JP6782974B2 - 火炎監視方法、火炎監視装置およびガス取扱施設 - Google Patents
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Description
かかる要請に応じ、本発明の出願人は、無色透明の水素火炎を画像処理によって可視化する技術の研究開発に努め、例えば、特許文献1(特開2013−36974号公報)および特許文献2(特開2006−267097号公報)に記載された水素火炎可視化装置を提案した。
したがって、例えば、特許文献1および2に記載の水素火炎可視化装置では、電源を使用する水素火炎撮像用のCCDカメラなどは発火源となり得るので、防爆区域内に設置することができず、監視対象領域から相当に離れた非防爆区域内に設置せざるを得なかった。そのため、小さな水素火炎の検知が難しく、また火災などによって煙が生じた場合には、水素火炎の発する光が煙で遮られ検知できなくなるといった問題がある。
不審者の侵入を連続監視する汎用の侵入者監視装置は、その多くの機種において概ね800〜950nmの波長領域を含む近赤外線画像を撮像する近赤外線画像撮像機と、同波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えている。その理由は、800〜950nmの比較的波長が短い近赤外線であれば、近赤外線検知機として汎用の安価なCCDカメラを用いることができるため、侵入者監視装置の価格を低く抑えることができるからである。
また、ガスが漏出する恐れのある防爆区域内において、監視対象領域を間近で監視でき、しかも小型でコスト性に優れた火炎監視装置を提供することを課題とする。
さらに、汎用の近赤外線照射機を備えた侵入者監視装置から照射される近赤外線を誤検知することなく、かかる侵入者監視装置と併用することができる火炎監視装置を提供することを課題とする。
さらに、汎用の近赤外線照射機を備えた侵入者監視装置と、火炎監視装置の両方が設置されたガス取扱施設を提供することを課題とする。
[1] 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視方法であって、監視対象領域から発せられる下記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発することを特徴とする火炎監視方法。
また、同じく上記谷部の約1388nmの波長a2の発光強度は約1309であり、かかる波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域において、発光強度は約1309〜約1655の範囲(A2の範囲)を示している。
また、同じく上記山部の約1437nmの波長b2の発光強度は約3110であり、かかる波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域において、発光強度は約2080〜約3110の範囲(B2の範囲)を示している。
つまり、水素火炎の、約1338nmの波長(a1)および約1388nmの波長(a2)では発光強度が低くなり、約1351nmの波長(b1)および約1437nmの波長(b2)では、発光強度が高くなるという特徴は、水素火炎と共に白色LED光が検出された場合(曲線6)でも失われない。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎を検出する場合には、自動車用ヘッドライトなどから発せられる白色LED光を火炎と誤検出してしまう可能性が極めて低いといえる。
すなわち、監視対象領域から発せられる上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発するものである。
さらに、演算装置により火炎が存在すると判定された場合に、警報装置によって警報を発することができる。警報は、警報音を発し、または警報燈を点灯させても良く、あるいは、モニター画面に警報表示を行うものであっても良い。
また、演算装置により火炎が存在すると判定された場合に、記憶装置に火炎発生の前後にわたる所定時間の近赤外線の発光強度の測定値データを保存するように構成することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[3]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎の検知を高精度で行うことができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所に設置することが可能となる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[4]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎の検出を高精度で行うことができる。
例えば、遠赤外線検知手段が、火炎以外の原因による監視対象領域の温度上昇を火炎によるものと誤検知してしまった場合においても、さらに、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値が上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合にのみ、火炎が存在すると判定するように構成されているため、上記[6]に記載の火炎監視装置は、誤検知が極めて少なく、火炎を高精度で検出できるものである。
例えば、紫外線検知手段が、太陽光に含まれる紫外線を火炎によるものと誤検知してしまった場合においても、さらに、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値が上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合にのみ、火炎が存在すると判定するように構成されているため、上記[7]に記載の火炎監視装置は、誤検知が極めて少なく、火炎を高精度で検出できるものである。
また、上記集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段が備えられているため、上記火炎の発する紫外線を検知することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[9]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、遠赤外線の集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎を高精度で検出することができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所にも設置することが可能となる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[10]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、紫外線の集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎を高精度で検出することができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所にも設置することが可能となる。
したがって、上記[12]に記載のガス取扱施設では、小さな火炎であっても検出できるので、ガスの漏出を伴う火災が発生した場合には、消火作業を早期かつ的確に行うことが可能となる。
したがって、火炎監視装置と共に汎用の安価な侵入者監視装置を設置して、両装置によって同時に同じ監視対象区域を監視することができるため、便利でありコスト性にも優れている。
まず、本発明の火炎監視方法を説明する。
本発明の火炎監視方法は、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる近赤外線が、約1320nm〜約1464nmの波長領域では、波長に対応した発光強度の変化について特徴的な起伏パターンを示すことを利用して火炎を検出する火炎監視方法である。
同じく上記谷部の約1388nmの波長a2の発光強度は約885であり、かかる波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域において、発光強度は約885〜約1157の範囲(A2の範囲)を示している。
また、同じく上記山部の約1437nmの波長b2の発光強度は約2125であり、かかる波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域において、発光強度は約1396〜約2125の範囲(B2の範囲)を示している。
その際、A1およびB1の座標の数が多いほど、作成する近似直線が、A1からB1における発光強度の実際の変化の状態に近いものとなる。また、A1とB1との間の波長領域(約1341nm〜約1344nm)内についても、発光強度を測定して座標として表すことが望ましい。かかる波長領域内でも座標の数が多いほど、作成する近似直線が、A1からB1における発光強度の実際の変化の状態に近いものとなるからである。このように、座標の数が多いほど好ましいことは、B1とA2の座標間およびA2とB2の座標間においても同様である。
なお、近似直線は、最小二乗法などの一般的な方法によって作成することができる。
したがって上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合には、A1とB1の座標間の近似直線が右上がりとなり、B1とA2の座標間の近似直線が右下がりとなり、A2とB2の座標間の近似直線が右上がりとなる。
このように、A1、B1、A2およびB2の各座標間に近似直線を作成し、その傾きの状態、つまり近似直線の比例定数の正負の状態を確認するだけで、火炎の存否を容易かつ正確に判定することができる。
その際、各比例定数の算出のために、A1−B1からA2−B2までの各座標間において、約1.65nmの波長毎に座標を選択した。つまり、各比例定数の算出に使用した上記発光強度A1は1個、A1とB1の間(A1およびB1を含まず。)は5個、B1は9個、B1とA2の間(B1およびA2は含まず、)は16個、A2は4個、A2とB2の間(A2およびB2を含まず。)は4個、およびB2は22個である。
次に、本発明の火炎監視装置の第1実施形態を説明する。
図1に示す火炎監視装置1aは、検知部2aと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む集光手段22と、集光手段22で取り込んだ光を伝送する光伝送ケーブル23と、光伝送ケーブル23によって伝送された光から、約1338nm〜約1437nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
図1に示すとおり、集光手段22は、近赤外線検知手段21と光伝送ケーブル23を介して接続されており、集光手段22に備えられたレンズ(図示せず)に取り込まれた監視対象領域からの光が、光伝送ケーブル23を通過して近赤外線検知手段21へ導かれるように構成されている。
さらに、上記表1の「近赤外線の発光強度」の所定の波長の発光強度を測定するには、近赤外線検知センサを使用すれば良く、例えば、浜松ホトニクス社製の炎センサUVtron(R9533)などを好適に使用することができる。
近赤外線検知手段21で測定された近赤外線の発光強度の測定値データは、情報処理部3に伝送される。
不審者の侵入を連続監視する汎用の侵入者監視装置は、その多くの機種において概ね800〜950nmの波長領域の近赤外線を検知する近赤外線検知機と、同波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えている。このように800〜950nmの比較的波長が短い近赤外線であれば、近赤外線検知機として汎用の安価なCCDカメラを用いることができるため、侵入者監視装置のコストを低く抑えることができるからである。
情報処理部3はハードディスクなどの記憶装置31と、CPUなどの演算装置32と、ディスプレイ画面やスピーカーなどの警報装置33を備えており、例えば、パーソナルコンピュータにより構成することができる。
記憶装置31は、平常時には、近赤外線の発光強度の測定値データを時系列で連続的に記録し、新しい測定値データを取り込む度に過去の古い測定値データを消去するようにしてある。ただし、水素火炎が検知された場合には、火炎検知の前後にわたる所定時間(例えば、火炎発生前後の24時間。)の測定値データを保存する。そうすることで、ガス遮断を行った後に、火炎発生の原因究明に役立てたりすることができるため便宜である。そのためには、水素火炎の検出後から所定時間の測定値データを取得しデータ更新を停止するか、火炎検出前後の所定時間の測定値データを別領域に移動し上書き不可とした上でデータ更新を継続するようにすればよい。
かかる演算装置32による処理は、検知部2aから伝送された測定値データに基づいて即時に行っても良く、また、記憶装置31に記録された測定値データを呼び出して処理するようにしても良い。
また、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合には、記憶装置31は、火炎発生の前後にわたる24時間の近赤外線の発光強度の測定値データを保存するように作動する。
次に、本発明の火炎監視装置の第2実施形態を説明する。
図2に示す火炎監視装置1bは、検知部2bと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む2個の集光手段22,22と、各集光手段22,22で取り込んだ光を伝送する2本の光伝送ケーブル23,23と、各光伝送ケーブル23,23によって伝送された光のいずれか一方を選択する入光切替え手段24と、入光切替え手段24によって選択された光から約1338nm〜約1437nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
入光切替え手段24の具体例としては、オプトハブ社製の光スイッチ(FAS0201MS02)などを好適に使用することができる。
次に、本発明の火炎監視装置の第3実施形態を説明する。
図3に示す火炎監視装置1cは、検知部2cと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む集光手段22と、集光手段22で取り込んだ光から、約1320nm〜約1464nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
近赤外線検知手段21は、防爆ケース26に収納された防爆仕様となっている。また、集光手段22は、近赤外線検知手段21に直接備え付ければ良いが、集光手段22が発火源を有しない場合には、上記第1および第2実施形態の火炎監視装置1a,1bと同様に、光伝送ケーブル(図示せず。)を介して近赤外線検知手段21に繋ぐようにしても良い。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
したがって、火炎監視装置1cによれば、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に火炎監視装置1cを設置する場合には、集光手段22および近赤外線検知手段21を防爆区域内に配置することができる。そのため、ガスが漏出する恐れのある監視対象領域を間近で監視することができ、火炎の検知を高精度で行うことができる。
次に、本発明の火炎監視装置の第4実施形態を説明する。
図4に示す火炎監視装置10は、検知部4と情報処理部30を具備する。
検知部4は、光伝送ケーブル23を介して集光手段22に接続された近赤外線検知手段21と、光伝送ケーブル45を介して集光手段43に接続された紫外線検知手段41と、光伝送ケーブル46を介して集光手段44に接続された遠赤外線検知手段42が設けられている。
なお、光伝送ケーブル23を介して集光手段22に接続された近赤外線検知手段21は、上記第1実施形態の火炎監視装置1aの検知部2aと同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
なお、光伝送ケーブル45で伝送された可視光線が微弱である場合には、増幅器(図示せず)によって増幅した後に紫外線検知手段41へと導くようにすればよい。
また、波長変換器は、例えば、蛍光物質を分散させたガラスからなり、その樹脂に入射した紫外線が蛍光物質を励起させて可視光線を生じさせることで、紫外線から可視光線への波長変換が行われるようになっている。
かかる可視光線変換器の具体例としては、住田光学ガラス社製の機能性蛍光ガラス「ルミラス」(型番ルミラス−G9)を好適に使用することができる。
したがって、紫外線検知手段41のセンサは、特定波長領域の可視光線にのみ感度を有する受光素子により構成することができ、また、特定領域の可視光線のみを透過させる光学バンドパスフィルターとフォトダイオードの組み合わせにより構成してもよい。
かかる紫外線検知手段41の具体例としては、住田光学ガラス社製の紫外センサ(型番UV−200)を好適に使用することができる。
集光手段44は、レンズおよびレンズと光伝送ケーブル46とを繋ぐ部材だけで構成できるため、発火源にならないものであり、また、極めて小さく形成することができる。したがって、防爆区域や極めて狭い場所にも設置することができる。
かかる遠赤外線検知手段42(遠赤外線センサ)の具体例としては、ニッタン社製の赤外線式炎検知器(型番:1RB−EW)を好適に使用することができる。
火炎監視装置10の情報処理部3は、記憶装置310と演算装置320と警報装置330を備えており、例えばパーソナルコンピュータによって構成することができる。
かかる演算装置320は、検知部4において、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎の発する波長の紫外線と、同火炎の発する波長の遠赤外線とを同時に検知した場合であって、かつ、上記検知部4で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、火炎が存在すると判定するように構成されている。
また、火炎監視装置10は、演算装置320によって火炎が存在すると判定された場合に、警報装置330が作動して警報を発するように構成されている。
次に、本発明の水素取扱施設を説明する。
図9に示すガス取扱施設5は、燃料電池自動車Cに水素ガスを充填するための水素供給ステーションであり、水素ガス供給装置53とその周辺に配置された図示しない水素ガス輸送配管や水素ガス貯蔵タンクなどの水素取扱機器を備え、さらに管理棟51とこれらを覆うキャノピー(屋根)52が設置されている。
ガス取扱施設5の水素ガス供給装置53の付近には、発火源となり得るものの設置が禁止されている防爆区域E1が設けられており、かかる防爆区域E1以外の区域は非防爆区域E2とされている。
なお、集光ユニット54は、図2に示す3つの集光手段23、43および44を、まとめて1つの小さな筐体内に配置したものであり、また、光伝送ケーブルユニット55は、図2に示す3本の光伝送ケーブル25、45および46を一体に束ねて形成したケーブルである。
また、近赤外線検知手段21、紫外線検知手段41および遠赤外線検知手段42によって検知されたデータは、記憶装置310に水素火炎Fの発生の前後にわたって24時間保存される。
また、火炎監視装置10のうち、集光ユニット54と光伝送ケーブルユニット55以外の本体部分は、非防爆区域E2にある管理棟51内に配置されているので、かかる本体部分を防爆仕様にする必要がなく、ガス取扱施設5をコスト性に優れたものとすることができる。
この侵入者監視装置56は、一般に普及している侵入者監視装置であり、侵入者を近赤外線画像撮像機で捉えて監視するものであるが、夜間は近赤外線照射機から概ね800〜950nmの波長領域の近赤外線を照射して、その反射光を近赤外線画像撮像機で捉えるようになっている。
したがって、侵入者監視装置56の近赤外線照射機による照射光やその反射光を、水素火炎による近赤外線であると誤検知する恐れがないため、火炎監視装置10は、汎用の侵入者監視装置56と併用することができるものであり便利である。
2a,2b,2c ・・検知部
21 ・・近赤外線検知手段
22 ・・集光手段
23 ・・光伝送ケーブル
24 ・・入光切替え手段
25 ・・電気ケーブル
26 ・・防爆ケース
3,30 ・・情報処理部
31,310 ・・記憶装置
32,320 ・・演算装置
33,330 ・・警報装置
4 ・・検知部
41 ・・紫外線検知手段
42 ・・遠赤外線検知手段
43,44 ・・集光手段
45,46 ・・光伝送ケーブル
5 ・・ガス取扱施設(水素ガス供給ステーション)
51 ・・管理棟
52 ・・キャノピー
53 ・・水素ガス供給装置
54 ・・集光ユニット
55 ・・光伝送ケーブルユニット
56 ・・侵入者監視装置
C ・・燃料電池自動車
F ・・水素火炎
E1 ・・防爆区域
E2 ・・非防爆区域
S ・・監視対象領域
Claims (13)
- 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視方法であって、監視対象領域から発せられる下記の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発することを特徴とする火炎監視方法。
〔近赤外線の発光強度〕
A1:約1320nm〜約1340nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
B1:約1345nm〜約1362nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
A2:約1386nm〜約1394nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
B2:約1399nm〜約1464nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
〔近似直線のパターン〕
A1およびB1の座標に基づく近似直線の比例定数が正であり、かつ、
B1およびA2の座標に基づく近似直線の比例定数が負であり、かつ、
A2およびB2の座標に基づく近似直線の比例定数が正である。 - 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視装置であって、
監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる下記の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定する近赤外線検知手段とを備える検知部、及び、
該検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値を記録する記憶装置と、
上記の測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定する演算装置と、該演算装置によって上記火炎が存在すると判定された場合に警報を発する警報装置とを備える情報処理部、
を具備することを特徴とする火炎監視装置。
〔近赤外線の発光強度〕
A1:約1320nm〜約1340nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
B1:約1345nm〜約1362nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
A2:約1386nm〜約1394nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
B2:約1399nm〜約1464nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
〔近似直線のパターン〕
A1およびB1の座標に基づく近似直線の比例定数が正であり、かつ、
B1およびA2の座標に基づく近似直線の比例定数が負であり、かつ、
A2およびB2の座標に基づく近似直線の比例定数が正である。 - 集光手段は発火源を有しないものであって、光伝送ケーブルを介して近赤外線検知手段と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
- 集光手段は発火源を有しないものであって複数個備えられ、該集光手段毎に設けられた光伝送ケーブルを介して入光切替え手段と接続されており、各光伝送ケーブルによって伝送される光が、入光切替え手段により適宜に選択されて近赤外線検知手段に導かれるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
- 近赤外線検知手段が防爆仕様であることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
- 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段とが備えられ、
情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。 - 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、
情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む紫外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。 - 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段と、上記集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、
情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線および上記の設定された波長を含む紫外線が同時に検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。 - 遠赤外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする請求項6または請求項8に記載の火炎監視装置。
- 紫外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の火炎監視装置。
- 紫外線の集光手段は、紫外線を可視光線に変換する波長変換器を備えることを特徴とする請求項10に記載の火炎監視装置。
- 防爆区域と非防爆区域が設けられ、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、
請求項3、請求項4、請求項9、請求項10または請求項11のいずれかに記載の火炎監視装置が設置されており、
火炎監視装置の構成要素のうち、集光手段が防爆区域内に配置され、
該集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された近赤外線検知手段、入光切替え手段、紫外線検知手段または遠赤外線検知手段を含む他の構成要素が非防爆区域内に配置されていることを特徴とするガス取扱施設。 - 請求項2から請求項11のいずれかに記載の火炎監視装置と侵入者監視装置とが設置された、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、
火炎監視装置の監視対象領域と侵入者監視装置の監視対象領域の少なくとも一部が重複しており、
侵入者監視装置は、1320nm未満の波長領域内で設定された波長を含む近赤外線であって、かつ、火炎監視装置の近赤外線検知手段によって検知される近赤外線の波長領域と実質的に重ならない波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えることを特徴とするガス取扱施設。
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