JP6782974B2 - 火炎監視方法、火炎監視装置およびガス取扱施設 - Google Patents

火炎監視方法、火炎監視装置およびガス取扱施設 Download PDF

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Description

本発明は、火炎の発生を監視する技術に関し、より詳しくは、燃料電池自動車に水素ガスを供給する水素供給ステーションや、水素ガスまたは炭化水素ガスを製造・利用する化学工場などのガス取扱施設における火炎の発生の監視に適している火炎監視方法、火炎監視装置と、かかる火炎監視装置を設置したガス取扱施設に関する。
水素ガスの燃焼の際に生ずる火炎は無色透明であり、また、メタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスの燃焼の際に生ずる火炎は主に薄青色であって、肉眼で視認することが難しい場合が多い。したがって、例えば水素ガスや炭化水素ガスの取扱施設においてガスの漏出を伴う火災が生じた場合には、肉眼で視認するよりも早く火災の発生を検出することで、早期の消火活動に繋げられることが望ましい。
かかる要請に応じ、本発明の出願人は、無色透明の水素火炎を画像処理によって可視化する技術の研究開発に努め、例えば、特許文献1(特開2013−36974号公報)および特許文献2(特開2006−267097号公報)に記載された水素火炎可視化装置を提案した。
特許文献1に記載の水素火炎可視化装置は、930〜950nmの範囲で設定された波長を含む近赤外線画像および熱線(遠赤外線)画像に、同時に同位置に近赤外線波長および熱線波長が検知された領域を水素火炎領域と判定し、水素火炎の画像を作成し、可視光線画像からなる背景画像に重畳させて表示することで水素火炎を可視化するものである。
また、特許文献2に記載の水素火炎可視化装置は、水素火炎の発する紫外線(309nm)や近赤外線(950nm)をCCDカメラで撮像し、これらの特定波長の画像と近接する波長の画像との差分画像を抽出することで水素火炎の画像を作成し、紫外線背景画像や近赤外線背景画像と重畳させて表示することで、水素火炎を可視化するものである。
しかし、これら特許文献1および2に記載された水素火炎可視化措置には、次の(a)〜(c)に示すような問題がある。
(a) 特許文献1および2に記載に記載された水素火炎可視化装置は、いずれも930〜950nmの波長領域の近赤外線画像を撮像するものであるが、水素火炎が発する光に含まれる930〜950nmの近赤外線の光量は少ない。しかも、水素火炎が発する同波長領域の近赤外線だけを検知するには、太陽光に多く含まれる同波長領域に近接する波長の近赤外線を取り除く必要があるが、そのために、水素火炎の発する近赤外線だけを透過させる光学バンドパスフィルターを使用すると、そのバンド幅(透過波長の範囲)は極めて狭いものとなるため、太陽光の近赤外線の光量だけでなく、水素火炎の近赤外線の光量までもが減少してしまい、小さな水素火炎など発光強度が低い火炎を検知することが難しくなるという問題がある。
(b) 水素火炎可視化装置が使用される水素取扱施設では、水素ガスの漏出事故に備えて、水素供給装置、水素輸送配管あるいは水素貯蔵タンクなどが存在する一定の区域について、発火源となり得るものを設置することができない「防爆区域」が設けてある。
したがって、例えば、特許文献1および2に記載の水素火炎可視化装置では、電源を使用する水素火炎撮像用のCCDカメラなどは発火源となり得るので、防爆区域内に設置することができず、監視対象領域から相当に離れた非防爆区域内に設置せざるを得なかった。そのため、小さな水素火炎の検知が難しく、また火災などによって煙が生じた場合には、水素火炎の発する光が煙で遮られ検知できなくなるといった問題がある。
また逆に、電源を使用するCCDカメラなどを防爆区域内に設置したい場合には、CCDカメラなどに厚い金属製のフードを取り付けたりして防爆仕様にする必要があり、装置が大型化して価格が高くなるという問題がある。
(c) 水素火炎可視化装置が使用される水素取扱施設は、事故の発生を未然に防ぐために、水素火炎の発生のみならず、不審者の侵入などの異常を検知するための連続監視手段が必要とされている。
不審者の侵入を連続監視する汎用の侵入者監視装置は、その多くの機種において概ね800〜950nmの波長領域を含む近赤外線画像を撮像する近赤外線画像撮像機と、同波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えている。その理由は、800〜950nmの比較的波長が短い近赤外線であれば、近赤外線検知機として汎用の安価なCCDカメラを用いることができるため、侵入者監視装置の価格を低く抑えることができるからである。
ここで、特許文献1および2に記載の水素火炎可視化装置は930〜950nmの波長領域の近赤外線画像を撮像するものであるから、上記の汎用の侵入者監視装置の近赤外線照射機による照射光やその反射光を、水素火炎による近赤外線と誤検知する恐れがある。したがって、このような水素火炎可視化装置は、汎用の侵入者監視装置と併用することができないという問題がある。
特開2013−36974号公報 特開2006−267097号公報
そこで、本発明は、火炎が無色透明あるいは薄青色であって肉眼で視認することが難しい水素ガスや炭化水素ガスの火炎を検出でき、特に、太陽光や自動車のヘッドライトの反射光などが存在する環境下でも、火炎を高精度で検出できる火炎監視方法および火炎監視装置を提供することを課題とする。
また、ガスが漏出する恐れのある防爆区域内において、監視対象領域を間近で監視でき、しかも小型でコスト性に優れた火炎監視装置を提供することを課題とする。
さらに、汎用の近赤外線照射機を備えた侵入者監視装置から照射される近赤外線を誤検知することなく、かかる侵入者監視装置と併用することができる火炎監視装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、ガスが漏出する恐れのある防爆区域内において監視対象領域を監視できる火炎監視装置が設置されたガス取扱施設を提供することを課題とする。
さらに、汎用の近赤外線照射機を備えた侵入者監視装置と、火炎監視装置の両方が設置されたガス取扱施設を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段により解決された。
[1] 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視方法であって、監視対象領域から発せられる下記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発することを特徴とする火炎監視方法。
Figure 0006782974
Figure 0006782974
[2] 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視装置であって、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定する近赤外線検知手段とを備える検知部、及び、該検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値を記録する記憶装置と、上記の測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、上記表1の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定する演算装置と、該演算装置によって上記火炎が存在すると判定された場合に警報を発する警報装置とを備える情報処理部、を具備することを特徴とする火炎監視装置。
[3] 集光手段は発火源を有しないものであって、光伝送ケーブルを介して近赤外線検知手段と接続されていることを特徴とする上記[2]に記載の火炎監視装置。
[4] 集光手段は発火源を有しないものであって複数個備えられ、該集光手段毎に設けられた光伝送ケーブルを介して入光切替え手段と接続されており、各光伝送ケーブルによって伝送される光が、入光切替え手段により適宜に選択されて近赤外線検知手段に導かれるように構成されていることを特徴とする上記[2]に記載の火炎監視装置。
[5] 近赤外線検知手段が防爆仕様であることを特徴とする上記[2]に記載の火炎監視装置。
[6] 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段とが備えられ、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする上記[2]から上記[5]のいずれかに記載の火炎監視装置。
[7] 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む紫外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする上記[2]から上記[5]のいずれかに記載の火炎監視装置。
[8] 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段と、上記集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線および上記の設定された波長を含む紫外線が同時に検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする上記[2]から上記[5]のいずれかに記載の火炎監視装置。
[9] 遠赤外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする上記[6]または上記[8]に記載の火炎監視装置。
[10] 紫外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする上記[7]または上記[8]のいずれかに記載の火炎監視装置。
[11] 紫外線の集光手段は、紫外線を可視光線に変換する波長変換器を備えることを特徴とする上記[10]に記載の火炎監視装置。
[12] 防爆区域と非防爆区域が設けられ、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、上記[3]、上記[4]、上記[9]、上記[10]または上記[11]のいずれかに記載の火炎監視装置が設置されており、火炎監視装置の構成要素のうち、集光手段が防爆区域内に配置され、該集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された近赤外線検知手段、入光切替え手段、紫外線検知手段または遠赤外線検知手段を含む他の構成要素が非防爆区域内に配置されていることを特徴とするガス取扱施設。
[13] 上記[2]から上記[11]のいずれかに記載の火炎監視装置と侵入者監視装置とが設置された、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、火炎監視装置の監視対象領域と侵入者監視装置の監視対象領域の少なくとも一部が重複しており、侵入者監視装置は、1320nm未満の波長領域内で設定された波長を含む近赤外線であって、かつ、火炎監視装置の近赤外線検知手段によって検知される近赤外線の波長領域と実質的に重ならない波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えることを特徴とするガス取扱施設。
本発明における上記[1]に記載の火炎監視方法は、分子を構成する原子に水素原子を含む、水素ガスやメタンガス、プロパンガス、ブタンガス等の炭化水素ガス等を燃焼させた際に発生する近赤外線が、約1320〜約1464nmの波長領域では、波長に対応した発光強度の変化が特徴的な起伏パターンを示すことを利用して火炎を検出する火炎監視方法である。
例えば、図5のグラフにおける曲線P1は、1分間当り1.0Lの量の水素ガスをノズルから噴出させて燃焼させた際に、水素ガスの火炎から発せられる近赤外線の波長(横軸:単位nm)に対応した発光強度(縦軸:任意単位)を示しているところ、約1338nmの波長a1および約1388nmの波長a2では、発光強度が低く曲線P1における谷部となっており、約1351nmの波長b1および約1437nmの波長b2では、発光強度が高く曲線P1における山部となっており、波長の変化に応じて谷部と山部とが交互に現れている。
このような、波長の変化に応じて発光強度の低・高が交互に現われるという特徴的なパターンは、水素原子が燃焼して水分子(HO)が生ずる際に火炎から発せられる近赤外線の特徴であり、そのため、水素ガスのみならず、分子を構成する原子に水素原子を含むメタンガス、プロパンガス、ブタンガス等の炭化水素ガス等の火炎から発せられる近赤外線の発光強度についても同様の起伏パターンが現れる。
ここで、図5の曲線P1において、上記谷部の約1338nmの波長a1の発光強度は任意単位で約1001であり、かかる波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域において、発光強度は約1001〜約1209の範囲(A1の範囲)を示している。
また、同じく上記谷部の約1388nmの波長a2の発光強度は約1309であり、かかる波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域において、発光強度は約1309〜約1655の範囲(A2の範囲)を示している。
さらに、曲線P1において、上記山部の約1351nmの波長b1の発光強度は任意単位で約2935であり、かかる波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域において、発光強度は約2554〜約2935の範囲(B1の範囲)を示している。
また、同じく上記山部の約1437nmの波長b2の発光強度は約3110であり、かかる波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域において、発光強度は約2080〜約3110の範囲(B2の範囲)を示している。
このように、上記谷部の波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域、および波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域の発光強度は、いずれも、上記山部の波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域、および波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域の発光強度に比べて大幅に低く、重複する範囲は存在しない。
また、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線は、地上に届く太陽光中には極めて少量しか含まれていない。例えば、図5のグラフにおける曲線Qは、香川県高松市において2015年4月8日の15時30分頃(天候は晴れ)に測定した、太陽光の白壁への反射光の波長に対応した発光強度を示しているところ、約1320nm〜約1464nmの波長領域における発光強度は、水素火炎の発光強度(曲線P1,P2)よりも相当に低い値となっている。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎を検出する場合には、太陽光の反射光を火炎と誤検出してしまう可能性が極めて低いといえる。
また、図7のグラフにおける曲線Rは、白色LEDを光源とする自動車用ヘッドライトから発せられる近赤外線の波長(横軸:単位nm)に対応した発光強度(縦軸:任意単位)を示しているところ、約1320nm〜約1464nmの波長領域において、白色LEDの発光強度(曲線R)の方が水素火炎の発光強度(曲線P5)よりも高い部分が存在する。例えば、約1338nmの波長(a1)と約1388nmの波長(a2)においては、白色LEDの発光強度の方が、水素火炎の発光強度よりも高くなっている。
しかし、白色LEDの波長に対応した発光強度の変化は、曲線Rに示すとおり起伏が少ないなだらかな曲線となるため、この白色LEDと水素火炎の近赤外線が同時に検知された場合(曲線P5と曲線Rを足し合わせた場合)の波長に対応した発光強度は、曲線P6に示すとおり、水素火炎の発光強度の変化の特徴的な起伏パターンがそのまま残存した曲線となる。
つまり、水素火炎の、約1338nmの波長(a1)および約1388nmの波長(a2)では発光強度が低くなり、約1351nmの波長(b1)および約1437nmの波長(b2)では、発光強度が高くなるという特徴は、水素火炎と共に白色LED光が検出された場合(曲線6)でも失われない。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎を検出する場合には、自動車用ヘッドライトなどから発せられる白色LED光を火炎と誤検出してしまう可能性が極めて低いといえる。
本発明における上記[1]に記載の火炎監視方法は、上記のような、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる近赤外線の波長に対応した発光強度の変化が、特徴的な起伏パターンを示すことを利用して火炎を検出する火炎監視方法である。
すなわち、監視対象領域から発せられる上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発するものである。
なお、上記の近赤外線の発光強度の測定値をグラフにおける座標として表し近似直線を算出するには、実際に視認できるグラフを作成したり、座標に基づく近似直線を作成したりする必要はなく、例えば、CPUなどの演算装置によって計算データの状態で算出すれば良い。また、上記表2の「近似直線のパターン」によって上記火炎が存在すると判定する場合も、実際に視認できる近似直線のパターンを作成する必要はなく、例えば、CPUなどの演算装置によって計算データの状態で判定すれば良い。
したがって、上記[1]に記載の火炎監視方法によれば、火炎が無色透明あるいは薄青色であって肉眼で視認することが難しい水素ガスや炭化水素ガスなどの火炎を検出でき、特に、太陽光の反射光や自動車用ヘッドライトの白色LED光などが存在する環境下においても、火炎を高精度で検出して警報を発することができるため、火災の早期発見に資することができる。
本発明における上記[2]に記載の火炎監視装置は、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定する近赤外線検知手段とを備える検知部を具備するので、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる近赤外線の約1320〜約1464nmの波長領域における波長に対応した発光強度の特徴的な変化を検知することができる。
また、上記火炎監視装置は、記憶装置、演算装置および警報装置を備える情報処理部を具備するので、記憶装置によって、検知部で得られた近赤外線の発光強度の各測定値データを記録することができ、演算装置によって、上記の各測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し近似直線を作成し、上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、火炎が存在すると判定することができる。
さらに、演算装置により火炎が存在すると判定された場合に、警報装置によって警報を発することができる。警報は、警報音を発し、または警報燈を点灯させても良く、あるいは、モニター画面に警報表示を行うものであっても良い。
また、演算装置により火炎が存在すると判定された場合に、記憶装置に火炎発生の前後にわたる所定時間の近赤外線の発光強度の測定値データを保存するように構成することができる。
したがって、上記[2]に記載の火炎監視装置によれば、肉眼で視認することが難しい水素ガスや炭化水素ガスなどの火炎を検出でき、特に、太陽光の反射光や自動車用ヘッドライトの白色LED光などが存在する環境下においても、火炎を高精度で検出して警報を発することができるため、火災の早期発見に資することができる。
また、近赤外線を検知するタイプの汎用の侵入者監視装置は、その多くの機種において約800nm〜約950nmの波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えているところ、上記[2]に記載の火炎監視装置の近赤外線検知手段は、約1320nm〜約1464nmの波長領域内の特定波長の近赤外線を検知するものであるから、約800nm〜約950nmの波長領域の近赤外線は検知しない。したがって、上記[2]に記載の火炎監視装置によれば、上記の汎用の侵入者監視装置の近赤外線照射機から照射される近赤外線やその反射光を、火炎の発光と誤検知する恐れがないため、上記の汎用の侵入者監視装置と併用することが可能であり便利である。
本発明における上記[3]に記載の火炎監視装置は、上記[2]に記載の水素火炎監視装置において、集光手段は電源など発火源となり得るものを有しておらず、その集光手段と近赤外線検知手段とが光伝送ケーブルを介して接続されているため、火炎監視装置から集光手段だけを離して、発火源となり得るものを配置できないような場所に配置することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[3]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎の検知を高精度で行うことができる。
さらに、防爆区域内に配置された集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された近赤外線検知手段を含む他の構成要素を非防爆区域内に配置することができるため、火炎監視装置の構成要素のうち、電源を使用するため発火源となり得る近赤外線検知手段などを防爆仕様とする必要がなく、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものとすることができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所に設置することが可能となる。
本発明における上記[4]に記載の火炎監視装置は、上記[2]に記載の火炎監視装置において、集光手段を複数個備えており、これらの集光手段毎に設けられた光伝送ケーブルを介して入光切替え手段と接続されているので、各光伝送ケーブルによって伝送される光を、入光切替え手段によって適宜に選択して近赤外線検知手段に導くことができる。したがって、1つの近赤外線検知手段によって複数箇所の火炎を監視することができ、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものとすることができる。
また、複数個備えられた集光手段は、電源のように発火源となり得るものを有しておらず、その集光手段と入光切替え手段とが光伝送ケーブルを介して接続されているため、火炎監視装置から集光手段だけを離して、発火源となり得るものを配置できないような場所に配置することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[4]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎の検出を高精度で行うことができる。
さらに、防爆区域内に配置された集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された入光切替え手段を含む他の構成要素を非防爆区域内に配置することができるため、火炎監視装置の構成要素のうち、電源を使用するため発火源となり得る入光切替え手段や近赤外線検知手段などを防爆仕様とする必要がなく、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものとすることができる。
本発明における上記[5]に記載の火炎監視装置は、上記[2]に記載の水素火炎監視装置において、集光手段および近赤外線検知手段が防爆仕様であるため、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[5]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、集光手段および近赤外線検知手段を防爆区域内に配置することができる。そのため、ガスが漏出する恐れのある監視対象領域を間近で監視することができ、火炎の検出を高精度で行うことができる。
本発明における上記[6]に記載の火炎監視装置は、上記[2]から[5]のいずれかに記載の火炎監視装置において、検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段が備えられているため、上記火炎の発する遠赤外線を検知することができる。
そして、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定するため、火炎を高精度で検出することができる。
例えば、遠赤外線検知手段が、火炎以外の原因による監視対象領域の温度上昇を火炎によるものと誤検知してしまった場合においても、さらに、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値が上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合にのみ、火炎が存在すると判定するように構成されているため、上記[6]に記載の火炎監視装置は、誤検知が極めて少なく、火炎を高精度で検出できるものである。
本発明における上記[7]に記載の火炎監視装置は、上記[2]から[5]のいずれかに記載の火炎監視装置において、検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段が備えられているため、上記火炎の発する紫外線を検知することができる。
そして、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む紫外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定するため、火炎を高精度で検出することができる。
例えば、紫外線検知手段が、太陽光に含まれる紫外線を火炎によるものと誤検知してしまった場合においても、さらに、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値が上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合にのみ、火炎が存在すると判定するように構成されているため、上記[7]に記載の火炎監視装置は、誤検知が極めて少なく、火炎を高精度で検出できるものである。
本発明における上記[8]に記載の火炎監視装置は、上記[2]から[5]のいずれかに記載の火炎監視装置において、検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段が備えられているため、上記火炎の発する遠赤外線を検知することができる。
また、上記集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段が備えられているため、上記火炎の発する紫外線を検知することができる。
そして、情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線および上記の設定された波長を含む紫外線が同時に検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定するため、火炎を高精度で検出することができる。
本発明における上記[9]に記載の火炎監視装置は、上記[6]または上記[8]に記載の火炎監視装置において、遠赤外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、集光手段は発火源を有しないため、火炎監視装置から集光手段だけを離して、発火源となり得るものを配置できないような場所に配置することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[9]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、遠赤外線の集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎を高精度で検出することができる。
さらに、防爆区域内に配置された集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された遠赤外線検知手段を含む他の構成要素を非防爆区域内に配置することができるため、火炎監視装置の構成要素のうち、電源を使用するため発火源となり得る遠赤外線検知手段などを防爆仕様とする必要がなく、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものにすることができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所にも設置することが可能となる。
本発明における上記[10]に記載の火炎監視装置は、上記[7]または上記[8]に記載の火炎監視装置において、紫外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、集光手段は発火源を有しないため、火炎監視装置から集光手段だけを離して、発火源となり得るものを配置できないような場所に配置することができる。
したがって、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に上記[10]に記載の火炎監視装置を設置する場合には、紫外線の集光手段を防爆区域内に配置することができるため、ガスが漏出する恐れのある箇所の近傍に集光手段を配置することによって、火炎を高精度で検出することができる。
さらに、防爆区域内に配置された集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された紫外線検知手段を含む他の構成要素を非防爆区域内に配置することができるため、火炎監視装置の構成要素のうち、電源を使用するため発火源となり得る紫外線検知手段などを防爆仕様とする必要がなく、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものにすることができる。
また、集光手段は、例えば集光のためのレンズと、そのレンズと光伝送ケーブルを繋ぐ部材だけで構成することができるため、その場合には、集光手段を極めて小さく形成することができ、狭い場所にも設置することが可能となる。
本発明における上記[11]に記載の火炎監視装置は、上記[10]に記載の火炎監視装置において、紫外線の集光手段が、紫外線を可視光線に変換する波長変換器を備えるため、集光手段に取り込まれた監視対象領域からの紫外線を可視光線に変換することができる。したがって、集光手段と紫外線検知手段とを接続する光伝送ケーブルとして、高価な紫外線伝送用の専用品ではなく、安価な可視光線伝送用の汎用品を使用することが可能となり、火炎監視装置をコスト性に優れたものにすることができる。
本発明における上記[12]に記載のガス取扱施設は、防爆区域と非防爆区域が設けられ、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、上記[3]、[4]、[9]、[10]または[11]のいずれかに記載の火炎監視装置が設置されており、火炎監視装置の構成要素のうち、集光手段が防爆区域内に配置され、該集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された近赤外線検知手段、入光切替え手段、紫外線検知手段または遠赤外線検知手段を含む他の構成要素が非防爆区域内に配置されているので、防爆区域内に配置された集光手段によって、水素ガスの漏出の恐れがある箇所の近傍において火炎の検出を行うことができる。
したがって、上記[12]に記載のガス取扱施設では、小さな火炎であっても検出できるので、ガスの漏出を伴う火災が発生した場合には、消火作業を早期かつ的確に行うことが可能となる。
また、上記[12]に記載のガス取扱施設は、火炎監視装置の構成要素のうち、電源を使用するなど発火源となり得る構成要素を非防爆区域に配置してあるので、かかる構成要素を防爆仕様にする必要がないためコスト性に優れており、また、漏出した水素ガスへの着火による火災が生じ難く安全性に優れている。
本発明における上記[13]に記載のガス取扱施設は、上記[2]から上記[11]のいずれかに記載の火炎監視装置と侵入者監視装置とが設置された、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、火炎監視装置の監視対象領域と侵入者監視装置の監視対象領域の少なくとも一部が重複しており、侵入者監視装置は、1320nm未満の波長領域内で設定された波長を含む近赤外線であって、かつ、火炎監視装置の近赤外線検知手段によって検知される近赤外線の波長領域と実質的に重ならない波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えるので、上記[13]に記載の火炎監視装置は、汎用の侵入者監視装置の近赤外線照射機から照射される近赤外線やその反射光を、火炎の発する近赤外線であると誤検知することはない。
したがって、火炎監視装置と共に汎用の安価な侵入者監視装置を設置して、両装置によって同時に同じ監視対象区域を監視することができるため、便利でありコスト性にも優れている。
なお、火炎監視装置の近赤外線検知手段が検知する近赤外線の波長領域と、侵入者監視装置の近赤外線照射機が照射する近赤外線の波長領域とが「実質的に重ならない」とは、たとえ両者に一部重なる波長領域があったとしても、それが、侵入者監視装置の近赤外線照射機から発せられた近赤外線を、火炎監視装置が火炎から発せられた近赤外線であると誤検知しない範囲内であれば、両波長領域は「実質的に重ならない」状態と解する趣旨である。
本発明の第1実施形態にかかる火炎監視装置の全体システム図である。 本発明の第2実施形態にかかる火炎監視装置の全体システム図である。 本発明の第3実施形態にかかる火炎監視装置の全体システム図である。 本発明の第4実施形態にかかる火炎監視装置の全体システム図である。 近赤外線の1300nm〜1600nmの波長領域における水素火炎の発光強度と太陽光の反射光の発光強度を示すグラフである。 近赤外線の1300nm〜1600nmの波長領域における水素火炎の発光強度と太陽光の反射光の発光強度との和を示すグラフである。 近赤外線の1300nm〜1600nmの波長領域における水素火炎の発光強度、白色LEDの発光強度およびこれらの和を示すグラフである。 図5および図6のグラフにおける各曲線上の所定座標間の近似直線の比例定数を示した表である。 本発明のガス取扱施設の説明図である。
≪火炎監視方法≫
まず、本発明の火炎監視方法を説明する。
本発明の火炎監視方法は、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる近赤外線が、約1320nm〜約1464nmの波長領域では、波長に対応した発光強度の変化について特徴的な起伏パターンを示すことを利用して火炎を検出する火炎監視方法である。
図5のグラフにおける曲線P1は、1分間当り1.0Lの水素ガスをノズルから噴出させて燃焼させた際の火炎から発せられる近赤外線の波長に対応した発光強度を示しているところ、約1338nmの波長(a1)および約1388nmの波長(a2)では、発光強度が低く曲線P1における谷部となっており、約1351nmの波長(b1)および約1437nmの波長(b2)では、発光強度が高く曲線P1における山部となっており、波長が長くなるにつれてこれらの谷部と山部とが交互に現われている。
図5のグラフにおける曲線P2は、1分間当り0.3Lの体積の水素ガスをノズルから噴出させて燃焼させた際の水素ガスの火炎から発せられる近赤外線の波長に対応した発光強度を示しており、約1338nm〜約1437nmの波長領域において、水素ガスの噴出量がより多い1分間当り1.0Lの場合(曲線P1)よりも発光強度が低くなっている。しかし、曲線P2において発光強度の大きな谷部と山部が生じている波長は、曲線P1の場合と略同じ波長である。
なお、曲線P1およびP2から明らかなとおり、水素ガスの噴出量(燃焼量)に応じて火炎から発せられる近赤外線の発光強度が変化する。したがって、発光強度の測定値によって水素ガスの燃焼量を推定することが可能である。
上記のとおり、図5の曲線P1では、上記谷部の約1338nmの波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域、および約1388nmの波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域の発光強度は、いずれも、上記山部の約1351nmの波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域、および約1437nmの波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域の発光強度に比べて大幅に低く、重複する範囲は存在しない。
また、図5の曲線P2において、上記谷部の約1338nmの波長a1の発光強度は任意単位で約877であり、かかる波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域において、発光強度は約877〜約1035の範囲(A1の範囲)を示している。
同じく上記谷部の約1388nmの波長a2の発光強度は約885であり、かかる波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域において、発光強度は約885〜約1157の範囲(A2の範囲)を示している。
さらに、曲線P2において、上記山部の約1351nmの波長b1の発光強度は任意単位で約2125であり、かかる波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域において、発光強度は約1755〜約2125の範囲(B1の範囲)を示している。
また、同じく上記山部の約1437nmの波長b2の発光強度は約2125であり、かかる波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域において、発光強度は約1396〜約2125の範囲(B2の範囲)を示している。
このように、曲線P1(1分間当り水素ガス1.0Lを燃焼)の場合よりも燃焼する水素ガスの量が少ない曲線P2(1分間当り水素ガス0.3Lを燃焼)においても、曲線P1と同様に、上記谷部の波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域、および波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域の発光強度は、いずれも、上記山部の波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域、および波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域の発光強度に比べて大幅に低く、重複する範囲は存在しない。
また、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線は、地上に届く太陽光中には極めて少量しか含まれていない(図5のグラフの曲線Qを参照)。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎の存在を検出する場合には、太陽光の反射光を火炎と誤検出してしまう可能性が極めて低い。
図6のグラフにおける曲線P3は、図5の曲線P1と曲線Qの発光強度の和を表した曲線であり、図6の曲線P4は、図5の曲線P2と曲線Qの発光強度の和を表した曲線である。つまり、曲線P3およびP4は、水素火炎と太陽光の反射光とに含まれる近赤外線が同時に検知された場合の、1300nm〜1600nmの波長領域における発光強度を示すものであり、曲線P3は、水素火炎の発光強度が1.0L/分の水素ガスを燃焼させた場合であり、曲線P4は、水素火炎の発光強度が0.3L/分の水素ガスを燃焼させた場合である。
図6から明らかなとおり、太陽光の反射光に含まれる約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線の発光強度は極めて低いため、水素火炎と太陽光の反射光との近赤外線が同時に検知された場合でも、曲線P3およびP4に示すとおり、波長に対応した発光強度の変化における起伏パターンは、曲線P1およびP2に表される水素火炎の発光強度の変化における起伏パターンと近似したものとなる。
つまり、水素火炎の発光強度が、約1338nmの波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域、および約1388nmの波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域で低くなり、約1351nmの波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域、および約1437nmの波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域で高くなるという変化の起伏パターンは、同時に太陽光の反射光が存在する場合でも失われない。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎を検出する場合には、太陽光の反射光を火炎と取り違えて誤検出してしまう可能性は極めて低い。
また、図7のグラフにおける曲線Rは、自動車用ヘッドライトの白色LEDから発せられる近赤外線の波長に対応した発光強度を示しており、約1320nm〜約1464nmの波長領域において、白色LEDの発光強度(曲線R)の方が水素火炎の発光強度(曲線P5)よりも高い部分が存在する。
しかし、白色LEDの波長に対応した発光強度の変化は、曲線Rに示すとおり約1320nm〜約1464nmの波長領域において起伏が少ないなだらかな曲線となるため、この白色LEDと水素火炎との近赤外線が同時に検知された場合でも、曲線P6に示すとおり、波長に対応した発光強度の変化における起伏パターンは、曲線P5に表される水素火炎の発光強度の変化における起伏パターンと近似したものとなる。
つまり、水素火炎の発光強度が、約1338nmの波長a1を含む約1320nm〜約1340nmの波長領域、および約1388nmの波長a2を含む約1386nm〜約1394nmの波長領域で低くなり、約1351nmの波長b1を含む約1345nm〜約1362nmの波長領域、および約1437nmの波長b2を含む約1399nm〜約1464nmの波長領域で高くなるという変化の起伏パターンは、同時に白色LED光が存在する場合でも失われない。したがって、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線によって火炎を検出する場合には、自動車用ヘッドライトなどから発せられる白色LED光を火炎と取り違えて誤検出してしまう可能性は極めて低い。
本発明の火炎監視方法は、上記のような、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる近赤外線の発光強度の変化における起伏パターンを利用した火炎監視方法であり、その実施手順は、まず、監視対象領域から発せられる上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定する。
上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2は、それぞれ図5、図6および図7の各グラフに示す、約1320nm〜約1340nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度(A1)、約1345nm〜約1362nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度(B1)、約1386nm〜約1394nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度(A2)、および約1399nm〜約1464nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度(B2)であり、各々について1つ以上の波長を設定して発光強度を測定する必要がある。
その理由として、下記の次工程において、近赤外線の発光強度の各測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、例えば、A1の座標とB1の座標の間の発光強度の変化を示す近似直線を作成する場合には、A1およびB1として各々少なくとも1つ以上の波長における発光強度の座標が存在する必要があるからである。
その際、A1およびB1の座標の数が多いほど、作成する近似直線が、A1からB1における発光強度の実際の変化の状態に近いものとなる。また、A1とB1との間の波長領域(約1341nm〜約1344nm)内についても、発光強度を測定して座標として表すことが望ましい。かかる波長領域内でも座標の数が多いほど、作成する近似直線が、A1からB1における発光強度の実際の変化の状態に近いものとなるからである。このように、座標の数が多いほど好ましいことは、B1とA2の座標間およびA2とB2の座標間においても同様である。
なお、近似直線は、最小二乗法などの一般的な方法によって作成することができる。
次に、得られた近赤外線の発光強度の各測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、これらの座標に基づく近似直線を算出する。その場合に上記表2の「近似直線のパターン」が生ずると、火炎が存在すると判定して警報を発する。
ここで、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおいて、「近似直線の比例定数が正」であれば、近似直線が右上がりの状態であり、逆に「近似直線の比例定数が負」であれば、近似直線が右下がりの状態である。
したがって上記表2の「近似直線のパターン」を示す場合には、A1とB1の座標間の近似直線が右上がりとなり、B1とA2の座標間の近似直線が右下がりとなり、A2とB2の座標間の近似直線が右上がりとなる。
このように、A1、B1、A2およびB2の各座標間に近似直線を作成し、その傾きの状態、つまり近似直線の比例定数の正負の状態を確認するだけで、火炎の存否を容易かつ正確に判定することができる。
なお、上記の近赤外線の発光強度の測定値をグラフにおける座標として表し近似直線を算出するには、実際に視認できるグラフを作成したり、座標に基づく近似直線を作成したりする必要はなく、例えば、CPUなどの演算装置によって計算データの状態で算出すれば良い。また、上記表2の「近似直線のパターン」によって上記火炎が存在すると判定する場合も、実際に視認できる近似直線のパターンを作成する必要はなく、例えば、CPUなどの演算装置によって計算データの状態で判定すれば良い。
図8の表は、図5および図6のグラフにおける各曲線上の所定座標間の近似直線の比例定数を示している。すなわち、曲線P1(水素1.0L/分の火炎)、曲線P2(水素0.3L/分の火炎)、曲線P3(P1+Q太陽光の反射光)および曲線P4(P2+Q太陽光の反射光)における、A1とB1の座標間(A1−B1)、B1とA2の座標間(B1−A2)、およびA2とB2の座標間(A2−B2)の近似直線の比例定数を算出したものである。
各比例定数の算出は、最小二乗法により行った。
その際、各比例定数の算出のために、A1−B1からA2−B2までの各座標間において、約1.65nmの波長毎に座標を選択した。つまり、各比例定数の算出に使用した上記発光強度A1は1個、A1とB1の間(A1およびB1を含まず。)は5個、B1は9個、B1とA2の間(B1およびA2は含まず、)は16個、A2は4個、A2とB2の間(A2およびB2を含まず。)は4個、およびB2は22個である。
図8の表のP1欄およびP2欄のとおり、水素火炎から発せられる近赤外線は、約1320nm〜約1464nmの波長領域において、上記表2の「近似直線のパターン」を示している。さらに、P3欄およびP4欄のとおり、水素火炎と太陽光の反射光が同時に検出された場合においても、上記表2の「近似直線のパターン」を示している。
これより、A1、B1、A2およびB2の各座標間に近似直線を作成し、その傾きの状態、つまり近似直線の比例定数の正負の状態を確認すれば、太陽光の反射光が存在する環境においても、水素火炎の存否を容易かつ正確に判定できることが解る。
したがって、本発明の火炎監視方法によれば、肉眼で視認することが難しい水素ガスや炭化水素ガスなどの火炎を検出でき、特に、太陽光の反射光や自動車用ヘッドライトの白色LED光などが存在する環境下でも、火炎を高精度で検出して警報を発することができるため、火災の初期消火に資することができる。
≪火炎監視装置の第1実施形態≫
次に、本発明の火炎監視装置の第1実施形態を説明する。
図1に示す火炎監視装置1aは、検知部2aと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む集光手段22と、集光手段22で取り込んだ光を伝送する光伝送ケーブル23と、光伝送ケーブル23によって伝送された光から、約1338nm〜約1437nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
情報処理部3は、記憶装置31、演算装置32および警報装置33を備える。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
<検知部>
図1に示すとおり、集光手段22は、近赤外線検知手段21と光伝送ケーブル23を介して接続されており、集光手段22に備えられたレンズ(図示せず)に取り込まれた監視対象領域からの光が、光伝送ケーブル23を通過して近赤外線検知手段21へ導かれるように構成されている。
集光手段22は、レンズおよびレンズと光伝送ケーブル23とを繋ぐ部材だけで構成できるため、発火源にならないものであり、また極めて小さく形成することができる。したがって、通常の電源を利用する近赤外線検知装置などの設置が困難な、発火源となり得るものを設置できない場所や、極めて狭い場所にも設置することができ、例えば、水素ガス供給ステーションの防爆区域内の蓄圧器室や圧縮機室などの狭隘部にも設置することができる。
光伝送ケーブル23は、一本の光ファイバー素線からなるケーブル、複数本の光ファイバー素線を束ねた光ファイバーバンドルケーブル、または、複数本の光ファイバー素線を束ねて溶着させたイメージファイバーケーブルなどを使用することができる。
近赤外線検知手段21は、集光手段22から光伝送ケーブル23によって導かれた光から、約1320nm〜約1464nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定するものである。
光伝送ケーブル23によって導かれた光から、約1320nm〜約1464nmの波長領域の近赤外線を抽出するには、近赤外線検知手段21に分光器などを装着すれば良い。分光器としては、Ocean Optics社のNIRQuest512などを好適に使用することができる。
さらに、上記表1の「近赤外線の発光強度」の所定の波長の発光強度を測定するには、近赤外線検知センサを使用すれば良く、例えば、浜松ホトニクス社製の炎センサUVtron(R9533)などを好適に使用することができる。
近赤外線検知手段21で測定された近赤外線の発光強度の測定値データは、情報処理部3に伝送される。
火炎監視装置1aが使用される水素ガス供給ステーションなどのガス取扱施設は、事故の発生を未然に防ぐために、水素火炎の発生のみならず、不審者の侵入などの異常を検知するための連続監視手段が必要とされている。
不審者の侵入を連続監視する汎用の侵入者監視装置は、その多くの機種において概ね800〜950nmの波長領域の近赤外線を検知する近赤外線検知機と、同波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えている。このように800〜950nmの比較的波長が短い近赤外線であれば、近赤外線検知機として汎用の安価なCCDカメラを用いることができるため、侵入者監視装置のコストを低く抑えることができるからである。
ここで、火炎監視装置1aの近赤外線検知手段21は、約1338nm〜約1437nmの波長領域内の波長の近赤外線を検知するものであるから、800〜950nmの波長領域の近赤外線は撮像しない。したがって、火炎監視装置1aによれば、上記の汎用の侵入者監視装置の近赤外線照射機から照射される近赤外線やその反射光を水素火炎の発光と誤検知することがないため、上記の汎用の侵入者監視装置と併用することが可能であり便利である。
<情報処理部>
情報処理部3はハードディスクなどの記憶装置31と、CPUなどの演算装置32と、ディスプレイ画面やスピーカーなどの警報装置33を備えており、例えば、パーソナルコンピュータにより構成することができる。
記憶装置31によって、検知部2aから伝送された近赤外線の発光強度の各測定値データを記録する。
記憶装置31は、平常時には、近赤外線の発光強度の測定値データを時系列で連続的に記録し、新しい測定値データを取り込む度に過去の古い測定値データを消去するようにしてある。ただし、水素火炎が検知された場合には、火炎検知の前後にわたる所定時間(例えば、火炎発生前後の24時間。)の測定値データを保存する。そうすることで、ガス遮断を行った後に、火炎発生の原因究明に役立てたりすることができるため便宜である。そのためには、水素火炎の検出後から所定時間の測定値データを取得しデータ更新を停止するか、火炎検出前後の所定時間の測定値データを別領域に移動し上書き不可とした上でデータ更新を継続するようにすればよい。
演算装置32は、上記の各測定値データを横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、これらの座標に基づく近似直線を算出することによって、上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、火炎が存在すると判定する。
かかる演算装置32による処理は、検知部2aから伝送された測定値データに基づいて即時に行っても良く、また、記憶装置31に記録された測定値データを呼び出して処理するようにしても良い。
演算装置32により火炎が存在すると判定された場合には、警報装置33によって警報を発する。警報は、警報音を発し、または警報燈を点灯させても良く、あるいは、パーソナルコンピュータ、携帯用タブレットまたはスマートフォンなどのモニター画面に警報表示を行うものであっても良い。
また、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合には、記憶装置31は、火炎発生の前後にわたる24時間の近赤外線の発光強度の測定値データを保存するように作動する。
以上のとおり、第1実施形態の火炎監視装置1aによれば、肉眼で視認することが難しい水素ガスや炭化水素ガスなどの火炎を検出でき、特に、太陽光の反射光や自動車用ヘッドライトの白色LED光などが存在する環境下でも、火炎を高精度で検出して警報を発することができるため、火災の初期消火に資することができる。
≪火炎監視装置の第2実施形態≫
次に、本発明の火炎監視装置の第2実施形態を説明する。
図2に示す火炎監視装置1bは、検知部2bと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む2個の集光手段22,22と、各集光手段22,22で取り込んだ光を伝送する2本の光伝送ケーブル23,23と、各光伝送ケーブル23,23によって伝送された光のいずれか一方を選択する入光切替え手段24と、入光切替え手段24によって選択された光から約1338nm〜約1437nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
情報処理部3は、記憶装置31、演算装置32および警報装置33を備える。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
火炎監視装置1bによれば、2本の光伝送ケーブル23,23によって伝送される光を、入光切替え手段24によって適宜に選択して近赤外線検知手段に導くことができる。例えば、2本の伝送ケーブル23,23によって伝送される光を、数秒毎に順次切り替えて近赤外線検知手段21に導くことなどが可能である。したがって、1つの近赤外線検知手段21によって2箇所の火炎を監視することができ、火炎監視装置を小型でコスト性に優れたものとすることができる。
入光切替え手段24の具体例としては、オプトハブ社製の光スイッチ(FAS0201MS02)などを好適に使用することができる。
なお、火炎監視装置1bは、集光手段22が2個、光伝送ケーブル23が2本設けられ、入光切替え手段24が新たに設けられている点についてのみ、上記第1実施形態の火炎監視装置1aと構成上相違している。したがって、これらの相違点以外の火炎監視装置1bの構成部分については、上記火炎監視装置1aと同じであるため、ここでは説明を省略する。
≪火炎監視装置の第3実施形態≫
次に、本発明の火炎監視装置の第3実施形態を説明する。
図3に示す火炎監視装置1cは、検知部2cと情報処理部3を具備する。
検知部2aは、監視対象領域からの光を取り込む集光手段22と、集光手段22で取り込んだ光から、約1320nm〜約1464nmの波長領域を含む近赤外線を抽出し、上記表1の「近赤外線の発光強度」を測定する近赤外線検知手段21を備える。
近赤外線検知手段21は、防爆ケース26に収納された防爆仕様となっている。また、集光手段22は、近赤外線検知手段21に直接備え付ければ良いが、集光手段22が発火源を有しない場合には、上記第1および第2実施形態の火炎監視装置1a,1bと同様に、光伝送ケーブル(図示せず。)を介して近赤外線検知手段21に繋ぐようにしても良い。
情報処理部3は、記憶装置31、演算装置32および警報装置33を備える。
記憶装置31は、検知部2aで得られた近赤外線の発光強度の各測定値を記録する。また、演算装置32は、上記の各測定値を処理することによって火炎の存否を判定する。さらに、警報装置33は、演算装置32により火炎が存在すると判定された場合に警報を発する。
火炎監視装置1cは、集光手段22と近赤外線検知21が防爆仕様とされており、電源を使用するため発火する可能性がある近赤外線検知部21は、金属製の防爆ケースに収納されている。
したがって、火炎監視装置1cによれば、例えば、防爆区域と非防爆区域が設けられたガス取扱施設に火炎監視装置1cを設置する場合には、集光手段22および近赤外線検知手段21を防爆区域内に配置することができる。そのため、ガスが漏出する恐れのある監視対象領域を間近で監視することができ、火炎の検知を高精度で行うことができる。
なお、火炎監視装置1cは、近赤外線検知手段21が防爆ケース26に収納されている点において上記第1実施形態の火炎監視装置1aと構成上相違している。したがって、かかる相違点以外の火炎監視装置1cの構成部分については、上記火炎監視装置1aと同じであるため、ここでは説明を省略する。
≪火炎監視装置の第4実施形態≫
次に、本発明の火炎監視装置の第4実施形態を説明する。
図4に示す火炎監視装置10は、検知部4と情報処理部30を具備する。
<検知部>
検知部4は、光伝送ケーブル23を介して集光手段22に接続された近赤外線検知手段21と、光伝送ケーブル45を介して集光手段43に接続された紫外線検知手段41と、光伝送ケーブル46を介して集光手段44に接続された遠赤外線検知手段42が設けられている。
なお、光伝送ケーブル23を介して集光手段22に接続された近赤外線検知手段21は、上記第1実施形態の火炎監視装置1aの検知部2aと同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
集光手段43は、監視対象領域からの光を受け取るレンズ(図示せず)と、200〜400nmの波長領域の紫外線を可視光線に変換する波長変換器(図示せず)を備えており、紫外線検知手段41と光伝送ケーブル45を介して接続されている。かかる構成により、火炎が発する上記波長領域の紫外線がレンズに入射すると、波長変換器によって可視光線に変換されて光伝送ケーブル45を通過して紫外線検知手段41へと導かれる。
なお、光伝送ケーブル45で伝送された可視光線が微弱である場合には、増幅器(図示せず)によって増幅した後に紫外線検知手段41へと導くようにすればよい。
ここで、紫外線を可視光線に変換する理由は、紫外線をそのまま光伝送ケーブルで伝送するには、紫外線伝送用の専用品が必要であるが、可視光線に変換すれば、可視光線伝送用の安価な汎用品を使用することができるからである。
また、波長変換器は、例えば、蛍光物質を分散させたガラスからなり、その樹脂に入射した紫外線が蛍光物質を励起させて可視光線を生じさせることで、紫外線から可視光線への波長変換が行われるようになっている。
かかる可視光線変換器の具体例としては、住田光学ガラス社製の機能性蛍光ガラス「ルミラス」(型番ルミラス−G9)を好適に使用することができる。
集光手段43は、レンズ、波長変換器、およびこれらと光伝送ケーブル45とを繋ぐ部材だけで構成できるため、発火源にならないものであり、また小さく形成することができる。したがって、電源を利用する一般的な紫外線センサなどの設置が困難な、発火源となり得るものを設置できない場所や、極めて狭い場所にも設置することができ、例えば、水素ガス供給ステーションの防爆区域内の狭い蓄圧器室や圧縮機室などにも設置することができる。
紫外線検知手段41は、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎が発する200〜400nmの波長領域の紫外線を検知するセンサであるが、かかる紫外線は、集光手段43に備えられた波長変換器によって特定波長領域の可視光線に変換されるので、紫外線検知手段41に使用するセンサとしては、その特定波長領域の可視光線を検知できるものである必要がある。
したがって、紫外線検知手段41のセンサは、特定波長領域の可視光線にのみ感度を有する受光素子により構成することができ、また、特定領域の可視光線のみを透過させる光学バンドパスフィルターとフォトダイオードの組み合わせにより構成してもよい。
分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎の発する紫外線は、285nm、306nmおよび309nmの波長に発光強度のピークが存在するため、これらのピークを示す波長のいずれかを含む波長領域を検知するように構成することが好ましい。例えば、309nmの波長の紫外線を検知したい場合には、かかる紫外線は集光手段43の波長変換器によって可視光線に変換されるので、かかる可視光線を紫外線検知手段41のセンサで検知できるようにすればよい。
かかる紫外線検知手段41の具体例としては、住田光学ガラス社製の紫外センサ(型番UV−200)を好適に使用することができる。
次に、集光手段44は、監視対象領域からの光を受け取るレンズ(図示せず)を備えており、遠赤外線検知手段42と光伝送ケーブル46を介して接続されている。かかる構成により、レンズに入射した火炎が発する遠赤外線は、光伝送ケーブル46を通過して遠赤外線検知手段42へ導かれる。
集光手段44は、レンズおよびレンズと光伝送ケーブル46とを繋ぐ部材だけで構成できるため、発火源にならないものであり、また、極めて小さく形成することができる。したがって、防爆区域や極めて狭い場所にも設置することができる。
遠赤外線検知手段42は、火炎の熱に起因する遠赤外線を検知する手段であり、概ね7〜14μmの波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知できる遠赤外センサなどを使用することができる。
かかる遠赤外線検知手段42(遠赤外線センサ)の具体例としては、ニッタン社製の赤外線式炎検知器(型番:1RB−EW)を好適に使用することができる。
<情報処理部>
火炎監視装置10の情報処理部3は、記憶装置310と演算装置320と警報装置330を備えており、例えばパーソナルコンピュータによって構成することができる。
かかる演算装置320は、検知部4において、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎の発する波長の紫外線と、同火炎の発する波長の遠赤外線とを同時に検知した場合であって、かつ、上記検知部4で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって上記表2の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、火炎が存在すると判定するように構成されている。
そのため、火炎監視装置10は、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎の存在を高精度で検出できるものである。その理由は、例えば、紫外線検知手段41が太陽光に含まれる紫外線を火炎から発せられた紫外線と誤検知した場合や、遠赤外線検知手段42が火炎以外の原因による監視対象領域の温度上昇を火炎によるものと誤検知した場合においても、両検知手段41、42による火炎の検出が同時に行われ、かつ、近赤外線検知手段21で検知された近赤外線の発光強度に基づく火炎の検出が行われた場合にのみ、火炎が存在すると判定するからである。
また、火炎監視装置10は、演算装置320によって火炎が存在すると判定された場合に、警報装置330が作動して警報を発するように構成されている。
なお、火炎監視装置10における近赤外線の発光強度に基づく火炎の検出手段については、上記第1実施形態の火炎監視装置1aと同じであるため、ここでは説明を省略する。
≪水素取扱施設≫
次に、本発明の水素取扱施設を説明する。
図9に示すガス取扱施設5は、燃料電池自動車Cに水素ガスを充填するための水素供給ステーションであり、水素ガス供給装置53とその周辺に配置された図示しない水素ガス輸送配管や水素ガス貯蔵タンクなどの水素取扱機器を備え、さらに管理棟51とこれらを覆うキャノピー(屋根)52が設置されている。
ガス取扱施設5の水素ガス供給装置53の付近には、発火源となり得るものの設置が禁止されている防爆区域E1が設けられており、かかる防爆区域E1以外の区域は非防爆区域E2とされている。
キャノピー52の下面側の防爆区域E1内には、火炎監視装置10の集光ユニット54が設置されており、集光ユニット54は光伝送ケーブルユニット55によって、非防爆区域E2内の管理棟1の中に配置された火炎監視装置10の本体部分と接続されている。
なお、集光ユニット54は、図2に示す3つの集光手段23、43および44を、まとめて1つの小さな筐体内に配置したものであり、また、光伝送ケーブルユニット55は、図2に示す3本の光伝送ケーブル25、45および46を一体に束ねて形成したケーブルである。
また、キャノピー52の下面側の非防爆区域E2内には、近赤外線照射機を備えた侵入者監視装置56が設置されており、その侵入者監視装置56による監視対象領域(図示せず)は、火炎監視装置10の集光ユニット54による監視対象領域Sと、多くの範囲において重複している。
ガス取扱施設5の監視対象領域Sにおいて水素火炎Fが発生した場合には、集光ユニット54が水素火炎Fからの光を捉え、光伝送ケーブルユニット55によって、検知部4の近赤外線検知手段21、紫外線検知手段41および遠赤外線検知手段42に伝送される。すると、近赤外線検知手段21が水素火炎から発せられる約1338〜約1437nmの波長領域の近赤外線を検知し、紫外線検知手段41が水素火炎の発する特定波長の紫外線を検知し、さらに、遠赤外線検知手段42が水素火炎の熱に起因する特定波長の遠赤外線を検知することで、演算手段320によって水素火炎が存在すると判定されて警報が発せされる。
また、近赤外線検知手段21、紫外線検知手段41および遠赤外線検知手段42によって検知されたデータは、記憶装置310に水素火炎Fの発生の前後にわたって24時間保存される。
ここで、集光ユニット54は、発火源となり得るものを有しないので、防爆区域E1内に配置されて、監視対象領域Sの全体を、ほぼ5m以内の近距離から監視できるようにしてある。したがって、発光強度が低い小さな水素火炎であっても検出できる。
また、火炎監視装置10のうち、集光ユニット54と光伝送ケーブルユニット55以外の本体部分は、非防爆区域E2にある管理棟51内に配置されているので、かかる本体部分を防爆仕様にする必要がなく、ガス取扱施設5をコスト性に優れたものとすることができる。
ガス取扱施設5の非防爆区域E2に設置された侵入者監視装置56は、概ね800〜950nmの波長領域を含む近赤外線画像を撮像する近赤外線画像撮像機と、同波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えている。
この侵入者監視装置56は、一般に普及している侵入者監視装置であり、侵入者を近赤外線画像撮像機で捉えて監視するものであるが、夜間は近赤外線照射機から概ね800〜950nmの波長領域の近赤外線を照射して、その反射光を近赤外線画像撮像機で捉えるようになっている。
ガス取扱施設5に設置されている水素火炎監視装置10は、近赤外線検知手段21を備えているが、約1338nm〜約1437nmの波長領域内の近赤外線を検知するものなので、侵入者監視装置56の近赤外線照射機から照射される800〜950nmの近赤外線は検知しない。
したがって、侵入者監視装置56の近赤外線照射機による照射光やその反射光を、水素火炎による近赤外線であると誤検知する恐れがないため、火炎監視装置10は、汎用の侵入者監視装置56と併用することができるものであり便利である。
本発明は、燃焼時に火炎が見え難い水素ガスや炭化水素ガスなどを扱うガス取扱施設における火炎の監視などに広く適用できる。
1a,1b,1c,10 ・・火炎監視装置
2a,2b,2c ・・検知部
21 ・・近赤外線検知手段
22 ・・集光手段
23 ・・光伝送ケーブル
24 ・・入光切替え手段
25 ・・電気ケーブル
26 ・・防爆ケース
3,30 ・・情報処理部
31,310 ・・記憶装置
32,320 ・・演算装置
33,330 ・・警報装置
4 ・・検知部
41 ・・紫外線検知手段
42 ・・遠赤外線検知手段
43,44 ・・集光手段
45,46 ・・光伝送ケーブル
5 ・・ガス取扱施設(水素ガス供給ステーション)
51 ・・管理棟
52 ・・キャノピー
53 ・・水素ガス供給装置
54 ・・集光ユニット
55 ・・光伝送ケーブルユニット
56 ・・侵入者監視装置
C ・・燃料電池自動車
F ・・水素火炎
E1 ・・防爆区域
E2 ・・非防爆区域
S ・・監視対象領域

Claims (13)

  1. 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視方法であって、監視対象領域から発せられる下記の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定し、得られた測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定して警報を発することを特徴とする火炎監視方法。
    〔近赤外線の発光強度〕
    A1:約1320nm〜約1340nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    B1:約1345nm〜約1362nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    A2:約1386nm〜約1394nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    B2:約1399nm〜約1464nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    〔近似直線のパターン〕
    A1およびB1の座標に基づく近似直線の比例定数が正であり、かつ、
    B1およびA2の座標に基づく近似直線の比例定数が負であり、かつ、
    A2およびB2の座標に基づく近似直線の比例定数が正である。
  2. 分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎を検出する火炎監視装置であって、
    監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる下記の「近赤外線の発光強度」のA1、B1、A2およびB2の各々について1つ以上を測定する近赤外線検知手段とを備える検知部、及び、
    該検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値を記録する記憶装置と、
    上記の測定値を、横軸が波長で縦軸が発光強度のグラフにおける座標として表し、近似直線を算出することによって、下記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定する演算装置と、該演算装置によって上記火炎が存在すると判定された場合に警報を発する警報装置とを備える情報処理部、
    を具備することを特徴とする火炎監視装置。
    〔近赤外線の発光強度〕
    A1:約1320nm〜約1340nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    B1:約1345nm〜約1362nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    A2:約1386nm〜約1394nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    B2:約1399nm〜約1464nmの波長領域内で任意に設定した波長の発光強度。
    〔近似直線のパターン〕
    A1およびB1の座標に基づく近似直線の比例定数が正であり、かつ、
    B1およびA2の座標に基づく近似直線の比例定数が負であり、かつ、
    A2およびB2の座標に基づく近似直線の比例定数が正である。
  3. 集光手段は発火源を有しないものであって、光伝送ケーブルを介して近赤外線検知手段と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
  4. 集光手段は発火源を有しないものであって複数個備えられ、該集光手段毎に設けられた光伝送ケーブルを介して入光切替え手段と接続されており、各光伝送ケーブルによって伝送される光が、入光切替え手段により適宜に選択されて近赤外線検知手段に導かれるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
  5. 近赤外線検知手段が防爆仕様であることを特徴とする請求項2に記載の火炎監視装置。
  6. 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段とが備えられ、
    情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。
  7. 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、
    情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む紫外線が検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。
  8. 検知部には、監視対象領域から発せられる光を取り込む集光手段と、該集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる遠赤外線の波長領域内で設定された波長を含む遠赤外線を検知する遠赤外線検知手段と、上記集光手段に取り込まれた光に含まれる、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの火炎から発せられる紫外線の波長領域内で設定された波長を含む紫外線を検知する紫外線検知手段とが備えられ、
    情報処理部の演算装置は、検知部において上記の設定された波長を含む遠赤外線および上記の設定された波長を含む紫外線が同時に検知された場合であって、かつ、上記検知部で得られた近赤外線の発光強度の測定値によって、上記の「近似直線のパターン」が生ずる場合に、上記火炎が存在すると判定することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の火炎監視装置。
  9. 遠赤外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする請求項6または請求項8に記載の火炎監視装置。
  10. 紫外線検知手段には集光手段が光伝送ケーブルを介して接続されており、該集光手段は発火源を有しないことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の火炎監視装置。
  11. 紫外線の集光手段は、紫外線を可視光線に変換する波長変換器を備えることを特徴とする請求項10に記載の火炎監視装置。
  12. 防爆区域と非防爆区域が設けられ、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、
    請求項3、請求項4、請求項9、請求項10または請求項11のいずれかに記載の火炎監視装置が設置されており、
    火炎監視装置の構成要素のうち、集光手段が防爆区域内に配置され、
    該集光手段と光伝送ケーブルを介して接続された近赤外線検知手段、入光切替え手段、紫外線検知手段または遠赤外線検知手段を含む他の構成要素が非防爆区域内に配置されていることを特徴とするガス取扱施設。
  13. 請求項2から請求項11のいずれかに記載の火炎監視装置と侵入者監視装置とが設置された、分子を構成する原子に水素原子を含むガスの取扱施設であって、
    火炎監視装置の監視対象領域と侵入者監視装置の監視対象領域の少なくとも一部が重複しており、
    侵入者監視装置は、1320nm未満の波長領域内で設定された波長を含む近赤外線であって、かつ、火炎監視装置の近赤外線検知手段によって検知される近赤外線の波長領域と実質的に重ならない波長領域の近赤外線を照射する近赤外線照射機を備えることを特徴とするガス取扱施設。
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