<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図17によって説明する。本実施形態では、バックライト装置12、それを用いた液晶表示装置10及びテレビ受信装置10TVについて例示する。また、本実施形態では、バックライト装置12に備えられる波長変換導光部材20の製造方法についても例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図4から図6などに示す上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
本実施形態に係るテレビ受信装置10TVは、図1に示すように、液晶表示装置10と、当該液晶表示装置10を挟むようにして収容する表裏両キャビネット10Ca,10Cbと、電源10Pと、テレビ信号を受信するチューナー(受信部)10Tと、スタンド10Sと、を備えて構成される。液晶表示装置(表示装置)10は、全体として横長(長手)の方形状(矩形状)をなし、縦置き状態で収容されている。この液晶表示装置10は、図2に示すように、画像を表示する表示パネルである液晶パネル11と、液晶パネル11に表示のための光を供給する外部光源であるバックライト装置(照明装置)12と、を備え、これらが枠状のベゼル13などにより一体的に保持されるようになっている。
次に、液晶表示装置10を構成する液晶パネル11及びバックライト装置12について順次に説明する。このうち、液晶パネル(表示パネル)11は、平面に視て横長な方形状をなしており、一対のガラス基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられるとともに、両ガラス基板間に電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(図示せず)が封入された構成とされる。一方のガラス基板(アレイ基板、アクティブマトリクス基板)の内面側には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子(例えばTFT)と、ソース配線とゲート配線とに囲まれた方形状の領域に配されてスイッチング素子に接続される画素電極と、がマトリクス状に平面配置される他、配向膜等が設けられている。他方のガラス基板(対向基板、CF基板)の内面側には、R(赤色),G(緑色),B(青色)等の各着色部が所定配列でマトリクス状に平面配置されたカラーフィルタが設けられる他、各着色部間に配されて格子状をなす遮光層(ブラックマトリクス)、画素電極と対向状をなすベタ状の対向電極、配向膜等が設けられている。なお、両ガラス基板の外面側には、それぞれ偏光板が配されている。また、液晶パネル11における長辺方向がX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致し、さらに厚さ方向がZ軸方向と一致している。
バックライト装置12は、図2に示すように、表側(液晶パネル11側、出光側)の外部に向けて開口する光出射部14bを有した略箱型をなすシャーシ14と、シャーシ14の光出射部14bを覆う形で配される複数の光学部材(光学シート)15と、を備える。さらに、シャーシ14内には、点状光源であるLED(光源)17と、LED17が実装されたLED基板18と、光学部材15の直下に配されて面状光を出射させる平板状の導光板19と、導光板19の側方に配されてLED17からの点状の光を線状の光に変換して導光板19へと導く柱状の導光部材であって、LED17からの光を波長変換する波長変換導光部材(波長変換導光チューブ)20と、導光板19及び波長変換導光部材20などを表側から押さえるとともに光学部材15及び液晶パネル11を裏側から受けるフレーム16と、が備えられる。本実施形態に係るバックライト装置12は、LED17の光が波長変換導光部材20を介して導光板19に対して片側からのみ入光される片側入光タイプのエッジライト型(サイドライト型)とされている。続いて、バックライト装置12の各構成部品について詳しく説明する。
シャーシ14は、金属製とされ、図2及び図3に示すように、液晶パネル11と同様に横長の方形状をなす底部14aと、底部14aの各辺の外端からそれぞれ立ち上がる側部14cと、からなり、全体としては表側に向けて開口した浅い略箱型をなしている。シャーシ14(底部14a)は、その長辺方向がX軸方向(水平方向)と一致し、短辺方向がY軸方向(鉛直方向)と一致している。また、側部14cには、フレーム16及びベゼル13が固定可能とされる。
光学部材15は、図2に示すように、液晶パネル11及びシャーシ14と同様に平面に視て横長の方形状をなしている。光学部材15は、シャーシ14の光出射部14bを覆うとともに、液晶パネル11と導光板19との間に介在する形で配されている。つまり、光学部材15は、LED17に対して出光経路の出口側に配されている、と言える。光学部材15は、シート状をなしていて合計で3枚が備えられている。具体的には、光学部材15は、光に等方性集光作用を付与するマイクロレンズシート21と、光に異方性集光作用を付与するプリズムシート22と、光を偏光反射する反射型偏光シート23と、から構成される。光学部材15は、図4及び図5に示すように、裏側からマイクロレンズシート21、プリズムシート22、及び反射型偏光シート23の順で相互に積層されてそれらの外縁部がフレーム16に対してその表側に載せられている。つまり、光学部材15を構成するマイクロレンズシート21、プリズムシート22、及び反射型偏光シート23は、導光板19に対して表側、つまり光出射側にフレーム16(詳しくは後述する枠状部16a)分の間隔を空けて対向状をなしている。
フレーム16は、図2に示すように、導光板19及び光学部材15の外周縁部に沿って延在する横長の枠状部(額縁状部、枠状支持部)16aを有しており、その枠状部16aにより導光板19の外周縁部をほぼ全周にわたって表側から押さえて支持するものとされる。フレーム16の枠状部16aは、光学部材15(マイクロレンズシート21)と導光板19との間に介在するとともに、光学部材15の外周縁部を裏側から受けて支持するものとされ、それにより光学部材15が導光板19との間に枠状部16a分の間隔を空けた位置に保たれる。また、フレーム16の枠状部16aにおける裏側(導光板19側)の面には、例えばポロン(登録商標)などからなる緩衝材24が設けられている。緩衝材24は、枠状部16aの全周にわたって延在するよう枠状をなしている。さらには、フレーム16は、枠状部16aから表側に向けて突出するとともに、液晶パネル11における外周縁部を裏側から支持する液晶パネル支持部16bを有している。
次に、LED17及びLED17が実装されるLED基板18について説明する。LED17は、図3及び図6に示すように、LED基板18上に表面実装されるとともにその発光面17aがLED基板18側とは反対側を向いた、いわゆる頂面発光型とされている。このLED17は、青色の単色光を発する青色LEDとされている。そして、LED17から発せられた青色の光は、その一部が詳しくは後述する波長変換導光部材20によって緑色の光や赤色の光に波長変換されるようになっており、これら波長変換された緑色の光及び赤色の光(二次光)と、LED17の青色の光(一次光)と、の加法混色によりバックライト装置12の出射光が概ね白色を呈するものとされる。
詳しくは、LED17は、図8に示すように、発光源である青色LED素子(青色発光素子、青色LEDチップ)26と、青色LED素子26を封止する封止材27と、青色LED素子26が収容されるとともに封止材27が充填されるケース(収容体、筐体)28と、を備える。青色LED素子26は、例えばInGaNなどの半導体材料からなる半導体であり、順方向に電圧が印加されることで青色の波長領域(約420nm〜約500nm)に含まれる波長の青色の単色光を発光するものとされる。つまり、LED17の発光光は、この青色LED素子26の発光光と同色の単色光とされる。この青色LED素子26は、図示しないリードフレームによってケース28外に配されたLED基板18における配線パターンに接続される。封止材27は、LED17の製造工程では青色LED素子26が収容されたケース28の内部空間に充填されることで、青色LED素子26及びリードフレームを封止するとともにこれらの保護を図るものとされる。封止材27は、ほぼ透明な熱硬化性樹脂材料(例えば、エポキシ樹脂材料、シリコーン樹脂材料など)からなるものとされ、それにより青色LED素子26から発せられた青色の単色光がそのままLED17の発光光となるものとされる。ケース28は、表面が光の反射性に優れた白色を呈する合成樹脂材料(例えばポリアミド系樹脂材料)またはセラミック材料からなる。ケース28は、全体として発光面17a側が開口した有底筒型をなしており、その底面に青色LED素子26が配置されるとともに、周壁を上記リードフレームが貫通されることで青色LED素子26がLED基板18の配線パターンに接続されている。
LED基板18は、図3及び図6に示すように、その板面がY軸方向及びZ軸方向に並行した姿勢、つまり液晶パネル11及び導光板19(光学部材15)の板面と直交させた姿勢でシャーシ14内に収容されている。LED基板18は、その内側、つまり波長変換導光部材20側を向いた板面(波長変換導光部材20との対向面)が、上記した構成のLED17が表面実装された実装面18aとされる。このLED基板18は、板面の片面のみが実装面18aとされる片面実装タイプとされている。LED17は、LED基板18の実装面18aにおける中央位置に1つのみ実装されている。LED基板18は、LED17が実装される実装面18aとは反対側の板面が、シャーシ14における一方(図3に示す左側)の短辺側の側部14cの内面に接する形で取り付けられている。LED基板18は、シャーシ14における短辺側の側部14cのうち、一方(図3に示す下側)の長辺側の側部14cに隣接する端部に配置されている。LED基板18に実装されたLED17は、その発光面17aがY軸方向及びZ軸方向に並行するとともに、その光軸、つまり発光強度が最も高い光の進行方向がX軸方向(導光板19と波長変換導光部材20との並び方向と直交する方向、LED17と波長変換導光部材20との並び方向、入光端面19b及び波長変換導光部材20の長さ方向)とほぼ一致する。また、LED基板18の実装面18aには、金属膜(銅箔など)からなり、LED17に接続される配線パターン(図示せず)が形成されている。LED基板18には、上記配線パターンの端部に図示しない端子部が形成されており、この端子部に対して配線部材を介してLED駆動基板(配線部材共々図示せず)から駆動電力が供給されるようになっている。このLED基板18の基材は、例えばアルミニウムなどの金属製とされ、その表面に絶縁層を介して既述した配線パターン(図示せず)が形成されている。なお、LED基板18の基材に用いる材料としては、合成樹脂やセラミックなどの絶縁材料を用いることも可能である。
導光板19は、ほぼ透明で透光性に優れた合成樹脂材料(例えばPMMAなどのアクリル樹脂材料など)からなり、その屈折率が例えば1.49程度と、空気の屈折率よりも十分に高いものとされる。導光板19は、図2及び図3に示すように、液晶パネル11及びシャーシ14と同様に平面に視て横長の方形状をなすとともに光学部材15よりも厚みが大きな板状をなしており、その板面における長辺方向がX軸方向と、短辺方向がY軸方向とそれぞれ一致し、且つ板面と直交する板厚方向がZ軸方向と一致している。導光板19は、図4及び図5に示すように、シャーシ14内において液晶パネル11及び光学部材15の直下位置に配されており、その外周端面のうちの一方(図2及び図3に示す手前側、図4に示す左側)の長辺側の端面がシャーシ14における長辺側の一端部に配された波長変換導光部材20と対向状をなしている。従って、波長変換導光部材20と導光板19との並び方向がY軸方向と一致するのに対して、光学部材15(液晶パネル11)と導光板19との並び方向がZ軸方向と一致しており、両並び方向が互いに直交するものとされる。そして、導光板19は、波長変換導光部材20からY軸方向に向けて出射された光を導入するとともに、その光を内部で伝播させつつ光学部材15側(表側)へ向くよう立ち上げて出射させる機能を有する。導光板19の厚み(Z軸方向についての寸法)は、波長変換導光部材20の高さ寸法(Z軸方向についての寸法)よりも大きなものとされる。
導光板19における一対の板面のうちの表側の板面が、図4及び図5に示すように、内部の光を光学部材15及び液晶パネル11に向けて出射させる出光板面(光出射面)19aとなっている。導光板19における板面に対して隣り合う外周端面は、その周方向であるX軸方向(波長変換導光部材20の長さ方向、導光板19の長辺方向)に沿って長手状をなす一対の長辺側の端面と、同じく周方向であるY軸方向(波長変換導光部材20と導光板19との並び方向、導光板19の短辺方向)に沿って長手状をなす一対の短辺側の端面と、から構成される。導光板19の外周端面を構成する一対の長辺側の端面のうち、一方(図2及び図3に示す手前側)の長辺側の端面は、波長変換導光部材20と所定の空間(導光板19の熱膨張に伴う寸法変化を許容する程度の空間)を空けて対向状をなしており、これが波長変換導光部材20から出射された光が直接的に入射される入光端面(光入射面)19bとなっている。この入光端面19bは、波長変換導光部材20と対向状をなしていることから、「波長変換導光部材対向端面」であるとも言える。入光端面19bは、その長さ方向(長辺方向)がX軸方向と、幅方向(短辺方向)がZ軸方向と、法線方向がY軸方向と、それぞれ一致しており、出光板面19aに対して略直交する面とされる。これに対して、導光板19の上記外周端面のうち、入光端面19bを除いた部分(他方の長辺側の端面及び一対の短辺側の端面)が、波長変換導光部材20から出射された光が直接的に入射されることがない非入光端面19dとされる。この非入光端面19dは、波長変換導光部材20と対向状をなしていないことから、「波長変換導光部材非対向端面」であるとも言える。非入光端面19dは、導光板19の上記外周端面における一対の長辺側の端面のうちの他方の端面、つまり上記した入光端面19bとは反対側の端面から構成される非入光反対端面19d1と、入光端面19b及び非入光反対端面19d1に対して隣り合う一対の短辺側の端面から構成される一対の非入光側端面19d2と、からなる。なお、本実施形態では、波長変換導光部材非対向端面のことを「非入光端面19d」として説明しているが、光が全く入射しないことまでを意味するものではなく、例えば非入光端面19dから一旦外側に漏れ出した光が例えばシャーシ14の側部14cによって反射されて戻された場合にはその戻される光が非入光端面19dに入射することもあり得る。
導光板19における裏側、つまり出光板面19aとは反対側の反対板面19cに対しては、図4及び図5に示すように、反射シート(反射部材)25が裏側に重なる形で配されている。反射シート25は、表面が光の反射性に優れた白色を呈する合成樹脂製(例えば発泡PET製)とされていて、導光板19内を伝播して反対板面19cに達した光を反射することでその光を表側、つまり出光板面19aへ向かうよう立ち上げるものとされる。反射シート25は、導光板19の反対板面19cをほぼ全域にわたって覆う形で配されている。反射シート25は、平面に視て波長変換導光部材20と重畳する範囲にまで拡張されてその拡張部分と表側のフレーム16の枠状部16aとの間で波長変換導光部材20を挟み込む形で配されている。これにより、波長変換導光部材20からの光を反射シート25の拡張部分によって反射することで、入光端面19bに対して効率的に入射させることができる。この導光板19の反対板面19cには、導光板19内の光を出光板面19aに向けて反射させることで出光板面19aから出射を促すための光反射部からなる光反射パターン(図示せず)が形成されている。この光反射パターンを構成する光反射部は、多数の光反射ドットからなるものとされており、その分布密度が入光端面19b(波長変換導光部材20)からの距離に応じて変化するものとされる。具体的には、光反射部を構成する光反射ドットの分布密度は、Y軸方向について入光端面19bから遠ざかるほど(非入光反対端面19d1に近づくほど)高くなり、逆に入光端面19bに近づくほど(非入光反対端面19d1から遠ざかるほど)低くなる傾向にあり、それにより出光板面19aからの出射光が面内において均一な分布となるよう制御されている。
波長変換導光部材20は、図2及び図3に示すように、導光板19の入光端面19bに沿って延在する柱状(棒状、チューブ状)をなしており、その長さ方向がX軸方向(入光端面19bの長さ方向)に並行する姿勢で、導光板19の入光端面19bと、シャーシ14の一方(図3に示す下側)の長辺側の側部14cと、の間に介在する形で配されている。従って、波長変換導光部材20と導光板19との並び方向がY軸方向と一致するのに対して、波長変換導光部材20とLED17との並び方向がX軸方向と一致しており、これらの並び方向が互いに直交する関係(波長変換導光部材20と導光板19とLED17とがL字型に並ぶ関係)とされる。波長変換導光部材20は、図示しない保持手段によって上記した位置にて保持されるのが好ましいものとされる。波長変換導光部材20は、長さ方向がX軸方向と一致した略角柱状をなしており、長さ方向と直交する一対の端面のうちの一方の端面がLED17の発光面17aと対向するLED対向面(光源対向面)20aとされるのに対し、長さ方向に沿う複数(本実施形態では4つ)の側面のうちの1つの側面が導光板19の入光端面19bと対向する導光板対向面20bとされている。波長変換導光部材20においてLED対向面20aは、LED17の発光面17aから発せられた光が直接的に入射される入光面となっている。波長変換導光部材20は、LED対向面20aに入射された光を長さ方向(X軸方向)に沿って進行するよう導光するものとされる。波長変換導光部材20において導光板対向面20bは、波長変換導光部材20内を導光された光を、導光板19の入光端面19bに向けて出射させる出光面となっている。導光板対向面20bからの出射光は、入光端面19bの長さ方向に並行する線状の光としてY軸方向に沿って入光端面19bへと進行する。また、波長変換導光部材20においてLED対向面20aの法線方向が、波長変換導光部材20及び導光板対向面20bの長さ方向(延在方向)と一致している。また、波長変換導光部材20において導光板対向面20bの法線方向が、Y軸方向、つまり導光板19と波長変換導光部材20との並び方向と一致している。
そして、波長変換導光部材20は、LED17から発せられた光(一次光)を他の波長の光(二次光)へと波長変換する蛍光体(波長変換物質)を有している。このように本実施形態では、LED17を構成する封止材27(図8を参照)に蛍光体を含有させることがなく、図2及び図3に示すように、LED17とは別部材である波長変換導光部材20に蛍光体を含有させるようにしているので、蛍光体がLED17から発せられる熱などの影響を受け難くなっている。これにより、波長変換導光部材20に用いる蛍光体を選定する上での自由度が増すことになるので、例えば熱などの影響による性能劣化が生じ易いものの色純度に優れた光を発するような特性を持つ蛍光体を積極的に用いることが可能となる。もって、バックライト装置12の出射光に係る色再現性を向上させる上で好適となっている。しかも、波長変換導光部材20のLED対向面20aに入射された光は、波長変換導光部材20内をその長さ方向に沿って進行する過程で蛍光体により波長変換されて導光板対向面20bから出射されることになるので、仮に波長変換導光部材と導光板とLEDとが直線的に並ぶ配置とし、波長変換導光部材における導光板対向面とは反対側の面をLED対向面とした場合に比べると、LED対向面20aから導光板対向面20bに至るまでの平均的な光路長が長いものとなる。このように、蛍光体を透過する光の光路長が長ければ、蛍光体によって波長変換される光量が多くなることから、蛍光体の使用量を削減することができる。色純度に優れた光を発する蛍光体は、高価である場合が多いことから、その使用量を削減することで大幅な低コスト化を図ることができる。また、仮に蛍光体を含有する波長変換シートを、導光板19の出光板面19aまたは反対板面19cに重なる形で配した場合に比べても、蛍光体の使用量が少なく済むので、同様にコスト削減効果が得られることになる。
詳しくは、波長変換導光部材20は、図3及び図4に示すように、その長さ方向(延在方向、X軸方向)と直交する方向に沿って切断した断面形状が、角部が丸められた方形状をなしており、長さ寸法(X軸方向についての寸法)が導光板19の長辺寸法(入光端面19bの長さ寸法)よりも大きく、高さ寸法(Z軸方向についての寸法)が導光板19の厚み寸法(入光端面19bの幅寸法)よりも大きなものとされる。波長変換導光部材20は、X軸方向及びZ軸方向に沿う外面である側面(導光板対向面20bを含む)、及びY軸方向及びZ軸方向に沿う外面である端面(LED対向面20aを含む)がそれぞれほぼフラットな面とされているので、側面である導光板対向面20bが導光板19の入光端面19bに並行し、端面であるLED対向面20aがLED17の発光面17aに並行している。従って、波長変換導光部材20の導光板対向面20bと導光板19の入光端面19bとの間の距離が、両面19b,20bの面内において全域にわたってほぼ一定とされるとともに、波長変換導光部材20のLED対向面20aとLED17の発光面17aとの間の距離が、両面17a,20aの面内において全域にわたってほぼ一定とされる。波長変換導光部材20は、その幅方向(Y軸方向)について内端位置がフレーム16の枠状部16aの内端位置よりも外側に配されている。つまり、波長変換導光部材20は、その全域がフレーム16の枠状部16aと平面に視て重畳する配置とされているので、液晶表示装置10の使用者に表側から波長変換導光部材20が直接視認されるなどといった事態が生じ難いものとされる。
波長変換導光部材20は、図6及び図7に示すように、LED17からの光を波長変換するための蛍光体を含有する蛍光体含有部29と、入光端面19bの長さ方向であるX軸方向に沿って延在して蛍光体含有部29を収容する容器(キャピラリ)30と、容器30における長さ方向についての端側部分を封止する封止部31と、を有している。蛍光体含有部29には、LED17からの青色の単色光を励起光として、赤色の光(赤色に属する特定の波長領域の可視光線)を発する赤色蛍光体と、緑色(緑色に属する特定の波長領域の可視光線)の光を発する緑色蛍光体と、が分散配合されている。これにより、波長変換導光部材20は、LED17の発光光(青色の光、一次光)をその色味(青色)に対して補色となる色味(黄色)を呈する二次光(緑色の光及び赤色の光)に波長変換するものとされる。
より詳しくは、蛍光体含有部29に含有される各色の蛍光体は、いずれも励起光が青色の光とされており、次のような発光スペクトルを有している。すなわち、緑色蛍光体は、青色の光を励起光として、緑色に属する波長領域(約500nm〜約570nm)の光、つまり緑色の光を蛍光光として発するものとされる。緑色蛍光体は、好ましくは、ピーク波長が緑色の光の波長範囲の中の約530nmとされ且つ半値幅が40nm未満とされる発光スペクトルを有する。赤色蛍光体は、青色の光を励起光として、赤色に属する波長領域(約600nm〜約780nm)の光、つまり赤色の光を蛍光光として発するものとされる。赤色蛍光体は、好ましくは、ピーク波長が赤色の光の波長範囲の中の約610nmとされ且つ半値幅が40nm未満とされる発光スペクトルを有する。
このように、各色の蛍光体は、励起波長が蛍光波長よりも短波長とされるダウンコンバージョン型(ダウンシフティング型)とされている。このダウンコンバージョン型の蛍光体は、相対的に短波長で且つ高いエネルギーを持つ励起光を、相対的に長波長で且つ低いエネルギーを持つ蛍光光に変換するものとされる。従って、仮に励起波長が蛍光波長よりも長波長とされるアップコンバージョン型の蛍光体を用いた場合(量子効率が例えば28%程度)に比べると、量子効率(光の変換効率)が30%〜50%程度と、より高いものとなっている。各色の蛍光体は、それぞれ量子ドット蛍光体(Quantum Dot Phosphor)とされる。量子ドット蛍光体は、ナノサイズ(例えば直径2nm〜10nm程度)の半導体結晶中に電子・正孔や励起子を三次元空間全方位で閉じ込めることで、離散的エネルギー準位を有しており、そのドットのサイズを変えることで発光光のピーク波長(発光色)などを適宜に選択することが可能とされる。この量子ドット蛍光体の発光光(蛍光光)は、その発光スペクトルにおけるピークが急峻となってその半値幅が狭くなることから、色純度が極めて高くなるとともにその色域が広いものとなる。量子ドット蛍光体の材料としては、2価の陽イオンになるZn、Cd、Hg、Pb等と2価の陰イオンになるO、S、Se、Te等とを組み合わせた材料(CdSe(セレン化カドミウム)、ZnS(硫化亜鉛)等)、3価の陽イオンとなるGa、In等と3価の陰イオンとなるP、As、Sb等とを組み合わせた材料(InP(リン化インジウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)等)、さらにはカルコパイライト型化合物(CuInSe2等)などがある。本実施形態では、量子ドット蛍光体の材料として、上記のうちのCdSeとZnSとを併用している。また、本実施形態において用いる量子ドット蛍光体は、いわゆるコア・シェル型量子ドット蛍光体とされる。コア・シェル型量子ドット蛍光体は、量子ドットの周囲を、比較的バンドギャップの大きな半導体物質からなるシェルによって被覆した構成とされる。具体的には、コア・シェル型量子ドット蛍光体として、シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社の製品である「Lumidot(登録商標) CdSe/ZnS」を用いるのが好ましい。
このような量子ドット蛍光体を用いた波長変換導光部材20が備えられたバックライト装置12によれば、出射光に係る色再現性が極めて優れたものとなるので、このバックライト装置12を備えた液晶表示装置10及びテレビ受信装置10TVにおいては、いわゆる4Kテレビや8Kテレビなどの超高精細度テレビに係る映像フォーマットを規定したBT.2020規格を満たすことが可能となる。従って、本実施形態に係るテレビ受信装置10TVにおいては、チューナー10Tに、2K解像度相当の2K放送信号や4K解像度相当の4K放送信号を受信して、それらの放送信号を4K解像度相当の4K映像信号や8K解像度相当の8K映像信号にアップコンバートする機能を持たせるのが好ましいものとされる。
蛍光体含有部29は、図6及び図7に示すように、ほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有させてなるものとされており、製造に際しては、液体状態の紫外線硬化性樹脂材料中に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を分散配合して得た蛍光体溶液を容器30内に注入した後に紫外線が照射されることで硬化が図られるものとされる。蛍光体含有部29は、容器30の内部空間に充填されるので、全体としては容器30の外形を一回り小さくした略棒状をなしている。蛍光体含有部29は、その形成範囲が、X軸方向について導光板19の入光端面19bの全域に対して重畳するとともに、Z軸方向についてLED17の発光面17a及び入光端面19bの全域に対して重畳するよう設定されている。
容器30は、ほぼ透明で透光性に優れた無機ガラス材料(例えば無アルカリガラスや石英ガラスなど)からなり、その屈折率は、例えば約1.5程度、つまり導光板19の屈折率とほぼ同じとされる。容器30は、図6及び図7に示すように、蛍光体含有部29をその全長にわたって取り囲んでおり、X軸方向に沿って延在する略有底筒状をなすとともにその長さ方向(延在方向)と直交する形で切断した断面形状が、角部が丸められた方形状をなしている。容器30は、その厚みが全域にわたって概ね一定とされるとともに、その内部空間(蛍光体含有部29の充填空間)が容器30の外形を一回り小さくしたものとされている。容器30における長さ方向(X軸方向)に沿った一側面が、導光板19の入光端面19bと対向する導光板対向面20bを構成している。容器30は、その長さ方向についての一方の端側部分が封止部31により封止されている。つまり、この波長変換導光部材20は、片端側のみが封止部31により封止された片側封止構造とされている。容器30は、製造過程において蛍光体含有部29が形成される前の段階では、一方の端側部分が外部に開口しているのに対し、他方の端側部分が底部30aにより閉塞した状態とされており、蛍光体含有部29が形成された後に開口が封止部31により封止されるようになっている。封止部31は、容器30と同一の無機ガラス材料からなるものとされているので、容器30における端側部分を高い密閉性でもって封止することができる。封止部31における外面が、LED17の発光面17aと対向するLED対向面20aを構成している。
図6及び図7に示される容器30には、容器30内の光を導光板対向面20bに向けて反射させることで導光板対向面20bから出射を促すための光反射部からなる光反射パターン(図示せず)が形成されている。この光反射パターンを構成する光反射部は、多数の光反射ドットからなるものとされており、その分布密度がLED対向面20a(LED17)からのX軸方向についての距離に応じて変化するものとされる。具体的には、光反射部を構成する光反射ドットの分布密度は、X軸方向についてLED対向面20a(封止部31)から遠ざかるほど(底部30aに近づくほど)高くなり、逆にLED対向面20aに近づくほど(底部30aから遠ざかるほど)低くなる傾向にあり、それにより導光板対向面20bからの出射光が面内において均一な分布となるよう制御されている。光反射部は、容器30における導光板対向面20bとその反対側の側面とのいずれか一方、または両方に設けられている。
上記のような構成の波長変換導光部材20においては、LED対向面20aに入射した光は、図6及び図7に示すように、容器30における長さ方向に沿う外面にて全反射されつつ、長さ方向に沿ってLED17から遠ざかるよう進行し、その過程で蛍光体含有部29に含有される蛍光体(赤色蛍光体及び緑色蛍光体)によって所定の変換効率でもって波長変換される。そして、容器30内を長さ方向に沿って進行する光は、光反射パターンを構成する光反射部にて散乱反射されると、導光板対向面20bに対する入射角が臨界角を超えない光となって導光板対向面20bから出射されるようになっている。ここで、導光板対向面20bのうち、その長さ方向(X軸方向)についてLED17から遠い側から出射される光は、近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が相対的に長くなっているため、蛍光体によって波長変換される光量が相対的に多くなりがちとなり、それに起因して色味に差が生じることが懸念される。具体的には、導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17に近い側から出射される光が白色を呈する場合には、LED17から遠い側から出射される光が黄色味を帯びたものとなり易くなり、結果として導光板19の入光端面19b及び出光板面19aのうち、X軸方向についてLED17から遠い側の部分に入射する光及び同部分から出射する光が黄色味を帯びてしまい、色ムラとして視認されるおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る波長変換導光部材20は、図6及び図7に示すように、その長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど少なくなるものとされる。具体的には、波長変換導光部材20を構成する蛍光体含有部29は、蛍光体(赤色蛍光体及び緑色蛍光体)の含有濃度(配合比率)が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど低くなるものとされる。このような構成によれば、導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光が、LED17に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が長くなるものの、LED17から長さ方向について遠ざかるほど蛍光体の含有濃度が低下することで、過度に波長変換される(赤色の光及び緑色の光に係る光量が過剰になる)ことが抑制される。これにより、導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光と、LED17に近い側から出射される光と、で蛍光体を透過する光路長の差に起因して生じ得る色味の差が緩和される。もって、導光板19の入光端面19bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなるとともに、導光板19の出光板面19aから出射する出射光にも色ムラが生じ難いものとなる。
蛍光体含有部29は、図6,図7及び図9に示すように、蛍光体の含有濃度が、長さ方向についてLED17から遠ざかるのに従って段階的に逐次低くなるものとされる。このような構成によれば、波長変換導光部材20の製造に際して、蛍光体含有部29を長さ方向について蛍光体の含有濃度が異なる複数の部分に分けて容器30内に収容することが可能となる。これにより、波長変換導光部材20の製造が容易なものとなる。具体的には、蛍光体含有部29は、蛍光体の含有濃度が、LED17からの距離に応じて5段階でもって変化するようになっている。蛍光体含有部29は、LED17から遠い側から順に、蛍光体の含有濃度が最も低い第1蛍光体含有部29Aと、蛍光体の含有濃度が二番目に低い(四番目に高い)第2蛍光体含有部29Bと、蛍光体の含有濃度が三番目に低い(高い)第3蛍光体含有部29Cと、蛍光体の含有濃度が四番目に低い(二番目に高い)第4蛍光体含有部29Dと、蛍光体の含有濃度が最も高い第5蛍光体含有部29Eと、から構成されている。従って、第1蛍光体含有部29Aは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が最も少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が最も少なくなり、第2蛍光体含有部29Bは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が二番目に少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が二番目に少なくなり、第3蛍光体含有部29Cは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が三番目に少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が三番目に少なくなり、第4蛍光体含有部29Dは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が四番目に少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が四番目に少なくなり、第5蛍光体含有部29Eは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が最も多くなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が最も多くなっている。そして、波長変換導光部材20において長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量は、図10に示すように、LED17から遠ざかるのに従って5段階でもって段階的に逐次少なくなるものとされる。なお、本実施形態においては、各蛍光体含有部29A〜29EにおけるX軸方向についての形成範囲は、互いに概ね等しいものとされる。
なお、以下では蛍光体含有部29を区別する場合には、第1蛍光体含有部の符号に添え字Aを、第2蛍光体含有部の符号に添え字Bを、第3蛍光体含有部の符号に添え字Cを、第4蛍光体含有部の符号に添え字Dを、第5蛍光体含有部の符号に添え字Eを、それぞれ付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。また、図6及び図7では、波長変換導光部材20(蛍光体含有部29)における蛍光体の含有濃度(X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量)をドットの密度によって表しており、ドットの密度が高いほど蛍光体の含有濃度が多くなってX軸方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が多くなり、逆にドットの密度が低いほど蛍光体の含有濃度が少なくなってX軸方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が少ないものとなる。また、図9は、波長変換導光部材20(蛍光体含有部29)における蛍光体の含有濃度(X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量)に関して、X軸方向に沿って波長変換導光部材20におけるX1端(LED17に近い側の端)からX2端(LED17から遠い側の端)に至るまでの分布を表すグラフである。同様に、図10は、波長変換導光部材20(蛍光体含有部29)におけるX軸方向についての単位長さ当たりの波長変換される光(赤色の光及び緑色の光)の光量に関して、X軸方向に沿って波長変換導光部材20におけるX1端からX2端に至るまでの分布を表すグラフである。
容器30は、太さ及び厚みが長さ方向についてほぼ一定とされている。このような構成によれば、容器30に係る製造コストが安価なものとなる。また、容器30の太さが長さ方向について一定とされることで、導光板対向面20bと入光端面19bとの位置関係が長さ方向について一定に維持され、もって入光端面19bへの入光効率が安定化したものとなる。
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。まず、波長変換導光部材20の製造方法について説明する。波長変換導光部材20の製造方法は、容器30を製造する容器製造工程と、第1蛍光体含有部29Aとなる第1蛍光体溶液を容器30内に開口を通して注入する第1蛍光体溶液注入工程と、第1蛍光体溶液を光硬化させる第1蛍光体溶液硬化工程と、第2蛍光体含有部29Bとなる第2蛍光体溶液を容器30内に開口を通して注入する第2蛍光体溶液注入工程と、第2蛍光体溶液を光硬化させる第2蛍光体溶液硬化工程と、第3蛍光体含有部29Cとなる第3蛍光体溶液を容器30内に開口を通して注入する第3蛍光体溶液注入工程と、第3蛍光体溶液を光硬化させる第3蛍光体溶液硬化工程と、第4蛍光体含有部29Dとなる第4蛍光体溶液を容器30内に開口を通して注入する第4蛍光体溶液注入工程と、第4蛍光体溶液を光硬化させる第4蛍光体溶液硬化工程と、第5蛍光体含有部29Eとなる第5蛍光体溶液を容器30内に開口を通して注入する第5蛍光体溶液注入工程と、第5蛍光体溶液を光硬化させる第5蛍光体溶液硬化工程と、容器30における一方の端側部分の開口を封止する封止工程と、を備える。以下、各工程について詳しく説明する。
容器製造工程では、図11に示すように、無機ガラス材料を用いて中空の略筒状をなす容器30を、その長さ方向について一方の端側部分が開口し、他方の端側部分が底部30aによって閉塞された状態で製造している。第1蛍光体溶液注入工程では、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる第1蛍光体溶液を、容器30における開口(注入口)を通して容器30内に注入し、図12に示すように、容器30における長さ方向について開口から最も遠い端位置(注入口から視て最も奥端位置)に選択的に配する。この容器30内に注入される第1蛍光体溶液は、単位体積当たりの赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有量(含有濃度)が最も少ない(低い)ものとされる。第1蛍光体溶液硬化工程では、容器30内に注入された第1蛍光体溶液に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第1蛍光体含有部29Aが形成されるとともに、第1蛍光体含有部29Aが容器30における長さ方向について開口から最も遠い端位置にて固定化される。
第2蛍光体溶液注入工程では、図13に示すように、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる第2蛍光体溶液を容器30の開口を通して容器30内に注入する。この容器30内に注入される第2蛍光体溶液は、単位体積当たりの赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有量(含有濃度)が二番目に少ない(低い)ものとされる。ここで、容器30のうち長さ方向について開口から最も遠い端位置には、先行して第1蛍光体溶液が注入されてその硬化が図られることで第1蛍光体含有部29Aが形成されているので、第2蛍光体溶液注入工程にて注入される第2蛍光体溶液は、第1蛍光体溶液と混ざり合うことがなく、第1蛍光体含有部29Aに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合って配される。第2蛍光体溶液硬化工程では、容器30内に注入された第2蛍光体溶液に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第2蛍光体含有部29Bが形成されるとともに、第2蛍光体含有部29Bが第1蛍光体含有部29Aに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合う位置にて固定化される。
第3蛍光体溶液注入工程では、図14に示すように、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる第3蛍光体溶液を容器30の開口を通して容器30内に注入する。この容器30内に注入される第3蛍光体溶液は、単位体積当たりの赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有量(含有濃度)が三番目に少ない(低い)ものとされる。ここで、容器30内には、先行して第2蛍光体溶液が注入されてその硬化が図られることで第2蛍光体含有部29Bが形成されているので、第3蛍光体溶液注入工程にて注入される第3蛍光体溶液は、第2蛍光体溶液と混ざり合うことがなく、第2蛍光体含有部29Bに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合って配される。第3蛍光体溶液硬化工程では、容器30内に注入された第3蛍光体溶液に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第3蛍光体含有部29Cが形成されるとともに、第3蛍光体含有部29Cが第2蛍光体含有部29Bに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合う位置にて固定化される。
第4蛍光体溶液注入工程では、図15に示すように、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる第4蛍光体溶液を容器30の開口を通して容器30内に注入する。この容器30内に注入される第4蛍光体溶液は、単位体積当たりの赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有量(含有濃度)が四番目に少ない(低い)ものとされる。ここで、容器30内には、先行して第3蛍光体溶液が注入されてその硬化が図られることで第3蛍光体含有部29Cが形成されているので、第4蛍光体溶液注入工程にて注入される第4蛍光体溶液は、第3蛍光体溶液と混ざり合うことがなく、第3蛍光体含有部29Cに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合って配される。第4蛍光体溶液硬化工程では、容器30内に注入された第4蛍光体溶液に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第4蛍光体含有部29Dが形成されるとともに、第4蛍光体含有部29Dが第3蛍光体含有部29Cに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合う位置にて固定化される。
第5蛍光体溶液注入工程では、図16に示すように、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる第5蛍光体溶液を容器30の開口を通して容器30内に注入する。この容器30内に注入される第5蛍光体溶液は、単位体積当たりの赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有量(含有濃度)が最も多い(高い)ものとされる。ここで、容器30内には、先行して第4蛍光体溶液が注入されてその硬化が図られることで第4蛍光体含有部29Dが形成されているので、第5蛍光体溶液注入工程にて注入される第5蛍光体溶液は、第4蛍光体溶液と混ざり合うことがなく、第4蛍光体含有部29Dに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合って配される。第5蛍光体溶液硬化工程では、容器30内に注入された第5蛍光体溶液に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第5蛍光体含有部29Eが形成されるとともに、第5蛍光体含有部29Eが第4蛍光体含有部29Dに対してX軸方向について開口に近い側に隣り合う位置にて固定化される。
その後、封止工程を行い、図17に示すように、容器30における端側部分の開口を封止すべく封止部31を形成する。この封止に際しては、容器30と同一の無機ガラス材料からなる封止部31と容器30の端側部分とが加熱によって溶け合って相互に接合されるので、高い密閉性でもって容器30の封止が図られる。これにより、容器30内に蛍光体含有部29が封止されてなる波長変換導光部材20が製造される。以上のように、本実施形態では、波長変換導光部材20の製造に際して、蛍光体の含有濃度が互いに異なる5種類の蛍光体溶液を用意し、それらの蛍光体溶液を順次に容器30内に注入することで、蛍光体含有部29における蛍光体の含有濃度が段階的に逐次変化する構成の波長変換導光部材20を容易に製造することができる。このようにして製造された波長変換導光部材20は、液晶表示装置10を構成するバックライト装置12内に組み込まれて使用される。
続いて、液晶表示装置10に係る作用について説明する。液晶表示装置10の電源をONすると、図示しないコントロール基板のパネル制御回路により液晶パネル11の駆動が制御されるとともに、図示しないLED駆動基板からの駆動電力がLED基板18のLED17に供給されることでその駆動が制御される。LED17から発せられた点状の光は、波長変換導光部材20により導光されることで線状の光として導光板19に供給され、導光板19により導光されることで面状の光として光学部材15に供給される。光学部材15にて所定の光学作用を付与された面状の光は、液晶パネル11に照射されることで、液晶パネル11に所定の画像が表示される。以下、バックライト装置12に係る作用について詳しく説明する。
LED17を点灯させると、LED17の発光面17aから発せられた青色の光(一次光)は、図7に示すように、波長変換導光部材20のLED対向面20aに入射すると、容器30における外部の空気層との界面にて全反射されるなどして波長変換導光部材20内をその長さ方向(X軸方向)に沿ってLED対向面20aから遠ざかる向きに進行し、その過程で、容器30内の蛍光体含有部29に含有される緑色蛍光体及び赤色蛍光体により緑色の光及び赤色の光(二次光)へと波長変換される。この波長変換された緑色の光及び赤色の光と、LED17の青色の光と、によって、概ね白色の光が得られることになる。蛍光体含有部29にて波長変換された緑色の光及び赤色の光と、蛍光体含有部29にて波長変換されなかった青色の光と、は、波長変換導光部材20内を長さ方向に沿って進行する過程で、容器30に形成された光反射パターンの光反射部にて散乱反射されることで、導光板対向面20bに対する入射角が臨界角を超えない光となって導光板対向面20bからの出射が促されるようになっている。波長変換導光部材20の導光板対向面20bから出射した光は、導光板19の入光端面19bの長さ方向に並行する線状の光となっており、Y軸方向に沿って入光端面19bへと進行して入射される。入光端面19bに入射した光は、導光板19における外部の空気層との界面にて全反射されたり、反射シート25により反射されるなどして導光板19内を伝播されつつ、反対板面19cに形成された光反射パターンの光反射部にて散乱反射されることで、出光板面19aに対する入射角が臨界角を超えない光となって出光板面19aからの出射が促されるようになっている。導光板19の出光板面19aを出射した光は、各光学部材15を透過する過程でそれぞれ光学作用を付与された上で液晶パネル11に対して照射される。
波長変換導光部材20の作用及び効果について詳しく説明する。波長変換導光部材20のLED対向面20aに入射された光は、図7に示すように、波長変換導光部材20内をその長さ方向に沿って進行する過程で緑色蛍光体及び赤色蛍光体により緑色の光及び赤色の光へと波長変換されて導光板対向面20bから出射されることになるので、仮に波長変換導光部材における導光板対向面とは反対側の面をLED対向面とした場合に比べると、LED対向面20aから導光板対向面20bに至るまでの平均的な光路長が長いものとなる。これにより、LED17の青色の光が緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって効率的に緑色の光及び赤色の光へと波長変換されるので、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の使用量を削減することができる。本実施形態にて用いられる緑色蛍光体及び赤色蛍光体は、いずれも色純度に優れた光を発する量子ドット蛍光体であり、部材調達コストが非常に高いものであるから、その使用量を削減することで大幅な低コスト化を図ることができる。
そして、波長変換導光部材20における導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光は、図6及び図7に示すように、LED17に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに緑色蛍光体及び赤色蛍光体を透過する光路長が相対的に長くなっているため、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって波長変換される緑色の光及び赤色の光に係る光量が相対的に多くなりがちとなり、それに起因して色味に差が生じることが懸念される。これに対し、波長変換導光部材20は、蛍光体含有部における緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が長さ方向についてLED17から遠ざかるほど低くなっており、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど少なくなっているので、上記のように導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光と、LED17に近い側から出射される光と、で緑色蛍光体及び赤色蛍光体を透過する光路長の差に起因して生じ得る色味の差が緩和されるようになっている。より詳しくは、LED対向面20aに入射したLED17の青色の光は、波長変換導光部材20内にてX軸方向に沿ってLED17から遠ざかるよう進行する過程で、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が最も高い第1蛍光体含有部29Aを透過すると、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が二番目に高い第2蛍光体含有部29Bを透過し、その後第3蛍光体含有部29C、第4蛍光体含有部29D、第5蛍光体含有部29Eを順次に透過しており、LED17から遠ざかるよう進行するほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率(単位長さ当たりの波長変換される光量)が低下している。従って、導光板対向面20bのうち、X軸方向についてLED17から遠い側から出射される光は、LED17に近い側から出射される光に比べて緑色蛍光体及び赤色蛍光体を透過する光路長が長くなっているものの、LED17から遠ざかるほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率が低下することで、出射光に含まれる緑色の光及び赤色の光に係る比率が過剰に高くなることが避けられている。これにより、導光板対向面20bのうち、X軸方向についてLED17から遠い側から出射される光が黄色味を帯び難いものとなるので、LED17に近い側から出射される光との間に生じ得る色味の差が緩和され、もって導光板19の入光端面19bに入射する光及び出光板面19aから出射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、LED(光源)17と、平板状の導光板19と、柱状の導光部材とからなり、導光板19は、端面の少なくとも一面に光が入射される導光部材からの光が入射される入光端面19bを有し、導光部材は、導光板対向面20bとLED対向面20aを有し、導光板対向面20bは、入光端面19bに対向した側面の少なくとも一部であり、LED対向面20aは、LED17に対向した端面の少なくとも一部である、バックライト装置12であって、導光部材は、LED17からの光を波長変換する蛍光体を有する波長変換導光部材20である。
このようにすれば、LED17から発せられた光は、柱状の導光部材である波長変換導光部材20におけるLED対向面20aに入射されると、波長変換導光部材20に有される蛍光体にて波長変換されるなどしてから波長変換導光部材20における導光板対向面20bから出射され、その後平板状の導光板19の入光端面19bに入射されて導光板19内を導光される。このようにLED17とは別部材である波長変換導光部材20が蛍光体を有しているので、蛍光体がLED17から発せられる熱などの影響を受け難くなっている。これにより、波長変換導光部材20に用いる蛍光体を選定する上での自由度が増すことになるので、色純度に優れた光を発する蛍光体を用いることが可能となり、もって当該バックライト装置12の出射光に係る色再現性を向上させる上で好適となる。
しかも、波長変換導光部材20のLED対向面20aに入射された光は、波長変換導光部材20内をその長さ方向に沿って進行する過程で蛍光体により波長変換されて導光板対向面20bから出射されることになるので、仮に波長変換導光部材20における導光板対向面20bとは反対側の面をLED対向面20aとした場合に比べると、LED対向面20aから導光板対向面20bに至るまでの光路長が長いものとなる。これにより、LED17の光が蛍光体によって効率的に波長変換されるので、蛍光体の使用量を削減することができる。色純度に優れた光を発する蛍光体は、高価である場合が多いことから、その使用量を削減することで大幅な低コスト化を図ることができる。
また、波長変換導光部材20は、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど少なくなる。導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光は、近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が相対的に長くなっているため、蛍光体によって波長変換される光量が相対的に多くなりがちとなり、それに起因して色味に差が生じることが懸念される。これに対し、波長変換導光部材20は、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど少なくなっているので、上記のように導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光と、LED17に近い側から出射される光と、で蛍光体を透過する光路長の差に起因して生じ得る色味の差が緩和される。これにより、導光板19の入光端面19bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
また、波長変換導光部材20は、蛍光体を含有する蛍光体含有部29と、蛍光体含有部29が収容される容器30と、を少なくとも有しており、蛍光体含有部29は、蛍光体の含有濃度が、長さ方向についてLED17から遠ざかるほど低くなる。このようにすれば、導光板対向面20bのうち、長さ方向についてLED17から遠い側から出射される光は、LED17に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が長くなるものの、蛍光体含有部29における蛍光体の含有濃度が長さ方向についてLED17から遠ざかるほど低くなっているので、過度に波長変換されることが抑制される。これにより、導光板19の入光端面19bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
また、蛍光体含有部29は、蛍光体の含有濃度が、長さ方向についてLED17から遠ざかるのに従って段階的に逐次低くなる。このようにすれば、波長変換導光部材20の製造に際して、蛍光体含有部29を長さ方向について蛍光体の含有濃度が異なる複数の部分に分けて容器30内に収容することが可能となる。これにより、波長変換導光部材20の製造が容易なものとなる。
また、容器30は、太さ及び厚みが長さ方向について一定とされる。このようにすれば、容器30に係る製造コストが安価なものとなる。また、容器30の太さが長さ方向について一定とされることで、導光板対向面20bと入光端面19bとの位置関係を長さ方向について一定に維持する上で好適となり、入光端面19bへの入光効率を安定化させることができる。
また、LED17は、青色の光を発するものとされており、波長変換導光部材20は、蛍光体として、青色の光を緑色の光に波長変換する緑色蛍光体及び青色の光を赤色の光に波長変換する赤色蛍光体と、青色の光を黄色の光に波長変換する黄色蛍光体と、の少なくともいずれか一方を有する。このようにすれば、LED17から発せられた青色の光は、波長変換導光部材20のLED対向面20aから入射されると、波長変換導光部材20に緑色蛍光体及び赤色蛍光体が含有される場合は緑色の光及び赤色の光に、黄色蛍光体が含有される場合は黄色の光に、波長変換されるなどしてから波長変換導光部材20における導光板対向面20bから出射される。
また、波長変換導光部材20は、蛍光体として量子ドット蛍光体を有している。このようにすれば、波長変換導光部材20による光の波長変換効率がより高いものとなるとともに、波長変換された光の色純度が高いものとなる。
本実施形態に係る液晶表示装置10は、上記記載のバックライト装置12と、バックライト装置12から照射される光を利用して画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、を備える。このような構成の液晶表示装置10によれば、バックライト装置12からの光の色再現性が向上されているから、表示品位に優れた表示を実現することができる。
本実施形態に係るテレビ受信装置10TVは、上記記載の液晶表示装置10を備える。このようなテレビ受信装置10TVによれば、液晶表示装置10の表示品位が優れたものとされているから、表示品位に優れたテレビ画像の表示を実現することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図18から図24によって説明する。この実施形態2では、波長変換導光部材120の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材120は、図18及び図19に示すように、容器130における長さ方向(X軸方向)についての単位長さ当たりの内部空間の容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかる(底部130aに近づくほど)ほど小さくなるものとされる。具体的には、容器130は、その太さが長さ方向について一定とされるとともに、厚みが長さ方向についてLED117から遠ざかるほど大きくなる(厚くなる)ことで、内部空間の容積が上記のようにLED117に対する位置関係に応じて変化するものとされる。容器130は、その外形に関しては、上記した実施形態1に記載されたものと同様であり、導光板対向面120bが導光板119の入光端面119bに並行していて、入光端面119bとの間の距離がX軸方向について全長にわたって一定に保たれている。一方、容器130は、その内部空間が略円錐状となるよう内周面が外周面(導光板対向面120bを含む)に対して傾斜状をなしているので、仮に容器の内周面が段付き状に形成された場合に比べると、容器130の製造が容易なものとなる。つまり、容器130は、長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次小さくなるものとされる。従って、容器130内に充填される蛍光体含有部129は、全体として略円錐状をなしており、その高さ寸法及び幅寸法が、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少するものとされる。つまり、蛍光体含有部129は、波長変換導光部材120における長さ方向についての単位長さ当たりの容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少している。蛍光体含有部129は、その長さ方向に沿って切断した断面形状、具体的にはX軸方向及びY軸方向に沿って切断した断面形状と、X軸方向及びZ軸方向に沿って切断した断面形状と、がそれぞれ略三角形とされている。
そして、蛍光体含有部129は、図20に示すように、蛍光体の含有濃度が全域にわたって一定とされている。このようにすれば、上記した実施形態1のように波長変換導光部材の製造に際して蛍光体の含有濃度が異なる蛍光体溶液を5種類用意した場合に比べると、蛍光体溶液が1種類で済むので、波長変換導光部材120に係る製造コストを低廉化する上で好適となる。蛍光体含有部129は、蛍光体の含有濃度が上記のように一定であっても、波長変換導光部材120における長さ方向についての単位長さ当たりの容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少しているので、図21に示すように、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量も、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少する傾向となっている。従って、蛍光体含有部129において長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量は、X軸方向についてLED117に最も近い位置(封止部131付近)にて最多となり、X軸方向についてLED117から最も遠い位置(底部130a付近)にて最少となる。
導光板対向面120bのうち、長さ方向についてLED117から遠い側から出射される光は、LED117に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が長くなるものの、容器130における長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積及び蛍光体含有部129の容積が長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少することで、過度に波長変換されることがより好適に抑制される。これにより、導光板119の入光端面119bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
上記のような構成の波長変換導光部材120の製造方法は、容器130を製造する容器製造工程と、容器130内に開口を通して蛍光体溶液を注入する蛍光体溶液注入工程と、注入した蛍光体溶液を硬化させる蛍光体溶液硬化工程と、容器130における開口を封止する封止工程と、を備える。容器製造工程では、図22に示すように、厚みが長さ方向について開口から遠ざかって底部130aに近づくほど大きくなるとともに、内部空間の容積が長さ方向について開口から遠ざかって底部130aに近づくほど小さい容器130を製造している。蛍光体溶液注入工程では、光硬化性樹脂材料に赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有してなる蛍光体溶液を、容器130における開口を通して容器130内に注入する。この蛍光体溶液注入工程にて用いられる蛍光体溶液は、1種類のみであり、図23に示すように、その蛍光体溶液が容器130のほぼ全長にわたって注入される。蛍光体溶液硬化工程では、容器130内に注入した蛍光体溶液に紫外線を照射してその硬化を促す。形成された蛍光体含有部129は、赤色蛍光体及び緑色蛍光体の含有濃度が全域にわたって一定とされるものの、長さ方向についての単位長さ当たりの容積が、開口から遠ざかって底部130aに近づくほど小さくなっている。封止工程では、容器130における端側部分の開口に封止部131を形成し、両開口の封止を図る。以上のように、本実施形態の波長変換導光部材120の製造方法によれば、蛍光体注入工程及び蛍光体硬化工程が1回ずつで済むので、製造に係る時間を短縮化し易くなるとともに、容器130内に注入する蛍光体溶液も1種類で済むので、製造に係るコストが低廉化される。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材120は、蛍光体を含有する蛍光体含有部129と、蛍光体含有部129が収容される容器130と、を少なくとも有しており、容器130は、長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかるほど小さくなる。このようにすれば、導光板対向面120bのうち、長さ方向についてLED117から遠い側から出射される光は、LED117に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が長くなるものの、容器130における長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積が長さ方向についてLED117から遠ざかるほど小さくなっているので、過度に波長変換されることが抑制される。これにより、導光板119の入光端面119bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
また、容器130は、長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積が、長さ方向についてLED117から遠ざかるのに従って連続的に漸次小さくなる。このようにすれば、導光板119の入光端面119bに入射する光に色ムラがより生じ難いものとなる。また、波長変換導光部材120を構成する容器130の製造が容易なものとなる。
また、容器130は、太さが長さ方向について一定とされるとともに、厚みが長さ方向についてLED117から遠ざかるほど大きくなる。このようにすれば、容器130の太さが長さ方向について一定とされることで、導光板対向面120bと入光端面119bとの位置関係を長さ方向について一定に維持する上で好適となり、入光端面119bへの入光効率を安定化させることができる。また、容器130の厚みが長さ方向についてLED117から遠ざかるほど大きくなることで、内部空間の容積が長さ方向についてLED117から遠ざかるほど小さくなる。
また、蛍光体含有部129は、蛍光体の含有濃度が一定とされる。このようにすれば、波長変換導光部材120に係る製造コストを低廉化する上で好適となる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図25から図28によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1からLED217及びLED基板218の設置数などを変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るLED217及びLED基板218は、図25及び図26に示すように、波長変換導光部材220をその長さ方向(X軸方向)について両側から挟み込む形で一対ずつ備えられている。従って、波長変換導光部材220は、長さ方向についての両端面がそれぞれLED対向面220aとされる。つまり、波長変換導光部材220のうち、封止部231の外面と、容器230の底部230aの外面と、がそれぞれLED対向面220aとされる。そして、波長変換導光部材220は、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についての中央位置にて最少となっている。
詳しくは、波長変換導光部材220を構成する蛍光体含有部229は、図25から図27に示すように、長さ方向について各LED217のいずれからも最も遠い中央側部分が、蛍光体の含有濃度が最も低い第1蛍光体含有部229Aとされ、各LED217に最も近い両端側部分が、それぞれ蛍光体の含有濃度が最も高い一対の第3蛍光体含有部229Cとされ、さらには第1蛍光体含有部229Aと各第3蛍光体含有部229Cとの中間に位置する部分が、蛍光体の含有濃度が二番目に低い(高い)一対の第2蛍光体含有部229Bとされる。第1蛍光体含有部229Aは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が最も少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が最も少なくなり、第2蛍光体含有部229Bは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が二番目に少なくなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が二番目に少なくなり、第3蛍光体含有部229Cは、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量が最も多くなることで単位長さ当たりの波長変換される光量が最も多くなっている。そして、波長変換導光部材220において長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量は、図28に示すように、各LED217から遠ざかるのに従って3段階でもって段階的に逐次少なくなるものとされる。なお、本実施形態においては、各蛍光体含有部229A〜229CにおけるX軸方向についての形成範囲は、互いに概ね等しいものとされる。
このような構成によれば、各LED217から発せられてLED対向面220aに入射した青色の光は、波長変換導光部材220内にてX軸方向に沿って各LED217からそれぞれ遠ざかるよう進行する過程で、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が最も高い各第1蛍光体含有部229Aを透過すると、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が二番目に高い各第2蛍光体含有部229Bを透過し、その後緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が最も低い第3蛍光体含有部229Cを透過しており、LED217から遠ざかるよう進行するほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率(単位長さ当たりの波長変換される光量)が低下している。従って、導光板対向面220bのうち、X軸方向についてLED217から遠い中央側部分から出射される光は、LED217に近い両端側部分から出射される光に比べて緑色蛍光体及び赤色蛍光体を透過する光路長が長くなっているものの、LED217から遠ざかるほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率が低下することで、出射光に含まれる緑色の光及び赤色の光に係る比率が過剰に高くなることが避けられている。これにより、導光板対向面220bのうち、X軸方向についてLED217から遠い中央側部分から出射される光が黄色味を帯び難いものとなるので、LED217に近い両端側部分から出射される光との間に生じ得る色味の差が緩和され、もって導光板219の入光端面219bに入射する光及び出光板面から出射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
以上説明したように本実施形態によれば、LED217は、波長変換導光部材220を長さ方向について両側から挟み込む形で一対備えられており、波長変換導光部材220は、長さ方向についての両端面がそれぞれLED対向面220aとされるとともに、長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についての中央位置にて最少となる。このようにすれば、導光板対向面220bのうち、長さ方向について各LED217から遠い中央側から出射される光は、各LED217に近い側から出射される光に比べると、出射されるまでに蛍光体を透過する光路長が長くなるものの、波長変換導光部材220において長さ方向についての単位長さ当たりの波長変換される光量が、長さ方向についての中央位置にて最少となっているので、過度に波長変換されることが抑制される。これにより、導光板219の入光端面219bに入射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図29または図30によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態3から波長変換導光部材320の設置数を変更したものを示す。なお、上記した実施形態3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材320は、図29及び図30に示すように、導光板319の入光端面319bの長さ方向に沿って2本が互いに隣り合う形で並んで配されている。2本の波長変換導光部材320は、互いの軸線がほぼ一致する形で、X軸方向に沿って直線的に並んで配置されている。このように2本の波長変換導光部材320を用いるようにすれば、より大型のバックライト装置312に好適とされる。2本の波長変換導光部材320は、各封止部331がバックライト装置312におけるX軸方向(入光端面319bにおける長さ方向)についての両外側(両端)に配されるのに対し、各容器330の底部330aがバックライト装置312におけるX軸方向についての中央側にて互いに隣接するよう配されている。2本の波長変換導光部材320における各封止部331の外面がそれぞれLED317と対向するLED対向面320aとされる。なお、各波長変換導光部材320における蛍光体含有部329の構成は、上記した実施形態1に記載されたものと同様であり、それぞれ5段階でもって蛍光体の含有濃度が段階的に逐次変化するものとされる。
<実施形態5>
本発明の実施形態5を図31によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態1からLED417、LED基板418及び波長変換導光部材420の設置数を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るバックライト装置412では、図31に示すように、LED417、LED基板418及び波長変換導光部材420が、長辺側の両端部にそれぞれ配された構成となっている。詳しくは、一対の波長変換導光部材420は、導光板419の外周端面のうちの一対の長辺側の端面のそれぞれと対向する形で配されている。従って、本実施形態では、導光板419の外周端面のうちの一対の長辺側の端面のそれぞれが波長変換導光部材420からの光が入射される入光端面419bとされるのに対し、残りの一対の短辺側の端面が非入光端面419dとされる。従って、本実施形態に係る非入光端面419dには、上記した実施形態1のような非入光反対端面19d1(図3を参照)が含まれることがなく、入光端面419bに隣り合う一対の非入光側端面419d2のみが含まれている。このように本実施形態に係るバックライト装置412は、導光板419がその短辺方向(Y軸方向)についての両側から一対の波長変換導光部材420によって挟み込まれてなる、両側入光タイプとされている。一対ずつのLED417及びLED基板418は、バックライト装置412における対角をなす一対の角部に配置されており、それらのLED417が各波長変換導光部材420におけるLED対向面420aと対向するものとされる。
<実施形態6>
本発明の実施形態6を図32または図33によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から波長変換導光部材520の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材520は、図32及び図33に示すように、容器530の太さが長さ方向(X軸方向)についてLED517から遠ざかるほど小さくなる(細くなる)ものとされており、それにより容器530における長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間の容積が、長さ方向についてLED517から遠ざかるほど小さくなっている。容器530は、太さが上記のようにLED517に対する位置関係に応じて変化するのに対し、厚みが長さ方向について一定とされている。従って、容器530は、その外形が内部空間及び蛍光体含有部529と同様に略円錐状をなしており、それに伴って導光板対向面520bが導光板519の入光端面519bに対して傾斜状をなしている。このような構成により、波長変換導光部材520は、LED517側とは反対側の端部側ほど先細り状の外観とされる。
<実施形態7>
本発明の実施形態7を図34から図37によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態1から波長変換導光部材620の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材620は、図34及び図35に示すように、蛍光体含有部629に対して長さ方向(X軸方向)についてLED617から遠い側に配され、蛍光体(赤色蛍光体及び緑色蛍光体)を含有しない蛍光体非含有部32を有している。この蛍光体非含有部32は、蛍光体を含有しない、ほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料からなる。蛍光体非含有部32を構成する紫外線硬化性樹脂材料は、蛍光体含有部629を構成する紫外線硬化性樹脂材料と同一材料とされるのが好ましい。蛍光体非含有部32は、容器630の内部空間において底部630aに隣接する位置、つまりLED617から長さ方向について最も遠い位置に配されている。本実施形態に係る蛍光体含有部629は、図34から図36に示すように、蛍光体の含有濃度が4段階でもって変化するものとされており、長さ方向についてLED617に近い側から、第4蛍光体含有部629D、第3蛍光体含有部629C、第2蛍光体含有部629B、第1蛍光体含有部629Aの順で蛍光体の含有濃度が段階的に逐次低下するものとされる。そして、蛍光体を含有しない蛍光体非含有部32は、蛍光体の含有濃度が最も低い第1蛍光体含有部629Aに対して長さ方向について蛍光体の含有濃度が二番目に低い第2蛍光体含有部629B側(LED617側)とは反対側に隣り合う形で配されている。従って、波長変換導光部材620において長さ方向について単位長さ当たりの波長変換される光量は、図37に示すように、LED617から遠ざかるのに従って4段階でもって段階的に逐次少なくなり、LED617から最も遠い部分(蛍光体非含有部32)では同波長変換される光量がほぼ0、つまりLED617の青色の光が波長変換されることがないものとされる。また、蛍光体非含有部32における長さ方向についての形成範囲は、各蛍光体含有部629A〜629Dの同形成範囲とほぼ同じとされる。
このような構成によれば、LED617から発せられて波長変換導光部材620のLED対向面620aに入射された青色の光は、波長変換導光部材620内をその長さ方向に沿ってLED617から遠ざかるよう進行する過程で、先に蛍光体(赤色蛍光体及び緑色蛍光体)を含有する蛍光体含有部629を透過してそこで赤色の光や緑色の光に波長変換されてから、蛍光体を含有しない蛍光体非含有部32を透過することになる。ここで、本実施形態では、蛍光体含有部629のうち、長さ方向についてLED617から最も遠くに位置して最も蛍光体の含有濃度が低い第1蛍光体含有部629Aを透過した光が十分に波長変換されて導光板対向面620bからの出射光が白色化されるよう、蛍光体含有部629を構成する各蛍光体含有部629A〜629Dにおける蛍光体の含有濃度が調整されているため、仮に第1蛍光体含有部629Aを透過した光の波長変換がそれ以上促進されると出射光が黄色味を帯びるおそれがある。その点、本実施形態では、第1蛍光体含有部629Aを透過した光は、蛍光体を含有しない蛍光体非含有部32を透過することになるから、蛍光体非含有部32を透過する過程で光の波長変換が促進されることがないものとされる。従って、導光板対向面620bのうち、長さ方向についてLED617から遠い側から出射される光が蛍光体によって過度に波長変換されたものとは一層なり難くなり、LED617に近い側から出射される光との間に生じ得る色味の差が一層好適に緩和されるようになっている。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材620は、蛍光体含有部629に対して長さ方向についてLED617から遠い側に配され、蛍光体を含有しない蛍光体非含有部32を有している。このようにすれば、波長変換導光部材620のLED対向面620aに入射された光は、波長変換導光部材620内をその長さ方向に沿ってLED617から遠ざかるよう進行する過程で、先に蛍光体を含有する蛍光体含有部629を透過してから、蛍光体を含有しない蛍光体非含有部32を透過することになる。従って、導光板対向面620bのうち、長さ方向についてLED617から遠い側から出射される光が蛍光体によって過度に波長変換されたものとは一層なり難くなり、LED617に近い側から出射される光との間に生じ得る色味の差が一層好適に緩和される。
<実施形態8>
本発明の実施形態8を図38から図40によって説明する。この実施形態8では、上記した実施形態1から液晶表示装置710の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る液晶表示装置710に備わるバックライト装置(照明装置)712は、図38及び図39に示すように、シャーシ714の光出射部714b(光学部材715)の直下となる位置に、上記した実施形態1に記載された導光板19(図4を参照)に代えて波長変換導光部材(導光部材)720が配置された構成となっている。波長変換導光部材720は、直線状に延在する柱状(棒状、線状、チューブ状)をなしており、その長さ方向がX軸方向と一致する姿勢でシャーシ714内に収容されている。波長変換導光部材720は、図40に示すように、その長さ方向と直交する方向に沿って切断した断面形状が円形状をなしており、全体として円柱状をなしている。つまり、波長変換導光部材720は、外形が冷陰極管に近似しており、その太さ(外径寸法)も冷陰極管と同等(例えば2mm〜3mmの範囲程度)とされている。このようにすれば、波長変換導光部材720の製造が容易になるとともに、波長変換導光部材720の出射光に係る輝度均一性に優れる。波長変換導光部材720は、図38及び図40に示すように、シャーシ714内において長さ方向と直交するY軸方向(直交方向)に沿って複数(図38では7本)がほぼ一定の配列ピッチ(間隔)を空けた形で並んで配列されている。各波長変換導光部材720は、図示しないクリップ部材によってシャーシ714の底部714aに固定されている。なお、各波長変換導光部材720と底部714aとの間には、底部714aの表側の板面を覆う形で配されるとともに光を表側へ向けて反射する反射シート(反射部材)725が介在する形で配されている。
LED(光源)717は、図38及び図39に示すように、波長変換導光部材720における長さ方向についての端面との間に一定の間隔を空けた位置にて同端面と対向状に配されている。LED717は、波長変換導光部材720をその長さ方向について両側から挟み込む形で対をなして配されている。つまり、波長変換導光部材720における長さ方向についての両端面は、それぞれLED717と対向してLED717からの光が入射される入光面(光源対向面)33とされている。これに対し、波長変換導光部材720のうち、表側、つまり光出射部714b側を向いた側面が光を出射する出光面34とされる。出光面34は、図40に示すように、断面形状が円形状をなす波長変換導光部材720の外周面のうち、表側を向いた半円状領域を占める。波長変換導光部材720の出光面34は、シャーシ714の光出射部714bに配された光学部材715と対向状に配されている。また、波長変換導光部材720のうち、裏側、つまり出光面34側とは反対側の側面が反対面(出光反対面)35とされている。反対面35は、断面形状が円形状をなす波長変換導光部材720の外周面のうち、裏側を向いた半円状領域(出光面34以外の領域)を占める。この反対面35には、出光面34からの出光を促すための光反射部からなる光反射パターン(図示せず)が形成されている。光反射パターンに係る具体的な構成は、上記した実施形態1に記載されたものと同様であり、光反射ドットの分布密度が、X軸方向について入光面33(長さ方向の両端位置)から遠ざかるほど(長さ方向の中央位置に近づくほど)低くなり、逆に入光面33に近づくほど高くなる傾向にある。また、LED717は、図38に示すように、Y軸方向について波長変換導光部材720の配列ピッチとほぼ同じ間隔を空けて波長変換導光部材720の並列数と同数並んだ形でLED基板(光源基板)718に実装されている。従って、LED基板718は、LED717の並び方向であるY軸方向に沿って延在し、一対がシャーシ714における短辺側の一対の側部714cにそれぞれ取り付けられており、LED717の実装面が波長変換導光部材720側を向いている。
以上のような構成によれば、各LED717から発せられた光は、図39に示すように、波長変換導光部材720における各入光面33に入射されると、波長変換導光部材720に有される蛍光体にて波長変換されるなどしてから波長変換導光部材720における出光面34から出射され、シャーシ714の光出射部714bから出射光として表側の液晶パネル711に照射される。このようにLED717とは別部材である波長変換導光部材720が蛍光体を有しているので、蛍光体がLED717から発せられる熱などの影響を受け難くなっている。これにより、波長変換導光部材720に用いる蛍光体を選定する上での自由度が増すことになるので、色純度に優れた光を発する蛍光体を用いることが可能となり、もってバックライト装置712の出射光に係る色再現性を向上させる上で好適となる。しかも、波長変換導光部材720の入光面33に入射された光は、柱状の波長変換導光部材720内をその長さ方向に沿って進行する過程で蛍光体により波長変換されて出光面34から出射されることになるので、仮に波長変換導光部材における出光面とは反対側の側面を入光面とした場合に比べると、入光面33から出光面34に至るまでの光路長が長いものとなる。これにより、LED717の光が蛍光体によって効率的に波長変換されるので、蛍光体の使用量を削減することができる。色純度に優れた光を発する蛍光体は、高価である場合が多いことから、その使用量を削減することで大幅な低コスト化を図ることができる。さらには、LED717からの光が波長変換導光部材720を経て光出射部714bから出射されていて、上記した実施形態1に記載されたような導光板19を経ることがないので、漏れ光が生じ難く、光の利用効率が向上し、もって高輝度化を図ることができる。
波長変換導光部材720は、図38及び図39に示すように、上記した実施形態1に記載されたものと同様に、蛍光体含有部729、容器730及び封止部731を有している。このうち、蛍光体含有部729は、上記した実施形態3に記載されたものと同様に、X軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量及び波長変換される光量が3段階でもって段階的に逐次変化する。具体的には、蛍光体含有部729は、長さ方向について各LED717のいずれからも最も遠い中央側部分が、蛍光体の含有濃度が最も低い第1蛍光体含有部729Aとされ、各LED717に最も近い両端側部分が、それぞれ蛍光体の含有濃度が最も高い一対の第3蛍光体含有部729Cとされ、さらには第1蛍光体含有部729Aと各第3蛍光体含有部729Cとの中間に位置する部分が、蛍光体の含有濃度が二番目に低い(高い)一対の第2蛍光体含有部729Bとされる。このような構成によれば、各LED717から発せられて波長変換導光部材720の各入光面33に入射した青色の光は、波長変換導光部材720内にてX軸方向に沿って各LED717からそれぞれ遠ざかるよう進行する過程で、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が最も高い各第1蛍光体含有部729Aを透過すると、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が二番目に高い各第2蛍光体含有部729Bを透過し、その後緑色蛍光体及び赤色蛍光体の含有濃度が最も低い第3蛍光体含有部729Cを透過しており、LED717から遠ざかるよう進行するほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率(単位長さ当たりの波長変換される光量)が低下している。従って、出光面34のうち、X軸方向についてLED717から遠い中央側部分から出射される光は、LED717に近い両端側部分から出射される光に比べて緑色蛍光体及び赤色蛍光体を透過する光路長が長くなっているものの、LED717から遠ざかるほど緑色蛍光体及び赤色蛍光体による実質的な波長変換効率が低下することで、出射光に含まれる緑色の光及び赤色の光に係る比率が過剰に高くなることが避けられている。これにより、出光面34のうち、X軸方向についてLED717から遠い中央側部分から出射される光が黄色味を帯び難いものとなるので、LED717に近い両端側部分から出射される光との間に生じ得る色味の差が緩和され、もって出光面34から出射する光に色ムラが生じ難いものとなる。
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)712は、LED(光源)717と、柱状の導光部材と、光を出射させる光出射部714bと、を備え、導光部材は、光出射部714bの直下に配され、LED717と対向する端面が入光面33とされ、光出射部714b側を向いた側面が出光面34とされるバックライト装置712であって、導光部材は、LED717からの光を波長変換する蛍光体を有する波長変換導光部材720である。
このようにすれば、LED717から発せられた光は、波長変換導光部材720における入光面33に入射されると、波長変換導光部材720に有される蛍光体にて波長変換されるなどしてから波長変換導光部材720における出光面34から出射され、光出射部714bから出射光として外部へ放たれる。このようにLED717とは別部材である波長変換導光部材720が蛍光体を有しているので、蛍光体がLED717から発せられる熱などの影響を受け難くなっている。これにより、波長変換導光部材720に用いる蛍光体を選定する上での自由度が増すことになるので、色純度に優れた光を発する蛍光体を用いることが可能となり、もって当該バックライト装置712の出射光に係る色再現性を向上させる上で好適となる。
しかも、波長変換導光部材720の入光面33に入射された光は、柱状の波長変換導光部材720内をその長さ方向に沿って進行する過程で蛍光体により波長変換されて出光面34から出射されることになるので、仮に波長変換導光部材における出光面とは反対側の面を入光面とした場合に比べると、入光面33から出光面34に至るまでの光路長が長いものとなる。これにより、LED717の光が蛍光体によって効率的に波長変換されるので、蛍光体の使用量を削減することができる。色純度に優れた光を発する蛍光体は、高価である場合が多いことから、その使用量を削減することで大幅な低コスト化を図ることができる。さらには、LED717からの光が波長変換導光部材720を経て光出射部714bから出射されるので、漏れ光が生じ難く、光の利用効率が向上し、もって高輝度化を図ることができる。
また、波長変換導光部材720は、断面形状が円形とされる。このようにすれば、波長変換導光部材720の製造が容易になるとともに、出光面34から出射される光に係る輝度均一性に優れる。
<実施形態9>
本発明の実施形態9を図41または図42によって説明する。この実施形態9では、上記した実施形態8からLED817の駆動方法を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る液晶表示装置810は、図41に示すように、画像信号を処理する画像信号処理部36と、液晶パネル811の駆動を制御する液晶パネル制御部(表示パネル制御部)37と、LED817を駆動するLED駆動部(光源駆動部)38と、を備える。画像信号処理部36は、チューナー(図1を参照)から入力された放送信号などの画像信号を処理し、処理した信号を液晶パネル制御部37及びLED駆動部38に出力する。液晶パネル制御部37は、画像信号処理部36から出力された出力信号に基づいて、液晶パネル811へ向けて制御信号を出力して液晶パネル811の駆動を制御する。液晶パネル制御部37は、液晶パネル811においてX軸方向(波長変換導光部材820の長さ方向)に沿って延在するとともにY軸方向(波長変換導光部材820の長さ方向と直交する直交方向)に沿って並ぶ多数本のゲート配線(走査線)に対して順次に走査信号を供給する垂直走査を実行し、Y軸方向に沿って延在するとともにX軸方向に沿って並ぶ多数本のソース配線(信号線)に対して上記した垂直走査に同期したタイミングでもってデータ信号を供給する。これにより、液晶パネル811においてゲート配線とソース配線との交差部に配されてマトリクス状に配列される多数のTFT(スイッチング素子)は、1フレーム期間内に全て駆動されるとともに、それらのTFTに接続された全ての画素電極に所定の電圧を印加することができ、もって液晶パネル811における各画素毎に光の透過率を制御することが可能とされる。LED駆動部38は、画像信号処理部36から入力された信号に基づいて各LED817の駆動を制御することが可能とされる。このとき、LED駆動部38は、Y軸方向に沿って並ぶ複数のLED817の駆動に際して、画像信号処理部36から液晶パネル制御部37に入力される走査信号の垂直走査に同期して選択したLED817を順次に所定の選択期間ずつ走査点灯する、といったスキャン駆動を行うものとされる。なお、ゲート配線、ソース配線、TFT及び画素電極などの図示については省略する。
続いて、詳しい作用について説明する。チューナーを介して放送信号などの画像信号が画像信号処理部36に入力されると、図41に示すように、画像信号処理部36にて画像処理されて生成される出力信号(画像のサンプリングレート、動画/静止画の判定情報、倍速処理情報などが含まれる)が、液晶パネル制御部37及びLED駆動部38にそれぞれ出力される。画像信号処理部36からの出力信号を受けた液晶パネル制御部37は、液晶パネル811においてY軸方向に沿って並ぶ多数本のゲート配線に対して順次に走査信号を供給する垂直走査を実行するとともに、X軸方向に沿って並ぶ多数本のソース配線に対して上記した垂直走査に同期したタイミングでもってデータ信号を供給し、それにより、1フレーム期間内に全てのTFTを駆動して画素電極に所定の電圧を印加し、液晶パネル811における各画素毎に光の透過率を制御する。一方、画像信号処理部36からの出力信号(画像のサンプリングレート、動画/静止画の判定情報、倍速処理情報などが含まれる)を受けたLED駆動部38は、図示しない接続部品を介してLED基板818の各LED817に駆動電力を供給することで、画像信号に同期したスキャン駆動を行う。すなわち、LED駆動部38は、画像信号処理部36から液晶パネル制御部37に入力される走査信号の垂直走査(TFTの選択駆動)に同期して選択したLED817を順次に所定の選択期間ずつ走査点灯している。選択されたLED817からの発光光は、図42に示すように、発光したLED817と対向する波長変換導光部材820の入光面833に入射した後に蛍光体含有部829に含有される蛍光体によって波長変換されて出光面から出射される。上記のようにLED817が垂直走査に同期してスキャン駆動されると、上記垂直走査に同期して選択された波長変換導光部材820の出光面が順次に所定の選択期間ずつ発光することになる。これにより、バックライト装置812を擬似的にインパルス駆動することができるので、液晶パネル811において動画を表示する際の動画応答性が優れたものとなり、いわゆる動画ボケを軽減することができて表示品位が高いものとなる。
以上説明したように本実施形態によれば、液晶パネル811は、波長変換導光部材820の長さ方向に沿って延在するとともに長さ方向と直交する直交方向に沿って並ぶ複数のゲート配線(走査線)と、直交方向に沿って延在するとともに長さ方向に沿って並ぶ複数のソース配線(データ線)と、ゲート配線及びソース配線の交差部に配されてゲート配線及びソース配線に接続される複数のTFT(スイッチング素子)と、を少なくとも有しており、波長変換導光部材820及びLED817は、直交方向に沿って複数ずつが並んで配され、複数のLED817は、複数のゲート配線の走査に対応して直交方向に走査点灯する。このようにすれば、複数のTFTは、複数のゲート配線により直交方向に沿って順次に走査されるとともに、複数のソース配線によりデータ信号が供給される。直交方向に沿って並ぶ複数のLED817は、複数のゲート配線の走査に対応して直交方向に走査点灯されるから、直交方向に沿って並ぶ複数の波長変換導光部材820の出光面からは、複数のTFTの駆動に同期する形で直交方向に沿って順次に出光される。これにより、動画応答性が優れたものとなり、表示品位が高いものとなる。
<実施形態10>
本発明の実施形態10を図43によって説明する。この実施形態10では、上記した実施形態8からLED917及び波長変換導光部材920の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るLED917及び波長変換導光部材920は、図43に示すように、Y軸方向(波長変換導光部材920の長さ方向と直交する直交方向)についての中央側の配列ピッチP1(P2)が端側の配列ピッチP2,P3(P3)よりも狭くなるよう配置されている。詳しくは、LED917及び波長変換導光部材920のうち、Y軸方向について中央位置に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P1」とし、Y軸方向について中央位置から数えて2番目に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P2」とし、Y軸方向について端位置に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P3」としたとき、「P1<P2<P3」の関係式が成り立つよう、LED917及び波長変換導光部材920がそれぞれ配列されている。このようにすれば、バックライト装置912におけるシャーシ914の光出射部914bからの出射光は、Y軸方向についての中央側において特に高輝度となるので、液晶パネルにおけるY軸方向についての画面中央側にて高輝度となる。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材920は、複数が並んで配され、長さ方向と直交する直交方向についての中央側では端側よりも配列ピッチが狭い。このようにすれば、光出射部914bからの出射光は、直交方向についての中央側において特に高輝度となる。
<実施形態11>
本発明の実施形態11を図44によって説明する。この実施形態11では、上記した実施形態8からLED1017及び波長変換導光部材1020の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るLED1017及び波長変換導光部材1020は、図44に示すように、Y軸方向(波長変換導光部材1020の長さ方向と直交する直交方向)についての端側の配列ピッチP6(P5)が中央側の配列ピッチP4,P5(P4)よりも狭くなるよう配置されている。詳しくは、LED1017及び波長変換導光部材1020のうち、Y軸方向について中央位置に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P4」とし、Y軸方向について中央位置から数えて2番目に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P5」とし、Y軸方向について端位置に配されるものとそれに隣り合うものとの間の配列ピッチを「P6」としたとき、「P6<P5<P4」の関係式が成り立つよう、LED1017及び波長変換導光部材1020がそれぞれ配列されている。ここで、バックライト装置1012におけるシャーシ1014の光出射部1014bからの出射光量は、Y軸方向について端側では中央側よりも少なくなりがちとされる。その点、上記のようにLED1017及び波長変換導光部材1020の配列ピッチが直交方向についての端側では中央側よりも狭くされることで、光出射部1014bからの出射光量が均一化される。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材1020は、複数が並んで配され、長さ方向と直交する直交方向についての端側では中央側よりも配列ピッチが狭い。光出射部1014bからの出射光量は、直交方向について端側では中央側よりも少なくなりがちとされるものの、上記のように波長変換導光部材1020の配列ピッチが直交方向についての端側では中央側よりも狭くされることで、光出射部1014bからの出射光量が均一化される。
<実施形態12>
本発明の実施形態12を図45によって説明する。この実施形態12では、上記した実施形態8から波長変換導光部材1120を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る複数の波長変換導光部材1120には、図45に示すように、含有する蛍光体の配合比率などが異なる2種類のものが含まれている。詳しくは、複数の波長変換導光部材1120には、出光面から出射する光の色味が第1ランクとなる色度の第1波長変換導光部材1120Aと、出光面から出射する光の色味が上記した第1ランクとは異なる第2ランクとなる色度の第2波長変換導光部材1120Bと、が含まれている。そして、シャーシ1114内には、Y軸方向に沿って第1波長変換導光部材1120Aと第2波長変換導光部材1120Bとが交互に繰り返し配列されることで、第1波長変換導光部材1120Aと第2波長変換導光部材1120Bとが互いに隣り合う配置とされる。なお、図45では、第1波長変換導光部材1120Aと第2波長変換導光部材1120Bとに関して、蛍光体含有部1129の図示に用いる網掛けを異ならせることで区別を図っている。
ここで、波長変換導光部材1120の製造に際しては、蛍光体含有部1129に含有される緑色蛍光体及び赤色蛍光体の配合比率が常に一定になるとは限らず、配合比率が異なるものが製造され得るものとされる。具体的には、緑色蛍光体の配合比率が相対的に高いものでは、出射光が緑色の色味を帯びたものとなり易く、逆に赤色蛍光体の配合比率が相対的に高いものでは、出射光が赤色の色味を帯びたものとなり易い傾向にある。そこで、本実施形態では、製造された波長変換導光部材1120に基準光源の光を入射して得られる出射光の色味に基づいて波長変換導光部材1120のランク分けを行い、第1ランクとなる色度の第1波長変換導光部材1120Aと、第2ランクとなる色度の第2波長変換導光部材1120Bと、に仕分けるようにしている。ここでは、例えば第1ランクとなる色度が緑色の色味を帯びた色度であり、第2ランクとなる色度が赤色の色味を帯びた色度であるとする。そして、バックライト装置1112の製造に際しては、第1波長変換導光部材1120Aと第2波長変換導光部材1120BとがY軸方向について互いに隣り合うよう配列すれば、第1波長変換導光部材1120Aの出射光が緑色の色度を帯びていて、第2波長変換導光部材1120Bの出射光が赤色の色度を帯びていたとしても、それらの出射光が補色の関係とされることで、バックライト装置1112の光出射部1114bの出射光としては色ムラが抑制された白色光となるのである。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材1120は、複数が並んで配されており、複数の波長変換導光部材1120には、出光面から出射する光の色味が第1ランクとなる色度の第1波長変換導光部材1120Aと、出光面から出射する光の色味が第1ランクとは異なる第2ランクとなる色度で第1波長変換導光部材1120Aと隣り合う配置の第2波長変換導光部材1120Bと、が少なくとも含まれる。複数の波長変換導光部材1120には、製造上の問題などにより含有する蛍光体の配合比率などに差が生じ、それに起因して出光面から出射する光の色味に差が生じる場合がある。そのような場合でも、複数の波長変換導光部材1120を、出光面から出射する光の色味が第1ランクとなる色度の第1波長変換導光部材1120Aと、同色味が第2ランクとなる色度の第2波長変換導光部材1120Bと、にランク分けし、第1波長変換導光部材1120Aと第2波長変換導光部材1120Bとが隣り合う配置を採ることで、光出射部1114bからの出射光に色ムラが生じ難いものとなる。
<実施形態13>
本発明の実施形態13を図46によって説明する。この実施形態13では、上記した実施形態8から波長変換導光部材1220の断面形状を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材1220は、図46に示すように、その長さ方向と直交するY軸方向(直交方向)に沿って切断した断面形状が半円形状とされる。詳しくは、波長変換導光部材1220は、表側を向いた出光面1234が円弧状(曲面状)をなし、出光面1234とは反対側に配される反対面1235がフラットな形状とされている。波長変換導光部材1220の出光面1234が円弧状をなしているので、出光面1234からの出射光が放射状に拡散し、もって輝度均一性に優れる。一方、波長変換導光部材1220における反対面1235は、シャーシ1214の底部1214aに対する設置面であることから、その反対面1235がフラットな形状とされることで、底部1214aに対して波長変換導光部材1220を特殊なクリップ部材を用いずとも安定的に設置することができる。それに加えて、フラットな反対面1235によって波長変換導光部材1220自身が薄型化されるので、バックライト装置1212の薄型化をも図ることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材1220は、出光面1234が曲面状をなし、出光面1234とは反対側に配されてフラットな反対面1235を有する。このようにすれば、波長変換導光部材1220の出光面1234が曲面状とされることで、出射光に係る輝度均一性が十分に高いものとなる。一方、波長変換導光部材1220の反対面1235がフラットであるから、薄型化が図られるとともに波長変換導光部材1220の設置が容易なものとなる。
<実施形態14>
本発明の実施形態14を図47または図48によって説明する。この実施形態14では、上記した実施形態8から波長変換導光部材1320の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材1320は、図47及び図48に示すように、長さ方向(X軸方向)について中央側が両端側よりも細くされている。つまり、波長変換導光部材1320は、両LED1317から遠ざかるほど細くなるものとされる。具体的には、波長変換導光部材1320は、太さがX軸方向についての位置に応じて連続的に漸次変化するものとされており、長さ方向についての両端位置にて太さが最大となる(最も太くなる)のに対し、長さ方向についての中央位置にて太さが最小となっている(最も細くなっている)。ここで、波長変換導光部材1320の出光面1334からの出射光量は、長さ方向について端側では中央側よりも少なくなりがちとされる。その点、上記のように波長変換導光部材1320における長さ方向についての中央側が両端側よりも細くされることで、出光面1334からの出射光量が均一化される。
容器1330は、図47及び図48に示すように、太さが上記のように各LED1317に対する位置関係に応じて変化するのに対し、厚みが長さ方向について一定とされている。従って、容器1330における長さ方向についての単位長さ当たりの内部空間(蛍光体含有部1329)の容積が、X軸方向についての位置(両LED1317に対する位置関係)に応じて変化しており、長さ方向についての両端位置にて容積が最大となるのに対し、長さ方向についての中央位置にて容積が最小となっている。これに伴い、容器1330内に充填される蛍光体含有部1329は、蛍光体の含有濃度がX軸方向についての位置に因らず一定とされている。このように蛍光体含有部1329における蛍光体の含有濃度が一定であっても、蛍光体含有部1329の容積が両LED1317から遠ざかるほど少なくなっているので、蛍光体含有部1329におけるX軸方向についての単位長さ当たりの蛍光体の含有量(単位長さ当たりの波長変換される光量)もLED1317から遠ざかるほど少なくなり、もって波長変換導光部材1320の出射光に係る色度が長さ方向の位置に因らず均一化される。つまり、波長変換導光部材1320の出射光に色ムラが生じ難いものとされる。このように蛍光体の含有濃度が一定とされる蛍光体含有部1329を備える波長変換導光部材1320は、上記した実施形態8に記載されたものよりも製造コストが低廉化される。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材1320は、長さ方向についての中央側が両端側よりも細い。波長変換導光部材1320の出光面1334からの出射光量は、長さ方向について端側では中央側よりも少なくなりがちとされるものの、上記のように波長変換導光部材1320における長さ方向についての中央側が両端側よりも細くされることで、出光面1334からの出射光量が均一化される。しかも、例えば波長変換導光部材1320に含有される蛍光体の含有濃度が長さ方向について均一であった場合であっても、出光面1334から出射される光の色味は長さ方向についての位置に因らず均一なものとなり易い。
<実施形態15>
本発明の実施形態15を図49または図50によって説明する。この実施形態15では、上記した実施形態8から波長変換導光部材1420の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る波長変換導光部材1420は、図49及び図50に示すように、長さ方向(X軸方向)について中央側が両端側よりも太くされている。つまり、波長変換導光部材1420は、両LED1417から遠ざかるほど太くなるものとされている。具体的には、波長変換導光部材1420は、太さがX軸方向についての位置に応じて連続的に漸次変化するものとされており、長さ方向についての両端位置にて太さが最小となる(最も細くなる)のに対し、長さ方向についての中央位置にて太さが最大となっている(最も太くなっている)。このようにすれば、波長変換導光部材1420における長さ方向についての中央側において出光面1434から出射する光の高輝度化が図られる。なお、本実施形態に係る波長変換導光部材1420の蛍光体含有部1429を構成する第1蛍光体含有部1429Aと第2蛍光体含有部1429Bと第3蛍光体含有部1429Cとにおける蛍光体の含有濃度の差は、上記した実施形態8に記載されたものよりも大きなものとなっている。
以上説明したように本実施形態によれば、波長変換導光部材1420は、長さ方向についての中央側が両端側よりも太い。このようにすれば、波長変換導光部材1420における長さ方向についての中央側において出光面1434から出射する光の高輝度化が図られる。
<実施形態16>
本発明の実施形態16を図51によって説明する。この実施形態16では、上記した実施形態8からLED1517及び波長変換導光部材1520の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態8と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るLED1517は、図51に示すように、波長変換導光部材1520に対してその長さ方向についての一方の端面のみと対向する形で配置されている。つまり、波長変換導光部材1520は、入光面1533を1つのみ有しており、いわば片側入光タイプとされている。入光面1533は、波長変換導光部材1520における長さ方向についての両端面のうち、封止部1531側の端面とされる。これに伴い、波長変換導光部材1520の蛍光体含有部1529は、上記した実施形態1に記載されたものと同様に、蛍光体の含有濃度が5段階でもって段階的に逐次変化するものとされる。すなわち、蛍光体含有部1529は、入光面1533を有する封止部1531から遠い側から順に、蛍光体の含有濃度が最も低い第1蛍光体含有部1529Aと、蛍光体の含有濃度が二番目に低い(四番目に高い)第2蛍光体含有部1529Bと、蛍光体の含有濃度が三番目に低い(高い)第3蛍光体含有部1529Cと、蛍光体の含有濃度が四番目に低い(二番目に高い)第4蛍光体含有部1529Dと、蛍光体の含有濃度が最も高い第5蛍光体含有部1529Eと、から構成されている。
そして、複数の波長変換導光部材1520は、Y軸方向について隣り合う波長変換導光部材1520の封止部1531(容器1530の底部1530a)が平面に視て千鳥状に配されるよう配列されている。言い換えると、波長変換導光部材1530は、封止部1531が、Y軸方向について波長変換導光部材1530の容器1530の底部1530aと隣り合うよう配列されている。これに伴い、LED1517は、波長変換部1530の封止部1531の平面配置と同様に、千鳥状に平面配置されている。従って、Y軸方向について隣り合うLED1517の間の間隔は、Y軸方向に沿って並ぶ波長変換導光部材1520の配列ピッチの2倍程度とされている。このように、本実施形態によれば、LED1517の使用数が、実施形態8に比べて半分程度となるので、低コスト化を図る上で好適となる。また、一対のLED基板1518に実装されるLED1517の実装数は、それぞれ半分程度とされている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態(実施形態2,6,14を除く)では、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDとの位置関係に応じて変化させた場合を示したが、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、全域にわたって一定とすることも可能である。この場合、波長変換導光部材において単位長さ当たりの波長変換される光量が長さ方向について全域にわたって一定となる。
(2)上記した各実施形態(実施形態2,6を除く)では、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDとの位置関係に応じて変化させるのに対し、容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、全域にわたって一定とした場合を示したが、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDとの位置関係に応じて変化させるとともに、容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDとの位置関係に応じて変化させることも可能である。
(3)上記した各実施形態(実施形態2,6,14を除く)では、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDから遠ざかるのに従って段階的に逐次減少させるようにした場合を示したが、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDから遠ざかるのに従って連続的に漸次減少させるようにしてもよい。
(4)上記した実施形態1,4,5,16では、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が5段階に分けられた構成(第1蛍光体含有部〜第5蛍光体含有部を有する構成)を示したが、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が4段階以下、または6段階以上に分けられていても構わない。同様に、上記した実施形態7に記載された構成(波長変換導光部材が蛍光体非含有部を有する構成)において、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が3段階以下、または5段階以上に分けられていても構わない。
(5)上記した実施形態3,8〜13,15では、長さ方向の両端面がLED対向面(入光面)とされた波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が3段階に分けられた構成(第1蛍光体含有部〜第3蛍光体含有部を有する構成)を示したが、長さ方向の両端面がLED対向面(入光面)とされた波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が5段階以上の奇数段階(7段階、9段階など)に分けられていても構わない。また、長さ方向の両端面がLED対向面(入光面)とされた波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度が偶数段階(2段階、4段階、6段階など)に分けられていても構わない。
(6)上記した実施形態2,6,14,15では、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDとの位置関係に応じて変化させた場合を示したが、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、全域にわたって一定とすることも可能である。この場合、波長変換導光部材において単位長さ当たりの波長変換される光量が長さ方向について全域にわたって一定となる。
(7)上記した実施形態2,6,14では、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDとの位置関係に応じて変化させるのに対し、蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、全域にわたって一定とした場合を示したが、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDとの位置関係に応じて変化させるとともに、蛍光体含有部における蛍光体の含有濃度を、LEDとの位置関係に応じて変化させることも可能である。この場合、波長変換導光部材において単位長さ当たりの波長変換される光量が長さ方向について全域にわたって一定となる。
(8)上記した実施形態2,6,14では、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDから遠ざかるのに従って連続的に漸次減少させるようにした場合を示したが、波長変換導光部材を構成する容器の内部空間に係る単位長さ当たりの容積を、LEDから遠ざかるのに従って段階的に逐次減少させるようにしてもよい。
(9)上記した実施形態2,6,14,15では、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部の高さ寸法及び幅寸法が共にLEDとの位置関係に応じて変化する場合を示したが、波長変換導光部材を構成する蛍光体含有部の高さ寸法と幅寸法とのいずれか一方のみがLEDとの位置関係に応じて変化するようにしてもよい。
(10)上記した実施形態1〜7,16(実施形態3を除く)では、波長変換導光部材を構成する封止部の外面をLEDと対向するLED対向面(入光面)とし、容器の底部における外面がLEDとは対向しないように配置した場合を示したが、波長変換導光部材を構成する容器の底部における外面をLEDと対向するLED対向面(入光面)とし、封止部の外面がLEDとは対向しないように配置することも可能である。これを実施形態4に適用した場合、2本の波長変換導光部材における各封止部がバックライト装置における中央側に、各容器の底部がバックライト装置における両端側に、それぞれ配されることになる。
(11)上記した各実施形態では、片端側のみが封止部により封止された片側封止構造の波長変換導光部材を用いた場合を示したが、両端側部分がそれぞれ封止部により封止された両側封止構造の波長変換導光部材を用いた場合にも本発明は適用可能である。
(12)上記した各実施形態では、波長変換導光部材を構成する容器及び封止部をガラス製とした場合を示したが、容器及び封止部の材料としてガラス以外の材料(例えば合成樹脂材料)を用いることも可能である。
(13)上記した実施形態1〜7では、導光板が合成樹脂材料(PMMAなどのアクリル樹脂材料)からなる場合を例示したが、導光板の材料として合成樹脂材料以外の材料(例えばガラス)を用いることも可能である。
(14)上記した実施形態1〜7(実施形態5を除く)では、導光板における一方の長辺側の端面を入光端面とした片側入光タイプのバックライト装置を例示したが、導光板における他方の長辺側の端面を入光端面とした片側入光タイプのバックライト装置にも本発明は適用可能である。また、導光板におけるいずれか一方の短辺側の端面を入光端面とした片側入光タイプのバックライト装置にも本発明は適用可能である。
(15)上記した実施形態5では、導光板における一対の長辺側の端面をそれぞれ入光端面とした両側入光タイプのバックライト装置を例示したが、導光板における一対の短辺側の端面をそれぞれ入光端面とした両側入光タイプのバックライト装置にも本発明は適用可能である。
(16)上記した実施形態1〜7では、片側入光のバックライト装置または両側入光タイプのバックライト装置を例示したが、導光板の外周端面における任意の3つの端面を入光端面とした3辺入光タイプのバックライト装置や導光板の外周端面における4つの端面の全てを入光端面とした4辺入光タイプのバックライト装置にも本発明は適用可能である。
(17)上記した各実施形態では、LEDが青色LED素子を備える構成を示したが、青色LED素子に代えて可視光線である紫色の光を発する紫色LED素子を備えたLEDや紫外線(例えば近紫外線)を発する紫外線LED素子(近紫外線LED素子)などを用いることも可能である。紫色LED素子または紫外線LED素子を備えるLEDに組み合わせて用いられる波長変換導光部材には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を含有させるのが好ましいものとされる。それ以外にも、紫色LED素子または紫外線LED素子を備えるLEDに組み合わせて用いられる波長変換導光部材には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の中から選択される1色または2色の蛍光体を含有させ、残りの2色または1色の蛍光体をLEDの封止材に含有させるようにしてもよい。また、これら以外にも具体的な蛍光体の色などは適宜に変更可能である。
(18)上記した各実施形態では、LEDが青色LED素子を有し、波長変換導光部材が緑色蛍光体及び赤色蛍光体を有する構成を例示したが、LEDが青色LED素子に加えて赤色の光を発する赤色LED素子を有することでマゼンタ色の光を発する構成とし、それに組み合わせて用いられる波長変換導光部材が緑色蛍光体を有する構成とすることも可能である。この赤色LED素子に代えて、LEDの封止材に青色の光を励起光として赤色の光を発する赤色蛍光体を含有させるようにしても構わない。
(19)上記した(18)以外にも、LEDが青色LED素子に加えて緑色の光を発する緑色LED素子を有することでシアン色の光を発する構成とし、それに組み合わせて用いられる波長変換導光部材が赤色蛍光体を有する構成とすることも可能である。この緑色LED素子に代えて、LEDの封止材に青色の光を励起光として緑色の光を発する緑色蛍光体を含有させるようにしても構わない。
(20)上記した実施形態1〜7では、光学部材がフレームに対して表側に載せられて導光板との間に間隔が空けられた構成を例示したが、光学部材が導光板に対して表側に直接載せられる構成を採ることも可能である。その場合、フレームが最も表側に配される光学部材を表側から押さえる構成としたり、フレームが複数の光学部材の間に介在する形で配される構成としたりすることが可能である。
(21)上記した各実施形態では、3枚の光学部材を備える構成を例示したが、光学部材の枚数を2枚以下または4枚以上に変更することも可能である。また、使用する光学部材の種類についても適宜に変更可能であり、例えば拡散シートなどを用いることも可能である。また、各光学部材の具体的な積層順についても適宜に変更可能である。
(22)上記した各実施形態では、波長変換導光部材が緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含む構成とされる場合を示したが、波長変換導光部材に黄色蛍光体のみを含ませた構成としたり、黄色蛍光体に加えて赤色蛍光体や緑色蛍光体を含ませた構成としたりすることも可能である。
(23)上記した各実施形態では、波長変換導光部材に含まれる蛍光体として用いた量子ドット蛍光体をCdSe及びZnSからなるコア・シェル型とした場合を例示したが、内部組成を単一組成としたコア型量子ドット蛍光体を用いることも可能である。例えば、2価の陽イオンになるZn、Cd、Hg、Pb等と2価の陰イオンになるO、S、Se、Te等とを組み合わせた材料(CdSe、CdS、ZnS)を単独で用いることが可能である。さらには、3価の陽イオンとなるGa、In等と3価の陰イオンとなるP、As、Sb等とを組み合わせた材料(InP(リン化インジウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)等)やカルコパイライト型化合物(CuInSe2等)などを単独で用いることも可能である。また、コア・シェル型やコア型の量子ドット蛍光体以外にも、合金型の量子ドット蛍光体を用いることも可能である。また、カドミウムを含有しない量子ドット蛍光体を用いることも可能である。
(24)上記した各実施形態では、波長変換導光部材に含まれる蛍光体として用いた量子ドット蛍光体をCdSe及びZnSのコア・シェル型とした場合を例示したが、他の材料同士を組み合わせてなるコア・シェル型の量子ドット蛍光体を用いることも可能である。また、波長変換導光部材に含まれる蛍光体として用いた量子ドット蛍光体を、Cd(カドミウム)を含有しない量子ドット蛍光体とすることも可能である。
(25)上記した各実施形態では、波長変換導光部材に量子ドット蛍光体を含有させた構成のものを例示したが、他の種類の蛍光体を波長変換導光部材に含有させるようにしても構わない。例えば、波長変換導光部材に含有させる蛍光体として硫化物蛍光体を用いることができ、具体的には緑色蛍光体としてSrGa2S4:Eu2+を、赤色蛍光体として(Ca,Sr,Ba)S:Eu2+を、それぞれ用いることが可能である。
(26)上記した(25)以外にも、波長変換導光部材に含有させる緑色蛍光体を、(Ca,Sr,Ba) 3SiO4:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+、Ca3Sc2Si3O12:Ce3+などとすることができる。また、波長変換導光部材に含有させる赤色蛍光体を、(Ca,Sr,Ba) 2SiO5N8:Eu2+、CaAlSiN3:Eu2+、複フッ化物蛍光体(マンガン付活のケイフッ化カリウム(K2TiF6)など)などとすることができる。さらには、波長変換導光部材に含有させる黄色蛍光体を、(Y,Gd) 3 (Al,Ga) 5O12:Ce3+(通称 YAG:Ce3+)、α−SiAlON:Eu2+、(Ca,Sr,Ba) 3SiO4:Eu2+などとすることができる。
(27)上記した(25),(26)以外にも、波長変換導光部材に含有させる蛍光体として有機蛍光体を用いることができる。有機蛍光体としては、例えばトリアゾールまたはオキサジアゾールを基本骨格とした低分子の有機蛍光体を用いることができる。
(28)上記した(25),(26),(27)以外にも、波長変換導光部材に含有させる蛍光体としてドレスト光子(近接場光)を介したエネルギー移動によって波長変換を行う蛍光体を用いることも可能である。この種の蛍光体としては、具体的には、直径3nm〜5nm(好ましくは4nm程度)の酸化亜鉛量子ドット(ZnO−QD)にDCM色素を分散・混合させた構成の蛍光体を用いるのが好ましい。
(29)上記した各実施形態以外にも、LEDに備えられる青色LED素子の発光スペクトル(ピーク波長の数値、ピークの半値幅の数値など)に関しては、適宜に変更することが可能である。同様に、波長変換導光部材に含有される各蛍光体の発光スペクトル(ピーク波長の数値、ピークの半値幅の数値など)を適宜に変更することが可能である。
(30)上記した各実施形態では、LEDを構成する青色LED素子の材料としてInGaNを用いた場合を示したが、他のLED素子の材料として、例えばGaN、AlGaN、GaP、ZnSe、ZnO、AlGaInPなどを用いることも可能である。
(31)上記した各実施形態では、シャーシが金属製とされた場合を例示したが、シャーシを合成樹脂製とすることも可能である。
(32)上記した各実施形態では、光源としてLEDを用いたものを示したが、有機ELやレーザダイオードなどの他の光源を用いることも可能である。
(33)上記した各実施形態では、液晶パネル及びシャーシがその短辺方向を鉛直方向と一致させた縦置き状態とされるものを例示したが、液晶パネル及びシャーシがその長辺方向を鉛直方向と一致させた縦置き状態とされるものも本発明に含まれる。
(34)上記した各実施形態では、液晶表示装置のスイッチング素子としてTFTを用いたが、TFT以外のスイッチング素子(例えば薄膜ダイオード(TFD))を用いた液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示装置にも適用可能である。
(35)上記した各実施形態では、透過型の液晶表示装置を例示したが、それ以外にも反射型の液晶表示装置や半透過型の液晶表示装置にも本発明は適用可能である。
(36)上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネルを用いた表示装置にも本発明は適用可能である。
(37)上記した各実施形態では、チューナーを備えたテレビ受信装置を例示したが、チューナーを備えない表示装置にも本発明は適用可能である。具体的には、電子看板(デジタルサイネージ)や電子黒板として使用される液晶表示装置にも本発明は適用することができる。
(38)上記した実施形態7では、波長変換導光部材の蛍光体非含有部が紫外線硬化性樹脂材料からなる場合を示したが、蛍光体非含有部の材料を紫外線硬化性樹脂材料以外の合成樹脂材料やガラス材料などとすることも可能である。その場合、蛍光体非含有部の材料は、ほぼ透明など優れた透光性を有していて、光を吸収し難い特性を持つのが好ましい。また、蛍光体非含有部を空気層により構成することも可能である。また、容器におけるLEDから最も遠い部分を選択的に中空にせずに中実構造とし、その中実部分(容器を構成する材料で満たされた部分)を蛍光体非含有部とすることも可能である。この場合は、蛍光体非含有部が容器に一体化されていることになる。
(39)上記した各実施形態(実施形態2,6,14を除く)では、波長変換導光部材の蛍光体含有部において蛍光体の含有濃度が互いに異なる各蛍光体含有部が、長さ方向についてほぼ同じ形成範囲とされる場合を示したが、各蛍光体含有部に、長さ方向についての形成範囲が異なるものが含まれていても構わない。同様に、実施形態7に記載された蛍光体非含有部における長さ方向についての形成範囲は、各蛍光体含有部の同形成範囲よりも広かったり狭かったりしていても構わない。
(40)上記した実施形態2,6,14に記載した構成(蛍光体の含有濃度が一定となる構成)に、実施形態7に記載した構成(蛍光体非含有部)を組み合わせることも可能である。その場合、さらに上記した(38)に記載した事項を組み合わせることも可能である。
(41)上記した実施形態2,6,14に記載した構成(蛍光体の含有濃度が一定となる構成)に、実施形態3〜5に記載した各構成を適宜に組み合わせることも可能である。また、上記した実施形態3,4に記載した構成に、実施形態5〜7に記載した構成を適宜に組み合わせることも可能である。また、上記した実施形態5,6に記載した構成に、実施形態7に記載した構成を適宜に組み合わせることも可能である。
(42)上記した実施形態1〜7では、波長変換導光部材における一側面の大部分が導光板と対向する導光板対向面とされるものの、一側面のごく一部(長さ方向の両端部)が導光板とは対向しない構成を示したが、波長変換導光部材における一側面の全域が導光板対向面とされる構成であっても構わない。同様に、波長変換導光部材における一端面の大部分(一部)をLED対向面としたり、同一端面の全域をLED対向面とすることも可能である。
(43)上記した各実施形態において、LEDと波長変換導光部材とを相互に固定してユニット化を図ることも可能である。その場合、LEDと波長変換導光部材との間に例えば紫外線硬化樹脂などを介在させることで相互の固定を図るのが好ましい。
(44)上記した実施形態8〜16において、バックライト装置内において光出射部の直下位置にてY軸方向に沿って並ぶ波長変換導光部材の設置数(並び数)は適宜に変更可能であり、奇数に限らず偶数とすることも勿論可能である。
(45)上記した実施形態8〜16において、波長変換導光部材の具体的な断面形状は適宜に変更可能であり、例えば波長変換導光部材の断面形状が楕円形、半楕円形、台形、方形などであっても構わない。
(46)上記した実施形態8〜16において、波長変換導光部材とシャーシの底部との間に介在する反射シートを省略することも可能である。
(47)上記した実施形態8〜16において、Y軸方向に沿って並ぶLED(光源)の設置数と、Y軸方向に沿って並ぶ波長変換導光部材の設置数と、が異なる関係であってもよい。LEDの設置数を波長変換導光部材の設置数よりも少なくする場合には、1つのLEDが複数の波長変換導光部材の入光面と対向する配置を採ればよい。逆に、LEDの設置数を波長変換導光部材の設置数よりも多くする場合には、1本の波長変換導光部材の入光面に対して複数のLEDが対向する配置を採ればよい。
(48)上記した実施形態8〜12,14〜16では、波長変換導光部材の外周面(側面)における出光面と反対面との面積比が概ね等しい場合を示したが、波長変換導光部材の外周面における出光面と反対面との面積比が不等となっていて、出光面が反対面よりも面積比が大きい場合や出光面が反対面よりも面積比が小さい場合でもよい。
(49)上記した実施形態8〜16に記載した構成に、実施形態4に記載された構成を組み合わせて、X軸方向に沿って2本の波長変換導光部材が並ぶ配置構成を採ることも可能である。
(50)上記した実施形態8〜12,14〜16に記載した構成に、実施形態7に記載した構成(蛍光体非含有部)を組み合わせることも可能である。
(51)上記した実施形態12では、波長変換導光部材が蛍光体の配合比率(出射光の色度)が異なる2種類にランク分けした場合を示したが、波長変換導光部材を3種類以上にランク分けし、それらランクが異なる波長変換導光部材が互いに隣り合うよう配置することも可能である。
(52)上記した実施形態14,15に記載した技術事項に、実施形態2に記載した技術事項を組み合わせて、容器を一定の太さとしつつも蛍光体含有部の容積(容器の厚さ)を長さ方向について可変とすることも可能である。
(53)上記した実施形態16では、波長変換導光部材が片側入光タイプとされる場合において。LEDが千鳥状に平面配置される場合を示したが、全てのLEDが波長変換導光部材の片端側に偏在し、Y軸方向に沿って一列に並ぶ配置とすることも可能である。
(54)上記した実施形態8〜16に記載した構成を複数適宜に組み合わせることも可能である。