunother.52:133〜144を参照されたい。本明細書において提供される治療物質の用量は、対象に、例えば、質量当たりの基準で(例えば、mg/kg)または一定用量の基準で(例えば、mg/対象)で提供され得る。
抗ヒトOX40 mAbを組み合わせ療法におけるOX40アゴニストとして利用する一部の実施形態では、投与レジメンは、抗ヒトOX40 mAbを、0.01、0.1、0.3、1、1.5、2、3、5、6、8、10、15、20、25、50、75、または100mg/kgの用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、抗ヒトOX40 mAbを、約0.01mg/kgから約25mg/kgの間の用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、OX40アゴニストを、対象当たり1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、または1000mgの一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、OX40アゴニストを、対象当たり約1から500mgの間の一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、OX40アゴニストを、対象当たり約6から600mgの間の一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。
抗ヒトOX40 mAbを組み合わせ療法におけるOX40アゴニストとして利用する他の実施形態では、投与レジメンは、抗ヒトOX40 mAbを、約0.005mg/kgから約10mg/kg、約0.01mg/kgから約25mg/kg、約0.1mg/kgから約50mg/kg、または約1mg/kgから約100mg/kgの用量で、患者内用量増加(intra−patient dose escalation)を行いながら投与することを含む。他の増加用量の実施形態では、投与の間の間隔は次第に短くなり、例えば、第1の投与と第2の投与との間では約30日(±2日)であり、第2の投与と第3の投与との間では約14日(±2日)である。ある特定の実施形態では、投与間隔は、第2の投与に次ぐ投与では、約14日(±2日)である。
ある特定の実施形態では、対象は、本明細書において記載されるOX40アゴニストのいずれかを含む薬剤の静脈内(IV)注入を投与される。実施形態では、OX40アゴニストは、約30、60、または90分の時間にわたってIV注入によって液体薬剤として投与される。実施形態では、OX40アゴニストは、ヒスチジン緩衝液内に賦形剤と共にpH5.5で配合された水溶液内の1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、または200mg/mLのOX40アゴニストを含む液体薬剤として投与される。実施形態では、OX40アゴニストは、呼び容積が10mLの、20mmの血清ストッパーおよび20mmのアルミニウムフリップオフシールを有する滅菌された10mLのType 1クリアガラスバイアル内で提供される。
ある特定の実施形態では、組み合わせ療法におけるOX40アゴニストは、0.01mg/kg Q2W(Q2W=2週間ごとに1回用量)、0.1mg/kg Q2W、0.3mg/kg Q2W、1mg/kg Q2W、1.5mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、0.01mg/kg Q3W(Q3W=3週間ごとに1回用量)、0.1mg/kg Q3W、0.3mg/kg Q3W、1mg/kg Q3W、1.5mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、0.01mg/kg Q4W(Q4W=4週間ごとに1回用量)、0.1mg/kg Q4W、0.3mg/kg Q4W、1mg/kg Q4W、1.5mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で静脈内投与される。
ある特定の実施形態では、組み合わせ療法におけるOX40アゴニストは、それぞれ配列番号7および配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗OX40モノクローナル抗体を含み、0.01mg/kg Q2W、0.1mg/kg Q2W、0.3mg/kg Q2W、1mg/kg Q2W、1.5mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、0.01mg/kg Q3W、0.1mg/kg Q3W、0.3mg/kg Q3W、1mg/kg Q3W、1.5mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、0.01mg/kg Q4W、0.1mg/kg Q4W、0.3mg/kg Q4W、1mg/kg Q4W、1.5mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で静脈内投与される。
ある特定の実施形態では、組み合わせ療法におけるOX40アゴニストは、それぞれ配列番号9および配列番号10で示されるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖を含む抗OX40モノクローナル抗体を含み、0.01mg/kg Q2W、0.1mg/kg Q2W、0.3mg/kg Q2W、1mg/kg Q2W、1.5mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、0.01mg/kg Q3W(Q3W=3週間ごとに1回用量)、0.1mg/kg Q3W、0.3mg/kg Q3W、1mg/kg Q3W、1.5mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、0.01mg/kg Q4W(Q4W=4週間ごとに1回用量)、0.1mg/kg Q4W、0.3mg/kg Q4W、1mg/kg Q4W、1.5mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で静脈内投与される。
一部の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、0.01、0.1、0.5、1、2、3、5、6、8、10、15、20、25、50、75、または100mg/kgの用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、約0.01mg/kgから約25mg/kgの間の用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、対象当たり1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、または1000mgの一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、対象当たり約1から500mgの間の一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。一部の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、対象当たり約6から600mgの間の一定用量で、処置過程を通して約7日(±2日)または約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で投与することを含む。
他の実施形態では、投与レジメンは、4−1BBアゴニストを、約0.005mg/kgから約10mg/kg、約0.01mg/kgから約25mg/kg、約0.1mg/kgから約50mg/kg、または約1mg/kgから約100mg/kgの用量で、患者内用量増加を行いながら投与することを含む。他の増加用量の実施形態では、投与の間の間隔は次第に短くなり、例えば、第1の投与と第2の投与との間では約30日(±2日)であり、第2の投与と第3の投与との間では約14日(±2日)である。ある特定の実施形態では、投与間隔は、第2の投与に次ぐ投与では、約14日(±2日)である。
本発明の別の実施形態では、組み合わせ療法における4−1BBアゴニストは、1mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、1mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、1mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で、液体薬剤内で投与される。
本発明の別の実施形態では、組み合わせ療法における4−1BBアゴニストは、それぞれ配列番号17および配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗4−1BBモノクローナル抗体を含み、1mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、1mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、1mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で、液体薬剤内で投与される。
本発明の別の実施形態では、組み合わせ療法における4−1BBアゴニストは、それぞれ配列番号19および配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖を含む抗4−1BBモノクローナル抗体を含み、1mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg/kg Q2W、1mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W、1mg/kg Q4W、2mg/kg Q4W、3mg/kg Q4W、5mg/kg Q4W、および10mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量で、液体薬剤内で投与される。
本発明の別の実施形態では、組み合わせ療法における4−1BBアゴニストは、それぞれ配列番号17および配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗4−1BBモノクローナル抗体を含み、対象当たり1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mgからなる群から選択される用量で、Q2W、Q3W、またはQ4Wの頻度で、液体薬剤内で投与される。
本発明の別の実施形態では、組み合わせ療法における4−1BBアゴニストは、それぞれ配列番号19および配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗4−1BBモノクローナル抗体を含み、対象当たり1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mgからなる群から選択される用量で、Q2W、Q3W、またはQ4Wの頻度で、液体薬剤内で投与される。
一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは液体薬剤として投与され、選択された薬剤用量は、約30、60、または90分の時間にわたりIV注入によって投与される。
特定の4−1BBアゴニストと組み合わされた特定のOX40アゴニストの最適な用量は、これらの作用物質の一方または両方の用量増加によって同定され得る。
一実施形態では、本明細書において提供される組み合わせ療法は、OX40アゴニストを、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、または10mg/kgからなる群から選択される用量で、Q2W、Q3W、またはQ4Wの頻度で、かつ、4−1BBアゴニストを、対象当たり1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mgの一定用量で、Q2W、Q3W、またはQ4Wの頻度で、対象に投与することを含み得る。
一実施形態では、本明細書において提供される組み合わせ療法は、OX40アゴニストを、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、または10mg/kgからなる群から選択される用量で、Q2W(2週間ごとに1回用量)の頻度で、かつ、4−1BBアゴニストを、対象当たり1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mgの一定用量で、Q4W(4週間ごとに1回用量)の頻度で、対象に投与することを含み得る。
実施形態では、本明細書において提供される組み合わせ療法において、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの両方の一用量を対象に投与する日に、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストは、少なくとも5、10、15、30、または60分、かつ360分以下離れた時間間隔で対象に投与される。
一実施形態では、OX40アゴニストは、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、または10mg/kg Q2Wの開始用量で投与され、4−1BBアゴニストは、対象当たり1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100mgの一定開始用量で、Q4Wで投与される。
一実施形態では、OX40アゴニストは2mg/kg Q2Wの開始用量で投与され、4−1BBアゴニストは、0.3mg/kg、0.6mg/kg、1.2mg/kg、2.4mg/kg、または5mg/kgの開始用量で、Q4Wで投与される。
別の実施形態では、OX40アゴニストは2mg/kg Q3Wの開始用量で投与され、4−1BBアゴニストは、0.3mg/kg、0.6mg/kg、1.2mg/kg、2.4mg/kg、または5mg/kgの開始用量で、Q3Wで投与される。
さらに別の実施形態では、4−1BBアゴニストは0.6mg/kg Q4Wの開始用量で投与され、OX40アゴニストは10mg/kg Q2Wの開始用量で投与され、もし、開始用量の組み合わせが患者にとって耐容性がなければ、OX40アゴニストの用量は2mg/kg Q2Wまで低減され、かつ/または4−1BBアゴニストの用量は0.3mg/kg Q4Wまで低減される。
一実施形態では、投薬レジメンは、2mg/kg Q2Wおよび10mg/kg Q2Wからなる群から選択される用量のOX40アゴニストと、1.2mg/kg Q4W、2.4mg/kg Q4W、および5.0mg/kg Q4Wからなる群から選択される用量の4−1BBアゴニストとの、任意の組み合わせである。
実施形態では、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの組み合わせのための典型的な投薬レジメンを、表4に示す。
当業者によって決定されるところ、一部の実施形態では、前記範囲の下限を下回る投薬量レベルで十分であり得、一方、他のケースでは、より多い投薬量が利用され得る。
一部の実施形態では、処置サイクルは、組み合わせ処置の初日に開始され、3週間または4週間続く。薬物が共投与される処置サイクルのいずれかの日に、実施形態では、OX40アゴニストの注入は、4−1BBアゴニストの注入が完了した30分後に開始される。あるいは、OX40アゴニストは、4−1BBアゴニストの注入が完了した後にIV注入によって投与される。実施形態では、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストは、同時のIV注入によって投与され得る。
一部の実施形態では、本明細書において提供される組み合わせ療法は、少なくとも12週間にわたり(4週間のサイクルを3回、または3週間のサイクルを4回)、さらに好ましくは少なくとも24週間にわたり、さらに好ましくは、患者が完全な退縮を達成した少なくとも2から4週間後に投与される。
一部の実施形態では、本発明の組み合わせ療法での処置に選択された患者は、進行した固形悪性腫瘍を有すると診断されている。実施形態では、患者は、進行した腫瘍のための事前の全身治療を受けていない。
本発明また、上記のようなOX40アゴニストおよび薬学的に許容できる賦形剤を含む薬剤を提供する。OX40アゴニストが生物療法剤、例えばmAbである場合、アゴニストは、従来の細胞培養および回収/精製技術を使用して、CHO細胞において生産され得る。
一部の実施形態では、抗OX40抗体をOX40アゴニストとして含む薬剤は、液体製剤として提供され得るか、または、注射のために使用前に凍結乾燥粉末を滅菌水で復元することによって調製され得る。一部の実施形態では、OX40アゴニストを含む薬剤は、100mgのOX40アゴニストを含有するガラスバイアル内で提供される。
本発明はまた、4−1BBアゴニスト抗体および薬学的に許容できる賦形剤を含む薬剤を提供する。4−1BBアゴニスト抗体は、例えば、米国特許第8,337,850号またはUS20130078240において記載されているように調製され得る。
一部の実施形態では、4−1BBアゴニスト抗体は、静脈内投与(IV)を可能にするように10mg/mLの濃度で製剤され得る。市販の製剤は、pH5.5の、α,α−トレハロース二水和物、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物、およびポリソルベート80を有するL−ヒスチジン緩衝液を含有し得る。
本明細書において記載されるOX40および4−1BB薬剤は、第1の容器および第2の容器および添付文書を含むキットとして提供され得る。第1の容器は、OX40アゴニストを含む少なくとも1回用量の薬剤を含有し、第2の容器は、4−1BBアゴニストを含む少なくとも1回用量の薬剤を含有し、添付文書またはラベルは、薬剤を使用して患者のがんを処置するための指示を含む。第1および第2の容器は、同一のまたは異なる形状(例えば、バイアル、シリンジ、およびボトル)および/または材料(例えば、プラスチックまたはガラス)であり得る。キットは、薬剤の投与に有用であり得る他の材料、例えば、希釈剤、フィルター、IVバッグおよびライン、針およびシリンジをさらに含み得る。キットの一部の実施形態では、OX40アゴニストは抗OX40抗体である。キットの一部の実施形態では、4−1BBアゴニストは抗4−1BB抗体である。
本明細書において提供されるキットの一部の実施形態では、キットの容器は、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストの両方を同一の容器に含有する。本明細書において提供されるキットの一部の実施形態では、OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストは、別個の容器で提供される。
米国仮特許出願第62/286,616号(2016年1月25日出願)の内容が、全ての目的で、参照によって本明細書に組み込まれる。
以下に列挙する典型的な具体的実施形態を含む、本発明のこれらのおよび他の態様は、本明細書に含まれる教示から明らかとなろう。
III.一般的な方法
分子生物学における標準的な方法は、Sambrook,Fritsch、およびManiatis(1982および1989、第2版、2001、第3版)Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;Wu(1993)Recombinant DNA、Vol.217、Academic Press、San Diego、CAにおいて記載されている。標準的な方法はまた、細菌細胞におけるクローニングおよびDNA突然変異生成(Vol.1)、哺乳動物細胞および酵母におけるクローニング(Vol.2)、糖複合体およびタンパク質の発現(Vol.3)、ならびにバイオインフォマティクス(Vol.4)について記載している、Ausbelら、(2001)Current Protocols in Molecular Biology、Vols.1〜4、John Wiley and Sons,Inc. New York、NYにおいても見ることができる。
免疫沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、および結晶化を含む、タンパク質精製のための方法は、記載されている(Coliganら、(2000)Current Protocols in Protein Science、Vol.1、John Wiley and Sons,Inc.、New York)。化学的分析、化学的修飾、翻訳後修飾、融合タンパク質の生産、タンパク質のグリコシル化は、記載されている(例えば、Coliganら、(2000)Current Protocols in Protein Science、Vol.2、John Wiley and Sons,Inc.、New York;Ausubelら、(2001)Current Protocols in Molecular Biology、Vol.3、John Wiley and Sons,Inc.、NY、NY、pp.16.0.5〜16.22.17;Sigma−Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research、St.Louis、MO;pp.45〜89;Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory、Piscataway、N.J.、pp.384〜391を参照されたい)。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の生産、精製、および断片化は、記載されている(Coliganら、(2001)Current Protcols in Immunology、Vol.1、John Wiley and Sons,Inc.、New York;Harlow and Lane(1999)Using Antibodies、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;上記のHarlowおよびLane)。リガンド/受容体相互作用を特徴付けするための標準的な技術は、利用可能である(例えば、Coliganら、(2001)Current Protocols in Immunology、Vol.4、John Wiley,Inc.、New Yorkを参照されたい)。
モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、およびヒト化抗体は、調製することができる(例えば、SheperdおよびDean(編)(2000)Monoclonal Antibodies、Oxford Univ.Press、New York、NY;KontermannおよびDubel(編)(2001)Antibody Engineering、Springer−Verlag、New York;HarlowおよびLane(1988)Antibodies A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、pp.139〜243;Carpenterら、(2000)J.Immunol.165:6205;Heら、(1998)J.Immunol.160:1029;Tangら、(1999)J.Biol.Chem.274:27371〜27378;Bacaら、(1997)J.Biol.Chem.272:10678〜10684;Chothiaら、(1989)Nature 342:877〜883;FooteおよびWinter(1992)J.Mol.Biol.224:487〜499;米国特許第6,329,511号を参照されたい)。
ヒト化に代わるものは、ファージ上に提示されたヒト抗体ライブラリーまたはトランスジェニックマウス内のヒト抗体ライブラリーの使用である(Vaughanら、(1996)Nature Biotechnol.14:309〜314;Barbas(1995)Nature Medicine 1:837〜839;Mendezら、(1997)Nature Genetics 15:146〜156;HoogenboomおよびChames(2000)Immunol.Today 21:371〜377;Barbasら、(2001)Phage Display:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York;Kayら、(1996)Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual、Academic Press、San Diego、CA;de Bruinら、(1999)Nature Biotechnol.17:397〜399)。
抗原の精製は、抗体の生成に必ずしも必要ではない。動物を、目的の抗原を有する細胞で免疫化することができる。脾細胞を次いで、免疫化された動物から単離することができ、また脾細胞は、骨髄腫細胞株と融合してハイブリドーマを得ることができる(例えば、Meyaardら、(1997)Immunity 7:283〜290;Wrightら、(2000)Immunity 13:233〜242;上記のPrestonら;Kaithamanaら、(1999)J.Immunol.163:5157〜5164を参照されたい)。
抗体を、例えば、薬剤低分子、酵素、リポソーム、ポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲートすることができる。抗体は、治療、診断、キット、または他の目的に有用であり、また、例えば、色素、放射性同位体、酵素、または金属、例えば、金コロイドに結合した抗体を含む(例えば、Le Doussalら、(1991)J.Immunol.146:169〜175;Gibelliniら、(1998)J.Immunol.160:3891〜3898;HsingおよびBishop(1999)J.Immunol.162:2804〜2811;Evertsら、(2002)J.Immunol.168:883〜889を参照されたい)。
蛍光活性化細胞選別(FACS)を含むフローサイトメトリーのための方法が、利用可能である(例えば、Owensら、(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice、John Wiley and Sons、Hoboken、NJ;Givan(2001)Flow Cytometry、第2版;Wiley−Liss、Hoboken、NJ;Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry、John Wiley and Sons、Hoboken、NJを参照されたい)。例えば診断試薬として使用するための、核酸プライマーおよびプローブを含む核酸、ポリペプチド、ならびに抗体を修飾するのに適した蛍光試薬が、利用可能である(Molecular Probesy(2003)Catalogue、Molecular Probes,Inc.、Eugene、OR;Sigma−Aldrich(2003)Catalogue、St.Louis、MO)。
免疫系の組織学の標準的な方法は、記載されている(例えば、Muller−Harmelink(編)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology、Springer Verlag、New York、NY;Hiattら、(2000)Color Atlas of Histology、Lippincott、Williams、およびWilkins、Phila、PA;Louisら、(2002)Basic Histology:Text and Atlas、McGraw−Hill、New York、NYを参照されたい)。
例えば、抗原性断片、リーダー配列、タンパク質のフォールディング、機能的ドメイン、グリコシル化部位、および配列アラインメントを決定するためのソフトウェアパッケージおよびデータベースが、利用可能である(例えば、GenBank、Vector NTI(登録商標)Suite(Informax,Inc、Bethesda、MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc,、San Diego、CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.、Crystal Bay、Nevada);Menneら、(2000)Bioinformatics 16:741〜742;Menneら、(2000)Bioinformatics Applications Note 16:741〜742;Wrenら、(2002)Comput.Methods Programs Biomed.68:177〜181;von Heijne(1983)Eur.J.Biochem.133:17〜21;von Heijne(1986)Nucleic Acids Res.14:4683〜4690を参照されたい)。
IV.実施例
(実施例1)
CT26結腸癌マウスモデルにおける抗OX40(OX86 mIgG1)および抗4−1−BBモノクローナル抗体の組み合わせ活性
抗OX40抗体 mIgG1および抗4−1BB mIgG1抗体の潜在的な組み合わせ効果を、インビボで、マウスCT26結腸癌同系腫瘍モデルにおいて評価した。
この研究では、マウスIgG1フレームワークにおけるアゴニスト抗マウスOX40抗体(マウス断片結晶化可能ガンマ受容体[FcγR]の結合に関するヒトIgG2のマウス同等物)を、親クローンOX86から生成した。この研究において使用した抗4−1BB抗体は、マウスIgG1アゴニスト抗マウス4−1BB抗体であった。
CT26腫瘍細胞(0.1×106)をメスBalb/Cマウスに皮下接種した。腫瘍細胞接種後10日目に、平均腫瘍サイズは67mm3に達し、マウスを処置群にランダム化した(10マウス/群)。メスBalb/cマウスを、腫瘍細胞接種後10日目、13日目、および16日目に、0.1mg/kgの抗4−1BB抗体、0.03mg/kgの抗OX40抗体、0.1mg/kgの抗4−1BB抗体および0.03mg/kgの抗OX40抗体の組み合わせ、またはアイソタイプ対照抗体で腹腔内処理した。腫瘍成長の阻害を、28日目まで測定した。腫瘍の測定は、研究の間を通して、週に2回、盲検様式で行った。28日目の腫瘍成長の阻害を、処置群とアイソタイプ対照群との間の差を正規化することによって計算した。結果を図1にまとめる[X軸は腫瘍接種後日数、Y軸は腫瘍容積、mm3であり、下向き矢印は抗体処置の日を示し、記号は抗体処置を示す(四角:抗4−1BB単剤療法、三角:抗OX40単剤療法、逆向き三角:組み合わせ抗4−1BBおよび抗OX40療法、丸:アイソタイプ対照)]。抗4−1BB抗体単剤療法および抗OX40単剤療法は、28日目にそれぞれ63.3%および35.3%の腫瘍成長の阻害をもたらした。組み合わせ処置は、腫瘍接種後28日目に、アイソタイプ対照処置動物と比較して96.4%の阻害をもたらした(図1、表5)。組み合わせは、p値が少なくとも<0.05の二元配置ANOVA分析によって、いずれかの単一の抗体処置単独よりも有意に良好であった。この研究は、41日を通して行った。アイソタイプ対照処置群の全ての動物は腫瘍を発症したが、抗OX40単剤療法群および抗4−1BB単剤療法群は、腫瘍接種後41日目に、それぞれ10頭の動物中1頭および10頭の動物中7頭が無腫瘍であった。組み合わせ群では、10頭の動物中9頭が41日目に無腫瘍であった(表5)。さらに、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体の両方の組み合わせは、体重の減少および明らかな毒性が見られなかったため、このモデルにおいて非常に耐容性であった。
これらのデータは、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体での組み合わせ処置が、いずれかの抗体単独での処置よりも優れた腫瘍成長阻害をもたらすことを実証する。
(実施例2)
B16−F10黒色腫マウスモデルにおける抗OX40(OX86 mIgG1)および抗4−1−BBモノクローナル抗体の組み合わせ活性
実施例1に記載したサロゲートアゴニスト抗OX40および抗4−1BB抗体の組み合わせを、腫瘍におけるT細胞浸潤が比較的少ない、あまり免疫原性でない、B16−F10黒色腫同系モデルにおいても研究した。C57BL/6マウスにB16−F10細胞を接種し、次いで、腫瘍細胞接種後11日目、14日目、17日目、および21日目に、マウスを、アイソタイプ対照抗体、5mg/kgの抗OX40抗体および1mg/kgの抗4−1BB抗体の組み合わせ、または単一の作用物質の各々で処置した。結果は、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体の組み合わせが、公開されたデータと一致して、この侵攻性モデルにおいて、確立された腫瘍の成長を阻害しなかったことを示した(Grayら、Eur J Immunol.38(9):2499〜511、2008)。
別個の実験において、B16−F10(0.3×106)細胞をC57Bl6マウスに注射した。腫瘍細胞接種後11日目、14日目、18日目に、マウスを、アイソタイプ対照抗体、3mg/kgの抗OX40抗体および1mg/kgの抗4−1BB抗体の組み合わせ、または単一の作用物質の各々で処置した(群当たり4頭のマウス)。腫瘍および脾臓を19日目に採取して、腫瘍および脾臓におけるT細胞表現型の変化を調べた。細胞を解離させ、CD4、CD8、CD45、Ki67抗体、および生存性色素(viability dye)で染色した。データをフローサイトメトリーによって得、統計を一元配置ANOVAによって分析した。統計分析を、アイソタイプ対照群と比較して行った。腫瘍において、抗OX40単剤療法での処置はCD4 T細胞の浸潤をわずかに増大させたが、抗OX40および抗4−1BB抗体の組み合わせは、CD4 T細胞のパーセンテージを、アイソタイプ対照処置動物における8.07±1.15%から19.78±3.70%に有意に増大させた(p<0.05)。同様に、CD8腫瘍の浸潤は、組み合わせ処置で、アイソタイプ対照群における8.62±1.18%から27.55±1.78%に増大した(p<0.01)。脾臓において、CD4およびCD8 T細胞の全体的なパーセンテージは有意に変化しなかったが、細胞増殖は有意に増大し、アイソタイプ対照群における27.53±2.31%と比較して、組み合わせ群では、増殖マーカーKi67を発現するCD4 T細胞は63.98±6.36%であった(p<0.0001)。さらに、脾臓における増殖CD8 T細胞は、アイソタイプ対照群における28.30±1.49%から組み合わせ群における67.10±5.23%に増大した(p<0.0001)(表6)。
これらのデータは、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体での組み合わせ処置が、いずれかの抗体単独での処置よりも大きなT細胞増殖および腫瘍浸潤をもたらすことを実証する。
(実施例3)
OX40アゴニストおよび4−1BBアゴニストでの組み合わせ処置
この実施例は、選択された進行したまたは固形の転移性固形腫瘍を有する患者における、抗4−1BB抗体と組み合わされた抗OX40抗体の、安全性、有効性、抗腫瘍活性、薬物動態学、薬力学、およびバイオマーカー調節の1つまたは複数を評価するための、臨床試験研究を説明する。
本研究の1つの目的は、選択された進行したまたは転移性固形腫瘍を有する患者における、抗4−1BB抗体と組み合わされた抗OX40抗体の増大用量レベルでの安全性および耐容性を評価すること、ならびに組み合わせのMTD(最大耐量)を推定することである。組み合わせ療法の用量増加相には、およそ53人の患者が登録される。現在利用可能な治療法に応答しない、または標準的な治療法が利用不可能な、NSCLC、HNSCC、黒色腫、膀胱がん、胃(gastric)がん、または子宮頸がんを有する成人患者において、連続用量レベルの抗OX40抗体(0.1、0.3、1.0、および3mg/kg)を、20mgまたは100mgの抗4−1BB抗体と組み合わせる。開始用量レベルは、0.1mg/kgの抗OX40抗体および20mgの抗4−1BB抗体であり、30分以上の間隔を置いてからに投与される。
抗4−1BB抗体は、1サイクルおきの1日目に(28日ごとに)静脈内(IV)注入として60分(+/−5分)にわたり投与される。抗4−1BB抗体は、一定用量を使用して静脈内投与される。抗OX40抗体は、各14日サイクルの1日目に静脈内(IV)注入として60分(+/−5分)にわたり、外来患者基準で投与される。
抗OX40抗体は、各サイクルで、体重について調整して静脈内投与される。抗OX40抗体および抗4−1BB抗体の両方が同日に投与されるサイクルでは、抗OX40抗体は、抗4−1BB抗体の注入が完了した後、しかし完了後30分以上の間隔を置いてから、注入反応の非存在下で、かつ、抗4−1BB抗体後かつ抗OX40抗体前の薬物動態学的採血の後に、投与される。
サイクルは、抗OX40抗体の1日目の投与から次の1日目の投与までの時間として定義される。処置の遅延がなければ、サイクルは14日間である。各患者は、疾患の進行、許容できない毒性、同意の取り下げ、または研究の終結があるまで、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体を投与され得る。
抗OX40抗体の開始用量は、20mgの抗4−1BB抗体と組み合わされた0.01mg/kgであってもよい。
用量増加では、最初の2から4人の患者は、各用量レベルの組み合わせに最初に登録され得る。開始用量の組み合わせのレベルは、0.1mg/kgの抗OX40抗体と20mgの抗4−1BB抗体との組み合わせである。DLTが観察されなければ、次の用量組み合わせレベルは、0.3mg/kgの抗OX40抗体と20mgの抗4−1BB抗体との組み合わせである。毒性が観察されなければ、抗OX40抗体および/または抗4−1BB抗体の用量は、0.3mg/kgの抗OX40抗体と100mgの抗4−1BB抗体との組み合わせ、1mg/kgの抗OX40抗体と100mgの抗4−1BB抗体との組み合わせ、および3mg/kgの抗OX40抗体と100mgの抗4−1BB抗体との組み合わせの、組み合わせレベルまで増大され続ける、毒性が開始用量の組み合わせレベルで観察される場合、0.1mg/kgの抗OX40抗体と10mgの抗4−1BB抗体との組み合わせが評価される。初回用量の後、評価後に用量の段階的減少が推奨される場合、それまでの用量組み合わせと現在の用量組み合わせとの間の中間用量レベルが研究され得る。観察されたデータを使用して、事前に規定された標的割合である25%に最も近いがそれを超えない毒性割合を有する、抗OX40抗体および抗4−1BB抗体の1つまたは複数の用量組み合わせレベルが同定される。開始用量が耐容性ではないと考えられる場合、次の用量組み合わせレベルは、0.1mg/kgの抗OX40抗体と10mgの抗4−1BB抗体との組み合わせである。0.01mg/kgの抗OX40抗体と10mgの抗4−1BB抗体との組み合わせ、または0.01mg/kgの抗OX40抗体と20mgの抗4−1BB抗体との組み合わせの用量レベルもまた提供され得る。
用量組み合わせレベルが、28日または2サイクル(の抗OX40抗体)のDLT観察期間の後に安全であると考えられる場合、次の用量組み合わせレベルまでの段階的増大が行われる。時間をずらした開始が、全ての用量組み合わせレベルで採用される。すなわち、全ての用量組み合わせレベルで、最初の患者が投与され、48時間観察されて、その後、次の患者に投与することができる。安全性の懸念がこの48時間の間に生じなければ、二人目の患者が同一の用量組み合わせレベルに登録される。
全ての所与の用量組み合わせレベルの末梢の薬力学的評価は、その用量組み合わせレベルが安全であると考えられ、次の用量組み合わせレベルまでの段階的増大が既に行われた後に完了され得る。末梢のモニタリングが最初の2〜4人の患者における免疫調節を示す場合、その用量レベルはおよそ10人の患者に広げられ、これにより、薬力学的効果のより良い特徴付けを可能にし、小さい標本サイズに起因するばらつきを低減させる。薬力学的効果のより良い特徴付けを可能にするために、これらのさらなる患者は、必須の処置前および処置時の生検を受ける。末梢の薬力学的効果が、あらゆる用量組み合わせレベルの最初の2〜4人の患者で観察されない場合、用量組み合わせレベルは拡大されない。
組み合わせ療法の用量拡大相は、組み合わせの安全性および抗腫瘍活性をさらに評価して2つの群に分ける:群1は抗PD−L1または抗PD−1 mAbで処置されたことがないHNSCC患者を登録し、群2は、1)事前の抗PD−L1または抗PD−1 mAbを最近の治療法として事前に受けた、および2)最近のPD−L1/PD−1療法に対する最良の全体的な応答として、進行性の疾患を有さなかった、および3)その後進行した、またはこの治療法が耐容性でない、NSCLC患者を登録する。研究のこの部分は、最大20人の患者を各群に最初に登録し、全ての患者が、必須の処置前および処置時の腫瘍生検を受ける。用量組み合わせレベル内の抗OX40抗体の用量レベルおよび抗4−1BB抗体の用量レベルは、組み合わせ療法の最初のデータについて選択され、例えば、上記の組み合わせ用量レベルのいずれかを含み得る。
上記の研究から、選択された進行したまたは固形の転移性固形腫瘍を有する患者における、抗4−1BB抗体と組み合わせた抗OX40抗体の組み合わせ処置の、安全性、有効性、抗腫瘍活性、薬物動態学、薬力学、およびバイオマーカー調節の1つまたは複数に関するデータを得ることができる。
本明細書において引用される全ての参考文献は、個々の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許が参照によって組み込まれると具体的かつ個別に示されたのと同程度に、参照によって組み込まれる。参照による組み込みについてのこの記述は、このような引用が参照による組み込みに特化した記述のすぐ隣になくても、37 C.F.R.§1.57(b)(1)に従って、その各々が37 C.F.R.§1.57(b)(2)に従って明らかに同定されている個々の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許の各々および全てに関連することが、出願人によって意図される。参照による組み込みに特化した記述を、もしある場合には、明細書内に含めることは、参照による組み込みについてのこの一般的な記述を決して弱めるものではない。本明細書における参考文献の引用は、この参考文献が適切な先行技術であるという承認を意図しているわけではなく、また、これらの刊行物または文献の内容または日付に対していかなる承認をも構成するものではない。