JP6782111B2 - 表面保護シート - Google Patents
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Description
ここに開示される表面保護シートの支持基材は、第一面上に粘着剤層を支持し得るシート形状の基材であればよく、特に限定されない。例えば、樹脂フィルム、紙、布、ゴムシート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体等を支持基材として用いることができる。紙の例としては、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が挙げられる。布の例としては、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等が挙げられる。上記繊維状物質としては、綿、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が例示される。ゴムシートの例としては、天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。発泡体シートの例としては、発泡ポリウレタンシート、発泡ポリクロロプレンゴムシート等が挙げられる。金属箔の例としては、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。
プロピレンのホモポリマー(ホモポリプロピレン)。例えばアイソタクチックポリプロピレン。
プロピレンと他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)とのランダムコポリマー(ランダムポリプロピレン)。好ましくは、プロピレンを主モノマー(主構成単量体、すなわち単量体全体の50重量%以上を占める成分)とするランダムポリプロピレン。
プロピレンに他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)をブロック共重合したコポリマー(ブロックポリプロピレン)。好ましくは、プロピレンを主モノマー(主構成単量体、すなわち単量体全体の50重量%以上を占める成分)とするブロックポリプロピレン。
ここに開示される表面保護シートは、上記のような支持基材の第一面上に、水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備える。上記水分散型粘着剤組成物は、アルキル基の炭素原子数が4〜9のアルキルアクリレートを40〜99.9重量%含有するモノマー組成のアクリル系ポリマー(A)と、EO付加モル数1以上30以下のオキシエチレン鎖を有する界面活性剤(B)と、アルキレングリコールアルキルエーテル(C)とを含む。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマー(A)は、アルキル基の炭素原子数が4〜9のアルキルアクリレート(以下、モノマーmAともいう。)を含み、必要に応じて他のモノマーを含み得るモノマー原料の重合物である。アクリル系ポリマー(A)は、対応する組成(モノマー組成)のモノマー原料を公知の方法で重合させることにより合成することができる。重合方法としては、エマルション重合法を好ましく採用し得る。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
ここで、上記一般式(1)中のR1は、水素原子またはメチル基である。また、R2は、炭素原子数1〜20のアルキル基である。以下、このような炭素原子数の範囲を「C1−20」と表すことがある。重合反応性やエマルション重合の安定性等の観点から、R2がC1−16のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、R2がC1−12のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
水酸基含有モノマー:例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類。
アミド基含有モノマー:例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド。
イミド基含有モノマー:例えばN−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド。
アミノ基含有モノマー:例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート。
エポキシ基を有するモノマー:例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル。
シアノ基含有モノマー:例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル。
ケト基含有モノマー:例えばジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテート。
窒素原子含有環を有するモノマー:例えばN−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン。
アルコキシシリル基含有モノマー:例えば3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ヘキシルアクリレート −65℃
n−オクチルアクリレート −65℃
イソノニルアクリレート −60℃
n−ノニルアクリレート −58℃
n−ブチルアクリレート −55℃
エチルアクリレート −20℃
ラウリルアクリレート 0℃
2−エチルヘキシルメタクリレート −10℃
メチルアクリレート 8℃
n−ブチルメタクリレート 20℃
メチルメタクリレート 105℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
酢酸ビニル 32℃
スチレン 100℃
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマー(A)は、典型的には、上述のような組成のモノマー原料のエマルション重合により得られる。エマルション重合の態様は特に限定されず、従来公知の一般的なエマルション重合と同様の各種モノマー供給方法、重合条件、使用材料等を適宜採用して行うことができる。例えば、モノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に重合容器に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等のいずれも採用可能である。モノマー成分の一部または全部をあらかじめ水および界面活性剤と混合して乳化し、その乳化液を重合容器に供給してもよい。重合温度は、例えば20℃〜100℃程度とすることができ、通常は40℃〜80℃程度とすることが適当である。
アゾ系開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等が挙げられる。
過酸化物系開始剤の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルハイドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジ−n−オクタノイルペルオキシド、ジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシソブチレート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、過酸化水素等が挙げられる。
レドックス系開始剤の例としては、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等が挙げられる。
ノニオン性の反応性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル等が挙げられる。
ノニオン性の反応性界面活性剤を使用する場合は、他の界面活性剤、例えばアニオン性の反応性界面活性剤、アニオン性の非反応性界面活性剤、ノニオン性の非反応性界面活性剤等と併用することにより、より好適な結果が実現され得る。
ここに開示される技術の一態様において、粘着剤層の形成に用いられる水分散型粘着剤組成物は、オキシエチレン鎖を有する界面活性剤を含み得る。ここで、オキシエチレン鎖とは、少なくとも1つのオキシエチレン単位(EO付加残基としても把握され得る。)を含み、他のオキシアルキレン単位をさらに含み得る鎖状の構造部分をいう。このような構造部分は、オキシアルキレン単位またはその繰返し、すなわち−(AO)p−で表される構造部分であって(ただしp≧1)、該構造部分に含まれるp個のAO単位のうち1つ以上がオキシエチレン単位(EO単位)であるものとして把握され得る。上記繰返し数pは、典型的には1〜50程度であり、好ましくは1〜35程度であり、例えば5〜25程度であってもよい。上記オキシエチレン鎖に含まれるEO単位の数q(ただしq≦p)は、典型的には1〜35程度、好ましくは1〜30程度であり、5〜25程度(例えば5〜20程度)であってもよい。上記オキシエチレン鎖に含まれるEO単位以外のオキシアルキレン単位(A’O単位)は、例えば、炭素原子数3〜6程度のオキシアルキレン単位であり得る。上記A’O単位の好適例として、オキシプロピレン単位(PO単位)およびオキシブチレン単位(BO単位)が挙げられる。
アルキレングリコールアルキルエーテル(C)は、水分散性粘着剤組成物の泡立ち性を抑制して(消泡性を高めて)粘着剤層への気泡混入を防ぎ、かつはじき性を上昇させにくい成分として用いられ得る。ここでいうアルキレングリコールアルキルエーテルの概念には、アルキレングリコールのモノアルキルエーテルと、アルキレングリコールのジアルキルエーテルとが包含される。アルキレングリコールアルキルエーテルは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)は、主に粘着力の経時上昇抑制(すなわち、粘着力安定性の向上)等の目的で、任意成分として用いられ得る。ここで、オキシエチレン鎖とは、少なくとも1つのEO単位を含み、他のオキシアルキレン単位(例えば、炭素原子数3〜6程度のオキシアルキレン単位)をさらに含み得る鎖状の構造部分をいう。オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)の一好適例として、EO単位またはその繰返しにより構成されたオキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)が挙げられる。例えば、以下の一般式(2a)または(2b)で表わされるリン酸エステルまたはその塩を、リン酸エステル(D)として好ましく採用し得る。
ここに開示される技術における粘着剤層には、架橋剤が用いられていてもよい。架橋剤の使用により、非糊残り性と粘着性とをバランスよく両立し得るように粘着剤層の凝集性を調節することができる。また、粘着剤層のゲル分率を適切に調節することができる。
イソシアネート系架橋剤の例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;等が挙げられる。より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート;ジクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(東ソー社製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(東ソー社製、商品名「コロネートHL」)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシヌレート体(東ソー社製、商品名「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物;ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート等のポリイソシアネート;これらポリイソシアネートとポリオールとの付加物;および、これらポリイソシアネートを、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等により多官能化したポリイソシアネート;等が挙げられる。
水に溶解または分散可能なイソシアネート系架橋剤が好ましい。例えば、水溶性、水分散性または自己乳化型のイソシアネート系架橋剤を好ましく採用し得る。このようなイソシアネート系架橋剤(水性イソシアネート系架橋剤)の市販品として、例えば、DIC社製の商品名「バーノックDNW−5000」、「バーノックDNW−5010」、「バーノックDNW−5100」、「バーノックDNW−5200」、「バーノックDNW−5500」、「バーノックDNW−6000」;東ソー社製の商品名「アクアネート100」、「アクアネート105」、「アクアネート110」、「アクアネート120」、「アクアネート130」、「アクアネート200」、「アクアネート210」;三井化学ポリウレタン社製の商品名「タケネートWD−220」、「タケネートWD−240」、「タケネートWD−720」、「タケネートWD−725」、「タケネートWD−726」、「タケネートWD−730」、「タケネートWB−700」、「タケネートWB−720」、「タケネートWB−920」;第一工業製薬社製の商品名「エラストロンBN−04」、「エラストロンBN−11」、「エラストロンBN−27」、「エラストロンBN−69」、「エラストロンBN−77」;等が挙げられる。
粘着剤層の形成は、公知の粘着シートにおける粘着剤層形成方法に準じて行うことができる。例えば、支持基材に粘着剤組成物を直接付与(典型的には塗布)して乾燥させることにより粘着剤層を形成する方法(直接法)を好ましく採用することができる。また、剥離性を有する表面(剥離面)に粘着剤組成物を付与して乾燥させることにより該表面上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を支持基材に転写する方法(転写法)を採用してもよい。上記剥離面としては、剥離ライナーの表面や、剥離処理された支持基材背面等を利用し得る。粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、目的や用途によっては点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成されてもよい。
ここに開示される表面保護シートの厚さは、例えば300μm以下とすることができ、表面保護シートの取扱い性等の観点から通常は225μm以下が適当であり、175μm以下(例えば125μm以下)が好ましく、100μm以下でもよい。一態様において、表面保護シートの厚さは、85μm以下とすることができ、70μm以下であってもよく、65μm以下であってもよい。表面保護シートの厚さは、強度や保護性の観点から、通常は12μm以上が適当であり、25μm以上が好ましく、35μm以上(例えば45μm以上)であってもよい。
より具体的には、以下の方法でゲル分率を測定することができる。すなわち、測定サンプル約0.1gを、平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートで巾着状に包み、口を凧糸で縛る。テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートと凧糸の合計重量Wa(mg)はあらかじめ計測しておく。そして、包みの重量(粘着剤層と包みの合計重量)Wb(mg)を計測する。この包みを容量50mLのスクリュー管に入れ(1個の包みにつきスクリュー管1本を使用する。)、このスクリュー管に酢酸エチルを満たす。これを室温(典型的には23℃)で7日間静置した後、上記包みを取り出して120℃で2時間乾燥させ、乾燥後における包みの重量Wc(mg)を計測する。該粘着剤層のゲル分率(%)は、上記Wa,WbおよびWcを以下の式:
ゲル分率(%)=(Wc−Wa)/(Wb−Wa)×100
に代入することにより求められる。上記テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートとしては、日東電工社製の商品名「ニトフロン(登録商標)NTF1122」またはその相当品を使用することができる。
粘着剤を酢酸エチルに浸し、室温にて7日間浸漬して可溶分を溶出させ、当該可溶分の抽出液を乾燥させて測定サンプルを得る。測定サンプルは、例えば上記ゲル分率測定の際に酢酸エチル中に溶出したポリマーを室温下で乾燥させて得てもよい。この測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に再溶解し、0.1重量%のTHF溶液を調製する。このTHF溶液を平均孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液(分子量測定用の試料溶液)につき、GPC測定装置により標準ポリスチレン基準のMwを求める。GPC測定装置としては、東ソー株式会社製の機種名「HLC−8320GPC」を用いるとよい。測定条件は以下のとおりとするとよい。
[GPC測定条件]
カラム:TSKgel GMH−H(S)×2
カラムサイズ:7.8mmI.D.×300mm
検出器:示差屈折計
溶離液:THF
流速:0.5mL/分
測定温度:40℃
サンプル注入量:100μL
(1) アルキル基の炭素原子数が4〜9のアルキルアクリレートを凡そ40重量%以上凡そ99.9重量%以下含有するモノマー組成のアクリル系ポリマー(A)と、EO付加モル数が凡そ1以上凡そ30以下のオキシエチレン鎖を有する界面活性剤(B)と、アルキレングリコールアルキルエーテル(C)と、を含む水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、
第一面および第二面を有するシート形状であって上記粘着剤層を上記第一面上に支持する支持基材と
を含む、表面保護シート。
(2) 上記アルキレングリコールアルキルエーテル(C)として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記(1)に記載の表面保護シート。
(3) 上記粘着剤層のゲル分率が凡そ70重量%以上凡そ99重量%以下である、上記(1)または(2)に記載の表面保護シート。
(4) 上記粘着剤層の厚さが10μm未満(例えば、凡そ3μm以上凡そ8μm以下)である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表面保護シート。
(5) 上記界面活性剤(B)のEO付加モル数が凡そ5以上凡そ25以下(例えば、凡そ5以上凡そ20以下)である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表面保護シート。
(6) 上記オキシエチレン鎖に含まれるEO単位の数qは、該オキシエチレン鎖に含まれる繰返し単位の数pの70%以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の表面保護シート。
(7) 上記界面活性剤(B)は反応性界面活性剤である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の表面保護シート。
(8) 上記界面活性剤(B)は、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基およびアリルオキシ基からなる群から選択されるラジカル重合性官能基を少なくとも一つ有するラジカル重合性反応性界面活性剤である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の表面保護シート。
(9) 上記粘着剤層は、オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)を含む、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の表面保護シート。
(10) 上記リン酸エステル(D)は、リン酸のモノエステル、リン酸のジエステル、またはリン酸モノエステルとリン酸ジエステルとを含む混合物であり、上記オキシエチレン鎖のEO付加モル数は1〜4程度である、上記(9)に記載の表面保護シート。
(11) 上記粘着剤層は、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤およびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤で架橋している、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の表面保護シート。
(12) ステンレス鋼板に貼り付けて23℃で30分間保持した後の粘着力SAに対する、ステンレス鋼板に貼り付けて50℃に168時間保持した後の粘着力SBの比として定義される粘着力比(SB/SA)が凡そ5以下である、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の表面保護シート。
(13) 上記支持基材は、少なくとも上記第一面がポリオレフィン系樹脂により構成されている、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の表面保護シート。
(14) 上記第一面を構成するポリオレフィン系樹脂は、LDPEを凡そ50重量%超の割合で含むLDPE樹脂またはLLDPEを凡そ50重量%超の割合で含むLLDPE樹脂である、上記(13)に記載の表面保護シート。
(15) 上記支持基材の上記第一面はコロナ放電処理面である、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の表面保護シート。
(16) 上記支持基材は凡そ50%以上の全光線透過率を有する、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の表面保護シート。
(17) 上記表面保護シートは凡そ50%以上の全光線透過率を有する、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の表面保護シート。
EO付加モル数が凡そ1以上凡そ30以下のオキシエチレン鎖を有する界面活性剤(B)と、
アルキレングリコールアルキルエーテル(C)と
を含む、表面保護シート用水分散型粘着剤組成物。
(19) 上記アルキレングリコールアルキルエーテル(C)として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記(18)に記載の水分散型粘着剤組成物。
(20) 上記アルキレングリコールアルキルエーテル(C)の含有量は、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して凡そ0.5重量部以上凡そ10重量部以下である、上記(18)または(19)に記載の水分散型粘着剤組成物。
(21) 上記界面活性剤(B)のEO付加モル数が凡そ5以上凡そ25以下(例えば、凡そ5以上凡そ20以下)である、上記(18)〜(20)のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
(22) 上記界面活性剤(B)は反応性界面活性剤を含む、上記(18)〜(21)のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
(23) 上記界面活性剤(B)は、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基およびアリルオキシ基からなる群から選択されるラジカル重合性官能基を少なくとも一つ有するラジカル重合性反応性界面活性剤である、上記(18)〜(22)のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
(24) オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)をさらに含む、上記(18)〜(23)のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
(25) 上記リン酸エステル(D)は、リン酸のモノエステル、リン酸のジエステル、またはリン酸モノエステルとリン酸ジエステルとを含む混合物であり、上記オキシエチレン鎖のEO付加モル数は1〜4程度である、上記(24)に記載の水分散型粘着剤組成物。
(26) 上記リン酸エステル(D)の含有量は、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して凡そ0.05重量部以上凡そ5重量部以下である、上記(24)または(25)に記載の水分散型粘着剤組成物。
(27) エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤およびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤を含む、上記(18)〜(26)のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
上記アクリル系ポリマー(A)の水分散液にアルキレングリコールアルキルエーテル(C)を添加する調合工程と
を含む、水分散型粘着剤組成物の製造方法。
(29) 上記アルキレングリコールアルキルエーテル(C)の添加量は、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して凡そ0.5重量部以上凡そ10重量部以下である、上記(28)に記載の方法。
(30) 上記界面活性剤(B)は、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基およびアリルオキシ基からなる群から選択されるラジカル重合性官能基を少なくとも一つ有するラジカル重合性反応性界面活性剤を含む、上記(28)または(29)に記載の方法。
(31) 上記界面活性剤(B)の使用量は、上記モノマー原料100重量部に対して凡そ0.1重量部以上凡そ5重量部以下である、上記(28)〜(30)のいずれかに記載の方法。
(32) 上記調合工程では、上記アクリル系ポリマー(A)の水分散液に、オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)をさらに添加する、上記(28)〜(31)のいずれかに記載の方法。
(33) 上記リン酸エステル(D)の添加量は、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して凡そ0.05重量部以上凡そ5重量部以下である、上記(32)に記載の方法。
(34) 上記調合工程では、上記アクリル系ポリマー(A)の水分散液に、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤およびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤をさらに添加する、上記(28)〜(33)のいずれかに記載の方法。
(35) 上記架橋剤の添加量は、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して凡そ0.01重量部以上凡そ5重量部以下である、上記(34)に記載の方法。
第一面および第二面を有するシート形状の支持基材の上記第一面に上記水分散型粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成する工程と
を含む、表面保護シート製造方法。
(37) 上記(28)〜(35)のいずれかの方法で水分散型粘着剤組成物を製造する工程と、
第一面および第二面を有するシート形状の支持基材の上記第一面に上記水分散型粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成する工程と
を含む、表面保護シート製造方法。
(38) 上記粘着剤層を形成する工程では、厚さ10μm未満の粘着剤層を形成する、上記(36)または(37)に記載の方法。
(39) 上記支持基材は、少なくとも上記第一面がポリオレフィン系樹脂により構成されている、上記(36)〜(38)のいずれかに記載の方法。
(40) 上記支持基材は、単層のポリオレフィン系樹脂フィルムである、上記(36)〜(39)のいずれかに記載の方法。
(例1)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)70部、n−ブチルメタクリレート(BMA)28部およびアクリル酸(AA)2部からなるモノマー原料と、界面活性剤S1(第一工業製薬社製の商品名「アクアロンKH−1025」、EO付加モル数30以下のポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム)2部および水150部とを混合し、窒素ガスを導入しながら乳化機(ホモミキサー)で乳化させることにより、モノマー原料の乳化液を調製した。
温度計、窒素ガス導入管、冷却器および攪拌装置を備えた反応容器に上記乳化液を入れ、窒素気流下で攪拌しながら液温50℃まで加熱した。これに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、商品名「V−50」)0.03部を加え、液温を50℃付近に保って5時間重合反応を行った。得られた重合反応液にアンモニア水を加えてpHを8程度に調整した。このようにしてアクリル系ポリマーの水分散液を調製した。
この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGB、関東化学社製)4部と架橋剤C1(DIC社製のエポキシ系架橋剤、商品名「エピクロンCR−5L」)2部とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。
この粘着剤組成物を、片面にコロナ放電処理が施された厚さ55μmのポリエチレンフィルムのコロナ処理面(第一面)に、乾燥後の厚さが6μmとなるようにバーコーターで塗布した。これを70℃で2分間乾燥した後、50℃で1日間エージングして、本例に係る粘着シートを得た。
モノマー原料の組成を表1に示すように変更した他は例1と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、関東化学社製)4部と上記エポキシ系架橋剤2部とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
モノマー原料の組成を表1に示すように変更した他は例1と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、4部のプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP、関東化学社製)と、2部の架橋剤C2(DIC社製のイソシアネート系架橋剤、商品名「バーノックDNW−6000」)とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
モノマー原料の組成を表1に示すように変更した他は例1と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、4部のプロピレングリコールジメチルエーテル(PGDM、関東化学社製)と2部の架橋剤C2とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
例1で調製したアクリル系ポリマー水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、2部のPGPと、2部の架橋剤C2と、オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(東邦化学工業社製、商品名「フォスファノールRS−410」、EO付加モル数の平均値が3であり、炭素原子数13のアルキル基を有するリン酸エステル)1部とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
界面活性剤S1に代えて界面活性剤S2(第一工業製薬社製、商品名「アクアロンAR−2020」、EO付加モル数30以下のオキシエチレン鎖を有する反応性界面活性剤)を用いた他は例2と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、4部のPGPおよび2部の架橋剤C1を混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
界面活性剤S1に代えて界面活性剤S3(花王社製、商品名「ラテムルPD−430」、EO付加モル数30以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル)を用いた他は例1と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。界面活性剤S3の有するオキシエチレン鎖はEO単位およびBO単位を含む。この水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、4部のPGPおよび2部の架橋剤C1を混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
界面活性剤S1に代えて界面活性剤S4(三洋化成社製、商品名「エレミノールJS−20」、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム)を用いた他は例1と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液を調製した。この水分散液に、該水分散液の不揮発分100部に対し、4部のPGPおよび2部の架橋剤C1を混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
EGBを使用しない他は例1と同様にして、本例に係る粘着剤組成物を調製し、この粘着剤組成物を用いて粘着シートを作製した。
架橋剤C1に代えて架橋剤C2を用いた他は例9と同様にして、本例に係る粘着剤組成物を調製し、この粘着剤組成物を用いて粘着シートを作製した。
例1で調製したアクリル系ポリマー水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、消泡剤(日信化学工業社製、商品名「サーフィノール104PA」)1部と、2部の架橋剤C1とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
例1で調製したアクリル系ポリマー水分散液に、該水分散液に含まれる不揮発分100部に対し、消泡剤(ADEKA社製、商品名「プルロニック17R−2」)1部と、2部の架橋剤C2とを混合して、本例に係る粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
(消泡性)
内径35mm、長さ78mmの円筒状ガラス容器に、各例において調製した粘着剤組成物20gを入れ、このときの液面高さ(容器内部の底面から液面までの距離)H0を測定した。上記ガラス容器に蓋をし、23℃×50%RHの標準環境下で手動にて上下(長さ方向)に1分間振とうすることにより、容器内の粘着剤組成物を強制的に泡立たせた。振とう終了直後の液面の高さ(泡の上端までの高さ。以下同じ。)H1を測定した。次いで、上記ガラス容器を23℃×50%RHの標準環境下に静置し、振とう終了から5分後および180分後の液面高さH2,H3を測定した。得られた各液面高さを用いて、以下の式により5分後および180分後の泡残存率[%]を算出した。
5分後泡残存率[%]=(H2−H0)/(H1−H0)×100
180分後泡残存率[%]=(H3−H0)/(H1−H0)×100
[5分後]
G:泡残存率80%未満(消泡性良好)
A:泡残存率80%以上90%未満(実用上十分な消泡性を有する)
P:泡残存率90%以上(消泡性に乏しい)
[180分後]
G:泡残存率60%未満(消泡性良好)
A:泡残存率60%以上70%未満(実用上十分な消泡性を有する)
P:泡残存率70%以上(消泡性に乏しい)
各例において調製した粘着剤組成物に蒸留水を添加して、不揮発分含量(NV)10重量%の濃度に希釈した。この希釈液5gをガラス製容器に入れ、ここに0.1mol/L濃度のCaCl2水溶液30mgを添加して、凝集物発生の有無を目視で観察した。その結果から、以下の2段階で水分散安定性を評価した。
G:凝集物の発生が認められない(水分散安定性良好)
P:凝集物の発生が認められる(水分散安定性に乏しい)
各例により作製した粘着シートについて、乾燥後の粘着剤層表面を目視で観察し、幅25cm、長さ35cmの長方形状の領域内に存在するはじきの数をカウントした。その結果を以下の3段階で評価した。
G:はじきが認められないか、はじきの数が1以下である(はじき防止性良好)
A:はじきの数が2個以上5個以下である(実用上十分なはじき防止性を有する)
P:はじきの数が6個以上である(はじき防止性に乏しい)
[初期粘着力SA]
各例に係る粘着シートを、幅20mm、長さ100mmのサイズの短冊状にカットして試験片を作製した。この試験片の粘着面を被着体としてのステンレス鋼板(SUS430BA板)に、JIS Z0237に規定する2kgのゴムローラを1往復させて圧着した。このサンプルを23℃×50%RHの標準環境下に30分間放置した後、該標準環境下にて、万能引張試験機を用いて、引張速度30m/分、剥離角度180度の条件で剥離強度(初期粘着力)SA[N/20mm]を測定した。
上記初期粘着力SAの測定と同様にして、試験片を被着体に圧着した。このサンプルを、50℃の環境下に168時間放置し、次いで23℃×50%RHの標準環境下に6時間放置した後、上記初期粘着力SAの測定と同様の条件で剥離強度(経時後粘着力)SB[N/20mm]を測定した。
上記で得られた初期粘着力(SA)および経時後粘着力(SB)から、粘着力比(SB/SA)を算出した。その粘着力比の値から、以下の3水準で粘着力安定性を評価した。
E:粘着力比が1.1以下(粘着力安定性に優れる)
G:粘着力比が1.1より大きく2.5以下(粘着力安定性良好)
P:粘着力比が2.5より大きい(粘着力安定性に乏しい)
1A:第一面(前面)
1B:第二面(背面)
2 :粘着剤層
2A:粘着面
10 :表面保護シート
Claims (9)
- アルキル基の炭素原子数が4〜9のアルキルアクリレートを40〜99.9重量%含有するモノマー組成のアクリル系ポリマー(A)と、エチレンオキシド付加モル数1〜30のオキシエチレン鎖を有する界面活性剤(B)と、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびプロピレングリコールジメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含むアルキレングリコールアルキルエーテル(C)と、を含む水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、
第一面および第二面を有するシート形状であって前記粘着剤層を前記第一面上に支持する支持基材と
を含む、表面保護シート。 - 前記粘着剤層のゲル分率が70〜99重量%である、請求項1に記載の表面保護シート。
- 前記界面活性剤(B)のエチレンオキシド付加モル数が5〜25である、請求項1または2に記載の表面保護シート。
- 前記界面活性剤(B)は反応性界面活性剤である、請求項1から3のいずれか一項に記載の表面保護シート。
- 前記粘着剤層は、オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の表面保護シート。
- ステンレス鋼板に貼り付けて23℃で30分間保持した後の粘着力SAに対する、ステンレス鋼板に貼り付けて50℃に168時間保持した後の粘着力SBの比として定義される粘着力比(SB/SA)が5以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の表面保護シート。
- 前記支持基材は、少なくとも前記第一面がポリオレフィン系樹脂により構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の表面保護シート。
- 前記表面保護シートは透明である、請求項1から7のいずれか一項に記載の表面保護シート。
- アルキル基の炭素原子数が4〜9のアルキルアクリレートを40〜99.9重量%含有するモノマー組成のアクリル系ポリマー(A)と、
エチレンオキシド付加モル数1〜30のオキシエチレン鎖を有する界面活性剤(B)と、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびプロピレングリコールジメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含むアルキレングリコールアルキルエーテル(C)と、
オキシエチレン鎖を有するリン酸エステル(D)と
を含む表面保護シート用水分散型粘着剤組成物。
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